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1. (WO2018221468) SYNTHETIC RUBBER-BASED ADHESIVE, ADHESIVE SHEET, AND POLISHING MEMBER LAMINATED BODY
Document

明 細 書

発明の名称 合成ゴム系粘着剤、粘着シート、および研磨部材積層体

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004  

先行技術文献

特許文献

0005  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0006   0007  

課題を解決するための手段

0008   0009  

発明の効果

0010  

発明を実施するための形態

0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044  

実施例

0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069  

産業上の利用可能性

0070   0071  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6  

明 細 書

発明の名称 : 合成ゴム系粘着剤、粘着シート、および研磨部材積層体

技術分野

[0001]
 本発明は、耐熱性を必要とする用途に好適に用いることができる合成ゴム系粘着剤に関する。また、前記合成ゴム系粘着剤を用いてなる粘着シートおよび研磨部材積層体に関する。

背景技術

[0002]
 ゴム系粘着剤を用いた粘着シートは、様々な被着体に対して優れた粘着力を発現できることから、自動車用途、建材用途、家電製品用途、または研磨部材固定用途など様々な産業分野で使用されている。近時においては、耐熱性が求められる用途への使用が増加している。例えば自動車用途の場合、車内用途のほか、車両エンジン部周辺のような高温になりやすい場所で使用されることがある。また、研磨部材固定用途では、研磨部材の固定に使用されるため、研磨中の摩擦熱などにより高温になることがある。
[0003]
 ゴム系粘着剤として、ジブロック量が特定範囲にあるスチレン-イソプレン-スチレン(SIS)ブロックコポリマー、特定の粘着付与樹脂およびイソシアネート系架橋剤を特定量含有する粘着剤が開示されている(特許文献1)。また、モノビニル置換芳香族化合物と共役ジエン化合物とのブロック共重合体からなるベースポリマーと、水酸基価80mgKOH/g以上の粘着付与樹脂(TH)とを含有する、粘着剤組成物が開示されている(特許文献2)。また、特定量のスチレン-イソプレンジブロック共重合体(a1)と特定量のスチレン-イソプレントリブロック共重合体(a2)とを含有するスチレン-イソプレンブロック共重合体(A)および軟化点80℃以上の粘着付与樹脂(b1)と流動点-5℃以下の粘着付与樹脂(b2)を含有する粘着付与樹脂(B)を含有する粘着剤が開示されている(特許文献3)。
[0004]
 更に、熱可塑性樹脂(A)、ラジカル発生剤(B)、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、脂肪酸アミド、脂肪酸エステルおよび脂肪酸金属塩からなる群より選択される少なくとも1種である成分(C)を含有する粘着剤組成物が開示されている(特許文献4)。

先行技術文献

特許文献

[0005]
特許文献1 : 特開2001-123140号公報
特許文献2 : 特開2013-216853号公報
特許文献3 : 特開2017-088702号公報
特許文献4 : 特開2017-071726号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0006]
 しかし、ゴム系粘着剤は、アクリル系粘着剤などに比較して凝集力が劣ることから、自動車用途や研磨用途などの高温環境下での使用の際に、ズレや剥がれなどが発生しやすいという問題がある。また、ゴム系粘着剤の多くは、アクリル系粘着剤とは異なり、架橋硬化させる工程がなく、塗工乾燥時に含有溶剤が揮発することで塗膜が形成されるので、塗膜乾燥完了時点で塗膜形成が終了する。このため、例えばセパレーターに塗工後、乾燥オーブンで含有溶剤を揮発させ、その後PET(ポリエチレンテレフタレート)基材などに転写させる場合などに、基材に対する密着性が悪くなりやすい。特に高温環境下では、粘着剤層が基材から簡単に剥がれるなどの問題が発生しやすい。このため、高温環境下で使用することが可能な耐熱性と基材密着性のあるゴム系粘着剤が求められている。
[0007]
 本発明は上記背景に鑑みてなされたものであり、優れた耐熱性と基材密着性を併せ持ち、高温環境下でもズレや剥がれなどを抑制でき、高温環境下での用途に好適な合成ゴム系粘着剤、粘着シートおよび研磨部材積層体を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0008]
 本発明者らは、前記諸問題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、以下の態様において、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
[0009]
[1]: 合成ゴム(A)、粘着付与樹脂(B)、および脂肪酸エステル(C)を含有する合成ゴム系粘着剤であって、
 合成ゴム(A)は、スチレンイソプレンブロック共重合体を含み、
 脂肪酸エステル(C)は、150℃で10分間加熱した後の重量減少率が1重量%以下であって、
 合成ゴム(A)100重量部に対し、粘着付与樹脂(B)の含有量が5~60重量部、かつ脂肪酸エステル(C)の含有量が0.1~10重量部であることを特徴とした合成ゴム系粘着剤。
[2]: 合成ゴム(A)は、スチレン含有量20~40重量%、ジブロック含有量15~70重量%であるスチレンイソプレンブロック共重合体を含む、[1]記載の合成ゴム系粘着剤。
[3]: 前記粘着付与樹脂(B)は、軟化点が95~170℃のテルペンフェノール樹脂を含む、[1]または[2]に記載の合成ゴム系粘着剤。
[4]: 基材の片面または両面に、[1]~[3]いずれか記載の合成ゴム系粘着剤から形成してなる粘着剤層を備えた、粘着シート。
[5]: 研磨部材固定用である、[4]記載の粘着シート。
[6]: [5]記載の研磨部材固定用の粘着シートを、研磨部材に貼り合わせ、一体化された、研磨部材積層体。

発明の効果

[0010]
 本発明によれば、優れた耐熱性と基材密着性を併せ持ち、高温環境下でもズレや剥がれなどを抑制でき、高温環境下での用途に好適な合成ゴム系粘着剤、粘着シートおよび研磨部材積層体を提供できるという優れた効果を有する。

発明を実施するための形態

[0011]
 本実施形態の合成ゴム系粘着剤は、スチレンイソプレンブロック共重合体を含む合成ゴム(A)、粘着付与樹脂(B)、および150℃で10分間加熱した後の重量減少率が1重量%以下の脂肪酸エステル(C)を含有する。合成ゴム(A)100重量部に対し、粘着付与樹脂(B)の含有量を5~60重量部、脂肪酸エステル(C)の含有量を0.1~10重量部とする。
[0012]
 本実施形態の合成ゴム系粘着剤は、塗工することで粘着剤層を形成し、基材を備えた粘着シートとして使用することができる。即ち、基材の片面または両面に、ゴム系粘着剤から形成されてなる粘着剤層を備えた、粘着シートとして用いることができる。この粘着シートは、特に耐熱性に優れることから、高温環境下で使用される自動車用途や、研磨用途等にも好適に用いることができる。なお、本実施形態の粘着シート、粘着テープおよび粘着フィルムは同義語である。
[0013]
 本実施形態の粘着シートを自動車用途に用いる場合には、自動車部品等の固定に用いる目的で使用される。例えば、自動車内装材を貼り合わせる目的や、シーリング材に使用する発泡体などを貼り合わせる目的等に用いることができる。
[0014]
 本実施形態の粘着シートを研磨用途に用いる場合には、研磨に用いる目的で使用される研磨パッド等の研磨部材に粘着シートを貼り合わせて一体化された研磨部材積層体を、研磨機に貼り合わせるために用いることができる。ここで研磨パッドとは、例えば、ウレタン系研磨パッド、不織布系研磨パッド、スウェード系研磨パッドなどが挙げられる。但し、研磨を目的とした研磨部材に使用されるものであればよく、これらに限定されるものではない。
[0015]
 本実施形態の合成ゴム系粘着剤は、粘着剤層の凝集力と、基材に対する密着性を向上させたことにより、高温環境下でもズレや剥がれなどが生じ難くなる。また、本実施形態の粘着シートは、耐酸性や耐アルカリ性をも持ち合わせているため、定盤側、および研磨部材側のいずれの固定にも用いることができる。基材の片面または両面に、本実施形態の研磨部材固定用粘着剤から形成されてなる粘着剤層を備えた、研磨部材用粘着シートとして好適に用いることができる。
[0016]
《合成ゴム系粘着剤》
 本実施形態の合成ゴム系粘着剤は、前述したとおり、特定の共重合体を含む合成ゴム(A)、粘着付与樹脂(B)、および150℃で10分間加熱した後の重量減少率が1重量%以下の脂肪酸エステル(C)をそれぞれ特定量含有する。以下、それぞれについて詳述する。
[0017]
<合成ゴム(A)>
 本実施形態の合成ゴム(A)は、少なくともスチレンイソプレンブロック共重合体を含む。スチレンイソプレンブロック共重合体を使用することで、様々な被着体に対する粘着性能に優れた粘着剤とすることが可能となる。
[0018]
 スチレンイソプレンブロック共重合体は、リニア構造、または放射状構造(ラジアル構造)のいずれを用いてもよい。なかでもリニア構造を有する場合、柔軟性が高い構造であるため、様々な被着体に対する密着性に優れ、粘着性能と耐熱性とに、より優れた効果がみられる。そのため、スチレンイソプレンブロック共重合体は、スチレン-イソプレン-スチレンブロックのトリブロック体(SIS)、スチレン-イソプレンのジブロック体(SI)からなるリニア構造が好ましい。
[0019]
 スチレンイソプレンブロック共重合体全量(100重量%)中の、ジブロック含有量は、15~70重量%であることが好ましく、より好ましくは15~50重量%であり、更に好ましくは、15~25重量%である。ジブロック体の含有量が15~70重量%にあることで、末端にスチレンブロック体のないジブロック体が一定量存在することとなり、被着体に対する密着性や、粘着力を向上させることができる。更に、スチレンブロック体の物理架橋により、耐熱性を付与することができる観点から、スチレンイソプレンブロック共重合体におけるスチレン含有量は20~40重量%であることが好ましく、より好ましくは22~40重量%である。20~40重量%の範囲にあることで、凝集力に優れた粘着剤とすることができる。
[0020]
 スチレンイソプレンブロック共重合体としては、例えば、Quintac3280(日本ゼオン社製、スチレン量25重量%、ジブロック量17重量%)、Quintac3270(日本ゼオン社製、スチレン量24重量%、ジブロック量67重量%)、Quintac3450(日本ゼオン社製、スチレン量19重量%、ジブロック量30重量%)、Quintac3520(日本ゼオン社製、スチレン量15重量%、ジブロック量78重量%)、Quintac3433N(日本ゼオン社製、スチレン量16重量%、ジブロック量56重量%)、Quintac3421(日本ゼオン社製、スチレン量14重量%、ジブロック量26重量%)、Quintac3620(日本ゼオン社製、スチレン量14重量%、ジブロック量12重量%)、Kraton D1119(クレイトン社製、スチレン量22重量%、ジブロック量66重量%)、Kraton D1126(クレイトン社製、スチレン量21重量%、ジブロック量30重量%)、Kraton D1193(クレイトン社製、スチレン量24重量%、ジブロック量20重量%)、Kraton D1117(クレイトン社製、スチレン量17重量%、ジブロック量33重量%)、Kraton D1163(クレイトン社製、スチレン量15重量%、ジブロック量38重量%)、Kraton D1161(クレイトン社製、スチレン量15重量%、ジブロック量19重量%)などが挙げられる。これらに限定するものではなく、このようなスチレンイソプレンブロック共重合体は、求められる性能を損なわない範囲で必要に応じて使用することができ、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
[0021]
 求められる性能を損なわない範囲であれば、上記特定のスチレンイソプレンブロック共重合体以外のその他の合成ゴムを含んでもよい。その他の合成ゴムとしては、例えば、スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)、ポリイソプレンゴム(IR)、ポリイソブチレン(PIB)、またはブチルゴム(IIR)などが挙げられる。このようなスチレンイソプレンブロック共重合体以外の合成ゴム等を含有する場合には、合成ゴム(A)100重量%中、スチレンイソプレンブロック共重合体を50~100重量%含有することが、粘着力と凝集力のバランスの点で好ましく、より好ましくは、80~100重量%である。
[0022]
 また、求められる性能を損なわない範囲であれば、合成ゴム(A)の他、天然ゴムを併用してもよい。天然ゴムとしては、特に限定されないが、素練ロールにて素練りし、ムーニー粘度をたとえば10~100程度になるよう調整して用いることができればよい。その他の合成ゴムや天然ゴムは、これらに限定されることなく、1種または2種以上を組み合わせて使用できる。
[0023]
<粘着付与樹脂(B)>
 本実施形態において、粘着付与樹脂(B)は、特に限定されない。粘着付与樹脂としては例えば、ロジンエステル、重合ロジン、水添ロジン、不均化ロジン、マレイン酸変性ロジン、フマル酸変性ロジン、ロジンフェノール樹脂などのロジン系樹脂;α-ピネン樹脂、β-ピネン樹脂、ジペンテン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、水添テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、酸変性テルペン樹脂、スチレン化テルペン樹脂などのテルペン系樹脂;アルキルフェノール樹脂、クマロン系樹脂、スチレン系樹脂、石油系樹脂またはその共重合体などが挙げられるが、これらに限定するものではない。粘着付与樹脂は1種または2種以上を組み合わせて使用できる。
[0024]
 粘着付与樹脂(B)の好適な例として、テルペンフェノール樹脂がある。テルペンフェノール樹脂は、スチレンイソプレンブロック共重合体への相溶性に優れるため、スチレンイソプレンブロック共重合体にバランス良く粘着性能を付与することができる。また、相溶性が良好であるため、使用した場合に粘着付与樹脂を起因とした、粘着剤層の凝集力低下を引き起こし難く、凝集力の低下を抑え、粘着性能を付与することが可能である。
[0025]
 テルペンフェノール樹脂としては、例えば、SylVaresTP95(アリゾナケミカル社製、軟化点95±5℃)、SylVaresTP105(アリゾナケミカル社製、軟化点105±5℃)、SylVaresTP115(アリゾナケミカル社製、軟化点115±5℃)、YSポリスターU115(ヤスハラケミカル社製、軟化点115±5℃)、YSポリスターT80(ヤスハラケミカル社製、軟化点80±5℃)、YSポリスターT100(ヤスハラケミカル社製、軟化点100±5℃)、YSポリスターT115(ヤスハラケミカル社製、軟化点115±5℃)、YSポリスターT130(ヤスハラケミカル社製、軟化点130±5℃)、YSポリスターT145(ヤスハラケミカル社製、軟化点145±5℃)などを例示することができる。テルペンフェノール樹脂は、これらに限定するものではなく、求められる性能を損なわない範囲で必要に応じて使用することができる。テルペンフェノール樹脂は1種または2種以上を組み合わせて使用できる。
[0026]
 粘着付与樹脂(B)は、軟化点が、95~170℃であることが好ましい。粘着付与樹脂の軟化点を上記範囲とすることで、粘着付与樹脂を起因とした凝集力の低下を抑制し、耐熱性が向上する。上記観点から軟化点は110~150℃がより好ましい。
[0027]
 粘着付与樹脂(B)の含有量は、合成ゴム(A)100重量部に対し、5~60重量部用いられる。上記範囲とすることで、粘着性能と凝集力のバランスが得やすく、粘着付与樹脂を起因とした凝集力の低下を抑制し、耐熱性を向上することができる。上記観点から、10~50重量部がより好ましい。特に好ましくは、凝集力の観点から10~25重量部がより好ましい。
[0028]
<脂肪酸エステル(C)>
 本実施形態において、脂肪酸エステル(C)は、150℃で10分間加熱した後の重量減少率が1重量%以下の特性を満たす公知の化合物を使用できる。本実施形態の合成ゴム系粘着剤は、耐熱性を付与するため、粘着付与樹脂の量を前述したように5~60重量部としているが、粘着付与樹脂(B)の量が少ないと、合成ゴム系粘着剤は、タックがなく粘着力や密着性が低下する傾向がある。しかし、一定量の脂肪酸エステル(C)と併用することでこの問題を解消できる。即ち、特定量の粘着付与樹脂(B)と特定量の脂肪酸エステル(C)を併用することにより、塗膜に適度な柔軟性を付与することが可能となり、耐熱性を低下させることなく密着性を付与することが可能となる。但し、揮発性の低い脂肪酸エステルでは乾燥時に脂肪酸エステルが揮発してしまい、求められる密着性改善効果が得られない。また、塗工機などを用いて乾燥させ、粘着シートとする場合、揮発した脂肪酸エステルが塗工機オーブン内に付着してしまい、塗工機を汚染するなどの問題が発生する。このため、150℃で10分間加熱した後の重量減少率が1重量%以下の脂肪酸エステルを用いることが必要となる。本実施形態の脂肪酸エステル(C)を用いることで、汚染性のみでなく、基材密着性も向上するという優れた効果を発揮できる。150℃で10分間加熱した後の重量減少率は、より好ましくは0.5重量%以下である。
[0029]
 脂肪酸エステル(C)の含有量は、合成ゴム(A)100重量部に対し、0.1~10重量部とする。上記範囲とすることで、基材密着性を向上することができる。上記観点から、0.3~8重量部がより好ましい。
[0030]
 脂肪酸エステル(C)は、塗膜に柔軟性を付与することから、塗膜表面の指触タック性が向上する。しかし粘着シートの保管中に脂肪酸エステルが揮発することで、塗膜表面の指触タック性が低下する傾向がある。そのため、指触タック性が低下し難く、基材密着性試験においても良好な基材密着性を示す、150℃で10分間加熱した後の重量減少率が1重量%以下で、極性の高いエステル結合を有するモノエステル系脂肪酸エステルまたはジエステル系脂肪酸エステルを用いることが好ましい。指触タック性の観点から、ジエステル系の脂肪酸エステルがより好ましい。
[0031]
<硬化剤>
 本実施形態において、必要に応じて、硬化剤を使用することができる。用途に応じ、高い粘着力から低い粘着力まで、求められる数値は様々であるが、粘着力をコントロールする目的で硬化剤を添加することが可能である。硬化剤としては、求め得る性能を損なわない範囲で、必要に応じて、イソシアネート化合物、アジリジン化合物、金属キレート化合物、およびエポキシ化合物等を使用できる。硬化剤は、単独で用いても2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
[0032]
 イソシアネート化合物としては、例えばトリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネートなどのポリイソシアネート化合物が挙げられる。またこれらイソシアネート化合物とトリメチロールプロパン等のポリオール化合物とのアダクト体、ビュレット体およびイソシアヌレート体も例示できる。更に、これらイソシアネート化合物と公知のポリエーテルポリオールやポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール等とのアダクト体等が挙げられる。イソシアネート化合物として好ましくは、トリレンジイソシアネートトリメチロールプロパンのアダクト体である。
[0033]
 アジリジン化合物としては、例えば、N,N’-ヘキサメチレン-1,6-ビス(1-アジリジンカルボキシアミド、トリメチロールプロパン-トリ-β-アジリジニルプロピオネート、N,N’-ジフェニルメタン4,4’-ビス(1-アジリジンカルボキシアミド)、トリメチロールプロパン-トリ-β-(2-メチルアジリジン)プロピオネート等が挙げられる。
[0034]
 金属キレート化合物としては、例えば、金属錯体化合物を使用できる。金属は、ニッケル、アルミニウム、クロム、鉄、チタン、亜鉛、コバルト、マンガン、銅、スズ、ジルコニウム等が挙げられる。金属キレート化合物は、例えば第二鉄トリスアセチルアセトネート、アルミニウムトリスアセチルアセトネート、アルミニウムモノアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)等が挙げられるが、これらの中でのアルミニウムトリスアセチルアセトネートがより好ましい。
[0035]
 エポキシ化合物としては、例えば、ビスフェノールA、エピクロルヒドリン型のエポキシ系樹脂、エチレングリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ジグリシジルアニリン、ジアミングリシジルアミン、N,N,N’,N’-テトラグリシジル-m-キシリレンジアミンおよび1,3-ビス(N,N’-ジアミングリシジルアミノメチル)シクロヘキサン等が挙げられる。
[0036]
<老化防止剤>
 本実施形態において、必要に応じて老化防止剤を使用することができる。老化防止剤は、ゴム成分の劣化等を防止する目的で使用される。このような老化防止剤としては、例えば、ノンフレックスWS(精工化学社製、老化防止剤)、ノンフレックスWS-P(精工化学社製、老化防止剤),ノンフレックスMBP(精工化学社製、老化防止剤)、ノンフレックスCBP(精工化学社製、老化防止剤)、ノンフレックスEBP(精工化学社製、老化防止剤)、ノンフレックスTNP(精工化学社製、老化防止剤)、ノンフレックスMB(精工化学社製、老化防止剤)、ノンフレックスRD(精工化学社製、老化防止剤)、ノンフレックスOS(精工化学社製、老化防止剤)、ノンフレックスDCD(精工化学社製、老化防止剤)を例示することができる。但し、老化防止剤であればよく、これらに限定するものではない。このような老化防止剤は、求められる性能を損なわない範囲で必要に応じて使用することができ、1種または2種以上を組み合わせて使用できる。
[0037]
 なお、本実施形態において、老化防止剤とは、酸化等による劣化を防止する目的や、熱による劣化等を防止する目的で使用されるものであり、酸化防止剤、酸化劣化防止剤、熱劣化防止剤は同義語である。
[0038]
<その他添加剤>
 本実施形態の合成ゴム系粘着剤には、必要に応じて公知の粘着剤に配合される充填剤、顔料、染料、希釈剤、重合禁止剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、カップリング剤等、各種添加剤を含んでもよい。また、これらの添加剤は1種または2種類以上組み合わせて用いられる。また、添加剤の添加量は、必要な物性が得られる量とすればよく、特に限定されるものではない。
[0039]
《粘着シート》
 本実施形態の粘着シートは、基材の片面または両面に、本実施形態のゴム系粘着剤から形成されてなる粘着剤層を備える。粘着剤層の厚みは、5~150μmが好ましく、10~100μmがより好ましい。粘着剤層を5~150μmの範囲にすることで、粘着性能と耐熱性に優れた粘着テープを得ることができる。
[0040]
 粘着剤の塗工は、例えばロールコーター法、コンマコーター法、リップコーター法、ダイコーター法、リバースコーター法、シルクスクリーン法、グラビアコーター法等の公知の方法が使用できる。塗工後は、熱風オーブン、赤外線ヒーター等で乾燥することができる。
[0041]
 基材として、不織布、紙、プラスチックフィルム、合成紙等を使用できる部材が使用できる。粘着シートの基材(芯材)として使用する場合は、不織布およびプラスチックフィルムが好ましい。前記プラスチックフィルムは、例えばポリエチレンおよびポロプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、ナイロン、トリアセチルセルロース、シクロオレフィン、ポリイミドおよびポリアミド等をフィルムにしたものが挙げられる。
[0042]
 基材は、前記プラスチックフィルムに、例えば、所望の塗工液を塗工した、反射防止(AR)フィルム、偏光板、位相差板などの光学部材であってもよい。また、基材は、粘着剤層との密着性を高めるため易接着処理を施してもよい。前記易接着処理は、コロナ放電を行う乾式法およびアンカーコート剤と塗工する湿式法等の公知の方法を使用できる。
[0043]
 また、基材は、帯電防止層が形成された帯電防止層付き基材であってもよい。帯電防止層は、帯電防止剤を用いる他、導電性カーボン粒子、導電性金属粒子および導電性ポリマー等の少なくともいずれかを必要に応じて加え、樹脂と配合した組成物から形成することが好ましい。また、表面に金属蒸着または金属メッキを施すことで帯電防止層付き基材としてもよい。本実施形態の基材の厚さは特に制限されないが、5~300μmが好ましい。前記基材の中で、易接着処理等の施されていないフィルムを用いることがより好ましい。ゴム系粘着剤の場合、コロナ放電を行う易接着処理が施されていると、基材から粘着剤が剥がれやすくなるため、コロナ放電を行う易接着処理の施されていない面にゴム系粘着剤を塗布することが好ましい。
[0044]
 粘着シートは、必要に応じて、使用直前まで粘着剤層を保護する剥離ライナーを粘着剤層上に設けることができる。粘着シートを作製する際の剥離ライナーは、例えば、紙、プラスチックフィルム、合成紙等の基材に、剥離剤を塗工して形成した剥離層を有する。剥離剤は、例えばシリコーン、アルキド樹脂、メラミン樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂等が挙げられる。なお、剥離ライナーの厚さは特に制限はないが10~200μm程度である。
実施例
[0045]
 以下、本発明を実施例によってより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお例中、「部」は「重量部」を、「%」は「重量%」を意味するものとする。
[0046]
 また、粘着付与樹脂の軟化点、および脂肪酸エステルの揮発性の測定方法は以下の通りである。
<粘着付与樹脂の軟化点>
 JISK5902およびJISK2207に準じて測定した。
<脂肪酸エステルの揮発性>
 脂肪酸エステルの揮発性は以下の手順で測定した。まず、缶蓋つきメンタム缶(江戸川製罐社製、丸缶被直径46mm×高さ15mm蓋付)(以下、メンタム缶)を重量(X)とし、次いで缶蓋つきメンタム缶に試料を約2g投入し、試料入りメンタム缶を重量(Y)とした。次に、試料の入った金属缶の蓋を開け、150℃で10分間加熱した後、メンタム缶を取り出し、すぐに蓋をして、常温にて放置し冷却後、加熱後の試料が入った缶蓋つきメンタム缶を重量(Z)とした。
 150℃で10分間加熱した後の重量減少率は下記数式1を使用して算出した。
(数式1) 重量減少率(%)=100-((Z-X)/(Y―X))×100
[0047]
[実施例1]
(ゴム系粘着剤1)
 攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下装置、窒素導入管を備えた4口フラスコに、窒素雰囲気下で、合成ゴムとしてクレイトン社製、D1119を100重量部、溶剤としてメチルエチルケトン、トルエンを適量仕込んだ。次いでフラスコを徐々に加熱し、内温約50℃で3時間加熱を継続した。加熱終了後、冷却し、内温約40℃以下で、粘着付与樹脂として、YSポリスターT115(ヤスハラケミカル社製)を25重量部、脂肪酸エステルとして、ユニスターMB-1381(日油社製)を2重量部、老化防止剤としてノンフレックスEBP(精工化学社製)を2重量部仕込み、メチルエチルケトン、トルエンで希釈し、粘着付与樹脂が溶解するまで攪拌を継続し、不揮発分40.0%、粘度1500mPa・sのゴム系粘着剤溶液(粘着剤1)を得た。
[0048]
[実施例2~26、比較例1~7]
(ゴム系粘着剤2~33)
 合成ゴム、粘着付与樹脂、脂肪酸エステルの種類、および配合量(不揮発分重量部)を表1~3に記載したように変更した以外は、実施例1の粘着剤1と同様にして、ゴム系粘着剤(粘着剤2~33)の溶液を得た。
[0049]
[表1]


[0050]
[表2]


[0051]
[表3]


[0052]
 表1~3中の略号は下記の通りである。また、配合量は、合成ゴムの固形分に対する不揮発分換算の添加量(重量部)である。
<合成ゴム:スチレンイソプレンブロック共重合体(重量%)>
・Kraton D1119
(クレイトン社製、スチレン量22重量%、ジブロック量66重量%、リニア構造)
・Quintac3270
(日本ゼオン社製、スチレン量24重量%、ジブロック量67重量%、リニア構造)
・Kraton D1161
(クレイトン社製、スチレン量15重量%、ジブロック量19重量%、リニア構造)
・Quintac3620
(日本ゼオン社製、スチレン量14重量%、ジブロック量12重量%、リニア構造)
[0053]
<粘着付与樹脂>
・YSポリスターT115
(ヤスハラケミカル社製、テルペンフェノール樹脂、軟化点115℃)
・YSポリスターT130
(ヤスハラケミカル社製、テルペンフェノール樹脂、軟化点130℃)
・YSポリスターT100
(ヤスハラケミカル社製、テルペンフェノール樹脂、軟化点100℃)
・YSポリスターT80
(ヤスハラケミカル社製、テルペンフェノール樹脂、軟化点80℃)
・ペンセルD125
(荒川化学社製、ロジンエステル樹脂、軟化点125℃)
[0054]
<脂肪酸エステル>
・ユニスターMB-1381(日油社製、モノエステル、重量減少率0.1%)
・ユニスターHP-281R(日油社製、ジエステル、重量減少率0.1%)
・ユニスターHR-20B(日油社製、ジエステル、重量減少率0.1%)
・ユニスターM-182A(日油社製、モノエステル、重量減少率4.5%)
・ユニスターH-208BRS(日油社製、ジエステル、重量減少率3.5%)
<添加剤>
・ノンフレックスEBP(精工化学社製、老化防止剤)
[0055]
<粘着シートの評価>
 得られたゴム系粘着剤を用いて粘着シートを形成し、下記方法で評価した。表4~8に評価結果を示す。
[0056]
(粘着シートの作製)
 第1剥離ライナー、第1粘着剤層、基材、第2粘着剤層、第2剥離ライナーがこの順に積層された粘着シートを作製した。具体的には、表4~8に記載の通り、得られたゴム系粘着剤を乾燥後の厚みが40μmになるよう25μの第1剥離ライナー上に塗工し、100℃で10分間乾燥することにより第1粘着剤層を得た。その後、第1粘着剤層とPETフィルム基材を貼り合わせた。次に、得られたゴム系粘着剤を乾燥後の厚さが30μmになるよう、第2剥離ライナー上に塗工し、100℃で10分間乾燥することにより第2粘着剤層を得た。そして、第1粘着剤層が貼り合わせされていないPETフィルム基材面に、第2粘着剤層を貼り合わせ、23℃-50%で1週間放置することにより粘着シートを得た。
[0057]
(粘着力)
 得られた粘着シートの第2剥離ライナーを剥がし、露出した第2粘着剤層と25μmのPETフィルムを貼り合せた。そして、幅25mm×長さ100mmの大きさにし、これを試料とした。次いで23℃-50%RH雰囲気下にて、第1剥離ライナーを剥がし、露出した第1粘着剤層をステンレス板(対SUS粘着力)またはポリプロピレン板(対PP粘着力)に2kgのローラーで1往復圧着した。そして、得られた試料を20分または24時間放置した。その後、それぞれの試料を、23℃-50%RHの雰囲気下でJISZ1528の測定方法に準拠して、引張試験機を使用して剥離角度180度、剥離速度0.3m/minの条件で第1粘着剤層の粘着力を測定した。同様の方法にて、第2粘着剤層の粘着力を測定した。
[0058]
(保持力)
 得られた粘着シートの第2剥離ライナーを剥がし、露出した第2粘着剤層と25μmのPETフィルムを貼り合せた。そして、幅25mm×長さ100mmの大きさにし、これを試料とした。次いで23℃-50%RH雰囲気下にて、第1剥離ライナーを長さ25mm×幅25mm剥がし、露出した第1粘着剤層をステンレス板に2kgロールで1往復圧着し、23℃-50%RHの雰囲気下で20分間放置した。その後、80℃の雰囲気下で1kgの重りを付け180度の方向に力が加わるようセットし、24時間後に粘着シートが被着体から何ミリずれているか測定した。また、粘着シートが被着体から完全にずれ落ちた場合には、落下秒数を測定した。同様の方法にて、第2粘着剤層の保持力を測定した。
[0059]
(耐酸性)
 得られた粘着シートの第2剥離ライナーを剥がし、露出した第2粘着剤層と25μmのPETフィルムを貼り合せた。そして、幅25mm×長さ100mmの大きさにし、これを試料とした。次いで23℃-50%RH雰囲気下にて、第1剥離ライナーを剥がし、露出した第1粘着剤層をステンレス板(対SUS粘着力)に2kgのローラーで1往復圧着し、23℃-50%RHの雰囲気下で24時間放置した。その後、硫酸を用いてpH1.5に調整した水溶液中に浸し、40℃の環境下で、更に24時間放置した。その後、水溶液より試料を取り出し、水洗浄後、23℃-50%RHの雰囲気下にて1時間放置した。その後、23℃-50%RHの雰囲気下でJISZ1528の測定方法に準拠して、引張り試験を用いて剥離速度300mm/minで粘着力を測定した。前述の「粘着力」の評価において測定したステンレス板との粘着力(ステンレス板と圧着した試料を24時間放置した後の、剥離角度180度の粘着力(以下、「ステンレス板に対する180度24時間後の粘着力」ともいう))の値との差が小さいほど耐酸性に優れるといえる。
粘着力差=(pH1.5水溶液浸漬後の粘着力)-(ステンレス板に対する180度24時間後の粘着力)
同様の方法にて、第2粘着剤層の耐酸性を測定した。
[0060]
(耐アルカリ性)
  得られた粘着シートの第2剥離ライナーを剥がし、露出した第2粘着剤層と25μmのPETフィルムを貼り合せた。そして、幅25mm×長さ100mmの大きさにし、これを試料とした。次いで23℃-50%RH雰囲気下にて、第1剥離ライナーを剥がし、露出した第1粘着剤層をステンレス板(対SUS粘着力)に2kgのローラーで1往復圧着し、23℃-50%RHの雰囲気下で20分間放置することにより、露出した第1粘着剤層をステンレス板へ貼着し、23℃-50%RHの雰囲気下で24時間放置した。その後、水酸化ナトリウムを用いてpH11.5に調整した水溶液中に浸し、40℃の環境下で、更に24時間放置した。その後、水溶液より試料を取り出し、水洗浄し、23℃-50%RHの雰囲気下にて1時間放置した。その後、23℃-50%RHの雰囲気下でJISZ1528の測定方法に準拠して、引っ張り試験を用いて剥離速度300mm/minで粘着力を測定した。上述した「粘着力」の評価において測定した、ステンレス板に対する180度24時間後の粘着力の値との差が小さいほど耐アルカリ性に優れるといえる。
粘着力差=(pH11.5水溶液浸漬後の粘着力)-(ステンレス板に対する180度24時間後の粘着力)
同様の方法にて、第2粘着剤層の耐アルカリ性を測定した。
[0061]
(基材密着性)
 得られた粘着シートの第2剥離ライナーを剥がし、露出した第2粘着剤層と25μmのPETフィルム基材を貼り合せた。そして、幅25mm×長さ100mmの大きさにカットした試料を2枚準備し、これらを測定試料とした。次いで23℃-50%RH雰囲気下にて、得られた2枚の試料から、第1剥離ライナーを剥がし、露出した第1粘着剤層面同士を貼り合わせ、2kgのローラーで1往復圧着し、20分放置した。そして、引張試験機を使用して剥離角度90度、剥離速度0.3m/minの条件で測定した。
E:基材から粘着剤層の剥がれが発生しなかった。(良好)
G:基材から粘着剤層がわずかに剥がれた(接合面を100としたときに剥離が30%未満)。(実用可能範囲)
NG:基材から粘着剤層がほとんど剥がれた(接合面を100としたときに30%以上)。(実用不可)
[0062]
(汚染性)
 得られた粘着剤を、試験塗工機を使用して乾燥後の厚みが50μmになるように、塗工幅200mm、温度130℃、塗工速度0.5m/分で100m塗工した。塗工終了後、乾燥オーブン内を観察するために設けられているガラス窓を観察して曇りの有無により脂肪酸エステルの揮発に基づく汚染性を評価した。
E:曇りが発生しなかった。(良好)
NG:曇りが発生した。(実用不可)
[0063]
(経時指触タック性)
 得られた粘着シートを40℃のオーブンの中で1週間放置したあと取り出し、23℃-50%RHの雰囲気下で24時間放置した(試料1)。24時間放置した試料1の第2面の剥離ライナーの一部を剥がし、露出した粘着剤層面の指触タック性を判定した。その後同じ試料を40℃のオーブンの中で3週間放置(合計1ヶ月間放置)したあと取り出し、23℃-50%RHの雰囲気下で24時間放置した(試料2)。24時間放置した試料2の第2面の剥離ライナーの一部を剥がし、露出した粘着剤層面の指触タック性を判定し、1週間後の指触タック性と比較評価を行った。
E:養生1週間後と比較して変化がない   (良好)
G:養生1週間後と比較してやや低下している   (実用可能範囲)
NG:養生1週間後と比較し大きく低下している   (実用不可)
[表4]


[0064]
[表5]


[0065]
[表6]


[0066]
[表7]


[0067]
[表8]


[0068]
 表4~表8に示すように、本実施例の両面粘着テープは、スチレンイソプレンブロック共重合体を含む合成ゴム(A)、粘着付与樹脂(B)、および150℃で10分間加熱した後の重量減少率が1重量%以下の脂肪酸エステル(C)を含有し、合成ゴム(A)100重量部に対し、粘着付与樹脂(B)の含有量を5~60重量部、脂肪酸エステル(C)の含有量を0.1~10重量部とすることにより、高温環境下でもズレや剥がれなどが生じ難く、基材に対する密着性を向上させることが可能となり、基材から粘着剤層が剥がれ難くなるために、従来よりも高温環境下で使用できることが確認できた。
[0069]
 特に、スチレンイソプレンブロック共重合体が、スチレンイソプレンブロック共重合体全量(100重量%)中の、ジブロック含有量が15~70重量%、スチレン含有量が20~40重量%である場合、粘着力と凝集力に特に優れていた。また、粘着付与樹脂(B)がテルペンフェノール樹脂、かつ軟化点が95~170℃である場合、凝集力に特に優れていた。

産業上の利用可能性

[0070]
 本発明に係る合成ゴム系粘着剤は、被着体に対する粘着用途全般に適用できる。例えば、部品の貼り合わせに好適であり、自動車、研磨部材固定、建材、家電製品などをはじめとする様々な産業分野の粘着シートとして利用できる。
[0071]
 この出願は、2017年5月29日に出願された日本出願特願2017-105737を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。

請求の範囲

[請求項1]
 合成ゴム(A)、粘着付与樹脂(B)、および脂肪酸エステル(C)を含有する合成ゴム系粘着剤であって、
 前記合成ゴム(A)は、スチレンイソプレンブロック共重合体を含み、
 前記脂肪酸エステル(C)は、150℃で10分間加熱した後の重量減少率が1重量%以下であって、
 合成ゴム(A)100重量部に対し、粘着付与樹脂(B)の含有量が5~60重量部、かつ脂肪酸エステル(C)の含有量が0.1~10重量部であることを特徴とした合成ゴム系粘着剤。
[請求項2]
 前記合成ゴム(A)は、スチレン含有量20~40重量%、ジブロック含有量15~70重量%であるスチレンイソプレンブロック共重合体を含む、請求項1記載の合成ゴム系粘着剤。
[請求項3]
 前記粘着付与樹脂(B)は、軟化点が95~170℃のテルペンフェノール樹脂を含む、請求項1または2に記載の合成ゴム系粘着剤。
[請求項4]
 基材の片面または両面に、請求項1~3いずれか1項記載の合成ゴム系粘着剤から形成してなる粘着剤層を備えた、粘着シート。
[請求項5]
 研磨部材固定用である、請求項4記載の粘着シート。
[請求項6]
 請求項5記載の研磨部材固定用の粘着シートを、研磨部材に貼り合わせ、一体化された、研磨部材積層体。