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1. (WO2018225463) UPPER-SIDE LIGHT DIFFUSER SHEET AND BACKLIGHT UNIT EQUIPPED WITH SAME
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明 細 書

発明の名称 上用光拡散シートおよびそれを備えたバックライトユニット

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

先行技術文献

特許文献

0004  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0005   0006   0007   0008  

課題を解決するための手段

0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019  

発明の効果

0020  

図面の簡単な説明

0021  

発明を実施するための形態

0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087  

実施例

0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117   0118   0119  

産業上の利用可能性

0120  

符号の説明

0121  

請求の範囲

1   2   3   4   5  

図面

1   2   3   4   5   6A   6B   7A   7B  

明 細 書

発明の名称 : 上用光拡散シートおよびそれを備えたバックライトユニット

技術分野

[0001]
 本発明は、上用光拡散シートおよびそれを備えたバックライトユニットに関する。

背景技術

[0002]
 液晶表示装置は、薄型、軽量、低消費電力等の特徴を活かしてフラットパネルディスプレイとして多用され、その用途はテレビ、パーソナルコンピュータ、スマートフォン等の携帯電話端末、タブレット端末等の携帯型情報端末など年々拡大している。
[0003]
 このような液晶表示装置は、液晶パネルを裏面側から照射するバックライト方式が普及し、エッジライト型(サイドライト型)、直下型等のバックライトユニットが装備されている。このような液晶表示装置に備えられるエッジライト型バックライトユニット101は、一般的には図5に示すように、光源102と、この光源102に端部が沿うように配置される方形板状の導光板103と、この導光板103の表面側に重ねて配設される複数枚の光学シート104と、導光板103の裏面側に配設される反射シート105とを備える。導光板103は、一般的には合成樹脂製で、ポリカーボネート、アクリル樹脂等が主成分として用いられている。光源102としては、LED(発光ダイオード)や冷陰極管等が使用されているが、小型化および省エネルギー化等の観点から現在ではLEDが普及している。また、光学シート104としては、(1)導光板103の表面側に重畳され、主に光拡散機能を有する下用光拡散シート106、(2)下用光拡散シート106の表面側に重畳され、法線方向側への屈折機能を有するプリズムシート107、(3)プリズムシート107の表面側に重畳され、光線をわずかに拡散することでプリズムシート107のプリズム部の形状等に起因する輝度ムラを抑制する上用光拡散シート108が用いられている(特開2005-77448号公報参照)。また、この上用光拡散シートとしては、一般に基材層と、この基材層の表面側に積層され、樹脂マトリックスおよび樹脂ビーズを有する光拡散層とを備えるものが用いられている。

先行技術文献

特許文献

[0004]
特許文献1 : 特開2005-77448号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0005]
 しかしながら、このような従来の上用光拡散シートは、液晶パネルの画素ピッチの極小化が促進された液晶表示装置に用いると、上用光拡散シートの表面側に配設される液晶パネルの画素ピッチとの干渉に起因するスパークル(「ぎらつき」、「ざらつき」、「ササムラ」、「光の干渉」、「ムラ」、「輝点」ともいう。)が生じることが分かった。
[0006]
 上記のような問題は、光拡散シートであればどのような位置に配置される光拡散シート(例えば、上用光拡散シートより液晶パネルの前面側に位置する前面用光拡散シート)にも生じ得るが、各光拡散シートの目的の相違により、高い光拡散性が要求される上用光拡散シートには、他の光拡散シートと同様の技術をそのまま適用することはできない。
[0007]
 すなわち、例えば、前面用光拡散シートには、予め上用光拡散シートで拡散された光が入射するため、前面用光拡散シート自体の光拡散性はそれほど問われない。したがって、前面用光拡散シートの場合、低いヘイズ値が許容される。しかしながら、上用光拡散シートでは、当該上用光拡散シートの光拡散性が液晶パネル全体における光源からの光の光拡散性を決定付ける大きな要因となるため、上用光拡散シートの光拡散性は高くしなければならず、ヘイズ値を低くすることはできない。また、前面用光拡散シートでは、ハードコート性が必要となるため、当該ハードコート性を出すために、当該前面用光拡散シートの塗工量を大きくする必要がある。したがって、このような塗工量をそのまま上用光拡散シートに適用するとスパークルが生じ易くなってしまう。
[0008]
 本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、上用光拡散シートとして要求される高い光拡散性を保持しつつ、スパークルの発生を抑制することができる上用光拡散シートおよびそれを備えたバックライトユニットの提供を目的とするものである。

課題を解決するための手段

[0009]
 本発明の一態様に係る上用光拡散シートは、液晶表示装置のバックライトユニットにおけるプリズムシートの表面側に配設される上用光拡散シートであって、基材層と、前記基材層の表面側に積層される光拡散層とを備え、前記光拡散層は、樹脂マトリックスと、前記樹脂マトリックス中に分散する樹脂ビーズとを有し、前記樹脂ビーズは、平均粒子径D50が1.9μm以上3.3μm以下の第1樹脂ビーズ群と、前記第1樹脂ビーズ群の平均粒子径D50より大きい平均粒子径D50を有する第2樹脂ビーズ群とを含み、前記樹脂ビーズ全体に占める前記第2樹脂ビーズ群の質量比率が、30%以上50%以下であり、前記光拡散層の塗工量が、1.7g/m より大きく3.0g/m より小さい。
[0010]
 上記構成によれば、光拡散層が樹脂マトリックスおよび樹脂ビーズを有するので、この光拡散層の表面には樹脂ビーズに起因する凹凸が形成される。そのため、当該上用光拡散シートは、裏面側から入射される光線をこの凹凸によって拡散することで、プリズムシートの突条プリズム部の形状等に起因する輝度ムラを抑制することができる。
[0011]
 また、樹脂ビーズの平均粒子径が比較的小さな第1樹脂ビーズ群と、樹脂ビーズの平均粒子径が第1樹脂ビーズ群より大きい第2樹脂ビーズ群とを含み、これらの質量比率が上記範囲内になるようにすることで、光拡散性を保持しつつ上用光拡散シートの傷付きを防止することができる。すなわち、第2樹脂ビーズ群の質量比率が上記範囲の上限を上回るとヘイズ値が低下し、上用光拡散シートとしての光拡散性を保持できない。一方、第2樹脂ビーズ群の質量比率が上記範囲の下限を下回ると上用光拡散シートの表面が傷付き易くなる。
[0012]
 さらに、光拡散層の塗工量を上記範囲内とすることで、高いヘイズ値を保ったまま、スパークルの発生を抑制することができる。すなわち、光拡散層の塗工量が上記範囲の上限を上回ると樹脂マトリックスに樹脂ビーズが埋もれてしまい、ヘイズ値が低下する。また、塗工量が多いことにより、光拡散層における樹脂ビーズの偏りが生じ易くなり、スパークルが発生し易くなる。一方、光拡散層の塗工量が上記範囲の下限を下回ると樹脂ビーズが剥がれ易くなったり、ヘイズ値が高くなり過ぎ、輝度が下がったりする。
[0013]
 以上のことから、第1樹脂ビーズ群および第2樹脂ビーズ群の質量比率と、光拡散層の塗工量とを上記範囲内とすることにより、上用光拡散シートとして要求される高い光拡散性を保持しつつ、スパークルの発生を抑制することができる。
[0014]
 前記光拡散層は、厚み方向において前記樹脂ビーズが存在しない領域における厚みの最小値が0より大きく1μm以下であってもよい。厚み方向において樹脂ビーズが存在しない光拡散層(樹脂マトリクス)の厚みの最小値が1μmより厚くなると、樹脂ビーズ(単体)が樹脂マトリクスに埋まる割合が多くなり、樹脂ビーズの凸形状が本来の設計通りに形成されない。すなわち、光拡散層において樹脂ビーズによって生じる凸部が低くなり、光拡散性能が低くなる。このため、上記厚みの最小値を0より大きく1μm以下とすることにより、スパークルの発生をより有効に抑制することができる。
[0015]
 前記光拡散層における前記樹脂ビーズの質量含有率は、37%以上47%以下であってもよい。樹脂ビーズの質量含有率が少なく、この範囲の下限を下回ると、ヘイズ値が低下し、スパークルが発生し易くなる。一方、樹脂ビーズの質量含有率が高く、この範囲の上限を上回ると、ヘイズ値が過度に高くなり、輝度が低下してしまう。したがって、光拡散層における樹脂ビーズの質量含有率を上記範囲にすることで、スパークルの発生を抑制しつつ高い輝度を得ることができる。
[0016]
 前記第2樹脂ビーズ群は、平均粒子径D50が5.0μm以上6.5μmであってもよい。
[0017]
 また、本発明の他の態様に係るバックライトユニットは、端面から入射する光線を表面側に導く導光シートと、前記導光シートの端面に向けて光線を照射する光源と、前記導光シートの表面側に重畳される下用光拡散シートと、前記下用光拡散シートの表面側に配設されるプリズムシートと、前記プリズムシートの表面側に重畳される上用光拡散シートとを備え、上記上用光拡散シートとして上記構成の上用光拡散シートを用いたものである。
[0018]
 当該バックライトユニットは、プリズムシートの表面側に上記構成の上用光拡散シートが重畳されているので、プリズムシートから出射される光線を当該上用光拡散シートの光拡散層表面に形成される凹凸によって拡散することで、プリズムシートのプリズム部の形状等に起因する輝度ムラを抑制することができる。また、第1樹脂ビーズ群および第2樹脂ビーズ群の質量比率と、光拡散層の塗工量とを上記範囲内とすることにより、上用光拡散シートとして要求される高い光拡散性を保持しつつ、スパークルの発生を抑制することができる。
[0019]
 なお、本発明において「表面側」とは液晶表示装置における視認者側を意味し、「裏面側」とはその逆側を意味する。

発明の効果

[0020]
 以上説明したように、本発明の上用光拡散シートおよびバックライトユニットは、上用光拡散シートとして要求される高い光拡散性を保持しつつ、スパークルの発生を抑制することができる。

図面の簡単な説明

[0021]
[図1] 図1は本発明の一実施の形態に係るバックライトユニットを示す模式的断面図である。
[図2] 図2は図1のバックライトユニットの上用光拡散シートおよびプリズムシートの配設状態を示す模式的断面図である。
[図3] 図3は本発明の一実施の形態の変形例に係る上用光拡散シートを示す模式的断面図である。
[図4] 図4は本発明の一実施の形態に係る液晶表示モジュールを示す模式的断面図である。
[図5] 図5は従来のエッジライト型バックライトユニットを示す模式的斜視図である。
[図6A] 図6Aは本発明の実施例6における光拡散シートの断面を示すレーザー顕微鏡図である。
[図6B] 図6Bは本発明の実施例7における光拡散シートの断面を示すレーザー顕微鏡図である。
[図7A] 図7Aは比較例6における光拡散シートの断面を示すレーザー顕微鏡図である。
[図7B] 図7Bは比較例7における光拡散シートの断面を示すレーザー顕微鏡図である。

発明を実施するための形態

[0022]
 以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の実施の形態を詳説する。
[0023]
 [バックライトユニット]
 図1の液晶表示装置のバックライトユニットは、プリズムシート4と、このプリズムシート4の表面側に配設される上用光拡散シート5とを備える。当該バックライトユニットは、エッジライト型バックライトユニットであり、端面から入射する光線を表面側に導く導光シート1と、導光シート1の端面に向けて光線を照射する光源2と、導光シート1の表面側に重畳される下用光拡散シート3と、下用光拡散シート3の表面側に配設されるプリズムシート4と、プリズムシート4の表面側に重畳される上用光拡散シート5とを備える。また、当該バックライトユニットは、導光シート1の裏面側に配設される反射シート6をさらに備える。下用光拡散シート3は、裏面側から入射される光線を拡散させつつ法線方向側へ集光させる(集光拡散させる)。プリズムシート4は、裏面側から入射される光線を法線方向側に屈折させる。上用光拡散シート5は、裏面側から入射される光線を拡散させてプリズムシート4のプリズム部の形状等に起因する輝度ムラを抑制すると共に、上用光拡散シート5の表面側に配設される液晶パネル(図示せず)の画素ピッチとの干渉に起因するスパークルの発生を抑制する。反射シート6は、導光シート1の裏面側から出射される光線を表面側に反射させ、再度導光シート1に入射させる。
[0024]
 <上用光拡散シート>
 上用光拡散シート5は、液晶表示装置のバックライトユニットにおけるプリズムシート4の表面側に配設されており、本実施形態では特にプリズムシート4の表面に直接(他のシート等を介さず)重畳されている。上用光拡散シート5は、基材層11と、基材層11の表面側に積層される光拡散層12とを備える。上用光拡散シート5は、基材層11および基材層11の表面に直接積層される光拡散層12の2層構造体として構成されている。
[0025]
 (基材層)
 基材層11は、光線を透過させる必要があるので透明、特に無色透明の合成樹脂を主成分として形成されている。基材層11の主成分としては、特に限定されるものではなく、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリオレフィン、セルロースアセテート、耐候性塩化ビニル等が挙げられる。中でも、透明性に優れ、強度が高いポリエチレンテレフタレートが好ましく、撓み性能が改善されたポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。なお、「主成分」とは、最も含有量の多い成分をいい、例えば含有量が50%以上の成分をいう。
[0026]
 基材層11の平均厚さの下限としては、10μmが好ましく、35μmがより好ましく、50μmがさらに好ましい。一方、基材層11の平均厚さの上限としては、500μmが好ましく、250μmがより好ましく、188μmがさらに好ましい。基材層11の平均厚さが上記下限に満たないと、光拡散層12を塗工によって形成した場合にカールを発生するおそれがある。逆に、基材層11の平均厚さが上記上限を超えると、液晶表示装置の輝度が低下するおそれがあると共に、液晶表示装置の薄型化の要請に沿えないおそれがある。なお、「平均厚さ」とは、任意の10点の厚さの平均値をいう。
[0027]
 (光拡散層)
 光拡散層12は、当該上用光拡散シート5の最表面を構成する。光拡散層12は、樹脂マトリックス13と、樹脂マトリックス13中に分散する樹脂ビーズ14とを有する。光拡散層12は、樹脂ビーズ14を略等密度で分散含有している。樹脂ビーズ14は、樹脂マトリックス13に囲まれている。光拡散層12は、表面に形成される微小な凹凸によって光線を外部拡散させる。
[0028]
 光拡散層12の平均厚さの下限としては、2μmであり、3μmがより好ましい。一方、光拡散層12の平均厚さの上限としては、9μmであり、7μmがより好ましく、5μmがさらに好ましい。光拡散層12の平均厚さが上記下限に満たないと、樹脂マトリックス13によって樹脂ビーズ14を的確に固定することができず、光拡散層12から樹脂ビーズ14が脱落するおそれがある。逆に、光拡散層12の平均厚さが上記上限を超えると、光拡散層12表面に微小かつ高密度な凹凸を形成し難くなり、その結果当該上用光拡散シート5の表面側に配設される液晶パネルの画素ピッチとの干渉に起因するスパークルの発生を十分に抑制することができないおそれがある。
[0029]
 樹脂マトリックス13は、光線を透過させる必要があるので透明、特に無色透明の合成樹脂を主成分として形成されている。上記合成樹脂としては、例えば熱硬化型樹脂や活性エネルギー線硬化型樹脂が挙げられる。中でも、上記合成樹脂としては、後述するように樹脂ビーズ14を基材層11の表面から離間した状態で保持し易い活性エネルギー線硬化型樹脂が好ましい。
[0030]
 上記熱硬化性樹脂としては、例えばエポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、アミド官能性共重合体、ウレタン樹脂等が挙げられる。
[0031]
 上記活性エネルギー線硬化型樹脂としては、紫外線を照射することによって架橋、硬化する紫外線硬化型樹脂や、電子線を照射することによって架橋、硬化する電子線硬化型樹脂等が挙げられ、重合性モノマーおよび重合性オリゴマーの中から適宜選択して用いることが可能である。中でも、上記活性エネルギー線硬化型樹脂としては、基材層11との密着性を向上すると共に、樹脂ビーズ14の光拡散層12から脱落を防止し易いアクリル系、ウレタン系またはアクリルウレタン系紫外線硬化型樹脂が好ましい。
[0032]
 上記重合性モノマーとしては、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つ(メタ)アクリレート系モノマーが好適に用いられ、中でも多官能性(メタ)アクリレートが好ましい。多官能性(メタ)アクリレートとしては、分子内にエチレン性不飽和結合を2個以上有する(メタ)アクリレートである限り特に限定されない。具体的には、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの多官能性(メタ)アクリレートは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。中でも、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートが好ましい。
[0033]
 また、上記多官能性(メタ)アクリレートに加え、粘度の低下等を目的として、単官能性(メタ)アクリレートをさらに含んでもよい。この単官能性(メタ)アクリレートとしては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの単官能性(メタ)アクリレートは1種単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
[0034]
 上記重合性オリゴマーとしては、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つオリゴマーが挙げられ、例えばエポキシ(メタ)アクリレート系オリゴマー、ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマー、ポリエステル(メタ)アクリレート系オリゴマー、ポリエーテル(メタ)アクリレート系オリゴマー等が挙げられる。
[0035]
 上記エポキシ(メタ)アクリレート系オリゴマーは、例えば比較的低分子量のビスフェノール型エポキシ樹脂やノボラック型エポキシ樹脂のオキシラン環に、(メタ)アクリル酸を反応しエステル化することにより得ることができる。また、このエポキシ(メタ)アクリレート系オリゴマーを部分的に二塩基性カルボン酸無水物によって変性したカルボキシル変性型のエポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーを用いることも可能である。上記ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーは、例えばポリエーテルポリオールやポリエステルポリオールとポリイソシアネートの反応によって得られるポリウレタンオリゴマーを、(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。上記ポリエステル(メタ)アクリレート系オリゴマーは、例えば多価カルボン酸と多価アルコールの縮合によって得られる両末端に水酸基を有するポリエステルオリゴマーの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することによって得ることができる。また、上記ポリエステル(メタ)アクリレート系オリゴマーは、多価カルボン酸にアルキレンオキシドを付与して得られるオリゴマーの末端の水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることも可能である。上記ポリエーテル(メタ)アクリレート系オリゴマーは、ポリエーテルポリオールの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することによって得ることができる。
[0036]
 また、上記活性エネルギー線硬化型樹脂としては、紫外線硬化型エポキシ樹脂も好適に用いられる。上記紫外線硬化型エポキシ樹脂としては、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂等の硬化物が挙げられる。当該上用光拡散シート5は、樹脂マトリックス13の主成分が紫外線硬化型エポキシ樹脂であることによって、硬化時の体積収縮を抑えて、基材層11の表面側に所望の凹凸形状を形成し易い。また、当該上用光拡散シート5は、樹脂マトリックス13の主成分が紫外線硬化型エポキシ樹脂であることによって、樹脂マトリックス13の柔軟性を高めて当該上用光拡散シート5の表面に配設される液晶パネル等に対する傷付き防止性を高めることができる。さらに、上記活性エネルギー線硬化型樹脂として紫外線硬化型エポキシ樹脂を用いる場合、上記(メタ)アクリレート系モノマー、(メタ)アクリレート系オリゴマー等の他の重合性モノマーおよび重合性オリゴマーを含まないことが好ましい。これにより、樹脂マトリックス13の柔軟性をさらに高めて傷付き防止性をさらに向上することができる。
[0037]
 上記活性エネルギー線硬化型樹脂として紫外線硬化型樹脂を用いる場合、光重合用開始剤を樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上5質量部以下程度添加することが望ましい。光重合用開始剤としては、特に限定されるものではなく、分子中にラジカル重合性不飽和基を有する重合性モノマーや重合性オリゴマーに対しては、例えばベンゾフェノン、ベンジル、ミヒラーズケトン、2-クロロチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、2,2-ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパノン-1、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン、ビス(シクロペンタジエニル)-ビス[2,6-ジフルオロ-3-(ピロール-1-イル)フェニル]チタン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタノン-1、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド等が挙げられる。また、分子中にカチオン重合性官能基を有する重合性オリゴマー等に対しては、芳香族スルホニウム塩、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、メタロセン化合物、ベンゾインスルホン酸エステル等が挙げられる。なお、これらの化合物は、各単体で用いてもよく、複数混合して用いてもよい。
[0038]
 なお、樹脂マトリックス13は、上記合成樹脂の他に添加材を含むことも可能である。添加剤としては、例えばシリコーン系添加剤、フッ素系添加剤、帯電防止剤等が挙げられる。また、樹脂マトリックス13の上記合成樹脂成分100質量部に対する上記添加剤の固形分換算の含有量としては、例えば0.05質量部以上5質量部以下とすることができる。
[0039]
 樹脂ビーズ14は、光線を透過拡散させる性質を有する樹脂粒子である。樹脂ビーズ14は、透明、特に無色透明の合成樹脂を主成分として形成されている。樹脂ビーズ14の主成分としては、例えばアクリル樹脂、アクリロニトリル樹脂、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリアミド、ポリアクリロニトリル等が挙げられる。中でも、透明性が高いアクリル樹脂が好ましく、ポリメチルメタクリレート(PMMA)が特に好ましい。
[0040]
 樹脂ビーズ14の形状は、特に限定されるものではなく、例えば球状、立方状、針状、棒状、紡錘形状、板状、鱗片状、繊維状などが挙げられ、中でも光拡散性に優れる球状が好ましい。
[0041]
 光拡散層12における樹脂ビーズ14は、基材層11の表面と当接していてもよいが、実質的に基材層11の表面と離間していることが好ましい。当該上用光拡散シート5は、例えば樹脂マトリックス13の主成分として活性エネルギー線硬化型樹脂を用い、この活性エネルギー線硬化型樹脂に樹脂ビーズ14が分散した塗工液を基材層11の表面に塗布し、樹脂ビーズ14が基材層11の表面と離間した状態で活性エネルギー線硬化型樹脂を硬化させることで樹脂ビーズ14を基材層11の表面から離間した状態で固定することができる。当該上用光拡散シート5は、樹脂ビーズ14が実質的に基材層11表面と離間していることにより、光拡散層12の表面に微小かつ高密度な凹凸を形成し易く、液晶パネルの画素ピッチとの干渉に起因するスパークルの発生をより的確に抑制することができる。なお、「樹脂ビーズが基材層の表面と離間している」とは、基材層の表面と当接する樹脂ビーズに当接している他の樹脂ビーズであって、基材層の表面とは直接当接してない樹脂ビーズも含む概念である。また、樹脂ビーズが基材層の表面と離間しているかどうかは、例えばレーザー顕微鏡によって上用光拡散シートの厚さ方向の断面を観察することで確認することができる。
[0042]
 樹脂ビーズ14は、平均粒子径D50が互いに異なる第1樹脂ビーズ群14aおよび第2樹脂ビーズ群14bを含んでいる。なお、平均粒子径D50は、各樹脂ビーズ群における粒子径分布のメジアン(中央)値を意味する。
[0043]
 例えば、第1樹脂ビーズ群14aの平均粒子径D50は、1.9μm以上3.3μm以下である。第1樹脂ビーズ群14aの平均粒子径D50が上記下限に満たないと、光拡散層12表面の凹凸が小さくなり過ぎて光拡散性が不十分となり、プリズムシート4のプリズム部の形状等に起因する輝度ムラおよび液晶パネルの画素ピッチとの干渉に起因するスパークルの発生を十分に抑制することができないおそれがある。逆に、第1樹脂ビーズ群14aの平均粒子径D50が上記上限を超えると、光拡散層12表面に比較的大きな凹凸が数多く形成され過ぎて、液晶パネルの画素ピッチとの干渉に起因するスパークルの発生を十分に抑制できないおそれがある。
[0044]
 第2樹脂ビーズ群14bの平均粒子径D50は、第1樹脂ビーズ群14aの平均粒子径D50より大きい値を有する。例えば、第2樹脂ビーズ群14bの平均粒子径D50は、5.0μm以上6.5μm以下である。第2樹脂ビーズ群14bの平均粒子径D50が上記下限に満たないと、第2樹脂ビーズ群14bの平均粒子径D50との差が小さくなりすぎて光拡散層12表面が傷付きやすくなり、上用光拡散シート5の組み立て歩留りが悪くなる。逆に、第2樹脂ビーズ群14bの平均粒子径D50が上記上限を越えると、第2樹脂ビーズ群14bとの平均粒子径D50との差が大きくなり、光拡散層12の製造時において、樹脂ビーズ14および樹脂マトリックス13と溶剤とを含む溶液を基材層11に塗布する際に、塗布ムラが生じ易くなる。塗布ムラは、スパークル発生の原因となる。
[0045]
 このように、平均粒子径D50が互いに異なる複数の樹脂ビーズ群を混合して用いることにより、スパークルの発生を抑制しつつ表面が傷付きにくい上用光拡散シート5とすることができる。すなわち、平均粒子径D50の小さい第2樹脂ビーズ群により、スパークルの発生が抑制される一方、平均粒子径D50の大きい第1樹脂ビーズ群により、光拡散層12の表面への傷付きが防止される。
[0046]
 樹脂ビーズ14全体に占める第2樹脂ビーズ群14bの質量比率は、30%以上50%以下であり、例えば40%が好ましい。すなわち、第1樹脂ビーズ群14aに対する第2樹脂ビーズ群14bの質量比率は、0.43以上1.0以下であり、例えば0.65が好ましい。第2樹脂ビーズ群14bの質量比率が上記範囲の上限を上回るとヘイズ値が低下し、上用光拡散シート5としての光拡散性を保持できない。一方、第2樹脂ビーズ群14bの質量比率が上記範囲の下限を下回ると上用光拡散シート5の表面が傷付き易くなり、スパークルが発生し易くなる。したがって、樹脂ビーズ14全体に占める第2樹脂ビーズ群14bの質量比率を上記範囲内になるようにすることで、光拡散性を保持しつつ上用光拡散シート5の傷付きを防止することができる。
[0047]
 光拡散層12の塗工量は、1.7g/m より大きく3.0g/m より小さく、例えば2.5g/m が好ましい。なお、光拡散層12の塗工量は、樹脂ビーズ14および樹脂マトリックス13と溶剤とを含む溶液を基材層11に塗布した後、これを乾燥させて溶剤を蒸発させた後の樹脂ビーズ14および樹脂マトリックス13を主成分とする光拡散層12の単位面積当たりの重さを意味する。光拡散層12の塗工量が上記範囲の上限を上回ると、光拡散層12の厚みが増加し、樹脂マトリックス13に樹脂ビーズ14が埋もれてしまう。この結果、隣り合う樹脂ビーズ14の間隔が広がり、ヘイズ値が低下する。また、塗工量が多いことにより、光拡散層12における樹脂ビーズ14の偏りが生じ易くなり、スパークルが発生し易くなる。一方、光拡散層12の塗工量が上記範囲の下限を下回ると、光拡散層12の厚みが薄くなり、樹脂マトリックス13によって樹脂ビーズ14を的確に固定することができない。この結果、光拡散層12から樹脂ビーズ14が剥がれ易くなる。また、樹脂ビーズ14が脱落すると樹脂ビーズ14の偏りが生じ易くなりスパークルが発生し易くなったり、隣り合う樹脂ビーズ14の間隔が狭くなってヘイズ値が高くなり過ぎ、輝度が下がったりする。したがって、光拡散層12の塗工量を上記範囲内とすることで、高い、かつ、適切なヘイズ値を保ったまま、スパークルの発生を抑制することができる。
[0048]
 以上のように、上記構成によれば、樹脂ビーズ14が、平均粒子径が比較的小さな第1樹脂ビーズ群14aと平均粒子径が第1樹脂ビーズ群14aより大きい第2樹脂ビーズ群14bとを含み、これらの質量比率が上記範囲内になるようにすることで、光拡散性を保持しつつ上用光拡散シート5の傷付きを防止することができる。さらに、光拡散層12の塗工量を上記範囲内とすることで、高い、かつ、適切なヘイズ値を保ったまま、スパークルの発生を抑制することができる。したがって、第1樹脂ビーズ群14aおよび第2樹脂ビーズ群14bの質量比率と、光拡散層12の塗工量とをそれぞれ上記範囲内とすることにより、上用光拡散シート5として要求される高い光拡散性を保持しつつ、スパークルの発生を抑制することができる。
[0049]
 光拡散層12における樹脂ビーズ14(第1樹脂ビーズ群14aおよび第2樹脂ビーズ群14bの総量)の質量含有率は、37%以上47%以下であり、例えば41%以上45%以下が好ましく、例えば42.7%がより好ましい。樹脂ビーズ14の質量含有率が少なく、上記範囲の下限を下回ると、ヘイズ値が低下し、スパークルが発生し易くなる。一方、樹脂ビーズ14の質量含有率が高く、この範囲の上限を上回ると、ヘイズ値が過度に高くなり、輝度が低下してしまう。したがって、光拡散層12における樹脂ビーズ14の質量含有率を上記範囲にすることで、スパークルの発生を抑制しつつ高い輝度を得ることができる。
[0050]
 光拡散層12は、厚み方向において樹脂ビーズ14が存在しない領域、すなわち、厚み方向において樹脂マトリクス13のみが存在する領域における厚みの最小値が1μm以下であってもよい。厚み方向において樹脂ビーズ14が存在しない光拡散層12(樹脂マトリクス13のみの層)の厚みの最小値が1μmより厚くなると、樹脂ビーズ14が樹脂マトリクス13に埋まる面積が多くなり、樹脂ビーズ14の凸形状が本来の設計通りに形成されない。すなわち、光拡散層12において樹脂ビーズ14によって生じる凸部が低くなり、光拡散性能が低くなる。このため、上記厚みの最小値を1μm以下とすることにより、スパークルの発生をより有効に抑制することができる。
[0051]
 樹脂ビーズ14の単位面積当たりの密度は、12000個/mm 以上20000個/mm 以下が好ましく、例えば、15400個/mm がさらに好ましい。樹脂ビーズ14の単位面積当たりの密度が上記下限に満たないと、プリズムシート4の突条プリズム部の形状等に起因する輝度ムラを十分に抑制できないおそれがあると共に、光拡散層12表面の凹凸の高密度化が不十分となり、液晶パネルの画素ピッチとの干渉に起因するスパークルの発生を十分に抑制できないおそれがある。逆に、樹脂ビーズ14の単位面積当たりの密度が上記上限を超えると、裏面側から入射される光線が必要以上に拡散されて液晶表示装置の輝度が低下するおそれがある。
[0052]
 樹脂ビーズ14の体積基準粒度分布における粒子径の変動係数の上限としては、42%が好ましく、41%がより好ましく、40%がさらに好ましく、39%が特に好ましい。上記変動係数が上記上限を超えると、光拡散層12表面に比較的大きな凹凸が数多く形成され過ぎて、液晶パネルの画素ピッチとの干渉に起因するスパークルの発生を十分に抑制できないおそれがある。一方、上記変動係数の下限としては、30%が好ましく、35%がより好ましい。上記変動係数が上記下限に満たないと、光拡散層12表面の凹凸が均一化され過ぎて、光線を好適に拡散できないおそれがある。
[0053]
 樹脂ビーズ14の屈折率の下限としては、1.46が好ましく、1.48がより好ましい。一方、樹脂ビーズ14の屈折率の上限としては、1.60が好ましく、1.59がより好ましい。このように、樹脂ビーズ14の屈折率を上記範囲内とすることで、樹脂マトリックス13との屈折率差を適度に調整することができ、これにより後述するプリズムシート4の突条プリズム部16の形状等に起因する輝度ムラを抑制し易い。なお、「屈折率」とは、波長589.3nmの光(ナトリウムのD線)における屈折率をいう。
[0054]
 当該上用光拡散シート5のヘイズ値の下限としては、50%が好ましく、52%がより好ましい。一方、当該上用光拡散シート5のヘイズ値の上限としては、70%が好ましく、68%がより好ましい。当該上用光拡散シート5のヘイズ値が上記下限に満たないと、プリズムシート4の突条プリズム部の形状等に起因する輝度ムラおよび液晶パネルの画素ピッチとの干渉に起因するスパークルの発生を十分に抑制できないおそれがある。逆に、当該上用光拡散シート5のヘイズ値が上記上限を超えると、液晶表示装置の輝度が不十分となるおそれがある。なお、「ヘイズ値」とは、JIS-K7361:2000に準じて測定される値をいう。
[0055]
 <プリズムシート>
 プリズムシート4は、光線を透過させる必要があるので透明、特に無色透明の合成樹脂を主成分として形成されている。プリズムシート4は、基材層15と、基材層15の表面に積層される複数の突条プリズム部16からなる突起列とを有する。突条プリズム部16は、基材層15の表面にストライプ状に積層されている。突条プリズム部16は、裏面が基材層15の表面に接する三角柱状体である。
[0056]
 プリズムシート4の厚さ(基材層15の裏面から突条プリズム部16の頂点までの高さ)の下限としては、50μmが好ましく、70μmがより好ましい。一方、プリズムシート4の厚さの上限としては、200μmが好ましく、180μmがより好ましい。また、プリズムシート4における突条プリズム部16のピッチp(図2参照)の下限としては、20μmが好ましく、30μmがより好ましい。一方、プリズムシート4における突条プリズム部16のピッチpの上限としては、100μmが好ましく、60μmがより好ましい。また、突条プリズム部16の頂角としては、85°以上95°以下が好ましい。さらに、突条プリズム部16の屈折率の下限としては、1.5が好ましく、1.55がより好ましい。一方、突条プリズム部16の屈折率の上限としては、1.7が好ましい。
[0057]
 なお当該バックライトユニットは、必ずしも1枚のプリズムシート4のみを有するものに限られず、プリズムシート4に重畳される他のプリズムシートをさらに有していてもよい。またこの場合、プリズムシート4の複数の突条プリズム部16の稜線と、他のプリズムシートの複数の突条プリズム部の稜線とは直交していることが好ましい。このように、プリズムシート4の突条プリズム部16の稜線および他のプリズムシートの突条プリズム部の稜線が直交していることによって、下用光拡散シート3から入射される光線を一方のプリズムシートによって法線方向側に屈折させ、さらに一方のプリズムシートから出射される光線を他方のプリズムシートによって上用光拡散シート5の裏面に対して略垂直に進行するように屈折することができる。なお、上記他のプリズムシートの形成材料、厚さ、突条プリズム部のピッチ、突条プリズム部の頂角および突条プリズム部の屈折率としては、プリズムシート4と同様とすることができる。
[0058]
 <導光シート>
 導光シート1は、光源2から出射される光線を内部に伝搬させつつ、表面から出射するシート状の光学部材である。導光シート1は、断面略楔形状に形成されてもよく、また略平板状に形成されてもよい。導光シート1は、透光性を有する必要があるため透明、特に無色透明の樹脂を主成分として形成される。導光シート1の主成分としては、特に限定されるものではないが、透明性、強度等に優れるポリカーボネートや、透明性、耐擦傷性等に優れるアクリル樹脂等の合成樹脂が挙げられる。中でも、導光シート1の主成分としては、ポリカーボネートが好ましい。ポリカーボネートは、透明性に優れると共に屈折率が高いため、空気層(導光シート1の表面側に配設される下用光拡散シート3との隙間に形成される層および導光シート1の裏面側に配設される反射シート6との隙間に形成される層)との界面で全反射が起こりやすく、光線を効率的に伝搬することができる。また、ポリカーボネートは、耐熱性を有するため、光源2の発熱による劣化等が生じ難い。
[0059]
 <光源>
 光源2は、照射面が導光シート1の端面に対向(または当接)するよう配設されている。光源2としては、種々のものを用いることが可能であり、例えば発光ダイオード(LED)を用いることが可能である。具体的には、この光源2として、複数の発光ダイオードが導光シート1の端面に沿って配設されたものを用いることができる。
[0060]
 <下用光拡散シート>
 下用光拡散シート3は、基材層17と、基材層17の表面側に配設される光拡散層18と、基材層17の裏面側に配設されるスティッキング防止層19とを有する。下用光拡散シート3の基材層17は、上述の上用光拡散シート5の基材層11と同様の構成とすることができる。下用光拡散シート3の光拡散層18は、光拡散材とその樹脂マトリクスとを有する。
[0061]
 <反射シート>
 反射シート6としては、ポリエステル等の基材樹脂にフィラーを分散含有させた白色シートや、ポリエステル等から形成されるフィルムの表面に、アルミニウム、銀等の金属を蒸着させることで正反射性が高められた鏡面シート等が挙げられる。
[0062]
 <利点>
 本実施の形態における上用光拡散シート5によれば、光拡散層12が樹脂マトリックス13および樹脂ビーズ14を有しているので、この光拡散層12の表面には樹脂ビーズ14に起因する凹凸が形成される。そのため、当該上用光拡散シート5は、裏面側から入射される光線をこの凹凸によって拡散することで、プリズムシート4の突条プリズム部16の形状等に起因する輝度ムラを抑制することができる。また、樹脂ビーズ14が、平均粒子径が比較的小さな第1樹脂ビーズ群14aと平均粒子径が第1樹脂ビーズ群14aより大きい第2樹脂ビーズ群14bとを含み、これらの質量比率が上記範囲内になるようにすることで、光拡散性を保持しつつ上用光拡散シート5の傷付きを防止することができる。さらに、光拡散層12の塗工量を上記範囲内とすることで、高いヘイズを保ったまま、スパークルの発生を抑制することができる。以上のことから、第1樹脂ビーズ群14aおよび第2樹脂ビーズ群14bの質量比率と、光拡散層12の塗工量とを上記範囲内とすることにより、上用光拡散シート5として要求される高い光拡散性を保持しつつ、スパークルの発生を抑制することができる。
[0063]
 また、本実施の形態におけるバックライトユニットによれば、プリズムシート4の表面側に上記上用光拡散シート5が重畳されているので、プリズムシート4から出射される光線を上用光拡散シート5の光拡散層12表面に形成される凹凸によって拡散することで、プリズムシート4の突条プリズム部16の形状等に起因する輝度ムラを抑制することができる。また、当該バックライトユニットは、当該上用光拡散シート5が、樹脂ビーズ14の平均粒子径が比較的小さな第1樹脂ビーズ群14aと樹脂ビーズの平均粒子径が第1樹脂ビーズ群14aより大きい第2樹脂ビーズ群14bとを含み、これらの質量比率が上記範囲内であるので、光拡散性を保持しつつ上用光拡散シートの傷付きを防止することができる。
[0064]
 <上用光拡散シートの製造方法>
 本実施の形態における上用光拡散シート5の製造方法は、基材層11を構成するシート体を形成する工程(基材層形成工程)と、このシート体の一方の面側に光拡散層12を積層する工程(光拡散層積層工程)とを備える。
[0065]
 (基材層形成工程)
 上記基材層形成工程としては、特に限定されないが、例えば溶融した熱可塑性樹脂をTダイから押出成形し、続いてその押出成形体を層長手方向および層幅方向に延伸してシート体を形成する方法が挙げられる。Tダイを用いた周知の押出成形法としては、例えばポリッシングロール法やチルロール法が挙げられる。また、シート体の延伸方法としては、例えば、チューブラーフィルム二軸延伸法やフラットフィルム二軸延伸法等が挙げられる。
[0066]
 (光拡散層積層工程)
 上記光拡散層積層工程は、樹脂マトリックス13および樹脂ビーズ14を含む塗工液を調製する工程(調製工程)と、上記調製工程で調製した塗工液を上記シート体の一方の面側に塗布する工程(塗布工程)と、上記塗布工程で塗布した塗工液を乾燥および硬化させる工程(硬化工程)とを備える。
[0067]
 上記調製工程では、樹脂マトリックス13と、第1樹脂ビーズ群14aおよび第2樹脂ビーズ群14bを含む樹脂ビーズ14を溶剤と混合した溶液(塗工液)が調製される。溶剤としては、例えばメチルエチルケトン、トルエン、酢酸エチル、酢酸ブチル等が用いられる。
[0068]
 また、例えば、樹脂マトリックス13の主成分として活性エネルギー線硬化型樹脂が用いられる。これにより、上記塗布工程で塗工液を塗布した後、上記硬化工程で例えば紫外線を照射することでこの活性エネルギー線硬化型樹脂を比較的素早く硬化させ易い。そのため、樹脂ビーズ14がシート体の一方の面から離間した状態でこの活性エネルギー線硬化型樹脂を硬化させることで、樹脂ビーズ14をシート体の一方の面から離間した状態で固定し易い。
[0069]
 また、上記調整工程で調整される塗工液(すなわち、乾燥前の状態)における樹脂ビーズ14および樹脂マトリックス13の質量含有率(塗工液における固形分の質量含有率)は、50%以上60%以下であり、例えば55%が好ましい。
[0070]
 塗工液の溶剤量が少なく、樹脂ビーズ14および樹脂マトリックス13の質量含有率がこの範囲の上限を上回ると、乾燥後の塗工量を前述の範囲内に抑えることができなくなり、ヘイズ値が低下し、スパークルが発生し易くなる。一方、塗工液の溶剤量が多くなり、樹脂ビーズ14および樹脂マトリックス13の質量含有率がこの範囲の下限を下回ると、塗工液の比重が下がるため、比重の高い樹脂ビーズ14が沈降し易くなる。このため、基材層11に塗工液を塗布した後、乾燥させる工程で、樹脂ビーズ14が流動し、形成される光拡散層12において樹脂ビーズ14に偏りが生じ易くなる。この結果、スパークルが発生し易くなる。したがって、塗工液における樹脂ビーズ14および樹脂マトリックス13の質量含有率を上記範囲にすることで、スパークルの発生をより有効に抑制することができる。
[0071]
 なお、本実施の形態における上用光拡散シートの製造方法は、上記光拡散層積層工程の前に、上記シート体の光拡散層を積層する側の面にコロナ放電処理、オゾン処理、低温プラズマ処理、グロー放電処理、酸化処理、プライマーコート処理、アンダーコート処理、アンカーコート処理等を施す表面処理工程をさらに備えていてもよい。
[0072]
 [上用光拡散シートの変形例]
 図3の上用光拡散シート25は、図1の上用光拡散シート5に代えて図1のバックライトユニットに用いられる。本変形例における上用光拡散シート25は、裏面側から入射される光線を若干程度拡散させてプリズムシートの突条プリズム部の形状等に起因する輝度ムラを抑制すると共に、上用光拡散シート25の表面側に配設される液晶パネル(図示せず)の画素ピッチとの干渉に起因するスパークルの発生を抑制する。上用光拡散シート25は、基材層11と、基材層11の表面側に積層される光拡散層12と、基材層11の裏面側に積層されるスティッキング防止層26とを備える。上用光拡散シート25は、基材層11、基材層11の表面に直接積層される光拡散層12および基材層11の裏面に直接積層されるスティッキング防止層26の3層構造体として構成されている。上用光拡散シート25の基材層11および光拡散層12は、図1の上用光拡散シート5と同様のため、同一符号を付して説明を省略する。
[0073]
 (スティッキング防止層)
 スティッキング防止層26は、本変形例における上用光拡散シート25の裏面を構成する。スティッキング防止層26は、光線を透過させる必要があるので透明、特に無色透明の合成樹脂を主成分として形成されている。スティッキング防止層26は裏面が平坦で厚さが略均一なフィルム状に構成されている。スティッキング防止層26は、当該上用光拡散シート25の裏面側に配設されるプリズムシートの突条プリズム部の頂部と部分的に当接するよう構成されており、これによりプリズムシートとのスティッキングを防止する。スティッキング防止層26の主成分としては、例えばポリカーボネート、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリスチレン、(メタ)アクリル酸メチル-スチレン共重合体、ポリオレフィン、シクロオレフィンポリマー、シクロオレフィンコポリマー、セルロースアセテート、耐候性塩化ビニル、活性エネルギー線硬化型樹脂等が挙げられる。中でも、当該上用光拡散シート25の裏面の強度を高め、この裏面の傷付きを防止し易いアクリル樹脂が好ましい。
[0074]
 スティッキング防止層26の平均厚さの下限としては、1μmが好ましく、2μmがより好ましい。一方、スティッキング防止層26の平均厚さの上限としては、10μmが好ましく、8μmがより好ましい。スティッキング防止層26の平均厚さが上記下限に満たないと、当該上用光拡散シート25の裏面の傷付きを的確に防止できないおそれがある。逆に、スティッキング防止層26の平均厚さが上記上限を超えると、液晶表示装置の輝度が低下するおそれがある。
[0075]
 スティッキング防止層26の裏面の算術平均粗さRaの上限としては、0.04μmが好ましく、0.035μmがより好ましく、0.03μmがさらに好ましい。スティッキング防止層26の裏面の算術平均粗さRaが上記上限を超えると、スティッキング防止層26との当接に起因してプリズムシートの突条プリズム部に傷付きが生じるおそれがある。なお、スティッキング防止層26の裏面の算術平均粗さRaの下限としては、特に限定されるものではなく、例えば0.01μmとすることができる。
[0076]
 <変形例における上用光拡散シートの製造方法>
 本変形例における上用光拡散シート25の製造方法としては、基材層11を構成するシート体を形成する工程(基材層形成工程)と、このシート体の一方の面側に光拡散層12を積層する工程(光拡散層積層工程)と、基材層11を構成するシート体の他方の面側にスティッキング防止層26を積層する工程(スティッキング防止層積層工程)とを備える。
[0077]
 (スティッキング防止層積層工程)
 上記スティッキング防止層積層工程としては、例えば共押出法によって基材層11を構成するシート体と同時にスティッキング防止層26を形成する方法や、上記シート体の他方の面側への塗工によってスティッキング防止層26を積層する方法が挙げられる。
[0078]
 なお、本変形例における上用光拡散シート25の製造方法における上記基材層形成工程は、上述のように共押出法によってスティッキング防止層積層工程と同時に行ってもよいが、上記スティッキング防止層積層工程と別途行ってもよい。上記基材層形成工程をスティッキング防止層形成工程と別々に行う場合、この基材層形成工程は、図1の上用光拡散シート5の基材層形成工程と同様の方法で行うことができる。また、当該上用光拡散シート25の製造方法における上記光拡散層積層工程は、図1の上用光拡散シート5の製造方法の光拡散層積層工程と同様の方法によって行うことができる。
[0079]
 <利点>
 本変形例における上用光拡散シート25は、基材層11の裏面側にスティッキング防止層26が積層されているので、プリズムシートの突条プリズム部の形状等に起因する輝度ムラを抑制すると共に、液晶パネルの画素ピッチとの干渉に起因するスパークルの発生を抑制することができることに加え、プリズムシートとのスティッキング防止性および当該上用光拡散シート25の裏面の傷付き防止性を高めることができる。
[0080]
 [液晶表示モジュール]
 図4の液晶表示モジュールは、端面から入射する光線を表面側に導く導光シート1と、導光シート1の端面に向けて光線を照射する光源2と、導光シート1の表面側に重畳される下用光拡散シート3と、下用光拡散シート3の表面側に配設されるプリズムシート4と、プリズムシート4の表面側に重畳される上用光拡散シート5と、導光シート1の裏面側に配設される反射シート6と、上用光拡散シート5の表面側に重畳される液晶パネル31とを備える。つまり、当該液晶表示モジュールは、図1の当該バックライトユニットにおける上用光拡散シート5の表面側に液晶パネル31が配設された構成を有する。
[0081]
 <液晶パネル>
 液晶パネル31は、上用光拡散シート5の表面に直接(他のシート等を介さず)配設されている。液晶パネル31は、略平行にかつ所定間隔を開けて配設される表面側偏光板32および裏面側偏光板33と、その間に配設される液晶セル34とを有する。表面側偏光板32および裏面側偏光板33は、例えばヨウ素系偏光子、染料系偏光子、ポリエン系偏光子等の偏光子およびその両側に配設される一対の透明保護フィルムから構成される。表面側偏光板32および裏面側偏光板33の透過軸方向は直交している。
[0082]
 液晶セル34は、透過する光量を制御する機能を有し、公知の種々のものが採用される。液晶セル34は、一般的には基板、カラーフィルタ、対向電極、液晶層、画素電極、基板等からなる積層構造体である。この画素電極には、ITO等の透明導電膜が用いられる。上記液晶セルの表示モードとしては、例えばTN(Twisted Nematic),VA(Virtical Alignment),IPS(In-Place Switching),FLC(Ferroelectric Liquid Crystal),AFLC(Anti-ferroelectric Liquid Crystal),OCB(Optically Compensatory Bend),STN(Supper Twisted Nematic),HAN(Hybrid Aligned Nematic)等を用いることができる。液晶パネル31の画素ピッチ(上記液晶セルの画素ピッチ)としては、例えば25μm以下とすることができる。
[0083]
 <利点>
 本実施の形態における液晶表示モジュールは、図1に示す上用光拡散シート5を備えるので、プリズムシート4の突条プリズム部16の形状等に起因する輝度ムラを抑制することができる。また、本実施の形態における液晶表示モジュールは、液晶パネル31の裏面側に図1に示す上用光拡散シート5が配設されているので、当該上用光拡散シート5の光拡散層12表面に形成される凹凸と液晶パネル31の画素ピッチとの干渉に起因するスパークルの発生を抑制することができる。
[0084]
 [その他の実施形態]
 なお、本発明に係る上用光拡散シートおよびバックライトユニットは、上記態様の他、種々の変更、改良を施した態様で実施することができる。例えば当該バックライトユニットは、導光シートの表面側に、当該上用光拡散シート、プリズムシートおよび下用光拡散シート以外の他の光学シートを備えていてもよい。また、当該バックライトユニットは、必ずしもエッジライト型バックライトユニットである必要はなく、例えば下用光拡散シートの裏面側に拡散板および光源が配設された直下型バックライトユニットであってもよい。
[0085]
 当該バックライトユニットにおけるプリズムシート、光拡散シート、導光シート、光源および反射シートの具体的構成は、特に限定されるものではなく、種々の構成のものを採用可能である。
[0086]
 当該上用光拡散シートは、基材層および光拡散層の2層構造体、または基材層、光拡散層およびスティッキング防止層の3層構造体であることが好ましいが、基材層および光拡散層の間、または基材層およびスティッキング防止層の間に他の層を有していてもよい。
[0087]
 当該バックライトユニットは、パーソナルコンピュータや液晶テレビ等、比較的大型の表示装置や、スマートフォン等の携帯電話端末や、タブレット端末等の携帯型情報端末に用いることができる。
実施例
[0088]
 以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。以下の実施例および比較例では、上用光拡散シートを実際に製造し、目視によりスパークルが発生しているか否かを確認した。
[0089]
 [実施例1]
 ポリエチレンテレフタレートを主成分とする平均厚さ75μmの基材層の表面に、紫外線硬化型樹脂を主成分とする樹脂マトリックス中に樹脂ビーズが分散した光拡散層を積層して実施例1の上用光拡散シートを製造した。この際、樹脂ビーズにおける第1樹脂ビーズ群と、第2樹脂ビーズ群との質量比率を60%:40%、すなわち、樹脂ビーズ全体に占める第2樹脂ビーズ群の質量比率を40%とした。なお、第1樹脂ビーズ群の平均粒子径D50は、2.6μmであり、第2樹脂ビーズ群の平均粒子径D50は、5.8μmである。光拡散層中の樹脂ビーズの体積基準粒度分布による平均粒子径D50は、株式会社堀場製作所製の「Laser Scattering Particle Size Distribution Analyzer LA-950」を用いて測定した。
[0090]
 また、この光拡散層の塗工量は2.5g/m とした。なお、塗工量の測定は以下のように行った。まず、上用光拡散シートを10cm×10cmにカットし、精密天秤で重量を測定した(A)。測定面(塗工面)をMEK等の有機溶剤を浸した布で拭きとり、塗工面の層を剥がした後に重量を測定した(B)。元のサンプル重量(A)から塗工面をふき取った後の重量(B)を引いた値を100倍して平米当たりの重量を算出した。
[0091]
 また、光拡散層における樹脂ビーズの質量含有率は55%とした。また、光拡散層を製造する際の塗工液における樹脂ビーズおよび樹脂マトリックスの質量含有率(塗工液における固形分の質量含有率)は42.7%とした。
[0092]
 また、実施例1における上用光拡散シートの製造に際し、ロールコーティング技術で膜厚制御を行うことにより、光拡散層において厚み方向に樹脂ビーズが存在しない領域(樹脂マトリクスのみの領域)における厚みの最小値が、0より大きく1μm以下となるようにした。
[0093]
 <第2樹脂ビーズ群の質量比率に関するデータ>
 [比較例1]
 樹脂ビーズにおける第1樹脂ビーズ群と、第2樹脂ビーズ群との質量比率を80%:20%、すなわち、樹脂ビーズ全体に占める第2樹脂ビーズ群の質量比率を80%とした以外は実施例1と同様にして比較例1の上用光拡散シートを製造した。
[0094]
 (比較)
 実施例1と比較例1との比較を以下の表に示す。
[0095]
[表1]


[0096]
 なお、上記表のスパークルの抑制の項目において、目視検査の結果、スパークルの抑制が顕著であったもの(スパークルが全く視認されないもの)を二重丸(◎)、十分抑制できているもの(注視するとスパークルが視認できるが、通常の目視によってはスパークルは確認できないもの)を丸(○)、スパークルの抑制が十分でないもの(通常の目視によってスパークルが視認されるもの)を三角(△)、スパークルの抑制ができていないもの(通常の目視によってスパークルが多く視認されるもの)をバツ(×)として評価した。なお、以下の表においても同様に評価した。
[0097]
 上記表に示す通り、比較例1のように、第2樹脂ビーズの質量比率が50%を上回る場合では、スパークルの抑制が十分ではない結果となった。一方、実施例1のように、第2樹脂ビーズの質量比率が30%以上50%以下の範囲内の場合では、スパークルの抑制が顕著に実現できていた。なお、第2樹脂ビーズの質量比率が30%を下回る場合は、上用光拡散シートの傷付きを防止することができないという観点から上用光拡散シートとして採用できないため、上記目視検査による評価は行っていない。
[0098]
 <塗工量に関するデータ>
 [実施例2]
 光拡散層の塗工量を2.9μmとした以外は実施例1と同様にして実施例2の上用光拡散シートを製造した。
[0099]
 [実施例3]
 光拡散層の塗工量を1.8μmとした以外は実施例1と同様にして実施例3の上用光拡散シートを製造した。
[0100]
 [比較例2]
 光拡散層の塗工量を3.0μmとした以外は実施例1と同様にして比較例2の上用光拡散シートを製造した。
[0101]
 [比較例3]
 光拡散層の塗工量を1.7μmとした以外は実施例1と同様にして比較例3の上用光拡散シートを製造した。
[0102]
 (比較)
 実施例1~3と比較例2~3との比較を以下の表に示す。
[0103]
[表2]


[0104]
 上記表に示す通り、比較例2のように、塗工量が2.9g/m を上回る場合では、スパークルが多く発見される結果となった。また、比較例3のように塗工量が1.8g/m を下回るような光拡散層を製造しようとした場合には樹脂ビーズ14が剥がれ、塗工量が1.7g/m 以下の光拡散層を製造することは困難であるという結果になった。このため、比較例3におけるスパークルの上記目視検査による評価はできなかった。一方、実施例1~3のように、塗工量が1.8~2.9g/m の範囲内の場合では、スパークルの抑制が実現できていた。
[0105]
 <光拡散層における樹脂ビーズの質量含有率に関するデータ>
 [実施例4]
 光拡散層における樹脂ビーズの質量含有率を45.0%とした以外は実施例1と同様にして実施例4の上用光拡散シートを製造した。
[0106]
 [実施例5]
 光拡散層における樹脂ビーズの質量含有率を41.0%とした以外は実施例1と同様にして実施例5の上用光拡散シートを製造した。
[0107]
 [比較例4]
 光拡散層における樹脂ビーズの質量含有率を48.0%とした以外は実施例1と同様にして比較例4の上用光拡散シートを製造した。
[0108]
 [比較例5]
 光拡散層における樹脂ビーズの質量含有率を38.0%とした以外は実施例1と同様にして比較例5の上用光拡散シートを製造した。
[0109]
 (比較)
 実施例1,4~5と比較例4~5との比較を以下の表に示す。
[0110]
[表3]


[0111]
 上記表に示す通り、比較例4のように、光拡散層における樹脂ビーズの質量含有率が45.0%を上回る場合ではヘイズ値が上昇し、輝度が低下してしまうため、所定のヘイズ値(例えば65%)を有する光拡散層を製造することは困難であるという結果になった。このため、比較例4におけるスパークルの上記目視検査による評価は行っていない。また、比較例5のように、光拡散層における樹脂ビーズの質量含有率が38.0%の場合でも実用可能な程度の品質は確保されたが、スパークルが比較的多く発見される結果となった。一方、実施例1,4~5のように、光拡散層における樹脂ビーズの質量含有率が41.0~45.0%の範囲内の場合では、スパークルの抑制が実現できていた。
[0112]
 <光拡散層の厚み方向に樹脂ビーズが存在しない領域における厚みに関するデータ>
 [実施例6]
 実施例1の上用光拡散シートの一部領域を切りだし、光拡散層12において厚み方向に樹脂ビーズ14が存在しない領域(樹脂マトリクス13のみの領域)における厚みの最小値(図6Aにおける下向き矢印部における厚み)を計測した。図6Aに示すように、上記厚みの最小値が0.3μmとなるものを、実施例6とした。厚みの測定は以下のように行った。まず、製造した上用光拡散シートを加工し易い適当な大きさに切りだし、エポキシ樹脂110にて包埋処理を行った。包埋処理後の試料をウルトラミクロトーム(Boeckeler Instruments社製 Power Tome XL)を用いて樹脂ビーズの断面が露出するように加工した。露出した断面をレーザー顕微鏡(キーエンス社製 VK-X200、レーザー波長405nm)で観察し、樹脂ビーズのない箇所における厚み(基材層11の光拡散層12との界面からの厚み)を測定した。
[0113]
 [実施例7]
 実施例6と同様に、実施例1の上用光拡散シートの他の一部領域を切りだし、図6Bに示すように、光拡散層において厚み方向に樹脂ビーズが存在しない領域における厚みの最小値(図6Bにおける下向き矢印部における厚み)が0.5μmとなるものを、実施例7とした。
[0114]
 [比較例6]
 図7Aに示すように、光拡散層において厚み方向に樹脂ビーズが存在しない領域における厚みの最小値(図7Aにおける下向き矢印部における厚み)が1.1μmとなる以外は、実施例1と同様にして比較例6の上用光拡散シートを製造した。厚みの測定は実施例6と同様に行った。
[0115]
 [比較例7]
 図7Bに示すように、光拡散層において厚み方向に樹脂ビーズが存在しない領域における厚みの最小値(図7Bにおける下向き矢印部における厚み)が1.5μmとなる以外は、実施例1と同様にして比較例7の上用光拡散シートを製造した。厚みの測定は実施例6と同様に行った。
[0116]
 (比較)
 実施例6~7と比較例6~7との比較を以下の表に示す。
[0117]
[表4]


[0118]
 上記表に示す通り、比較例8および9のように、光拡散層において厚み方向に樹脂ビーズが存在しない領域における厚みの最小値が1.0μmを超える場合では、スパークルが多く発見される結果となった。一方、実施例8および9のように、光拡散層において厚み方向に樹脂ビーズが存在しない領域における厚みの最小値が0より大きく1.0μm以下の範囲では、スパークルの抑制が実現できていた。
[0119]
 [評価結果]
 以上のように、実施例1~7の上用光拡散シートは、樹脂ビーズ全体に示す第2樹脂ビーズ群の質量比率が30%以上50%以下であること、光拡散層の塗工量が1.8g/m 以上2.9g/m 以下であること、光拡散層における樹脂ビーズの質量含有率が、41%以上45%以下であること、および、光拡散層において厚み方向に樹脂ビーズが存在しない領域における厚みの最小値が1.0μm以下であることから上用光拡散シートとして要求される高い光拡散性を保持しつつ、スパークルの発生を抑制することができることが分かった。これに対し、比較例1~7の上用光拡散シートは、要求される高い光拡散性を保持しつつ、スパークルの発生を抑制することができる上用光拡散シートとしては適切ではないことが分かった。より具体的には、比較例1,2,5,6,7の上用光拡散シートは、スパークルの抑制が十分にできないことが分かった。また、比較例3の上用光拡散シートは、製造が困難であり、比較例4の上用光拡散シートは、輝度の低下が避けられないことが分かった。

産業上の利用可能性

[0120]
 以上のように、本発明の上用光拡散シートおよびバックライトユニットは、上用光拡散シートとして要求される高い光拡散性を保持しつつ、スパークルの発生を抑制するために有用である。

符号の説明

[0121]
 1 導光シート
 2 光源
 3 下用光拡散シート
 4 プリズムシート
 5 上用光拡散シート
 6 反射シート
 11 基材層
 12 光拡散層
 13 樹脂マトリックス
 14 樹脂ビーズ
 14a 第1樹脂ビーズ群
 14b 第2樹脂ビーズ群
 15 基材層
 16 突条プリズム部
 17 基材層
 18 光拡散層
 19 スティッキング防止層
 25 上用光拡散シート
 26 スティッキング防止層
 31 液晶パネル
 32 表面側偏光板
 33 裏面側偏光板
 34 液晶セル
 101 エッジライト型バックライトユニット
 102 光源
 103 導光板
 104 光学シート
 105 反射シート
 106 下用光拡散シート
 107 プリズムシート
 108 上用光拡散シート

請求の範囲

[請求項1]
 液晶表示装置のバックライトユニットにおけるプリズムシートの表面側に配設される上用光拡散シートであって、
 基材層と、前記基材層の表面側に積層される光拡散層とを備え、
 前記光拡散層は、樹脂マトリックスと、前記樹脂マトリックス中に分散する樹脂ビーズとを有し、
 前記樹脂ビーズは、平均粒子径D50が1.9μm以上3.3μm以下の第1樹脂ビーズ群と、前記第1樹脂ビーズ群の平均粒子径D50より大きい平均粒子径D50を有する第2樹脂ビーズ群とを含み、
 前記樹脂ビーズ全体に占める前記第2樹脂ビーズ群の質量比率が、30%以上50%以下であり、
 前記光拡散層の塗工量が、1.7g/m より大きく3.0g/m より小さい、上用光拡散シート。
[請求項2]
 前記光拡散層は、厚み方向において前記樹脂ビーズが存在しない領域における厚みの最小値が0より大きく1μm以下である、請求項1に記載の上用光拡散シート。
[請求項3]
 前記光拡散層における前記樹脂ビーズの質量含有率が、37%以上47%以下である、請求項1または2に記載の上用光拡散シート。
[請求項4]
 前記第2樹脂ビーズ群は、平均粒子径D50が5.0μm以上6.5μm以下である、請求項1から3の何れかに記載の上用拡散シート。
[請求項5]
 端面から入射する光線を表面側に導く導光シートと、
 前記導光シートの端面に向けて光線を照射する光源と、
 前記導光シートの表面側に重畳される下用光拡散シートと、
 前記下用光拡散シートの表面側に配設されるプリズムシートと、
 前記プリズムシートの表面側に重畳される上用光拡散シートと、を備え、
 前記上用光拡散シートとして請求項1から4の何れかに記載の上用光拡散シートを用いた、液晶表示装置のバックライトユニット。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6A]

[ 図 6B]

[ 図 7A]

[ 図 7B]