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1. (WO2017138424) METHOD FOR PRODUCING (METH)ACRYLIC ACID ESTER POLYMER
Document

明 細 書

発明の名称 (メタ)アクリル酸エステル重合体の製造方法

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

先行技術文献

非特許文献

0004  

特許文献

0005  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0006  

課題を解決するための手段

0007   0008  

発明の効果

0009  

発明を実施するための形態

0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040  

実施例

0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052  

請求の範囲

1   2   3   4  

明 細 書

発明の名称 : (メタ)アクリル酸エステル重合体の製造方法

技術分野

[0001]
 本発明は、(メタ)アクリル酸エステル重合体の製造方法に関する。
 本願は、2016年2月8日に出願された日本国特許出願第2016-021555号に対し優先権を主張し、その内容をここに援用する。

背景技術

[0002]
 有機オキシアルカリ金属化合物を重合開始剤として用いて(メタ)アクリル酸エステルモノマーを重合すると、一般的に、低いリビング性を示すことが知られている。例えば、非特許文献1には、t-ブトキシカリウムを開始剤とし、テトラヒドロフラン中で、メタクリル酸メチルを重合すると、収率は約40%と低く、さらに分子量分布は2.0であったことが記載されている。一方、エステル部のβ位に供与基を有する特定の(メタ)アクリル酸エステルモノマーについては、有機オキシアルカリ金属化合物を開始剤として用いて重合すると、高いリビング性を示すことが知られている(非特許文献2)。
[0003]
 特許文献1では、有機オキシ金属化合物と有機アルミニウム化合物とを組み合わせて用いる重合開始系で、(メタ)アクリル酸エステルモノマーを重合する製造方法が提案されている。特許文献1に記載されている製造方法によれば、エステル部のβ位に供与基がない(メタ)アクリル酸エステルモノマーについても高いリビング性で重合できたことが記載されている。

先行技術文献

非特許文献

[0004]
非特許文献1 : Catalysis in Precision Polymerization 1997,284-292 Shiro Kobayashi
非特許文献2 : Macromol.Rapid Commun.18,827-835(1997) Yukio Nagasakiら

特許文献

[0005]
特許文献1 : 特開2003-268029号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0006]
 特許文献1に記載された方法で(メタ)アクリル酸エステル重合体を製造しようとすると、有機アルミニウム化合物に由来する不純物が目的物に混入することがあった。そのため、エステル部のβ位に供与基がない(メタ)アクリル酸エステルモノマーについても高いリビング性を保持して重合することができる新たな製造方法が求められていた。

課題を解決するための手段

[0007]
 本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた。その結果、ヒンダードアミン化合物の存在下、有機オキシアルカリ金属化合物を用いて(メタ)アクリル酸エステルモノマーを重合する(メタ)アクリル酸エステル重合体の製造方法を見出した。本発明はこれらの知見に基づいて完成するに至ったものである。
[0008]
 すなわち、本発明は、
(1)ヒンダードアミン化合物の存在下、式〔II〕で表される有機オキシアルカリ金属化合物を用いて(メタ)アクリル酸エステルモノマーを重合する(メタ)アクリル酸エステル重合体の製造方法、
R-OM 〔II〕
(式中、Mはアルカリ金属カチオンであり、Rは、活性水素を有しない有機基である。)
(2)式〔II〕中のMが、カリウムカチオンである(1)に記載の(メタ)アクリル酸エステル重合体の製造方法、
(3)ヒンダードアミン化合物が、式〔I〕である(1)または(2)に記載の(メタ)アクリル酸エステル重合体の製造方法
[化1]


(式中、R ~R は、それぞれ独立して、活性水素を有しない有機基を示し、R は、水素原子または活性水素を有しない有機基を示し、R は、活性水素を有しない有機基を示し、nは、0または1~4の整数を示し、Qは、単結合、-CH(R )-、-O-、-S-、-SO -、-N(R )-を示す。R は、水素原子または活性水素を有しない有機基を示し、R は、活性水素を有しない有機基を示す。)、及び
(4)有機オキシアルカリ金属化合物1モルに対して、ヒンダードアミン化合物を5~30モル使用する(1)~(3)のいずれかに記載の(メタ)アクリル酸エステル重合体の製造方法に関する。

発明の効果

[0009]
 本発明の製造方法によれば、高いリビング性で(メタ)アクリル酸エステルモノマーを重合することができるため、分子量分布(Mw/Mn)が狭い(メタ)アクリル酸エステル重合体を得ることができる。

発明を実施するための形態

[0010]
 以下、本発明を詳細に説明する。
[0011]
 本発明の製造方法は、ヒンダードアミン化合物の存在下、有機オキシアルカリ金属化合物を用いて(メタ)アクリル酸エステルモノマーを重合する(メタ)アクリル酸エステル重合体の製造方法である。
[0012]
(ヒンダードアミン化合物)
 本発明の製造方法で用いるヒンダードアミン化合物とは、環状アミンであって、そのアミン部位が立体的に混んだ環境にある化合物を意味する。ヒンダードアミン化合物の存在下で、有機オキシ金属化合物を用いて重合することにより、高いリビング性を保持して(メタ)アクリル酸エステルモノマーを重合することができる。ヒンダードアミン化合物として、好ましくは、式〔I〕で表される化合物を挙げることができる。
[0013]
[化2]


[0014]
 式〔I〕中、R ~R は、それぞれ独立して、活性水素を有しない有機基を示す。
 ここで「活性水素を有しない有機基」としては、炭素原子を含む原子団であって、活性水素を有しないものであれば、特に限定されない。
 例えば、シアノ基、炭化水素基、複素環基等が挙げられる。
 上記有機基は、例えば、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基等の活性水素を有しない基で置換されていてもよい。
 ここで「炭化水素基」としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、シクロアルキルアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アリールアルキル基、アリールアルケニル基等が挙げられる。
 上記「炭化水素基」には、酸素原子、窒素原子、ケイ素原子、硫黄原子などの異種原子を含んでいてもよい。
[0015]
 「アルキル基」としては、例えばメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、n-ノニル基、イソノニル基、n-デシル基等の炭素数1~10のアルキル基が挙げられる。
[0016]
 「シクロアルキル基」としては、例えばシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等の炭素数3~10のシクロアルキル基が挙げられる。
[0017]
 「アルケニル基」としては、例えば、エテニル基、プロパ-1-エン-1-イル基、プロパ-2-エン-1-イル基、プロパ-1-エン-2-イル基、ブタ-1-エン-1-イル基、ブタ-2-エン-1-イル基、ブタ-3-エン-1-イル基、ブタ-1-エン-2-イル基、ブタ-3-エン-2-イル基、ペンタ-1-エン-1-イル基、ペンタ-4-エン-1-イル基、ペンタ-1-エン-2-イル基、ペンタ-4-エン-2-イル基、3-メチル-ブタ-1-エン-1-イル基、ヘキサ-1-エン-1-イル基、ヘキサ-5-エン-1-イル基、ヘプタ-1-エン-1-イル基、ヘプタ-6-エン-1-イル基、オクタ-1-エン-1-イル基、オクタ-7-エン-1-イル基等の炭素数2~10のアルケニル基が挙げられる。
[0018]
 「シクロアルケニル基」として、例えば、1-シクロペンテン-1-イル基、2-シクロペンテン-1-イル基、1-シクロヘキセン-1-イル基、2-シクロヘキセン-1-イル基、3-シクロヘキセン-1-イル基等の炭素数3~10のシクロアルケニル基が挙げられる。
[0019]
 「アルキニル基」としては、例えば、エチニル基、プロパ-1-イン-1-イル基、プロパ-2-イン-1-イル基、ブタ-1-イン-1-イル基、ブタ-3-イン-1-イル基、ペンタ-1-イン-1-イル基、ペンタ-4-イン-1-イル基、ヘキサ-1-イン-1-イル基、ヘキサ-5-イン-1-イル基、ヘプタ-1-イン-1-イル基、オクタ-1-イン-1-イル基、オクタ-7-イン-1-イル基等の炭素数2~10のアルキニル基が挙げられる。
[0020]
 「シクロアルキルアルキル基」としては、例えば、シクロプロピルメチル基、シクロプロピルプロピル基、シクロブチルメチル基、シクロペンチルメチル基、シクロペンチルエチル基、シクロへキシルエチル基、シクロヘプチルメチル基等の炭素数4~10のシクロアルキルアルキル基が挙げられる。
[0021]
 「アリールアルキル基」としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基、3-フェニル-n-プロピル基、4-フェニル-n-ブチル基等の炭素数7~10のアリールアルキル基が挙げられる。
 「アリールアルケニル基」として、例えば、スチリル基、3-フェニル-プロパ-1-エン-1-イル基、3-フェニル-プロパ-2-エン-1-イル基、4-フェニル-ブタ-1-エン-1-イル基、4-フェニル-ブタ-3-エン-1-イル基等の炭素数8~10のアリールアルケニル基が挙げられる。
[0022]
 上記「複素環基」は、窒素原子、酸素原子、又は硫黄原子を1~4個有する5~7員の芳香族複素環、飽和複素環、不飽和複素環又はこれらの複素環とベンゼン環が縮合した縮合複素環を意味し、例えば、フラン-2-イル基、フラン-3-イル基、チオフェン-2-イル基、チオフェン-3-イル基、ピリジン-2-イル基、ピリジン-3-イル基、ピリジン-4-イル基、ピラジン-2-イル基、ピラジン-3-イル基、ピリミジン-2-イル基、ピリミジン-4-イル基、ピリダジン-3-イル基、ピリダジン-4-イル基、1,3-ベンゾジオキソール-4-イル基、1,3-ベンゾジオキソール-5-イル基、1,4-ベンゾジオキサン-5-イル基、1,4-ベンゾジオキサン-6-イル基、3,4-ジヒドロ-2H-1,5-ベンゾジオキセピン-6-イル基、3,4-ジヒドロ-2H-1,5-ベンゾジオキセピン-7-イル基、2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル基、2,3-ジヒドロベンゾフラン-5-イル基、2,3-ジヒドロベンゾフラン-6-イル基、2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル基、ベンゾフラン-2-イル基、ベンゾフラン-3-イル基、ベンゾチオフェン-2-イル基、ベンゾチオフェン-3-イル基、キノキサリン-2-イル基、キノキサリン-5-イル基、イソベンゾフラン-1-イル基、イソベンゾフラン-4-イル基、クロメン-2-イル基、クロメン-3-イル基、イミダゾール-1-イル基、ピラゾール-1-イル基、チアゾール-2-イル基、チアゾール-4-イル基、オキサゾール-2-イル基、オキサゾール-4-イル基、イソオキサゾール-3-イル基、イソオキサゾール-4-イル基、ベンゾイミダゾール-1-イル基、ベンゾチアゾール-2-イル基、ベンゾチアゾール-4-イル基、ベンゾオキサゾール-2-イル基、ベンゾオキサゾール-4-イル基、キノリン-2-イル基、キノリン-3-イル基、イソキノリン-1-イル基、イソキノリン-3-イル基、1,3,4-チアジアゾール-2-イル基、1,2,3-トリアゾール-1-イル基、1,2,3-トリアゾール-4-イル基、テトラゾール-1-イル基、テトラゾール-2-イル基、モルホリン-4-イル基、1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-5-イル基、1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-イル基、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-5-イル基、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-6-イル基等が挙げられる。
[0023]
 R ~R における活性水素を有しない有機基としては、炭素数1~10の炭化水素基であるのが好ましく、炭素数1~6のアルキル基であるのがより好ましく、メチル基であるのがさらに好ましい。
[0024]
 式〔I〕中、R は、水素原子または活性水素を有しない有機基を示し、水素原子であるのが好ましい。R における活性水素を有しない有機基としては、R ~R において例示したものと同様の基を挙げることができるが、炭素数1~10の炭化水素基であるのが好ましく、炭素数1~6のアルキル基であるのがより好ましく、メチル基であるのがさらに好ましい。
[0025]
 式〔I〕中、R は、活性水素を有しない有機基を示す。R の活性水素を有しない有機基としては、R ~R において例示したものと同様の基を挙げることができるが、炭素数1~10の炭化水素基が好ましく、炭素数1~6のアルキル基がより好ましく、メチル基がさらに好ましい。
 式〔I〕中、nは、置換基R の数を意味し、0または1~4の整数を示す。
[0026]
 式〔I〕中、Qは、単結合、-CH(R )-、-O-、-S-、-SO -、-N(R )-を示す。
 -CH(R )-中のR は、水素原子または活性水素を有しない有機基を示し、水素原子であるのが好ましい。R における活性水素を有しない有機基としては、R ~R において例示したものと同様の基を挙げることができるが、炭素数1~10炭化水素基、シアノ基、ジアルキルアミノ基が好ましく、炭素数1~6アルキル基がより好ましく、メチル基がさらに好ましい。
 -N(R )-中のR は、活性水素を有しない有機基を示す。R における活性水素を有しない有機基としては、R ~R において例示したものと同様の基を挙げることができるが、炭素数1~10炭化水素基が好ましく、炭素数1~6アルキル基がより好ましく、メチル基がより好ましい。
[0027]
 式〔I〕で表される化合物として、具体的には、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジン、2,2,4,6,6-ペンタメチルピペリジン、3,3,5,5-テトラメチルモルホリン、1,3,3,5,5-ペンタメチルピペラジン、3,3,5,5-テトラメチルチオモルホリン、3,3,5,5-テトラメチルチオモルホリン-1,1-ジオキシド、2,2,5,5-テトラメチルピロリジン、2,2,3,5,5-ペンタメチルピロリジン、2-エチル-2,5,5-トリメチルピロリジン、2,2,3,3,5,5-ヘキサメチルピロリジン、2,2-ジメチル-1-アザスピロ[4.4]ノナンなどを挙げることができる。
[0028]
 上記ヒンダードアミン化合物は、市販のものを使用することができるほか、公知の方法によっても合成可能である。
 たとえば、ケトン化合物(1)と、塩化アンモニウムまたは水酸化アンモニウムを反応させて環化することにより化合物(2)を合成することができる。得られた化合物(2)のケトン部位を公知の方法で変換することにより、本発明で用いるヒンダードアミン化合物を得ることができる。(Tetrahedron Letters 55(2014)2146-2149、Nucleosides,Nucleotides,and Nucleic Acid,26 655-659,2007)
[化3]


[0029]
(式中、R ~R は式〔I〕における定義と同様である)
[0030]
(有機オキシアルカリ金属化合物)
 本発明で使用する有機オキシアルカリ金属化合物は、式〔II〕で表される化合物である。
R-OM 〔II〕
[0031]
 式〔II〕中、Mはアルカリ金属カチオンを示し、カリウムカチオンであるのが好ましい。
[0032]
 式〔II〕中、Rは活性水素を有しない有機基を示す。Rにおける有機基としては、式〔I〕において例示したものと同様の基を挙げることができるが、炭素数1~10の炭化水素基が好ましく、炭素数1~6のアルキル基がより好ましく、t-ブチル基がさらに好ましい。
[0033]
 式〔II〕で表される化合物として、具体的には、メトキシリチウム、メトキシカリウム、メトキシナトリウム、エトキシリチウム、エトキシカリウム、エトキシナトリウム、イソプロポキシリチウム、イソプロポキシカリウム、イソプロポキシナトリウム、t-ブトキシリチウム、t-ブトキシカリウム、t-ブトキシナトリウムなどを挙げることができる。
[0034]
((メタ)アクリル酸エステルモノマー)
 本発明の製造方法で、使用する(メタ)アクリル酸エステルモノマーは、上記ヒンダードアミン化合物の存在下、有機オキシアルカリ金属化合物〔II〕との反応によって、リビング性の高いアニオン重合を行うことが可能なものである。
(メタ)アクリル酸エステルモノマーとして具体的には、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n-プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n-ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t-ブチル、(メタ)アクリル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル;(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジル等の(メタ)アクリル酸アリールエステル;(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸4-t-ブチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸トリシクロデカニル、(メタ)アクリル酸アダマンチル等の(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル;(メタ)アクリル酸グリシジル;(メタ)アクリル酸ジシクロペンタジエニル等が挙げられる。これらは、2種以上を併用して用いることができる。
[0035]
((メタ)アクリル酸エステル重合体)
 本発明の製造方法で得られる、(メタ)アクリル酸エステル重合体は、(メタ)アクリル酸エステルモノマー1種を重合したホモポリマーのみならず、2種以上を重合したコポリマーも包含する。
 (メタ)アクリル酸エステルモノマー以外に、スチレン系モノマー、ビニル系モノマー等他の共重合可能なモノマーも共重合することができる。
 また、前記コポリマーは、ランダムポリマー、グラフトポリマー、スターポリマーなどの態様も包含する。
 本発明で製造する(メタ)アクリル酸エステル重合体の分子量は特に制限されないが、GPC(条件:移動相THF、PMMAスタンダード)で分析した数平均分子量が、好ましくは1,000~200,000、より好ましくは2,000~50,000、さらに好ましくは3,000~20,000である。また、本発明の製造方法で得られる(メタ)アクリル酸エステル重合体は、分子量分布(Mw/Mn)が、1.0~2.0であるのが好ましく、1.0~1.5であるのがより好ましい。
[0036]
(重合条件等)
〔重合溶媒〕
 本発明の製造方法における重合反応は、有機溶媒を用いないで行うことも可能であるが、重合温度の制御、重合系内の条件の均一化等が可能であって重合を円滑に進行させ得る点から、有機溶媒中で行うことが好ましい。有機溶媒として、具体的には、ジオキサン、1,2-ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、シクロペンチルメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル系溶媒;トルエン、ベンゼン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶媒;n-ペンタン、n-ヘキサン、n-ヘプタンなどの脂肪族炭化水素系溶媒;ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2-ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素系溶媒;N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセタミド、N-メチルピロリドンなどのアミド系溶媒;アセトニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル系溶媒;酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチルなどのエステル系溶媒、およびこれらの二種以上からなる混合溶媒を挙げることができる。これらのうち、エーテル系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒、脂肪族炭化水素系溶媒であるのが好ましく、エーテル系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒であるのがより好ましい。
[0037]
〔重合温度〕
 本発明の製造方法において、重合温度は特に限定されないが、0℃~100℃が好ましく、0℃~80℃がより好ましく、40℃~80℃がさらに好ましい。
[0038]
〔ヒンダードアミン化合物の使用量〕
 本発明の製造方法で使用するヒンダードアミン化合物の使用量は特に制限されないが、有機オキシアルカリ金属化合物1モルに対して、5~30モル使用するのが好ましく、5~20モル使用するのがより好ましい。
[0039]
〔重合方法〕
 重合方法は特に限定されないが、例えば、ヒンダードアミン化合物を含む有機溶媒に、有機オキシアルカリ金属化合物を添加した後、(メタ)アクリル酸エステルモノマーを加え、反応系を重合が進行する温度にすることにより、(メタ)アクリル酸エステル重合体を得る方法を挙げることができる。生成した(メタ)アクリル酸エステル重合体は公知の方法で精製することができる。
[0040]
 以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。なお、本発明は以下の実施例によって制限を受けるものではなく、本発明の趣旨に適合し得る範囲で適宜に変更を加えて実施することが勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
実施例
[0041]
[実施例1-1]
 200mLフラスコに、テトラヒドロフラン(以下、THFと略す)76.5gを仕込み、50℃に加温後、1.0M t-ブトキシカリウム(t-BuOK)/THF溶液3.7g、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン1.1g(2eq/t-BuOK)を仕込んだ。10分撹拌後、メタクリル酸メチル(以下、MMAと略す)20.2gを仕込み、60分間熟成した。GC測定より、モノマーの消失を確認後、メタノールを加え、失活した。
 得られた重合体をGPC(移動相THF、PMMAスタンダード)により分析し、分子量(Mn)が12840、分子量分布(Mw/Mn)が1.63であることを確認した。
[0042]
[実施例1-2]
 200mLフラスコに、THF98.7gを仕込み、50℃に加温後、1.0M t-BuOK/THF溶液3.8g、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン5.8g(10eq/t-BuOK)を仕込んだ。10分撹拌後、MMA20.9gを仕込み、60分間熟成した。GC測定より、モノマーの消失を確認後、メタノールを加え、失活した。
 得られた重合体をGPC(移動相THF、PMMAスタンダード)により分析し、分子量(Mn)が6930、分子量分布(Mw/Mn)が1.35であることを確認した。
[0043]
[実施例1-3]
 200mLフラスコに、THF77.1gを仕込み、50℃に加温後、1.0M t-BuOK/THF溶液3.7g、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン9.3g(16eq/t-BuOK)を仕込んだ。10分撹拌後、MMA20.7gを仕込み、60分間熟成した。GC測定より、モノマーの消失を確認後、メタノールを加え、失活した。
 得られた重合体をGPC(移動相THF、PMMAスタンダード)により分析し、分子量(Mn)が4840、分子量分布(Mw/Mn)が1.24であることを確認した。
[0044]
[比較例1-1]
 200mLフラスコに、THF102.8gを仕込み、50℃に加温後、1.0M t-BuOK/THF溶液3.8g、MMA19.8gを仕込み、60分間熟成した。GC測定より、モノマーの消失を確認後、メタノールを加え、失活した。
 得られた重合体をGPC(移動相THF、PMMAスタンダード)により分析し、分子量(Mn)が12220、分子量分布(Mw/Mn)が1.70であることを確認した。
[0045]
[比較例1-2]
 200mLフラスコに、THF88.4gを仕込み、50℃に加温後、1.0M t-BuOK/THF溶液3.8g、トリエチルアミン12.9g(28eq/t-BuOK)を仕込んだ。10分撹拌後、MMA20.5gを仕込み、60分間熟成した。GC測定より、モノマーの消失を確認後、メタノールを加え、失活した。
 得られた重合体をGPC(移動相THF、PMMAスタンダード)により分析し、分子量(Mn)が12440、分子量分布(Mw/Mn)が1.72であることを確認した。
[0046]
[比較例1-3]
 200mLフラスコに、THF76.2gを仕込み、50℃に加温後、1.0M t-BuOK/THF溶液3.7g、ジイソプロピルアミン11.8g(28eq/t-BuOK)を仕込んだ。10分撹拌後、MMA19.8gを仕込み、60分間熟成した。GC測定より、モノマーの消失を確認後、メタノールを加え、失活した。
 得られた重合体をGPC(移動相THF、PMMAスタンダード)により分析し、分子量(Mn)が12840、分子量分布(Mw/Mn)が1.69であることを確認した。
[0047]
[比較例1-4]
 200mLフラスコに、THF91.7gを仕込み、50℃に加温後、1.0M t-BuOK/THF溶液3.8g、ピペリジン7.1g(20eq/t-BuOK)を仕込んだ。10分撹拌後、MMA20.8gを仕込み、60分間熟成した。GC測定より、モノマーの消失を確認後、メタノールを加え、失活した。
 得られた重合体をGPC(移動相THF、PMMAスタンダード)により分析し、分子量(Mn)が11040、分子量分布(Mw/Mn)が1.64であることを確認した。
[0048]
[実施例2-1]
 500mLフラスコに、THF80.8gを仕込み、50℃に加温後、1.0M t-BuOK/THF溶液3.7g、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン(TMP)11.1 g(20eq/t-BuOK)を仕込んだ。5分間撹拌後n-ブチルメタクリレート(nBMA)10.1gを仕込み、30分間熟成した。GC測定より、モノマーの消失を確認後、メタノールを加え、失活した。
 得られた重合体をGPC(移動相THF、PMMAスタンダード)により分析し、分子量(Mn)が6790、分子量分布(Mw/Mn)が1.40であることを確認した。
[0049]
[比較例2-1]
 500mLフラスコに、THF80.2gを仕込み、50℃に加温後、1.0M t-BuOK/THF溶液3.8g、n-ブチルメタクリレート(nBMA)9.6gを仕込み、30分間熟成した。GC測定より、モノマーの消失を確認後、メタノールを加え、失活した。
 得られた重合体をGPC(移動相THF、PMMAスタンダード)により分析し、分子量(Mn)が7830、分子量分布(Mw/Mn)が1.50であることを確認した。
[0050]
 [実施例3-1]
 500mLフラスコに、THF80.5gを仕込み、50℃に加温後、1.0M t-BuOK/THF溶液3.6g、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン(TMP)11.3 g(20eq/t-BuOK)を仕込んだ。5分間撹拌後2-エチルヘキシルメタクリレート(EHMA)10.4gを仕込み、30分間熟成した。GC測定より、モノマーの消失を確認後、メタノールを加え、失活した。
 得られた重合体をGPC(移動相THF、PMMAスタンダード)により分析し、分子量(Mn)が6610、分子量分布(Mw/Mn)が1.24であることを確認した。
[0051]
[比較例3-1]
 500mLフラスコに、THF80.7gを仕込み、50℃に加温後、1.0M t-BuOK/THF溶液3.5g、2-エチルヘキシルメタクリレート(EHMA)11.0gを仕込み、30分間熟成した。GC測定より、モノマーの消失を確認後、メタノールを加え、失活した。
 得られた重合体をGPC(移動相THF、PMMAスタンダード)により分析し、分子量(Mn)が8930、分子量分布(Mw/Mn)が1.29であることを確認した。
[0052]
 上記実施例及び比較例のデータを表1にまとめて示す。
[表1]


MMA: メタクリル酸メチル
nBMA: n-ブチルメタクリレート
EHMA: 2-エチルヘキシルメタクリレート
表1中「-」は、添加剤を添加していないことを意味する。

請求の範囲

[請求項1]
ヒンダードアミン化合物の存在下、式〔II〕で表される有機オキシアルカリ金属化合物を用いて(メタ)アクリル酸エステルモノマーを重合する(メタ)アクリル酸エステル重合体の製造方法。
R-OM 〔II〕
(式中、Mはアルカリ金属カチオンであり、Rは、活性水素を有しない有機基である。)
[請求項2]
式〔II〕中のMが、カリウムカチオンである請求項1に記載の(メタ)アクリル酸エステル重合体の製造方法。
[請求項3]
ヒンダードアミン化合物が、式〔I〕 である請求項1または2に記載の(メタ)アクリル酸エステル重合体の製造方法。
[化1]


(式中、R ~R は、それぞれ独立して、活性水素を有しない有機基を示し、R は、水素原子または活性水素を有しない有機基を示し、R は、活性水素を有しない有機基を示し、nは、0または1~4の整数を示し、Qは、単結合、-CH(R )-、-O-、-S-、-SO -、-N(R )-を示す。R は、水素原子または活性水素を有しない有機基を示し、R は、活性水素を有しない有機基を示す。)
[請求項4]
有機オキシアルカリ金属化合物1モルに対して、ヒンダードアミン化合物を5~30モル使用する請求項1~3のいずれか1項に記載の(メタ)アクリル酸エステル重合体の製造方法。