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1. (WO2018131443) PISTON MANUFACTURING METHOD, PISTON PINHOLE MEASUREMENT METHOD, AND PISTON
Document

明 細 書

発明の名称 ピストン製造方法、ピストンピン孔計測方法およびピストン

技術分野

0001  

背景技術

0002  

先行技術文献

特許文献

0003  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0004  

課題を解決するための手段

0005  

発明の効果

0006  

図面の簡単な説明

0007  

発明を実施するための形態

0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089  

符号の説明

0090  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16   17   18   19   20  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14  

明 細 書

発明の名称 : ピストン製造方法、ピストンピン孔計測方法およびピストン

技術分野

[0001]
 本発明は、ピストン製造方法、ピストンピン孔計測方法およびピストンに関する。

背景技術

[0002]
 自動車の往復ピストン原動機、特に直接噴射装置を有するオットーエンジンのためのピストン製造方法としては、例えば、特許文献1に記載のような方法が知られている。特許文献1に記載のピストン製造方法では、少なくとも、鋳造工程の1回の装入の1番目のピストンによって、燃焼室側の表面によって形成された容積VISTが規定され、容積VISTが所望の容積VSOLLと比較され、その比較結果に基づいて、コンプレッションハイトKHは、許容差の差異を除いて、VIST=VSOLLが成り立つように、基準値から異なる状態で確定されること、が記載されている。

先行技術文献

特許文献

[0003]
特許文献1 : 日本国特表2003―524111号公報(WO01/063112A1)

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0004]
 ところで、特許文献1に記載の方法では、実測した燃焼室容積に基づいて適切に決定されたコンプレッションハイトとなるようピストンピン孔を加工しているが、加工精度のバラつきにより、所望のコンプレッションハイトとならない問題点がある。

課題を解決するための手段

[0005]
 本発明の第1の態様によると、ピストン製造方法は、ピストンの冠面に基準面を形成する形成ステップと、前記基準面をピストン軸方向の位置基準として、設定された位置にピストンピン孔を加工する加工ステップと、前記ピストンピン孔から前記基準面までの距離であるコンプレッションハイトを計測する計測ステップと、計測されたコンプレッションハイトと距離基準値との差に基づいて、前記ピストンピン孔のピストン軸方向位置を評価する評価ステップと、を有する。
 本発明の第2の態様によると、ピストンピンを介してコネクティングロッドが結合されるピストンピン孔を有するピストンの前記ピストンピン孔を計測するピストン計測方法は、前記ピストンピン孔の内周面に指向性の光を照射するステップと、前記内周面に照射された前記光を撮像装置で撮像し、撮像データを取得するステップと、前記ピストン孔の位置データに基づき前記ピストン孔から前記ピストン基準面までの距離であるコンプレッションハイトを取得するステップと、を有する。
 本発明の第3の態様によると、基準面が形成された冠面と、コネクティングロッドが連結されるピン孔と、を有するピストンは、前記冠面が、前記ピストンの軸方向における前記ピン孔と前記基準面の間隔であるコンプレッションハイトに応じて冠面形状が変更されている補正部を有する。

発明の効果

[0006]
 本発明によれば、高精度なピストンを供給することができる。

図面の簡単な説明

[0007]
[図1] 図1は、第1の実施の形態におけるピストン製造ラインの構成を示すブロック図である。
[図2] 図2は、各種計測量を説明する図である。
[図3] 図3は、ピストン製造の処理手順を示すフローチャートである。
[図4] 図4は、容積修正方法の具体例を示す図である。
[図5] 図5は、計測系を説明する図である。
[図6] 図6は、撮像画像の一例を模式的に示す図である。
[図7] 図7は、コンプレッションハイト計測の手順を示すフローチャートである。
[図8] 図8は、変形例を説明する図である。
[図9] 図9は、第2の実施の形態におけるピストン製造ラインの構成を示すブロック図である。
[図10] 図10は、ピン孔を説明する図である。
[図11] 図11は、ピストンピンの一例を示す図である。
[図12] 図12は、コネクティングロッドが接続されたピストン本体を示す図である。
[図13] 図13は、第2の実施の形態におけるピストン製造の処理手順を示すフローチャートである。
[図14] 図14は、計測系の他の例を示す図である。

発明を実施するための形態

[0008]
 以下、図を参照して本発明を実施するための形態について説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されることなく、本発明の技術的な概念の中で種々の変形例や応用例をもその範囲に含むものである。
[0009]
-第1の実施の形態-
 図1は、第1の実施の形態におけるピストン製造ライン1000の構成および工程を説明する図である。ピストン製造ライン1000には、基準加工部100、搬送部110、冠面容積計測部120、ピン孔加工部130、コンプレッションハイト計測部140、信号処理部150、分岐部160、良品ライン161、修正ライン162、容積修正部170、合流部180およびピストン製造ライン1000全体の制御を行う制御装置190等を備えている。
[0010]
 基準加工部100では鋳造工程101および機械加工工程102が行われ、鋳物製のピストン本体1aに冠面や外径等の基準加工が施される。加工されたピストン本体1aには、ピストンの種類や製造番号など識別可能な番号(記号)が付与され、その情報は刻印等でピストン本体1aにマーキングされる。加工されたピストン本体1aは、搬送部110により、冠面容積計測部120、ピン孔加工部130、コンプレッションハイト計測部140および分岐部160へと順に搬送される。
[0011]
 冠面容積計測部120は、ピストン本体1aの冠面形状を光学方式で測定し、その測定結果に基づいて燃焼室容積の一部である冠面容積を計測する。一般に、冠面容積の計測方法としては、主に以下の3通りの手法が知られている。第1の方法は、ピストン冠面に治具をはめ込み、注入した液体量で容積を計測する滴下方式である。第2の方法は、同じく治具をはめ込み音響方式で冠面形状を計測し、その形状から容積を算出する方法である。第3の方法は、光学式な手法で冠面形状を計測し、その形状から容積を算出する方法である。なお、本発明では容積計測の手法は問わないが、製造ラインにて量産品検査を実施する場合には、高速な光学方式が適しており、以下では光学方式の測定方法を用いる場合を例に説明する。
[0012]
 図2は、ピストン本体1aに関する各種計測量を説明する図である。冠面容積Vは、冠面200上の基準面201を高さ基準として、基準面201よりもz軸負方向に窪んでいる凹部分の容積V(凹)と、基準面201よりもz軸正方向に突出している凸部分の容積V(凸)との差V=V(凹)-V(凸)として算出される。なお、図示していないが、2つのピン孔206a,206bの間には、コネクティングロッドのピン挿入部が配置される。
[0013]
 信号処理部150は、コンプレッションハイト算出部151、判定部152および補正量算出部153を備えている。コンプレッションハイト算出部151は、冠面容積計測部120で計測された冠面容積Vとその設計値Vdとの差ΔV1(=V-Vd)を算出し、その差ΔV1に基づいてコンプレッションハイトの調整量ΔCH1を次式(1)により算出する。式(1)において、Sは、ピストン本体1aの冠面部分のピストン軸(z軸)に垂直な断面積を表す。
  ΔCH1=ΔV1/S   …(1)
[0014]
 ここで、コンプレッションハイトとは、基準面201からピン孔206a,206bの軸芯203までのピストン軸方向距離である。冠面容積Vに関する設計値Vdに対しては、コンプレッションハイト設計値CHdがコンプレッションハイトの最適値として予め設定されている。コンプレッションハイト算出部151は、上述の調整量ΔCH1に基づいて、ピン孔加工位置(すなわち、コンプレッションハイト)をCHd+ΔCH1のように算出する。
[0015]
 差ΔV1がゼロであれば、基準面201からコンプレッションハイト設計値CHdの位置にピン孔206a,206bを形成すれば良い。実際には、機械加工の加工精度に応じて差ΔV1にバラツキが生じ、ΔV1>0となる場合もあればΔV1<0となる場合もある。例えば、ΔV1>0の場合には冠面容積Vが設計値Vdよりも大きすぎるので、容積が小さくなる方向へコンプレッションハイトを補正する。すなわちコンプレッションハイトを位置調整量ΔCH1(>0)だけ大きくすれば良い。ΔV1<0の場合には位置調整量ΔCH1は負の値となるので、コンプレッションハイトが小さくなる方向、すなわち容積が大きくなる方向へピン孔加工位置を調整することになる。なお、コンプレッションハイトの大小と容積の大小とは逆の関係となっている。
[0016]
 ピン孔加工部130は、搬送されたピストン本体1aに対して、コンプレッションハイト算出部151により算出されたコンプレッションハイトの位置に、ピン孔206a,206bを加工する。
[0017]
 コンプレッションハイト計測部140は、ピン孔加工部130にて加工されたピン孔206a,206bのコンプレッションハイトを計測する。なお、コンプレッションハイトの計測には、例えば、エアマイクロやレーザ距離センサを用いた方法が考えられるが、本実施の形態では、指向性の線状の光であるレーザラインをピン孔206a,206bの内周面に投光し、それらの内周面に生じる楕円状の光切断線を利用して計測する。計測方法の詳細は後述する。
[0018]
 信号処理部150の判定部152は、冠面容積計測部120にて計測された冠面容積Vと、コンプレッションハイト計測部140にて計測されたコンプレッションハイトとに基づいて、コンプレッションハイト基準の容積(計測容積)を算出する。
[0019]
 さらに、判定部152は、計測容積と容積に関する基準値(例えば、設計値等)との差(以下では、容積ズレと称する)ΔV3を算出し、その差の大きさ|ΔV3|が予め設定しておいた許容値ΔVth以上か否かを判断する。すなわち、判定部152は、ピン孔加工後のピストン本体1aに関して修正(容積補正)が必要か否かを判定する。なお、ΔV3の算出の詳細は後述する。
[0020]
 補正量算出部153は、判定部152で修正が必要と判定されたピストン本体1aに関して、容積補正に必要な補正加工量を算出する。より具体的には、冠面容積計測部120で計測されたピストン形状に基づいて補正箇所を決定するとともに、各補正箇所における補正量を決定する。後述するように、容積ズレΔV3がΔV3>0(すなわち、燃焼室容積が小さくなる方向のズレ)である場合には、冠面容積を大きくする必要がある。逆に、容積ズレΔV3がΔV3<0である場合には、冠面容積を小さくする必要がある。
[0021]
 分岐部160は、判定部152の判定結果に基づいてピストン本体1aを良品ライン161または修正ライン162に送る。具体的には、予め設定した閾値ΔVthに対して、|ΔV3|<ΔVthと判定された場合にはピストン本体1aを良品ライン161に送り、|ΔV3|≧ΔVthと判定された場合にはピストン本体1aを修正ライン162に送る。閾値ΔVthは、容積ズレの大きさ|ΔV3|が許容値内か否か、すなわちピストン本体1aが良品か不良品かを判定するための判定基準値である。
[0022]
 修正ライン162に搬送されたピストン本体1aは、容積修正部170において、補正量算出部153で算出された補正加工量分だけ補正加工される。容積修正部170で補正加工されたピストン1は、合流部180において良品ライン161に戻される。
[0023]
(ΔV3の算出方法)
 判定部152におけるΔV3の算出方法について説明する。コンプレッションハイト計測部140で計測されたコンプレッションハイトをCH2とし、このコンプレッションハイトCH2と冠面容積の設計値Vdにおけるコンプレッションハイト設計値CHdとの差をΔCH2=CH2-CHdとする。このとき、加工されたピン孔206a,206bのコンプレッションハイトCH2は、CH2=CHd+ΔCH2と表される。
[0024]
 一方、コンプレッションハイト算出部151で算出されるピン孔加工位置のコンプレッションハイトはCHd+ΔCH1である。このΔCH1は加工前における位置調整量の目標値であって、加工後の計測に基づく位置調整量は加工誤差等によりΔCH2となっている。すなわち、コンプレッションハイトCH2と目標とするコンプレッションハイト設計値CHd+ΔCH1との差ΔCH3はΔCH3=ΔCH2-ΔCH1となり、ΔCH3はピン孔加工の加工位置ズレを表している。そのため、この位置ズレ量ΔCH3は小さいほど好ましい。
[0025]
 ここで、CH2=CHd+ΔCH1+ΔCH3と表されるので、ΔCH3>0の場合には、コンプレッションハイトCH2は目標とする(CHd+ΔCH1)よりもΔCH3だけ大きい。そのため、位置ズレ量ΔCH3に相当する容積ズレΔV3=S・ΔCH3の分だけ冠面容積を大きくする必要がある。逆に、ΔCH3<0の場合には、容積の大きさ|ΔV3|だけ冠面容積を小さくする必要がある。
[0026]
 図3は、ピストン製造ライン1000における処理手順を示すフローチャートである。図1の制御装置190は、ピストン製造ライン1000の各部を制御して図3に示すような一連の処理を行わせる。ステップS100では、基準加工部100によりピストン本体1aが加工され、ピストン種や製造番号など識別可能な番号がマーキングされる。ステップS101では、冠面容積計測部120にて刻印された種類、製造番号などが読み取られた後、冠面基準の冠面容積Vが算出される。
[0027]
 ステップS102では、算出された冠面容積Vとその設計値Vdとの差ΔV1(=V-Vd)を算出し、その差ΔV1に基づいてコンプレッションハイトの調整量ΔCH1を上述した式(1)により算出する。
[0028]
 ステップS102では、コンプレッションハイト算出部151は、上述の調整量ΔCH1に基づいて、ピン孔加工位置(すなわち、コンプレッションハイト)をCHd+ΔCH1のように算出する。
[0029]
 ステップS103では、ピン孔加工部130によって、コンプレッションハイト(CHd+ΔCH1)の位置にピン孔206a,206bの加工が施される。
[0030]
 ステップS104では、ステップS103で加工されたピン孔206a,206bのコンプレッションハイトをコンプレッションハイト計測部140にて計測する。
[0031]
 ステップS105では、判定部152は、上述した容積ズレΔV3を算出する。さらに判定部152は、ステップS106において、容積ズレの大きさ|ΔV3|が予め設定した閾値ΔVth未満か否かを判定する。ステップS106にて|ΔV3|<ΔVthと判定されるとステップS110へ進み、|ΔV3|≧ΔVthと判定されるとステップS107へ進む。
[0032]
 ステップS106からステップS110へ進んだ場合には、ピストン本体1aは分岐部160により良品ライン161に送られる。一方、ステップS106からステップS107へ進んだ場合には、ピストン本体1aは分岐部160により修正ライン162に送られる。
[0033]
 ステップS108では、修正ライン162に送られたピストン本体1aに対する容積補正量が補正量算出部153にて算出される。補正量算出部153は、ステップS105で算出した容積ズレΔV3に基づいて容積補正量を設定する。容積補正量は、補正後の容積ズレの大きさがΔVthとなる補正量であれば良く、例えば、容積ズレΔV3と等しく設定されても良いし、容積修正部170の修正精度を考慮して容積ズレΔV3よりも若干小さな量に設定しても良い。
[0034]
 ステップS109では、容積修正部170において、補正量算出部153で決定された補正箇所に対して設定された容積補正量だけ補正加工を行う。ΔV3>0であって冠面容積を大きくするように補正する場合には、例えば図4(a)に示すように、補正箇所251をエンドミル250で切削加工して所定補正量だけ除去する。この容積修正には、例えば5軸加工機を用いることができる。
[0035]
 逆に、ΔV3<0であって冠面容積を小さくするように補正する場合には、例えば、溶射や金属3Dプリンター等で補正箇所261に物質を付加することで、容積を減らすよう調整する。図4(b)に示す例では、ピストン本体1aの上部に溶射ノズル260を配置し、補正箇所261に所望量溶射する。
[0036]
 ステップS109で補正加工されたピストン本体1aは、合流部180において良品ライン161へ送られる(ステップS110)。
[0037]
 また、不良の個数、種類の履歴を保存しておき、特定の不良数が一定割合を超えた場合に、その情報を基準加工部100やピン孔加工部130等のピストン加工へフィードバックして、鋳造工程101、機械加工工程102、ピン孔加工の加工条件を変更することで、不良個数の低減や、修正量の低減を図ることができる。または、不良の個数、種類の履歴を保存しておき、特定の不良数が一定割合を超えた場合に加工を停止することで、加工されるピストンの品質確保を行うことも可能である。
[0038]
(コンプレッションハイト計測)
 次に、コンプレッションハイト計測部140における計測方法について、図5,6を用いて説明する。図5は本実施の形態における計測系を説明する図であり、(a)は計測系の概略構成を示し、(b)は光学系の座標を示す。図5では、ピストン軸方向をz軸とし、コンロッド接続部10の下端を通りピン孔206a,206bの軸芯203に平行な軸をy軸とした。
[0039]
 ピストン本体の下部には、コネクティングロッドが接続されるコンロッド接続部10が形成されている。コンロッド接続部10には、一対のピン孔206a,206bが同軸に形成されている。レーザライン光源301aからは、左側斜め下方からピン孔206aの内周面に向けて、x方向にライン状となるレーザライン311aが照射される。一方、レーザライン光源301bからは、右側斜め下方からピン孔206bの内周面に向けて、x方向にライン状となるレーザライン311bが照射される。コンロッド接続部10の下方には撮像装置300が設けられている。撮像装置300は、撮像部(例えば、カメラ)303と、レンズ302と、偏光板304とを備えている。
[0040]
 ピン孔206aのピストン外周面側の開口から入射したレーザライン311aは、ピン孔206aの内周面に第1の光切断線を形成する。また、ピン孔206bのピストン外周面側の開口から入射したレーザライン311bは、ピン孔206bの内周面に第2の光切断線を形成する。コンロッド接続部10の下方に設けられた撮像装置300は、ピン孔206a,206bの内周面に照射されたレーザライン311a,311bの反射、散乱光を撮像する。
[0041]
 レーザライン311a,311bの反射、散乱光は、ピン孔206a,206bのコネクティングロッド側の開口を通って撮像装置300に入射するが、照明と撮像部303と内周面との位置関係により輝度が大きく変化する。この変化を最小限に抑えるため、レンズ302の前面には偏光板304が設けられている。偏光板304の角度をレーザラインの出射偏光に合わせてクロスニコルの状態に選択することで、輝度分布を抑えた画像を取得することができる。
[0042]
 図5(b)において、レーザライン311a,311bの出射点を、それぞれs1(ys1、zs1)、s2(ys2、zs2)とする。コンロッド接続部10の下端からピン孔上端までの距離をhとすると、レーザライン311a,311bがピン孔206a,206bの上端に到達する点c1(yc1、h)、c2(yc2、h)のy座標は次式(2)、(3)のように表すことができる。ここで、角度θ1,θ2は、レーザライン311a,311bの出射角度である。
  yc1=ys1+(h-zs1)/tanθ1   …(2)
  yc2=ys2+(h-zs2)/tanθ2   …(3)
[0043]
 また、点c1と点c2との間のy方向の距離dは次式(4)で算出できる。
  d=yc2-yc1   …(4)
[0044]
 基準面201とピン孔軸芯との距離であるコンプレッションハイトCHは、基準面201からコンロッド接続部10の下端までの距離Lと、ピン孔206a,206bの孔径Dとを用いて次式(5)のように表すことができる。従って、撮像装置300の撮像画像から得られる距離dと式(2)~(4)とからhを算出し、算出された距離hを式(5)に代入することで、コンプレッションハイトCHを算出することができる。
  CH=L-(h-D/2)   …(5)
[0045]
 図6は、撮像装置300により撮像された画像の一例を模式的に示したものである。なお、図6ではピン孔206a,206bの軸芯203は、y軸に対してxy平面内およびxy平面に垂直な平面内において傾いている。xy平面内の傾きは角度αである。また、軸芯203がxy平面に垂直な平面内において傾いているために、光切断線312a,312bは、傾いていない場合に予測される基準光切断線313a,313bに対して距離eだけ位置ずれしている。式(3)~(5)を用いたコンプレッションハイトCHの演算は、このような傾きを補正した上で行われる。
[0046]
 ピン孔206a,206bは円筒形状なので、撮像画像中の光切断線312a,312bは楕円の一部を形成している。その楕円の短軸寸法はピン孔206a,206bの孔径Dとなり、長軸寸法は傾きθ1,θ2をθで代表して表すとD/sinθとなる。光切断線312a,312bの長軸上の変曲点が上述した点c1,c2に対応している。図6に示す撮像画像では、ピン孔206a,206bの軸芯203が所定の軸方向(図3における軸方向)に対して傾いているので、変曲点間の距離をd1は傾いていない場合の距離dよりも若干長くなっている。このように、図6に示す撮像画像から、ピン孔206a,206bのコンプレッションハイトおよび姿勢を算出することができる。
[0047]
 なお、基準光切断線313a,313bの位置は予めピン孔径、コンプレッションハイトが既知のサンプルを用いて計測しておくとともに、レーザライン311a,311bの照射方向や撮像装置300の設置位置の基本構成も較正しておく。また、ピン孔206a,206bを観察するには広角のレンズが必要になるため、事前にチェッカーボード等を用いた較正をしておく。
[0048]
 また、ピン孔206a,206bの軸芯203の回転角度や傾きを考慮して容積算出を行うことにより、高精度な容積値管理を可能とする。なお、高精度なピン孔加工を行うことにより、ピン孔傾きは容積値への影響が少ないため、容積算出時にコンプレッションハイトのみ考慮してもよい。
[0049]
 図7は、コンプレッションハイト計測の手順を示すフローチャートである。ステップS200においてピストン本体1aを所定の計測位置に配置したならば、ステップS201においてレーザライン311a,311bをピン孔206a,206bに照射する。ステップS202では、レーザライン311a,311bが照射されたピン孔206a,206bからの反射、散乱光を撮像装置300で撮像する。
[0050]
 続くステップS203からステップS206までの処理は、撮像データに基づくコンプレッションハイト算出処理を示す。画像処理によるコンプレッションハイト算出方法は種々あるが、ここでは、光切断線の幾何的な特徴を利用した方法について示す。まず、ステップS203において、取得した画像中の2本の光切断線312a,312bに楕円フィッティングを施す。次いで、ステップS204では、楕円フィッティングにより算出した楕円を表すパラメータから、楕円長軸方向および長軸上の変曲点c1,c2を算出し、ステップS205において変曲点c1,c2間の距離dを算出する。ステップS206では、距離dに基づいてコンプレッションハイトを算出する。
[0051]
(変形例)
 図8は変形例を説明する図である。上述した実施の形態では、冠面の切削加工や溶射等による冠面への金属材の付加により容積修正を行ったが、ピストン本体1aの冠面形状は燃料の吸気効率、排気効率、燃焼効率に依存するため、手を加えないのが望ましい。そこで、変形例では、ピン孔の追加工によってコンプレッションハイトを修正し、容積修正を行う方法について説明する。
[0052]
 図8に示すように、ピストン側部のピン孔位置400に対し、設計値からΔCH3(=ΔV3/S)だけずらした位置を新しいコンプレッションハイトとしてエンドミル270にて追加工を実施する。なお、ピン孔追加工によりピン孔径が設計値となるよう、最初のピン孔加工は粗加工として若干小さめのピン孔を開けておき、追加工時を精密加工として、容積とピン孔径が設計値となるよう施す。
[0053]
 本実施の形態では、一つの撮像画像からコンプレッションハイトを計測することができるため、計測時間が非常に短い。そのため、秒単位の検査タクトが求められる量産品への適用も可能となる。この検査により、ピン孔加工工程の経時変化管理、良否判定、ピン孔位置によるグレード分け等が実現する。
[0054]
-第2の実施の形態-
 図9~図13を用いて、第2の実施の形態について説明する。図9は、第2の実施の形態におけるピストン製造ライン1001の構成および工程を説明する図である。なお、図9に示すピストン製造ライン1001は、図1に示したピストン製造ライン1000からコンプレッションハイト算出部151、修正ライン162、容積修正部170、合流部180を削除し、新たに容積誤差算出部154および廃棄ライン163を追加したものである。
[0055]
 本実施の形態では、ピン孔加工部130は、予め設定されたコンプレッションハイト設計値CHdの位置にピン孔加工を施す。図10は、ピストン本体1aに加工されたピン孔206a,206bを示す図である。ピン孔206aとピン孔206bは同軸に形成されているが、孔径が異なる。ピン孔206bの径寸法D2は、ピン孔206aの径寸法D1よりも大きく設定されている。ピン孔206a,206bを加工する際の軸芯203と冠面の基準面201との距離、すなわちコンプレッションハイトは設計値CHdに設定される。
[0056]
 容積誤差算出部154は、冠面容積計測部120にて計測された冠面容積と、コンプレッションハイト計測部140で計測されたピン孔206a,206bのコンプレッションハイトCH2とに基づいて、加工後の計測容積と基準容積との差ΔVを算出する。この差ΔVは、冠面容積の差ΔV1=V-Vdと、計測されたコンプレッションハイトCH2とコンプレッションハイト設計値CHdとの差ΔCH2=CH2-CHdに対応する容積差=S・(CHd-CH2)=-S・ΔCH2との和で表される。すなわち、この差ΔVがゼロであれば設計値通りの燃焼室容積となる。
[0057]
 判定部152は、容積誤差算出部154で算出された差ΔVの大きさ|ΔV|と予め設定された閾値ΔVthとを比較し、|ΔV|<ΔVthを判定する。ここで、閾値ΔVthは、後述する段付きのピストンピンで調整が可能な否かの判定値である。
[0058]
 分岐部160は、判定部152の判定結果に基づいて、|ΔV|<ΔVthの場合はピストン本体1aを良品ライン161へ搬送し、|ΔV|≧ΔVthの場合には廃棄ライン163へ搬送する。
[0059]
 補正量算出部153は、良品ライン161に搬送されたピストン本体1aに対し、容積補正量を達成するのに必要なコンプレッションハイト調整量ΔCHh=ΔV/Sを算出する。良品と判定されたピストン本体1aは、補正量算出部153で算出されたコンプレッションハイト調整量ΔCHが紐づけられ、梱包および出荷される。
[0060]
 ピストン本体1aは、コネクティングロッドを接続するためのピストンピンによってコンプレッションハイトの調整が行われる。調整用のピストンピンには、図11に示すような特殊な段付きピストンピン207が用いられる。ピストンピン207は、コンロッド接続用ピン部207cと、その両端に形成されて、ピストン本体1aのピン孔206a,206b(図10参照)に挿入されるピン孔接続用ピン部207a,207bとから成る。
[0061]
 ピン孔接続用ピン部207a,207bは同軸で形成されており、ピン孔接続用ピン部207aの径寸法はD1に設定され、ピン孔接続用ピン部207bの径寸法はD2に設定されている。また、コンロッド接続用ピン部207cの軸芯210は、ピン孔接続用ピン部207a,207bの軸芯209に対して偏心量ΔHだけ偏心している。コンロッド接続用ピン部207cの径寸法D3は、D1≦D3<D2のように設定されている。
[0062]
 ピストンピン207には、ピストンピン207をピストン本体1aに装着したときの偏心方向をピストン軸方向(z軸方向)に位置決めするための位置決め部208が設けられている。図11に示すピストンピン207の場合、コンロッド接続用ピン部207cの軸芯210はz軸マイナス方向に偏心しているので、コンプレッションハイトがΔHだけ大きくなる方向に調整される。ピン孔206a,206bおよびピストンピン207の構成をこのような構成とすることで、ピン孔位置は固定のままでコンプレッションハイトのみを調整することができる。
[0063]
 図12は、ピストンピン207を用いてコネクティングロッド220が接続されたピストン1を示す図である。ピストンピン207は、各ピン部の径寸法D1~D3がD1≦D3<D2のように設定されるとともに、各部の半径ra,rb,rcが以下のように設定されている。すなわち、図12に示すように、コンロッド接続用ピン部207cの上端位置がピン孔接続用ピン部207aの上端位置よりも高くなるようにrc>ra+ΔHと設定され、同様に、ピン孔接続用ピン部207bの上端位置がコンロッド接続用ピン部207cの上端位置よりも高くなるようにrb+ΔH>rcのように設定される。
[0064]
 ピストンピン207は図示右側から装着され、コンロッド接続用ピン部207cがコネクティングロッド220のピン孔221に挿入されることで、ピストン本体1aとコネクティングロッド220とがピン接続される。コネクティングロッド220は、コンロッド接続用ピン部207cの偏心量ΔHだけ図示下側に接続されることになる。その結果、コンプレッションハイトがΔHだけ大きくなる。
[0065]
 なお、偏心量ΔHの異なる複数のピストンピン207を予め用意しておき、補正量算出部153で算出されたコンプレッションハイト調整量ΔCHhに応じて、ピストンピン207による調整後の容積ずれが閾値ΔVth未満となるピストンピン207を選択すれば良い。また、ΔVの大きさに応じて、個別にΔH=ΔCHhとなるようにピストンピン207を製作しても良い。
[0066]
 図13は、第2の実施の形態のピストン製造ライン1001における処理手順を示すフローチャートである。図13のフローチャートにおいて、図2に示すフローチャートの場合と同様の処理を行うステップには同様の符号を付した。ステップS100において基準加工部100により加工され、ステップS101において冠面容積Vが算出されたピストン本体1aは、ピン孔加工部130によって、予め設定されたコンプレッションハイト設計値CHdの位置にピン孔加工が施される(S401)。
[0067]
 ステップS104では、加工されたピン孔206a,206bのコンプレッションハイトCH2をコンプレッションハイト計測部140にて計測する。
[0068]
 ステップS402では、加工後の計測容積と基準容積との差ΔVを容積誤差算出部154において算出する。
[0069]
 ステップS403では、容積誤差算出部154で算出された差ΔVの大きさ|ΔV|と予め設定された閾値ΔVthとを比較し、|ΔV|<ΔVthか否かを判定する。ステップS403において|ΔV|≧ΔVthと判定されるとステップS404へ進んで、ピストン本体1aが廃棄ライン163へ搬送される。
[0070]
 一方、ステップS403において|ΔV|<ΔVthと判定された場合には、ステップS405へ進んでピストン本体1aが良品ライン161へ搬送される。
[0071]
 ステップS406では、補正量算出部153において、良品ライン161に搬送されたピストン本体1aに対し、容積補正量を達成するのに必要なコンプレッションハイト調整量ΔCHh=ΔV/Sが算出される。各ピストン本体1aには各々に対応したコンプレッションハイト調整量ΔCHhが紐づけられ、梱包および出荷される(S407)。
[0072]
 また、不良の個数、種類の履歴を保存しておき、特定の不良数が一定割合を超えた場合に、その情報を基準加工部100やピン孔加工部130等のピストン加工へフィードバックして、鋳造工程101、機械加工工程102、ピン孔加工の加工条件を変更することで、不良品の発生をさらに抑えることができる。または、不良の個数、種類の履歴を保存しておき、特定の不良数が一定割合を超えた場合に加工を停止することで、加工されるピストンの品質確保を行うことも可能である。
[0073]
 上述した実施の形態によれば、次の作用効果が得られる。
(C1)上述したピストン製造方法では、冠面200が加工されたピストンに基準面201を形成し、基準面201をピストン軸方向位置基準として、設定ピン孔位置にピン孔206a,206bを加工し、ピン孔206a,206bから基準面201までのコンプレッションハイトCH2を計測し、計測されたコンプレッションハイトCH2と距離基準値(CHd+ΔCH1)との差ΔCH3に基づいて、ピン孔206a,206bのピストン軸方向位置を評価する。
[0074]
 例えば、図3のステップS106の処理のように、差ΔCH3に相当する容積ΔV3の大きさ|ΔV3|が閾値ΔVth未満か否かを判定し、|ΔV3|<ΔVthであれば良品と判定する。
[0075]
 このように、ピン孔加工後のピストン軸方向位置を評価することで、加工精度の高いピストンのみを良品として選定することができ、製品の精度向上を図ることができる。
[0076]
(C2)差ΔCH3に相当する容積ΔV3の大きさ|ΔV3|が所定閾値ΔVth以上の場合には、図4に示すように基準面201を基準とする冠面容積を差ΔCH3に応じて修正する修正処理、または、図8に示すように、ピン孔206a,206bの追加工を行ってピストン軸方向位置を修正する修正処理を行う。このような修正処理を行うことで、|ΔV3|≧ΔVthと判定されて不良品とされたピストンを良品へと修正することができ、不良品の発生を抑えることができる。
[0077]
(C3)また、差ΔCH3に相当する容積ΔV3の大きさ|ΔV3|が所定閾値ΔVth以上の場合に、差ΔCH3をピストンの加工へフィードバックするのが好ましい。それによって、不良品の発生をさらに抑えることができる。
[0078]
(C4)また、図13のステップS407の処理のように、差の大小に関する情報、すなわち、計測容積と基準容積との差ΔVに基づくコンプレッションハイト調整量ΔCHh=ΔV/Sを、ピストン毎に付与するようにしても良い。その結果、ピストン本体1aを追加工する代わりに、例えば、図11に示すような段付きピストンピン207を用いてコンプレッションハイトを調整することで、高精度なピストン1を得ることができる。
[0079]
(C5),(C6)また、ピン孔206a,206bの内周面に指向性の線状の光であるレーザライン311a,311bを斜入射し、内周面に形成された光切断線312a,312bを撮像装置300で撮像し、撮像された光切断線312a,312bの形状データに基づいてコンプレッションハイトを算出するピストンピン孔計測方法により、上述したピストン製造方法におけるコンプレッションハイトを計測するようにしても良い。このように、光を用いた計測方法を使用することにより、コンプレッションハイトの計測をインラインで高速に行うことができる。
[0080]
(C7)また、ピストンピン孔は、コネクティングロッドを挟むように同軸で形成されるピン孔206a,206bから成り、図5に示すように、ピン孔206aの内周面にレーザライン311aを入射し、ピン孔206bの内周面にレーザライン311aと異なる入射角でレーザライン311bを入射し、ピン孔206aの内周面に形成された光切断線312aおよびピン孔206bの内周面に形成された光切断線312bを撮像装置300でそれぞれ撮像し、撮像された2つの光切断線312a,312bの形状データに基づいてコンプレッションハイトを算出するのが好ましい。
[0081]
 このような計測方法を採用することで、一つの撮像画像からコンプレッションハイトを計測することができ、計測時間が非常に短い。そのため、秒単位の検査タクトが求められる量産品への適用も可能となる。この検査により、ピン孔加工工程の経時変化管理、良否判定、ピン孔位置によるグレード分け等が実現する。
[0082]
(C8)図5に示す計測方法では、レーザライン311aはピン孔206aのピストン外周面側の開口から入射し、レーザライン311bはピン孔206bのピストン外周面側の開口から入射する構成とすることで、中央に配置された撮像装置300でレーザライン311a,311bの反射、散乱光を撮像が可能となる。
[0083]
(C9)さらに、撮像装置300は、ピン孔206aのコネクティングロッド側の開口から出射される光切断線312aからの光、およびピン孔206bのコネクティングロッド側の開口から出射される光切断線312bからの光をそれぞれ撮像することで、一つの撮像装置300で二つの光切断線312a,312bを撮像することができる。
[0084]
 ただし、撮像装置300の数を一つに限定しなければ、図14に示すような構成としても構わない。図14に示す構成では、レーザライン311a,311bをピン孔206a,206bのコネクティングロッド側の開口からそれぞれ入射させ、ピストン外周面側に配置された二つの撮像装置300でレーザライン311a,311bの反射、散乱光を撮像するようにしている。
[0085]
(C10)図12に示すように、ピストン1は、ピン孔206a,206bが同軸で形成されたコンロッド接続部10を有するピストン本体1aと、ピン孔206aに挿入されるピン孔接続用ピン部207a、ピン孔206bに挿入されるピン孔接続用ピン部207b、およびピン孔206aとピン孔206bとの間に設けられたコンロッド接続用ピン部207cを有するピストンピン207と、コンロッド接続用ピン部207cが挿入されるピン孔221が形成されたコネクティングロッド220と、を備える。
[0086]
 そして、コンロッド接続用ピン部207cの軸芯210は、ピン孔接続用ピン部207a,207bの軸芯209に対してピストン軸方向にΔHだけ偏心している。このような偏心したコンロッド接続用ピン部207cを有するピストンピン207を使用するピン接続構造としたので、偏心量ΔHを調整することで、ピストン本体1aのコンプレッションハイトの誤差に対する調整を高精度に行うことができる。また、不良品と判定されたピストン本体1aであっても、ピストンピン207の偏心量ΔHを適切な値に設定することで、良品として使用することができ、不良品の発生を低減することができる。
[0087]
(C11),(C12)また、ピストンピン207は、図12に示すようにピン孔接続用ピン部207aの半径raはコンロッド接続用ピン部207cの半径rcよりも小さく、ピン孔接続用ピン部207bの半径rbはコンロッド接続用ピン部207cの半径rcよりも大きく設定されている。また、rc-ra>ΔH、およびrb-rc>ΔHのように設定されている。このような構成とすることでピストン本体1aへのコネクティングロッド220のピン接続が容易な構造となる。
[0088]
 これまで説明してきた実施例は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されない。すなわち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
[0089]
 次の優先権基礎出願の開示内容は引用文としてここに組み込まれる。
 日本国特許出願2017年第004317号(2017年1月13日出願)

符号の説明

[0090]
 1…ピストン、1a…ピストン本体、10…コンロッド接続部、100…基準加工部、110…搬送部、120…冠面容積計測部、130…ピン孔加工部、140…コンプレッションハイト計測部、150…信号処理部、151…コンプレッションハイト算出部、152…判定部、153…補正量算出部、154…容積誤差算出部、160…分岐部、161…良品ライン、162…修正ライン、163…廃棄ライン、170…容積修正部、180…合流部、190…制御部、200…冠面、201…基準面、203,209,210…軸芯、206a,206b…ピン孔、207…ピストンピン、207a,207b…ピン孔接続用ピン部、207c…コンロッド接続用ピン部、220…コネクティングロッド、251,261…補正箇所,300…撮像装置、301a,301b…レーザライン光源、311a,311b…レーザライン、312a,312b…光切断線、1000,1001…ピストン製造ライン

請求の範囲

[請求項1]
 ピストンの冠面に基準面を形成する形成ステップと、
 前記基準面をピストン軸方向の位置基準として、設定された位置にピストンピン孔を加工する加工ステップと、
 前記ピストンピン孔から前記基準面までの距離であるコンプレッションハイトを計測する計測ステップと、
 計測されたコンプレッションハイトと距離基準値との差に基づいて、前記ピストンピン孔のピストン軸方向位置を評価する評価ステップと、を有するピストン製造方法。
[請求項2]
 請求項1に記載のピストン製造方法において、
 前記計測ステップは、
 前記ピストンピン孔の内周面に、指向性の光を照射し、
 前記内周面に照射された前記光を撮像装置で撮像して撮像データを取得し、
 前記撮像データに基づいて、前記ピストンピン孔から前記基準面までの距離であるコンプレッションハイトを取得する、ピストン製造方法。
[請求項3]
 請求項2に記載のピストン製造方法において、
 前記計測ステップは、
 前記撮像データに基づいて前記ピストンピン孔の軸芯から前記ピストンの冠面の前記基準面までの距離を前記コンプレッションハイトとして取得する、ピストン製造方法。
[請求項4]
 請求項2に記載のピストン製造方法において、
 前記指向性の光は、線状の光であり、
 前記ピストンピン孔の内周面に照射された前記光の光切断線を撮像装置で撮像して前記撮像データを取得する、ピストン製造方法。
[請求項5]
 請求項4に記載のピストン製造方法において、
 前記ピストンピン孔はピストンピンを介して接続されるコネクティングロッドを挟むように形成される第1孔部と第2孔部とを有し、
 前記線状の光は前記第1孔部および前記第2孔部の外方から内方に向け各々斜めに照射され、
 前記第1孔部と前記第2孔部の内周面に照射された前記光の光切断線を撮像装置で撮像して前記撮像データを取得する、ピストン製造方法。
[請求項6]
 請求項1に記載のピストン製造方法において、
 前記コンプレッションハイトと前記距離基準値との差の大きさが閾値以上の場合には、前記差の情報を前記加工ステップへフィードバックするステップをさらに有する、ピストン製造方法。
[請求項7]
 請求項1に記載のピストン製造方法において、
 前記コンプレッションハイトと前記距離基準値との差の大きさが閾値以上の場合には、前記差に応じて前記冠面を修正する、または、前記ピストンピン孔のピストン軸方向位置を修正するステップをさらに有する、ピストン製造方法。
[請求項8]
 請求項7に記載のピストン製造方法において、
 前記修正に関する情報をピストン毎に付与された識別記号に紐づけして修正履歴として保存するステップをさらに有する、ピストン製造方法。
[請求項9]
 請求項8に記載のピストン製造方法において、
 前記修正履歴があらかじめ定めた割合を超えた場合に、修正履歴情報を加工ステップにフィードバックして加工条件を変更する、ピストン製造方法。
[請求項10]
 請求項1に記載のピストン製造方法において、
 前記冠面の前記基準面以外の箇所において、前記コンプレッションハイトに応じて、前記冠面の形状を変更して補正する補正ステップをさらに有する、ピストン製造方法。
[請求項11]
 請求項10に記載のピストン製造方法において、
 前記補正ステップは、前記コンプレッションハイトが基準値より小さい場合は、前記冠面の前記基準面以外の箇所において、切削して前記冠面の形状を変更する、ピストン製造方法。
[請求項12]
 請求項10に記載のピストン製造方法において、
 前記補正ステップは、前記コンプレッションハイトが基準値より大きい場合は、前記冠面の前記基準面以外の箇所において、物質を付加して前記冠面の形状を変更する、ピストン製造方法。
[請求項13]
 ピストンピンを介してコネクティングロッドが結合されるピストンピン孔を有するピストンの前記ピストンピン孔を計測するピストン計測方法であって、
 前記ピストンピン孔の内周面に指向性の光を照射するステップと、
 前記内周面に照射された前記光を撮像装置で撮像し、撮像データを取得するステップと、
 前記ピストンピン孔の位置データに基づき前記ピストンピン孔からピストン基準面までの距離であるコンプレッションハイトを取得するステップと、を有するピストン計測方法。
[請求項14]
 請求項13に記載のピストン計測方法において、
 前記指向性の光は、線状の光であり、
 前記ピストンピン孔の内周面に照射された前記光の光切断線を撮像装置で撮像して撮像データを取得する、ピストン計測方法。
[請求項15]
 請求項4に記載のピストン製造方法におけるピストン計測方法であって、
 前記ピストンピン孔はピストンピンが挿入される第1孔部と第2孔部とを備え、
 前記線状の光は前記第1孔部および前記第2孔部の外方から内方に向け斜めに第1の光および第2の光が照射され、
 前記第1孔部と前記第2孔部の内周面に照射された前記第1の光および前記第2の光の切断線を撮像装置で撮像して前記撮像データを取得し、
 前記撮像データに基づいて前記ピストンピン孔のピストン基準面からの距離であるコンプレッションハイトを取得する、ピストン計測方法。
[請求項16]
 請求項15に記載のピストン計測方法において、
 前記撮像装置は、前記第1孔部と前記第2孔部の間から各々の内周面に照射された前記光の光切断線を撮像する、ピストン計測方法。
[請求項17]
 基準面が形成された冠面と、
 コネクティングロッドが連結されるピン孔と、を有するピストンであって、
 前記冠面は、前記ピストンの軸方向における前記ピン孔と前記基準面の間隔であるコンプレッションハイトに応じて冠面形状が変更されている補正部を有するピストン。
[請求項18]
 請求項17に記載のピストンにおいて、
 前記コンプレッションハイトが基準値より小さい場合は、前記補正部の一部が除去されているピストン。
[請求項19]
 請求項17に記載のピストンにおいて、
 前記コンプレッションハイトが基準値より大きい場合は、前記補正部に物質が付加されているピストン。
[請求項20]
 請求項17に記載のピストンにおいて、
 前記補正部は、前記冠面の前記基準面以外の箇所に設けられているピストン。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]

[ 図 13]

[ 図 14]