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1. (WO2018083955) SEAL STRUCTURE AND MANUFACTURING METHOD THEREOF
Document

明 細 書

発明の名称 シール構造及びその製造方法

技術分野

0001  

背景技術

0002  

先行技術文献

特許文献

0003  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0004   0005  

課題を解決するための手段

0006   0007   0008   0009   0010   0011   0012  

発明の効果

0013  

図面の簡単な説明

0014  

発明を実施するための形態

0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055  

符号の説明

0056  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7  

図面

1   2   3   4   5   6A   6B   7   8   9A   9B   10A   10B   11A   11B  

明 細 書

発明の名称 : シール構造及びその製造方法

技術分野

[0001]
 本発明は、内周壁部材と軸部材とで形成される内部空間を環状シール部材によってシールするシール構造にする。

背景技術

[0002]
 環状シール部材によるシール構造は、弁、油圧装置、内燃機関のエンジン等の様々な分野で使用されている。特許文献1には、内燃機関のエンジンに関し、内周面、外周面及び側面を有し断面が四辺形の弾性体からなるシールリングが記載されている。シールリングを、その両側面が円錐面となるように弾性変形させてリング溝に装着することにより、シールリングの内周面の隅部とシール溝の底面とが線接触すると共に、シールリングの外周面の隅部とシリンダの内周面とが線接触するとされている。

先行技術文献

特許文献

[0003]
特許文献1 : 特開2013-053640号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0004]
 特許文献1に記載されたシール構造は、縦断面視で中心軸に対して一方の側において、シール部分が1か所のみの単段リップシーリングである。そのため、更に高いシール性を得ることを、比較的容易な加工方法で製造することが望まれている。
[0005]
 そこで、本発明は、環状シール部材の外周部と内周壁部材との間に線接触に近い接触形態を複数形成して高いシール性が得られると共に、比較的容易な加工方法で製造することが可能なシール構造、及びその製造方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0006]
 本発明は、外周部及び内周部を有する環状の環状シール部材と、前記環状シール部材の前記内周部の側が配置されるシール溝を有する軸部材と、内周壁に包囲される内部空間を有し、前記環状シール部材が前記シール溝に配置された前記軸部材を前記内部空間に配置する内周壁部材と、を備えるシール構造であって、前記環状シール部材における少なくとも前記外周部の側は、前記環状シール部材の軸方向に直交する径方向に視たときに閉じた又は閉じていないリング形状部が複数、前記軸方向に重なることにより、形成され、前記環状シール部材の前記径方向に視たときに、前記環状シール部材の中心軸に対して一方の側において、複数の前記リング形状部の縦断面における、前記内周壁部材の前記内周壁に対向する辺を含む2つの角部のうちの一方の角部は、前記内周壁部材の前記内周壁に当接している、シール構造に関する。
[0007]
 また、前記リング形状部の前記縦断面は、前記環状シール部材の前記外周部から前記内周部に亘り且つ前記径方向に対して傾斜している四角形であってもよい。
[0008]
 また、前記環状シール部材の前記径方向に視たときに、複数の前記リング形状部の前記縦断面における、前記内周壁部材の前記内周壁に対向する辺は、前記軸方向に対して傾斜していてもよい。
[0009]
 また、前記環状シール部材は、フッ素樹脂からなってもよい。
[0010]
 本発明は、外周部及び内周部を有する環状の環状シール部材と、前記環状シール部材の前記内周部の側が配置されるシール溝を有する軸部材と、内周壁に包囲される内部空間を有し、前記環状シール部材が前記シール溝に配置された前記軸部材を前記内部空間に配置する内周壁部材と、を備えるシール構造の製造方法であって、前記環状シール部材における少なくとも前記外周部の側は、前記環状シール部材の軸方向に直交する径方向に視たときに閉じた又は閉じていないリング形状部が複数、前記軸方向に重なることにより、形成され、前記環状シール部材の前記径方向に視たときに、前記環状シール部材の中心軸に対して一方の側において、複数の前記リング形状部の縦断面における、前記内周壁部材の前記内周壁に対向する辺が前記内周壁部材の前記内周壁に平行な状態の前記リング形状部を、前記軸方向に押圧し、これにより、前記環状シール部材の前記径方向に視たときに、複数の前記リング形状部の前記縦断面における、前記内周壁部材の前記内周壁に対向する辺を含む2つの角部のうちの一方の角部が、前記内周壁部材の前記内周壁に当接している状態の前記リング形状部を形成する、シール構造の製造方法に関する。
[0011]
 前記リング形状部の前記縦断面は、前記環状シール部材の前記外周部から前記内周部に亘り且つ前記径方向に対して傾斜している四角形であってもよい。
[0012]
 また、前記環状シール部材は、フッ素樹脂からなってもよい。

発明の効果

[0013]
 本発明によれば、環状シール部材の外周部と内周壁部材との間に線接触に近い接触形態を複数形成して高いシール性が得られると共に、比較的容易な加工方法で製造することが可能なシール構造、及びその製造方法を提供することができる。

図面の簡単な説明

[0014]
[図1] 本発明の第1実施形態のシール構造1の縦断面図である。
[図2] 図1の部分拡大図である。
[図3] 仮想的に環状シール部材2を除いた状態の軸部材4を示す縦断面図である。
[図4] 軸部材4のシール溝5に配置された状態の環状シール部材2のみを仮想的に示す縦断面図である。
[図5] 第1実施形態のシール構造1の分解断面図である。
[図6A] 第1実施形態のシール構造1の一製造方法において環状シール部材2の縦断面が傾斜する過程を示す図である。
[図6B] 第1実施形態のシール構造1の一製造方法において環状シール部材2の縦断面が傾斜する過程を示す図である。
[図7] 本発明の第2実施形態のシール構造1Aの縦断面の部分拡大図である(図2対応図)。
[図8] 第2実施形態のシール構造1Aの分解断面図である(図5対応図)。
[図9A] 第2実施形態のシール構造1Aの一製造方法において環状シール部材2Aの縦断面が傾斜する過程を示す図である(図6A対応図)。
[図9B] 第2実施形態のシール構造1Aの一製造方法において環状シール部材2Aの縦断面が傾斜する過程を示す図である(図6B対応図)。
[図10A] 第3実施形態のシール構造1Bの一製造方法において環状シール部材2の縦断面が傾斜する過程を示す図であり、図6A対応図である。
[図10B] 第3実施形態のシール構造1Bの一製造方法において環状シール部材2の縦断面が傾斜する過程を示す図であり、図2対応図である。
[図11A] 第4実施形態のシール構造1Cの一製造方法において環状シール部材2の縦断面が傾斜する過程を示す図であり、図9A対応図である。
[図11B] 第4実施形態のシール構造1Cの一製造方法において環状シール部材2の縦断面が傾斜する過程を示す図であり、図7対応図である。

発明を実施するための形態

[0015]
〔第1実施形態〕
 本発明の第1実施形態のシール構造1について、図面を参照して説明する。図1は、本発明の第1実施形態のシール構造1の縦断面図である。図2は、図1の部分拡大図である。図3は、仮想的に環状シール部材2を除いた状態の軸部材4を示す縦断面図である。図4は、軸部材4のシール溝5に配置された状態の環状シール部材2のみを仮想的に示す縦断面図である。図5は、第1実施形態のシール構造1の分解断面図である。
[0016]
 本発明のシール構造は、弁、油圧装置、内燃機関のエンジン等の様々な技術に適用することができる。図1~図5に示すように、第1実施形態のシール構造1は、外周部21(図4参照)及び内周部22(図4参照)を有する環状の環状シール部材2と、軸部材4と、内周壁部材6と、を備える。軸部材4、環状シール部材2及び内周壁部材6は、軸方向D1及び径方向D2を有する。軸方向D1は軸部材4の長手方向である。径方向D2は、軸方向D1に直交する方向であり、軸方向D1から放射状に延びている。
[0017]
〔軸部材4〕
 図1~図3に示すように、軸部材4は、その外周部に、環状シール部材2の内周部22の側が配置されるシール溝5を有する。シール溝5は、軸方向D1に沿って外径が一定の溝底51を有する。なお、軸方向D1について、後述の第1本体41から第2本体42へ向かう方向を第1軸方向D11といい、その反対方向を第2軸方向D12という。
[0018]
 軸部材4は、第1本体41と第2本体42と傾斜押圧リング43と第2結合部材44とを備える。第1本体41は、第1軸方向D11側が細径部411となっている段付き形状を有する。第1本体41は、第1軸方向D11側に細径部411を有し、第2軸方向D12側に太径部413を有し、細径部411と太径部413との間に、段差面412を有する。細径部411は円柱形状である。段差面412は、縦断面視において第2軸方向D12との間に鋭角(<90度)を形成するように傾斜して、細径部411と太径部413とを繋いでいる。段差面412は、軸部材4のシール溝5に配置された環状シール部材2における第2軸方向D12の側に当接している。なお、太径部413の横断面は、円形に制限されない。第1本体41は、第1軸方向D11側の一端面414に、第1結合部415を有する。本実施形態における第1結合部415は、雌ネジ部からなる。
[0019]
 第2本体42は、径方向延在部421と軸方向延在部422と雄ネジ部貫通孔423とを備える。径方向延在部421は、第1本体41の一端面414を覆うように、径方向D2に延びている。径方向延在部421は、その中央部に雄ネジ部貫通孔423を有する円板状である。軸方向延在部422は、径方向延在部421の外周部から第2軸方向D12に延出している。軸方向延在部422は、円筒状である。雄ネジ部貫通孔423は、径方向延在部421の中央部に設けられている。雄ネジ部貫通孔423には、第2結合部材44の雄ネジ部442(後述)が貫通した状態で配置される。
[0020]
 傾斜押圧リング43は、環状の部材であり、その第2軸方向D12の側に、傾斜面431を有し、その第1軸方向D11の側に、第2当接面432を有し、その径方向D2の内側に、内周面433を有する。傾斜面431は、第2軸方向D12との間に鋭角(<90度)を形成するように、傾斜している。傾斜面431は、軸部材4のシール溝5に配置された環状シール部材2における第1軸方向D11の側を、第2軸方向D12に押圧している。詳細には、傾斜面431は、リング形状部3の第1軸方向D11側の面における径方向D2の内径側の領域を押圧している。第2当接面432は、第2本体42の軸方向延在部422により、第2軸方向D12に押圧されている。内周面433は、第1本体41の細径部411に当接又は近接している。
[0021]
 第2結合部材44は、雄ネジからなり、ヘッド部441と雄ネジ部442とを備える。ヘッド部441は、第2本体42の雄ネジ部貫通孔423よりも太いため、雄ネジ部貫通孔423を通過できない。雄ネジ部442は、第2本体42の雄ネジ部貫通孔423よりも細いため、雄ネジ部貫通孔423を貫通できる。ヘッド部441は、第2本体42の径方向延在部421における第1軸方向D11側の面を、第2軸方向D12に押圧している。雄ネジ部442は、第2本体42の雄ネジ部貫通孔423を貫通し、第1本体41の第1結合部415に結合している(螺合している)。
[0022]
 第1本体41の第1結合部415(雌ネジ部)と第2結合部材44の雄ネジ部442とを結合させた状態において、第1本体41の段差面412及び細径部411と、傾斜押圧リング43の傾斜面431とによって、シール溝5は形成されている。シール溝5の縦断面は、平行四辺形である。平行四辺形の四辺のうちの一方の組の二辺は、軸方向D1に延びており。他方の組の二辺は、第2軸方向D12との間に鋭角(<90度)を形成するように傾斜している。
[0023]
〔内周壁部材6〕
 内周壁部材6は、内周壁61に包囲される内部空間62を有する。内周壁61及び内部空間62は軸方向D1に延びている。内周壁61の内周面の横断面は円形である。従って、内部空間62の外周の横断面も円形である。環状シール部材2がシール溝5に配置された軸部材4は、内部空間62に配置される。
[0024]
〔環状シール部材2〕
 環状シール部材2は、径方向D2に視たときに閉じたリング形状部3が複数、軸方向D1に重なることにより、形成されている。1個の環状シール部材2を形成するリング形状部3の個数は、3~10個である。本実施形態においては、径方向D2に視たときに閉じたリング形状部3は、図5に示すように、実際に環状に繋がっているリング形状の部材からなる。環状シール部材2、軸部材4及び内周壁部材6の中心軸C1に対して一方の側において、リング形状部3の縦断面は、四角形であり、詳細には矩形である。「中心軸C1に対して一方の側において、」は、「中心軸C1に対して一方の側に着目した場合に、」と捉えることもできる。本実施形態においては、リング形状部3の縦断面は、環状シール部材2の外周部21から内周部22に亘り且つ径方向D2に対して傾斜している四角形(矩形)である。矩形のリング形状部3について軸方向D1の厚さt3(図5参照)は例えば1~3mmである。
[0025]
 図2に示すように、環状シール部材2の中心軸C1に対して一方の側において、リング形状部3の縦断面は、径方向D2に対して傾斜している。本実施形態においては、リング形状部3の縦断面は、径方向D2との間に鋭角(<90度)の傾斜角θ1を形成するように傾斜している。傾斜角θ1は、例えば10~80度であり、好ましくは30~60度である。
[0026]
 このように傾斜したリング形状部3が複数重なることにより、環状シール部材2は形成される。リング形状部3が傾斜しているため、リング形状部3の縦断面視において、リング形状部3の外周に対応する外周辺(辺)31は、第2軸方向D12との間に鋭角(<90度)の傾斜角θ2(=θ1)を形成するように傾斜している。言い換えると、環状シール部材2の径方向D2に視たときに、複数のリング形状部3の縦断面における、内周壁部材6の内周壁61に対向する外周辺31は、軸方向D1に対して傾斜している。
[0027]
 このように外周辺31が傾斜しているため、リング形状部3は、縦断面視において、外周辺31を含む一方の角部32のみが、内周壁部材6の内周壁61に当接している。言い換えると、環状シール部材2の径方向D2に視たときに、複数のリング形状部3の縦断面における、内周壁部材6の内周壁61に対向する外周辺31を含む2つの角部のうちの一方の角部32は、内周壁部材6の内周壁61に当接している。複数のリング形状部3における一方の角部32は、環状シール部材2の外周部21を形成する。それぞれのリング形状部3には、角部32により、縦断面視で線接触に近い接触状態のシールが形成される。従って、複数のリング形状部3における一方の角部32により、縦断面視で線接触に近い接触状態のシールが複数形成される。このようなシールは、周方向全周に亘って形成される。
[0028]
 なお、外周辺31を含む他方の角部33(図4参照)は、内周壁部材6の内周壁61に当接していない。外周辺31の対辺である内周辺36において、外周辺31の一方の角部32の対角である角部37(図4参照)は、軸部材4の第1本体41の細径部411に当接している。複数の角部37は、環状シール部材2の内周部22を形成する。また、外周辺31の他方の角部33の対角である角部38(図4参照)は、軸部材4の第1本体41の細径部411に当接していない。
[0029]
 なお、図5に示すように、リング形状部3がシール溝5に配置されていない状態においては、リング形状部3は、縦断面視で径方向D2に対して傾斜しておらず、径方向D2に延びている。このような状態のリング形状部3について、適宜に「リング形状部30」ともいう。このようなリング形状部30は、円筒状の素材を輪切りに切断することにより、得られる。
[0030]
 本実施形態においては、環状シール部材2(リング形状部3)はフッ素樹脂からなる。フッ素樹脂としては、PTFE、PFA、FEPが例示される。フッ素樹脂は、耐化学薬品性、電気絶縁性、耐熱性、低摩擦性(自己潤滑性)、切削加工性などの各種特性が優れており、金属や一般的な樹脂と比べて、環状シール部材2として適している。なお、環状シール部材2を形成する樹脂は、フッ素樹脂以外の樹脂であってもよい。フッ素樹脂以外の樹脂としては、例えば、PEEK、ウレタン、カーボン含有樹脂、ゴム、各種自己潤滑性樹脂、各種エンジニアリングプラスチックが挙げられる。また、環状シール部材2は繊維材料から形成されてもよい。繊維材料としてはカーボン繊維材料が挙げられる。環状シール部材2は金属から形成されてもよい。金属としては、例えば、砲金が挙げられる。
[0031]
〔製造方法〕
 次に、第1実施形態のシール構造1の一製造方法について、図面を参照して説明する。図6A及び図6Bは、第1実施形態のシール構造1の一製造方法において環状シール部材2の縦断面が傾斜する過程を示す図である。
[0032]
 図6A及び図5に示すように、シール構造1の形成前においては、リング形状部30(3)は、径方向D2に対して傾斜していない。第1本体41の細径部411に、複数のリング形状部30、傾斜押圧リング43を順に外挿させる。第2結合部材44の雄ネジ部442を、第2本体42の雄ネジ部貫通孔423、傾斜押圧リング43、リング形状部30を順に貫通させる。その後、第2結合部材44の雄ネジ部442と第1本体41の第1結合部415(雌ネジ部)とを結合(螺合)させてゆく。これにより、シール溝5が形成されるように、第1本体41の段差面412と傾斜押圧リング43の傾斜面431とが軸方向D1に接近してゆく。
[0033]
 その過程において、複数のリング形状部30(3)は、第1本体41の段差面412と傾斜押圧リング43の傾斜面431との間に挟まれて、第1本体41の段差面412及び傾斜押圧リング43の傾斜面431の傾斜に倣って、径方向D2に対して傾斜する。言い換えると、環状シール部材2の径方向D2に視たときに、複数のリング形状部3の縦断面における、内周壁部材6の内周壁61に対向する辺31が内周壁部材6の内周壁61に平行な状態のリング形状部30(3)を、軸方向D1に押圧して、縦断面を径方向D2に対して傾斜させる。
[0034]
 これにより、環状シール部材2の径方向D2に視たときに、複数のリング形状部3の縦断面における、内周壁部材6の内周壁61に対向する外周辺31を含む2つの角部のうちの一方の角部32が、内周壁部材6の内周壁61に当接している状態のリング形状部3を形成する。その結果、複数の傾斜したリング形状部3から構成される環状シール部材2は、形成される。このようにして、図1に示す第1実施形態のシール構造1は得られる。
[0035]
 第1実施形態のシール構造1によれば、例えば、次のような効果を奏する。第1実施形態のシール構造1は、外周部21及び内周部22を有する環状の環状シール部材2と、環状シール部材2の内周部22の側が配置されるシール溝5を有する軸部材4と、内周壁61に包囲される内部空間62を有し、環状シール部材2がシール溝5に配置された軸部材4を内部空間62に配置する内周壁部材6と、を備えるシール構造1であって、環状シール部材2における少なくとも外周部21の側は、環状シール部材2の軸方向D1に直交する径方向D2に視たときに閉じた又は閉じていないリング形状部3が複数、軸方向D1に重なることにより、形成され、環状シール部材2の径方向D2に視たときに、環状シール部材2の中心軸C1に対して一方の側において、複数のリング形状部3の縦断面における、内周壁部材6の内周壁61に対向する外周辺31を含む2つの角部のうちの一方の角部32は、内周壁部材6の内周壁61に当接している。
[0036]
 そのため、第1実施形態のシール構造1によれば、内周壁部材6の内周壁61と環状シール部材2の外周部21との間には、線接触に近い接触形態が複数形成される。そのため、高い接触面圧のシールが複数形成されるため、高いシール性が得られる。また、縦断面が四角形のリング形状部3が複数、軸方向D1に重なることにより形成される環状シール部材2は、比較的容易な加工方法で製造することが可能である。閉じたリング形状部3が複数、軸方向D1に重なることにより形成される環状シール部材2は、ソリッドな形状(無垢材)と比べて柔軟性を有し、径方向D2への変形が比較的容易となる。そのためシール性が高い。
[0037]
 第1実施形態のシール構造1においては、閉じたリング形状部3が複数、軸方向D1に重なることにより形成される環状シール部材2は、軸方向D1への変形が容易である。そのため、内周壁部材6の内周壁61に存在するオイル等のスクレープ性が高い。
[0038]
 第1実施形態のシール構造1においては、第1本体41の第1結合部415と第2結合部材44の雄ネジ部442とを結合させた状態において、第1本体41の段差面412及び細径部411と、傾斜押圧リング43の傾斜面431とによって、シール溝5は形成されている。
[0039]
 そのため、第1実施形態のシール構造1によれば、第1本体41と第2結合部材44とを結合することで、シール溝5に、傾斜した複数のリング形状部3を配置することができる。第1本体41と第2結合部材44とを分離することで、シール溝5に配置された複数のリング形状部3を取り出すことができる。そのため、軸部材4のシール溝5への複数のリング形状部3の配置及びシール溝5からの複数のリング形状部3の取り出しが容易である。
[0040]
 第1実施形態のシール構造1の製造方法は、環状シール部材2の径方向D2に視たときに、複数のリング形状部3の縦断面における、内周壁部材6の内周壁61に対向する外周辺31が内周壁部材6の内周壁61に平行な状態のリング形状部3を、軸方向D1に押圧し、これにより、環状シール部材2の径方向D2に視たときに、複数のリング形状部3の縦断面における、内周壁部材6の内周壁61に対向する外周辺31を含む2つの角部のうちの一方の角部32が、内周壁部材6の内周壁61に当接している状態のリング形状部3を形成する。
[0041]
 複数のリング形状部3の縦断面における、内周壁部材6の内周壁61に対向する外周辺31が内周壁部材6の内周壁61に平行な状態のリング形状部30の製造は、比較的容易である。このような製造が容易なリング形状部30を、軸方向D1に押圧することで、複数のリング形状部3の縦断面における、内周壁部材6の内周壁61に対向する外周辺31を含む2つの角部のうちの一方の角部32が内周壁部材6の内周壁61に当接している状態のリング形状部3を、容易に形成することができる。
[0042]
〔第2実施形態〕
 次に、本発明の第2実施形態のシール構造1Aについて、図面を参照して説明する。図7は、本発明の第2実施形態のシール構造1Aの縦断面の部分拡大図である(図2対応図)。図8は、第2実施形態のシール構造1Aの分解断面図である(図5対応図)。図9Aは、第2実施形態のシール構造1Aの一製造方法において環状シール部材2Aの縦断面が傾斜する過程を示す図である(図6A対応図)。図9Bは、第2実施形態のシール構造1Aの一製造方法において環状シール部材2Aの縦断面が傾斜する過程を示す図である(図6B対応図)。第2実施形態については、主として、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。第2実施形態において、特に説明しない点は、第1実施形態についての説明が適宜適用される。また、第2実施形態においても、第1実施形態と同様な効果が奏される。
[0043]
 図7、図8に示すように、第2実施形態のシール構造1Aにおいては、環状シール部材2Aの中心軸C1に対して一方の側において、リング形状部3Aの縦断面は、平行四辺形である。また、図7~図9Bに示すように、リング形状部3Aの縦断面が径方向D2との間に形成する傾斜角θ1(<90度)は、シール構造1Aの形成前(図9A参照)よりも、シール構造1Aの形成後(図7参照)の方が、小さくなっている。縦断面視において、リング形状部3Aの辺31は、シール構造1Aの形成前(図9A参照)においては、軸方向D1に平行であるが、シール構造1Aの形成後(図7参照)においては、軸方向D1に対して傾斜している。
[0044]
〔第3実施形態〕
 次に、本発明の第3実施形態のシール構造1Bについて、図面を参照して説明する。図10Aは、第3実施形態のシール構造1Bの一製造方法において環状シール部材2の縦断面が傾斜する過程を示す図であり、図6A対応図である。図10Bは、第3実施形態のシール構造1Bの一製造方法において環状シール部材2の縦断面が傾斜する過程を示す図であり、図2対応図である。第3実施形態については、主として、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。第3実施形態において、特に説明しない点は、第1実施形態についての説明が適宜適用される。また、第3実施形態においても、第1実施形態と同様な効果が奏される。
[0045]
 第1実施形態のシール構造1においては、リング形状部3の縦断面は、環状シール部材2の外周部21から内周部22に亘り且つ径方向D2に対して傾斜している四角形である。これに対して、第3実施形態のシール構造1Bにおいては、図10Bに示すように、環状シール部材2における外周部21の側のみが、径方向D2に視たときにリング形状部3が複数、軸方向D1に重なることにより、形成されている。環状シール部材2における内周部22の側は、径方向D2に視たときに一体的(ブロック状)である。つまり、本発明においては、環状シール部材2における少なくとも外周部21の側が、径方向D2に視たときにリング形状部3が複数、軸方向D1に重なることにより、形成されていればよい。
[0046]
 第3実施形態のシール構造1Bは、例えば、図10A及び図10Bに示すように製造される。具体的には、第1本体41の段差面412の内方端417と細径部411との間には、径方向D2に平行に凹む第2段差面416が設けられている。傾斜押圧リング43の傾斜面431の内方端435と内周面433との間には、径方向D2に平行に延びる押圧面434が設けられている。
[0047]
 シール溝5が形成されるように、第1本体41の段差面412と傾斜押圧リング43の傾斜面431とが軸方向D1に接近すると共に、第1本体41の第2段差面416と傾斜押圧リング43の押圧面434とが軸方向D1に接近してゆく。その過程において、環状シール部材2における外周部21の側のみに設けられている複数のリング形状部30(3)は、第1本体41の段差面412と傾斜押圧リング43の傾斜面431との間に挟まれて、第1本体41の段差面412及び傾斜押圧リング43の傾斜面431の傾斜に倣って、径方向D2に対して傾斜する。言い換えると、環状シール部材2の径方向D2に視たときに、複数のリング形状部3の縦断面における、内周壁部材6の内周壁61に対向する外周辺31が内周壁部材6の内周壁61に平行な状態のリング形状部30(3)を、軸方向D1に押圧して、縦断面を径方向D2に対して傾斜させる。この過程において、環状シール部材2における一体的な内周部22の側は、第1本体41の第2段差面416と傾斜押圧リング43の押圧面434とによって挟まれる。
[0048]
〔第4実施形態〕
 次に、本発明の第4実施形態のシール構造1Cについて、図面を参照して説明する。図11Aは、第4実施形態のシール構造1Cの一製造方法において環状シール部材2の縦断面が傾斜する過程を示す図であり、図9A対応図である。図11Bは、第4実施形態のシール構造1Cの一製造方法において環状シール部材2の縦断面が傾斜する過程を示す図であり、図7対応図である。第4実施形態については、主として、第2実施形態及び第3実施形態と異なる点を中心に説明する。第4実施形態において、特に説明しない点は、第2実施形態及び第3実施形態についての説明が適宜適用される。また、第4実施形態においても、第2実施形態及び第3実施形態と同様な効果が奏される。
[0049]
 第2実施形態のシール構造1Aにおいては、リング形状部3の縦断面は、環状シール部材2の外周部21から内周部22に亘り且つ径方向D2に対して傾斜している四角形である。これに対して、第4実施形態のシール構造1Cにおいては、図11Bに示すように、環状シール部材2における外周部21の側のみが、径方向D2に視たときにリング形状部3が複数、軸方向D1に重なることにより、形成されている。環状シール部材2における内周部22の側は、径方向D2に視たときに一体的(ブロック状)である。
[0050]
 第4実施形態のシール構造1Cは、例えば、図11A及び図11Bに示すように製造される。具体的には、第1本体41の段差面412の内方端417と細径部411との間には、段差面412とは異なる角度で傾斜する第2段差面416が設けられている。傾斜押圧リング43の傾斜面431の内方端435と内周面433との間には、傾斜面431とは異なる角度で傾斜する押圧面434が設けられている。なお、図11A及び図11Bにおいて、前述の傾斜角度の差は非常に小さく描かれている。
[0051]
 シール溝5が形成されるように、第1本体41の段差面412と傾斜押圧リング43の傾斜面431とが軸方向D1に接近すると共に、第1本体41の第2段差面416と傾斜押圧リング43の押圧面434とが軸方向D1に接近してゆく。その過程において、環状シール部材2における外周部21の側のみに設けられている複数のリング形状部30(3)は、第1本体41の段差面412と傾斜押圧リング43の傾斜面431との間に挟まれて、第1本体41の段差面412及び傾斜押圧リング43の傾斜面431の傾斜に倣って、径方向D2に対して傾斜する。言い換えると、環状シール部材2の径方向D2に視たときに、複数のリング形状部3の縦断面における、内周壁部材6の内周壁61に対向する外周辺31が内周壁部材6の内周壁61に平行な状態のリング形状部30(3)を、軸方向D1に押圧して、縦断面を径方向D2に対して傾斜させる。この過程において、環状シール部材2における一体的な内周部22の側は、第1本体41の第2段差面416と傾斜押圧リング43の押圧面434とによって挟まれる。
[0052]
 以上、本発明の好ましい実施形態について説明した。しかし、本発明は、上述した実施形態に限定されることなく、種々の形態で実施することができる。
〔その他の変形例〕
 リング形状部3の縦断面は、第1実施形態においては矩形であり、第2実施形態においては平行四辺形であるが、これらに制限されず、その他の四角形であってもよい。外周辺31及び内周辺36は、直線状に制限されず、曲線状や凹凸状であってもよい。環状シール部材における少なくとも外周部21の側は、径方向D2に視たときに閉じていないリング形状部が複数、軸方向D1に連続することにより、螺旋形状を形成していてもよい。
[0053]
 前述の実施形態のシール構造1においては、リング形状部3の第1軸方向D11側の面における径方向D2の内径側の領域を、傾斜押圧リング43の傾斜面431により押圧している。しかし、環状シール部材2の中心軸C1に対して一方の側において、リング形状部3の縦断面に着目した場合に、第1軸方向D11側の面における径方向D2の中央に位置する面を、傾斜押圧リング43の傾斜面431等で押圧してもよい。押圧する位置を変更することにより、リング形状部3における径方向D2の領域のうち、実質的にしなりが自由な面積を変更することできる。これにより、シール性の強弱を変更することできる。
[0054]
 前述の実施形態のシール構造1においては、第1本体41と第2結合部材44とを結合させることで、軸部材4のシール溝5は形成される。これに対して、軸部材4は一体的に構成されていてもよい。その場合、第1本体41と第2結合部材44との結合過程を利用して、シール溝5に環状シール部材2を配置することができない。そのため、リング形状部30を変形させて、軸部材4におけるシール溝5の周りの部分を乗り越えられるようにして、リング形状部3をシール溝5に配置させる。
[0055]
 実施形態においては、第1本体41の第1結合部415と第2結合部材44の雄ネジ部442との結合構造において、雌ネジ部と雄ネジ部とが逆であってもよい。これらはネジ以外の結合構造であってもよい。

符号の説明

[0056]
1,1A シール構造
2,2A 環状シール部材
21 外周部
22 内周部
3,3A リング形状部
31 外周辺(辺)
32 一方の角部
4 軸部材
5 シール溝
6 内周壁部材
61 内周壁
62 内部空間
C1 中心軸
D1 軸方向
D2 径方向

請求の範囲

[請求項1]
 外周部及び内周部を有する環状の環状シール部材と、前記環状シール部材の前記内周部の側が配置されるシール溝を有する軸部材と、内周壁に包囲される内部空間を有し、前記環状シール部材が前記シール溝に配置された前記軸部材を前記内部空間に配置する内周壁部材と、を備えるシール構造であって、
 前記環状シール部材における少なくとも前記外周部の側は、前記環状シール部材の軸方向に直交する径方向に視たときに閉じた又は閉じていないリング形状部が複数、前記軸方向に重なることにより、形成され、
 前記環状シール部材の前記径方向に視たときに、前記環状シール部材の中心軸に対して一方の側において、複数の前記リング形状部の縦断面における、前記内周壁部材の前記内周壁に対向する辺を含む2つの角部のうちの一方の角部は、前記内周壁部材の前記内周壁に当接している、シール構造。
[請求項2]
 前記リング形状部の前記縦断面は、前記環状シール部材の前記外周部から前記内周部に亘り且つ前記径方向に対して傾斜している四角形である、請求項1に記載のシール構造。
[請求項3]
 前記環状シール部材の前記径方向に視たときに、複数の前記リング形状部の前記縦断面における、前記内周壁部材の前記内周壁に対向する辺は、前記軸方向に対して傾斜している、請求項2に記載のシール構造。
[請求項4]
 前記環状シール部材は、フッ素樹脂からなる、請求項1~3のいずれかに記載のシール構造。
[請求項5]
 外周部及び内周部を有する環状の環状シール部材と、前記環状シール部材の前記内周部の側が配置されるシール溝を有する軸部材と、内周壁に包囲される内部空間を有し、前記環状シール部材が前記シール溝に配置された前記軸部材を前記内部空間に配置する内周壁部材と、を備えるシール構造の製造方法であって、
 前記環状シール部材における少なくとも前記外周部の側は、前記環状シール部材の軸方向に直交する径方向に視たときに閉じた又は閉じていないリング形状部が複数、前記軸方向に重なることにより、形成され、
 前記環状シール部材の前記径方向に視たときに、前記環状シール部材の中心軸に対して一方の側において、複数の前記リング形状部の縦断面における、前記内周壁部材の前記内周壁に対向する辺が前記内周壁部材の前記内周壁に平行な状態の前記リング形状部を、前記軸方向に押圧し、
 これにより、前記環状シール部材の前記径方向に視たときに、複数の前記リング形状部の前記縦断面における、前記内周壁部材の前記内周壁に対向する辺を含む2つの角部のうちの一方の角部が、前記内周壁部材の前記内周壁に当接している状態の前記リング形状部を形成する、シール構造の製造方法。
[請求項6]
 前記リング形状部の前記縦断面は、前記環状シール部材の前記外周部から前記内周部に亘り且つ前記径方向に対して傾斜している四角形である、請求項5に記載のシール構造の製造方法。
[請求項7]
 前記環状シール部材は、フッ素樹脂からなる、請求項5又は6に記載のシール構造の製造方法。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6A]

[ 図 6B]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9A]

[ 図 9B]

[ 図 10A]

[ 図 10B]

[ 図 11A]

[ 図 11B]