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1. (WO2017134984) METHOD FOR PRODUCING 2-METHYLSPIRO (1,3-OXATHIOLANE-5,3') QUINUCLIDINE SULFATE
Document

明 細 書

発明の名称 2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジン硫酸塩の製造方法 0001  

技術分野

0002  

背景技術

0003  

先行技術文献

特許文献

0004  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0005  

課題を解決するための手段

0006   0007   0008   0009   0010   0011   0012  

発明の効果

0013  

発明を実施するための形態

0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040  

実施例

0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057  

産業上の利用可能性

0058  

請求の範囲

1   2   3   4  

明 細 書

発明の名称 : 2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジン硫酸塩の製造方法

関連出願の相互参照

[0001]
 本願は、特願2016-016881号(出願日:2016年2月1日)の優先権の利益を享受する出願であり、これらは引用することによりその全体が本明細書に取り込まれる。

技術分野

[0002]
 本発明は、3-ヒドロキシ-3-メルカプトメチルキヌクリジンから2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジン硫酸塩を製造する方法に関し、特に高い異性体比率(シス/トランス)で2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジン硫酸塩を製造する方法に関する。
 当該化合物は、哺乳類の中枢神経の病気、特にコリン作用機能障害による病気、シエーグレン症候群と称される自己免疫疾患などの治療に有用なシス型2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジン塩酸塩(セビメリン)の合成中間体として有用な化合物である(例えば、特許文献1参照)。

背景技術

[0003]
 従来、3-ヒドロキシ-3-メルカプトメチルキヌクリジンからシス型2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジン硫酸塩を製造する方法としては、例えば、3-ヒドロキシ-3-メルカプトメチルキヌクリジンと三フッ化ホウ素・エーテル錯体とを反応させて、2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジン硫酸塩の異性体混合物を得た後、これを分別結晶法により分離してシス型2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジン硫酸塩を得る方法が開示されている(例えば、特許文献1~2参照)。
 一方、トランス型2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジン硫酸塩と、金属ハロゲン化物のルイス酸、硫酸または有機スルホン酸と接触させることにより、当該当該化合物のシス型に異性化する方法が開示されている(例えば、特許文献3~7参照)。

先行技術文献

特許文献

[0004]
特許文献1 : 特開昭61-280497号公報
特許文献2 : 欧州特許第0205247号公報
特許文献3 : 米国特許第4861886号公報
特許文献4 : 特開昭64-16787号公報
特許文献5 : 特開昭64-45387号公報
特許文献6 : 特開平1-104079号公報
特許文献7 : 特開平8-319287号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0005]
 しかしながら、上記の方法では、2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジン硫酸塩の異性体混合物から、当該化合物のシス型を分離したり、トランス型からシス型に異性化させたりするなど、シス型を取得するために煩雑な操作が必要であった。
 そのため、3-ヒドロキシ-3-メルカプトメチルキヌクリジンから、異性体の分別や異性化工程を必要とすることなく、高い異性体比率(シス/トランス)で2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジン硫酸塩を得る方法が求められていた。

課題を解決するための手段

[0006]
 本発明の課題は、金属ハロゲン化物及びアセトアルデヒド化合物を混合した後に、3-ヒドロキシ-3-メルカプトメチルキヌクリジン(1)を更に混合して反応させて、遊離の2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジンハロゲン(2)を得る工程と、
 前記遊離の2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジン(2)と硫酸とを-5~45℃で接触させて、式(3)で示される2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジン硫酸塩(3)に変換する工程とを含む、
 2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジン硫酸塩の製造方法によって解決される。
[0007]
[化1]


[0008]
 なお、2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジン硫酸塩の異性体は下記の4種類であり、シス型は下記式(3-C1)及び式(3-C2)で示され、トランス型は下記式(3-T1)及び式(3-T2)で示される。
 また、異性体比率とは、トランス型に対するシス型の比率であり、シス型/トランス型で算出される。
[0009]
[化2]


[0010]
 本発明の一つの態様は、金属ハロゲン化物及びアセトアルデヒド化合物を混合した後に、3-ヒドロキシ-3-メルカプトメチルキヌクリジン(1)を更に混合して反応させて、遊離の2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジン(2)を得る工程と、前記遊離の2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジン(2)と硫酸とを-5~45℃で接触させて、式(3)で示される2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジン硫酸塩(3)に変換する工程とを含む、2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジン硫酸塩の製造方法を提供する。
[化3]


[0011]
 別の言い方をすれば、本発明の一つの態様は、2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジン硫酸塩の製造方法であって、以下の順序で、(I-a)3-ヒドロキシ-3-メルカプトメチルキヌクリジン(1)の非存在下で金属ハロゲン化物及びアセトアルデヒド化合物を混合する工程、(I-b)3-ヒドロキシ-3-メルカプトメチルキヌクリジン(1)を金属ハロゲン化物及びアセトアルデヒド化合物の混合物に更に混合して反応させて、遊離の2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジン(2)を得る工程、並びに(II)前記遊離の2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジン(2)と硫酸とを-5~45℃で接触させて、式(3)で示される2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジン硫酸塩(3)に変換する工程を含む、製造方法を提供する。また、本発明の一つの態様は、2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジン硫酸塩の製造方法であって、(I-a)3-ヒドロキシ-3-メルカプトメチルキヌクリジン(1)の非存在下で金属ハロゲン化物及びアセトアルデヒド化合物を混合する工程、(I-b)3-ヒドロキシ-3-メルカプトメチルキヌクリジン(1)を金属ハロゲン化物及びアセトアルデヒド化合物の混合物に更に混合して反応させて、遊離の2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジン(2)を得る工程、並びに(II)遊離の2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジン(2)と硫酸とを-5~45℃で接触させて、式(3)で示される2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジン硫酸塩(3)に変換する工程から成る群より選択される少なくとも1つの工程、好ましくは2以上の工程を含む、製造方法にも関する。これらの製造方法に関連する本発明の態様には、例えば以下が含まれる。
[0012]
[態様1]金属ハロゲン化物及びアセトアルデヒド化合物を混合した後に、3-ヒドロキシ-3-メルカプトメチルキヌクリジン(1)を更に混合して反応させて、遊離の2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジン(2)を得る工程と、前記遊離の2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジン(2)と硫酸とを-5~45℃で接触させて、式(3)で示される2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジン硫酸塩(3)に変換する工程とを含む、2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジン硫酸塩の製造方法。
[化4]


[態様2]2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジン硫酸塩の製造方法であって、以下の順序で、(I-a)3-ヒドロキシ-3-メルカプトメチルキヌクリジン(1)の非存在下で金属ハロゲン化物及びアセトアルデヒド化合物を混合する工程、(I-b)3-ヒドロキシ-3-メルカプトメチルキヌクリジン(1)を金属ハロゲン化物及びアセトアルデヒド化合物の混合物に更に混合して反応させて、遊離の2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジン(2)を得る工程、並びに(II)前記遊離の2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジン(2)と硫酸とを-5~45℃で接触させて、式(3)で示される2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジン硫酸塩(3)に変換する工程を含む、製造方法。
[態様3]2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジン硫酸塩の製造方法であって、(I-a)3-ヒドロキシ-3-メルカプトメチルキヌクリジン(1)の非存在下で金属ハロゲン化物及びアセトアルデヒド化合物を混合する工程、(I-b)3-ヒドロキシ-3-メルカプトメチルキヌクリジン(1)を金属ハロゲン化物及びアセトアルデヒド化合物の混合物に更に混合して反応させて、遊離の2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジン(2)を得る工程、並びに(II)遊離の2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジン(2)と硫酸とを-5~45℃で接触させて、式(3)で示される2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジン硫酸塩(3)に変換する工程から成る群より選択される少なくとも1つの工程、好ましくは2以上の工程を含む、製造方法。
[態様4]金属ハロゲン化物が金属塩化物である、上記態様1~3のいずれかに記載の製造方法。
[態様5]金属塩化物が四塩化スズ、四塩化ケイ素、四塩化チタン、五塩化アンチモン、三塩化アンチモン、三塩化アルミニウム、およびそれらの混合物から成る群より選択される、上記態様1~4のいずれかに記載の製造方法。
[態様6]アセトアルデヒド化合物がパラアルデヒドである、上記態様1~5のいずれか1つに記載の製造方法。
[態様7]3-ヒドロキシ-3-メルカプトメチルキヌクリジンを更に混合して反応させる際の反応温度が10~60℃である、上記態様1~6のいずれか1つに記載の製造方法。
[態様8]3-ヒドロキシ-3-メルカプトメチルキヌクリジンを更に混合して反応させる際の反応温度が30~45℃である、上記態様1~7のいずれか1つに記載の製造方法。
[態様9]金属ハロゲン化物及びアセトアルデヒド化合物を混合する際の温度が15~25℃である、上記態様1~8のいずれか1つに記載の製造方法。
[態様10]2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジンと硫酸とを接触させる際の温度が0~30℃である、上記態様1~9のいずれか1つに記載の製造方法。
[態様11]遊離2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジンと硫酸とを接触させて2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジン硫酸塩に変換することにより得られる2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジン硫酸塩の異性体比率(シス/トランス)が92/8以上、好適には94/6以上である、上記態様1~10のいずれか1つに記載の製造方法。
[態様12]2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジン硫酸塩を水とケトン類との混合溶媒に溶解させた後、ケトン類を更に添加して結晶を析出させる工程を更に含む、上記態様1~11のいずれか1つに記載の製造方法。
[態様13]前記ケトン類がアセトンである、上記態様12に記載の製造方法。

発明の効果

[0013]
 本発明により、簡便な方法により、3-ヒドロキシ-3-メルカプトメチルキヌクリジンから、高い異性体比率(シス/トランス)で2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジン硫酸塩を得る、工業的に好適な高い異性体比率(シス/トランス)を有する2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジン硫酸塩の製造方法を提供することができる。

発明を実施するための形態

[0014]
 本発明の製造方法は、下記のふたつの工程を含む高い異性体比率(シス/トランス)を有する2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジン硫酸塩の製造方法である。
 第1工程;
 金属ハロゲン化物及びアセトアルデヒド化合物を混合した後に、3-ヒドロキシ-3-メルカプトメチルキヌクリジン(1)を更に混合して反応させて、遊離の2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジン(2)を得る工程。
 第2工程;
 前記遊離の2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジン(2)と硫酸とを-5~45℃で接触させて、式(3)で示される2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジン硫酸塩(3)に変換する工程。
[0015]
[化5]


[0016]
 以下、各工程を詳しく説明する。
 なお、3-ヒドロキシ-3-メルカプトメチルキヌクリジン(1)を化合物(1)又はQHTと、2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジン(2)を化合物(2)又はMSOQと、2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジン硫酸塩(3)を化合物(3)又はMSOQ硫酸塩と称することもある。
[0017]
[第1工程]
 本工程は、金属ハロゲン化物及びアセトアルデヒド化合物を混合した後に、3-ヒドロキシ-3-メルカプトメチルキヌクリジン(1)を更に混合して反応させて、遊離の2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジンハロゲン(2)を得る工程である。
[0018]
(3-ヒドロキシ-3-メルカプトメチルキヌクリジン(1))
 化合物(1)は、下記式(1)で示される化合物である。
[0019]
[化6]


[0020]
 化合物(1)は、キヌクリジン-3-オンから公知の方法によって合成することができ、通常、異性体混合物として使用される。
[0021]
(金属ハロゲン化物)
 本工程で使用する金属ハロゲン化物は、例えば、五フッ化アンチモン、三フッ化アンチモン等の金属フッ化物;四塩化スズ、四塩化ケイ素、四塩化チタン、五塩化アンチモン、三塩化アンチモン、三塩化アルミニウム等の金属塩化物などが挙げられるが、好ましくは金属塩化物、更に好ましくは四塩化スズが用いられる。
 なお、これらの金属ハロゲン化物は、単独又は二種以上を混合して使用しても良く、水和物や溶媒和物であっても良い。
 上記金属ハロゲン化物以外にも、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、カルボン酸塩、スルホン酸塩なども使用することができる。
[0022]
 前記金属ハロゲン化物の使用量は、化合物(1)1モルに対して、好ましくは1~5モル、更に好ましくは2~4モルである。
 この範囲とすることで、高い異性対比率、及び高い収率で化合物(2)を得ることができる。
[0023]
(アセトアルデヒド化合物)
 本工程で使用するアセトアルデヒド化合物とは、例えば、(i)アセトアルデヒド(単量体);(ii)パラアルデヒド、メタアルデヒドなどのアルデヒドの多量体;(iii)ジメトキシエタンおよびジエトキシエタンなどのアセタール類、ビス(ジメチルアミノ)エタンおよびビス(ジエチルアミノ)エタンなどのアミン類、またはビス(チオメトキシ)エタンおよびビス(チオエトキシ)エタンなどのチオール類で保護されたアセトアルデヒドが挙げられる。
 なお、これらのアセトアルデヒド化合物は、単独又は二種以上を混合して使用しても良く、水溶液や有機溶媒溶液としても使用できる。
[0024]
 前記アルデヒド化合物の使用量は、化合物(1)1モルに対して、アセトアルデヒド基準で、好ましくは1~10モル、更に好ましくは1~6モル、より好ましくは2~4モルである。
 この範囲とすることで、化合物(2)を収率良く得ることが出来る。
[0025]
(溶媒)
 本工程では、溶媒を使用することによって、反応液の均一性や攪拌性を向上させることができる。使用できる溶媒としては、反応を阻害しないものならば特に限定されず、例えば、水;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、t-ブチルアルコールなどのアルコール類;ピリジン、キノリンなどの複素環式アミン類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類;N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドンなどのアミド類;N,N’-ジメチルイミダゾリジノンなどの尿素類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類;スルホランなどのスルホン類;アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類;ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類が挙げられるが、好ましくは芳香族炭化水素類、エステル類、ハロゲン化炭化水素類、更に好ましくはトルエン、酢酸エチル、ジクロロメタン、クロロホルムが使用される。
 なお、これらの溶媒は、単独又は二種以上を混合して使用しても良い。
[0026]
 前記溶媒の使用量は、化合物(1)1gに対して、好ましくは1~30mL、更に好ましく5~15mLである。
 この範囲とすることで、反応液の均一性や攪拌性を担保し、高い異性体比率で化合物(2)を得ることができる。
[0027]
(本工程の反応)
 本工程の反応は、金属ハロゲン化物及びアセトアルデヒド化合物、必要に応じて溶媒を混合した後に、化合物(1)を更に混合して反応させることで、後処理後、遊離の化合物(2)を得ることができる。
 この順序(金属ハロゲン化物及びアセトアルデヒド化合物を混合した後に化合物(1)を混合)で混合して反応させることで、固形物の発生を抑制して部分的な加熱による異性体比率の低下や、副反応の発生を抑止することができる。
 なお、本発明の効果を損なわない程度において、金属ハロゲン化物やアセトアルデヒド化合物を、化合物(1)を混合した後に、更に加えて反応させることもできる。
[0028]
(反応温度、反応圧力)
 本工程の反応温度は、好ましくは10~60℃、更に好ましくは20~50℃、より好ましくは30~45℃である。
 この範囲とすることで、反応液の良好な攪拌性を維持しつつ、高い異性体比率で、収率良く化合物(2)を得ることができる。
 本工程の圧力は特に制限されず、通常、常圧下で行われる。
[0029]
 本工程で得られた化合物(2)は、特に単離・精製することなく次の工程(第2工程)で使用しても良いが、必要に応じて中和、抽出、濾過、洗浄、再結晶、晶析などの処理を経た後に次の工程に使用することもできる。
 これらの処理をすることで、次の工程の反応の煩雑さを抑制することができる。
 なお、本工程における反応終了時の後処理をより簡便とするために、適宜、アルコールなどの親水性媒体を添加しても良い。
[0030]
 なお、このとき化合物(2)は金属ハロゲン化物と錯形成していると考えられるが、例えば、水、塩基、酸を用いた後処理を行うことにより、遊離の化合物(2)を得ることができる。
[0031]
[第2工程]
 本発明の第2工程は、第1工程で得られた前記遊離の2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジン(2)と硫酸とを-5~45℃で接触させて、式(3)で示される2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジン硫酸塩(3)に変換する工程である。
[0032]
 本工程では、遊離の2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジン(化合物(2))と硫酸とを-5~45℃で接触させることによって行われる。
 なお、反応で生成する2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジンと金属ハロゲン化物との錯体を塩基と反応させるなどの後処理を行い、遊離のシス型2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジンを得た後に、2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジンと硫酸とを接触させる方法を採用することもできる。
[0033]
(硫酸)
 本工程で使用する硫酸は一般的に市販されるものを使用することができ、その濃度は特に制限されない。
 硫酸の使用量は、2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジン硫酸塩を十分に得ることができる量であれば、特に制限されないが、化合物(2)1モルに対して、好ましくは0.5~10モル、更に好ましくは0.6~5モル、より好ましくは0.8~2モルである。
 この範囲とすることで、2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジンから2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジン硫酸塩をほぼ定量的に得ることができる。
[0034]
(本工程の反応)
 本工程は、遊離の2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジンと硫酸とを接触させるなどの方法によって化合物(3)を得ることができるが、好ましくは液温を-5~45℃に維持しながら遊離の2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジンと硫酸とを接触させて、同温度で反応させて化合物(3)を生成させる。
 この範囲とすることで、収率良く2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジン硫酸塩を反応液から取得(単離)することができる。
[0035]
(反応温度、反応圧力)
 遊離の2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジン及び硫酸との接触温度は、好ましくは-5~45℃であり、より好ましくは0~30℃である。その際の圧力は特に制限されない。
[0036]
 有機溶媒は、遊離の2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジンを溶解できるものであれば特に限定されず、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、t-ブチルアルコールなどのアルコール類;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素類;塩化メチレン、クロロホルムなどのハロゲン化脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;クロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどのハロゲン化芳香族炭化水素類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、カプロラクトンなどのエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;ジエチルエーテル、t-ブチルメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アニソールなどのエーテル類が挙げられるが、好ましくはアセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;更に好ましくはアセトンが使用される。
 なお、これらの有機溶媒は、単独又は二種以上を混合して用いても良い。
[0037]
 前記有機溶媒の使用量は、2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジンを実質的に完全に溶解できる量であれば特に制限されないが、化合物(2)1gに対して、好ましくは1~50mL、更に好ましくは2~30mLである。
[0038]
 本工程で得られる化合物(3)は、例えば、中和、抽出、濾過、洗浄、再結晶、晶析などの一般的な方法により単離・精製することができる。
 なお、化合物(3)中に少量の2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジン硫酸塩(2:1)が混入していても構わない。
[0039]
 本発明の第1工程及び第2工程を通じて得られる2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジン硫酸塩は、異性体比率(シス/トランス)が92/8以上、好適には94/6以上である。
[0040]
 なお、得られた2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジン硫酸塩は、適当な溶媒に溶解させて再結晶することで、更に異性体比率を向上させることができる。
 その際の好適な実施態様は、例えば、水とケトン類との混合溶媒に溶解させた後、ケトン類を更に添加して結晶を析出させる方法である。
 なお、当該混合溶媒の量や組成比は、目的物の取得量や精製効率に応じて、適宜調整することができる。
実施例
[0041]
 次に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
[0042]
実施例1(2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジン硫酸塩の合成)
[第1工程]
 攪拌装置、温度計及び還流冷却器を備えた内容積200mLの容器に、パラアセトアルデヒド15.3g(アセトアルデヒドとして346mmol)及び塩化メチレン100mLとを混合した後、混合液を15~25℃に維持しながら塩化スズ(IV)90.2g(346mmol)を加えた。
 次いで、液温を30~40℃に保ちながら、3-ヒドロキシ-3-メルカプトメチルキヌクリジン20g(115mol)をゆるやかに加え、攪拌しながら同温度で3時間反応させた。更に、反応液に4mol/L塩酸28.9mL(115mmol)及びトルエン100mLを加え、攪拌しながら同温度で15時間反応させた。
 反応終了後、反応液を濃縮した後、濃縮物に水100mLを加えた後、水酸化ナトリウム395g(3.2mol)及びトルエン100mLと混合した。この混合液から有機層を取り出し、塩化ナトリウム水溶液で洗浄した後に有機層を濃縮した。得られた濃縮物をアセトン200mLに溶解させて、2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジン21.6gを含有する有機溶媒溶液177.29gを得た。
[0043]
[第2工程]
 攪拌装置、温度計及び還流冷却器を備えた内容積200mLの容器に、前記工程で得られた有機溶媒溶液88.7g(2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジンを46mmol含有)を加え、液温を0℃付近に維持しながら、97%硫酸4.7g(46mmol)をゆるやかに加え、攪拌しながら同温度で30分間反応させた。
 反応終了後、析出した固体を濾過後、濾物を乾燥させて、白色固体として2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジン硫酸塩12.6gを得た(3-ヒドロキシ-3-メルカプトメチルキヌクリジン基準の単離収率;73%)。
 なお、得られた2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジン硫酸塩の異性体比率は、96.8/3.2であった。
[0044]
 得られた2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジン硫酸塩の物性値は下記の通りであった。
H-NMR(D O,δ(ppm)):1.57~1.58(m,3H)、1.83~2.20(m,4H)、2.47~2.48(m,1H)、3.05~3.08(m,1H)、3.26~3.54(m,7H)、5.25~5.30(m,1H)
元素分析(%):炭素40.37%(理論値40.39%)、水素6.25%(理論値6.44%)、窒素4.68%(理論値4.71%)、酸素27.20%(理論値26.90%)
[0045]
比較例1(2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジンの合成)
[第1工程]
 攪拌装置、温度計及び還流冷却器を備えた内容積100mLの容器に、塩化スズ(IV)22.5g(86.4mmol)及び塩化メチレン25mLを混合した後、混合液を15~25℃に維持しながら3-ヒドロキシ-3-メルカプトメチルキヌクリジン5g(28.9mmol)を加えた。
 次いで、液温を30~40℃に保ちながら、パラアセトアルデヒド3.81g(アセトアルデヒドとして28.8mmol)をゆるやかに加えたところ、混合液の粘性が高くなり攪拌が困難になるとともに、大量の固形物が発生し、続く反応を行うことができなかった。
[0046]
比較例2(2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジン硫酸塩の合成)
[第1工程]
 攪拌装置、温度計及び還流冷却器を備えた内容積100mLの容器に、3-ヒドロキシ-3-メルカプトメチルキヌクリジン4g(23.1mmol)、パラアルデヒド3.11g(アセトアルデヒドとして23.2mmol)及び塩化メチレン20mLを混合した。
 次いで、液温を30~40℃に保ちながら、塩化スズ(IV)17.8g(68.4mmol)をゆるやかに加えたところ、混合液の粘性が高くなり攪拌が困難になるとともに、大量の固形物が発生し、続く反応を行うことができなかった。
[0047]
実施例2(シス型2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジン硫酸塩の合成)
[第1工程]
 実施例1と同様な方法により、2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジン4.01gを含有する有機溶媒溶液35.7gを得た。
[0048]
[第2工程]
 攪拌装置、温度計及び還流冷却器を備えた内容積100mLの容器に、前記工程で得られた有機溶媒溶液35.7g(2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジンを20.1mmol含有)を加え、液温を20~30℃に維持しながら、97%硫酸1.97g(19.5mmol)をゆるやかに加え、攪拌しながら同温度で30分間反応させた。
 反応終了後、析出した固体を濾過後、濾物を乾燥させて、白色固体として2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジン硫酸塩4.12gを得た(3-ヒドロキシ-3-メルカプトメチルキヌクリジン基準の単離収率;60%)。
 なお、得られた2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジン硫酸塩の異性体比率は、98.2/1.8であった。
[0049]
比較例3(シス型2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクジン硫酸塩の合成)
[第1工程]
 実施例1と同様な方法により、2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジン4.61gを含有する有機溶媒溶液30gを得た。
[第2工程]
 攪拌装置、温度計及び還流冷却器を備えた内容積200mLの容器に、前記工程で得られた有機溶媒溶液30g(2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジンを15.3mmol含有)を加え、液温を0~5℃に維持しながら、97%硫酸1.97g(19.5mmol)をゆるやかに加え、攪拌しながら50~60℃で30分間反応させた。
 反応終了後、析出した固体を濾過後、濾物を乾燥させて、白色固体として2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジン硫酸塩1.41gを得た(3-ヒドロキシ-3-メルカプトメチルキヌクリジン基準の単離収率;17%)。
 なお、得られた2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジン硫酸塩の異性体比率は、87.3/12.7であった。
[0050]
 以上、実施例1及び2と、比較例1及び2との対比から、混合して反応させる順序により合成に大きな差が出ること、即ち、本発明の第1工程以外では化合物(2)が得られにくいことが分かった。
 また、実施例1及び2と、比較例3との対比から、化合物(2)と硫酸とを接触させて化合物(3)を得る際に、本発明の第2工程以外では化合物(3)が収率良く得られないことが分かった。また、この場合には異性体比率も低かった。
 従って、本発明の第1工程及び第2工程を経ることにより、目的とする化合物が収率良く、高い異性対比率で得られることが判明した。
[0051]
実施例3(2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジン硫酸塩の合成)
[第1工程]
 攪拌装置、温度計及び還流冷却器を備えた内容積20mLの容器に、パラアセトアルデヒド0.39g(アセトアルデヒドとして2.9mmol)及び酢酸エチル5mLとを混合した後、混合液を20~30℃に維持しながら塩化スズ(IV)2.23g(8.7mmol)を加えた。
 次いで、3-ヒドロキシ-3-メルカプトメチルキヌクリジン0.5g(2.89mol)をゆるやかに加え、攪拌しながら同温度で15時間反応させた。
 反応終了後、反応液を分析したところ、2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジンが収率83%で生成していた(異性体比率;94.8/5.2)。
[第2工程]
 第1工程で得られた2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジンの有機溶媒溶液を、-5~45℃で硫酸と接触させることで、2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジン硫酸塩を高い異性体比率で得ることができる。
[0052]
実施例4(2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジン硫酸塩の合成)
[第1工程]
 実施例3において、溶媒を酢酸エチルからトルエンに変えたこと以外は、実施例3と同様に反応を行ったところ、2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジンが収率84%で生成していた(異性体比率;94.4/5.6)。
[第2工程]
 第1工程で得られた2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジンの有機溶媒溶液を、-5~45℃で硫酸と接触させることで、2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジン硫酸塩を高い異性体比率で得ることができる。
[0053]
実施例5(2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジン硫酸塩の合成)
[第1工程]
 実施例3において、溶媒を酢酸エチルからクロロホルムに変えたこと以外は、実施例3と同様に反応を行ったところ、2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジンが収率68%で生成していた(異性体比率;93.6/6.4)。
[第2工程]
 第1工程で得られた2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジンの有機溶媒溶液を、-5~45℃で硫酸と接触させることで、2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジン硫酸塩を高い異性体比率で得ることができる。
[0054]
実施例6(2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジン硫酸塩の合成)
[第1工程]
 実施例3において、塩化スズ(IV)の使用量を1.51g(5.78mmol)に変えたこと以外は、実施例3と同様に反応を行ったところ、2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジンが収率88%で生成していた(異性体比率;95.0/5.0)。
[第2工程]
 第1工程で得られた2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジンの有機溶媒溶液を、-5~45℃で硫酸と接触させることで、2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジン硫酸塩を高い異性体比率で得ることができる。
[0055]
 以上、実施例3~6で示した通り、条件を変更した場合でも、2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジン硫酸塩を、高い収率、高い異性体比率で得ることができる。
[0056]
実施例7(2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジン硫酸塩の合成)
 実施例1と同様にして第1工程及び第2工程を経て得られた2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジン硫酸塩(異性体比率;96.0/4.0)3g(10.1mmol)、アセトン6mL及び水0.66mLを混合し、室温でアセトン24mLを加えて析出した固体を濾過することで、シス比98.5%の2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジン硫酸塩2.5gを得た。
 なお、2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジン硫酸塩の異性対比率は98.5/1.5であった。
 この操作を更に2回繰り返すことで、異性体比率は99.7/0.3まで向上した。
[0057]
 本明細書に記載の実施例および態様は例示を目的としたものに過ぎず、当業者には、それらに照らし種々の修正や変更が示唆され、本願の趣旨および範囲ならびに添付の特許請求の範囲の中に含まれるものと理解される。本明細書において引用される全ての刊行物、特許および特許出願は、その全体が参照により本明細書に組み入れられる。

産業上の利用可能性

[0058]
 本発明は、3-ヒドロキシ-3-メルカプトメチルキヌクリジンから2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジン硫酸塩を製造する方法に関し、特に高い異性体比率(シス/トランス)で2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジン硫酸塩を製造する方法に関する。
 当該化合物は、哺乳類の中枢神経の病気、特にコリン作用機能障害による病気、シエーグレン症候群と称される自己免疫疾患などの治療に有用なシス型2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジン塩酸塩(セビメリン)の合成中間体として有用な化合物である。

請求の範囲

[請求項1]
 金属ハロゲン化物及びアセトアルデヒド化合物を混合した後に、3-ヒドロキシ-3-メルカプトメチルキヌクリジン(1)を更に混合して反応させて、遊離の2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジン(2)を得る工程と、
 前記遊離の2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジン(2)と硫酸とを-5~45℃で接触させて、式(3)で示される2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジン硫酸塩(3)に変換する工程とを含む、
 2-メチルスピロ(1,3-オキサチオラン-5,3’)キヌクリジン硫酸塩の製造方法。
[化1]


[請求項2]
 金属ハロゲン化物が金属塩化物である、請求項1記載の製造方法。
[請求項3]
 アセトアルデヒド化合物がパラアルデヒドである、請求項1~2のいずれか1項に記載の製造方法。
[請求項4]
 金属ハロゲン化物及びアセトアルデヒド化合物を混合した後に、3-ヒドロキシ-3-メルカプトメチルキヌクリジン(1)を更に混合して反応させる際の反応温度が10~60℃である、請求項1~3のいずれか1項に記載の製造方法。