Some content of this application is unavailable at the moment.
If this situation persist, please contact us atFeedback&Contact
1. (WO2017208770) LAMINATE, MEMBER FOR ELECTRONIC DEVICES, AND ELECTRONIC DEVICE
Document

明 細 書

発明の名称 積層体、電子デバイス用部材、及び電子デバイス

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

先行技術文献

特許文献

0004  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0005   0006  

課題を解決するための手段

0007   0008  

発明の効果

0009  

発明を実施するための形態

0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085  

実施例

0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13  

明 細 書

発明の名称 : 積層体、電子デバイス用部材、及び電子デバイス

技術分野

[0001]
 本発明は、ガスバリア性に優れ、かつ、熱履歴を受けても、カールや熱収縮が起こり難いため、好適に電子デバイスへの貼り合わせ工程へ適用できる積層体、この積層体からなる電子デバイス用部材、及び、この電子デバイス用部材を備える電子デバイスに関する。

背景技術

[0002]
 近年、液晶ディスプレイやエレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイ等のディスプレイの、薄型化、軽量化、フレキシブル化等を実現するために、電極を有する基板として、ガラス板に代えて、透明プラスチックフィルム上にガスバリア層が積層されてなる、いわゆるガスバリアフィルムが用いられている。
[0003]
 例えば、特許文献1には、基材の少なくとも片面に、酸化硅素を主成分とする特定の薄膜が形成されたガスバリアフィルムが記載されている。
 また、この文献には、光学的に等方的な基材を用いることで、光学用途に好適に用いられるガスバリアフィルムが得られることも記載されている。

先行技術文献

特許文献

[0004]
特許文献1 : 特開平8-224825号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0005]
 特許文献1に記載されるように、光学的に等方的な基材を用いて形成されたガスバリアフィルムは、各種ディスプレイ等の製造材料として好適に用いられてきた。
 しかしながら、従来のガスバリアフィルムを用いてディスプレイ等を製造すると、その製造工程中の加熱処理によりガスバリアフィルムがカールしたり、収縮が起きたりする場合があり、その結果、目的の製品を効率よく製造することができないことがあった。
[0006]
 本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、ガスバリア性に優れ、かつ、熱履歴を受けても、カールや熱収縮が起こり難いため、好適に電子デバイスへの貼り合わせ工程へ適用できる積層体、この積層体からなる電子デバイス用部材、及び、この電子デバイス用部材を備える電子デバイスを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0007]
 本発明者らは上記課題を解決すべく、基材層とガスバリア層とを有する積層フィルムについて鋭意検討した。その結果、基材層の一方の側に、ガスバリア層を形成し、かつ、前記基材層の、ガスバリア層とは逆の側に、エネルギー硬化性樹脂の硬化物からなる層を形成することにより、ガスバリア性に優れ、かつ、熱履歴を受けても、カールや熱収縮が起こり難いため、好適に電子デバイスへの貼り合わせ工程へ適用できる積層体が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
[0008]
 かくして本発明によれば、下記(1)~(11)の積層体、(12)の電子デバイス用部材、及び(13)の電子デバイスが提供される。
(1)少なくとも基材層と、ガスバリア層と、エネルギー硬化性樹脂の硬化物からなる層とを有する積層体であって、前記ガスバリア層が、前記基材層の一方の側に、直接又はその他の層を介して積層されてなり、前記エネルギー硬化性樹脂の硬化物からなる層が、前記基材層の、ガスバリア層とは逆の側に、直接又はその他の層を介して積層されてなることを特徴とする積層体。
(2)前記積層体を、JIS K7133に準拠し、100℃で1時間熱処理した際の熱収縮率が0.2%以下である、(1)に記載の積層体。
(3)前記積層体を、1辺100mmの正方形状に切り取り、150℃で1時間加熱した後、前記積層体を水平の台の上に置き、4頂点の高さを測定した際の平均値が10mm以下である、(1)又は(2)に記載の積層体。
(4)前記積層体の面内位相差Re(550)が100nm以下である、(1)~(3)のいずれかに記載の積層体。
(5)温度40℃、相対湿度90%の雰囲気下における水蒸気透過率が、5.0g・m -2・day -1未満である、(1)~(4)のいずれかに記載の積層体。
(6)前記エネルギー硬化性樹脂の硬化物のガラス転移温度(Tg)が、100℃以上である、(1)~(5)のいずれかに記載の積層体。
(7)前記基材層が、ポリカーボネートフィルム又は脂環式炭化水素系樹脂フィルムである、(1)~(6)のいずれかに記載の積層体。
(8)前記ガスバリア層が、無機蒸着膜である、(1)~(7)のいずれかに記載の積層体。
(9)前記ガスバリア層が、高分子化合物を含む層の表面が改質されてなるものである、(1)~(7)のいずれかに記載の積層体。
(10)前記エネルギー硬化性樹脂が、紫外線硬化性樹脂である、(1)~(9)のいずれかに記載の積層体。
(11)前記エネルギー硬化性樹脂の硬化物からなる層の厚みが、100nm以上である、(1)~(10)のいずれかに記載の積層体。
(12)前記(1)~(11)のいずれかに記載の積層体からなる電子デバイス用部材。
(13)前記(12)に記載の電子デバイス用部材を備える電子デバイス。

発明の効果

[0009]
 本発明によれば、ガスバリア性に優れ、かつ、熱履歴を受けても、カールや熱収縮が起こり難いため、好適に電子デバイスへの貼り合わせ工程へ適用できる積層体、この積層体からなる電子デバイス用部材、及び、この電子デバイス用部材を備える電子デバイスが提供される。

発明を実施するための形態

[0010]
 以下、本発明を、1)積層体、並びに、2)電子デバイス用部材及び電子デバイス、に項分けして詳細に説明する。
[0011]
1)積層体
 本発明の積層体は、少なくとも基材層と、ガスバリア層と、エネルギー硬化性樹脂の硬化物からなる層とを有する積層体であって、前記ガスバリア層が、前記基材層の一方の側に、直接又はその他の層を介して積層されてなり、前記エネルギー硬化性樹脂の硬化物からなる層が、前記基材層の、ガスバリア層とは逆の側に、直接又はその他の層を介して積層されてなることを特徴とする。
[0012]
〔基材層〕
 本発明の積層体を構成する基材層は、ガスバリア層と、エネルギー硬化性樹脂の硬化物からなる層とを担持できるものであれば、特に限定されない。
 基材層としては、樹脂フィルムを用いることができる。
[0013]
 樹脂フィルムの樹脂成分としては、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、アクリル系樹脂、シクロオレフィン系ポリマー、芳香族系重合体等が挙げられる。
 これらの樹脂成分は、一種単独で、あるいは二種以上を組み合わせて用いることができる。
[0014]
 本発明の積層体をディスプレイの製造材料として用いる場合、基材層として光学等方性フィルムを用いることが好ましい。基材層として光学等方性フィルムを用いることで、ディスプレイ材料として工程に用いられる光学等方性積層体が得られ易くなる。
 本発明において、光学等方性フィルムや光学等方性積層体の「光学等方性」とは、低複屈折性を有することをいう。基材層の形成に用いる光学等方性フィルムの面内位相差Re(550)は、好ましくは100nm以下である。
 本発明において、面内位相差Re(550)とは、波長550nmの光で測定した際の面内の位相差(R)であり、下記式(I)により算出される。
[0015]
[数1]


[0016]
(nxはフィルム面内の遅相軸(屈折率が最も高い方向)の屈折率であり、nyはフィルム面内で遅相軸に垂直な方向の屈折率であり、dはフィルムの平均厚みである。)
[0017]
 光学等方性フィルムとしては、ポリカーボネートフィルム、ポリスルホンフィルム、アクリル系樹脂フィルム、脂環式炭化水素系樹脂フィルム等が挙げられる。これらの中でも、熱収縮率が小さく、かつ、面内位相差Re(550)が小さい光学等方性積層体が得られ易いことから、ポリカーボネートフィルム又は脂環式炭化水素系樹脂フィルムが好ましく、脂環式炭化水素系樹脂フィルムがより好ましい。
[0018]
 脂環式炭化水素系樹脂は、主鎖中に環状の炭化水素基を有する高分子である。脂環式炭化水素系樹脂としては、特に限定されず、公知のものが使用できる。脂環式炭化水素系樹脂としては、例えば、単環の環状オレフィン系重合体、ノルボルネン系重合体、環状共役ジエン系重合体、ビニル脂環式炭化水素重合体、及びこれらの水素化物が挙げられる。市販品としては、アペル(三井化学株式会社製のエチレン-シクロオレフィン共重合体)、TOPAS(ポリプラスチックス株式会社製のエチレン-シクロオレフィン共重合体)、アートン(JSR株式会社製のノルボルネン系重合体)、ゼオノア(日本ゼオン株式会社製のノルボルネン系重合体)等が挙げられる。
[0019]
 基材層として用いる樹脂フィルムは、本発明の効果を妨げない範囲において、各種添加剤を含有していてもよい。添加剤としては、紫外線吸収剤、帯電防止剤、安定剤、酸化防止剤、可塑剤、滑剤、着色顔料等が挙げられる。これらの添加剤の含有量は、目的に合わせて適宜決定すればよい。
[0020]
 基材層として用いる樹脂フィルムの厚みは、特に限定されない。より薄い積層体が得られ易いことから、樹脂フィルムの厚みは、好ましくは500μm以下、より好ましくは10~300μmである。
[0021]
 基材層として用いる樹脂フィルムは、樹脂成分及び所望により各種添加剤を含む樹脂組成物を調製し、これをフィルム状に成形することにより得ることができる。成形方法は特に限定されず、キャスト法や溶融押出法等の公知の方法を利用することができる。
[0022]
〔ガスバリア層〕
 本発明の積層体を構成するガスバリア層は、酸素や水蒸気等のガスの透過を抑制する特性(ガスバリア性)を有する層であって、前記基材層の一方の側に、直接又はその他の層を介して積層されてなるものである。
[0023]
 ガスバリア層としては、例えば、無機蒸着膜や、高分子化合物を含む層(以下、「高分子層」ということがある。)の表面が改質されてなるもの(この場合、ガスバリア層とは、改質された領域のみを意味するのではなく、「改質された領域を含む高分子層」を意味する。)等が挙げられる。
[0024]
 無機蒸着膜としては、無機化合物や金属の蒸着膜が挙げられる。
 無機化合物の蒸着膜の原料としては、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化スズ等の無機酸化物;窒化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化チタン等の無機窒化物;無機炭化物;無機硫化物;酸化窒化ケイ素等の無機酸化窒化物;無機酸化炭化物;無機窒化炭化物;無機酸化窒化炭化物等が挙げられる。
 金属の蒸着膜の原料としては、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛、及びスズ等が挙げられる。
 これらは1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
 これらの中では、ガスバリア性の観点から、無機酸化物、無機窒化物又は金属を原料とする無機蒸着膜が好ましく、さらに、透明性の観点から、無機酸化物又は無機窒化物を原料とする無機蒸着膜が好ましい。
[0025]
 無機蒸着膜を形成する方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等のPVD(物理的蒸着)法や、熱CVD(化学的蒸着)法、プラズマCVD法、光CVD法等のCVD法が挙げられる。
[0026]
 無機蒸着膜の厚さは、使用する無機化合物や金属によっても異なるが、ガスバリア性と取り扱い性の観点から、好ましくは50~300nm、より好ましくは50~200nmの範囲である。
[0027]
 高分子層の表面が改質されてなるガスバリア層において、用いる高分子化合物としては、ケイ素含有高分子化合物、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、アクリル系樹脂、脂環式炭化水素系樹脂、芳香族系重合体等が挙げられる。
 これらの高分子化合物は1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
[0028]
 高分子層は、高分子化合物の他に、本発明の目的を阻害しない範囲で他の成分を含有してもよい。他の成分としては、硬化剤、老化防止剤、光安定剤、難燃剤等が挙げられる。
 高分子層中の高分子化合物の含有量は、よりガスバリア性に優れるガスバリア層を形成し得ることから、50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましい。
[0029]
 高分子層の厚みは、特に制限されないが、通常20nmから50μm、好ましくは30nmから1μm、より好ましくは40nmから500nmである。
[0030]
 高分子層は、例えば、高分子化合物を有機溶剤に溶解又は分散した液を、公知の塗布方法によって、直接又はその他の層を介して基材層となる樹脂フィルム上に塗布し、得られた塗膜を乾燥することにより形成することができる。
[0031]
 有機溶剤としては、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒;n-ペンタン、n-ヘキサン、n-ヘプタン等の脂肪族炭化水素系溶媒;シクロペンタン、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素系溶媒;等が挙げられる。
 これらの溶媒は、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
[0032]
 塗布方法としては、バーコート法、スピンコート法、ディッピング法、ロールコート法、グラビアコート法、ナイフコート法、エアナイフコート法、ロールナイフコート法、ダイコート法、スクリーン印刷法、スプレーコート法、グラビアオフセット法等が挙げられる。
[0033]
 塗膜の乾燥方法としては、熱風乾燥、熱ロール乾燥、赤外線照射等の従来公知の乾燥方法が挙げられる。加熱温度は、通常、80~150℃であり、加熱時間は、通常、数十秒から数十分である。
[0034]
 高分子層の表面を改質する方法としては、イオン注入処理、プラズマ処理、紫外線照射処理、熱処理等が挙げられる。
 イオン注入処理は、後述するように、加速させたイオンを高分子層に注入して、高分子層の表面を改質する方法である。
 プラズマ処理は、高分子層をプラズマ中に晒して、高分子層の表面を改質する方法である。例えば、特開2012-106421号公報に記載の方法に従って、プラズマ処理を行うことができる。
 紫外線照射処理は、高分子層に紫外線を照射して高分子層の表面を改質する方法である。紫外線改質処理は、例えば、特開2013-226757号公報に記載の方法に従って行うことができる。
[0035]
 これらのガスバリア層の中でも、よりガスバリア性に優れることから、ケイ素含有高分子化合物を含む層にイオン注入処理を施して得られるものが好ましい。
 ケイ素含有高分子化合物としては、ポリシラザン系化合物、ポリカルボシラン系化合物、ポリシラン系化合物、ポリオルガノシロキサン系化合物、ポリ(ジシラニレンフェニレン)系化合物、及びポリ(ジシラニレンエチニレン)系化合物等が挙げられ、ポリシラザン系化合物がより好ましい。
[0036]
 ポリシラザン系化合物は、分子内に-Si-N-結合(シラザン結合)を含む繰り返し単位を有する化合物である。具体的には、式(1)
[0037]
[化1]


[0038]
で表される繰り返し単位を有する化合物が好ましい。また、用いるポリシラザン系化合物の数平均分子量は、特に限定されないが、100~50,000であるのが好ましい。
[0039]
 前記式(1)中、nは任意の自然数を表す。Rx、Ry、Rzは、それぞれ独立して、水素原子、無置換若しくは置換基を有するアルキル基、無置換若しくは置換基を有するシクロアルキル基、無置換若しくは置換基を有するアルケニル基、無置換若しくは置換基を有するアリール基又はアルキルシリル基等の非加水分解性基を表す。
[0040]
 前記無置換若しくは置換基を有するアルキル基のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n-へキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基等の炭素数1~10のアルキル基が挙げられる。
[0041]
 無置換若しくは置換基を有するシクロアルキル基のシクロアルキル基としては、例えば、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロへプチル基等の炭素数3~10のシクロアルキル基が挙げられる。
[0042]
 無置換若しくは置換基を有するアルケニル基のアルケニル基としては、例えば、ビニル基、1-プロペニル基、2-プロペニル基、1-ブテニル基、2-ブテニル基、3-ブテニル基等の炭素数2~10のアルケニル基が挙げられる。
[0043]
 前記アルキル基、シクロアルキル基及びアルケニル基の置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;ヒドロキシル基;チオール基;エポキシ基;グリシドキシ基;(メタ)アクリロイルオキシ基;フェニル基、4-メチルフェニル基、4-クロロフェニル基等の無置換若しくは置換基を有するアリール基;等が挙げられる。
[0044]
 無置換又は置換基を有するアリール基のアリール基としては、例えば、フェニル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基等の炭素数6~15のアリール基が挙げられる。
[0045]
 前記アリール基の置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;メチル基、エチル基等の炭素数1~6のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1~6のアルコキシ基;ニトロ基;シアノ基;ヒドロキシル基;チオール基;エポキシ基;グリシドキシ基;(メタ)アクリロイルオキシ基;フェニル基、4-メチルフェニル基、4-クロロフェニル基等の無置換若しくは置換基を有するアリール基;等が挙げられる。
[0046]
 アルキルシリル基としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、トリt-ブチルシリル基、メチルジエチルシリル基、ジメチルシリル基、ジエチルシリル基、メチルシリル基、エチルシリル基等が挙げられる。
[0047]
 これらの中でも、Rx、Ry、Rzとしては、水素原子、炭素数1~6のアルキル基、又はフェニル基が好ましく、水素原子が特に好ましい。
[0048]
 前記式(1)で表される繰り返し単位を有するポリシラザン系化合物としては、Rx、Ry、Rzが全て水素原子である無機ポリシラザン、Rx、Ry、Rzの少なくとも1つが水素原子ではない有機ポリシラザンのいずれであってもよい。
[0049]
 また、本発明においては、ポリシラザン系化合物として、ポリシラザン変性物を用いることもできる。ポリシラザン変性物としては、例えば、特開昭62-195024号公報、特開平2-84437号公報、特開昭63-81122号公報、特開平1-138108号公報等、特開平2-175726号公報、特開平5-238827号公報、特開平5-238827号公報、特開平6-122852号公報、特開平6-306329号公報、特開平6-299118号公報、特開平9-31333号公報、特開平5-345826号公報、特開平4-63833号公報等に記載されているものが挙げられる。
 これらの中でも、ポリシラザン系化合物としては、入手容易性、及び優れたガスバリア性を有するイオン注入層を形成できる観点から、Rx、Ry、Rzが全て水素原子であるペルヒドロポリシラザンが好ましい。
 また、ポリシラザン系化合物としては、ガラスコーティング材等として市販されている市販品をそのまま使用することもできる。
 ポリシラザン系化合物は、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
[0050]
 高分子層に注入するイオンとしては、アルゴン、ヘリウム、ネオン、クリプトン、キセノン等の希ガスのイオン;フルオロカーボン、水素、窒素、酸素、二酸化炭素、塩素、フッ素、硫黄等のイオン;メタン、エタン等のアルカン系ガス類のイオン;エチレン、プロピレン等のアルケン系ガス類のイオン;ペンタジエン、ブタジエン等のアルカジエン系ガス類のイオン;アセチレン等のアルキン系ガス類のイオン;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素系ガス類のイオン;シクロプロパン等のシクロアルカン系ガス類のイオン;シクロペンテン等のシクロアルケン系ガス類のイオン;金属のイオン;有機ケイ素化合物のイオン;等が挙げられる。
 これらのイオンは1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
 これらの中でも、より簡便にイオンを注入することができ、より優れたガスバリア性を有するガスバリア層を形成し得ることから、アルゴン、ヘリウム、ネオン、クリプトン、キセノン等の希ガスのイオンが好ましい。
[0051]
 イオンの注入量は、積層体の使用目的(必要なガスバリア性、透明性等)等に合わせて適宜決定することができる。
[0052]
 イオンを注入する方法としては、電界により加速されたイオン(イオンビーム)を照射する方法、プラズマ中のイオンを注入する方法等が挙げられる。なかでも、目的のガスバリア層を簡便に形成できることから、後者のプラズマ中のイオンを注入する方法(プラズマイオン注入法)が好ましい。
[0053]
 プラズマイオン注入法は、例えば、プラズマ生成ガス(前記高分子層に注入するイオンを生成するガス)を含む雰囲気下でプラズマを発生させ、高分子層に負の高電圧パルスを印加することにより、該プラズマ中のイオン(陽イオン)を、高分子層の表面部に注入して行うことができる。プラズマイオン注入法は、より具体的には、WO2010/107018号パンフレット等に記載された方法により実施することができる。
[0054]
 イオン注入により、イオンが注入される領域の厚みは、イオンの種類や印加電圧、処理時間等の注入条件により制御することができ、高分子層の厚みや積層体の使用目的等に応じて決定すればよいが、通常、10~400nmである。
[0055]
 イオンが注入されたことは、X線光電子分光分析(XPS)を用いて高分子層の表面から10nm付近の元素分析測定を行うことによって確認することができる。
[0056]
 本発明の積層体を構成するガスバリア層は、前記基材層の一方の側に、直接又はその他の層を介して積層されてなるものである。
 積層体が、基材層とガスバリア層との間にその他の層を有する場合、その他の層としては、プライマー層等が挙げられる。プライマー層は特に限定されず、公知の方法に従って形成することができる。
[0057]
〔エネルギー硬化性樹脂の硬化物からなる層〕
 本発明の積層体を構成する、エネルギー硬化性樹脂の硬化物からなる層は、エネルギー硬化性樹脂を硬化してなる層であって、前記基材層の、ガスバリア層とは逆の側に、直接又はその他の層を介して積層されてなるもの(以下、「カウンター層」ということがある。)である。
 本発明の積層体はカウンター層を有することで、熱履歴を受けたときのカールが抑制される。
[0058]
 エネルギー硬化性樹脂とは、電子線、紫外線等のエネルギー線を照射したり、加熱したりすることにより、硬化反応が開始され、硬化物に変化する硬化性樹脂組成物をいう。エネルギー硬化性樹脂は、通常、重合性化合物を主成分とするものである。
[0059]
 重合性化合物は、エネルギー重合性官能基を有する化合物である。エネルギー重合性官能基としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基、スチリル基等のエチレン性不飽和基が例示される。これらの中でも、反応性の高さから、(メタ)アクリロイル基が好ましい。なお、本明細書において、「(メタ)アクリロイル基」とは、アクリロイル基又はメタクリロイル基を意味する。
[0060]
 (メタ)アクリロイル基を有する重合性化合物としては、多官能アクリレート系化合物が挙げられる。多官能アクリレート系化合物とは、重合反応に関与する不飽和結合を2以上有する、アクリル酸エステル化合物又はメタクリル酸エステル化合物をいう。
[0061]
 多官能アクリレート系化合物としては、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールアジペートジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、ジ(アクリロイロキシエチル)イソシアヌレート、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート等の2官能アクリレート系化合物;
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(2-アクリロイロキシエチル)イソシアヌレート等の3官能アクリレート系化合物;
ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等の4官能アクリレート系化合物;
プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等の5官能アクリレート系化合物;
ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の6官能アクリレート系化合物;等が挙げられる。
 これらの多官能アクリレート系化合物は一種単独で、あるいは二種以上を組み合わせて用いることができる。
[0062]
 エネルギー硬化性樹脂は、オリゴマーを含んでいてもよい。かかるオリゴマーとしては、ポリエステルアクリレート系オリゴマー、エポキシアクリレート系オリゴマー、ウレタンアクリレート系オリゴマー、ポリオールアクリレート系オリゴマー等が挙げられる。
[0063]
 エネルギー硬化性樹脂は、光重合開始剤や熱重合開始剤等の重合開始剤を含んでいてもよい。
[0064]
 光重合開始剤としては、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン、1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニルケトン等のケトン系光重合開始剤;2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキサイド、エチル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィネート、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチル-ペンチルホスフィンオキサイド等のリン系光重合開始剤;ビス(η5-2,4-シクロペンタジエン-1-イル)-ビス[2,6-ジフルオロ-3-(1H-ピロール-1-イル)-フェニル]チタニウム等のチタノセン系光重合開始剤;オキシムエステル系光重合開始剤;ベンゾフェノン、p-クロロベンゾフェノン、4,4’-ジエチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン系光重合開始剤;チオキサントン等のチオキサントン系光重合開始剤;トリイソプロパノールアミン等のアミン系光重合開始剤;等が挙げられる。これらは、一種単独で、あるいは二種以上を組み合わせて用いることができる。
[0065]
 熱重合開始剤としては、過酸化水素;ペルオキソ二硫酸アンモニウム、ペルオキソ二硫酸ナトリウム、ペルオキソ二硫酸カリウム等のペルオキソ二硫酸塩;2,2’-アゾビス(2-アミジノプロパン)二塩酸塩、4,4’-アゾビス(4-シアノバレリン酸)、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、2,2’-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系化合物;過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酢酸、過コハク酸、ジ-t-ブチルパーオキサイド、t-ブチルヒドロパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド等の有機過酸化物;等が挙げられる。これらは、一種単独で、あるいは二種以上を組み合わせて用いることができる。
[0066]
 エネルギー硬化性樹脂が重合開始剤を含有する場合、その含有量は、重合性化合物100質量部に対して、通常0.01~20質量部の範囲である。
[0067]
 エネルギー硬化性樹脂は、ポリイソシアナート系架橋剤を含有してもよい。ポリイソシアナート系架橋剤としては、特に限定されず、分子中に2個以上のイソシアナート基を有する化合物が用いられる。このようなポリイソシアナート系架橋剤としては、トリレンジイソシアナート、ジフェニルメタンジイソシアナート、キシリレンジイソシアナート等の芳香族ポリイソシアナート;ヘキサメチレンジイソシアナート等の脂肪族ポリイソシアナート;イソホロンジイソシアナート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアナート等の脂環式ポリイソシアナート;、及びそれらのビウレット体、イソシアヌレート体、さらにはエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ヒマシ油等の低分子活性水素含有化合物との反応物であるアダクト体;等が挙げられる。これらは、一種単独で、あるいは二種以上を組み合わせて用いることができる。
[0068]
 エネルギー硬化性樹脂がポリイソシアナート系架橋剤を含有する場合、その含有量は、重合性化合物100質量部に対して、通常1~10質量部、好ましくは2~8質量部である。
[0069]
 エネルギー硬化性樹脂としては、紫外線照射により硬化する樹脂(紫外線硬化性樹脂)が好ましい。紫外線硬化性樹脂を用いることで、エネルギー硬化性樹脂の硬化物からなる層を効率よく形成することができる。
[0070]
 本発明の積層体を構成するカウンター層は、前記エネルギー硬化性樹脂及び溶剤を含有する塗工液を、公知の塗布方法によって、直接又はその他の層を介して前記基材層のガスバリア層とは逆の側に塗布し、得られた塗膜を必要に応じて乾燥した後、塗膜を硬化させることにより形成することができる。
[0071]
 溶剤としては、n-ヘキサン、n-ヘプタン等の脂肪族炭化水素系溶媒;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒;ジクロロメタン、塩化エチレン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2-ジクロロエタン、モノクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素系溶媒;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、2-ペンタノン、イソホロン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒;エチルセロソルブ等のセロソルブ系溶剤;1,3-ジオキソラン等のエーテル系溶媒;等が挙げられる。
[0072]
 塗工液を塗付する方法としては、通常の湿式コーティング方法を用いることができる。例えばディッピング法、ロールコート、グラビアコート、ナイフコート、エアナイフコート、ロールナイフコート、ダイコート、スクリーン印刷法、スプレーコート、グラビアオフセット法等が挙げられる。
[0073]
 塗膜を乾燥する方法としては、熱風乾燥、熱ロール乾燥、赤外線照射等の従来公知の乾燥方法が挙げられる。
[0074]
 塗膜を硬化する方法としては、特に限定されず、エネルギー硬化性樹脂の特性に応じて公知の方法を適宜選択することができる。
 例えば、エネルギー硬化性樹脂が活性エネルギー線を受けて硬化するものである場合には、高圧水銀ランプ、無電極ランプ、キセノンランプ等を用いて、活性エネルギー線を塗膜に照射することにより、塗膜を硬化させることができる。
[0075]
 活性エネルギー線の波長は、200~400nmが好ましく、350~400nmがより好ましい。照射量は、通常、照度50~1000mW/cm 、光量50~5000mJ/cm 、好ましくは1000~5000mJ/cm の範囲である。照射時間は、通常、0.1~1000秒、好ましくは1~500秒、より好ましくは10~100秒である。光照射工程の熱負荷を考慮して前述の光量を満たすために、複数回照射しても構わない。
[0076]
 また、エネルギー硬化性樹脂が加熱により硬化するものである場合には、硬化反応が進行する温度に塗膜を加熱することにより、塗膜を硬化させることができる。
[0077]
 カウンター層の厚みは特に限定されず、積層体の使用目的等に合わせて適宜決定すればよい。カウンター層の厚みは、通常、100nm以上、好ましくは0.10~10μmである。
[0078]
(積層体)
 本発明の積層体は、基材層上に、前記方法に従って、ガスバリア層、カウンター層等を形成することにより製造することができる。ガスバリア層とカウンター層の形成順序は特に限定されず、ガスバリア層を先に形成してもよいし、カウンター層を先に形成してもよい。
[0079]
 本発明の積層体の厚みは、特に限定されないが、好ましくは、5~500μm、より好ましくは、10~300μm、特に好ましくは20~200μmである。
[0080]
 本発明の積層体は、ガスバリア性に優れるものである。
 本発明の積層体の水蒸気透過率は、温度40℃、相対湿度90%の雰囲気下において、好ましくは5.0g・m -2・day -1未満、より好ましくは0.5g・m -2・day -1未満である。下限値は特になく、小さいほど好ましいが、通常は、1×10 -6g・m -2・day -1以上である。
 水蒸気透過率は、実施例に記載の方法により測定することができる。
[0081]
 本発明の積層体は透明性に優れるものであることが好ましい。JIS K 7361-1に準拠して測定した、積層体の全光線透過率は、85%以上が好ましい。
[0082]
 本発明の積層体は光学等方性に優れるものであることが好ましい。本発明の積層体の面内位相差Re(550)は、100nm以下が好ましく、10nm以下がより好ましい。
[0083]
 本発明の積層体は、耐熱性に優れるものである。
 実施例に記載の方法によりカール評価を行ったとき、4頂点の高さの平均値は、10mm以下が好ましい。
 また、実施例に記載の方法により熱収縮率を測定したとき、熱収縮率は0.20%以下が好ましい。
[0084]
2)電子デバイス用部材及び電子デバイス
 本発明の電子デバイス用部材は、優れたガスバリア性を有する本発明の積層体からなることを特徴とする。従って、本発明の電子デバイス用部材も優れたガスバリア性を有しているので、水蒸気等のガスによる素子の劣化を防ぐことができる。さらに、熱履歴を受けても、カールや熱収縮が起こり難いものであるため、目的の電子デバイスを効率よく製造することができる。
 また、光学等方性に優れる積層体からなる電子デバイス用部材は、液晶ディスプレイ、ELディスプレイ等のディスプレイ部材;等として好適である。
[0085]
 本発明の電子デバイスは、本発明の電子デバイス用部材を備える。具体例としては、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、無機ELディスプレイ、電子ペーパー、太陽電池等が挙げられる。
 本発明の電子デバイスは、本発明の積層体からなる電子デバイス用部材を備えているので、水蒸気等の浸入による故障が発生し難く、また、視認性に優れる。
実施例
[0086]
 以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。但し、本発明は、以下の実施例になんら限定されるものではない。
 各例中の部及び%は、特に断りのない限り、質量基準である。
[0087]
〔エネルギー硬化性樹脂の硬化物からなる層のガラス転移温度(Tg)〕
 実施例又は比較例で得られた積層体を構成するエネルギー硬化性樹脂の硬化物からなる層のガラス転移温度(Tg)は、JIS K 7121に準拠し、示差走査熱量計(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製、製品名「DSC Q2000」)を用いて、昇温速度20℃/分にて測定した。
[0088]
〔積層体のガスバリア性評価〕
 実施例又は比較例で得られた積層体について、Mocon社製「AQUATRAN」を用いて、40℃、相対湿度90%条件下にて水蒸気透過率(g・m -2・day -1)を測定した。
[0089]
〔積層体の透明性評価〕
 実施例又は比較例で得られた積層体について、JIS K7361に準拠し、全光線透過率を測定した。
[0090]
〔積層体の光学等方性評価〕
 実施例又は比較例で得られた積層体について、王子測定機器株式会社製「KOBRA-WR」を用いて、面内位相差Re(550)を測定した。
[0091]
〔加熱後の積層体のカール評価〕
 実施例又は比較例で得られた積層体を、1辺100mmの正方形状に切り取り、試験片を得た。この試験片を150℃で1時間加熱した後、これを水平の台の上に置き、4頂点の高さを測定し、それらの平均値を算出した。
[0092]
〔積層体の熱収縮率評価〕
 実施例又は比較例で得られた積層体について、JIS K7133に準拠し、100℃で1時間熱処理した際の熱収縮率を測定した。
[0093]
〔貼り合わせ評価〕
 実施例又は比較例で得られた積層体を、A4サイズに切り取り、JIS K7133に準拠し、100℃で1時間熱処理したものを評価サンプルとした。評価サンプルを貼合機(三共株式会社製、HAL-320)にて、A4サイズのガラス基板に貼合し、評価サンプルとガラス基板のずれが5mm以下、かつ、評価サンプルにしわや折れが無い場合を良好とし、ずれが5mm超、または、しわや折れがある場合を不良とした。
[0094]
〔実施例1〕
 グンゼ社製のシクロオレフィン共重合体フィルム(「F1-ISO-80」、厚み80μm、面内位相差Re(550)2nm)上に、ペルヒドロポリシラザンを主成分とするコーティング剤(AZエレクトロニックマテリアルズ社製「アクアミカNL110-20」、溶媒:キシレン、濃度:10%)をスピンコート法にて塗布し、得られた塗膜を120℃で2分間乾燥させ、厚さ150nmのポリシラザン層を形成した。
 得られたポリシラザン層に対して、プラズマイオン注入装置(RF電源:日本電子株式会社製「RF56000」、高電圧パルス電源:株式会社栗田製作所製「PV-3-HSHV-0835」)を用いて、下記条件にてプラズマイオン注入を行い、ガスバリア層を形成した。
[0095]
プラズマ生成ガス:Ar
ガス流量:100sccm
Duty比:0.5%
印加電圧:-6kV
RF電源:周波数 13.56MHz、印加電力 1000W
チャンバー内圧:0.2Pa
パルス幅:5μsec
処理時間(イオン注入時間):200秒
[0096]
 前記シクロオレフィン共重合体フィルムのガスバリア層とは逆側の面に、JSR社製「オプスターZ7530」をマイヤーバーで塗布し、得られた塗膜を70℃で1分間乾燥させ、次いでUV照射により塗膜を硬化することで、膜厚が1μmの層(エネルギー硬化性樹脂の硬化物からなる層、ガラス転移温度(Tg)は、300℃)を形成し、積層体を得た。
[0097]
〔実施例2〕
 実施例1において、シクロオレフィン共重合体フィルムに代えて、ポリカーボネートフィルム(帝人株式会社製「C110-80」、厚み80μm、面内位相差Re(550)6nm)を使用したことを除き、実施例1と同様にして積層体を得た。
[0098]
〔実施例3〕
 実施例1において、シクロオレフィン共重合体フィルムに代えて、ポリエチレンテレフタラートフィルム(東洋紡株式会社製「コスモシャインA4300」、厚み50μm、面内位相差Re(550)>2000nm)を使用したことを除き、実施例1と同様にして積層体を得た。
[0099]
〔比較例1〕
 実施例1において、エネルギー硬化性樹脂の硬化物からなる層を形成せず、基材層とガスバリア層とからなる積層体を得た。
[0100]
〔比較例2〕
 実施例2において、エネルギー硬化性樹脂の硬化物からなる層を形成せず、基材層とガスバリア層とからなる積層体を得た。
[0101]
〔比較例3〕
 実施例3において、エネルギー硬化性樹脂の硬化物からなる層を形成せず、基材層とガスバリア層とからなる積層体を得た。
[0102]
 実施例1~3及び比較例1~3で得られた積層体について、上記の評価試験を行った。結果を第1表に示す。
[0103]
[表1]


[0104]
 第1表から、以下のことが分かる。
 実施例1~3の積層体は、エネルギー硬化性樹脂の硬化物からなる層を有するものである。これらの積層体においては、デバイスに貼合する際に、ずれること無く、さらに積層体にしわや折れが無く、貼合することができる。
 特に、実施例1、2で得られた積層体は、ガスバリア性、透明性及び光学等方性に優れ、かつ、加熱後において、カールや熱収縮が起こり難いものであり、ディスプレイの製造材料として適している。

請求の範囲

[請求項1]
 少なくとも基材層と、ガスバリア層と、エネルギー硬化性樹脂の硬化物からなる層とを有する積層体であって、
 前記ガスバリア層が、前記基材層の一方の側に、直接又はその他の層を介して積層されてなり、
 前記エネルギー硬化性樹脂の硬化物からなる層が、前記基材層の、ガスバリア層とは逆の側に、直接又はその他の層を介して積層されてなることを特徴とする積層体。
[請求項2]
 前記積層体を、JIS K7133に準拠し、100℃で1時間熱処理した際の熱収縮率が0.2%以下である、請求項1に記載の積層体。
[請求項3]
 前記積層体を、1辺100mmの正方形状に切り取り、150℃で1時間加熱した後、前記積層体を水平の台の上に置き、4頂点の高さを測定した際の平均値が10mm以下である、請求項1又は2に記載の積層体。
[請求項4]
 前記積層体の面内位相差Re(550)が100nm以下である、請求項1~3のいずれかに記載の積層体。
[請求項5]
 温度40℃、相対湿度90%の雰囲気下における水蒸気透過率が、5.0g・m -2・day -1未満である、請求項1~4のいずれかに記載の積層体。
[請求項6]
 前記エネルギー硬化性樹脂の硬化物のガラス転移温度(Tg)が、100℃以上である、請求項1~5のいずれかに記載の積層体。
[請求項7]
 前記基材層が、ポリカーボネートフィルム又は脂環式炭化水素系樹脂フィルムである、請求項1~6のいずれかに記載の積層体。
[請求項8]
 前記ガスバリア層が、無機蒸着膜である、請求項1~7のいずれかに記載の積層体。
[請求項9]
 前記ガスバリア層が、高分子化合物を含む層の表面が改質されてなるものである、請求項1~7のいずれかに記載の積層体。
[請求項10]
 前記エネルギー硬化性樹脂が、紫外線硬化性樹脂である、請求項1~9のいずれかに記載の積層体。
[請求項11]
 前記エネルギー硬化性樹脂の硬化物からなる層の厚みが、100nm以上である、請求項1~10のいずれかに記載の積層体。
[請求項12]
 請求項1~11のいずれかに記載の積層体からなる電子デバイス用部材。
[請求項13]
 請求項12に記載の電子デバイス用部材を備える電子デバイス。