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1. WO2018155118 - GRAPHITE-CONTAINING REFRACTORY ARTICLE AND METHOD FOR MANUFACTURING GRAPHITE-CONTAINING REFRACTORY ARTICLE

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明 細 書

発明の名称 黒鉛含有耐火物および黒鉛含有耐火物の製造方法

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

先行技術文献

特許文献

0004  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0005  

課題を解決するための手段

0006  

発明の効果

0007  

図面の簡単な説明

0008  

発明を実施するための形態

0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040  

実施例

0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115  

符号の説明

0116  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16   17   18   19   20   21  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13  

明 細 書

発明の名称 : 黒鉛含有耐火物および黒鉛含有耐火物の製造方法

技術分野

[0001]
 本発明は、内部に炭素繊維束が配置された黒鉛含有耐火物および黒鉛含有耐火物の製造方法に関する。

背景技術

[0002]
 製鉄所において製銑工程や製鋼工程で使用される設備(精錬容器、搬送容器など)は、高温下で長期間の使用に耐えられるように耐火物が内張り施工されている。精錬工程において使用される転炉にはマグネシア・カーボン質耐火物が使用され、溶銑予備処理工程において使用されるトピードや高炉鍋の内張りにはアルミナ・炭化珪素・カーボン質耐火物が使用されている。これらの耐火物は、装入物による機械的衝撃、溶鋼および溶融スラグの撹拌による摩耗、溶融スラグによるスラグ浸食および操業中の急激な温度変化など非常に苛酷な条件下で使用される。このため、安定した操業を行うためにも、苛酷な条件に耐えられる耐用性の高い耐火物を使用することが好ましい。
[0003]
 耐火物の耐用性を高める技術として、特許文献1には、棒状または網状の高強度繊維束を合成樹脂などで固化して、高強度繊維束の形状を崩すことなく内部に配置された耐火物が開示されている。このように、高強度繊維束の形状を崩すことなく耐火物の内部に配置することで、耐火物の機械的強度および耐スポール性を高められることが記載されている。特許文献2には、耐熱性の接着剤によって、引張り強度の高い繊維からなる一方向の束、撚り紐または織物が、表面の一部または全体に接着された耐火物が開示されている。このように、表面の一部または全体に引張り強度の高い繊維からなる一方向の束、撚り紐または織物を耐火物に接着することで、引張り強度が改善され、亀裂発生や破壊が抑制され、これにより耐火物の寿命が向上できることが記載されている。

先行技術文献

特許文献

[0004]
特許文献1 : 特開2005-320196号公報
特許文献2 : 特開2007-106618号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0005]
 特許文献1および特許文献2に開示された耐火物に配置された炭素繊維の長さは90mm以下であり、過酷な条件に曝される転炉等に用いる耐火物としては強度が不十分である、という課題があった。本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、従来の耐火物よりも曲げ強度および耐火物を破壊するために要するエネルギー(以後、「破壊エネルギー」と記載する)が高い黒鉛含有耐火物ならびに黒鉛含有耐火物の製造方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

[0006]
 このような課題を解決する本発明の特徴は、以下の通りである。
(1)黒鉛の含有量が1質量%以上80質量%以下の範囲内である黒鉛含有耐火物であって、長さが100mm以上の炭素繊維束が内部に配置され、前記炭素繊維束は、繊維径が1μm/本以上45μm/本以下の範囲内である炭素繊維が1000本以上300000本以下の範囲内で束ねられて形成される、黒鉛含有耐火物。
(2)前記炭素繊維は、1000本以上60000本以下の範囲内で束ねられる、(1)に記載の黒鉛含有耐火物。
(3)前記黒鉛含有耐火物は、マグネシア原料を20質量%以上99質量%以下の範囲内で含む、(1)または(2)に記載の黒鉛含有耐火物。
(4)前記黒鉛含有耐火物は、アルミナ原料を10質量%以上95質量%以下の範囲内で含み、炭化珪素原料を1質量%以上含む、(1)または(2)に記載の黒鉛含有耐火物。
(5)前記黒鉛含有耐火物は、さらにシリカ原料を1質量%以上50質量%以下の範囲内で含む、(4)に記載の黒鉛含有耐火物。
(6)前記黒鉛含有耐火物は、使用済み耐火物を粉砕した耐火物屑を10質量%以上90質量%以下の範囲内で含む、(1)または(2)に記載の黒鉛含有耐火物。
(7)前記炭素繊維束は、フェノール樹脂、アルミナゾル、シリカゾル、ピッチおよびタールから選定される1種以上の接着剤を用いて接着される、(1)から(6)の何れか1つに記載の黒鉛含有耐火物。
(8)前記炭素繊維束は、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン、熱硬化性ポリイミド、アルミナゾル、シリカゾル、ジルコニアゾル、クロミアゾル、チタニアゾル、マグネシアゾル、カルシアゾル、イットリアゾル、ピッチ、タールおよびでんぷん糊から選定される1種以上の接着剤を用いて接着される、(1)から(6)の何れか1つに記載の黒鉛含有耐火物。
(9)前記黒鉛含有耐火物は、繊維径が1μm/本以上45μm/本以下であって、繊維長が1mm以下であり、繊維径に対する繊維長の比率(繊維長/繊維径)が2以上1000以下である短炭素繊維を、前記黒鉛含有耐火物に対して外掛けで0.10質量%以上10質量%以下の範囲内でさらに含む、(1)から(8)の何れか1つに記載の黒鉛含有耐火物。
(10)黒鉛を1質量%以上80質量%以下の範囲内で含有し、内部に炭素繊維束が配置された黒鉛含有耐火物の製造方法であって、炭素繊維を束ねて前記炭素繊維束にする束化工程と、耐火物原料に黒鉛を配合して黒鉛含有耐火物原料にする配合工程と、前記炭素繊維束が配置された前記黒鉛含有耐火物原料を成形して成形体にする成形工程と、前記成形体を乾燥する乾燥工程と、を有し、前記束化工程では、繊維径が1μm/本以上45μm/本以下の範囲内である前記炭素繊維を、1000本以上300000本以下の範囲内で束ねて、長さ100mm以上の炭素繊維束とする、黒鉛含有耐火物の製造方法。
(11)前記束化工程では、前記炭素繊維を1000本以上60000本以下の範囲内で束ねる、(10)に記載の黒鉛含有耐火物の製造方法。
(12)前記耐火物原料は、マグネシア原料であり、前記配合工程では、前記マグネシア原料を20質量%以上99質量%以下の範囲内で配合する、(10)または(11)に記載の黒鉛含有耐火物の製造方法。
(13)前記耐火物原料は、アルミナ原料および炭化珪素原料であり、前記配合工程では、前記アルミナ原料を10質量%以上95質量%以下の範囲内で配合し、前記炭化珪素原料を1質量%以上配合する、(10)または(11)に記載の黒鉛含有耐火物の製造方法。
(14)前記耐火物原料は、アルミナ原料、炭化珪素原料およびシリカ原料であり、前記配合工程では、アルミナ原料を10質量%以上95質量%以下の範囲内で配合し、前記炭化珪素原料を1質量%以上配合し、前記シリカ原料を1質量%以上50質量%以下の範囲内で配合する、(13)に記載の黒鉛含有耐火物の製造方法。
(15)前記耐火物原料は、使用済み耐火物を粉砕した耐火物屑であり、前記配合工程では、前記耐火物屑を10質量%以上90質量%以下の範囲内で配合する(10)また(11)に記載の黒鉛含有耐火物の製造方法。
(16)前記束化工程では、前記炭素繊維をフェノール樹脂、アルミナゾル、シリカゾル、ピッチおよびタールから選定される1種以上の接着剤を用いて接着する、(10)から(15)の何れか1つに記載の黒鉛含有耐火物の製造方法。
(17)前記束化工程では、前記炭素繊維をフェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン、熱硬化性ポリイミド、アルミナゾル、シリカゾル、ジルコニアゾル、クロミアゾル、 チタニアゾル、マグネシアゾル、カルシアゾル、イットリアゾル、ピッチ、タールおよびでんぷん糊から選定される1種以上の接着剤を用いて接着する、(10)から(15)の何れか1つに記載の黒鉛含有耐火物の製造方法。
(18)前記成形工程の前に、前記黒鉛含有耐火物原料を混練する混練工程と、前記黒鉛含有耐火物原料を成形する型枠に、混練された黒鉛含有耐火物原料と前記炭素繊維束とを充填する充填工程をさらに有する、(10)から(17)の何れか1つに記載の黒鉛含有耐火物の製造方法。
(19)前記充填工程では、前記型枠の容積に対して5容積%以上の前記黒鉛含有耐火物原料を充填した後、相互間距離が3mm以上になるように前記炭素繊維束を並べて配置することを繰り返し、前記型枠に前記黒鉛含有耐火物原料と前記炭素繊維束とを充填する、(18)に記載の黒鉛含有耐火物の製造方法。
(20)前記成形工程の前に、前記黒鉛含有耐火物原料を混練する混練工程と、前記黒鉛含有耐火物原料を成形する成形容器に、混練された黒鉛含有耐火物原料と前記炭素繊維束とを充填する充填工程をさらに有し、前記成形工程では、圧力媒体を介して前記成形容器に圧力を印加して成形体を成形する、(10)から(17)の何れか1つに記載の黒鉛含有耐火物の製造方法。
(21)前記配合工程では、繊維径が1μm以上45μm以下であり、繊維長が1mm以下であり、繊維径に対する繊維長の比率(繊維長/繊維径)が2以上1000以下の範囲内である短炭素繊維を、前記黒鉛含有耐火物原料に対して外掛けで0.10質量%以上10質量%以下の範囲内で配合する、(10)から(20)の何れか1つに記載の黒鉛含有耐火物の製造方法。

発明の効果

[0007]
 100mm以上の長さを有する炭素繊維束を内部に配置することによって、従来よりも曲げ強度および破壊エネルギーが高い黒鉛含有耐火物を製造できる。このように曲げ強度および破壊エネルギーが高められた黒鉛含有耐火物を、例えば、転炉耐火物に用いることで安定した転炉操業が実現でき、黒鉛含有耐火物の寿命を延ばすことができる。

図面の簡単な説明

[0008]
[図1] 図1は、本実施形態に係るマグネシア・カーボン質耐火物10の一例を示す斜視図と側面図である。
[図2] 図2は、炭素繊維束14の斜視図である。
[図3] 図3は、マグネシア・カーボン質耐火物10を転炉耐火物として使用した一例を示す概略斜視図である。
[図4] 図4は、短手方向と炭素繊維束14との角度θ2が45°であるマグネシア・カーボン質耐火物10を示す斜視図と側面図である。
[図5] 図5は、短手方向と炭素繊維束14との角度θ2が135°であるマグネシア・カーボン質耐火物10を示す斜視図と側面図である。
[図6] 図6は、本実施形態に係るマグネシア・カーボン質耐火物10の製造フローの一例を示す図である。
[図7] 図7は、CIP成形による成形方法を説明する図である。
[図8] 図8は、高周波誘導炉50を用いた溶損試験を説明する断面模式図である。
[図9] 図9は、3点曲げ試験方法により得られた荷重―変位曲線の一例を示す。
[図10] 図10は、実施例9-1~9-3の炭素繊維束の装入角度を示す断面模式図である。
[図11] 図11は、CIP装置で成形する状態を示す断面模式図である。
[図12] 図12は、実施例10-1~10-3の炭素繊維束の装入角度を示す断面模式図である。
[図13] 図13は、CIP装置で成形する状態を示す断面模式図である。

発明を実施するための形態

[0009]
 転炉の内張りに使用するマグネシア・カーボン質耐火物は、装入物による機械的衝撃、溶鋼および溶融スラグの撹拌による摩耗、溶融スラグによるスラグ浸食および転炉操業中の急激な温度変化など、非常に苛酷な条件下で使用される。このため、安定した操業を行うには、このような苛酷な条件に耐える耐用性の高いマグネシア・カーボン質耐火物を使用することが好ましい。同様に、トピードや高炉鍋など溶銑予備処理容器の内張りに使用するアルミナ・炭化珪素・カーボン質耐火物も非常に苛酷な条件下で使用されることから、これらの条件に耐える耐用性の高いアルミナ・炭化珪素・カーボン質耐火物を使用することが好ましい。
[0010]
 本発明者らは、繊維径が1μm/本以上45μm/本以下の炭素繊維を1000本以上300000本以下の範囲内で束ねた、長さ100mm以上の炭素繊維束を耐火物の内部に配置することで、従来よりも黒鉛含有耐火物の曲げ強度および破壊エネルギーが高くなることを見出して本発明を完成させた。以下、本発明の実施形態としてマグネシア・カーボン質耐火物の例を用いて本発明を説明する。
[0011]
 図1は、本実施形態に係るマグネシア・カーボン質耐火物10の一例を示す斜視図と側面図である。図1(a)は、マグネシア・カーボン質耐火物10の斜視図であり、図1(b)は、マグネシア・カーボン質耐火物10の側面図である。本実施形態に係るマグネシア・カーボン質耐火物10には、黒鉛にマグネシア原料を配合したマグネシア・カーボン質原料12の内部に、複数の炭素繊維束14が長手方向に沿って配置されている。これにより、マグネシア・カーボン質耐火物10の曲げ強度および破壊エネルギーは高くなる。
[0012]
 本実施形態に係るマグネシア・カーボン質耐火物10では、黒鉛を1質量%以上80質量%以下の範囲内で含み、マグネシア原料を20質量%以上99質量%以下の範囲内で含む。これにより、熱スポーリングによる耐火物の割れを抑制でき、かつ、転炉スラグに対する耐溶損性を向上できる。一方、黒鉛の含有量を1質量%未満にすると、熱スポーリングによる耐火物の割れを抑制できず、耐割れ性が大幅に低下する。マグネシア原料の含有量を20質量%未満にすると、転炉スラグに対する耐溶損性が低下し、溶損量が増大する。
[0013]
 図2は、炭素繊維束14の斜視図である。炭素繊維束14は、複数の炭素繊維が束ねられて形成される。炭素繊維束14の長さL1は、100mm以上であって、炭素繊維束14を配置したマグネシア・カーボン質耐火物10における炭素繊維束14の長手方向に沿った長さ以下にしている。炭素繊維束14は、端面の幅L2が1.0mm以上20.0mm以下、厚さL3が0.001mm以上6.0mm以下、L2の長さがL3よりも長くなるように、繊維径が1μm/本以上45μm/本以下の範囲内の炭素繊維が1000本以上300000本以下の範囲内で束ねられている。
[0014]
 このように、本実施形態において、炭素繊維束14は、繊維径が1μm/本以上45μm/本以下の範囲内である炭素繊維を1000本以上300000本以下の範囲内で束ねられて形成されている。これにより、炭素繊維束14が配置された部位に炭素繊維束14による亀裂の進展を抑制する効果が発現し、マグネシア・カーボン質耐火物10の曲げ強度および破壊エネルギーが高くなる。一方、炭素繊維の繊維径が1μm/本未満であって本数が1000本未満の炭素繊維束とすると、炭素繊維束が細すぎるので、炭素繊維束が亀裂の進展を抑制できず、曲げ強度および破壊エネルギーを高めることができない。炭素繊維の繊維径が45μm/本超えであって本数が300000本超えの炭素繊維束とすると、炭素繊維束が太すぎるので炭素繊維束と耐火物原料との絡みが悪化し、成形した際にスプリングバックが発生し、成形が困難になる。炭素繊維束14は、炭素繊維を1000本以上60000本以下の範囲内で束ねられて形成されてもよい。
[0015]
 炭素繊維束14は、上記炭素繊維の束をフェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン、熱硬化性ポリイミド、アルミナゾル、シリカゾル、ジルコニアゾル、クロミアゾル、チタニアゾル、マグネシアゾル、カルシアゾル、イットリアゾル、ピッチ、タールおよびでんぷん糊から選定される1種以上の接着剤をつけて接着することが好ましい。炭素繊維の束を接着することで、炭素繊維間の密着性および炭素繊維束と耐火物原料との密着性が向上し成形体をより緻密化できるので、マグネシア・カーボン質耐火物10の曲げ強度および破壊エネルギーが高くなる。
[0016]
 炭素繊維束14の端面の幅L2の長さは、端面の厚さL3よりも長い。このように、炭素繊維束14の端面の幅L2の長さが端面の厚さL3よりも長い扁平形状にすることで、炭素繊維束14に曲げ強度の異方性を付与できる。そして、このように曲げ強度の異方性が付与された炭素繊維束14の向きを揃えて耐火物の内部に配置することで、マグネシア・カーボン質耐火物10も、曲げ強度の異方性を有するようになる。
[0017]
 本実施形態に係るマグネシア・カーボン質耐火物10は、成形面16に垂直となる方向からプレスされ成形され、製造された耐火物である。図1に示すように、炭素繊維束14は、炭素繊維束14の端面の長手方向の向きが同一方向に揃えられ、成形面16と端面の長手方向との角度θ1が90°になるように配置されている。図1(b)において、点線18は、成形面16と炭素繊維束14の端面の長手方向との角度θ1を表すために記載した成形面16に平行な線である。
このように、端面の長手方向と成形面16との角度θ1が90°になるように、炭素繊維束14の端面の幅方向の向きを同一方向に揃えて配置することで、成形のプレス時に炭素繊維束14の周囲にマグネシア・カーボン質原料12が入りこみやすくなり、マグネシア・カーボン質耐火物10の成形性が向上する。さらに、長手方向の向きを同一方向に揃えて配置することで、マグネシア・カーボン質耐火物10も曲げ強度の異方性を有するようになり、長手方向と成形面16との角度θ1が90°になるように炭素繊維束14を配置することで、マグネシア・カーボン質耐火物10の炭素繊維束14の端面の短手方向となる方向の曲げ強度より、炭素繊維束14の端面の長手方向となる方向の曲げ強度を高めることができる。長手方向と成形面16との角度θ1は、90°とすることが好ましいが、施工上の精度で90±45°程度の誤差は許容できる。
[0018]
 図3は、マグネシア・カーボン質耐火物10を転炉耐火物として使用した一例を示す概略斜視図である。図3に示すように、転炉にマグネシア・カーボン質耐火物10が用いられた場合、マグネシア・カーボン質耐火物10は、転炉の円周方向(図3中、矢印20)に成形面16が向くように設置される。この場合において、マグネシア・カーボン質耐火物10は、転炉操業中の急激な温度変化により膨張と収縮を繰り返し、これにより円周方向、すなわち、成形面16に垂直となる方向に応力が生じる。
[0019]
 上述したように、本実施形態に係るマグネシア・カーボン質耐火物10は、曲げ強度の異方性を有し、成形面16に平行となる方向の曲げ強度に対して成形面16に垂直となる方向の曲げ強度が高い。このため、マグネシア・カーボン質耐火物10の成形面16を、転炉において応力が発生する円周方向に向けて配置することで、転炉で発生する応力に対して高い曲げ強度を発現できるマグネシア・カーボン質耐火物10になる。このように、曲げ強度の異方性を有する本実施形態に係るマグネシア・カーボン質耐火物10を、曲げ強度の高い方向を転炉において応力が発生する方向に向けて配置することで、マグネシア・カーボン質耐火物10の耐用性を向上できる。
[0020]
 本実施形態に係るマグネシア・カーボン質耐火物10は、図1に示すように、マグネシア・カーボン質耐火物10の成形面16に垂直となる方向と炭素繊維束14の長さL1に沿った方向との角度θ2が90°になるように配置されている。このように、炭素繊維束14を配置することで、成形面16に垂直となる方向と炭素繊維束14の長さL1に沿った方向とが平行になるように配置された場合よりも、成形面16に垂直となる方向の力に対するマグネシア・カーボン質耐火物10の曲げ強度および破壊エネルギーが高くなる。
[0021]
 図4は、マグネシア・カーボン質耐火物10の成形面16に垂直となる方向と炭素繊維束14の長さL1に沿った方向との角度θ2が45°であるマグネシア・カーボン質耐火物10を示す斜視図と側面図である。図5は、マグネシア・カーボン質耐火物10の成形面16に垂直となる方向と炭素繊維束14の長さL1に沿った方向との角度θ2が135°であるマグネシア・カーボン質耐火物10を示す斜視図と側面図である。図4および図5に示したように、マグネシア・カーボン質耐火物10の成形面16に垂直となる方向と炭素繊維束14の長さL1に沿った方向との角度θ2を45°以上135°以下の範囲内となるように、炭素繊維束14を配置することが好ましい。これにより、マグネシア・カーボン質耐火物10の成形面16に垂直となる方向と、炭素繊維束14の長さL1に沿った方向が平行になるように炭素繊維束14を配置した場合よりもマグネシア・カーボン質耐火物10の曲げ強度および破壊エネルギーを高めることができる。図4、図5では各炭素繊維束14を平行とし、面AEHDに対して平行に配置した例を示しているが、角度θ1とθ2がそれぞれ45°以上135°以下の範囲内であれば、それぞれの炭素繊維束14が平行でなくてもマグネシア・カーボン質耐火物10曲げ強度および破壊エネルギーが高くなる。
[0022]
 本実施形態に係るマグネシア・カーボン質耐火物10は、さらに繊維径が1μm/本以上45μm/本以下であり、繊維長が1mm以下、繊維径に対する繊維長の比率(繊維長/繊維径)が2以上1000以下の範囲内である短炭素繊維を、マグネシア・カーボン質原料12に対して外掛けで0.10質量%以上10質量%以下の範囲内で含んでもよい。短炭素繊維を含むことで、当該短炭素繊維がマグネシア・カーボン質耐火物10の亀裂の進展を抑制し、これにより、マグネシア・カーボン質耐火物10の曲げ強度および破壊エネルギーが高くなる。
[0023]
 図6は、本実施形態に係るマグネシア・カーボン質耐火物10の製造フローの一例を示す図である。図6を用いてマグネシア・カーボン質耐火物10の製造方法を説明する。マグネシア・カーボン質耐火物10は、炭素繊維の束化工程と、マグネシア・カーボン質原料12の配合工程と、マグネシア・カーボン質原料12の混練工程と、充填工程と、成形工程と、乾燥工程と、によって製造される。
[0024]
 炭素繊維の束化工程(S101)では、まず、例えば、炭素繊維の繊維径が1μm/本以上45μm以下である市販の布状の炭素繊維を解して、長さが100mm以上の糸状の炭素繊維を取り出す。市販の炭素繊維としては、フィラメント状、トウ状、クロス状等種々の形状の炭素繊維があるが、いずれも適宜使用できる。次に、取り出した糸状の炭素繊維を1000本以上300000本以下の範囲内で束ねて、長さが100mm以上の炭素繊維束とする。次に、炭素繊維束をフェノール樹脂等の接着剤に1~2分程度浸漬させる。炭素繊維束をフェノール樹脂等の接着剤から取出し、24時間以上自然乾燥させる。
[0025]
 マグネシア・カーボン質原料12の配合工程(S102)では、黒鉛の含有量がマグネシア・カーボン質原料12に対して1質量%以上80質量%以下、マグネシア原料の含有量がマグネシア・カーボン質原料12に対して20質量%以上99質量%以下になるように配合してマグネシア・カーボン質原料12とする。さらに、配合工程では、硬化剤およびバインダーが外掛けで所定量添加される。
[0026]
 配合工程では黒鉛に加え、繊維径が1μm以上45μm以下であって、繊維長が1mm以下であって、繊維径に対する繊維長の比率(繊維長/繊維径)が2以上1000以下の範囲内である短炭素繊維をさらにマグネシア・カーボン質原料12に配合してもよい。
[0027]
 マグネシア・カーボン質原料12の混練工程(S103)では、マグネシア・カーボン質原料12を、混練装置を用いて混練する。充填工程(S104)では、耐火物の型枠の容積に対して5容積%以上の混練されたマグネシア・カーボン質原料12を充填し、その後、炭素繊維束14の相互間距離が3mm以上になるように、炭素繊維束14を並べて配置する。次に、型枠の容積に対して5容積%以上の混練されたマグネシア・カーボン質原料12を充填し、その後、炭素繊維束14の相互間距離が3mm以上になるように、炭素繊維束14を並べて配置する。このマグネシア・カーボン質原料12の充填と、炭素繊維束14の配置とを繰り返し実施し、型枠にマグネシア・カーボン質原料12と、炭素繊維束14とを充填する。
[0028]
 このように、炭素繊維束14の相互間距離が3mm以上になるように、炭素繊維束14を並べて配置するとともに、マグネシア・カーボン質原料12の充填と炭素繊維束の配置とを交互に繰り返し、横方向および高さ方法に炭素繊維を分散させて配置することで、マグネシア・カーボン質原料12と炭素繊維束との接触面積を増やすことができ、これにより、マグネシア・カーボン質耐火物の曲げ強度および破壊エネルギーが高くなる。一方、炭素繊維束を横方向および高さ方向に分散させずに配置した場合には、マグネシア・カーボン質原料12と炭素繊維束との接触面積を増やすことができず、マグネシア・カーボン質耐火物10の曲げ強度および破壊エネルギーを高めることができない。炭素繊維束14の相互間距離は、100mm以下になるように配置することが好ましい。炭素繊維束14の相互間距離を100mm超えとすると、炭素繊維束14が少なくなり曲げ強度および破壊エネルギーを高める効果が小さくなる。
[0029]
 混練工程でマグネシア・カーボン質原料12の混練を実施した後に、充填工程で混練されたマグネシア・カーボン質原料12に炭素繊維束14を配置することが好ましい。炭素繊維束14を配置した後に混練工程を実施する、混練機に設けられた撹拌羽根によって炭素繊維束14が切断され、マグネシア・カーボン質耐火物の曲げ強度および破壊エネルギーを高める効果が小さくなるので好ましくない。
[0030]
 成形工程(S105)では、成形面16に垂直となる方向からプレスし、耐火物の型枠内に充填したマグネシア・カーボン質原料12に型枠の内部形状を転写させ、成形体を成形する。型枠としては、金属、木材、合成樹脂、ゴム等の材質の型枠が使用できる。成形体は、乾燥工程(S106)において230℃で18時間乾燥されて、炭素繊維束14が内部に配置されたマグネシア・カーボン質耐火物10が製造される。
[0031]
 本実施形態においては、耐火物原料としてマグネシア原料を用いた例を示したが、これに限らず、マグネシア原料に代えて、アルミナ原料および炭化珪素原料を用いてもよく、アルミナ原料、炭化珪素原料およびシリカ原料を用いてもよい。アルミナ原料および炭化珪素原料を用いた場合においては、アルミナ原料を、黒鉛含有耐火物原料に対して10質量%以上95質量%以下の範囲内で配合し、炭化珪素原料を、黒鉛含有耐火物原料に対して1質量%以上配合すればよい。アルミナ原料、炭化珪素原料およびシリカ原料を用いた場合においては、アルミナ原料を、黒鉛含有耐火物原料に対して10質量%以上95質量%以下の範囲内で配合し、炭化珪素原料を、黒鉛含有耐火物原料に対して1質量%以上配合し、シリカ原料を黒鉛含有耐火物原料に対して1質量%以上50質量%以下の範囲内で配合すればよい。
[0032]
 アルミナ原料の配合量を10質量%以上95質量%以下にすることで、溶銑予備処理スラグに対する耐溶損性を向上できるとともに、熱スポーリングによる割れも抑制できる。一方、アルミナ原料の配合量を10質量%未満にすると、溶銑予備処理スラグに対する耐溶損性が低下するので好ましくない。アルミナ原料の配合量を95質量%超えとすると、熱スポーリングによる亀裂の発生を抑制できず、耐割れ性が低下するので好ましくない。
[0033]
 炭化珪素原料の配合量を1質量%以上にすることで、大気雰囲気下における黒鉛の酸化を抑制できるので、黒鉛含有耐火物の高い耐割れ性を維持できる。一方、炭化珪素原料の配合量を1質量%未満にすると、大気雰囲気下における黒鉛の酸化を抑止できず、黒鉛含有耐火物の耐割れ性が低下するので好ましくない。
[0034]
 シリカ原料の配合量を1質量%以上50質量%以下にすることで、高い耐割れ性と高い耐溶損性が両立された黒鉛含有耐火物にできる。一方、シリカ原料の配合量を1質量%未満にすると、膨張量が少なく微細亀裂が生成しないので、熱衝撃破壊抵抗を大きくできず、耐割れ性が低下するので好ましくない。シリカ原料の配合量を50質量%超えにすると、耐溶損性が大幅に低下するので好ましくない。
[0035]
 このように黒鉛に上記のようにアルミナ原料および炭化珪素原料、または、アルミナ原料、炭化珪素原料およびシリカ原料を配合することで、黒鉛含有耐火物の溶銑予備処理スラグに対する耐溶損性を向上でき、かつ、黒鉛含有耐火物の曲げ強度および破壊エネルギーを高めることができる。このため、当該耐火物は、トピードや高炉鍋等の溶銑予備処理容器の内張り耐火物として好適に用いることができる。
[0036]
 本実施形態においては、耐火物原料としてマグネシア原料を用いた例を示したが、これに限らず、マグネシア原料に代えて、アルミナ原料およびジルコニア原料を用いてもよい。アルミナ原料、ジルコニア原料および黒鉛を含むプレート耐火物に対しても本実施形態に係る炭素繊維束を配置することで、当該プレート耐火物の曲げ強度および破壊エネルギーを高めることができる。
[0037]
 本実施形態においては、耐火物原料としてマグネシア原料を用いた例を示したが、これに限らず、マグネシア原料に代えて、使用済みのアルミナ・炭化珪素・カーボン質耐火物を粉砕して得られた耐火物屑を用いてもよい。耐火物屑を用いた場合においては、耐火物屑を、黒鉛含有耐火物原料に対して10質量%以上90質量%以下の範囲内で配合すればよい。これにより、使用されていないバージン原料のみを用いた場合の黒鉛含有耐火物と同程度の耐割れ性および耐溶損性を実現できる。
[0038]
 耐火物屑を用いた耐火物屑原料は、バージン原料と比較して純度が低いが、耐火物屑にバージン原料を10質量%以上配合することで、耐火物原料が有するAl 成分が有する耐溶損性の大幅な低下を抑制できる。一方、耐火物屑原料の配合量を90質量%超えにすると、バージン原料の配合量が少なくなり過ぎ、耐火物屑原料中が有するAl 成分が有する耐溶損性の大幅な低下が抑制できない。耐火物屑原料の配合量を10質量%未満にすると、耐火物屑の再利用率が低すぎるので、産業廃棄物としての耐火物屑の処理費用が大幅に上昇する。
[0039]
 本実施形態においては、型枠に黒鉛含有耐火物原料と炭素繊維束14を充填して、成形体を成形する例を示したが、これに限らない。例えば、図7に示すような成形容器を用いたCIP成形によって成形体を成形してもよい。図7は、CIP成形による成形方法を説明する図であり、図7(a)は、成形容器36にマグネシア・カーボン質原料12と炭素繊維束14を充填した状態を示しており、図7(b)は、成形容器36を圧力媒体40が満たされたCIP装置38に装入された状態を示している。
[0040]
 まず、成形容器36にマグネシア・カーボン質原料12と、炭素繊維束14を充填する方法について説明する。芯金32と、上支持盤34と、下支持盤35とを有する支持部材30において、芯金32と平行になるように、上支持盤34および下支持盤35に複数の炭素繊維束14を張り渡して配置する。炭素繊維束14が張り渡された支持部材30をゴム製の成形容器36内に配置する。支持部材30と成形容器36で形成される空間領域にマグネシア・カーボン質原料12を充填して、成形容器36の開口を閉じて密閉する。密封された成形容器36を、例えば、水や油等の圧力媒体40で満たされたCIP装置38に装入し、圧力媒体40に49MPa以上490MPa以下の圧力を印加する。これにより、圧力媒体40を介して成形容器36に均等な圧力を印加でき、成形体を成形できる。CIP成形は、大きな羽口耐火物の成形に用いることが好ましく、芯金32の長さ、芯金32の径、上支持盤34、下支持盤35の大きさ、成形容器36の大きさは、所望する羽口耐火物の羽口径等の大きさに合わせて適宜定めてよい。CIP成形を行う場合は、成形容器36の材質はゴムを使用することが好ましい。
実施例
[0041]
 次に、実施例について説明する。転炉に使用するマグネシア・カーボン質原料を骨材とした黒鉛含有耐火物を以下に示す方法で評価した。まず、マグネシア原料および黒鉛の含有量を検討するため、表1の通り、マグネシア原料の含有量と、黒鉛の含有量を変え、図6のフローに従って、黒鉛含有耐火物を製作した後、耐溶損性および耐割れ性を評価した。
[0042]
[表1]


[0043]
 耐溶損性については、図8に示す高周波誘導炉を用いた内張り分け法を用いて測定した。
図8は、高周波誘導炉50を用いた溶損試験を説明する断面模式図である。図8に示すように、誘導コイル52を備えた高周波誘導炉50の底板54上に黒鉛含有耐火物60を筒状に設置し、試験温度1500℃、温度保持時間を4時間として、溶銑56または表2に示す組成の合成スラグ58を1時間ごとに投入し、冷却後に溶損量を測定した。表1の耐溶損性は、実施配合例1-3の溶損量を100とした溶損指数で評価した。すなわち、溶損指数が100未満の場合には、実施配合例1-3よりも溶損量が少ないことを意味し、溶損指数が100超えの場合には、実施配合1-3よりも溶損量が多いことを意味する。
[0044]
[表2]


[0045]
 耐割れ性については、40×40×200mmの試料の長手方向の動弾性率E をJIS(日本工業規格) R 1605に規定された超音波パルス法に従って測定した。1500℃で10分間加熱し、5分間水冷し、10分間大気冷却することを1サイクルとしたスポーリング試験を繰り返し3回実施し、その後、再び動弾性率E を測定し、試験前後での動弾性率の変化率E /E を算出し、この値で耐割れ性を評価した。この動弾性率の変化率であるE /E が小さいことは、耐割れ性が低いことを意味する。
[0046]
 表1に示すように、黒鉛の含有量を1質量%以上80質量%以下、マグネシア原料の含有量を20質量%以上99質量にした実施配合例1-2~1-8は、耐溶損性、耐割れ性が一定であったが、黒鉛の含有量を0.5質量%とした実施配合例1-1は、耐割れ性が大幅に低下し、マグネシア原料の含有量を10.0質量%にした実施配合例1-9は、耐溶損性が大幅に低下した。これらの結果から、耐火物原料としてマグネシア原料を用いた場合、黒鉛含有量を1質量%以上80質量%以下にし、マグネシア原料の含有量を20質量%以上99質量%以下にすることで、黒鉛含有耐火物の耐溶損性と耐割れ性とが両立できることが確認された。
[0047]
 次に、黒鉛含有耐火物の曲げ強度、破壊強度、耐溶損性および耐割れ性に及ぼす炭素繊維束の長さの影響について説明する。評価した黒鉛含有耐火物の製造条件および評価結果を表3に示す。
[0048]
[表3]


[0049]
 表3に示すように、繊維径が0.8~7μm/本の炭素繊維を炭素繊維束14の端面が扁平形状となるように990~12000本束ねた所、炭素繊維束14の端面の幅寸法は1.0mm以上20.0mm以下の範囲内、厚さは0.001mm以上10.0mm以下の範囲内に収まっていた。炭素繊維は、東レ株式会社製のトレカ(登録商標)品番CK6261Cを解したものを用いた。この炭素繊維束を90mm、100mm、200mm、400mm、600mm、800mm、1000mmの長さにそれぞれ切出し、炭素繊維間の密着性および炭素繊維束とマグネシア・カーボン質原料との密着性を向上させるため、炭素繊維束をフェノール樹脂に1分間浸漬させて密着させた後、これらの炭素繊維束とマグネシア・カーボン質原料を以下の方法で充填した。
[0050]
 耐火物の大きさが長手方向1000mm、短手方向300mm、高さ90mmである型枠の型枠容積に対して10容積%のマグネシア・カーボン質原料を型枠の底部に充填し、成形面に垂直となる方向と炭素繊維束の長さL1に沿った方向との角度θ2が90°となり、炭素繊維束の相互間距離が5mmとなるように配置した。型枠に充填したマグネシア・カーボン質原料は、表1に示した実施配合例1-5のマグネシア・カーボン質原料である。
[0051]
 このマグネシア・カーボン質原料の充填と炭素繊維束の配置とを繰り返すことでマグネシア・カーボン質原料と炭素繊維束とを型枠に充填した。充填完了後、図6のフローに従い、成形、乾燥を行って実施例2―1~2-7および比較例2-1の黒鉛含有耐火物を製作した。この黒鉛含有耐火物の曲げ強度、破壊エネルギー、耐溶損性および耐割れ性を測定した。
[0052]
 黒鉛含有耐火物の曲げ強度は、試験片サイズを40×40×140mm、中心間距離を100mm、荷重印加速度を0.5mm/minとして、JIS(日本工業規格) R 2213に記載された3点曲げ試験方法に準拠して行った。
[0053]
 図9は、3点曲げ試験方法により得られた荷重―変位曲線の一例を示す。破壊エネルギーは、3点曲げ試験方法で得られた荷重―変位曲線を用いて算出できる。荷重―変位曲線上において、第1ピーク値を示した変位を基準位置とし、当該基準位置からの変位が1mmとなる範囲の面積を破壊エネルギーとして算出した。
[0054]
 表3に示すように、長さが100mm以上の炭素繊維束を装入した実施例2-1~2-7の黒鉛含有耐火物は、曲げ強度および破壊エネルギーが著しく高かった。一方、長さが100mm未満の炭素繊維束を用いた比較例2-1の黒鉛含有耐火物は、実施例2-1~2-7の黒鉛含有耐火物より曲げ強度および破壊エネルギーが低かった。この原因としては、比較例2-1の黒鉛含有耐火物は、炭素繊維束の長さが短かったので、炭素繊維束による耐火物の亀裂進展抑制効果が発揮されなかったためと考えられる。これらの結果から、黒鉛含有耐火物の曲げ強度および破壊エネルギーを高めるには、炭素繊維の長さを100mm以上にすればよいことが確認された。
[0055]
 次に、黒鉛含有耐火物の曲げ強度、破壊強度、耐溶損性および耐割れ性に及ぼす炭素繊維径および炭素繊維束の本数の影響について説明する。評価した黒鉛含有耐火物の製造条件および評価結果を表4に示す。
[0056]
[表4]


[0057]
 表4に示すように、実施例3-1~3-5および比較例3-1、3-2の黒鉛含有耐火物は、長さが600mmであって、繊維径が1μm/本、7μm/本、23μm/本、45μm/本、50μm/本である炭素繊維の束ねる本数を900本、1000本、10000本、12000本、30000本、60000本、300000本、400000本とした炭素繊維束が黒鉛含有耐火物に配置された黒鉛含有耐火物である。これら黒鉛含有耐火物の原料成分は実施配合例1-5と同じであり、黒鉛含有耐火物の大きさは実施例2-1と同じである。実施例3-1~3-5および比較例3-1、3-2の黒鉛含有耐火物の曲げ強度、破壊エネルギー、耐溶損性および耐割れ性を測定した。
[0058]
 表4に示すように、繊維径が1μm/本以上45μm/本以下の範囲内の炭素繊維を1000本以上300000本以下の範囲内の本数束ねられた炭素繊維束を用いた実施例3-1~3-5および実施例2-5の黒鉛含有耐火物は、曲げ強度および破壊エネルギーが高かった。一方、繊維径が1μm/本未満であって炭素繊維の本数が1000本未満である炭素繊維束を用いた比較例3-1の黒鉛含有耐火物は、実施例2-5および実施例3-1~3-5の黒鉛含有耐火物より曲げ強度および破壊エネルギーが低かった。繊維径が45μm/本を超える50μm/本の炭素繊維を300000本を超える400000本束ねられた炭素繊維束を用いた比較例3-2の黒鉛含有耐火物は、成形時にラミネーションが発生し、耐火物の側面から炭素繊維束がはみ出して成形が困難であった。この原因としては、炭素繊維束が太くなりすぎ、炭素繊維束とマグネシア・カーボン質原料とが絡まず、成形時に炭素繊維束によるスプリングバックが発生したことが原因であると考えられる。これらの結果から、黒鉛含有耐火物の曲げ強度および破壊エネルギーを高めるには、繊維径が1μm/本以上45μm/本以下の範囲内の炭素繊維を1000本以上300000本以下の範囲内の本数束ねられた炭素繊維束を用いればよいことが確認された。
[0059]
 次に、黒鉛含有耐火物の曲げ強度、破壊強度、耐溶損性および耐割れ性に及ぼす炭素繊維束の接着の有無の影響について説明する。評価した黒鉛含有耐火物の製造条件および評価結果を表5に示す。
[0060]
[表5]


[0061]
 表5に示すように、実施例4―1~4-11の黒鉛含有耐火物は、長さが600mmであって、径が7μm/本の炭素繊維を12000本束ね、接着剤としてフェノール樹脂、アルミナゾル、シリカゾル、ピッチ、タールおよびでんぷん糊を用いて接着した炭素繊維束および接着していない炭素繊維束が配置された黒鉛含有耐火物である。これらの黒鉛含有耐火物の原料成分は実施配合例1-5と同じであり、大きさは実施例2-1と同じであり、製造方法は表3の説明に記載した方法と同じである。実施例4―1~4-11の黒鉛含有耐火物の曲げ強度、破壊エネルギー、耐溶損性および耐割れ性を測定した。
[0062]
 表5に示すように、フェノール樹脂、アルミナゾル、シリカゾル、ピッチ、タール、でんぷん糊を用いて接着した炭素繊維束を用いた実施例2-5、4-1~4-5の黒鉛含有耐火物は、曲げ強度および破壊エネルギーが高かった。フェノール樹脂とアルミナゾル、フェノール樹脂とシリカゾル、フェノール樹脂とピッチ、フェノール樹脂とタール、フェノール樹脂とでんぷん糊を用いて接着した炭素繊維束を用いた実施例4-6~4-10の黒鉛含有耐火物は、曲げ強度および破壊エネルギーが高かった。
[0063]
 一方、接着していない炭素繊維束を用いた実施例4-11の黒鉛含有耐火物は、実施例2-5および実施例4-1~4-10の黒鉛含有耐火物より曲げ強度および破壊エネルギーが低かった。この原因としては、炭素繊維束を接着することで、炭素繊維間の密着性および炭素繊維束とマグネシア・カーボン質原料との密着性がより向上したからと考えられる。これらの結果から、黒鉛含有耐火物の曲げ強度および破壊エネルギーを高めるには、フェノール樹脂、アルミナゾル、シリカゾル、ピッチ、タールおよびでんぷん糊から選定される1種以上の接着剤を用いて炭素繊維を接着し、炭素繊維束とすることが好ましいことが確認された。また、上記接着剤に類するエポキシ樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン、熱硬化性ポリイミド、ジルコニアゾル、クロミアゾル、チタニアゾル、マグネシアゾル、カルシアゾルおよびイットリアゾルを用いたとしても同様の効果が得られると考えられる。
[0064]
 次に、黒鉛含有耐火物の曲げ強度、破壊強度、耐溶損性および耐割れ性に及ぼす炭素繊維束の傾きの影響について説明する。評価した黒鉛含有耐火物の製造条件および評価結果を表6に示す。
[0065]
[表6]


[0066]
 表6に示すように、実施例5-1~5-3の黒鉛含有耐火物は、長さが600mmであって、径が7μm/本の炭素繊維を12000本束ねた炭素繊維束が耐火物の短手方向との角度θ2が0°、45°、90°、135°になるように配置された黒鉛含有耐火物である。これら黒鉛含有耐火物の原料成分は実施配合例1-5と同じであり、黒鉛含有耐火物の大きさは実施例2-1と同じであり、製造方法は表3の説明に記載した方法と同じである。
[0067]
 炭素繊維束を耐火物の短手方向との角度θ2が90°になるように配置した黒鉛含有耐火物とは、図1に示すような黒鉛含有耐火物であり、当該角度θ2が45°になるように配置した黒鉛含有耐火物とは、図4に示すような黒鉛含有耐火物であり、当該角度θ2が135°になるように配置した黒鉛含有耐火物とは、図5に示した黒鉛含有耐火物である。実施例5-1~5-3の黒鉛含有耐火物の曲げ強度、破壊エネルギー、耐溶損性および耐割れ性を測定した。
[0068]
 表6に示すように、炭素繊維束を短手方向との角度θ2が90°になるように配置した実施例2-5の黒鉛含有耐火物、短手方向との角度θ2が45°になるように炭素繊維束を配置した実施例5-1の黒鉛含有耐火物および短手方向との角度θ2が135°になるように炭素繊維束を配置した実施例5-2の黒鉛含有耐火物は、曲げ強度および破壊エネルギーが高かった。一方、炭素繊維束を短手方向との角度θ2が0°になるように配置した実施例5-3の黒鉛含有耐火物は、実施例2-5および実施例5-1、5-2の黒鉛含有耐火物より曲げ強度および破壊エネルギーが低かった。これらの結果から、黒鉛含有耐火物の曲げ強度および破壊エネルギーを高めるには、黒鉛含有耐火物の短手方向との角度θ2が45°以上135°以下になるように炭素繊維束を配置することが好ましいことが確認された。
[0069]
 次に、黒鉛含有耐火物の曲げ強度、破壊強度、耐溶損性および耐割れ性に及ぼす炭素繊維束の間隔の影響について説明する。評価した黒鉛含有耐火物の製造条件および評価結果を表7に示す。
[0070]
[表7]


[0071]
 表7に示すように、実施例6-1~6-4の黒鉛含有耐火物は、長さが600mmであって、径が7μm/本の炭素繊維を12000本束ねた炭素繊維束が炭素繊維束の相互間距離が1mm、3mm、30mm、100mmになるように配置された黒鉛含有耐火物である。これら黒鉛含有耐火物の原料成分は実施配合例1-5と同じであり、黒鉛含有耐火物の大きさは実施例2-1と同じであり、製造方法は表3の説明に記載した方法と同じである。実施例6-1~6-4の黒鉛含有耐火物の曲げ強度、破壊エネルギー、耐溶損性および耐割れ性を測定した。
[0072]
 表7に示すように、炭素繊維束の相互間距離が3mm、30mmになるように炭素繊維束を配置した実施例6-1、6-2の黒鉛含有耐火物の曲げ強度および破壊エネルギーは、炭素繊維束の相互間距離が100mmになるように配置した実施例6-3の黒鉛含有耐火物の曲げ強度および破壊エネルギーよりも若干高かった。炭素繊維束の相互間距離を1mmにして配置した実施例6-4の黒鉛含有耐火物は、炭素繊維束の間隔が狭すぎ、成形する際にラミネーションが発生し易くなった。このため、実施例6-4の黒鉛含有耐火物の曲げ強度および破壊エネルギーは低下し、耐溶損性と耐スポール性も低下した。炭素繊維束の相互間距離を100mmにした場合の曲げ強度および破壊エネルギーは、炭素繊維束の相互間距離を3mm以上30mm以下にした場合より若干低下したもののほとんど変わらなかった。これらの結果から、黒鉛含有耐火物の曲げ強度および破壊エネルギーを高めるには、炭素繊維束の相互間距離を3mm以上100mm以下にすることが好ましく、炭素繊維束の相互間距離を3mm以上30mm以下にすることがより好ましいことが確認された。
[0073]
 次に、黒鉛含有耐火物の曲げ強度、破壊強度、耐溶損性および耐割れ性に及ぼす成形方向の炭素繊維束の間隔の影響について説明する。評価した黒鉛含有耐火物の製造条件および評価結果を表8に示す。
[0074]
[表8]


[0075]
 表8に示すように、実施例7-1の黒鉛含有耐火物は、マグネシア・カーボン質原料の充填と炭素繊維束の配置を繰り返し実施されず、長さが600mmであって、径が7μm/本の炭素繊維を12000本束ねた炭素繊維束が一層に配置された黒鉛含有耐火物である。この黒鉛含有耐火物の原料成分は実施配合例1-5と同じであり、黒鉛含有耐火物の大きさは実施例2-1と同じである。この黒鉛含有耐火物の曲げ強度、破壊エネルギー、耐溶損性および耐割れ性を測定した。
[0076]
 表8に示すように、炭素繊維束を層状に配置した実施例2-5の黒鉛含有耐火物は、曲げ強度および破壊エネルギーが高かった。一方、炭素繊維束を一層に配置した実施例7-1の黒鉛含有耐火物は、曲げ強度および破壊エネルギーが低かった。この結果から、黒鉛含有耐火物の曲げ強度および破壊エネルギーを高めるには、マグネシア・カーボン質原料の充填と炭素繊維束の配置を繰り返して炭素繊維束を層状に配置することが好ましいことが確認された。
[0077]
 次に、黒鉛含有耐火物の曲げ強度、破壊強度、耐溶損性および耐割れ性に及ぼす炭素繊維束の配置のタイミングの影響について説明する。評価した黒鉛含有耐火物の製造条件および評価結果を表9に示す。
[0078]
[表9]


[0079]
 表9に示すように、実施例8-1の黒鉛含有耐火物は、長さが1200mmであって、径が7μm/本の炭素繊維を24000本束ねた炭素繊維束が混練した後のマグネシア・カーボン質原料に配置されて製作された黒鉛含有耐火物である。実施例8-2の黒鉛含有耐火物は、同じ炭素繊維束が混練する前のマグネシア・カーボン質原料に配置され、その後に混練されて製作された黒鉛含有耐火物である。これら黒鉛含有耐火物の原料成分は実施配合例1-5と同じであり、黒鉛含有耐火物の大きさは実施例2-1と同じである。実施例8-1、8-2の黒鉛含有耐火物の曲げ強度、破壊エネルギー、耐溶損性および耐割れ性を測定した。
[0080]
 表9に示すように、混練後のマグネシア・カーボン質原料に炭素繊維束を配置した実施例8-1の黒鉛含有耐火物は、曲げ強度および破壊エネルギーが高かった。一方、混練前に炭素繊維束を配合し、その後に混練した実施例8-2の黒鉛含有耐火物は、実施例8-1の黒鉛含有耐火物より曲げ強度および破壊エネルギーが低かった。この原因としては、炭素繊維束を配置後に混練すると、当該混練中に撹拌羽根によって炭素繊維束が切断され、繊維長が短くなった結果、炭素繊維束の亀裂進展抑制効果が少なくなったからと考えられる。これらの結果から、黒鉛含有耐火物の曲げ強度および破壊エネルギーを高めるには、耐火物原料を混練した後であって、成形工程を実施する前に炭素繊維束を耐火物原料に配置することが好ましいことが確認された。
[0081]
 次に、CIP成形で製造された黒鉛含有耐火物の曲げ強度、破壊強度、耐溶損性および耐割れ性に及ぼす炭素繊維束の短手方向に対する角度の影響について説明する。評価した黒鉛含有耐火物の製造条件および評価結果を表10に示す。
[0082]
[表10]


[0083]
 図10は、実施例9-1~9-3の炭素繊維束の装入角度を示す断面模式図である。表10および図10(a)、(b)、(c)に示すように、上支持盤34と下支持盤35との間に繊維長800mm、径7μm/本の炭素繊維を2400本束ね、表3の説明に記載した接着方法と同様の方法で接着した炭素繊維束を、炭素繊維束の長さ方向と黒鉛含有耐火物の短手方向とがなす角度θ3が45°(図10(b))、90°(図10(a))、135°(図10(c))および5°になり、かつ、炭素繊維束の相互間距離が5mmになるように支持部材30に配置した。炭素繊維束14を配置した支持部材30を成形容器36の中に入れ、支持部材30と成形容器36とで形成された空間にマグネシア・カーボン質原料12を充填した後、開口を閉じて密閉した。
[0084]
 図11は、CIP装置で成形する状態を示す断面模式図である。図11に示すように、圧力媒体40で満たされたCIP装置38に密閉した成形容器36を装入し、圧力媒体40を介して成形容器36を加圧した。所定時間圧力を加えた後、成形容器36から成形体を取り出して実施例9-1~9-4の黒鉛含有耐火物を製作した。これら黒鉛含有耐火物の原料成分は実施配合例1-5と同じであり、黒鉛含有耐火物の大きさは実施例2-1と同じである。実施例9-1~9-4の黒鉛含有耐火物の曲げ強度、破壊エネルギー、耐溶損性および耐割れ性を測定した。
[0085]
 表10に示すように、黒鉛含有耐火物の短手方向に対する角度θ3を45°、90°、135°にした実施例9-1~9-3の黒鉛含有耐火物は、短手方向の応力に対する曲げ強度および破壊エネルギーが高かった。一方、黒鉛含有耐火物の短手方向に対する角度θ3を5°にした実施例9-4の黒鉛含有耐火物は、実施例9-1~9-3の黒鉛含有耐火物より、短手方向の応力に対する曲げ強度および破壊エネルギーが低かった。これらの結果から、黒鉛含有耐火物の曲げ強度および破壊エネルギーを高めるには、CIP成形で成形された黒鉛含有耐火物においても、黒鉛含有耐火物の短手方向に対する角度θ3が45°以上135°以下になるように炭素繊維束を配置することが好ましいことが確認された。
[0086]
 図10に示した黒鉛含有耐火物に対して炭素繊維束の配置方向を黒鉛含有耐火物の長手方向に沿った方向に変えてCIP成形で製造した黒鉛含有耐火物の曲げ強度、破壊強度、耐溶損性および耐割れ性に及ぼす炭素繊維束の長手方向に対する角度の影響について説明する。評価した黒鉛含有耐火物の製造条件および評価結果を表11に示す。
[0087]
[表11]


[0088]
 図12は、実施例10-1~10-3の炭素繊維束の装入角度を示す断面模式図である。長手方向1500mm、短手方向150mm、高さ150mmの成形容器を用いて、表11および図12(a)、(b)、(c)に示したように、上支持盤34と下支持盤35との間に繊維長1200mm、径7μm/本の炭素繊維を24000本束ね、表3の説明に記載した接着方法と同様の方法で接着した炭素繊維束を、炭素繊維束の長さ方向と黒鉛含有耐火物の長手方向とがなす角度θ4が45°(図12(b))、90°(図12(a))、135°(図12(c))および5°になり、かつ、炭素繊維束の相互間距離が5mmになるように配置した。このように炭素繊維束14を配置した支持部材30を90°回転させた状態で成形容器36の中に入れ、支持部材30と成形容器36とで形成された空間にマグネシア・カーボン質原料12を充填した後、開口を閉じて密閉した。
[0089]
 図13は、CIP装置で成形する状態を示す断面模式図である。図13に示すように、圧力媒体40で満たされたCIP装置38に密閉した成形容器36を装入し、圧力媒体40により成形容器36を加圧した。所定時間圧力を加えた後、成形容器36から成形体を取り出して実施例10-1~10-4の黒鉛含有耐火物を製作した。これら黒鉛含有耐火物の原料成分は実施配合例1-5と同じであり、黒鉛含有耐火物の大きさは実施例2-1と同じである。実施例10-1~10-4の曲げ強度、破壊エネルギー、耐溶損性および耐割れ性を測定した。
[0090]
 表11に示すように、黒鉛含有耐火物の長手方向に対する角度θ4を45°、90°、135°にした実施例10-1~10-3の黒鉛含有耐火物は、長手方向の応力に対する曲げ強度および破壊エネルギーが高かった。一方、黒鉛含有耐火物の長手方向に対する角度θ4を5°にした実施例10-4の黒鉛含有耐火物は、実施例10-1~10-3の黒鉛含有耐火物より長手方向の応力に対する曲げ強度および破壊エネルギーが低かった。これらの結果から、黒鉛含有耐火物の曲げ強度および破壊エネルギーを高めるには、黒鉛含有耐火物の長手方向に対する角度θ4が45°以上135°以下になるように炭素繊維束14を配置することが好ましいことが確認された。
[0091]
 次に、溶銑予備処理容器の内張り耐火物に使用されるアルミナ原料、炭化珪素原料およびシリカ原料の配合量が黒鉛含有耐火物の曲げ強度、破壊強度、耐溶損性および耐割れ性に及ぼす影響について説明する。評価した黒鉛含有耐火物の製造条件および評価結果を表12に示す。
[0092]
[表12]


[0093]
 表12に示すように、実施例11―1~11―11の黒鉛含有耐火物は、アルミナ原料、炭化珪素原料、シリカ原料および黒鉛の配合量を変えた黒鉛含有耐火物原料を用いて、長さが600mmであって、径が7μm/本の炭素繊維を12000本束ねた炭素繊維束が配置された黒鉛含有耐火物である。これら黒鉛含有耐火物の大きさは実施例2-1と同じであり、製造方法は表3の説明に記載した方法と同じである。実施例11―1~11―11の黒鉛含有耐火物の曲げ強度、破壊エネルギー、耐溶損性および耐割れ性を測定した。
[0094]
 表12に示すように、アルミナ原料の配合量を10質量%以上95質量%以下の範囲内とし、シリカ原料の配合量を1質量%以上50質量%以下の範囲内とし、炭化珪素原料の配合量を1質量%以上とした実施例11-3~11-5および実施例11-7~11-10の黒鉛含有耐火物は、破壊エネルギーが高く、高い耐割れ性と高い耐溶損性を両立できた。一方、アルミナ原料の配合量を9.0質量%とし、シリカ原料の配合量を0.6質量%とした実施例11-1の黒鉛含有耐火物は、曲げ強度および耐溶損性が低下した。シリカ原料の配合量を0.6質量%とした実施例11-2の黒鉛含有耐火物は、耐溶損性が低下した。シリカ原料の配合量を55.0質量%とした実施例11-6の黒鉛含有耐火物も耐溶損性が低下した。さらに、アルミナ原料の配合量を99.0質量%とした実施例11-11の黒鉛含有耐火物は、曲げ強度および破壊エネルギーが低下した。これらの結果から、黒鉛含有耐火物原料として、アルミナ原料、炭化珪素原料、シリカ原料および黒鉛を用いた場合において黒鉛含有耐火物の曲げ強度および破壊エネルギーを高めるには、アルミナ原料の配合量を10質量%以上95質量%以下の範囲内とし、炭化珪素原料の配合量を1質量%以上とし、シリカ原料の配合量を1質量%以上50質量%以下の範囲内とすることが好ましいことが確認された。
[0095]
 次に、溶銑予備処理容器の内張り耐火物に使用される使用済みのアルミナ・炭化珪素・カーボン質耐火物屑を粉砕して得られた耐火物屑の配合量が黒鉛含有耐火物の曲げ強度、破壊強度、耐溶損性および耐割れ性に及ぼす影響について説明する。評価した黒鉛含有耐火物の製造条件および評価結果を表13に示す。
[0096]
[表13]


[0097]
 表13に示すように、実施例12―1~12―4の黒鉛含有耐火物は、耐火物屑、アルミナ原料、炭化珪素原料、シリカ原料および黒鉛の配合量を変えた黒鉛含有耐火物原料を用いて、長さが600mmであって、径が7μm/本の炭素繊維を12000本束ねた炭素繊維束が配置された黒鉛含有耐火物である。これら黒鉛含有耐火物の大きさは実施例2-1と同じであり、製造方法は表3の説明に記載した方法と同じである。実施例12―1~12―4の黒鉛含有耐火物の曲げ強度、破壊エネルギー、耐溶損性および耐割れ性を測定した。
[0098]
 表13に示すように、耐火物屑の配合量を10質量%以上90質量%以下の範囲内とした実施例12-1~12-3の黒鉛含有耐火物は、バージン原料のみを用いた黒鉛含有耐火物と同程度の耐割れ性および耐溶損性を有することが確認された。一方、耐火物屑の配合量を95.0質量%とした実施例12-4の黒鉛含有耐火物は、耐溶損性が低下した。これらの結果から、黒鉛含有耐火物原料として、使用済みのアルミナ・炭化珪素・カーボン質耐火物屑を粉砕して得られた耐火物屑を用いた場合において黒鉛含有耐火物の曲げ強度および破壊エネルギーを高めるには、耐火物屑の配合量を10質量%以上90質量%以下の範囲内にすることが好ましいことが確認された。
[0099]
 次に、アルミナ・カーボン質系の黒鉛含有耐火物におけるアルミナ原料および炭化珪素原料の配合量が黒鉛含有耐火物の曲げ強度、破壊強度、耐溶損性および耐割れ性に及ぼす影響について説明する。評価した黒鉛含有耐火物の製造条件および評価結果を表14に示す。
[0100]
[表14]


[0101]
 表14に示すように、実施例13―1~13―6の黒鉛含有耐火物は、アルミナ原料、炭化珪素原料および黒鉛の配合量を変えた黒鉛含有耐火物原料を用いて、長さが600mmであって、径が7μm/本の炭素繊維を12000本束ねた炭素繊維束が配置された黒鉛含有耐火物である。これら黒鉛含有耐火物の大きさは実施例2-1と同じであり、製造方法は表3の説明に記載した方法と同じである。実施例13―1~13―6の黒鉛含有耐火物の曲げ強度、破壊エネルギー、耐溶損性および耐割れ性を測定した。
[0102]
 表14に示すように、アルミナ原料の配合量を10質量%以上95質量%以下の範囲内とした実施例13-2~13-5の黒鉛含有耐火物は、曲げ強度および破壊エネルギーを高く維持でき、さらに、高い耐割れ性および耐溶損性を両立できることが確認された。一方、アルミナ原料の配合量を6.0質量%とした実施例13-1の黒鉛含有耐火物は、曲げ強度および破壊エネルギーが低下した。アルミナ原料の配合量を98質量%とした実施例13-6の黒鉛含有耐火物は、熱スポーリングによる亀裂の発生を抑制できず、耐割れ性が低下し、耐溶損性も低下した。これらの結果から、アルミナ・カーボン質系の黒鉛含有耐火物を用いた場合において黒鉛含有耐火物の曲げ強度および破壊エネルギーを高めるには、アルミナ原料の配合量を10質量%以上95質量%以下の範囲内とし、炭化珪素原料の配合量を1質量%以上にすることが好ましいことが確認された。
[0103]
 次に、シリカ・カーボン質系の黒鉛含有耐火物におけるシリカ原料および炭化珪素原料の配合量が黒鉛含有耐火物の曲げ強度、破壊強度、耐溶損性および耐割れ性に及ぼす影響について説明する。評価した黒鉛含有耐火物の製造条件および評価結果を表15に示す。
[0104]
[表15]


[0105]
 表15に示すように、実施例14―1~14―4、比較例14-1の黒鉛含有耐火物は、シリカ原料、炭化珪素原料および黒鉛の配合量を変えた黒鉛含有耐火物原料を用いて、長さが600mmであって、径が7μm/本の炭素繊維を12000本束ねた炭素繊維束が配置された黒鉛含有耐火物である。これら黒鉛含有耐火物の大きさは実施例2-1と同じであり、製造方法は表3の説明に記載した方法と同じである。実施例14―1~14―4、比較例14-1の黒鉛含有耐火物の曲げ強度、破壊エネルギー、耐溶損性および耐割れ性を測定した。
[0106]
 表15に示すように、シリカ原料の配合量を1質量%以上50質量%以下の範囲内とした実施例14-2~14-3の黒鉛含有耐火物は、曲げ強度および破壊エネルギーを高く維持でき、さらに、高い耐割れ性および耐溶損性を両立できることが確認された。一方、シリカ原料の配合量を1質量%未満とした実施例14-1の黒鉛含有耐火物は、シリカ原料の配合量が少なく、黒鉛の配合量が99.0質量%と多いので、耐溶損性が大幅に低下した。シリカ原料の配合量を98.0質量%とした実施例14-4の黒鉛含有耐火物は、熱スポーリングによる亀裂の発生を抑制できず、耐割れ性が低下し、破壊エネルギーも低下した。これらの結果から、シリカ・カーボン質系の黒鉛含有耐火物を用いた場合において黒鉛含有耐火物の曲げ強度および破壊エネルギーを高めるには、シリカ原料の配合量を1質量%以上50質量%以下の範囲内とすることが好ましいことが確認された。
[0107]
 次に、短炭素繊維を配合した黒鉛含有耐火物の曲げ強度、破壊強度、耐溶損性および耐割れ性に及ぼす短炭素繊維の影響について説明する。評価した黒鉛含有耐火物の製造条件および評価結果を表16に示す。
[0108]
[表16]


[0109]
 表16に示すように、実施例15―1~15―9の黒鉛含有耐火物は、繊維径および繊維長を変えた短炭素繊維を異なる配合量で配合した黒鉛含有耐火物原料を用いて、長さが600mmであって、径が7μm/本の炭素繊維を12000本束ねた炭素繊維束が配置された黒鉛含有耐火物である。これら黒鉛含有耐火物の大きさは実施例2-1と同じであり、製造方法は表3の説明に記載した方法と同じである。実施例15―1~15―9の黒鉛含有耐火物の曲げ強度、破壊エネルギー、耐溶損性および耐割れ性を測定した。
[0110]
 表16に示すように、繊維径が1μm/本~25μm/本であり、繊維長が2μm~1000μmであり、繊維径に対する繊維長の比率が2~40である短炭素繊維が、黒鉛含有耐火物原料に対して外掛けで0.10質量%以上10質量%以下の範囲内で配合された実施例15-1~15-4の黒鉛含有耐火物は、曲げ強度および破壊エネルギーが高かった。繊維径が45μm/本を超える50μm/本の短炭素繊維が配合された実施例15-5の黒鉛含有耐火物は、短炭素繊維の繊維径が太く、成形時にラミネーションが発生した。このため、実施例15-5の黒鉛含有耐火物は、実施例15-1~15-4の黒鉛含有耐火物より曲げ強度および破壊エネルギーが低かった。
[0111]
 繊維長が1000μm(1mm)を超える2000μm(2mm)の短炭素繊維が配合された実施例15-6の黒鉛含有耐火物は、炭素繊維と耐火物原料の絡みが悪く、成形した際にラミネーションが発生した。このため、実施例15-6の黒鉛含有耐火物は、実施例15-1~15-4の黒鉛含有耐火物より曲げ強度および破壊エネルギーが低かった。
[0112]
 繊維径に対する繊維長の比率が2未満である1の短炭素繊維が配合された実施例15-7の黒鉛含有耐火物は、炭素繊維と耐火物原料の絡みが悪く、このため、実施例15-7の黒鉛含有耐火物は、実施例15-1~15-4の黒鉛含有耐火物より曲げ強度および破壊エネルギーが低かった。
[0113]
 0.10質量%未満である0.05質量%となるように短炭素繊維を配合した実施例15-8の黒鉛含有耐火物は、炭素繊維の配合量が少な過ぎて短炭素繊維による亀裂進展抑制効果が得られない。このため、実施例15-8の黒鉛含有耐火物は、実施例15-1~15-4の黒鉛含有耐火物より曲げ強度および破壊エネルギーが低かった。
[0114]
 10質量%を超える15質量%となるように短炭素繊維を配合した実施例15-9の黒鉛含有耐火物は、炭素繊維と耐火物原料が全く絡まず、成形した際にラミネーションが発生した。このため、実施例15-9の黒鉛含有耐火物は、実施例15-1~15-4の黒鉛含有耐火物より曲げ強度および破壊エネルギーが低かった。
[0115]
 これらの結果から、黒鉛含有耐火物の曲げ強度および破壊エネルギーを高めるには、繊維径が1μm/本~25μm/本であり、繊維長が2μm~1000μmであり、繊維径と繊維長の比率が2~40である短炭素繊維を黒鉛含有耐火物原料に対して外掛けで0.10質量%以上10質量%以下の範囲内で配合することが好ましいことが確認された。

符号の説明

[0116]
 10 マグネシア・カーボン質耐火物
 12 マグネシア・カーボン質原料
 14 炭素繊維束
 16 成形面
 18 点線
 20 矢印
 30 支持部材
 32 芯金
 34 上支持盤
 35 下支持盤
 36 成形容器
 38 CIP装置
 40 圧力媒体
 50 高周波誘導炉
 52 誘導コイル
 54 底板
 56 溶銑
 58 合成スラグ
 60 黒鉛含有耐火物

請求の範囲

[請求項1]
 黒鉛の含有量が1質量%以上80質量%以下の範囲内である黒鉛含有耐火物であって、
 長さが100mm以上の炭素繊維束が内部に配置され、
 前記炭素繊維束は、繊維径が1μm/本以上45μm/本以下の範囲内である炭素繊維が1000本以上300000本以下の範囲内で束ねられて形成される、黒鉛含有耐火物。
[請求項2]
 前記炭素繊維は、1000本以上60000本以下の範囲内で束ねられる、請求項1に記載の黒鉛含有耐火物。
[請求項3]
 前記黒鉛含有耐火物は、マグネシア原料を20質量%以上99質量%以下の範囲内で含む、請求項1または請求項2に記載の黒鉛含有耐火物。
[請求項4]
 前記黒鉛含有耐火物は、アルミナ原料を10質量%以上95質量%以下の範囲内で含み、炭化珪素原料を1質量%以上含む、請求項1または請求項2に記載の黒鉛含有耐火物。
[請求項5]
 前記黒鉛含有耐火物は、さらにシリカ原料を1質量%以上50質量%以下の範囲内で含む、請求項4に記載の黒鉛含有耐火物。
[請求項6]
 前記黒鉛含有耐火物は、使用済み耐火物を粉砕した耐火物屑を10質量%以上90質量%以下の範囲内で含む、請求項1または請求項2に記載の黒鉛含有耐火物。
[請求項7]
 前記炭素繊維束は、フェノール樹脂、アルミナゾル、シリカゾル、ピッチおよびタールから選定される1種以上の接着剤を用いて接着される、請求項1から請求項6の何れか一項に記載の黒鉛含有耐火物。
[請求項8]
 前記炭素繊維束は、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン、熱硬化性ポリイミド、アルミナゾル、シリカゾル、ジルコニアゾル、クロミアゾル、チタニアゾル、マグネシアゾル、カルシアゾル、イットリアゾル、ピッチ、タールおよびでんぷん糊から選定される1種以上の接着剤を用いて接着される、請求項1から請求項6の何れか一項に記載の黒鉛含有耐火物。
[請求項9]
 前記黒鉛含有耐火物は、繊維径が1μm/本以上45μm/本以下であって、繊維長が1mm以下であり、繊維径に対する繊維長の比率(繊維長/繊維径)が2以上1000以下である短炭素繊維を、前記黒鉛含有耐火物に対して外掛けで0.10質量%以上10質量%以下の範囲内でさらに含む、請求項1から請求項8の何れか一項に記載の黒鉛含有耐火物。
[請求項10]
 黒鉛を1質量%以上80質量%以下の範囲内で含有し、内部に炭素繊維束が配置された黒鉛含有耐火物の製造方法であって、
 炭素繊維を束ねて前記炭素繊維束にする束化工程と、
 耐火物原料に黒鉛を配合して黒鉛含有耐火物原料にする配合工程と、
 前記炭素繊維束が配置された前記黒鉛含有耐火物原料を成形して成形体にする成形工程と、
 前記成形体を乾燥する乾燥工程と、
 を有し、
 前記束化工程では、繊維径が1μm/本以上45μm/本以下の範囲内である前記炭素繊維を、1000本以上300000本以下の範囲内で束ねて、長さ100mm以上の炭素繊維束とする、黒鉛含有耐火物の製造方法。
[請求項11]
 前記束化工程では、前記炭素繊維を1000本以上60000本以下の範囲内で束ねる、請求項10に記載の黒鉛含有耐火物の製造方法。
[請求項12]
 前記耐火物原料は、マグネシア原料であり、
 前記配合工程では、前記マグネシア原料を20質量%以上99質量%以下の範囲内で配合する、請求項10または請求項11に記載の黒鉛含有耐火物の製造方法。
[請求項13]
 前記耐火物原料は、アルミナ原料および炭化珪素原料であり、
 前記配合工程では、前記アルミナ原料を10質量%以上95質量%以下の範囲内で配合し、
 前記炭化珪素原料を1質量%以上配合する、請求項10または請求項11に記載の黒鉛含有耐火物の製造方法。
[請求項14]
 前記耐火物原料は、アルミナ原料、炭化珪素原料およびシリカ原料であり、
 前記配合工程では、アルミナ原料を10質量%以上95質量%以下の範囲内で配合し、
 前記炭化珪素原料を1質量%以上配合し、
 前記シリカ原料を1質量%以上50質量%以下の範囲内で配合する、請求項13に記載の黒鉛含有耐火物の製造方法。
[請求項15]
 前記耐火物原料は、使用済み耐火物を粉砕した耐火物屑であり、
 前記配合工程では、前記耐火物屑を10質量%以上90質量%以下の範囲内で配合する請求項10または請求項11に記載の黒鉛含有耐火物の製造方法。
[請求項16]
 前記束化工程では、前記炭素繊維をフェノール樹脂、アルミナゾル、シリカゾル、ピッチおよびタールから選定される1種以上の接着剤を用いて接着する、請求項10から請求項15の何れか一項に記載の黒鉛含有耐火物の製造方法。
[請求項17]
 前記束化工程では、前記炭素繊維をフェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン、熱硬化性ポリイミド、アルミナゾル、シリカゾル、ジルコニアゾル、クロミアゾル、 チタニアゾル、マグネシアゾル、カルシアゾル、イットリアゾル、ピッチ、タールおよびでんぷん糊から選定される1種以上の接着剤を用いて接着する、請求項10から請求項15の何れか一項に記載の黒鉛含有耐火物の製造方法。
[請求項18]
 前記成形工程の前に、
 前記黒鉛含有耐火物原料を混練する混練工程と、
 前記黒鉛含有耐火物原料を成形する型枠に、混練された黒鉛含有耐火物原料と前記炭素繊維束とを充填する充填工程をさらに有する、請求項10から請求項17の何れか一項に記載の黒鉛含有耐火物の製造方法。
[請求項19]
 前記充填工程では、前記型枠の容積に対して5容積%以上の前記黒鉛含有耐火物原料を充填した後、相互間距離が3mm以上になるように前記炭素繊維束を並べて配置することを繰り返し、前記型枠に前記黒鉛含有耐火物原料と前記炭素繊維束とを充填する、請求項18に記載の黒鉛含有耐火物の製造方法。
[請求項20]
 前記成形工程の前に、
 前記黒鉛含有耐火物原料を混練する混練工程と、
 前記黒鉛含有耐火物原料を成形する成形容器に、混練された黒鉛含有耐火物原料と前記炭素繊維束とを充填する充填工程をさらに有し、
 前記成形工程では、圧力媒体を介して前記成形容器に圧力を印加して成形体を成形する、請求項10から請求項17の何れか一項に記載の黒鉛含有耐火物の製造方法。
[請求項21]
 前記配合工程では、繊維径が1μm以上45μm以下であり、繊維長が1mm以下であり、繊維径に対する繊維長の比率(繊維長/繊維径)が2以上1000以下の範囲内である短炭素繊維を、前記黒鉛含有耐火物原料に対して外掛けで0.10質量%以上10質量%以下の範囲内で配合する、請求項10から請求項20の何れか一項に記載の黒鉛含有耐火物の製造方法。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]

[ 図 13]