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1. (WO2017138416) ORGANIC EL DISPLAY DEVICE
Document

明 細 書

発明の名称 有機EL表示装置

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

先行技術文献

特許文献

0004  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0005   0006  

課題を解決するための手段

0007  

発明の効果

0008  

図面の簡単な説明

0009  

発明を実施するための形態

0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117   0118   0119   0120   0121   0122   0123   0124   0125   0126   0127   0128   0129   0130   0131   0132   0133   0134   0135   0136   0137   0138   0139   0140  

産業上の利用可能性

0141  

符号の説明

0142  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16  

明 細 書

発明の名称 : 有機EL表示装置

技術分野

[0001]
 本発明は、有機EL表示装置に関するものである。

背景技術

[0002]
 近年、液晶表示装置に代わる表示装置として、有機EL(electroluminescence)素子を用いた自発光型の有機EL表示装置が注目されている。この有機EL表示装置では、可撓性を有する樹脂基板上に有機EL素子や種々のフィルム等が積層された構造を採用して、繰り返し屈曲可能な有機EL表示装置が提案されている。このような繰り返し屈曲可能な有機EL表示装置では、例えば、鉛筆等による押圧が表示画面に加えられても、永久的な塑性変形(傷)が表示画面に生じ難くなるように、ハードコート層を最表面に設けた構造が提案されている。
[0003]
 例えば、特許文献1には、トリアセチルセルロース基材の一方の面上にハードコート層を有し、ハードコート層の表面のマルテンス硬度(硬さ)、ハードコート層の断面中央のマルテンス硬度(硬さ)、及びトリアセチルセルロース基材の断面中央のマルテンス硬度(硬さ)が所定範囲にそれぞれ規定された光学積層体が開示されている。

先行技術文献

特許文献

[0004]
特許文献1 : 国際公開第2012-026497号

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0005]
 ところで、ハードコート層が最表面(表面)に設けられた有機EL表示装置であっても、ハードコート層に加えられる押圧が高くなると、ハードコート層の下側の下地層に生じる塑性変形等に起因して、最表面のハードコート層に永久的な塑性変形(傷)が生じるおそれがある。そうなると、表示画面に入射する外光の反射光や有機EL素子で発光する光がハードコート層の表面に生じた傷で散乱してしまうので、有機EL表示装置の表示品位を低下してしまう。
[0006]
 本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ハードコート層が表面に設けられた有機EL表示装置において、ハードコート層の塑性変形を抑制することにある。

課題を解決するための手段

[0007]
 上記目的を達成するために、本発明に係る有機EL表示装置は、ベース樹脂基板層と、前記ベース樹脂基板層に設けられた有機EL素子層と、前記有機EL素子層上に設けられた下地層と、前記下地層上に設けられたハードコート層とを備えた有機EL表示装置であって、前記ハードコート層の単体でのマルテンス硬さと、前記ベース樹脂基板層、前記有機EL素子層及び前記下地層を含む積層体層を構成する各構成部材のマルテンス硬さの該各構成部材の応力分散係数による加重平均との差が79N/mm 以下であることを特徴とする。

発明の効果

[0008]
 本発明によれば、ハードコート層の単体でのマルテンス硬さと、ハードコート層よりも下層の積層体層を構成する各構成部材のマルテンス硬さの応力分散係数による加重平均との差が79N/mm 以下であるので、ハードコート層が表面に設けられた有機EL表示装置において、ハードコート層の塑性変形を抑制することができる。

図面の簡単な説明

[0009]
[図1] 本発明の第1の実施形態に係る有機EL表示装置の画素構造を示す平面図である。
[図2] 図1中のII-II線に沿った有機EL表示装置の断面図である。
[図3] 本発明の第1の実施形態に係る有機EL表示装置を構成する有機EL素子層の等価回路図である。
[図4] 本発明の第1の実施形態に係る有機EL表示装置を構成する有機EL層の断面図である。
[図5] 本発明の第1の実施形態に係る有機EL表示装置において、応力分散係数を求める際のハードコート層の表面からの距離を説明するための模式図である。
[図6] 本発明の第1の実施形態に係る有機EL表示装置において、具体的に行った実施例1の内容を示す表である。
[図7] 本発明の第2の実施形態に係る有機EL表示装置の断面図である。
[図8] 本発明の第2の実施形態に係る有機EL表示装置において、具体的に行った実施例2の内容を示す表である。
[図9] 本発明の第3の実施形態に係る有機EL表示装置の断面図である。
[図10] 本発明の第3の実施形態に係る有機EL表示装置において、具体的に行った実施例3の内容を示す表である。
[図11] 本発明の第4の実施形態に係る有機EL表示装置の断面図である。
[図12] 本発明の第4の実施形態に係る有機EL表示装置において、具体的に行った実施例4の内容を示す表である。
[図13] 本発明の第5の実施形態に係る有機EL表示装置の断面図である。
[図14] 本発明の第5の実施形態に係る有機EL表示装置において、具体的に行った実施例5の内容を示す表である。
[図15] 本発明の第5の実施形態に係る有機EL表示装置において、具体的に行った比較例1の内容を示す表である。
[図16] 本発明の第5の実施形態に係る有機EL表示装置において、具体的に行った比較例2の内容を示す表である。

発明を実施するための形態

[0010]
 以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は、以下の各実施形態に限定されるものではない。
[0011]
 《第1の実施形態》
 図1~図6は、本発明に係る有機EL表示装置の第1の実施形態を示している。ここで、図1は、本実施形態の有機EL表示装置100aの画素構造を示す平面図である。また、図2は、図1中のII-II線に沿った有機EL表示装置100aの断面図である。また、図3は、有機EL表示装置100aを構成する有機EL素子層20の等価回路図である。また、図4は、有機EL表示装置100aを構成する有機EL層17の断面図である。また、図5は、有機EL表示装置100aにおいて、応力分散係数αを求める際のハードコート層30の表面からの距離を説明するための模式図である。また、図6は、有機EL表示装置100aにおいて、具体的に行った実施例1の内容を示す表である。
[0012]
 有機EL表示装置100aは、図2に示すように、例えば、ポリイミド樹脂製のベース樹脂基板層10と、ベース樹脂基板層10の図中下側の表面に設けられた応力調整層8と、ベース樹脂基板層10の図中上側の表面に設けられた有機EL素子層20と、有機EL素子層20上に設けられた下地層29と、下地層29上に設けられたハードコート層30とを備えている。ここで、有機EL表示装置100aの表示領域(不図示)には、図1に示すように、複数のサブ画素Pがマトリクス状に配置されている。また、有機EL表示装置100aの表示領域では、図1に示すように、赤色の階調表示を行うための赤色発光領域Lrを有するサブ画素P、緑色の階調表示を行うための緑色発光領域Lgを有するサブ画素P、及び青色の階調表示を行うための青色発光領域Lbを有するサブ画素Pが互いに隣り合うように設けられている。なお、有機EL表示装置100aの表示領域では、赤色発光領域Lr、緑色発光領域Lg及び青色発光領域Lbを有する隣り合う3つのサブ画素Pにより1つの画素が構成されている。
[0013]
 応力調整層8は、有機EL表示装置100aにおける曲げ応力の中立面の位置を制御するように構成されている。ここで、応力調整層8は、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、アラミド、(メタ)アクリレート、トリアセチルセルロース等のプラスチックフィルムにより構成されている。なお、ベース樹脂基板層10及び応力調整層8の層間には、例えば、光硬化型接着シート、UV硬化型接着剤、熱硬化型接着剤、エポキシ系接着剤、シアノアクリレート系の瞬間接着剤等からなる第1接着層9が設けられている。
[0014]
 有機EL素子層20は、図1及び図3に示すように、ベース樹脂基板層10上に図中横方向に互いに平行に延びるように設けられた複数のゲート線11と、図中縦方向に互いに平行に延びるように設けられた複数のソース線12aと、図中縦方向に各ソース線12aと隣り合って互いに平行に延びるように設けられた複数の電源線12bとを備えている。なお、ベース樹脂基板層10と各ゲート線11等のゲート層との層間には、例えば、窒化シリコン膜、酸化シリコン膜、酸窒化シリコン膜などの単層膜又は積層膜からなる防湿層が設けられている。
[0015]
 さらに、有機EL素子層20は、図3に示すように、各サブ画素P毎にそれぞれ設けられた複数の第1TFT13aと、各サブ画素P毎にそれぞれ設けられた複数の第2TFT13bと、各サブ画素P毎にそれぞれ設けられた複数のキャパシタ13cとを備えている。ここで、第1TFT13aは、図3に示すように、対応するゲート線11及びソース線12aに接続されている。また、第2TFT13bは、図3に示すように、対応する第1TFT13a及び電源線12bに接続されている。そして、第1TFT13a及び第2TFT13bは、例えば、ベース樹脂基板層10上に上記防湿層を介して設けられたゲート電極と、ゲート電極を覆うように設けられたゲート絶縁膜と、ゲート絶縁膜上にゲート電極と重なるように設けられた半導体層と、半導体層上に互いに対峙するように設けられたソース電極及びドレイン電極とを備えている。また、キャパシタ13cは、図3に示すように、対応する第1TFT13a及び電源線12bに接続されている。そして、キャパシタ13cは、例えば、ゲート線11と同一材料により同一層に形成された一方の電極と、ソース線12aと同一材料により同一層に形成された他方の電極と、それらの一対の電極の間に設けられたゲート絶縁膜とにより構成されている。なお、本実施形態では、ボトムゲート型の第1TFT13a及び第2TFT13bを例示したが、第1TFT13a及び第2TFT13bは、トップゲート型のTFTであってもよい。
[0016]
 さらに、有機EL素子層20は、図2に示すように、各第1TFT13a(図3参照)、各第2TFT13b及び各キャパシタ13c(図3参照)を実質的に覆うように設けられた層間絶縁膜14と、層間絶縁膜14上に各サブ画素P毎に陽極としてそれぞれ設けられ、対応する第2TFT13bに接続された複数の第1電極15とを備えている。ここで、層間絶縁膜14は、図2に示すように、各第2TFT13bのドレイン電極の一部以外を覆うように設けられている。なお、層間絶縁膜14は、例えば、感光性アクリル樹脂、感光性ポリイミド樹脂、感光性ポリシロキサン樹脂等により構成されている。また、複数の第1電極15は、複数のサブ画素Pに対応するように、層間絶縁膜14上にマトリクス状に設けられている。また、各サブ画素Pにおいて、第1電極15は、図2に示すように、層間絶縁膜14に形成されたコンタクトホールを介して、第2TFT13bのドレイン電極に接続されている。また、第1電極15は、後述する有機EL層17にホール(正孔)を注入する機能を有している。また、第1電極15は、有機EL層17への正孔注入効率を向上させるために、仕事関数の大きな材料で形成するのがより好ましい。なお、第1電極15を構成する材料としては、例えば、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、バナジウム(V)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、金(Au)、カルシウム(Ca)、チタン(Ti)、イットリウム(Y)、ナトリウム(Na)、ルテニウム(Ru)、マンガン(Mn)、インジウム(In)、マグネシウム(Mg)、リチウム(Li)、イッテルビウム(Yb)等の金属材料が挙げられる。また、第1電極15を構成する材料は、例えば、マグネシウム(Mg)/銅(Cu)、マグネシウム(Mg)/銀(Ag)、ナトリウム(Na)/カリウム(K)、アスタチン(At)/酸化アスタチン(AtO )、リチウム(Li)/アルミニウム(Al)、リチウム(Li)/カルシウム(Ca)/アルミニウム(Al)、又はフッ化リチウム(LiF)/カルシウム(Ca)/アルミニウム(Al)等の合金であっても構わない。さらに、第1電極15を構成する材料は、例えば、酸化スズ(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)、インジウムスズ酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)のような導電性酸化物等であってもよい。また、第1電極15は、例えば、ITO/Ag、IZO/Ag、IZO/Alのように、上記材料からなる層を複数積層して形成されていてもよい。なお、導電性酸化物等の中で仕事関数の大きな材料としては、例えば、インジウムスズ酸化物(ITO)やインジウム亜鉛酸化物(IZO)等が挙げられる。
[0017]
 さらに、有機EL素子層20は、図2に示すように、各第1電極15の端縁部を覆うように格子状に設けられたエッジカバー16と、エッジカバー16から露出する第1電極15を覆うように設けられた有機EL層17とを備えている。ここで、エッジカバー16を構成する材料としては、例えば、酸化シリコン(SiO )、四窒化三ケイ素(Si )のような窒化シリコン(SiNx(xは正数))、シリコンオキシナイトライド(SiNO)等の無機膜、又は(感光性)ポリイミド樹脂、(感光性)アクリル樹脂、(感光性)ポリシロキサン樹脂、ノボラック樹脂等の有機膜が挙げられる。また、有機EL層17は、図4に示すように、第1電極15上に順に設けられた正孔注入層1、正孔輸送層2、発光層3、電子輸送層4及び電子注入層5を備えている。
[0018]
 正孔注入層1は、陽極バッファ層とも呼ばれ、第1電極15と有機EL層17とのエネルギーレベルを近づけ、第1電極15から有機EL層17への正孔注入効率を改善する機能を有している。ここで、正孔注入層1を構成する材料としては、例えば、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体等が挙げられる。
[0019]
 正孔輸送層2は、第1電極15から有機EL層17への正孔の輸送効率を向上させる機能を有している。ここで、正孔輸送層2を構成する材料としては、例えば、ポルフィリン誘導体、芳香族第三級アミン化合物、スチリルアミン誘導体、ポリビニルカルバゾール、ポリ-p-フェニレンビニレン、ポリシラン、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミン置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、水素化アモルファスシリコン、水素化アモルファス炭化シリコン、硫化亜鉛、セレン化亜鉛等が挙げられる。
[0020]
 発光層3は、第1電極15及び後述する第2電極18による電圧印加の際に、第1電極15及び第2電極18から正孔及び電子がそれぞれ注入されると共に、正孔及び電子が再結合する領域である。ここで、発光層3は、発光効率が高い材料により形成されている。そして、発光層3を構成する材料としては、例えば、金属オキシノイド化合物[8-ヒドロキシキノリン金属錯体]、ナフタレン誘導体、アントラセン誘導体、ジフェニルエチレン誘導体、ビニルアセトン誘導体、トリフェニルアミン誘導体、ブタジエン誘導体、クマリン誘導体、ベンズオキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、ベンズチアゾール誘導体、スチリル誘導体、スチリルアミン誘導体、ビススチリルベンゼン誘導体、トリススチリルベンゼン誘導体、ペリレン誘導体、ペリノン誘導体、アミノピレン誘導体、ピリジン誘導体、ローダミン誘導体、アクイジン誘導体、フェノキサゾン、キナクリドン誘導体、ルブレン、ポリ-p-フェニレンビニレン、ポリシラン等が挙げられる。
[0021]
 電子輸送層4は、電子を発光層3まで効率良く移動させる機能を有している。ここで、電子輸送層4を構成する材料としては、例えば、有機化合物として、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、ベンゾキノン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントラキノン誘導体、テトラシアノアントラキノジメタン誘導体、ジフェノキノン誘導体、フルオレノン誘導体、シロール誘導体、金属オキシノイド化合物等が挙げられる。
[0022]
 電子注入層5は、第2電極18と有機EL層17とのエネルギーレベルを近づけ、第2電極18から有機EL層17へ電子が注入される効率を向上させる機能を有し、この機能により、有機EL素子層20の駆動電圧を下げることができる。なお、電子注入層5は、陰極バッファ層とも呼ばれる。ここで、電子注入層5を構成する材料としては、例えば、フッ化リチウム(LiF)、フッ化マグネシウム(MgF )、フッ化カルシウム(CaF )、フッ化ストロンチウム(SrF )、フッ化バリウム(BaF )のような無機アルカリ化合物、酸化アルミニウム(Al )、酸化ストロンチウム(SrO)等が挙げられる。
[0023]
 さらに、有機EL素子層20は、図2に示すように、有機EL層17及びエッジカバー16を覆うように陰極として設けられた第2電極18と、第2電極18を覆うように設けられた封止膜19とを備えている。ここで、第2電極18は、有機EL層17に電子を注入する機能を有している。また、第2電極18は、有機EL層17への電子注入効率を向上させるために、仕事関数の小さな材料で構成するのがより好ましい。なお、第2電極18を構成する材料としては、例えば、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、バナジウム(V)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、金(Au)、カルシウム(Ca)、チタン(Ti)、イットリウム(Y)、ナトリウム(Na)、ルテニウム(Ru)、マンガン(Mn)、インジウム(In)、マグネシウム(Mg)、リチウム(Li)、イッテルビウム(Yb)等が挙げられる。また、第2電極18は、例えば、マグネシウム(Mg)/銅(Cu)、マグネシウム(Mg)/銀(Ag)、ナトリウム(Na)/カリウム(K)、アスタチン(At)/酸化アスタチン(AtO )、リチウム(Li)/アルミニウム(Al)、リチウム(Li)/カルシウム(Ca)/アルミニウム(Al)、フッ化リチウム(LiF)/カルシウム(Ca)/アルミニウム(Al)等の合金により形成されていてもよい。また、第2電極18は、例えば、酸化スズ(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)、インジウムスズ酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)等の導電性酸化物により形成されていてもよい。また、第2電極18は、例えば、ITO/Agのように、上記材料からなる層を複数積層して形成されていてもよい。なお、仕事関数が小さい材料としては、例えば、マグネシウム(Mg)、リチウム(Li)、マグネシウム(Mg)/銅(Cu)、マグネシウム(Mg)/銀(Ag)、ナトリウム(Na)/カリウム(K)、リチウム(Li)/アルミニウム(Al)、リチウム(Li)/カルシウム(Ca)/アルミニウム(Al)、フッ化リチウム(LiF)/カルシウム(Ca)/アルミニウム(Al)等が挙げられる。また、封止膜19は、有機EL層17を水分や酸素から保護する機能を有している。なお、封止膜19を構成する材料としては、例えば、酸化シリコン(SiO )や酸化アルミニウム(Al )、四窒化三ケイ素(Si )のような窒化シリコン(SiNx(xは正数))、炭窒化ケイ素(SiCN)等の無機材料、アクリレート、ポリ尿素、パリレン、ポリイミド、ポリアミド等の有機材料が挙げられる。
[0024]
 下地層29は、図2に示すように、封止膜19上に順に設けられた第2接着層21、対向樹脂基板層22、第3接着層23、偏光板24、第4接着層25、タッチパネル26、第5接着層27及びハードコート基材28を備えている。
[0025]
 第2接着層21は、例えば、UV遅延硬化型接着剤、熱硬化型接着剤、エポキシ系接着剤、アクリル系接着剤、ポリオレフィン系接着剤等により構成されている。
[0026]
 対向樹脂基板層22は、例えば、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、アラミド、(メタ)アクリレート等のプラスチックフィルムにより構成されている。
[0027]
 第3接着層23、第4接着層25及び第5接着層27は、例えば、光硬化型接着シート、UV硬化型接着剤、熱硬化型接着剤、エポキシ系接着剤、シアノアクリレート系の瞬間接着剤等により構成されている。
[0028]
 偏光板24は、ヨウ素を吸着させたポリビニルアルコールフィルムを一軸延伸させた偏光子層と、その偏光子層を挟持する一対の保護フィルムとを備え、それらの一対の保護フィルムを構成するトリアセチルセルロースが主成分になっている。
[0029]
 タッチパネル26は、例えば、ベースフィルムと、そのベースフィルム上に設けられた静電容量方式のタッチパネル層とを備え、ベースフィルムを構成するポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、アラミド、(メタ)アクリレート等のプラスチックフィルムが主成分となっている。ここで、タッチパネル層は、タッチされた位置を検出するための格子状にパターニングされた金属配線を有しているものの、金属配線のヤング率が高く、膜厚が1μm以下と薄いので、塑性変形量の計算から除外される。
[0030]
 ハードコート基材28は、例えば、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、アラミド、(メタ)アクリレート等のプラスチックフィルムにより構成されている。
[0031]
 ハードコート層30は、例えば、UV硬化型のオルガノシリコン樹脂、熱硬化型樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリシロキサン樹脂等により構成されている。
[0032]
 上記構成の有機EL表示装置100aは、各サブ画素Pにおいて、ゲート線11を介して第1TFT13aにゲート信号を入力することにより、第1TFT13aをオン状態にし、ソース線12aを介して第2TFT13bのゲート電極及びキャパシタ13cにソース信号に対応する所定の電圧を書き込み、第2TFT13bのゲート電圧に基づいて電源線12bからの電流の大きさが規定され、その規定された電流が発光層3に供給されることにより、発光層3が発光して、画像表示を行うように構成されている。なお、有機EL表示装置100aでは、第1TFT13aがオフ状態になっても、第2TFT13bのゲート電圧がキャパシタ13cによって保持されるので、次のフレームのゲート信号が入力されるまで発光層3による発光が維持される。
[0033]
 また、本実施形態の有機EL表示装置100aは、例えば、ガラス基板上に形成したベース樹脂基板層10の表面に、周知の方法を用いて、有機EL素子層20を形成し、有機EL素子層20上に下地層29及びハードコート層30を積層した後に、ガラス基板を剥離させたベース樹脂基板層10の裏面に、第1接着層9及び応力調整層8を形成することにより、製造することができる。なお、有機EL表示装置100aでは、図2に示すように、応力調整層8、第1接着層9、ベース樹脂基板層10、有機EL素子層20及び下地層29により積層体層Saが構成されている。
[0034]
 また、本実施形態の有機EL表示装置100aは、ハードコート層30の単体でのマルテンス硬さHMhと、積層体層Saを構成する各構成部材のマルテンス硬さの各構成部材の応力分散係数αによる加重平均HMaとの差が79N/mm 以下であるように構成されている。なお、ハードコート層30の単体でのマルテンス硬さHMhと、積層体層Saの応力分散係数αによる加重平均マルテンス硬さHMaとの差が79N/mm を超える場合には、ハードコート層30の表面における半永久的な塑性変形(傷)が視認され易くなる。
[0035]
 各構成部材のマルテンス硬さHMは、ナノインデンテーション法(ISO14577)でビッカース圧子V(図5参照)を3mN~6mNの荷重F(後述する各実施例及び各比較例では、F=4mN)で押し込んだときの最大押し込み深さh(mm)により、F/(26.43h )で規定される。なお、後述する各構成部材のヤング率Eは、ナノインデンテーション法により測定された押し込み弾性率で規定される。
[0036]
 加重平均に用いる各構成部材の応力分散係数αは、ハードコート層30の下地層29と反対側の表面(上面)から当該構成部材の厚さ方向の中心位置までの距離をx(μm)とすると、
x≦300の場合、
α=-1.5×10 -7+8.6×10 -5-1.7×10 -2x+1.45の式で規定され、
x>300の場合、
α=0
の式で規定される。ここで、厚さd を有するハードコート層30の上面から当該構成部材の厚さ方向の中心位置までの距離xについて、例えば、図5を用いて説明すると、厚さd を有するハードコート基材28では、x a=d +d /2となり、厚さd を有する第5接着層27では、x =d +d a+d b/2となる。
[0037]
 なお、有機EL素子層20、下地層29のような積層構造を有する構成物については、それを構成する各構成部材の厚さd、ヤング率E、マルテンス硬さHM及び応力分散係数αを求め、厚さd及びヤング率Eの比率d/Eの大きさに基づいて、マルテンス硬さHM及び応力分散係数αの値を加重平均の計算式、
HMa=(α HM +α HM +…+α HM )/(α +α +…+α ))
に適宜加える。
[0038]
 次に、具体的に行った実験について説明する。
[0039]
 本実施形態の実施例(実施例1)として、以下の構成の有機EL表示装置100aを作製した(図6の表参照)。なお、以下の材料名等は、実際の厚さd、ヤング率E、マルテンス硬さHM及び応力分散係数αを求める際に使用したものの材料名等である。
[0040]
 応力調整層8:厚さ10.0μmのポリエチレンテレフタレートフィルム
 第1接着層9:厚さ10.0μmのエポキシ樹脂系接着剤(株式会社アルテコ製)
 ベース樹脂基板層10:厚さ10.0μmの非感光性塗布型ポリイミド樹脂(日立化成デュポンマイクロシステムズ株式会社製のPIQ(登録商標)シリーズ)
 防湿層:プラズマCVD(chemical vapor deposition)法により形成される厚さ1.0μmの窒化シリコン膜(ヤング率240.0GPa)
 第1TFT13a等:Ti/Al/TiやAl/Tiの積層膜からなる配線層を含み、総厚さ0.3μmの一般的なボトムゲート型のTFTの構成(ヤング率200.0GPa)
 層間絶縁膜14:厚さ2.5μmの感光性アクリル樹脂(JSR株式会社製のオプトマー(登録商標)シリーズ)
 第1電極15:一般的なTFTプロセスで形成される厚さ0.1μmのITO/Agの積層膜(ヤング率200.0GPa)
 エッジカバー16:厚さ1.5μmの感光性アクリル樹脂(JSR株式会社製のオプトマー(登録商標)シリーズ)
 有機EL層17:総厚さ0.2μmの一般的な有機EL素子の構成(ヤング率2.0GPa)
 第2電極18:蒸着法で形成される厚さ0.1μmのAg膜(ヤング率200.0GPa)
 封止膜19:低温プラズマCVD法により形成される厚さ3.0μmの窒化シリコン膜(ヤング率80.0GPa)
 第2接着層21:厚さ5.0μmのUV遅延硬化型接着剤(積水化学工業株式会社製のフォトレック(登録商標)Eシリーズ)
 対向樹脂基板層22:厚さ25.0μmのアラミドフィルム
 第3接着層23:厚さ5.0μmのエポキシ樹脂系接着剤(株式会社アルテコ製)
 偏光板24:厚さ35.0μmのトリアセチルセルロース
 第4接着層25:厚さ5.0μmのエポキシ樹脂系接着剤(株式会社アルテコ製)
 タッチパネル26:厚さ25.0μmのポリエチレンテレフタレートフィルム
 第5接着層27:厚さ5.0μmのエポキシ樹脂系接着剤(株式会社アルテコ製)
 ハードコート基材28:厚さ25.0μmのポリエチレンテレフタレートフィルム
 ハードコート層30:厚さ10.0μmのUV硬化型のオルガノシリコン樹脂
 ここで、上記マルテンス硬さHM及び押し込み弾性率のナノインデンテーション法による測定は、フィルム物については、ガラス基板上に10μm以上のものを貼り付け、塗布物については、ガラス基板上に10μm以上の厚さで形成して行った。なお、有機EL素子層20を構成する防湿層、第1TFT13a等、第1電極15、有機EL層17、第2電極18及び封止膜19については、d/Eの大きさがd/Eの総和(38.8μm/GPa)の1/100以下であるので、図6の表において省略され、加重平均HMaの計算から除外されている。
[0041]
 作製された有機EL表示装置100aは、図6の表に示すように、ハードコート層30の単体でのマルテンス硬さHMhと、積層体層Saのマルテンス硬さの加重平均HMaとの差が75N/mm となり、ハードコート層30の上面を強く(例えば、90MPa)押圧した後であっても、装置表面(ハードコート層30の表面)における半永久的な塑性変形(傷)がほとんど視認されなかった。
[0042]
 以上説明したように、本実施形態の有機EL表示装置100aによれば、以下の効果を得ることができる。
[0043]
 ハードコート層30の単体でのマルテンス硬さHMhと、ベース樹脂基板層10、有機EL素子層20及び下地層29を含む積層体層Saを構成する各構成部材のマルテンス硬さHMの各構成部材の応力分散係数αによる加重平均HMaとの差が79N/mm 以下であるので、ハードコート層30が表面に設けられた有機EL表示装置100aにおいて、ハードコート層30の塑性変形を抑制することができる。これにより、有機EL表示装置100aの表示画面に入射する外光の反射光や有機EL素子層20で発光する光のハードコート層30の表面における散乱が抑制されるので、有機EL表示装置100aの表示品位を保持することができる。
[0044]
 《第2の実施形態》
 図7及び図8は、本発明に係る有機EL表示装置の第2の実施形態を示している。ここで、図7は、本実施形態の有機EL表示装置100bの断面図である。また、図8は、有機EL表示装置100bにおいて、具体的に行った実施例2の内容を示す表である。なお、以下の各実施形態において、図1~図6と同じ部分については同じ符号を付して、その詳細な説明を省略する。
[0045]
 上記実施形態1では、偏光板24を備えた有機EL表示装置100aを例示したが、本実施形態では、偏光板24の代わりにカラーフィルター32を備えた有機EL表示装置100bを例示する。
[0046]
 有機EL表示装置100bは、図7に示すように、ベース樹脂基板層10と、ベース樹脂基板層10の図中下側の表面に設けられた応力調整層8と、ベース樹脂基板層10の図中上側の表面に設けられた有機EL素子層20と、有機EL素子層20上に設けられた下地層38と、下地層38上に設けられたハードコート層39とを備えている。なお、有機EL表示装置100bの表示領域に配列された画素の構造は、上記実施形態1の有機EL表示装置100aの表示領域に配列された画素の構造と実質的に同じである。
[0047]
 下地層38は、図7に示すように、封止膜19上に順に設けられた第2接着層31、カラーフィルター32、対向樹脂基板層33、第3接着層34、タッチパネル35、第4接着層36及びハードコート基材37を備えている。
[0048]
 第2接着層31は、例えば、UV遅延硬化型接着剤、熱硬化型接着剤、エポキシ系接着剤、アクリル系接着剤、ポリオレフィン系接着剤等により構成されている。
[0049]
 カラーフィルター32は、例えば、格子状に設けられたブラックマトリクス層と、各サブ画素Pに対応するようにそれぞれ設けられた赤色層、緑色層及び青色層の複数のカラーレジスト層と、ブラックマトリクス層及び各カラーレジスト層を覆うように設けられたオーバーコート層とを備え、感光性アクリル樹脂、感光性ポリイミド樹脂、感光性ポリシロキサン樹脂等が主成分になっている。なお、カラーフィルター32は、対向樹脂基板層33上に形成されている。
[0050]
 対向樹脂基板層33は、例えば、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、アラミド、(メタ)アクリレート等のプラスチックフィルムにより構成されている。
[0051]
 第3接着層34及び第4接着層36は、例えば、光硬化型接着シート、UV硬化型接着剤、熱硬化型接着剤、エポキシ系接着剤、シアノアクリレート系の瞬間接着剤等により構成されている。
[0052]
 タッチパネル35は、例えば、ベースフィルムと、そのベースフィルム上に設けられた静電容量方式のタッチパネル層とを備え、ベースフィルムを構成するポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、アラミド、(メタ)アクリレート等のプラスチックフィルムが主成分となっている。
[0053]
 ハードコート基材37は、例えば、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、アラミド、(メタ)アクリレート等のプラスチックフィルムにより構成されている。
[0054]
 ハードコート層39は、例えば、UV硬化型のオルガノシリコン樹脂、熱硬化型樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリシロキサン樹脂等により構成されている。
[0055]
 上記構成の有機EL表示装置100bは、上記実施形態1の有機EL表示装置100aと同様に、各サブ画素Pにおいて、発光層3を適宜発光させることにより、画像表示を行うように構成されている。なお、上記実施形態1の有機EL表示装置100aでは、カラーフィルター(32)が配置されていないので、サブ画素P毎にRGBの3色に塗り分けられた3色発光の発光層3を備えていたが、本実施形態の有機EL表示装置100bは、カラーフィルター32が配置されているので、全てのサブ画素Pで白色発光の発光層3を備えている。
[0056]
 また、本実施形態の有機EL表示装置100bは、上記実施形態1の有機EL表示装置100aの製造方法を適宜変更することにより、製造することができる。なお、有機EL表示装置100bでは、図7に示すように、応力調整層8、第1接着層9、ベース樹脂基板層10、有機EL素子層20及び下地層38により積層体層Sbが構成されている。
[0057]
 また、本実施形態の有機EL表示装置100bは、ハードコート層39の単体でのマルテンス硬さHMhと、積層体層Sbを構成する各構成部材のマルテンス硬さの各構成部材の応力分散係数αによる加重平均HMaとの差が79N/mm 以下であるように構成されている。なお、ハードコート層39の単体でのマルテンス硬さHMhと、積層体層Sbの応力分散係数αによる加重平均マルテンス硬さHMaとの差が79N/mm を超える場合には、ハードコート層39の表面における半永久的な塑性変形(傷)が視認され易くなる。
[0058]
 加重平均に用いる各構成部材の応力分散係数αは、ハードコート層39の下地層38と反対側の表面(上面)から当該構成部材の厚さ方向の中心位置までの距離をx(μm)とすると、
x≦300の場合、
α=-1.5×10 -7+8.6×10 -5-1.7×10 -2x+1.45
x>300の場合、
α=0
の式で規定される。
[0059]
 なお、有機EL素子層20、下地層38のような積層構造を有する構成物については、それを構成する各構成部材の厚さd、ヤング率E、マルテンス硬さHM及び応力分散係数αを求め、厚さd及びヤング率Eの比率d/Eの大きさに基づいて、マルテンス硬さHM及び応力分散係数αの値を加重平均の計算式、
HMa=(α HM +α HM +…+α HM )/(α +α +…+α ))
に適宜加える。
[0060]
 次に、具体的に行った実験について説明する。
[0061]
 本実施形態の実施例(実施例2)として、以下の構成の有機EL表示装置100bを作製した(図8の表参照)。なお、以下の材料名等は、実際の厚さd、ヤング率E、マルテンス硬さHM及び応力分散係数αを求める際に使用したものの材料名等である。
[0062]
 応力調整層8:厚さ10.0μmのポリエチレンテレフタレートフィルム
 第1接着層9:厚さ10.0μmのエポキシ樹脂系接着剤(株式会社アルテコ製)
 ベース樹脂基板層10:厚さ10.0μmの非感光性塗布型ポリイミド樹脂(日立化成デュポンマイクロシステムズ株式会社製のPIQ(登録商標)シリーズ)
 防湿層:プラズマCVD(chemical vapor deposition)法により形成される厚さ1.0μmの窒化シリコン膜(ヤング率240.0GPa)
 第1TFT13a等:Ti/Al/TiやAl/Tiの積層膜からなる配線層を含み、総厚さ0.3μmの一般的なボトムゲート型のTFTの構成(ヤング率200.0GPa)
 層間絶縁膜14:厚さ2.5μmの感光性アクリル樹脂(JSR株式会社製のオプトマー(登録商標)シリーズ)
 第1電極15:一般的なTFTプロセスで形成される厚さ0.1μmのITO/Agの積層膜(ヤング率200.0GPa)
 エッジカバー16:厚さ1.5μmの感光性アクリル樹脂(JSR株式会社製のオプトマー(登録商標)シリーズ)
 有機EL層17:総厚さ0.2μmの一般的な有機EL素子の構成(ヤング率2.0GPa)
 第2電極18:蒸着法で形成される厚さ0.1μmのAg膜(ヤング率200.0GPa)
 封止膜19:低温プラズマCVD法により形成される厚さ3.0μmの窒化シリコン膜(ヤング率80.0GPa)
 第2接着層31:厚さ15.0μmのUV遅延硬化型接着剤(積水化学工業株式会社製のフォトレック(登録商標)Eシリーズ)
 カラーフィルター32:厚さ5.0μmの感光性カラーフィルター樹脂(富士フィルム株式会社製のCOLOR MOSAIC(登録商標)シリーズ)
 対向樹脂基板層33:厚さ10.0μmの非感光性塗布型ポリイミド樹脂(日立化成デュポンマイクロシステムズ株式会社製のPIQ(登録商標)シリーズ)
 第3接着層34:厚さ5.0μmのエポキシ樹脂系接着剤(株式会社アルテコ製)
 タッチパネル35:厚さ25.0μmのポリエチレンテレフタレートフィルム
 第4接着層36:厚さ5.0μmのエポキシ樹脂系接着剤(株式会社アルテコ製)
 ハードコート基材37:厚さ25.0μmのポリエチレンテレフタレートフィルム
 ハードコート層39:厚さ10.0μmのUV硬化型のオルガノシリコン樹脂
 なお、有機EL素子層20を構成する防湿層、第1TFT13a等、第1電極15、有機EL層17、第2電極18及び封止膜19については、d/Eの大きさがd/Eの総和(28.7μm/GPa)の1/100以下であるので、図8の表において省略され、加重平均HMaの計算から除外されている。
[0063]
 作製された有機EL表示装置100bは、図8の表に示すように、ハードコート層39の単体でのマルテンス硬さHMhと、積層体層Sbのマルテンス硬さの加重平均HMaとの差が59N/mm となり、ハードコート層39の上面を強く(例えば、90MPa)押圧した後であっても、装置表面(ハードコート層39の表面)における半永久的な塑性変形(傷)がほとんど視認されなかった。
[0064]
 以上説明したように、本実施形態の有機EL表示装置100bによれば、以下の効果を得ることができる。
[0065]
 ハードコート層39の単体でのマルテンス硬さHMhと、ベース樹脂基板層10、有機EL素子層20及び下地層38を含む積層体層Sbを構成する各構成部材のマルテンス硬さHMの各構成部材の応力分散係数αによる加重平均HMaとの差が79N/mm 以下であるので、ハードコート層39が表面に設けられた有機EL表示装置100bにおいて、ハードコート層39の塑性変形を抑制することができる。これにより、有機EL表示装置100bの表示画面に入射する外光の反射光や有機EL素子層20で発光する光のハードコート層39の表面における散乱が抑制されるので、有機EL表示装置100bの表示品位を保持することができる。
[0066]
 《第3の実施形態》
 図9及び図10は、本発明に係る有機EL表示装置の第3の実施形態を示している。ここで、図9は、本実施形態の有機EL表示装置100cの断面図である。また、図10は、有機EL表示装置100cにおいて、具体的に行った実施例3の内容を示す表である。
[0067]
 上記実施形態1及び2では、対向樹脂基板層22及び33を備えた有機EL表示装置100a及び100bを例示したが、本実施形態では、対向樹脂基板層が省略された有機EL表示装置100cを例示する。
[0068]
 有機EL表示装置100cは、図9に示すように、ベース樹脂基板層10と、ベース樹脂基板層10の図中下側の表面に設けられた応力調整層8と、ベース樹脂基板層10の図中上側の表面に設けられた有機EL素子層20と、有機EL素子層20上に設けられた下地層46と、下地層46上に設けられたハードコート層47とを備えている。ここで、有機EL表示装置100cの表示領域に配列された画素の構造は、上記実施形態1の有機EL表示装置100aの表示領域に配列された画素の構造と実質的に同じである。
[0069]
 下地層46は、図9に示すように、封止膜19上に順に設けられた第2接着層41、カラーフィルター42、タッチパネル43、第3接着層44及びハードコート基材45を備えている。
[0070]
 第2接着層41は、例えば、UV遅延硬化型接着剤、熱硬化型接着剤、エポキシ系接着剤、アクリル系接着剤、ポリオレフィン系接着剤等により構成されている。
[0071]
 カラーフィルター42は、例えば、格子状に設けられたブラックマトリクス層と、各サブ画素Pに対応するようにそれぞれ設けられた赤色層、緑色層及び青色層の複数のカラーレジスト層と、ブラックマトリクス層及び各カラーレジスト層を覆うように設けられたオーバーコート層とを備え、感光性アクリル樹脂、感光性ポリイミド樹脂、感光性ポリシロキサン樹脂等が主成分になっている。なお、カラーフィルター42は、タッチパネル43上に形成されている。
[0072]
 タッチパネル43は、例えば、ベースフィルムと、そのベースフィルム上に設けられた静電容量方式のタッチパネル層とを備え、ベースフィルムを構成するポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、アラミド、(メタ)アクリレート等のプラスチックフィルムが主成分となっている。
[0073]
 第3接着層44は、例えば、光硬化型接着シート、UV硬化型接着剤、熱硬化型接着剤、エポキシ系接着剤、シアノアクリレート系の瞬間接着剤等により構成されている。
[0074]
 ハードコート基材45は、例えば、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、アラミド、(メタ)アクリレート等のプラスチックフィルムにより構成されている。
[0075]
 ハードコート層47は、例えば、UV硬化型のオルガノシリコン樹脂、熱硬化型樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリシロキサン樹脂等により構成されている。
[0076]
 上記構成の有機EL表示装置100cは、上記実施形態1の有機EL表示装置100aと同様に、各サブ画素Pにおいて、発光層3を適宜発光させることにより、画像表示を行うように構成されている。
[0077]
 また、本実施形態の有機EL表示装置100cは、上記実施形態1の有機EL表示装置100aの製造方法を適宜変更することにより、製造することができる。なお、有機EL表示装置100cでは、図9に示すように、応力調整層8、第1接着層9、ベース樹脂基板層10、有機EL素子層20及び下地層46により積層体層Scが構成されている。
[0078]
 また、本実施形態の有機EL表示装置100cは、ハードコート層47の単体でのマルテンス硬さHMhと、積層体層Scを構成する各構成部材のマルテンス硬さの各構成部材の応力分散係数αによる加重平均HMaとの差が79N/mm 以下であるように構成されている。なお、ハードコート層47の単体でのマルテンス硬さHMhと、積層体層Scの応力分散係数αによる加重平均マルテンス硬さHMaとの差が79N/mm を超える場合には、ハードコート層47の表面における半永久的な塑性変形(傷)が視認され易くなる。
[0079]
 加重平均に用いる各構成部材の応力分散係数αは、ハードコート層47の下地層46と反対側の表面(上面)から当該構成部材の厚さ方向の中心位置までの距離をx(μm)とすると、
x≦300の場合、
α=-1.5×10 -7+8.6×10 -5-1.7×10 -2x+1.45
x>300の場合、
α=0
の式で規定される。
[0080]
 なお、有機EL素子層20、下地層46のような積層構造を有する構成物については、それを構成する各構成部材の厚さd、ヤング率E、マルテンス硬さHM及び応力分散係数αを求め、厚さd及びヤング率Eの比率d/Eの大きさに基づいて、マルテンス硬さHM及び応力分散係数αの値を加重平均の計算式、
HMa=(α HM +α HM +…+α HM )/(α +α +…+α ))
に適宜加える。
[0081]
 次に、具体的に行った実験について説明する。
[0082]
 本実施形態の実施例(実施例3)として、以下の構成の有機EL表示装置100cを作製した(図10の表参照)。なお、以下の材料名等は、実際の厚さd、ヤング率E、マルテンス硬さHM及び応力分散係数αを求める際に使用したものの材料名等である。
[0083]
 応力調整層8:厚さ10.0μmのポリエチレンテレフタレートフィルム
 第1接着層9:厚さ10.0μmのエポキシ樹脂系接着剤(株式会社アルテコ製)
 ベース樹脂基板層10:厚さ10.0μmの非感光性塗布型ポリイミド樹脂(日立化成デュポンマイクロシステムズ株式会社製のPIQ(登録商標)シリーズ)
 防湿層:プラズマCVD(chemical vapor deposition)法により形成される厚さ1.0μmの窒化シリコン膜(ヤング率240.0GPa)
 第1TFT13a等:Ti/Al/TiやAl/Tiの積層膜からなる配線層を含み、総厚さ0.3μmの一般的なボトムゲート型のTFTの構成(ヤング率200.0GPa)
 層間絶縁膜14:厚さ2.5μmの感光性アクリル樹脂(JSR株式会社製のオプトマー(登録商標)シリーズ)
 第1電極15:一般的なTFTプロセスで形成される厚さ0.1μmのITO/Agの積層膜(ヤング率200.0GPa)
 エッジカバー16:厚さ1.5μmの感光性アクリル樹脂(JSR株式会社製のオプトマー(登録商標)シリーズ)
 有機EL層17:総厚さ0.2μmの一般的な有機EL素子の構成(ヤング率2.0GPa)
 第2電極18:蒸着法で形成される厚さ0.1μmのAg膜(ヤング率200.0GPa)
 封止膜19:低温プラズマCVD法により形成される厚さ3.0μmの窒化シリコン膜(ヤング率80.0GPa)
 第2接着層41:厚さ5.0μmのUV遅延硬化型接着剤(積水化学工業株式会社製のフォトレック(登録商標)Eシリーズ)
 カラーフィルター42:厚さ5.0μmの感光性カラーフィルター樹脂(富士フィルム株式会社製のCOLOR MOSAIC(登録商標)シリーズ)
 タッチパネル43:厚さ25.0μmのアラミドフィルム
 第3接着層44:厚さ5.0μmのエポキシ樹脂系接着剤(株式会社アルテコ製)
 ハードコート基材45:厚さ25.0μmのポリエチレンテレフタレートフィルム
 ハードコート層47:厚さ10.0μmのUV硬化型のオルガノシリコン樹脂
 なお、有機EL素子層20を構成する防湿層、第1TFT13a等、第1電極15、有機EL層17、第2電極18及び封止膜19については、d/Eの大きさがd/Eの総和(23.1μm/GPa)の1/100以下であるので、図10の表において省略され、加重平均HMaの計算から除外されている。
[0084]
 作製された有機EL表示装置100cは、図10の表に示すように、ハードコート層47の単体でのマルテンス硬さHMhと、積層体層Scのマルテンス硬さの加重平均HMaとの差が58N/mm となり、ハードコート層47の上面を強く(例えば、90MPa)押圧した後であっても、装置表面(ハードコート層47の表面)における半永久的な塑性変形(傷)がほとんど視認されなかった。
[0085]
 以上説明したように、本実施形態の有機EL表示装置100cよれば、以下の効果を得ることができる。
[0086]
 ハードコート層47の単体でのマルテンス硬さHMhと、ベース樹脂基板層10、有機EL素子層20及び下地層46を含む積層体層Scを構成する各構成部材のマルテンス硬さHMの各構成部材の応力分散係数αによる加重平均HMaとの差が79N/mm 以下であるので、ハードコート層47が表面に設けられた有機EL表示装置100cにおいて、ハードコート層47の塑性変形を抑制することができる。これにより、有機EL表示装置100cの表示画面に入射する外光の反射光や有機EL素子層20で発光する光のハードコート層47の表面における散乱が抑制されるので、有機EL表示装置100cの表示品位を保持することができる。
[0087]
 また、有機EL表示装置100cでは、タッチパネル43が上記実施形態1及び2の対向樹脂基板層22及び33を兼ねているので、有機EL表示装置100cを薄型化することができると共に、部材コスト及び製造コストを低減することができる。
[0088]
 《第4の実施形態》
 図11及び図12は、本発明に係る有機EL表示装置の第4の実施形態を示している。ここで、図11は、本実施形態の有機EL表示装置100dの断面図である。また、図12は、有機EL表示装置100dにおいて、具体的に行った実施例4の内容を示す表である。
[0089]
 上記実施形態2では、タッチパネル35が対向樹脂基板層33のベース樹脂基板層10と反対側に設けられた有機EL表示装置100bを例示したが、本実施形態では、タッチパネル52がベース樹脂基板層10及び対向樹脂基板層54の間に設けられた有機EL表示装置100dを例示する。
[0090]
 有機EL表示装置100dは、図11に示すように、ベース樹脂基板層10と、ベース樹脂基板層10の図中下側の表面に設けられた応力調整層8と、ベース樹脂基板層10の図中上側の表面に設けられた有機EL素子層20と、有機EL素子層20上に設けられた下地層57と、下地層57上に設けられたハードコート層58とを備えている。ここで、有機EL表示装置100dの表示領域に配列された画素の構造は、上記実施形態1の有機EL表示装置100aの表示領域に配列された画素の構造と実質的に同じである。
[0091]
 下地層57は、図11に示すように、封止膜19上に順に設けられた第2接着層51、タッチパネル52、カラーフィルター53、対向樹脂基板層54、第3接着層55及びハードコート基材56を備えている。
[0092]
 第2接着層51は、例えば、UV遅延硬化型接着剤、熱硬化型接着剤、エポキシ系接着剤、アクリル系接着剤、ポリオレフィン系接着剤等により構成されている。
[0093]
 タッチパネル52は、例えば、ベースフィルムと、そのベースフィルム上に設けられた静電容量方式のタッチパネル層とを備え、ベースフィルムを構成するポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、アラミド、(メタ)アクリレート等のプラスチックフィルムが主成分となっている。
[0094]
 カラーフィルター53は、例えば、格子状に設けられたブラックマトリクス層と、各サブ画素Pに対応するようにそれぞれ設けられた赤色層、緑色層及び青色層の複数のカラーレジスト層と、ブラックマトリクス層及び各カラーレジスト層を覆うように設けられたオーバーコート層とを備え、感光性アクリル樹脂、感光性ポリイミド樹脂、感光性ポリシロキサン樹脂等が主成分になっている。
[0095]
 対向樹脂基板層54は、例えば、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、アラミド、(メタ)アクリレート等のプラスチックフィルムにより構成されている。
[0096]
 第3接着層55は、例えば、光硬化型接着シート、UV硬化型接着剤、熱硬化型接着剤、エポキシ系接着剤、シアノアクリレート系の瞬間接着剤等により構成されている。
[0097]
 ハードコート基材56は、例えば、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、アラミド、(メタ)アクリレート等のプラスチックフィルムにより構成されている。
[0098]
 ハードコート層58は、例えば、UV硬化型のオルガノシリコン樹脂、熱硬化型樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリシロキサン樹脂等により構成されている。
[0099]
 上記構成の有機EL表示装置100dは、上記実施形態1の有機EL表示装置100aと同様に、各サブ画素Pにおいて、発光層3を適宜発光させることにより、画像表示を行うように構成されている。
[0100]
 また、本実施形態の有機EL表示装置100dは、上記実施形態1の有機EL表示装置100aの製造方法を適宜変更することにより、製造することができる。なお、有機EL表示装置100dでは、図11に示すように、応力調整層8、第1接着層9、ベース樹脂基板層10、有機EL素子層20及び下地層57により積層体層Sdが構成されている。
[0101]
 また、本実施形態の有機EL表示装置100dは、ハードコート層58の単体でのマルテンス硬さHMhと、積層体層Sdを構成する各構成部材のマルテンス硬さHMの各構成部材の応力分散係数αによる加重平均HMaとの差が79N/mm 以下であるように構成されている。なお、ハードコート層58の単体でのマルテンス硬さHMhと、積層体層Sdの応力分散係数αによる加重平均マルテンス硬さHMaとの差が79N/mm を超える場合には、ハードコート層58の表面における半永久的な塑性変形(傷)が視認され易くなる。
[0102]
 加重平均に用いる各構成部材の応力分散係数αは、ハードコート層58の下地層57と反対側の表面(上面)から当該構成部材の厚さ方向の中心位置までの距離をx(μm)とすると、
x≦300の場合、
α=-1.5×10 -7+8.6×10 -5-1.7×10 -2x+1.45
x>300の場合、
α=0
の式で規定される。
[0103]
 なお、有機EL素子層20、下地層57のような積層構造を有する構成物については、それを構成する各構成部材の厚さd、ヤング率E、マルテンス硬さHM及び応力分散係数αを求め、厚さd及びヤング率Eの比率d/Eの大きさに基づいて、マルテンス硬さHM及び応力分散係数αの値を加重平均の計算式、
HMa=(α HM +α HM +…+α HM )/(α +α +…+α ))
に適宜加える。
[0104]
 次に、具体的に行った実験について説明する。
[0105]
 本実施形態の実施例(実施例4)として、以下の構成の有機EL表示装置100dを作製した(図12の表参照)。なお、以下の材料名等は、実際の厚さd、ヤング率E、マルテンス硬さHM及び応力分散係数αを求める際に使用したものの材料名等である。
[0106]
 応力調整層8:厚さ10.0μmのポリエチレンテレフタレートフィルム
 第1接着層9:厚さ10.0μmのエポキシ樹脂系接着剤(株式会社アルテコ製)
 ベース樹脂基板層10:厚さ10.0μmの非感光性塗布型ポリイミド樹脂(日立化成デュポンマイクロシステムズ株式会社製のPIQ(登録商標)シリーズ)
 防湿層:プラズマCVD(chemical vapor deposition)法により形成される厚さ1.0μmの窒化シリコン膜(ヤング率240.0GPa)
 第1TFT13a等:Ti/Al/TiやAl/Tiの積層膜からなる配線層を含み、総厚さ0.3μmの一般的なボトムゲート型のTFTの構成(ヤング率200.0GPa)
 層間絶縁膜14:厚さ2.5μmの感光性アクリル樹脂(JSR株式会社製のオプトマー(登録商標)シリーズ)
 第1電極15:一般的なTFTプロセスで形成される厚さ0.1μmのITO/Agの積層膜(ヤング率200.0GPa)
 エッジカバー16:厚さ1.5μmの感光性アクリル樹脂(JSR株式会社製のオプトマー(登録商標)シリーズ)
 有機EL層17:総厚さ0.2μmの一般的な有機EL素子の構成(ヤング率2.0GPa)
 第2電極18:蒸着法で形成される厚さ0.1μmのAg膜(ヤング率200.0GPa)
 封止膜19:低温プラズマCVD法により形成される厚さ3.0μmの窒化シリコン膜(ヤング率80.0GPa)
 第2接着層51:厚さ5.0μmのUV遅延硬化型接着剤(積水化学工業株式会社製のフォトレック(登録商標)Eシリーズ)
 タッチパネル52:厚さ15.0μmの感光性アクリル樹脂(JSR株式会社製のオプトマー(登録商標)シリーズ)
 カラーフィルター53:厚さ5.0μmの感光性カラーフィルター樹脂(富士フィルム株式会社製のCOLOR MOSAIC(登録商標)シリーズ)
 対向樹脂基板層54:厚さ10.0μmの非感光性塗布型ポリイミド樹脂(日立化成デュポンマイクロシステムズ株式会社製のPIQ(登録商標)シリーズ)
 第3接着層55:厚さ5.0μmのエポキシ樹脂系接着剤(株式会社アルテコ製)
 ハードコート基材56:厚さ25.0μmのポリエチレンテレフタレートフィルム
 ハードコート層58:厚さ10.0μmのUV硬化型のオルガノシリコン樹脂
 なお、有機EL素子層20を構成する防湿層、第1TFT13a等、第1電極15、有機EL層17、第2電極18及び封止膜19については、d/Eの大きさがd/Eの総和(24.2μm/GPa)の1/100以下であるので、図12の表において省略され、加重平均HMaの計算から除外されている。
[0107]
 作製された有機EL表示装置100dは、図12の表に示すように、ハードコート層58の単体でのマルテンス硬さHMhと、積層体層Sdのマルテンス硬さの加重平均HMaとの差が65N/mm となり、ハードコート層58の上面を強く(例えば、90MPa)押圧した後であっても、装置表面(ハードコート層58の表面)における半永久的な塑性変形(傷)がほとんど視認されなかった。
[0108]
 以上説明したように、本実施形態の有機EL表示装置100dによれば、以下の効果を得ることができる。
[0109]
 ハードコート層58の単体でのマルテンス硬さHMhと、ベース樹脂基板層10、有機EL素子層20及び下地層57を含む積層体層Sdを構成する各構成部材のマルテンス硬さHMの各構成部材の応力分散係数αによる加重平均HMaとの差が79N/mm 以下であるので、ハードコート層58が表面に設けられた有機EL表示装置100dにおいて、ハードコート層58の塑性変形を抑制することができる。これにより、有機EL表示装置100dの表示画面に入射する外光の反射光や有機EL素子層20で発光する光のハードコート層58の表面における散乱が抑制されるので、有機EL表示装置100dの表示品位を保持することができる。
[0110]
 また、有機EL表示装置100dでは、タッチパネル52がベース樹脂基板層10及び対向樹脂基板層54の間に設けられているので、タッチパネル52を対向樹脂基板層54上にカラーフィルター53と共に作り込むことができ、製造コストを低減することができる。
[0111]
 《第5の実施形態》
 図13~図16は、本発明に係る有機EL表示装置の第5の実施形態を示している。ここで、図13は、本実施形態の有機EL表示装置100eの断面図である。また、図14は、有機EL表示装置100eにおいて、具体的に行った実施例5の内容を示す表である。また、図15及び図16は、有機EL表示装置100eにおいて、具体的に行った比較例1及び比較例2の内容を示す表である。
[0112]
 上記実施形態1~4では、ベース樹脂基板層10の裏面側に応力調整層8が設けられた有機EL表示装置100a~100dを例示したが、本実施形態では、応力調整層が省略された有機EL表示装置100eを例示する。
[0113]
 有機EL表示装置100eは、図13に示すように、ベース樹脂基板層10と、ベース樹脂基板層10の図中上側の表面に設けられた有機EL素子層20と、有機EL素子層20上に設けられた下地層64と、下地層64上に設けられたハードコート層65とを備えている。ここで、有機EL表示装置100eの表示領域に配列された画素の構造は、上記実施形態1の有機EL表示装置100aの表示領域に配列された画素の構造と実質的に同じである。
[0114]
 下地層64は、図13に示すように、封止膜19上に順に設けられた接着層61、カラーフィルター62及びタッチパネル63を備えている。
[0115]
 接着層61は、例えば、UV遅延硬化型接着剤、熱硬化型接着剤、エポキシ系接着剤、アクリル系接着剤、ポリオレフィン系接着剤等により構成されている。
[0116]
 カラーフィルター62は、例えば、格子状に設けられたブラックマトリクス層と、各サブ画素Pに対応するようにそれぞれ設けられた赤色層、緑色層及び青色層の複数のカラーレジスト層と、ブラックマトリクス層及び各カラーレジスト層を覆うように設けられたオーバーコート層とを備え、感光性アクリル樹脂、感光性ポリイミド樹脂、感光性ポリシロキサン樹脂等が主成分になっている。なお、カラーフィルター62は、タッチパネル63に貼り付けられている。
[0117]
 タッチパネル63は、例えば、ベースフィルムと、そのベースフィルム上に設けられた静電容量方式のタッチパネル層とを備え、ベースフィルムを構成するポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、アラミド、(メタ)アクリレート等のプラスチックフィルムが主成分となっている。
[0118]
 ハードコート層65は、例えば、UV硬化型のオルガノシリコン樹脂、熱硬化型樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリシロキサン樹脂等により構成されている。
[0119]
 上記構成の有機EL表示装置100eは、上記実施形態1の有機EL表示装置100aと同様に、各サブ画素Pにおいて、発光層3を適宜発光させることにより、画像表示を行うように構成されている。
[0120]
 また、本実施形態の有機EL表示装置100eは、上記実施形態1の有機EL表示装置100aの製造方法を適宜変更することにより、製造することができる。なお、有機EL表示装置100eでは、図13に示すように、応力調整層8、第1接着層9、ベース樹脂基板層10、有機EL素子層20及び下地層64により積層体層Seが構成されている。
[0121]
 また、本実施形態の有機EL表示装置100eは、ハードコート層65の単体でのマルテンス硬さHMhと、積層体層Seを構成する各構成部材のマルテンス硬さHMの各構成部材の応力分散係数αによる加重平均HMaとの差が79N/mm 以下であるように構成されている。なお、ハードコート層65の単体でのマルテンス硬さHMhと、積層体層Seの応力分散係数αによる加重平均マルテンス硬さHMaとの差が79N/mm を超える場合には、ハードコート層65の表面における半永久的な塑性変形(傷)が視認され易くなる。
[0122]
 加重平均に用いる各構成部材の応力分散係数αは、ハードコート層65の下地層64と反対側の表面(上面)から当該構成部材の厚さ方向の中心位置までの距離をx(μm)とすると、
x≦300の場合、
α=-1.5×10 -7+8.6×10 -5-1.7×10 -2x+1.45
x>300の場合、
α=0
の式で規定される。
[0123]
 なお、有機EL素子層20、下地層64のような積層構造を有する構成物については、それを構成する各構成部材の厚さd、ヤング率E、マルテンス硬さHM及び応力分散係数αを求め、厚さd及びヤング率Eの比率d/Eの大きさに基づいて、マルテンス硬さHM及び応力分散係数αの値を加重平均の計算式、
HMa=(α HM +α HM +…+α HM )/(α +α +…+α ))
に適宜加える。
[0124]
 次に、具体的に行った実験について説明する。
[0125]
 本実施形態の実施例(実施例5)として、以下の構成の有機EL表示装置100eを作製した(図14の表参照)。なお、以下の材料名等は、実際の厚さd、ヤング率E、マルテンス硬さHM及び応力分散係数αを求める際に使用したものの材料名等である。
[0126]
 ベース樹脂基板層10:厚さ10.0μmの非感光性塗布型ポリイミド樹脂(日立化成デュポンマイクロシステムズ株式会社製のPIQ(登録商標)シリーズ)
 防湿層:プラズマCVD(chemical vapor deposition)法により形成される厚さ1.0μmの窒化シリコン膜(ヤング率240.0GPa)
 第1TFT13a等:Ti/Al/TiやAl/Tiの積層膜からなる配線層を含み、総厚さ0.3μmの一般的なボトムゲート型のTFTの構成(ヤング率200.0GPa)
 層間絶縁膜14:厚さ2.5μmの感光性アクリル樹脂(JSR株式会社製のオプトマー(登録商標)シリーズ)
 第1電極15:一般的なTFTプロセスで形成される厚さ0.1μmのITO/Agの積層膜(ヤング率200.0GPa)
 エッジカバー16:厚さ1.5μmの感光性アクリル樹脂(JSR株式会社製のオプトマー(登録商標)シリーズ)
 有機EL層17:総厚さ0.2μmの一般的な有機EL素子の構成(ヤング率2.0GPa)
 第2電極18:蒸着法で形成される厚さ0.1μmのAg膜(ヤング率200.0GPa)
 封止膜19:低温プラズマCVD法により形成される厚さ3.0μmの窒化シリコン膜(ヤング率80.0GPa)
 接着層61:厚さ15.0μmのUV遅延硬化型接着剤(積水化学工業株式会社製のフォトレック(登録商標)Eシリーズ)
 カラーフィルター62:厚さ5.0μmの感光性カラーフィルター樹脂(富士フィルム株式会社製のCOLOR MOSAIC(登録商標)シリーズ)
 タッチパネル63:厚さ12.0μmの非感光性塗布型ポリイミド樹脂(日立化成デュポンマイクロシステムズ株式会社製のPIQ(登録商標)シリーズ)
 ハードコート層65:厚さ10.0μmのUV硬化型のオルガノシリコン樹脂
 有機EL素子層20を構成する防湿層、第1TFT13a等、第1電極15、有機EL層17、第2電極18及び封止膜19については、d/Eの大きさがd/Eの総和(10.1μm/GPa)の1/100以下であるので、図12の表において省略され、加重平均HMaの計算から除外されている。
[0127]
 作製された有機EL表示装置100eは、図14の表に示すように、ハードコート層65の単体でのマルテンス硬さHMhと、積層体層Seのマルテンス硬さの加重平均HMaとの差が35N/mm となり、ハードコート層65の上面を強く(例えば、90MPa)押圧した後であっても、装置表面(ハードコート層65の表面)における半永久的な塑性変形(傷)がほとんど視認されなかった。
[0128]
 また、本実施形態の比較例1として、有機EL表示装置100eに対応する以下の構成の有機EL表示装置を作製した(図15の表参照)。なお、以下の材料名等は、実際の厚さd、ヤング率E、マルテンス硬さHM及び応力分散係数αを求める際に使用したものの材料名等である。
[0129]
 ベース樹脂基板層:厚さ10.0μmの非感光性塗布型ポリイミド樹脂(日立化成デュポンマイクロシステムズ株式会社製のPIQ(登録商標)シリーズ)
 防湿層:プラズマCVD(chemical vapor deposition)法により形成される厚さ1.0μmの窒化シリコン膜(ヤング率240.0GPa)
 第1TFT等:Ti/Al/TiやAl/Tiの積層膜からなる配線層を含み、総厚さ0.3μmの一般的なボトムゲート型のTFTの構成(ヤング率200.0GPa)
 層間絶縁膜:厚さ2.5μmの感光性アクリル樹脂(JSR株式会社製のオプトマー(登録商標)シリーズ)
 第1電極:一般的なTFTプロセスで形成される厚さ0.1μmのITO/Agの積層膜(ヤング率200.0GPa)
 エッジカバー:厚さ1.5μmの感光性アクリル樹脂(JSR株式会社製のオプトマー(登録商標)シリーズ)
 有機EL層:総厚さ0.2μmの一般的な有機EL素子の構成(ヤング率2.0GPa)
 第2電極:蒸着法で形成される厚さ0.1μmのAg膜(ヤング率200.0GPa)
 封止膜:低温プラズマCVD法により形成される厚さ3.0μmの窒化シリコン膜(ヤング率80.0GPa)
 接着層:厚さ15.0μmのUV遅延硬化型接着剤(積水化学工業株式会社製のフォトレック(登録商標)Eシリーズ)
 カラーフィルター:厚さ5.0μmの感光性カラーフィルター樹脂(富士フィルム株式会社製のCOLOR MOSAIC(登録商標)シリーズ)
 タッチパネルに相当する対向樹脂基板層:厚さ12.0μmの非感光性塗布型ポリイミド樹脂(日立化成デュポンマイクロシステムズ株式会社製のPIQ(登録商標)シリーズ)
 ハードコート層:厚さ10.0μmのUV硬化型の無機-有機複合樹脂(アトミクス株式会社製のコンポブリッドHUVシリーズ)
 有機EL素子層を構成する防湿層、第1TFT等、第1電極、有機EL層、第2電極及び封止膜については、d/Eの大きさがd/Eの総和(10.1μm/GPa)の1/100以下であるので、図15の表において省略され、加重平均HMaの計算から除外されている。
[0130]
 作製された有機EL表示装置は、図15の表に示すように、ハードコート層の単体でのマルテンス硬さHMhと、積層体層のマルテンス硬さの加重平均HMaとの差が365N/mm となり、ハードコート層の上面を強く(例えば、90MPa)押圧すると、装置表面(ハードコート層の表面)における半永久的な塑性変形(傷)が視認された。
[0131]
 また、本実施形態の比較例2として、有機EL表示装置100eに対応する以下の構成の有機EL表示装置を作製した(図16の表参照)。なお、以下の材料名等は、実際の厚さd、ヤング率E、マルテンス硬さHM及び応力分散係数αを求める際に使用したものの材料名等である。
[0132]
 ベース樹脂基板層:厚さ10.0μmの非感光性塗布型ポリイミド樹脂(日立化成デュポンマイクロシステムズ株式会社製のPIQ(登録商標)シリーズ)
 防湿層:プラズマCVD(chemical vapor deposition)法により形成される厚さ1.0μmの窒化シリコン膜(ヤング率240.0GPa)
 第1TFT等:Ti/Al/TiやAl/Tiの積層膜からなる配線層を含み、総厚さ0.3μmの一般的なボトムゲート型のTFTの構成(ヤング率200.0GPa)
 層間絶縁膜:厚さ2.5μmの感光性アクリル樹脂(JSR株式会社製のオプトマー(登録商標)シリーズ)
 第1電極:一般的なTFTプロセスで形成される厚さ0.1μmのITO/Agの積層膜(ヤング率200.0GPa)
 エッジカバー:厚さ1.5μmの感光性アクリル樹脂(JSR株式会社製のオプトマー(登録商標)シリーズ)
 有機EL層:総厚さ0.2μmの一般的な有機EL素子の構成(ヤング率2.0GPa)
 第2電極:蒸着法で形成される厚さ0.1μmのAg膜(ヤング率200.0GPa)
 封止膜:低温プラズマCVD法により形成される厚さ3.0μmの窒化シリコン膜(ヤング率80.0GPa)
 接着層:厚さ15.0μmのUV遅延硬化型接着剤(積水化学工業株式会社製のフォトレック(登録商標)Eシリーズ)
 カラーフィルター:厚さ5.0μmの感光性カラーフィルター樹脂(富士フィルム株式会社製のCOLOR MOSAIC(登録商標)シリーズ)
 タッチパネルに相当する対向樹脂基板層:厚さ12.0μmの非感光性塗布型ポリイミド樹脂(日立化成デュポンマイクロシステムズ株式会社製のPIQ(登録商標)シリーズ)
 ハードコート層:低温プラズマCVD法で形成される厚さ3.0μmの窒化シリコン膜
 有機EL素子層を構成する防湿層、第1TFT等、第1電極、有機EL層、第2電極及び封止膜については、d/Eの大きさがd/Eの総和(9.1μm/GPa)の1/100以下であるので、図16の表において省略され、加重平均HMaの計算から除外されている。
[0133]
 作製された有機EL表示装置は、図16の表に示すように、ハードコート層の単体でのマルテンス硬さHMhと、積層体層のマルテンス硬さの加重平均HMaとの差が1545N/mm となり、ハードコート層の上面を強く(例えば、90MPa)押圧すると、装置表面(ハードコート層の表面)における半永久的な塑性変形(傷)が視認された。
[0134]
 以上説明したように、本実施形態の有機EL表示装置100eによれば、以下の効果を得ることができる。
[0135]
 ハードコート層65の単体でのマルテンス硬さHMhと、ベース樹脂基板層10、有機EL素子層20及び下地層64を含む積層体層Seを構成する各構成部材のマルテンス硬さHMの各構成部材の応力分散係数αによる加重平均HMaとの差が79N/mm 以下であるので、ハードコート層65が表面に設けられた有機EL表示装置100eにおいて、ハードコート層65の塑性変形を抑制することができる。これにより、有機EL表示装置100eの表示画面に入射する外光の反射光や有機EL素子層20で発光する光のハードコート層65の表面における散乱が抑制されるので、有機EL表示装置100eの表示品位を保持することができる。
[0136]
 また、有機EL表示装置100eでは、対向樹脂基板層及び応力調整層が省略され、ハードコート層65が1層で形成されているので、有機EL表示装置100eを薄型化することができると共に、部材コスト及び製造コストを低減することができる。
[0137]
 《その他の実施形態》
 上記各実施形態では、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層及び電子注入層の5層積層構造の有機EL層を例示したが、有機EL層は、例えば、正孔注入層兼正孔輸送層、発光層、及び電子輸送層兼電子注入層の3層積層構造であってもよい。
[0138]
 また、上記各実施形態では、第1電極を陽極とし、第2電極を陰極とした有機EL表示装置を例示したが、本発明は、有機EL層の積層構造を反転させ、第1電極を陰極とし、第2電極を陽極とした有機EL表示装置にも適用することができる。
[0139]
 また、上記各実施形態では、第1電極に接続されたTFTの電極をドレイン電極とした有機EL表示装置を例示したが、本発明は、第1電極に接続されたTFTの電極をソース電極と呼ぶ有機EL表示装置にも適用することができる。
[0140]
 また、上記各実施形態では、有機EL表示装置100a~100eを例示したが、本発明は、例示した各有機EL表示装置100a~100eの積層構造の組み合わせも自在に適用することができる。

産業上の利用可能性

[0141]
 以上説明したように、本発明は、フレキシブルな有機EL表示装置について有用である。

符号の説明

[0142]
Sa~Se  積層体層
V   ビッカース圧子
8   応力調整層
10  ベース樹脂基板層
20  有機EL素子層
22,33,54  対向樹脂基板層
24  偏光板
26,35,43,52,63  タッチパネル
29,38,46,57,64  下地層
30,39,47,58,65  ハードコート層
32,42,53,62  カラーフィルター
100a~100e  有機EL表示装置

請求の範囲

[請求項1]
 ベース樹脂基板層と、
 前記ベース樹脂基板層に設けられた有機EL素子層と、
 前記有機EL素子層上に設けられた下地層と、
 前記下地層上に設けられたハードコート層とを備えた有機EL表示装置であって、
 前記ハードコート層の単体でのマルテンス硬さと、前記ベース樹脂基板層、前記有機EL素子層及び前記下地層を含む積層体層を構成する各構成部材のマルテンス硬さの該各構成部材の応力分散係数による加重平均との差が79N/mm 以下であることを特徴とする有機EL表示装置。
[請求項2]
 前記ベース樹脂基板層の前記有機EL素子層と反対側には、応力調整層が設けられ、
 前記積層体層は、前記応力調整層を含んでいることを特徴とする請求項1に記載の有機EL表示装置。
[請求項3]
 前記ハードコート層の単体でのマルテンス硬さ、及び前記各構成部材のマルテンス硬さは、ナノインデンテーション法でビッカース圧子を3mN~6mNの荷重Fで押し込んだときの最大押し込み深さh(mm)により、F/(26.43h )で規定され、
 前記各構成部材の応力分散係数αは、前記ハードコート層の前記下地層と反対側の表面から当該構成部材の厚さ方向の中心位置までの距離をx(μm)とすると、
x≦300の場合、
α=-1.5×10 -7+8.6×10 -5-1.7×10 -2x+1.45の式で規定され、
x>300の場合、
α=0
の式で規定されることを特徴とする請求項1又は2に記載の有機EL表示装置。
[請求項4]
 前記下地層は、偏光板を備えていることを特徴とする請求項1~3の何れか1つに記載の有機EL表示装置。
[請求項5]
 前記下地層は、カラーフィルターを備えていることを特徴とする請求項1~3の何れか1つに記載の有機EL表示装置。
[請求項6]
 前記下地層は、前記ベース樹脂基板層に対向するように設けられた対向樹脂基板層と、該対向樹脂基板層に接着されたタッチパネルとを備えていることを特徴とする請求項5に記載の有機EL表示装置。
[請求項7]
 前記下地層は、前記ベース樹脂基板層に対向するように設けられた対向樹脂基板層と、該対向樹脂基板層及び前記ベース樹脂基板層の間に設けられたタッチパネルとを備えていることを特徴とする請求項5に記載の有機EL表示装置。
[請求項8]
 前記下地層は、前記ベース樹脂基板層に対向して前記カラーフィルターが設けられたタッチパネルを備えていることを特徴とする請求項5に記載の有機EL表示装置。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

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