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1. (WO2017138320) COMPRESSED AIR ENERGY STORAGE GENERATION DEVICE
Document

明 細 書

発明の名称 圧縮空気貯蔵発電装置

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004  

先行技術文献

特許文献

0005  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0006   0007  

課題を解決するための手段

0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017  

発明の効果

0018  

図面の簡単な説明

0019  

発明を実施するための形態

0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072  

符号の説明

0073  

請求の範囲

1   2   3   4   5  

図面

1   2   3  

明 細 書

発明の名称 : 圧縮空気貯蔵発電装置

技術分野

[0001]
 本発明は、圧縮空気貯蔵発電装置に関する。

背景技術

[0002]
 風力発電や太陽光発電などの再生可能エネルギーを利用した発電は、気象条件に依存するため、出力が変動し安定しないことがある。このような出力変動に対し、出力を平準化するシステムとして圧縮空気貯蔵(CAES:compressed air energy storage)システムが知られている。
[0003]
 このCAESシステムを利用した圧縮空気貯蔵(CAES)発電装置は、電力プラントのオフピーク時間中に電気エネルギーを圧縮空気として蓄圧タンクに蓄え、高電力需要時間中に圧縮空気により膨張機を駆動して発電機を動作させて電気エネルギーを生成して出力を平準化する。また、発電効率を向上させるために、圧縮熱を蓄熱媒体に回収し、蓄熱タンク等に貯蔵し、回収した圧縮熱を用いて膨張前の圧縮空気を加熱するシステムが知られている。これにより、圧縮時の動力増加を防止し、膨張時の回収動力を増加させると同時に、蓄圧タンク貯蔵時の熱放出を防止するものがある。
[0004]
 このようなCAES発電装置として、例えば特許文献1には、熱エネルギー貯蔵システムを利用したものが開示されている。

先行技術文献

特許文献

[0005]
特許文献1 : 特表2013-509530号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0006]
 空気圧縮機には潤滑油が混入したままで空気を圧縮する油冷式と呼ばれるものと、潤滑油を用いないタイプのオイルフリー式と呼ばれるものがある。特許文献1には圧縮機の種類についての記載がないものの、CAESシステムに用いられる圧縮機としては、圧縮空気の取り扱い易さの面からオイルフリー式が用いられることが多い。CAES発電装置において油冷式圧縮機ないし油冷式膨張機を用いた場合、装置のコストは安価であるが、運転に潤滑油を要するため、空気と油が混合される。油分離器を使用することで空気と油の分離は可能であるが完全ではない。特に圧縮機を油冷式とした場合、油冷式圧縮機から吐出される圧縮空気は油分を含んだ状態となる。そのため、長期間蓄圧タンクに油分を含んだ圧縮空気を貯蔵した場合など、想定外に油が蓄積し、意図しない箇所に油が供給され、装置が故障する危険がある。また、蓄圧タンク内の油分が圧縮空気に混入したまま膨張機に流れて系外に排出されるのは周囲環境への影響という観点からも好ましくない。
[0007]
 油冷式圧縮機を使用しつつ環境性に配慮した圧縮空気貯蔵発電装置を提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

[0008]
 本発明は、再生可能エネルギーを用いて発電した電力により駆動される電動機と、前記電動機により駆動される油冷式圧縮機と、前記油冷式圧縮機により圧縮された圧縮空気を蓄える蓄圧部と、前記蓄圧部から供給される圧縮空気によって駆動される膨張機と、
 前記膨張機により駆動される発電機と、前記蓄圧部から前記膨張機までを流体的に接続して圧縮空気を流通させ、並列に設けられた第1空気流路および第2空気流路を有する発電用の空気流路と、前記蓄圧部または前記発電用の空気流路内の圧縮空気中に含まれる油分を検出する第1油検出部と、前記第2空気流路中の圧縮空気から油分を分離する油分離器と、前記蓄圧部から前記膨張機に圧縮空気を供給する際、圧縮空気が前記第1空気流路を流れる状態または前記第2空気流路を流れる状態のいずれかに切り替える第1切替機構と、前記第1油検出部で基準以上の油濃度が検出されたとき、前記第1切替機構を動作させ、圧縮空気が前記第2空気流路を流れる状態に切り替え、前記油分離器により圧縮空気から油分を分離する制御装置とを備える圧縮空気貯蔵発電装置を提供する。
[0009]
 この構成によれば、第1油検出部により基準以上の油分を検出した場合、第1切替機構により圧縮空気が第2空気流路を流れる状態に切り替えて油分離器を通じて圧縮空気から油分を分離できるため、系外への油の漏出を防止できる。そのため、油冷式圧縮機を使用して装置のコストを低下しつつ、環境性に配慮したCAES発電装置を提供できる。また、第1油検出部により基準以上の油分を検出しない場合、第1切替機構により圧縮空気が第1空気流路を流れる状態に切り替えて油分離器を介することなく膨張機に圧縮空気を供給するため、油分離器での圧力損失を防止できる。
[0010]
 前記油冷式圧縮機から前記蓄圧部に供給される圧縮空気と熱媒とで熱交換する第1熱交換器と、前記第1熱交換器で熱交換された熱媒を蓄える蓄熱部と、前記蓄圧部から前記膨張機に供給される圧縮空気と前記蓄熱部から供給される熱媒とで熱交換する第2熱交換器とをさらに備えることが好ましい。
[0011]
 この構成によれば、油冷式圧縮機で発生する圧縮熱を回収し、膨張前の空気に戻すことで発電効率を向上できる。具体的には、蓄圧部に貯蔵する圧縮空気の温度が大気温度よりも高い場合、熱が大気へ放出されてエネルギー損失が生じる。本構成では、これを防止するために、蓄圧部に圧縮空気が供給される前に予め第1熱交換器で熱回収している。これにより、蓄圧部の圧縮空気の温度を大気温度程度まで低下させ、蓄圧部における熱放出を防止している。第1熱交換器で回収された熱は、蓄熱部に蓄えられ、膨張前に再び圧縮空気に戻される。従って膨張効率を向上させ、発電効率を向上させている。
[0012]
 前記油分離器は、前記第2空気流路において前記蓄圧部から前記第2熱交換器の間に設けられていることが好ましい。
[0013]
 油分離器を第2空気流路において第2熱交換器の上流に設けることで、第2熱交換器に供給される空気から油を分離できるため、油による第2熱交換器の汚染を防止できる。
[0014]
 前記第2熱交換器から前記膨張機までの前記発電用の空気流路に設けられた第2検出部と、前記第2熱交換器から前記膨張機までの前記発電用の空気流路から分岐した回収用空気流路と、前記第3空気流路が流体的に接続されたレシーバタンクと、圧縮空気が前記発電用の空気流路を流れる状態または前記第3空気流路を流れる状態のいずれかに切り替える第2切替機構とをさらに備え、前記制御装置は、前記第2油検出部で基準以上の熱媒が検出されたとき、前記第2切替機構を動作させ、前記第3空気流路を流れる状態に切り替え、前記レシーバタンクに圧縮空気および熱媒を供給することが好ましい。
[0015]
 油分離器により圧縮空気から油を十分に分離できなかった場合でも、第2油検出部で油分を検出できる。その場合、第2切替機構により回収用空気流路に切り替えることで、油分を含む圧縮空気をレシーバタンクに回収でき、熱媒の漏出を防止できる。
[0016]
 前記蓄圧部内の液面高さを検出する液面検出部をさらに備え、前記蓄圧部と前記レシーバタンクとは、第3切替機構を介して流体的に接続され、前記制御装置は、前記液面検出部で基準以上の値を検出したとき、前記第3切替機構を動作させ、前記蓄圧部と前記レシーバタンクを流通させることが好ましい。
[0017]
 蓄圧部内に油が溜まった場合、または、発電せずに蓄圧部内の油を回収する場合、第3切替機構を切り替えて蓄圧部とレシーバタンクとを流通させ、蓄圧部内に溜まった油をレシーバタンクに回収できる。

発明の効果

[0018]
 本発明によれば、第1油検出部により基準以上の油分を検出した場合、第1切替機構により圧縮空気が第2空気流路を流れる状態に切り替えて油分離器を通じて圧縮空気から油分を分離できるため、系外への油の漏出を防止できる。そのため、油冷式圧縮機を使用して装置のコストを低下しつつ、環境性に配慮したCAES発電装置を提供できる。

図面の簡単な説明

[0019]
[図1] 本発明の第1実施形態に係る圧縮空気貯蔵発電装置の概略構成図。
[図2] 図1のCAES発電装置の制御方法を示すフローチャート。
[図3] 本発明の第2実施形態に係る圧縮空気貯蔵発電装置の概略構成図。

発明を実施するための形態

[0020]
 以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
[0021]
(第1実施形態)
 圧縮空気貯蔵(CAES:compressed air energy storage)発電装置2は、再生可能エネルギーを利用する発電装置4の出力変動を平準化して電力系統6に電力供給するとともに、電力系統6における電力需要の変動に合わせた電力を供給する。
[0022]
 図1を参照して、CAES発電装置2の構成を説明する。本実施形態のCAES発電装置2は、空気流路(破線参照)8a,8b,9a~9fおよび熱媒流路(実線参照)10a~10cを有する。
[0023]
 まず、空気流路(破線参照)8a,8b,9a~9fについて説明する。
[0024]
 空気流路8a,8b,9a~9fにおいて、CAES発電装置2は、モータ(電動機)12、油冷式圧縮機(以降、単に圧縮機という場合がある)14、セパレータ(油分離器)16a~16c、蓄圧タンク(蓄圧部)18、膨張機20、発電機22、第1熱交換器24、および第2熱交換器26を備える。
[0025]
 再生可能エネルギーを利用する発電装置4はモータ12と電気的に接続されており(一点鎖線参照)、発電装置4により発電された電力はモータ12に供給される。以降、発電装置4からモータ12に供給される電力を入力電力という。この入力電力によりモータ12が駆動される。モータ12は、圧縮機14に機械的に接続されており、圧縮機14を駆動する。
[0026]
 圧縮機14は、油冷式であり、潤滑油の供給により冷却および潤滑される。圧縮機14は、モータ12によって駆動されると、吸気口14aより空気を吸気し、内部で圧縮して吐出口14bより圧縮空気を吐出する。圧縮機14の吐出口14bは、蓄電用の空気流路8aを通じて蓄圧タンク18と流体的に接続されており、吐出された圧縮空気は、蓄圧タンク18に圧送される。蓄電用の空気流路8aにはバルブ32aが設けられており、バルブ32aの開閉により圧縮機14から蓄圧タンク18への圧縮空気の供給を許容又は遮断できる。なお、圧縮機14の種類は油冷式であれば特に限定されず、例えば、スクリュ式、スクロール式、ターボ式、およびレシプロ式などであってもよい。
[0027]
 油冷式圧縮機14を使用すると、吐出口14bから油分を含む圧縮空気が吐出される。吐出された圧縮空気から油分を分離するため、蓄電用の空気流路8aにはセパレータ16aが介設されている。
[0028]
 ここで、本実施形態では、圧縮空気の冷却および加熱に使用される熱媒と、圧縮機14および膨張機20を潤滑する潤滑油とに対して、同種の流体を使用している。同種の流体としては、例えば油を使用できる。本実施形態では、以降熱媒および潤滑油の両方の記載を使用する場合があるが、両者は区別されない。
[0029]
 セパレータ16aは、空気流路8aおよび熱媒流路10aの両方に接続されている。セパレータ16aでは、蓄電用の空気流路8a内を流れる圧縮空気から油が分離され、分離された油は熱媒として後述の熱媒流路10aに供給される。
[0030]
 また、圧縮の際に生じる圧縮熱により圧縮空気は高温となる。高温となった圧縮空気を冷却するため、蓄電用の空気流路8aには冷却器として第1熱交換器24が介設されている。第1熱交換器24では、熱媒と圧縮空気の間の熱交換により圧縮空気を冷却している。
[0031]
 蓄圧タンク18は、圧縮空気を蓄えてエネルギーとして蓄積できる。蓄圧タンク18には、内部の圧縮空気に含まれる油分(油濃度)を検出する油分センサ(第1油検出部)28が設けられている。また、蓄圧タンク18には、内部の液面高さを検出する液面センサ(液面検出部)30が設けられている。上述のように蓄圧タンク18には、セパレータ16aにより油分が分離された状態で圧縮空気が供給されるが、セパレータ16aによる油分の分離は完全ではない場合がある。そのため、一部の油分は分離されず、蓄圧タンク18に流入する場合がある。従って、これらのセンサ28,30により蓄圧タンク18内の油分を検出している。蓄圧タンク18は、発電用の空気流路8bを通じて膨張機20と流体的に接続されており、蓄圧タンク18から送出された圧縮空気は膨張機20に供給される。なお、油分センサ28は、発電用の空気流路8bに設けられていてもよい。
[0032]
 発電用の空気流路8bは、並列に設けられた第1空気流路9aおよび第2空気流路9bと、これらが合流した空気流路9cを有する。第1空気流路9aは、蓄圧タンク18から合流点Jまで延びている。第1空気流路9aには、バルブ32bが設けられている。第2空気流路9bは、蓄圧タンク18から合流点Jまで延びている。第2空気流路9bには、バルブ32cと、セパレータ16bとが設けられている。本実施形態のバルブ32b,32cは、本発明の第1切替機構を構成し、圧縮空気が第1空気流路9aまたは第2空気流路9bのいずれを流れるかを切り替える。第1切替機構の切替制御については後述するが、通常時、圧縮空気は第1空気流路9a内を流れる。そのため、通常時、バルブ32bは開かれ、バルブ32cは閉じられている。空気流路9cは、合流点Jから膨張機20まで延びている。空気流路9cには、第2熱交換器26、油分センサ(第2油検出部)34、分岐点D、およびバルブ32dが設けられている。
[0033]
 発電用の空気流路8bに設けられている要素を順に説明する。バルブ32bは、開閉することで第1空気流路9aの流れを許容または遮断する。合流点Jでは、第1空気流路9aと第2空気流路9bが合流している。第2熱交換器26では、膨張機20に供給される圧縮空気が加熱されている。油分センサ34は、後述のようにセパレータ16bで十分に分離できず、発電用の空気流路8b内の圧縮空気中に含まれている油分を検出する。分岐点Dでは、発電用の空気流路8b(空気流路9c)から第3空気流路9dが分岐している。分岐点Dの下流において、発電用の空気流路8b(空気流路9c)および第3空気流路9dには、それぞれバルブ32d,32eが設けられている。本実施形態のバルブ32d,32eは、本発明の第2切替機構を構成し、圧縮空気が発電用の空気流路8b(空気流路9c)または第3空気流路9dのいずれを流れるかを切り替える。第2切替機構の切替制御については後述するが、通常時、圧縮空気は第3空気流路9d内を流れない。そのため、通常時、バルブ32dは開かれ、バルブ32eは閉じられている。
[0034]
 第3空気流路9dは、レシーバタンク36に流体的に接続されている。また、レシーバタンク36は、空気流路9eを通じて蓄圧タンク18と流体的に直接接続されており、蓄圧タンク18から油を直接供給することもできる。そのため、レシーバタンク36は、熱媒および油を含む圧縮空気を貯蔵する。本実施形態では、上述のように熱媒と油は同種のものを使用しているため、これらは区別されない。また、空気流路9eには、バルブ32fが設けられており、バルブ32fの開閉により、蓄圧タンク18からレシーバタンク36への油の供給を許容または遮断できる。本実施形態のバルブ32fは、本発明の第3切替機構を構成する。また、レシーバタンク36からは空気流路9fが延びており、空気流路9fにはセパレータ16cおよびバルブ32gが設けられている。従って、セパレータ16cによって油分を分離し、バルブ32gを開くことで必要時に放気できる。
[0035]
 また、バルブ32cは、開閉することで第2空気流路9bの流れを許容または遮断する。セパレータ16bは、第2空気流路9bを流れる圧縮空気から油分を分離する。第2空気流路9bは、合流点Jで第1空気流路9aに合流している。
[0036]
 このように、圧縮空気は、第1空気流路9aと第2空気流路9bと空気流路9cとを含む発電用の空気流路8bを流れ、膨張機20に供給される。
[0037]
 膨張機20は、油冷式であり、潤滑油を供給されて冷却および潤滑される。膨張機20は、発電機22と機械的に接続されており、給気口20aから圧縮空気を給気された膨張機20は、給気された圧縮空気により作動し、発電機22を駆動する。膨張された空気は、排気口20bより排気される。膨張機20の種類は、例えば、スクリュ式、スクロール式、ターボ式、およびレシプロ式などであってもよい。さらに言えば、膨張機20は油冷式に限定されず、オイルフリー式であってもよい。
[0038]
 発電機22は電力系統6に電気的に接続されており(一点鎖線参照)、発電機22で発電した電力は電力系統6に供給される。
[0039]
 次に、熱媒流路10a~10c(実線参照)について説明する。
[0040]
 熱媒流路10a~10cには、第1熱交換器24、高温蓄熱タンク(蓄熱部)38、第2熱交換器26、および低温蓄熱タンク40が順に設けられている。熱媒はこれらの間で循環して流動している。
[0041]
 第1熱交換器24では、蓄電用の空気流路8a内の圧縮空気と、低温蓄熱タンク40から高温蓄熱タンク38に延びる熱媒流路10a内の熱媒とで熱交換している。具体的には、蓄電用の空気流路8a内を流れる圧縮空気は、圧縮機14での圧縮の際に生じる圧縮熱により高温となっており、熱交換により、圧縮空気を冷却している。即ち、第1熱交換器24では圧縮空気の温度は低下し、熱媒の温度は上昇する。第1熱交換器24は熱媒流路10aを通じて高温蓄熱タンク38と流体的に接続されており、温度上昇した熱媒は高温蓄熱タンク38に供給され蓄えられる。
[0042]
 高温蓄熱タンク38は、第1熱交換器24から供給された高温の熱媒を保温して蓄える。そのため、高温蓄熱タンク38は断熱されていることが好ましい。高温蓄熱タンク38は、熱媒流路10bを通じて第2熱交換器26に流体的に接続されており、高温蓄熱タンク38で蓄えられた熱媒は第2熱交換器26に供給される。
[0043]
 第2熱交換器26では、発電用の空気流路8b(空気流路9c)内の圧縮空気と、高温蓄熱タンク38から低温蓄熱タンク40に延びる熱媒流路10b内の熱媒とで熱交換している。具体的には、高温蓄熱タンク38内の高温の熱媒を利用して膨張機20による膨張の前に圧縮空気の温度を上昇させて膨張効率を向上させている。即ち、第2熱交換器26では、圧縮空気の温度は上昇し、熱媒の温度は低下する。第2熱交換器26は熱媒流路10bを通じて低温蓄熱タンク40に流体的に接続されており、温度低下した熱媒は低温蓄熱タンク40に供給され蓄えられる。
[0044]
 低温蓄熱タンク40は、第2熱交換器26から供給された低温の熱媒を蓄える。低温蓄熱タンク40は熱媒流路10b,10cを通じて第1熱交換器24または圧縮機14にそれぞれ流体的に接続されており、低温蓄熱タンク40で蓄えられた熱媒は熱媒流路10b,10cを通じて第1熱交換器24または圧縮機14にそれぞれ供給される。
[0045]
 本実施形態では、上述のように熱媒および潤滑油として同種のものを使用しているため、圧縮機14に供給された熱媒は潤滑油として潤滑および冷却のためにも使用される。圧縮機14は、熱媒流路10cを通じて高温蓄熱タンク38と流体的に接続されており、圧縮機14で潤滑油として使用され、温度上昇した熱媒は熱媒流路10cを通じて高温蓄熱タンク38に供給される。
[0046]
 このように熱媒流路10a~10cでは、熱媒が循環している。熱媒の循環は、熱媒流路10bに介設されたポンプ42によりなされている。本実施形態では、ポンプ42は低温蓄熱タンク40の下流に設けられているが、その位置は特に限定されない。
[0047]
 熱媒流路10a~10cにおける構成によれば、圧縮機14で発生する圧縮熱を回収し、膨張前の空気に戻すことで発電効率を向上できる。具体的には、蓄圧タンク18に貯蔵する圧縮空気の温度が大気温度よりも高い場合、熱が大気へ放出されてエネルギー損失が生じる。本構成では、これを防止するために、蓄圧タンク18に圧縮空気が供給される前に予め第1熱交換器24で熱回収している。これにより、蓄圧タンク18の圧縮空気の温度を大気温度程度まで低下させ、蓄圧タンク18における熱放出を防止している。第1熱交換器24で回収された熱は、高温蓄熱タンク38に蓄えられ、膨張前に再び圧縮空気に戻される。従って、膨張効率が向上し、発電効率を向上させている。
[0048]
 また、CAES発電装置2は、制御装置44を備える。制御装置44は、シーケンサ等を含むハードウェアと、それに実装されたソフトウェアにより構築されている。制御装置44は、入力電力及び電力系統6からの電力需要の値を監視している。制御装置44は、これらの監視値に基づいてCAES発電装置2を運転し、入力電力を平準化して電力系統6に電力を供給する。また、本実施形態の制御装置44は、特に油分センサ28、液面センサ30、および油分センサ34の検出値を受け、後述のように第1切替機構32b,32c、第2切替機構32d,32e、および第3切替機構32fを制御する。
[0049]
 図2を参照して、本実施形態のCAES発電装置2の制御方法について説明する。
[0050]
 制御装置44は、制御を開始すると(ステップS2-1)、油分センサ28(図1参照)により測定された蓄圧タンク18内の油濃度O1が基準値Oth未満であるか否かを判断する(ステップS2-2)。油濃度O1が基準値Oth未満でない場合、液面センサ30により測定された蓄圧タンク18内の液面レベルL1が基準値Lth未満であるかを判断する(ステップS2-3)。
[0051]
 液面レベルL1が基準値Lth未満でない場合、第3切替機構32fを切り替え、即ちバルブ32fを開いて蓄圧タンク18からレシーバタンク36に油を回収する(ステップS2-4)。油を回収後、ステップS2-3の処理に戻る(ステップS2-5)。
[0052]
 ステップS2-3において、液面レベルL1が基準値Lth未満である場合、第1切替機構32b,32cを切り替え、即ちバルブ32bを閉じ、バルブ32cを開く。これにより、蓄圧タンク18内の圧縮空気は、第2空気流路9b内を流れ、セパレータ16bにより油分を分離される(ステップS2-6)。
[0053]
 ステップS2-2の処理において、油分O1が基準値Oth1未満である場合およびステップS2-6の処理後、油分センサ34により測定された発電用の空気流路8b内を流れる圧縮空気中の油濃度O2が基準Oth2未満であるか否かを判断する(ステップS2-7)。なお、油分O1が基準値Oth1未満である場合は、ミスト状の油分が存在しないことから油液も存在せず、蓄圧タンク18内に油液は溜まっていない。従って、ステップS2-3の処理のように液面センサ30で検知する必要はない。
[0054]
 圧縮空気中の油濃度O2が基準Oth2未満でない場合、第2切替機構32d,32eを切り替え、即ちバルブ32dを閉じ、バルブ32eを開く。これにより、第2熱交換器26から流出した熱媒を含む圧縮空気は、第3空気流路9d内を流れ、レシーバタンク36に熱媒を回収する(ステップS2-8)。
[0055]
 圧縮空気中の油濃度O2が基準Oth2未満である場合、圧縮空気は膨張機20に供給され、膨張機20は駆動され、発電機22は駆動される(ステップS2-9)。これらの処理を完了後、制御を終了する(ステップS2-10)。
[0056]
 この構成によれば、油分センサ28により基準以上の油分を検出した場合、第1切替機構32b,32cにより圧縮空気が第2空気流路9bを流れる状態に切り替えてセパレータ16bを通じて圧縮空気から油分を分離できるため、系外への油の漏出を防止できる。そのため、圧縮機14を油冷式として装置のコストを低下しつつ、環境性に配慮したCAES発電装置2を提供できる。また、油分センサ28により基準以上の油分を検出しない場合、第1切替機構32b,32cにより圧縮空気が第1空気流路9aを流れる状態に切り替えてセパレータ16bを介することなく膨張機20に圧縮空気を供給するため、セパレータ16bでの圧力損失を防止できる。
[0057]
 第2空気流路9bにおいてセパレータ16bを第2熱交換器26の上流に設けることで、第2熱交換器26に供給される空気から油を分離できるため、油による第2熱交換器26の汚染を防止できる。
[0058]
 セパレータ16bにより膨張前の圧縮空気から油を十分に分離できなかった場合でも、油分センサ34で油分を検出できる。検出した場合、第2切替機構32d,32eにより第3空気流路9dに切り替えることで、油分を含む圧縮空気をレシーバタンク36に回収でき、油分の漏出を防止できる。
[0059]
 蓄圧タンク18内に油が溜まった場合、または、発電せずに蓄圧タンク18内の油を回収する場合、第3切替機構32fを切り替えて蓄圧タンク18とレシーバタンク36とを流通させ、蓄圧タンク18内に溜まった油をレシーバタンク36に回収できる。
[0060]
(第2実施形態)
 図3に示す第2実施形態のCAES発電装置2では、潤滑油と熱媒の種類が異なっていることに関する点を除いて図1の第1実施形態と実質的に同様である。従って、図1に示した構成と同様の部分については説明を省略する。
[0061]
 本実施形態のCAES発電装置2は、空気流路8a,8b,9a~9f(破線参照)、熱媒流路11a,11b(実線参照)、および潤滑油流路46a,46b(二点鎖線参照)を有する。
[0062]
 まず、空気流路(破線参照)8a,8b,9a~9fについて説明する。
[0063]
 本実施形態のCAES発電装置2は、第1空気流路9aに2つの第2熱交換器27a,27bが設けられている。従って、2つの第2熱交換器27a,27bにおいて、第1空気流路9a内の圧縮空気は、2段階で加熱される。
[0064]
 次に、熱媒流路11a,11b(実線参照)および潤滑油流路46a,46b(二点鎖線参照)について合わせて説明する。
[0065]
 本実施形態のCAES発電装置2の構成において、第1実施形態と異なり潤滑油と熱媒の種類が異なっているため、熱媒流路11a,11bおよび潤滑油流路46a,46bは別々に設けられている。換言すると、熱媒流路11a,11bおよび潤滑油流路46a,46bは交わることはなく、潤滑油と熱媒は混合されない。
[0066]
 本実施形態のCAES発電装置2は、2つの高温蓄熱タンク(蓄熱部)39a,39bおよび2つの低温蓄熱タンク41a,41bを備える。具体的には、2つの高温蓄熱タンク39a,39bのうち、1つは高温の潤滑油を貯蔵する潤滑油高温タンク39aであり、もう1つは高温の熱媒を貯蔵する熱媒高温タンク39bである。2つの低温蓄熱タンク41a,41bのうち、1つは低温の潤滑油を貯蔵する潤滑油低温タンク41aであり、もう1つは低温の熱媒を貯蔵する熱媒低温タンク41bである。
[0067]
 熱媒流路11a,11bでは、第1熱交換器24、熱媒高温タンク39a、第2熱交換器27b、および熱媒低温タンク41aが流体的に接続され、これらの間を熱媒が流れている。熱媒の種類は特に限定されておらず、例えばグリコール系の熱媒を使用してもよい。
[0068]
 潤滑油流路46a,46bでは、圧縮機14、潤滑油高温タンク39b、第2熱交換器27a、および潤滑油低温タンク41bが流体的に接続され、これらの間を潤滑油が流れている。潤滑油の種類は、特に限定されず、例えば鉱物油を使用してもよい。
[0069]
 発電用の空気流路8bにおいて、2つの第2熱交換器27a,27bの配置については、潤滑油用の第2熱交換器27aが上流に設置され、熱媒用の第2熱交換器27bが下流に設置されている。第2熱交換器27a,27bにおいて潤滑油と熱媒を冷却しているが、潤滑油は圧縮機14の機能に影響を及ぼすため、潤滑油を優先的に冷却することが好ましい。従って、潤滑油用の第2熱交換器27aを上流に配置し、熱媒用の第2熱交換器27bを下流に配置している。
[0070]
 本実施形態では、熱媒流路11a,11bと、潤滑油流路46a,46bとに対して、それぞれポンプ43a,43bが設けられている。従って、熱媒および潤滑油は、ポンプ43a,43bによってそれぞれの流路内を循環されている。
[0071]
 本実施形態のCAES発電装置2の制御方法は、図2に示す第1実施形態の制御方法と同様である。
[0072]
 ここで記載した各実施形態において、再生可能エネルギーによる発電の対象は、例えば、風力、太陽光、太陽熱、波力又は潮力、流水又は潮汐、及び地熱等、自然の力で定常的(もしくは反復的)に補充されるエネルギーを利用したもの全てを対象とすることが可能である。

符号の説明

[0073]
  2 圧縮空気貯蔵発電装置(CAES発電装置)
  4 再生可能エネルギーを利用する発電装置
  6 電力系統
  8a,8b,9c,9e,9f 空気流路
  8c 第3空気流路(空気流路)
  9a 第1空気流路
  9b 第2空気流路
  9d 第3空気流路
  10a,10b,10c,11a,11b 熱媒流路
  12 モータ(電動機)
  14 油冷式圧縮機(圧縮機)
  14a 吸気口
  14b 吐出口
  16a,16b,16c セパレータ(油分離器)
  18 蓄圧タンク(蓄圧部)
  20 膨張機
  20a 給気口
  20b 排気口
  22 発電機
  24 第1熱交換器
  26,27a,27b 第2熱交換器
  28 油分センサ(第1油検出部)
  30 液面センサ
  32a,32g バルブ
  32b,32c バルブ(第1切替機構)
  32d,32e バルブ(第2切替機構)
  32f バルブ(第3切替機構)
  34 油分センサ(第2油検出部)
  36 レシーバタンク
  38 高温蓄熱タンク(蓄熱部)
  39a 高温熱媒タンク(高温蓄熱タンク)(蓄熱部)
  39b 高温潤滑油タンク(高温蓄熱タンク)(蓄熱部)
  40 低温蓄熱タンク
  41a 低温熱媒タンク(低温熱媒タンク)
  41b 低温潤滑油タンク(低温熱媒タンク)
  42,43a,43b ポンプ
  44 制御装置
  46a,46b 潤滑油流路

請求の範囲

[請求項1]
 再生可能エネルギーを用いて発電した電力により駆動される電動機と、
 前記電動機により駆動される油冷式圧縮機と、
 前記油冷式圧縮機により圧縮された圧縮空気を蓄える蓄圧部と、
 前記蓄圧部から供給される圧縮空気によって駆動される膨張機と、
 前記膨張機により駆動される発電機と、
 前記蓄圧部から前記膨張機までを流体的に接続して圧縮空気を流通させ、並列に設けられた第1空気流路および第2空気流路を有する発電用の空気流路と、
 前記蓄圧部または前記発電用の空気流路内の圧縮空気中に含まれる油分を検出する第1油検出部と、
 前記第2空気流路中の圧縮空気から油分を分離する油分離器と、
 前記蓄圧部から前記膨張機に圧縮空気を供給する際、圧縮空気が前記第1空気流路を流れる状態または前記第2空気流路を流れる状態のいずれかに切り替える第1切替機構と、
 前記第1油検出部で基準以上の油濃度が検出されたとき、前記第1切替機構を動作させ、圧縮空気が前記第2空気流路を流れる状態に切り替え、前記油分離器により圧縮空気から油分を分離する制御装置と
 を備える、圧縮空気貯蔵発電装置。
[請求項2]
 前記油冷式圧縮機から前記蓄圧部に供給される圧縮空気と熱媒とで熱交換する第1熱交換器と、
 前記第1熱交換器で熱交換された熱媒を蓄える蓄熱部と、
 前記蓄圧部から前記膨張機に供給される圧縮空気と前記蓄熱部から供給される熱媒とで熱交換する第2熱交換器と
 をさらに備える、請求項1に記載の圧縮空気貯蔵発電装置。
[請求項3]
 前記油分離器は、前記第2空気流路において前記蓄圧部から前記第2熱交換器の間に設けられている、請求項2に記載の圧縮空気貯蔵発電装置。
[請求項4]
 前記第2熱交換器から前記膨張機までの前記発電用の空気流路に設けられた第2油検出部と、
 前記第2熱交換器から前記膨張機までの前記発電用の空気流路から分岐した第3空気流路と、
 前記第3空気流路が流体的に接続されたレシーバタンクと、
 圧縮空気が前記発電用の空気流路を流れる状態または前記第3空気流路を流れる状態のいずれかに切り替える第2切替機構と
 をさらに備え、
 前記制御装置は、前記第2油検出部で基準以上の熱媒が検出されたとき、前記第2切替機構を動作させ、前記第3空気流路を流れる状態に切り替え、前記レシーバタンクに圧縮空気および熱媒を供給する、請求項2または請求項3に記載の圧縮空気貯蔵発電装置。
[請求項5]
 前記蓄圧部内の液面高さを検出する液面検出部をさらに備え、
 前記蓄圧部と前記レシーバタンクとは、第3切替機構を介して流体的に接続され、
 前記制御装置は、前記液面検出部で基準以上の値を検出したとき、前記第3切替機構を動作させ、前記蓄圧部と前記レシーバタンクを流通させる、請求項4に記載の圧縮空気貯蔵発電装置。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]