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1. (WO2018123590) HEAT ACCUMULATING AND DISSIPATING DEVICE
Document

明 細 書

発明の名称 蓄放熱装置

技術分野

0001  

背景技術

0002  

先行技術文献

特許文献

0003  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0004   0005   0006  

課題を解決するための手段

0007   0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018  

発明の効果

0019  

図面の簡単な説明

0020  

発明を実施するための形態

0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117   0118   0119   0120   0121   0122   0123   0124   0125   0126   0127   0128   0129   0130   0131   0132   0133   0134   0135   0136   0137   0138   0139   0140   0141   0142   0143   0144   0145   0146   0147   0148   0149   0150   0151   0152   0153   0154   0155   0156   0157   0158   0159   0160  

符号の説明

0161  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12  

明 細 書

発明の名称 : 蓄放熱装置

技術分野

[0001]
 本発明は、蓄放熱装置に関する。

背景技術

[0002]
 従来の蓄放熱装置としては、酸化カルシウム等の蓄熱体(化学蓄熱材)を収容した反応部をケース内の端部側に配置してなるユニットがある(例えば、特許文献1参照。)。当該ユニットは、その端部を工業用炉のポートに装入することにより、前記蓄熱体が前記ケースを介して工業用炉内を加熱し、また工業用炉内の熱を蓄熱する。また従来の蓄放熱装置としては、CaO(酸化カルシウム)等の可逆的な熱反応を生じさせる蓄熱体(反応物)と共に熱交換部を備える反応器(例えば、特許文献2参照。)がある。当該反応器は、前記熱交換部を介して蓄熱体の反応熱を反応器の外に放出し、また当該反応器の外から供給された熱を蓄熱する。

先行技術文献

特許文献

[0003]
特許文献1 : 特開2013-113478号公報
特許文献2 : 特開2014-206363号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0004]
 しかしながら、こうした従来の蓄放熱装置はいずれも、蓄熱体がケースや反応器に収容されており、熱媒体と蓄熱体との熱交換を直接行うことができない。このため、従来の蓄放熱装置には、熱交換効率の向上に改善の余地があった。
[0005]
 また従来の蓄放熱装置では別途、熱媒体流路等の熱交換部を設けることにより、当該熱交換部を介して熱交換を行う必要がある。また熱交換部には、熱交換効率を向上させるためにフィンを設けるのが一般的である。しかしながら、こうした熱媒体流路等の熱交換部やフィンを設けることは、例えば、蓄放熱装置の小型化を阻害し、また生産性やコスト等の点で改善の余地があった。
[0006]
 本発明の目的は、熱媒体と蓄熱体との熱交換を直接行うことが可能な、蓄放熱装置を提供することである。

課題を解決するための手段

[0007]
 本発明に係る蓄放熱装置は、一次ガスに含まれる成分と反応する蓄熱体と、前記蓄熱体を収容した蓄熱体収容部と、を備え、前記蓄熱体収容部は、前記蓄熱体を収容する収容空間と、前記収容空間に通じており、前記一次ガスが流通可能な第1流通口と、前記収容空間に通じており、前記一次ガスが流通可能な第2流通口と、を有する。
 本発明に係る蓄放熱装置によれば、熱媒体と蓄熱体との熱交換を直接行うことができる。
[0008]
 本発明に係る蓄放熱装置は、前記収容空間を予熱する予熱部を更に備え、前記予熱部は、前記収容空間に仕切壁を介して隣接して配置された予熱ガス充填空間と、前記予熱ガス充填空間に通じており、予熱ガスを導入可能な予熱ガス導入口と、を有するものとすることができる。
 この場合、加熱コイル等の機器を用いて予熱することなく、予熱ガスを用いることにより、蓄熱体の発熱性能の低下を効率的に抑制することができる。
[0009]
 本発明に係る蓄放熱装置では、前記一次ガスと、前記予熱ガスとは、同一のガスとすることができる。
 この場合、前記蓄熱体に対する予熱を、効率的に行うことができる。
[0010]
 本発明に係る蓄放熱装置は、前記同一のガスを、前記蓄熱体収容部の第1流通口及び前記予熱部の予熱ガス導入口に供給可能な同一ガス供給部を更に備えることが好ましい。
 この場合、前記蓄熱体に対する予熱を効率的に行うことができる。
[0011]
 本発明に係る蓄放熱装置において、前記同一ガス供給部は、前記同一のガスを前記蓄熱体収容部の第1流通口に供給可能な一次ガス流通路と、前記一次ガス流通路から分岐して、前記同一のガスを前記予熱部の予熱ガス導入口に供給可能な予熱ガス流通路と、前記一次ガス流通路及び前記予熱ガス流通路の少なくともいずれか一方を、対応する前記蓄熱体収容部の第1流通口及び前記予熱部の予熱ガス導入口の少なくともいずれか一方に通じさせる、少なくとも1つの切換弁と、を備えるものとすることができる。
 この場合、前記切換弁を制御するだけの簡単な操作により、前記同一のガスの供給を容易に制御することができる。
[0012]
 本発明に係る蓄放熱装置は、前記一次ガスと、前記一次ガスと異なる二次ガスとの少なくともいずれか一方を、前記蓄熱体収容部の第1流通口に供給可能な一次ガス供給変更部を更に備えることが好ましい。
 この場合、異なる熱媒体を放出することができる。
[0013]
 本発明に係る蓄放熱装置において、前記一次ガス供給変更部は、前記一次ガスを前記蓄熱体収容部の第1流通口に供給可能な一次ガス流通路と、前記一次ガス流通路に合流して、前記二次ガスを前記蓄熱体収容部の第1流通口に供給可能な二次ガス流通路と、前記一次ガス流通路及び前記二次ガス流通路の少なくともいずれか一方を、前記蓄熱体収容部の第1流通口に通じさせる、少なくとも1つの切換弁と、を備えることが好ましい。
 この場合、前記切換弁を制御するだけの簡単な操作により、前記一次ガス及び前記二次ガスの供給を容易に制御することができる。
[0014]
 本発明に係る蓄放熱装置は、前記二次ガスを脱炭酸処理する二次ガス脱炭酸処理部を更に備えることが好ましい。
 この場合、前記二次ガスに起因する蓄熱体の炭酸化が抑制されることから、当該蓄熱体の発熱性能及び蓄熱性能を長期にわたって維持することができる。
[0015]
 本発明に係る蓄放熱装置は、前記一次ガスを脱炭酸処理する一次ガス脱炭酸処理部を更に備えることが好ましい。
 この場合、前記一次ガスに起因する蓄熱体の炭酸化が抑制されることから、当該蓄熱体の発熱性能及び蓄熱性能を長期にわたって維持することができる。
[0016]
 本発明に係る蓄放熱装置は、前記蓄熱体収容部から放出されたガスから粉体を分離する、少なくとも1つの粉体分離部を更に備えることが好ましい。
 この場合、微粉化した蓄熱体を含まないガスを放出することができる。
[0017]
 本発明に係る蓄放熱装置において、前記少なくとも1つの粉体分離部は、1つの粉体分離部であり、前記蓄放熱装置は、前記蓄熱体収容部の第1流通口から放出されたガスを前記1つの粉体分離部に導入可能な第1導入路と、前記蓄熱体収容部の第1流通口を前記第1導入路に通じさせる第1切換弁と、前記蓄熱体収容部の第2流通口から放出されたガスを前記1つの粉体分離部に導入可能な第2導入路と、前記蓄熱体収容部の第2流通口を前記第2導入路に通じさせる第2切換弁と、前記第1導入路又は前記第2導入路のいずれか一方を前記粉体分離部に通じさせる第3切換弁と、を更に備えることが好ましい。
 この場合、3つの切換弁を制御するだけの簡単な操作により、微粉化した蓄熱体を含まないガスの放出を容易に制御することができる。
[0018]
 本発明に係る蓄放熱装置において、前記粉体分離部は、遠心分離方式の粉体分離器を備えることが好ましい。
 この場合、ガスに含まれる粉体の分離を簡易に行うことができる。

発明の効果

[0019]
 本発明によれば、熱媒体と蓄熱体との熱交換を直接行うことが可能な、蓄放熱装置を提供することができる。

図面の簡単な説明

[0020]
[図1] 本発明の第1実施形態に係る蓄放熱装置を示す模式断面図である。
[図2] 本発明の第2実施形態に係る蓄放熱装置を示す模式断面図である。
[図3] 図2の蓄放熱装置を用いた場合の、放熱モードの一例における予熱工程を示す模式断面図である。
[図4] 図2の蓄放熱装置の、放熱モードにおける反応工程(一次放熱工程)を示す模式断面図である。
[図5] 図2の蓄放熱装置の、放熱モードにおける反応工程から(二次)放熱工程への移行状態を示す模式断面図である。
[図6] 図2の蓄放熱装置の、放熱モードにおける(二次)放熱工程を示す模式断面図である。
[図7] 図2の蓄放熱装置の、蓄熱モードの一例を示す模式断面図である。
[図8] 図2の蓄放熱装置の、蓄熱モードの他の例であって、当該蓄熱モードにおける二次ガス脱炭酸処理部の再生工程を示す模式断面図である。
[図9] 本発明に係る蓄放熱装置に適用可能な粉体分離部を有する粉体分離回路であって、当該粉体分離回路での、放熱モードにおける粉体分離工程を示す模式図である。
[図10] 図9の粉体分離回路での、蓄熱モードにおける粉体分離工程を示す模式図である。
[図11] 図9の粉体分離回路に適用可能な粉体分離部の一例である、遠心分離方式の粉体分離器を模式的に示す断面図である。
[図12] 本発明に係る蓄放熱装置に使用可能な蓄熱体の一例を示す上面図及び当該蓄熱体の斜視透視図である。

発明を実施するための形態

[0021]
 以下、図面を参照して、本発明の様々な実施形態について説明する。
[0022]
 図1中、符号100は、本発明の第1実施形態に係る蓄放熱装置である。
[0023]
 符号10は、一次ガスG1に含まれる成分と反応する蓄熱体である。蓄熱体10は、可逆的な操作が可能な化学蓄熱材からなっている。本実施形態では、前記化学蓄熱材は、一次ガスG1に含まれる水分子H Oと反応して発熱し、反応終了後は、加熱あるいは減圧により水分子H Oを分離することで発熱性能が復元される。こうした化学蓄熱材には、例えば、酸化カルシウム又は酸化マグネシウムを主成分として含むものが挙げられる。
[0024]
 本実施形態では、蓄熱体10は、第2族元素化合物と、シリコーンポリマーと、を成分として含有する化学蓄熱材で構成されている。具体的には、蓄熱体10は、第2族元素化合物と、ホウ素化合物と、シリコーンポリマーと、を、成分として含有する化学蓄熱材で構成されている。ここで、第2族元素化合物は、酸化カルシウムであり、前記化学蓄熱材における、カルシウム原子の含有量は13~59質量%であり、ホウ素原子の含有量は0.4~11.3質量%であり、ケイ素原子の含有量は4.8~33.2質量%であることが好ましい。あるいは、第2族元素化合物は、酸化マグネシウムであり、前記化学蓄熱材における、マグネシウム原子の含有量は8.3~46.5質量%であり、ホウ素原子の含有量は0.5~11.9質量%であり、ケイ素原子の含有量は6.2~35.1質量%であることが好ましい。ホウ素化合物は、例えば、ホウ酸、トリアルキルボレート及びトリアリールボレートからなる群より選択される少なくとも一種を含有する。シリコーンポリマーは、例えば、アルコキシシラン、その加水分解物及びその縮合物からなる群より選択される少なくとも一種(以下、アルコキシシラン等と言う場合がある)が縮合したシリコーンポリマーである。
[0025]
 また本実施形態では、一次ガスG1は、水分子H Oを含むガスが好ましい。一次ガスG1としては、例えば、水蒸気(スチーム)等が挙げられる。一次ガスG1は、高温状態で供給することも、低温状態で供給することもできる。
[0026]
 符号20は、蓄熱体10を収容した蓄熱体収容部である。
[0027]
 蓄熱体収容部20は、蓄熱体10を収容する収容空間S1を有している。本実施形態では、蓄熱体収容部20は、内部通路を有する筒状部材21と、2つの隔壁22とで構成されている。本実施形態では、複数の蓄熱体10が収容空間S1に充填されている。収容空間S1は、筒状部材21と、2つの隔壁22とで区画された空間として構成されている。また本実施形態では、2つの隔壁22はそれぞれ、金属メッシュ等の通気性を有する部材で構成されている。即ち、収容空間S1の通気性は、2つの隔壁22によって確保されている。
[0028]
 また蓄熱体収容部20は、収容空間S1に通じており、一次ガスG1が流通可能な第1流通口20aを有している。本実施形態では、第1流通口20aは、隔壁22を介して収容空間S1に通じている。本実施形態では、第1流通口20aは、筒状部材21の一部(筒状部材21の一方の端部)によって構成されている。本実施形態では、第1流通口20aには、一次ガスG1を供給することができる。また本実施形態では、第1流通口20aには、一次ガスG1と異なる二次ガスG2を流通させることができる。二次ガスG2としては、例えば、室内又は室外の空気や、ドライエア等が挙げられる。また一次ガスG1と二次ガスG2との切り替えは、例えば、後述するように、切換弁によって行うことができる。
[0029]
 更に蓄熱体収容部20は、収容空間S1に通じており、一次ガスG1が流通可能な第2流通口20bを有している。本実施形態では、第2流通口20bは、隔壁22を介して収容空間S1に通じている。本実施形態では、第2流通口20bは、筒状部材21の一部(筒状部材21の他方の端部)によって構成されている。本実施形態では、第2流通口20bは、蓄熱体10を収容した収容空間S1を通過した一次ガスG1又は二次ガスG2を放出することができる。即ち、本実施形態では、第2流通口20bは、蓄熱体10を通過して熱交換が行われた一次ガスG1又は二次ガスG2を、熱媒体G3として放出することができる。
[0030]
 次に、本実施形態に係る蓄放熱装置100の使用方法について説明する。
[0031]
[放熱モード]
 本実施形態に係る蓄放熱装置100は、酸化カルシウム又は酸化マグネシウム等の第2族元素化合物を含む、蓄熱体10に対して、水分子H Oを含むガスを供給することにより、加熱された熱媒体G3を放出させることができる。
[0032]
 本実施形態に係る蓄放熱装置100ではまず、蓄熱体収容部20の第1流通口20aに一次ガスG1を供給する。本実施形態では、一次ガスG1は、水分子H Oを含むガスである。本実施形態では、一次ガスG1として、工場スチームが使用されている。
[0033]
 一次ガスG1は、第1流通口20aから、蓄熱体10が収容された収容空間S1に導入される。更に一次ガスG1は、収容空間S1を通過して第2流通口20bから放出される。このとき、収容空間S1に収容された蓄熱体10は、一次ガスG1によって水和反応を開始する。これにより、蓄熱体10が放熱(発熱)を開始する。このため、一次ガスG1の供給を継続すれば、一次ガスG1は直接、蓄熱体10に接触し、当該蓄熱体10によって加熱された熱媒体G3として、第2流通口20bから外部に放出される。
[0034]
 従って、本実施形態に係る蓄放熱装置100によれば、一次ガスG1は、蓄熱体10との熱交換を直接行うことで、加熱された熱媒体G3として、外部に放出されることになる。なお、本実施形態に係る蓄放熱装置100によれば、第2流通口20bに一次ガスG1を供給した場合も、結果は同様である。この場合、一次ガスG1は、加熱された熱媒体G3として、第1流通口20aから外部に放出されることになる。
[0035]
 また本実施形態に係る蓄放熱装置100によれば、一次ガスG1を第1流通口20aに供給し、その後、当該第1流通口20aに二次ガスG2を供給することができる。本実施形態では、二次ガスG2として室内空気を使用している。この場合、一次ガスG1は、蓄熱体10を反応させるための反応媒体として機能し、その後、外部に放出される。これに対し、二次ガスG2は、一次ガスG1に代わって、蓄熱体10によって加熱された熱媒体G3となり、その後、外部に放出される。更に本実施形態に係る蓄放熱装置100によれば、一次ガスG1を供給したまま二次ガスG2を供給することにより、一次ガスG1及び二次ガスG2の混合ガスを、加熱された熱媒体G3として外部に放出することができる。なお、本実施形態に係る蓄放熱装置100によれば、第2流通口20bに一次ガスG1及び二次ガスG2を供給した場合も、結果は同様である。この場合も、二次ガスG2又は一次ガスG1及び二次ガスG2の混合ガスは、蓄熱体10との熱交換を直接行うことで、加熱された熱媒体G3として、第1流通口20aから外部に放出されることになる。
[0036]
 このように、本実施形態に係る蓄放熱装置100によれば、蓄熱体10が熱源体として発熱することにより、一次ガスG1及び二次ガスG2の少なくともいずれか一方のガスを、直接、蓄熱体10に接触させ、当該蓄熱体10によって熱交換された熱媒体G3として使用することができる。
[0037]
[蓄熱モード(加熱方式)]
 また本実施形態に係る蓄放熱装置100では、水和反応後の、水酸化カルシウム(Ca(OH) )又は水酸化マグネシウム(Mg(OH) )等を主成分に含む蓄熱体10が外部からの熱を吸収することにより、蓄熱体10の発熱性能を復元させることができる。
[0038]
 蓄熱体10が吸収する熱としては、例えば、第1流通口20a又は第2流通口20bに供給される熱が挙げられる。こうした熱としては、例えば、炉や内燃機関からの廃熱等の熱媒体(加熱ガス)の熱が挙げられる。こうした加熱ガスを使用する場合、蓄熱体10の発熱性能は、蓄熱体収容部20内を通過する当該加熱ガスの熱を吸収することによって復元される。従って、蓄熱体10の発熱性能を復元させる場合も、蓄熱体10との熱交換を直接行うことができる。
[0039]
 また蓄熱体10が吸収する熱としては、例えば、電気エネルギから変換された熱(エネルギ)であってもよい。こうした熱は、例えば、蓄熱体収容部20に隣接して配置された、加熱コイル等を備える機器によって供給される。こうした機器を使用する場合、蓄熱体10の発熱性能は、前記機器からの放出熱を吸収することによって復元される。
[0040]
[蓄熱モード(減圧方式)]
 更に蓄熱モードでは、蓄熱体収容部20の収容空間S1を減圧させることにより、蓄熱体10の発熱性能を復元させることができる。収容空間S1の減圧方法としては、例えば、蓄熱体収容部20の第1流通口20a及び第2流通口20bのいずれか一方を密封し、他方から収容空間S1内の空気を吸引する。
[0041]
 本実施形態に係る蓄放熱装置100によれば、熱媒体(本実施形態では、一次ガスG1若しくは二次ガスG2又はこれらの混合ガス)と蓄熱体10との熱交換を直接行うことができる。このため、本実施形態に係る蓄放熱装置100によれば、従来の蓄放熱装置に比べて、熱交換効率を向上させることができる。また本実施形態に係る蓄放熱装置100によれば、熱媒体流路等の熱交換部やフィンが不要となる。このため、本実施形態に係る蓄放熱装置100によれば、蓄放熱装置の小型化を図ることができ、また生産性やコスト等が改善される。
[0042]
 図2には、本発明の第2実施形態に係る、蓄放熱装置200を示す。蓄放熱装置200は、図1の蓄放熱装置100と同じく、蓄熱体10を熱源体としている。以下の説明において、図1の蓄放熱装置100と実質的に同一の部分は、同一の符号を持ってその説明を省略する。
[0043]
 蓄熱体10を構成する化学蓄熱材には、上述のように、水蒸気等のガスが供給されることで発熱するものがある。ガスに含まれる水分子H Oは、蓄熱体が収容される空間内の温度が低い場合、当該収容空間内で液化することがある。しかしながら、化学蓄熱材には、液体が付着すると、液体を気化させるのに熱が消費されるため、全体として発熱性能が低下するものがある。このため、蓄熱体は、予め加熱しておくことが好ましい。
[0044]
 ところが、例えば、蓄放熱装置内のレイアウトが制限される場合、蓄熱体の予熱に加熱コイル等を備える機器を用いた場合、蓄熱体10の搭載量が減少し、十分な発熱性能を発揮できない場合がある。
[0045]
 そこで、本実施形態に係る蓄放熱装置200は、機器を用いて予熱することなく、蓄熱体10の発熱性能の低下を効率的に抑制することができる蓄放熱装置の提供を1つの目的とする。
[0046]
 本実施形態に係る蓄放熱装置200は、図1の蓄放熱装置100の構成に加え、蓄熱体収容部20の収容空間S1を予熱する予熱部30を更に備えている。予熱部30は、収容空間S1に仕切壁(本実施形態では、蓄熱体収容部20の筒状部材21)を介して隣接して配置された予熱ガス充填空間S2と、予熱ガス充填空間S2に通じており、予熱ガスG0を導入可能な予熱ガス導入口30aと、を有している。
[0047]
 本実施形態では、予熱ガス充填空間S2は、蓄熱体収容部20の筒状部材21と、筒状部材21をその軸の周りに取り囲む外壁部材31とで構成されている。また本実施形態では、予熱ガス導入口30aは、外壁部材31に形成されている。本実施形態では、例えば、蓄熱体収容部20の筒状部材21は、熱伝導性の高い材料(例えば、ステンレス鋼)により構成されていることが好ましい。また本実施形態では、予熱部30の外壁部材31は、熱伝導性が低い材料(例えば、セラミックウールなどの断熱材)より構成されていること、又は、その外面を保温材(断熱材)で被覆したものであることが好ましい。
[0048]
 また本実施形態では、予熱部30は、予熱ガス充填空間S2に通じており、予熱ガスG0を排出可能な予熱ガス排出口30bを有している。更に本実施形態に係る蓄放熱装置200は、予熱部30の予熱ガス排出口30bからの予熱ガスG0を排出可能な予熱ガス排出路R5と、予熱ガス排出路R5からの予熱ガスG0を収容可能なドレイン室70と、ドレイン室70で液化した液体を排出可能なドレインポートP4と、予熱ガス排出路R5を開閉する切換弁(開閉弁)V6とを備えている。
[0049]
 本実施形態に係る蓄放熱装置200では、切換弁V6を制御して予熱ガス排出路R5を閉じた後又は開いたまま、予熱部30の予熱ガス充填空間S2に予熱ガス導入口30aから予熱ガスG0を導入する。これにより、予熱ガスG0の放熱によって蓄熱体10を予熱することができる。この場合、蓄熱体10と共に蓄熱体収容部20の収容空間S1が加熱されることにより、一次ガスG1に含まれる水分子H Oが収容空間S1内で液化することを抑制できる。従って、本実施形態に係る蓄放熱装置200によれば、予熱ガスG0を用いることにより、加熱コイル等の機器を用いて予熱することなく、蓄熱体10の発熱性能の低下を効率的に抑制することができる。
[0050]
 ところで、本実施形態に係る蓄放熱装置200では、一次ガスG1と、予熱ガスG0とは、同一のガスとすることができる。
[0051]
 本実施形態では、一次ガスG1として、工場スチームを使用している。工場スチームの温度は通常、80(°C)~200(°C)である。このように予め加熱されたガスを、一次ガスG1として使用すると共に予熱ガスG0として使用すれば、蓄熱体10に対する予熱を、同一のガスを使用することによって効率的に行うことができる。
[0052]
 また本実施形態に係る蓄放熱装置200は、一次ガスG1と、予熱ガスG0とに同一のガスを使用する。このため、当該同一のガスを、蓄熱体収容部20の第1流通口20a及び予熱部30の予熱ガス導入口30aに供給可能な同一ガス供給部40を更に備えている。
[0053]
 本実施形態では、同一ガス供給部40は、同じ供給源からの同じ一次ガスG1を前記同一のガスとして、蓄熱体収容部20の第1流通口20a及び予熱部30の予熱ガス導入口30aに供給することができる。詳細な構成については後述する。この場合、同じ1つのガスを前記同一のガスとして使用できるため、蓄熱体10に対する予熱を効率的に行うことができる。
[0054]
 上述のとおり、本実施形態では、同一ガス供給部40は、供給源が同じ一次ガスG1を前記同一のガスとしている。
[0055]
 詳細には、図2の同一ガス供給部40は、一次ガスG1を蓄熱体収容部20の第1流通口20aに供給可能な一次ガス流通路R1と、一次ガス流通路R1から分岐して、一次ガスG1を予熱部30の予熱ガス導入口30aに供給可能な予熱ガス流通路R2と、一次ガス流通路R1及び予熱ガス流通路R2の少なくともいずれか一方を、対応する蓄熱体収容部20の第1流通口20a及び予熱部30の予熱ガス導入口30aの少なくともいずれか一方に通じさせる、少なくとも1つの切換弁V40と、を備えている。この場合、一次ガスG1の供給源を同一とすることができ、また切換弁V40を制御するだけの簡単な操作により、供給源が同じ一次ガスG1の供給を容易に制御することができる。
[0056]
 特に本実施形態では、切換弁V40は、一次ガス流通路R1及び予熱ガス流通路R2それぞれに設けられている。本実施形態では、切換弁V40は、2つの開閉弁V1及びV2で構成されている。開閉弁V1は、一次ガス流通路R1中に設けられている。開閉弁V1は、手動により、又は、電気制御若しくはエアー制御等により、一次ガス流通路R1を開閉することができる。また開閉弁V2は、予熱ガス流通路R2中に設けられている。開閉弁V2は、手動により、又は、電気制御若しくはエアー制御等により、予熱ガス流通路R2を開閉することができる。本実施形態では、切換弁V40は、一次ガス流通路R1と、予熱ガス流通路R2とのそれぞれに設けられているため、蓄熱体収容部20への一次ガスG1の供給と、予熱部30への一次ガスG1の供給とを、それぞれ、独立して行うことができる。
[0057]
 ところで、切換弁V40は、複数の、手動により、又は、電気制御若しくはエアー制御等される、ボール弁やゲート弁等の他、1つの電気制御弁とすることも可能である。こうした電気制御弁としては、例えば、1つの入力ポートと、2つの出力ポートと、電磁ソレノイド等により電気制御可能な1つのプランジャとを備えるものが挙げられる。前記電気制御弁は、プランジャを動作させることにより、前記入力ポートから2つの前記出力ポートへの経路を切換可能にすると共に前記入力ポートから2つの前記出力ポートへの経路を閉じることができる。この場合、例えば、一次ガス流通路R1と予熱ガス流通路R2との分岐部分に切換弁V40として、1つの電気制御弁を設ければ、蓄熱体収容部20への一次ガスG1の供給と、予熱部30への一次ガスG1の供給とを、1つの切換弁V40で行うことができる。
[0058]
 なお、符号V3は、同一ガス供給部40に補助的に設けられた任意の切換弁(開閉弁)である。本実施形態では、開閉弁V3は、一次ガス流通路R1中に設けられている。具体的には、開閉弁V3は、開閉弁V1よりも、一次ガス流通路R1と予熱ガス流通路R2との分岐部分よりも上流側に設けられている。開閉弁V3は、手動により、又は、電気制御若しくはエアー制御等により、一次ガス流通路R1を開閉することができる。本実施形態では、開閉弁V3は、同一ガス供給部40に対して任意に設けることができる。本実施形態では、開閉弁V3は、例えば、切換弁V40が故障等をしたときのフェールセーフ用の開閉弁として機能する。
[0059]
 また同一ガス供給部40は、図2の変形例として、供給源が異なる2つの一次ガスG1を前記同一のガスとすることができる。即ち、供給源が異なる2つの一次ガスG1を前記同一のガスとして、それぞれ、蓄熱体収容部20の第1流通口20a及び予熱部30の予熱ガス導入口30aの少なくともいずれか一方に供給することができる。具体的な構成については後述する。この場合も、同じ1つのガスを前記同一のガスとして使用できるため、蓄熱体10に対する予熱を効率的に行うことができる。
[0060]
 上記の変形例では、同一ガス供給部40は、供給源が異なる2つの一次ガスG1を前記同一のガスとしている。この場合、一次ガスG1は、2つの供給源からそれぞれ独立して供給される。ここで、「同一のガス」には、温度、純度が異なるものも含まれる。例えば、純度の異なる同一のガスの場合、純度の高いガスは、蓄熱体収容部20の第1流通口20aに供給し、純度の低いガスを予熱部30の予熱ガス導入口30aに供給することができる。また温度の異なる同一のガスの場合、温度の高いガスは、予熱部30の予熱ガス導入口30aに供給し、温度の低いガスは、蓄熱体収容部20の第1流通口20aに供給することができる。
[0061]
 詳細には、上記の変形例に係る同一ガス供給部40では、例えば、一次ガス流通路R1と、予熱ガス流通路R2とを互いに独立した流通路として構成する。例えば、一次ガス流通路R1は、一方の供給源(図示省略)に繋がり、当該一方の供給源から一次ガスG1が供給される。そして、予熱ガス流通路R2は、他方の供給源(図示省略)に繋がり、当該他方の供給源から予熱ガスG0(一次ガスG1)が供給される。一次ガスG1を蓄熱体収容部20に供給するときは、一次ガス流通路R1の開閉弁V1を開く。反対に、予熱ガスG0(一次ガスG1)を予熱部30に供給するときは、予熱ガス流通路R2の開閉弁V2を開く。これにより、図2の実施形態と同様、蓄熱体収容部20への一次ガスG1の供給と、予熱部30への予熱ガスG0(一次ガスG1)の供給とを、それぞれ、独立して行うことができる。このように供給源が異なる2つの一次ガスG1を前記同一のガスとする場合も、切換弁V40を制御するだけの簡単な操作により、一次ガスG1の供給を容易に制御することができる。
[0062]
 ところで、上述のとおり、一次ガスG1には、水蒸気を使用することができる。
[0063]
 しかしながら、水蒸気は、比熱が高く温まり難い。このため、例えば、一次ガスG1として水蒸気を使用する場合、加熱された熱媒体G3として、一次ガスG1を高温出力することは容易ではない。
[0064]
 そこで、本実施形態に係る蓄放熱装置200は、異なる熱媒体を放出することができる蓄放熱装置の提供を1つの目的とする。
[0065]
 本実施形態に係る蓄放熱装置200は、一次ガスG1と、一次ガスG1と異なる二次ガスG2との少なくともいずれか一方を、蓄熱体収容部20の第1流通口20aに供給可能な一次ガス供給変更部50を更に備えている。この場合、一次ガスG1及び二次ガスG2の少なくともいずれか一方が蓄熱体収容部20の第1流通口20aに供給されることにより、一次ガスG1、二次ガスG2又はこれらの混合ガスを、異なる熱媒体G3として放出することができる。
[0066]
 本実施形態に係る蓄放熱装置200において、一次ガス供給変更部50は、一次ガスG1を蓄熱体収容部20の第1流通口20aに供給可能な一次ガス流通路R1と、一次ガス流通路R1に合流して、二次ガスG2を蓄熱体収容部20の第1流通口20aに供給可能な二次ガス流通路R3と、一次ガス流通路R1及び二次ガス流通路R3の少なくともいずれか一方を、蓄熱体収容部20の第1流通口20aに通じさせる、少なくとも1つの切換弁V50と、を備えている。この場合、切換弁V50を制御するだけの簡単な操作により、一次ガスG1及び二次ガスG2の供給を容易に制御することができる。
[0067]
 特に本実施形態では、切換弁V50は、一次ガス流通路R1及び二次ガス流通路R3それぞれに設けられている。本実施形態では、一次ガス流通路R1は、同一ガス供給部40と共通である。本実施形態では、切換弁V50は、2つの開閉弁V1及びV5で構成されている。本実施形態では、開閉弁V1は、同一ガス供給部40と共通である。開閉弁V5は、二次ガス流通路R3中に設けられている。開閉弁V5は、手動により、又は、電気制御若しくはエアー制御等により、二次ガス流通路R3を開閉する。この場合、切換弁V50は、一次ガス流通路R1と、二次ガス流通路R3とのそれぞれに設けられているため、蓄熱体収容部20への一次ガスG1の供給と、蓄熱体収容部20への二次ガスG2の供給とを、それぞれ、独立して行うことができる。なお、本実施形態では、二次ガス流通路R3が一次ガス流通路R1に合流する部分と、蓄熱体収容部20の第1流通口20aとの間は、共通の1つの通路R6として構成されている。
[0068]
 また切換弁V50は、切換弁V40と同様、複数の、手動又は電気制御若しくはエアー制御される、ボール弁やゲート弁等の他、1つの電気制御弁とすることも可能である。こうした電気制御弁としては、例えば、切換弁V40と同様、1つの入力ポートと、2つの出力ポートと、電磁ソレノイド等により電気制御可能な1つのプランジャとを備えるものが挙げられる。前記電気制御弁は、プランジャを動作させることにより、前記入力ポートから2つの前記出力ポートへの経路を切換可能にすると共に前記入力ポートから2つの前記出力ポートへの経路を閉じることができる。切換弁V50を1つの電気制御弁とした場合、例えば、切換弁V50は、一次ガス流通路R1と二次ガス流通路R3との合流部分に設けることができる。この場合、蓄熱体収容部20への一次ガスG1の供給と、蓄熱体収容部20への二次ガスG2の供給とを、1つの切換弁V50で行うことができる。
[0069]
 ところで、金属酸化物等を用いた化学蓄熱材は、当該化学蓄熱材に供給されるガスに含まれる二酸化炭素(CO )により炭酸化する場合がある。この場合、例えば、酸化マグネシウム(MgO)は、二酸化炭素(CO )と反応すると炭酸マグネシウム(MgCO )に変化する。また酸化カルシウム(CaO)は、二酸化炭素(CO )と反応すると炭酸カルシウム(CaCO )に変化する。また、水酸化マグネシウム(Mg(OH) )は、二酸化炭素(CO )と反応すると炭酸マグネシウム(MgCO )に変化する。また水酸化カルシウム(Ca(OH) )は、二酸化炭素(CO )と反応すると炭酸カルシウム(CaCO )に変化する。
[0070]
 しかしながら、化学蓄熱材の炭酸化は、放熱及び蓄熱の可逆的な反応を阻害し、ひいては、蓄熱体10の発熱性能及び蓄熱性能を低下させる場合がある。
[0071]
 そこで、本実施形態に係る蓄放熱装置200は、蓄熱体10の発熱性能及び蓄熱性能を長期にわたって維持することができる蓄放熱装置の提供を1つの目的とする。
[0072]
 本実施形態に係る蓄放熱装置200は、二次ガスG2を脱炭酸処理する二次ガス脱炭酸処理部60を更に備えている。
[0073]
 本実施形態では、二次ガス脱炭酸処理部60は、二次ガス流通路R3中に設けられている。具体的には、二次ガス脱炭酸処理部60は、二次ガス流通路R3の切換弁V50(開閉弁V5)よりも上流側(ここでは、二次ガスG2が供給される側)に設けられている。本実施形態では、二次ガス脱炭酸処理部60は、二次ガスG2を通過させることができる。二次ガスG2が二次ガス脱炭酸処理部60を通過すると、例えば、化学吸着法やリチウムシリケート等を用いた脱炭酸処理が行われ、二次ガスG2内の二酸化炭素(CO )が除去される。二次ガスG2に含まれる二酸化炭素(CO )が除去されると、二酸化炭素(CO )が蓄熱体10に含まれる金属酸化物等と結び付くことがない。このため、例えば、蓄熱体10に含まれる酸化カルシウム(CaO)が炭酸カルシウム(CaCO )に変化し、反応済みの蓄熱体10を加熱しても、発熱性能を完全に復元できなくなるような現象が抑制される。このように、本実施形態に係る蓄放熱装置200によれば、二次ガスG2に起因する蓄熱体10の炭酸化が抑制されることから、蓄熱体10の発熱性能及び蓄熱性能を長期にわたって維持することができる。
[0074]
 本実施形態では、後述するように、一次ガスG1は、蓄熱体10を発熱させるだけのためのガスとして使用している。このため、継続的に供給される二次ガスG2に起因する炭酸化の影響に比べて、一次ガスG1に起因する炭酸化の影響は小さいと考えられる。しかしながら、一次ガスG1に起因する炭酸化の影響を考慮すれば、本実施形態に係る蓄放熱装置200は、その変形例として、一次ガスG1を脱炭酸処理する一次ガス脱炭酸処理部(図示省略)を更に備えることが好ましい。
[0075]
 上記の変形例では、前記一次ガス脱炭酸処理部は、二次ガス脱炭酸処理部60と同様の構成とすることができる。例えば、前記一次ガス脱炭酸処理部は、一次ガス流通路R1中に設けることができる。具体的には、前記一次ガス脱炭酸処理部は、一次ガス流通路R1と予熱ガス流通路R2との分岐部分と、二次ガス流通路R3が一次ガス流通路R1に合流する部分との間に設けることが好ましい。前記一次ガス脱炭酸処理部においても、一次ガスG1が前記一次ガス脱炭酸処理部を通過すると、例えば、化学吸着法等を用いた脱炭酸処理が行われ、一次ガスG1の二酸化炭素(CO )が除去される。一次ガスG1に含まれる二酸化炭素(CO )が除去されると、二次ガス脱炭酸処理部60と同様、二酸化炭素(CO )が蓄熱体10に含まれる金属酸化物等と結び付くことがない。このため、例えば、蓄熱体10に含まれる酸化カルシウム(CaO)が炭酸カルシウム(CaCO )に変化し、反応済みの蓄熱体10を加熱しても、発熱性能を完全に復元できなくなるような現象が更に抑制される。このように、本実施形態に係る蓄放熱装置200に更に、前記一次ガス脱炭酸処理部を設ければ、一次ガスG1に起因する蓄熱体10の炭酸化が抑制されることから、蓄熱体10の発熱性能及び蓄熱性能をより長期にわたって維持することができる。
[0076]
 更に本実施形態に係る蓄放熱装置200は、図2に示すように、一次ガスG1を導入可能な第1ポートP1と、蓄熱体収容部20の第2流通口20bからの熱媒体G3を流通可能な熱媒体流通路R4と、熱媒体G3を放出可能な第2ポートP2と、二次ガスG2を導入可能な第3ポートP3と、を備えている。
[0077]
 本実施形態では、第1ポートP1は、一次ガス流通路R1に接続されており、例えば、工場スチーム配管(図示省略)に接続することができる。また本実施形態では、第2ポートP2は、熱媒体流通路R4に接続されており、例えば、工場内の高温ガス供給用配管(図示省略)に接続することができる。第3ポートP3は、二次ガス流通路R3に接続されており、例えば、工場内のエアコンプレッサー(図示省略)に接続することができる。
[0078]
 更に本実施形態に係る蓄放熱装置200は、図2に示すように、熱媒体流通路R4中に、切換弁(開閉弁)V4を備えている。開閉弁V4は、手動により、又は、電気制御若しくはエアー制御等により、熱媒体流通路R4を開閉することができる。
[0079]
 次に、図2~図8を参照して、本実施形態に係る蓄放熱装置200の動作について説明する。以下、本実施形態では、蓄放熱装置200は、図2に示す初期状態において、全ての開閉弁(V1~V6)が閉じられた状態にある。
[0080]
[放熱モード]
 蓄放熱装置200は、図1の蓄放熱装置100と同様、加熱された熱媒体G3を放出させることができる。
[0081]
<予熱工程>
 本実施形態に係る放熱モードではまず、予熱工程が実行される。図3には、放熱モードにおける予熱工程を示す。本実施形態に係る予熱工程では、一次ガスG1を予熱ガスG0として、予熱部30の予熱ガス充填空間S2に供給する。これにより、加熱コイル等の機器を用いることなく、蓄熱体10と共に蓄熱体収容部20の収容空間S1を予熱することができる。
[0082]
 具体的には、予熱ガス流通路R2を開いて、第1ポートP1と予熱部30の予熱ガス導入口30aとを連通させる。これにより、第1ポートP1から導入された一次ガスG1を予熱ガス充填空間S2に供給することができる。詳細には、同一ガス供給部40の開閉弁V2を開くと共に開閉弁V3を開く。この場合、開閉弁V2は、開閉弁V3を開いた後に開くことが好ましい。
[0083]
 更に本実施形態に係る予熱工程では、予熱部30の予熱ガス充填空間S2内に充填された予熱ガスG0(一次ガスG1)をドレイン室70に放出させることができる。これにより、予熱ガス充填空間S2内に過度に充填された一次ガスG1を放出・液化させて廃棄又は回収することができる。また予熱ガス充填空間S2内の一次ガスG1をドレイン室70に放出すれば、予熱ガス充填空間S2内の温度が過度に上昇しないように調整することができる。
[0084]
 具体的には、予熱ガス排出路R5を開いて、予熱部30の予熱ガス排出口30bとドレイン室70とを連通させる。これにより、予熱ガス充填空間S2内の予熱ガスG0(一次ガスG1)をドレイン室70に放出することができる。詳細には、図3に示すように、予熱ガス排出路R5中の切換弁V6を開いておく。
[0085]
 なお、予熱工程の終了は、例えば、一次ガスG1の供給開始から所定時間TM1を経過したかどうかにより判断することができる。所定時間TM1は、蓄熱体10及び一次ガスG1の種類や量等によって、予め求めることができる。所定時間TM1は、蓄熱体収容部20の収容空間S1の大きさ、蓄放熱装置そのものの大きさ等、蓄放熱装置の具体的な構成に応じて、適宜調整することができる。具体例としては、例えば、所定時間TM1は、0(秒)~3600(秒)の範囲とすることができる。また予熱工程の終了は、例えば、蓄熱体収容部20の収容空間S1内の温度、予熱部30の予熱ガス充填空間S2内の温度又は蓄熱体収容部20の周辺温度(以下、「蓄熱体10等の温度TP」ともいう。)が所定温度TP1を超えたかどうかにより判断することができる。所定温度TP1も、蓄熱体10及び一次ガスG1(予熱ガスG0)の種類や量等によって、決めることができる。例えば、所定温度TP1は、120(°C)~300(°C)の範囲とすることができる。
[0086]
<反応工程(一次放熱工程)>
 予熱工程が終了すると、反応工程が実行される。図4には、放熱モードにおける反応工程を示す。本実施形態に係る反応工程では、蓄熱体10が収容された蓄熱体収容部20の収容空間S1に一次ガスG1を供給する。これにより、蓄熱体10は、一次ガスG1と反応し、放熱(発熱)を開始する。
[0087]
 具体的には、一次ガス流通路R1を開いて、第1ポートP1と蓄熱体収容部20の第1流通口20aとを連通させる。これにより、第1ポートP1から導入された一次ガスG1を蓄熱体収容部20の収容空間S1に供給することができる。詳細には、予熱工程の終了後、同一ガス供給部40の開閉弁V2及びV3に加えて開閉弁V1を開く。
[0088]
 更に本実施形態に係る反応工程では、蓄熱体収容部20の収容空間S1に供給された一次ガスG1を第2流通口20bから放出させる。これにより、第1ポートP1からの一次ガスG1の量を調整することなく、蓄熱体収容部20の第1流通口20aに供給するだけで、蓄熱体10を発熱させることができる。
[0089]
 具体的には、熱媒体流通路R4を開いて、蓄熱体収容部20の第2流通口20bと第2ポートP2とを連通させる。これにより、蓄熱体収容部20の収容空間S1に供給された一次ガスG1を第2ポートP2に放出させることができる。詳細には、熱媒体流通路R4の開閉弁V4を開く。この場合、開閉弁V4は、同一ガス供給部40の開閉弁V1よりも前に開くことが好ましい。
[0090]
 なお、図4に示すように、本実施形態に係る反応工程を継続し、一次ガスG1を蓄熱体収容部20の収容空間S1内に供給し続けることができる。この場合、本実施形態に係る反応工程はそのまま一次放熱工程となる。一次放熱工程では、一次ガスG1は直接、蓄熱体10に接触し、当該蓄熱体10によって加熱された熱媒体G3として、第2ポートP2に放出させることができる。この場合、同一ガス供給部40の開閉弁V2は開いたままでもよいが、閉じておくことも可能である。
[0091]
<二次放熱工程(放熱工程)>
 反応工程が終了すると、放熱工程が実行される。図5には、反応工程から放熱工程への移行状態を示す。本実施形態に係る放熱工程では先ず、図5に示すように、蓄熱体収容部20の収容空間S1に供給される一次ガスG1を減らしつつ、当該収容空間S1に二次ガスG2を供給する。これにより、二次ガスG2が蓄熱体収容部20の収容空間S1から一次ガスG1を押し出しながら、熱媒体G3として蓄熱体収容部20の第2流通口20bに放出される。
[0092]
 具体的には、一次ガス流通路R1(共通の1つの通路R6以外の一次ガス流通路R1)を閉じつつ、第3ポートP3と蓄熱体収容部20の第1流通口20aとを連通させる。これにより、第1ポートP1から導入された一次ガスG1を減らしつつ、第3ポートP3から導入された二次ガスG2を蓄熱体収容部20の収容空間S1に供給することができる。詳細には、一次ガス供給変更部50(同一ガス供給部40)の開閉弁V1を閉じつつ、一次ガス供給変更部50の開閉弁V5を開く。この場合、開閉弁V5は、開閉弁V1が閉じるよりも前に開くことが好ましい。
[0093]
 二次放熱工程の開始(反応工程の終了)は、例えば、一次ガスG1の供給開始から所定時間TM2を経過したかどうかにより判断することができる。
[0094]
 本実施形態では、一次ガスG1の供給は、例えば、蓄熱体10での水和反応が臨界に達するまでに必要な水分子H 0の量を基準にすると、当該基準量の水分子H 0が蓄熱体10に供給されるまで行うことができる。ここで、「臨界」とは「蓄熱体10での放熱が最大となるとき」をいう。具体例としては、一次ガスG1の供給は、一次ガスG1の供給開始から所定時間TM2まで行われる。本実施形態では、所定時間TM2は、例えば、蓄熱体10での水和反応が臨界に達するまでに必要な一次ガスG1の供給に要する時間taである。時間taは、蓄熱体10及び一次ガスG1の種類や量等によって、予め求めることができる。また所定時間TM2は、時間taより長い時間とすることができ、或いは、時間taよりも短い時間とすることもできる。所定時間TM2も、蓄熱体収容部20の収容空間S1の大きさ、蓄放熱装置そのものの大きさ等、蓄放熱装置の具体的な構成に応じて、適宜調整することができる。具体例としては、例えば、所定時間TM2は、0(秒)~3600(秒)の範囲とすることができる。
[0095]
 所定時間TM2が経過した後は、一次ガス供給変更部50の開閉弁V1を閉じつつ、一次ガス供給変更部50の開閉弁V5を開く。これにより、二次ガスG2が一次ガスG1を押し出しつつ蓄熱体10が収容された蓄熱体収容部20の収容空間S1を通過する。このため、二次ガスG2の供給を継続すれば、二次ガスG2は直接、蓄熱体10に接触し、当該蓄熱体10によって加熱された熱媒体G3として、第2ポートP2に放出される。
[0096]
 また二次放熱工程の開始(反応工程の終了)は、例えば、蓄熱体10等の温度TPが所定温度TP2を超えたかどうかにより判断することができる。
[0097]
 具体例としては、一次ガスG1の供給は、例えば、蓄熱体10等の温度TPが、所定温度TP2に達するまで行うことができる。本実施形態では、蓄熱体10等の温度TPは、温度センサ等の温度計測器を用いて検出することができる。本実施形態では、所定温度TP2は、例えば、蓄熱体10が発熱したときの臨界温度T10maxである。臨界温度T10maxは、蓄熱体10及び一次ガスG1の種類や量等によって、予め求めることができる。また所定温度TP2は、臨界温度T10maxより長い時間とすることができ、或いは、臨界温度T10maxよりも短い時間とすることもできる。例えば、所定温度TP2は、500(°C)とすることができる。
[0098]
 所定温度TP2に達した後は、一次ガス供給変更部50の開閉弁V1を閉じつつ、一次ガス供給変更部50の開閉弁V5を開く。これにより、二次ガスG2が一次ガスG1を押し出しつつ蓄熱体10が収容された蓄熱体収容部20の収容空間S1を通過し始める。このため、二次ガスG2の供給を継続すれば、二次ガスG2は直接、蓄熱体10に接触し、当該蓄熱体10によって加熱された熱媒体G3として、第2ポートP2に放出される。
[0099]
 図6には、蓄熱体収容部20の第1流通口20aに供給されるガスが一次ガスG1から二次ガスG2に完全に変更された状態を示す。本実施形態では、一次ガス供給変更部50の開閉弁V1が完全に閉じられており、蓄熱体収容部20の第1流通口20aに供給されるガスは、二次ガスG2のみとなっている。これにより、蓄熱体10によって加熱された二次ガスG2が加熱された熱媒体G3として第2ポートP2に放出される。なお、本実施形態では、同一ガス供給部40の開閉弁V2及びV3を閉じている。ただし、同一ガス供給部40の開閉弁V2及びV3は、開けたままとすることができる。
[0100]
 このように、本実施形態に係る蓄放熱装置200では、図1の蓄放熱装置100と同様、蓄熱体収容部20の第1流通口20aから供給される一次ガスG1により、蓄熱体10での反応が開始されることで、当該蓄熱体10が、熱源体として発熱する。また図6に示すように、本実施形態に係る蓄放熱装置200では、蓄熱体収容部20の第1流通口20aに供給される一次ガスG1を二次ガスG2に切り換えることができる。これにより、蓄熱体収容部20の第2流通口20bから放出される二次ガスG2を、蓄熱体10によって熱交換された熱媒体G3として使用することができる。更に、本実施形態に係る蓄放熱装置200では、上述のとおり、蓄熱体収容部20の第1流通口20aから供給される一次ガスG1を二次ガスG2に換えることなく、一次ガスG1を第1流通口20aに供給し続けることも可能である。この場合、蓄熱体収容部20の第2流通口20bから放出される一次ガスG1を、蓄熱体10によって熱交換された熱媒体G3として使用することができる。
[0101]
[蓄熱モード(加熱方式)]
 また本実施形態に係る蓄放熱装置200は、外部からの熱を吸収することにより、蓄熱体10の発熱性能を復元させることができる。本実施形態では、蓄熱体10が吸収する熱として、蓄熱体収容部20の第1流通口20a又は第2流通口20bに熱を供給する。こうした熱としては、例えば、炉や内燃機関からの廃熱等の加熱ガス(熱媒体)G4の熱が挙げられる。
[0102]
 図7には、本実施形態に係る蓄放熱装置200の蓄熱モードの一例を示す。本実施形態に係る蓄放熱装置200では、反応終了後の蓄熱体10を加熱することで、蓄熱体10の発熱性能を復元させる。
[0103]
 本実施形態に係る蓄熱モードでは、加熱ガスG4を第2ポートP2から蓄熱体収容部20の第2流通口20bに供給する。これにより、蓄熱体10の発熱性能は、蓄熱体収容部20内を通過する加熱ガスG4の熱を、当該蓄熱体10が吸収することによって復元される。
[0104]
 具体的には、熱媒体流通路R4を開いて、蓄熱体収容部20の第2流通口20bと第2ポートP2とを連通させる。これにより、第2ポートP2から導入された加熱ガスG4を蓄熱体収容部20の収容空間S1に供給することができる。詳細には、放熱モードの終了後、例えば、第2ポートP2を工場スチーム配管(図示省略)に接続し直す。この場合、熱媒体流通路R4の開閉弁V4は閉じておくことが好ましい。次いで、熱媒体流通路R4の開閉弁V4を開く。
[0105]
 更に本実施形態に係る蓄熱モードでは、蓄熱体収容部20の収容空間S1に供給された加熱ガスG4を一次ガス流通路R1に放出させる。
[0106]
 具体的には、二次ガス流通路R3を閉じると共に、一次ガス流通路R1を開いて、蓄熱体収容部20の第1流通口20aと第1ポートP1とを連通させる。これにより、第2ポートP2からの加熱ガスG4の量を調整することなく、蓄熱体収容部20の第2流通口20bに供給するだけで、蓄熱体10を復元させることができる。詳細には、熱媒体流通路R4の開閉弁V4を開く前に、一次ガス供給変更部50の開閉弁V5を閉じると共に一次ガス供給変更部50の開閉弁V1を開く。この場合、第1ポートP1は、工場スチーム配管(図示省略)から取り外しておくことが好ましい。また開閉弁V5は、開閉弁V1が開くよりも前に閉じることが好ましい。
[0107]
 蓄熱体10の復元に加熱ガスG4を使用する場合、蓄熱体10の発熱性能は、蓄熱体収容部20内を通過する当該加熱ガスの熱を吸収することによって復元される。従って、蓄熱体10の発熱性能を復元させる場合も、蓄熱体10との熱交換を直接行うことができる。
[0108]
[蓄熱モード(加熱方式の二次ガス脱炭酸処理)]
 ところで、例えば、二次ガス脱炭酸処理部60の再生を加熱によって行える場合、本実施形態に係る蓄放熱装置200では、蓄放熱装置200の蓄熱モードの他の例として、蓄熱体10の発熱性能の復元と同時に、二次ガス脱炭酸処理部60の再生を行うことができる。図8には、本実施形態に係る蓄放熱装置200の、蓄熱モードの他の例であって、当該蓄熱モードにおける二次ガス脱炭酸処理部60の再生工程を示す。
[0109]
 本実施形態の他の例に係る蓄熱モードでは、蓄熱体収容部20の収容空間S1に供給された加熱ガスG4を一次ガス流通路R1に代えて、二次ガス流通路R3に放出させる。
[0110]
 具体的には、一次ガス流通路R1(共通の1つの通路R6以外の一次ガス流通路R1)を閉じると共に、二次ガス流通路R3を開いて、蓄熱体収容部20の第1流通口20aと第3ポートP3とを連通させる。これにより、図7の蓄熱モード同様、第2ポートP2からの加熱ガスG4の量を調整することなく、蓄熱体収容部20の第2流通口20bに供給するだけで、蓄熱体10を復元させることができる。加えて、この蓄熱モードでは、加熱ガスG4の熱を使用して二次ガス脱炭酸処理部60の再生を併せて行うことができる。詳細には、放熱モードの終了後、第3ポートP3からエアコンプレッサー等を取り外すと共に第2ポートP2を工場スチーム配管(図示省略)に接続し直す。この場合も、熱媒体流通路R4の開閉弁V4は閉じておくことが好ましい。また一次ガス供給変更部50は、図6の放熱工程の状態を維持し、開閉弁V1を閉じたまま開閉弁V5を開いておく。
[0111]
 この例では、蓄熱体10の発熱性能の復元も、蓄熱体10との熱交換で直接行うことができ、併せて、二次ガス脱炭酸処理部60の再生も行うことができる。なお、一次ガス脱炭酸処理部を設けた場合は、図7にて説明の工程を実行することにより、蓄熱体10の復元と、一次ガス脱炭酸処理部の再生とを併せて行うことができる。
[0112]
[蓄熱モード(減圧方式)]
 更に蓄熱モードでは、蓄熱体収容部20の収容空間S1を減圧させることにより、蓄熱体10の発熱性能を復元させることができる。収容空間S1の減圧方法としては、例えば、第1~第3ポートP1~P3を使用し、蓄熱体収容部20の第1流通口20a及び第2流通口20bのいずれか一方を密封し、他方から収容空間S1内の空気を吸引する。詳細には、一次ガス供給変更部50の開閉弁V1及び開閉弁V5を閉じる一方、第2ポートP2に真空ポンプを接続する。或いは、熱媒体流通路R4の開閉弁V4及び一次ガス供給変更部50の開閉弁V1又は開閉弁V5を閉じる一方、一次ガス供給変更部50の開放された開閉弁に繋がる第1ポートP1又は第3ポートP3に真空ポンプを接続する。
[0113]
 本実施形態に係る蓄放熱装置200によれば、温度を制御すべき熱媒体(本実施形態では、一次ガスG1若しくは二次ガスG2又はこれらの混合ガス)と蓄熱体10との熱交換を直接行うことができる。このため、本実施形態に係る蓄放熱装置200によれば、従来の蓄放熱装置に比べて、熱交換効率を向上させることができる。また本実施形態に係る蓄放熱装置200によれば、熱媒体流路等の熱交換部やフィンが不要となる。このため、本実施形態に係る蓄放熱装置200によれば、蓄放熱装置の小型化を図ることができ、また生産性やコスト等が改善される。
[0114]
 ところで、蓄熱体には、例えば、化学蓄熱材を焼結することにより形成されるものを使用することができる。こうした粉末を固めてなる蓄熱体は、経年劣化等により微粉化することがある。そのため、蓄熱体10が微粉化しないように、様々な対策を施すことが好ましい。
[0115]
 しかしながら、万全を期しても蓄熱体10が部分的に微粉化することの懸念を払拭することはできない。
[0116]
 そこで、本実施形態に係る蓄放熱装置200は、微粉化した蓄熱体10を含まないガスGcを放出することができる蓄放熱装置の提供を1つの目的とする。
[0117]
 本実施形態に係る蓄放熱装置200には、蓄熱体収容部20から放出されたガスGdから粉体を分離する、少なくとも1つの粉体分離部80を更に備えることが好ましい。この場合、本実施形態に係る放熱モードでは、微粉化した蓄熱体10を含まないガスGcとして、第2ポートP2に熱媒体G3を放出することができる。また本実施形態に係る蓄熱モードでは、微粉化した蓄熱体10を含まないガスGcとして、第1ポートP1又は第3ポートP3に加熱ガスG4を放出することができる。
[0118]
 図9には、本実施形態に係る蓄放熱装置200に適用可能な粉体分離部80を有する粉体分離回路300であって、当該粉体分離回路300での、放熱モードにおける粉体分離工程を模式的に示す。また図10には、図9の粉体分離回路300での、蓄熱モードにおける粉体分離工程を模式的に示す。更に図11には、粉体分離部80の一例である、遠心分離方式の粉体分離器を模式的に示す。
[0119]
 図9及び図10に示すように、本実施形態に係る蓄放熱装置200には、粉体分離回路300を設けることができる。本実施形態では、粉体分離回路300は、1つの粉体分離部80と、図10に示すように、蓄熱体収容部20の第1流通口20aから放出されたガスGdを粉体分離部80に導入可能な第1導入路R7と、蓄熱体収容部20の第1流通口20aを第1導入路R7に通じさせる第1切換弁V7と、図9に示すように、蓄熱体収容部20の第2流通口20bから放出されたガスGdを粉体分離部80に導入可能な第2導入路R8と、蓄熱体収容部20の第2流通口20bを第2導入路R8に通じさせる第2切換弁V8と、第1導入路R7又は第2導入路R8のいずれか一方を粉体分離部80に通じさせる第3切換弁V9と、を更に備えている。この場合、3つの切換弁V7~V9を制御するだけの簡単な操作により、微粉化した蓄熱体10を含まないガスGcの放出を容易に制御することができる。
[0120]
 本実施形態では、第1導入路R7は、一次ガス流通路R1から分岐した通路である。本実施形態では、第1導入路R7は、粉体分離部80に接続されている。また本実施形態では、第1切換弁V7は、第1導入路R7が一次ガス流通路R1から分岐する部分に設けられている。
[0121]
 また本実施形態では、第2導入路R8は、熱媒体流通路R4から分岐した通路である。本実施形態では、第2導入路R8は、粉体分離部80に接続されている。また本実施形態では、第2切換弁V8は、第2導入路R8が熱媒体流通路R4から分岐する部分に設けられている。
[0122]
 本実施形態では、第1導入路R7と第2導入路R8とは、粉体分離部80の手前で合流している。即ち、本実施形態では、第1導入路R7と第2導入路R8とが合流する部分と、粉体分離部80との間は、共通の1つの通路R9として構成されている。また本実施形態では、第3切換弁V9は、第1導入路R7と第2導入路R8とが合流する部分に設けられている。
[0123]
 本実施形態では、切換弁V7~V9はそれぞれ、互いに合流する3つの流路のうちから選択した1つの流路を遮断し、残り2つの流路の間の流通を可能にする。切換弁V7~V9はそれぞれ、例えば、三方弁で構成することができる。切換弁V7~V9は、手動により、又は、電気制御若しくはエアー制御等により、1つの流路を遮断することができる。切換弁V7~V9は、手動又は電気制御若しくはエアー制御される、ボール弁等の他、電気制御弁とすることが可能である。こうした電気制御弁としては、例えば、1つの入力ポートと、2つの出力ポートと、電磁ソレノイド等により電気制御可能な1つのプランジャとを備えるものが挙げられる。前記電気制御弁は、プランジャを動作させることにより、前記入力ポートから2つの前記出力ポートへの経路を切換可能にすると共に前記入力ポートから2つの前記出力ポートへの経路を閉じることができる。
[0124]
 また図11に示すように、本実施形態では、粉体分離部80は、遠心分離方式の粉体分離器(サイクロンセパレータ)である。この場合、粉体分離部80に、蓄熱体収容部20の収容空間S1から放出されたガスGdを通すだけで、当該ガスGdに含まれる粉体Pの分離を簡易に行うことができる。
[0125]
 図11では、粉体分離部80は本体81を有している。本実施形態では、本体81は、上端が蓋体部81cで閉じられた円筒部81aと、円筒部81aの下端に繋がる円錐部81bとで構成されている。本体81の内側には、内部空間S3が形成されている。内部空間S3は、円筒部81a、円錐部81b及び蓋体部81cの内面によって形作られている。
[0126]
 また本実施形態では、粉体分離部80は、吸入口82を有している。本実施形態では、吸入口82は、本体81の円筒部81aに設けられている。本実施形態では、吸入口82は、円筒部81aの軸周りを周方向に延在している。吸入口82は、本体81の内部空間S3に通じている。
[0127]
 また本実施形態では、粉体分離部80は、吹出し口83を有している。本実施形態では、吹出し口83は、本体81の蓋体部81cに設けられている。本実施形態では、吹出し口83は、本体81の軸方向に延在している。吹出し口83は、本体81の内部空間S3に通じている。
[0128]
 また本実施形態では、粉体分離部80は、ダスト口84を有している。ダスト口84は、本体81の円錐部81bに設けられている。本実施形態では、ダスト口84は、円錐部81bの先細り端(本体81の下端)に形成された開口である。ダスト口84は、本体81の内部空間S3に通じている。
[0129]
 更に本実施形態では、粉体分離部80は、粉体回収部85を有している。粉体回収部85の内側には、内部空間S4が形成されている。本実施形態では、粉体回収部85は、本体81の円錐部81bに接続されている。粉体回収部85の内部空間S4は、ダスト口84を通して、本体81の内部空間S3に通じている。本実施形態では、粉体回収部85は、粉体分離部80の一部として構成されている。粉体回収部85は、粉体分離部80と分離することができる。
[0130]
 本実施形態に係る粉体分離部80では、粉体Pを含むガスGdが吸入口82に導入されると、当該ガスGdが内部空間S3内で渦流れを生じさせる。このとき、粉体Pは、ガスGdから分離される。その結果、粉体Pは、ダスト口84を通して粉体回収部85に回収される。一方、粉体Pが分離されたガスは、微粉化した蓄熱体10を含まないガスGcとして吹出し口83に放出される。
[0131]
 次に、他の図面を参照しつつ、図9及び図10に示す粉体分離回路300の具体的な動作について説明する。
[0132]
[粉体分離工程(放熱モード)]
 図9に示すように、本実施形態に係る放熱モードでは、一次ガスG1及び二次ガスG2は、共通の1つ通路R6を通して蓄熱体収容部20の第1流通口20aに供給される。蓄熱体収容部20の第1流通口20aに供給された一次ガスG1及び二次ガスG2は、蓄熱体収容部20の第2流通口20bから、加熱された熱媒体G3として放出される。このとき、熱媒体G3は、粉体Pを含むガスGdとして、粉体分離部80の吸入口82に導入される。熱媒体G3は、粉体分離部80の内部空間S3において、微粉化した蓄熱体10を含まないガスGcと、粉体Pとに分離される。粉体Pは、粉体分離部80のダスト口84を通して粉体回収部85に回収される。一方、熱媒体G3は、微粉化した蓄熱体10を含まないガスGcとして、粉体分離部80の吹出し口83に放出される。このため、粉体分離部80の吹出し口83に、例えば、前記高温ガス供給用配管(図示省略)を接続すれば、微粉化した蓄熱体10を含まないきれいなガスGcを熱媒体G3として所望の箇所に供給することができる。
[0133]
 具体的には、第1導入路R7(共通の1つ通路R9以外の第1導入路R7)を閉じることにより、共通の1つ通路R6を蓄熱体収容部20の第1流通口20aに連通させる。これにより、一次ガスG1及び二次ガスG2は、蓄熱体収容部20の第1流通口20aに供給される。詳細には、第1切換弁V7を制御することにより、共通の1つ通路R6(第1ポートP1、第3ポートP3)を開く一方、第1導入路R7(共通の1つ通路R9以外の第1導入路R7)を閉じる。
[0134]
 また第2ポートP2を閉じることにより、蓄熱体収容部20の第2流通口20bを粉体分離部80に連通させる。これにより、熱媒体G3は、微粉化した蓄熱体10を含まないきれいなガスGcとして粉体分離部80から放出される。詳細には、第2切換弁V8を制御することにより、熱媒体流通路R4(第2ポートP2と第2切換弁V8との間)を閉じる一方、第2導入路R8(第2切換弁V8と第3切換弁V9との間)を開く。加えて第3切換弁V9を制御することにより、共通の1つの通路R9(第2導入路R8)を開く。
[0135]
[粉体分離工程(蓄熱モード)]
 図10に示すように、本実施形態に係る蓄熱モードでは、加熱ガスG4は、熱媒体流通路R4を通して蓄熱体収容部20の第2流通口20bに供給される。蓄熱体収容部20の第2流通口20bに供給された加熱ガスG4は、蓄熱体10に熱を吸収されたガスG5として蓄熱体収容部20の第1流通口20aから放出される。このとき、熱吸収されたガスG5は、粉体Pを含むガスGdとして、粉体分離部80の吸入口82に導入される。熱吸収されたガスG5は、粉体分離部80の内部空間S3において、微粉化した蓄熱体10を含まないガスGcと、粉体Pとに分離される。粉体Pは、粉体分離部80のダスト口84を通して粉体回収部85に回収される。一方、ガスG5は、微粉化した蓄熱体10を含まないガスGcとして、粉体分離部80の吹出し口83に放出される。このため、粉体分離部80の吹出し口83に、例えば、排気管(図示省略)を接続すれば、微粉化した蓄熱体10を含まないきれいなガスGcを排ガスとして廃棄することができる。
[0136]
 具体的には、第2導入路R8(共通の1つ通路R9以外の第2導入路R8)を閉じることにより、熱媒体流通路R4を蓄熱体収容部20の第2流通口20bに連通させる。これにより、加熱ガスG4は、蓄熱体収容部20の第2流通口20bに供給される。詳細には、第2切換弁V8を制御することにより、熱媒体流通路R4(第2ポートP2)を開く一方、第2導入路R8(共通の1つ通路R9以外の第2導入路R8)を閉じる。
[0137]
 また共通の1つの通路R6(蓄熱体収容部20の第1流通口20aと第1切換弁V7との間を除く)を閉じることにより、蓄熱体収容部20の第1流通口20aを粉体分離部80に連通させる。これにより、熱吸収されたガスG5は、微粉化した蓄熱体10を含まないきれいなガスGcとして放出される。詳細には、第1切換弁V7を制御することにより、共通の1つの通路R6(蓄熱体収容部20の第1流通口20aと第1切換弁V7との間を除く)を閉じる一方、第1導入路R7(第1切換弁V7と第3切換弁V9との間)を開く。加えて第3切換弁V9を制御することにより、共通の1つの通路R9(第1導入路R7)を開く。
[0138]
<蓄熱体>
 ところで、本実施形態において、蓄熱体10としては、例えば、粉状物、粉砕物、成形物が挙げられる。特に、こうした蓄熱体10としては、粒状体が好ましい。前記粒状体の粒径は、例えば、0mmよりも大きく0.05mm以下の粒径を有する粉状物よりも大きいことが好ましい。特に好ましくは、前記粒状体の粒径は、1つの蓄熱体10(粒状体)の最も離れた頂点間の距離である最大対角線長さLが0.05mmを超えるサイズが好ましい。1つの蓄熱体10(粒状体)の最大対角線長さLが0.05mmより小さい場合、通気における圧損が大きくなりすぎるため、通気機能を大きく損なう傾向にある。加えて、粉立ちが生じ始めるため、ハンドリングを損なう傾向にある。ここでいう「粉立ち」は、粉体が舞い上がり、空気中への懸濁が目視により確認できる状態を指す。
[0139]
 また蓄熱体10が成形物である場合、当該蓄熱体10は、その製造時における成形工程(ここで、「成形工程」とは、広く、「ある形に作る工程」を言う。)の違いにより分類することができる。例えば、前記成形物である蓄熱体10としては、例えば、造粒によって形成された「顆粒」、あるいは、成型(ここで、「成型」とは、「型を用いた成形」を言う。)によって形成された「ペレット」が挙げられる。「ペレット」には、粉末や顆粒をさらに成型したものも含まれる。また、蓄熱体10の製造方法は、造粒及び成型の2種類に限定されるものではない。ところで、上述のように、蓄熱体10が、第2族元素化合物と、ホウ素化合物と、シリコーンポリマーと、を含有する化学蓄熱材からなる場合、加工された状態における強度が高い。このため、こうした化学蓄熱材で蓄熱体10を形成し、当該蓄熱体10を顆粒又はペレットとした場合、化学蓄熱材の体積の増大や減少による微粉化が防止され、発熱と蓄熱の繰り返しにも耐えることができる。
[0140]
 次に、本実施形態に係る蓄熱体の形成方法の一例について説明する。本実施形態に係る蓄熱体の形成方法には、例えば、成形工程と、焼成工程と、を含む、加工方法がある。前記成形工程は、上記の各成分を任意の方法で混合した化学蓄熱材形成用組成物を成形する工程であり、例えば、蓄熱体が、「顆粒」であれば造粒による製造方法であり、「ペレット」であれば、型を用いた成型による製造方法である。
[0141]
 まず、顆粒タイプの蓄熱体10の製造方法について説明する。
[0142]
 顆粒タイプの製造方法には、以下に示す造粒法、例えば、転動造粒、流動層造粒、撹拌造粒、圧縮造粒、押出造粒、破砕造粒、等が挙げられる。但し、顆粒タイプの製造方法は、これら以外の造粒法であっても良い。また、二つ以上の造粒法を組み合わせて処理しても良い。顆粒タイプの蓄熱体10の粒径が5mm以上となる場合は、造粒法として、転動造粒や破砕造粒が好適に用いられる。
[0143]
 焼成工程では、成形工程後に、成形された化学蓄熱材形成用組成物を焼成する。焼成工程は、電気炉等により行うことができるが、焼成する装置については特に限定されない。
 化学蓄熱材形成用組成物が焼成工程において焼成されるとき、樹脂や、炭素からなる物質、炭化水素は気化する。その結果、これらのものは蓄熱体10から除去される。化学蓄熱材は、樹脂や、炭素からなる物質、炭化水素等が除去されることにより形成される細孔を有する。
[0144]
 焼成工程において、成形された化学蓄熱材形成用組成物は、200~1200℃で焼成されることが好ましく、300~1000℃で焼成されることがより好ましい。焼成工程において、成形された化学蓄熱材形成用組成物が、200℃未満の温度で焼成された場合には、焼成不足により化学蓄熱材が崩壊しやすくなる傾向にある。これに対し、1200℃よりも高い温度で焼成された場合には、第二族元素化合物が酸化物の状態を維持できず、化学蓄熱材の蓄熱性能が低下する傾向にある。
[0145]
 焼成工程において、成形された化学蓄熱材形成用組成物は、30~120分間焼成されることが好ましい。化学蓄熱材の機能を阻害しない範囲で、樹脂、炭素からなる物質及び炭化水素が、焼成工程後の化学蓄熱材中に残存していてもよい。焼成工程における、焼成時間が、30分未満の場合には、焼成不足により化学蓄熱材が崩壊しやすくなる傾向にあり、120分よりも長い場合には、化学蓄熱材の内部に気泡が発生して、やはり化学蓄熱材が崩壊しやすくなる傾向にある。
[0146]
 このように、本発明の各実施形態に用いられる蓄熱体10は、造粒工程と焼成工程とを経て製造することができる。蓄熱体10の「粒径」は、当該「粒径」が3mmを下回るものは、レーザー光回折式の粒度分布測定装置(例えば、株式会社島津製作所製SALD-3100)等を用いることにより、測定することができる。顆粒タイプの蓄熱体10の粒径が3mmを超えるものは、100個の蓄熱体10を任意に抽出し、マイクロゲージにより最大対角線長さを測定することで、測定することができる。この明細書中では特に断りがない限り、顆粒タイプの蓄熱体10の粒径は、メディアン径とする。なお、蓄熱体収容部20の収容空間S1に収容される蓄熱体10は、同一の造粒によって得られた顆粒のみとする他、異なる造粒によって得られた顆粒を二種以上混ぜたものを用いても良い。
[0147]
 次に、顆粒タイプの蓄熱体10の形状について説明する。
[0148]
 上述した、各実施形態に用いることが可能な、顆粒タイプの蓄熱体10では、前記粒径測定法において測定された、当該蓄熱体10の最小の直径(粒径)は、好ましくは、0.05mm以上、望ましくは0.1mm以上、さらに望ましくは0.5mm以上である。また、顆粒タイプの蓄熱体10の最大の直径(粒径)は、好ましくは、100mm以下、望ましくは10mm以下、さらに望ましくは8mm以下である。但し、顆粒タイプの蓄熱体10の最大の直径(粒径)は、100mmより大きな径でもよい。しかしながら、生産性を考慮すれば、後述するペレットタイプの蓄熱体10が好ましい。
[0149]
 ここで、ペレットタイプの蓄熱体10の製造方法について説明する。
[0150]
 ペレットタイプの成型工程は、上記化学蓄熱材の可塑性を利用して、押出成型、型や打錠による圧縮成型、射出成型、シート成型とそれに続く型抜き工程、等(以下、「押出成型等」ともいう。)により製造することができるが、なかでも押出成型を用いることが好ましい。押出成型の場合、他の成型と比較して、設備としての普及率が高く、経済性・生産性の両面でも優れている。
[0151]
 成型工程が行われた後は、顆粒タイプを製造する場合と同様の焼成工程を行い、この焼成工程を経て、ペレットタイプの蓄熱体10が得られる。
[0152]
 次に、ペレットタイプの蓄熱体10の形状について説明する。
[0153]
 ペレットタイプの蓄熱体10の形状は、上述の押出成型等によって得られる立体形状であればよい。この場合、蓄熱体10の形状について制限はない。但し、蓄熱体10の形状は、通気性の観点から、中空状の形状、例えば、図12に示すような円筒状の形状であることが望ましい。なお、ここでいう「中空」とは、内部に「肉抜き」がされていることを指す。「肉抜き」には、図12に示す円筒状の形状のように貫通したものの他、いずれか一方が開放された窪みや、周囲が閉ざされた空間等が含まれる。ペレットタイプの蓄熱体10の寸法を、図12に付した記号を用いて示す。
[0154]
 図12に示すペレットタイプの蓄熱体10では、円筒の高さ(以下、単に「円筒高さ」ともいう。)をH、内周の半径をr1、外周の半径をr2とし、内周半径r1の外周半径r2に対する比率をk(=r1/r2)で示す(0≦k<1)。図12に示すペレットタイプの蓄熱体10の比表面積は、蓄熱体10の体積V及び表面積Sとして、円筒高さH、内周半径r1及び外周半径r2から円筒の体積及び表面積を求めた後、更に、体積V及び表面積Sの比をとって求めることができる。この計算結果から、図12に示すペレットタイプの蓄熱体10は、kが1に近づくほど、Hが小さくなるほど、大きくなるため、通気に有利となることがわかる。
[0155]
 一方、ペレットタイプの蓄熱体10の強度は、kについては、k=0、つまり、蓄熱体10が中空の形状ではないときに最大となる。またペレットタイプの蓄熱体10の強度は、Hについては、例えば、H=2・r2を基準に調整することができる。
[0156]
 ここで、円筒高さH、外周半径r2、比率kを用いて望ましい寸法の範囲を示す。但し、本発明では、後述する望ましい寸法は、図12に示すペレットタイプの蓄熱体10の形状に何ら制限を設けるものではない。
[0157]
 まず、円筒高さHが0.1mm以上であれば、図12に示すペレットタイプの蓄熱体10は、支障なく成形することができる。但し、蓄熱体10の強度の面からは、円筒高さHとして、H=2・r2に近い寸法を用いることが好ましい。
[0158]
 次に、外周半径r2は、3mm~300mmである。この範囲において、図12に示すペレットタイプの蓄熱体10は、押出成型による生産に適する。外周半径r2が3mm以下であれば、生産性の面で、顆粒タイプの蓄熱体10が好ましい。比率kは0.1以下であれば通気性に乏しい傾向にあり、0.95以上であれば強度を有する蓄熱体10を成型することが困難な傾向にある。
[0159]
 なお、上述した各実施形態に係る蓄熱体10としては、顆粒タイプ又はペレットタイプ等の蓄熱体の他、例えば、蓄放熱装置100及び200の蓄熱体収容部20の筒状部材21に化学蓄熱材形成用組成物を塗布した後、焼成を行ったもの等が挙げられる。
[0160]
 上述したところは、本発明の一実施形態を開示したにすぎず、特許請求の範囲に従えば、様々な変更が可能となる。例えば、粉体分離回路300は、本実施形態に係る蓄放熱装置100にも適用することができる。更に粉体分離部80は、本実施形態に係る蓄放熱装置100及び200に対して単独して適用することができる。このように、上述した各実施形態に係る蓄放熱装置の各構成は、互いに適宜に置き換えて、又は、組み合わせて使用することができる。

符号の説明

[0161]
 10:蓄熱体, 20:蓄熱体収容部, 20a:第1流通口, 20b:第2流通口, 21:筒状部材(仕切壁), 22:隔壁, 30:予熱部, 30a:予熱ガス導入口, 30b:予熱ガス排出口, 31:外壁部材, 40:同一ガス供給部, 50:一次ガス供給変更部, 60:二次ガス脱炭酸処理部, 70:ドレイン室, 80:粉体分離部, 81:本体, 81a:円筒部, 81b:円錐部, 81c:蓋体部,
 82:吸入口, 83:吹出し口, 84:ダスト口, 85:粉体回収部, 100:蓄放熱装置, 200:蓄放熱装置, G0:予熱ガス, G1:一次ガス, G2:二次ガス, G3:熱媒体, G4:加熱ガス(熱媒体), Gc:微粉化した蓄熱体10を含まないガス, Gd:蓄熱体収容部から放出されたガス(粉体を含むガス), P:粉体, P1:第1ポート, P2:第2ポート, P3:第3ポート, R1:一次ガス流通路, R2:予熱ガス流通路, R3:二次ガス流通路, R4:熱媒体流通路, R5:予熱ガス排出路 R6:共通の1つの通路, R7;第1導入路, R8:第2導入路, R9:共通の1つの通路, S1:収容空間, S2:予熱ガス充填空間,
 S3:本体の内部空間, S4:粉体回収部の内部空間, V40:切換弁, V1:開閉弁, V2:開閉弁, V3:開閉弁, V4:開閉弁(切換弁), V50:切換弁, V5:開閉弁, V6:開閉弁(切換弁), V7:第1切換弁, V8:第2切換弁, V9:第3切換弁

請求の範囲

[請求項1]
 一次ガスに含まれる成分と反応する蓄熱体と、
 前記蓄熱体を収容した蓄熱体収容部と、
を備え、
 前記蓄熱体収容部は、
 前記蓄熱体を収容する収容空間と、
 前記収容空間に通じており、前記一次ガスが流通可能な第1流通口と、
 前記収容空間に通じており、前記一次ガスが流通可能な第2流通口と、
を有する、蓄放熱装置。
[請求項2]
 請求項1に記載の蓄放熱装置であって、
 前記収容空間を予熱する予熱部を更に備え、
 前記予熱部は、
 前記収容空間に仕切壁を介して隣接して配置された予熱ガス充填空間と、
 前記予熱ガス充填空間に通じており、予熱ガスを導入可能な予熱ガス導入口と、
を有する、蓄放熱装置。
[請求項3]
 請求項2に記載の蓄放熱装置であって、
 前記一次ガスと、前記予熱ガスとは、同一のガスである、蓄放熱装置。
[請求項4]
 請求項3に記載の蓄放熱装置であって、
 前記同一のガスを、前記蓄熱体収容部の第1流通口及び前記予熱部の予熱ガス導入口に供給可能な同一ガス供給部を更に備える、蓄放熱装置。
[請求項5]
 請求項4に記載の蓄放熱装置であって、
 前記同一ガス供給部は、
 前記同一のガスを前記蓄熱体収容部の第1流通口に供給可能な一次ガス流通路と、
 前記一次ガス流通路から分岐して、前記同一のガスを前記予熱部の予熱ガス導入口に供給可能な予熱ガス流通路と、
 前記一次ガス流通路及び前記予熱ガス流通路の少なくともいずれか一方を、対応する前記蓄熱体収容部の第1流通口及び前記予熱部の予熱ガス導入口の少なくともいずれか一方に通じさせる、少なくとも1つの切換弁と、を備える、蓄放熱装置。
[請求項6]
 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の蓄放熱装置であって、
 前記一次ガスと、前記一次ガスと異なる二次ガスとの少なくともいずれか一方を、前記蓄熱体収容部の第1流通口に供給可能な一次ガス供給変更部を更に備える、蓄放熱装置。
[請求項7]
 請求項6に記載の蓄放熱装置であって、
 前記一次ガス供給変更部は、
 前記一次ガスを前記蓄熱体収容部の第1流通口に供給可能な一次ガス流通路と、
 前記一次ガス流通路に合流して、前記二次ガスを前記蓄熱体収容部の第1流通口に供給可能な二次ガス流通路と、
 前記一次ガス流通路及び前記二次ガス流通路の少なくともいずれか一方を、前記蓄熱体収容部の第1流通口に通じさせる、少なくとも1つの切換弁と、
を備える、蓄放熱装置。
[請求項8]
 請求項6又は7に記載の蓄放熱装置であって、
 前記二次ガスを脱炭酸処理する二次ガス脱炭酸処理部を更に備える、蓄放熱装置。
[請求項9]
 請求項1乃至8のいずれか1項に記載の蓄放熱装置であって、
 前記一次ガスを脱炭酸処理する一次ガス脱炭酸処理部を更に備える、蓄放熱装置。
[請求項10]
 請求項1乃至9のいずれか1項に記載の蓄放熱装置であって、
 前記蓄熱体収容部から放出されたガスから粉体を分離する、少なくとも1つの粉体分離部を更に備える、蓄放熱装置。
[請求項11]
 請求項10に記載の蓄放熱装置であって、
 前記少なくとも1つの粉体分離部は、1つの粉体分離部であり、
 前記蓄放熱装置は、
 前記蓄熱体収容部の第1流通口から放出されたガスを前記1つの粉体分離部に導入可能な第1導入路と、
 前記蓄熱体収容部の第1流通口を前記第1導入路に通じさせる第1切換弁と、
 前記蓄熱体収容部の第2流通口から放出されたガスを前記1つの粉体分離部に導入可能な第2導入路と、
 前記蓄熱体収容部の第2流通口を前記第2導入路に通じさせる第2切換弁と、
 前記第1導入路又は前記第2導入路のいずれか一方を前記粉体分離部に通じさせる第3切換弁と、
を更に備える、蓄放熱装置。
[請求項12]
 請求項10又は11に記載の蓄放熱装置であって、前記粉体分離部は、遠心分離方式の粉体分離器を備える、蓄放熱装置。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]