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1. (WO2018123693) SURFACE-PROTECTIVE FILM
Document

明 細 書

発明の名称 表面保護フィルム

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

先行技術文献

特許文献

0004  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0005   0006   0007  

課題を解決するための手段

0008   0009   0010   0011  

発明の効果

0012  

図面の簡単な説明

0013  

発明を実施するための形態

0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101  

実施例

0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117   0118   0119   0120   0121   0122   0123   0124   0125   0126   0127   0128   0129   0130  

産業上の利用可能性

0131  

符号の説明

0132  

請求の範囲

1   2   3   4  

図面

1  

明 細 書

発明の名称 : 表面保護フィルム

技術分野

[0001]
 本発明は、セパレータ付き光学用表面保護フィルムに関する。特に、光学部材(例えば、液晶ディスプレイなどに用いられる偏光板、波長板、位相差板、光学補償フィルム、反射シート、輝度向上フィルム等)表面の保護に用いられる光学用表面保護フィルムを構成する粘着剤層表面を、実使用の際まで保護するために使用される特定のセパレータを貼付(積層)することで、作業性や打痕の発生を予防でき、有用である。

背景技術

[0002]
 表面保護フィルムは、一般に、フィルム状の基材フィルム(支持体)上に粘着剤層が設けられた構成を有する。かかる表面保護フィルムは、前記粘着剤層を介して被着体である光学部材に貼り合わされ、これにより光学部材を加工、搬送、検査時等の際の表面の傷や汚れから保護する目的で用いられる。例えば、液晶ディスプレイのパネルは、液晶セルに粘着剤層を介して、偏光板や波長板等の光学部材を貼り合わせることにより形成されている。かかる粘着剤層は、実際に光学部材に貼付される前まで、乾燥などから保護する必要性から、離型処理されたセパレータなどにより保護され、保管される(特許文献1)。
[0003]
 その後、実際に前記表面保護フィルムの粘着剤層表面が光学部材に貼付され使用される際に、セパレータは剥離され、除去される。

先行技術文献

特許文献

[0004]
特許文献1 : 特開2012-224811

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0005]
 なお、セパレータが厚手の場合、剥離され、除去する際にセパレータの重量が増加することで、廃セパレータの増加や作業性に劣る問題が発生している。
[0006]
 また、厚手のセパレータの代わりに薄手のセパレータを粘着剤塗工時に使用すると、セパレータ表面に付着しているセパレータを構成する基材等に含まれる微粒子(例えば、ポリエステル系のフィラー等)に起因して、粘着剤層が形成される際に、粘着剤層表面に打痕を発生させる原因となる。さらに、粘着剤層表面に打痕が発生した状態で被着体に貼り合せると、粘着剤層と被着体との間の打痕部分(空間)に気泡が入り、被着体の検査時における検査性を悪化させる問題が生じる。
[0007]
 そこで、本発明者らは、上記事情に鑑み、鋭意研究した結果、光学用表面保護フィルムに積層するセパレータを構成するポリエステル系基材に空洞を設け、ポリエステル系基材の比重を低く抑えることで、セパレータ自体の重量を低く抑えることができ、作業性に優れ、更に、空洞を有することで、クッション性に優れ、セパレータに起因する打痕の発生を抑えることができ、検査性に優れたセパレータ付き光学用表面保護フィルムを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0008]
 すなわち、本発明のセパレータ付き光学用表面保護フィルムは、基材フィルムの少なくとも片面に粘着剤層を有する光学用表面保護フィルム、及び、前記基材フィルムの粘着剤層と接触する面と反対面に、セパレータを有するセパレータ付き光学用表面保護フィルムであって、前記セパレータが、離型層とポリエステル系基材を有し、前記ポリエステル系基材中に空洞を有し、前記ポリエステル系基材の比重が1.2g/cm 以下であることを特徴とする。
[0009]
 本発明のセパレータ付き光学用表面保護フィルムは、前記ポリエステル系基材の体積に対して、空洞率が15%以上であることが好ましい。
[0010]
 本発明のセパレータ付き光学用表面保護フィルムは、前記基材フィルムが、ポリエステルフィルムであることが好ましい。
[0011]
 本発明のセパレータ付き光学用表面保護フィルムは、前記粘着剤層が、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、及び、シリコーン系粘着剤から選択される少なくとも1種を含有する粘着剤組成物から形成されることが好ましい。

発明の効果

[0012]
 本発明は、特定のセパレータを用いることで、セパレータ自体の重量を低く抑え、光学用表面保護フィルムへのセパレータの貼り合わせ作業性に優れ、更に、セパレータの優れたクッション性により、セパレータに起因する打痕の発生を抑えることができ、被着体に光学用表面保護フィルムを貼り合わせた状態での、検査性に優れるセパレータ付き光学用表面保護フィルムを得ることができ、有用である。

図面の簡単な説明

[0013]
[図1] 本発明に係るセパレータ付き光学用表面保護フィルムの一構成例を示す模式的断面図である。

発明を実施するための形態

[0014]
 以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
[0015]
<セパレータ付き光学用表面保護フィルムの全体構造>
 ここに開示されるセパレータ付き光学用表面保護フィルム(以下、単に「表面保護フィルム」という場合がある。)は、一般に、粘着テープ、粘着ラベル、粘着フィルム等と称される形態の粘着剤層表面がセパレータにより保護されるものであり、特に光学部品(例えば、偏光板、波長板等の液晶ディスプレイパネル構成要素として用いられる光学部品)の加工、検査、搬送時に光学部品の表面を保護する表面保護フィルムとして好適である。前記表面保護フィルムにおける粘着剤層は、典型的には連続的に形成されるが、かかる形態に限定されるものではなく、例えば点状、ストライプ状等の規則的あるいはランダムなパターンに形成された粘着剤層であってもよい。また、ここに開示される表面保護フィルムは、ロール状であってもよく、枚葉状であってもよい。
[0016]
<基材フィルム>
 本発明のセパレータ付き光学用表面保護フィルムを構成する光学用表面保護フィルムは、基材フィルムを有することを特徴とする。ここに開示される技術において、基材フィルムを構成する樹脂材料は、特に制限なく使用することができるが、例えば、透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮蔽性、等方性、可撓性、寸法安定性等の特性に優れたものを使用することが好ましい。特に、基材フィルムが可撓性を有することにより、ロールコーターなどによって粘着剤組成物を塗布することができ、ロール状に巻き取ることができ、有用である。
[0017]
 前記基材フィルム(支持体)として、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系ポリマー;ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース等のセルロース系ポリマー;ポリカーボネート系ポリマー;ポリメチルメタクリレート等のアクリル系ポリマー;等を主たる樹脂成分(樹脂成分のなかの主成分、典型的には50重量%以上を占める成分)とする樹脂材料から構成されたプラスチックフィルムを、前記基材フィルムとして好ましく用いることができる。前記樹脂材料の他の例としては、ポリスチレン、アクリロニトリル-スチレン共重合体等の、スチレン系ポリマー;ポリエチレン、ポリプロピレン、環状ないしノルボルネン構造を有するポリオレフィン、エチレン-プロピレン共重合体等の、オレフィン系ポリマー;塩化ビニル系ポリマー;ナイロン6、ナイロン6,6、芳香族ポリアミド等の、アミド系ポリマー;等を樹脂材料とするものが挙げられる。前記樹脂材料のさらに他の例として、イミド系ポリマー、スルホン系ポリマー、ポリエーテルスルホン系ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン系ポリマー、ポリフェニレンスルフィド系ポリマー、ビニルアルコール系ポリマー、塩化ビニリデン系ポリマー、ビニルブチラール系ポリマー、アリレート系ポリマー、ポリオキシメチレン系ポリマー、エポキシ系ポリマー等が挙げられる。上述したポリマーの2種以上のブレンド物からなる基材フィルムであってもよい。
[0018]
 前記基材フィルムとしては、透明な熱可塑性樹脂材料からなるプラスチックフィルムを好ましく採用することができる。前記プラスチックフィルムの中でも、ポリエステルフィルムを使用することが、より好ましい態様である。ここで、ポリエステルフィルムとは、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート等のエステル結合を基本とする主骨格を有するポリエステル系ポリマー材料(ポリエステル樹脂)を主たる樹脂成分とするものをいう。かかるポリエステルフィルムは、光学特性や寸法安定性に優れる等、表面保護フィルムの基材フィルムとして、好ましい特性を有する。
[0019]
 前記基材フィルムを構成する樹脂材料には、必要に応じて、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、着色剤(顔料、染料等)等の各種添加剤が配合されていてもよい。例えば、コロナ放電処理、プラズマ処理、紫外線照射処理、酸処理、アルカリ処理、下塗り剤の塗布等の、公知または慣用の表面処理が施されていてもよい。このような表面処理は、例えば、基材フィルムと粘着剤層との密着性(粘着剤層の投錨性)を高めるための処理であり得る。
[0020]
 前記基材フィルムとして、帯電防止処理がなされてなるプラスチックフィルムを使用することも可能である。前記基材フィルムを用いることにより、剥離した際の表面保護フィルム自体の帯電が抑えられるため、好ましい。また、基材フィルムがプラスチックフィルムであり、前記プラスチックフィルムに帯電防止処理を施すことにより、表面保護フィルム自体の帯電を低減し、かつ、被着体への帯電防止能が優れるものが得られる。なお、帯電防止機能を付与する方法としては、特に制限はなく、従来公知の方法を用いることができ、例えば、帯電防止剤と樹脂成分から成る帯電防止性樹脂や導電性ポリマー、導電性物質を含有する導電性樹脂を塗布する方法や導電性物質を蒸着あるいはメッキする方法、また、帯電防止剤等を練り込む方法等があげられる。
[0021]
 前記基材フィルムの厚みとしては、通常5~200μm、好ましくは10~100μm程度である。前記基材フィルムの厚みが、前記範囲内にあると、被着体への貼り合せ作業性と被着体からの剥離性や作業性に優れるため、好ましい。
[0022]
 ここに開示される表面保護フィルムは、基材フィルム、粘着剤層、及び、セパレータに加えて、さらに他の層を含む態様でも実施され得る。前記他の層としては、帯電防止層や粘着剤層の投錨性を高める下塗り層(アンカー層)などが挙げられる。
[0023]
<粘着剤層>
 本発明で用いられる粘着剤層は、粘着性を有する粘着性ポリマーを含有する粘着剤組成物から形成されるものであれば、特に制限なく使用できる。前記粘着剤組成物としては、例えば、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、合成ゴム系粘着剤、天然ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤等を使用することができ、中でも、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、及び、シリコーン系粘着剤からなる群より選択される少なくとも1種を使用(含有)するものが好ましく、前記粘着性ポリマーである(メタ)アクリル系ポリマーを含有する粘着剤組成物(アクリル系粘着剤)を使用することが、特に好ましい態様となる。
[0024]
 前記粘着剤層がアクリル系粘着剤を使用する場合、前記アクリル系粘着剤を構成する粘着性ポリマーである(メタ)アクリル系ポリマーは、これを構成する原料モノマーとして、炭素数1~14のアルキル基を有する(メタ)アクリル系モノマーを、主モノマーとして用いることができる。前記(メタ)アクリル系モノマーとしては、1種または2種以上を使用することができる。前記炭素数が1~14であるアルキル基を有する(メタ)アクリル系モノマーを用いることにより、被着体(被保護体)に対する剥離力(粘着力)を低く制御することが容易となり、軽剥離性や再剥離性に優れた表面保護フィルムが得られる。なお、本発明における(メタ)アクリル系ポリマーとは、アクリル系ポリマーおよび/またはメタクリル系ポリマーをいい、また(メタ)アクリレートとは、アクリレートおよび/またはメタクリレートをいう。
[0025]
 前記炭素数1~14のアルキル基を有する(メタ)アクリル系モノマーの具体例としては、たとえば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、s-ブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、へキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、n-ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、n-デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、n-ドデシル(メタ)アクリレート、n-トリデシル(メタ)アクリレート、n-テトラデシル(メタ)アクリレートなどがあげられる。
[0026]
 なかでも、本発明の表面保護フィルムにおいては、特に、n-ブチル(メタ)アクリレート、へキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、n-ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、n-デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、n-ドデシル(メタ)アクリレート、n-トリデシル(メタ)アクリレート、n-テトラデシル(メタ)アクリレートなどの炭素数4~14のアルキル基を有する(メタ)アクリル系モノマーが好適なものとしてあげられる。特に、炭素数4~14のアルキル基を有する(メタ)アクリル系モノマーを用いることにより、被着体への剥離力(粘着力)を低く制御することが容易となり、再剥離性に優れたものとなる。
[0027]
 特に、前記(メタ)アクリル系ポリマーを構成するモノマー成分全量100重量%に対して、炭素数1~14であるアルキル基を有する(メタ)アクリル系モノマーを、65重量%以上含有することが好ましく、より好ましくは、75重量%以上、更に好ましくは、85~99.9重量%、最も好ましくは90~99重量%である。50重量%未満になると、粘着剤組成物の適度な濡れ性や、粘着剤層の凝集力が劣ることになり、好ましくない。
[0028]
 また、前記(メタ)アクリル系ポリマーは、原料モノマーとして、ヒドロキシル基含有(メタ)アクリル系モノマーを用いることができる。前記ヒドロキシル基含有(メタ)アクリル系モノマーとしては、1種または2種以上を使用することができる。前記ヒドロキシル基含有(メタ)アクリル系モノマーを用いることにより、粘着剤組成物の架橋などを制御しやすくなり、ひいては流動による濡れ性の改善と剥離における剥離力(粘着力)の低減とのバランスを制御しやすくなる。
[0029]
 前記ヒドロキシル基含有(メタ)アクリル系モノマーとしては、たとえば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6-ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、8-ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、10-ヒドロキシデシル(メタ)アクリレート、12-ヒドロキシラウリル(メタ)アクリレート、(4-ヒドロキシメチルシクロヘキシル)メチルアクリレート、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、などがあげられる。
[0030]
 前記(メタ)アクリル系ポリマーを構成するモノマー成分全量100重量%に対して、前記ヒドロキシル基含有(メタ)アクリル系モノマーを、25重量%以下含有することが好ましく、より好ましくは、15重量%以下、更に好ましくは、0.1~10重量%である。前記範囲内にあると、粘着剤組成物の濡れ性と、得られる粘着剤層の凝集力のバランスを制御しやすくなるため、好ましい。
[0031]
 また、その他の重合性モノマー成分として、粘着性能のバランスが取りやすい理由から、Tgが0℃以下(通常-100℃以上)になるようにして、(メタ)アクリル系ポリマーのガラス転移温度や剥離性を調整するための重合性モノマーなどを、本発明の効果を損なわない範囲で使用することができる。
[0032]
 また、前記(メタ)アクリル系ポリマーは、原料モノマーとして、カルボキシル基含有(メタ)アクリル系モノマーを用いることができる。前記カルボキシル基含有(メタ)アクリル系モノマーを用いることにより、粘着剤層(表面保護フィルム)の経時での粘着力の上昇を抑制することができ、再剥離性、粘着力上昇防止性、及び作業性に優れる。また、粘着剤層の凝集力と共に、せん断力にも優れ、好ましい。
[0033]
 前記カルボキシル基含有(メタ)アクリル系モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、カルボキシルエチル(メタ)アクリレート、カルボキシルペンチル(メタ)アクリレートなどがあげられる。
[0034]
 前記(メタ)アクリル系ポリマーを構成するモノマー成分全量100重量%に対して、前記カルボキシル基含有(メタ)アクリル系モノマーを、10重量%以下であることが好ましく、0~8重量%であることがより好ましく、0~6重量%であることが更に好ましい。前記範囲内にあると、粘着剤組成物の濡れ性と、得られる粘着剤層の凝集力のバランスを制御しやすくなるため、好ましい。
[0035]
 更に、前記(メタ)アクリル系ポリマーは、前記原料モノマー以外のその他の重合性モノマーを、本発明の特性を損なわない範囲内であれば、特に限定することなく用いることができる。たとえば、前記その他の重合性モノマーとして、シアノ基含有モノマー、ビニルエステルモノマー、芳香族ビニルモノマーなどの凝集力・耐熱性向上成分や、アミド基含有モノマー、イミド基含有モノマー、アミノ基含有モノマー、エポキシ基含有モノマー、N-アクリロイルモルホリン、ビニルエーテルモノマーなどの剥離力(粘着力)の向上や架橋化基点として働く官能基を有する成分を適宜用いることができる。中でも、シアノ基含有モノマー、アミド基含有モノマー、イミド基含有モノマー、アミノ基含有モノマー、及び、N-アクリロイルモルホリンなどの窒素含有モノマーを用いることが好ましい。窒素含有モノマーを用いることにより、浮きや剥がれなどが生じない適度な剥離力(粘着力)を確保でき、更にせん断力に優れた表面保護フィルムを得ることができるため、有用である。これら重合性モノマーは、1種また2種以上を使用することができる。
[0036]
 前記シアノ基含有モノマーとしては、たとえば、アクリロニトリル、メタクリロニトリルがあげられる。
[0037]
 前記アミド基含有モノマーとしては、たとえば、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、N-ビニルピロリドン、N,N-ジメチルアクリルアミド、N,N-ジメチルメタクリルアミド、N,N-ジエチルアクリルアミド、N,N-ジエチルメタクリルアミド、N,N’-メチレンビスアクリルアミド、N,N-ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N-ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドなどがあげられる。
[0038]
 前記イミド基含有モノマーとしては、たとえば、シクロヘキシルマレイミド、イソプロピルマレイミド、N-シクロヘキシルマレイミド、イタコンイミドなどがあげられる。
[0039]
 前記アミノ基含有モノマーとしては、たとえば、アミノエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレートなどがあげられる。
[0040]
 前記ビニルエステルモノマーとしては、たとえば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ラウリン酸ビニルなどがあげられる。
[0041]
 前記芳香族ビニルモノマーとしては、たとえば、スチレン、クロロスチレン、クロロメチルスチレン、α-メチルスチレン、その他の置換スチレンなどがあげられる。
[0042]
 前記エポキシ基含有モノマーとしては、たとえば、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテルなどがあげられる。
[0043]
 前記ビニルエーテルモノマーとしては、たとえば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテルなどがあげられる。
[0044]
 本発明において、前記その他の重合性モノマーは、前記(メタ)アクリル系ポリマーを構成するモノマー成分全量100重量%に対して、0~30重量%であることが好ましく、0~10重量%であることがより好ましい。前記その他の重合性モノマーは所望の特性を得るために、適宜調節することができる。
[0045]
 前記(メタ)アクリル系ポリマーが、更に、モノマー成分としてアルキレンオキシド基含有反応性モノマーを含有してもよい。
[0046]
 また、前記アルキレンオキシド基含有反応性モノマーのオキシアルキレン単位の平均付加モル数としては、オキシアルキレン基含有化合物との相溶性の観点から、1~40であることが好ましく、3~40であることがより好ましく、4~35であることがさらに好ましく、5~30であることが特に好ましい。前記平均付加モル数が1以上の場合、被着体(被保護体)の汚染低減効果が効率よく得られる傾向がある。また、前記平均付加モル数が40より大きい場合、オキシアルキレン基含有化合物との相互作用が大きく、粘着剤組成物の粘度が上昇して塗工が困難となる傾向があるため好ましくない。なお、オキシアルキレン鎖の末端は、水酸基のままや、他の官能基などで置換されていてもよい。
[0047]
 前記アルキレンオキシド基含有反応性モノマーは単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよいが、全体としての含有量は、前記(メタ)アクリル系ポリマーのモノマー成分全量中、0~20重量%であることが好ましく、0~10重量%であることがより好ましい。アルキレンオキシド基含有反応性モノマーの含有量が20重量%を超えると、被着体への汚染性が悪化するため、好ましくない。
[0048]
 前記アルキレンオキシド基含有反応性モノマーのオキシアルキレン単位としては、炭素数1~6のアルキレン基を有するものがあげられ、たとえば、オキシメチレン基、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシブチレン基などがあげられる。オキシアルキレン鎖の炭化水素基は直鎖でもよく、分岐していてもよい。
[0049]
 また、前記アルキレンオキシド基含有反応性モノマーがエチレンオキシド基を有する反応性モノマーであることがより好ましい。エチレンオキシド基を有する反応性モノマー含有(メタ)アクリル系ポリマーをベースポリマーとして用いることにより、ベースポリマーとオキシアルキレン基含有化合物との相溶性が向上し、被着体へのブリードが好適に抑制され、低汚染性の粘着剤組成物が得られる。
[0050]
 前記アルキレンオキシド基含有反応性モノマーとしては、たとえば、(メタ)アクリル酸アルキレンオキシド付加物や、分子中にアクリロイル基、メタクリロイル基、アリル基などの反応性置換基を有する反応性界面活性剤などがあげられる。
[0051]
 前記(メタ)アクリル酸アルキレンオキシド付加物の具体例としては、たとえば、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール-ポリブチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール-ポリブチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、オクトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ラウロキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ステアロキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、オクトキシポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレートなどがあげられる。
[0052]
 また、前記反応性界面活性剤の具体例としては、たとえば、(メタ)アクリロイル基またはアリル基を有するアニオン型反応性界面活性剤、ノニオン型反応性界面活性剤、カチオン型反応性界面活性剤などがあげられる。
[0053]
 前記(メタ)アクリル系ポリマーは、重量平均分子量(Mw)が10万~500万が好ましく、より好ましくは20万~400万、さらに好ましくは30万~300万、最も好ましくは30万~120万である。重量平均分子量が10万より小さい場合は、粘着剤層の凝集力が小さくなることにより糊残りを生じる傾向がある。一方、重量平均分子量が500万を超える場合は、ポリマーの流動性が低下し、被着体(例えば、偏光板)への濡れが不十分となり、被着体と表面保護フィルムの粘着剤層との間に発生するフクレの原因となる傾向がある。なお、重量平均分子量は、GPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー)により測定して得られたものをいう。
[0054]
 また、前記(メタ)アクリル系ポリマーのガラス転移温度(Tg)は、0℃以下が好ましく、より好ましくは-10℃以下である(通常-100℃以上)。ガラス転移温度が0℃より高い場合、ポリマーが流動しにくく、例えば、光学部材である偏光板への濡れが不十分となり、偏光板と表面保護フィルムの粘着剤層との間に発生するフクレの原因となる傾向がある。特にガラス転移温度を-70℃以下にすることで偏光板への濡れ性と軽剥離性に優れる粘着剤層が得られ易くなる。なお、(メタ)アクリル系ポリマーのガラス転移温度は、用いるモノマー成分や組成比を適宜変えることにより前記範囲内に調整することができる。
[0055]
 前記(メタ)アクリル系ポリマーの重合方法は、特に制限されるものではなく、溶液重合、乳化重合、塊状重合、懸濁重合などの公知の方法により重合できるが、特に作業性の観点や、被着体(被保護体)への低汚染性など特性面から、溶液重合がより好ましい態様である。また、得られるポリマーは、ランダム共重合体、ブロック共重合体、交互共重合体、グラフト共重合体などいずれでもよい。
[0056]
 前記粘着剤層にウレタン系粘着剤を使用する場合、任意の適切なウレタン系粘着剤を採用し得る。このようなウレタン系粘着剤としては、好ましくは、ポリオールとポリイソシアネート化合物を反応させて得られる粘着性ポリマーであるウレタン系ポリマーからなるものが挙げられる。ポリオールとしては、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリカプロラクトンポリオールなどが挙げられる。ポリイソシアネート化合物としては、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどが挙げられる。
[0057]
 前記粘着剤層にシリコーン系粘着剤を使用する場合、任意の適切なシリコーン系粘着剤を採用し得る。このようなシリコーン系粘着剤としては、好ましくは、粘着性ポリマーであるシリコーン系ポリマーをブレンドまたは凝集させることにより得られるものを採用し得る。
[0058]
 また、前記シリコーン系粘着剤としては、付加反応硬化型シリコーン系粘着剤や過酸化物硬化型シリコーン系粘着剤が挙げられる。これらのシリコーン系粘着剤の中でも、過酸化物(過酸化ベンゾイルなど)を使用せず、分解物が発生しないことから、付加反応硬化型シリコーン系粘着剤が好ましい。
[0059]
 前記付加反応硬化型シリコーン系粘着剤の硬化反応としては、例えば、ポリアルキルシリコーン系粘着剤を得る場合、一般的に、ポリアルキル水素シロキサン組成物を白金触媒により硬化させる方法が挙げられる。
[0060]
<オキシアルキレン基含有化合物>
 本発明で用いる粘着剤組成物は、オキシアルキレン基含有化合物を含有することも可能である。オキシアルキレン基含有化合物を含有することにより、更に軽剥離性を発現させることが可能である。オキシアルキレン基含有化合物としては、オキシアルキレン鎖を有するオルガノポリシロキサンやオルガノポリシロキサンを含まないオキシアルキレン基含有化合物が挙げられる。
[0061]
 前記オキシアルキレン鎖を有するオルガノポリシロキサンの具体例としては、主鎖にオキシアルキレン鎖を有するオルガノポリシロキサンの具体例として、たとえば、市販品として、商品名が、X-22-4952、X-22-4272、X-22-6266、KF-6004、KF-889(以上、信越化学工業社製)、BY16-201、SF8427(以上、東レ・ダウコーニング社製)、IM22(旭化成ワッカー社製)などがあげられる。また、側鎖にオキシアルキレン鎖を有するオルガノシロキサンとしては、たとえば、市販品としての商品名KF-351A、KF-352A、KF-353、KF-354L、KF-355A、KF-615A、KF-945、KF-640、KF-642、KF-643、KF-6022、X-22-6191、X-22-4515、KF-6011、KF-6012、KF-6015、KF-6017、X-22-2516(以上、信越化学工業社製)SF8428、FZ-2162、SH3749、FZ-77、L-7001、FZ-2104、FZ-2110、L-7002、FZ-2122、FZ-2164、FZ-2203、FZ-7001、SH8400、SH8700、SF8410、SF8422(以上、東レ・ダウコーニング社製)、TSF-4440,TSF-4441、TSF-4445、TSF-4450、TSF-4446、TSF-4452、TSF-4460(モメンティブパフォーマンスマテリアルズ社製)、BYK-333、BYK-307、BYK-377、BYK-UV3500、BYK-UV3570(ビックケミー・ジャパン社製)などがあげられる。これらの化合物は、単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
[0062]
 前記オルガノポリシロキサンを含まないオキシアルキレン基含有化合物の具体例としては、たとえば、ポリオキシアルキレンアルキルアミン、ポリオキシアルキレンジアミン、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルアリルエーテル等の非イオン性界面活性剤;ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテルリン酸エステル塩等のアニオン性界面活性剤;その他、ポリオキシアルキレン鎖(ポリアルキレンオキシド鎖)を有するカチオン性界面活性剤や両イオン性界面活性剤、ポリオキシアルキレン鎖を有するポリエーテル系化合物(およびその誘導体を含む)、ポリオキシアルキレン鎖を有するアクリル化合物(およびその誘導体を含む)等が挙げられる。また、ポリオキシアルキレン鎖含有モノマーを、ポリオキシアルキレン鎖含有化合物として配合してもよい。かかるポリオキシアルキレン鎖含有化合物は、単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
[0063]
 前記ポリオキシアルキレン鎖を有するポリエーテル系化合物(ポリエーテル成分)の具体例としては、ポリプロピレングリコール(PPG)-ポリエチレングリコール(PEG)のブロック共重合体、PPG-PEG-PPGのブロック共重合体、PEG-PPG-PEGのブロック共重合体等が挙げられる。前記ポリオキシアルキレン鎖を有するポリエーテル系化合物の誘導体としては、末端がエーテル化されたオキシプロピレン基含有化合物(PPGモノアルキルエーテル、PEG-PPGモノアルキルエーテル等)、末端がアセチル化されたオキシプロピレン基含有化合物(末端アセチル化PPG等)、等が挙げられる。
[0064]
 また、前記ポリオキシアルキレン鎖を有するアクリル化合物の具体例としては、オキシアルキレン基を有する(メタ)アクリレート重合体が挙げられる。前記オキシアルキレン基としては、オキシアルキレン単位の付加モル数が、1~50が好ましく、2~30がより好ましく、2~20がさらに好ましい。また、前記オキシアルキレン鎖の末端は、水酸基のままや、アルキル基、フェニル基等で置換されていてもよい。
[0065]
 前記オキシアルキレン基を有する(メタ)アクリレート重合体は、モノマー成分として、(メタ)アクリル酸アルキレンオキサイドを含む重合体であることが好ましく、前記(メタ)アクリル酸アルキレンオキサイドの具体例としては、エチレングリコール基含有(メタ)アクリレートとしては、たとえば、メトキシ-ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシ-トリエチレングリコール(メタ)アクリレートなどのメトキシ-ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート型、エトキシ-ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシ-トリエチレングリコール(メタ)アクリレートなどのエトキシ-ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート型、ブトキシ-ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシ-トリエチレングリコール(メタ)アクリレートなどのブトキシ-ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート型、フェノキシ-ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシ-トリエチレングリコール(メタ)アクリレートなどのフェノキシ-ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート型、2-エチルヘキシル-ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノール-ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート型、メトキシ-ジプロピレングリコール(メタ)アクリレートなどのメトキシ-ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート型などがあげられる。
[0066]
 また、前記モノマー成分として、前記(メタ)アクリル酸アルキレンオキサイド以外のその他モノマー成分も用いることができる。その他モノマー成分の具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、s-ブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、n-ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、n-デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、n-ドデシル(メタ)アクリレート、n-トリデシル(メタ)アクリレート、n-テトラデシル(メタ)アクリレートなどの炭素数1~14のアルキル基を有すアクリレートおよび/またはメタクリレートが挙げられる。
[0067]
 さらに、前記(メタ)アクリル酸アルキレンオキサイド以外のその他モノマー成分として、カルボキシル基含有(メタ)アクリレート、リン酸基含有(メタ)アクリレート、シアノ基含有(メタ)アクリレート、ビニルエステル類、芳香族ビニル化合物、酸無水物基含有(メタ)アクリレート、ヒドロキシル基含有(メタ)アクリレート、アミド基含有(メタ)アクリレート、アミノ基含有(メタ)アクリレート、エポキシ基含有(メタ)アクリレート、N-アクリロイルモルホリン、ビニルエーテル類等を、適宜用いることも可能である。
[0068]
 より好ましい一態様としては、前記オルガノポリシロキサンを含まないポリオキシアルキレン鎖含有化合物が、少なくとも一部に(ポリ)エチレンオキシド鎖を有する化合物である。前記(ポリ)エチレンオキシド鎖含有化合物を配合することにより、ベースポリマーとの相溶性が向上し、被着体へのブリードが好適に抑制され、低汚染性の粘着剤組成物が得られる。中でも特にPPG-PEG-PPGのブロック共重合体を用いた場合には低汚染性に優れた粘着剤が得られる。前記ポリエチレンオキシド鎖含有化合物としては、前記オルガノポリシロキサンを含まないポリオキシアルキレン鎖含有化合物全体に占める(ポリ)エチレンオキシド鎖の重量が5~90重量%であることが好ましく、より好ましくは5~85重量%、さらに好ましくは5~80重量%、もっとも好ましくは5~75重量%である。
[0069]
 また、前記オルガノポリシロキサンを含まないポリオキシアルキレン鎖含有化合物の市販品として、たとえば、アデカプルロニック17R-4、アデカプルロニック25R-2(以上、いずれもADEKA社製)、ラテムルPD-420、ラテムルPD-420、ラテムルPD-450、エマルゲン120(花王社製)、アクアロンHS-10、KH-10、ノイゲンEA-87、EA-137、EA-157、EA-167、EA-177(以上、第一工業製薬社製)などが挙げられる。
[0070]
 前記オキシアルキレン基含有化合物の含有量としては、前記粘着剤組成物を構成する粘着性ポリマー(主ポリマーであり、例えば、(メタ)アクリル系ポリマー、ウレタン系ポリマー、シリコーン系ポリマー等)100重量部に対して0.01~5.0重量部が好ましく、より好ましくは0.02~2重量部であり、更に好ましくは0.03~1.6重量部、最も好ましくは0.1~0.8重量部である。前記範囲内にあると、本発明で用いる粘着剤層(表面保護フィルム)の軽剥離性(再剥離性)を発現しやすくなり、好ましい。
[0071]
<架橋剤>
 本発明の表面保護フィルムは、前記粘着剤組成物が、架橋剤を含有することが好ましい。また、本発明においては、前記粘着剤組成物を用いて、粘着剤層とすることができる。例えば、前記粘着剤組成物が、前記(メタ)アクリル系ポリマーを含有するアクリル系粘着剤の場合、前記(メタ)アクリル系ポリマーの構成単位、構成比率、架橋剤の選択および添加比率等を適宜調節して架橋することにより、より耐熱性に優れた粘着剤層(表面保護フィルム)を得ることができる。
[0072]
 本発明に用いられる架橋剤としては、イソシアネート化合物、エポキシ化合物、メラミン系樹脂、アジリジン誘導体、および金属キレート化合物などを用いてもよく、特にイソシアネート化合物やエポキシ化合物の使用は、好ましい態様となる。また、これらの化合物は単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
[0073]
 前記イソシアネート化合物としては、たとえば、トリメチレンジイソシアネート、ブチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ダイマー酸ジイソシアネートなどの脂肪族ポリイソシアネート類、シクロペンチレンジイソシアネート、シクロヘキシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンなどの脂環族イソシアネート類、2,4-トリレンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)などの芳香族イソシアネート類、前記イソシアネート化合物をアロファネート結合、ビウレット結合、イソシアヌレート結合、ウレトジオン結合、ウレア結合、カルボジイミド結合、ウレトンイミン結合、オキサジアジントリオン結合などにより変性したポリイソシネート変性体が挙げられる。たとえば、市販品として、商品名タケネート300S、タケネート500、タケネート600、タケネートD165N、タケネートD178N(以上、武田薬品工業社製)、スミジュールT80、スミジュールL、デスモジュールN3400(以上、住化バイエルウレタン社製)、ミリオネートMR、ミリオネートMT、コロネートL、コロネートHL、コロネートHX(以上、日本ポリウレタン工業社製)などがあげられる。これらイソシアネート化合物は、単独で使用してもよく、2種以上混合して使用してもよく、2官能のイソシアネート化合物と3官能以上のイソシアネート化合物を併用して用いることも可能である。架橋剤を併用して用いることにより粘着性と耐反発性(曲面に対する接着性)を両立することが可能となり、より接着信頼性に優れた粘着剤層(表面保護フィルム)を得ることができる。
[0074]
 前記エポキシ化合物としては、たとえば、N,N,N’,N’-テトラグリシジル-m-キシレンジアミン(商品名TETRAD-X、三菱瓦斯化学社製)や1,3-ビス(N,N-ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン(商品名TETRAD-C、三菱瓦斯化学社製)などがあげられる。
[0075]
 前記メラミン系樹脂としてはヘキサメチロールメラミンなどがあげられる。アジリジン誘導体としては、たとえば、市販品としての商品名HDU、TAZM、TAZO(以上、相互薬工社製)などがあげられる。
[0076]
 前記金属キレート化合物としては、金属成分としてアルミニウム、鉄、スズ、チタン、ニッケルなど、キレート成分としてアセチレン、アセト酢酸メチル、乳酸エチルなどがあげられる。
[0077]
 本発明に用いられる架橋剤の含有量は、例えば、前記(メタ)アクリル系ポリマー100重量部に対して、0.01~20重量部であることが好ましく、0.1~15重量部であることがより好ましく、0.5~10重量部であることがさらに好ましく、1~8重量部であることが最も好ましい。前記含有量が0.01重量部よりも少ない場合、架橋剤による架橋形成が不十分となり、得られる粘着剤層の凝集力が小さくなって、十分な耐熱性が得られない場合もあり、また糊残りの原因となる傾向がある。一方、含有量が20重量部を超える場合、ポリマーの凝集力が大きく、流動性が低下し、被着体(例えば、偏光板)への濡れが不十分となって、被着体と粘着剤層(粘着剤組成物層)との間に発生するフクレの原因となる傾向がある。また、これらの架橋剤は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
[0078]
<架橋触媒>
 前記粘着剤組成物には、さらに、上述したいずれかの架橋反応をより効果的に進行させるための架橋触媒を含有させることができる。かかる架橋触媒として、例えば、ジラウリン酸ジブチルスズ、ジラウリン酸ジオクチルスズなどのスズ系触媒、トリス(アセチルアセトナト)鉄、トリス(ヘキサン-2,4-ジオナト)鉄、トリス(ヘプタン-2,4-ジオナト)鉄、トリス(ヘプタン-3,5-ジオナト)鉄、トリス(5-メチルヘキサン-2,4-ジオナト)鉄、トリス(オクタン-2,4-ジオナト)鉄、トリス(6-メチルヘプタン-2,4-ジオナト)鉄、トリス(2,6-ジメチルヘプタン-3,5-ジオナト)鉄、トリス(ノナン-2,4-ジオナト)鉄、トリス(ノナン-4,6-ジオナト)鉄、トリス(2,2,6,6-テトラメチルヘプタン-3,5-ジオナト)鉄、トリス(トリデカン-6,8-ジオナト)鉄、トリス(1-フェニルブタン-1,3-ジオナト)鉄、トリス(ヘキサフルオロアセチルアセトナト)鉄、トリス(アセト酢酸エチル)鉄、トリス(アセト酢酸-n-プロピル)鉄、トリス(アセト酢酸イソプロピル)鉄、トリス(アセト酢酸-n-ブチル)鉄、トリス(アセト酢酸-sec-ブチル)鉄、トリス(アセト酢酸-tert-ブチル)鉄、トリス(プロピオニル酢酸メチル)鉄、トリス(プロピオニル酢酸エチル)鉄、トリス(プロピオニル酢酸-n-プロピル)鉄、トリス(プロピオニル酢酸イソプロピル)鉄、トリス(プロピオニル酢酸-n-ブチル)鉄、トリス(プロピオニル酢酸-sec-ブチル)鉄、トリス(プロピオニル酢酸-tert-ブチル)鉄、トリス(アセト酢酸ベンジル)鉄、トリス(マロン酸ジメチル)鉄、トリス(マロン酸ジエチル)鉄、トリメトキシ鉄、トリエトキシ鉄、トリイソプロポキシ鉄、塩化第二鉄などの鉄系触媒を用いることができる。これら架橋触媒は、1種でもよく、2種以上を併用してもよい。
[0079]
 前記架橋触媒の含有量は、特に制限されないが、例えば、前記(メタ)アクリル系ポリマー100重量部に対して、およそ0.0001~1重量部とすることが好ましく、0.001~0.5重量部がより好ましい。前記範囲内にあると、粘着剤層を形成した際に架橋反応の速度が速く、粘着剤組成物のポットライフも長くなり、好ましい態様となる。
[0080]
 さらに、前記粘着剤組成物には、その他の公知の添加剤を含有していてもよく、たとえば、滑剤、着色剤、顔料などの粉体、可塑剤、粘着付与剤、低分子量ポリマー、表面潤滑剤、レベリング剤、酸化防止剤、腐食防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、重合禁止剤、シランカップリンング剤、帯電防止剤、無機または有機の充填剤、金属粉、粒子状、箔状物などを使用する用途に応じて適宜添加することができる。
[0081]
<セパレータ付き光学用表面保護フィルム>
 本発明のセパレータ付き光学用表面保護フィルム(表面保護フィルム)は、前記粘着剤層を基材フィルムの少なくとも片面に形成してなるものであるが、その際、粘着剤組成物の架橋は、粘着剤組成物の塗布後に行うのが一般的であるが、架橋後の粘着剤組成物からなる粘着剤層を基材フィルムなどに転写することも可能である。
[0082]
 また、基材フィルム上に粘着剤層を形成する方法は特に問わないが、たとえば、前記粘着剤組成物(溶液)を基材フィルムに塗布し、重合溶剤などを乾燥除去して粘着剤層を基材フィルム上に形成することにより作製される。その後、粘着剤層の成分移行の調整や架橋反応の調整などを目的として養生をおこなってもよい。また、粘着剤組成物を基材フィルム上に塗布して表面保護フィルムを作製する際には、基材フィルム上に均一に塗布できるよう、前記粘着剤組成物中に重合溶剤以外の一種以上の溶剤を新たに加えてもよい。
[0083]
 また、本発明の表面保護フィルムを製造する際の粘着剤層の形成方法としては、粘着テープ類の製造に用いられる公知の方法が用いられる。具体的には、たとえば、ロールコート、グラビアコート、リバースコート、ロールブラッシュ、スプレーコート、エアーナイフコート法、ダイコーターなどによる押出しコート法などがあげられる。
[0084]
 本発明の表面保護フィルムは、通常、前記粘着剤層の厚みが3~100μm、好ましくは5~50μm程度となるように作製する。粘着剤層の厚みが、前記範囲内にあると、適度な再剥離性と接着性のバランスを得やすいため、好ましい。
[0085]
 また、本発明の表面保護フィルムは、総厚みが、8~300μmであることが好ましく、10~200μmであることがより好ましく、20~100μmであることが最も好ましい。前記範囲内であると、粘着特性(再剥離性、接着性など)、作業性、外観特性に優れ、好ましい態様となる。なお、前記総厚みとは、基材フィルム、粘着剤層、セパレータ、及び、その他の層などの全ての層を含む厚みの合計を意味する。
[0086]
<セパレータ>
 本発明の表面保護フィルムは、基材フィルムの少なくとも片面に粘着剤層を有する光学用表面保護フィルム、及び、前記基材フィルムの粘着剤層と接触する面と反対面に、セパレータを有するセパレータ付き光学用表面保護フィルムであって、前記セパレータが、離型層とポリエステル系基材を有し、前記ポリエステル系基材中に空洞を有し、前記ポリエステル系基材の比重が1.2g/cm 以下であることを特徴とする。前記セパレータは、粘着剤層の粘着面を保護する目的で、粘着剤層表面にセパレータを貼り合わせるものであり、特にポリエステル系基材が空洞を有することで、セパレータ自体の重量を低く抑えることができ、作業性に優れ、更に、空洞によるクッション性が付与でき、粘着剤塗工後に発生する恐れのある糊打痕等を防止でき、好ましい態様となる。
[0087]
<ポリエステル系基材>
 前記ポリエステル系基材(単に「基材」という場合がある。)としては、前記粘着剤層を保護でき、空洞を有するポリエステル系フィルムであれば、特に限定されず、たとえば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルムなどが挙げられる。
[0088]
 前記ポリエステル系基材の厚みは、通常5~200μm、好ましくは10~100μm程度である。前記範囲内にあると、粘着剤層への貼り合せ作業性と、粘着剤層に対する剥離性や作業性に優れるため、好ましい。
[0089]
 前記ポリエステル系基材には、必要に応じて、その表面をコロナ放電処理などの各種表面処理を施したり、エンボス加工などの各種表面加工を施したりすることができる。また、必要に応じて、充填剤(無機充填剤、有機充填剤など)、老化防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤、可塑剤、着色剤(顔料、染料など)等の各種添加剤が配合されていてもよい。
[0090]
 前記ポリエステル系基材の比重は、1.2g/cm 以下であり、好ましくは、0.7~1.2g/cm であり、より好ましくは、0.9~1.1g/cm である。前記基材の比重が前記範囲内であると、前記基材を含むセパレータの重量が軽く抑えられ、例え、セパレータが厚手の場合であっても、重量を抑えることができ、作業性に優れ、好ましい態様となる。
[0091]
 前記ポリエステル系基材の体積に対して、空洞率が15%(体積%)以上であることが好ましく、18%以上がより好ましく、20%以上が更に好ましい。空洞率が15%以上あることにより、セパレータのクッション性が向上し、光学用表面保護フィルムを構成する基材フィルムやセパレータを構成するポリエステル系基材に含まれるフィラー(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィラー)に起因する凹凸を吸収することができ、セパレータ等に起因する糊打痕などの発生を抑えることができる。なお、セパレータの強度等の観点からは、空洞率としては40%以下であることが好ましく、30%以下がより好ましい。
[0092]
 前記ポリエステル系基材の空洞の形状としては、球状、楕円球状、もしくは糸状などであり、分散した形態をとっていることが好ましい。前記分散径は0.01~100μmが好ましく、0.05~30μmであることがより好ましい。前記範囲内であると、セパレータの強度があり、クッション性に優れるため、好ましい態様となる。なお、前記空洞の形状は、走査型電子顕微鏡によって、基材断面から観察することが可能である。
[0093]
<離型層>
 前記離型層は、前記ポリエステル系基材に密着性を有し、かつ前記粘着剤層に対して剥離性を有し、離型剤組成物から形成することができる。前記離型剤組成物としては、特に制限されないが、例えば、ジメチルシロキサンやジフェニルシロキサン等のシリコーン化合物、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、アシオレジン等の長鎖アルキル系化合物などを用いることができる。
[0094]
 さらに、前記離型剤組成物には、その他の公知の添加剤を含有していてもよく、例えば、帯電防止剤、着色剤、顔料などの粉体、界面活性剤、可塑剤、粘着付与剤、低分子量ポリマー、表面潤滑剤、レベリング剤、酸化防止剤、腐食防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、重合禁止剤、シランカップリング剤、無機または有機の充填剤、金属粉、粒子状などを使用する用途に応じて適宜添加することができる。
[0095]
<セパレータの作製>
 前記セパレータは、前記ポリエステル系基材上に、前記離型剤組成物を用いて形成してなるものである。
[0096]
 前記ポリエステル系基材上に離型層を形成する方法は特に問わないが、例えば、前記離型剤組成物の溶液を、基材に塗布し、重合溶剤などを乾燥除去して離型層を基材上に形成することにより作製される。その後、離型層の成分移行の調整などを目的として養生をおこなってもよい。また、離型剤組成物を基材上に塗布して離型層を作製する際には、基材上に均一に塗布できるよう、前記離型剤組成物中に重合溶剤以外の一種以上の溶剤を新たに加えてもよい。
[0097]
 また、前記離型層の形成方法としては、離型層の製造に用いられる公知の方法が用いられる。具体的には、たとえば、ロールコート、グラビアコート、リバースコート、ロールブラッシュ、スプレーコート、エアーナイフコート法、ダイコーターなどによる押出しコート法などが挙げられる。
[0098]
 前記離型層の厚さは、典型的には1~200nmであり、好ましくは5~100nm、より好ましくは10~50nmである。離型層の厚みが小さすぎると、セパレータを剥離することが困難となり、このため、光学用表面保護フィルムを貼りあわせる作業が困難になることがあり得る。一方、厚すぎると、光学用表面保護フィルムの粘着剤層の汚染性に影響を及ぼす場合がある。
[0099]
 前記セパレータの市販品として、たとえば、クリスパー K7211-50μm、クリスパー K7211-38μm(以上、東洋紡社製)、PET50(K2411)PAT1 8LK、PET50(K2411)PAT1 9K(以上、リンテック社製)などが挙げられる。
[0100]
<光学用表面保護フィルムとセパレータとの貼り合わせ>
 本発明のセパレータ付き光学用表面保護フィルムは、前記光学用表面保護フィルムの粘着剤層と前記セパレータの離型層を貼り合わせてなる形態である。貼り合わせは、公知の方法が用いられる。
[0101]
<光学部材>
 本発明において、前記セパレータ付き光学用表面保護フィルムの粘着剤層の表面から前記セパレータを剥離した光学用表面保護フィルムを光学部材に貼付し、光学部材を保護することができる。前記セパレータは、クッション性に特に優れるため、打痕が発生しにくく、また、前記光学用表面保護フィルムは、外観品位(外観性)に優れるため、加工、搬送、出荷時等の表面保護用途(表面保護フィルム)に使用できるため、前記光学部材(偏光板など)の表面を保護するために、有用なものとなる。
実施例
[0102]
 以下、本発明に関連するいくつかの実施例を説明するが、本発明をかかる具体例に示すものに限定することを意図したものではない。なお、以下の説明中の「部」および「%」は、特に断りがない限り重量基準である。また、表中の配合量(添加量)を示した。
[0103]
 また、以下の説明中の各特性は、それぞれ次のようにして測定または評価した。
[0104]
<セパレータを構成するポリエステル系基材の比重の測定>
 ポリエステル系基材の比重の測定は、基材を10cm×10cmの正方形に切り出し、その厚みを50点測定し、平均厚みをt[cm]とし、それの重さを0.1mgまで測定し、w(単位g)とし、下式によって計算した。
  ポリエステル系基材の比重(g/cm )=w/(t×10×10)
[0105]
<セパレータを構成するポリエステル系基材の空洞率の測定>
 ポリエステル系基材の断面を走査型電子顕微鏡で写真撮影した後、断面領域の空洞をトレーシングフィルムにトレースし、塗りつぶした図を画像解析装置で画像処理を行い、空洞率(%)を面積率として求め、この値をそのまま空洞率(体積%)とし表示した。
・使用した走査型電子顕微鏡:日立製作所製のS-510型の走査型電子顕微鏡
・使用した画像解析処理装置:ニレコ株式会社製のルーゼックスIID
[0106]
<セパレータ厚の測定>
 セパレータの厚み(セパレータ厚)は、ポリエステル系基材及び離型層の合計厚であり、株式会社尾崎製作所社製、R1-205を用いて測定した。
[0107]
<セパレータ重量の測定>
 セパレータ重量は、ポリエステル系基材及び離型層の合計重量のことであり、島津製作所製のTW223Nを用いて測定した。
[0108]
<(メタ)アクリル系ポリマーガラス転移温度(Tg)の測定>
 ガラス転移温度(Tg)(℃)は、各モノマーによるホモポリマーのガラス転移温度Tgn(℃)として、下記の文献値を用い、下記の式により求めた。
 式:1/(Tg+273)=Σ[Wn/(Tgn+273)]
(式中、Tg(℃)は共重合体のガラス転移温度、Wn(-)は各モノマーの重量分率、Tgn(℃)は各モノマーによるホモポリマーのガラス転移温度、nは各モノマーの種類を表す。)
文献値:
 2-エチルヘキシルアクリレート(2EHA):-70℃
 ブチルアクリレート(BA):-55℃
 2-ヒドロキシエチルアクリレート(HEA):-15℃
 アクリル酸(AA):106℃
 なお、文献値として「アクリル樹脂の合成・設計と新用途開発」(中央経営開発センター出版部発行)を参照した。
[0109]
<(メタ)アクリル系ポリマーの重量平均分子量(Mw)の測定>
 使用する(メタ)アクリル系ポリマーの重量平均分子量(Mw)は、東ソー株式会社製GPC装置(HLC-8220GPC)を用いて測定を行った。測定条件は下記の通りである。
 サンプル濃度:0.2重量%(THF溶液)
 サンプル注入量:10μl
 溶離液:THF
 流速:0.6ml/min
 測定温度:40℃
 カラム:
  サンプルカラム;TSKguardcolumn SuperHZ-H(1本)+TSKgel SuperHZM-H(2本)
  リファレンスカラム;TSKgel SuperH-RC(1本)
 検出器:示差屈折計(RI)
 なお、重量平均分子量はポリスチレン換算値にて求めた。また、数平均分子量(Mn)を測定する際も、重量平均分子量(Mw)と同様に測定した。
[0110]
<粘着剤層表面への打痕の有無>
 暗室蛍光灯下にて、セパレータを、光学用表面保護フィルムの粘着剤層表面から剥離し、粘着剤層表面に光を反射させ、目視にて、打痕がないか確認した。打痕がない場合を○、打痕がある場合を×とした。
[0111]
<(メタ)アクリル系ポリマー(A)の調製>
 攪拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器を備えた四つロフラスコに、2-エチルヘキシルアクリレート(2EHA)100重量部、2-ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)4重量部、重合開始剤として2,2’-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.2重量部、酢酸エチル205重量部を仕込み、緩やかに攪拌しながら窒素ガスを導入し、フラスコ内の液温を63℃付近に保って約4時間重合反応を行い、(メタ)アクリル系ポリマー(A)溶液(約35重量%)を調製した。前記(メタ)アクリル系ポリマー(A)の重量平均分子量は65万であり、Tgは-68℃であった。
[0112]
<(メタ)アクリル系ポリマー(B)の調製>
 攪拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器を備えた四つ口フラスコに、ブチルアクリレート(BA)95重量部、アクリル酸(AA)5重量部、重合開始剤として2,2’-アゾビスイソブチロニトリル0.1重量部、酢酸エチル234重量部を仕込み、緩やかに攪拌しながら窒素ガスを導入し、フラスコ内の液温を65℃付近に保って6時間重合反応を行い、(メタ)アクリル系ポリマー(B)溶液(30重量%)を調製した。前記(メタ)アクリル系ポリマー(B)の重量平均分子量(Mw)は、110万であり、ガラス転移温度(Tg)は、-47℃であった。
[0113]
〔アクリル系粘着剤(1)溶液の調製〕
 上記(メタ)アクリル系ポリマー(A)溶液(35重量%)を酢酸エチルで29重量%に希釈し、この溶液500重量部(固形分100重量部)に、架橋剤として、3官能イソシアネート化合物であるヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)4重量部(固形分4重量部)、架橋触媒としてジラウリン酸ジブチルスズ(表2中の「Sn」、1重量%酢酸エチル溶液)1.5重量部(固形分0.015重量部)を加えて、25℃付近に保って約1分間混合攪拌を行い、アクリル系粘着剤(1)溶液を調製した。
[0114]
〔アクリル系粘着剤(2)溶液の調製〕
 上記(メタ)アクリル系ポリマー(A)溶液(35重量%)を酢酸エチルで29重量%に希釈し、この溶液500重量部(固形分100重量部)に、架橋剤として、イソシアネート系架橋剤(ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体(商品名「コロネートHX」:C/HX、日本ポリウレタン社製)5重量部(固形分5重量部)、架橋触媒としてジラウリン酸ジブチルスズ(1重量%酢酸エチル溶液)3重量部(固形分0.03重量部)、添加剤であるオルガノポリシロキサンを含まないポリオキシアルキレン鎖含有化合物(アクアロンHS-10、第一工業製薬社製)0.3重量部(固形分0.3量部)を加えて、混合攪拌を行い、アクリル系粘着剤(2)溶液を調製した。
[0115]
〔アクリル系粘着剤(3)溶液の調製〕
 上記(メタ)アクリル系ポリマー(B)溶液(30重量%)を酢酸エチルで29重量%に希釈し、この溶液500重量部(固形分100重量部)に、架橋剤として、エポキシ系架橋剤(1,3-ビス(N,N-ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、エポキシ当量:110、官能基数:4、商品名「TETRAD-C」:T/C、三菱ガス化学社製)6重量部(固形分6重量部)を加えて、混合攪拌を行い、アクリル系粘着剤(3)溶液を調製した。
[0116]
〔ウレタン系粘着剤(4)溶液の調製〕
 ポリオールとして、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるプレミノールS3011(旭硝子社製、Mn=10000)85重量部、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるサンニックスGP3000(三洋化成社製、Mn=3000)13重量部、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるサンニックスGP1000(三洋化成社製、Mn=1000)2重量部、架橋剤として、3官能イソシアネート化合物であるヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)18重量部、触媒として、鉄(III)アセチルアセトナート (トリス(アセチルアセトナト)鉄、表3中の「Fe」、東京化成工業社製)0.04重量部、濡れ性向上剤として、ミルスチン酸イソプロピル(エキセパールIPM、花王社製)30重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部、希釈溶剤として酢酸エチル210重量部を配合し、ウレタン系粘着剤(4)溶液を得た。
[0117]
〔シリコーン系粘着剤(5)溶液の調製〕
 シリコーン系粘着剤として、「X-40-3229](固形分60重量%、信越化学工業社製)を固形分で100重量部、白金触媒として、「CAT-PL-50T」(信越化学工業社製)0.5重量部、溶剤としてトルエン100重量部を配合して、シリコーン系粘着剤(5)溶液を得た。
[0118]
<実施例1>
〔帯電防止処理フィルムの作製〕
 帯電防止剤(ソルベックス社製、マイクロソルバーRMd-142、酸化スズとポリエステル樹脂を主成分とする)10重量部を、水30重量部とメタノール70重量部からなる混合溶媒で希釈することにより帯電防止剤溶液を調製した。
 得られた帯電防止剤溶液を、基材フィルムであるポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(厚さ:38μm)上にマイヤーバーを用いて塗布し、130℃で1分間乾燥することにより溶剤を除去して帯電防止層(厚さ:0.2μm)を形成し、帯電防止処理フィルムを作製した。
[0119]
〔セパレータ付光学用表面保護フィルムの作製〕
 上記アクリル系粘着剤(1)溶液を、上記の帯電防止処理フィルムの帯電防止処理面とは反対の面に塗布し、130℃で2分間加熱して、厚さ15μmの粘着剤層を形成した。次いで、上記粘着剤層の表面に、片面にシリコーン処理を施したセパレータであるクリスパー K7211-50μm(東洋紡社製、ポリエステル系基材の比重:1.1g/cm 、ポリエステル系基材の空洞率:20%、厚さ50μm)のシリコーン処理面を貼り合わせ、セパレータ付光学用表面保護フィルムを作製した。
[0120]
<実施例2及び3>
 表2に示すように、実施例1で用いたアクリル系粘着剤(1)溶液の代わりに、アクリル系粘着剤(2)溶液又はアクリル系粘着剤(3)溶液を使用したこと以外は、実施例1と同様の方法で、セパレータ付光学用表面保護フィルムを作製した。
[0121]
<実施例4及び5>
 表3及び表4に示すように、実施例1で用いたアクリル系粘着剤(1)溶液の代わりに、ウレタン系粘着剤(4)溶液、又は、シリコーン系粘着剤(5)溶液を使用したこと以外は、実施例1と同様の方法で、加熱条件等や得られる粘着剤層の厚みを調整したセパレータ付光学用表面保護フィルムを作製した。
[0122]
<実施例6>
 実施例1で用いたセパレータの代わりに、表5に記載のセパレータを使用したこと以外は、実施例1と同様の方法で、セパレータ付光学用表面保護フィルムを作製した。
[0123]
<比較例1及び2>
 実施例1で用いたセパレータの代わりに、表5に記載のセパレータを使用したこと以外は、実施例1と同様の方法で、セパレータ付光学用表面保護フィルムを作製した。
[0124]
 実施例及び比較例に係るセパレータ付光学用表面保護フィルムにつき、上述した配合内容、各種測定および評価を行った結果を、表1~表5に示した。なお、表中の配合量は有効成分を示す。
[0125]
[表1]


[0126]
[表2]


[0127]
[表3]


[0128]
[表4]


[0129]
[表5]


[0130]
 上記表5より、全ての実施例において、セパレータを構成するポリエステル系基材の空洞率を所望の範囲にすることにより、セパレータ重量を低く抑えることができ、粘着剤祖表面からセパレータを剥離した後の廃棄重量の低減ができ、光学用表面保護フィルムの粘着剤層表面への貼り合わせ作業性や、セパレータを廃棄する際の作業性に優れ、更に打痕の発生も防止できることが確認できた。一方、比較例1では、セパレータを構成するポリエステル系基材の空洞率が所望の範囲に含まれないため、セパレータ重量が大きくなり、光学用表面保護フィルムの粘着剤層表面への貼り合わせ作業性や、セパレータを廃棄する際の作業性に劣り、比較例2では、セパレータを構成するポリエステル系基材の空洞率が所望の範囲に含まれず、一方で、ポリエステル系基材の厚みを薄くすることで、セパレータ重量が抑えることはできたが、クッション性に劣るため、打痕の発生を抑制できないことが確認された。

産業上の利用可能性

[0131]
 ここに開示されるセパレータ付き光学用表面保護フィルムは、液晶ディスプレイパネル、プラズマディスプレイパネル(PDP)、有機エレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイ等の構成要素として用いられる光学部材の製造時、搬送時等に該光学部材を保護するための表面保護フィルムとして好適である。特に、液晶ディスプレイパネル用の偏光板(偏光フィルム)、波長板、位相差板、光学補償フィルム、輝度向上フィルム、光拡散シート、反射シート等の光学部材に適用される光学用表面保護フィルムとして有用である。

符号の説明

[0132]
1 :セパレータ
2 :光学用表面保護フィルム
3 :セパレータ付き光学用表面保護フィルム
11:基材(ポリエステル系基材)
12:離型層
21:粘着剤層
22:基材フィルム

請求の範囲

[請求項1]
 基材フィルムの少なくとも片面に粘着剤層を有する光学用表面保護フィルム、及び、前記基材フィルムの粘着剤層と接触する面と反対面に、セパレータを有するセパレータ付き光学用表面保護フィルムであって、
 前記セパレータが、離型層とポリエステル系基材を有し、
 前記ポリエステル系基材中に空洞を有し、
 前記ポリエステル系基材の比重が1.2g/cm 以下であることを特徴とするセパレータ付き光学用表面保護フィルム。
[請求項2]
 前記ポリエステル系基材の体積に対して、空洞率が15%以上であることを特徴とする請求項1に記載のセパレータ付き光学用表面保護フィルム。
[請求項3]
 前記基材フィルムが、ポリエステルフィルムであることを特徴とする請求項1又は2に記載のセパレータ付き光学用表面保護フィルム。
[請求項4]
 前記粘着剤層が、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、及び、シリコーン系粘着剤から選択される少なくとも1種を含有する粘着剤組成物から形成されることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載のセパレータ付き光学用表面保護フィルム。

図面

[ 図 1]