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1. (WO2017135268) VEHICLE CIRCUIT BODY AND VEHICLE CIRCUIT ROUTING SYSTEM
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明 細 書

発明の名称 車両用回路体および車両用回路配索システム

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004  

先行技術文献

特許文献

0005  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0006   0007   0008   0009   0010  

課題を解決するための手段

0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023  

発明の効果

0024  

図面の簡単な説明

0025  

発明を実施するための形態

0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082  

産業上の利用可能性

0083  

符号の説明

0084  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12  

明 細 書

発明の名称 : 車両用回路体および車両用回路配索システム

技術分野

[0001]
 本発明は、車両に配索される車両用回路体および車両用回路配索システムに関する。

背景技術

[0002]
 車両上においては、主電源であるオルタネータ(発電機)やバッテリーから膨大な数の様々な電装品のそれぞれに対して電源電力を適切に供給する必要がある。また、このような電源電力の供給に用いるシステムにおいては、必要に応じて電力供給のオンオフを切り替える機能や、電装品に過大な電流が流れた場合に系統毎に電流を遮断するための機能も搭載する必要がある。
[0003]
 一般的な車両においては、多数の電線の集合体であるワイヤハーネスを車両上に配索し、このワイヤハーネスを介して、主電源と各部の電装品との間を接続し電力の供給を行っている。また、電源電力を複数系統に分配するためにジャンクションブロックを用いたり、電力供給のオンオフを系統毎に制御するためにリレーボックスを用いたり、ワイヤハーネスの各電線や負荷を保護するためにヒューズボックスを用いることが一般的である。
[0004]
 特許文献1に示されているワイヤハーネスは、ネットワーク伝送路と、電源やGND、その他の信号を供給するための回路とを備えている。また、このワイヤハーネスは、ワイヤハーネス幹線と、サブワイヤハーネスと、オプションサブワイヤハーネスと、ネットワークハブ装置とを備えている。

先行技術文献

特許文献

[0005]
特許文献1 : 日本国特開2005-78962号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0006]
 近年、車両に搭載される電装品の増加に伴い、車体上に配索されるワイヤハーネスの構造が複雑化する傾向にある。したがって、例えば特許文献1のようにワイヤハーネス幹線と、サブワイヤハーネスと、オプションサブワイヤハーネスとを組み合わせ、全体として複雑な形状のワイヤハーネスを構成し、車体上の様々な箇所に配置される様々な電装品との接続を可能にしている。
[0007]
 また、車両に搭載される電装品の増加に伴い、ワイヤハーネスを構成する各電線の径が太くなったり、電線本数が増えることになるため、ワイヤハーネス全体が大型化したり、重量が増大する傾向にある。また、ワイヤハーネスを搭載する車種の違いや車両に搭載するオプション電装品の種類の増加に伴って、製造すべきワイヤハーネスの種類および品番が増えるため、ワイヤハーネスを構成する部品の共通化が難しく、部品コストや製造コストが増大してしまう。
[0008]
 また、ワイヤハーネスを制作する作業工程においては、所定の配索形状に仕上げるために、ワイヤハーネスを構成する多数の電線の束を事前に指定された経路に沿うように長い距離に亘り引き回すことになり、作業時間が長くかかる。また、ワイヤハーネスの幹線部分では、ほぼすべての電線が集まるため、束ねられる電線本数が多くなり、重くなる。
[0009]
 また、例えば当初の設計時に想定していなかった新たな電装品を車両に搭載する場合には、当該電装品と他の電装品との間で特別な信号を伝送する経路を確保したり、電源電力を供給するために、新たな電線をワイヤハーネスに追加しなければならない。しかし、ワイヤハーネスは構造や形状が複雑であり、既存のワイヤハーネスに対して後から別の電線を追加することは非常に難しい。したがって、種類や品番が異なる新たなワイヤハーネスを設計し、別の製品として作り直す必要がある。
[0010]
 本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、様々な電装品と車両上の電源との間および電装品同士の電気接続のための構造、特に幹線部分の構成を簡素化し、新たな電線の追加も容易な車両用回路体および車両用回路配索システムを提供することにある。

課題を解決するための手段

[0011]
 前述した目的を達成するために、本発明に係る車両用回路体および車両用回路配索システムは、下記(1)~(6)を特徴としている。
[0012]
(1) 車両に設置される車両用回路体であって、
 前記車両上の主電源と接続される電源回路と、
 電源ラインを有する複数の分岐線それぞれが接続される複数の接続部と、
 前記電源回路から複数の前記分岐線への電力の分配を制御する制御部と、
 を備えること。
[0013]
(2) 前記分岐線が通信ラインを含み、
 前記接続部に接続された前記分岐線の各々の通信ラインを通信可能な状態で互いに接続する通信回路、をさらに備える、
 上記(1)に記載の車両用回路体。
[0014]
(3) 前記電源回路から複数の前記分岐線への電力の供給それぞれを遮断可能な複数のヒューズを備える、
 上記(1)に記載の車両用回路体。
[0015]
(4) 前記主電源と接続された帯状の幹線を前記電源回路と接続するための幹線接続部を備える、
 上記(1)に記載の車両用回路体。
[0016]
(5) 所定のアース端子を接続するための複数の突起部が前記複数の接続部の並び方向に沿って一定の間隔で形成されたアース用バスバーを備える、
 上記(1)に記載の車両用回路体。
[0017]
(6) 上記(1)乃至(5)のいずれかの車両用回路体を複数備え、
 前記複数の車両用回路体の間を、共通の幹線を介して互いに接続した、
 車両用回路配索システム。
[0018]
 上記(1)の構成の車両用回路体によれば、様々な電装品(車両の補機)を分岐線を経由して接続部と接続できるので、車両上の主電源から各電装品に電源電力を供給できる。また、この車両用回路体が複数の接続部を備えているので、各分岐線の接続位置や接続本数を必要に応じて変更できる。
[0019]
 上記(2)の構成の車両用回路体によれば、接続する各電装品の電源電力供給経路だけでなく、通信経路も確保できるので、様々な種類の電装品を分岐線を経由して接続できる。
[0020]
 上記(3)の構成の車両用回路体によれば、過電流に対して分岐線への電力の供給を遮断するための複数のヒューズを一箇所に集中的に配置できるので、ヒューズの管理やメンテナンスが容易になる。また、分岐線や各電装品にヒューズを接続する必要がないので、ワイヤハーネス全体の構造を簡素化できる。
[0021]
 上記(4)の構成の車両用回路体によれば、帯状の幹線を経由して主電源と接続し、電源電力の入力経路を確保できる。帯状の幹線を利用する場合には、幹線の断面積が大きい場合であっても厚み方向の折り曲げが容易であり、車両上の所望の配索経路に沿って幹線を配索する作業が容易になる。
[0022]
 上記(5)の構成の車両用回路体によれば、分岐線を接続部と接続する際に、該当する接続部の近傍に存在する複数の突起部のいずれかにアース端子を接続することができる。複数の突起部の形状や寸法を共通化することにより、接続先の突起部を選択する際の自由度が高まる。
[0023]
 上記(6)の構成の車両用回路配索システムによれば、共通の幹線の複数部位のそれぞれに接続した車両用回路体を用いて、様々な箇所に配置された電装品を比較的短い長さの分岐線で接続することが可能になる。システム全体の配索形状を変更することも容易になる。

発明の効果

[0024]
 本発明の車両用回路体および車両用回路配索システムによれば、様々な電装品と車両上の電源との間および電装品同士の電気接続のための構造、特に幹線部分の構成を簡素化することができ、新たな電線の追加も容易である。

図面の簡単な説明

[0025]
[図1] 図1は、本発明の実施形態における車両用回路配索システムの車体上のレイアウトを示す斜視図である。
[図2] 図2は、図1と同じ車両用回路配索システムの車体上のレイアウトを示す平面図である。
[図3] 図3は、本発明の実施形態における車両用回路配索システムに含まれる1つのバックボーンJB構造体の外観を示す斜視図である。
[図4] 図4は、図3のバックボーンJB構造体からアッパーカバーを取り去った状態を示す斜視図である。
[図5] 図5は、図3に示したバックボーンJB構造体の幹線接続部の近傍を示す斜視図である。
[図6] 図6は、図5のバックボーンJB構造体からアッパーカバーを取り去った状態を示す斜視図である。
[図7] 図7は、1つのバックボーンJB構造体を含む車載システムの基本的な結線状態を示す結線図である。
[図8] 図8は、1つのバックボーンJB構造体の内部構成と外部の回路との接続状態の例を示すブロック図である。
[図9] 図9は、変形例のバックボーンJB構造体の外観を示す斜視図である。
[図10] 図10は、図9に示したバックボーンJB構造体からアッパーカバーを取り去った状態を示す斜視図である。
[図11] 図11は、図10のバックボーンJB構造体の一部分を示す拡大図である。
[図12] 図12は、バックボーンJB構造体の切替回路の構成例を示すブロック図である。

発明を実施するための形態

[0026]
 本発明に関する具体的な実施形態について、各図を参照しながら以下に説明する。
 まず、車両用回路配索システムの概要を説明する。
 本発明の実施形態における車両用回路配索システムの車体上のレイアウトを図1および図2に示す。
[0027]
 この車両用回路配索システムは、車載バッテリーなどの主電源の電力を車体各部の補機、すなわち様々な電装品に対してそれぞれ供給したり、電装品同士の間で信号のやり取りを行うために必要な伝送線路として利用されるものである。つまり、機能的には一般的なワイヤハーネスと同様であるが、構造が一般的なワイヤハーネスとは大きく異なる。
[0028]
 図1および図2に示した車両用回路配索システムは、互いに異なる箇所に設置された複数のバックボーンJB(Junction Block)構造体21~25と、これらの間を接続するバックボーン幹線部30とを備えている。車体各部に設置される各電装品は、それぞれバックボーンJB構造体21~25のいずれかに接続される分岐線サブハーネス(詳細は後述する)を介してこのシステムに接続される。つまり、車体上において、背骨(バックボーン)と似た構造で、様々な伝送線路の配索が行われる。
[0029]
 本実施形態では、バックボーン幹線部30は、フロント配索部31、前後方向配索部32、および立ち上がり配索部33を備えている。フロント配索部31は、車体10の前側にあるエンジンルーム11内で左右方向に延びるように配置されている。前後方向配索部32は、車体10のフロア上に配置され、エンジンルーム11からラゲージ部14まで前後方向に向かって延びるように配置されている。前後方向配索部32の前方の端部はフロント配索部31と接続されている。立ち上がり配索部33は、車体10のインパネ部12に配置され、前後方向配索部32から上方向に延び、上端がインストルメントパネル付近に配置されている。立ち上がり配索部33の下端は前後方向配索部32と接続されている。
[0030]
 バックボーン幹線部30に含まれるフロント配索部31、前後方向配索部32、および立ち上がり配索部33のそれぞれは、細長い帯状に形成されている。具体的には、導電性が良好な薄板状の金属(アルミニウム、銅など)により構成された電源用バスバーと、アース用バスバーとを絶縁体を間に挟んで厚み方向に重ね合わせて形成してある。また、通信用のケーブルもバックボーン幹線部30に含まれている。この場合、電源用バスバーと、アース用バスバーと、通信用ケーブルとを3層構造とすることにより、バックボーン幹線部30をより一層薄型で簡素な構成にできる。
[0031]
 バックボーン幹線部30を帯状の金属で形成することにより、断面積が大きい場合であっても厚み方向の折り曲げ加工が容易になり、車体10の各部の表面形状に合わせて配索することが容易になる。また、表面積が大きくなり、放熱の点でも有利になる。したがって、大電流の通過を許容可能になる。
[0032]
 図1および図2に示した例では、バックボーンJB構造体21は、エンジンルーム11の右側に配置されており、フロント配索部31の右端31Rと接続されている。バックボーンJB構造体22は、エンジンルーム11の左側に配置されており、フロント配索部31の左端31Lと接続されている。
[0033]
 また、バックボーンJB構造体23は車体10のインストルメントパネル内に配置されており、立ち上がり配索部33の上端と接続されている。また、バックボーンJB構造体24は車体10の車室内のフロア部13中央付近に配置され、バックボーンJB構造体25は車体10のラゲージ部14の中央付近に配置されている。そして、バックボーンJB構造体24および25は、いずれもバックボーン幹線部30と接続されている。
[0034]
 次に、バックボーンJB構造体の構成について説明する。
 図1および図2に示した車両用回路配索システムに含まれるバックボーンJB構造体23の外観を図3に示す。また、図3のバックボーンJB構造体23からアッパーカバー41を取り去った状態を図4に示す。また、図3に示したバックボーンJB構造体23の幹線接続部49の近傍を図5に示し、図5のバックボーンJB構造体23からアッパーカバー41を取り去った状態を図6に示す。
[0035]
 なお、図1および図2に示したバックボーンJB構造体21、22、24、および25の各々についても、基本的な構造は図3~図6のバックボーンJB構造体23と同様であり、部品数、取り付け位置、形状、寸法などの仕様にそれぞれ多少の違いがある。
[0036]
 図3に示したように、バックボーンJB構造体23のケースは、左右方向に細長い箱状の形状を有しており、上側のアッパーカバー41と下側のロアカバー42とを嵌め合わせて一体化することにより形成される。アッパーカバー41およびロアカバー42は、例えば電気的に絶縁体である硬質の樹脂により形成される。
[0037]
 このケースの手前側(車体の後方向)は、図4に示した多数の分岐線サブハーネス51(1)~51(10)や、通信用サブハーネス52の接続ができるように開口している。そして、この開口部に面する箇所に、多数の分岐線接続用コネクタ46(1)~46(5)、および47(1)~47(5)が配置されている。
[0038]
 図4に示すように、ロアカバー42の内部には、2つのプリント基板43および44が、長手方向に隣接する状態で並べて配置してある。プリント基板43および44のそれぞれは、ロアカバー42の下面から所定のスペーサーにより少し浮かせた状態で、下面と平行な向きに配置してあり、数カ所のねじによりロアカバー42に固定されている。
[0039]
 プリント基板43および44の各々は、両面基板であり、上下それぞれの面に銅箔で所定の回路パターンが形成されている。上側の面の回路パターンは主に電源ラインの接続用に利用され、下側の面の回路パターンは主としてアースラインの接続用に利用される。図4に示した例では、プリント基板43の回路とプリント基板44の回路とがバスバー45を介して互いに連結されている。なお、2つのプリント基板43、44をまとめて1つのプリント基板で置き換えてもよい。
[0040]
 図4に示すように、プリント基板43上には、5個の分岐線接続用コネクタ46(1)~46(5)が長手方向に向かって1列に並べて配置してある。また、制御ユニット48がプリント基板43上に配置してある。また、プリント基板44上にも、5個の分岐線接続用コネクタ47(1)~47(5)が長手方向に向かって1列に並べて配置してある。
[0041]
 プリント基板43上の分岐線接続用コネクタ46(1)~46(5)、およびプリント基板44上の分岐線接続用コネクタ47(1)~47(5)の各々は、図4に示したように接続可能な分岐線サブハーネス51(1)~51(10)の端部のコネクタを着脱自在に接続することができる。
[0042]
 車両に搭載される様々な補機、すなわち電装品は、例えば分岐線サブハーネス51(1)~51(10)のいずれかを介してバックボーンJB構造体23と接続することができる。分岐線サブハーネス51(1)~51(10)の各々は、複数の電線により構成されており、これらの電線には電源線、アース線、および通信線が含まれている。
[0043]
 プリント基板43上の制御ユニット48は、それ自身に予め組み込まれたプログラムに従って動作するマイクロコンピュータを内蔵している。このマイクロコンピュータは、それ自身の制御アルゴリズムに従って、または車両に搭載された上位の電子制御ユニット(ECU)からの指示に従って、各分岐線接続用コネクタ46(1)~46(5)、および47(1)~47(5)のそれぞれに供給する電力の分配を制御する。また、制御ユニット48は上位の電子制御ユニットとの間で通信するためのデータ通信機能を搭載しており、通信用サブハーネス52を介して通信を行うことができる。
[0044]
 一方、図4~図6に示すように、バックボーンJB構造体23の背面側(車体の前方向にある面)には幹線接続部49が備わっている。すなわち、アッパーカバー41に形成された開口部41aを通して、バックボーン幹線部30の立ち上がり配索部33、および通信用サブハーネス34をプリント基板43と接続することができる。
[0045]
 図5および図6に示すように、立ち上がり配索部33は、厚み方向に積層された電源用バスバー33aおよびアース用バスバー33bを備えている。この立ち上がり配索部33は、下方から上方に向かって立ち上がり、バックボーンJB構造体23の幹線接続部49の箇所で厚み方向にほぼ90度折り曲げられて先端部が水平方向を向き、この先端部がプリント基板43と接続されている。
[0046]
 より具体的には、先端部で上側の電源用バスバー33aと下側のアース用バスバー33bとが分離され、電源用バスバー33aの先端はプリント基板43の上面側にある電源の回路パターンに上側から押し当てられ、アース用バスバー33bの先端はプリント基板43の下面側にあるアースの回路パターンに下側から押し当てられ固定されている。立ち上がり配索部33の先端部をプリント基板43に固定するために、絶縁タイプのボルト53がプリント基板43を貫通するように配置して、このボルトと図示しないナットとを螺合させて締結している。絶縁タイプのボルト53は、例えばプリント基板43と接触する箇所の外周が絶縁被膜で覆われており、上面側と下面側の回路の短絡が生じないようになっている。
[0047]
 通信用サブハーネス34は、その幅方向に1列に並べて配置した多数の通信線を一体化した帯状のケーブルであり、フラットケーブル(FC)、フレキシブルフラットケーブル(FFC)、またはフレキシブルプリント配線板(FPC)により構成されている。通信用サブハーネス34は、その先端に設けたコネクタ34aにより、着脱自在な状態でプリント基板43と接続されている。
[0048]
 したがって、バックボーンJB構造体23の各分岐線接続用コネクタ46、47に分岐線サブハーネス51を介して接続される各電装品は、バックボーンJB構造体23および通信用サブハーネス34上のいずれかの通信線を経由して、バックボーン幹線部30に接続される他の様々な電装品との間で通信することができる。
[0049]
 次に、車載システムの基本的な結線状態について説明する
 1つのバックボーンJB構造体23を含む車載システムの基本的な結線状態の例を図7に示す。なお、図7においては説明上必要な一部の構成要素以外の図示は省略されている。
[0050]
 図7に示した例では、車両の主電源である車載バッテリー60がバックボーン幹線部30を経由してバックボーンJB構造体23の上流側に接続されている。バックボーン幹線部30には前述のように電源用バスバーとアース用バスバーとが含まれているので、バックボーン幹線部30の電源用バスバーが正極端子60pと接続され、アース用バスバーが負極端子60nと接続されている。
[0051]
 図7に示した例では、バックボーンJB構造体23の3つの分岐線接続用コネクタに、分岐線サブハーネス51(1)、51(2)、および51(3)を経由して、電装品61A、61B、および61Cがそれぞれ接続されている。
[0052]
 各電装品61A、61B、および61Cのアース端子は、それぞれ分岐線サブハーネス51(1)、51(2)、および51(3)のアース線51bと、バックボーンJB構造体23と、バックボーン幹線部30とを経由して車載バッテリー60の負極端子60nと接続されている。
[0053]
 また、車載バッテリー60の正極端子60pから供給される電源電力は、バックボーン幹線部30を通り、バックボーンJB構造体23内のヒューズ62およびリレー63を通り、分岐線サブハーネス51(1)、51(2)、および51(3)の電源線51aを通って各電装品61A、61B、および61Cに供給される。したがって、ヒューズ62およびリレー63の動作により各電装品61A、61B、および61Cに対する電力供給の有無を制御することができる。また、図7に示した例では、全ての電装品61A、61B、および61Cに共通な経路を遮断するヒューズ62およびリレー63だけを示してあるが、実際のバックボーンJB構造体23においては、電装品61A、61B、および61Cの各々を個別に制御できるように、分岐線接続用コネクタ46の系統毎に独立したヒューズおよびリレーも備わっている。
[0054]
 また、分岐線サブハーネス51(1)の通信線51cと、分岐線サブハーネス51(2)の通信線51cと、分岐線サブハーネス51(3)の通信線51cとは、バックボーンJB構造体23の内部で互いに接続されている。したがって、電装品61A、61B、および61Cは、分岐線サブハーネス51(1)~51(3)およびバックボーンJB構造体23を経由する経路を介して互いに通信することができる。実際には、バックボーンJB構造体23内の通信経路は、前述の通信用サブハーネス34を経由してバックボーン幹線部30と接続されているので、各電装品61A、61B、および61Cは、バックボーン幹線部30に接続された他の様々な電装品との間でも通信することができる。
[0055]
 次に、バックボーンJB構造体の内部構成と外部の回路との接続状態について説明する。
 1つのバックボーンJB構造体23の内部構成と外部の回路との接続状態の例を図8に示す。
[0056]
 図8に示した構成においては、バックボーンJB構造体23の複数の分岐線接続用コネクタ46に、それぞれ分岐線サブハーネス51(1)、51(2)、および51(3)を経由して電装品61A、61B、および61Cが接続されている。また、バックボーンJB構造体23の上流側は、幹線接続部49でバックボーン幹線部30と接続されている。また、バックボーンJB構造体23内の制御ユニット48は、通信用サブハーネス52を経由して車両のボデーECU66と接続されている。
[0057]
 図8に示すように、バックボーンJB構造体23の内部には、ヒューズ群64およびリレー群65が内蔵されている。ヒューズ群64は、図7に示したヒューズ62の他に、分岐線接続用コネクタ46の系統毎に個別に設けられた複数のヒューズを含んでいる。また、リレー群65も、図7に示したリレー63の他に、分岐線接続用コネクタ46の系統毎に個別に設けられた複数のリレーを含んでいる。
[0058]
 ヒューズ群64の複数のヒューズは、バックボーンJB構造体23内の一箇所に集約した状態で配置されている。同様に、リレー群65の複数のリレーもバックボーンJB構造体23内の一箇所に集約した状態で配置されている。このようにヒューズやリレーを集約して配置することで、検査や部品の交換などのメンテナンスが容易になる。
[0059]
 制御ユニット48は、それ自身の制御アルゴリズムに従って、または上位のボデーECU66からの指示に従って、リレー群65に含まれる各系統のリレーのオンオフを個別に制御することで、分岐線接続用コネクタ46から各電装品61A、61B、および61Cに供給する電源電力の分配を調整することができる。例えば、主電源である車載バッテリー60に蓄積された電力の余裕が小さい時に、優先度の低い電装品への電力供給を停止して、優先度の高い電装品だけに対して電源電力を配分するように制御できる。
[0060]
(変形例)
 変形例のバックボーンJB構造体23Bの外観を図9に示す。また、図9に示したバックボーンJB構造体23Bからアッパーカバーを取り去った状態を図10に示す。また、図10のバックボーンJB構造体23Bの一部分を拡大した状態を図11に示す。
[0061]
 図9~図11に示したバックボーンJB構造体23Bは、アース接続のための構成が前述のバックボーンJB構造体23とは異なっている。すなわち、プリント基板43、44上に配置されている各分岐線接続用コネクタ46、47にはアース接続用の端子がなく、その代わりに多数の端子接続用突起70aを備えたアース端子用バスバー70がバックボーンJB構造体23Bのケース内に備わっている。
[0062]
 アース端子用バスバー70は、導電性の良好な金属、例えばアルミニウムや銅の薄板で構成されており、バックボーンJB構造体23Bのケースの長手方向に細長く帯状に延びている。また、バックボーンJB構造体23Bのケースの手前側(車体の後方向)の開口部に面する箇所には、多数の端子接続用突起70aを一列に並ぶように形成してある。多数の端子接続用突起70aは、全て同じ形状、同じ寸法であり、一定の間隔で規則的に配置してある。
[0063]
 多数の端子接続用突起70aの各々には、図11に示すように、所定形状のアース端子71を装着することができる。図4に示した各分岐線サブハーネス51をバックボーンJB構造体23Bの分岐線接続用コネクタ46、または47に接続する場合には、分岐線サブハーネス51に含まれるアース線が、分岐線サブハーネス51のコネクタから分離されて、コネクタとは別体のアース線として引き出され、このアース線の先端に図11に示すアース端子71が装着される。そして、分岐線サブハーネス51のアース線に装着されたアース端子71が、多数の端子接続用突起70aのいずれかに装着される。
[0064]
 図9~図11に示したアース端子用バスバー70は、ロアカバー42の内側の底面とその上方にあるプリント基板43、44との間に挟まれた状態で固定されている。また、アース端子用バスバー70は、プリント基板43、44上のアース用回路パターンと電気的に接続されている。
[0065]
 図9~図11に示したバックボーンJB構造体23Bを用いる場合には、作業者やユーザが様々な電装品のアース接続を行う際に、多数の端子接続用突起70aのいずれかを自由に選択することができる。
[0066]
 また、車両用回路配索システムは、上記の構成に加えて、従来のワイヤハーネスを備えるようにしてもよい。この場合、例えば、各車両やグレードに共通する構成の一部を従来のワイヤハーネスで実現するようにすると、ワイヤハーネスのバリエーションを増やさなくて済むため好適である。
[0067]
 また、バックボーンJB構造体23は、一例として、図12に示すような切替回路76を備えていてもよい。この切替回路76は、例えば電源用バスバー、アース用バスバー、通信用ケーブルと、各補機の配線との接続状態を切り替える機能を有している。
[0068]
 図12に示した例では、理解を容易にするために、補機78(1)が2つの端子78a、78bを有し、補機78(2)が2つの端子78c、78dを有する場合を想定しているが、各補機78の端子数は必要に応じて増える。例えば、補機78が電源の端子と、グランドの端子と、2つの通信線の端子とを有する場合には端子の総数は4になる。そして、補機78の端子数が増えた場合には、切替回路76が備える回路モジュール92の数も増える。つまり、補機78の端子毎にそれぞれ独立した回路モジュール92を接続することになる。
[0069]
 図12に示した回路モジュール92(1)~92(4)の各々は、スイッチング用の2つのトランジスタ93、96と、2つのレベルシフト回路94、95とを備えている。例えば、回路モジュール92(1)内のトランジスタ93は、ベース端子がFPGAデバイス91の出力ポート91aと接続され、コレクタ端子が電源ライン97と接続され、エミッタ端子が補機78(1)の端子78aと接続されている。したがって、出力ポート91aの信号レベルを制御して、トランジスタ93のオンオフを制御すれば、端子78aを電源ライン97と接続するか否かを切り替えることができる。
[0070]
 また、回路モジュール92(1)内のトランジスタ96は、ベース端子がFPGAデバイス91の出力ポート91dと接続され、コレクタ端子が補機78(1)の端子78aと接続され、エミッタ端子がグランドライン98と接続されている。したがって、出力ポート91dの信号レベルを制御して、トランジスタ96のオンオフを制御すれば、端子78aをグランドライン98と接続するか否かを切り替えることができる。
[0071]
 また、補機78(1)の端子78aが双方向の通信端子である場合には、FPGAデバイス91がトランジスタ93および96をオフに制御し、レベルシフト回路94および95をアクティブに切り替えることで、端子78aを通信線として他の通信線と接続することが可能になる。また、この場合は、FPGAデバイス91の内部回路を経由して、例えば補機78(2)の通信線と補機78(1)の通信線とを相互に接続することも可能である。
[0072]
 このように、FPGAデバイス91が回路モジュール92(1)を適切に制御することで、補機78(1)の端子78aが電源入力端子、グランド端子、通信端子のいずれの場合であっても、必要な接続状態を確保することができる。つまり、接続される分岐線サブハーネスに応じて電力の分配や通信回路を柔軟に変更することができる。
[0073]
 また、ヒューズ群64のうちの少なくとも一部が、分岐線接続用コネクタ46の内部に設置されていてもよい。
[0074]
 以上に示したように、本発明の実施形態に係る車両用回路配索システムは、全体として背骨のような構造であり、特にバックボーン幹線部30の形状や構造が非常に簡素化されている。電装品の数が増えた場合や、新たな電装品を後で追加する場合であっても、バックボーン幹線部30やバックボーンJB構造体21~25の構成を変更する必要はなく、バックボーンJB構造体21~25のいずれかの適当な位置の分岐線接続用コネクタ46、47に対して、分岐線サブハーネス51を用いて電装品を接続することができる。
[0075]
 ここで、上述した本発明に係る車両用回路体および車両用回路配索システムの実施形態の特徴をそれぞれ以下[1]~[6]に簡潔に纏めて列記する。
[1] 車両に設置される車両用回路体であって、
 前記車両上の主電源(車載バッテリー60)と接続される電源回路(プリント基板43、44)と、
 電源ラインを有する複数の分岐線(分岐線サブハーネス51)それぞれが接続される複数の接続部(分岐線接続用コネクタ46、47)と、
 前記電源回路から複数の前記分岐線への電力の分配を制御する制御部(制御ユニット48)と、
 を備える車両用回路体(バックボーンJB構造体23)。
[0076]
[2] 前記分岐線が通信ライン(51c)を含み、
 前記接続部に接続された前記分岐線の各々の通信ラインを通信可能な状態で互いに接続する通信回路(図7参照)、をさらに備える、
 上記[1]に記載の車両用回路体。
[0077]
[3] 前記電源回路から複数の前記分岐線への電力の供給それぞれを遮断可能な複数のヒューズ(ヒューズ群64)を備える、
 上記[1]に記載の車両用回路体。
[0078]
[4] 前記主電源と接続された帯状の幹線(バックボーン幹線部30)を前記電源回路と接続するための幹線接続部(49)を備える、
 上記[1]に記載の車両用回路体。
[0079]
[5] 所定のアース端子(71a)を接続するための複数の突起部(端子接続用突起70a)が前記複数の接続部の並び方向に沿って一定の間隔で形成されたアース用バスバー(アース端子用バスバー70)を備える、
 上記[1]に記載の車両用回路体。
[0080]
[6] 上記[1]乃至[5]のいずれかの車両用回路体(バックボーンJB構造体21~25)を複数備え、
 前記複数の車両用回路体の間を、共通の幹線(バックボーン幹線部30)を介して互いに接続した、
 車両用回路配索システム(図1参照)。
[0081]
 本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。
[0082]
 本出願は、2016年2月2日出願の日本特許出願(特願2016-018404)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。

産業上の利用可能性

[0083]
 本発明によれば、様々な電装品と車両上の電源との間および電装品同士の電気接続のための構造、特に幹線部分の構成を簡素化することができ、新たな電線の追加も容易である車両用回路体および車両用回路配索システムを提供できるという効果を奏する。この効果を奏する本発明は、車両に配索される車両用回路体および車両用回路配索システムに関して有用である。

符号の説明

[0084]
 10 車体
 11 エンジンルーム
 12 インパネ部
 13 フロア部
 14 ラゲージ部
 21,22,23,23B,24,25 バックボーンJB構造体
 30 バックボーン幹線部
 31 フロント配索部
 32 前後方向配索部
 33 立ち上がり配索部
 33a 電源用バスバー
 33b アース用バスバー
 34 通信用サブハーネス
 34a コネクタ
 41 アッパーカバー
 42 ロアカバー
 43,44 プリント基板
 45 バスバー
 46,47 分岐線接続用コネクタ
 48 制御ユニット
 49 幹線接続部
 51 分岐線サブハーネス
 52 通信用サブハーネス
 53 絶縁タイプのボルト
 60 車載バッテリー
 60p 正極端子
 60n 負極端子
 61A,61B,61C 電装品
 62 ヒューズ
 63 リレー
 64 ヒューズ群
 65 リレー群
 66 ボデーECU
 70 アース端子用バスバー
 70a 端子接続用突起
 71 アース端子
 76 切替回路

請求の範囲

[請求項1]
 車両に設置される車両用回路体であって、
 前記車両上の主電源と接続される電源回路と、
 電源ラインを有する複数の分岐線それぞれが接続される複数の接続部と、
 前記電源回路から複数の前記分岐線への電力の分配を制御する制御部と、
 を備える車両用回路体。
[請求項2]
 前記分岐線が通信ラインを含み、
 前記接続部に接続された前記分岐線の各々の通信ラインを通信可能な状態で互いに接続する通信回路、をさらに備える、
 請求項1に記載の車両用回路体。
[請求項3]
 前記電源回路から複数の前記分岐線への電力の供給それぞれを遮断可能な複数のヒューズを備える、
 請求項1に記載の車両用回路体。
[請求項4]
 前記主電源と接続された帯状の幹線を前記電源回路と接続するための幹線接続部を備える、
 請求項1に記載の車両用回路体。
[請求項5]
 所定のアース端子を接続するための複数の突起部が前記複数の接続部の並び方向に沿って一定の間隔で形成されたアース用バスバーを備える、
 請求項1に記載の車両用回路体。
[請求項6]
 請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の車両用回路体を複数備え、
 前記複数の車両用回路体の間を、共通の幹線を介して互いに接続した、
 車両用回路配索システム。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]