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1. (WO2019008637) POWER CONVERSION DEVICE AND ELECTRIC POWER STEERING DEVICE
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明 細 書

発明の名称 電力変換装置、電動パワーステアリング装置

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

先行技術文献

特許文献

0004  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0005   0006   0007  

課題を解決するための手段

0008  

発明の効果

0009  

図面の簡単な説明

0010  

産業上の利用の可能性

0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100  

符号の説明

0101  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15  

明 細 書

発明の名称 : 電力変換装置、電動パワーステアリング装置

技術分野

[0001]
 この発明は、電力変換装置、および電動パワーステアリング装置に関するものである。

背景技術

[0002]
 従来から、以下のような電動機の制御装置がある。複数の電動機にそれぞれ対応して設けられた、
 複数の電力変換器、
 複数のモータ指令演算部、
 複数のキャリア発生部を備え、
 複数のキャリア発生部は複数のキャリア信号をそれぞれ発生し、
 キャリア周波数制御部は、複数のキャリア信号の周波数を制御し、複数のキャリア信号の周波数を、複数のキャリア信号に対応した複数の予め定められた設定周波数範囲内で変動させるように制御する。そして、複数の設定周波数範囲は、それぞれの周波数範囲が互いに重ならないように予め設定させることによって、電力変換器のスイッチングによって生じる騒音を抑制する(特許文献1参照)。
[0003]
 また、従来から以下のような電力変換装置がある。2つのインバータを有する電力変換器において、
 一方のインバータ部においては、3相の電圧指令信号のうち最も小さい電圧指令信号が設定された下限値となるように、最も小さい相の電圧指令信号から前記設定された下限値を差し引いた値を全ての相の電圧指令信号から減算する「下べた二相変調処理」を行い、
 他方のインバータ部においては、3相の電圧指令信号のうち最も大きい電圧指令信号が設定された上限値となるように、最も大きい相の電圧指令信号から前記設定された上限値を差し引いた値を全ての相の電圧指令信号から減算する「上べた二相変調処理」を行う、
 ことにより、有効電圧ベクトル発生期間の重複を回避することができ、コンデンサのリップル電流を低減することができる(特許文献2参照)。

先行技術文献

特許文献

[0004]
特許文献1 : 特許第5644854号明細書(段落0012)
特許文献2 : 特許第5045799号明細書(段落0015)

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0005]
 特許文献1にあるような、インバータのPWM(Pulse Width Modulation:パルス幅変調)搬送波の周波数を複数用意して、その複数の周波数から1つを変動させながら選択するような方法においては、PWM搬送波を複数記憶する必要があるため、メモリ容量が膨大となり、廉価なマイコン(CPU)への実装が困難、といった課題がある。
 また、制御装置を一度マイコン等のCPUに実装してしまうと、インバータのPWM搬送波の変更には、膨大な時間を要するという課題がある。これにより、例えば、製品が完成した後にノイズを計測したところ、ある周波数成分のノイズレベルが基準値を超えており、更なるノイズ低減が必要となった、等という場合には、更にもう1つや2つの異なる周波数のPWM搬送波を追加することでノイズレベルを調整する必要があるが、このような場合には、マイコンへの追加プログラムの設計や実装に膨大な時間を要することになり、またマイコンのメモリ容量の不足を招く可能性もある。
[0006]
 また、特許文献2にあるような、一方のインバータにおいては「下べた二相変調処理」、もう一方のインバータにおいては「上べた二相変調処理」とする手法では、有効ベクトルが重複することを避けるために、一方のインバータにおける電圧指令信号をシフト可能な限り上にシフトし、かつ、他方のインバータにおける電圧指令信号を可能な限り下にシフトすることによって、幅広い変調率範囲でコンデンサ電流を低減するには有効であるが、この手法では、2つのインバータから生じるノイズについては考慮されておらず、ノイズ低減に好適ではない。
[0007]
 この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、広義には、2つの多相インバータを有する電力変換装置において、インバータのPWM搬送波の周波数を変動させることなく、ノイズ規格の周波数帯のノイズの抑制が可能な電力変換装置、および電動パワーステアリング装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0008]
 この発明は、直流電源から出力される直流電圧の供給を受けて電力変換を行い交流電圧を出力する第1の多相インバータおよび第2の多相インバータと、外部からの制御指令に基づいて第1の多相インバータおよび第2の多相インバータが負荷を駆動するための第1の多相駆動電圧指令および第2の多相駆動電圧指令を演算する駆動電圧指令演算部と、前記第1の多相駆動電圧指令を第1のオフセット電圧で調整した値を第1の多相電圧指令として出力して前記1の多相インバータを制御する第1平均電圧調節部と、前記第2の多相駆動電圧指令を第2のオフセット電圧で調整した値を第2の多相電圧指令として出力して前記2の多相インバータを制御する第2平均電圧調節部と、前記直流電源の直流電圧をVdcとし、前記第1の多相インバータおよび前記第2の多相インバータのPWM信号の周波数をfcとし、電力変換装置が準拠すべきノイズ規格の下限周波数をfrとしたとき、前記第1の多相インバータが出力する前記交流電圧の指令値である前記第1の多相電圧指令の各相の平均値である第1平均電圧と、前記第2の多相インバータが出力する前記交流電圧の指令値である前記第2の多相電圧指令の各相の平均値である第2平均電圧との差である差電圧の絶対値が下記式(1)以下
 k2・fc/fr・Vdc[V]   (1)
 ただし、k2は1以上の奇数、
 になるように前記第1平均電圧調節部および前記第2平均電圧調節部を制御する電圧調整制御部と、を備えた電力変換装置等にある。

発明の効果

[0009]
 この発明では、電力変換装置の2つの多相インバータのPWM搬送波の周波数を変動させることなく、ノイズ規格の周波数帯のノイズの抑制が可能な電力変換装置、電動パワーステアリング装置を提供できる。

図面の簡単な説明

[0010]
[図1] この発明の実施の形態1における電力変換装置の全体構成を示す図である。
[図2] この発明における電力変換装置の交流回転機の巻線の構成の一例を示す図である。
[図3] この発明の実施の形態1における電力変換装置の第1の3相インバータの動作を説明するための図である。
[図4] この発明の実施の形態1における電力変換装置の第2の3相インバータの動作を説明するための図である。
[図5] この発明の実施の形態1に係る第1および第2の3相インバータから直流電源側へ伝搬される伝導ノイズを説明するための実測波形図である。
[図6] この発明の実施の形態1に係る第1および第2の3相インバータから直流電源側へ伝搬される伝導ノイズを説明するための実測波形図である。
[図7] 図6のノイズを近似波形で示した図である。
[図8] この発明の実施の形態1によるノイズを低減する第1平均電圧と第2平均電圧との差である差電圧を説明するための図である。
[図9] この発明の実施の形態1に係る第1と第2のオフセット電圧の差がそれぞれの(a)で示す関係にある時のノイズの実測結果のアベレージとピークをそれぞれ(b)と(c)に示した図である。
[図10] この発明の実施の形態1に係る第1と第2のオフセット電圧の差がそれぞれの(a)で示す関係にある時のノイズの実測結果のアベレージとピークをそれぞれ(b)と(c)に示した図である。
[図11] この発明の実施の形態1に係る第1と第2のオフセット電圧の差がそれぞれの(a)で示す関係にある時のノイズの実測結果のアベレージとピークをそれぞれ(b)と(c)に示した図である。
[図12] この発明の実施の形態1に係る第1と第2のオフセット電圧の差がそれぞれの(a)で示す関係にある時のノイズの実測結果のアベレージとピークをそれぞれ(b)と(c)に示した図である。
[図13] この発明の実施の形態1に係る第1のオフセット電圧Voffset1と第2のオフセット電圧Voffset2の差の絶対値|Voffset1-Voffset2|とノイズを低減したい周波数の関係を示した図である。
[図14] この発明の実施の形態2における電動パワーステアリング装置の全体構成を示す図である。
[図15] この発明による電力変換装置および電動パワーステアリング装置の制御部のハードウェア構成の一例を示す図である。
[0011]
 この発明によれば、電力変換装置の第1の多相インバータおよび第2の多相インバータが出力する交流電圧の指令値である第1の電圧指令(Vu1_ref’、Vv1_ref’、Vw1_ref’)の各相の平均値である第1平均電圧(Vave1)と、第2の多相インバータが出力する交流電圧の指令値である第2の電圧指令(Vu2_ref’、Vv2_ref’、Vw2_ref’)の各相の平均値である第2平均電圧(Vave2)との差である差電圧(Vave_dif)の絶対値(Vave_dif_abs)を下記の式以下になるように設定する。
 k2・fc/fr・Vdc[V]   (1)
 但し、
 Vdc:電力変換装置のための直流電源からの直流電圧
 fc:第1の多相インバータおよび第2の多相インバータが出力するPWM信号(Vu1、Vv1、Vw1)の周波数
 fr:準拠すべきノイズ規格の下限周波数
 k2:1以上の奇数である。
 すなわち、第1の平均電圧と第2の平均電圧との差である差電圧の絶対値を上記の式以下とする構成としたことで、ノイズ規格の下限周波数fr以上の周波数成分のノイズを、PWM信号の周波数fcを変動させることなく、抑制することが可能である。よって、マイコン等のCPUのメモリを大幅に削減でき、マイコン等のCPUのメモリ容量が少ない廉価なマイコン(CPU)への実装が可能となり、コスト削減に寄与できる。
[0012]
 以下、この発明による電力変換装置、電動パワーステアリング装置を各実施の形態に従って図面を用いて説明する。なお、各実施の形態において、同一もしくは相当部分は同一符号で示し、また重複する説明は省略する。
[0013]
 実施の形態1.
 図1はこの発明の実施の形態1における電力変換装置の全体構成を示す図である。
 交流回転機1は、2組の3相巻線を有する交流回転機であり、第1の3相巻線U1、V1、W1および第2の3相巻線U2、V2、W2を有する。交流回転機1では、図2に示すように、(a)に示す第1の3相巻線U1-V1-W1と、(b)に示す第2の3相巻線U2-V2-W2が電気角で同相に配置されており、それぞれの中性点N1、N2が電気的に接続されない。
 直流電源2は、第1の3相インバータ3aおよび第2の3相インバータ3bに直流電圧Vdcを出力する。この直流電源2として、バッテリー、DC-DCコンバータ、ダイオード整流器、PWM整流器等、直流電圧を出力する全ての機器を含む。直流電源2の正極側電位をVp、負極側電位をVnとする。
[0014]
 第1の3相インバータ3aは、後述する第1の3相電圧指令Vu1_ref’、Vv1_ref’、Vw1_ref’に基づき、周波数fcであるPWM搬送波との比較によりPWM変調することによって、直流電源2から入力した直流電圧Vdcを直流から交流への変換である逆変換して交流回転機1の第1の3相巻線U1,V1,W1に交流電圧Vu1、Vv1、Vw1を印加する。スイッチSup1~Swp1,Sun1~Swn1として、IGBT,バイポーラトランジスタ,MOSパワートランジスタ等のいずれか1つからなる半導体スイッチとダイオードを逆並列に接続したものを用いる。
[0015]
 第2の3相インバータ3bは、後述する第2の3相電圧指令Vu2_ref’、Vv2_ref’、Vw2_ref’に基づき、周波数fcであるPWM搬送波との比較によりPWM変調することによって、直流電源2から入力した直流電圧Vdcを直流から交流への変換である逆変換して交流回転機1の第2の3相巻線U2,V2,W2に交流電圧Vu2、Vv2、Vw2を印加する。スイッチSup2~Swp2,Sun2~Swn2として、IGBT,バイポーラトランジスタ,MOSパワートランジスタ等のいずれか1つからなる半導体スイッチとダイオードを逆並列に接続したものを用いる。
[0016]
 駆動電圧指令演算部4aは、制御指令CCOに基づいて交流回転機1を駆動するための第1の3相駆動電圧指令Vu1_ref、Vv1_ref、Vw1_refおよび第2の3相駆動電圧指令Vu2_ref、Vv2_ref、Vw2_refを演算する。
 第1の3相駆動電圧指令Vu1_ref、Vv1_ref、Vw1_refおよび第2の3相駆動電圧指令Vu2_ref、Vv2_ref、Vw2_refの演算方法としては、以下の公知技術を使用する。
 1つの例として、図1における制御指令CCOとして交流回転機1の、速度指令または周波数指令fを設定した上で、第1の3相駆動電圧指令および第2の3相駆動電圧指令の振幅を決定とするV/F制御がある。
 また別の例として、制御指令CCOとして交流回転機1の電流指令を設定し、この電流指令と第1の3相巻線U1、V1、W1を流れる電流との偏差に基づいてその偏差を零とすべく比例積分制御によって第1の3相駆動電圧指令Vu1_ref、Vv1_ref、Vw1_refを演算すると共に、
 電流指令と第2の3相巻線U2、V2、W2を流れる電流との偏差に基づいてその偏差を零とすべく比例積分制御によって第2の3相駆動電圧指令Vu2_ref、Vv2_ref、Vw2_refを演算する電流フィードバック制御、などを使用する。
[0017]
 第1平均電圧調節部5aは、駆動電圧指令演算部4aより出力された、第1の3相駆動電圧指令Vu1_ref、Vv1_ref、Vw1_refに第1のオフセット電圧Voffset1を等しく加算した値を第1の3相電圧指令Vu1_ref’、Vv1_ref’、Vw1_ref’として出力する。
[0018]
<第1平均電圧Vave1の調節>
 以下、第1のオフセット電圧Voffset1を調節することにより、第1の3相電圧指令Vu1_ref’、Vv1_ref’、Vw1_ref’の平均電圧である第1平均電圧Vave1が調節できることについて述べる。
 第1の3相駆動電圧指令Vu1_ref、Vv1_ref、Vw1_refは、下記式(1-1)から(1-3)のように3相交流電圧で表せる。ただし、Vamp1は第1の3相駆動電圧指令の振幅、θv1は第1の3相駆動電圧指令の位相である。
[0019]
 Vu1_ref=Vamp1・sin(θv1)       (1-1)
 Vv1_ref=Vamp1・sin(θv1-2π/3)  (1-2)
 Vw1_ref=Vamp1・sin(θv1+2π/3)  (1-3)
[0020]
 次に、第1の3相電圧指令Vu1_ref’、Vv1_ref’、Vw1_ref’は、第1の3相駆動電圧指令Vu1_ref、Vv1_ref、Vw1_refに第1のオフセット電圧Voffset1を加算したものであるから、下記式(1-4)から(1-6)のように表せる。
[0021]
 Vu1_ref’=Vu1_ref+Voffset1
         =Vamp1・sin(θv1)+Voffset1
                             (1-4)
 Vv1_ref’=Vv1_ref+Voffset1
         =Vamp1・sin(θv1-2π/3)
          +Voffset1          (1-5)
 Vw1_ref’=Vw1_ref+Voffset1
         =Vamp1・sin(θv1+2π/3)
          +Voffset1          (1-6)
[0022]
 そして、第1平均電圧Vave1は式(1-7)のように表せる。
[0023]
 Vave1=(Vu1_ref’+Vv1_ref’+Vw1_ref’)
       /3
      =Voffset1              (1-7)
 以上より、第1平均電圧Vave1が第1のオフセット電圧Voffset1に一致することから、第1のオフセット電圧Voffset1を調整することにより、第1平均電圧Vave1の調整が行える。
[0024]
 第2平均電圧調節部5bは、駆動電圧指令演算部4aより出力された、第2の3相駆動電圧指令Vu2_ref、Vv2_ref、Vw2_refに第2のオフセット電圧Voffset2を等しく加算した値を第2の3相電圧指令Vu2_ref’、Vv2_ref’、Vw2_ref’として出力する。
[0025]
<第2平均電圧Vave2の調節>
 以下、第2のオフセット電圧Voffset2を調節することにより、第2の3相電圧指令Vu2_ref’、Vv2_ref’、Vw2_ref’の平均電圧である第2平均電圧Vave2が調節できることについて述べる。
 第2の3相駆動電圧指令Vu2_ref、Vv2_ref、Vw2_refは、式(1-8)から(1-10)のように3相交流電圧で表せる。ただし、Vamp2は第2の3相駆動電圧指令の振幅、θv2は第2の3相駆動電圧指令の位相である。
[0026]
 Vu2_ref=Vamp2・sin(θv2)       (1-8)
 Vv2_ref=Vamp2・sin(θv2-2π/3)  (1-9)
 Vw2_ref=Vamp2・sin(θv2+2π/3)  (1-10)
[0027]
 次に、第2の3相電圧指令Vu2_ref’、Vv2_ref’、Vw2_ref’は、第2の3相駆動電圧指令Vu2_ref、Vv2_ref、Vw2_refに第2のオフセット電圧Voffset2を加算したものであるから、式(1-11)から式(1-13)のように表せる。
[0028]
 Vu2_ref’=Vu2_ref+Voffset2
         =Vamp2・sin(θv2)+Voffset2
                             (1-11)
 Vv2_ref’=Vv2_ref+Voffset2
         =Vamp2・sin(θv2-2π/3)
          +Voffset2          (1-12)
 Vw2_ref’=Vw2_ref+Voffset2
         =Vamp2・sin(θv2+2π/3)
          +Voffset2          (1-13)
[0029]
 そして、第2平均電圧Vave2は式(1-14)のように表せる。
[0030]
 Vave2=(Vu2_ref’+Vv2_ref’+Vw2_ref’)
       /3
      =Voffset2              (1-14)
[0031]
 以上より、第2平均電圧Vave2が第2のオフセット電圧Voffset2に一致することから、第2のオフセット電圧Voffset2を調整することにより、第2平均電圧Vave2の調整が行える。
[0032]
<交流電圧Vu1、Vv1、Vw1の生成>
 続いて、第1の3相インバータ3aにおいて、第1の3相インバータ3aから出力される交流電圧Vu1、Vv1、Vw1の指令値である第1の3相電圧指令Vu1_ref’、Vv1_ref’、Vw1_ref’に基づいた、交流電圧Vu1、Vv1、Vw1の生成法について述べる。図3は、この発明の実施の形態1による交流電圧Vu1、Vv1、Vw1の生成法を説明する図である。
 なお、図3は第1の3相インバータ3aの正極側のスイッチSup1,Svp1,Swp1の動作を示しているが、負極側のスイッチSun1,Svn1,Swn1の動作は正極側のスイッチの動作と反対の動作をするため、図示を省略している。
[0033]
 第1の3相電圧指令Vu1_ref’は周期Tc(=1/fc)のPWM搬送波PWMCと比較され、Vu1_ref’がPWMCより大きければ、スイッチSup1を「1」(オン)とし、かつ、図3では図示を省略したスイッチSun1を「0」(オフ)に設定することで、交流電圧Vu1として、直流電源2の正極側電位Vpが出力される。
 一方、Vu1_ref’がPWMCより小さければ、スイッチSup1を「0」(オフ)とし、かつ、スイッチSun1を「1」(オン)に設定することで、交流電圧Vu1として、直流電源2の負極側電位Vnが出力される。
 なお、上記説明では相電圧指令とPWMCとの比較で、「より大きい」「より小さい」とし、双方が同じ場合を除外している。実際には各3相インバータのスイッチのオンオフは、直列接続されたスイッチ同士が共にオンまたはオフにならないように切替えに緩衝帯を設けている。詳細は省略する。
[0034]
 第1の3相電圧指令Vv1_ref’は周期Tc(=1/fc)のPWM搬送波PWMCと比較され、Vv1_ref’がPWMCより大きければ、スイッチSvp1を「1」(オン)とし、かつ、図3では図示を省略したスイッチSvn1を「0」(オフ)に設定することで、交流電圧Vv1として、直流電源2の正極側電位Vpが出力される。
 一方、Vv1_ref’がPWMCより小さければ、スイッチSvp1を「0」(オフ)とし、かつ、スイッチSvn1を「1」(オン)に設定することで、交流電圧Vv1として、直流電源2の負極側電位Vnが出力される。
[0035]
 第1の3相電圧指令Vw1_ref’は周期Tc(=1/fc)のPWM搬送波PWMCと比較され、Vw1_ref’がPWMCより大きければ、スイッチSwp1を「1」(オン)とし、かつ、図3では図示を省略したスイッチSwn1を「0」(オフ)に設定することで、交流電圧Vw1として、直流電源2の正極側電位Vpが出力される。
 一方、Vw1_ref’がPWMCより小さければ、スイッチSwp1を「0」(オフ)とし、かつ、スイッチSwn1を「1」(オン)に設定することで、交流電圧Vw1として、直流電源2の負極側電位Vnが出力される。
[0036]
 以上により、第1の3相インバータ3aより出力される交流電圧Vu1、Vv1、Vw1は周期がTc、従って周波数がfcであるPWM電圧となる。この周波数fcのPWM電圧をPWM信号とも呼び、その周期はPWM搬送波PWMCの周期Tc(=1/fc)と一致するので、周波数もPWM搬送波PWMCの周波数fcと一致する。
[0037]
<交流電圧Vu2、Vv2、Vw2の生成>
 続いて、第2の3相インバータ3bにおいて、第2の3相インバータ3bから出力される交流電圧Vu2、Vv2、Vw2の指令値である第2の3相電圧指令Vu2_ref’、Vv2_ref’、Vw2_ref’に基づいた、交流電圧Vu2、Vv2、Vw2の生成法について述べる。図4は、この発明の実施の形態1による交流電圧Vu2、Vv2、Vw2の生成法を説明する図である。
 なお、図4は第2の3相インバータ3bの正極側のスイッチSup2,Svp2,Swp2の動作を示しているが、負極側のスイッチSun2,Svn2,Swn2の動作は正極側のスイッチの動作と反対の動作をするため、図示を省略している。
[0038]
 第2の3相電圧指令Vu2_ref’は周期Tc(=1/fc)のPWM搬送波PWMCと比較され、Vu2_ref’がPWMCより大きければ、スイッチSup2を「1」(オン)とし、かつ、図4では図示を省略したスイッチSun2を「0」(オフ)に設定することで、交流電圧Vu2として、直流電源2の正極側電位Vpが出力される。
 一方、Vu2_ref’がPWMCより小さければ、スイッチSup2を「0」(オフ)とし、かつ、スイッチSun2を「1」(オン)に設定することで、交流電圧Vu2として、直流電源2の負極側電位Vnが出力される。
[0039]
 第2の3相電圧指令Vv2_ref’は周期Tc(=1/fc)のPWM搬送波PWMCと比較され、Vv2_ref’がPWMCより大きければ、スイッチSvp2を「1」(オン)とし、かつ、図4では図示を省略したスイッチSvn2を「0」(オフ)に設定することで、交流電圧Vv2として、直流電源2の正極側電位Vpが出力される。
 一方、Vv2_ref’がPWMCより小さければ、スイッチSvp2を「0」(オフ)とし、かつ、スイッチSvn2を「1」(オン)に設定することで、交流電圧Vv2として、直流電源2の負極側電位Vnが出力される。
[0040]
 第2の3相電圧指令Vw2_ref’は周期Tc(=1/fc)のPWM搬送波PWMCと比較され、Vw2_ref’がPWMCより大きければ、スイッチSwp2を「1」(オン)とし、かつ、図4では図示を省略したスイッチSwn2を「0」(オフ)に設定することで、交流電圧Vw2として、直流電源2の正極側電位Vpが出力される。
 一方、Vw2_ref’がPWMCより小さければ、スイッチSwp2を「0」(オフ)とし、かつ、スイッチSwn2を「1」(オン)に設定することで、交流電圧Vw2として、直流電源2の負極側電位Vnが出力される。
[0041]
 以上により、第2の3相インバータ3bより出力される交流電圧Vu2、Vv2、Vw2は周波数がfcであるPWM電圧となる。
[0042]
 第1の3相インバータ3aから出力される交流電圧Vu1、Vv1、Vw1および第2の3相インバータ3bから出力される交流電圧Vu2、Vv2、Vw2は周波数がfcであるPWM波形の電圧であることから、第1の3相インバータ3aおよび第2の3相インバータ3bから直流電源2側へ伝導ノイズが流出する。
[0043]
 図5は、Vu1_refとVu2_refがほぼ等しく、かつ、Voffset1とVoffset2を等しく設定した場合の、交流電圧Vu1、Vu2、および直流電源2の正極側電位Vpに重畳されたノイズNIZの実測波形である。ただし、PWM搬送波PWMCの周波数は20kHzであり、PWM搬送波PWMCは第1の3相インバータ3aと第2の3相インバータ3bで同相としている。この場合、交流電圧Vu1、Vu2がほぼ等しいので、交流電圧Vu1、Vu2のオン時刻、すなわち電位がVnからVpへ変動する時刻、はほぼ等しく、かつ、交流電圧Vu1、Vu2のオフ時刻、すなわち電位がVpからVnへ変動する時刻、もほぼ等しい。ノイズ波形NIZに着目すると、オン時刻であるton近傍およびオフ時刻であるtoff近傍にて、脈動が生じている。
[0044]
 図6は、Vu1_refとVu2_refがほぼ等しく、かつ、Voffset1に比べVoffset2を大きく設定した場合の交流電圧Vu1、Vu2、および直流電源2の正極側電位Vpに重畳されたノイズNIZの実測波形である。ただし、PWM搬送波PWMCの周波数は20kHzであり、PWM搬送波PWMCは第1の3相インバータ3aと第2の3相インバータ3bで同相としている。この場合、交流電圧Vu1に比べ交流電圧Vu2の方がオン時間、すなわち電位がVpである時間、が長いので、交流電圧Vu1、Vu2のオン時刻、および、交流電圧Vu1、Vu2のオフ時刻は異なる。ノイズ波形NIZに着目すると、交流電圧Vu1、Vu2のオン時刻であるton_1、ton_2において、図5に示したton時のノイズと比べると振幅が小さい脈動が生じている。また、交流電圧Vu1、Vu2のオフ時刻であるtoff_1、toff_2において、図5に示したtoff時のノイズと比べると振幅が小さい脈動が生じている。
[0045]
<第1および第2平均電圧の差の調節によるノイズ抑制>
 以下、Voffset1とVoffset2との差、即ち、第1平均電圧Vave1と第2平均電圧Vave2との差の調節による、ノイズ抑制手法について述べる。
[0046]
 図6におけるPで示した点線内の2つのノイズを図7のような近似波形で表す。
 V:ノイズの高さ
 Y:ノイズの幅
 X:2つのノイズの発生間隔
 とする。PWM搬送波PWMCの周期をTcとしているので、この近似波形は周期Tcで繰り返される。よって、図7をフーリエ級数展開すると、PWM搬送波PWMCの周波数fcに対するn次成分anは、式(1-15)のように表される。ただし、
 f(x):近似波形
 2π:PWM搬送波PWMCの周期Tc
 としている。
[0047]
[数1]


[0048]
 式(1-15)において、Voffset1とVoffset2との差で調節が可能なのは、2つのノイズの発生間隔Xである。よって、Xを用いて式(1-15)を零に調節するには、式(1-16)を満たせばよい。
[0049]
[数2]


[0050]
 ただし、k1は、奇数の整数であり、具体的には、k1=…-9,-7,-5,-3,-1,1,3,5,7,9…、などである。式(1-16)をXについて解くと、式(1-17)となる。
[0051]
[数3]


[0052]
 ここで、図8の例より、PWM搬送波PWMCと比較される2つの電圧V1、V2のオフ間隔をXとするVoffset_difは、式(1-18)で表される。
[0053]
[数4]


[0054]
 よって、式(1-17)を式(1-18)に代入してVoffset_difについて解くと、式(1-19)となる。
[0055]
[数5]


[0056]
 以上より、PWM搬送波PWMCの周波数fcに対するn次成分のノイズを低減する第1平均電圧Vave1と第2平均電圧Vave2との差である差電圧は式(1-19)で表されるVoffset_difのように設定すればよい。また、第1平均電圧Vave1と第2平均電圧Vave2はどちらが大きくてもよいので、第1平均電圧Vave1と第2平均電圧Vave2との差である差電圧Vave_difの絶対値Vave_dif_absについて、式(1-19)にて、k1をk2に置き換えた下記の式(1-20)に一致すれば、PWM搬送波PWMCの周波数fcに対するn次成分のノイズを低減することができる。ここで、k2は、1以上の奇数であり、具体的にはk2=1,3,5,7,9,…、などである。
[0057]
[数6]


[0058]
<式(1-20)における整数の場合のnの設定>
 以下、式(1-20)におけるnの設定方法について述べる。
[0059]
 図1に示されるような電力変換装置においては、例えばCISPR(国際無線傷害特別委員会)等の規格によるノイズ規制の対象となっている。そのうち、伝導ノイズは、一般に150kHzから30MHzの範囲で規制されている。そこで、電力変換装置が準拠すべきノイズ規格の下限周波数をfrとするとき、nを「frをfcで除して得た除算値以上の整数値」に設定することで、fr以上の周波数帯域におけるノイズを抑制することができる。
 例えば、frを150kHz、fcを20kHzにそれぞれ設定した場合、「frをfcで除して得た除算値以上の整数値」における最小値は8であるので、式(1-20)においてk2を1に設定し、第1の平均電圧と第2の平均電圧との差である差電圧Vave_difがVdc/8を満たすようにVoffset1、Voffset2を設定すると、160kHz成分のノイズが抑制できる。
 例えば、直流電圧Vdcを12Vに設定する場合、図9の(a)に示すように、Voffset1とVoffset2との差を常に零に設定すると、図9の(b)、(c)のようにノイズの160kHz成分は、(b)のアベレージでXave1だけ生じx5より大きく、(c)のピークではXpeak1だけ生じx5より大きい。
[0060]
 ここで図9から図12は、第1のオフセット電圧Voffset1と第2のオフセット電圧Voffset2の差がそれぞれの(a)で示す関係にある時のノイズの実測結果のアベレージとピークをそれぞれ(b)と(c)に示したものである。
[0061]
 図9から図12における(b)、(c)の縦軸においては、上側に向かってノイズレベルが増大することを意味する。よって、x0、x1、x2、x3、x4、x5、x6の順にノイズレベルが増大することを意味する。よって、
 x6に比べx5の方がノイズレベルが低く、
 x5に比べx4の方がノイズレベルが低く、
 x4に比べx3の方がノイズレベルが低く、
 x3に比べx2の方がノイズレベルが低く、
 x3に比べx2の方がノイズレベルが低く、
 x2に比べx1の方がノイズレベルが低く、
 x1に比べx0の方がノイズレベルが低い
 ことを意味する。
[0062]
 一方、図10の(a)ように、Voffset1とVoffset2との差が1.5V(=Vdc/8=12/8)一定となるように設定した場合、図10の(b)のように、ノイズのアベレージの160kHz成分はx2より小さいXave2まで低減し、図10の(c)のように、ノイズのピークの160kHz成分はx3より小さいXpeak2まで改善する。
[0063]
 更に、図11の(a)に示すように、Voffset1とVoffset2との差の絶対値が1.5V(=Vdc/8=12/8)となるように、Voffset1からVoffset2を減算した値が100μs毎にVdc/8と-Vdc/8の間で切換えられて繰り返すように設定すると、ノイズの160kHz成分は、(b)に示すアベレージでx1より小さいXave3a、(c)に示すピークで図10の(c)に示すXpeak2より小さいXpeak3aまで低減できる。更に、電力変換装置が準拠すべきノイズ規格の上限周波数をfhとするとき、nを「fhをfcで除して得た除算値以下の整数値」に設定することにより、ノイズ規格の下限周波数fr以上かつノイズ規格の上限周波数fh以下の範囲でノイズを抑制することができる。
[0064]
 また、式(1-20)におけるnを、「frをfcで除して得た除算値以上の整数値」から「fhをfcで除して得た除算値以下の整数値」の範囲で、PWM搬送波PWMCの半周期(Tc/2)の正の整数倍(1,2,3,…)の時間毎に変動させて出力することで、ノイズ規格の下限周波数fr以上かつノイズ規格の上限周波数fh以下のより幅広い範囲でノイズを抑制することができる。例えば、図11の(a)に示したVoffset1とVoffset2との差の絶対値が1.5V(=Vdc/8)とした場合に対し、200kHzから300kHzにおけるノイズを改善するために、図12の(a)に示すように、Voffset1からVoffset2を減算した値が
 -1.5V(-Vdc/8)→1.5V(Vdc/8)→-1V(-Vdc/12)→1V(Vdc/12)→-1.5V(-Vdc/8)
 のように100μsで変動するように設定すると、図12の(b)のように150kHzから300kHzにおけるノイズがアベレージでバランスよく低減され、その範囲の最悪値を、図11の(b)におけるX4とX5の間に位置するXave3bから、図12の(b)のX3とX4の間に位置するXave4bまで改善できる。また、図12の(c)に示すように、ピークノイズにおいても、図11の(c)におけるX5にほぼ等しいXpeak3bから、図12の(c)のX4とX5の間に位置するXpeak4bまで改善できる。
[0065]
<式(1-20)における整数に限定されない場合のnの設定>
 以上の説明においては、nが整数の場合について述べたが、nは整数でない場合も考えられる。そこで、以下の説明では、nを整数に限定せずにノイズを抑制する手法について説明する。式(1-20)において、電力変換装置が準拠すべきノイズ規格の下限周波数fr以上の成分を低減するには、nは次式を満たす必要がある。
[0066]
[数7]


[0067]
 式(1-21)を式(1-20)に代入すると式(1-22)を得る。
[0068]
[数8]


[0069]
 よって、第1平均電圧と第2平均電圧との差である差電圧の絶対値Vave_dif_absが式(1-22)を満たすように第1平均電圧Vave1と第2平均電圧Vave2を設定することで、電力変換装置が準拠すべきノイズ規格の下限周波数fr以上のノイズ成分を低減することができる。更に、式(1-20)において、電力変換装置が準拠すべきノイズ規格の上限周波数fh以下の成分を低減するには、nは式(1-23)を満たす必要がある。
[0070]
[数9]


[0071]
 式(1-23)を式(1-20)に代入すると式(1-24)を得る。
[0072]
[数10]


[0073]
 よって、第1平均電圧と第2平均電圧との差である差電圧の絶対値Vave_dif_absが式(1-24)を満たすように第1平均電圧Vave1と第2平均電圧Vave2を設定することで、電力変換装置が準拠すべきノイズ規格の上限周波数fh以下の成分を低減することができる。更に、式(1-22)、式(1-24)の両方を満たす範囲にて、第1平均電圧と第2平均電圧との差である差電圧の絶対値Vave_dif_absを、PWM搬送波PWMCの半周期(Tc/2)の正の整数倍(1,2,3,…)の時間毎に変動させて出力することで、先に述べた、図11の(b)に対する図12の(b)の効果と同ように、より幅広い周波数範囲のノイズを低減することが可能となる。より具体的には、ノイズを低減したい周波数に対応する、第1平均電圧Vave1と第2平均電圧Vave2との差である差電圧の絶対値Vave_dif_absを図13のように描き、ノイズを低減したい周波数範囲で差電圧の絶対値を変動させればよい。
 図13はVdc=12V、fc=20kHzの場合の、縦軸の第1平均電圧Vave1と第2平均電圧Vave2との差である差電圧Vave_difの絶対値Vave_dif_absと、横軸のノイズを低減したい周波数の関係を示している。
[0074]
 以上より、本実施の形態1においては、第1平均電圧と第2平均電圧との差である差電圧の調節のみでノイズを抑制することができる。この発明は、第1のインバータと第2のインバータに関するPWM搬送波PWMCが同相の場合にも実施できるため、第1のインバータと第2のインバータとでPWM搬送波PWMCの位相をずらすような操作は必要なく、実装が容易である。また、特許文献1のように、複数のPWM搬送波PWMCの周波数を変動させるような操作も必要ないことからも、容易な実装であるといえる。
 また、製品が完成した後に、異なる周波数帯のノイズを低減したい場合において、特許文献1ではPWM搬送波PWMCを変更させる必要があり、調整に時間がかかる課題があるのに対し、この発明においては、例えば図13を参照して、第1平均電圧と第2平均電圧との差である差電圧の調節のみでノイズを抑制が可能であるため、変更が容易であり、調整にかかる時間を短縮できる効果を奏する。例えば、図13において、200kHzのノイズを低減したければ、第1平均電圧と第2平均電圧との差である差電圧の絶対値を1.2Vに設定すればよい。同様に、例えば、120kHzのノイズを低減したければ、第1平均電圧と第2平均電圧との差である差電圧の絶対値を2Vに設定すればよい。
[0075]
 また、本実施の形態1においては、第1の3相インバータと第2の3相インバータを用いた例について述べたが、3相に限定されるものではなく、2相以上を有する第1の多相インバータと第2の多相インバータについても同様の効果が得られことは言うまでもない。その場合、3相駆動電圧指令、3相電圧指令等は全て多相駆動電圧指令、多相電圧指令等となる。
[0076]
 また、本実施の形態1においては、第1のオフセット電圧Voffset1および第2のオフセット電圧Voffset2を調節することによって、第1平均電圧Vave1と第2平均電圧Vave2との差である差電圧Vave_difの絶対値Vave_dif_absを調節する例について述べた。
[0077]
 しかしながら、PWM信号の生成法として、空間ベクトル変調を採用する場合には、
 第1の多相インバータ(3a)に対する2つの零電圧ベクトル
 (V0(全相において直流電源負極側スイッチSun1,Svn1,Swn1がオンとなるスイッチパターン。図3に示した3相の例では、スイッチSup1=0(オフ)かつスイッチSvp1=0(オフ)かつスイッチSwp1=0(オフ))、
 V7(全相において直流電源正極側スイッチSup1,Svp1,Swp1がオンとなるスイッチパターン。図3に示した3相の例では、スイッチSup1=1(オン)かつスイッチSvp1=1(オン)かつスイッチSwp1=1(オン))の生成割合と、
 第2の多相インバータ(3b)に対する2つの零電圧ベクトル
 (V0(全相において直流電源負極側スイッチSun2,Svn2,Swn2がオンとなるスイッチパターン。図4に示した3相の例では、スイッチSup2=0(オフ)かつスイッチSvp2=0(オフ)かつスイッチSwp2=0(オフ))、
 V7(全相において直流電源正極側スイッチSup2,Svp2,Swp2がオンとなるスイッチパターン。図4に示した3相の例においては、スイッチSup2=1(オン)かつスイッチSvp2=1(オン)かつスイッチSwp2=1(オン))
 の生成割合を調節することによって、第1平均電圧Vave1と第2平均電圧Vave2を調整すればよい。
[0078]
 また、本実施の形態1においては、第1の3相インバータと第2の3相インバータに接続される負荷として、2組の3相巻線を有する交流回転機について述べたが、負荷はこれに限定されるものではない。例えば、第1の3相インバータと第2の3相インバータでそれぞれに別々に交流回転機を接続してもよいことは言うまでもない。
[0079]
 以上の第1のオフセット電圧Voffset1および第2のオフセット電圧Voffset2を調節することによって、第1平均電圧Vave1と第2平均電圧Vave2との差である差電圧Vave_difの絶対値Vave_dif_absを調節する制御等は、電圧調整制御部6aによって行なわれる。また電圧調整制御部6aは、例えば図13に従って外部から入力されるノイズを低減したい周波数fに従って第1のオフセット電圧Voffset1および第2のオフセット電圧Voffset2の調節を行うことができる。
[0080]
 実施の形態2.
 図14はこの発明の実施の形態2に係る電動パワーステアリング装置の全体構成図である。
 運転手は,ハンドル901を左右に回転させて前輪902の操舵を行う。トルク検出器903は,ステアリング系の操舵トルクTsを検出し,検出トルクTsを後述する制御指令生成部905に出力する。交流回転機1は、ギア904を介して運転者の操舵を補助するアシストトルクを発生するものであり、そのロータがギア904と機械的に接続されている他は図1の交流回転機1と同じである。
[0081]
 制御指令生成部905は、トルクセンサ903から出力された運転者の操舵トルクTsに基づいて、交流回転機1を所望の状態に制御するための制御指令CCOを演算する。出力する制御指令CCOとして、式(2-1)のようにトルク電流指令I_targetを演算する。
[0082]
 I_target=ka・Ts     (2-1)
[0083]
 ここで、kaは定数であるが、操舵トルクTsや自動車の走行速度に応じて変動させるように設定してもよい。ここでは式(2-1)でトルク電流指令I_targetを決定するが、操舵状況に応じた公知の補償制御に基づいて設定してもよい。
[0084]
 続いて、電流検出器201aは、第1の3相インバータ3aの出力側を流れる電流Iu1,Iv1,Iw1をそれぞれ電流信号Iu1_c,Iv1_c,Iw1_cとして、PWM搬送波PWMCのピーク近傍にて検出する。ここで、ピークとはPWM搬送波PWMCの最小値(-Vdc/2)または最大値(Vdc/2)のことである。なお、本実施の形態においては、PWM搬送波PWMCの周期Tc(=1/Fc)は一定とする。
[0085]
 電流検出器201bは、第2の3相インバータ3bの出力側を流れる電流Iu2,Iv2,Iw2をそれぞれ電流信号Iu2_c,Iv2_c,Iw2_cとして、PWM搬送波PWMCのピーク近傍にて検出する。
[0086]
 駆動電圧指令演算部4aは、
 制御指令COO(I_target)、
 電流検出器201aにて検出した電流信号Iu1_c,Iv1_c,Iw1_c、
 電流検出器201bにて検出した電流信号Iu2_c,Iv2_c,Iw2_c、
 に基づいて、交流回転機1を駆動するための
 第1の3相駆動電圧指令Vu1_ref、Vv1_ref、Vw1_refおよび
 第2の3相駆動電圧指令Vu2_ref、Vv2_ref、Vw2_refを演算する。
 第1の3相駆動電圧指令Vu1_ref、Vv1_ref、Vw1_refは、
 電流信号Iu1_c,Iv1_c,Iw1_cを交流回転機1の回転位置または公知の回転位置推定手法を用いて座標変換した回転二軸電流と、トルク電流指令I_targetおよび励磁電流指令との偏差を比例・積分制御して得た回転二軸上の電圧を静止三相軸上の電圧指令に座標変換することによって求める。
 また、第2の3相駆動電圧指令Vu2_ref、Vv2_ref、Vw2_refは、電流信号Iu2_c,Iv2_c,Iw2_cを交流回転機1の回転位置または公知の回転位置推定手法を用いて座標変換した回転二軸電流と、制御指令I_targetおよび励磁電流指令との偏差を比例・積分制御して得た回転二軸上の電圧を静止三相軸上の電圧指令に座標変換することによって求める。
[0087]
 以下、本実施の形態2における効果について説明する。電動パワーステアリング装置においては,電流検出器201a,201bの安定性が第一に重要である。電流制御の安定性を確保するには,モータ電流、すなわち電流Iu1,Iv1,Iw1、Iu2,Iv2,Iw2、の検出間隔を一定とする必要がある。そこで,本実施の形態2では,PWM搬送波PWMCの周期を単一周期の三角波とし,そのピーク近傍でモータ電流を検出する。PWM搬送波PWMCの周期を単一周期としたことによって,PWM搬送波PWMCのピーク近傍と次の周期のPWM搬送波PWMCのピーク近傍の周期は常に一定となり,一定周期でのモータ電流の検出が可能となり,電流検出器201a,201bの安定性が確保できる。
[0088]
 次に,電動パワーステアリングの制御においては,交流回転機1を流れる電流を高精度に検出することが求められる。これは,検出した電流にその基本波に対する誤差が生じると,誤差をもつ電流を電流指令値に一致させるように比例・積分制御が行われ,その結果、交流回転機1よりトルクリップルが生じ,それがギア904を介して,ハンドル1へと伝わり,運転者の操舵感を悪化させてしまう。
 そこで、本実施の形態2では,電流検出のタイミングをPWM搬送波PWMCのピーク近傍とすることによって,PWM信号に起因するリップル成分を含む電流からその基本波を検出することが可能となる。よって、電流を高精度に検出することが可能となり、交流回転機1により生じるトルクリップルが増大せず、運転者の良好なハンドルの操舵感が得られる。
[0089]
 一方,特許文献1のように,PWM搬送波PWMCの周期を変動させる方式においては,駆動電圧指令演算部の安定性を確保するため、電流の検出間隔を一定すると,常にPWM搬送波PWMCのピーク近傍で電流を検出することができず,検出した電流にPWM信号によるリップル成分に起因した誤差が生じ、結果としてハンドル操舵感を悪化させる。また、高精度なモータ電流の検出を行うため、PWM搬送波PWMCのピーク近傍のタイミングでモータ電流を検出すると、PWM搬送波PWMC周期が変動することにより,電流の検出間隔が一定間隔ではなくなり、安定した制御を実現することができない。特にPWM搬送波PWMC周期が長くなる場合に,モータ電流の検出間隔が長くなり電流制御が不安定となる。以上より、特許文献1の手法では、ノイズ低減と高精度で安定な電流制御との両立ができない。
[0090]
 以上より,本実施の形態2においては,PWM搬送波PWMCの周期を単一周期の三角波とし、電流検出器によるモータ電流の検出のタイミングをPWM搬送波PWMCのピーク近傍に設定し、そのタイミングにて検出された電流に基づいて駆動指令電圧演算部にて、電圧指令を演算する構成としたことによって、電流の制御の安定性とハンドル操舵感を維持したまま,実施の形態1で述べたノイズ低減効果を得るといった従来にない顕著な効果を奏する。
[0091]
 なお上記各実施の形態において、図1および図14に示された各機能からなる制御部100は、別々の制御回路で構成してもよく、また1つの制御回路でまとめて構成してもよい。
 この点に関し、これらの機能を実現する処理回路は、専用のハードウェアであっても、メモリに格納されるプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサ、DSPともいう)であっても構成可能である。
[0092]
 図15の(a)はこれらの機能をハードウェアで構成した場合、(b)はソフトウェアで構成した場合の、ハードウェア構成を概略的に示す。
 上記各部の機能を図15の(a)に示すハードウェアで構成した場合、処理回路1000は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、またはこれらを組み合わせたものが該当する。上記各部の機能それぞれを処理回路で実現してもよいし、各部の機能をまとめて処理回路で実現してもよい。
[0093]
 上記各部の機能を図15の(b)に示すCPUで構成した場合、上記各部の機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェアやファームウェアはプログラムとして記述され、メモリ2100に格納される。処理回路であるプロセッサ2000は、メモリ2100に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、各部の機能を実現する。これらのプログラムは、上記各部の手順や方法をコンピュータに実行させるものであるともいえる。ここで、メモリ2100とは、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリー、EPROM、EEPROM等の、不揮発性または揮発性の半導体メモリや、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD等が該当する。
[0094]
 なお、上記各部の機能について、一部を専用のハードウェアで実現し、一部をソフトウェアまたはファームウェアで実現するようにしてもよい。
[0095]
 このように、処理回路は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせによって、上述の各機能を実現することができる。
 また処理に必要な各種情報は、ハードウェア構成の場合は回路に予め設定され、またソフトウェア構成の場合にはメモリに予め記憶させておく。
[0096]
 以上のようにこの発明による電力変換装置では、
 直流電源(2)から出力される直流電圧の供給を受けて電力変換を行い交流電圧を出力する第1の多相インバータ(3a)および第2の多相インバータ(3b)と、
 外部からの制御指令(CCO)に基づいて第1の多相インバータ(3a)および第2の多相インバータ(3b)が負荷を駆動するための第1の多相駆動電圧指令(Vu1_ref、Vv1_ref、Vw1_ref)および第2の多相駆動電圧指令(Vu2_ref、Vv2_ref、Vw2_ref)を演算する駆動電圧指令演算部(4a)と、
 前記第1の多相駆動電圧指令(Vu1_ref、Vv1_ref、Vw1_ref)を第1のオフセット電圧(Voffset1)で調整した値を第1の多相電圧指令(Vu1_ref’、Vv1_ref’、Vw1_ref’)として出力して前記1の多相インバータ(3a)を制御する第1平均電圧調節部(5a)と、
 前記第2の多相駆動電圧指令(Vu2_ref、Vv2_ref、Vw2_ref)を第2のオフセット電圧(Voffset2)で調整した値を第2の多相電圧指令(Vu2_ref’、Vv2_ref’、Vw2_ref’)として出力して前記2の多相インバータ(3b)を制御する第2平均電圧調節部(5b)と、
 前記直流電源(2)の直流電圧をVdcとし、
 前記第1の多相インバータ(3a)および前記第2の多相インバータ(3b)のPWM信号(Vu1、Vv1、Vw1,Vu2、Vv2、Vw2)の周波数をfcとし、
 電力変換装置が準拠すべきノイズ規格の下限周波数をfrとしたとき、
 前記第1の多相インバータ(3a)が出力する前記交流電圧の指令値である前記第1の多相電圧指令(Vu1_ref’、Vv1_ref’、Vw1_ref’)の各相の平均値である第1平均電圧(Vave1)と、前記第2の多相インバータ(3b)が出力する前記交流電圧の指令値である前記第2の多相電圧指令(Vu2_ref’、Vv2_ref’、Vw2_ref’)の各相の平均値である第2平均電圧(Vave2)との差である差電圧(Vave_dif)の絶対値(Vave_dif_abs)が下記式(1)以下
 k2・fc/fr・Vdc[V]   (1)
 ただし、k2は1以上の奇数、
 になるように前記第1平均電圧調節部(5a)および前記第2平均電圧調節部(5b)を制御する電圧調整制御部(6a)と、
 を備える。
 また、前記電圧調整制御部(6a)は、前記電力変換装置が準拠すべきノイズ規格の上限周波数をfhとしたとき、前記差電圧の絶対値(Vave_dif_abs)が、下記(2)式以上
 k2・fc/fh・Vdc[V]   (2)
 になるように前記第1平均電圧調節部(5a)および前記第2平均電圧調節部(5b)を制御する。
 また、前記電圧調整制御部(6a)は、前記差電圧の絶対値(Vave_dif_abs)が、前記PWM信号の半周期に対し正の整数倍の時間毎に、上記(1)式以下かつ上記(2)式以上の範囲で変動するように前記第1平均電圧調節部(5a)および前記第2平均電圧調節部(5b)を制御する。
[0097]
 またこの発明による電力変換装置では、
 直流電源(2)から出力される直流電圧の供給を受けて電力変換を行い交流電圧を出力する第1の多相インバータ(3a)および第2の多相インバータ(3b)と、
 外部からの制御指令(CCO)に基づいて第1の多相インバータ(3a)および第2の多相インバータ(3b)が負荷を駆動するための第1の多相駆動電圧指令(Vu1_ref、Vv1_ref、Vw1_ref)および第2の多相駆動電圧指令(Vu2_ref、Vv2_ref、Vw2_ref)を演算する駆動電圧指令演算部(4a)と、
 前記第1の多相駆動電圧指令(Vu1_ref、Vv1_ref、Vw1_ref)を第1のオフセット電圧(Voffset1)で調整した値を第1の多相電圧指令(Vu1_ref’、Vv1_ref’、Vw1_ref’)として出力して前記1の多相インバータ(3a)を制御する第1平均電圧調節部(5a)と、
 前記第2の多相駆動電圧指令(Vu2_ref、Vv2_ref、Vw2_ref)を第2のオフセット電圧(Voffset2)で調整した値を第2の多相電圧指令(Vu2_ref’、Vv2_ref’、Vw2_ref’)として出力して前記2の多相インバータ(3b)を制御する第2平均電圧調節部(5b)と、
 前記直流電源(2)の直流電圧をVdcとし、
 前記第1の多相インバータ(3a)および前記第2の多相インバータ(3b)のPWM信号(Vu1、Vv1、Vw1,Vu2、Vv2、Vw2)の周波数をfcとし、
 電力変換装置が準拠すべきノイズ規格の下限周波数をfrとしたとき、
 前記第1の多相インバータ(3a)が出力する前記交流電圧の指令値である前記第1の多相電圧指令(Vu1_ref’、Vv1_ref’、Vw1_ref’)の各相の平均値である第1平均電圧(Vave1)と、前記第2の多相インバータ(3b)が出力する前記交流電圧の指令値である前記第2の多相電圧指令(Vu2_ref’、Vv2_ref’、Vw2_ref’)の各相の平均値である第2平均電圧(Vave2)との差である差電圧(Vave_dif)の絶対値(Vave_dif_abs)が下記式(3)
 k2・Vdc/n[V]   (3)
 ただし、
 nはfrをfcで除して得た除算値(fr/fc)以上の整数値、
 k2は1以上の奇数
 になるように前記第1平均電圧調節部(5a)および前記第2平均電圧調節部(5b)を制御する電圧調整制御部(6a)と、
 を備える。
 また、前記電圧調整制御部(6a)は、前記電力変換装置が準拠すべきノイズ規格の上限周波数をfhとしたとき、上記(3)式における前記nを、fhをfcで除して得た除算値(fh/fc)以下の整数値とする。
 また、前記電圧調整制御部(6a)は、前記差電圧として、PWM信号の半周期に対し正の整数倍の時間毎に、前記nを変動させることより前記差電圧の絶対値(Vave_dif_abs)を変動させるように前記第1平均電圧調節部(5a)および前記第2平均電圧調節部(5b)を制御する。
[0098]
 またこの発明による電力変換装置では、
 直流電源(2)から出力される直流電圧の供給を受けて電力変換を行い交流電圧を出力する第1の多相インバータ(3a)および第2の多相インバータ(3b)と、
 外部からの制御指令(CCO)に基づいて第1の多相インバータ(3a)および第2の多相インバータ(3b)が負荷を駆動するための第1の多相駆動電圧指令(Vu1_ref、Vv1_ref、Vw1_ref)および第2の多相駆動電圧指令(Vu2_ref、Vv2_ref、Vw2_ref)を演算する駆動電圧指令演算部(4a)と、
 前記第1の多相駆動電圧指令(Vu1_ref、Vv1_ref、Vw1_ref)を第1のオフセット電圧(Voffset1)で調整した値を第1の多相電圧指令(Vu1_ref’、Vv1_ref’、Vw1_ref’)として出力して前記1の多相インバータ(3a)を制御する第1平均電圧調節部(5a)と、
 前記第2の多相駆動電圧指令(Vu2_ref、Vv2_ref、Vw2_ref)を第2のオフセット電圧(Voffset2)で調整した値を第2の多相電圧指令(Vu2_ref’、Vv2_ref’、Vw2_ref’)として出力して前記2の多相インバータ(3b)を制御する第2平均電圧調節部(5b)と、
 前記直流電源(2)の直流電圧をVdcとし、
 前記第1の多相インバータ(3a)および前記第2の多相インバータ(3b)のPWM信号の周波数が20kHz、
 電力変換装置が準拠すべきノイズ規格の上限周波数を150kHzとした場合に、
 前記第1の多相インバータ(3a)が出力する前記交流電圧の指令値である前記第1の多相電圧指令(Vu1_ref’、Vv1_ref’、Vw1_ref’)の各相の平均値である第1平均電圧(Vave1)と、前記第2の多相インバータ(3b)が出力する前記交流電圧の指令値である前記第2の多相電圧指令(Vu2_ref’、Vv2_ref’、Vw2_ref’)の各相の平均値である第2平均電圧(Vave2)との差である差電圧(Vave_dif)が下記式(4)
 Vdc/8[V]   (4)
 を含めて、正の整数倍の時間毎に切り替わるように前記第1平均電圧調節部(5a)および前記第2平均電圧調節部(5b)を制御する電圧調整制御部(6a)と、
 を備える。
 また、前記電圧調整制御部(6a)は、前記差電圧(Vave_dif)として、下記式(5)
 -Vdc/8[V]   (5)
 を含める。
 また、前記電圧調整制御部(6a)は、前記差電圧(Vave_dif)として、下記式(6)、(7)
  Vdc/12[V]   (6)、
  -Vdc/12[V]   (7)
 の少なくとも一方を含める。
[0099]
 またこの発明による電動パワーステアリング装置では、
 上記いずれかの電力変換装置と、
 前記第1の多相インバータ(3a)および前記第2の多相インバータ(3b)による前記交流電圧の印加により、運転者の操舵を補助するためのアシストトルクを発生する交流回転機(1)と、
 を備える。

産業上の利用の可能性

[0100]
 この発明による電力変換装置、電動パワーステアリング装置は、多くの機種の電力変換装置、電動パワーステアリング装置に適用することができる。

符号の説明

[0101]
 1  交流回転機、2 直流電源、3a,3b 3 相インバータ、4a 駆動電圧指令演算部、5a 第1平均電圧調節部、5b 第2平均電圧調節部、6a 電圧調整制御部、100 制御部、201a,201b 電流検出器、901 ハンドル、902 前輪、903 トルクセンサ、903 トルク検出器、904 ギア、905 制御指令生成部、1000 処理回路、2000 プロセッサ、2100 メモリ、Sup2,Svp2,Swp2 直流電源正極側スイッチ、Sun2,Svn2,Swn2 直流電源負極側スイッチ、U1,V1,W1,U2,V2,W2 相巻。

請求の範囲

[請求項1]
 直流電源から出力される直流電圧の供給を受けて電力変換を行い交流電圧を出力する第1の多相インバータおよび第2の多相インバータと、
 外部からの制御指令に基づいて第1の多相インバータおよび第2の多相インバータが負荷を駆動するための第1の多相駆動電圧指令および第2の多相駆動電圧指令を演算する駆動電圧指令演算部と、
 前記第1の多相駆動電圧指令を第1のオフセット電圧で調整した値を第1の多相電圧指令として出力して前記1の多相インバータを制御する第1平均電圧調節部と、
 前記第2の多相駆動電圧指令を第2のオフセット電圧で調整した値を第2の多相電圧指令として出力して前記2の多相インバータを制御する第2平均電圧調節部と、
 前記直流電源の直流電圧をVdcとし、
 前記第1の多相インバータおよび前記第2の多相インバータのPWM信号の周波数をfcとし、
 電力変換装置が準拠すべきノイズ規格の下限周波数をfrとしたとき、
 前記第1の多相インバータが出力する前記交流電圧の指令値である前記第1の多相電圧指令の各相の平均値である第1平均電圧と、前記第2の多相インバータが出力する前記交流電圧の指令値である前記第2の多相電圧指令の各相の平均値である第2平均電圧との差である差電圧の絶対値が下記式(1)以下
 k2・fc/fr・Vdc[V]   (1)
 ただし、k2は1以上の奇数、
 になるように前記第1平均電圧調節部および前記第2平均電圧調節部を制御する電圧調整制御部と、
 を備えた電力変換装置。
[請求項2]
 前記電圧調整制御部は、前記電力変換装置が準拠すべきノイズ規格の上限周波数をfhとしたとき、前記差電圧の絶対値が、下記(2)式以上
 k2・fc/fh・Vdc[V]   (2)
 になるように前記第1平均電圧調節部および前記第2平均電圧調節部を制御する、請求項1に記載の電力変換装置。
[請求項3]
 前記電圧調整制御部は、前記差電圧の絶対値が、前記PWM信号の半周期に対し正の整数倍の時間毎に、上記(1)式以下かつ上記(2)式以上の範囲で変動するように前記第1平均電圧調節部および前記第2平均電圧調節部を制御する、請求項2に記載の電力変換装置。
[請求項4]
 直流電源から出力される直流電圧の供給を受けて電力変換を行い交流電圧を出力する第1の多相インバータおよび第2の多相インバータと、
 外部からの制御指令に基づいて第1の多相インバータおよび第2の多相インバータが負荷を駆動するための第1の多相駆動電圧指令および第2の多相駆動電圧指令を演算する駆動電圧指令演算部と、
 前記第1の多相駆動電圧指令を第1のオフセット電圧で調整した値を第1の多相電圧指令として出力して前記1の多相インバータを制御する第1平均電圧調節部と、
 前記第2の多相駆動電圧指令を第2のオフセット電圧で調整した値を第2の多相電圧指令として出力して前記2の多相インバータを制御する第2平均電圧調節部と、
 前記直流電源の直流電圧をVdcとし、
 前記第1の多相インバータおよび前記第2の多相インバータのPWM信号の周波数をfcとし、
 電力変換装置が準拠すべきノイズ規格の下限周波数をfrとしたとき、
 前記第1の多相インバータが出力する前記交流電圧の指令値である前記第1の多相電圧指令の各相の平均値である第1平均電圧と、前記第2の多相インバータが出力する前記交流電圧の指令値である前記第2の多相電圧指令の各相の平均値である第2平均電圧との差である差電圧の絶対値が下記式(3)
 k2・Vdc/n[V]   (3)
 ただし、
 nはfrをfcで除して得た除算値fr/fc以上の整数値、
 k2は1以上の奇数
 になるように前記第1平均電圧調節部および前記第2平均電圧調節部を制御する電圧調整制御部と、
 を備えた電力変換装置。
[請求項5]
 前記電圧調整制御部は、前記電力変換装置が準拠すべきノイズ規格の上限周波数をfhとしたとき、上記(3)式における前記nを、fhをfcで除して得た除算値fh/fc以下の整数値とする、請求項4に記載の電力変換装置。
[請求項6]
 前記電圧調整制御部は、前記差電圧として、PWM信号の半周期に対し正の整数倍の時間毎に、前記nを変動させることより前記差電圧の絶対値を変動させるように前記第1平均電圧調節部および前記第2平均電圧調節部を制御する、請求項5に記載の電力変換装置。
[請求項7]
 直流電源から出力される直流電圧の供給を受けて電力変換を行い交流電圧を出力する第1の多相インバータおよび第2の多相インバータと、
 外部からの制御指令に基づいて第1の多相インバータおよび第2の多相インバータが負荷を駆動するための第1の多相駆動電圧指令および第2の多相駆動電圧指令を演算する駆動電圧指令演算部と、
 前記第1の多相駆動電圧指令を第1のオフセット電圧で調整した値を第1の多相電圧指令として出力して前記1の多相インバータを制御する第1平均電圧調節部と、
 前記第2の多相駆動電圧指令を第2のオフセット電圧で調整した値を第2の多相電圧指令として出力して前記2の多相インバータを制御する第2平均電圧調節部と、
 前記直流電源の直流電圧をVdcとし、
 前記第1の多相インバータおよび前記第2の多相インバータのPWM信号の周波数が20kHz、
 電力変換装置が準拠すべきノイズ規格の上限周波数を150kHzとした場合に、
 前記第1の多相インバータが出力する前記交流電圧の指令値である前記第1の多相電圧指令の各相の平均値である第1平均電圧と、前記第2の多相インバータが出力する前記交流電圧の指令値である前記第2の多相電圧指令の各相の平均値である第2平均電圧との差である差電圧が下記式(4)
 Vdc/8[V]   (4)
 を含めて、正の整数倍の時間毎に切り替わるように前記第1平均電圧調節部および前記第2平均電圧調節部を制御する電圧調整制御部と、
 を備えた電力変換装置。
[請求項8]
 前記電圧調整制御部は、前記差電圧として、下記式(5)
 -Vdc/8[V]   (5)
 を含める、請求項7に記載の電力変換装置。
[請求項9]
 前記電圧調整制御部は、前記差電圧として、下記式(6)、(7)
  Vdc/12[V]   (6)、
  -Vdc/12[V]   (7)
 の少なくとも一方を含める、請求項8に記載の電力変換装置。
[請求項10]
 請求項1から9までのいずれか1項に記載の電力変換装置と、
 前記第1の多相インバータおよび前記第2の多相インバータによる前記交流電圧の印加により、運転者の操舵を補助するためのアシストトルクを発生する交流回転機と、
 を備える電動パワーステアリング装置。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]

[ 図 13]

[ 図 14]

[ 図 15]