Some content of this application is unavailable at the moment.
If this situation persist, please contact us atFeedback&Contact
1. (WO2019026532) REFRIGERATION CYCLE DEVICE
Document

明 細 書

発明の名称 冷凍サイクル装置 0001  

技術分野

0002  

背景技術

0003  

先行技術文献

特許文献

0004  

発明の概要

0005   0006   0007   0008   0009   0010  

図面の簡単な説明

0011  

発明を実施するための形態

0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117   0118   0119   0120   0121   0122   0123   0124   0125   0126   0127   0128   0129   0130   0131   0132   0133   0134   0135   0136   0137   0138   0139   0140   0141   0142   0143   0144   0145   0146   0147   0148   0149   0150   0151   0152   0153   0154   0155   0156   0157   0158   0159   0160   0161   0162   0163   0164   0165   0166   0167   0168   0169   0170   0171   0172  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10  

図面

1   2   3   4   5   6  

明 細 書

発明の名称 : 冷凍サイクル装置

関連出願の相互参照

[0001]
 本出願は、2017年7月31日に出願された日本特許出願番号2017-148190号に基づくもので、ここにその記載内容を援用する。

技術分野

[0002]
 本開示は、冷凍サイクル装置に関する。

背景技術

[0003]
 従来、特許文献1には、空調装置に適用された冷凍サイクル装置が記載されている。この冷凍サイクル装置では、暖房モードと冷房モードとで冷媒回路を切り替えることができる。そして、暖房モード時には、室外熱交換器へ低圧冷媒を流入させて、室外熱交換器を蒸発器として機能させる。また、冷房モード時には、室外熱交換器へ高圧冷媒を流入させて、室外熱交換器を放熱器として機能させる。

先行技術文献

特許文献

[0004]
特許文献1 : 特開2012-225637号公報

発明の概要

[0005]
 このように、運転モードに応じて冷媒回路を切り替え、同一の熱交換器へ、高圧冷媒あるいは低圧冷媒を流入させることによって、当該熱交換器の機能を変化させる構成では、冷媒回路に圧力調整弁や切替弁が必要となるため、冷媒回路が複雑になってしまうとともに、冷媒回路の切り替えのための複雑な制御も必要となってしまうおそれがある。
[0006]
 本開示は、上記点に鑑み、熱交換対象流体を加熱する加熱モードと冷却する冷却モードとを切り替え可能に構成された冷凍サイクル装置において、サイクル構成を簡素化することができる冷凍サイクル装置を提供することを目的とする。
[0007]
 本開示の一態様による冷凍サイクル装置は、圧縮機と、加熱用放熱器と、熱媒体用放熱器と、減圧部と、蒸発器と、放熱量調整部と、を有する。圧縮機は、冷媒を圧縮して吐出する。加熱用放熱器は、圧縮機から吐出された高圧冷媒の有する熱を熱交換対象流体に放熱させる。熱媒体用放熱器は、圧縮機から吐出された高圧冷媒の有する熱を高温側熱媒体に放熱させる。減圧部は、加熱用放熱器及び熱媒体用放熱器の下流側の冷媒を減圧させる。蒸発器は、減圧部にて減圧された冷媒を、熱交換対象流体の有する熱を吸熱させることによって蒸発させる。放熱量調整部は、加熱用放熱器にて高圧冷媒が熱交換対象流体へ放熱する放熱量を調整する。放熱量調整部は、熱交換対象流体を加熱する加熱モードでは、加熱用放熱器における放熱量を熱媒体用放熱器における放熱量よりも増加させる。放熱量調整部は、熱交換対象流体を冷却する冷却モードでは、加熱モードよりも、加熱用放熱器における放熱量を減少させる。
[0008]
 これによれば、放熱量調整部が、加熱用放熱器における高圧冷媒の有する熱の熱交換対象流体への放熱量を調整することにより、冷凍サイクル装置の冷媒回路を切り替えること無く、冷却対象流体を加熱する加熱モードと冷却する冷却モードとを切り替えることができる。
[0009]
 つまり、加熱用放熱器における放熱量を増加させ、加熱用放熱器にて熱交換対象流体を加熱することで加熱モードを実現することができ、加熱用放熱器における放熱量を減らし、蒸発器にて熱交換対象流体を冷却することで冷却モードを実現することができる。このため、運転モードに応じて、同一の熱交換器の機能を変化させる必要がなく、冷凍サイクル装置の冷媒回路を切り替えるための圧力調整弁や切替弁が不要となる。
[0010]
 この結果、冷凍サイクル装置のサイクル構成を簡素化することができるとともに、冷凍サイクル装置の冷媒回路の切り替えのための複雑な制御も不要となる。よって、加熱モードと冷却モードとを切り替え可能に構成された冷凍サイクル装置において、回路構成及び切替制御を簡素化することができる冷凍サイクル装置を提供することができる。

図面の簡単な説明

[0011]
[図1] 本開示の少なくとも1つの実施形態に空調装置の全体構成図である。
[図2] 本開示の少なくとも1つの実施形態の空調装置の電気制御部を示すブロック図である。
[図3] 冷凍サイクル装置を循環する冷媒の量を示したグラフである。
[図4] 本開示の少なくとも1つの実施形態に係る空調装置の全体構成図である。
[図5] 本開示の少なくとも1つの実施形態に係る空調装置の全体構成図である。
[図6] 本開示の少なくとも1つの実施形態に係る空調装置の全体構成図である。

発明を実施するための形態

[0012]
 以下に、図面を参照しながら本開示を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。各実施形態で具体的に組合せが可能であることを明示している部分同士の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、明示してなくとも実施形態同士を部分的に組み合せることも可能である。
[0013]
 (第1実施形態)
 図1及び図2を用いて、本開示の第1実施形態の冷凍サイクル装置10が搭載された空調装置1について説明する。図1に示す空調装置1は、車両用空調装置に適用されている。車両用空調装置は、車室内空間を適切な温度に調整する空調装置である。本実施形態の空調装置1は、エンジン(換言すれば内燃機関)及び走行用電動モータから車両走行用の駆動力を得るハイブリッド自動車に搭載されている。
[0014]
 本実施形態のハイブリッド自動車は、車両停車時に外部電源(換言すれば商用電源)から供給された電力を、車両に搭載された電池(換言すれば車載バッテリ)に充電可能なプラグインハイブリッド自動車として構成されている。電池としては、例えばリチウムイオン電池を用いることができる。
[0015]
 エンジンから出力される駆動力は、車両走行用として用いられるのみならず、発電機を作動させるためにも用いられる。そして、発電機にて発電された電力及び外部電源から供給された電力を電池に蓄えることができ、電池に蓄えられた電力は、走行用電動モータのみならず、冷凍サイクル装置10を構成する電動式構成機器をはじめとする各種車載機器に供給される。
[0016]
 空調装置1は、空調対象空間である車室内を冷房する冷房モード(即ち、熱交換対象流体である送風空気を冷却する冷却モード)の運転と、車室内を暖房する暖房モード(即ち、熱交換対象流体である送風空気を加熱する加熱モード)の運転とを切り替えることができる。空調装置1は、冷凍サイクル装置10、高温側熱媒体流路20、低温側熱媒体流路30、及び室内空調ユニット40とから構成されている。
[0017]
 冷凍サイクル装置10は、冷媒流路9に、圧縮機11、室内凝縮器12(加熱用放熱器)、室外凝縮器13(熱媒体用放熱器)、減圧弁14(減圧部)、蒸発器15、アキュムレータ16(貯液部)を、この並び順で配置したものである。本実施形態の冷凍サイクル装置10では、冷媒としてフロン系冷媒を用いており、高圧冷媒圧力が冷媒の臨界圧力を超えない亜臨界冷凍サイクルを構成している。
[0018]
 圧縮機11は、電池から供給される電力によって駆動される電動圧縮機であり、冷凍サイクル装置10の冷媒を吸入して圧縮して吐出する。圧縮機11は、制御装置50から出力された制御信号によってその作動が制御される。
[0019]
 圧縮機11の吐出口には、室内凝縮器12の冷媒入口側が接続されている。室内凝縮器12は、後述する室内空調ユニット40のケーシング41内に配置されている。室内凝縮器12は、少なくとも暖房モード時に、圧縮機11から吐出された高温高圧の冷媒(以下、高圧冷媒と略す)と熱交換対象流体である送風空気とを熱交換させて、高圧冷媒の有する熱を送風空気に放熱させて、送風空気を加熱する加熱用放熱器である。高圧冷媒の有する熱が送風空気に放熱される際に、高圧冷媒が凝縮する。
[0020]
 室内凝縮器12の冷媒出口側には、室外凝縮器13の冷媒入口側が接続されている。室外凝縮器13は、車室外に配置されている。室外凝縮器13は、少なくとも冷房モード時に、室内凝縮器12から流出した高圧冷媒と高温側熱媒体流路20内を流通する高温側熱媒体である冷却水とを熱交換させることによって、高圧冷媒の有する熱を冷却水に放熱させる熱媒体用放熱器である。
[0021]
 高温側熱媒体流路20内を流通する冷却水や、後述の低温側熱媒体流路30を流通する冷却水は、少なくともエチレングリコール、ジメチルポリシロキサンもしくはナノ流体を含む液体、又は不凍液体が用いられている。
[0022]
 高温側熱媒体流路20は、室外凝縮器13と後述する高温側ラジエータ22との間で冷却水を循環させる環状の流路である。高温側熱媒体流路20には、室外凝縮器13、加熱装置24、高温側三方弁23、高温側ラジエータ22、及び高温側ポンプ21が、この並び順に配置されている。
[0023]
 高温側ポンプ21は、冷却水を吸入して室外凝縮器13側へ吐出することによって、冷却水を高温側熱媒体流路20内で循環させる。高温側ポンプ21は電動式のポンプであり、高温側熱媒体流路20を循環する冷却水の流量を調整する高温側流量調整部である。
[0024]
 高温側ラジエータ22は、冷却水と高温側送風機26から送風された外気とを熱交換させるものである。つまり、高温側ラジエータ22にて、室外凝縮器13によって加熱された冷却水が外気と熱交換されて冷却される。
[0025]
 高温側送風機26は、ファンを電動モータにて駆動する電動送風機であり、制御装置50から出力された制御信号によってその作動が制御される。高温側ラジエータ22及び高温側送風機26は、車両ボンネット内の前方側に配置されている。従って、車両の走行時には高温側ラジエータ22に走行風を当てることができるようになっている。
[0026]
 高温側熱媒体流路20には、高温側ポンプ21によって吐出された冷却水を、高温側ラジエータ22を迂回させて流通させる高温側バイパス流路25が設けられている。高温側バイパス流路25の入口側は、高温側ラジエータ22の流入側に接続されている。高温側バイパス流路25の出口側は、高温側ラジエータ22の流出側に接続されている。
[0027]
 高温側三方弁23は、高温側バイパス流路25へ流入する冷却水の流量を調整することによって、高温側ラジエータ22に流入する冷却水の流量を調整する高温側調整弁である。高温側三方弁23は、制御装置50から出力される制御信号によって、その作動が制御される。
[0028]
 加熱装置24は、高温側熱媒体流路20の冷却水に熱を供給するものである。このような加熱装置24としては、作動時に発熱を伴う車載機器や、電力を供給されることによって、発熱するPTCヒータ(電気式のヒータ)等を採用することができる。より具体的には、車載機器としては、電池、周波数変換部であるインバータ、走行用の駆動力を出力する走行用電動モータを採用することができる。これらの車載機器は、高温側熱媒体流路20の冷却水に放熱することによって冷却される。
[0029]
 室外凝縮器13の冷媒出口側には、減圧弁14の冷媒入口側が接続されている。減圧弁14は、室外凝縮器13から流出した液相冷媒を減圧膨張させる減圧部である。つまり、減圧弁14は室内凝縮器12及び室外凝縮器13の下流側の冷媒を減圧させる。
[0030]
 減圧弁14は、制御装置50から出力される制御信号によって、その作動が制御される電気式の可変絞り機構であり、弁体と電動アクチュエータとを有している。弁体は、冷媒通路の通路開度(換言すれば絞り開度)を変更可能に構成されている。電動アクチュエータは、弁体の絞り開度を変化させるステッピングモータを有している。
[0031]
 減圧弁14の冷媒出口側には、蒸発器15の冷媒入口側が接続されている。蒸発器15は、減圧弁14にて減圧された低圧冷媒の有する熱と低温側熱媒体流路30を流通する低温側熱媒体である冷却水とを熱交換させることによって低圧冷媒を蒸発させるものである蒸発器15では、低圧冷媒が冷却水から吸熱して蒸発することによって、冷却水が冷却される。
[0032]
 低温側熱媒体流路30は、環状の流路であり、低温側熱媒体である冷却水が循環する。低温側熱媒体流路30には、蒸発器15、低温側ポンプ31、クーラコア流路三方弁32、及び低温側ラジエータ33が、この並び順に配置されている。
[0033]
 低温側ポンプ31は、冷却水を吸入して吐出する熱媒体ポンプである。低温側ポンプ31は電動式のポンプであり、低温側熱媒体流路30に循環する冷却水の流量を調整する低温側流量調整部である。
[0034]
 低温側熱媒体流路30には、低温側ポンプ31によって吐出された低温側熱媒体である冷却水を、低温側ラジエータ33を迂回させて流通させるクーラコア流路34が接続されている。クーラコア流路34の両端は、低温側ラジエータ33の流入側及び流出側の低温側熱媒体流路30に接続されている。
[0035]
 クーラコア流路三方弁32は、クーラコア流路34へ流入する低温側熱媒体である冷却水の流量を調整することによって、低温側ラジエータ33に流入する冷却水の流量を調整するクーラコア流量調整弁である。クーラコア流路三方弁32は、制御装置50から出力される制御信号によって、その作動が制御される。
[0036]
 低温側ラジエータ33は、低温側熱媒体である冷却水と低温側送風機36から送風された外気とを熱交換させるものである。従って、蒸発器15にて冷却された冷却水を、低温側ラジエータ33へ流入させて外気と熱交換させることによって、低温の冷却水に外気から吸熱させることができる。
[0037]
 低温側送風機36は、低温側ラジエータ33へ向けて外気を送風する。低温側送風機36は、ファンを電動モータにて駆動する電動送風機であり、制御装置50から出力された制御信号によってその作動が制御される。低温側ラジエータ33及び低温側送風機36は、高温側ラジエータ22及び高温側送風機26と同様に、車両ボンネット内の前方側に配置されている。従って、車両の走行時には低温側ラジエータ33に走行風を当てることができるようになっている。
[0038]
 クーラコア35は、低温側熱媒体流路30の冷却水と車室内へ送風される熱交換対象流体である送風空気とを熱交換させるものである。従って、蒸発器15にて冷却された冷却水を、クーラコア35へ流入させることによって、送風空気を冷却することができる。つまり、本実施形態の蒸発器15では、送風空気の有する熱を、冷却水を介して、減圧弁14にて減圧された冷媒に吸熱させて、この冷媒を蒸発させることができる。
[0039]
 蒸発器15の冷媒出口側には、アキュムレータ16の冷媒入口側が接続されている。つまり、アキュムレータ16は、蒸発器15と圧縮機11との間、つまり、圧縮機11の上流側に設けられている。アキュムレータ16は、内部に流入した冷媒の気液を分離する気液分離部であるとともに、サイクル内の余剰冷媒を蓄える貯液部である。
[0040]
 アキュムレータ16の気相冷媒出口には、圧縮機11の吸入口側が接続されている。従って、アキュムレータ16は、圧縮機11に液相冷媒が吸入されることを抑制し、圧縮機11における液圧縮を防止する機能を果たす。
[0041]
 さらに、本実施形態の冷凍サイクル装置10では、冷房モード時にサイクルを循環する必要冷媒流量が、暖房モード時にサイクルを循環させる必要冷媒流量よりも多くなる。従って、暖房モード時には、サイクル内の余剰液相冷媒を貯えて必要冷媒流量の変動を吸収する機能を果たす。
[0042]
 次に、室内空調ユニット40について説明する。室内空調ユニット40は、冷凍サイクル装置10によって温度調整された送風空気を空調対象空間である車室内へ吹き出すためのものである。室内空調ユニット40は、車室内最前部の計器盤(インストルメントパネル)の内側に配置されている。室内空調ユニット40は、その外殻を形成するケーシング41内に、クーラコア35及び室内凝縮器12等を収容することによって構成されている。
[0043]
 ケーシング41は、空調対象空間である車室内に送風される送風空気の空気通路を形成する空気通路形成部である。ケーシング41は、ある程度の弾性を有し、強度的にも優れた樹脂(例えば、ポリプロピレン)にて成形されている。ケーシング41内の送風空気流れ最上流側には、ケーシング41内へ内気(空調対象空間内の空気)と外気(空調対象空間外の空気)とを切替導入する内外気切替部としての内外気切替装置43が配置されている。
[0044]
 内外気切替装置43には、ケーシング41内へ内気を導入させる内気導入口43bとケーシング41内へ外気を導入させる外気導入口43cが形成されている。また、内外気切替装置43には、内外気切替ドア43aが揺動可能に設けられている。内外気切替ドア43aは、制御装置50から出力される制御信号によって、その作動が制御される電動アクチュエータによって駆動される。
[0045]
 内外気切替装置43は、内外気切替ドア43aによって、外気モードと内気モードとを切り替える。外気モードは、内外気切替ドア43aによって内気導入口43bが閉塞されるとともに外気導入口43cが開放されて、ケーシング41に空調対象空間外の空気である外気を導入されるモードである。内気モードは、内外気切替ドア43aによって外気導入口43cが閉塞されるとともに内気導入口43bが開放されて、ケーシング41に空調対象空間内の空気である内気が導入されるモードである。
[0046]
 また、内外気切替装置43は、内気導入口43b及び外気導入口43cの開口面積を、内外気切替ドア43aによって連続的に調整して、内気の風量と外気の風量との風量割合を連続的に変化させることができる。
[0047]
 内外気切替装置43の送風空気流れ下流側には、内外気切替装置43を介して吸入した空気を空調対象空間内へ向けて送風する空調用送風機42が配置されている。この空調用送風機42は、遠心多翼ファン(シロッコファン)を電動モータにて駆動する電動送風機であって、制御装置50から出力される制御電圧によって回転数(送風量)が制御される。
[0048]
 ケーシング41内に形成された空気通路のうち、空調用送風機42の送風空気流れ下流側にはクーラコア35が配置されている。更に、ケーシング41内に形成された空気通路のクーラコア35の下流側は、二股に分岐されていて、室内凝縮器通路45と冷風バイパス通路46とが並列に形成されている。
[0049]
 室内凝縮器通路45内には、室内凝縮器12が配置されている。つまり、室内凝縮器通路45は、室内凝縮器12にて冷媒と熱交換する送風空気を流通させる空気通路である。クーラコア35と室内凝縮器12が送風空気流れに対して、この順に配置されている。換言すると、クーラコア35は、室内凝縮器12よりも送風空気流れ上流側に配置されている。室内凝縮器通路45は、送風空気をクーラコア35→室内凝縮器12の順に流す空気通路の一部を構成している。
[0050]
 冷風バイパス通路46は、クーラコア35を通過した送風空気を、室内凝縮器12を迂回させて下流側へ流す空気通路である。
[0051]
 クーラコア35の送風空気流れ下流側であって、かつ、室内凝縮器12の送風空気流れ上流側には、制御装置50から出力された制御信号によって、クーラコア35通過後の送風空気のうち室内凝縮器12を通過させる風量割合を調整するエアミックスドア44が配置されている。
[0052]
 室内凝縮器通路45及び冷風バイパス通路46の合流部の下流側のケーシング41内には、混合流路47が形成されている。混合流路47内において、室内凝縮器12にて加熱された送風空気と冷風バイパス通路46を通過して室内凝縮器12にて加熱されていない送風空気とが混合される。
[0053]
 更に、ケーシング41の送風空気流れ最下流部には、混合空間にて混合された送風空気(空調風)を、空調対象空間である車室内へ吹き出すための複数の開口穴が配置されている。
[0054]
 これらの開口穴としては、具体的に、フェイス開口穴、フット開口穴、デフロスタ開口穴(いずれも図示せず)が設けられている。フェイス開口穴は、空調対象空間である車室内の乗員の上半身に向けて空調風を吹き出すための開口穴である。フット開口穴は、乗員の足元に向けて空調風を吹き出すための開口穴である。デフロスタ開口穴は、車両前面窓ガラス内側面に向けて空調風を吹き出すための開口穴である。
[0055]
 更に、フェイス開口穴、フット開口穴及びデフロスタ開口穴の送風空気流れ下流側は、それぞれ空気通路を形成するダクトを介して、空調対象空間である車室内に設けられたフェイス吹出口、フット吹出口及びデフロスタ吹出口(いずれも図示せず)に接続されている。
[0056]
 従って、エアミックスドア44が、室内凝縮器12を通過させる風量と冷風バイパス通路46を通過させる風量との風量割合を調整することによって、混合空間にて混合される空調風の温度が調整されて、各吹出口から空調対象空間である車室内へ吹き出される空調風の温度が調整される。
[0057]
 つまり、エアミックスドア44は、空調対象空間である車室内へ送風される空調風の温度を調整する温度調整部としての機能を果たす。エアミックスドア44は、エアミックスドア駆動用の電動アクチュエータを有している。この電動アクチュエータは、制御装置50から出力される制御信号によって、その作動が制御される。
[0058]
 そして、エアミックスドア駆動用の電動アクチュエータが、室内凝縮器通路45を開き、冷風バイパス通路46を閉じるようにエアミックスドア44を変位させると、クーラコア35を通過した送風空気が室内凝縮器12に送風され、室内凝縮器12において高圧冷媒の有する熱を送風空気へ放熱させることができる。
[0059]
 一方、冷風バイパス通路46を開き、室内凝縮器通路45を閉じるようにエアミックスドア44を変位させると、室内凝縮器12では高圧冷媒の有する熱を送風空気に放熱させることができなくなる。従って、エアミックスドア44は、室内凝縮器12にて高圧冷媒が送風空気へ放熱する放熱量を調整する放熱量調整部としての機能を果たす。
[0060]
 フェイス開口穴、フット開口穴、及びデフロスタ開口穴の送風空気流れ上流側には、それぞれ、フェイス開口穴の開口面積を調整するフェイスドア、フット開口穴の開口面積を調整するフットドア、デフロスタ開口穴の開口面積を調整するデフロスタドア(いずれも図示せず)が配置されている。
[0061]
 これらのフェイスドア、フットドア、デフロスタドアは、吹出口モードを切り替える吹出口モード切替ドアを構成するものである。フェイスドア、フットドア、デフロスタドアは、それぞれリンク機構等を介して、吹出口モードドア駆動用の電動アクチュエータに連結されて連動して回転操作される。この電動アクチュエータも、制御装置50から出力される制御信号によって、その作動が制御される。
[0062]
 吹出口モード切替ドアによって切り替えられる吹出口モードとしては、具体的に、フェイスモード、バイレベルモード、フットモード等がある。
[0063]
 フェイスモードは、フェイス吹出口を全開にしてフェイス吹出口から車室内乗員の上半身に向けて送風空気を吹き出す吹出口モードである。バイレベルモードは、フェイス吹出口とフット吹出口の両方を開口して車室内乗員の上半身と足元に向けて送風空気を吹き出す吹出口モードである。フットモードは、フット吹出口を全開にしてフット吹出口から車室内乗員の足元に向けて送風空気を吹き出す吹出口モードである。
[0064]
 更に、乗員が、図2に示す操作部60に設けられた吹出モード切替スイッチをマニュアル操作することによって、デフロスタ吹出口を全開してデフロスタ吹出口から車両フロント窓ガラス内面に送風空気を吹き出すデフロスタモードとすることもできる。
[0065]
 次に、本実施形態の空調装置1の電気制御部の概要について説明する。図2に示す制御装置50は、CPU、ROM及びRAM等を含む周知のマイクロコンピュータとその周辺回路から構成されている。制御装置50は、ROM内に記憶された制御プログラムに基づいて各種演算、処理を行う。制御装置50の出力側には各種制御対象機器が接続されている。制御装置50は、各種制御対象機器の作動を制御する制御部である。
[0066]
 制御装置50によって制御される制御対象機器は、圧縮機11、減圧弁14、高温側ポンプ21、高温側三方弁23、高温側送風機26、低温側ポンプ31、クーラコア流路三方弁32、低温側送風機36、空調用送風機42、内外気切替ドア43a、エアミックスドア44等である。
[0067]
 なお、制御装置50は、その出力側に接続された各種制御対象機器を制御する制御部が一体に構成されたものである。そして、制御装置50のうち、それぞれの制御対象機器の作動を制御する構成(ハードウェア及びソフトウェア)が、それぞれの制御対象機器の作動を制御する制御部を構成している。例えば、制御装置50のうちエアミックスドア44を制御するソフトウェア及びハードウェアは、放熱量制御部60aである。
[0068]
 制御装置50の入力側には、内気温度センサ51、外気温度センサ52、及び日射量センサ53等の種々の制御用センサ群が接続されている。内気温度センサ51は車室内温度Trを検出する。外気温度センサ52は外気温Tamを検出する。日射量センサ53は車室内の日射量Tsを検出する。
[0069]
 制御装置50の入力側には、操作部60が接続されている。操作部60は乗員によって操作される。操作部60は車室内前部の計器盤付近に配置されている。制御装置50には、操作部60からの操作信号が入力される。操作部60には、エアコンスイッチ、温度設定スイッチ等が設けられている。エアコンスイッチは、室内空調ユニットにて送風空気の冷却を行うか否かを設定する。温度設定スイッチは、車室内の設定温度を設定する。
[0070]
 次に、上記構成における作動を説明する。制御装置50は、制御用センサ群によって検出された検出信号及び操作部60からの操作信号に基づいて、車室内へ送風させる送風空気の目標吹出温度TAOを算出する。そして、目標吹出温度TAO等に基づいて、運転モードを切り替える。さらに、本実施形態では、外気温が予め定めた基準外気温以下となる極低温時には、極低温時暖房モードに切り替える。以下に、各運転モードについて説明する。
[0071]
 (冷房モード)
 冷房モードでは、制御装置50は、検出信号及び目標吹出温度TAO等に基づいて、各種制御対象機器の作動状態(各種制御機器へ出力する制御信号)を決定する。具体的には、制御装置50は、予め定めた冷房モード時の吐出能力を発揮するように、圧縮機11、高温側ポンプ21、及び低温側ポンプ31を作動させる。制御装置50は、予め定めた冷房モード用の絞り開度となるように減圧弁14へ出力される制御信号を決定する。
[0072]
 制御装置50は、高温側バイパス流路25を閉塞して、冷却水が高温側ラジエータ22の流入するように高温側三方弁23の作動を制御する。制御装置50は、クーラコア流路34を開いて、冷却水がクーラコア35へ流入するようにクーラコア流路三方弁32の作動を制御する。
[0073]
 さらに、制御装置50は、室内凝縮器通路45を閉塞し(図1の実線で示す状態)、クーラコア35を通過した送風空気の全流量が、冷風バイパス通路46へ流入するようにエアミックスドア44の作動を制御する。
[0074]
 従って、冷房モードの冷凍サイクル装置10では、圧縮機11から吐出された高圧冷媒が、室内凝縮器12へ流入する。冷房モードでは、エアミックスドア44が冷風バイパス通路46へ送風空気を流入させるように変位している。従って、室内凝縮器12へ流入した高圧冷媒は、送風空気へ殆ど放熱することなく、室内凝縮器12から流出する。
[0075]
 室内凝縮器12から流出した高圧冷媒は、室外凝縮器13へ流入する。暖房モードでは、高温側三方弁23が高温側ラジエータ22へ冷却水を流入させるように切り替えられている。従って、室外凝縮器13へ流入した高圧冷媒は、高温側ラジエータ22にて冷却された冷却水へ放熱して凝縮する。これにより、室外凝縮器13にて高圧冷媒の有する熱が冷却水に吸熱される。
[0076]
 このため、冷房モードでは、室内凝縮器12における高圧冷媒の放熱量が、室外凝縮器13における高圧冷媒の放熱量よりも少なくなっている。
[0077]
 室外凝縮器13から流出した高圧冷媒は、減圧弁14へ流入する。この際、減圧弁14が減圧作用を発揮する絞り状態となっているので、減圧弁14へ流入した冷媒は、減圧されて低圧冷媒となる。
[0078]
 ポンプ31が作動している。従って、蒸発器15へ流入した低圧冷媒は、低温側熱媒体流路30内を循環する冷却水から吸熱して蒸発する。これにより、低温側熱媒体流路30内を循環する冷却水が冷却される。
[0079]
 さらに、冷房モードでは、クーラコア流路三方弁32がクーラコア35へ冷却水を流入させるように切り替えられている。従って、蒸発器15にて冷却された冷却水は、クーラコア35にて送風空気と熱交換して吸熱する。これにより、送風空気が冷却される。
[0080]
 蒸発器15から流出した冷媒は、アキュムレータ16へ流入して気液分離される。アキュムレータ16にて分離された気相冷媒は、圧縮機11へ吸入されて再び圧縮される。
[0081]
 以上の如く、冷房モードでは、クーラコア35にて冷却された送風空気を車室内へ吹き出すことができる。これにより、車室内の冷房を実現することができる。
[0082]
 (暖房モード)
 暖房モードでは、制御装置50は、検出信号及び目標吹出温度TAO等に基づいて、各種制御対象機器の作動状態(各種制御機器へ出力する制御信号)を決定する。具体的には、制御装置50は、予め定めた暖房モード時の吐出能力を発揮するように、圧縮機11、高温側ポンプ21、及び低温側ポンプ31を作動させる。制御装置50は、予め定めた暖房モード用の絞り開度となるように減圧弁14へ出力される制御信号を決定する。
[0083]
 制御装置50は、高温側バイパス流路25を閉塞して、冷却水が高温側ラジエータ22の流入するように高温側三方弁23の作動を制御する。制御装置50は、クーラコア流路34を閉塞して、冷却水が低温側ラジエータ33へ流入するようにクーラコア流路三方弁32の作動を制御する。
[0084]
 さらに、制御装置50は、冷風バイパス通路46を閉塞し(図1の破線で示す状態)、クーラコア35を通過した送風空気の全流量が、室内凝縮器通路45へ流入するようにエアミックスドア44の作動を制御する。従って、暖房モードでは、室内凝縮器12へ流入する送風空気の流量が冷房モードよりも増大する。換言すると、冷房モードでは、室内凝縮器12へ流入する送風空気の流量が暖房モードよりも減少する。
[0085]
 従って、暖房モードの冷凍サイクル装置10では、圧縮機11から吐出された高圧冷媒が、室内凝縮器12へ流入する。暖房モードでは、エアミックスドア44が室内凝縮器通路45へ送風空気を流入させるように変位している。従って、室内凝縮器12へ流入した高圧冷媒は、送風空気へ放熱して凝縮する。これにより、室内凝縮器通路45を流れる送風空気が加熱される。
[0086]
 室内凝縮器12から流出した高圧冷媒は、室外凝縮器13へ流入する。暖房モードでは、高温側三方弁23が高温側ラジエータ22へ冷却水を流入させるように切り替えられている。従って、室外凝縮器13へ流入した高圧冷媒は、冷房モードと同様に、高温側ラジエータ22にて冷却された冷却水へさらに放熱して凝縮する。これにより、室外凝縮器13にて高圧冷媒の有する熱が冷却水に吸熱される。
[0087]
 この際、暖房モードでは、室内凝縮器12における高圧冷媒の放熱量が、室外凝縮器13における高圧冷媒の放熱量よりも多くなっている。このため、暖房モードでは、室外凝縮器13の入口側の高圧冷媒の乾き度が、冷房モードよりも小さくなる。
[0088]
 さらに、暖房モードでは、冷却モードよりも、室内凝縮器12における高圧冷媒の放熱量が増加する。換言すると、冷却モードでは、暖房モードよりも、室内凝縮器12における高圧冷媒の放熱量が減少する。
[0089]
 室外凝縮器13から流出した高圧冷媒は、冷房モードと同様に、減圧弁14にて減圧されて低圧冷媒となる。
[0090]
 減圧弁14にて減圧された低圧冷媒は、蒸発器15へ流入する。暖房モードでは、低温側ポンプ31が作動している。従って、蒸発器15へ流入した低圧冷媒は、低温側熱媒体流路30内を循環する冷却水から吸熱して蒸発する。これにより、低温側熱媒体流路30内を循環する冷却水が冷却される。
[0091]
 さらに、暖房モードでは、クーラコア流路三方弁32が低温側ラジエータ33へ冷却水を流入させるように切り替えられている。従って、蒸発器15にて冷却された冷却水は、低温側ラジエータ33にて外気と熱交換して加熱される。蒸発器15から流出した冷媒は、アキュムレータ16へ流入して気液分離される。アキュムレータ16にて分離された気相冷媒は、圧縮機11へ吸入されて再び圧縮される。
[0092]
 以上の如く、暖房モードでは、室内凝縮器12で加熱された送風空気を車室内へ吹き出すことができる。これにより、車室内の暖房を実現することができる。さらに、室外凝縮器13にて冷媒を凝縮させて、凝縮させた冷媒を室外凝縮器13内に滞留させることができる。
[0093]
 (極低温時暖房モード)
 極低温時暖房モードでは、制御装置50は、暖房モードと同様に、各種制御対象機器の作動状態(各種制御機器へ出力する制御信号)を決定する。極低温時暖房モードでは、制御装置50は、高温側バイパス流路25を開いて、冷却水が高温側ラジエータ22を迂回して流れるように高温側三方弁23の作動を制御する。
[0094]
 従って、冷凍サイクル装置10では、圧縮機11から吐出された高圧冷媒が、室内凝縮器12へ流入する。暖房モードでは、エアミックスドア44が室内凝縮器通路45へ送風空気を流入させるように変位している。従って、室内凝縮器12へ流入した高圧冷媒は、送風空気へ放熱して凝縮する。これにより、室内凝縮器通路45を流れる送風空気が加熱される。ここで、極低温時には、室内凝縮器12へ流入する送風空気の温度が低い。このため、室内凝縮器12へ流入した高圧冷媒は、過冷却度を有する液相冷媒となる。
[0095]
 室内凝縮器12から流出した高圧冷媒は、室外凝縮器13へ流入する。極低温時暖房モードでは、高温側三方弁23が高温側バイパス流路25へ冷却水を流入させるように切り替えられている。従って、室外凝縮器13へ流入した高圧冷媒は、加熱装置24にて加熱された冷却水によって加熱される。以降の作動は、暖房モードと同様である。
[0096]
 以上の如く、極低温時暖房モードでは、室内凝縮器12で加熱された送風空気を車室内へ吹き出すことができる。これにより、車室内の暖房を実現することができる。さらに、室外凝縮器13にて冷媒を加熱して、サイクルの高圧側冷媒圧力を上昇させることができる。従って、室内凝縮器12における冷媒凝縮温度を上昇させて送風空気の温度を効率的に上昇させることができる。
[0097]
 以上説明したように、放熱用調整部であるエアミックスドア44は、暖房モード(加熱モード)では、室内凝縮器12における放熱量を室外凝縮器13における放熱量よりも増加させる。一方で、エアミックスドア44は、冷房モード(冷却モード)では、暖房モードよりも、室内凝縮器12における放熱量を減少させる。
[0098]
 このように、エアミックスドア44によって、室内凝縮器12における高圧冷媒の有する熱の送風空気への放熱量を調整することにより、冷凍サイクル装置10の冷媒回路を切り替えを要すること無く、暖房モードと冷房モードとを切り替えることができる。
[0099]
 つまり、室内凝縮器12における放熱量を増加させ、室内凝縮器12にて送風空気を加熱することで暖房モードを実現することができ、室内凝縮器12における放熱量を減少させ、蒸発器15における冷媒の吸熱作用によって送風空気を冷却することで冷房モードを実現することができる。
[0100]
 このため、運転モードに応じて冷媒回路を切り替えるための圧力調整弁や切替弁が不要となる。この結果、冷凍サイクル装置10のサイクル構成を簡素化できるとともに、サイクル装置10の冷媒回路の切り替えのための複雑な制御も不要となる。
[0101]
 また、エアミックスドア44は、暖房モードでは、室外凝縮器13の入り口側の冷媒の乾き度を、冷房モードより小さくする。これにより、暖房モード時に、室外凝縮器13において、液相の冷媒を滞留させることができる。
[0102]
 ここで、図3に示すように、本実施形態の冷凍サイクル装置10では、冷房モード時にサイクルを循環させる必要冷媒流量が、暖房モード時にサイクルを循環させる必要冷媒流量よりも多くなる。これに対して、上述したように、本実施形態の暖房モードでは、室外凝縮器13に、凝縮させた冷媒を貯留させることができる。
[0103]
 このため、本実施形態の冷凍サイクル装置10では、図3に示すように、従来の冷凍サイクル装置と比較して、アキュムレータ16の最低必要容量を低減させることができ、ひいては、アキュムレータ16の容量を低減させて、アキュムレータ16を小型化することができる。
[0104]
 さらに、室外凝縮器13に滞留させる冷媒量を増加させることによって、室外凝縮器13において冷凍サイクル装置10内を循環する冷媒の量の変動の全てを吸収させるように室内凝縮器12及び室外凝縮器13における放熱量を調整すれば、アキュムレータ16を廃止することもできる。これにより、より一層、冷凍サイクル装置10を小型化することができるとともに、冷凍サイクル装置10の製造コストを低減することができる。
[0105]
 上記の如く、アキュムレータ16を廃止することも可能であるが、本実施形態の冷凍サイクル装置10のようにアキュムレータ16を備えていることにより、運転モードの切り替えに伴う、冷凍サイクル装置10内を循環する必要冷媒流量の変動を、より一層確実に吸収することができる。
[0106]
 また、本実施形態の冷凍サイクル装置10では、エアミックスドア44が、室内凝縮器12を通過する送風空気の流量を調整する。そして、エアミックスドア44は、冷房モードでは、暖房モードよりも室内凝縮器12を通過する送風空気の流量を減少させる。これにより、室内凝縮器12における高圧冷媒の有する熱の送風空気への放熱量を調整する放熱量調整部を容易に構成することができる。
[0107]
 また、本実施形態の冷凍サイクル装置10では、極低温時暖房モード時に、加熱装置24が、室内凝縮器12から流出した高圧冷媒を加熱する。これにより、冷凍サイクル装置10の高圧側冷媒圧力を上昇させることができる。従って、室内凝縮器12における冷媒凝縮温度を上昇させて送風空気の温度を効率的に上昇させることができ、空調装置1の暖房性能を向上させることができる。
[0108]
 さらに、加熱装置24は、高温側熱媒体流路20に配置されて、冷却水を加熱することによって高圧冷媒を加熱する。これにより、簡素な構成で、極低温時暖房モード時に、高圧冷媒を加熱することができる。また、加熱装置24が車載機器である場合には、車載機器の排熱によって高圧冷媒を加熱することができるので、高圧冷媒を加熱するためのエネルギーが不要となる。
[0109]
 さらに、本実施形態の高温側熱媒体流路20には、高温側ラジエータ22、高温側バイパス流路25、及び高温側三方弁23を有している。これによれば、加熱装置24として車載機器が採用されている場合のように、加熱能力の調整が難しい場合であっても、冷却水の加熱量を容易に調整することができる。
[0110]
 また、本実施形態の冷凍サイクル装置10では、冷却水を外気と熱交換させて冷却する低温側ラジエータ33と、蒸発器15と低温側ラジエータ33との間で冷却水が循環する低温側熱媒体流路30と、冷却水を吐出して、冷却水を低温側熱媒体流路30内において循環させる低温側ポンプ31と、を有している。
[0111]
 これにより、低温側ラジエータ33において、低温側熱媒体流路30を循環する冷却水が外気と熱交換して加熱され、蒸発器15において、低圧冷媒が加熱された冷却水の有する熱を吸熱することができる。
[0112]
 また、本実施形態の低温側熱媒体流路30には、両端が低温側ラジエータ33の流入側及び流出側の低温側熱媒体流路30に接続され、低温側ポンプ31によって吐出された冷却水を低温側ラジエータ33を迂回させて流通させるクーラコア流路34が設けられている。このクーラコア流路34には、冷却水と送風空気とを熱交換させて、送風空気の有する熱を冷却水に吸熱させるクーラコア35が配置されている。
[0113]
 さらに、低温側熱媒体流路30には、クーラコア流路34へ流入する冷却水の流量、及び低温側ラジエータ33に流入する冷却水の流量を調整するクーラコア流路三方弁32が配置されている。
[0114]
 従って、冷房モード時には、クーラコア流路三方弁32が、クーラコア流路34を開放するとともに低温側熱媒体流路30の低温側ラジエータ33の流入側の流路を閉じることによって、クーラコア35に冷却水が循環して、クーラコア35でケーシング41を流通する送風空気を冷却することができる。
[0115]
 一方で、暖房モード時には、クーラコア流路三方弁32が、クーラコア流路34を閉塞するとともに低温側ラジエータ33の流入側の低温側熱媒体流路30を開放することによって、クーラコア35に冷却水が流れず、送風空気がクーラコア35で冷却されずに、室内凝縮器12に流入する。このため、暖房モード時において、送風空気がクーラコア35で無駄に冷却されることが防止され、空調装置1の暖房能力を向上させることができる。
[0116]
 また、本実施形態の冷凍サイクル装置10では、暖房モード時に、室内凝縮器12にて、高圧冷媒と送風空気とを熱交換させて送風空気を加熱する。これによれば、高圧冷媒の有する熱を直接的に送風空気へ放熱させることができるので、例えば、熱媒体等を介して、高圧冷媒の有する熱を間接的に送風空気へ放熱させる場合に対して、冷凍サイクル装置10の送風空気の加熱能力を向上させることができる。
[0117]
 (第2実施形態)
 以下に、図4を用いて、第2実施形態の空調装置2について、第1実施形態の空調装置1と異なる点について説明する。第2実施形態の空調装置2の冷凍サイクル装置10は、第1実施形態の空調装置1に対して、冷媒バイパス流路17及び冷媒三方弁18を追加したものである。その他の構成については第1実施形態の空調装置1と同じである。
[0118]
 冷媒バイパス流路17は、圧縮機11によって吐出された高圧冷媒を、室内凝縮器12を迂回させて、室外凝縮器13に流通させる流路である。冷媒バイパス流路17は、冷媒流路9の室内凝縮器12の流入側及び流出側に接続されている。
[0119]
 冷媒三方弁18は、冷媒バイパス流路17へ流入する高圧冷媒の流量を調整することによって、圧縮機11から吐出された高圧冷媒のうち室内凝縮器12に流入する高圧冷媒の流量と、圧縮機11から吐出された高圧冷媒のうち室外凝縮器13に流入する高圧冷媒の流量とを調整する流量調整弁である。
[0120]
 従って、冷媒三方弁18は、室内凝縮器12に流入する高圧冷媒の流量を調整することにより、室内凝縮器12における高圧冷媒の有する熱の送風空気への放熱量を調整することができる。従って、本実施形態の冷媒三方弁18は、室内凝縮器12にて高圧冷媒が送風空気へ放熱する放熱量を調整する放熱量調整部としての機能を果たす。
[0121]
 次に、上記構成における本実施形態の作動について説明する。冷媒三方弁18は、冷房モードでは、暖房モード(極低温時暖房モードを含む)よりも室内凝縮器12に流入する高圧冷媒の流量を減少させる。
[0122]
 より具体的には、本実施形態では、暖房モード時には、冷媒三方弁18は、冷媒バイパス流路17を閉塞するとともに、室内凝縮器12の流入側を開放する。これにより、圧縮機11によって吐出された高圧冷媒の全量が室内凝縮器12に流入し、室内凝縮器12において、高圧冷媒と送風空気とが熱交換して、送風空気が加熱される。
[0123]
 本実施形態では、冷房モード時には、冷媒三方弁18は、冷媒バイパス流路17を開放するとともに、室内凝縮器12の流入側を閉塞する。これにより、圧縮機11によって吐出された高圧冷媒の全量が冷媒バイパス流路17に流入して、室外凝縮器13に流入する。これにより、室内凝縮器12において、高圧冷媒と送風空気とが熱交換されることが防止され、ケーシング41内を流通する送風空気が加熱されることが確実に防止される。
[0124]
 このように、本実施形態の冷凍サイクル装置10においても、冷媒三方弁18によって、室内凝縮器12に流入する高圧冷媒の流量を調整して、室内凝縮器12における高圧冷媒の送風空気への放熱量を調整することで、暖房モードと冷房モードとを切り替えることができる。従って、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
[0125]
 (第3実施形態)
 以下に、図5を用いて、第3実施形態の空調装置3について、第1実施形態の空調装置1と異なる点について説明する。第3実施形態の空調装置3では、第1実施形態の空調装置1に対して、分岐部71a、冷房用冷媒流路71、冷房用減圧弁72、室内蒸発器73等を追加し、クーラコア流路三方弁32、クーラコア流路34、クーラコア35等を廃止している。
[0126]
 分岐部71aは、室外凝縮器13から流出した冷媒の流れを分岐する部位である。このような分岐部71aとしては、三方継手構造のものを採用することができる。分岐部71aの一方の流出口には、減圧弁14の入口側が接続されている。分岐部71aの他方の流出口には、冷房用減圧弁72の入口側が接続されている。このため、減圧弁14と冷房用減圧弁72は、冷媒流れに対して並列的に配置されている。
[0127]
 冷房用冷媒流路71は、分岐部71aの一方の流出口と圧縮機11の吸入側(具体的には、アキュムレータ16の入口側)とを接続する冷媒通路である。冷房用冷媒流路71には、分岐部71a側から、冷房用減圧弁72及び室内蒸発器73が、この並び順に配置されている。
[0128]
 冷房用減圧弁72は、少なくとも冷房モード時に、分岐部71aにて分岐された冷媒を減圧膨張させる減圧部である。冷房用減圧弁72は、制御装置50から出力される制御信号によって、その作動が制御される電気式の可変絞り機構である。冷房用減圧弁72は、弁体と電動アクチュエータとを有している。弁体は、冷媒通路の通路開度(換言すれば絞り開度)を変更可能に構成されている。電動アクチュエータは、弁体の絞り開度を変化させるステッピングモータを有している。
[0129]
 室内蒸発器73は、少なくとも冷房モード時に、送風空気の有する熱を直接的に吸熱させることによって、冷房用減圧弁72にて減圧された低圧冷媒を蒸発させる蒸発器である。室内蒸発器73は、ケーシング41内に形成された空気通路の室内凝縮器12及びエアミックスドア44よりも空気流れ上流側に配置されている。
[0130]
 また、減圧弁14の下流側には、減圧弁14にて減圧された低圧冷媒と低温側熱媒体流路30を循環する低温側熱媒体である冷却水とを熱交換させる暖房用蒸発器84が配置されている。暖房用蒸発器84の基本的構成は、第1実施形態で説明した蒸発器15と同様である。
[0131]
 本実施形態の低温側熱媒体流路30には、低温側バイパス流路37、低温側三方弁38、熱源装置39が配置されている。低温側バイパス流路37は、低温側ポンプ31によって吐出された冷却水を、低温側ラジエータ33を迂回させて流通させる流路である。低温側バイパス流路37は、低温側ラジエータ33の流入側の低温側熱媒体流路30と、低温側ラジエータ33の流出側の低温側熱媒体流路30とを接続している。
[0132]
 低温側三方弁38は、低温側バイパス流路37へ流入する冷却水の流量を調整することによって、低温側ラジエータ33に流入する冷却水の流量及び熱源装置39へ流入する冷却水の流量を調整する低温側流量調整弁である。低温側三方弁38は、制御装置50から出力される制御信号によって、その作動が制御される。
[0133]
 熱源装置39は、加熱装置24と同様に、作動時に発熱を伴う車載機器や電力を供給されることによって、発熱するPTCヒータ(電気式のヒータ)等を採用することができる。その他の空調装置3の構成は、第1実施形態の空調装置1と同様である。
[0134]
 次に、上記構成における本実施形態の作動について説明する。
[0135]
 (冷房モード)
 本実施形態の冷房モードでは、制御装置50が、減圧弁14を閉塞させ、冷房用減圧弁72を冷媒減圧作用を発揮する絞り状態とする。冷房用減圧弁72へ出力される制御信号については、冷房用減圧弁72へ流入する冷媒の過冷却度が、サイクルの成績係数(いわゆるCOP)を最大値に近づくように予め定められた目標過冷却度に近づくように決定される。その他の制御対象機器の作動は、第1実施形態の冷房モードと同様である。
[0136]
 従って、本実施形態の冷房モードでは、圧縮機11から吐出された冷媒が、第1実施形態と同様に、室外凝縮器13にて放熱する。室外凝縮器13から流出した冷媒は、減圧弁14が閉塞しているので、冷房用減圧弁72へ流入して減圧されて低圧冷媒となる。
[0137]
 減圧弁14にて減圧された低圧冷媒は、室内蒸発器73へ流入する。室内蒸発器73へ流入した低圧冷媒は、空調用送風機42から送風された送風空気から吸熱して蒸発する。これにより、送風空気が冷却される。室内蒸発器73から流出した冷媒は、アキュムレータ16へ流入して気液分離される。アキュムレータ16にて分離された気相冷媒は、圧縮機11へ吸入されて再び圧縮される。
[0138]
 以上の如く、冷房モードでは、室内蒸発器73にて冷却された送風空気を車室内へ吹き出すことができる。これにより、車室内の冷房を実現することができる。
[0139]
 (暖房モード及び極低温時暖房モード)
本実施形態の暖房モード及び極低温時暖房モードでは、制御装置50が、冷房用減圧弁72を閉塞させる。さらに、制御装置50は、低温側熱媒体流路30の冷却水が熱源装置39側へ流入するように、低温側三方弁38の作動を制御する。その他の制御対象機器の作動は、第1実施形態の暖房モード及び極低温時暖房モードと同様である。
[0140]
 従って、本実施形態の暖房モードでは、圧縮機11から吐出された冷媒が、第1実施形態と同様に、室内凝縮器12及び室外凝縮器13にて放熱し、減圧弁14にて減圧されて低圧冷媒となる。
[0141]
 減圧弁14にて減圧された低圧冷媒は、暖房用蒸発器84へ流入する。暖房モードでは、低温側ポンプ31が作動している。従って、暖房用蒸発器84へ流入した低圧冷媒は、低温側熱媒体流路30内を循環する冷却水から吸熱して蒸発する。これにより、低温側熱媒体流路30内を循環する冷却水が冷却される。
[0142]
 この際、暖房モードでは、低温側三方弁38が熱源装置39側へ冷却水を流入させるように切り替えられている。従って、暖房用蒸発器84にて冷却された冷却水は、熱源装置39から吸熱する。従って、暖房用蒸発器84へ流入した低圧冷媒は、冷却水が熱源装置39から吸熱した熱を吸熱して蒸発する。
[0143]
 暖房用蒸発器84から流出した冷媒は、アキュムレータ16へ流入して気液分離される。その他の作動は第1実施形態と同様である。
[0144]
 以上の如く、暖房モードでは、第1実施形態と同様に、室内凝縮器12で加熱された送風空気を車室内へ吹き出すことができる。これにより、車室内の暖房を実現することができる。さらに、室外凝縮器13にて冷媒を凝縮させて、凝縮させた冷媒を室外凝縮器13内に滞留させることができる。
[0145]
 また、極低温時暖房モードでは、第1実施形態と同様に、室内凝縮器12で加熱された送風空気を車室内へ吹き出すことができる。これにより、車室内の暖房を実現することができる。さらに、第1実施形態と同様に、室内凝縮器12における冷媒凝縮温度を上昇させて送風空気の温度を効率的に上昇させることができる。
[0146]
 以上説明したように、本実施形態の冷凍サイクル装置10においても、第1実施形態と同様に、放熱用調整部であるエアミックスドア44によって、室内凝縮器12における高圧冷媒の有する熱の送風空気への放熱量を調整することで暖房モードと冷房モードとを切り替えることができる。従って、冷凍サイクル装置10のサイクル構成を簡素化できるとともに、サイクル装置10の冷媒回路の切り替えのための複雑な制御も不要となる。
[0147]
 また、本実施形態の冷凍サイクル装置10では、分岐部71a、暖房用蒸発器84、及び室内蒸発器73を有している。従って、冷房モード時には、室内蒸発器73において送風空気と低圧冷媒とを直接的に熱交換させることができるので、例えば、熱媒体等を介して、送風空気と低圧冷媒とを間接的に熱交換させる場合に対して、冷凍サイクル装置10の送風空気の冷却能力を向上させることができる。
[0148]
 一方、暖房モードでは、室内蒸発器73へ冷媒を流入させることなく、暖房用蒸発器84へ冷媒を流入させることで、暖房用蒸発器84にて冷媒が冷却水から暖房用の熱源となる熱を吸熱することができる。従って、不必要に送風空気から吸熱して送風空気の温度を低下させてしまうことがない。
[0149]
 また、本実施形態の低温側熱媒体流路30には、低温側熱媒体である冷却水を加熱する熱源装置39が配置されている。従って、熱源装置39の発生させた熱を用いて車室内の暖房を実現することができる。
[0150]
 また、本実施形態の低温側熱媒体流路30には、低温側ラジエータ33が配置されている。従って、本実施形態の暖房モード及び極低温時暖房モードでは、低温側熱媒体流路30の冷却水が熱源装置39側へ流入するように、低温側三方弁38の作動を制御した例を説明したが、熱源装置39側及び低温側ラジエータ33側の双方へ冷却水を流入させてもよい。
[0151]
 これによれば、熱源装置39及び外気の双方から車室内の暖房するための熱を吸熱することができる。従って、熱源装置39の過度の温度低下を抑制することができる。
[0152]
 また、本実施形態の冷凍サイクル装置10では、低圧冷媒を蒸発させるための熱交換器として、互いに独立した室内蒸発器73及び暖房用蒸発器84とを有している。従って、暖房用蒸発器84及び室内蒸発器73について、それぞれの用途に応じた適切な体格のものや熱交換方式のものを採用することができる。
[0153]
 例えば、室内蒸発器73として、冷媒を流通させる複数本のチューブとチューブに対して冷媒の分配あるいは集合を行う一対のタンクを有して構成される、いわゆるタンクアンドチューブ型の熱交換器構造のものを採用してもよい。さらに、暖房用蒸発器84として、板状部材を積層配置することによって形成される、いわゆる積層式の熱交換器構造のものを採用してもよい。
[0154]
 (第4実施形態)
 以下に、図6を用いて、第4実施形態の空調装置4について、第3実施形態の空調装置3と異なる点について説明する。第4実施形態の空調装置4は、第3実施形態の空調装置3に対して、蒸発器用流路81、蒸発器用減圧弁82、熱源装置冷却用蒸発器83、熱源装置冷却用流路85、及び熱源装置冷却用ポンプ86が追加されており、低温側バイパス流路37及び低温側三方弁38が廃止されている。その他の構成については第3実施形態の空調装置3と同様である。
[0155]
 蒸発器用流路81は、室外凝縮器13と減圧弁14との間の冷媒流路9と蒸発器15とアキュムレータ16(圧縮機11)との間の冷媒流路9とを接続している。蒸発器用流路81には、室外凝縮器13と減圧弁14との間の冷媒流路9との分岐部81a側から、蒸発器用減圧弁82及び熱源装置冷却用蒸発器83が、この並び順に配置されている。
[0156]
 蒸発器用減圧弁82は、減圧弁14及び冷房用減圧弁72と並列に設けられている。蒸発器用減圧弁82は、室外凝縮器13から流出した分岐部81aにて分岐された液相冷媒を減圧膨張させる減圧部である。
[0157]
 蒸発器用減圧弁82は、制御装置50から出力される制御信号によって、その作動が制御される電気式の可変絞り機構であり、弁体と電動アクチュエータとを有している。弁体は、冷媒通路の通路開度(換言すれば絞り開度)を変更可能に構成されている。電動アクチュエータは、弁体の絞り開度を変化させるステッピングモータを有している。
[0158]
 熱源装置冷却用蒸発器83は、蒸発器15及び室内蒸発器73と並列に設けられている。熱源装置冷却用蒸発器83は、蒸発器用減圧弁82にて減圧された低圧冷媒の有する熱と熱源装置冷却用流路85を流通する低温側熱媒体である冷却水とを熱交換させることによって、低圧冷媒を冷却水の有する熱を吸熱させることによって蒸発させる。
[0159]
 熱源装置冷却用流路85は、環状の流路であり、低温側熱媒体である冷却水が循環する。熱源装置冷却用流路85には、熱源装置冷却用蒸発器83、熱源装置冷却用ポンプ86、及び熱源装置39が、この並び順に配置されている。
[0160]
 熱源装置冷却用ポンプ86は、冷却水を吸入して吐出する熱媒体ポンプである。熱源装置冷却用ポンプ86は電動式のポンプであり、熱源装置冷却用流路85を循環する冷却水の流量を調整する冷却水流量調整部である。
[0161]
 熱源装置39を冷却する場合には、蒸発器用減圧弁82は絞り状態にされる。これにより、蒸発器用減圧弁82によって減圧された低圧冷媒が熱源装置冷却用蒸発器83に流入する。そして、熱源装置冷却用蒸発器83において、低圧冷媒が冷却水と熱交換されて加熱され、冷却水が低圧冷媒と熱交換されて冷却される。そして、熱源装置冷却用ポンプ86によって吐出された冷却水によって熱源装置39が冷却される。
[0162]
 このように、第4実施形態の空調装置4では、低圧冷媒を蒸発させる蒸発器は、冷却モード時に冷房用減圧弁72にて減圧された低圧冷媒が送風空気の熱を吸熱する室内蒸発器73と、蒸発器用減圧弁82にて減圧された低圧冷媒が熱源装置39が発した熱を吸熱する熱源装置冷却用蒸発器83と、暖房モード時に減圧弁14にて減圧された低圧冷媒が外気の熱を吸熱する暖房用蒸発器84と、から構成されている。
[0163]
 本開示は上述の実施形態に限定されることなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で、以下のように種々変形可能である。上記各実施形態は、実施可能な範囲で適宜組み合わせても良い。
[0164]
 上述の実施形態では、本開示に係る冷凍サイクル装置10を車両用の空調装置に適用した例を説明したが、本開示に係る冷凍サイクル装置10の適用は車両に限定されず定置型の空調装置に適用してもよい。さらに、本開示に係る冷凍サイクル装置10の適用は空調装置に限定されず、熱交換対象流体が飲料水や生活用水となる給湯機に適用してもよい。
[0165]
 上述の実施形態では、冷媒を貯留する貯液部としてのアキュムレータ16を、圧縮機11の上流側に配置した例を説明したが、貯液部はこれに限定されない。例えば、貯液部として、室外凝縮器13の下流側に室外凝縮器から流出した冷媒の気液を分離して余剰液相冷媒を貯えるレシーバ(受液器)を配置してもよい。もちろん、アキュムレータ16とレシーバを同時に配置してもよい。
[0166]
 上述の実施形態では、冷房モード及び暖房モード(極低温時暖房モードを含む)に切り替え可能な冷凍サイクル装置10について説明したが、冷凍サイクル装置10の運転モードの切り替えはこれに限定されない。
[0167]
 例えば、上述の第1実施形態で説明した冷凍サイクル装置10において、冷房モードと同様にクーラコア35にて送風空気を冷却する。さらに、エアミックスドア44の開度を変更して、クーラコア35にて冷却されて除湿された送風空気を、室内凝縮器12にて再加熱して空調対象空間へ吹き出すようにしてもよい。これによれば、空調対象空間の除湿暖房を実現する除湿暖房モードに切り替えることができる。
[0168]
 また、例えば、上述の第3実施形態で説明した冷凍サイクル装置10において、暖房モード時と同様に熱源装置39の有する熱を吸熱する。さらに、室内凝縮器通路45を閉塞するようにエアミックスドア44を変位させるとともに、高温側ポンプ21を作動させて高温側熱媒体流路20の冷却水を高温側ラジエータ22へ流入させる。これによれば、送風空気の温度調整を行うことなく、熱源装置39の発生させた熱を高温側ラジエータ22にて外気へ放熱させる機器冷却モードに切り替えることができる。
[0169]
 上述の実施形態において、高温側ラジエータ22及び低温側ラジエータ33は、それぞれを流通する冷却水(すなわち、高温側熱媒体及び低温側熱媒体)同士が熱移動可能に構成されていてもよい。例えば、高温側ラジエータ22及び低温側ラジエータ33をタンクアンドチューブ型の熱交換器で構成し、双方の熱交換器にて熱交換を促進するフィンを共通の金属部材で構成することによって熱移動可能としてもよい。さらに、高温側熱媒体及び低温側熱媒体を合流させる構成としてもよい。
[0170]
 上述の実施形態では、各熱交換器の詳細について言及していないが、例えば、第4実施形態で説明した、熱源装置冷却用蒸発器83及び暖房用蒸発器84は、冷媒と熱媒体(相変化しない液体)とを熱交換させる熱交換器という点で共通している。そこで、熱源装置冷却用蒸発器83及び暖房用蒸発器84を共通の構造のもの(例えば、積層式の熱交換器構造のもの)を採用して一体化させてもよい。
[0171]
 冷凍サイクル装置10を構成する各構成機器は、上述の実施形態に開示されたものに限定されない。例えば、上述の実施形態では、圧縮機11として、電動圧縮機を採用した例を説明したが、車両走行用エンジンに適用される場合は、圧縮機11として、プーリ、ベルト等を介して車両走行用エンジンから伝達される回転駆動力によって駆動されるエンジン駆動式の圧縮機を採用しても良い。
[0172]
 本開示は、実施例に準拠して記述されたが、本開示は当該実施例や構造に限定されるものではないと理解される。本開示は、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、様々な組み合わせや形態が本開示に示されているが、それらに一要素のみ、それ以上、あるいはそれ以下、を含む他の組み合わせや形態をも、本開示の範疇や思想範囲に入るものである。

請求の範囲

[請求項1]
 冷媒を圧縮して吐出する圧縮機(11)と、
 前記圧縮機から吐出された高圧冷媒の有する熱を熱交換対象流体に放熱させる加熱用放熱器(12)と、
 前記圧縮機から吐出された高圧冷媒の有する熱を高温側熱媒体に放熱させる熱媒体用放熱器(13)と、
 前記加熱用放熱器及び前記熱媒体用放熱器の下流側の冷媒を減圧させる減圧部(14)と、
 前記減圧部にて減圧された冷媒を、前記熱交換対象流体の有する熱を吸熱させることによって蒸発させる蒸発器(15、73)と、
 前記加熱用放熱器にて高圧冷媒が前記熱交換対象流体へ放熱する放熱量を調整する放熱量調整部(44、18)と、を有し、
 前記放熱量調整部は、前記熱交換対象流体を加熱する加熱モードでは、前記加熱用放熱器における放熱量を前記熱媒体用放熱器における放熱量よりも増加させ、前記熱交換対象流体を冷却する冷却モードでは、前記加熱モードよりも、前記加熱用放熱器における放熱量を減少させる冷凍サイクル装置。
[請求項2]
 前記熱媒体用放熱器は、前記加熱用放熱器から流出した前記冷媒の有する熱を前記高温側熱媒体に放熱させるものであり、
 前記放熱量調整部は、前記加熱モードでは、前記熱媒体用放熱器の入り口側の前記冷媒の乾き度を、前記冷却モードより小さくする請求項1に記載の冷凍サイクル装置。
[請求項3]
 前記熱媒体用放熱器の下流側、及び前記圧縮機の上流側の少なくとも一方に前記冷媒を貯液する貯液部を有する請求項2に記載の冷凍サイクル装置。
[請求項4]
 前記放熱量調整部は、前記加熱用放熱器を通過する前記熱交換対象流体の流量を調整し、
 前記放熱量調整部は、前記冷却モードでは、前記加熱モードよりも前記加熱用放熱器を通過する前記熱交換対象流体の流量を減少させる請求項1ないし3のいずれか一つに記載の冷凍サイクル装置。
[請求項5]
 前記放熱量調整部は、前記圧縮機から吐出された前記高圧冷媒のうち前記加熱用放熱器に流入する前記高圧冷媒の流量と、前記圧縮機から吐出された前記高圧冷媒のうち前記熱媒体用放熱器に流入する前記高圧冷媒の流量とを調整し、
 前記放熱量調整部は、前記冷却モードでは、前記加熱モードよりも前記加熱用放熱器に流入する前記高圧冷媒の流量を減少させる請求項1ないし4のいずれか一つに記載の冷凍サイクル装置。
[請求項6]
 前記加熱用放熱器から流出した前記高圧冷媒を加熱する加熱装置(24)を有する請求項1ないし4のいずれか一つに記載の冷凍サイクル装置。
[請求項7]
 前記高温側熱媒体を循環させる高温側熱媒体流路(20)を有し
 前記加熱装置は、前記高温側熱媒体流路に配置されて、前記高温側熱媒体を加熱するものである請求項6に記載の冷凍サイクル装置。
[請求項8]
 前記熱媒体用放熱器から流出した冷媒の流れを分岐する分岐部(71a)と、
 前記分岐部にて分岐された一方の冷媒と低温側熱媒体とを熱交換させる暖房用蒸発器(84)と、を有し、
 前記蒸発器(73)は、前記分岐部にて分岐された他方の冷媒と前記熱交換対象流体とを熱交換させるものである請求項1ないし7のいずれか一つに記載の冷凍サイクル装置。
[請求項9]
 前記低温側熱媒体を循環させる低温側熱媒体流路(30、85)を有し、
 前記低温側熱媒体流路には、前記低温側熱媒体を加熱する熱源装置(39)が配置されている請求項8に記載の冷凍サイクル装置。
[請求項10]
 前記低温側熱媒体を循環させる低温側熱媒体流路(30)を有し、
 前記低温側熱媒体流路には、前記低温側熱媒体と外気とを熱交換させる低温側ラジエータ(33)が配置されている請求項8又は9に記載の冷凍サイクル装置。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]