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1. WO2017131227 - POWER SUPPLY SYSTEM AND RAILROAD CAR

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明 細 書

発明の名称 電源システム及び鉄道用車両

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

先行技術文献

特許文献

0004  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0005   0006  

課題を解決するための手段

0007   0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014  

発明の効果

0015  

図面の簡単な説明

0016  

発明を実施するための形態

0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084  

符号の説明

0085  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7  

補正された請求の範囲(条約第19条)

1  *   2  *   3   4   5   6   7  *  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8  

明 細 書

発明の名称 : 電源システム及び鉄道用車両

技術分野

[0001]
 本発明は、例えばLED照明装置等に電力を供給する電源システム及びこれを備えた鉄道用車両に関する。

背景技術

[0002]
 鉄道用車両の車内照明装置には蛍光灯が広く用いられており、近年においては、蛍光灯に代わる灯具として、LED(Light Emitting Diode)灯が普及し始めている。車内照明装置は、一両につき数十本以上設置された複数の灯具を有しており、その各々に付属の電源装置を個々に設置した場合、設置スペース、重量等の点で問題があった。
[0003]
 一方、複数の照明装置に電力を供給する電源装置を1つに集約し、当該電源装置から各照明装置へ電力を供給する技術が知られている。例えば特許文献1には、直列接続された複数のLED照明装置に対して共通の1つの電源装置によって電力を供給するように構成された鉄道用車両が開示されている。

先行技術文献

特許文献

[0004]
特許文献1 : 特許第5661420号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0005]
 しかしながら、電源装置を1つに集約すると、当該電源装置に故障等の異常が生じた場合、すべての照明装置が滅灯するという問題がある。例えば、トンネル走行中あるいは夜間走行中に上記電源装置が故障すると、車内の十分な照明を確保することができずに、乗客に不安感あるいは恐怖感を抱かせるおそれがある。
[0006]
 以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、電源装置の故障に起因する照明装置の滅灯を回避することができる電源システム及びこれを備えた鉄道用車両を提供することにある。

課題を解決するための手段

[0007]
 上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る電源システムは、第1の電源装置と、第2の電源装置と、加算回路とを具備する。
 上記第1の電源装置は、第1の電源入力から第1の直流電流を出力する第1の駆動回路と、上記第1の駆動回路を制御する第1の制御回路とを有する。
 上記第2の電源装置は、第2の電源入力から第2の直流電流を出力する第2の駆動回路と、上記第1の駆動回路を監視し上記第2の駆動回路を制御する第2の制御回路とを有する。
 上記加算回路は、上記第1及び第2の電源装置各々の出力端に接続され、上記第1及び第2の直流電流の加算値である第3の直流電流を負荷装置に出力する。
[0008]
 上記電源システムにおいては、第1及び第2の電源装置が負荷装置に加算接続されているため、第1及び第2の電源装置のうち一方が故障したとしても他方の出力で負荷装置へ電力を安定に供給することができる。また、第1及び第2の電源装置との間で状態を監視しながら出力制御を行うことで、一方の故障を他方の出力で補うことができる。
[0009]
 上記第1の制御回路は、上記第2の駆動回路の状態を監視可能に構成されてもよい。
[0010]
 上記第1及び第2の制御回路は、上記第1及び第2の駆動回路のうち一方の出力が低下したとき、その低下分を他方の出力が補償するように、上記第1及び第2の駆動回路を制御するように構成されてもよい。
 これにより、第3の直流電流を安定に維持することができる。
[0011]
 上記第1の電源入力は交流電力又は直流電力であり、上記第2の電源入力は直流電力であり、上記電源システムは、上記第2の電源装置に接続された蓄電池をさらに具備してもよい。
[0012]
 上記電源システムは、上記第1及び第2の電源装置を制御する制御装置をさらに具備してもよい。
 上記制御装置は、上記第1及び第2の電源入力の異常を検出したとき、上記第2の電源入力が上記第2の電源装置へ供給される第1の状態から、上記蓄電池の放電電力が上記第2の電源装置へ供給される第2の状態へ切り替えるように構成されてもよい。
[0013]
 上記制御装置は、上記第2の状態のとき、上記第3の直流電流を減少させる制御指令を上記第2の制御回路へ出力するように構成されてもよい。
 これにより蓄電池の電力維持を長く維持することができる。
[0014]
 本発明の一形態に係る鉄道用車両は、車内照明装置と、第1の電源装置と、第2の電源装置と、加算回路とを具備する。
 上記車内照明装置は、直列接続された複数のLEDを有する。
 上記第1の電源装置は、第1の電源入力から第1の直流電流を出力する第1の駆動回路と、上記第1の駆動回路を制御する第1の制御回路とを有する。
 上記第2の電源装置は、第2の電源入力から第2の直流電流を出力する第2の駆動回路と、上記第1の駆動回路を監視し上記第2の駆動回路を制御する第2の制御回路とを有する。
 上記加算回路は、上記第1及び第2の電源装置各々の出力端に接続され、上記第1及び第2の直流電流の加算値である第3の直流電流を上記車内照明装置に出力する。

発明の効果

[0015]
 以上のように、本発明によれば、電源装置の故障に起因する照明装置の滅灯を回避することができる。

図面の簡単な説明

[0016]
[図1] 本発明の一実施形態に係る鉄道用車両の概略構成図である。
[図2] 上記鉄道用車両における車内照明装置と電源システムとの接続例を示す模式図である。
[図3] 上記電源システムにおける第1及び第2の電源装置の構成を示すブロック図である。
[図4] 上記電源システムにおける加算回路の一構成例を示す図である。
[図5] 上記電源システムの一作用を説明するテーブル図である。
[図6] 本発明の他の実施形態の電源システムにおける第1及び第2の電源装置の構成を示すブロック図である。
[図7] 上記電源システムの一作用を説明するテーブル図である。
[図8] 上記鉄道用車両の構成の変形例を示す概略図である。

発明を実施するための形態

[0017]
 以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
[0018]
<第1の実施形態>
 図1は、本発明の一実施形態に係る鉄道用車両の概略構成図である。
[0019]
 鉄道用車両100は、車両本体101と、車内照明装置110と、車内照明装置110を作動させる電源システム120とを有する。
[0020]
 本実施形態では、鉄道用車両100として、電源システム120の電源入力がAC(交流)とDC(直流)の混在型である車両(主として在来線に使用される車両)を例に挙げて説明する。
[0021]
(LED照明装置)
 車内照明装置110は、車両本体101の車内天井部に設置され、本実施形態では、進行方向に関して左右両側に配置された2列のLED照明装置111,112を含む。各LED照明装置111,112は、それぞれ同一の構成を有し、例えば図2に示すように、進行方向に配列された複数のLED灯具10(LED)を含む。
[0022]
 図2は、車内照明装置110と電源システム120との接続例を示す模式図である。
[0023]
 図2に示すように、LED灯具10は、車両本体101の客室天井部に設置される本体部11と、複数のLED素子を内蔵する発光部12とを有する。LED灯具10の数は特に限定されず、例えば、一両につき20~24個設置される。LED灯具10の種類も特に限定されず、例えば、20~40W型の直管式、反射式、間接式等が採用可能である。各LED照明装置111,112の複数のLED灯具10はそれぞれ、直列的に接続されるが、並列的に接続されてもよい。
[0024]
 各LED灯具10は、直流電源の入力を受けて発光部12を発光させ、発光部12は、入力電流の大きさに応じた照度で発光する。本実施形態において、各LED灯具10は、後述する電源システム120によって共通に調光制御される。なお、各LED灯具10は、発光部12を個別に調光制御可能な駆動回路を有していてもよい。
[0025]
(電源システム)
 電源システム120は、第1の電源装置121と、第2の電源装置122と、加算器123とを有する。第1及び第2の電源装置121,122は、車内照明装置110へ所定電圧の直流電流を出力するように構成される。
[0026]
 電源システム120はさらに、第1及び第2の電源装置121,122を制御する制御装置124と、第1の電源装置121へ交流電力を入力するAC電源生成装置125と、第2の電源装置122へ直流電力を入力するDC電源生成装置126と、蓄電池127とを有する。
[0027]
 AC電源生成装置125及びDC電源生成装置126は、車両本体101の上面に設置されたパンタグラフ102に電気的に接続される。パンタグラフ102は、架線(送電線)103に接触し、AC電源生成装置125及びDC電源生成装置126へ交流電力を供給する。AC電源生成装置125は、送電電力を所定のAC電力(例えば、AC90~280V)に変換して第1の電源装置121へ入力する。DC電源生成装置126は、送電電力を所定のDC電力(例えば、DC70~110V)に変換して第2の電源装置122及び蓄電池127へ入力する。
[0028]
 図3は、第1及び第2の電源装置121,122の構成を示すブロック図である。
[0029]
 第1の電源装置121は、整流回路211と、力率改善回路212と、定電流回路213と、監視判定部214と、電流設定回路215と、インタフェース部216と、自己診断回路217とを有する。
[0030]
 整流回路211、力率改善回路212及び定電流回路213は、AC電源生成装置125から入力されるAC電力(第1の電源入力)から第1の直流電流DA1を出力する「第1の駆動回路」を構成する。
[0031]
 整流回路211及び力率改善回路212は、個別に構成される場合に限られず、PFC(Power Factor Correction)回路付コンデンサ入力型整流回路等のように相互に組み合わせて構成されてもよい。定電流回路213の出力(第1の直流電流DA1)は、電流設定回路215によって可変に制御される。
[0032]
 監視判定部214、電流設定回路215及びインタフェース部216は、上記第1の駆動回路を制御する「第1の制御回路」を構成する。
[0033]
 監視判定部214は、典型的には、CPU及びメモリを含むコンピュータで構成され、インタフェース部216を介して受信される第2の電源装置122の自己診断回路227の出力に基づいて上記第1の駆動回路を監視し、電流設定回路215による定電流回路213の出力設定を制御することが可能に構成される。監視判定部214はさらに、インタフェース部216を介して制御装置124と通信可能に構成され、制御装置124の出力に基づいて電流設定回路215による定電流回路213の出力設定を制御可能に構成される。
[0034]
 自己診断回路217は、第1の駆動回路(整流回路211、力率改善回路212及び定電流回路213)の動作を診断し、動作の異常の有無を、インタフェース部216を介して制御装置124又は第2の電源装置122へ出力する。
[0035]
 一方、第2の電源装置122は、定電流回路223と、監視判定部224と、電流設定回路225と、インタフェース部226と、自己診断回路227とを有する。
[0036]
 定電流回路223は、DC電源生成装置126又は蓄電池127から入力されるDC電力(第2の電源入力)から第2の直流電流DA2を出力する「第2の駆動回路」を構成する。
[0037]
 監視判定部224、電流設定回路225及びインタフェース部226は、上記第2の駆動回路を制御する「第2の制御回路」を構成する。
[0038]
 監視判定部224は、典型的には、CPU及びメモリを含むコンピュータで構成され、インタフェース部226を介して受信される第1の電源装置121の自己診断回路217の出力に基づいて上記第2の駆動回路を監視し、電流設定回路225による定電流回路223の出力設定を制御することが可能に構成される。監視判定部224はさらに、インタフェース部226を介して制御装置124と通信可能に構成され、制御装置124の出力に基づいて電流設定回路225による定電流回路223の出力設定を制御可能に構成される。
[0039]
 自己診断回路227は、第2の駆動回路(定電流回路223)の動作を診断し、動作の異常の有無を、インタフェース部226を介して制御装置124又は第1の電源装置121へ出力する。
[0040]
 加算回路123は、第1及び第2の電源装置121,122各々の出力端に接続され、第1及び第2の直流電流DA1,DA2の加算値である第3の直流電流DA3を車内照明装置110へ出力することが可能に構成される。
[0041]
 図4に、加算回路123の一構成例を示す。加算回路123は、第1の電源装置121の出力(第1の直流電流DA1)を、整流素子D1を介して車内照明装置110へ供給し、第2の電源装置122の出力(第2の直流電流DA2)を、整流素子D2を介して車内照明装置110へ供給する。整流素子D1,D2は第1及び第2の電源装置121,122への電流の逆流を阻止する機能を有する。
[0042]
 制御装置124は、第1及び第2の電源装置121,122の上位装置に相当し、電源システム120の全体を制御する。制御装置124は、架線103の送電故障、パンタグラフ102、AC電源生成装置125、DC電源生成装置126等を含む電源入力系の異常の有無を監視する。
[0043]
 制御装置124は、例えば、CPUやメモリ等を有するコンピュータで構成され、乗務員室等に設置される表示部を有する。制御装置124は、上述のようにインタフェース部216,226を介して第1及び第2の電源装置121,122(第1及び第2の制御回路)との間で相互に通信可能であり、第1及び第2の電源装置121,122へ車内照明装置110に対する調光指令を出力するとともに、第1及び第2の電源装置121,122の故障の有無を監視する。
[0044]
 制御装置124は、車内照明装置110へ供給される電流の大きさを制御する。制御装置124は、通常時(上記電源入力系あるいは第1及び第2の電源装置121,122に異常がないとき)において、車内照明装置110の全ての灯具10が所定の照度で発光するのに必要な電流値が得られるように第1及び第2の電源装置121,122の出力を制御する。すなわち、上記電流値に対応する第3の直流電流DA3が得られる第1及び第2の出力電流DA1,DA2を出力するように第1及び第2の電源装置121,122が制御される。本実施形態では、第1及び第2の電源装置121,122からの出力電流(DA1,DA2)がそれぞれ同一となるように各監視判定部214,224を介して定電流回路213,223が制御される。
[0045]
 ここで、第1及び第2の電源装置121,122は、上述のようにインタフェース部216,226を介して相互に通信可能であり、監視判定部214,224は、自己診断回路217,227による診断結果を相互に通知して、相手側の異常を検出することが可能に構成される。そして、監視判定部214,224は、第1及び第2の電源装置121,122のいずれか一方に異常が生じて出力が低下したとき、その低下分を他方の出力が補償するように、電流設定回路215,225を制御する。つまり、各監視判定部214,224は、加算回路123の出力(第3の直流電流DA3)が一定に維持されるように、定電流回路213,223の出力(第1及び第2の直流電流DA1,DA2)を制御することで、車内照明装置110の照度を安定に維持する。
[0046]
 本実施形態において自己診断回路217,227の出力は、制御装置124を介さずに相手側の電源装置121,122の監視判定部214,224へ送信されるが、これに限られず、制御装置124を介して相手側の電源装置121,122の監視判定部214,224へ送信されてもよい。また、各監視判定部214,224は、相手側の自己診断回路217,227の出力に基づいて定電流回路213,223を制御するように構成されるが、自己診断回路217,218の出力を受けた制御装置124からの制御指令に基づいて定電流回路213,223を制御するように構成されてもよい。
[0047]
 蓄電池127は、DC電源生成装置126と第2の電源装置122との間に接続される。蓄電池127は、DC電源生成装置126の出力で充電され、DC電源生成装置126の故障時に放電することが可能に構成される。蓄電池127の放電は、制御装置124によって制御される。本実施形態において制御装置124は、電源入力系の異常を検出したとき、DC電源生成装置126の出力(第2の電源入力)が第2の電源装置122へ供給される第1の状態から、蓄電池127の放電電力が第2の電源装置122へ供給される第2の状態へ切り替えるように構成される。
[0048]
 すなわち、電源入力系に異常が生じると、AC電源生成装置125及びDC電源生成装置126の出力が停止する。その結果、第1及び第2の電源装置121,122の出力も停止してしまうため、車内照明装置110が滅灯し、客室内の安全性や快適性が損なわれることになる。これを阻止するため、制御装置124は、電源入力系に異常が生じたとき、DC電源生成装置126に代わって蓄電池127から第2の電源装置122へ電源が入力される。これにより、車内照明装置110の滅灯を防ぎ、客室内の安全性や快適性を確保する。
[0049]
 なお、上述のような電源異常時は、復旧までの間だけ車内の照明を維持できればよく、したがって車内照明装置110は最低限の照度を確保できればよい。本実施形態において制御装置124は、蓄電池127を電力源として使用されている状態(上記第2の状態)のとき、加算回路123から出力される第3の直流電流を減少させる制御指令を第2の電源装置122の監視判定部224(第2の制御回路)へ出力するように構成される。これにより、蓄電池127の電力維持を長く保つことが可能となる。
[0050]
(電源システムの動作)
 次に、以上のように構成される電源システム120の動作について説明する。
[0051]
 制御装置124は第1及び第2の電源装置121,122へ車内照明装置110の調光指令を出力する。電源システム120に異常がない通常時では、第1及び第2の電源装置121,122において生成され、加算回路123で加算された直流電流で車内照明装置110が駆動される。これにより、当該直流電流の大きさに応じた所定の照度(明るさ)で発光部12を発光させる。
[0052]
 第1の電源装置121の動作は、自己診断回路217によって監視され、故障の有無に関する情報が第2の電源装置122の監視判定部224へ出力される。同様に、第2の電源装置122の動作は、自己診断回路227によって監視され、故障の有無に関する情報が第1の電源装置121の監視判定部214へ出力される。第1及び第2の電源装置121,122は、これらの上位装置である制御装置124と通信し、パンタグラフ102等の電源入力系の異常の有無に関する情報を受信する。
[0053]
 図5は、第2の電源装置122(電源装置2)における監視判定部224の動作の概要を説明する図であり、第1の電源装置121(電源装置1)及び制御装置124との通信結果に応じた動作テーブルを示している。
[0054]
 (状態1)
 監視判定部224は、第1の電源装置122及び制御装置124と所定の時間周期で通信し、これらの故障等の異常の有無を判定する。そして、第1の電源装置121及び制御装置124との通信がいずれも正常である場合、監視判定部224は、電源システム120が正常である判定して、第2の直流電流DA2として正常時の電流値に対応する直流電流を加算回路123へ出力する。
[0055]
 本実施形態において、電源システム120の正常時は、第1及び第2の電源装置121,122の出力が同一に設定されるため、上記「正常時の電流値」は、車内照明装置110を通常の明るさで発光させるのに必要な電流値の半分の大きさとされる。
[0056]
 第1の電源装置121においても上述と同様な正常判定がなされることで、第1の直流電流DA1として、第2の直流電流DA2と同一の直流電流が、加算回路123へ出力される。これにより、第1及び第2の直流電流DA1,DA2の加算電流である第3の直流電流DA3が車内照明装置110へ供給され、その電流値に応じた所定の照度で発光部12が発光する。
[0057]
 (状態2,3)
 次に、第1の電源装置121が正常な状態において、送電不良あるいは制御装置124に異常が生じた場合について説明する。
[0058]
 監視判定部224は、パンタグラフ102の断線等に関する情報を制御装置124から受信すると、送電不良であると判定する。そして、制御装置124は、第2の電源装置122への電源入力をDC電源生成装置126から蓄電池127へと切り替えるとともに、第2の電源装置122へ車内照明装置110の調光指令を出力する。また、制御装置124は、所定の表示部に当該送電不良を示す警報を表示する。
[0059]
 監視判定部224は、客室内の照明に最低限必要な明るさで車内照明装置110を駆動できる電流量に定電流回路223の出力を設定するように電流設定回路225を制御する。これにより客室内の安全性、快適性が確保されつつ、蓄電池127の電力が長期にわたって維持される。また、車内照明装置110を構成するLED照明装置111,112は、電源システム120に共通に接続されているため、各灯具10で明るさのムラを生じさせることはなく、快適な客室空間を維持することができる。
[0060]
 あるいは、監視判定部224は、制御装置124との通信が途絶えたとき(制御装置124からの反応が無いとき)は、制御装置124の異常と判定し、さらに第1の電源装置121の自己診断回路217の出力等に基づいて電源入力が安定に維持されているとどうかを判定する。電源入力が安定していると判定したときは、定電流回路223の出力電流をそのまま維持し、客室内の当初の明るさを確保する。
[0061]
 (状態4~6)
 続いて、第1の電源装置121の駆動回路に故障が生じた場合について説明する。
[0062]
 第1の電源装置121における自己診断回路217より駆動回路(整流回路211、力率改善回路212あるいは定電流回路213)に故障が生じた旨の信号を受信すると、監視判定部224は、制御装置124の異常の有無、あるいは送電異常の有無に応じて、定電流回路223の出力を制御する。
[0063]
 監視判定部224は、さらに、第1の電源装置121が故障していることを制御装置124へ報知する。制御装置124は、第1の電源装置121が故障していることを図示しない表示部に表示する(以下、同様)。
[0064]
 すなわち、監視判定部224は、送電異常が生じていない場合、制御装置124の異常の有無に関係なく、第1の電源装置121の出力(第1の直流電流DA1)の低下分を第2の電源装置122の出力が補償するように、定電流回路223の出力(第2の直流電流DA2)を大きくする制御を実行する。これにより、車内照明装置110の照度を安定に維持することができる。
[0065]
 一方、監視判定部224は、送電不良が生じていると判定したとき、制御装置124からの調光指令に基づき、蓄電池127を電力源として、客室内の照明に最低限必要な明るさで車内照明装置110を駆動できる電流量に定電流回路223の出力を設定するように電流設定回路225を制御する。これにより客室内の安全性、快適性が確保されつつ、蓄電池127の電力が長期にわたって維持される。監視判定部224は、さらに、第1の電源装置121が故障していることを制御装置124へ報知する。
[0066]
 (状態7~9)
 次に、第1の電源装置121が無反応等のように異常と判定された場合、監視判定部224は、送電不良が生じていない限り、制御装置124の異常の魚無に関係なく、第1の電源装置121の出力(第1の直流電流DA1)の低下分を第2の電源装置122の出力が補償するように、定電流回路223の出力(第2の直流電流DA2)を大きくする制御を実行する。これにより、車内照明装置110の照度を安定に維持することができる。
[0067]
 一方、監視判定部224は、送電不良が生じていると判定したとき、制御装置124からの調光指令に基づき、蓄電池127を電力源として、客室内の照明に最低限必要な明るさで車内照明装置110を駆動できる電流量に定電流回路223の出力を設定するように電流設定回路225を制御する。これにより客室内の安全性、快適性が確保されつつ、蓄電池127の電力が長期にわたって維持される。
[0068]
 以上の説明では、第2の電源装置122(監視判定部224)を主体とする動作について説明したが、第1の電源装置121(監視判定部214)においても図5に対応する動作テーブルに基づいて第1の電源装置121の出力が制御される。
 なお、第1の電源装置121については、蓄電池127が接続されていないため、図5の状態2,5,8に対応する動作を実行することはできないが、第2の電源装置121がDC電源の入力に対応できる場合は、当該状態2,5,8に対応する動作を実行することができる。
[0069]
 以上のように、本実施形態の電源システム120においては、第1及び第2の電源装置121,122が車内照明装置110に加算接続されているため、第1及び第2の電源装置121,122のうち一方が故障したとしても他方の出力で車内照明装置110へ電力を安定に供給することができる。また、第1及び第2の電源装置121,122との間で状態を監視しながら出力制御を行うことで、一方の故障を他方の出力で補うことができる。さらに送電不良が生じたとしても、蓄電池127の電力を利用できるため、客室内の最低限の明るさを確保することができる。
[0070]
<第2の実施形態>
 続いて、本発明の第2の実施形態について説明する。
 図6は、本実施形態の電源システム220における第1及び第2の電源装置221,222の構成を示すブロック図である。
 以下、第1の実施形態と異なる構成について主に説明し、第1の実施形態と同様の構成については同様の符号を付しその説明を省略または簡略化する。
[0071]
 本実施形態の第1及び第2の電源装置221,222は、監視判定部214,224及びインタフェース部216,226を有しておらず、代わりに、判定部218,228を有している点で、第1の実施形態と異なる。
[0072]
 すなわち、第1の電源装置221における判定部218は、制御装置124及び第2の電源装置222の自己診断回路227から出力される2値の電圧信号(H又はL)に基づいて、制御装置124及び第2の電源装置222の異常の有無を判定するように構成される。同様に、第2の電源装置222における判定部228は、制御装置124及び第1の電源装置221の自己診断回路217から出力される2値の電圧信号(H又はL)に基づいて、制御装置124及び第1の電源装置221の異常の有無を判定するように構成される。これにより、判定部218,228の構成が簡素化し、システムを低コストで構成することが可能となる。
[0073]
 自己診断回路217,227は、診断対象である駆動回路が正常なときはHレベルの状態信号を出力し、それが異常なときはLレベルの状態信号を出力するように構成される。これらの状態信号は、制御装置124及び相手側の電源装置221,222の判定部218,228にそれぞれ出力される。また、制御装置124は、正常なときはHレベルの状態信号を判定部218,228にそれぞれ出力し、異常なときはLレベルの状態信号を判定部218,228にそれぞれ出力するように構成される。制御装置124が異常である場合とは、パンタグラフ102を含む送電系の不良のほか、制御装置124自体の故障が含まれる。
[0074]
 本実施形態においても、上述の第1の実施形態と同様に、第1及び第2の電源装置221,222は互いの駆動回路を監視し、その異常の有無に応じて各々の出力を制御することが可能に構成される。また、第1及び第2の電源装置221,222は、制御装置124の異常の有無に応じて各々の出力を制御することが可能に構成される。
[0075]
 一例として、第1の実施形態と同様に、第2の電源装置222を主体とする動作について説明する。
 図7は、第2の電源装置122(電源装置2)における判定部228の動作の概要を説明する図であり、第1の電源装置221(電源装置1)及び制御装置124との通信結果に応じた動作テーブルを示している。
[0076]
 (状態1)
 第1の電源装置221及び制御装置124のいずれもが正常である場合、判定部228は、電源システム220が正常である判定して、第2の直流電流DA2として正常時の電流値に対応する直流電流を加算回路123へ出力する。なお、第1の電源装置221においても上述と同様な正常判定がなされることで、第1の直流電流DA1として、第2の直流電流DA2と同一の直流電流が、加算回路123へ出力される。これにより、第1及び第2の直流電流DA1,DA2の加算電流である第3の直流電流DA3が車内照明装置110へ供給され、その電流値に応じた所定の照度で発光部12が発光する。
[0077]
 (状態2)
 第1の電源装置221が正常で、制御装置124が異常である場合、判定部228は、蓄電池127を電力源として、客室内の照明に最低限必要な明るさで車内照明装置110を駆動できる電流量に定電流回路223の出力を設定するように電流設定回路225を制御する。これにより客室内の安全性、快適性が確保されつつ、蓄電池127の電力が長期にわたって維持される。
[0078]
 (状態3)
 第1の電源装置221が異常で、制御装置124が正常である場合、判定部228は、第1の電源装置221の出力(第1の直流電流DA1)の低下分を第2の電源装置222の出力が補償するように、定電流回路223の出力(第2の直流電流DA2)を大きくする制御を実行する。これにより、車内照明装置110の照度を安定に維持することができる。さらに、判定部228は、第1の電源装置221が故障していることを制御装置124へ報知してもよい。
[0079]
 (状態4)
 第1の電源装置221及び制御装置124のいずれもが異常である場合、判定部228は、蓄電池127を電力源として、客室内の照明に最低限必要な明るさで車内照明装置110を駆動できる電流量に定電流回路223の出力を設定するように電流設定回路225を制御する。これにより客室内の安全性、快適性が確保されつつ、蓄電池127の電力が長期にわたって維持される。
[0080]
 以上のように、本実施形態においても第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
[0081]
 以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく種々変更を加え得ることは勿論である。
[0082]
 例えば以上の実施形態では、鉄道用車両100として、電源システム120の電源入力がAC(交流)とDC(直流)の混在型である車両を例に挙げて説明したが、これに限られない。例えば図8に概略的に示すように、鉄道用車両300として、電源システム120の電源入力がDC専用型である車両(主として新幹線や一部の地下鉄に使用される車両)にも本発明は適用可能である。
[0083]
 この場合、第1の電源装置121には、第2の電源装置122と同様に、DC電源生成装置235が使用される。DC電源生成装置235は、他方のDC電源生成装置126と共通の装置として構成されてもよい。本例によれば、第2の電源装置122だけでなく、第1の電源装置121も蓄電池127の電力を使用することが可能となる。
[0084]
 また、以上の実施形態では、電源システムに接続される負荷装置として、LED照明装置111,112を例に挙げて説明したが、これに限られず、客室内に設置された各種モニタや行先案内表示板等の他の負荷装置にも本発明は適用可能である。また、鉄道用車両以外の用途にも本発明は適用可能である。

符号の説明

[0085]
 10…LED灯具
 100,300…鉄道用車両
 101…車両本体
 110…車両照明装置
 111,112…LED照明装置
 120,220…電源システム
 121,221…第1の電源装置
 122,222…第2の電源装置
 123…加算回路
 124…制御装置
 127…蓄電池
 213,223…定電流回路
 214,224…監視判定部
 217,227…自己診断回路
 218,228…判定部
 DA1…第1の直流電流
 DA2…第2の直流電流
 DA3…第3の直流電流

請求の範囲

[請求項1]
 第1の電源入力から第1の直流電流を出力する第1の駆動回路と、前記第1の駆動回路を制御する第1の制御回路とを有する第1の電源装置と、
 第2の電源入力から第2の直流電流を出力する第2の駆動回路と、前記第1の駆動回路の状態を監視し前記第2の駆動回路を制御する第2の制御回路とを有する第2の電源装置と、
 前記第1及び第2の電源装置各々の出力端に接続され、前記第1及び第2の直流電流の加算値である第3の直流電流を負荷装置に出力する加算回路と
 を具備する電源システム。
[請求項2]
 請求項1に記載の電源システムであって、
 前記第1の制御回路は、前記第2の駆動回路の状態を監視可能に構成される
 電源システム。
[請求項3]
 請求項2に記載の電源システムであって、
 前記第1及び第2の制御回路は、前記第1及び第2の駆動回路のうち一方の出力が低下したとき、その低下分を他方の出力が補償するように、前記第1及び第2の駆動回路を制御する
 電源システム。
[請求項4]
 請求項1~3のいずれか1つに記載の電源システムであって、
 前記第1の電源入力は交流電力又は直流電力であり、
 前記第2の電源入力は直流電力であり、
 前記電源システムは、前記第2の電源装置に接続された蓄電池をさらに具備する
 電源システム。
[請求項5]
 請求項4に記載の電源システムであって、
 前記第1及び第2の電源装置を制御する制御装置をさらに具備し、
 前記制御装置は、前記第1及び第2の電源入力の異常を検出したとき、前記第2の電源入力が前記第2の電源装置へ供給される第1の状態から、前記蓄電池の放電電力が前記第2の電源装置へ供給される第2の状態へ切り替える
 電源システム。
[請求項6]
 請求項5に記載の電源システムであって、
 前記制御装置は、前記第2の状態のとき、前記第3の直流電流を減少させる制御指令を前記第2の制御回路へ出力する
 電源システム。
[請求項7]
 直列接続された複数のLEDを有する車内照明装置と、
 第1の電源入力から第1の直流電流を出力する第1の駆動回路と、前記第1の駆動回路を制御する第1の制御回路とを有する第1の電源装置と、
 第2の電源入力から第2の直流電流を出力する第2の駆動回路と、前記第1の駆動回路を監視し前記第2の駆動回路を制御する第2の制御回路とを有する第2の電源装置と、
 前記第1及び第2の電源装置各々の出力端に接続され、前記第1及び第2の直流電流の加算値である第3の直流電流を前記車内照明装置に出力する加算回路と
 を具備する鉄道用車両。

補正された請求の範囲(条約第19条)
[ 2017年6月19日 ( 19.06.2017 )  国際事務局受理 ]

[1]
[補正後] 第1の電源入力から第1の直流電流を出力する第1の駆動回路と、前記第1の駆動回路の動作を診断する第1の自己診断回路と、前記第1の駆動回路を制御する第1の制御回路とを有する第1の電源装置と、
 第2の電源入力から第2の直流電流を出力する第2の駆動回路と、前記第2の駆動回路の動作を診断する第2の自己診断回路と、前記第1の制御回路と通信可能に構成され慙愧第1の自己診断回路の出力に基づいて前記第2の駆動回路を制御する第2の制御回路とを有する第2の電源装置と、
 前記第1及び第2の電源装置各々の出力端に接続され、前記第1及び第2の直流電流の加算値である第3の直流電流を負荷装置に出力する加算回路と
 を具備する電源システム。
[2]
[補正後] 請求項1に記載の電源システムであって、
 前記第1の制御回路は、前記第2の自己診断回路の出力に基づいて前記第1の駆動回路を制御する
 電源システム。
[3]
 請求項2に記載の電源システムであって、
 前記第1及び第2の制御回路は、前記第1及び第2の駆動回路のうち一方の出力が低下したとき、その低下分を他方の出力が補償するように、前記第1及び第2の駆動回路を制御する
 電源システム。
[4]
 請求項1~3のいずれか1つに記載の電源システムであって、
 前記第1の電源入力は交流電力又は直流電力であり、
 前記第2の電源入力は直流電力であり、
 前記電源システムは、前記第2の電源装置に接続された蓄電池をさらに具備する
 電源システム。
[5]
 請求項4に記載の電源システムであって、
 前記第1及び第2の電源装置を制御する制御装置をさらに具備し、
 前記制御装置は、前記第1及び第2の電源入力の異常を検出したとき、前記第2の電源入力が前記第2の電源装置へ供給される第1の状態から、前記蓄電池の放電電力が前記第2の電源装置へ供給される第2の状態へ切り替える
 電源システム。
[6]
 請求項5に記載の電源システムであって、
 前記制御装置は、前記第2の状態のとき、前記第3の直流電流を減少させる制御指令を前記第2の制御回路へ出力する
 電源システム。
[7]
[補正後] 直列接続された複数のLEDを有する車内照明装置と、
 第1の電源入力から第1の直流電流を出力する第1の駆動回路と、前記第1の駆動回路の動作を診断する第1の自己診断回路と、前記第1の駆動回路を制御する第1の制御回路とを有する第1の電源装置と、
 第2の電源入力から第2の直流電流を出力する第2の駆動回路と、前記第2の駆動回路の動作を診断する第2の自己診断回路と、前記第1の制御回路と通信可能に構成され前記第1の自己診断回路の出力に基づいて前記第2の駆動回路を制御する第2の制御回路とを有する第2の電源装置と、
 前記第1及び第2の電源装置各々の出力端に接続され、前記第1及び第2の直流電流の加算値である第3の直流電流を前記車内照明装置に出力する加算回路と
 を具備する鉄道用車両。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]