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1. (WO2017134967) DISPLAY DEVICE, ELECTRONIC APPARATUS, AND PROJECTION-TYPE DISPLAY DEVICE
Document

明 細 書

発明の名称 表示装置、電子機器および投射型表示装置

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005   0006   0007  

先行技術文献

特許文献

0008  

発明の概要

0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022  

図面の簡単な説明

0023  

発明を実施するための形態

0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9A   9B   9C   10   11   12   13   14   15   16   17   18   19   20   21   22   23   24   25   26   27   28   29   30   31   32   33   34   35   36   37   38   39   40   41   42   43   44  

明 細 書

発明の名称 : 表示装置、電子機器および投射型表示装置

技術分野

[0001]
 本開示は、表示装置、電子機器および投射型表示装置に関する。

背景技術

[0002]
 電気光学素子として液晶セルを備えた表示装置では、液晶セルに長時間にわたって直流電圧が印加され続けると、液晶の比抵抗(物質固有の抵抗値)等の劣化や、「焼き付き」と呼ばれる残像現象が生じる。そのため、液晶セルの画素電極に印加される信号電圧の、液晶セルの対向電極の電位に対する極性を所定の周期で反転させる交流駆動法が採られている。
[0003]
 この交流駆動法としては、例えば、対向電極に印加するコモン電圧を一定にして、信号電圧の極性を1フィールド期間(1F)ごとに反転させたり、信号電圧だけでなくコモン電圧も1Fごとに反転させたりする1F反転駆動法が知られている。この他に、例えば、コモン電圧を一定にして、信号電圧の極性を1Fごとに反転させると共に1水平期間(1H)ごとに反転させたり、信号電圧だけでなくコモン電圧も1Fごとに反転させると共に1Hごとに反転させたりする1F1H反転駆動法が知られている。また、例えば、コモン電圧を一定にして、信号電圧の極性を1Fごとに反転させると共に1ドットごとに反転させたり、信号電圧だけでなくコモン電圧も1Fごとに反転させると共に1ドットごとに反転させたりする1F1ドット反転駆動法が知られている。
[0004]
 しかし、この交流駆動法では、映像信号の信号線への書き込みによる充放電電流が大きいと、信号線の電位が揺れてしまう。その結果、信号線の電位の揺れが表示画面上に縦スジとして見えてしまい、ユニフォーミティ(画面均一性)が悪化する。ユニフォーミティの改善には、上記の充放電電流をできるだけ抑えることが重要である。そこで、映像信号の信号線への書き込みに先立って、中間調レベル、例えばグレーレベルのプリチャージ信号電圧を水平ブランキング期間にあらかじめ信号線に書き込むプリチャージ方式が採られている。
[0005]
 しかし、プリチャージ信号電圧レベルを中間調レベルに設定すると、画素トランジスタとして用いられているTFT(Thin Film Transistor;薄膜トランジスタ)のソース-ドレイン間にリーク電流が流れる。電流リーク量は、ソース-ドレイン間の電位の大きさに応じて変化する。そのため、例えば、ノーマリーホワイトの液晶表示装置において、プリチャージ信号電圧レベルをグレーレベルに設定した上で、黒のウィンドウパターンを表示した場合には、当該ウィンドウパターンの黒領域とグレー領域とで、電流リーク量が互いに異なってしまう。これにより、ウィンドウパターンの黒の情報が画素トランジスタを通して信号線に漏れるので、縦方向(垂直方向)のクロストーク(以下、「縦クロストーク」と称する。)が発生し、画品位を損なうことになる。
[0006]
 ノーマリーホワイトの液晶表示装置において、縦クロストークを低減するためには、プリチャージ信号電圧レベルを黒レベルに設定すればよい。何故ならば、プリチャージ信号電圧として黒レベルをあらかじめ信号線に書き込むことで、画素トランジスタのソース-ドレイン間の電位を全画素領域で一定にすることができ、電流リーク量も全画素領域で均一にすることができるからである。
[0007]
 縦クロストークの低減と、上述の縦スジの低減とを両立する方策として、例えば、プリチャージ信号電圧レベルを、黒レベルとグレーレベルとの双方を水平ブランキング期間に順次、信号線に印加する2ステッププリチャージ方式が採られている(例えば、特許文献1~3参照)。

先行技術文献

特許文献

[0008]
特許文献1 : 特開2005-309282号公報
特許文献2 : 特開2008-216425号公報
特許文献3 : 特開2013-156645号公報

発明の概要

[0009]
 しかし、2ステッププリチャージ方式では、強制的に電流リークが行われている。そのため、1F期間内において、コモン電圧に対して正極側の電圧印加と、コモン電圧に対して負極側の電圧印加との対称性が崩れる。これにより、液晶セルに電界が生じるので、その電界によって、液晶セルに含まれる不純物イオンが画素電極または対向電極の界面に集まるチャージアップが生じてしまう。その結果、一時的な焼き付きが生じてしまうという問題があった。
[0010]
 したがって、プリチャージによる一時的な焼き付きの発生を抑制することの可能な表示装置、電子機器および投射型表示装置を提供することが望ましい。
[0011]
 本開示の一実施の形態の表示装置は、複数の画素が行列状に2次元配置され、画素列ごとに信号線が配置された画素アレイ部を備えている。第1の表示装置は、さらに、各画素を行単位で順次選択する第1駆動部と、第1駆動部によって選択された画素行の各画素に対して映像信号を、信号線を介して印加するとともに、映像信号の極性を所定の周期で反転させる第2駆動部とを備えている。第2駆動部は、信号電圧の印加に先立って、相対的に振幅の大きな第1プリチャージ信号電圧と、相対的に振幅の小さな第2プリチャージ信号電圧とを順次、信号線に印加する。第2駆動部は、さらに、第1プリチャージ信号電圧の印加に起因する、画素から信号線への電流リーク量が所定の水平期間ごとに他の期間よりも小さくなるように、第1プリチャージ信号電圧の印加を制御する。
[0012]
 本開示の一実施の形態の表示装置において、第2駆動部は、第1プリチャージ信号電圧の印加を所定の水平期間ごとに間引きつつ、第2プリチャージ信号電圧の印加を1水平期間ごとに行ってもよい。このとき、第2駆動部は、例えば、各映像信号の印加期間を含まない水平期間の全部または一部において、第1プリチャージ信号電圧の印加を省略してもよい。また、第2駆動部は、例えば、第1プリチャージ信号電圧の間引きに伴って生じた時間の全体または一部を各映像信号の印加期間に均等に割り振ってもよい。また、第1プリチャージ信号電圧が、例えば、信号電圧の最低レベルまたはそれより大きなレベルの電圧値となっていてもよい。
[0013]
 また、本開示の一実施の形態の表示装置において、第2駆動部は、第1プリチャージ信号電圧および第2プリチャージ信号電圧の印加を1水平期間ごとに行うとともに、第1プリチャージ信号電圧の振幅を、所定の水平期間ごとに、他の水平期間における第1プリチャージ信号電圧の振幅よりも小さくするようになっていてもよい。
[0014]
 本開示の一実施の形態の電子機器は、上記の表示装置を備えている。
[0015]
 本開示の一実施の形態の投射型表示装置は、照明光学系と、照明光学系からの光を変調することで画像光を生成する複数の画像光生成部と、複数の画像光生成部で生成された各画像光を投射する投射光学系とを備えている。各画像光生成部は、上記の表示装置と同一の構成要素を有している。
[0016]
 本開示の一実施の形態の表示装置、本開示の電子機器および本開示の投射型表示装置では、第1プリチャージ信号電圧の印加に起因する、画素から信号線への電流リーク量が所定の水平期間ごとに他の期間よりも小さくなるように、第1プリチャージ信号電圧の印加が制御される。これにより、1F期間内において、コモン電圧に対して正極側の電圧印加と、コモン電圧に対して負極側の電圧印加との対称性の崩れが緩和される。
[0017]
 本開示の一実施の形態の表示装置、本開示の電子機器および本開示の投射型表示装置によれば、1F期間内において、コモン電圧に対して正極側の電圧印加と、コモン電圧に対して負極側の電圧印加との対称性の崩れを緩和するようにしたので、チャージアップを抑制することができる。その結果、プリチャージによる一時的な焼き付きの発生を抑制することができる。なお、本開示の効果は、ここに記載された効果に必ずしも限定されず、本明細書中に記載されたいずれの効果であってもよい。
[0018]
 本開示の一実施の形態の表示装置において、第2駆動部が、第1プリチャージ信号電圧の印加を所定の水平期間ごとに間引きつつ、第2プリチャージ信号電圧の印加を1水平期間ごとに行うようになっている場合には、どのような映像信号に対しても、プリチャージによる一時的な焼き付きの発生を抑制することができる。
[0019]
 本開示の一実施の形態の表示装置において、第2駆動部が、各映像信号の印加期間を含まない水平期間の全部または一部において、第1プリチャージ信号電圧の印加を省略するようになっている場合には、ブランキング期間における、意図的な電流リークを低減することができる。その結果、プリチャージによる一時的な焼き付きの発生をより一層、抑制することができる。
[0020]
 本開示の一実施の形態の表示装置において、第2駆動部が、第1プリチャージ信号電圧の間引きに伴って生じた時間の全体または一部を各映像信号の印加期間に均等に割り振るようになっている場合には、上述した対称性の崩れが生じている場合であっても、映像信号の印加期間が延びた分だけ、各画素の電圧値を所望の電圧値に近づけることができる。その結果、プリチャージによる一時的な焼き付きの発生をより一層、抑制することができる。
[0021]
 本開示の一実施の形態の表示装置において、第1プリチャージ信号電圧が、信号電圧の最低レベルまたはそれより大きなレベルの電圧値となっている場合には、縦クロストークの低減効果を損なうことなく、プリチャージによる一時的な焼き付きの発生をより一層、抑制することができる。
[0022]
 本開示の一実施の形態の表示装置において、第2駆動部が、第1プリチャージ信号電圧および第2プリチャージ信号電圧の印加を1水平期間ごとに行うとともに、第1プリチャージ信号電圧の振幅を、所定の水平期間ごとに、他の水平期間における第1プリチャージ信号電圧の振幅よりも小さくするようになっている場合には、上述の「間引き」と同様、どのような映像信号に対しても、プリチャージによる一時的な焼き付きの発生を抑制することができる。

図面の簡単な説明

[0023]
[図1] 本開示の第1の実施の形態に係る表示装置の概略構成の一例を表す図である。
[図2] 表示パネルモジュールの概略構成の一例を表す図である。
[図3] 水平駆動回路およびプリチャージ回路の回路構成の一例を表す図である。
[図4] コントローラによる点順次駆動の一例について説明するための波形図である。
[図5] 1フィールド期間について説明するための波形図である。
[図6] 1水平期間について説明するための波形図である。
[図7] 水平駆動回路およびプリチャージ回路の回路構成の他の例を表す図である。
[図8] コントローラによる線順次駆動の一例について説明するための波形図である。
[図9A] 1F反転駆動の一例について説明するための模式図である。
[図9B] 1F1H反転駆動の一例について説明するための模式図である。
[図9C] 1F1ドット反転駆動の一例について説明するための模式図である。
[図10] 画素アレイ部が白黒ストライプ表示をしている様子を表す図である。
[図11] 図10の白領域内の画素の電圧波形の一例を表す図である。
[図12] 図10の黒領域内の画素の電圧波形の一例を表す図である。
[図13] 図11の区間αにおける電圧波形の一例を表す図である。
[図14] 図11の区間βにおける電圧波形の一例を表す図である。
[図15] 図10の白領域内の画素の電圧波形の他の例を表す図である。
[図16] 図10の黒領域内の画素の電圧波形の他の例を表す図である。
[図17] 従来のプリチャージ信号電圧の一例について説明するための波形図である。
[図18] 縦クロストークと焼き付きとの関係の一例を表す図である。
[図19] プリチャージ信号電圧の一例について説明するための波形図である。
[図20] プリチャージ信号電圧の一例について説明するための波形図である。
[図21] プリチャージ信号電圧の一例について説明するための波形図である。
[図22] プリチャージ信号電圧の一例について説明するための波形図である。
[図23] プリチャージ信号電圧の一例について説明するための波形図である。
[図24] プリチャージ信号電圧の一例について説明するための波形図である。
[図25] プリチャージ信号電圧の一例について説明するための波形図である。
[図26] プリチャージ信号電圧の一例について説明するための波形図である。
[図27] プリチャージ信号電圧の一例について説明するための波形図である。
[図28] プリチャージ信号電圧の一例について説明するための波形図である。
[図29] プリチャージ信号電圧の一例について説明するための波形図である。
[図30] プリチャージ信号電圧の一例について説明するための波形図である。
[図31] プリチャージ信号電圧の一例について説明するための波形図である。
[図32] プリチャージ信号電圧の一例について説明するための波形図である。
[図33] プリチャージ信号電圧の一例について説明するための波形図である。
[図34] プリチャージ信号電圧の一例について説明するための波形図である。
[図35] プリチャージ信号電圧の一変形例について説明するための波形図である。
[図36] プリチャージ信号電圧の一変形例について説明するための波形図である。
[図37] 映像信号の一変形例について説明するための波形図である。
[図38] 図10の白領域内の画素の電圧波形の一変形例を表す図である。
[図39] 図10の黒領域内の画素の電圧波形の一変形例を表す図である。
[図40] 図10の白領域内の画素の電圧波形の一変形例を表す図である。
[図41] 図10の黒領域内の画素の電圧波形の一変形例を表す図である。
[図42] 本開示の第2の実施の形態に係る電子機器の斜視構成の一例を表す図である。
[図43] 本開示の第3の実施の形態に係る電子機器の斜視構成の一例を表す図である。
[図44] 本開示の第4の実施の形態に係るプロジェクタの概略構成の一例を表す図である。

発明を実施するための形態

[0024]
 以下、本開示を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。

・目次
               要部          図面
 1.第1の実施の形態………(1)          図1~図20
              (1)+(2)      図21、図22
              (1)+(2)+(3)  図23、図24
 2.第2の実施の形態………(3)          図25、図26
              (3)+(1)      図27、図28
              (3)+(2)      図29、図30
 3.第3の実施の形態………(4)          図31、図32
              (4)+(1)      図33、図34
 4.各実施の形態に共通の変形例
            ……(5)          図35、図36
              (6)          図37
              (7)          図38~図41
 5.第4の実施の形態(電子機器)          図42
 6.第5の実施の形態(電子機器)          図43
 7.第6の実施の形態(プロジェクタ)        図44

・要部
(1)ブランキング期間におけるプリチャージ信号電圧VpsigG1の全体または一部が省略されている
(2)プリチャージ信号電圧VpsigG1の印加が所定の1Hごとに間引かれている
(3)プリチャージ信号電圧VpsigG1が信号電圧Vsigの最低レベルまたはそれよりも大きなレベルとなっている
(4)プリチャージ信号電圧VpsigG1の振幅が、所定の1Hごとに他の1Hにおけるプリチャージ信号電圧VpsigG1の振幅よりも小さくなっている
(5)間引く箇所が周期的に変更されている
(6)間引きに伴って生じる時間の全体または一部が各書き込み時間に均等に割り振られている。
(7)プリチャージ信号電圧VpsigG1が信号電圧Vsigの最高レベルまたはそれよりも大きなレベルとなっている
[0025]
<1.第1の実施の形態>
[構成]
 図1は、本開示の第1の実施の形態に係る表示装置1の概略構成の一例を表したものである。表示装置1は、3板式のプロジェクタ(投射型表示装置)のライトバルブとして適用可能なものである。表示装置1は、例えば、画素アレイ部10、コントローラ20および液晶ドライバ30を備えている。画素アレイ部10は、透過型となっていてもよいし、反射型となっていてもよい。なお、画素アレイ部10が透過型となっている場合には、表示装置1は、必要に応じて、画素アレイ部10の背後に、図示しない光源を備えていてもよい。
[0026]
(画素アレイ部10)
 画素アレイ部10は、電圧印加により光の偏光状態を電気的に変えることで画像光を生成するものである。画素アレイ部10は、例えば、ノーマリーブラックの透過率特性または反射率特性となっている。ここで、ノーマリーブラックとは、電圧がかかっていない時に透過率あるいは反射率が最小となり 、黒表示になる光学特性を指している。なお、画素アレイ部10は、例えば、ノーマリーホワイトの透過率特性または反射率特性となっていてもよい。ここで、ノーマリーホワイトとは、電圧がかかっていない時に透過率あるいは反射率が最大となり、白表示になる光学特性を指している。以下では、画素アレイ部10がノーマリーブラックの透過率特性または反射率特性となっているものとして、説明する。
[0027]
 図2は、表示パネルモジュール40の概略構成の一例を表したものである。表示装置1は、表示パネルモジュール40を備えている。表示パネルモジュール40は、例えば、ガラス板または樹脂板などからなる基板上に、画素アレイ部10および液晶ドライバ30が設けられた表示パネル41を備えている。表示パネルモジュール40は、例えば、さらに、表示パネル41上の液晶ドライバ30に連結されたFPC( Flexible Printed Circuits)42と、FPC42に連結された制御基板43とを備えている。制御基板43は、液晶ドライバ30を介して画素アレイ部10を制御するものであり、例えば、コントローラ20を有している。コントローラ20は、例えば、ICなどで構成されている。なお、コントローラ20は、FPC42上に設けられたり、表示パネルモジュール40の基板上に設けられたりしていてもよい。
[0028]
 画素アレイ部10は、行方向に延在する複数の走査線WSLと、列方向に延在する複数の信号線DTLと、走査線WSLと信号線DTLとが互いに交差する箇所ごとに1つずつ設けられた複数の画素11とを有している。つまり、画素アレイ部10では、複数の画素11が行列状に2次元配置され、画素列ごとに信号線DTLが配置されている。各画素11は、例えば、液晶セルCLと、走査線WSLから入力される信号に基づいて信号線DTLの電圧をサンプリングするとともに液晶セルCLに書き込む画素トランジスタTrと、液晶セルCLに並列接続された容量素子Csとを有している。
[0029]
 画素トランジスタTrは、例えば、薄膜トランジスタ(TFT: Thin Film Transistor)によって構成されている。液晶セルCLは、例えば、液晶層と、液晶層を挟み込む画素電極および対向電極とを含んで構成されている。液晶セルCLは、さらに、例えば、偏光板を含んで構成されていてもよい。液晶セルCLでは、画素電極が画素トランジスタTrのソースまたはドレインに接続され、対向電極が、後述のVCOM回路24に接続されている。液晶セルCLの表示状態は、例えば、TN(Twisted Nematic)モード、VA(Vertical Alignment)モード、IPS(In Plane Switching)モード、FFS(Fringe Field Switching)モード、STN(Super Twisted Nematic)モード、または、ECB(Electrically Controlled Birefringence)モードとなっている。容量素子Csでは、一端が、液晶セルCLの画素電極に接続され、他端が、液晶セルCLの画素電極、または、液晶セルCLの画素電極とは異なる電位の部位に接続されている。
[0030]
(液晶ドライバ30)
 液晶ドライバ30は、各画素11をアクティブマトリクス駆動することにより、外部から入力された映像信号に基づく画像光を画素アレイ部10から生成させる。液晶ドライバ30は、複数の走査線WSLに接続された垂直駆動回路31と、複数の信号線に接続された水平駆動回路32と、プリチャージ回路33とを有している。コントローラ20および垂直駆動回路31が、本開示の「第1駆動部」の一具体例に対応する。コントローラ20、水平駆動回路32およびプリチャージ回路33が、本開示の「第2駆動部」の一具体例に対応する。
[0031]
 図3は、水平駆動回路32およびプリチャージ回路33の回路構成の一例を表したものである。図4は、コントローラ20による点順次駆動の一例について説明するための波形図である。図3、図4では、複数の信号線DTLが、複数のグループ(例えば41ユニット)に分けられており、各グループには、複数の(例えば48相)の信号線DTLが割り当てられている。つまり、図3、図4では、48相×41ユニット=1968ラインの信号線DTLが設けられている。なお、水平駆動回路32は、図3に記載の構成に限定されるものではない。
[0032]
 水平駆動回路32は、垂直駆動回路31によって選択された画素行の各画素11に対して、映像信号DA(後述)に対応する信号電圧Vsigを、信号線DTLを介して印加する。具体的には、水平駆動回路32は、コントローラ20から供給される制御信号に基づいて作動し、信号電圧Vsigを1ライン分ずつ、各信号線DTLを介して画素アレイ部10にパラレル出力する。信号電圧Vsigは、外部から入力された映像信号DAの階調に応じた波高値もしくはパルス幅を有している。垂直駆動回路31は、各画素11を行単位で順次選択する。具体的には、垂直駆動回路31は、コントローラ20から供給される制御信号に基づいて作動し、各画素11を線順次に走査する駆動パルスを、各走査線WSLを介して画素アレイ部10にパラレル出力する。
[0033]
 水平駆動回路32は、例えば、信号線DTLのグループごとに1つずつ割り当てられた複数のシフトレジスタSR(SR(a1),SR(a2)・・・,SR(a41))と、信号線DTLごとに1つずつ割り当てられた複数のスイッチ素子SWaとを含んで構成されている。各シフトレジスタSR(a1),SR(a2)・・・,SR(a41)では、出力端が、対応するグループ内の各スイッチ素子SWaのオンオフ制御端子に接続され、入力端が、FPC42を介してコントローラ20に接続されている。各スイッチ素子SWaは、信号線DTLごとに1つずつ割り当てられた複数のスイッチを含んで構成されている。各スイッチ素子SWaでは、一端が各信号線DTLに1つずつ接続され、他端が、FPC42を介してコントローラ20に接続されている。水平駆動回路32は、例えば、コントローラ20から供給される制御信号に基づいて、各シフトレジスタSRから制御信号が、対応するグループ内の各スイッチ素子SWaのオンオフ制御端子に、順次、出力されることにより、各グループから、対応する各信号線DTLに、信号電圧Vsigを順次、出力する。
[0034]
 プリチャージ回路33は、水平駆動回路32とともに、各信号線DTLに接続されている。プリチャージ回路33は、コントローラ20から供給される制御信号に基づいて作動し、プリチャージ信号電圧Vpsigを、各信号線DTLを介して画素アレイ部10にパラレル出力する。プリチャージ回路33は、信号電圧Vsigの印加に先立って、プリチャージ信号電圧Vpsigを信号線DTLに印加する。プリチャージ信号電圧Vpsigは、例えば、図4に示したように、プリチャージ信号電圧VpsigBと、プリチャージ信号電圧VpsigGとを含んでいる。この場合、プリチャージ回路33は、信号電圧Vsigの印加に先立って、プリチャージ信号電圧VpsigBと、プリチャージ信号電圧VpsigGとを順次、信号線DTLに印加する。プリチャージ信号電圧VpsigBが、本開示の「第1プリチャージ電圧」の一具体例に対応する。プリチャージ信号電圧VpsigGが、本開示の「第2プリチャージ電圧」の一具体例に対応する。
[0035]
 プリチャージ信号電圧VpsigBは、各画素11の対向電極の電圧のばらつきを減らすための信号電圧である。プリチャージ信号電圧VpsigBは、信号電圧Vsigの大きさや極性に依らず固定値となっており、例えば、信号電圧Vsigの最低レベル(後述のVsigL,VsigL1,VsigL2)よりも小さなレベルの電圧値となっている。プリチャージ信号電圧VpsigBは、プリチャージ信号電圧VpsigGの振幅と比べて相対的に大きな振幅を有している。ここで、電圧VsigLは、コモン電圧Vcomが一定となっているときの信号電圧Vsigの最低レベルの電圧値である。電圧VsigL1は、コモン電圧Vcomが矩形波となっている場合で、信号電圧Vsigの極性が正のときの信号電圧Vsigの最低レベルの電圧値である。電圧VsigL2は、コモン電圧Vcomが矩形波となっている場合で、信号電圧Vsigの極性が負のときの信号電圧Vsigの最低レベルの電圧値である。
[0036]
 プリチャージ信号電圧VpsigGは、プリチャージ信号電圧VpsigBに続いて出力される信号電圧である。コモン電圧Vcomが矩形波となっている場合、プリチャージ信号電圧VpsigGは、プリチャージ信号電圧VpsigG1と、プリチャージ信号電圧VpsigG2とにより構成されている。プリチャージ信号電圧VpsigG1は、信号電圧Vsigの極性が正のときに信号電圧Vsigが出力される直前に出力される信号電圧である。プリチャージ信号電圧VpsigG2は、信号電圧Vsigの極性が負のときに信号電圧Vsigが出力される直前に出力される信号電圧である。プリチャージ信号電圧VpsigG1は、信号電圧Vsigの極性が正のときの信号電圧Vsigの中間調電圧であり、例えば、後述のコモン電圧Vcomよりも少し高い電圧値となっている。プリチャージ信号電圧VpsigG2は、信号電圧Vsigの極性が負のときの信号電圧Vsigの中間調電圧であり、例えば、後述のコモン電圧Vcomよりも少し低い電圧値となっている。プリチャージ信号電圧VpsigG,VpsigG1,VpsigG2は、プリチャージ信号電圧VpsigBの振幅と比べて相対的に小さな振幅を有している。
[0037]
 本実施の形態では、信号電圧Vsigが印加される直前に、プリチャージ信号電圧VpsigGが印加される。これにより、信号電圧Vsigの信号線DTLへの書き込み不足が改善される。また、本実施の形態では、信号電圧Vsigが印加される直前に、プリチャージ信号電圧VpsigBが印加される。これにより、画素トランジスタTrから信号線DTLに向かって、リーク電流が強制的に流されるので、各画素11における電圧Vpixのばらつきが低減される。
[0038]
(コントローラ20)
 コントローラ20は、液晶ドライバ30に対して、各画素11の交流駆動方式によるアクティブマトリクス駆動の制御を行う。交流駆動方式については、後に詳述する。コントローラ20は、信号処理回路21、タイミング生成回路22、反転回路23、VCOM回路24および電源生成回路25を有している。
[0039]
 信号処理回路21は、例えば、外部から入力されたデジタルの映像信号Dinを、画素アレイ部10用のアナログの映像信号DAに変換し、変換した映像信号DAを反転回路23に出力する。信号処理回路21は、さらに、例えば、映像信号Dinから、同期信号Tsを分離し、分離した同期信号Tsをタイミング生成回路22に出力する。タイミング生成回路22は、例えば、同期信号Tsに同期した水平スタート信号HSTおよび水平クロック信号HCKを形成して水平駆動回路32に出力する。タイミング生成回路22は、さらに、例えば、同期信号Tsに同期した垂直スタート信号VSTおよび垂直クロック信号VCKを形成して垂直駆動回路31に出力する。タイミング生成回路22は、さらに、例えば、同期信号Tsに同期した反転制御パルスを形成して反転回路23に出力する。タイミング生成回路22は、さらに、例えば、同期信号Tsに同期した垂直クロック信号VCKを形成してVCOM回路24に出力する。反転回路23は、反転制御パルスに応じた極性反転動作を行う。反転回路23は、映像信号DAから、1フィールド期間(1F)ごとに極性反転した信号電圧Vsigを形成する。反転回路23は、形成した信号電圧Vsigを水平駆動回路32に出力する。電源生成回路25は、信号処理回路21やVCOM回路24等で必要となる電圧を生成し、信号処理回路21やVCOM回路24に供給するものである。
[0040]
 ここで、1Fは、例えば、図5に示したように、垂直スタート信号VSTによって規定される期間である。1Fの開始時は、垂直スタート信号VSTの立ち上がり時に対応し、1Fの終了時は、1Fが開始された後に最初に生成される垂直スタート信号VSTの立ち上がり時に対応する。なお、1Fが、コモン電圧Vcomのパルス波形によって規定された期間であってもよい。この場合、1Fは、コモン電圧Vcomの立ち上がり時から立ち下がり時までの期間、または、コモン電圧Vcomの立ち下がり時から立ち上がり時までの期間に対応する。
[0041]
 1Fは、信号電圧Vsigが画素アレイ部10に印加される有効表示期間Taと、有効表示期間Taの前および後のうち少なくとも一方に設けられるブランキング期間Tbとを含んで構成されている。本実施の形態では、1F内に1つだけ有効表示期間Taが設けられており、ブランキング期間Tbが、有効表示期間Taの前に設けられたブランキング期間Tb1と、有効表示期間Taの後に設けられたブランキング期間Tb2とにより構成されている。有効表示期間Taでは、全ライン分の信号電圧Vsigが、水平駆動回路32から各信号線DTLに対して、1ライン分の信号電圧Vsigごとに、垂直クロック信号VCKに同期して、順次、出力される。ブランキング期間Tbは、画素アレイ部10に映像が表示されない期間であり、種々の信号処理が行われる期間である。
[0042]
 水平スタート信号HSTは、例えば、図6に示したように、1水平期間(1H)を規定する。1Hの開始時は、水平スタート信号HSTの立ち上がり時に対応し、1Hの終了時は、1Hが開始された後に最初に生成される水平スタート信号HSTの立ち上がり時に対応する。有効表示期間Ta内の各1Hは、信号電圧Vsigが画素アレイ部10に印加される有効表示期間Tcと、有効表示期間Tcの前および後のうち少なくとも一方に設けられるブランキング期間Tdとを含んで構成されている。本実施の形態では、1H内に1つだけ有効表示期間Tcが設けられており、ブランキング期間Tdが、有効表示期間Tcの前に設けられたブランキング期間Td1と、有効表示期間Tcの後に設けられたブランキング期間Td2とにより構成されている。有効表示期間Tcでは、1ライン分の信号電圧Vsigが、水平駆動回路32から各信号線DTLに対して、水平クロック信号HCKに同期して、同時に出力されたり、信号線DTLのグループごとに順次、出力されたりする。ブランキング期間Tdは、画素アレイ部10に映像が表示されない期間である。
[0043]
 VCOM回路24は、所定のコモン電圧Vcomを生成して、液晶セルCLの対向電極に印加する。VCOM回路24は、例えば、DC駆動を行う場合には、コモン電圧Vcomを一定にして、液晶セルCLの対向電極に印加する。VCOM回路24は、例えば、AC駆動を行う場合には、垂直スタート信号VSTに同期してパルス変化するコモン電圧Vcomを、液晶セルCLの対向電極に印加する。このとき、VCOM回路24は、1Fごとに極性反転したコモン電圧Vcomを形成し、形成したコモン電圧Vcomを、液晶セルCLの対向電極に印加する。
[0044]
 図7は、水平駆動回路32およびプリチャージ回路33の回路構成の他の例を表したものである。図8は、コントローラ20による線順次駆動の一例について説明するための波形図である。図7、図8では、複数の信号線DTLが、複数のグループ(例えば41セル)に分けられており、各グループには、複数の(例えば48チャンネル)の信号線DTLが割り当てられている。つまり、図7、図8では、48チャンネル×41セル=1968ラインの信号線DTLが設けられている。なお、水平駆動回路32は、図5に記載の構成に限定されるものではない。
[0045]
 水平駆動回路32は、例えば、信号線DTLのグループごとに1つずつ割り当てられた複数の選択線SEL(SEL(1),SEL(2)・・・,SEL(41))と、信号線DTLの各グループにおいて、信号線DTLごとに1つずつ割り当てられた複数のスイッチ素子SWbとを含んで構成されている。対応する選択線SELの互いに異なる複数のスイッチ素子SWbを1つのスイッチ群とし、全てのスイッチSWbを、いずれかのスイッチ群に割り当てたときに、各スイッチ群では、一端が、互いに異なる信号線に接続され、他端が、共通の配線(以下、「共通配線」と称する。)に接続されている。各共通配線は、スイッチ群ごとに1本ずつ割り当てられており、互いに電気的に分離されている。各共通配線は、FPC42を介してコントローラ20に接続されている。水平駆動回路32は、例えば、コントローラ20から供給される制御信号に基づいて、信号線DTLのグループごとに、各スイッチSWbが順次、オンされることにより、信号線DTLのグループごとに、信号電圧Vsigを順次、出力する。
[0046]
(交流駆動)
 水平駆動回路32は、液晶セルCLの画素電極に印加される信号電圧Vsigの、液晶セルCLの対向電極の電位(コモン電圧Vcom)に対する極性を所定の周期で反転させる交流駆動を行う。これにより、液晶の比抵抗(物質固有の抵抗値)等の劣化や、「焼き付き」と呼ばれる残像現象の発生が抑制される。
[0047]
 図9A,図9B,図9Cは、本実施の形態の交流駆動の一例について説明するための模式図である。図9A,図9B,図9Cにおいて、「+」とは、信号電圧Vsigの極性がコモン電圧Vcomに対して正であることを指している。図9A,図9B,図9Cにおいて、「-」とは、信号電圧Vsigの極性がコモン電圧Vcomに対して負であることを指している。つまり、「+」「-」とは、信号電圧Vsigの、コモン電圧Vcomに対する相対的な大小関係を表したものである。
[0048]
 この交流駆動としては、例えば、図9Aに示したように、コモン電圧Vcomを一定にして、信号電圧Vsigの極性を1Fごとに反転させたり、信号電圧Vsigだけでなくコモン電圧Vcomも1Fごとに反転させたりする1F反転駆動が挙げられる。この交流駆動としては、この他に、例えば、図9Bに示したように、コモン電圧Vcomを一定にして、信号電圧Vsigの極性を1Fごとに反転させると共に1Hごとに反転させたり、信号電圧Vsigだけでなくコモン電圧Vcomも1Fごとに反転させると共に1Hごとに反転させたりする1F1H反転駆動が挙げられる。また、この交流駆動としては、この他に、例えば、図9Cに示したように、コモン電圧Vcomを一定にして、信号電圧Vsigの極性を1Fごとに反転させると共に1ドットごとに反転させたり、信号電圧Vsigだけでなくコモン電圧Vcomも1Fごとに反転させると共に1ドットごとに反転させたりする1F1ドット反転駆動が挙げられる。
[0049]
 次に、本実施の形態の1F反転駆動の一例について説明する。図10は、画素アレイ部10が白黒ストライプ表示をしている様子を表したものである。図10には、上下方向に延在する2つの白領域10A,10Cの間に、上下方向に延在する黒領域10Bが挟まれた白黒ストライプ表示が例示されている。図11~図16は、本実施の形態の1F反転駆動波形の一例を表したものである。図11~図14は、コモン電圧Vcomを一定(DC)にしたVcomDC駆動の波形の一例を表したものである。図15、図16は、コモン電圧Vcomを矩形(AC)にしたVcomAC駆動の波形の一例を表したものである。
[0050]
 図11,図15は、白領域10A,10C内の信号線DTLの電圧VdtlWの波形を、白領域10A,10C内の画素11の電圧VpixWの電圧の変位とともに表したものである。電圧VpixWは、信号電圧Vsigと、プリチャージ信号電圧Vpsigとを足し合わせた電圧波形となっている。図12,図16は、黒領域10B内の信号線DTLの電圧VdtlBの波形を、黒領域10B内の画素11の電圧VpixBの電圧の変位とともに表したものである。電圧VpixBは、信号電圧Vsigと、プリチャージ信号電圧Vpsigとを足し合わせた電圧波形となっている。図13は、図11の区間αにおける電圧波形の一例を表したものである。図14は、図11の区間βにおける電圧波形の一例を表したものである。
[0051]
(白領域10A,10Cについて)
 図11、図13、図14では、信号電圧Vsigは、信号電圧Vsigとは無関係に固定されたコモン電圧Vcomを中心として1Fごとに反転する波形となっている。従って、信号電圧Vsigの振幅は、コモン電圧Vcomを基準として、概ね、一定となっている。このとき、信号電圧Vsigの振幅は、白表示に対応する大きさとなっている。また、図11、図13、図14では、プリチャージ信号電圧VpsigG1,VpsigG2は、信号電圧Vsigの極性に応じた値となっている。ここで、プリチャージ信号電圧VpsigG1,VpsigG2の振幅は、コモン電圧Vcomを基準として、概ね、一定となっている。図11、図13、図14では、プリチャージ信号電圧VpsigBは、信号電圧Vsigの極性とは無関係に固定された値となっており、1F全体に渡って「-」の極性となっている。従って、プリチャージ信号電圧VpsigBは、コモン電圧Vcomを基準として、「-」の極性側に偏っている。
[0052]
 ここで、プリチャージ信号電圧VpsigBは、画素トランジスタTrから信号線DTLに向かってリーク電流を強制的に流させる。プリチャージ信号電圧VpsigG1は、信号電圧Vsigが白表示のときには、画素トランジスタTrから信号線DTLに向かってリーク電流を強制的に流させる信号電圧として作用する。そのため、図13に示したように、信号電圧Vsigの極性が正のときに、白領域10A,10C内の信号線DTLの電圧VdtlWは、画素トランジスタTrがオフしている期間に、プリチャージ信号電圧VpsigB,VpsigG1によって所望の値から低下する。
[0053]
 プリチャージ信号電圧VpsigG2は、信号電圧Vsigが白表示のときには、信号線DTLから画素トランジスタTrに向かってリーク電流を強制的に流させる信号電圧として作用する。そのため、図14に示したように、信号電圧Vsigの極性が負のときに、白領域10A,10C内の信号線DTLの電圧VdtlWは、画素トランジスタTrがオフしている期間に、プリチャージ信号電圧VpsigG2によって所望の値からわずかに上昇する。このとき、プリチャージ信号電圧VpsigBは、信号電圧Vsigと同じか、ほぼ同じとなっているので、白領域10A,10C内の信号線DTLの電圧VdtlWは、プリチャージ信号電圧VpsigBよってほとんど変動しない。
[0054]
 以上のことから、白領域10A,10C内の信号線DTLの電圧VdtlWは、プリチャージ信号電圧VpsigBの影響を受けて、所望の値から低下する。つまり、プリチャージ信号電圧VpsigBの、コモン電圧Vcomに対する非対称性が、白領域10A,10C内の信号線DTLの電圧VdtlWの、所望の値からの低下を招く。その結果、白領域10A,10Cには、一時的な焼き付きが生じる。この「一時的な焼き付き」は、例えば、表示装置1を所定の期間、単色表示にし続けたり、表示装置1の電源を所定の期間、オフし続けたりすることで、解消され得る。
[0055]
(黒領域10Bについて)
 図12では、信号電圧Vsigは、黒表示となっている。そのため、信号電圧Vsigは、信号電圧Vsigとは無関係に固定されたコモン電圧Vcomと同一またはほぼ同一の電圧値となっている。また、図12では、プリチャージ信号電圧VpsigG1,VpsigG2は、信号電圧Vsigの極性に応じた値となっている。ここで、プリチャージ信号電圧VpsigG1,VpsigG2の振幅は、コモン電圧Vcomを基準として、概ね、一定となっている。図12では、プリチャージ信号電圧VpsigBは、信号電圧Vsigの極性とは無関係に固定された値となっており、1F全体に渡って負の極性となっている。従って、プリチャージ信号電圧VpsigBは、コモン電圧Vcomを基準として、負の極性側に偏っている。
[0056]
 ここで、プリチャージ信号電圧VpsigBは、画素トランジスタTrから信号線DTLに向かってリーク電流を強制的に流させる。プリチャージ信号電圧VpsigG2は、信号電圧Vsigが低階調のときには、画素トランジスタTrから信号線DTLに向かってリーク電流を強制的に流させる信号電圧として作用する。そのため、図12に示したように、信号電圧Vsigの極性に拘わらず、黒領域10B内の信号線DTLの電圧VdtlBは、画素トランジスタTrがオフしている期間に、プリチャージ信号電圧VpsigB,VpsigG2によって所望の値から低下する。つまり、プリチャージ信号電圧VpsigBの、コモン電圧Vcomに対する非対称性が、黒領域10B内の信号線DTLの電圧VdtlBの、所望の値からの低下を招く。その結果、黒領域10Bにも、一時的な焼き付きが生じる。
[0057]
 ところで、プリチャージ信号電圧VpsigG1は、信号電圧Vsigが低階調のときには、信号線DTLから画素トランジスタTrに向かってリーク電流を強制的に流させる信号電圧として作用する。また、白領域10A,10Cにおける電圧VpixWの低下量が黒領域10Bにおける電圧VpixBの低下量よりも大幅に大きい。そのため、白領域10A,10Cと、黒領域10Bとで、一時的な焼き付きの程度が異なるので、画素アレイ部10が、白領域10A,10Cと、黒領域10Bとが混在する白黒ストライプ表示をした後に、単色表示(例えば低輝度表示)をすると、白黒ストライプの模様が画素アレイ部10に現れ得る。この現象は、図15、図16に示したVcomAC駆動においても現れ得る。
[0058]
 そこで、コントローラ20は、白領域10A,10Cにおける電圧VpixWの低下量と、黒領域10Bにおける電圧VpixBの低下量との差が縮まるように(つまり、一時的な焼き付きが目立ち難くなるように)、プリチャージ信号電圧VpsigBの印加を制御する。例えば、プリチャージ信号電圧VpsigBの印加を間引くことが考えられる。「間引く」とは、プリチャージ信号電圧VpsigBが、例えば、図17に示したように1Hごとに印加されている場合に、少なくとも、信号電圧Vsigの極性が正となっている期間に含まれる複数のプリチャージ信号電圧VpsigBのうち一部を省略することを指している。
[0059]
 プリチャージ信号電圧VpsigBの印加を間引くことにより、プリチャージ信号電圧VpsigBの積算印加時間が短くなる。その結果、例えば、図18に示したように、一時的な焼き付きが目立ち難い方向に向かう。しかし、例えば、図18に示したように、プリチャージ信号電圧VpsigBの積算印加時間が短くなるにつれて、縦クロストークが悪化する。そのため、コントローラ20は、縦クロストークの悪化を最小限度に抑えつつ、一時的な焼き付きが目立ち難くなるように、プリチャージ信号電圧VpsigBの印加を制御することが好ましい。
[0060]
 具体的には、コントローラ20は、垂直ブランキング期間Tbに含まれる全体または一部の1Hにおいて、プリチャージ信号電圧VpsigBの印加を省略する制御を行う。このとき、プリチャージ回路33は、例えば、図19、図20に示したように、コントローラ20から供給される制御信号に基づいて、垂直ブランキング期間Tb(Tb1,Tb2)に含まれる全体または一部の1Hにおいて、プリチャージ信号電圧VpsigBの印加を省略する。なお、図19には、VcomDC駆動における電圧波形の一例が例示されている。図20には、VcomAC駆動における電圧波形の一例が例示されている。
[0061]
 コントローラ20は、さらに、プリチャージ信号電圧VpsigBの印加に起因する、画素11から信号線DTLへの電流リーク量が所定の1Hごとに他の期間よりも小さくなるように、プリチャージ信号電圧VpsigBの印加を制御するようにしてもよい。このとき、プリチャージ回路33は、プリチャージ信号電圧VpsigBの印加に起因する、画素11から信号線DTLへの電流リーク量が所定の1Hごとに他の期間よりも小さくなるように、プリチャージ信号電圧VpsigBの印加を行う。
[0062]
 コントローラ20は、例えば、プリチャージ信号電圧VpsigBの印加を所定の1Hごとに間引きつつ、プリチャージ信号電圧VpsigGの印加を1水平期間ごとに行うように、プリチャージ回路33に対する制御を行うようにしてもよい。このとき、プリチャージ回路33は、例えば、図21、図22に示したように、コントローラ20から供給される制御信号に基づいて、プリチャージ信号電圧VpsigBの印加を所定の1Hごとに間引きつつ、プリチャージ信号電圧VpsigGの印加を1水平期間ごとに行う。なお、図21には、VcomDC駆動における電圧波形の一例が例示されている。図22には、VcomAC駆動における電圧波形の一例が例示されている。図21、図22には、プリチャージ信号電圧VpsigBの印加が、1Hおきに省略されている様子が例示されている。
[0063]
 コントローラ20は、プリチャージ信号電圧VpsigBの印加間隔が等間隔となるよう、プリチャージ信号電圧VpsigBの印加を間引くことが好ましい。コントローラ20は、例えば、プリチャージ信号電圧VpsigBを偶数画素行ごとに間引いたり、プリチャージ信号電圧VpsigBを奇数画素行ごとに間引いたりしてもよい。コントローラ20は、例えば、プリチャージ信号電圧VpsigBを4Hごとに3つ、間引いてもよい。
[0064]
 コントローラ20は、さらに、プリチャージ信号電圧VpsigBを、信号電圧Vsigの最低レベル(VsigL2,VsigL)またはそれより大きなレベルの電圧値に設定してもよい。このとき、プリチャージ回路33は、例えば、図23、図24に示したように、コントローラ20から供給される制御信号に基づいて、信号電圧Vsigの最低レベル(VsigL2,VsigL)またはそれより大きなレベルの電圧値に設定されたプリチャージ信号電圧VpsigBを出力する。なお、図23は、VcomDC駆動における電圧波形の一例が例示されている。図24には、VcomAC駆動における電圧波形の一例が例示されている。
[0065]
[効果]
 次に、本実施の形態の表示装置1の効果について説明する。
[0066]
 従来から、液晶セルの焼き付きを防止するために、液晶セルの画素電極に印加される信号電圧の、液晶セルの対向電極の電位に対する極性を所定の周期で反転させる交流駆動法が採られている。しかし、この交流駆動法では、信号線の電位の揺れが表示画面上に縦スジとして見えてしまうことがあった。そのため、映像信号の書き込みに先立って、中間調レベルのプリチャージ信号を信号線に書き込むプリチャージ方式が、この交流駆動法と共に採られている。
[0067]
 しかし、プリチャージ信号レベルを中間調レベルに設定すると、縦クロストークが発生し、画品位が損なわれてしまう。そこで、現在では、縦クロストークの低減と、上述の縦スジの低減とを両立する方策として、例えば、プリチャージ信号レベルを、白レベルと中間調レベルとの双方を水平ブランキング期間に順次、信号線に印加する2ステッププリチャージ方式が採られている。ところが、2ステッププリチャージ方式では、強制的に電流リークが行われている。そのため、1F期間内において、コモン電圧に対してプラス側の電圧印加と、コモン電圧に対してマイナス側の電圧印加との対称性が崩れる。これにより、液晶セルに電界が生じるので、その電界によって、液晶セルに含まれる不純物イオンが画素電極または対向電極の界面に集まるチャージアップが生じてしまう。その結果、一時的な焼き付きが生じてしまうという問題があった。
[0068]
 一方、本実施の形態では、垂直ブランキング期間Tb(Tb1,Tb2)に含まれる全体または一部の水平期間において、プリチャージ信号電圧VpsigBの印加が省略される。これにより、1F期間内において、コモン電圧Vcomに対してプラス側の電圧印加と、コモン電圧Vcomに対してマイナス側の電圧印加との対称性の崩れが緩和されるので、チャージアップを抑制することができる。その結果、プリチャージ信号電圧Vpsigによる一時的な焼き付きの発生を抑制することができる。
[0069]
 また、本実施の形態において、プリチャージ信号電圧VpsigBの印加に起因する、画素11から信号線DTLへの電流リーク量が所定の1Hごとに他の期間よりも小さくなるように、プリチャージ信号電圧VpsigBの印加が行われる場合には、1F期間内において、コモン電圧Vcomに対して正極側の電圧印加と、コモン電圧Vcomに対して負極側の電圧印加との対称性の崩れを緩和することができる。その結果、プリチャージ信号電圧Vpsigによる一時的な焼き付きの発生をより効果的に抑制することができる。
[0070]
 例えば、本実施の形態において、プリチャージ信号電圧VpsigBの印加が所定の1Hごとに間引かれつつ、プリチャージ信号電圧VpsigGの印加が1Hごとに行われることにより、どのような映像信号DAに対しても、1F内において、コモン電圧Vcomに対して正極側の電圧印加と、コモン電圧Vcomに対して負極側の電圧印加との対称性の崩れを緩和することができる。その結果、プリチャージ信号電圧Vpsigによる一時的な焼き付きの発生をより効果的に抑制することができる。
[0071]
 また、本実施の形態において、プリチャージ信号電圧VpsigBを、信号電圧Vsigの最低レベル(VsigL2,VsigL)またはそれより大きなレベルの電圧値に設定した場合には、プリチャージ信号電圧VpsigBの振幅が浅くなった分だけ、電流リーク量を減らすことができる。その結果、プリチャージ信号電圧Vpsigによる一時的な焼き付きの発生をより効果的に抑制することができる。
[0072]
<2.第2の実施の形態>
 図25、図26は、本開示の第2の実施の形態に係る表示装置2におけるプリチャージ信号電圧Vpsigの一例について説明するための波形図である。本実施の形態では、コントローラ20が、プリチャージ信号電圧VpsigBを、信号電圧Vsigの最低レベル(VsigL2,VsigL)またはそれより大きなレベルの電圧値に設定している。このとき、プリチャージ回路33は、例えば、図25、図26に示したように、コントローラ20から供給される制御信号に基づいて、信号電圧Vsigの最低レベル(VsigL2,VsigL)またはそれより大きなレベルの電圧値に設定されたプリチャージ信号電圧VpsigBを信号線DTLに出力する。これにより、プリチャージ信号電圧VpsigBの振幅が浅くなった分だけ、電流リーク量を減らすことができる。その結果、プリチャージ信号電圧Vpsigによる一時的な焼き付きの発生を抑制することができる。
[0073]
 本実施の形態において、さらに、コントローラ20は、垂直ブランキング期間Tb(Tb1,Tb2)に含まれる全体または一部の1Hにおける、プリチャージ信号電圧VpsigBの印加を省略するよう、プリチャージ回路33を制御してもよい。このとき、プリチャージ回路33は、例えば、図27、図28に示したように、コントローラ20から供給される制御信号に基づいて、垂直ブランキング期間Tb(Tb1,Tb2)に含まれる全体または一部の1Hにおける、プリチャージ信号電圧VpsigBの印加を省略する。これにより、1F期間内において、コモン電圧Vcomに対して正極側の電圧印加と、コモン電圧Vcomに対して負極側の電圧印加との対称性の崩れが緩和されるので、チャージアップを抑制することができる。その結果、プリチャージ信号電圧Vpsigによる一時的な焼き付きの発生をより効果的に抑制することができる。
[0074]
 また、本実施の形態において、さらに、コントローラ20は、プリチャージ信号電圧VpsigBの印加を所定の1Hごとに間引きつつ、プリチャージ信号電圧VpsigGの印加を1Hごとに行うよう、プリチャージ回路33を制御してもよい。このとき、プリチャージ回路33は、例えば、図29、図30に示したように、コントローラ20から供給される制御信号に基づいて、プリチャージ信号電圧VpsigBの印加を所定の1Hごとに間引きつつ、プリチャージ信号電圧VpsigGの印加を1Hごとに行う。これにより、どのような映像信号DAに対しても、1F内において、コモン電圧Vcomに対して正極側の電圧印加と、コモン電圧Vcomに対して負極側の電圧印加との対称性の崩れを緩和することができる。その結果、プリチャージ信号電圧Vpsigによる一時的な焼き付きの発生をより効果的に抑制することができる。
[0075]
<3.第3の実施の形態>
 図31、図32は、本開示の第3の実施の形態に係る表示装置3におけるプリチャージ信号Vpsigの一例について説明するための波形図である。本実施の形態では、コントローラ20は、プリチャージ信号VpsigBおよびプリチャージ信号VpsigG(VpsigG1,VpsigG2)の印加を1Hごとに行うように、プリチャージ回路33を制御する。コントローラ20は、さらに、プリチャージ信号VpsigBの振幅を、所定の1Hごとに、他の1Hにおけるプリチャージ信号VpsigBの振幅よりも小さな値に設定する。このとき、プリチャージ回路33は、例えば、図31、図32に示したように、コントローラ20から供給される制御信号に基づいて、プリチャージ信号VpsigBおよびプリチャージ信号VpsigG(VpsigG1,VpsigG2)の印加を1Hごとに行うとともに、所定の1Hごとに、他の1Hにおけるプリチャージ信号VpsigBの振幅よりも小さな振幅に設定されたプリチャージ信号VpsigBを信号線DTLに出力する。これにより、どのような映像信号DAに対しても、1F内において、コモン電圧Vcomに対して正極側の電圧印加と、コモン電圧Vcomに対して負極側の電圧印加との対称性の崩れを緩和することができる。その結果、プリチャージ信号電圧Vpsigによる一時的な焼き付きの発生をより効果的に抑制することができる。
[0076]
 また、本実施の形態において、さらに、コントローラ20は、プリチャージ信号電圧VpsigBを、信号電圧Vsigの最低レベル(VsigL2,VsigL)またはそれより大きなレベルの電圧値に設定してもよい。このとき、プリチャージ回路33は、例えば、図33、図34に示したように、コントローラ20から供給される制御信号に基づいて、信号電圧Vsigの最低レベル(VsigL2,VsigL)またはそれより大きなレベルの電圧値に設定したリチャージ信号電圧VsigBを信号線DTLに出力する。これにより、プリチャージ信号電圧VpsigBの振幅が浅くなった分だけ、電流リーク量を減らすことができる。その結果、プリチャージ信号電圧Vpsigによる一時的な焼き付きの発生を抑制することができる。
[0077]
<4.各実施の形態に共通の変形例>
[変形例A]
 図35、図36は、プリチャージ信号Vpsigの一変形例について説明するための波形図である。上記各実施の形態およびそれらの変形例において、コントローラ20は、プリチャージ信号電圧VpsigBを間引く箇所を、所定の期間(例えば1F)ごとに変更してもよい。コントローラ20は、例えば、図35に示したように、ある1Fにおいて、プリチャージ信号電圧VpsigBを偶数画素行ごとに間引いた後、次の1Fにおいて、プリチャージ信号電圧VpsigBを奇数画素行ごとに間引いてもよい。コントローラ20は、例えば、図36に示したように、プリチャージ信号電圧VpsigBを4Hごとに3つ、間引くとともに、4Hごとに間引く3つのプリチャージ信号電圧VpsigBの組み合わせを1Fごとに変更してもよい。
[0078]
 既存駆動では、プリチャージ信号電圧VpsigBは毎Hに1回、印可される。一方、本実施の形態およびその変形例では、画素トランジスタTrにおける電流リークによる影響を抑えるために、コントローラ20は、複数H(nH)に対して1回以上、n回より少ない回数、プリチャージ信号電圧VpsigBが信号線DTLに印加されるよう、プリチャージ回路33を制御する。そして、プリチャージ回路33は、コントローラ20から供給される制御信号に基づいて、複数H(nH)に対して1回以上、n回より少ない回数、プリチャージ信号電圧VpsigBを信号線DTLに印加する。このとき、プリチャージ信号電圧VpsigBは、複数H(nH)におけるどのHで印可されてもよい。また、複数H(nH)に1回以上、n回より少ない回数、プリチャージ信号電圧VpsigBが信号線DTLに印加される場合であって、かつ、プリチャージ信号電圧VpsigBの電位として2つ以上の値が選択可能となっているときには、各プリチャージ信号電圧VpsigBの電位は互いに異なっていてもよい。
[0079]
 これにより、どのような映像信号DAに対しても、1F期間内において、コモン電圧Vcomに対して正極側の電圧印加と、コモン電圧Vcomに対して負極側の電圧印加との対称性の崩れを緩和することができる。その結果、プリチャージ信号電圧Vpsigによる一時的な焼き付きの発生をより効果的に抑制することができる。
[0080]
[変形例B]
 図37は、プリチャージ信号Vpsigの一変形例について説明するための波形図である。上記各実施の形態およびそれらの変形例において、コントローラ20は、プリチャージ信号VpsigBの間引きに伴って生じた時間の全体または一部を各映像信号DA(信号電圧Vsig)の印加期間に均等に割り振ってもよい。コントローラ20は、例えば、図37に示したように、4Hごとに3つのプリチャージ信号VpsigBを間引くとともに、3つのプリチャージ信号VpsigBの間引きに伴って生じた時間を、各映像信号DA(信号電圧Vsig)の印加期間に均等に割り振ってもよい。これにより、上述した対称性の崩れが生じている場合であっても、映像信号DA(信号電圧Vsig)の印加期間が延びた分だけ、各画素11の電圧値を所望の電圧値に近づけることができる。その結果、プリチャージによる一時的な焼き付きの発生をより一層、抑制することができる。
[0081]
[変形例C]
 図38は、図10の白領域10A,10C内の画素11の電圧波形の一変形例を表したものである。図39は、図10の黒領域10B内の画素11の電圧波形の一変形例を表したものである。
[0082]
 上記各実施の形態およびそれらの変形例において、コントローラ20は、プリチャージ信号電圧VpsigBを、信号電圧Vsigの最高レベルまたはそれより大きなレベルの電圧値に設定してもよい。このとき、プリチャージ回路33は、例えば、図38、図39に示したように、コントローラ20から供給される制御信号に基づいて、信号電圧Vsigの最高レベルまたはそれより大きなレベルの電圧値に設定されたプリチャージ信号電圧VpsigBを出力する。なお、図38は、VcomDC駆動における電圧波形の一例が例示されている。図39には、VcomAC駆動における電圧波形の一例が例示されている。図40は、図10の白領域10A,10C内の画素11の電圧波形の一変形例を表したものである。図41は、図10の黒領域10B内の画素11の電圧波形の一変形例を表したものである。
[0083]
 コントローラ20は、プリチャージ信号電圧VpsigBを、信号電圧Vsigの最高レベルまたはそれより大きなレベルの電圧値に設定してもよい。このとき、プリチャージ回路33は、例えば、図40、図41に示したように、コントローラ20から供給される制御信号に基づいて、信号電圧Vsigの最高レベルまたはそれより大きなレベルの電圧値に設定されたプリチャージ信号電圧VpsigBを出力する。なお、図40は、VcomDC駆動における電圧波形の一例が例示されている。図41には、VcomAC駆動における電圧波形の一例が例示されている。
[0084]
 本変形例では、プリチャージ信号電圧VpsigBが、信号電圧Vsigの最高レベルまたはそれより大きなレベルの電圧値に設定されている。これにより、上述した対称性の崩れが生じている場合であっても、プリチャージによる一時的な焼き付きの発生をより一層、抑制することができる。
[0085]
<5.第4の実施の形態>
 次に、本開示の第4の実施の形態に係る電子機器4について説明する。図42は、電子機器4の斜視構成例を表したものである。電子機器4は、例えば、板状の筐体の主面に表示面4Aを備えた携帯端末である。電子機器4は、例えば、表示面4Aの位置に、上記実施の形態およびその変形例に係る表示装置1,2,3を備えている。本実施の形態では、表示装置1,2,3が設けられているので、上記各実施の形態と同様の効果が得られる。
[0086]
<6.第5の実施の形態>
 次に、本開示の第5の実施の形態に係る電子機器5について説明する。図43は、本実施の形態に係る電子機器5の斜視構成例を表したものである。電子機器5は、例えば、折りたたみ可能な2枚の板状の筐体のうちの一方の筐体の主面に表示面5Aを備えたノート型のパーソナルコンピュータである。電子機器5は、例えば、表示面5Aの位置に、上記実施の形態およびその変形例に係る表示装置1,2,3を備えている。本実施の形態では、表示装置1,2,3が設けられているので、上記各実施の形態と同様の効果が得られる。
[0087]
<7.第6の実施の形態>
[構成]
 次に、本開示の第6の実施の形態に係るプロジェクタ6について説明する。プロジェクタ6は、本開示の「投射型表示装置」の一具体例に対応する。図44は、本開示の第6の実施の形態に係るプロジェクタ6の概略面構成例を表したものである。プロジェクタ6は、例えば、光源装置7、画像生成システム8および投射光学系9を備えている。
[0088]
 画像生成システム8は、光源装置7から出射された光(例えば白色光)を映像信号に基づいて変調することにより複数色の画像光を生成し、生成した複数色の画像光を合成した上で、投射光学系9に出射するようになっている。画像生成システム8は、照明光学系810、画像生成部820および画像合成部830を有している。投射光学系9は、画像生成システム8から出射された画像光(合成された画像光)をスクリーンなどに投射するようになっている。画像生成システム8は、本開示の「光変調部」の一具体例に対応する。投射光学系9は、本開示の「投射部」の一具体例に対応する。
[0089]
 照明光学系810は、光源装置7から出射された光(例えば白色光)を複数の色光に分解するものである。照明光学系810は、例えば、インテグレータ素子811、偏光変換素子812、集光レンズ813、ダイクロイックミラー814,815およびミラー816~818を有している。インテグレータ素子811は、例えば、フライアイレンズ811aおよびフライアイレンズ811bを有している。フライアイレンズ811aは、2次元配置された複数のマイクロレンズを有している。フライアイレンズ811bも、2次元配置された複数のマイクロレンズを有している。フライアイレンズ811aは、光源装置7から出射された光(例えば白色光)を複数の光束に分割し、フライアイレンズ811bにおける各マイクロレンズに結像させるようになっている。フライアイレンズ811bは、二次光源として機能し、輝度の揃った複数の平行光を、偏光変換素子812に入射させるようになっている。ダイクロイックミラー814,815は、所定の波長域の色光を選択的に反射し、それ以外の波長域の光を透過させるようになっている。ダイクロイックミラー814は、例えば、赤色光を選択的に反射するようになっている。ダイクロイックミラー815は、例えば、緑色光を選択的に反射するようになっている。
[0090]
 画像生成部820は、外部から入力された各色に対応する映像信号に基づいて、照明光学系810によって分解された各色光を変調し、各色の画像光を生成するものである。画像生成部820は、例えば、赤色光用のライトバルブ821、緑色光用のライトバルブ822、青色光用のライトバルブ823を有している。赤色光用のライトバルブ821は、外部から入力された赤色に対応する映像信号に基づいて、照明光学系810から入力された赤色光を変調し、赤色の画像光を生成するものである。緑色光用のライトバルブ822は、外部から入力された緑色に対応する映像信号に基づいて、照明光学系810から入力された緑色光を変調し、緑色の画像光を生成するものである。青色光用のライトバルブ823は、外部から入力された青色に対応する映像信号に基づいて、照明光学系810から入力された青色光を変調し、青色の画像光を生成するものである。赤色光用のライトバルブ821、緑色光用のライトバルブ822、および青色光用のライトバルブ823は、上記実施の形態およびその変形例に係る表示装置1,2,3によって構成されている。
[0091]
 画像合成部830は、画像生成部820で生成された各色の画像光を合成し、カラー画像光を生成するものである。
[0092]
[効果]
 次に、本実施の形態のプロジェクタ6の効果について説明する。
[0093]
 本実施の形態では、赤色光用のライトバルブ821、緑色光用のライトバルブ822、および青色光用のライトバルブ823として、上記実施の形態およびその変形例に係る表示装置1,2,3が用いられている。これにより、表示装置1,2,3が設けられているので、上記実施の形態と同様の効果を有している。
[0094]
 以上、6つの実施の形態およびそれらの変形例を挙げて本開示を説明したが、本開示は上記各実施の形態に限定されるものではなく、種々変形が可能である。なお、本明細書中に記載された効果は、あくまで例示である。本開示の効果は、本明細書中に記載された効果に限定されるものではない。本開示が、本明細書中に記載された効果以外の効果を持っていてもよい。
[0095]
 また、例えば、本開示は以下のような構成を取ることができる。
(1)
 複数の画素が行列状に2次元配置され、画素列ごとに信号線が配置された画素アレイ部と、
 各前記画素を行単位で順次選択する第1駆動部と、
 前記第1駆動部によって選択された画素行の各前記画素に対して映像信号を、前記信号線を介して印加するとともに、前記映像信号の極性を所定の周期で反転させる第2駆動部と
 を備え、
 前記第2駆動部は、前記映像信号の印加に先立って、相対的に振幅の大きな第1プリチャージ信号電圧と、相対的に振幅の小さな第2プリチャージ信号電圧とを順次、前記信号線に印加し、
 前記第2駆動部は、さらに、前記第1プリチャージ信号電圧の印加に起因する、前記画素から前記信号線への電流リーク量が所定の水平期間ごとに他の期間よりも小さくなるように、前記第1プリチャージ信号電圧の印加を制御する
 表示装置。
(2)
 前記第2駆動部は、前記第1プリチャージ信号電圧の印加を前記所定の水平期間ごとに間引きつつ、前記第2プリチャージ信号電圧の印加を1水平期間ごとに行い、
 前記第2駆動部は、各前記映像信号の印加期間を含まない水平期間の全部または一部において、前記第1プリチャージ信号電圧の印加を省略する
 (1)に記載の表示装置。
(3)
 前記第2駆動部は、前記第1プリチャージ信号電圧の印加を前記所定の水平期間ごとに間引きつつ、前記第2プリチャージ信号電圧の印加を1水平期間ごとに行い、
 前記第1プリチャージ信号電圧は、前記映像信号の最低レベルまたはそれより大きなレベルの電圧値となっている
 (1)または(2)に記載の表示装置。
(4)
 前記第2駆動部は、前記第1プリチャージ信号電圧および前記第2プリチャージ信号電圧の印加を1水平期間ごとに行うとともに、前記第1プリチャージ信号電圧の振幅を、前記所定の水平期間ごとに、他の水平期間における前記第1プリチャージ信号電圧の振幅よりも小さくする
 (1)に記載の表示装置。
(5)
 前記第2駆動部は、前記第1プリチャージ信号電圧の印加を前記所定の水平期間ごとに間引きつつ、前記第2プリチャージ信号電圧の印加を1水平期間ごとに行い、
 前記第2駆動部は、前記第1プリチャージ信号電圧の間引きに伴って生じた時間の全体または一部を各前記映像信号の印加期間に均等に割り振る
 (1)に記載の表示装置。
(6)
 表示装置を備え、
 前記表示装置は、
 複数の画素が行列状に2次元配置され、画素列ごとに信号線が配置された画素アレイ部と、
 各前記画素を行単位で順次選択する第1駆動部と、
 前記第1駆動部によって選択された画素行の各前記画素に対して映像信号を、前記信号線を介して印加するとともに、前記映像信号の極性を所定の周期で反転させる第2駆動部と
 を有し、
 前記第2駆動部は、前記映像信号の印加に先立って、相対的に振幅の大きな第1プリチャージ信号電圧と、相対的に振幅の小さな第2プリチャージ信号電圧とを順次、前記信号線に印加し、
 前記第2駆動部は、さらに、前記第1プリチャージ信号電圧の印加に起因する、前記画素から前記信号線への電流リーク量が所定の水平期間ごとに他の期間よりも小さくなるように、前記第1プリチャージ信号電圧の印加を制御する
 電子機器。
(7)
 照明光学系と、
 前記照明光学系からの光を変調することで画像光を生成する複数の画像光生成部と、
 複数の前記画像光生成部で生成された各前記画像光を投射する投射光学系と
 を備え、
 複数の画素が行列状に2次元配置され、画素列ごとに信号線が配置された画素アレイ部と、
 各前記画素を行単位で順次選択する第1駆動部と、
 前記第1駆動部によって選択された画素行の各前記画素に対して映像信号を、前記信号線を介して印加するとともに、前記映像信号の極性を所定の周期で反転させる第2駆動部と
 を有し、
 前記第2駆動部は、前記映像信号の印加に先立って、相対的に振幅の大きな第1プリチャージ信号電圧と、相対的に振幅の小さな第2プリチャージ信号電圧とを順次、前記信号線に印加し、
 前記第2駆動部は、さらに、前記第1プリチャージ信号電圧の印加に起因する、前記画素から前記信号線への電流リーク量が所定の水平期間ごとに他の期間よりも小さくなるように、前記第1プリチャージ信号電圧の印加を制御する
 投射型表示装置。
[0096]
 本出願は、日本国特許庁において2016年2月2日に出願された日本特許出願番号第2016-017869号を基礎として優先権を主張するものであり、この出願のすべての内容を参照によって本出願に援用する。
[0097]
 当業者であれば、設計上の要件や他の要因に応じて、種々の修正、コンビネーション、サブコンビネーション、および変更を想到し得るが、それらは添付の請求の範囲やその均等物の範囲に含まれるものであることが理解される。

請求の範囲

[請求項1]
 複数の画素が行列状に2次元配置され、画素列ごとに信号線が配置された画素アレイ部と、
 各前記画素を行単位で順次選択する第1駆動部と、
 前記第1駆動部によって選択された画素行の各前記画素に対して映像信号を、前記信号線を介して印加するとともに、前記映像信号の極性を所定の周期で反転させる第2駆動部と
 を備え、
 前記第2駆動部は、前記映像信号の印加に先立って、相対的に振幅の大きな第1プリチャージ信号電圧と、相対的に振幅の小さな第2プリチャージ信号電圧とを順次、前記信号線に印加し、
 前記第2駆動部は、さらに、前記第1プリチャージ信号電圧の印加に起因する、前記画素から前記信号線への電流リーク量が所定の水平期間ごとに他の期間よりも小さくなるように、前記第1プリチャージ信号電圧の印加を制御する
 表示装置。
[請求項2]
 前記第2駆動部は、前記第1プリチャージ信号電圧の印加を前記所定の水平期間ごとに間引きつつ、前記第2プリチャージ信号電圧の印加を1水平期間ごとに行い、
 前記第2駆動部は、各前記映像信号の印加期間を含まない水平期間の全部または一部において、前記第1プリチャージ信号電圧の印加を省略する
 請求項1に記載の表示装置。
[請求項3]
 前記第2駆動部は、前記第1プリチャージ信号電圧の印加を前記所定の水平期間ごとに間引きつつ、前記第2プリチャージ信号電圧の印加を1水平期間ごとに行い、
 前記第1プリチャージ信号電圧は、前記映像信号の最低レベルまたはそれより大きなレベルの電圧値となっている
 請求項1に記載の表示装置。
[請求項4]
 前記第2駆動部は、前記第1プリチャージ信号電圧および前記第2プリチャージ信号電圧の印加を1水平期間ごとに行うとともに、前記第1プリチャージ信号電圧の振幅を、前記所定の水平期間ごとに、他の水平期間における前記第1プリチャージ信号電圧の振幅よりも小さくする
 請求項1に記載の表示装置。
[請求項5]
 前記第2駆動部は、前記第1プリチャージ信号電圧の印加を前記所定の水平期間ごとに間引きつつ、前記第2プリチャージ信号電圧の印加を1水平期間ごとに行い、
 前記第2駆動部は、前記第1プリチャージ信号電圧の間引きに伴って生じた時間の全体または一部を各前記映像信号の印加期間に均等に割り振る
 請求項1に記載の表示装置。
[請求項6]
 表示装置を備え、
 前記表示装置は、
 複数の画素が行列状に2次元配置され、画素列ごとに信号線が配置された画素アレイ部と、
 各前記画素を行単位で順次選択する第1駆動部と、
 前記第1駆動部によって選択された画素行の各前記画素に対して映像信号を、前記信号線を介して印加するとともに、前記映像信号の極性を所定の周期で反転させる第2駆動部と
 を有し、
 前記第2駆動部は、前記映像信号の印加に先立って、相対的に振幅の大きな第1プリチャージ信号電圧と、相対的に振幅の小さな第2プリチャージ信号電圧とを順次、前記信号線に印加し、
 前記第2駆動部は、さらに、前記第1プリチャージ信号電圧の印加に起因する、前記画素から前記信号線への電流リーク量が所定の水平期間ごとに他の期間よりも小さくなるように、前記第1プリチャージ信号電圧の印加を制御する
 電子機器。
[請求項7]
 照明光学系と、
 前記照明光学系からの光を変調することで画像光を生成する複数の画像光生成部と、
 複数の前記画像光生成部で生成された各前記画像光を投射する投射光学系と
 を備え、
 複数の画素が行列状に2次元配置され、画素列ごとに信号線が配置された画素アレイ部と、
 各前記画素を行単位で順次選択する第1駆動部と、
 前記第1駆動部によって選択された画素行の各前記画素に対して映像信号を、前記信号線を介して印加するとともに、前記映像信号の極性を所定の周期で反転させる第2駆動部と
 を有し、
 前記第2駆動部は、前記映像信号の印加に先立って、相対的に振幅の大きな第1プリチャージ信号電圧と、相対的に振幅の小さな第2プリチャージ信号電圧とを順次、前記信号線に印加し、
 前記第2駆動部は、さらに、前記第1プリチャージ信号電圧の印加に起因する、前記画素から前記信号線への電流リーク量が所定の水平期間ごとに他の期間よりも小さくなるように、前記第1プリチャージ信号電圧の印加を制御する
 投射型表示装置。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9A]

[ 図 9B]

[ 図 9C]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]

[ 図 13]

[ 図 14]

[ 図 15]

[ 図 16]

[ 図 17]

[ 図 18]

[ 図 19]

[ 図 20]

[ 図 21]

[ 図 22]

[ 図 23]

[ 図 24]

[ 図 25]

[ 図 26]

[ 図 27]

[ 図 28]

[ 図 29]

[ 図 30]

[ 図 31]

[ 図 32]

[ 図 33]

[ 図 34]

[ 図 35]

[ 図 36]

[ 図 37]

[ 図 38]

[ 図 39]

[ 図 40]

[ 図 41]

[ 図 42]

[ 図 43]

[ 図 44]