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1. (WO2019004279) PHASE DIFFERENCE FILM
Document

明 細 書

発明の名称 位相差フィルム

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

先行技術文献

特許文献

0004  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0005  

課題を解決するための手段

0006   0007  

発明の効果

0008  

発明を実施するための形態

0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103  

実施例

0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117   0118   0119   0120   0121   0122   0123   0124   0125   0126   0127   0128   0129   0130   0131   0132   0133   0134  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7  

明 細 書

発明の名称 : 位相差フィルム

技術分野

[0001]
 本発明は、位相差フィルムに関する。

背景技術

[0002]
 従来、液晶表示装置等には、光学フィルムとして位相差フィルムが用いられている。
位相差フィルムとしては、長波長ほど位相差が大きくなる逆分散フィルムが知られている。逆分散フィルムを構成するフィルムの成分としては、例えばフィルムの延伸方向に対して平行な方向に屈折率を増大させる正の固有複屈折成分(以下、正のモノマー成分ともいう)と、フィルムの延伸方向に対して垂直な方向に屈折率を増大させる負の固有複屈折成分(以下、負のモノマー成分ともいう)がある。可視光の波長領域(約400nm~約800nm)において、正のモノマー成分が示す屈折率が負のモノマー成分が示す屈折率よりも大きく、且つ正のモノマー成分が示す屈折率の波長分散が負のモノマー成分が示す屈折率の波長分散より小さいことで逆分散フィルムとなる。これを達成するには負のモノマー成分が正のモノマー成分よりも長波長側に吸収極大を有することが必要となる。
[0003]
 負のモノマー成分としては、フルオレン構造を含む成分が知られている。例えば、特許文献1~6には、フルオレン構造を含む構成単位と、脂環式炭化水素又は芳香族炭化水素を有する構成単位を含む共重合体からなる位相差フィルムが開示されている。特許文献1及び2では、フルオレン構造を含む構成単位として、9,9-ビス[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレンから誘導される構成単位が開示されており、特許文献3~6では、9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオレンから誘導される構成単位が開示されている。

先行技術文献

特許文献

[0004]
特許文献1 : 特許第5079150号公報
特許文献2 : 特許第5706071号公報
特許文献3 : 特許第5668077号公報
特許文献4 : 特許第4739636号公報
特許文献5 : 特許第4010810号公報
特許文献6 : 特許第3325560号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0005]
 しかしながら、従来の位相差フィルムにおいては、用いられる負のモノマー成分の屈折率波長分散が十分に大きくなく、逆波長分散性が十分に発揮されない場合があった。そこで本発明者らは、このような従来技術の課題を解決するために、十分な逆波長分散性を発揮し得る位相差フィルムを提供することを目的として検討を進めた。

課題を解決するための手段

[0006]
 上記の課題を解決するために鋭意検討を行った結果、本発明者らは、特定の構造を有する負のモノマー成分由来の単位と正のモノマー成分由来の単位を含む共重合体から位相差フィルムを形成することにより、十分な逆波長分散性を発揮し得る位相差フィルムが得られることを見出した。
 具体的に、本発明は、以下の構成を有する。
[0007]
[1] 下記一般式(1)で表される単位及び下記一般式(2)で表される単位から選択される少なくとも一方と、下記一般式(3)で表わされる単位と、を含有する共重合体を含み、
 20nm<Re(548)<300nmであり、
 0.5<Re(446)/Re(548)<1.0であり、
 1.0<Re(629)/Re(548)<2.0である位相差フィルム;
 但し、Re(446)、Re(548)、Re(629)は、それぞれ波長446nm、548nm、629nmにおける面内のレタデーションを表す;
[化1]


 一般式(1)中、R 11~R 14はそれぞれ独立に、水素原子又はハメットの置換基定数σ 値が-0.15よりも小さい置換基であって、アリール基、ヘテロアリール基及び反応性基を有する置換基を除く置換基であり、R 11~R 14は互いに隣り合う置換基同士で互いに結合して縮合環を形成するものではない;
 R 15~R 17はそれぞれ独立に置換基を表す;
 a~cはそれぞれ独立に、0以上の整数であり、各環に置換可能な最大数以下の整数を表す;a~cが2以上の整数である場合、複数のR 15、複数のR 16及び複数のR 17はそれぞれ同一でも異なっていてもよい;
 Ar 11及びAr 12はそれぞれ独立に、破線で囲まれたベンゼン環を含むアリール基又は破線で囲まれたベンゼン環を縮合環のひとつとして含むヘテロアリール基を表す;
 L 11及びL 12はそれぞれ独立に、炭素数が2~8のアルキレン基、炭素数が5~12のシクロアルキレン基、炭素数が6~20のアリーレン基、又は炭素数が6~20のヘテロアリーレン基を表す;
 n11及びn12はそれぞれ独立に0~10の整数を表す;n11及びn12が2~10の整数である場合、複数のL 11及び複数のL 12はそれぞれ同一でも異なっていてもよい;
 Ar 11及びAr 12がそれぞれ独立に、破線で囲まれたベンゼン環を含む芳香族縮合環基である場合は、R 15、R 16、-O-[L 11-O] n11-及び-[O-L 12n12-O-はそれぞれ独立に、破線で囲まれたベンゼン環に置換していても、破線で囲まれたベンゼン環以外の縮合環に置換していてもよい;
[化2]


 一般式(2)中、Y 21及びY 22はそれぞれ独立に、炭素原子、酸素原子、硫黄原子又は窒素原子であり、Y 21及びY 22の少なくとも1つは酸素原子、硫黄原子又は窒素原子である;
 ZはY 21-C=C-Y 22とともに5~7員環を形成する原子群であって、環構成原子が炭素原子、酸素原子、硫黄原子又は窒素原子からなる原子群を表す;
 R 21~R 24はそれぞれ独立に置換基を表す;
 p~sはそれぞれ独立に、0以上の整数であり、各環に置換可能な最大数以下の整数を表す;p~sが2以上の整数である場合、複数のR 21、複数のR 22、複数のR 23及び複数のR 24はそれぞれ同一でも異なっていてもよい;
 Ar 21及びAr 22はそれぞれ独立に、破線で囲まれたベンゼン環を含むアリール基又は破線で囲まれたベンゼン環を縮合環のひとつとして含むヘテロアリール基を表す;
 X 21及びX 22はそれぞれ独立に、単結合、-O-、-S-から選ばれる基である。
 L 21及びL 22はそれぞれ独立に、炭素数が2~8のアルキレン基、炭素数が5~12のシクロアルキレン基、炭素数が6~20のアリーレン基、又は炭素数が6~20のヘテロアリーレン基を表す;
 m21及びm22はそれぞれ独立に0~10の整数を表す;m21及びm22が2~10の整数である場合、複数の-[L 21-X 21]-及び複数の-[X 22-L 22]-
はそれぞれ同一でも異なっていてもよい;
 Ar 21及びAr 22がそれぞれ独立に、破線で囲まれたベンゼン環を含む芳香族縮合環基である場合は、R 21、R 22、-O-[L 21-X 21m21-及び-[X 22-L 22m22-O-はそれぞれ独立に、破線で囲まれたベンゼン環に置換していても、破線で囲まれたベンゼン環以外の縮合環に置換していてもよい。
[化3]


 一般式(3)中、X 32は炭素数が2~20のアルキレン基、炭素数が4~20のシクロアルキレン基、炭素数が6~20のアリーレン基又はこれらを組み合わせた基を表す;但し、シクロアルキレン基の環構成原子は、酸素原子、硫黄原子又は窒素原子で置換されていてもよい。
[2] 一般式(1)で表される単位が下記一般式(11)で表わされる単位である[1]に記載の位相差フィルム;
[化4]


 一般式(11)中、R 11~R 14はそれぞれ独立に、水素原子又はハメットの置換基定数σ 値が-0.15よりも小さい置換基であって、アリール基、ヘテロアリール基及び反応性基を有する置換基を除く置換基であり、R 11~R 14は互いに隣り合う置換基同士で互いに結合して縮合環を形成するものではない;
 R 15及びR 16はそれぞれ独立にメチル基又はエチル基を表す;
 a及びbはそれぞれ独立に0~2の整数を表す;
 L 11及びL 12はそれぞれ独立に、エチレン基又はプロピレン基を表す;
 n11及びn12はそれぞれ独立に0~3の整数を表す。
[3] 一般式(2)で表される単位が下記一般式(21)で表わされる単位である[1]又は[2]に記載の位相差フィルム;
[化5]


 一般式(21)中、Y 21及びY 22はそれぞれ独立に、炭素原子又は窒素原子を表し、Y 21及びY 22の少なくとも1つは窒素原子である;
 R 21及びR 22はそれぞれ独立にメチル基又はエチル基を表し、R 23及びR 24はそれぞれ独立に置換基を表す;
 p及びqはそれぞれ独立に0~3の整数を表し、rは0~4の整数を表し、sは0~2の整数を表し、sが2の場合、R 24で表される置換基は、互いに結合して縮合環を形成してもよい;
 L 21及びL 22はそれぞれ独立に、エチレン基又はプロピレン基を表す;
 m21及びm22はそれぞれ独立に0~3の整数を表す。
[4] 一般式(21)において、Y 21及びY 22は窒素原子である[3]に記載の位相差フィルム。
[5] 一般式(3)において、X 32は脂環、複素環及び芳香環から選択される少なくとも1種を置換基として有する炭素数が5~20のアルキレン基、炭素数が4~20のシクロアルキレン基、炭素数が6~20のアリーレン基又はこれらを組み合わせた基を表す[1]~[4]のいずれかに記載の位相差フィルム;但し、シクロアルキレン基の環構成原子は、酸素原子、硫黄原子又は窒素原子で置換されていてもよい。
[6] 一般式(3)で表される単位が下記構成単位から選択される単位である[1]~[5]のいずれかに記載に位相差フィルム;
[化6]


 上記構成単位中、R 331は水素原子又は炭素数1~12のアルキル基を表す;r1は0又は1である;R 332及びR 333はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を表し、Z 331は、以下の構造式のいずれかで表される連結基である;
[化7]


 上記構造式中の*は連結部位を表す。
[7] 光弾性係数が0cm /N以上40×10 -8cm /N以下である[1]~[6]のいずれかに記載の位相差フィルム。

発明の効果

[0008]
 本発明によれば、十分な逆波長分散性を発揮し得る位相差フィルムを得ることができる。

発明を実施するための形態

[0009]
 以下において、本発明について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、代表的な実施形態や具体例に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施形態に限定されない。なお、本明細書において「~」を用いて表される数値範囲は「~」前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
[0010]
 また、本明細書における基(原子団)の表記において、置換及び無置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。また、本明細書における基(原子団)が置換基を有している場合、各基(原子団)の炭素数は置換基の炭素数も含めた値である。
[0011]
(一般式(1)で表される単位)
 本発明は、一般式(1)で表される単位及び一般式(2)で表される単位から選択される少なくとも一方と、一般式(3)で表わされる単位と、を含有する共重合体を含む位相差フィルムに関する。
 一般式(1)で表される単位は、以下で表される構成単位である。一般式(1)で表される単位は、負のモノマー成分に由来する単位である。
[化8]


[0012]
 一般式(1)中、R 11~R 14はそれぞれ独立に、水素原子又はハメットの置換基定数σ 値が-0.15よりも小さい置換基であって、アリール基、ヘテロアリール基及び反応性基を有する置換基を除く置換基であり、R 11~R 14は互いに隣り合う置換基同士で互いに結合して縮合環を形成するものではない。
 R 15~R 17はそれぞれ独立に置換基を表す。
 a~cはそれぞれ独立に、0以上の整数であり、各環に置換可能な最大数以下の整数を表す。a~cが2以上の整数である場合、複数のR 15、複数のR 16及び複数のR 17はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
 Ar 11及びAr 12はそれぞれ独立に、破線で囲まれたベンゼン環を含むアリール基又は破線で囲まれたベンゼン環を縮合環のひとつとして含むヘテロアリール基を表す。
 L 11及びL 12はそれぞれ独立に、炭素数が2~8のアルキレン基、炭素数が5~12のシクロアルキレン基、炭素数が6~20のアリーレン基、又は炭素数が6~20のヘテロアリーレン基を表す。
 n11及びn12はそれぞれ独立に0~10の整数を表す。n11及びn12が2~10の整数である場合、複数のL 11及び複数のL 12はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
 Ar 11及びAr 12がそれぞれ独立に、破線で囲まれたベンゼン環を含む芳香族縮合環基である場合は、R 15、R 16、-O-[L 11-O] n11-及び-[O-L 12n12-O-はそれぞれ独立に、破線で囲まれたベンゼン環に置換していても、破線で囲まれたベンゼン環以外の縮合環に置換していてもよい。
[0013]
 一般式(1)中、R 11~R 14はそれぞれ独立に、水素原子又はハメットの置換基定数σ 値が-0.15よりも小さい置換基であって、アリール基、ヘテロアリール基及び反応性基を有する置換基を除く置換基である。R 11~R 14は互いに隣り合う置換基同士で互いに結合して縮合環を形成するものではない。なお、反応性基とは、(メタ)アクリロイル基である。
[0014]
 R 11~R 14のうち少なくとも1つは、ハメットの置換基定数σ 値が-0.15よりも小さい置換基であって、アリール基、ヘテロアリール基及び反応性基を有する置換基を除く置換基であることが好ましい。R 11~R 14のうち少なくとも1つが、上記範囲のハメットの置換基定数σ を有する電子供与性基であることにより、一般式(1)で表される単位の波長分散を大きくすることができ、位相差フィルムの逆波長分散性を大きくすることができる。
 なお、ハメットの置換基定数σ 値は、-0.20以下であることがより好ましく、-0.25以下であることがさらに好ましい。なお、ハメットの置換基定数σ 値の下限値は-0.7であることが好ましい。
[0015]
 ハメットの置換基定数σ 値は、Correlation Analysis in Chemistry, Ed. By N.B.Chapman, J.Shorter, p.439~540, Plenum Press(1978)及びこれに引用されている参考文献に記載されている。ここでは、σ は、下記のように定義される。
 σ =Log(Ka/Ka )=pKa -pKa
 pKa は、水中25℃における安息香酸の酸解離定数である。pKaは、水中25℃におけるパラ位置換安息香酸の酸解離定数である。なお、上記文献に記載されていないものについては、同文献記載の方法によって求めることが可能である。
[0016]
 ハメットの置換基定数σ 値が-0.15よりも小さい置換基としては、例えば、シクロプロピル基(-cycloC 5、σ 値は-0.21)、アミノ基(-NH 2、σ 値は-0.57)、ジメチルアミノ基(-N(CH 2、σ 値は-0.63)、ベンゾイルアミノ基(-NHCOC 5、σ 値は-0.19)、ヒドロキシル基(-OH σ 値は-0.38)、メトキシ基(-OCH 3、σ 値は-0.28)、エトキシ基(-OC 5、σ 値は-0.21)、プロポキシ基(-OC 7、σ 値は-0.25)等を挙げることができる。なお、R 11~R 14のうち複数の置換基が、ハメットの置換基定数σ 値が-0.15よりも小さい置換基である場合、これらの置換基は同一でも異なっていてもよい。
[0017]
 一般式(1)において、R 12及びR 13のうち少なくとも1つは、ハメットの置換基定数σ 値が-0.15よりも小さい置換基であって、アリール基、ヘテロアリール基及び反応性基を有する置換基を除く置換基であることが好ましく、R 12及びR 13がハメットの置換基定数σ 値が-0.15よりも小さい置換基であって、アリール基、ヘテロアリール基及び反応性基を有する置換基を除く置換基であることが好ましい。上記のように特定位置に配される置換基のハメットの置換基定数σ 値を-0.15よりも小さくすることにより、一般式(1)で表される単位の波長分散を大きくすることができ、位相差フィルムの逆波長分散性を大きくすることができる。
[0018]
 ハメットの置換基定数σ 値が-0.15よりも小さい置換基は、アルキル基、アルコキシ基、又はジアルキルアミノ基であることが好ましく、アルコキシ基であることがより好ましい。アルコキシ基は、メトキシ基、エトキシ基又はプロポキシ基であることが好ましく、メトキシ基であることがより好ましい。
 R 11~R 14のうち少なくとも1つを上記のようなアルコキシ基とすることにより、一般式(1)で表される単位の構造がコンパクトになり、且つ一般式(1)で表される単位の波長分散を大きくすることができる。これにより、位相差フィルムの逆波長分散性を大きくすることができる。
[0019]
 本発明においては、R 12及びR 13のうち少なくとも1つが、アルコキシ基であることが好ましく、R 12及びR 13がアルコキシ基であることがより好ましい。さらに、R 12及びR 13はメトキシ基、エトキシ基又はプロポキシ基であることが好ましく、メトキシ基であることがより好ましい。
[0020]
 一般式(1)中、R 15~R 17はそれぞれ独立に置換基を表す。R 15~R 17が表す置換基としては特に制限はないが、例えば、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、アルキル基、アルケニル基、アシル基、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルキル基、アルコキシ基、アリール基、ヘテロアリール基、脂環基などを挙げることができる。R 15~R 17が表す置換基はアルキル基、アルコキシ基またはアリール基であることが好ましく、炭素数1~5のアルキル基、炭素数1~5のアルコキシ基またはフェニル基であることがより好ましく、メチル基、メトキシ基またはフェニル基であることが特に好ましい。
[0021]
 一般式(1)において、Ar 11及びAr 12はそれぞれ独立に、破線で囲まれたベンゼン環を含むアリール基又は破線で囲まれたベンゼン環を縮合環のひとつとして含むヘテロアリール基を表す。中でも、Ar 11及びAr 12はそれぞれ独立に、破線で囲まれたベンゼン環を含むアリール基であることが好ましい。Ar 11及びAr 12が破線で囲まれたベンゼン環を含むアリール基である場合は、炭素数6~18のアリール基であることが好ましく、炭素数6~14のアリール基であることがより好ましく、炭素数6~10のアリール基であることが特に好ましい。また、Ar 11及びAr 12が破線で囲まれたベンゼン環を縮合環のひとつとして含むヘテロアリール基である場合は、環員数9~14のヘテロアリール基であることが好ましく、環員数9~10のヘテロアリール基であることがより好ましい。Ar 11及びAr 12が表す置換基を有していてもよいヘテロアリール基を構成するヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子を挙げることができる。
[0022]
 Ar 11及びAr 12はそれぞれ独立に、破線で囲まれたベンゼン環のみから構成されるアリール基であってもよく、破線で囲まれたベンゼン環を縮合環のひとつとして含む芳香族縮合環基であってもよい。なお、本明細書において、芳香族縮合環基の縮合環は縮合環全体として芳香族性を有するものである。
[0023]
 一般式(1)中、L 11及びL 12はそれぞれ独立に、炭素数が2~8のアルキレン基、炭素数が5~12のシクロアルキレン基、炭素数が6~20のアリーレン基、又は炭素数が6~20のヘテロアリーレン基を表す。L 11及びL 12はそれぞれ独立に、炭素数が2~8のアルキレン基であることが好ましく、炭素数が2~4のアルキレン基であることがより好ましく、エチレン基であることがさらに好ましい。
[0024]
 一般式(1)中、a~cはそれぞれ独立に、0以上の整数であり、各環に置換可能な最大数以下の整数を表す。a~cはそれぞれ独立に、0~4の整数であることが好ましく、0~3の整数であることがより好ましく、0~2の整数であることがさらに好ましく、0又は1であることがよりさらに好ましく、0であることが特に好ましい。
[0025]
 なお、aが2以上の整数である場合、複数のR 15は同一でも異なっていてもよい。複数のR 15は互いに結合して環を形成してもよいが、複数のR 15は互いに結合して環を形成していないことが好ましい。
 bが2以上の整数である場合、複数のR 16は同一でも異なっていてもよい。複数のR 16は互いに結合して環を形成してもよいが、複数のR 16は互いに結合して環を形成していないことが好ましい。
 cが2以上の整数である場合、複数のR 17は同一でも異なっていてもよい。複数のR 17は互いに結合して環を形成してもよいが、複数のR 17は互いに結合して環を形成していないことが好ましい。
[0026]
 一般式(1)中、n11及びn12はそれぞれ独立に0~10の整数であればよく、0~4の整数であることが好ましく、0~2の整数であることがより好ましく、0又は1であることがさらに好ましい。n11が2~10の整数である場合、複数のL 11は同一でも異なっていてもよく、n12が2~10の整数である場合、複数のL 12は同一でも異なっていてもよい。
[0027]
 一般式(1)で表される単位は、下記一般式(11)で表される単位であることが好ましい。
[化9]


[0028]
 一般式(11)中、R 11~R 14はそれぞれ独立に、水素原子又はハメットの置換基定数σ 値が-0.15よりも小さい置換基であって、アリール基、ヘテロアリール基及び反応性基を有する置換基を除く置換基であり、R 11~R 14は互いに隣り合う置換基同士で互いに結合して縮合環を形成するものではない。
 R 15及びR 16はそれぞれ独立にメチル基又はエチル基を表す。
 a及びbはそれぞれ独立に0~2の整数を表す。
 L 11及びL 12はそれぞれ独立に、エチレン基又はプロピレン基を表す。
 n11及びn12はそれぞれ独立に0~3の整数を表す。
[0029]
 一般式(11)におけるR 11~R 14の好ましい範囲は、一般式(1)におけるR 11~R 14の好ましい範囲と同様である。
 一般式(11)におけるR 15及びR 16はそれぞれ独立に、メチル基であることが好ましい。
 一般式(11)におけるL 11及びL 12はそれぞれ独立に、エチレン基であることが好ましい。
 一般式(11)におけるn11及びn12はそれぞれ独立に、0~2の整数であることが好ましく、0又は1であることがより好ましい。
 一般式(11)におけるa及びbはそれぞれ独立に、0又は1であることが好ましく、0であることがより好ましい。
[0030]
 以下において、一般式(1)で表される単位の具体例を列挙するが、本発明は以下の単位に限定されるものではない。
[0031]
[化10]


[0032]
[化11]




[0033]
 一般式(1)で表される単位の入手方法については特に制限はなく、前駆体となる化合物を商業的に入手してもよく、合成により製造してもよい。前駆体となる化合物を合成により製造する場合は、公知の方法及び実施例に記載の方法で合成することができる。
[0034]
(一般式(2)で表される単位)
 一般式(2)で表される単位は、以下で表される構成単位である。一般式(2)で表される単位は、負のモノマー成分に由来する単位である。
[化12]


[0035]
 一般式(2)中、Y 21及びY 22はそれぞれ独立に、炭素原子、酸素原子、硫黄原子又は窒素原子であり、Y 21及びY 22の少なくとも1つは酸素原子、硫黄原子又は窒素原子である。
 ZはY 21-C=C-Y 22とともに5~7員環を形成する原子群であって、環構成原子が炭素原子、酸素原子、硫黄原子又は窒素原子からなる原子群を表す。
 R 21~R 24はそれぞれ独立に置換基を表す。
 p~sはそれぞれ独立に、0以上の整数であり、各環に置換可能な最大数以下の整数を表す。p~sが2以上の整数である場合、複数のR 21、複数のR 22、複数のR 23及び複数のR 24はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
 Ar 21及びAr 22はそれぞれ独立に、破線で囲まれたベンゼン環を含むアリール基又は破線で囲まれたベンゼン環を縮合環のひとつとして含むヘテロアリール基を表す。
 X 21及びX 22はそれぞれ独立に、単結合、-O-、-S-から選ばれる基である。
 L 21及びL 22はそれぞれ独立に、炭素数が2~8のアルキレン基、炭素数が5~12のシクロアルキレン基、炭素数が6~20のアリーレン基、又は炭素数が6~20のヘテロアリーレン基を表す。
 m21及びm22はそれぞれ独立に0~10の整数を表す。m21及びm22が2~10の整数である場合、複数の-[L 21-X 21]-及び複数の-[X 22-L 22]-はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
 Ar 21及びAr 22がそれぞれ独立に、破線で囲まれたベンゼン環を含む芳香族縮合環基である場合は、R 21、R 22、-O-[L 21-X 21m21-及び-[X 22-L 22m22-O-はそれぞれ独立に、破線で囲まれたベンゼン環に置換していても、破線で囲まれたベンゼン環以外の縮合環に置換していてもよい。
[0036]
 一般式(2)中、Y 21及びY 22はそれぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、窒素原子又は炭素原子であり、Y 21及びY 22の少なくとも1つは酸素原子、硫黄原子又は窒素原子である。Y 21及びY 22はそれぞれ独立に、窒素原子又は炭素原子であることが好ましく、Y 21及びY 22から選択される少なくとも一方は窒素原子であることが好ましい。また、Y 21及びY 22の両方が窒素原子であることがより好ましい。
[0037]
 一般式(2)中、ZはY 21-C=C-Y 22とともに5~7員環を形成する原子群であって、環構成原子が炭素原子、酸素原子、硫黄原子又は窒素原子からなる原子群を表す。ZはY 21-C=C-Y 22とともに5又は6員環を形成する原子群であることが好ましく、6員環を形成する原子群であることがより好ましい。また、Zは環構成原子が炭素原子からなる原子群であることがより好ましい。
[0038]
 一般式(2)中、R 21~R 24はそれぞれ独立に、置換基を表す。R 21~R 24が表す置換基としては特に制限はないが、例えば、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、アルキル基、アルケニル基、アシル基、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルキル基、アルコキシ基、アリール基、ヘテロアリール基、脂環基、シアノ基、シリル基などを挙げることができる。
 R 21~R 23が表す置換基はそれぞれ独立に、アルキル基、アルコキシ基またはアリール基であることが好ましく、炭素数1~5のアルキル基、炭素数1~5のアルコキシ基またはフェニル基であることがより好ましく、メチル基、メトキシ基またはフェニル基であることがさらに好ましく、メチル基又はメトキシ基であることが特に好ましい。
 R 24はアルキル基、シリル基、アルコキシ基またはアリール基であることが好ましく、炭素数1~5のアルキル基、シリル基、炭素数1~5のアルコキシ基またはフェニル基であることがより好ましく、メチル基、シリル基またはメトキシ基であることがさらに好ましい。また、複数のR 24は置換する環と縮合環を形成する基であってもよい。
[0039]
 一般式(2)中、p~sはそれぞれ独立に0以上の整数であり、各環に置換可能な最大数以下の整数を表す。p~rはそれぞれ独立に、0~4の整数であることが好ましく、0~3の整数であることがより好ましく、0~2の整数であることがさらに好ましく、0又は1であることがよりさらに好ましく、0であることが特に好ましい。sは0~3の整数であることが好ましく、0~2の整数であることがより好ましい。
[0040]
 なお、pが2以上の整数である場合、複数のR 21は同一でも異なっていてもよい。複数のR 21は互いに結合して環を形成してもよいが、複数のR 21は互いに結合して環を形成していないことが好ましい。
 qが2以上の整数である場合、複数のR 22は同一でも異なっていてもよい。複数のR 22は互いに結合して環を形成してもよいが、複数のR 22は互いに結合して環を形成していないことが好ましい。
 rが2以上の整数である場合、複数のR 23は同一でも異なっていてもよい。複数のR 23は互いに結合して環を形成してもよいが、複数のR 23は互いに結合して環を形成していないことが好ましい。
[0041]
 sが2以上の整数である場合、複数のR 24は同一でも異なっていてもよく、複数のR 24は互いに結合して環を形成してもよい。この場合、複数のR 24は置換する環と縮合環を形成することが好ましい。縮合環はさらに置換基を有していてもよく、この場合、置換基としては、R 24として挙げた置換基を好ましい置換基として例示できる。
[0042]
 複数のR 24が互いに結合して、置換する環と縮合環を形成する基である場合、縮合環を形成する環数は4以下であることが好ましく、3以下であることが好ましく、2であることが好ましい。縮合環を形成する環数を上記範囲とすることにより、上記構成単位を含む共重合体の着色を抑制し易くなる。
[0043]
 一般式(2)において、Ar 21及びAr 22はそれぞれ独立に、破線で囲まれたベンゼン環を含むアリール基又は破線で囲まれたベンゼン環を縮合環のひとつとして含むヘテロアリール基を表す。中でも、Ar 21及びAr 22はそれぞれ独立に、破線で囲まれたベンゼン環を含むアリール基であることが好ましい。Ar 21及びAr 22が破線で囲まれたベンゼン環を含むアリール基である場合は、炭素数6~18のアリール基であることが好ましく、炭素数6~14のアリール基であることがより好ましく、炭素数6~10のアリール基であることが特に好ましい。また、Ar 21及びAr 22が破線で囲まれたベンゼン環を縮合環のひとつとして含むヘテロアリール基である場合は、環員数9~14のヘテロアリール基であることが好ましく、環員数9~10のヘテロアリール基であることがより好ましい。Ar 21及びAr 22が表す置換基を有していてもよいヘテロアリール基を構成するヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子を挙げることができる。
[0044]
 Ar 21及びAr 22はそれぞれ独立に、破線で囲まれたベンゼン環のみから構成されるアリール基であってもよく、破線で囲まれたベンゼン環を縮合環のひとつとして含む芳香族縮合環基であってもよい。なお、本明細書において、芳香族縮合環基の縮合環は縮合環全体として芳香族性を有するものである。
[0045]
 一般式(2)中、L 21及びL 22はそれぞれ独立に、炭素数が2~8のアルキレン基、炭素数が5~12のシクロアルキレン基、炭素数が6~20のアリーレン基、又は炭素数が6~20のヘテロアリーレン基を表す。L 21及びL 22はそれぞれ独立に、炭素数が2~8のアルキレン基であることが好ましく、炭素数が2~4のアルキレン基であることがより好ましく、エチレン基であることがさらに好ましい。
[0046]
 一般式(2)中、X 21及びX 22はそれぞれ独立に、単結合、-O-、-S-から選ばれる基を表す。中でも、X 21及びX 22は単結合又は-O-であることが好ましい。
[0047]
 一般式(2)中、m21及びm22はそれぞれ独立に0~10の整数であればよく、0~4の整数であることが好ましく、0~2の整数であることがより好ましく、0又は1であることがさらに好ましい。m21が2~10の整数である場合、複数の-[L 21-X 21]-は、同一でも異なっていてもよく、m22が2~10の整数である場合、複数の-[X 22-L 22]-は同一でも異なっていてもよい。
[0048]
 一般式(2)で表される単位は、下記一般式(21)で表される単位であることが好ましい。
[化13]


[0049]
 一般式(21)中、Y 21及びY 22はそれぞれ独立に、炭素原子又は窒素原子を表し、Y 21及びY 22の少なくとも1つは窒素原子である。
 R 21及びR 22はそれぞれ独立にメチル基又はエチル基を表し、R 23及びR 24はそれぞれ独立に置換基を表す。
 p及びqはそれぞれ独立に0~3の整数を表し、rは0~4の整数を表し、sは0~2の整数を表し、sが2の場合、R 24で表される置換基は、互いに結合して縮合環を形成してもよい。
 L 21及びL 22はそれぞれ独立に、エチレン基又はプロピレン基を表す。
 m21及びm22はそれぞれ独立に0~3の整数を表す。
[0050]
 一般式(21)におけるY 21及びY 22の好ましい範囲は、一般式(2)におけるY 21及びY 22の好ましい範囲と同様である。一般式(21)において、Y 21及びY 22は窒素原子であることが好ましい。
 一般式(21)におけるR 23及びR 24の好ましい範囲は、一般式(2)におけるR 23及びR 24の好ましい範囲と同様である。
[0051]
 一般式(21)におけるL 21及びL 22はそれぞれ独立に、エチレン基又はプロピレン基を表し、エチレン基であることが好ましい。
[0052]
 一般式(21)におけるm21及びm22はそれぞれ独立に0~3の整数を表し、0~2の整数であることが好ましく、0又は1であることがより好ましい。
[0053]
 p及びqはそれぞれ独立に0~3の整数を表し、0~2の整数であることがより好ましく、0又は1であることがさらに好ましく、0であることが特に好ましい。また、rは0~4の整数を表し、0~3の整数であることがより好ましく、0~2の整数であることがさらに好ましく、0又は1であることがよりさらに好ましく、0であることが特に好ましい。sは0~2の整数を表す。なお、sが2の場合、R 24で表される2つの置換基は、互いに結合して縮合環を形成してもよい。
[0054]
 以下において、一般式(2)で表される単位の具体例を列挙するが、本発明は以下の構成単位に限定されるものではない。
[0055]
[化14]


[0056]
[化15]


[0057]
[化16]


[0058]
 一般式(2)で表される単位の入手方法については特に制限はなく、前駆体となる化合物を商業的に入手してもよく、合成により製造してもよい。前駆体となる化合物を合成により製造する場合は、公知の方法及び実施例に記載の方法で合成することができる。
[0059]
(一般式(3)で表される単位)
 一般式(3)で表される単位は、以下で表される構成単位である。一般式(3)で表される単位は、正のモノマー成分に由来する単位である。
[化17]


[0060]
 一般式(3)中、X 32は炭素数が2~20のアルキレン基、炭素数が4~20のシクロアルキレン基、炭素数が6~20のアリーレン基又はこれらを組み合わせた基を表す。但し、シクロアルキレン基の環構成原子は、酸素原子、硫黄原子又は窒素原子で置換されていてもよい。
[0061]
 X 32が表し得るアルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基は置換基を有してもよい。この場合、各基の炭素数は置換基の炭素数も含めて上記範囲内であることが好ましい。置換基としては特に制限はないが、例えば、アルキル基、アルケニル基、アシル基、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルキル基、アルコキシ基、アリール基、ヘテロアリール基、脂環基などを挙げることができる。なお、アルキレン基を構成する炭素原子が酸素原子、硫黄原子又は窒素原子で置換されていてもよく、シクロアルキレン基の環構成原子が、酸素原子、硫黄原子又は窒素原子で置換されていてもよい。
[0062]
 X 32は上記の基を含む連結基であればよく、上記の基からなる連結基であってもよく、上記の基を2種以上組み合わせた構造を有する連結基であってもよい。また、X 32は、シクロアルキレン基同士が、単結合、-O-、-S-又はアルキレン基で連結された基であってもよく、アリーレン基同士が、単結合、-O-、-S-又はアルキレン基で連結された基であってもよく、シクロアルキレン基とアリーレン基が単結合、-O-、-S-又はアルキレン基で連結された基であってもよい。但し、X 32は-O-C(=O)-O-は含まない基である。
[0063]
 以下において、一般式(3)で表される単位のX 32の具体例を列挙するが、X 32の構造は下記構造に限定されるものではない。なお、下記具体例において、*は、一般式(3)で表される単位の主鎖中の連結部位を表す。
[0064]
[化18]


[0065]
[化19]


[0066]
[化20]


[0067]
 中でも、一般式(3)において、X 32は脂環、複素環及び芳香環から選択される少なくとも1種を置換基として有する炭素数が5~20のアルキレン基、炭素数が4~20のシクロアルキレン基、炭素数が6~20のアリーレン基又はこれらを組み合わせた基を表すことが好ましい。但し、シクロアルキレン基の環構成原子は、酸素原子、硫黄原子又は窒素原子で置換されていてもよい。なお、上記炭素数は、各基が置換基を有する場合、置換基の炭素数も含めた炭素数である。
 X 32が脂環、複素環及び芳香環から選択される少なくとも1種を置換基として有するアルキレン基である場合、脂環、複素環及び芳香環は5員環又は6員環であることが好ましい。X 32がシクロアルキレン基である場合、シクロアルキレン基は5員環又は6員環であることが好ましい。X 32がアリーレン基である場合、アリーレン基の炭素数は6~12であることが好ましい。
[0068]
 さらに、一般式(3)で表される単位は下記構成単位から選択される単位であることが好ましい。
[化21]


[0069]
 上記構成単位中、R 331は水素原子又は炭素数1~12のアルキル基を表す。r1は0又は1である。R 332及びR 333はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を表し、Z 331は、以下の構造式のいずれかで表される連結基である。下記構造式中の*は連結部位を表す。
[化22]


[0070]
 上記構成単位中、R 331は水素原子であることが好ましく、R 332及びR 333は水素原子であることが好ましい。また、Z 331は、以下の構造式で表される連結基であることが好ましい。
[化23]


[0071]
 すなわち、一般式(3)で表される単位は下記構成単位から選択される単位であることが特に好ましい。
[化24]


[0072]
 一般式(3)で表される単位の入手方法については特に制限はなく、前駆体となる化合物を商業的に入手してもよく、合成により製造してもよい。前駆体となる化合物を合成により製造する場合は、公知の方法及び実施例に記載の方法で合成することができる。
[0073]
(共重合体)
 本発明の位相差フィルムは、上記一般式(1)で表される単位及び上記一般式(2)で表される単位から選択される少なくとも一方と、上記一般式(3)で表わされる単位と、を含有する共重合体を含む。また、本発明の位相差フィルムは、本発明の効果を奏する限り、さらに別の構成単位を含んでいてもよい。例えば、この共重合体はポリエステルオリゴマーをさらに含んでいても良い。
[0074]
 共重合体の全構成単位に対して、一般式(1)で表される単位及び上記一般式(2)で表される単位は、10モル%以上含まれていることが好ましく、20モル%以上含まれていることがより好ましい。また、共重合体の全構成単位に対して、一般式(1)で表される単位及び上記一般式(2)で表される単位は、80モル%以下含まれていることが好ましく、70モル%以下含まれていることがより好ましい。なお、共重合体の全構成単位に対して、一般式(1)で表される単位及び上記一般式(2)で表される単位は、60モル%以下であってもよく、50モル%以下であってもよい。上記一般式(1)で表される単位及び上記一般式(2)で表される単位は、波長分散が十分に大きく、負の複屈折率が大きいものである。そのため、望ましい位相差Re(548)を発現させるために必要な負のモノマー成分の添加量を抑制することができ、より汎用性の高い一般式(3)で表わされる単位の選択肢を増やすことができる。これにより、位相差フィルムの製造コストを抑制することも可能になる。
[0075]
 共重合体の全構成単位に対して、一般式(3)で表される単位は、20モル%以上含まれていることが好ましく、30モル%以上含まれていることがより好ましい。また、共重合体の全構成単位に対して、一般式(3)で表される単位は、90モル%以下含まれていることが好ましく、80モル%以下含まれていることがより好ましい。
[0076]
 共重合体の重量平均分子量は、10000以上であることが好ましく、20000以上であることがより好ましく、50000以上であることがさらに好ましい。また、共重合体の重量平均分子量は200000以下であることが好ましく、100000以下であることがより好ましい。
 本発明における共重合体の分子量(質量平均分子量)の測定は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)を用いて行うことができる。具体的には、テトラヒドロフランを溶媒とし、ポリスチレンゲルを使用し、標準単分散ポリスチレンの構成曲線から予め求められた換算分子量較正曲線を用いて求めることができる。
 ゲルパーミエションクロマトグラフイー(GPC)の測定条件は以下のとおりである。
カラム:Shodex KF801、KF803L、KF800L、KF800D(昭和電工(株)製を4本接続して使用する)
カラム温度:40℃
試料濃度:0.5質量%
検出器:RI-2031plus(JASCO製)
ポンプ:RI-2080plus(JASCO製)
流量(流速):0.8ml/min
注入量:10μl
校正曲線:標準ポリスチレンShodex standard ポリスチレン(昭和電工(株)製)Mw=1320~2,500,000迄の10サンプルによる校正曲線を使用する。
[0077]
(共重合体の重合方法)
 共重合体は、公知の反応手段を用いて重合することができる。例えば、(a)二価フェノール及び二価フェノールの誘導体から選択される少なくとも1種にホスゲンまたはホスゲン前駆体を反応させる縮合方法や、(b)二価フェノール及び二価フェノールの誘導体から選択される少なくとも1種を炭酸ジエステルなどのカーボネート前駆物質を用いてエステル交換する方法などが挙げられる。なお、ホスゲン前駆体とは、トリホスゲンやジホスゲンを意味し、以下ではホスゲン及びホスゲン前駆体から選択される少なくとも1種を単に、ホスゲンということもある。また、二価フェノール及び二価フェノールの誘導体から選択される少なくとも1種を単に、二価フェノールということもある。
[0078]
 二価フェノールとしては、上述した一般式(1)又は一般式(2)で表される単位となり得る化合物を用いることが好ましい。また、二価フェノールの誘導体としては、一般式(1)又は一般式(2)で表される単位となり得るクロロ炭酸化合物等を用いることが好ましい。また、二価フェノールや二価フェノールの誘導体として、一般式(3)で表される単位となり得る化合物や、一般式(3)で表される単位となり得るクロロ炭酸化合物を用いることが好ましい。
[0079]
 なお、共重合体を重合させる場合は、必要に応じて触媒、末端停止剤、二価フェノールの酸化防止剤、熱安定化剤等を使用してもよい。
[0080]
 (a)のホスゲンを反応させる縮合方法を用いた反応は、二価フェノールとホスゲンとの反応であり、酸結合剤及び有機溶媒の存在下で行う。酸結合剤としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物又はピリジン等のアミン化合物が用いられる。有機溶媒としては、例えば塩化メチレン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素が用いられる。また、反応促進のために例えばトリエチルアミン、テトラ-n-ブチルアンモニウムブロマイド、テトラ-n-ブチルホスホニウムブロマイド等の第三級アミン、第四級アンモニウム化合物、第四級ホスホニウム化合物等の触媒を用いることもできる。その際、反応温度は通常0~40℃、反応時間は10分~5時間程度、反応中のpHは9以上に保つのが好ましい。
[0081]
 (b)のエステル交換する方法を用いた反応は、二価フェノールとカーボネートエステルとのエステル交換反応であり、不活性ガスの存在下に二価フェノールとカーボネートエステルとを加熱しながら混合して、生成するアルコールまたはフェノールを留出させる方法により行われる。反応温度は生成するアルコールまたはフェノールの沸点等により異なるが、通常120~350℃の範囲である。反応後期には系を1.3×10 ~1.3×10 Pa程度に減圧して生成するアルコールまたはフェノールの留出を容易にさせる。反応時間は通常1~4時間程度である。
[0082]
 カーボネートエステルとしては、置換基を有してもよい炭素数6~10のアリール基、アラルキル基あるいは炭素数1~4のアルキル基などのエステルが挙げられる。具体的にはジフェニルカーボネート、ジトリルカーボネート、ビス(クロロフェニル)カーボネート、m-クレジルカーボネート、ジナフチルカーボネート、ビス(ジフェニル)カーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネートなどが挙げられ、中でもジフェニルカーボネートを用いることが好ましい。
[0083]
 また、(b)のエステル交換する方法を用いた反応においては重合速度を速めるために重合触媒を用いることができる。重合触媒としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、二価フェノールのナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属化合物、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム等のアルカリ土類金属化合物、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルアミン、トリエチルアミン等の含窒素塩基性化合物、アルカリ金属やアルカリ土類金属のアルコキシド類、アルカリ金属やアルカリ土類金属の有機酸塩類、亜鉛化合物類、ホウ素化合物類、アルミニウム化合物類、珪素化合物類、ゲルマニウム化合物類、有機スズ化合物類、鉛化合物類、オスミウム化合物類、アンチモン化合物類、マンガン化合物類、チタン化合物類、ジルコニウム化合物類などの通常エステル化反応やエステル交換反応に使用される触媒を用いることができる。触媒は単独で使用してもよいし、2種以上組み合わせて使用してもよい。これらの重合触媒の使用量は、原料の二価フェノール1モルに対し、1×10 -8~1×10 -3当量とすることが好ましい。
[0084]
 共重合体は、その重合反応において、末端停止剤として通常使用される単官能フェノール類を使用することができる。例えば、ホスゲンを使用する反応の場合、単官能フェノール類は末端停止剤として分子量調節のために使用され、また得られた共重合体は、末端が単官能フェノール類に基づく基によって封止されているので、熱安定性に優れる。
[0085]
(位相差フィルム)
 本発明は、一般式(1)で表される単位及び一般式(2)で表される単位から選択される少なくとも一方と、一般式(3)で表わされる単位と、を含有する共重合体を含む位相差フィルムに関する。本明細書において、位相差フィルムとは、全面または一部に複屈折性を有するフィルムを意味する。本発明の位相差フィルムは、単層フィルムでもよいし、複数の層からなる多層フィルムでもよいが、単層フィルムであることが好ましい。
[0086]
 ここで、位相差フィルムの各波長における面内レタデーションは下記の条件を満たす。
 20nm<Re(548)<300nm
 0.5<Re(446)/Re(548)<1.0
 1.0<Re(629)/Re(548)<2.0
 但し、Re(446)、Re(548)、Re(629)は、それぞれ波長446nm、548nm、629nmにおける面内のレタデーションを表す。
[0087]
 位相差フィルムの各波長における面内レタデーションが上記条件を満たすことは、本発明の位相差フィルムが逆波長分散性を示すことを意味する。すなわち、本発明の位相差フィルムは逆波長分散性を有する位相差フィルムである。
 なお、各波長における面内レタデーションは、エリプソメーター(日本分光(株)製、M150)により測定することができる。
[0088]
 位相差フィルムの各波長における面内レタデーションは以下の条件を満たすものでることがより好ましい。
 50nm<Re(548)<200nm
 0.6<Re(446)/Re(548)<0.9
 1.0<Re(629)/Re(548)<1.5
[0089]
 本発明の位相差フィルムは、上記一般式(1)で表される単位及び/又は上記一般式(2)で表される単位、並びに上記一般式(3)を有するものであるため、十分な逆波長分散性を発揮することができる。これは、一般式(1)で表される単位及び一般式(2)で表される単位は、負の複屈折率が大きく、波長分散が十分に大きいことによるものである。
[0090]
 また、本発明の位相差フィルムは、十分な逆波長分散性を発揮することができるため、望ましい位相差に調整がしやすいものであるとも言える。例えば、一般式(1)で表される単位及び一般式(2)で表される単位は、負の複屈折率が大きく、波長分散が十分に大きいため、望ましい位相差Re(548)に調整するための一般式(3)で表わされる単位の選択肢を増やすこともできることができる。また、一般式(1)で表される単位及び一般式(2)で表される単位よりも汎用性の高い一般式(3)で表わされる単位のモノマー成分量を増加させることもできる。これにより、位相差フィルムの製造コストを抑制することも可能になる。なお、位相差フィルムとしては、例えば、Re(548)=137.5nm、Re(446/548)=0.818、Re(629/548)=1.182に近い値に調整することが好ましい。
[0091]
 本発明においては、より光弾性係数の小さい位相差フィルムが得られる点にも特徴がある。具体的には、同一の一般式(3)で表わされる正のモノマー成分を用いた際には、一般式(1)又は一般式(2)で表される負のモノマー成分を用いることで、それ以外の負のモノマー成分を用いた場合よりも光弾性係数の小さい位相差フィルムを得ることができる。
[0092]
 本発明においては、位相差フィルムの光弾性係数は0cm /N以上40×10 -8cm /N以下であることが好ましく、0cm /N以上30×10 -8cm /N以下であることがより好ましい。
[0093]
 本発明の位相差フィルムの厚みは10μm以上であることが好ましく、20μm以上であることがより好ましい。また、位相差フィルムの厚みは500μm以下であることが好ましく、300μm以下であることがより好ましい。
[0094]
(位相差フィルムの製造方法)
 本発明の位相差フィルムは、上述した共重合体を含む組成物を用いて、公知の方法で製造することができる。具体的には、本発明の共重合体を溶媒に溶解させてキャストした後、溶媒を除去する流延法や、共重合体を溶媒を用いず溶融製膜する方法を挙げることができるが、特に限定されない。例えば、流延法では、共重合体をテトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒やトルエンなどの芳香族系溶媒、メチレンクロライドなどのハロゲン系溶媒に溶解させたドープ溶液を用いることができる。位相差フィルムの製造方法は、共重合体を含む組成物を基板上に塗布する工程を含み、共重合体を含む組成物を基板上に塗布する際には、スピンコート、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、ダイコート法等が挙げられ、ワイヤーバーコート法を用いることが好ましい。
[0095]
 共重合体を含む組成物を基板上に塗布する工程の後には、塗布工程で塗布された組成物を乾燥する工程を有することが好ましい。乾燥工程は、加熱したホットプレートで、塗布膜(塗布された組成物)を有する基板を加熱する方法などにより行うことができる。乾燥工程は所定の温度の風を塗布膜にあてることによって行うこともできる。
[0096]
 乾燥工程の後には、延伸工程が設けられることが好ましい。延伸工程では、乾燥工程を経て得られたフィルムを所定のサイズに切り出して、固定端一軸延伸して延伸フィルム(位相差フィルム)を作製する。なお、位相差フィルムの位相差は、位相差測定装置(王子計測機器社製KOBRA-WPR)を用いて測定することができる。延伸方向に対して、正の位相差が発現する場合、共重合体は正の屈折率異方性を示すことになり、負の位相差が発現する場合、共重合体は負の屈折率異方性を示すことになる。
[0097]
 本発明の位相差フィルムはフィルムを延伸することで得られ、その目的に応じて、延伸方法、延伸温度、延伸倍率、延伸速度、延伸後の熱熟成等の条件を適宜変更することができる。
 延伸方法としては、自由端延伸法、固定端延伸法、自由端収縮法、固定端収縮法等が挙げられ、単独で用いても、同時もしくは逐次で用いてもよい。また、延伸方向に関しても、水平方向・垂直方向・厚さ方向、対角方向等があり、特に限定されない。
 延伸温度は、一般的にフィルムのガラス転移温度(Tg)を基準に設定することが好ましい。具体的には、Tg-20℃以上であることが好ましく、Tg-10℃以上であることがより好ましい。また、延伸温度は、Tg+30℃以下であることが好ましく、Tg+20℃以下であることがより好ましい。このような条件を選択することによって、位相差フィルムにおける位相差値が均一になり易く、かつ、位相差フィルムが白濁しにくくなる。
[0098]
 延伸倍率は、所望の厚みにおいて意図した光学的特性を付与するために、適宜選択することができる。延伸前を基準に未延伸の場合を1倍とした場合、延伸倍率は1.1倍以上であることが好ましく、1.5倍以上であることがより好ましい。また、延伸時の破断を抑制し、かつ高温条件下での長期使用による光学的特性の変動を防ぐために、延伸倍率は6倍以下であることが好ましく、4倍以下であることがより好ましく、3倍以下であることがさらに好ましい。
[0099]
 延伸速度は、生産性を高め、かつ所望の位相差を得るために延伸倍率を過度に大きくすることを抑制するために、適宜調整することが好ましい。延伸速度は、下記式で表される歪み速度が50%以上となるように調整することが好ましく、100%以上となるように調整することがより好ましく、200%以上となるように調整することがさらに好ましい。また、延伸時の破断を抑制し、かつ高温条件下での光学的特性の変動を防ぐために、延伸速度は、下記式で表される歪み速度が1500%以下となるように調整することが好ましく、1000%以下となるように調整することがより好ましい。
  歪み速度(%/分)= 延伸速度(mm/分)/原反フィルムの長さ(mm)×100
[0100]
(積層体及び液晶表示装置)
 本発明は、上述した位相差フィルムを有する積層体に関するものであってもよい。例えば、位相差フィルムは、各種ディスプレイ(液晶表示装置、有機EL表示装置、プラズマ表示装置、FED電界放出表示装置、SED表面電界表示装置)の視野角補償用、外光の反射防止用、色補償用、直線偏光の円偏光への変換用などに用いることができる。本発明の位相差フィルムは、可視領域の各波長において理想的な位相差特性を備え、光弾性係数が小さく、耐熱性および成形性にも優れ、さらに着色が少なく高い透明性を兼ね備えている傾向があるため、1/4λ板、円偏光板、画像表示装置等に好適である。
[0101]
 また、本発明は、上述した位相差フィルムを有する偏光板に関するものであってもよい。偏光板の製造方法は特に限定されず、一般的な方法で製造することができる。例えば、偏光板は、従来公知の方法により、各種フィルムに、ヨウ素や二色性染料等の二色性物質を吸着させて染色し、架橋、延伸、乾燥することによって調製した偏光子に保護フィルムを積層させることによって製造される。このように、偏光板は、偏光子及びその両面を保護する2枚の保護フィルムで構成されており、本発明の位相差フィルムは上記2枚の保護フィルムのうちの少なくとも一方として使用することができる。
[0102]
 また、本発明は、上述した位相差フィルムを有する液晶表示装置に関するものであってもよい。液晶表示装置は、上記した本発明の位相差フィルム又は偏光板を有する。
 液晶表示装置は、二枚の電極基板の間に液晶を担持してなる液晶セル、その両側に配置された二枚の偏光子、および液晶セルと偏光子との間に少なくとも一枚の位相差フィルムを配置した構成を有している。液晶セルの液晶層は、通常は、二枚の基板の間にスペーサーを挟み込んで形成した空間に液晶を封入して形成する。透明電極層は、導電性物質を含む透明な膜として基板上に形成する。液晶セルには、さらにガスバリアー層、ハードコート層あるいは(透明電極層の接着に用いる)アンダーコート層(下塗り層)を設けてもよい。これらの層は、通常、基板上に設けられる。液晶セルの基板は、好ましくは50μm~2mmの厚さを有する。
[0103]
 表示モードとしては、例えば、TN(Twisted Nematic)、IPS(In-Plane Switching)、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)、AFLC(Anti-ferroelectric Liquid Crystal)、OCB(Optically Compensatory Bend)、STN(Super Twisted Nematic)、VA(Vertically Aligned)、ECB(Electrically Controlled Birefringence)、及びHAN(Hybrid Aligned Nematic)のような様々な表示モードが提案されている。また、上記表示モードを配向分割した表示モードも提案されている。これらのモードのうち、特にIPSモードの液晶表示装置に好ましく用いられる。これらの液晶表示装置は、透過型、反射型および半透過型のいずれでもよい。
実施例
[0104]
 以下に実施例と比較例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
[0105]
(合成例1)
 2,3-ベンゾフルオレノン9.0g、フェノキシエタノール8.6gを、トルエン2.0gに懸濁させ、3-メルカプトプロピオン酸0.07gを加えた。硫酸を3.6g滴下し、65℃にて16時間攪拌し、メタノールを0.64g加え、1時間撹拌後、水12.0gを加え室温に戻し、上清を取り除いた。残渣をカラムクロマトグラフィーで精製することにより、化合物(A1)を5.0g得た。
  H-NMR(300MHz,DMSO-d6):δ3.68ppm(tt、4H)、3.91ppm(t,4H)、4.82ppm(t,2H)、6.85ppm(d,4H)、7.09ppm(d,4H)、7.31-7.52ppm(m,5H)、7.85―7.92ppm(m,2H)、7.95ppm(d,1H)、8.05ppm(d,1H)、8.41ppm(s,1H)
[化25]


[0106]
 化合物(A1)20.8g(42.5mmol)、イソソルビド(ISS)6.2g(42.5mmol)、ピリジン68mlを混合し、窒素気流下において室温で溶解させた。混合物を撹拌しながら約50℃まで昇温した後、トリホスゲン12.5gと1,2-ジクロロエタン30gの溶液を3時間かけてゆっくり滴下した。この際、反応系内の温度が50~55℃に保たれるように注意しながら滴下し、反応を行った。滴下終了後、反応系内の温度を上記範囲に保ちながらさらに1時間撹拌を行い、反応を十分に進行させた。反応終了後、水50mlをゆっくり滴下し、未反応のトリホスゲンを分解した。この反応液を3.5mol/Lの塩酸水200ml中に静かに注ぎ、固形物を得た。得られた固形物を200mlのメタノールに移し、ホモミキサーを用いて粉砕洗浄を行うという工程を2回繰り返し、さらに300mlの水で固形物を洗浄した。固形物をテトラヒドロフランで溶解し、ホモミキサーにて強撹拌しているメタノール溶媒中に添加することで再沈殿させた。沈殿物をろ別し、メタノールをかけることでかけ洗いをした後、窒素雰囲気下で乾燥することで、共重合体(PC―1)34.0gを得た。共重合体(PC-1)の重量平均分子量を測定したところ、21,200であった。
[化26]


[0107]
(合成例2)
 5,6-ジメトキシ-1-インダノン290gと、オルトフタルアルデヒド204gを1500mLのメタノールに溶解させた。反応溶液を加温し、60℃に保ちつつ、水酸化カリウム255gをメタノール1750mLに溶解させたものを滴下した。5時間攪拌した後、反応溶液を室温に戻し、析出した結晶を濾取することにより、化合物A-2Aを230g得た。
[化27]


[0108]
 化合物A-2A 200gと、フェノール320gをメタンスルホン酸320mLに溶解させた。反応溶液を加温し、60℃に保ちつつ、3-メルカプトプロピオン酸3.2mLを滴下した。5時間攪拌後、反応溶液にメタノールを720mL滴下し、30分攪拌後、さらに1400mLのメタノールを滴下した。反応溶液を室温に戻し、析出した結晶を濾取することにより、化合物A-2Bを292g得た。
[化28]


[0109]
 化合物A-2B 10gを4-メチルモルホリン30mLに溶解させた。炭酸カリウム0.44g、炭酸エチレン4.62gを加え、120℃で4時間反応を行った。60℃に冷却したのち、反応溶液に水20mLと水酸化ナトリウム1.7gを添加し、さらに30分撹拌した。反応溶液にさらに酢酸エチル50mLと1N塩酸40mLを加え、さらに10分撹拌したのち、分液により水層を除去した。有機層を希塩酸で2回洗浄し、食塩水で1回洗浄したのち、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムをろ過により取り除き、エバポレーターで濃縮したのち、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することで化合物A2を7.5g得た。
  H-NMR(300MHz,DMSO-d6):δ3.64-3.77ppm(m、7H)、3.89-3.96ppm(m,7H)、4.84ppm(t,2H)、6.85ppm(d,4H)、6.91ppm(s,1H)、7.10ppm(d,4H)、7.38-7.50ppm(m,2H)、7.67ppm(s,1H)、7.78ppm(s,1H)、7.83ppm(d、1H)、7.92ppm(d、1H)、8.30ppm(s,1H)
[化29]


[0110]
 合成例1における化合物(A1)を、等モル量の化合物(A2)に置き換えた以外は、合成例1と同様の操作を行い、共重合体(PC-2)を得た。共重合体(PC-2)の重量平均分子量は表1に記載の通りであった。
[化30]


[0111]
(合成例3)
 特開2015-193809号公報に記載の合成方法を用いて、化合物A3を210g得た。
[化31]


[0112]
 合成例1における化合物(A1)を、等モル量の化合物(A3)に置き換えた以外は、合成例1と同様の操作を行い、共重合体(PC-3)を得た。共重合体(PC-3)の重量平均分子量は表1に記載の通りであった。
[化32]


[0113]
(合成例4)
 化合物(A5-1)10.0g(43mmol)と、2-フェノキシエタノール30.0g(215mmol)を、トルエン15mlとメタンスルホン酸12mlに溶解させた。得られた溶液を加温し、120℃に保ちつつ、3-メルカプトプロピオン酸0.16mLを滴下した。反応溶液を加温し、150℃にて2時間攪拌後、反応溶液を室温に戻した。二相分離した有機層の上層を除去し、酢酸エチル200mlおよび水を加えて攪拌した。析出した結晶を濾取し、酢酸エチル/ヘキサン混合溶媒にて再結晶を行った。ろ過することで化合物(A5)を12g(25mmol)得た。化合物(A5)の H-NMR(nuclear magnetic resonance)データは下記の通りであった。
  H-NMR(300MHz,DMSO-d6):δ3.66ppm(tt、4H)、3.92ppm(t,4H)、4.84ppm(t,2H)、6.85ppm(d,4H)、7.11ppm(t,4H)、7.57-7.70ppm(m,3H)、7.76―7.89ppm(m,2H)、8.04-8.10ppm(m,1H)、8.15-8.25ppm(m,2H)
[化33]


[0114]
 合成例1における化合物(A1)を、等モル量の化合物(A5)に置き換えた以外は、合成例1と同様の操作を行い、共重合体(PC-4)を得た。共重合体(PC-4)の重量平均分子量は表1に記載の通りであった。
[化34]


[0115]
(合成例5)
 化合物(A1)24.9g(51mmol)、スピログリコール(SPG)22.7g(76.5mmol)、ピリジン102mlを混合し、窒素気流下において室温で溶解させた。混合物を撹拌しながら約50℃まで昇温した後、トリホスゲン18.8gとテトラヒドロフラン45gの溶液を3時間かけてゆっくり滴下した。この際、反応系内の温度の内温が50~55℃に保たれるように注意しながら滴下し、反応を行った。滴下終了後、反応系内の温度を上記範囲に保ちながらさらに1時間撹拌を行い、反応を十分に進行させた。反応終了後、水75mlをゆっくり滴下し、未反応のトリホスゲンを分解した。この反応液を3.5mol/Lの塩酸水300ml中に静かに注ぎ、固形物を得た。得られた固形物を300mlのメタノールに移し、ホモミキサーを用いて粉砕洗浄を行うという工程を2回繰り返し、さらに500mlの水で固形物を洗浄した。固形物をテトラヒドロフランで溶解し、ホモミキサーにて強撹拌しているメタノール溶媒中に添加することで再沈殿させた。沈殿物をろ別し、洗浄した固形物にメタノールをかけることでかけ洗いをした後、窒素雰囲気下で乾燥することで、共重合体(PC―5)43.0gを得た。共重合体(PC-5)の重量平均分子量は表2に記載の通りであった。
[化35]


[0116]
(合成例6)
 合成例1における化合物ISSを、等モル量の化合物CHDMに置き換えた以外は、合成例1と同様の操作を行い、共重合体(PC-6)を得た。共重合体(PC-6)の重量平均分子量は表2に記載の通りであった。
[化36]


[0117]
(合成例7)
 化合物(A1)43.6g(89.2mmol)、ビスフェノールA(BISA)8.7g(38.2mmol)、ピリジン102mlを混合し、窒素気流下において室温で溶解させた。混合物を撹拌しながら約50℃まで昇温した後、トリホスゲン18.8gとテトラヒドロフラン45gの溶液を3時間かけてゆっくり滴下した。この際、反応系内の温度の内温が50~55℃に保たれるように注意しながら滴下し、反応を行った。滴下終了後、反応系内の温度を上記範囲に保ちながらさらに1時間撹拌を行い、反応を十分に進行させた。反応終了後、水75mlをゆっくり滴下し、未反応のトリホスゲンを分解した。この反応液を3.5mol/Lの塩酸水300ml中に静かに注ぎ、固形物を得た。得られた固形物を300mlのメタノールに移し、ホモミキサーを用いて粉砕洗浄を行うという工程を2回繰り返し、さらに500mlの水で固形物を洗浄した。固形物をテトラヒドロフランで溶解し、ホモミキサーにて強撹拌しているメタノール溶媒中に添加することで再沈殿させた。沈殿物をろ別し、洗浄した固形物にメタノールをかけることでかけ洗いをした後、窒素雰囲気下で乾燥することで、共重合体(PC-7)45.2gを得た。共重合体(PC-7)の重量平均分子量は表2に記載の通りであった。
[化37]


[0118]
(合成例8)
 化合物(A1)16.6g(34mmol)、イソソルビド(ISS)7.4g(51mmol)、ピリジン68mlを混合し、窒素気流下において室温で溶解させた。混合物を撹拌しながら約50℃まで昇温した後、トリホスゲン12.5gと1,2-ジクロロエタン30gの溶液を3時間かけてゆっくり滴下した。この際、反応系内の温度の内温が50~55℃に保たれるように注意しながら滴下し、反応を行った。滴下終了後、反応系内の温度を上記範囲に保ちながらさらに1時間撹拌を行い、反応を十分に進行させた。反応終了後、水50mlをゆっくり滴下し、未反応のトリホスゲンを分解した。この反応液を3.5mol/Lの塩酸水200ml中に静かに注ぎ、固形物を得た。得られた固形物を200mlのメタノールに移し、ホモミキサーを用いて粉砕洗浄を行うという工程を2回繰り返し、さらに300mlの水で固形物を洗浄した。固形物をテトラヒドロフランで溶解し、ホモミキサーにて強撹拌しているメタノール溶媒中に添加することで再沈殿させた。沈殿物をろ別し、洗浄した固形物にメタノールをかけることでかけ洗いをした後、窒素雰囲気下で乾燥することで、共重合体(PC-8)21.0gを得た。共重合体(PC-8)の重量平均分子量は表3に記載の通りであった。
[化38]


[0119]
(合成例9)
 化合物(A5)13.8g(28.1mmol)、イソソルビド(ISS)8.3g(57.0mmol)、ピリジン68mlを混合し、窒素気流下において室温で溶解させた。混合物を撹拌しながら約50℃まで昇温した後、トリホスゲン12.5gと1,2-ジクロロエタン30gの溶液を3時間かけてゆっくり滴下した。この際、反応系内の温度の内温が50~55℃に保たれるように注意しながら滴下し、反応を行った。滴下終了後、反応系内の温度を上記範囲に保ちながらさらに1時間撹拌を行い、反応を十分に進行させた。反応終了後、水50mlをゆっくり滴下し、未反応のトリホスゲンを分解した。この反応液を3.5mol/Lの塩酸水200ml中に静かに注ぎ、固形物を得た。得られた固形物を200mlのメタノールに移し、ホモミキサーを用いて粉砕洗浄を行うという工程を2回繰り返し、さらに300mlの水で固形物をスラリー洗浄した。固形物をテトラヒドロフランで溶解し、ホモミキサーにて強撹拌しているメタノール溶媒中に添加することで再沈殿させた。沈殿物をろ別し、洗浄した固形物にメタノールをかけることでかけ洗いをした後、窒素雰囲気下で乾燥することで、共重合体(PC-9)20.5gを得た。共重合体(PC-9)の重量平均分子量は表3に記載の通りであった。
[化39]


[0120]
(合成例10)
 化合物(A1)8.3g(17.0mmol)、化合物(A2)7.0g(12.8mmol)、イソソルビド(ISS)8.1g(55.3mmol)、ピリジン68mlを混合し、窒素気流下において室温で溶解させた。混合物を撹拌しながら約50℃まで昇温した後、トリホスゲン12.5gと1,2-ジクロロエタン30gの溶液を3時間かけてゆっくり滴下した。この際、反応系内の温度の内温が50~55℃に保たれるように注意しながら滴下し、反応を行った。滴下終了後、反応系内の温度を上記範囲に保ちながらさらに1時間撹拌を行い、反応を十分に進行させた。反応終了後、水50mlをゆっくり滴下し、未反応のトリホスゲンを分解した。この反応液を3.5mol/Lの塩酸水200ml中に静かに注ぎ、固形物を得た。得られた固形物を200mlのメタノールに移し、ホモミキサーを用いて粉砕洗浄を行うという工程を2回繰り返し、さらに300mlの水で固形物を洗浄した。固形物をテトラヒドロフランで溶解し、ホモミキサーにて強撹拌しているメタノール溶媒中に添加することで再沈殿させた。沈殿物をろ別し、洗浄した固形物にメタノールをかけることでかけ洗いをした後、窒素雰囲気下で乾燥することで、共重合体(PC-10)22.0gを得た。共重合体(PC-10)の重量平均分子量は表3に記載の通りであった。
[化40]


[0121]
(比較合成例1)
 化合物(A7)として、和光純薬工業株式会社製の、cas117344-32-8を用いた。
[化41]


[0122]
 合成例1における化合物(A1)を、等モル量の(A7)に置き換えた以外は、合成例1と同様の操作を行い、共重合体(PCR-1)を得た。共重合体(PCR-1)の重量平均分子量は表1に記載の通りであった。
[化42]


[0123]
(比較合成例2)
 合成例5における化合物(A1)を、等モル量の化合物(A7)に置き換えた以外は、合成例5と同様の操作を行い、共重合体(PCR-2)を得た。共重合体(PCR-2)の重量平均分子量は表2に記載の通りであった。
[化43]


[0124]
(比較合成例3)
 合成例6における化合物(A1)を、等モル量の化合物(A7)に置き換えた以外は、合成例6と同様の操作を行い、共重合体(PCR-3)を得た。共重合体(PCR-3)の重量平均分子量は表2に記載の通りであった。
[化44]


[0125]
(比較合成例4)
 合成例7における化合物(A1)を、等モル量の化合物(A7)に置き換えた以外は、合成例7と同様の操作を行い、共重合体(PCR-4)を得た。共重合体(PCR-4)の重量平均分子量は表2に記載の通りであった。
[化45]


[0126]
(実施例1~10及び比較例1~4)
 合成例1~10、比較合成例1~4で得られた共重合体(PC-1)~(PC-10)及び(PCR-1)~(PCR-4)をそれぞれメチレンクロライドに溶解させ、ドープ溶液を作製した。このドープ溶液を用いて公知の方法でキャストフィルムを作製した。得られたフィルムを100mm×70mmのサイズに切り出しサンプルとし、そのサンプルを190℃にて2.0倍に延伸した。このようにして、実施例1~10及び比較例1~4の位相差フィルムを得た。
[0127]
(測定)
<面内のレタデーション(Re)>
 実施例及び比較例で得られた位相差フィルムの位相差をそれぞれ、エリプソメーター(日本分光(株)製、M150)で測定し、446nmにおける面内のレタデーション(Re(446))と、548nmにおける面内のレタデーション(Re(548))の比(Re(446/548))、及び、629nmにおける面内のレタデーション(Re(629))と、550nmにおける面内のレタデーション(Re(548))の比(Re(629/548))を算出した。
[0128]
<光弾性係数>
 実施例及び比較例で得られた位相差フィルムを3.5cm×12cmのサイズに切り出し、荷重無し、250g、500g、1000g、1500gのそれぞれの荷重における面内のレタデーション(Re)をエリプソメーター(日本分光(株)製、M150)で測定し、応力に対するRe変化の直線の傾きから、光弾性係数を算出した。
[0129]
[表1]


[0130]
[表2]


[0131]
[表3]


[0132]
 位相差フィルムの逆波長分散性はRe(446/548)の値が小さい程、またRe(629/548)の値が大きい程、大きい。実施例1~4の位相差フィルムは比較例1の位相差フィルムに比べて逆波長分散性が大きかった。
[0133]
 表2の実施例5と比較例2、表2の実施例6と比較例3、表2の実施例7と比較例4を比較すると、実施例で用いた負のモノマー成分は、比較例で用いた負のモノマー成分(化合物A7)に比べてReの逆波長分散にする効果が大きく、またReを負にする効果が大きい。そのため、望ましい逆波長分散性及び位相差Re(548)(例えば137.5nm)を発現させるために必要な負のモノマー成分の量を抑えることができる。これは、負のモノマー成分よりも汎用性の高い正のモノマー成分の組成比を増加させることができることを意味する。
[0134]
 また、実施例で得られた位相差フィルムの光弾性係数は40×10 -12/Pa以下であり、位相差フィルムとして好ましいものであった。

請求の範囲

[請求項1]
 下記一般式(1)で表される単位及び下記一般式(2)で表される単位から選択される少なくとも一方と、下記一般式(3)で表わされる単位と、を含有する共重合体を含み、
 20nm<Re(548)<300nmであり、
 0.5<Re(446)/Re(548)<1.0であり、
 1.0<Re(629)/Re(548)<2.0である位相差フィルム;
 但し、Re(446)、Re(548)、Re(629)は、それぞれ波長446nm、548nm、629nmにおける面内のレタデーションを表す;
[化1]


 一般式(1)中、R 11~R 14はそれぞれ独立に、水素原子又はハメットの置換基定数σ 値が-0.15よりも小さい置換基であって、アリール基、ヘテロアリール基及び反応性基を有する置換基を除く置換基であり、R 11~R 14は互いに隣り合う置換基同士で互いに結合して縮合環を形成するものではない;
 R 15~R 17はそれぞれ独立に置換基を表す;
 a~cはそれぞれ独立に、0以上の整数であり、各環に置換可能な最大数以下の整数を表す;a~cが2以上の整数である場合、複数のR 15、複数のR 16及び複数のR 17はそれぞれ同一でも異なっていてもよい;
 Ar 11及びAr 12はそれぞれ独立に、破線で囲まれたベンゼン環を含むアリール基又は破線で囲まれたベンゼン環を縮合環のひとつとして含むヘテロアリール基を表す;
 L 11及びL 12はそれぞれ独立に、炭素数が2~8のアルキレン基、炭素数が5~12のシクロアルキレン基、炭素数が6~20のアリーレン基、又は炭素数が6~20のヘテロアリーレン基を表す;
 n11及びn12はそれぞれ独立に0~10の整数を表す;n11及びn12が2~10の整数である場合、複数のL 11及び複数のL 12はそれぞれ同一でも異なっていてもよい;
 Ar 11及びAr 12がそれぞれ独立に、破線で囲まれたベンゼン環を含む芳香族縮合環基である場合は、R 15、R 16、-O-[L 11-O] n11-及び-[O-L 12n12-O-はそれぞれ独立に、破線で囲まれたベンゼン環に置換していても、破線で囲まれたベンゼン環以外の縮合環に置換していてもよい;
[化2]


 一般式(2)中、Y 21及びY 22はそれぞれ独立に、炭素原子、酸素原子、硫黄原子又は窒素原子であり、Y 21及びY 22の少なくとも1つは酸素原子、硫黄原子又は窒素原子である;
 ZはY 21-C=C-Y 22とともに5~7員環を形成する原子群であって、環構成原子が炭素原子、酸素原子、硫黄原子又は窒素原子からなる原子群を表す;
 R 21~R 24はそれぞれ独立に置換基を表す;
 p~sはそれぞれ独立に、0以上の整数であり、各環に置換可能な最大数以下の整数を表す;p~sが2以上の整数である場合、複数のR 21、複数のR 22、複数のR 23及び複数のR 24はそれぞれ同一でも異なっていてもよい;
 Ar 21及びAr 22はそれぞれ独立に、破線で囲まれたベンゼン環を含むアリール基又は破線で囲まれたベンゼン環を縮合環のひとつとして含むヘテロアリール基を表す;
 X 21及びX 22はそれぞれ独立に、単結合、-O-、-S-から選ばれる基である。
 L 21及びL 22はそれぞれ独立に、炭素数が2~8のアルキレン基、炭素数が5~12のシクロアルキレン基、炭素数が6~20のアリーレン基、又は炭素数が6~20のヘテロアリーレン基を表す;
 m21及びm22はそれぞれ独立に0~10の整数を表す;m21及びm22が2~10の整数である場合、複数の-[L 21-X 21]-及び複数の-[X 22-L 22]-はそれぞれ同一でも異なっていてもよい;
 Ar 21及びAr 22がそれぞれ独立に、破線で囲まれたベンゼン環を含む芳香族縮合環基である場合は、R 21、R 22、-O-[L 21-X 21m21-及び-[X 22-L 22m22-O-はそれぞれ独立に、破線で囲まれたベンゼン環に置換していても、破線で囲まれたベンゼン環以外の縮合環に置換していてもよい。
[化3]


 一般式(3)中、X 32は炭素数が2~20のアルキレン基、炭素数が4~20のシクロアルキレン基、炭素数が6~20のアリーレン基又はこれらを組み合わせた基を表す;但し、シクロアルキレン基の環構成原子は、酸素原子、硫黄原子又は窒素原子で置換されていてもよい。
[請求項2]
 前記一般式(1)で表される単位が下記一般式(11)で表わされる単位である請求項1に記載の位相差フィルム;
[化4]


 一般式(11)中、R 11~R 14はそれぞれ独立に、水素原子又はハメットの置換基定数σ 値が-0.15よりも小さい置換基であって、アリール基、ヘテロアリール基及び反応性基を有する置換基を除く置換基であり、R 11~R 14は互いに隣り合う置換基同士で互いに結合して縮合環を形成するものではない;
 R 15及びR 16はそれぞれ独立にメチル基又はエチル基を表す;
 a及びbはそれぞれ独立に0~2の整数を表す;
 L 11及びL 12はそれぞれ独立に、エチレン基又はプロピレン基を表す;
 n11及びn12はそれぞれ独立に0~3の整数を表す。
[請求項3]
 前記一般式(2)で表される単位が下記一般式(21)で表わされる単位である請求項1又は2に記載の位相差フィルム;
[化5]


 一般式(21)中、Y 21及びY 22はそれぞれ独立に、炭素原子又は窒素原子を表し、Y 21及びY 22の少なくとも1つは窒素原子である;
 R 21及びR 22はそれぞれ独立にメチル基又はエチル基を表し、R 23及びR 24はそれぞれ独立に置換基を表す;
 p及びqはそれぞれ独立に0~3の整数を表し、rは0~4の整数を表し、sは0~2の整数を表し、sが2の場合、R 24で表される置換基は、互いに結合して縮合環を形成してもよい;
 L 21及びL 22はそれぞれ独立に、エチレン基又はプロピレン基を表す;
 m21及びm22はそれぞれ独立に0~3の整数を表す。
[請求項4]
 前記一般式(21)において、Y 21及びY 22は窒素原子である請求項3に記載の位相差フィルム。
[請求項5]
 前記一般式(3)において、X 32は脂環、複素環及び芳香環から選択される少なくとも1種を置換基として有する炭素数が5~20のアルキレン基、炭素数が4~20のシクロアルキレン基、炭素数が6~20のアリーレン基又はこれらを組み合わせた基を表す請求項1~4のいずれか1項に記載の位相差フィルム;但し、シクロアルキレン基の環構成原子は、酸素原子、硫黄原子又は窒素原子で置換されていてもよい。
[請求項6]
 前記一般式(3)で表される単位が下記構成単位から選択される単位である請求項1~5のいずれか1項に記載に位相差フィルム;
[化6]


 上記構成単位中、R 331は水素原子又は炭素数1~12のアルキル基を表す;r1は0又は1である;R 332及びR 333はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を表し、Z 331は、以下の構造式のいずれかで表される連結基である;
[化7]


 上記構造式中の*は連結部位を表す。
[請求項7]
 光弾性係数が0cm /N以上40×10 -8cm /N以下である請求項1~6のいずれか1項に記載の位相差フィルム。