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1. (WO2019009380) STEPPED PIPE MEMBER AND STEPPED PIPE MEMBER PRODUCTION METHOD
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明 細 書

発明の名称 段付管部材及び段付管部材の製造方法

技術分野

0001  

背景技術

0002  

先行技術文献

特許文献

0003  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0004   0005  

課題を解決するための手段

0006   0007   0008   0009   0010  

発明の効果

0011  

図面の簡単な説明

0012  

発明を実施するための形態

0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053  

符号の説明

0054  

請求の範囲

1   2   3   4   5  

図面

1   2   3   4   5   6  

明 細 書

発明の名称 : 段付管部材及び段付管部材の製造方法

技術分野

[0001]
 本発明は、径の異なる管を接合した段付管部材及び段付管部材の製造方法に関する。

背景技術

[0002]
 自動車の構造部品は、コストや溶接等の施工性の観点から鋼部材が多く用いられている。近年の燃費向上の要求から、鋼部材からなる自動車の構造部品の一部を軽量な部材で置き換えることが行われており、パネル部材の他、フレーム部材にもそのような軽量化部材を適用することが検討されている。フレームやレインフォース等の構造部品は、異なる径の管状部材を直列に接合した段付状の部材を構造の一部分に用いることがある。このような部材を、ここでは「段付管部材」と称する。
 段付管部材の製造方法として、大径管部材の一端を、大径管部材の内径が小径管部材の外径に合うように絞り込む加工を適用するものがあり、例えば、スエージ加工により絞り込みを行う技術(特許文献1)が知られている。
 また、大径管部材の一端を、径方向にプレス成形して複数のフランジを有する接合部を形成し、プレス部の一部に孔を開けて小径管部材に溶接することで、段付管部材を製造する技術も検討されている(特許文献2)。

先行技術文献

特許文献

[0003]
特許文献1 : 日本国特開平10-99922号公報
特許文献2 : 日本国特開平8-2289号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0004]
 ところで、特許文献1の技術によれば、大径管部材の絞り込んだ先端部における寸法や、特に内径側の管形状が不安定となる。そのため、大径管部材の先端部に小径管部材を挿入する際、引っかかりが生じて組み立て作業性が低下する場合がある。また、加工条件によっては大径管部材に割れが生じる場合もある。
 一方、特許文献2に記載の技術による接合部では、スエージ加工で生じる先端部の形状や寸法精度の問題は生じない。しかし、特許文献2に記載の技術では、小径管部材を接合部に挿入し、大径管部材に設けた孔を用いて大径管部材と小径管部材とを溶接している。
そのため、孔開け加工や溶接加工の工数が増えると共に、溶接条件によっては接続部への入熱量が大きくなってしまう。その結果、各部に生じる熱歪により段付管部材全体の寸法精度が低下し、段付管部材を取り付ける被取り付け部材側への組み付けが困難になる場合があった。
[0005]
 本発明は、上記の問題を解決するもので、組み立て作業性と組み付け精度に優れる段付管部材及び段付管部材の製造方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0006]
 本発明は下記構成からなる。
(1) 大径管部材の軸方向一端部に、前記大径管部材より小径な小径管部材の軸方向一端部が固定された接続部を有する段付管部材であって、
 前記大径管部材の前記軸方向一端部には、管端から大径管管端張出部、前記大径管管端張出部より小径な大径管縮径部、前記大径管縮径部より大径な大径管膨出部、前記大径管膨出部より大径に拡径するテーパ部がこの順で連なって形成され、
 前記小径管部材の前記軸方向一端部には、管端から小径管管端張出部、前記小径管管端張出部よりも小径な小径管拡径部、前記小径管拡径部よりも大径な小径管膨出部がこの順で連なって形成され、
 前記大径管縮径部の内周面と前記小径管拡径部の外周面が密着し、
 前記大径管膨出部の内周面と前記小径管管端張出部の外周面とが係合し、
 前記大径管管端張出部の内周面と前記小径管膨出部の外周面とが係合している、
段付管部材。
 この段付管部材によれば、接続部において、小径管拡径部が拡管され、大径管縮径部の内周面に密着している。また、この接続部では、小径管管端張出部の外周面が大径管膨出部の内周面に密着して係合し、小径管膨出部の外周面が大径管管端張出部の内周面に密着して係合する。これらの密着構造と係合構造は、大径管部材に小径管部材を挿入した後の拡管かしめ固定で形成が可能となる。このため、大径管部材と小径管部材の容易な挿入作業で固定が可能となり、挿入時の引っかかり等により組み立て作業性が低下することがない。また、小径管部材は、大径管部材の内周面に密着するため、割れが生じにくくなる。
そして、溶接箇所を不要にできるので、溶接の熱歪による寸法精度の低下も生じなくなる。
[0007]
(2) 前記大径管縮径部の外周面に剛性部材が固定された(1)の段付管部材。
 この段付管部材によれば、大径管縮径部の内周面に、拡管された小径管拡径部が密着して、大径管縮径部を径方向外側に押圧する際に、大径管縮径部に剛性部材がかしめられ、大径管部材と小径管部材とが剛性部材に同時に固定される。
[0008]
(3) 軸方向一端部に、管端に向かって縮径するテーパ部と、前記テーパ部の縮径側から管端に延びる縮径管部とを有する大径管部材を準備する工程と、
 前記縮径管部の管内に前記縮径管部より小径な小径管部材を挿入する工程と、
 前記小径管部材を、少なくとも前記縮径管部との対向領域で拡管して、前記大径管部材と前記小径管部材とを接続する接続部を形成する工程と、
をこの順で行い、
 前記接続部を形成する工程において、
 前記縮径管部が拡管された大径管縮径部の内周面と前記小径管部材の外周面とを密着させ、
 前記小径管部材の管端が拡管された小径管管端張出部の外周面と、前記大径管部材の前記小径管管端張出部との対向領域が拡管された大径管膨出部の内周面とを係合させ、
 前記大径管部材の管端が拡管された大径管管端張出部の内周面と、前記小径管部材の前記大径管管端張出部との対向領域が拡管された小径管膨出部の外周面とを係合させる、
段付管部材の製造方法。
 この段付管部材の製造方法によれば、小径管部材を大径管部材に挿入した後に拡管かしめ固定することで、従来の絞り込み加工のように形状が不安定とならず、組立作業性を低下させることがない。また、従来の溶接による接合のように、溶接による入熱量が生じないので、熱歪による寸法精度の低下も生じない。更に、溶接の熱歪みを抑制するための治具セッティングの手間がなく生産性が向上する。
[0009]
(4) 前記小径管部材はアルミニウム合金であり、
 前記接続部を形成する工程では、
 前記小径管部材の管内にコイルを挿入し、電磁成形により前記小径管部材を拡管する(3)の段付管部材の製造方法。
 この段付管部材の製造方法によれば、コイルに通電すると、発生するローレンツ力により小径管部材が拡管して、大径管部材の縮径管部との対向領域に拡管かしめ固定される。このとき同時に、小径管部材に、小径管管端張出部、小径管膨出部を形成できる。また、大径管部材に、大径管管端張出部、大径管膨出部を形成できる。そして、これらは、小径管部材が拡径される作用により、小径管膨出部を大径管膨出部の内周面に密着させ、小径管膨出部を大径管管端張出部の内周面に密着させることができる。
[0010]
(5) 前記小径管部材は、熱処理型アルミニウム合金であり、T1調質状態で拡管し、該拡管後に人工時効処理を施す(3)又は(4)の段付管部材の製造方法。
 この段付管部材の製造方法によれば、T1調質により拡管量を拡大でき、かしめ力を向上させることができる。また、その後の人工時効により材料強度が向上する。その結果、段付管部材のかしめ接合部の強度をより向上できる。

発明の効果

[0011]
 本発明によれば、組み立てが容易で、組み付け精度の高い段付管部材を得る。

図面の簡単な説明

[0012]
[図1] インパネレインフォースを模式的に示す外観斜視図である。
[図2] 電磁成形前のビーム部材の要部断面図であって、図1に示すII-II線断面図である。
[図3] 図2に示すビーム部材の電磁成形後の要部断面図である。
[図4] 拡管後のビーム部材の要部拡大断面図である。
[図5] 大径管部材と小径管部材とを電磁成形により拡管かしめ固定する様子を模式的に示す工程説明図である。
[図6] 電磁成形コイル、大径管部材、小径管部材、及びブラケットの位置関係を表す説明図である。

発明を実施するための形態

[0013]
 以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
 本発明の段付管部材は、ここでは自動車のインストルメントパネル内に設けられるレインフォースのビーム部材を一例として説明するが、これに限らない。
[0014]
<インパネレインフォースの構成>
 図1はインパネレインフォースを模式的に示す外観斜視図である。
 インパネレインフォース11は、段付管部材であるビーム部材13と、ビーム部材13の外周に設けられたブラケット15及びステアリングコラムブラケット17と、ビーム部材13の両端に設けられた取付ブラケット19A,19Bとを有する。ブラケット15、ステアリングコラムブラケット17、取付ブラケット19A,19Bは、それぞれ貫通孔20が形成され、各貫通孔20にビーム部材13が挿通された状態で固定される。
[0015]
 インパネレインフォース11は、取付ブラケット19A,19Bを介して車体のボディに固定される。また、ステアリングコラムブラケット17にはステアリング装置が支持される。
[0016]
 ビーム部材13は、大径管部材21と、大径管部材21より小径な小径管部材23とが、ブラケット15の内径部に拡管かしめ固定されている。
[0017]
<大径管部材>
 大径管部材21の成形前の素管は、円管に限らず、断面が正方形又は長方形の四角管、断面が六角形の六角管、断面が八角形の八角管であってもよく、押出や板材の溶接により製造できる。大径管部材21の断面形状が円形である場合には、後述する縮径管部も同様に円形断面にする等、互いに形状を合せて成形することが好ましいが、異形断面同士を組み合わせてもよい。
[0018]
 大径管部材21の材質は、鋼材(普通鋼、高張力鋼)、アルミニウム合金(JIS6000系、7000系等)、樹脂等、適宜選択可能である。
[0019]
<小径管部材>
 小径管部材23の成形前の素管は、円管に限らず、断面が正方形又は長方形の四角管、断面が六角形の六角管、断面が八角形の八角管であってもよく、押出や板材の溶接により製造できる。また、押出材の場合は、外側に突出するリブ等を設けてもよい。ただし、小径管部材23がリブを有する場合には、小径管部材23の管端23aについては、リブが外側に突出しないようにカットされていることが好ましい。小径管部材23の材質は、アルミニウム合金(JIS6000系、7000系等)が好適な材料として挙げられる。
[0020]
<ブラケット>
 ビーム部材13に取り付けられるブラケット15を含む各種ブラケットは、剛性部材により構成される。剛性部材の材質としては、鋼、アルミ押出材、アルミ鋳物、樹脂射出成形材等が好適な材料として挙げられる。
[0021]
<拡管かしめ固定する工程>
 以下に、このビーム部材13の大径管部材21と小径管部材23とを、ブラケット15を用いて拡管かしめ固定する工程を簡単に説明する。この拡管かしめ固定は、特に電磁成形による方式が生産性等の観点から好ましい。
[0022]
 図2は電磁成形前のビーム部材13の要部断面図であって、図1に示すII-II線断面図である。
 ビーム部材13は、大径管部材21と小径管部材23とが同軸に接合される。まず、軸方向一端部となる管端21aに向かって縮径するテーパ部27と、テーパ部27の縮径側から管端21aに延びる縮径管部25とを有する大径管部材21を準備する。縮径管部25とテーパ部27は、例えば、大径管部材21のプレス成形やスエージ加工等により形成される。
[0023]
 大径管部材21の一方の管端21aには、小径管部材23の一方の管端23aが差し込まれる。大径管部材21と小径管部材23とは、大径管部材21の管端21aから小径管部材23の管端23aまでの間で軸方向に重なって配置される。
[0024]
 縮径管部25の径方向外側には、ブラケット15が、貫通孔20に縮径管部25を挿通して配置される。そして、大径管部材21と小径管部材23の管内における、ブラケット15に対向する軸方向位置には、電磁成形コイル29が配置される。
[0025]
 図3は図2に示すビーム部材13の電磁成形後の要部断面図である。
 電磁成形コイル29の通電により発生するローレンツ力によって、小径管部材23の電磁成形コイル29との対向領域が拡管される。この際、大径管部材21にローレンツ力は生じないが、小径管部材23の拡管力によって、小径管部材23の拡管領域と重なり合う領域の大径管部材21が拡管される。
[0026]
 図4は拡管後のビーム部材13の要部拡大断面図である。
 電磁成形されたビーム部材13は、大径管縮径部43の内周面と小径管拡径部33の外周面とが密着する。また、ビーム部材13は、大径管膨出部45の内周面と小径管管端張出部31の外周面が係合し、大径管管端張出部41の内周面と小径管膨出部35の外周面が係合する。
[0027]
 更に、ビーム部材13は、大径管部材21と小径管部材23とを接続した接続部30において、大径管縮径部43の外周面が、ブラケット15の貫通孔20の内周面に拡管かしめ固定される。
[0028]
 上記構成のビーム部材13は、以下に列記する特徴を備える。即ち、拡管後の小径管部材23の管端23aには、管端23aから小径管管端張出部31、小径管管端張出部31よりも小径な小径管拡径部33、小径管拡径部33よりも大径な小径管膨出部35がこの順で連なって形成される。小径管部材23は、拡管前の外径がφd であって、小径管拡径部33は、φd より大きな外径φd を有する(φd <φd )。
[0029]
 拡管後の大径管部材21の管端21aには、管端21aから大径管管端張出部41、大径管管端張出部41より小径な大径管縮径部43、大径管縮径部43より大径な大径管膨出部45、大径管膨出部45より大径に拡径するテーパ部27がこの順で連なって形成される。大径管部材21は、外径φDの素管であり、テーパ部27の大径側が大径管膨出部45より大径な外径φDとなる。
[0030]
 大径管縮径部43の軸方向両端は、ブラケット15の軸方向内周縁47に接して、径方向外側に反り上がっている。ブラケット15の軸方向内周縁47は、大径管管端張出部41と大径管縮径部43との境界点、及び大径管膨出部45と大径管縮径部43との境界点となる。
[0031]
 大径管管端張出部41のブラケット15からの張出長さLoutと、小径管管端張出部31のブラケット15からの張出長さLinは、ブラケット15の軸方向幅Wの5%~30%、好ましくは8%~20%、更に好ましくは10%~12%である。
[0032]
 大径管膨出部45の頂部からブラケット15までの長さPoutは、張出長さLinよりも長く、小径管膨出部35の頂部からブラケット15までの長さPinは、張出長さLoutより長い。
[0033]
 また、大径管部材21の肉厚toutは、小径管部材23の肉厚tinよりも厚い。
[0034]
<ビーム部材の製造方法>
 次に、上記した構成のビーム部材13のより具体的な製造方法を説明する。
 図5は大径管部材21と小径管部材23とを電磁成形により拡管かしめ固定する様子を模式的に示す工程説明図である。
[0035]
 前述の図2に示すように、大径管部材21の管端21aに小径管部材23の管端23aを差し込み、大径管部材21と小径管部材23とが重なり合う領域にブラケット15を配置する。そして、電磁成形コイル29が樹脂製の支持体57の先端に設けられた棒状のコイルユニット51を、小径管部材23の管内に挿入する。このとき、好ましくは、コイルユニット51の電磁成形コイル29は、小径管部材23と、大径管部材21の縮径管部25と、ブラケット15の貫通孔20の内周面と、に対して同軸に配置される。この場合は、電磁成形コイル29の外周面と小径管部材23の内周面との間の径方向隙間、小径管部材23の外周面と大径管部材21の縮径管部25の内周面との間の径方向隙間、縮径管部25の外周面とブラケット15の貫通孔20の内周面との間の径方向隙間は、それぞれ周方向に均一となる。
[0036]
 電磁成形コイル29は、絶縁性樹脂に導体素線を巻き回して形成され、導体素線の周りを絶縁性樹脂で更に取り囲んだ構造を有する。電磁成形コイル29は、支持体57の先端に固着され、支持体57の内部には、導線が通されて外部の電源部55に接続される。
[0037]
 コイルユニット51は、手動で管内へ挿入しても構わないが、公知のリニア移動機構を有するコイル移動機構53によって軸方向へ移動させてもよい。
[0038]
 小径管部材23の管内に挿入されたコイルユニット51は、図5に示すように、電磁成形コイル29が、大径管部材21と小径管部材23との重なり合う部分、即ち、ブラケット15に対応するように位置決めされる。
[0039]
 この状態で、電源部55によって電磁成形コイル29に通電する。すると、電磁成形コイル29により発生するローレンツ力で、小径管部材23の電磁成形コイル29の対向領域が拡管する。この小径管部材23の拡管により、大径管部材21の小径管部材23との対向領域である縮径管部25が、ブラケット15の貫通孔20の内周面に突き当たる。これにより、大径管部材21と小径管部材23とがブラケット15に拡管かしめ固定される。
[0040]
 この拡管かしめ固定された状態を更に詳細に説明する。
 図4に示す小径管拡径部33の外周面は、小径管拡径部33の拡径によって大径管縮径部43の内周面に押し当てられた状態で密着する。また、大径管縮径部43の外周面は、小径管拡径部33の拡径によってブラケット15の貫通孔20の内周面に押し当てられた状態で密着する。
[0041]
 そして、小径管部材23のブラケット15よりも軸方向外側には、小径管管端張出部31と小径管膨出部35とが径方向に拡径されて形成される。また、電磁成形コイル29に対面する小径管部材23が拡管すると、この拡管によって大径管部材21を径方向外側に変形させる。つまり、大径管部材21には、小径管管端張出部31の拡径によって大径管膨出部45が形成され、小径管膨出部35の拡径によって大径管管端張出部41が形成される。これにより、小径管管端張出部31の外周面と大径管膨出部45の内周面とが、管全周にわたって係合した状態で接合される。また、小径管膨出部35の外周面と大径管管端張出部41の内周面とが、管全周にわたって係合した状態で接合される。
 電磁成形コイル29は、小径管部材23と、大径管部材21の縮径管部25と、ブラケット15の貫通孔20の内周面と、に対して同軸に配置されるので、電磁成形コイル29の通電により発生するローレンツ力が、小径管部材23に、周方向に関して均一に作用する。よって、小径管部材23から大径管部材21の縮径管部25への拡管力、及び縮径管部25からブラケット15への拡管力が、それぞれ周方向に関して均一となり、管全周にわたって均一な強度で接合される。
[0042]
 上記した小径管管端張出部31と大径管膨出部45との係合と、小径管膨出部35と大径管管端張出部41との係合によって、大径管部材21と小径管部材23とが堅固に固定される。したがって、大径管部材21と小径管部材23との、捩れ、曲がり、引張りに対する強度が向上し、接合品質を高められる。また、ブラケット15とのかしめによって剛性が高まり、しかも大径管部材21と小径管部材23の軸方向への抜けが防止される。
[0043]
 図6は電磁成形コイル29、大径管部材21、小径管部材23、及びブラケット15の位置関係を表す説明図である。
 電磁成形コイル29は、大径管部材21、小径管部材23、及びブラケット15と、一定の相対位置で配置されることが好ましい。
[0044]
 ここで、ブラケット15の軸方向に沿った長さをWs、電磁成形コイル29の軸線方向に沿った長さをWcとする。また、大径管部材の21の管端21aから小径管部材23の管端23aまでの接続部30の軸方向に沿った長さをWjとする。上記のWs,Wj,Wcは、互いに重なり合う領域に配置され、Ws<Wj<Wcとなることが好ましい。ただし、電磁成形コイル29の挿入先端は、小径管部材23の管端23aから軸方向外側に突出するものとする。
[0045]
 このような相対配置とすることにより、上記した小径管管端張出部31、小径管膨出部35、大径管管端張出部41、大径管膨出部45を、図4に示す好ましい形状に電磁成形できる。
[0046]
<大径管部材と小径管部材の調質>
 大径管部材21と小径管部材23が熱処理型アルミニウム合金である場合には、上記した電磁成形後に、溶体化処理等の熱処理を施すことが好ましい。
 大径管部材21や小径管部材23が押出材の場合、押出後に急冷するT1調質状態で拡管し、拡管後に人工時効処理を施すのが好ましい。T1調質により拡管量を大きくでき、段付管部材のかしめ接合強度を向上させることができる。また、人工時効することにより材料強度を向上できる。そのため、接続部30の強度をより向上させることができる。
[0047]
<段付管部材の作用効果>
 本構成のビーム部材13によれば、小径管管端張出部31、小径管拡径部33、及び小径管膨出部35のそれぞれが、大径管部材21に密着して拡管かしめ固定される。よって、小径管部材23は、大径管部材21の内周面に密着するため、割れが生じにくくなる。また、大径管部材21と小径管部材23との溶接箇所を不要にできるため、溶接の熱歪による寸法精度の低下を生じさせない。更に、大径管部材21と小径管部材23とは、径方向外側に突出した小径管管端張出部31と小径管膨出部35の間に、大径管膨出部45と大径管管端張出部41が挟まれて、管軸に沿う方向の相対移動が規制される。
[0048]
 上記した段付管部材の製造方法では、大径管部材21の縮径管部25の管内に、小径管部材23を挿入し、大径管部材21の縮径管部25との対向領域で小径管部材23を拡管して、大径管部材21と小径管部材23とを密着させた接続部30を形成する。拡管時、小径管部材23には、ブラケット15を管軸に沿う方向で挟んで、小径管管端張出部31と小径管膨出部35とが形成される。これと同時に、小径管管端張出部31は、拡径されることにより外周側の大径管部材21を径方向外側へ変形させ、大径管膨出部45を形成する。また、小径管膨出部35は、拡径されることにより外周側の大径管部材21を径方向外側へ変形させ、大径管管端張出部41を形成する。小径管管端張出部31は、その外周面が大径管膨出部45の内周面に密着して係合する。小径管膨出部35は、その外周面が大径管管端張出部41の内周面に密着して係合する。
[0049]
 したがって、小径管拡径部33と大径管縮径部43とが密着して拡管かしめ固定されることに加え、大径管縮径部43と小径管拡径部33を管軸に沿う方向で挟む一対の係合構造が、同時に形成される。
[0050]
 なお、小径管拡径部33と大径管縮径部43とを拡管かしめ加工する際に用いるブラケット15に代えて、着脱自在な金型(割型)を用いてもよい。
[0051]
 このように、本構成の段付管部材の製造方法においては、小径管部材23を大径管部材21に挿入した後に、小径管部材23と大径管部材21とを拡管かしめ固定するので、従来方法のように、溶接による入熱量が生じないため、熱歪による寸法精度の低下も生じない。よって、ビーム部材13のような段付管部材を容易に組み立てることができ、しかも、組み付け精度を高くすることができる。
[0052]
 以上、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、実施形態の各構成を相互に組み合わせることや、明細書の記載、並びに周知の技術に基づいて、当業者が変更、応用することも本発明の予定するところであり、保護を求める範囲に含まれる。
[0053]
 本出願は2017年7月6日出願の日本国特許出願(特願2017-132798)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。

符号の説明

[0054]
 13 ビーム部材(段付管部材)
 15 ブラケット(剛性部材)
 20 貫通孔
 21 大径管部材
 23 小径管部材
 25 縮径管部
 27 テーパ部
 29 電磁成形コイル(コイル)
 30 接続部
 31 小径管管端張出部
 33 小径管拡径部
 35 小径管膨出部
 41 大径管管端張出部
 43 大径管縮径部
 45 大径管膨出部

請求の範囲

[請求項1]
 大径管部材の軸方向一端部に、前記大径管部材より小径な小径管部材の軸方向一端部が固定された接続部を有する段付管部材であって、
 前記大径管部材の前記軸方向一端部には、管端から大径管管端張出部、前記大径管管端張出部より小径な大径管縮径部、前記大径管縮径部より大径な大径管膨出部、前記大径管膨出部より大径に拡径するテーパ部がこの順で連なって形成され、
 前記小径管部材の前記軸方向一端部には、管端から小径管管端張出部、前記小径管管端張出部よりも小径な小径管拡径部、前記小径管拡径部よりも大径な小径管膨出部がこの順で連なって形成され、
 前記大径管縮径部の内周面と前記小径管拡径部の外周面が密着し、
 前記大径管膨出部の内周面と前記小径管管端張出部の外周面とが係合し、
 前記大径管管端張出部の内周面と前記小径管膨出部の外周面とが係合している、
段付管部材。
[請求項2]
 前記大径管縮径部の外周面に剛性部材が固定された請求項1に記載の段付管部材。
[請求項3]
 軸方向一端部に、管端に向かって縮径するテーパ部と、前記テーパ部の縮径側から管端に延びる縮径管部とを有する大径管部材を準備する工程と、
 前記縮径管部の管内に前記縮径管部より小径な小径管部材を挿入する工程と、
 前記小径管部材を、少なくとも前記縮径管部との対向領域で拡管して、前記大径管部材と前記小径管部材とを接続する接続部を形成する工程と、
をこの順で行い、
 前記接続部を形成する工程において、
 前記縮径管部が拡管された大径管縮径部の内周面と前記小径管部材の外周面とを密着させ、
 前記小径管部材の管端が拡管された小径管管端張出部の外周面と、前記大径管部材の前記小径管管端張出部との対向領域が拡管された大径管膨出部の内周面とを係合させ、
 前記大径管部材の管端が拡管された大径管管端張出部の内周面と、前記小径管部材の前記大径管管端張出部との対向領域が拡管された小径管膨出部の外周面とを係合させる、
段付管部材の製造方法。
[請求項4]
 前記小径管部材はアルミニウム合金であり、
 前記接続部を形成する工程では、
 前記小径管部材の管内にコイルを挿入し、電磁成形により前記小径管部材を拡管する請求項3に記載の段付管部材の製造方法。
[請求項5]
 前記小径管部材は、熱処理型アルミニウム合金であり、T1調質状態で拡管し、該拡管後に人工時効処理を施す請求項3又は請求項4に記載の段付管部材の製造方法。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]