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1. (WO2018038056) PHOTOCURABLE RESIN COMPOSITION
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明 細 書

発明の名称 光硬化性樹脂組成物

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005   0006   0007  

先行技術文献

特許文献

0008  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0009   0010  

課題を解決するための手段

0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024  

発明の効果

0025  

発明を実施するための形態

0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097  

実施例

0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117  

産業上の利用可能性

0118  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14  

明 細 書

発明の名称 : 光硬化性樹脂組成物

技術分野

[0001]
 本発明は、特に光学的造形用の光硬化性樹脂組成物と、その光硬化性樹脂組成物の硬化物からなる、マウスガード、咬合用スプリント及び義歯床材とに関する。

背景技術

[0002]
 マウスガードは、主にコンタクトスポーツである空手、ボクシング、アメリカンフットボール、ラグビーあるいはサッカーなどにおいて、競技中に歯牙や顎骨に大きな外力が加わることにより発生する外傷を低減し、顎口腔系及び脳を保護するために口腔内に装着するものである。近年、スポーツ振興の拡大に伴い、コンタクトスポーツにおける装着の義務化、及びコンタクトスポーツ以外にも装着を推奨する流れがあり、さらに、学童の教育現場における体育などの授業時に発生する口腔内の外傷予防に使用することが推奨されつつある。
[0003]
 咬合用スプリントは、歯ぎしりによる歯の摩耗を抑制するためや、歯並びを矯正するために夜間就寝時に装着するものであり、形態はマウスガードによく似ている。
[0004]
 義歯床材は、歯の喪失により義歯を装着する際の、歯肉部分に使用される材料のことである。近年、高齢者人口の増加に伴い義歯の需要が急激に増加している。
[0005]
 これら、マウスガード、咬合用スプリント及び義歯床材には、柔軟性、衝撃吸収性、破壊しにくいこと(耐破壊性)及び表面滑沢性が共通して要求されている。柔軟性が損なわれると装着感が悪いものとなり、衝撃吸収性が損なわれると外力や咬合の衝撃が顎骨に直接加わることになる。また、破壊しやすくなると頻繁に作り直すことが必要となってしまうといった問題がある。さらに、表面滑沢性が損なわれると色が濁り見栄えが悪くなったり、舌や唇に接触した時の感触が悪くなる、雑菌が繁殖しやすくなるといった問題がある。
[0006]
 また、通常、マウスガード、咬合用スプリント及び義歯床材を作製する際には、口腔内の印象を取得することが必要となるが、その不快感から患者負担となることや、技工操作に熟練を要するといった課題が従来から指摘されていた。近年では、デジタル技術の発達から、印象取得については、光学的な口腔内スキャンを応用する試みがなされ、成形においては光学的立体造形を応用する試みがなされている。造形においては光硬化性樹脂を使用するが、一般に柔軟性及び表面滑沢性を発現する樹脂組成物ほど、硬化性が低くなり、硬化物の力学的強度に劣る傾向にあり、特に光学的立体造形においては、光照射時間が極端に短いことから、これまで硬化性と柔軟性、表面滑沢性を両立することが困難であった。
[0007]
 このような背景の中、硬化物の柔軟性及び力学的強度に優れ、光学的立体造形が可能な技術として、例えば、特許文献1には、ウレタン系のオリゴマーからなる光硬化性樹脂組成物が提案されている。

先行技術文献

特許文献

[0008]
特許文献1 : 特開2006-28499号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0009]
 特許文献1に記載の光硬化性樹脂組成物は、硬化物の柔軟性が十分ではなく、衝撃吸収性及び表面滑沢性については何ら記載されていない。
[0010]
 そこで本発明は、造形性に優れ、さらに、硬化物の柔軟性、衝撃吸収性、耐破壊性及び表面滑沢性に優れる、光硬化性樹脂組成物を提供することを目的とする。本発明は、また、当該光硬化性樹脂組成物の硬化物からなるマウスガード、咬合用スプリント、及び義歯床材を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0011]
 すなわち、本発明は、以下の発明を提供する。
[1]ウレタン化(メタ)アクリル化合物(A)、(メタ)アクリルアミド化合物(B)、及び光重合開始剤(C)を含有し、
 前記ウレタン化(メタ)アクリル化合物(A)が、下記の一般式(I)
[化1]


(式中、R 1は水素原子又はメチル基であり、aは1又は2であり、A 1は2価又は3価の非置換又は置換された炭化水素基であり、bは3~6の整数であり、cは3~14の整数であり、dは2又は3である。)
で表されるウレタン化(メタ)アクリル化合物(a-I)、
 下記の一般式(II)
[化2]


(式中、R 2及びR 3はそれぞれ独立して、水素原子又はメチル基であり、eは1又は2であり、A 2は2価又は3価の非置換又は置換された炭化水素基であり、fは4~20の整数であり、gは2又は3である。)
で表されるウレタン化(メタ)アクリル化合物(a-II)、及び
 下記の一般式(III)
[化3]


(式中、R 4及びR 5はそれぞれ独立して、水素原子又はメチル基であり、A 3は2価又は3価の非置換又は置換された炭化水素基であり、hは4~20の整数であり、jは2又は3である。)
で表されるウレタン化(メタ)アクリル化合物(a-III)からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、
 前記(メタ)アクリルアミド化合物(B)が、下記の一般式(IV)
[化4]


(式中、R 6は水素原子又はメチル基であり、R 7及びR 8はそれぞれ独立して、水素原子又は非置換又は置換された炭素数1~8のアルキル基であり、R 7及びR 8は直接結合していない。)
で表される(メタ)アクリルアミド化合物(b-I)及び、
 下記の一般式(V)
[化5]


(式中、R 9は水素原子又はメチル基であり、R 10は非置換又は置換された炭素数1~8のアルキレン基であり、R 11、R 12及びR 13はそれぞれ独立して、水素原子又は非置換又は置換された炭素数1~8のアルキル基であり、R 12及びR 13は直接結合しておらず、R 11及びR 12は直接結合しておらず、R 11及びR 13は直接結合していない。)
で表される(メタ)アクリルアミド化合物(b-II)からなる群から選ばれる少なくとも1種である、光硬化性樹脂組成物;
[0012]
[2]R 1、R 2及びR 4が、水素原子である、前記[1]の光硬化性樹脂組成物;
[0013]
[3]R 3及びR 5が、メチル基である、前記[1]又は[2]の光硬化性樹脂組成物;
[0014]
[4]A 1、A 2及びA 3の炭化水素基が、脂肪族、芳香族及び/又は脂環式の炭素数6~20の炭化水素基である、前記[1]~[3]のいずれかの光硬化性樹脂組成物;
[0015]
[5]A 1、A 2及びA 3の炭化水素基が、イソホロン基、トリレン基、4,4’-ジフェニルメタン基、ナフチレン基、キシリレン基、フェニレン基、3,3’-ジクロロ-4,4’-フェニルメタン基、トルイレン基、ヘキサメチレン基、4,4’-ジシクロヘキシルメタン基、水添化キシリレン基、トリフェニレンメタン基、及びテトラメチルキシレン基からなる群から選ばれる少なくとも1種である、前記[1]~[4]のいずれかの光硬化性樹脂組成物;
[0016]
[6]bが4~6の範囲の整数であり、cが3~10の範囲の整数であり、f及びhが5~14の範囲の整数である、前記[1]~[5]のいずれかの光硬化性樹脂組成物;
[0017]
[7]a及びeが、1である、前記[1]~[6]のいずれかの光硬化性樹脂組成物;
[0018]
[8]d、g及びjが、2である、前記[1]~[7]のいずれかの光硬化性樹脂組成物;
[0019]
[9]R 6及びR 9が水素原子である、前記[1]~[8]のいずれかの光硬化性樹脂組成物;
[0020]
[10]光学的立体造形用である、前記[1]~[9]のいずれかの光硬化性樹脂組成物;
[0021]
[11]前記[1]~[10]のいずれかの光硬化性樹脂組成物の硬化物からなる、マウスガード;
[0022]
[12]前記[1]~[10]のいずれかの光硬化性樹脂組成物の硬化物からなる、咬合用スプリント;
[0023]
[13]前記[1]~[10]のいずれかの光硬化性樹脂組成物の硬化物からなる、義歯床材;
[0024]
[14]前記[1]~[10]のいずれかの光硬化性樹脂組成物を用いて、光学的立体造形法によって立体造形物を製造する方法。

発明の効果

[0025]
 本発明の光硬化性樹脂組成物は、造形性に優れ、さらに、硬化物の柔軟性、衝撃吸収性、耐破壊性及び表面滑沢性に優れる。このため、本発明の光硬化性樹脂組成物は、特に光学的立体造形によって作製されるマウスガード及び咬合用スプリントとして特に適しており、義歯床材としても好適に用いることができる。

発明を実施するための形態

[0026]
 本発明の光硬化性樹脂組成物は、ウレタン化(メタ)アクリル化合物(A)と、(メタ)アクリルアミド化合物(B)と、光重合開始剤(C)と、を含有する。前記ウレタン化(メタ)アクリル化合物(A)は、ウレタン化(メタ)アクリル化合物(a-I)、(a-II)、及び(a-III)の少なくとも1種を含む。前記(メタ)アクリルアミド化合物(B)は、(メタ)アクリルアミド化合物(b-I)及び(メタ)アクリルアミド化合物(b-II)の少なくとも1種を含む。なお、本明細書において、数値範囲(各成分の含有量、各成分から算出される値及び各物性等)の上限値及び下限値は適宜組み合わせ可能である。また、本明細書において、式中の各記号の数値も、適宜組み合わせ可能である。
[0027]
[ウレタン化(メタ)アクリル化合物(A)]
 ウレタン化(メタ)アクリル化合物(A)は、本発明の光硬化性樹脂組成物において、光硬化性樹脂組成物の硬化物に柔軟性、衝撃吸収性及び耐破壊性を付与するために用いられる。
[0028]
 本発明の光硬化性樹脂組成物で用いるウレタン化(メタ)アクリル化合物(A)として、上記の一般式(I)で表されるウレタン化(メタ)アクリル化合物(a-I)(以下、これを「ウレタン化(メタ)アクリル化合物(a-I)」という。)、また、上記の一般式(II)で表されるウレタン化(メタ)アクリル化合物(a-II)(以下、これを「ウレタン化(メタ)アクリル化合物(a-II)」という。)及び上記の一般式(III)で表されるウレタン化(メタ)アクリル化合物(a-III)(以下、これを「ウレタン化(メタ)アクリル化合物(a-III)」という。)について説明する。
[0029]
[ウレタン化(メタ)アクリル化合物(a-I)]
 式(I)の各記号について説明する。R 1は水素原子又はメチル基であり、水素原子が好ましい。aは1又は2である。bは3~6の範囲の整数であり、4~6の範囲の整数であることが好ましく、そのうちでもbが5であることが、ウレタン化(メタ)アクリル化合物(a-I)の安定性、製造の容易性等の点からより好ましい。
[0030]
 さらに、式(I)において、cは3~14の範囲の整数であることが必要であり、cが3~10の範囲の整数であることが好ましく、3~6の範囲の整数であることがより好ましい。cが15を超えると、ウレタン化(メタ)アクリル化合物(a-I)の粘度が高くなって、上記した(メタ)アクリルアミド化合物(B)の他の重合性単量体として低分子量のものを用いても室温下で流動性に優れる光硬化性樹脂組成物が得られにくくなり、しかも光硬化させて得られる硬化物の引張強度あるいは引裂強度等が低下し、目的とする耐破壊性に優れる成形品が得られなくなる。また、cが3未満の場合にも、光硬化させて得られる硬化物の柔軟性あるいは衝撃吸収性が低下する。
[0031]
 また、式(I)において、dが2又は3であることが必要である。dが2であるウレタン化(メタ)アクリル化合物(a-I)を用いた場合には、dが3であるウレタン化(メタ)アクリル化合物(a-I)を用いた場合に比べて、本発明の光硬化性樹脂組成物から得られる成形品の光硬化物の柔軟性が大きなものとなる傾向があるが、いずれの場合にも柔軟性に優れる成形品が得られる。
[0032]
 また、式(I)において、基A 1は2価又は3価の非置換又は置換された炭化水素基であり、基A 1は炭素数6~20の2価又は3価の非置換又は置換された炭化水素基が好ましく、炭素数6~14の2価又は3価の非置換又は置換された炭化水素基がより好ましく、炭素数6~13の2価又は3価の非置換又は置換された炭化水素基がさらに好ましい。前記炭化水素基としては、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、脂環式炭化水素基が挙げられる。
[0033]
 前記脂肪族炭化水素基としては、直鎖状又は分岐鎖状の、アルキレン基、アルケニレン基などが挙げられる。アルキレン基としては、例えば、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基、ウンデカメチレン基、ドデカメチレン基、トリデカメチレン基、テトラデカメチレン基、ペンタデカメチレン基、ヘキサデカメチレン基、ヘプタデカメチレン基、オクタデカメチレン基、ノナデカメチレン基、エイコサメチレン基などが挙げられる。アルケニレン基としては、例えば、1-ヘキセニレン基、2-ヘキセニレン基、3-ヘキセニレン基などが挙げられる。
[0034]
 前記脂環式炭化水素基としては、シクロアルキレン基、シクロアルケニレン基などが挙げられる。シクロアルキレン基としては、例えば、シクロへキシレン基、メチルシクロへキシレン基、メチルシクロへキシレン基、ジメチルシクロへキシレン基、シクロヘプチレン基、シクロオクチレン基などが挙げられる。シクロアルケニレン基としては、例えば、シクロヘキセニレン基、シクロヘプテニレン基、シクロオクテニレン基、シクロノネニレン基、シクロデセニレン基などが挙げられる。
[0035]
 前記芳香族炭化水素基としては、アリーレン基が挙げられる。アリーレン基としては、例えば、フェニレン基、トリレン基、メチルフェニレン基、キシリレン基、ナフチレン基、アントラセニレン基、フェナントリレン基、ビフェニレン基、フルオニレン基などが挙げられる。
[0036]
 これらの炭化水素基は、異性体がある場合、本発明の効果を有する限り、その異性体を含む。また、前記炭化水素基は、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、及び脂環式炭化水素基からなる群から選ばれる2種以上を組みあわせた基であってもよく、例えば、アルキレン基とアリーレン基との組み合わせ;シクロアルキレン基とアリーレン基との組み合わせ;アルキレン基とシクロアルキレン基との組み合わせ;アルキレン基とシクロアルキレン基とアリーレン基との組み合わせであってもよい。
[0037]
 前記炭化水素基が有する置換基の数は、通常1~10個であり、1~8個が好ましく、1~6個がより好ましく、1~4個がさらに好ましい。前記炭化水素基の置換基としては、例えば、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子);ヒドロキシ基、アミノ基、炭素数1~12の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基;炭素数1~12の直鎖状又は分岐鎖状のアルコキシ基;炭素数6~14のアリール基;炭素数3~20のシクロアルキル基などが挙げられる。置換基は1種が単独で含まれていてもよく、2種以上が含まれていてもよい。アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、sec-ペンチル基、ネオペンチル基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、n-ノニル基、n-デシル基、n-ウンデシル基、n-ドデシル基などが挙げられる。アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、n-ペンチルオキシ基、n-ヘキシルオキシ基、n-ヘプチルオキシ基、n-オクチルオキシ基、n-デシルオキシ基、n-ドデシルオキシ基などが挙げられる。アリール基としては、フェニル基、ビフェニル基、インデニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、フルオレニル基、トリル基、キシリル基、トリメチルフェニル基、エチルフェニル基、イソプロピルフェニル基、テトラメチルフェニル基などが挙げられる。シクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロデシル基、シクロドデシル基、シクロトリデシル基、シクロテトラデシル基、シクロペンタデシル基、シクロヘキサデシル基、シクロヘプタデシル基、シクロオクタデシル基、シクロノナデシル基、シクロイコシル基などが挙げられる。なお、これらの置換基は、異性体がある場合、本発明の効果を有する限り、その異性体を含む。
[0038]
 ウレタン化(メタ)アクリル化合物(a-I)は、後記するように、一般式;A 1-(NCO) d(A 1及びdは前記と同一意味を有する。)で表されるジイソシアネート化合物又はトリイソシアネート化合物を用いて好ましく製造することができ、かかる点から、基A 1はウレタン化(メタ)アクリル化合物(a-I)を製造するのに用いるジイソシアネート化合物又はトリイソシアネート化合物のイソシアネート基を除いた2価又は3価の残基が好ましい。基A 1の好ましい具体例としては、イソホロン基、トリレン基、4,4’-ジフェニルメタン基、ナフチレン基、キシリレン基、フェニレン基、3,3’-ジクロロ-4,4’-フェニルメタン基、トルイレン基、ヘキサメチレン基、4,4’-ジシクロヘキシルメタン基、水添化キシリレン基、トリフェニレンメタン基、テトラメチルキシレン基などが挙げられる。
[0039]
 ウレタン化(メタ)アクリル化合物(a-I)の製造法は特に限定されず、その製法の如何に拘わらず上記の一般式(I)で表される化合物、及びその化合物を含有する光硬化性樹脂組成物は本発明の範囲に包含されるが、ウレタン化(メタ)アクリル化合物(a-I)は好ましくは以下の方法で製造することができる。
[0040]
<ウレタン化(メタ)アクリル化合物(a-I)の代表的な製法例>
(1)下記の一般式(i)
[化6]


(式中、R 1及びaは上記と同一意味を有する。)
で表されるエチレングリコールのモノ(メタ)アクリル酸エステル又はグリセリンのジ(メタ)アクリル酸エステル1モルに対して、下記の一般式(ii)
[化7]


(式中、bは上記と同一意味を有する。)
で表されるラクトンを反応させて、下記の一般式(iii)
[化8]


(式中、R 1、a、b及びcは上記と同一意味を有する。)
で表されるラクトン付加化合物を生成し;次いで
(2)上記(1)で得られる一般式(iii)で表されるラクトン付加化合物を、前記した一般式:A 1-(NCO) dで表されるジイソシアネート化合物又はトリイソシアネート化合物と反応させることによって、ウレタン化(メタ)アクリル化合物(a-I)を製造する。
[0041]
 上記の(1)の反応は、エチレングリコールのモノ(メタ)アクリル酸エステル又はグリセリンのジ(メタ)アクリル酸エステルとラクトンを、必要に応じて、有機スズ触媒(例えば、ジラウリル酸ジ-n-ブチルスズ、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズマレエートなどのジブチルスズ化合物など)、カチオン触媒及びアニオン触媒(例えば、スズ(Sn)、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)、アンチモン(Sb)、ゲルマニウム(Ge)、ジルコニウム(Zr)、亜鉛(Zn)などのアルキル金属、金属の酸化物、ハロゲン化物、カルボン酸塩、アルコキシドなどの化合物等)などを用いて反応させるのが好ましく、それによって上記した一般式(iii)で表されるラクトン付加化合物を円滑に得ることができる。前記反応温度としては、100~150℃が好ましい。
[0042]
 また、上記一般式(iii)で表されるラクトン付加化合物に上記したジイソシアネート化合物又はトリイソシアネート化合物を反応させる上記(2)の反応においては、従来公知のウレタン化触媒を用いて、必要に応じて重合禁止剤を加えて、40~90℃の温度で両者を反応させると、目的とするウレタン化(メタ)アクリル化合物(a-I)を円滑に得ることができる。前記ウレタン化触媒としては、例えば有機スズ触媒(例えば、ジラウリル酸ジ-n-ブチルスズ、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズマレエートなどのジブチルスズ化合物)、3級アミン触媒(例えば、トリエチレンジアミン、トリエタノールアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、4-N,N-ジメチルアミノピリジン、4-ピロリジノピリジンなど)などが挙げられる。前記重合禁止剤は、後記する光硬化性樹脂組成物に添加し得る重合禁止剤と同様のものを使用できる。
[0043]
 上記(2)の反応で用いる一般式:A 1-(NCO) dで表されるジイソシアネート化合物及びトリイソシアネート化合物は特に制限されず、ウレタン化反応を行い得るジイソシアネート化合物及びトリイソシアネート化合物のいずれもが使用できる。当該ジイソシアネート化合物及びトリイソシアネート化合物の好ましい例としては、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、3,3’-ジクロロ-4,4’-フェニルメタンジイソシアネート、トルイレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、水添化キシリレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、水添化4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネートなどが挙げられる。これらのイソシアネート化合物は1種を単独で使用してもよく又は2種以上を併用してもよい。上記したイソシアネート化合物のうちでも、イソホロンジイソシアネート、水添化キシリレンジイソシアネート、水添化ジフェニルメタンジイソシアネートが特に好ましく用いられ、その場合には引張伸度が大きく、柔軟性及び耐破壊性に優れる光硬化物を、ウレタン化(メタ)アクリル化合物(a-I)を含む本発明の光硬化性樹脂組成物から得ることができる。
[0044]
[ウレタン化(メタ)アクリル化合物(a-II)]
 式(II)の各記号について説明する。R 2及びR 3はそれぞれ独立して、水素原子又はメチル基である。R 2は水素原子が好ましい。R 3はメチル基が好ましい。eは1又は2である。fは4~20の範囲の整数であることが必要であり、5~14の範囲の整数であることが好ましく、6~10の範囲の整数であることがより好ましい。fが20を超えると、ウレタン化(メタ)アクリル化合物(a-II)の粘度が高くなって、アクリルアミド化合物(B)として低分子量のものを用いても室温下で流動性に優れる光硬化性樹脂組成物が得られにくくなり、しかも光硬化させて得られる硬化物の引張強度あるいは引裂強度が低下し、目的とする耐破壊性に優れる成形品などが得られなくなる。また、fが4未満の場合にも、光硬化させて得られる硬化物の柔軟性あるいは衝撃吸収性が低下する。
[0045]
 さらに、式(II)において、gが2又は3であることが必要である。gが2であるウレタン化(メタ)アクリル化合物(a-II)を用いた場合には、gが3であるウレタン化(メタ)アクリル化合物(a-II)を用いた場合に比べて、本発明の光硬化性樹脂組成物から得られる成形品などの光硬化物の柔軟性が大きなものとなる傾向があるが、いずれの場合にも柔軟性に優れる成形品が得られる。
[0046]
 また、式(II)において、基A 2は2価又は3価の非置換又は置換された炭化水素基であり、基A 2は炭素数6~20の2価又は3価の非置換又は置換された炭化水素基が好ましく、炭素数6~14の2価又は3価の非置換又は置換された炭化水素基がより好ましく、炭素数6~13の2価又は3価の非置換又は置換された炭化水素基がさらに好ましい。基A 2の炭化水素基としては、上述した基A 1として例示した炭素数6~20の2価又は3価の非置換又は置換された炭化水素基と同様のものが挙げられる。基A 2の炭化水素基の置換基としては、上述した基A 1の炭化水素基の置換基と同様のものが挙げられる。ウレタン化(メタ)アクリル化合物(a-II)は、後記するように、一般式;A 2-(NCO) g(A 2及びgは前記と同一意味を有する。)で表されるジイソシアネート化合物又はトリイソシアネート化合物を用いて好ましく製造することができ、かかる点から、基A 2はウレタン化(メタ)アクリル化合物(a-II)を製造するのに用いるジイソシアネート化合物又はトリイソシアネート化合物のイソシアネート基を除いた2価又は3価の残基が好ましい。基A 2の好ましい具体例としては、基A 1の好ましい例として具体的に示した炭化水素基と同様のものが挙げられる。
[0047]
 ウレタン化(メタ)アクリル化合物(a-II)の製造法は特に限定されず、その製法の如何に拘わらず上記の一般式(II)で表される化合物、及びその化合物を含有する光硬化性樹脂組成物は本発明の範囲に包含されるが、ウレタン化(メタ)アクリル化合物(a-II)は好ましくは以下の方法で製造することができる。
[0048]
<ウレタン化(メタ)アクリル化合物(a-II)の代表的な製法例>
(1)下記の一般式(iv)
[化9]


(式中、R 2及びeは上記と同一意味を有する。)
で表されるエチレングリコールのモノ(メタ)アクリル酸エステル又はグリセリンのジ(メタ)アクリル酸エステル1モルに対して、下記の一般式(v)
[化10]


(式中、R 3は上記と同一意味を有する。)
で表されるプロピレンオキシド(上記の一般式(v)においてR 3=CH 3)又はエチレンオキシド(上記の一般式(v)においてR 3=H)の少なくとも一方を反応させて、
下記の一般式(vi)
[化11]


(式中、R 2、R 3、e及びfは上記と同一意味を有する。)
で表されるプロピレンオキシド及び/又はエチレンオキシドの付加化合物を生成し;次いで
(2)上記(1)で得られる一般式(vi)で表されるプロピレンオキシド及び/又はエチレンオキシドの付加化合物を、前記一般式:A 2-(NCO) gで表されるジイソシアネート化合物又はトリイソシアネート化合物と反応させることによって、ウレタン化(メタ)アクリル化合物(a-II)を製造する。
[0049]
 上記の(1)の反応は、エチレングリコールのモノ(メタ)アクリル酸エステル又はグリセリンのジ(メタ)アクリル酸エステルとプロピレンオキシド及び/又はエチレンオキシドを、必要に応じて触媒を用いて、反応させるのが好ましく、それによって上記した一般式(vi)で表されるプロピレンオキシド及び/又はエチレンオキシドの付加化合物を円滑に得ることができる。前記反応温度としては、100~150℃が好ましい。前記触媒としては、ウレタン化(メタ)アクリル化合物(a-I)の製法例で説明したもの(有機スズ触媒、カチオン触媒及びアニオン触媒)と同様のものを使用できる。また、一般式(vi)で表されるプロピレンオキシド及び/又はエチレンオキシドの付加化合物は既に知られているため公知のものをそのまま使用してもよい。
[0050]
 また、一般式(vi)で表されるプロピレンオキシド及び/又はエチレンオキシドの付加化合物に一般式:A 2-(NCO) gで表されるジイソシアネート化合物又はトリイソシアネート化合物を反応させる上記(2)の反応においては、従来公知のウレタン化触媒を用いて、必要に応じて重合禁止剤を加えて、40~90℃の温度で両者を反応させると、目的とするウレタン化(メタ)アクリル化合物(a-II)を円滑に得ることができる。前記ウレタン化触媒としては、ウレタン化(メタ)アクリル化合物(a-I)の製法例で説明したものと同様のものを使用できる。前記重合禁止剤は、後記する光硬化性樹脂組成物に添加し得る重合禁止剤と同様のものを使用できる。
[0051]
 そして、上記(2)の反応において、一般式(vi)で表される付加化合物と反応させる一般式:A 2-(NCO) gで表されるジイソシアネート化合物及びトリイソシアネート化合物の種類は特に制限されず、ウレタン化反応を行い得るジイソシアネート化合物及びトリイソシアネート化合物のいずれもが使用できる。当該ジイソシアネート化合物及びトリイソシアネート化合物の好ましい例としては、前記A 1-(NCO) dで表されるジイソシアネート化合物及びトリイソシアネート化合物の好ましい例として具体的に示した化合物と同様のものが挙げられる。これらのイソシアネート化合物は1種を単独で使用してもよく、又は2種以上を併用してもよい。前記イソシアネート化合物のうちでも、イソホロンジイソシアネート、水添化キシリレンジイソシアネート、水添化ジフェニルメタンジイソシアネートが特に好ましく用いられ、その場合には引張伸度が大きく、柔軟性及び耐破壊性に優れるウレタン化(メタ)アクリル化合物(a-II)を含む光硬化性樹脂組成物からなる成形物を得ることができる。
[0052]
[ウレタン化(メタ)アクリル化合物(a-III)]
 式(III)の各記号について説明する。R 4及びR 5はそれぞれ独立して、水素原子又はメチル基である。R 4は水素原子が好ましい。R 5はメチル基が好ましい。hは4~20の範囲の整数であることが必要であり、5~14の範囲の整数であることが好ましく、6~10の範囲の整数であることがより好ましい。hが20を超えると、ウレタン化(メタ)アクリル化合物(a-III)の粘度が高くなって、(メタ)アクリルアミド化合物(B)として低分子量のものを用いても室温下で流動性に優れる光硬化性樹脂組成物が得られにくくなり、しかも光硬化させて得られる硬化物の引張強度あるいは引裂強度が低下し、目的とする耐破壊性に優れる成形品などが得られなくなる。また、hが4未満の場合にも、光硬化させて得られる硬化物の柔軟性あるいは衝撃吸収性が低下する。
[0053]
 さらに、式(III)においてjが2又は3であることが必要である。jが2であるウレタン化(メタ)アクリル化合物(a-III)を用いた場合には、jが3であるウレタン化(メタ)アクリル化合物(a-III)を用いた場合に比べて、本発明の光硬化性樹脂組成物から得られる成形品などの光硬化物の柔軟性が大きなものとなる傾向があるが、いずれの場合にも柔軟性に優れる成形品が得られる。
[0054]
 また、式(III)において、基A 3は2価又は3価の非置換又は置換された炭化水素基であり、基A 3は炭素数6~20の2価又は3価の非置換又は置換された炭化水素基が好ましく、炭素数6~14の2価又は3価の非置換又は置換された炭化水素基がより好ましく、炭素数6~13の2価又は3価の非置換又は置換された炭化水素基がさらに好ましい。基A 3の炭化水素基としては、上述した基A 1として例示した炭素数6~20の2価又は3価の非置換又は置換された炭化水素基と同様のものが挙げられる。基A 3の炭化水素基の置換基としては、上述した基A 1の炭化水素基の置換基と同様のものが挙げられる。ウレタン化(メタ)アクリル化合物(a-III)は、後記するように、一般式;A 3-(NCO) j(A 3及びjは前記と同一意味を有する。)で表されるジイソシアネート化合物又はトリイソシアネート化合物を用いて好ましく製造することができ、かかる点から、基A 3はウレタン化(メタ)アクリル化合物(a-III)を製造するのに用いるジイソシアネート化合物又はトリイソシアネート化合物のイソシアネート基を除いた2価又は3価の残基が好ましい。基A 3の好ましい具体例としては、基A 1の好ましい例として具体的に示した炭化水素基と同様のものが挙げられる。
[0055]
 ウレタン化(メタ)アクリル化合物(a-III)の製造法は特に限定されず、その製法の如何に拘わらず上記の一般式(III)で表される化合物、及びその化合物を含有する光硬化性樹脂組成物は本発明の範囲に包含されるが、ウレタン化(メタ)アクリル化合物(a-III)は好ましくは以下の方法で製造することができる。
[0056]
<ウレタン化(メタ)アクリル化合物(a-III)の代表的な製法例>
(1)(メタ)アクリル酸に対して、プロピレンオキシド及びエチレンオキシドの少なくとも一方を反応させて、下記の一般式(vii)
[化12]


(式中、R 4、R 5及びhは上記と同一意味を有する。)
で表される(メタ)アクリル酸のプロピレンオキシド及び/又はエチレンオキシド付加化合物を生成し;次いで
(2)上記(1)で得られる一般式(vii)で表されるプロピレンオキシド及び/又はエチレンオキシド付加化合物を、前記一般式:A 3-(NCO) jで表されるジイソシアネート化合物又はトリイソシアネート化合物と反応させることによって、ウレタン化(メタ)アクリル化合物(a-III)を製造する。
[0057]
 上記の(1)の反応は、(メタ)アクリル酸とプロピレンオキシド及び/又はエチレンオキシドを適当な触媒を用いて反応させるのが好ましく、それによって上記した一般式(vii)で表されるプロピレンオキシド及び/又はエチレンオキシドの付加化合物を円滑に得ることができる。前記触媒としては、ウレタン化(メタ)アクリル化合物(a-I)の製法例で説明したもの(有機スズ触媒、カチオン触媒及びアニオン触媒)と同様のものを使用できる。
[0058]
 また、一般式(vii)で表されるプロピレンオキシド及び/又はエチレンオキシド付加化合物に一般式:A 3-(NCO) jで表されるジイソシアネート化合物又はトリイソシアネート化合物を反応させる上記(2)の反応においては、従来公知のウレタン化触媒などを用いて、必要に応じて重合禁止剤を加えて、40~90℃の温度で両者を反応させると、目的とするウレタン化(メタ)アクリル化合物(a-III)を円滑に得ることができる。前記ウレタン化触媒としては、ウレタン化(メタ)アクリル化合物(a-I)の製法例で説明したものと同様のものを使用できる。前記重合禁止剤は、後記する光硬化性樹脂組成物に添加し得る重合禁止剤と同様のものを使用できる。
[0059]
 そして、上記(2)の反応において、一般式(vii)で表される付加化合物と反応させる一般式:A 3-(NCO) jで表されるジイソシアネート化合物及びトリイソシアネート化合物の種類は特に制限されず、ウレタン化反応を行い得るジイソシアネート化合物及びトリイソシアネート化合物のいずれもが使用できる。そのうちでも、ジイソシアネート化合物及びトリイソシアネート化合物の好ましい例としては、前記A 1-(NCO) dで表されるジイソシアネート化合物及びトリイソシアネート化合物の好ましい例として具体的に示した化合物と同様のものが挙げられる。これらのイソシアネート化合物は1種を単独で使用してもよく又は2種以上を併用してもよい。前記イソシアネート化合物のうちでも、イソホロンジイソシアネート、水添化キシリレンジイソシアネート、水添化ジフェニルメタンジイソシアネートが特に好ましく用いられ、その場合には引張伸度が大きく、柔軟性及び耐破壊性に優れる光硬化物を、ウレタン化(メタ)アクリル化合物(a-III)を含む本発明の光硬化性樹脂組成物から得ることができる。
[0060]
 式(I)、式(II)及び式(III)における基R 1、R 2、R 3、R 4、R 5、A 1、A 2、及びA 3の種類、a、b、c、d、e、f、g、h、及びjの数などによってウレタン化(メタ)アクリル化合物(A)の性状等は異なるが、一般に、ウレタン化(メタ)アクリル化合物(a-I)、ウレタン化(メタ)アクリル化合物(a-II)及びウレタン化(メタ)アクリル化合物(a-III)は、いずれも常温では低粘度の液状~高粘度の液状を呈しており、(メタ)アクリルアミド化合物(B)として適当なものを選んで組み合わせることによって、取り扱い性に優れる低粘度の光硬化性樹脂組成物を調製することができる。
[0061]
 ウレタン化(メタ)アクリル化合物(a-I)としては、R 1が水素原子であり、aが1であり、bが4~6の範囲の整数であり、cが3~14の範囲の整数であり、dが2又は3であり、A 1が炭素数6~20の2価又は3価の非置換又は置換された炭化水素基であるウレタン化(メタ)アクリル化合物(a-I)が好ましく;R 1が水素原子であり、aが1であり、bが5であり、cが3~10の範囲の整数であり、dが2又は3であり、A 1が炭素数6~14の2価又は3価の非置換又は置換された炭化水素基であるウレタン化(メタ)アクリル化合物(a-I)がより好ましく;R 1が水素原子であり、aが1であり、bが5であり、cが3~6の範囲の整数であり、dが2であり、A 1が炭素数6~13の2価又は3価の非置換又は置換された炭化水素基であるウレタン化(メタ)アクリル化合物(a-I)がさらに好ましい。
 ウレタン化(メタ)アクリル化合物(a-II)としては、R 2が水素原子であり、R 3がメチル基であり、eが1であり、fが4~20の範囲の整数であり、gが2又は3であり、A 2が炭素数6~20の2価又は3価の非置換又は置換された炭化水素基であるウレタン化(メタ)アクリル化合物(a-II)が好ましく;R 2が水素原子であり、R 3がメチル基であり、eが1であり、fが5~14の範囲の整数であり、gが2又は3であり、A 2が炭素数6~14の2価又は3価の非置換又は置換された炭化水素基であるウレタン化(メタ)アクリル化合物(a-II)がより好ましく;R 2が水素原子であり、R 3がメチル基であり、eが1であり、fが6~10の範囲の整数であり、gが2であり、A 2が炭素数6~13の2価又は3価の非置換又は置換された炭化水素基であるウレタン化(メタ)アクリル化合物(a-II)がさらに好ましい。
 ウレタン化(メタ)アクリル化合物(a-III)としては、R 4が水素原子であり、R 5が水素原子又はメチル基であり、hが4~20の範囲の整数であり、jが2又は3であり、A 3が炭素数6~20の非置換又は置換された2価又は3価の炭化水素基であるウレタン化(メタ)アクリル化合物(a-III)が好ましく;R 4が水素原子であり、R 5がメチル基であり、hが5~14の範囲の整数であり、jが2又は3であり、A 3が炭素数6~14の非置換又は置換された2価又は3価の炭化水素基であるウレタン化(メタ)アクリル化合物(a-III)がより好ましく;R 4が水素原子であり、R 5がメチル基であり、hが6~10の範囲の整数であり、jが2であり、A 3が炭素数6~13の非置換又は置換された2価又は3価の炭化水素基であるウレタン化(メタ)アクリル化合物(a-III)がさらに好ましい。
[0062]
 本発明の光硬化性樹脂組成物は、ウレタン化(メタ)アクリル化合物(A)として、ウレタン化(メタ)アクリル化合物(a-I)及びウレタン化(メタ)アクリル化合物(a-II)のうちの1種のみを含有していてもよいし、又は2種を含有していてもよい。また、本発明の光硬化性樹脂組成物は、場合により、ウレタン化(メタ)アクリル化合物(A)として、ウレタン化(メタ)アクリル化合物(a-II)及びウレタン化(メタ)アクリル化合物(a-III)のうちの少なくとも1種と、ウレタン化(メタ)アクリル化合物(a-I)を含有していてもよい。
[0063]
 ウレタン化(メタ)アクリル化合物(A)の含有量は、ウレタン化(メタ)アクリル化合物(A)及び(メタ)アクリルアミド化合物(B)の総量に対し、10~99質量%であることが好ましく、30~95質量%であることがより好ましく、50~90質量%であることがさらに好ましい。
[0064]
[(メタ)アクリルアミド化合物(B)]
 (メタ)アクリルアミド化合物(B)は、本発明の光硬化性樹脂組成物において、光硬化性樹脂組成物の硬化物に耐破壊性及び表面滑沢性を付与するために用いられる。
[0065]
 本発明の光硬化性樹脂組成物で用いる(メタ)アクリルアミド化合物(B)として、上記の一般式(IV)で表される(メタ)アクリルアミド化合物(b-I)(以下、これを「(メタ)アクリルアミド化合物(b-I)」という。)、及び上記の一般式(V)で表される(メタ)アクリルアミド化合物(b-II)(以下、これを、「(メタ)アクリルアミド化合物(b-II)」という。)について説明する。
[0066]
 式(IV)の各記号について説明する。得られる本発明の光硬化性樹脂組成物が硬化性、表面滑沢性に優れる点から、式(IV)において、R 6は水素原子又はメチル基であり、ウレタン化(メタ)アクリル化合物(A)との混和性が良く、光硬化性樹脂組成物の硬化性及び硬化物の表面滑沢性に優れる点から、水素原子が好ましい。R 7及びR 8はそれぞれ独立して、水素原子又は非置換又は置換された炭素数1~8のアルキル基である。前記アルキル基としては、炭素数1~5が好ましく、炭素数1~4がより好ましく、炭素数1~3がさらに好ましい。R 7及びR 8としては、いずれか一方の基が水素原子又は非置換又は置換された炭素数1~5のアルキル基であり、かつ他方の基が非置換又は置換された炭素数1~5のアルキル基であることが好ましく、いずれか一方の基が水素原子又は非置換又は置換された炭素数1~4のアルキル基であり、かつ他方の基が非置換又は置換された炭素数1~4のアルキル基であることがより好ましく、いずれか一方の基が水素原子又は非置換又は置換された炭素数1~3のアルキル基であり、かつ他方の基が非置換又は置換された炭素数1~3のアルキル基であることがさらに好ましい。R 7及びR 8は直接結合していない。R 7及びR 8が炭素数9以上である場合、重合基の密度が小さくなるため硬化性が低下する。また、R 7及びR 8が直接結合する場合、剛直で嵩高い環状構造が形成され、光硬化性樹脂組成物の硬化物中の分子鎖の運動性が低下し、表面仕上げの際に溶剤あるいは研磨の熱によって局所的に溶解又は溶融し難くなるため、表面滑沢性が低下する。R 7及びR 8のアルキル基としては、直鎖状又は分岐鎖状のいずれであってもよく、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、sec-ペンチル基、ネオペンチル基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基などが挙げられる。前記アルキル基が有する置換基の数は、通常1~10個であり、1~8個が好ましく、1~6個がより好ましく、1~4個がさらに好ましい。前記アルキル基の置換基としては、上述のウレタン化(メタ)アクリル化合物(a-I)の基A 1の炭化水素基の置換基と同様のものが挙げられる。
[0067]
 (メタ)アクリルアミド化合物(b-I)の例としては、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジ-n-プロピル(メタ)アクリルアミド、N-イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジ-n-ブチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジ-n-ヘキシル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジ-n-オクチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジ-2-エチルヘキシル(メタ)アクリルアミド、N-(2-ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N,N-(ジヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミドが挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ウレタン化(メタ)アクリル化合物(A)との混和性が良く、光硬化性樹脂組成物の硬化性及び硬化物の表面滑沢性に優れる点で、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジ-n-プロピル(メタ)アクリルアミド、N-イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジ-n-ブチル(メタ)アクリルアミド、N-(2-ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミドが好ましく、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド、N-(2-ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミドがより好ましく、N,N-ジメチルアクリルアミド、N,N-ジエチルアクリルアミド、N-イソプロピルアクリルアミド、N-(2-ヒドロキシエチル)アクリルアミドがさらに好ましく、N,N-ジエチルアクリルアミドが最も好ましい。
[0068]
 式(V)の各記号について説明する。得られる本発明の光硬化性樹脂組成物が硬化性、表面滑沢性に優れる点から、式(V)において、R 9は水素原子又はメチル基であり、ウレタン化(メタ)アクリル化合物(A)との混和性が良く、光硬化性樹脂組成物の硬化性及び硬化物の表面滑沢性に優れる点から、水素原子が好ましい。R 10は非置換又は置換された炭素数1~8のアルキレン基である。R 11、R 12及びR 13はそれぞれ独立して、水素原子又は非置換又は置換された炭素数1~8のアルキル基である。前記アルキル基としては、炭素数1~5が好ましく、炭素数1~4がより好ましく、炭素数1~3がさらに好ましい。R 11、R 12及びR 13としては、いずれか1つ又は2つの基が水素原子又は非置換又は置換された炭素数1~5のアルキル基であり、かつ残りの基が非置換又は置換された炭素数1~5のアルキル基であることが好ましく、いずれか1つ又は2つの基が水素原子又は非置換又は置換された炭素数1~4のアルキル基であり、かつ残りの基が非置換又は置換された炭素数1~4のアルキル基であることよりが好ましく、いずれか1つ又は2つの基が水素原子又は非置換又は置換された炭素数1~3のアルキル基であり、かつ残りの基が非置換又は置換された炭素数1~3のアルキル基であることがさらに好ましい。R 12及びR 13は直接結合していない。R 11及びR 12は直接結合していない。R 11及びR 13は直接結合していない。R 10、R 11、R 12及びR 13が炭素数9以上である場合、重合基の密度が小さくなるため硬化性が低下する。また、R 12及びR 13、R 11及びR 12、又はR 11及びR 13が直接結合する場合、剛直で嵩高い環状構造が形成され、光硬化性樹脂組成物の硬化物中の分子鎖の運動性が低下するため、表面仕上げの際に溶剤や研磨の熱によって局所的に溶解又は溶融し難くなるため、表面滑沢性が低下する。R 10のアルキレン基としては、直鎖状又は分岐鎖状のいずれであってもよく、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、n-プロピレン基、イソプロピリデン基、テトラメチレン基、イソブチリデン基、sec-ブチリデン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基などが挙げられる。前記アルキレン基が有する置換基の数は、通常1~10個であり、1~8個が好ましく、1~6個がより好ましく、1~4個がさらに好ましい。前記アルキレン基の置換基としては、上述のウレタン化(メタ)アクリル化合物(a-I)の基A 1の炭化水素基の置換基と同様のものが挙げられる。R 11、R 12及びR 13のアルキル基としては、R 7及びR 8のアルキル基と同様のものが挙げられる。
[0069]
 (メタ)アクリルアミド化合物(b-II)の例としては、N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジブチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジプロピルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジブチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチルアミノブチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチルアミノブチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジプロピルアミノブチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジブチルアミノブチル(メタ)アクリルアミドが挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ウレタン化(メタ)アクリル化合物(A)との混和性が良く、光硬化性樹脂組成物の硬化性及び硬化物の表面滑沢性に優れる点で、N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチルアミノブチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチルアミノブチル(メタ)アクリルアミドが好ましく、N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドがより好ましく、N,N-ジメチルアミノエチルアクリルアミド、N,N-ジエチルアミノエチルアクリルアミド、N,N-ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N-ジエチルアミノプロピルアクリルアミドがさらに好ましく、N,N-ジメチルアミノプロピルアクリルアミドが最も好ましい。
[0070]
 (メタ)アクリルアミド化合物(B)の含有量は、光硬化性樹脂組成物全量に対して、7.0~55質量%が好ましく、10~49質量%がより好ましく、12~45質量%がさらに好ましい。
[0071]
 また、本発明の光硬化性樹脂組成物は、色素などに対する耐着色性の調整を目的として、(メタ)アクリルアミド化合物(B)以外の重合性単量体として、フッ素含有(メタ)アクリル酸エステルを含んでもよい。このようなフッ素含有(メタ)アクリル酸エステルの例としては、2,2,2-トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、2-(パーフルオロブチル)エチル(メタ)アクリレート、3-(パーフルオロブチル)-2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-(パーフルオロヘキシル)エチル(メタ)アクリレート、3-パーフルオロヘキシル-2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-(パーフルオロ-3-メチルブチル)-2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、1H,1H,3H-テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、1H,1H,5H-オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、1H,1H,7H-ドデカフルオロヘプチル(メタ)アクリレート、1H-1-(トリフルオロメチル)トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、1H,1H,3H-ヘキサフルオロブチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの中でも、耐着色性に優れる点で、2-(パーフルオロブチル)エチル(メタ)アクリレート、2-(パーフルオロヘキシル)エチル(メタ)アクリレート、1H,1H,5H-オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、1H,1H,7H-ドデカフルオロヘプチル(メタ)アクリレート、1H-1-(トリフルオロメチル)トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、1H,1H,3H-ヘキサフルオロブチル(メタ)アクリレートが好ましく、1H,1H,5H-オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、1H,1H,7H-ドデカフルオロヘプチル(メタ)アクリレートがより好ましい。フッ素含有(メタ)アクリル酸エステルは、本発明の光硬化性樹脂組成物の硬化性を損なわないために、ウレタン化(メタ)アクリル化合物(A)及び(メタ)アクリルアミド化合物(B)の総量100質量部に対し、100質量部以下が好ましい。
[0072]
 本発明の光硬化性樹脂組成物に含まれる重合性単量体は、実質的にウレタン化(メタ)アクリル化合物(A)及び(メタ)アクリルアミド化合物(B)のみから構成されていてもよく、実質的にウレタン化(メタ)アクリル化合物(A)、(メタ)アクリルアミド化合物(B)及びフッ素含有(メタ)アクリル酸エステルのみから構成されていてもよい。重合性単量体が、実質的にウレタン化(メタ)アクリル化合物(A)及び(メタ)アクリルアミド化合物(B)のみから構成されるとは、ウレタン化(メタ)アクリル化合物(A)及び(メタ)アクリルアミド化合物(B)以外の他の重合性単量体の含有量が10.0質量%未満であり、好ましくは5.0質量%未満であり、より好ましくは1.0質量%未満であり、さらに好ましくは0.1質量%未満であり、特に好ましくは0.01質量%未満であることを意味する。同様に、重合性単量体が、実質的にウレタン化(メタ)アクリル化合物(A)、(メタ)アクリルアミド化合物(B)及びフッ素含有(メタ)アクリル酸エステルのみから構成されるとは、ウレタン化(メタ)アクリル化合物(A)、(メタ)アクリルアミド化合物(B)及びフッ素含有(メタ)アクリル酸エステル以外の他の重合性単量体の含有量が10.0質量%未満であり、好ましくは5.0質量%未満であり、より好ましくは1.0質量%未満であり、さらに好ましくは0.1質量%未満であり、特に好ましくは0.01質量%未満であることを意味する。
[0073]
[光重合開始剤(C)]
 本発明に用いられる光重合開始剤(C)は、一般工業界で使用されている重合開始剤から選択して使用でき、中でも歯科用途に用いられている光重合開始剤が好ましく用いられる。
[0074]
 光重合開始剤(C)としては、(ビス)アシルホスフィンオキシド類、チオキサントン類又はチオキサントン類の第4級アンモニウム塩、ケタール類、α-ジケトン類、クマリン類、アントラキノン類、ベンゾインアルキルエーテル化合物類、α-アミノケトン系化合物などが挙げられる。
[0075]
 これらの光重合開始剤(C)の中でも、(ビス)アシルホスフィンオキシド類及びその塩と、α-ジケトン類とからなる群から選択される少なくとも1種を用いることが好ましい。これにより、紫外領域及び可視光域での光硬化性に優れ、レーザー、ハロゲンランプ、発光ダイオード(LED)、及びキセノンランプのいずれの光源を用いても十分な光硬化性を示す光硬化性樹脂組成物が得られる。
[0076]
 (ビス)アシルホスフィンオキシド類のうち、アシルホスフィンオキシド類としては、例えば、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、2,6-ジメトキシベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、2,6-ジクロロベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、2,4,6-トリメチルベンゾイルメトキシフェニルホスフィンオキシド、2,4,6-トリメチルベンゾイルエトキシフェニルホスフィンオキシド、2,3,5,6-テトラメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ベンゾイルジ-(2,6-ジメチルフェニル)ホスホネート、2,4,6-トリメチルベンゾイルフェニルホスフィンオキシドナトリウム塩、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシドカリウム塩、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシドのアンモニウム塩が挙げられる。ビスアシルホスフィンオキシド類としては、例えば、ビス(2,6-ジクロロベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6-ジクロロベンゾイル)-2,5-ジメチルフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6-ジクロロベンゾイル)-4-プロピルフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6-ジクロロベンゾイル)-1-ナフチルホスフィンオキシド、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチルペンチルホスフィンオキシド、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,5-ジメチルフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、ビス(2,5,6-トリメチルベンゾイル)-2,4,4-トリメチルペンチルホスフィンオキシドなどが挙げられる。さらに、特開2000-159621号公報に記載されている化合物を挙げることができる。
[0077]
 これらの(ビス)アシルホスフィンオキシド類の中でも、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、2,4,6-トリメチルベンゾイルメトキシフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、及び2,4,6-トリメチルベンゾイルフェニルホスフィンオキシドナトリウム塩を光重合開始剤(C)として用いることが特に好ましい。
[0078]
 α-ジケトン類としては、例えば、ジアセチル、ベンジル、カンファーキノン、2,3-ペンタジオン、2,3-オクタジオン、9,10-フェナンスレンキノン、4,4’-オキシベンジル、アセナフテンキノンが挙げられる。この中でも、可視光域の光源を使用する場合には、カンファーキノンが特に好ましい。
[0079]
 本発明の光硬化性樹脂組成物における光重合開始剤(C)の含有量は特に限定されないが、得られる光硬化性樹脂組成物の硬化性等の観点から、ウレタン化(メタ)アクリル化合物(A)と(メタ)アクリルアミド化合物(B)の総量100質量部に対し、光重合開始剤(C)が0.01~20質量部が好ましい。光重合開始剤(C)の含有量が0.01質量部未満の場合、重合が十分に進行せず、成形品が得られないおそれがある。光重合開始剤(C)の含有量は、前記総量100質量部に対し、0.05質量部以上がより好ましく、0.1質量部以上がさらに好ましい。一方、光重合開始剤(C)の含有量が20質量部を超える場合、光重合開始剤自体の溶解性が低い場合には、光硬化性樹脂組成物からの析出を招くおそれがある。光重合開始剤(C)の含有量は、前記総量100質量部に対し、15質量部以下がより好ましく、10質量部以下がさらに好ましく、5.0質量部以下がとりわけ好ましい。
[0080]
 本発明の光硬化性樹脂組成物は、上記のウレタン化(メタ)アクリル化合物(A)、(メタ)アクリルアミド化合物(B)、及び光重合開始剤(C)を含有していれば特に限定はなく、例えば、これ以外の成分を含んでいてもよい。本発明の光硬化性樹脂組成物は、公知の方法に準じて製造できる。
[0081]
 本発明の光硬化性樹脂組成物は、本発明の趣旨を損なわない範囲内で、光硬化性の向上を目的として、重合促進剤(D)を含むことができる。重合促進剤(D)としては、例えば、4-(N,N-ジメチルアミノ)安息香酸エチル、4-(N,N-ジメチルアミノ)安息香酸メチル、4-(N,N-ジメチルアミノ)安息香酸n-ブトキシエチル、4-(N,N-ジメチルアミノ)安息香酸2-(メタクリロイルオキシ)エチル、4-(N,N-ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4-(N,N-ジメチルアミノ)安息香酸ブチルが挙げられる。これらの中でも、光硬化性樹脂組成物に優れた硬化性を付与する観点から、4-(N,N-ジメチルアミノ)安息香酸エチル、4-(N,N-ジメチルアミノ)安息香酸n-ブトキシエチル、及び4-(N,N-ジメチルアミノ)ベンゾフェノンからなる群から選択される少なくとも1つが好ましく用いられる。
[0082]
 本発明の光硬化性樹脂組成物には、ペースト性状を調整するために、又は、光構成樹脂組成物の硬化物の機械的強度を高めるために、フィラー(E)がさらに含有されていてもよい。フィラー(E)として、例えば、有機フィラー、無機フィラー、有機-無機複合フィラーなどが挙げられる。フィラー(E)は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
[0083]
 有機フィラーの材料としては、例えば、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、メタクリル酸メチル-メタクリル酸エチル共重合体、架橋型ポリメタクリル酸メチル、架橋型ポリメタクリル酸エチル、ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリオキシメチレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、エチレン-酢酸ビニル共重合体、スチレン-ブタジエン共重合体、アクリロニトリル-スチレン共重合体、アクリロニトリル-スチレン-ブタジエン共重合体が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。有機フィラーの形状は特に限定されず、フィラーの粒子径を適宜選択して使用できる。
[0084]
 無機フィラーの材料としては、例えば、石英、シリカ、アルミナ、シリカ-チタニア、シリカ-チタニア-酸化バリウム、シリカ-ジルコニア、シリカ-アルミナ、ランタンガラス、ホウケイ酸ガラス、ソーダガラス、バリウムガラス、ストロンチウムガラス、ガラスセラミック、アルミノシリケートガラス、バリウムボロアルミノシリケートガラス、ストロンチウムボロアルミノシリケートガラス、フルオロアルミノシリケートガラス、カルシウムフルオロアルミノシリケートガラス、ストロンチウムフルオロアルミノシリケートガラス、バリウムフルオロアルミノシリケートガラス、ストロンチウムカルシウムフルオロアルミノシリケートガラスが挙げられる。これらもまた、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。無機フィラーの形状は特に限定されず、不定形フィラー又は球状フィラーなどを適宜選択して使用できる。
[0085]
 本発明の光硬化性樹脂組成物には、本発明の趣旨を損なわない範囲内で、柔軟性、流動性等の改質を目的として重合体を添加することができる。例えば、天然ゴム、合成ポリイソプレンゴム、液状ポリイソプレンゴム及びその水素添加物、ポリブタジエンゴム、液状ポリブタジエンゴム及びその水素添加物、スチレン-ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、エチレン-プロピレンゴム、アクリルゴム、イソプレン-イソブチレンゴム、アクリロニトリル-ブタジエンゴム、又はスチレン系エラストマーを添加することができる。添加可能な他の重合体の具体例としては、ポリスチレン-ポリイソプレン-ポリスチレンブロック共重合体、ポリスチレン-ポリブタジエン-ポリスチレンブロック共重合体、ポリ(α-メチルスチレン)-ポリブタジエン-ポリ(α-メチルスチレン)ブロック共重合体、ポリ(p-メチルスチレン)-ポリブタジエン-ポリ(p-メチルスチレン)ブロック共重合体、又はこれらの水素添加物などが挙げられる。これらの重合体は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
[0086]
 本発明の光硬化性樹脂組成物は、必要に応じて、軟化剤を含有していてもよい。軟化剤としては、例えば、パラフィン系、ナフテン系、芳香族系のプロセスオイルなどの石油系軟化剤、及び、パラフィン、落花生油、ロジンなどの植物油系軟化剤が挙げられる。これらの軟化剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。軟化剤の含有量は、本発明の趣旨を損なわない限り特に制限はないが、通常、ウレタン化(メタ)アクリル化合物(A)と、(メタ)アクリルアミド化合物(B)の総量100質量部に対して200質量部以下であり、好ましくは100質量部以下である。
[0087]
 また、本発明の光硬化性樹脂組成物には、劣化の抑制、又は光硬化性の調整を目的として、公知の安定剤を含有することができる。かかる安定剤としては、例えば、重合禁止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤が挙げられる。
[0088]
 重合禁止剤としては、例えば、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ジブチルハイドロキノン、ジブチルハイドロキノンモノメチルエーテル、t-ブチルカテコール、2-t-ブチル-4,6-ジメチルフェノール、2,6-ジ-t-ブチルフェノール、3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシトルエンなどが挙げられる。重合禁止剤の含有量は、ウレタン化(メタ)アクリル化合物(A)と(メタ)アクリルアミド化合物(B)の総量100質量部に対し、0.001~1.0質量部が好ましい。
[0089]
 また、本発明の光硬化性樹脂組成物には、色調あるいはペースト性状の調整を目的として、公知の添加剤を含有することができる。かかる添加剤としては、例えば、顔料、染料、有機溶媒、増粘剤が挙げられる。
[0090]
 本発明の光硬化性樹脂組成物は、硬化後の柔軟性、衝撃吸収性、耐破壊性及び表面滑沢性に優れる。従って、本発明の光硬化性樹脂組成物は、このような利点が生かされる用途に適用でき、特に、マウスガード、咬合用スプリント及び義歯床材に最適である。本発明の光硬化性樹脂組成物を用いる硬化物の形状は、各用途に応じて変更することができる。また、本発明の光硬化性樹脂組成物は、必要に応じて、マウスガード、咬合用スプリント及び義歯床材などの用途毎に、各成分(ウレタン化(メタ)アクリル化合物(A)、(メタ)アクリルアミド化合物(B)、重合開始剤(C)及び各種任意の成分(重合促進剤(D)、フィラー(E)、重合体、軟化剤、安定剤、添加剤など))の種類及び含有量を調整することができる。
[0091]
 本発明の光硬化性樹脂組成物は、その特性、特に光で硬化した際に、体積収縮率が小さく寸法精度に優れ、しかも硬化後の柔軟性及び力学的特性に優れる成形品あるいは立体造形物、更にはその他の硬化物が得られるという特性を活かして種々の用途に使用することができ、例えば、光学的立体造形法による立体造形物の製造、流延成形法や注型等による膜状物あるいは型物などの各種成形品の製造、被覆用、真空成形用金型などに用いることができる。
[0092]
 特に、本発明の光硬化性樹脂組成物は、上記した光学的立体造形法で用いるのに適しており、その場合には、光硬化時の体積収縮率を小さく保ちながら、寸法精度に優れ、且つ柔軟性及び力学的特性に優れる立体造形物を円滑に製造することができる。
[0093]
 本発明の他の実施態様としては、前記したいずれかの光硬化性樹脂組成物を用いて、光学的立体造形法によって立体造形物を製造する方法が挙げられる。
[0094]
 本発明の光硬化性樹脂組成物を用いて光学的立体造形を行うに当たっては、従来公知の光学的立体造形方法及び装置のいずれもが使用できる。特に、本発明では、樹脂を硬化させるための光エネルギーとして、活性エネルギー光線を用いるのが好ましい。「活性エネルギー光線」は、紫外線、電子線、X線、放射線、高周波などのような光硬化性樹脂組成物を硬化させ得るエネルギー線を意味する。例えば、活性エネルギー光線は、300~400nmの波長を有する紫外線であってもよい。活性エネルギー光線の光源としては、Arレーザー、He-Cdレーザーなどのレーザー;ハロゲンランプ、キセノンランプ、メタルハライドランプ、LED、水銀灯、蛍光灯などの照明等が挙げられ、レーザーが特に好ましい。光源としてレーザーを用いた場合には、エネルギーレベルを高めて造形時間を短縮することが可能であり、しかもレーザー光線の良好な集光性を利用して、造形精度の高い立体造形物を得ることができる。
[0095]
 上記したように、本発明の光硬化性樹脂組成物を用いて光学的立体造形を行うに当たっては、従来公知の方法及び従来公知の光造形システム装置のいずれもが採用でき特に制限されない。本発明で好ましく用いられる光学的立体造形法の代表例としては、所望のパターンを有する硬化層が得られるように、光硬化性樹脂組成物に活性エネルギー光線を選択的に照射して硬化層を形成する工程、次いでその硬化層にさらに未硬化液状の光硬化性樹脂組成物を供給し、同様に活性エネルギー光線を照射して前記の硬化層と連続した硬化層を新たに形成する積層する工程を繰り返すことによって、最終的に目的とする立体的造形物を得る方法を挙げることができる。また、それによって得られる立体造形物はそのまま用いてもよく、また場合によっては更に光照射によるポストキュアあるいは熱によるポストキュアなどを行って、その力学的特性あるいは形状安定性などを一層高いものとしてから使用するようにしてもよい。
[0096]
 光学的立体造形法によって得られる立体造形物の構造、形状、サイズなどは特に制限されず、各々の用途に応じて決めることができる。本発明の光学的立体造形法の代表的な応用分野としては、設計の途中で外観デザインを検証するためのモデル;部品の機能性をチェックするためのモデル;鋳型を制作するための樹脂型;金型を制作するためのベースモデル;試作金型用の直接型などの作製等が挙げられる。より具体的には、精密部品、電気・電子部品、家具、建築構造物、自動車用部品、各種容器類、鋳物、金型、母型などのためのモデルあるいは加工用モデルなどの製作を挙げることができ、特に光硬化性樹脂組成物の柔軟性、弾性回復性に優れるという特性を活かして、構造物(例えば、建築構造物)中の複雑な形状をしたクッション材、真空成形用金型などの用途に極めて有効に使用することができる。
[0097]
 本発明は、本発明の効果を奏する限り、本発明の技術的範囲内において、上記の構成を種々組み合わせた態様を含む。
実施例
[0098]
 次に、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で多くの変形が当分野において通常の知識を有する者により可能である。
[0099]
<合成例1>[ウレタン化(メタ)アクリル化合物(a-I)の製造]
(1)攪拌機、温度調節器、温度計及び凝縮器を備えた内容積4リットルの四つ口フラスコに、2-ヒドロキシエチルアクリレート400g及びε-カプロラクトン2359gを添加して、撹拌下に温度100~150℃で8時間反応させて、上記の一般式(iii)で表されるカプロラクトン付加物[一般式(iii)においてR 1=水素原子、a=1、b=5及びc=6の化合物]を製造した。
(2)上記(1)で用いたものとは別の、攪拌機、温度調節器、温度計及び凝縮器を備えた内容積4リットルの四つ口フラスコに、上記の(1)で得られたカプロラクトン付加物2819g、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.63g、ジラウリル酸ジ-n-ブチルスズ0.94g及びイソホロンジイソシアネート326gを入れて、40~50℃で30分間反応させた後、温度80~90℃で更に反応させて、ウレタン化(メタ)アクリル化合物(a-I)[一般式(I)においてR 1=水素原子、A 1=イソホロン基、a=1、b=5、c=6及びd=2の化合物]を製造した。この化合物をウレタン化(メタ)アクリル化合物(a-I-1)とする。
[0100]
<合成例2>[ウレタン化(メタ)アクリル化合物(a-II)の製造]
 攪拌機、温度調節器、温度計及び凝縮器を備えた内容積4リットルの四つ口フラスコに、2-ヒドロキシエチルアクリレートプロピレンオキシド付加物[日本油脂株式会社製「ブレンマー10APE-550B」;上記の一般式(vi)で表される化合物においてR 2=水素原子、R 3=CH 3、e=1、f=9の化合物]1492g、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.63g、ジラウリル酸ジ-n-ブチルスズ0.51g及びイソホロンジイソシアネート222gを入れて、40~50℃で30分間反応させた後、温度80~90℃で更に反応させて、ウレタン化(メタ)アクリル化合物(a-II)[一般式(II)においてR 2=水素原子、R 3=CH 3、A 2=イソホロン基、e=1、f=9及びg=2の化合物]を製造した。この化合物をウレタン化(メタ)アクリル化合物(a-II-1)とする。
[0101]
<合成例3>[ウレタン化(メタ)アクリル化合物(a-III)の製造]
 攪拌機、温度調節器、温度計及び凝縮器を備えた内容積4リットルの四つ口フラスコに、アクリル酸プロピレンオキシド付加物[日本油脂株式会社製「ブレンマーAP-550」;上記の一般式(vii)で表される化合物においてR 4=H、R 5=CH 3、h=10の化合物]1517g、ハイドロキノンモノメチルエーテル1.00g、ジラウリル酸ジ-n-ブチルスズ0.52g及びイソホロンジイソシアネート222gを入れて、40~50℃で30分間反応させた後、温度80~90℃で更に反応させて、ウレタン化(メタ)アクリル化合物(a-III)[一般式(III)においてR 4=水素原子、R 5=CH 3、A 3=イソホロン基、h=10及びj=2の化合物]を製造した。この化合物をウレタン化(メタ)アクリル化合物(a-III-1)とする。
[0102]
<合成例4>[ウレタン化(メタ)アクリル化合物の製造]
(1)攪拌機、温度調節器、温度計及び凝縮器を備えた内容積4リットルの四つ口フラスコに、2-ヒドロキシエチルアクリレート382g及びε-カプロラクトン751gを添加して、撹拌下に温度100~150℃で8時間反応させて、上記の一般式(iii)で表されるカプロラクトン付加物に類似した構造を有する化合物[一般式(iii)においてR 1=水素原子、a=1、b=5及びc=2である化合物]を製造した。
(2)上記(1)で用いたものとは別の、攪拌機、温度調節器、温度計及び凝縮器を備えた内容積4リットルの四つ口フラスコに、上記の(1)で得られたカプロラクトン付加物1133g、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.28g、ジラウリル酸ジ-n-ブチルスズ0.43g及びイソホロンジイソシアネート305gを入れて、40~50℃で30分間反応させた後、温度80~90℃で更に反応させた。その結果、無色で常温(25℃)で粘稠な液状を呈する生成物が得られた[上記の一般式(I)においてR 1=水素原子、A 1=イソホロン基、a=1、b=5、c=2及びd=2であって、ウレタン化(メタ)アクリル化合物(a-I)~ウレタン化(メタ)アクリル化合物(a-III)のいずれにも包含されないウレタン化(メタ)アクリル化合物]。この化合物をウレタン化(メタ)アクリル化合物UA-1とする。
[0103]
<合成例5>[ウレタン化(メタ)アクリル化合物の製造]
(1)攪拌機、温度調節器、温度計及び凝縮器を備えた内容積4リットルの四つ口フラスコに、2-ヒドロキシエチルアクリレート116g及びε-カプロラクトン1710gを添加して、撹拌下に温度100~150℃で8時間反応させて、上記の一般式(iii)で表されるカプロラクトン付加物に類似した構造を有する化合物[一般式(iii)においてR 1=水素原子、a=1、b=5及びc=15である化合物]を製造した。
(2)上記(1)で用いたものとは別の、攪拌機、温度調節器、温度計及び凝縮器を備えた内容積4リットルの四つ口フラスコに、上記の(1)で得られたカプロラクトン付加物1826g、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.38g、ジラウリル酸ジ-n-ブチルスズ0.58g及びイソホロンジイソシアネート93gを入れて、40~50℃で30分間反応させた後、温度80~90℃で更に反応させた。その結果、無色で常温(25℃)で粘稠な液状を呈する生成物が得られた[上記の一般式(I)においてR 1=水素原子、A 1=イソホロン基、a=1、b=5、c=15及びd=2であって、ウレタン化(メタ)アクリル化合物(a-I)~ウレタン化(メタ)アクリル化合物(a-III)のいずれにも包含されない化合物]。この化合物をウレタン化(メタ)アクリル化合物UA-2とする。
[0104]
 実施例又は比較例に係る重合性組成物に用いた各成分を略号とともに以下に説明する。
[0105]
[(メタ)アクリルアミド化合物(B)]
 DEAA:N,N-ジエチルアクリルアミド(KJケミカルズ社製)
 HEAA:N-(2-ヒドロキシエチル)アクリルアミド(KJケミカルズ社製)
 NIPAM:N-イソプロピルアクリルアミド(KJケミカルズ社製)
 DMAPAA:N,N-ジメチルアミノプロピルアクリルアミド(KJケミカルズ社製)
 DMAA:N,N-ジメチルアクリルアミド(KJケミカルズ社製)
[0106]
[光重合開始剤(C)]
 TPO:2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド
 BAPO:ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド
[0107]
[重合禁止剤]
 BHT:3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシトルエン
[0108]
 表1及び表2に示す分量で各成分を常温(20℃±15℃、JIS(日本工業規格) Z 8703:1983)下で混合して、実施例1~9及び比較例1~6に係る光硬化性樹脂組成物としてのペーストを調整した。
[0109]
<造形性>
 各実施例及び各比較例に係る光硬化性樹脂組成物について、光造形機(DWS社製 DIGITALWAX 028J+)を用いて厚さ2mm×長さ11cm×幅5cmのシートの造形を行った。寸法通りのシートが造形可能であった場合を造形可能○とし、造形物が得られなかった場合を造形不可×とした。
[0110]
<柔軟性試験(硬度)>
 各実施例及び各比較例に係る光硬化性樹脂組成物の硬化物について、上記のシートを2枚重ね厚さ4mmとしたのち、その試験片を用いて、JIS K 7215:1986に基づいて、タイプAデュロメータで23℃における硬化物の硬度(A硬度)を測定し、柔軟性の指標とした。結果を表1及び表2にそれぞれ示す。この測定において、23℃におけるA硬度が70~85である場合、その硬化物は柔軟性に優れるということができる。
[0111]
 <衝撃吸収性(反発係数)>
 衝撃吸収性はJIS K 6400-3:2011に準ずる落下衝撃試験によって測定した。ストーンテーブル上に、上記の光造形機により作製したシートを2枚重ねて厚さ4mmとし、φ3/8インチ(3.58g)の鋼球を、高さ50cmから自然落下させて、その跳ね返った高さを測定し、反発係数を算出した。反発係数の計算式を次式に示す。反発係数が30以下であると、衝撃吸収性に優れる。
   反発係数=〔跳ね返った高さ(cm)/50(cm)〕×100
[0112]
<耐破壊性(引裂強度)>
 各実施例及び各比較例に係る硬化物について、上記のシートからJIS K 6252-1:2015(加硫ゴム及び熱可塑性ゴム-引裂強さの求め方)に記載されているトラウザ形試験片と同じ寸法の試験片を打抜き刃にて作製した。作製した試験片を用い、試験スピード500mm/minにて引張試験を行った。この試験による引裂強度が20kN/m以上であると耐破壊性に優れる。
[0113]
<耐破壊性(引張強度及び引張伸度)>
 各実施例及び各比較例に係る硬化物について、上記のシートからJIS K 6251:2010(加硫ゴム及び熱可塑性ゴム-引張特性の求め方)に記載されているダンベル状8号形試験片と同じ寸法の試験片を打抜き刃にて作製した。作製した試験片を用い、試験スピード500mm/minにて引張試験を行った。この試験による引張強度が5.0MPa以上かつ引張伸度50%以上であると耐破壊性に優れる。
[0114]
<表面滑沢性(光沢度)>
 上記のシートを、1500番のシリコンカーバイド耐水研磨紙で研磨し、さらに、酢酸エチルを筆で塗布して自然乾燥させた。この面の光沢を、光沢計(日本電色工業(株)製、VG 7000)を用い、鏡を100%としたときの割合で示した。測定の角度は、60度とした。光沢度は70%以上を表面滑沢性に優れるとした。
[0115]
[表1]


[0116]
[表2]


[0117]
 表1及び表2に示す通り、実施例1~9における光硬化性樹脂組成物の硬化物は、造形性に優れ、さらに、柔軟性、衝撃吸収性、耐破壊性及び表面滑沢性に優れていた。特に、実施例1~9に係る光硬化性樹脂組成物の硬化物の柔軟性は、比較例1、3及び4に係る光硬化性樹脂組成物の硬化物よりも優れていた。実施例1~9に係る光硬化性樹脂組成物の硬化物の衝撃吸収性は、比較例1、3及び4に係る光硬化性樹脂組成物の硬化物の衝撃吸収性よりも優れていた。実施例1~9に係る光硬化性樹脂組成物の硬化物の耐破壊性は、比較例1~4に係る光硬化性樹脂組成物の硬化物の耐破壊性よりも優れていた。実施例1~9に係る光硬化性樹脂組成物の硬化物の表面滑沢性は、比較例1~4に係る光硬化性樹脂組成物の硬化物の表面滑沢性よりも優れていた。実施例1~9に係る光硬化性樹脂組成物の造形性は、比較例5及び6に係る光硬化性樹脂組成物の造形性よりも優れていた。比較例5及び6に係る光硬化性樹脂組成物は、シートを造形できずに各特性を測定できなかった。

産業上の利用可能性

[0118]
 本発明の光硬化性樹脂組成物は、造形性に優れ、さらに、硬化物の柔軟性、衝撃吸収性、耐破壊性及び表面滑沢性に優れるため、マウスガード、咬合用スプリント及び義歯床材に特に適している。

請求の範囲

[請求項1]
 ウレタン化(メタ)アクリル化合物(A)、(メタ)アクリルアミド化合物(B)、及び光重合開始剤(C)を含有し、
 前記ウレタン化(メタ)アクリル化合物(A)が、下記の一般式(I)
[化1]


(式中、R 1は水素原子又はメチル基であり、aは1又は2であり、A 1は2価又は3価の非置換又は置換された炭化水素基であり、bは3~6の整数であり、cは3~14の整数であり、dは2又は3である。)
で表されるウレタン化(メタ)アクリル化合物(a-I)、
 下記の一般式(II)
[化2]


(式中、R 2及びR 3はそれぞれ独立して、水素原子又はメチル基であり、eは1又は2であり、A 2は2価又は3価の非置換又は置換された炭化水素基であり、fは4~20の整数であり、gは2又は3である。)
で表されるウレタン化(メタ)アクリル化合物(a-II)、及び
 下記の一般式(III)
[化3]


(式中、R 4及びR 5はそれぞれ独立して、水素原子又はメチル基であり、A 3は2価又は3価の非置換又は置換された炭化水素基であり、hは4~20の整数であり、jは2又は3である。)
で表されるウレタン化(メタ)アクリル化合物(a-III)からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、
 前記(メタ)アクリルアミド化合物(B)が、下記の一般式(IV)
[化4]


(式中、R 6は水素原子又はメチル基であり、R 7及びR 8はそれぞれ独立して、水素原子又は非置換又は置換された炭素数1~8のアルキル基であり、R 7及びR 8は直接結合していない。)
で表される(メタ)アクリルアミド化合物(b-I)、及び
下記の一般式(V)
[化5]


(式中、R 9は水素原子又はメチル基であり、R 10は非置換又は置換された炭素数1~8のアルキレン基であり、R 11、R 12及びR 13はそれぞれ独立して、水素原子又は非置換又は置換された炭素数1~8のアルキル基であり、R 12及びR 13は直接結合しておらず、R 11及びR 12は直接結合しておらず、R 11及びR 13は直接結合していない。)
で表される(メタ)アクリルアミド化合物(b-II)からなる群から選ばれる少なくとも1種である、光硬化性樹脂組成物。
[請求項2]
 R 1、R 2及びR 4が、水素原子である、請求項1に記載の光硬化性樹脂組成物。
[請求項3]
 R 3及びR 5が、メチル基である、請求項1又は2に記載の光硬化性樹脂組成物。
[請求項4]
 A 1、A 2及びA 3の炭化水素基が、脂肪族、芳香族及び/又は脂環式の炭素数6~20の炭化水素基である、請求項1~3のいずれか1項に記載の光硬化性樹脂組成物。
[請求項5]
 A 1、A 2及びA 3の炭化水素基が、イソホロン基、トリレン基、4,4’-ジフェニルメタン基、ナフチレン基、キシリレン基、フェニレン基、3,3’-ジクロロ-4,4’-フェニルメタン基、トルイレン基、ヘキサメチレン基、4,4’-ジシクロヘキシルメタン基、水添化キシリレン基、トリフェニレンメタン基、及びテトラメチルキシレン基からなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1~4のいずれか1項に記載の光硬化性樹脂組成物。
[請求項6]
 bが4~6の範囲の整数であり、cが3~10の範囲の整数であり、f及びhが5~14の範囲の整数である、請求項1~5のいずれか1項に記載の光硬化性樹脂組成物。
[請求項7]
 a及びeが、1である、請求項1~6のいずれか1項に記載の光硬化性樹脂組成物。
[請求項8]
 d、g及びjが、2である、請求項1~7のいずれか1項に記載の光硬化性樹脂組成物。
[請求項9]
 R 6及びR 9が水素原子である、請求項1~8のいずれか1項に記載の光硬化性樹脂組成物。
[請求項10]
 光学的立体造形用である、請求項1~9のいずれか1項に記載の光硬化性樹脂組成物。
[請求項11]
 請求項1~10のいずれか1項に記載の光硬化性樹脂組成物の硬化物からなる、マウスガード。
[請求項12]
 請求項1~10のいずれか1項に記載の光硬化性樹脂組成物の硬化物からなる、咬合用スプリント。
[請求項13]
 請求項1~10のいずれか1項に記載の光硬化性樹脂組成物の硬化物からなる、義歯床材。
[請求項14]
 請求項1~10のいずれか1項に記載の光硬化性樹脂組成物を用いて、光学的立体造形法によって立体造形物を製造する方法。