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1. (WO2019026491) METAL CLEANSER COMPOSITION
Document

明 細 書

発明の名称 金属用洗浄剤組成物

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005   0006  

先行技術文献

特許文献

0007  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0008   0009  

課題を解決するための手段

0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017  

発明の効果

0018  

図面の簡単な説明

0019  

発明を実施するための形態

0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080  

実施例

0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098  

産業上の利用可能性

0099  

符号の説明

0100  

請求の範囲

1   2   3  

図面

1  

明 細 書

発明の名称 : 金属用洗浄剤組成物

技術分野

[0001]
 本発明は、金属を洗浄するために用いられる洗浄剤組成物に関する。

背景技術

[0002]
 近年、自動車、電車、飛行機、工作機械等の部品市場がグローバル化する中で、低価格の部品が市場に登場し、国内の部品メーカーは激しいコスト競争にさらされている。こうしたことから、部品メーカー各社は競争力維持のため、材料や製造工程において様々なコスト削減を講じている。
[0003]
 製造工程でのコスト削減例の一つとして、洗浄工程の常温化が進められている。これまで比較的高温で行っていた部品洗浄を常温で行うことによって、洗浄浴の加熱が不要となりエネルギーコスト削減が期待できる反面、洗浄力や消泡性等といった本来洗浄工程で要求される性能が低下してしまうということが問題となっている。
[0004]
 また、常温化に伴う洗浄液残留による発錆も危惧される。近年の環境保全に対する意識向上を受け、従来主流であった鋼材よりも軽量で低環境負荷に寄与する金属・合金部材が用いられるようになり、部品メーカーの扱う金属素材は多様化してきている。そのため、洗浄液には従来以上に多様な金属・合金部材に対する防錆性が求められている。
[0005]
 下記特許文献1には、金属表面を水分を含有する洗浄液で洗浄し、次いで、すすぎ液ですすぐ洗浄方法において、(1)洗浄液と活性炭に吸着されない水溶性無機防錆剤を含有させたすすぎ液、あるいは(2)洗浄液及びすすぎ液のいずれにも活性炭に吸着されない水溶性無機防錆剤を含有させた洗浄液及びすすぎ液を用いて洗浄・すすぎを行うと共に、すすぎ後のすすぎ廃水を活性炭で処理しすすぎ廃水中の有機物を吸着除去し、これにより得られる水溶液を水溶性無機防錆剤を含有するすすぎ液として再利用することを特徴とする洗浄方法が提案されている。
[0006]
 下記特許文献2には、脂肪族モノカルボン酸、ポリカルボン酸及びこれらの中和塩からなる群より選択される少なくとも一種のカルボン酸化合物と、特定の第1のオキシアルキレン基含有化合物と、特定の第2のオキシアルキレン基含有化合物と、特定のオキシプロピレン基含有化合物と、を含有する硬質表面用洗浄剤組成物が提案されている。

先行技術文献

特許文献

[0007]
特許文献1 : 特開平9-279372号公報
特許文献2 : 国際公開第2016/140195号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0008]
 しかしながら、特許文献1記載の方法では、洗浄工程を常温で行った場合、洗浄力及び消泡性が低下し、防錆性も十分とは言えず、合金部材洗浄後には錆が発生する問題がある。特許文献2記載の洗浄剤組成物は、常温での洗浄力、消泡性を維持できるものの、合金部材に対する防錆性が十分とはいえない。
[0009]
 本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、室温であっても泡の発生を十分抑制しつつ種々の金属に対して十分な洗浄力を得ることができ、なおかつ洗浄後の金属表面に錆が発生しにくい金属用洗浄剤組成物を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0010]
 上記課題を解決するために本発明は、(A)脂肪族モノカルボン酸、ポリカルボン酸及びこれらの中和塩からなる群より選択される少なくとも一種のカルボン酸化合物、(B)下記一般式(B)で表される化合物、並びに(C)下記一般式(C-1)で表される化合物及びその塩、下記一般式(C-2)で表される化合物及び下記一般式(C-3)で表される化合物からなる群より選択される少なくとも一種の化合物を含有する金属用洗浄剤組成物を提供する。
[0011]
[化1]


[式(B)中、R は、炭素数1~8のアルキル基、又は炭素数2~8のアルケニル基を示し、AOは、炭素数2~4のオキシアルキレン基を示し、pは、オキシアルキレン基の平均付加モル数を示し、1~5の範囲にある。]
[0012]
[化2]


[式(C-1)中、R は、炭素数2~30の直鎖若しくは分岐のアルキル基又はアルケニル基を示し、qは1~10の整数を示す。]
[0013]
[化3]


[式(C-2)中、R は、炭素数1~10の直鎖若しくは分岐のアルキル基又は炭素数2~10の直鎖若しくは分岐のアルケニル基を示し、nは0又は1を示す。]
[0014]
[化4]


[式(C-3)中、R は、炭素数1~20の直鎖若しくは分岐のアルキル基又は炭素数2~20の直鎖若しくは分岐のアルケニル基を示し、mは0又は1を示す。]
[0015]
 本発明の金属用洗浄剤組成物によれば、上記構成を有することにより、室温であっても泡の発生を十分抑制しつつ種々の金属に対して十分な洗浄力を得ることができ、なおかつ洗浄後の金属表面に錆が発生しにくい。
[0016]
 本発明の金属用洗浄剤組成物においては、金属用洗浄剤組成物全量を基準として、(A)の含有量が1~40質量%であり、(B)の含有量が0.1~15質量%であり、(C)の含有量が0.001~5.0質量%であることが好ましい。
[0017]
 また、本発明の金属用洗浄剤組成物は、上記一般式(B)で表される化合物として、式(B)中、R が炭素数8の直鎖又は分岐を有するアルキル基又はアルケニル基であり、AOが炭素数2~4のオキシアルキレン基であり、pが1~5の範囲にある化合物を含むことが好ましい。

発明の効果

[0018]
 本発明によれば、室温であっても泡の発生を十分抑制しつつ種々の金属に対して十分な洗浄力を得ることができ、なおかつ洗浄後の金属表面に錆が発生しにくい金属用洗浄剤組成物を提供することができる。

図面の簡単な説明

[0019]
[図1] 洗浄性評価試験で用いる評価用サンプルの構成を示す図である。

発明を実施するための形態

[0020]
 本実施形態の金属用洗浄剤組成物は、(A)脂肪族モノカルボン酸、ポリカルボン酸及びこれらの中和塩からなる群より選択される少なくとも一種のカルボン酸化合物と、(B)特定のオキシアルキレン基含有化合物と、(C)特定の有機ホスホン酸及びその塩、並びに特定の含窒素へテロ環含有化合物からなる群より選択される少なくとも一種の化合物とを含有する。
[0021]
 本実施形態の金属用洗浄剤組成物によれば、室温であっても泡の発生を十分抑制しつつ種々の金属に対して十分な洗浄力を得ることができ、なおかつ洗浄後の金属表面に錆が発生しにくい。これにより、金属・合金部材の洗浄において、これまで高温で行っていた洗浄工程を常温化することができ、洗浄浴の加熱が不要となりエネルギーコストの削減が期待できる。
[0022]
 上記(A)成分として用いる脂肪族モノカルボン酸としては、ヒドロキシル基を有していてもよい炭素数6~24の直鎖又は分岐の不飽和又は飽和の脂肪族モノカルボン酸が挙げられる。このような脂肪族モノカルボン酸として具体的には、カプロン酸、カプリル酸、エナント酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、バグゼン酸、リノール酸、(9,12,15)-リノレン酸、(6,9,12)-リノレン酸、エレオステアリン酸、アラキジン酸、(8,11)-エイコサジエン酸、(5,8,11)-エイコサトリエン酸、アラキドン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、ネルボン酸、2-エチルヘキサン酸、2-メチルヘキサン酸、2-メチルヘプタン酸、トリメチルヘキサン酸、イソステアリン酸、12-ヒドロキシステアリン酸等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
[0023]
 上記(A)成分として用いる脂肪族モノカルボン酸の中和塩としては、上記脂肪族モノカルボン酸をアルカリ金属又はアミン系化合物等によって中和された中和塩が挙げられる。ここで、アルカリ金属としてはナトリウム、カリウム、リチウムなどが挙げられ、アミン系化合物としてはアンモニア、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
[0024]
 上記(A)成分として用いる脂肪族モノカルボン酸及びその中和塩は、洗浄性の観点から、炭素数6~18の直鎖又は分岐の不飽和又は飽和の脂肪族モノカルボン酸及びその中和塩が好ましく、炭素数6~12の直鎖又は分岐の不飽和又は飽和の脂肪族モノカルボン酸及びその中和塩がより好ましい。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
[0025]
 上記(A)成分として用いるポリカルボン酸は、重量平均分子量が500~150,000のポリカルボン酸が挙げられ、洗浄性、取り扱い性の観点から1,000~100,000のポリカルボン酸が好ましく、1,000~50,000のポリカルボン酸がより好ましい。本明細書において、ポリカルボン酸の重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定される値を意味する。
[0026]
 ポリカルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等のカルボキシル基を有するビニル系モノマーを用いて、従来公知のラジカル重合法で合成した単独重合体及び共重合体が挙げられる。ポリカルボン酸は、市販されているものを使用してもよい。ラジカル重合には、本発明を損なわない範囲で、上記のモノマー以外にカルボキシル基を有していない共重合可能なモノマーを使用してもよい。このようなモノマーとしては、エチレン、塩化ビニル、酢酸ビニルなどのビニル系モノマー、アクリルアミド、アクリレート類、メタクリレート類等が挙げられる。アクリレート類及びメタクリレート類としては、炭素数1~3のアルキル基又は炭素数2~3のアルケニル基を有するものが好ましい。これらのアルキル基又はアルケニル基は、ヒドロキシル基などの置換基を有していてもよい。このようなアクリレート類及びメタクリレート類としては、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、プロピルアクリレート、プロピルメタクリレート等が挙げられる。カルボキシル基を有するビニル系モノマーと、カルボキシル基を有していない共重合可能なモノマーとの重量比は、洗浄性の観点から100:0~50:50であることが好ましく、100:0~70:30であることがより好ましく、100:0~90:10であることが更により好ましい。上記の共重合可能なモノマーは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
[0027]
 上記(A)成分として用いるポリカルボン酸の中和塩としては、上記ポリカルボン酸をアルカリ金属又はアミン系化合物等によって中和された中和塩が挙げられる。ここで、アルカリ金属としてはナトリウム、カリウム、リチウムなどが挙げられ、アミン系化合物としてはアンモニア、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
[0028]
 ポリカルボン酸及びその中和塩の製造方法には特に制限はないが、例えば、上記モノマー及び/又はその塩の水溶液にラジカル重合開始剤を添加して、30~150℃で2~5時間加熱反応させる方法などを挙げることができる。このとき、上記モノマー及び/又はその塩の水溶液に、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコール類やアセトン等の水性溶剤を添加してもよい。また、用いるラジカル重合開始剤にも特に制限はないが、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、過硫酸塩と重亜硫酸ナトリウム等の組み合わせによるレドックス系重合開始剤、過酸化水素、水溶性アゾ系重合開始剤等が挙げられる。これらのラジカル重合開始剤は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。ラジカル重合の際には、重合度を調整する目的で連鎖移動剤(例えば、チオグリコール酸オクチル)を添加してもよい。
[0029]
 (A)成分として用いるポリカルボン酸及びその中和塩としては、洗浄性の観点から、アクリル酸、メタクリル酸、又はマレイン酸の単独重合体若しくはその中和塩、又はアクリル酸、メタクリル酸及びマレイン酸のいずれか1種以上をモノマー成分として含む共重合体若しくはその中和塩が好ましく、アクリル酸の単独重合体若しくはその中和塩がより好ましい。上述したポリカルボン酸及びその中和塩は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
[0030]
 金属用洗浄剤組成物における(A)成分の配合量は、使用目的に応じて適宜設定されるが、洗浄性、防錆性、経済性の観点から、金属用洗浄剤組成物全量を基準として、1~40質量%であることが好ましく、1~20質量%であることがより好ましい。
[0031]
 次に、本実施形態に係る(B)特定のオキシアルキレン基含有化合物について説明する。係る化合物としては、下記一般式(B)で表される化合物が挙げられる。
[0032]
[化5]


[式(B)中、R は、炭素数1~8のアルキル基、又は炭素数2~8のアルケニル基を示し、AOは、炭素数2~4のオキシアルキレン基を示し、pは、オキシアルキレン基の平均付加モル数を示し、1~5の範囲にある。]
[0033]
 上記一般式(B)で表される化合物としては、具体的には、エチルアルコールAO(1~5)付加物、イソプロピルアルコールAO(1~5)付加物、ブチルアルコールAO(1~5)付加物、ヘキシルアルコールAO(1~5)付加物、オクチルアルコールAO(1~5)付加物、2-エチルヘキシルアルコールAO(1~5)付加物、2-オクチルアルコールAO(1~5)付加物等が挙げられる。括弧内の数値はモル数を表す。
[0034]
 上記AOのオキシアルキレン基は同一であっても異なっていてもよく、異なっている場合は、ブロック付加でもランダム付加でも交互付加でも構わない。
[0035]
 上記一般式(B)で表される化合物は、消泡性の観点から、上記一般式(B)中、R が炭素数4~8のアルキル基又は炭素数4~8のアルケニル基であり、pが1~5である化合物が好ましく、R が炭素数8のアルキル基又は炭素数8のアルケニル基であり、pが1~5である化合物がより好ましい。
[0036]
 上記の条件を満たす化合物としては、具体的には、ブチルアルコールAO(1~5)付加物、ヘキシルアルコールAO(1~5)付加物、オクチルアルコールAO(1~5)付加物、2-エチルヘキシルアルコールAO(1~5)付加物、2-オクチルアルコールAO(1~5)付加物等が挙げられる。括弧内の数値はモル数を表す。これらの中でも、消泡性の観点から、オクチルアルコールAO(1~5)付加物、2-エチルヘキシルアルコールAO(1~5)付加物、2-オクチルアルコールAO(1~5)付加物が好ましく、2-エチルヘキシルアルコールAO(1~5)付加物がより好ましい。
[0037]
 上記一般式(B)で表される化合物は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
[0038]
 金属用洗浄剤組成物における(B)成分の配合量は、使用目的に応じて適宜設定されるが、洗浄性、消泡性、経済性の観点から、金属用洗浄剤組成物全量を基準として、0.1~15質量%であることが好ましく、0.1~10質量%であることがより好ましい。
[0039]
 次に、本実施形態に係る(C)成分について説明する。係る化合物としては、下記一般式(C-1)で表される化合物及びその塩、下記一般式(C-2)で表される化合物、及び下記一般式(C-3)で表される化合物が挙げられる。これらの化合物は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
[0040]
[化6]


[式(C-1)中、R は、炭素数2~30の直鎖若しくは分岐のアルキル基又はアルケニル基を示し、qは1~10の整数を示す。]
[0041]
[化7]


[式(C-2)中、R は、炭素数1~10の直鎖若しくは分岐のアルキル基又は炭素数2~10の直鎖若しくは分岐のアルケニル基を示し、nは0又は1を示す。]
[0042]
[化8]


[式(C-3)中、R は、炭素数1~20の直鎖若しくは分岐のアルキル基又は炭素数2~20の直鎖若しくは分岐のアルケニル基を示し、mは0又は1を示す。]
[0043]
 上記式(C-1)で表される化合物としては、防錆性、洗浄性及び消泡性の観点から、式中のR が炭素数4~22の直鎖若しくは分岐のアルキル基又はアルケニル基であり、qが1~5である化合物が好ましく、式中のR が炭素数8~18の直鎖若しくは分岐のアルキル基又はアルケニル基であり、qが1~3である化合物がより好ましい。
[0044]
 上記式(C-1)で表される化合物の塩としては、例えば、アルカリ金属又はアミン系化合物等によって中和された中和塩が挙げられる。ここで、アルカリ金属としてはナトリウム、カリウム、リチウムなどが挙げられ、アミン系化合物としてはアンモニア、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
[0045]
 上記式(C-2)で表される化合物としては、防錆性、洗浄性及び消泡性の観点から、式中のnが0(すなわち、無置換)である化合物、又はnが1であり、R が炭素数1~8の直鎖若しくは分岐のアルキル基又は炭素数2~8の直鎖若しくは分岐のアルケニル基である化合物が好ましく、nが0(すなわち、無置換)である化合物、又はnが1であり、R が炭素数1~5の直鎖若しくは分岐のアルキル基又は炭素数2~5の直鎖若しくは分岐のアルケニル基である化合物がより好ましい。
[0046]
 上記式(C-3)で表される化合物としては、防錆性、洗浄性及び消泡性の観点から、式中のmが0(すなわち、無置換)である化合物、又はmが1であり、R が炭素数5~18の直鎖若しくは分岐のアルキル基又は炭素数5~18の直鎖若しくは分岐のアルケニル基である化合物が好ましく、mが0(すなわち、無置換)である化合物、又はmが1であり、R が炭素数10~17の直鎖若しくは分岐のアルキル基又は炭素数10~17の直鎖若しくは分岐のアルケニル基である化合物がより好ましい。
[0047]
 (C)成分としては、防錆性の観点から、上記式(C-1)で表される化合物及びその塩が好ましい。
[0048]
 金属用洗浄剤組成物における(C)成分の配合量は、使用目的に応じて適宜設定されるが、防錆性、消泡性、洗浄性、経済性の観点から、金属用洗浄剤組成物全量を基準として、0.001~5.0質量%であることが好ましく、0.005~3.0質量%であることがより好ましく、0.01~3.0質量%であることがさらに好ましく、0.01~2.0質量%であることがさらにより好ましく、0.1~1.0質量%であることが特に好ましい。
[0049]
 本実施形態の金属用洗浄剤組成物は、洗浄性及び消泡性を向上させる観点から、上記(B)成分以外のオキシアルキレン基含有化合物(以下、(D)成分ともいう)を更に含有することができる。
[0050]
 係る化合物としては、下記一般式(D-1)で表される化合物が挙げられる。
[0051]
[化9]


[式(D-1)中、R は、ヒドロキシル基を有していてもよい炭素数8~30のアルキル基、ヒドロキシル基を有していてもよい炭素数8~30のアルケニル基、又は下記一般式(D-2)で表される基を示し、R は、水素原子、ヒドロキシル基を有していてもよい炭素数1~30のアルキル基、又はヒドロキシル基を有していてもよい炭素数2~30のアルケニル基を示し、x及びzはそれぞれ独立に0又は1であり、AOは、炭素数2~4のオキシアルキレン基を示し、yは、オキシアルキレン基の平均付加モル数を示し、11~200の範囲にある。ただし、R が下記一般式(D-2)で表される基である場合、R は水素原子であり、x及びzは0である。
[化10]


{式(D-2)中、R は、下記式(D-3)で表される2価の基を示し、aは1~5の整数であり、bは1~5の整数であり、a×bの総数が1~5の範囲内にあり、式(D-2)中のaが2以上である場合、複数あるbは同一であっても異なっていてもよい。
[化11]


}]
[0052]
 上記一般式(D-1)で表される化合物としては、具体的には、オクチルアルコールAO(11~200)付加物、デシルアルコールAO(11~200)付加物、ラウリルアルコールAO(11~200)付加物、ミリスチルアルコールAO(11~200)付加物、セチルアルコールAO(11~200)付加物、ステアリルアルコールAO(11~200)付加物、イソステアリルアルコールAO(11~200)付加物、オレイルアルコールAO(11~200)付加物、ベヘニルアルコールAO(11~200)付加物、トリデシルアルコールAO(11~200)付加物、2-ブチルオクチルアルコールAO(11~200)付加物、2-ブチルデカンアルコールAO(11~200)付加物、2-ヘキシルオクチルアルコールAO(11~200)付加物、2-ヘキシルデカンアルコールAO(11~200)付加物、2-オクチルドデカンアルコールAO(11~200)付加物、2-ヘキシルドデカンアルコールAO(11~200)付加物、2-オクチルドデカンアルコールAO(11~200)付加物、2-デシルテトラデカンアルコールAO(11~200)付加物、2-ドデシルヘキサデカンアルコールAO(11~200)付加物、2-テトラデシルオクタデカンアルコールAO(11~200)付加物、イソオクチルアルコールAO(11~200)付加物、2-エチルヘキシルアルコールAO(11~200)付加物、イソノナンアルコールAO(11~200)付加物、イソデカンアルコールAO(11~200)付加物、イソウンデカンアルコールAO(11~200)付加物、イソトリデカンアルコールAO(11~200)付加物、オクタン-2-オールAO(11~200)付加物、2-ドデカンアルコールAO(11~200)付加物、モノスチレン化フェノールAO(11~200)付加物、ジスチレン化フェノールAO(11~200)付加物、トリスチレン化フェノールAO(11~200)付加物、ヒドロキシステアリルアルコールAO(11~200)付加物、カプリル酸AO(11~200)付加物、カプリン酸AO(11~200)付加物、ラウリン酸AO(11~200)付加物、ミリスチン酸AO(11~200)付加物、パルミチン酸AO(11~200)付加物、ステアリン酸AO(11~200)付加物、オレイン酸AO(11~200)付加物、ポリオキシアルキレン(11~200)ジカプリル酸、ポリオキシアルキレン(11~200)ジパルミチン酸、ポリオキシアルキレン(11~200)ジオレイン酸、ポリオキシアルキレン(11~200)ジステアリン酸、オクチルアルコールAO(11~200)付加物のオクチルエステル(即ち、ポリオキシアルキレン(11~200)オクチルエーテルオクチルエステル)、デシルアルコールAO(11~200)付加物のデシルエステル(即ち、ポリオキシアルキレン(11~200)デシルエーテルデシルエステル)、ラウリルアルコールAO(11~200)付加物のラウリルエステル(即ち、ポリオキシアルキレン(11~200)ラウリルエーテルラウリルエステル)、ミリスチルアルコールAO(11~200)付加物のオクチルエステル(即ち、ポリオキシアルキレン(11~200)ミリスチルエーテルオクチルエステル)、セチルアルコールAO(11~200)付加物のオクチルエステル(即ち、ポリオキシアルキレン(11~200)セチルエーテルオクチルエステル)、オクチルアルコールAO(11~200)付加物のメチルエーテル(即ち、ポリオキシアルキレン(11~200)オクチルエーテルメチルエーテル)、オクチルアルコールAO(11~200)付加物のエチルエーテル(即ち、ポリオキシアルキレン(11~200)オクチルエーテルエチルエーテル)、デシルアルコールAO(11~200)付加物のメチルエーテル(即ち、ポリオキシアルキレン(11~200)デシルエーテルメチルエーテル)、ラウリルアルコールAO(11~200)付加物のメチルエーテル(即ち、ポリオキシアルキレン(11~200)ラウリルエーテルメチルエーテル)、ラウリルアルコールAO(11~200)付加物のエチルエーテル(即ち、ポリオキシアルキレン(11~200)ラウリルエーテルエチルエーテル)、ミリスチルアルコールAO(11~200)付加物のメチルエーテル(即ち、ポリオキシアルキレン(11~200)ミリスチルエーテルメチルエーテル)、セチルアルコールAO(11~200)付加物のメチルエーテル(即ち、ポリオキシアルキレン(11~200)セチルエーテルメチルエーテル)、ステアリルアルコールAO(11~200)付加物のメチルエーテル(即ち、ポリオキシアルキレン(11~200)ステアリルエーテルメチルエーテル)等が挙げられる。括弧内の数値はモル数を表す。
[0053]
 上記AOのオキシアルキレン基は同一であっても異なっていてもよく、異なっている場合は、ブロック付加でもランダム付加でも交互付加でも構わない。
[0054]
 上記一般式(D-1)で表される化合物は、洗浄性と消泡性の観点から、R が炭素数8~30のアルキル基又は炭素数8~30のアルケニル基であることが好ましく、炭素数12~24のアルキル基又は炭素数12~24のアルケニル基であることがより好ましい。
[0055]
 また、上記一般式(D-1)で表される化合物は、洗浄性と消泡性の観点から、AOがオキシエチレン基とオキシプロピレン基とのランダム付加であり、オキシエチレン基とオキシプロピレン基との配合比率(質量比)がオキシエチレン基:オキシプロピレン基=20:80~80:20であり、yが11~100であることが好ましく、AOがオキシエチレン基とオキシプロピレン基とのランダム付加であり、オキシエチレン基とオキシプロピレン基との配合比率(質量比)がオキシエチレン基:オキシプロピレン基=20:80~80:20であり、yが11~80であることがより好ましい。
[0056]
 上記一般式(D-1)で表される化合物としては、洗浄性と消泡性の観点から、上記一般式(D-1)中、R が炭素数8~30のアルキル基、又は炭素数8~30のアルケニル基であり、R が水素原子であり、x及びzが0であり、AOがオキシエチレン基とオキシプロピレン基とのランダム付加であり、オキシエチレン基とオキシプロピレン基との配合比率(質量比)がオキシエチレン基:オキシプロピレン基=20:80~80:20であり、yが11~100である化合物が好ましい。
[0057]
 また、洗浄性と消泡性の観点から、上記一般式(D-1)中、R が炭素数12~24のアルキル基、又は炭素数12~24のアルケニル基であり、R が水素原子であり、x及びzが0であり、AOがオキシエチレン基とオキシプロピレン基とのランダム付加であり、オキシエチレン基とオキシプロピレン基との配合比率(質量比)がオキシエチレン基:オキシプロピレン基=20:80~80:20であり、yが11~80である化合物がより好ましい。
[0058]
 上記一般式(D-1)で表される化合物は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
[0059]
 金属用洗浄剤組成物における(D)成分の配合量は、使用目的に応じて適宜設定されるが、洗浄性、消泡性、経済性の観点から、金属用洗浄剤組成物全量を基準として0.01~0.5質量%であることが好ましく、0.01~0.3質量%であることがより好ましい。
[0060]
 本実施形態の金属用洗浄剤組成物は、消泡性を向上させる観点から、(E)下記一般式(E)で表される化合物を更に含有することができる。
[0061]
[化12]


[式(E)中、EOは、オキシエチレン基を示し、POは、オキシプロピレン基を示し、s及びuは、オキシエチレン基の平均付加モル数を示し、s+uが0~10の範囲にあり、tは、オキシプロピレン基の平均付加モル数を示し、1~100の範囲にある。]
[0062]
 上記一般式(E)で表される化合物としては、具体的には、HO-(PO) 17-H、HO-(PO) 34-H、HO-(EO) -(PO) 16-(EO) -H、HO-(EO) 1.5-(PO) 29-(EO) 1.5-H等が挙げられる。
[0063]
 上記一般式(E)で表される化合物は、消泡性の観点から、上記一般式(E)中、tが1~60であり且つs+uが0~10である、又はtが61~100であり且つs+uが0~5であることが好ましく、tが1~60であり且つs+uが0~10であることがより好ましく、tが20~60であり且つs+uが0~10である、又はtが10~20であり且つs+uが0であることが特に好ましい。
[0064]
 上記一般式(E)で表される化合物は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
[0065]
 金属用洗浄剤組成物における(E)成分の配合量は、使用目的に応じて適宜設定されるが、洗浄性、消泡性、経済性の観点から、金属用洗浄剤組成物全量を基準として、0.01~5質量%であることが好ましく、0.05~5質量%であることがより好ましく、0.1~3質量%であることが更に好ましい。
[0066]
 本実施形態の金属用洗浄剤組成物は、消泡性の観点から、(A)成分と(B)成分との質量比が、(A):(B)=35~95:5~65であることが好ましく、(A):(B)=45~92.5:7.5~55であることがより好ましく、(A):(B)=60~90:10~40であることが更に好ましい。
[0067]
 本実施形態の金属用浄剤組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、上記(C)成分以外の防錆剤、防腐剤、界面活性剤、キレート剤、酸化防止剤、着色剤、消臭剤、芳香剤等を配合できる。
[0068]
 防錆剤としては、ジカルボン酸等が挙げられ、具体的には、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、フマル酸、マレイン酸、ドデカン二酸、エイコサ二酸、イソドコサジエンニ酸、イソドコサン二酸、イソエイコサジエン二酸、ブチルオクタン二酸、ジアルコキシカルボニルイソドコサジエン二酸等が挙げられる。これらの防錆剤は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、ジカルボン酸を用いる場合、上記(A)成分の好ましい配合量を超えないように配合することが好ましい。
[0069]
 防腐剤としては、芳香族カルボン酸等が挙げられ、具体的には、安息香酸、p-トルイル酸、p-エチル安息香酸、p-イソプロピル安息香酸、p-tert-ブチル安息香酸、キシリル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、サリチル酸、ケイ皮酸、トルイル酸、ヘミメリット酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ヒドロキシ安息香酸、ジヒドロキシ安息香酸、トリヒドロキシ安息香酸等が挙げられる。これらの防腐剤は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、芳香族カルボン酸が上記(A)成分と重複する場合は、上記(A)成分の好ましい配合量を超えないように配合することが好ましい。
[0070]
 界面活性剤としては、高級アルコールAO付加物、アルキルフェノールAO付加物、脂肪酸AO付加物、多価アルコール脂肪酸エステルアルキレンオキサイド付加物、高級アルキルアミンAO付加物等のノニオン界面活性剤、石鹸、アルキルベンゼンスルホン酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩等のアニオン界面活性剤、アルキルアミノ脂肪酸塩、アルキルベタイン等の両性界面活性剤が挙げられる。これらの界面活性剤は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、かかる高級アルコールAO付加物、アルキルフェノールAO付加物等が上記(B)成分又は上記(D)成分と重複する場合は、上記(B)成分の好ましい配合量又は上記(D)成分の好ましい配合量を超えないように配合することが好ましい。
[0071]
 キレート剤としては、EDTA、NTA、DTPA、HEDTA、TTHA等のアミノカルボン酸系キレート剤;HEDP、NTMP等のホスホン酸系キレート剤が挙げられる。これらのキレート剤は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、アミノカルボン酸系キレート剤が上記(A)成分と重複する場合は、上記(A)成分の好ましい配合量を超えないように配合することが好ましい。
[0072]
 本実施形態の金属用洗浄剤組成物のpHは、洗浄性、防錆性の観点から、5.0~14.0であることが好ましく、8.0~12.0であることがより好ましく、8.0~11.0であることが特に好ましい。pHが5.0未満の場合は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、トリエタノールアミン等のアルカリで調整することができる。pHが14.0を超える場合は、塩酸、硫酸、乳酸、ギ酸、クエン酸等の酸で調整することができる。これらpH調整剤は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。金属用洗浄剤組成物のpHは、ガラス電極法などの公知の方法で測定することができる。
[0073]
 本実施形態の金属用洗浄剤組成物は、静的表面張力及び動的表面張力が、洗浄性、乾燥性の観点から、20~60mN/mであることが好ましく、20~50mN/mであることがより好ましい。静的表面張力はウィルヘルミー法にて測定することができ、動的表面張力は最大泡圧法にて測定することができる。
[0074]
 本実施形態の金属用洗浄剤組成物の洗浄対象となる金属としては、鉄、アルミニウム、金、銀、銅、鉛、チタン、亜鉛、ニッケル、クロム、マンガン、スズ等の金属;アルミニウム合金、銅合金、ニッケル合金、マグネシウム合金、鉄鋼(ステンレス鋼、クロム鋼、マンガン鋼、モリブデン鋼、ケイ素鋼)、特殊鋼(ニッケルクロムモリブデン鋼、クロム鋼、クロムモリブデン鋼、マンガンモリブデン鋼、マンガン鋼、マンガンクロム鋼、安来鋼、圧延鋼、炭素鋼)、ダイカスト合金(アルミ合金ダイカスト、亜鉛合金ダイカスト、マグネシウム合金ダイカスト)等の合金が挙げられる。
[0075]
 本実施形態の金属用洗浄剤組成物は、そのまま使用してもよいが、該組成物を水で希釈して調製した処理液を使用してもよい。処理液の濃度は、洗浄性、経済性の観点から、金属用洗浄剤組成物の含有量が、処理液全量を基準として、0.01~50質量%であることが好ましく、0.05~30質量%であることがより好ましく、0.1~15質量%であることが更により好ましい。
[0076]
 本実施形態における水は、水道水、井戸水、イオン交換水、又は蒸留水を好適に用いることができる。
[0077]
 金属用洗浄剤組成物を水で希釈して調製した処理液のpHは、洗浄性、防錆性の観点から、5.0~14.0であることが好ましく、8.0~12.0であることがより好ましく、8.0~11.0であることが特に好ましい。pHが5.0未満の場合は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、トリエタノールアミン等のアルカリで調整することができる。pHが14.0を超える場合は、塩酸、硫酸、乳酸、ギ酸、クエン酸等の酸で調整することができる。これらのpH調整剤は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。処理液のpHは、ガラス電極法などの公知の方法で測定することができる。
[0078]
 金属用洗浄剤組成物を水で希釈して調製した処理液の静的表面張力及び動的表面張力は、洗浄性、乾燥性の観点から、20~60mN/mであることが好ましく、20~50mN/mであることがより好ましい。処理液の静的表面張力はウィルヘルミー法にて測定し、動的表面張力は最大泡圧法にて測定することができる。
[0079]
 本実施形態の金属用洗浄剤組成物を用いた洗浄方法は、特に限定されるものではないが、超音波方法、噴霧方法、バブリング方法、バレル方法、浸漬揺動方法等の物理的操作を加えた洗浄方法に好適に使用される。
[0080]
 洗浄温度は、洗浄性、経済性の観点から5~100℃であることが好ましく、10~80℃がより好ましく、15~80℃が特に好ましい。洗浄時間は、被洗浄物の形状・大きさ、洗浄方法、洗浄条件に応じて適宜設定することができる。
実施例
[0081]
 以下、実施例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら制限されるものではない。
[0082]
(実施例1~12、比較例1~30)
 表1~6に示す成分及び組成(質量%)のとおりに金属用洗浄剤組成物を調製した。具体的には、(G)イオン交換水に、(A)成分と(C)成分を加えて混合して均一とし、更に(B)成分、(D)成分、(E)成分を添加混合して調製した。得られた実施例1~12、及び比較例1~30の金属用洗浄剤組成物は、イオン交換水にて3質量%水溶液に希釈調整し、これを試験液として下記評価試験に供した。
[0083]
 なお、表中、*1~*7の成分の詳細は以下のとおりである。
*1:ポリアクリル酸ナトリウム(重量平均分子量6,000)
*2:ブチルアルコールEO(1)付加物は、上記一般式(B)中のR が炭素数4のアルキル基であり、(AO) が平均付加モル数1のポリオキシエチレン基である化合物
*3:2-エチルヘキシルアルコールEO(1)PO(1.5)付加物は、上記一般式(B)中のR が炭素数8のアルキル基であり、(AO) が平均付加モル数1のポリオキシエチレン基及び平均付加モル数1.5のポリオキシプロピレン基である化合物
*4:ポリオキシエチレン(18.2)ポリオキシプロピレン(43.6)ステアリルエーテルは、上記一般式(D-1)中のR が炭素数18のアルキル基であり、R が水素原子であり、x及びzが0であり、(AO) が平均付加モル数18.2のポリオキシエチレン基及び平均付加モル数43.6のポリオキシプロピレン基である化合物
*5:数平均分子量2000、オキシプロピレン基含有率90質量%、オキシエチレン基含有率10質量%のポリアルキレングリコール
*6:ポリオキシエチレン(23)ポリオキシプロピレン(16)ステアリルエーテルは、上記一般式(D-1)中のR が炭素数18のアルキル基であり、R が水素原子であり、x及びzが0であり、(AO) が平均付加モル数20のポリオキシエチレン基及び平均付加モル数16のポリオキシプロピレン基である化合物
*7:アセチレングリコール誘導体(川研ファインケミカル製)
[0084]
[洗浄性評価試験]
 市販の50mm×50mm×1mmに切断された冷間圧延した鋼板(SPCC-SD)を試験片として2枚用意し、n-ヘキサンにて試験片表面を洗浄した。一方の試験片の表面に、汚染物質として防錆油(アンチラストP2800 JX日鉱日石エネルギー株式会社製)を0.03g塗布し、汚染試料とした。その後、5mm×5mm×1mmに切断されたポリテトラフルオロエチレンシート(ナフロンシート 9000-S、ニチアス株式会社製)を汚染試料の塗布面上部に設置し、その上から汚染物質を塗布していない他方の試験片を重ねてダブルクリップで上端及び下端を閉じた。こうして、評価用サンプルを作製した。図1は、評価用サンプルの構成を示す図である。図1の(a)は評価用サンプルを試験片と直交する方向から見たときの図であり、図1の(b)は評価用サンプルを試験片が延びる方向から見たときの図である。評価用サンプル1は、汚染物質4が塗布された試験片2(汚染試料)と未塗布の試験片3とが、これらの両端を挟むダブルクリップ6,7によって固定されている。両試験片の一端側にはポリテトラフルオロエチレンシート5が介在しており、汚染物質4が試験片3と触れないように間隔が設けられている。
[0085]
 100mLビーカーに各試験液を充填し、各試験液を25℃に調温した後、評価用サンプルを15秒間浸漬した。その後、評価用サンプルを引き上げ、80℃にて30分間乾燥し、デシケーター内で10分間放冷した。評価用サンプルから取り出した汚染試料の重量を測定し、下記式から洗浄率を求めた。
洗浄率(質量%)=[{洗浄前の汚染試料の重量(g)}-{洗浄後の汚染試料の重量(g)}]×100/[{洗浄前の汚染試料の重量(g)}-{試験片の重量(g)}]
[0086]
 なお、洗浄率が35%以上であると十分な洗浄性を有しているといえる。
[0087]
[消泡性評価試験]
 100mlネスラー管に、25℃に調整された各試験液を50mL注ぎ、5秒間に振幅幅20cmで10回上下に振り、水平な台の上に静置して15秒後の液面からの泡量(mL)を測定した。
[0088]
 なお、泡量が50mL未満であると十分な消泡性を有しているといえる。
[0089]
[防錆性評価試験]
(対象:アルミニウム合金ダイカスト)
 市販の50mm×25mm×2mmのアルミニウム合金ダイカスト(ADC-12)にCC1000の紙やすりで表面のバリ取り・光輝化・酸化皮膜の除去を実施した後、n-ヘキサン中で超音波洗浄を30分間行い、室温で乾燥することにより、試験片を作製した。
[0090]
 試験液を25g充填した70mLサンプル瓶に、上記試験片を半浸漬させ、60℃で1日静置した。試験片の錆の状態を観察し、下記基準で評価した。なお、級数2及び3が充分な防錆性を有していることを意味する。
級数1:浸漬した部分における錆の面積が50%以上
級数2:浸漬した部分における錆の面積が50%未満
級数3:発錆なし
[0091]
(対象:銅合金)
 アルミニウム合金ダイカストに替えて市販の50mm×25mm×1mmの銅合金(C3713P)を用いたこと以外は上記と同様にして試験片を作製し、防錆性を評価した。
[0092]
[表1]


[0093]
[表2]


[0094]
[表3]


[0095]
[表4]


[0096]
[表5]


[0097]
[表6]


[0098]
 表1~2に示されるように、実施例1~12の洗浄剤組成物は、25℃の洗浄条件であっても洗浄性及び消泡性に優れているとともに、金属表面に錆を発生させにくいものであることが確認された。

産業上の利用可能性

[0099]
 本発明によれば、室温であっても泡の発生を十分抑制しつつ種々の金属に対して十分な洗浄力を得ることができ、なおかつ洗浄後の金属表面に錆が発生しにくい洗浄剤組成物を提供することができる。これにより、金属・合金部材の洗浄において、これまで高温で行っていた洗浄工程を常温化することができ、洗浄浴の加熱が不要となりエネルギーコストの削減が期待できる。

符号の説明

[0100]
1…評価用サンプル、2,3…試験片、4…汚染物質、5…ポリテトラフルオロエチレンシート、6,7…ダブルクリップ。

請求の範囲

[請求項1]
 (A)脂肪族モノカルボン酸、ポリカルボン酸及びこれらの中和塩からなる群より選択される少なくとも一種のカルボン酸化合物、
 (B)下記一般式(B)で表される化合物、並びに
 (C)下記一般式(C-1)で表される化合物及びその塩、下記一般式(C-2)で表される化合物及び下記一般式(C-3)で表される化合物からなる群より選択される少なくとも一種の化合物、
を含有する、金属用洗浄剤組成物。
[化1]


[式(B)中、R は、炭素数1~8のアルキル基、又は炭素数2~8のアルケニル基を示し、AOは、炭素数2~4のオキシアルキレン基を示し、pは、オキシアルキレン基の平均付加モル数を示し、1~5の範囲にある。]
[化2]


[式(C-1)中、R は、炭素数2~30の直鎖若しくは分岐のアルキル基又はアルケニル基を示し、qは1~10の整数を示す。]
[化3]


[式(C-2)中、R は、炭素数1~10の直鎖若しくは分岐のアルキル基又は炭素数2~10の直鎖若しくは分岐のアルケニル基を示し、nは0又は1を示す。]
[化4]


[式(C-3)中、R は、炭素数1~20の直鎖若しくは分岐のアルキル基又は炭素数2~20の直鎖若しくは分岐のアルケニル基を示し、mは0又は1を示す。]
[請求項2]
 前記金属用洗浄剤組成物全量を基準として、(A)の含有量が1~40質量%であり、(B)の含有量が0.1~15質量%であり、(C)の含有量が0.001~5.0質量%である、請求項1に記載の金属用洗浄剤組成物。
[請求項3]
 前記一般式(B)で表される化合物として、式(B)中、R が炭素数8の直鎖又は分岐を有するアルキル基又はアルケニル基であり、AOが炭素数2~4のオキシアルキレン基であり、pが1~5の範囲にある化合物を含む、請求項1又は2に記載の金属用洗浄剤組成物。

図面

[ 図 1]