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1. (WO2018159430) HEAT-INSULATING BODY, HEAT-INSULATING BOX BODY, HEAT-INSULATING DOOR, AND REFRIGERATOR-FREEZER
Document

明 細 書

発明の名称 断熱体、断熱箱体、断熱扉及び冷凍冷蔵庫

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005  

先行技術文献

特許文献

0006  

発明の概要

0007   0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018  

図面の簡単な説明

0019  

発明を実施するための形態

0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042  

実施例

0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065  

産業上の利用可能性

0066  

符号の説明

0067  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10  

図面

1   2   3  

明 細 書

発明の名称 : 断熱体、断熱箱体、断熱扉及び冷凍冷蔵庫

技術分野

[0001]
 本開示は、内部に充填発泡された発泡ポリウレタン樹脂を有する断熱体と、断熱体を有する断熱箱体と、断熱体を有する断熱扉と、これらのうち少なくとも一つを備える冷凍冷蔵庫とに関する。

背景技術

[0002]
 近年、地球環境保護の観点から、熱エネルギを効率的に利用する技術開発に対する社会的要望が高まっている。このような背景から、冷凍冷蔵庫において、各種部品及び機器全体の省エネルギ設計に加えて、高性能断熱技術の開発に注力されている。一般的に、冷凍冷蔵庫では、断熱材料として、発泡ポリウレタン樹脂が使用されている。
[0003]
 発泡ポリウレタン樹脂は、原料であるポリオール及びポリイソシアネートに発泡剤が加えられて、発泡成形されて得られる。発泡剤として、以前は、CFC及びHCFCが用いられていたが、オゾン層破壊及び地球温暖化の問題が指摘され、近年はノンフロンであるシクロペンタンを用いた発泡ポリウレタン樹脂が主流となっている。しかし、シクロペンタンを発泡剤とした発泡ポリウレタン樹脂は、CFC及びHCFCに比べて、ガスの熱伝導率が高く、発泡ポリウレタン樹脂の断熱性能が劣るという問題がある。
[0004]
 そこで、発泡剤として、二酸化炭素を用い、発泡気泡の微細化を図ることで輻射伝熱を小さくし、熱伝導率を低くすることで、上記問題の解決を図っているものがある(例えば、特許文献1参照)。
[0005]
 しかしながら、発泡剤として二酸化炭素を用いる場合には、以下のような課題がある。二酸化炭素のガスの熱伝導率が高いため、発泡ポリウレタン樹脂の断熱性能が悪化する。また、空間に原料を注入する時に突沸し、発泡ポリウレタン樹脂に大きな気泡が生じ、断熱性能が悪化する。

先行技術文献

特許文献

[0006]
特許文献1 : 特開2009-2629号公報

発明の概要

[0007]
 本開示は、上記のような従来の課題に鑑みてなされたものであり、発泡ポリウレタン樹脂の断熱性能の優れた断熱体を提供する。また、本開示は、上記断熱体を有する断熱箱体、上記断熱体を有する断熱扉、及び、これらうち少なくとも一つを備える冷凍冷蔵庫を提供する。
[0008]
 具体的には、本開示の一例による断熱体は、発泡ポリウレタン樹脂と、発泡ポリウレタン樹脂が充填発泡される空間とを備える。発泡ポリウレタン樹脂は、少なくとも、ポリオール成分と、ポリイソシアネート成分と、大気圧下における沸点が10℃以下のハイドロフルオロオレフィンである第1の発泡剤と、シクロペンタンである第2の発泡剤との混合物が、空間に注入されて、発泡し硬化されて構成されている。
[0009]
 このような構成により、発泡ポリウレタン樹脂の気泡内のガスの熱伝導率を低くするとともに、突沸によるフォームへの大きな気泡の生成を低減することができる。また、このような構成により、発泡ポリウレタン樹脂が、大きな気泡を生じることなく発泡することができる。よって、このような構成により、発泡ポリウレタン樹脂の断熱性能、及び、発泡ポリウレタン樹脂を備えた断熱体の断熱性能を、向上させることができる。
[0010]
 また、本開示の一例による断熱体において、第1の発泡剤の熱伝導率は、好ましくは15.0mW/mK以下である。このような構成によれば、第1の発泡剤であるHFOは、二酸化炭素よりガスの熱伝導率が低いので、発泡ポリウレタン樹脂の断熱性能、及び、発泡ポリウレタン樹脂を備えた断熱体の断熱性能を高めることができる。
[0011]
 また、本開示の一例による断熱体において、第1の発泡剤は、ポリオール成分に対する溶解度が、好ましくは、ポリオール成分に対する二酸化炭素の溶解度以上である。このような構成によれば、二酸化炭素よりポリオール成分に対する溶解度が高いため、発泡ポリウレタン樹脂は、発泡時に比較的緩やかに気化し、大きな気泡を生じることなく発泡することができる。これにより、発泡ポリウレタン樹脂の断熱性能、及び、発泡ポリウレタン樹脂を備えた断熱体の断熱性能を高めることができる。
[0012]
 また、本開示の一例による断熱体において、第1の発泡剤は、好ましくは、HFO1234zeまたはHFO1233zdである。第1の発泡剤が、二酸化炭素よりガスの熱伝導率が低いHFO1234zeまたはHFO1233zdで構成されているので、発泡ポリウレタン樹脂の断熱性能、及び、発泡ポリウレタン樹脂を備えた断熱体の断熱性能を高めることができる。
[0013]
 また、本開示の一例による断熱体において、発泡ポリウレタン樹脂のコア密度は、好ましくは50kg/m 以下である。このような構成によれば、密度からみると、発泡ポリウレタン樹脂の熱伝導率を低くできるので、発泡ポリウレタン樹脂の断熱性能、及び、発泡ポリウレタン樹脂を備えた断熱体の断熱性能を高めることができる。
[0014]
 また、本開示の一例による断熱体において、第1の発泡剤は、発泡ポリウレタン樹脂に対する添加量が、好ましくは1%以上10%以下である。このような構成によれば、発泡ポリウレタン樹脂の注入時に突沸することを抑えることができ、発泡ポリウレタン樹脂に大きな気泡が生じることを低減することができる。よって、このような構成により、発泡ポリウレタン樹脂の断熱性能、及び、発泡ポリウレタン樹脂を備えた断熱体の断熱性能を高めることができる。
[0015]
 また、本開示の一例による断熱箱体は、上記の断熱体の特徴のうち少なくともいずれか一つを有する断熱体で構成され、断熱体が箱状の形状を有していてもよい。このような構成により、優れた断熱性能を有する断熱箱体が得られる。
[0016]
 また、本開示の一例による断熱扉は、上記の断熱体の特徴のうち少なくともいずれか一つを有する断熱体で構成されている。このような構成により、優れた断熱性能を有する断熱扉が得られる。
[0017]
 また、本開示の一例による冷凍冷蔵庫は、一方向に開口部が設けられた箱体と、箱体の開口部を閉じて密閉空間が形成されるように配設された扉と、箱体と扉とから形成される密閉空間を冷却する冷却装置とを備える。箱体は、上記の断熱体の特徴のうち少なくともいずれか一つを有する断熱箱体で構成されていてもよい。このような構成により、優れた断熱性能を有する冷凍冷蔵庫が得られる。
[0018]
 また、本開示の一例による冷凍冷蔵庫は、一方向に開口部が設けられた箱体と、箱体の開口部を閉じて密閉空間が形成されるように配設された扉と、箱体と扉とから形成される密閉空間を冷却する冷却装置とを備える。扉は、上記の断熱体の特徴のうち少なくともいずれか一つを有する断熱扉で構成されていてもよい。このような構成により、優れた断熱性能を有する冷凍冷蔵庫が得られる。

図面の簡単な説明

[0019]
[図1] 図1は、本開示の実施の形態1における断熱扉の断面図である。
[図2] 図2は、本開示の実施の形態1における断熱扉の製造方法を示す概略図である。
[図3] 図3は、本開示の実施の形態2における冷凍冷蔵庫の断面図である。

発明を実施するための形態

[0020]
 以下、本開示の実施の形態の例を、図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施の形態によって本開示が限定されるものではない。
[0021]
 (実施の形態1)
 図1は、本開示の実施の形態1における断熱体である断熱扉の断面図である。図2は、本開示の実施の形態1における断熱体である断熱扉の製造方法を示す概略図である。
[0022]
 図1及び図2に示すように、本開示の実施の形態1の断熱扉101は、断熱扉101を形成する外側の外面材102と、内側の内面材103とを有する。また、本開示の実施の形態1の断熱扉101は、外面材102と内面材103とにより形成される閉ざされた空間を有する。また、本開示の実施の形態1の断熱扉101は、外面材102と内面材103との間の閉ざされた空間に発泡充填されて形成された発泡ポリウレタン樹脂104を有する。
[0023]
 次に、断熱扉101の製造方法を説明する(図2参照)。まず、第1の発泡剤と第2の発泡剤とをポリオール108に混合する。第1の発泡剤は、トランス-1,1,1,3-テトラフルオロプロペン(HFO1234ze)である。HFO1234zeは、大気圧での沸点が-18.95℃であり、25℃でのガスの熱伝導率が0.0136W/mKである。第2の発泡剤は、シクロペンタンである。
[0024]
 次に、ミキシングヘッド107において、シクロペンタン105とHFO1234ze106とが混合されたポリオール108にポリイソシアネート109を混合し、外面材102の上に注入し、その後、すぐに内面材103を取り付けて、外面材102と内面材103との間の空間にシクロペンタン105及びHFO1234ze106が発泡し成形される。これにより、断熱扉101が製造される。
[0025]
 発泡成形は、内面材103及び外面材102が発泡ポリウレタン樹脂104の発泡圧で変形しないように、内面材103及び外面材102の発泡ポリウレタン樹脂104と逆側が、発泡治具により固定された状態(図示なし)で行われる。
[0026]
 なお、外面材102または内面材103のいずれか一方に、注入口を設け、注入口から、外面材102と内面材103とが予め取り付けられて形成された空間に、発泡ポリウレタン樹脂104を注入してもよい。ポリオール108には、予め、水、整泡剤及び触媒などが混合されていてもよい。
[0027]
 以上のように構成された本実施の形態の断熱扉101は、外面材102と内面材103との間に形成された空間を有する。また、本実施の形態の断熱扉101は、上記空間に充填発泡された発泡ポリウレタン樹脂104を有する。また、本実施の形態の断熱扉101において、発泡ポリウレタン樹脂104は、少なくとも、ポリオール108と、ポリイソシアネート109と、常温で液体の炭化水素である液状のシクロペンタン105と、大気圧下における沸点が10℃以下のHFOであるHFO1234ze106との混合物が、上記空間に注入されて、発泡し硬化したものである。
[0028]
 また、本実施の形態の断熱扉101は、二酸化炭素より気体状態での熱伝導率が低いHFO1234ze106が使用された発泡ポリウレタン樹脂104で構成されている。
[0029]
 このような構成により、発泡成形された発泡ポリウレタン樹脂104の熱伝導率が低くなり、断熱扉101の断熱性能を向上させることができる。
[0030]
 また、HFO1234ze106の沸点は、約-19℃であるが、二酸化炭素よりポリオール108成分に対する溶解度が高いため、発泡時に比較的緩やかに気化し、大きな気泡を生じることなく、発泡することができる。これにより、発泡ポリウレタン樹脂104の断熱性能を高めることができ、断熱扉101の断熱性能を向上させることができる。
[0031]
 なお、HFO1234ze106の代わりに、HFO1336mzzを用いてもよい。HFO1336mzzは、HFO1234ze106よりも更にガスの熱伝導率が低いため、発泡成形された発泡ポリウレタン樹脂104の熱伝導率が低くなり、断熱扉101の断熱性能を向上させることができる。
[0032]
 (実施の形態2)
 図3は、本開示の実施の形態2における冷凍冷蔵庫の概略図である。
[0033]
 なお、本開示の実施の形態2の冷凍冷蔵庫の断熱扉の製造方法は、図2に示した実施の形態1の製造方法と同様であるので、ここでは説明は省略する。
[0034]
 図3に示すように、本開示の実施の形態2の冷凍冷蔵庫201は、1方向に開口部が設けられた断熱箱体202と、断熱箱体202の開口部を閉じるように配設された断熱扉203と、断熱箱体202と断熱扉203とから形成される密閉空間(収納室204)を冷却する冷却装置205とで構成されている。
[0035]
 断熱箱体202と断熱扉203とで形成される空間は、野菜室、冷蔵室、及び冷凍室などの収納室204として使用される。断熱扉203は、断熱箱体202の開口部を閉じるように、複数枚、配設されている。また、断熱箱体202には、複数の収納室204が形成されている。
[0036]
 少なくとも冷凍冷蔵庫201の一番上の収納室204である冷蔵室の断熱扉203は、扉を形成する外側の外面材102(図1参照)と、内側の内面材103(図1参照)と、外面材102と内面材103との間の略閉ざされた空間に発泡充填形成された発泡ポリウレタン樹脂104(図1参照)とから構成されている。内面材103は、発泡ポリウレタン樹脂104と接触する面とは反対側の面の外周部に設けられた凸部を有する。
[0037]
 冷蔵室において、使用し易いように、ペットボトル、ビン及び卵等のものを乗せる棚が、断熱扉203に設置されている。内面材103には、棚を固定するために必要な凸部が設けられている。なお、棚を固定するために凸部だけでなく凹部が設けられていてもよい。断熱扉203が閉じられたとき、内面材103の外周部の凸部は、冷蔵室内に収まり、冷蔵室内の冷気が外部に漏れることを抑制する。さらに、図示していないが、冷気漏れ抑制のため、凸部外周にガスケットなどを装着するとより効果的である。
[0038]
 冷却装置205は、圧縮機205aと、凝縮器205bと、膨張手段(図示せず)と、蒸発器205cとから構成されている。凝縮器205bと蒸発器205cとの間には、キャピラリーチューブ及び膨張弁などの膨張部手段が配設されている。圧縮機205a、凝縮器205b、及び、蒸発器205cは、互いに配管接続されて冷凍サイクルを構成している。この冷凍サイクルでつくられた冷気が、収納室204へ供給されて各収納室204内部を冷却する。
[0039]
 発泡ポリウレタン樹脂104は、上記実施の形態1と同様に、シクロペンタン105及びHFO1234ze106によって発泡成形されて構成されている。なお、断熱箱体202に発泡ポリウレタン樹脂104の原料を充填する場合、一般的に、断熱箱体202の背面または底面に注入口を設け、断熱箱体202を、その開口部を下にして設置して、鉛直または水平方向に原料を注入する。
[0040]
 以上のように構成された冷凍冷蔵庫201において、断熱箱体202及び断熱扉203は、上記実施の形態1で例示した断熱体101の特徴を少なくとも一つ有する断熱体で構成されている。具体的には、本実施の形態の断熱扉203は、外面材102と内面材との間の空間に充填発泡された発泡ポリウレタン樹脂104が、少なくとも、ポリオール108と、ポリイソシアネート109と、常温で液体の炭化水素である液状のシクロペンタン105と、大気圧下における沸点が10℃以下のHFOであるHFO1234ze106との混合物が、空間に注入されて、発泡し硬化して構成された断熱体で構成されている。
[0041]
 本開示の冷凍冷蔵庫201においては、従来使われていた二酸化炭素より気体状態での熱伝導率が低いHFO1234ze106が、断熱扉203を構成する発泡ポリウレタン樹脂104に使用されている。よって、このような構成により、発泡成形された発泡ポリウレタン樹脂104の熱伝導率が低くなり、断熱扉203の断熱性能を向上させることができる。また、HFO1234ze106の沸点は-19℃であるが、HFO1234ze106は、二酸化炭素よりポリオール108成分に対する溶解度が高いため、発泡時に比較的緩やかに気化し、大きな気泡(ボイド)を生じることなく発泡することができる。これにより、発泡ポリウレタン樹脂104の断熱性能、及び、断熱扉203の断熱性能を高くすることができ、冷凍冷蔵庫201の断熱性能を向上させることができる。
[0042]
 なお、HFO1234zeの代わりに、Z-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロ-2-ブテン(HFO1336mzz)を用いてもよい。HFO1336mzzは、大気圧での沸点が7℃であり、25℃でのガスの熱伝導率が10.5W/mKである。HFO1336mzzは、HFO1234ze106よりも更にガスの熱伝導率が低いため、発泡成形された発泡ポリウレタン樹脂104の熱伝導率が低くなり、冷凍冷蔵庫201の断熱性能を向上させることができる。
実施例
[0043]
 以下に、冷凍冷蔵庫201に適用可能な発泡ポリウレタン樹脂のHFO1234zeまたはHFO1336mzzの添加量に対する熱伝導率とボイドとの関係について、実施例及び比較例を挙げて説明する。
[0044]
 評価は、冷凍冷蔵庫201から発泡ポリウレタン樹脂104を切り出し、熱伝導率及びボイドを評価することで行われる。
[0045]
 ボイドとは、発泡ポリウレタン樹脂104の気泡の平均径より大きい気泡である。ボイドの数は、発泡ポリウレタン樹脂104を発泡方向に切断し、断面を観察して、ボイドの数を数えることにより測定したものである。冷凍冷蔵庫201の場合、発泡方向とは壁厚に垂直な方向のことである。
[0046]
 実施例を(表1)に示す。
[0047]
[表1]


[0048]
 ここで記載する添加量は、発泡ポリウレタン樹脂104に対する重量%である。実施例1~実施例5は、第1の発泡剤として、HFO1234zeが用いられている。比較例1は、二酸化炭素の添加量が0.5wt%である。
[0049]
 実施例1では、HFO1234zeの添加量が0.5wt%である。比較例1に対して、実施例1では、添加量が少ないため、ボイドの数は少ないが、熱伝導率はほとんど変化しない。
[0050]
 実施例2では、HFO1234zeの添加量が1.0wt%である。この添加量では、比較例1に対して、ボイドの数は少なく、熱伝導率を約1mW/mK低くすることができる。
[0051]
 実施例3では、HFO1234zeの添加量が5.0wt%である。この添加量では、比較例1に対して、ボイドの数は少なく、熱伝導率を約1mW/mK低くすることができる。
[0052]
 実施例4では、HFO1234zeの添加量が10.0wt%である。この添加量では、ボイドの数は実施例2及び実施例3よりは少し増える。熱伝導率は、比較例1に対して、約0.7mW/mK低くすることができる。
[0053]
 実施例5では、HFO1234zeの添加量が15.0wt%である。この添加量では、ボイドの数が増えてしまう。このため、熱伝導率が、比較例1に対して、0.5mW/mK高くなってしまう。
[0054]
 総合的な評価としては、実施例2~実施例4、つまり、HFO1234zeの添加量が1wt%以上10%以下であることが好ましい。実施例2~実施例4では、発泡ポリウレタン樹脂104のコア密度は、50kg/m 以下である。コア密度とは、発泡ポリウレタン樹脂104の表面のスキン層を除いた部分の密度のことである。
[0055]
 以上の結果より、HFO1234zeの添加量が1wt%以上10%以下にすることで、注入時に突沸することを抑えることができ、発泡ポリウレタン樹脂104に大きな気泡が生じることを低減することができるので、発泡ポリウレタン樹脂104の断熱性能を高めることができる。これにより、冷凍冷蔵庫201の断熱性能を向上させることができる。
[0056]
 別の実施例を(表2)に示す。
[0057]
[表2]


[0058]
 ここで記載する添加量は、発泡ポリウレタン樹脂104に対する重量%である。実施例6~実施例10は、第1の発泡剤として、HFO1336mzzが用いられている。比較例1は、二酸化炭素の添加量が0.5wt%である。
[0059]
 実施例6では、HFO1336mzzの添加量が0.7wt%である。比較例1に対して、実施例6では、添加量が少ないため、ボイドの数は少ないが、熱伝導率は少ししか変化しない。
[0060]
 実施例7では、HFO1336mzzの添加量が1.4wt%である。この添加量では、比較例1に対して、ボイドの数は少なく、熱伝導率を約1.3mW/mK低くすることができる。
[0061]
 実施例8では、HFO1336mzzの添加量が7.0wt%である。この添加量では、比較例1に対して、ボイドの数は少なく、熱伝導率を約1.5mW/mK低くすることができる。
[0062]
 実施例9では、HFO1336mzzの添加量が14.0wt%である。この添加量では、ボイドの数は実施例7及び8よりは少し増える。熱伝導率は、比較例1に対して、約1.2mW/mK低くすることができる。
[0063]
 実施例10では、HFO1336mzzの添加量が21.0wt%である。この添加量では、ボイドの数が増えてしまう。そのため、熱伝導率が、比較例1に対して、0.2mW/mK高くなってしまう。
[0064]
 総合的な評価としては、実施例7~実施例8、つまり、HFO1336mzzの添加量が1.4wt%以上14%以下であることが好ましい。実施例7~実施例8では、発泡ポリウレタン樹脂104のコア密度は、50kg/m 以下である。コア密度とは、発泡ポリウレタン樹脂104の表面のスキン層を除いた部分の密度のことである。
[0065]
 以上の結果より、HFO1336mzzの添加量が1.4wt%以上14%以下にすることで、注入時に突沸することを抑えることができ、発泡ポリウレタン樹脂104に大きな気泡が生じることを低減することができる。よって、発泡ポリウレタン樹脂104の断熱性能を高めることができる。これにより、冷凍冷蔵庫201の断熱性能を向上させることができる。

産業上の利用可能性

[0066]
 本開示は、発泡ポリウレタン樹脂の熱伝導率を低減することができるとともに、突沸による発泡時の大きな気泡の生成を低減することができ、断熱性能が向上された断熱体、断熱箱体、断熱扉、及び冷凍冷蔵庫を提供する。よって、冷凍冷蔵庫はもちろん、高い断熱性能を要する容器及び貯蔵庫などにも適用することができる。

符号の説明

[0067]
 101 断熱扉
 102 外面材
 103 内面材
 104 発泡ポリウレタン樹脂
 105 シクロペンタン
 106 HFO1234ze
 108 ポリオール
 109 ポリイソシアネート
 201 冷凍冷蔵庫
 202 断熱箱体
 203 断熱扉
 204 収納室
 205 冷却装置
 205a 圧縮機
 205b 凝縮器
 205c 蒸発器

請求の範囲

[請求項1]
発泡ポリウレタン樹脂と、
前記発泡ポリウレタン樹脂が充填発泡される空間とを備え、
前記発泡ポリウレタン樹脂は、少なくとも、ポリオール成分と、ポリイソシアネート成分と、大気圧下における沸点が10℃以下のハイドロフルオロオレフィンである第1の発泡剤と、シクロペンタンである第2の発泡剤との混合物が、前記空間に注入されて、発泡、硬化したものであることを特徴とする断熱体。
[請求項2]
前記第1の発泡剤の熱伝導率は、15.0mW/mK以下である
請求項1に記載の断熱体。
[請求項3]
前記第1の発泡剤は、前記ポリオール成分に対する溶解度が、前記ポリオール成分に対する二酸化炭素の溶解度以上である
請求項1または請求項2に記載の断熱体。
[請求項4]
前記第1の発泡剤が、HFO1234zeまたはHFO1336mzzである
請求項1から3のいずれか一項に記載の断熱体。
[請求項5]
前記発泡ポリウレタン樹脂のコア密度が、50kg/m 以下である
請求項1から3のいずれか一項に記載の断熱体。
[請求項6]
前記第1の発泡剤は、前記発泡ポリウレタン樹脂に対する添加量が、1%以上10%以下である
請求項1から5のいずれか一項に記載の断熱体。
[請求項7]
請求項1から6のいずれか一項に記載の断熱体が箱状の形状を有する断熱箱体。
[請求項8]
請求項1から6のいずれか一項に記載の断熱体を有する断熱扉。
[請求項9]
一方向に開口部が設けられた箱体と、前記箱体の前記開口部を閉じて密閉空間が形成されるように配設された扉と、前記箱体と前記扉とから形成される前記密閉空間を冷却する冷却装置とからなる冷凍冷蔵庫において、前記箱体が請求項7に記載の断熱箱体である冷凍冷蔵庫。
[請求項10]
一方向に開口部が設けられた箱体と、前記箱体の前記開口部を閉じて密閉空間が形成されるように配設された扉と、前記箱体と前記扉とから形成される前記密閉空間を冷却する冷却装置とからなる冷凍冷蔵庫において、前記扉が請求項8に記載の断熱扉である冷凍冷蔵庫。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]