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1. (WO2019003397) METHOD FOR MANUFACTURING HOLLOW STABILIZER
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明 細 書

発明の名称 中空スタビライザーの製造方法

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004  

先行技術文献

特許文献

0005  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0006   0007  

課題を解決するための手段

0008   0009   0010  

発明の効果

0011  

図面の簡単な説明

0012  

発明を実施するための形態

0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028  

実施例

0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039  

産業上の利用可能性

0040  

符号の説明

0041  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8  

図面

1   2   3   4   5   6   7  

明 細 書

発明の名称 : 中空スタビライザーの製造方法

技術分野

[0001]
 この発明は、疲労寿命を向上させた中空スタビライザーの製造方法に関する。

背景技術

[0002]
 従来、自動車などの車両でコーナリング時に生じる車体のロールを少なくするために、ばね鋼鋼材などが所定の形状に曲げ加工されてなるスタビライザーが提供されている。近年では軽量化を目的として、中実スタビライザーから中空スタビライザーへと需要が高まっている(特許文献1を参照)。
[0003]
 中空スタビライザーにおいては、通常は管の外面よりも内面の応力が低いが、外面にショットピーニングを施して圧縮残留応力を付与すると、外面の応力が緩和され、外面と内面の応力差は小さくなる。中空スタビライザーを軽量化するために肉厚を薄くしていくと、この傾向がより顕著となり、内面を起点とする折損が生じることもある。
[0004]
 一般的に疲労破壊は表面より生じるため、表面の粗さを低減させることにより応力集中を緩和でき疲労寿命を向上させることが可能である。例えば、パイプ材内面の表面粗さを低減させるために内面に研磨剤をブラスト処理する技術が提供されている(特許文献2)。

先行技術文献

特許文献

[0005]
特許文献1 : 特開平7-89325号公報
特許文献2 : 特開2012-11762号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0006]
 しかしながら、中空スタビライザーは、曲げ加工により複雑な形状とされ、軽量化を目的に肉厚が薄くなると、曲げ部の断面が扁平となりやすくなるため、研磨剤をブラスト処理することによっては部分的に強く当たる等して、内面を均一に研磨して表面粗さを低減することにより疲労寿命を向上させることは困難であった。
[0007]
 本実施の形態は、上述の実情に鑑みて提案されるものであって、内面を均一に研磨して表面粗さを低減することにより疲労寿命を向上させることができるような中空スタビライザーの製造方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0008]
 上述の課題を解決するために、この出願に係る中空スタビライザーの製造方法は、中空スタビライザーに用いる鋼管を提供する工程と、鋼管において、第1開口と第2開口との間で管内に粘弾性を有する研磨メディアを流して管の内面を研磨する工程とを含み、管の内面の表面粗さを低減することにより疲労寿命を向上させるものである。鋼管は、所定の形状に曲げ加工されていてもよい。鋼管は、熱処理されていてもよい。研磨メディアは、粘弾性を有する母材と、粒子状の研磨剤とを含んでもよい。
[0009]
 研磨する工程は、鋼管の第1開口から第2開口に向けて研磨メディアを流す工程を含んでもよい。研磨メディアを流す工程は、供給源から前記鋼管の第1開口に前記研磨メディアを供給することをさらに含んでもよい。
[0010]
 研磨する工程は、鋼管の第1開口から第2開口に向けて研磨メディアを流す第1工程と、逆に第2開口から第1開口に向けて研磨メディアを流す第2工程とを含んでもよい。第1工程は、供給源から鋼管の第1開口に研磨メディアを供給するとともに、鋼管の第2開口から研磨メディアを供給源に回収し、第2工程は、供給源から鋼管の第2開口に研磨メディアを供給するとともに、鋼管の第1開口から研磨メディアを供給源に回収してもよい。

発明の効果

[0011]
 この発明によると、中空スタビライザーの内面を均一に研磨することができ、その結果中空スタビライザーの疲労寿命を向上させることができる。

図面の簡単な説明

[0012]
[図1] 中空スタビライザーを製造する一連の工程を示すフローチャートである。
[図2] 本実施の形態の中空スタビライザーの製造方法を実施するために用いる装置を示す図である。
[図3] 管状部材を示す三面図である。
[図4] 管状部材の曲げ部の断面図である。
[図5] 管状部材の内面の研磨を説明する断面図である。
[図6] 実施例の表面粗さ波形を示すグラフである。
[図7] 管状部材の曲げ部及びストレート部における表面粗さを測定した結果を示すグラフである。

発明を実施するための形態

[0013]
 以下、本実施の形態に係る中空スタビライザーの製造方法について、図面を参照して詳細に説明する。図1のフローチャートに示すように、中空スタビライザーは、素材の鋼管の受け入れ(ステップS1)、切断(ステップS2)、曲げ加工(ステップS3)、熱処理(ステップS4)、内面研磨(ステップS5)、端部加工(ステップS6)、ショットピーニング(ステップS7)、塗装(ステップS8)という一連の工程によって製造される。
[0014]
 本実施の形態の製造方法は、ステップS5の内面研磨の工程に相当している。本実施の形態の製造方法においては、素材の受け入れ(ステップS1)、切断(ステップS2)、曲げ加工(ステップS3)、熱処理(ステップS4)を経た鋼管が提供され、この鋼管に対して内面研磨を施している。以下の説明では、便宜上、ステップS1からステップS4の工程を経て、本実施の形態の製造方法が適用される鋼管を管状部材と称することにする。
[0015]
 本実施の形態の製造方法は、ステップS4で焼き入れ及び焼き戻しなど熱処理を施された管状部材が提供され、ステップS5の内面研磨に相当する工程を実施することにより内面の表面粗さを低減するものである。内面の表面粗さを低減させるためには、本実施の形態の製造方法を適用する前に、ステップS4の熱処理が既に施されていることが必要である。仮に、本実施の形態の製造方法とステップS4の熱処理の順序を入れ替え、本実施の形態の製造方法により内面研磨した後に熱処理を施すとすると、熱処理により表面粗さが増加することになる。
[0016]
 表1に、鋼管の内面研磨の後で熱処理を施した場合の内面の表面粗さの推移を比較例として示す。触針式測定器で測定した算術平均粗さRa(単位μm)及び最大高さ粗さRz(単位μm)は、内面研磨により素材よりも低下しているが、熱処理によって増加していることが見られる。熱処理が表面粗さを増加させるため、熱処理を内面研磨の後に実施することは適切でないことが明らかである。なお、表1のデータは、同一の鋼管の同じ箇所を測定したものである。
[0017]
[表1]


[0018]
 図2は、中空スタビライザーの製造方法を実施するために用いる装置を示す図である。図2に示す装置は、管状部材10の管内に研磨メディアを流すことにより内面を研磨するものであり、研磨メディアを供給する第1供給源31、第1供給源31を駆動する第1駆動源35、第1供給源31と管状部材10を接続して研磨メディアを送る第1流路21を有している。また、この装置は、研磨メディアを供給する第2供給源32、第2供給源を駆動する第2駆動源36、第2供給源32と管状部材10を接続して研磨メディアを送る第2流路22を有している。
[0019]
 図3は、管状部材10を示す三面図である。図3(a)は上面図、図3(b)は正面図、図3(c)は側面図である。管状部材10は、鋼管がコ字状に曲げ加工された後で焼き入れ及び焼き戻しの熱処理が施されたものである。管状部材10の第1端11及び第2端12は、それぞれ開放されて第1開口11a及び第2開口12aを形成している。
[0020]
 図4は、管状部材の曲げ部における管状部材10の断面形状の推移を示す図である。図4(a)は図3(a)中の断面AA、同様に図4(b)は断面BB、図4(c)は断面CCの形状を示している。管状部材10の断面形状は、図4(a)及び図4(c)に対し、図4(b)は扁平になっている。管状部材10は、軽量化されると肉薄となって曲げ部の断面が扁平となる傾向が顕著になる。
[0021]
 図2の第1供給源31及び第2供給源32は、粘弾性を有する研磨メディアを第1流路21及び第2流路22を通じて管状部材10に供給している。また、第1流路21及び第2流路22を通じて管状部材10から研磨メディアを回収している。例えば、第1供給源31が第1流路21を通じて研磨メディアを管状部材10に供給するときには、第2供給源32が第2流路22を通じて研磨メディアを回収してもよい。逆に、第2供給源32が第2流路22を通じて研磨メディアを管状部材10に供給するときには、第1供給源31が第1流路21を通じて研磨メディアを回収してもよい。
[0022]
 研磨メディアは、粘弾性を有する母材に粒子状の研磨剤(砥粒)を含み、高圧下で流動する性質を有している。母材はポリホウ化シロキサンポリマーなどの高分子材料であってもよく、研磨剤は炭化ケイ素やダイヤモンドなどであってもよい。研磨メディアの母材及び研磨剤は、ここに例示したものに限られず、適切なものを使用することができる。
[0023]
 図5は、管状部材10の内面の研磨を説明する断面図である。管状部材10の第1端11の第1開口11aは、第1取付具25によって第1流路21に接続されている。管状部材10の第2端12の第2開口12aは、第2取付具26によって第2流路22に接続されている。
[0024]
 第1工程においては、第1供給源31から第1流路21を通じて管状部材10の第1開口11aに研磨メディア200が供給される。第1開口11aに供給された研磨メディア200は管状部材10の管内を第2開口12aに向かって流れ、第2開口12aから排出される。第2開口12aから排出された研磨メディア200は、第2流路22を通じて第2供給源32に回収される。
[0025]
 第2工程においては、第2供給源32から第2流路22を通じて管状部材10の第2開口12aに研磨メディア200が供給される。第2開口12aに供給された研磨メディア200は管状部材10の管内を第1開口11aに向かって流れ、第1開口11aから排出される。第1開口11aから排出された研磨メディア200は、第1流路21を通じて第1供給源31に回収される。
[0026]
 このような第1工程及び第2工程が交互に繰り返して実施され、研磨メディア200は管状部材10の管内を往復して流れる。研磨メディア200は、粒子状の研磨剤(砥粒)を含み、管状部材10の内面を研磨しつつ管内を流動する。したがって、管状部材10の内面は、管内を流動する研磨メディア200によって次第に研磨される。図3に示したようにコ字状に曲げ加工をされ、図4に示したように曲げ部の断面が扁平となっている管状部材10においても、流動する研磨メディア200によって管内は均一に研磨される。その結果、中空スタビライザーの内面を均一に研磨して表面粗さを低減させることにより、中空スタビライザーの疲労寿命を向上させることができる。
[0027]
 本実施の形態においては、第1工程及び第2工程が交互に繰り返され、研磨メディア200が管状部材10の管内を往復して流れる例を示したが、本発明は、これに限定されることはない。例えば、研磨メディア200が管状部材10の管内を第1開口11aから第2開口12aに向かって流れる第1工程、又は管内を第2開口12aから第1開口11aに向かって流れる第2工程のいずれか一方のみを実施してもよい。
[0028]
 また、本実施の形態においては、図2に示したように第1供給源31及び第2供給源32を別個に構成したが、本発明は、これに限定されることはない。管状部材10の第1開口11a及び第2開口12aには、それぞれ第1流路21及び第2流路22を介して同一の供給源から研磨メディアを供給してもよい。例えば、管状部材10の管内を研磨メディアが往復して流れるように、又は管内を一方向に流れるように、同一の供給源によって研磨メディアの供給又は回収してもよい。
実施例
[0029]
 実施例では、本実施の形態の中空スタビライザーの製造方法を適用し、図3に示したようなコ字状に曲げ加工された管状部材の内面が研磨されているかどうかを確認した。実施例においては、曲げ加工された曲げ部と、曲げ加工されていない中央のストレート部とを測定した。
[0030]
 実施例においては、研磨メディアは、研磨剤に炭化ケイ素を使用し、その粒度は、固定砥石の粒度#80~100相当のものを使用している。そして、研磨メディアの供給源から、圧力5MPa、流速600mm/min、研磨時間20分の条件で、管状部材に研磨メディアを供給し、管内に流した。
[0031]
 表2には、管状部材の管内に研磨メディアを流して管状部材の内面を研磨した後、内面の表面粗さを触針式測定器で測定した結果を示している。表2には、曲げ部及びストレート部ついて、算術平均粗さRa(単位μm)及び最大高さ粗さRz(単位μm)が示されている。また、表2には、比較例として、管状部材の内面を研磨していない場合についても、同様の条件で曲げ部及びストレート部について表面粗さを測定した結果が示されている。
[0032]
[表2]


[0033]
 図6は、粗さ波形データの測定結果を示している。図6(a)は実施例の曲げ部の粗さ波形であり、図6(b)は実施例のストレート部の粗さ波形である。図6(c)は比較例の曲げ部の粗さ波形であり、図6(d)は比較例のストレート部の粗さ波形である。
[0034]
 表2及び図6によると、実施例においては、曲げ部及びストレート部のいずれの場合においても、比較例よりも表面粗さが低減されていることが見られる。したがって、実施例においては、本実施の形態の中空スタビライザーの製造方法が、曲げ部及びストレート部のいずれにおいても、管内の表面粗さを十分に低減させることができることが明らかになった。
[0035]
 図7は、管状部材の曲げ部及びストレート部において、周方向にランダムに4点で表面粗さを測定した結果のグラフを示している。図7(a)は、管状部材の曲げ部について、横軸に示す第1点から第4点について、縦軸に曲げ部の算術平均粗さRa及び最大高さ粗さRzをそれぞれ示している。図中には、算術平均粗さRa及び最大高さ粗さRzのそれぞれの平均値も併せて示している。図7(b)は、管状部材のストレート部について同様に示している。
[0036]
 図7によると、図7(a)の曲げ部及び図7(b)のストレート部について、4点の算術平均粗さRa及び最大高さ粗さRzのそれぞれが、4点の平均値に比較的近い数値であった。したがって、本実施の形態の中空スタビライザーの製造方法によると、曲げ部及びストレート部について、径方向の位置にかかわらず、一定の表面粗さになるように内面研磨を実施できることが明らかになった。
[0037]
 管状部材の内面を均一に研磨して表面粗さを低減して製造した中空スタビライザーの繰り返し曲げ疲労試験の結果を表3に示す。実施例は、本実施の形態に従い内面を研磨したものである。比較例は、内面研磨を実施していない。疲労試験は、実施例及び比較例について、それぞれ2つのサンプルを用いた。
[0038]
[表3]


[0039]
 表3によると、内面を均一に研磨した中空スタビライザーは繰り返しの曲げに対する耐久回数が増大し、疲労寿命が向上することが確認できた。

産業上の利用可能性

[0040]
 この発明は、自動車などの車両に使用される中空スタビライザーの製造に利用することができる。

符号の説明

[0041]
 10 管状部材
 11 第1端
 11a 第1開口
 12 第2端
 12a 第2開口
 21 第1流路
 22 第2流路
 200 研磨メディア

請求の範囲

[請求項1]
 中空スタビライザーの製造方法であって、
 中空スタビライザーに用いる鋼管を提供する工程と、
 前記鋼管において、第1開口と第2開口との間で管内に粘弾性を有する研磨メディアを流して管の内面を研磨する工程と
 を含み、管の内面の表面粗さを低減することにより疲労寿命を向上させる方法。
[請求項2]
 前記鋼管は、所定の形状に曲げ加工されている請求項1に記載の方法。
[請求項3]
 前記鋼管は、熱処理されている請求項2に記載の方法。
[請求項4]
 前記研磨する工程は、前記鋼管の第1開口から第2開口に向けて前記研磨メディアを流す工程を含む請求項1に記載の方法。
[請求項5]
 前記研磨メディアを流す工程は、供給源から前記鋼管の第1開口に前記研磨メディアを供給することをさらに含む請求項4に記載の方法。
[請求項6]
 前記研磨する工程は、前記鋼管の第1開口から第2開口に向けて前記研磨メディアを流す第1工程と、前記第2開口から前記第1開口に向けて前記研磨メディアを流す第2工程とを含む請求項1に記載の方法。
[請求項7]
 前記第1工程は、供給源から前記鋼管の第1開口に前記研磨メディアを供給するとともに、前記鋼管の第2開口から前記研磨メディアを前記供給源に回収し、前記第2工程は、供給源から前記鋼管の第2開口に前記研磨メディアを供給するとともに、前記鋼管の第1開口から前記研磨メディアを前記供給源に回収する請求項6に記載の方法。
[請求項8]
 前記研磨メディアは、粘弾性を有する母材と、粒子状の研磨剤とを含む請求項1に記載の方法。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]