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1. WO2017130977 - COMPOSITION, PHOSPHORESCENT COMPOUND, AND LIGHT-EMITTING ELEMENT

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明 細 書

発明の名称 組成物、燐光発光性化合物及び発光素子

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004  

先行技術文献

特許文献

0005  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0006   0007  

課題を解決するための手段

0008   0009   0010  

発明の効果

0011  

発明を実施するための形態

0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117   0118   0119   0120   0121   0122   0123   0124   0125   0126   0127   0128   0129   0130   0131   0132   0133   0134   0135   0136   0137   0138   0139   0140   0141   0142   0143   0144   0145   0146   0147   0148   0149   0150   0151   0152   0153   0154   0155   0156   0157   0158   0159   0160   0161   0162   0163   0164   0165   0166   0167   0168   0169   0170   0171   0172   0173   0174   0175   0176   0177   0178   0179   0180   0181   0182   0183   0184   0185   0186   0187   0188   0189   0190   0191   0192   0193   0194   0195   0196   0197   0198   0199   0200   0201   0202   0203   0204   0205   0206   0207   0208   0209   0210   0211   0212   0213   0214   0215   0216   0217   0218   0219   0220   0221   0222   0223   0224   0225   0226   0227   0228   0229   0230   0231   0232   0233   0234   0235   0236   0237   0238   0239   0240   0241   0242   0243   0244   0245   0246   0247   0248   0249   0250   0251   0252   0253   0254   0255   0256   0257   0258   0259   0260   0261   0262   0263   0264   0265   0266   0267   0268   0269   0270   0271   0272   0273   0274   0275   0276   0277   0278   0279   0280   0281   0282   0283   0284   0285   0286   0287   0288   0289   0290   0291   0292   0293   0294   0295   0296   0297   0298   0299   0300   0301   0302   0303   0304   0305   0306   0307   0308   0309   0310   0311   0312   0313   0314   0315   0316   0317   0318   0319   0320   0321   0322   0323   0324   0325   0326   0327   0328   0329   0330   0331   0332   0333   0334   0335   0336   0337   0338   0339   0340   0341   0342   0343   0344   0345   0346   0347   0348   0349   0350   0351   0352   0353   0354   0355   0356   0357   0358   0359   0360   0361   0362   0363   0364   0365   0366   0367   0368   0369   0370   0371   0372   0373   0374   0375   0376   0377   0378   0379   0380   0381   0382   0383   0384   0385   0386   0387   0388   0389   0390   0391   0392   0393   0394   0395   0396   0397   0398   0399   0400   0401   0402   0403   0404   0405   0406   0407   0408   0409   0410   0411   0412   0413   0414   0415   0416   0417   0418   0419   0420   0421   0422   0423   0424   0425   0426   0427   0428   0429   0430   0431   0432   0433   0434   0435   0436   0437   0438   0439   0440   0441   0442   0443   0444   0445   0446   0447   0448   0449   0450   0451   0452   0453   0454   0455   0456   0457   0458   0459   0460   0461   0462   0463   0464   0465   0466   0467   0468   0469   0470   0471   0472   0473   0474   0475  

実施例

0476   0477   0478   0479   0480   0481   0482   0483   0484   0485   0486   0487   0488   0489   0490   0491   0492   0493   0494   0495   0496   0497   0498   0499   0500   0501   0502   0503   0504   0505   0506   0507   0508   0509   0510   0511   0512   0513   0514   0515   0516   0517   0518   0519   0520   0521   0522   0523   0524   0525   0526   0527   0528   0529   0530   0531   0532   0533   0534  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16   17   18   19  

明 細 書

発明の名称 : 組成物、燐光発光性化合物及び発光素子

技術分野

[0001]
 本発明は、組成物、燐光発光性化合物及び発光素子に関する。

背景技術

[0002]
 有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、「発光素子」ともいう。)は、ディスプレイ及び照明の用途に好適に使用することが可能であり、研究開発が盛んに行われている。この発光素子は、発光層、電荷輸送層等の有機層等を有する。
[0003]
 特許文献1には、下記式で表されるイリジウム錯体(M0)及び化合物(H0)を含有する発光層を有する発光素子が記載されている。
[0004]
[化1]


先行技術文献

特許文献

[0005]
特許文献1 : 米国特許出願公開第2011/0057559号明細書

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0006]
 しかしながら、上記の特許文献1に記載された発光素子は、初期劣化の抑制が必ずしも十分ではなかった。
[0007]
 そこで、本発明は、初期劣化が十分に抑制された発光素子の製造に有用な組成物及び燐光発光性化合物を提供することを目的とする。本発明はまた、初期劣化が十分に抑制された発光素子を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0008]
 本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、特定の組成物を含む有機層又は特定の燐光発光性化合物が配合された有機層を備える発光素子において、塩素原子が発光素子の初期劣化に大きく影響を与えることを見出し、更に、塩素原子を特定の量に制御することにより、発光素子の初期劣化を抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。なお、特許文献1には、該発光層中に含まれる塩素原子の量が初期劣化に影響するとの記載はない。
[0009]
 すなわち、本発明は、以下の[1]~[19]を提供するものである。
[0010]
[1]式(1)で表される燐光発光性化合物とホスト材料とが配合された組成物であって、
 前記燐光発光性化合物に不純物として含まれる塩素原子の量が、前記組成物に配合される固形分全量に対して、3.5質量ppm以下である、組成物。
[化2]


[式中、
 M は、ロジウム原子、パラジウム原子、イリジウム原子又は白金原子を表す。
 n は1以上の整数を表し、n は0以上の整数を表し、n +n は2又は3である。M がロジウム原子又はイリジウム原子の場合、n +n は3であり、M がパラジウム原子又は白金原子の場合、n +n は2である。
 E 及びE は、それぞれ独立に、炭素原子又は窒素原子を表す。但し、E 及びE の少なくとも一方は炭素原子である。
 環R は、5員の芳香族複素環を表し、この環は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。環R が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
 環R は、芳香族炭化水素環又は芳香族複素環を表し、これらの環は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。環R が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
 環R が有していてもよい置換基と環R が有していてもよい置換基とは、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。
 A -G -A は、アニオン性の2座配位子を表す。A 及びA は、それぞれ独立に、炭素原子、酸素原子又は窒素原子を表し、これらの原子は環を構成する原子であってもよい。G は、単結合、又は、A 及びA とともに2座配位子を構成する原子団を表す。A -G -A が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
[2]前記燐光発光性化合物に不純物として含まれる塩素原子及び前記ホスト材料に不純物として含まれる塩素原子の総量が、前記組成物に配合される固形分全量に対して、3.5質量ppm以下である、[1]に記載の組成物。
[3]前記塩素原子の総量が、前記組成物に配合される固形分全量に対して、0.8質量ppm以下である、[2]に記載の組成物。
[4]前記塩素原子の総量が、前記組成物に配合される固形分全量に対して、0.01質量ppm以上3.0質量ppm以下である、[2]に記載の組成物。
[5]前記塩素原子の総量が、前記組成物に配合される固形分全量に対して、0.1質量ppm以上0.8質量ppm以下である、[2]~[4]のいずれかに記載の組成物。
[6]前記燐光発光性化合物が、式(1-A)で表される化合物である、[1]~[5]のいずれかに記載の組成物。
[化3]


[式中、
 M 、n 、n 、E 及びA -G -A は、前記と同じ意味を表す。
 E 11A、E 12A、E 13A、E 21A、E 22A、E 23A及びE 24Aは、それぞれ独立に、窒素原子又は炭素原子を表す。E 11A、E 12A、E 13A、E 21A、E 22A、E 23A及びE 24Aが複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。E 11Aが窒素原子の場合、R 11Aは存在しても存在しなくてもよい。E 12Aが窒素原子の場合、R 12Aは存在しても存在しなくてもよい。E 13Aが窒素原子の場合、R 13Aは存在しても存在しなくてもよい。E 21Aが窒素原子の場合、R 21Aは存在しない。E 22Aが窒素原子の場合、R 22Aは存在しない。E 23Aが窒素原子の場合、R 23Aは存在しない。E 24Aが窒素原子の場合、R 24Aは存在しない。
 R 11A、R 12A、R 13A、R 21A、R 22A、R 23A及びR 24Aは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、置換アミノ基又はフッ素原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。R 11A、R 12A、R 13A、R 21A、R 22A、R 23A及びR 24Aが複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。R 11AとR 12A、R 12AとR 13A、R 11AとR 21A、R 21AとR 22A、R 22AとR 23A、及び、R 23AとR 24Aは、それぞれ結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。
 環R 1Aは、窒素原子、E 、E 11A、E 12A及びE 13Aで構成されるトリアゾール環又はジアゾール環を表す。
 環R 2Aは、2つの炭素原子、E 21A、E 22A、E 23A及びE 24Aで構成されるベンゼン環、ピリジン環又はピリミジン環を表す。]
[7]前記燐光発光性化合物が、式(1-A1)で表される化合物、式(1-A2)で表される化合物、式(1-A3)で表される化合物又は式(1-A4)で表される化合物である、[6]に記載の組成物。
[化4]


[式中、M 、n 、n 、R 11A、R 12A、R 13A、R 21A、R 22A、R 23A、R 24A及びA -G -A は、前記と同じ意味を表す。]
[8]前記燐光発光性化合物が、式(1-A3)で表される化合物であり、
 前記R 11Aが、置換基を有していてもよいアリール基である、[7]に記載の組成物。
[9]前記ホスト材料が、式(H-1)で表される化合物である、[1]~[8]のいずれかに記載の組成物。
[化5]


[式中、
 Ar H1及びAr H2は、それぞれ独立に、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
 n H1及びn H2は、それぞれ独立に、0又は1を表す。n H1が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。複数存在するn H2は、同一でも異なっていてもよい。
 n H3は、0以上の整数を表す。
 L H1は、アリーレン基、2価の複素環基、又は、-[C(R H11]n H11-で表される基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。L H1が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
 n H11は、1以上10以下の整数を表す。R H11は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するR H11は、同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環を形成していてもよい。
 L H2は、-N(-L H21-R H21)-で表される基を表す。L H2が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
 L H21は、単結合、アリーレン基又は2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。R H21は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
[10]正孔輸送材料、正孔注入材料、電子輸送材料、電子注入材料、発光材料、酸化防止剤及び溶媒からなる群より選ばれる少なくとも1種の材料をさらに含有する、[1]~[8]のいずれかに記載の組成物。
[11]式(1)で表される燐光発光性化合物であって、
 不純物として含まれる塩素原子の量が、前記燐光発光性化合物の全量に対して、15質量ppm以下である、燐光発光性化合物。
[化6]


[式中、
 M は、ロジウム原子、パラジウム原子、イリジウム原子又は白金原子を表す。
 n は1以上の整数を表し、n は0以上の整数を表し、n +n は2又は3である。M がロジウム原子又はイリジウム原子の場合、n +n は3であり、M がパラジウム原子又は白金原子の場合、n +n は2である。
 E 及びE は、それぞれ独立に、炭素原子又は窒素原子を表す。但し、E 及びE の少なくとも一方は炭素原子である。
 環R は、5員の芳香族複素環を表し、この環は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。環R が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
 環R は、芳香族炭化水素環又は芳香族複素環を表し、これらの環は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。環R が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
 環R が有していてもよい置換基と環R が有していてもよい置換基とは、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。
 A -G -A は、アニオン性の2座配位子を表す。A 及びA は、それぞれ独立に、炭素原子、酸素原子又は窒素原子を表し、これらの原子は環を構成する原子であってもよい。G は、単結合、又は、A 及びA とともに2座配位子を構成する原子団を表す。A -G -A が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
[12]前記式(1)で表される燐光発光性化合物が、式(1-A)で表される化合物である、[11]に記載の燐光発光性化合物。
[化7]


[式中、
 M 、n 、n 、E 及びA -G -A は、前記と同じ意味を表す。
 E 11A、E 12A、E 13A、E 21A、E 22A、E 23A及びE 24Aは、それぞれ独立に、窒素原子又は炭素原子を表す。E 11A、E 12A、E 13A、E 21A、E 22A、E 23A及びE 24Aが複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。E 11Aが窒素原子の場合、R 11Aは存在しても存在しなくてもよい。E 12Aが窒素原子の場合、R 12Aは存在しても存在しなくてもよい。E 13Aが窒素原子の場合、R 13Aは存在しても存在しなくてもよい。E 21Aが窒素原子の場合、R 21Aは存在しない。E 22Aが窒素原子の場合、R 22Aは存在しない。E 23Aが窒素原子の場合、R 23Aは存在しない。E 24Aが窒素原子の場合、R 24Aは存在しない。
 R 11A、R 12A、R 13A、R 21A、R 22A、R 23A及びR 24Aは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、置換アミノ基又はフッ素原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。R 11A、R 12A、R 13A、R 21A、R 22A、R 23A及びR 24Aが複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。R 11AとR 12A、R 12AとR 13A、R 11AとR 21A、R 21AとR 22A、R 22AとR 23A、及び、R 23AとR 24Aは、それぞれ結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。
 環R 1Aは、窒素原子、E 、E 11A、E 12A及びE 13Aで構成されるトリアゾール環又はジアゾール環を表す。
 環R 2Aは、2つの炭素原子、E 21A、E 22A、E 23A及びE 24Aで構成されるベンゼン環、ピリジン環又はピリミジン環を表す。]
[13]前記燐光発光性化合物が、式(1-A1)で表される化合物、式(1-A2)で表される化合物、式(1-A3)で表される化合物又は式(1-A4)で表される化合物である、[12]に記載の燐光発光性化合物。
[化8]


[式中、M 、n 、n 、R 11A、R 12A、R 13A、R 21A、R 22A、R 23A、R 24A及びA -G -A は、前記と同じ意味を表す。]
[14]前記燐光発光性化合物が、式(1-A3)で表される化合物であり、
 前記R 11Aが、置換基を有していてもよいアリール基である、[13]に記載の燐光発光性化合物。
[15]前記不純物として含まれる塩素原子の量が、0.9質量ppm以下である、[11]~[14]のいずれかに記載の燐光発光性化合物。
[16]前記不純物として含まれる塩素原子の量が、0.01質量ppm以上12質量ppm以下である、[11]~[14]のいずれかに記載の燐光発光性化合物。
[17]前記不純物として含まれる塩素原子の量が、0.1質量ppm以上0.9質量ppm以下である、[15]又は[16]に記載の燐光発光性化合物。
[18][1]~[10]のいずれかに記載の組成物を含む有機層を備える、発光素子。
[19][11]~[17]のいずれかに記載の燐光発光性化合物が配合された有機層を備える、発光素子。

発明の効果

[0011]
 本発明によれば、初期劣化が十分に抑制された発光素子の製造に有用な組成物及び燐光発光性化合物を提供することができる。また、本発明によれば、初期劣化が十分に抑制された発光素子を提供することができる。

発明を実施するための形態

[0012]
 以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
[0013]
<共通する用語の説明>
 本明細書で共通して用いられる用語は、特記しない限り、以下の意味である。
[0014]
 Meはメチル基、Etはエチル基、Buはブチル基、i-Prはイソプロピル基、t-Buはtert-ブチル基を表す。
[0015]
 水素原子は、重水素原子であっても、軽水素原子であってもよい。
[0016]
 燐光発光性化合物及び金属錯体を表す式中、中心金属との結合を表す実線は、共有結合又は配位結合を意味する。
[0017]
 「高分子化合物」とは、分子量分布を有し、ポリスチレン換算の数平均分子量が1×10 ~1×10 である重合体を意味する。
[0018]
 高分子化合物は、ブロック共重合体、ランダム共重合体、交互共重合体、グラフト共重合体のいずれであってもよいし、その他の態様であってもよい。
[0019]
 高分子化合物の末端基は、重合活性基がそのまま残っていると、高分子化合物を発光素子の作製に用いた場合に発光特性又は輝度寿命が低下する可能性があるので、好ましくは安定な基である。この末端基としては、好ましくは主鎖と共役結合している基であり、例えば、炭素-炭素結合を介してアリール基又は1価の複素環基と結合している基が挙げられる。
[0020]
 「低分子化合物」とは、分子量分布を有さず、分子量が1×10 以下の化合物を意味する。
[0021]
 「構成単位」とは、高分子化合物中に1個以上存在する単位を意味する。
[0022]
 「アルキル基」は、直鎖及び分岐のいずれでもよい。直鎖のアルキル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常1~50であり、好ましくは3~30であり、より好ましくは4~20である。分岐のアルキル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3~50であり、好ましくは3~30であり、より好ましくは4~20である。
 アルキル基は、置換基を有していてもよく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、2-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、イソアミル基、2-エチルブチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2-エチルヘキシル基、3-プロピルヘプチル基、デシル基、3,7-ジメチルオクチル基、2-エチルオクチル基、2-ヘキシルデシル基、ドデシル基、及び、これらの基における水素原子が、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、フッ素原子等で置換された基が挙げられ、例えば、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基、3-フェニルプロピル基、3-(4-メチルフェニル)プロピル基、3-(3,5-ジ-ヘキシルフェニル)プロピル基、6-エチルオキシヘキシル基が挙げられる。
 「シクロアルキル基」の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3~50であり、好ましくは3~30であり、より好ましくは4~20である。
 シクロアルキル基は、置換基を有していてもよく、例えば、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルエチル基が挙げられる。
[0023]
 「アリール基」は、芳香族炭化水素から環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子1個を除いた残りの原子団を意味する。アリール基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常6~60であり、好ましくは6~20であり、より好ましくは6~10である。
 アリール基は、置換基を有していてもよく、例えば、フェニル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基、1-アントラセニル基、2-アントラセニル基、9-アントラセニル基、1-ピレニル基、2-ピレニル基、4-ピレニル基、2-フルオレニル基、3-フルオレニル基、4-フルオレニル基、2-フェニルフェニル基、3-フェニルフェニル基、4-フェニルフェニル基、及び、これらの基における水素原子が、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、フッ素原子等で置換された基が挙げられる。
[0024]
 「アルコキシ基」は、直鎖及び分岐のいずれでもよい。直鎖のアルコキシ基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常1~40であり、好ましくは4~10である。分岐のアルコキシ基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3~40であり、好ましくは4~10である。
 アルコキシ基は、置換基を有していてもよく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブチルオキシ基、イソブチルオキシ基、tert-ブチルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2-エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、3,7-ジメチルオクチルオキシ基、ラウリルオキシ基、及び、これらの基における水素原子が、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、フッ素原子等で置換された基が挙げられる。
 「シクロアルコキシ基」の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3~40であり、好ましくは4~10である。
 シクロアルコキシ基は、置換基を有していてもよく、例えば、シクロヘキシルオキシ基が挙げられる。
[0025]
 「アリールオキシ基」の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常6~60であり、好ましくは6~48である。
 アリールオキシ基は、置換基を有していてもよく、例えば、フェノキシ基、1-ナフチルオキシ基、2-ナフチルオキシ基、1-アントラセニルオキシ基、9-アントラセニルオキシ基、1-ピレニルオキシ基、及び、これらの基における水素原子が、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、フッ素原子等で置換された基が挙げられる。
[0026]
 「p価の複素環基」(pは、1以上の整数を表す。)とは、複素環式化合物から、環を構成する炭素原子又はヘテロ原子に直接結合している水素原子のうちp個の水素原子を除いた残りの原子団を意味する。p価の複素環基の中でも、芳香族複素環式化合物から、環を構成する炭素原子又はヘテロ原子に直接結合している水素原子のうちp個の水素原子を除いた残りの原子団である「p価の芳香族複素環基」が好ましい。
 「芳香族複素環式化合物」は、オキサジアゾール、チアジアゾール、チアゾール、オキサゾール、チオフェン、ピロール、ホスホール、フラン、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、トリアジン、ピリダジン、キノリン、イソキノリン、カルバゾール、ジベンゾホスホール等の複素環自体が芳香族性を示す化合物、及び、フェノキサジン、フェノチアジン、ジベンゾボロール、ジベンゾシロール、ベンゾピラン等の複素環自体は芳香族性を示さなくとも、複素環に芳香環が縮環されている化合物を意味する。
[0027]
 1価の複素環基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常2~60であり、好ましくは4~20である。
 1価の複素環基は、置換基を有していてもよく、例えば、チエニル基、ピロリル基、フリル基、ピリジニル基、ピペリジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、及び、これらの基における水素原子が、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基等で置換された基が挙げられる。
[0028]
 「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を示す。
[0029]
 「アミノ基」は、置換基を有していてもよく、置換アミノ基が好ましい。アミノ基が有する置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基が好ましい。
 置換アミノ基としては、例えば、ジアルキルアミノ基、ジシクロアルキルアミノ基及びジアリールアミノ基が挙げられる。
 アミノ基としては、例えば、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ビス(4-メチルフェニル)アミノ基、ビス(4-tert-ブチルフェニル)アミノ基、ビス(3,5-ジ-tert-ブチルフェニル)アミノ基が挙げられる。
[0030]
 「アルケニル基」は、直鎖及び分岐のいずれでもよい。直鎖のアルケニル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常2~30であり、好ましくは3~20である。分岐のアルケニル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3~30であり、好ましくは4~20である。
 「シクロアルケニル基」の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3~30であり、好ましくは4~20である。
 アルケニル基及びシクロアルケニル基は、置換基を有していてもよく、例えば、ビニル基、1-プロペニル基、2-プロペニル基、2-ブテニル基、3-ブテニル基、3-ペンテニル基、4-ペンテニル基、1-ヘキセニル基、5-ヘキセニル基、7-オクテニル基、及び、これらの基が置換基を有する基が挙げられる。
[0031]
 「アルキニル基」は、直鎖及び分岐のいずれでもよい。アルキニル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子を含めないで、通常2~20であり、好ましくは3~20である。分岐のアルキニル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子を含めないで、通常4~30であり、好ましくは4~20である。
 「シクロアルキニル基」の炭素原子数は、置換基の炭素原子を含めないで、通常4~30であり、好ましくは4~20である。
 アルキニル基及びシクロアルキニル基は、置換基を有していてもよく、例えば、エチニル基、1-プロピニル基、2-プロピニル基、2-ブチニル基、3-ブチニル基、3-ペンチニル基、4-ペンチニル基、1-ヘキシニル基、5-ヘキシニル基、及び、これらの基が置換基を有する基が挙げられる。
[0032]
 「アリーレン基」は、芳香族炭化水素から環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子2個を除いた残りの原子団を意味する。アリーレン基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常6~60であり、好ましくは6~30であり、より好ましくは6~18である。
 アリーレン基は、置換基を有していてもよく、例えば、フェニレン基、ナフタレンジイル基、アントラセンジイル基、フェナントレンジイル基、ジヒドロフェナントレンジイル基、ナフタセンジイル基、フルオレンジイル基、ピレンジイル基、ペリレンジイル基、クリセンジイル基、及び、これらの基が置換基を有する基が挙げられ、好ましくは、式(A-1)~式(A-20)で表される基である。アリーレン基は、これらの基が複数結合した基を含む。
[0033]
[化9]


[0034]
[化10]


[0035]
[化11]


[0036]
[化12]


[式中、R及びR は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表す。複数存在するR及びR は、各々、同一でも異なっていてもよく、R 同士は互いに結合して、それぞれが結合する原子と共に環を形成していてもよい。]
[0037]
 2価の複素環基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常2~60であり、好ましくは、3~20であり、より好ましくは、4~15である。
 2価の複素環基は、置換基を有していてもよく、例えば、ピリジン、ジアザベンゼン、トリアジン、アザナフタレン、ジアザナフタレン、カルバゾール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、ジベンゾシロール、フェノキサジン、フェノチアジン、アクリジン、ジヒドロアクリジン、フラン、チオフェン、アゾール、ジアゾール、トリアゾールから、環を構成する炭素原子又はヘテロ原子に直接結合している水素原子のうち2個の水素原子を除いた2価の基が挙げられ、好ましくは、式(AA-1)~式(AA-34)で表される基である。2価の複素環基は、これらの基が複数結合した基を含む。
[0038]
[化13]


[0039]
[化14]


[0040]
[化15]


[0041]
[化16]


[0042]
[化17]


[0043]
[化18]


[0044]
[化19]


[式中、R及びR は、前記と同じ意味を表す。]
[0045]
 「架橋基」とは、加熱処理、紫外線照射処理、近紫外線照射処理、可視光照射処理、赤外線照射処理、ラジカル反応等に供することにより、新たな結合を生成することが可能な基であり、好ましくは、架橋基A群の式(XL-1)~(XL-17)で表される架橋基である。
[0046]
(架橋基A群)
[化20]


[式中、R XLは、メチレン基、酸素原子又は硫黄原子を表し、n XLは、0~5の整数を表す。R XLが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、n XLが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。*1は結合位置を表す。これらの架橋性基は置換基を有していてもよい。]
[0047]
 「置換基」とは、フッ素原子、シアノ基、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、置換アミノ基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基又はシクロアルキニル基を表す。置換基は架橋基であってもよい。
[0048]
 「塩素」とは、原子番号17の元素を意味する。「臭素」とは、原子番号35の元素を意味する。
[0049]
[式(1)で表される燐光発光性化合物]
 まず、本実施形態に係る組成物に配合される式(1)で表される燐光発光性化合物について説明する。
[0050]
 式(1)で表される燐光発光性化合物は、通常、室温(25℃)で燐光発光性を示す化合物(金属錯体)であり、好ましくは、室温(25℃)で三重項励起状態からの発光を示す化合物である。
[0051]
 式(1)で表される燐光発光性化合物は、好ましくは発光スペクトルの最大ピーク波長が380nm以上495nm未満である化合物であり、より好ましくは、発光スペクトルの最大ピーク波長が400nm以上490nm未満である化合物であり、更に好ましくは、発光スペクトルの最大ピーク波長が420nm以上485nm未満である化合物であり、特に好ましくは、発光スペクトルの最大ピーク波長が440nm以上480nm未満である化合物であり、とりわけ好ましくは、発光スペクトルの最大ピーク波長が460nm以上475nm未満である化合物である。
[0052]
 燐光発光性化合物の発光スペクトルの最大ピーク波長は、燐光発光性化合物を、キシレン、トルエン、クロロホルム、テトラヒドロフラン等の有機溶媒に溶解させ、希薄溶液を調製し(1×10 -6~1×10 -3質量%)、該希薄溶液のPLスペクトルを室温で測定することで評価することができる。燐光発光性化合物を溶解させる有機溶媒としては、キシレンが好ましい。
[0053]
 式(1)で表される燐光発光性化合物は、中心金属であるM と、添え字n でその数を規定されている配位子と、添え字n でその数を規定されている配位子とから構成される燐光発光性化合物である。
[0054]
 M は、本実施形態に係る発光素子の初期劣化がより抑制されるので、イリジウム原子又は白金原子であることが好ましく、イリジウム原子であることがより好ましい。
[0055]
 M がロジウム原子又はイリジウム原子の場合、n は2又は3であることが好ましく、3であることがより好ましい。
[0056]
 M がパラジウム原子又は白金原子の場合、n は2であることが好ましい。
[0057]
 E 及びE は、炭素原子であることが好ましい。
[0058]
 環R は、2つ以上4つ以下の窒素原子を構成原子として有する5員の芳香族複素環であることが好ましく、ジアゾール環又はトリアゾール環であることがより好ましく、ジアゾール環であることが更に好ましく、これらの環は置換基を有していてもよい。
[0059]
 環R は、5員若しくは6員の芳香族炭化水素環、又は、5員若しくは6員の芳香族複素環であることが好ましく、6員の芳香族炭化水素環又は6員の芳香族複素環であることがより好ましく、6員の芳香族炭化水素環であることが更に好ましく、これらの環は置換基を有していてもよい。但し、環R が6員の芳香族複素環である場合、E は炭素原子である。
[0060]
 環R としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、フルオレン環、フェナントレン環、インデン環、ピリジン環、ジアザベンゼン環及びトリアジン環が挙げられ、ベンゼン環、ナフタレン環、フルオレン環、ピリジン環又はピリミジン環が好ましく、ベンゼン環、ピリジン環又はピリミジン環がより好ましく、ベンゼン環が更に好ましく、これらの環は置換基を有していてもよい。
[0061]
 環R 及び環R が有していてもよい置換基としては、フッ素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アリール基、1価の複素環基又は置換アミノ基が好ましく、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アリール基、1価の複素環基又は置換アミノ基がより好ましく、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基が更に好ましく、アリール基が特に好ましく、これらの基は更に置換基を有していてもよい。
[0062]
 環R 及び環R が有していてもよい置換基におけるアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントレニル基、ジヒドロフェナントレニル基、フルオレニル基又はピレニル基が好ましく、フェニル基、ナフチル基又はフルオレニル基がより好ましく、フェニル基が更に好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。
[0063]
 環R 及び環R が有していてもよい置換基における1価の複素環基としては、ピリジル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基、カルバゾリル基、アザカルバゾリル基、ジアザカルバゾリル基、フェノキサジニル基又はフェノチアジニル基が好ましく、ピリジル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、カルバゾリル基、アザカルバゾリル基又はジアザカルバゾリル基がより好ましく、ピリジル基、ピリミジニル基又はトリアジニル基が更に好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。
[0064]
 環R 及び環R が有していてもよい置換基における置換アミノ基において、アミノ基が有する置換基としては、アリール基又は1価の複素環基が好ましく、これらの基は更に置換基を有していてもよい。アミノ基が有する置換基におけるアリール基の例及び好ましい範囲は、環R 及び環R が有していてもよい置換基におけるアリール基の例及び好ましい範囲と同じである。アミノ基が有する置換基における1価の複素環基の例及び好ましい範囲は、環R 及び環R が有していてもよい置換基における1価の複素環基の例及び好ましい範囲と同じである。
[0065]
 環R 及び環R が有していてもよい置換基が更に有していてもよい置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基又は置換アミノ基が好ましく、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基又は置換アミノ基がより好ましく、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基が更に好ましく、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基が特に好ましく、これらの基は更に置換基を有していてもよい。
[0066]
 環R 及び環R が有していてもよい置換基におけるアリール基、1価の複素環基又は置換アミノ基は、本実施形態に係る発光素子の初期劣化がより抑制されるので、好ましくは、式(D-A)、(D-B)又は(D-C)で表される基であり、より好ましくは、式(D-A)又は(D-C)で表される基であり、特に好ましくは、式(D-C)で表される基である。
[0067]
[化21]


[式中、
 m DA1、m DA2及びm DA3は、それぞれ独立に、0以上の整数を表す。
 G DAは、窒素原子、芳香族炭化水素基又は複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
 Ar DA1、Ar DA2及びAr DA3は、それぞれ独立に、アリーレン基又は2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。Ar DA1、Ar DA2及びAr DA3が複数ある場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
 T DAは、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数あるT DAは、同一でも異なっていてもよい。]
[0068]
[化22]


[式中、
 m DA1、m DA2、m DA3、m DA4、m DA5、m DA6及びm DA7は、それぞれ独立に、0以上の整数を表す。
 G DAは、窒素原子、芳香族炭化水素基又は複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数あるG DAは、同一でも異なっていてもよい。
 Ar DA1、Ar DA2、Ar DA3、Ar DA4、Ar DA5、Ar DA6及びAr DA7は、それぞれ独立に、アリーレン基又は2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。Ar DA1、Ar DA2、Ar DA3、Ar DA4、Ar DA5、Ar DA6及びAr DA7が複数ある場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
 T DAは、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数あるT DAは、同一でも異なっていてもよい。]
[0069]
[化23]


[式中、
 m DA1は、0以上の整数を表す。
 Ar DA1は、アリーレン基又は2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。Ar DA1が複数ある場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
 T DAは、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
[0070]
 m DA1、m DA2、m DA3、m DA4、m DA5、m DA6及びm DA7は、通常10以下の整数であり、好ましくは5以下の整数であり、より好ましくは2以下の整数であり、更に好ましくは0又は1である。m DA2、m DA3、m DA4、m DA5、m DA6及びm DA7は、同一の整数であることが好ましく、m DA1、m DA2、m DA3、m DA4、m DA5、m DA6及びm DA7は、同一の整数であることがより好ましい。
[0071]
 G DAは、好ましくは式(GDA-11)~(GDA-15)で表される基であり、より好ましくは式(GDA-11)~(GDA-14)で表される基であり、更に好ましくは式(GDA-11)又は(GDA-14)で表される基であり、特に好ましくは式(GDA-11)で表される基である。
[0072]
[化24]


[式中、
 *は、式(D-A)におけるAr DA1、式(D-B)におけるAr DA1、式(D-B)におけるAr DA2、又は、式(D-B)におけるAr DA3との結合を表す。
 **は、式(D-A)におけるAr DA2、式(D-B)におけるAr DA2、式(D-B)におけるAr DA4、又は、式(D-B)におけるAr DA6との結合を表す。
 ***は、式(D-A)におけるAr DA3、式(D-B)におけるAr DA3、式(D-B)におけるAr DA5、又は、式(D-B)におけるAr DA7との結合を表す。
 R DAは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は更に置換基を有していてもよい。R DAが複数ある場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
[0073]
 R DAは、好ましくは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基又はシクロアルコキシ基であり、より好ましくは水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
[0074]
 Ar DA1、Ar DA2、Ar DA3、Ar DA4、Ar DA5、Ar DA6及びAr DA7は、好ましくは、フェニレン基、フルオレンジイル基又はカルバゾールジイル基であり、より好ましくは式(A-1)~(A-3)、(A-8)、(A-9)、(AA-10)、(AA-11)、(AA-33)又は(AA-34)で表される基であり、更に好ましくは式(ArDA-1)~(ArDA-5)で表される基であり、特に好ましくは式(ArDA-1)~式(ArDA-3)で表される基であり、とりわけ好ましくは式(ArDA-1)で表される基である。
[0075]
[化25]


[式中、
 R DAは前記と同じ意味を表す。
 R DBは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。R DBが複数ある場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
[0076]
 R DBは、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基であり、より好ましくはアリール基又は1価の複素環基であり、更に好ましくはアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
[0077]
 T DAは、好ましくは式(TDA-1)~(TDA-3)で表される基であり、より好ましくは式(TDA-1)で表される基である。
[0078]
[化26]


[式中、R DA及びR DBは、前記と同じ意味を表す。]
[0079]
 式(D-A)で表される基は、好ましくは式(D-A1)~(D-A4)で表される基であり、より好ましくは式(D-A1)又は(D-A4)で表される基である。
[0080]
[化27]


[式中、
 R p1、R p2、R p3及びR p4は、それぞれ独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基又はフッ素原子を表す。R p1、R p2及びR p4が複数ある場合、それらはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
 np1は、0~5の整数を表し、np2は0~3の整数を表し、np3は0又は1を表し、np4は0~4の整数を表す。複数あるnp1は、同一でも異なっていてもよい。]
[0081]
 式(D-B)で表される基は、好ましくは式(D-B1)~(D-B3)で表される基であり、より好ましくは式(D-B1)で表される基である。
[0082]
[化28]


[式中、
 R p1、R p2及びR p3は、それぞれ独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基又はフッ素原子を表す。R p1及びR p2が複数ある場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
 np1は0~5の整数を表し、np2は0~3の整数を表し、np3は0又は1を表す。np1及びnp2が複数ある場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。]
[0083]
 式(D-C)で表される基は、好ましくは式(D-C1)~(D-C4)で表される基であり、より好ましくは式(D-C1)~(D-C3)で表される基であり、更に好ましくは式(D-C1)又は(D-C2)で表される基であり、特に好ましくは式(D-C2)で表される基である。
[0084]
[化29]


[式中、
 R p4、R p5及びR p6は、それぞれ独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基又はフッ素原子を表す。R p4、R p5及びR p6が複数ある場合、それらはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
 np4は、0~4の整数を表し、np5は0~5の整数を表し、np6は0~5の整数を表す。]
[0085]
 np1は、好ましくは0又は1であり、より好ましくは1である。np2は、好ましくは0又は1であり、より好ましくは0である。np3は好ましくは0である。np4は、好ましくは0~2の整数である。np5は、好ましくは1~3の整数である。np6は、好ましくは0~2の整数である。
[0086]
 R p1、R p2、R p3、R p4、R p5及びR p6は、好ましくはアルキル基又はシクロアルキル基であり、より好ましくはメチル基、エチル基、イソプロピル基、tert-ブチル基、ヘキシル基、2-エチルヘキシル基、シクロヘキシル基、メトキシ基、2-エチルヘキシルオキシ基、tert-オクチル基又はシクロへキシルオキシ基であり、更に好ましくはメチル基、エチル基、イソプロピル基、tert-ブチル基、ヘキシル基、2-エチルヘキシル基又はtert-オクチル基である。
[0087]
 式(D-A)で表される基としては、例えば、式(D-A-1)~(D-A-12)で表される基が挙げられる。
[0088]
[化30]


[0089]
[化31]


[式中、R は、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert-ブチル基、ヘキシル基、2-エチルヘキシル基、tert-オクチル基、シクロヘキシル基、メトキシ基、2-エチルヘキシルオキシ基又はシクロへキシルオキシ基を表す。R が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
[0090]
 式(D-B)で表される基としては、例えば、式(D-B-1)~(D-B-4)で表される基が挙げられる。
[0091]
[化32]


[式中、R は前記と同じ意味を表す。]
[0092]
 式(D-C)で表される基としては、例えば、式(D-C-1)~(D-C-17)で表される基が挙げられる。
[0093]
[化33]


[0094]
[化34]


[式中、R は前記と同じ意味を表す。]
[0095]
 R はメチル基、エチル基、イソプロピル基、tert-ブチル基、ヘキシル基、2-エチルヘキシル基又はtert-オクチル基であることが好ましい。
[0096]
 本実施形態に係る発光素子の初期劣化が更に抑制されるので、環R 及び環R からなる群から選ばれる少なくとも1つの環が、置換基を有することが好ましく、環R が、置換基を有することがより好ましい。
[0097]
 環R 及び環R からなる群から選ばれる少なくとも1つの環が有する置換基としては、好ましくは、置換基を有していてもよいアリール基又は置換基を有していてもよい1価の複素環基であり、より好ましくは置換基を有していてもよいアリール基であり、更に好ましくは、式(D-A1)、(D-A4)、(D-B1)又は(D-C1)~(D-C4)で表される基であり、特に好ましくは、式(D-C1)~(D-C3)で表される基であり、とりわけ好ましくは、式(D-C2)で表される基である。
[0098]
[アニオン性の2座配位子]
 A -G -A で表されるアニオン性の2座配位子としては、例えば、下記式で表される配位子が挙げられる。
[0099]
[化35]


[0100]
[化36]


[式中、*は、M と結合する部位を示す。]
[0101]
 A -G -A で表されるアニオン性の2座配位子は、下記式で表される配位子であってもよい。
[0102]
[化37]


[式中、
 *は、M と結合する部位を表す。
 R L1は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基又はフッ素原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するR L1は、同一でも異なっていてもよい。]
[0103]
 式(1)で表される燐光発光性化合物は、本実施形態に係る発光素子の初期劣化がより抑制されるので、式(1-A)で表される化合物であることが好ましい。
[0104]
[式(1-A)で表される化合物]
 環R 1Aがジアゾール環である場合、E 11Aが窒素原子であるイミダゾール環、又は、E 12Aが窒素原子であるイミダゾール環が好ましく、E 11Aが窒素原子であるイミダゾール環がより好ましい。
[0105]
 環R 1Aがトリアゾール環である場合、E 11A及びE 12Aが窒素原子であるトリアゾール環、又は、E 11A及びE 13Aが窒素原子であるトリアゾール環が好ましく、E 11A及びE 12Aが窒素原子であるトリアゾール環がより好ましい。
[0106]
 環R 1Aは、ジアゾール環であることが好ましい。
[0107]
 R 11A、R 12A、R 13A、R 21A、R 22A、R 23A及びR 24Aにおけるアリール基、1価の複素環基及び置換アミノ基の例及び好ましい範囲は、それぞれ、環R 及び環R が有していてもよい置換基におけるアリール基、1価の複素環基及び置換アミノ基の例及び好ましい範囲と同じである。
[0108]
 R 11A、R 12A、R 13A、R 21A、R 22A、R 23A及びR 24Aが有していてもよい置換基の例及び好ましい範囲は、環R 及び環R が有していてもよい置換基が更に有していてもよい置換基の例及び好ましい範囲と同じである。
[0109]
 E 11Aが窒素原子であり、かつ、R 11Aが存在する場合、R 11Aはアルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基であることが好ましく、アリール基又は1価の複素環基であることがより好ましく、アリール基であることが更に好ましく、式(D-A1)、(D-A4)、(D-B1)又は(D-C1)~(D-C4)で表される基であることが特に好ましく、式(D-C1)~(D-C3)で表される基であることがとりわけ好ましく、式(D-C2)で表される基であることが殊更に好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。
[0110]
 E 11Aが炭素原子である場合、R 11Aは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基又は置換アミノ基であることが好ましく、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基であることがより好ましく、水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基であることが更に好ましく、水素原子が特に好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。
[0111]
 E 12Aが窒素原子であり、かつ、R 12Aが存在する場合、R 12Aはアルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基であることが好ましく、アリール基又は1価の複素環基であることがより好ましく、アリール基であることが更に好ましく、式(D-A1)、(D-A4)、(D-B1)又は(D-C1)~(D-C4)で表される基であることが特に好ましく、式(D-C1)~(D-C3)で表される基であることがとりわけ好ましく、式(D-C2)で表される基であることが殊更に好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。
[0112]
 E 12Aが炭素原子である場合、R 12Aは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基又は置換アミノ基であることが好ましく、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基であることがより好ましく、水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基であることが更に好ましく、水素原子が特に好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。
[0113]
 E 13Aが窒素原子であり、かつ、R 13Aが存在する場合、R 13Aはアルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基であることが好ましく、アリール基又は1価の複素環基であることがより好ましく、アリール基であることが更に好ましく、式(D-A1)、(D-A4)、(D-B1)又は(D-C1)~(D-C4)で表される基であることが特に好ましく、式(D-C1)~(D-C3)で表される基であることがとりわけ好ましく、式(D-C2)で表される基であることが殊更に好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。
[0114]
 E 13Aが炭素原子である場合、R 13Aは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基又は置換アミノ基であることが好ましく、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基であることがより好ましく、水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基であることが更に好ましく、水素原子が特に好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。
[0115]
 環R 2Aがピリジン環である場合、E 21Aが窒素原子であるピリジン環、E 22Aが窒素原子であるピリジン環、又は、E 23Aが窒素原子であるピリジン環が好ましく、E 22Aが窒素原子であるピリジン環がより好ましい。
[0116]
 環R 2Aがピリミジン環である場合、E 21A及びE 23Aが窒素原子であるピリミジン環、又は、E 22A及びE 24Aが窒素原子であるピリミジン環が好ましく、E 22A及びE 24Aが窒素原子であるピリミジン環がより好ましい。
[0117]
 環R 2Aは、ベンゼン環であることが好ましい。
[0118]
 R 21A、R 22A、R 23A及びR 24Aは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、フッ素原子、アリール基、1価の複素環基又は置換アミノ基であることが好ましく、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基又は置換アミノ基であることがより好ましく、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基であることが更に好ましく、水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基であることが特に好ましく、水素原子であることがとりわけ好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。
[0119]
 本実施形態に係る発光素子の初期劣化がより抑制されるので、R 11A、R 12A、R 13A、R 21A、R 22A、R 23A及びR 24Aからなる群から選ばれる少なくとも1つは、置換基を有していてもよいアリール基又は置換基を有していてもよい1価の複素環基であることが好ましく、置換基を有していてもよいアリール基であることがより好ましく、式(D-A1)、(D-A4)、(D-B1)又は(D-C1)~(D-C4)で表される基であることが更に好ましく、式(D-C1)~(D-C3)で表される基であることが特に好ましく、式(D-C2)で表される基であることがとりわけ好ましい。
[0120]
 R 11A、R 12A、R 13A、R 21A、R 22A、R 23A及びR 24Aからなる群から選ばれる少なくとも1つが、置換基を有していてもよいアリール基又は置換基を有していてもよい1価の複素環基である場合、R 11A、R 12A及びR 13Aからなる群から選ばれる少なくとも1つが置換基を有していてもよいアリール基又は置換基を有していてもよい1価の複素環基であることが好ましく、R 11A又はR 12Aが置換基を有していてもよいアリール基又は置換基を有していてもよい1価の複素環基であることがより好ましく、R 11Aが置換基を有していてもよいアリール基又は置換基を有していてもよい1価の複素環基であることが更に好ましい。
[0121]
 R 11AとR 12A、R 12AとR 13A、R 11AとR 21A、R 21AとR 22A、R 22AとR 23A、及び、R 23AとR 24Aは、それぞれ結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよいが、式(1)で表される燐光発光性化合物の発光スペクトルの最大ピーク波長が短波長になるため、R 11AとR 12A、及び、R 12AとR 13Aは、環を形成しないことが好ましい。また、式(1)で表される燐光発光性化合物の合成が容易になるため、R 11AとR 12A、R 12AとR 13A、R 21AとR 22A、R 22AとR 23A、及び、R 23AとR 24Aは、環を形成しないことが好ましく、R 11AとR 12A、R 12AとR 13A、R 11AとR 21A、R 21AとR 22A、R 22AとR 23A、及び、R 23AとR 24Aは、環を形成しないことがより好ましい。
[0122]
 式(1-A)で表される化合物は、本実施形態に係る発光素子の初期劣化が更に抑制されるので、式(1-A1)で表される化合物、式(1-A2)で表される化合物、式(1-A3)で表される化合物又は式(1-A4)で表される化合物であることが好ましく、式(1-A1)で表される化合物又は式(1-A3)で表される化合物であることがより好ましく、式(1-A3)で表される化合物であることが更に好ましい。
[0123]
 式(1-A1)で表される化合物としては、例えば、表1に示す式(1-A1-1)~(1-A1-11)で表される化合物が挙げられ、好ましくは式(1-A1-1)~(1-A1-9)で表される化合物であり、より好ましくは式(1-A1-1)~(1-A1-7)で表される化合物である。
[0124]
[表1]


[0125]
 式(1-A2)で表される化合物としては、例えば、表2に示す式(1-A2-1)~(1-A2-8)で表される化合物が挙げられ、好ましくは式(1-A2-1)~(1-A2-6)で表される化合物であり、より好ましくは式(1-A2-1)~(1-A2-4)で表される化合物である。
[0126]
[表2]


[0127]
 式(1-A3)で表される化合物としては、例えば、表3に示す式(1-A3-1)~(1-A3-11)で表される化合物が挙げられ、好ましくは式(1-A3-1)~(1-A3-9)で表される化合物であり、より好ましくは式(1-A3-1)~(1-A3-8)で表される化合物である。
[0128]
[表3]


[0129]
 式(1-A4)で表される化合物としては、例えば、表4に示す式(1-A4-1)~(1-A4-8)で表される化合物が挙げられ、好ましくは式(1-A4-1)~(1-A4-6)で表される化合物であり、より好ましくは式(1-A4-1)~(1-A4-5)で表される化合物である。
[0130]
[表4]


[0131]
 式(1)で表される化合物としては、例えば、式(1-A1-1)~(1-A1-11)、式(1-A2-1)~(1-A2-8)、式(1-A3-1)~(1-A3-11)、式(1-A4-1)~(1-A4-8)及び下記式(1-A-1)~(1-A-5)で表される化合物が挙げられ、好ましくは式(1-A1-1)~(1-A1-9)、式(1-A2-1)~(1-A2-6)、式(1-A3-1)~(1-A3-9)、式(1-A4-1)~(1-A4-6)又は式(1-A-1)~(1-A-5)で表される化合物であり、より好ましくは式(1-A1-1)~(1-A1-7)、式(1-A2-1)~(1-A2-4)、式(1-A3-1)~(1-A3-8)、式(1-A4-1)~(1-A4-5)又は式(1-A-3)~(1-A-5)で表される化合物であり、更に好ましくは、式(1-A1-1)~(1-A1-7)又は式(1-A3-1)~(1-A3-8)で表される化合物であり、特に好ましくは式(1-A3-1)~(1-A3-8)で表される化合物である。
[0132]
[化38]


[0133]
[化39]


[0134]
[式(1)で表される燐光発光性化合物の入手方法]
 式(1)で表される燐光発光性化合物は、Aldrich、Luminescence Technology Corp.,American Dye Source等から入手可能である。
 また、上記以外の入手方法として、国際公開第2006/121811号、国際公開第2007/097153号、特開2013-048190号公報、国際公開第2004/101707号、特開2013-147449号公報、特開2013-147450号公報、特開2013-147551号公報等の文献に記載の公知の方法により製造することにより、入手可能である。
[0135]
[式(1)で表される燐光発光性化合物に含まれる塩素原子の量(C )]
 本実施形態に係る組成物において、式(1)で表される燐光発光性化合物に不純物として含まれる塩素原子の量(C )は、燐光発光性化合物の全量に対して、通常、15質量ppm以下である。本実施形態に係る燐光発光性化合物において、不純物として含まれる塩素原子の量は、本実施形態に係る発光素子の初期劣化が抑制されるので、好ましくは13質量ppm以下であり、より好ましくは9質量ppm以下であり、更に好ましくは5質量ppm以下であり、特に好ましくは1質量ppm以下であり、とりわけ好ましくは0.9質量ppm以下であり、殊更に好ましくは0質量ppmである。
[0136]
 また、本実施形態に係る燐光発光性化合物において、不純物として含まれる塩素原子の量は、本実施形態に係る発光素子の発光効率が優れるので、好ましくは0.01質量ppm以上12質量ppm以下であり、より好ましくは0.05質量ppm以上11質量ppm以下であり、更に好ましくは0.1質量ppm以上10質量ppm以下であり、特に好ましくは0.5質量ppm以上9質量ppm以下であり、とりわけ好ましくは0.9質量ppm以上9質量ppm以下である。
[0137]
 また、本実施形態に係る燐光発光性化合物において、不純物として含まれる塩素原子の量は、本実施形態に係る発光素子の初期劣化が抑制され、且つ、本実施形態に係る発光素子の発光効率が優れるので、好ましくは0.01質量ppm以上5質量ppm以下であり、より好ましくは0.05質量ppm以上1質量ppm以下であり、更に好ましくは0.1質量ppm以上0.9質量ppm以下である。
[0138]
 本明細書において、「塩素原子の量」は、自動燃焼-イオンクロマトグラフ法により測定することができる。即ち、「塩素原子の量」とは、自動燃焼-イオンクロマトグラフ法により測定した際の塩素の質量濃度を意味する。また、「塩素原子の量」が「0質量ppm」とは、自動燃焼-イオンクロマトグラフ法により測定した際に、塩素の質量濃度が検出限界以下であることを意味する。
[0139]
 C の具体的な算出方法を後述の実施例D1及び実施例D2を用いて、説明する。
[0140]
 まず、実施例D1では、自動燃焼-イオンクロマトグラフ法により測定した燐光発光性化合物MC3の塩素原子の量は検出限界以下であるため、C は0質量ppmである。
[0141]
 次に、実施例D2では、自動燃焼-イオンクロマトグラフ法により測定した燐光発光性化合物MC3及び燐光発光性化合物MC2の塩素原子の量は、それぞれ、検出限界以下(即ち、0質量ppm)及び9質量ppmである。また、燐光発光性化合物MC3と燐光発光性化合物MC2との質量比は、燐光発光性化合物MC3:燐光発光性化合物MC2=22.5:2.5である。
[0142]
 よって、C は、各燐光発光性化合物に含まれる塩素原子の量及びその仕込みの量から求めることができ、以下のとおり求められる。
 C ={0×22.5/(22.5+2.5)}+{9×2.5/(22.5+2.5)}=0.9質量ppm
[0143]
 前述の実施例D2におけるC の具体的な算出方法と同様にして、実施例D3における、C は、以下のとおり求められる。
 C ={0×12.5/(12.5+12.5)}+{9×12.5/(12.5+12.5)}=4.5質量ppm
[0144]
 前述の実施例D1におけるC の具体的な算出方法と同様にして、実施例D4における、C は、9質量ppmである。
[0145]
 前述の実施例D2におけるC の具体的な算出方法と同様にして、実施例D5における、C は、以下のとおり求められる。
 C ={9×12.5/(12.5+12.5)}+{16×12.5/(12.5+12.5)}=12.5質量ppm
[0146]
 前述の実施例D1におけるC の具体的な算出方法と同様にして、比較例CD1における、C は、16質量ppmである。
[0147]
[C の低減方法]
 C の低減方法としては、例えば、精製、及び、脱ハロゲン化剤による処理から選ばれる少なくとも1種の方法が挙げられる。
[0148]
[精製]
 精製としては、第4版実験化学講座(1993年、丸善)、第5版実験化学講座(2007年、丸善)、新実験化学講座(1975年、丸善)、有機化学実験のてびき(1988年、化学同人)等に記載の公知の精製方法が挙げられる。
[0149]
 精製としては、昇華、抽出、再沈殿、再結晶、クロマトグラフィー、又は、吸着等が挙げられる。
[0150]
 精製において、精製を2回以上行う場合、それらの方法は、同一でも異なっていてもよい。
[0151]
 昇華において、真空度及び昇華温度は、昇華する材料に合わせて、適宜、設定すればよい。真空度は、好ましくは1×10 -10~1×10 Paであり、より好ましくは1×10 -7~1×10 Paであり、更に好ましくは1×10 -5~1Paであり、特に好ましくは1×10 -4~1×10 -2Paである。また、昇華温度は、好ましくは-100℃~1000℃であり、より好ましくは0℃~700℃であり、更に好ましくは100℃~500℃であり、特に好ましくは200℃~350℃である。
[0152]
 抽出としては、好ましくは、分液、又は、ソックスレー抽出器による固液抽出であり、より好ましくは、分液である。
[0153]
 抽出に用いる溶媒の例は、後述の脱ハロゲン化剤による処理における反応に用いる溶媒の例と同じである。
[0154]
 クロマトグラフィーとしては、好ましくはカラムクロマトグラフィーである。
[0155]
 カラムクロマトグラフィーに用いる充填剤としては、シリカゲル又はアルミナが好ましい。
[0156]
 クロマトグラフィーに用いる溶媒の例は、後述の脱ハロゲン化剤による処理における反応に用いる溶媒の例と同じである。
[0157]
 再沈殿に用いる溶媒の例は、後述の脱ハロゲン化剤による処理における反応に用いる溶媒の例と同じである。
[0158]
 再結晶に用いる溶媒の例は、後述の脱ハロゲン化剤による処理における反応に用いる溶媒の例と同じである。
[0159]
 吸着としては、吸着剤による処理が好ましい。また、吸着剤としては、好ましくは、活性炭、シリカゲル、アルミナ又はセライトである。
[0160]
 吸着剤による処理は、通常、溶媒中で行う。吸着剤による処理に用いる溶媒の例は、後述の脱ハロゲン化剤による処理における反応に用いる溶媒の例と同じである。
[0161]
[脱ハロゲン化剤による処理]
 脱ハロゲン化剤による処理としては、国際公開第2006/037458号、特開2007-220772号公報、特開2007-077078号公報、国際公開第2005/084083号等の文献に記載の公知の方法が挙げられる。
[0162]
 脱ハロゲン化剤による処理としては、例えば、ヒドリド還元剤で還元する方法、及び、金属又は有機金属化合物を反応させる方法等が挙げられる。
[0163]
 ヒドリド還元剤としては、水素化ナトリウム、水素化リチウム、水素化カルシウム及び水素化マグネシウム等のアルカリ金属水素化物及びアルカリ土類金属水素化物;水素化アルミニウムリチウム(LAH)、水素化ジイソブチルアルミニウム(DIBAL)及び水素化ビス(2-メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム(Red-Al)等の水素化アルミニウム化合物;ジボラン(B )、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH )及び水素化トリエチルホウ素リチウム(Super-Hydride)等の水素化ホウ素化合物;シラン(SiH )及びトリエチルシラン(Et SiH)等の水素化ケイ素化合物;並びに、スタンナン(SnH )及び水素化トリブチルスズ(TBT)等の水素化スズ化合物が挙げられる。
[0164]
 金属を反応させる方法において、金属としては、リチウム、ナトリウム、マグネシウム及び亜鉛等が挙げられる。
[0165]
 有機金属化合物を反応させる方法において、有機金属化合物としては、ブチルリチウム及びフェニルリチウム等の有機リチウム化合物;グリニャール試薬等の有機マグネシウム化合物;並びに、ジエチル亜鉛等の有機亜鉛化合物が挙げられる。
[0166]
 脱ハロゲン化剤による処理は、C をより低減することができるので、好ましくは、式(Z1)で表される化合物を反応させる方法である。
[0167]
[化40]


[式中、
 R Z1は、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
 Z Z1は、置換基Z群からなる群から選ばれる基を表す。]
[0168]
<置換基Z群>
 -B(OR C2(式中、R C2は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するR C2は同一でも異なっていてもよく、互いに連結して、それぞれが結合する酸素原子とともに環構造を形成していてもよい。)で表される基;
 -BF Q’(式中、Q’は、Li、Na、K、Rb又はCsを表す。)で表される基;
 -MgY’(式中、Y’は、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表す。)で表される基;
 -ZnY’’(式中、Y’’は、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表す。)で表される基;及び、
 -Sn(R C3(式中、R C3は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するR C3は同一でも異なっていてもよく、互いに連結して、それぞれが結合するスズ原子とともに環構造を形成していてもよい。)で表される基。
[0169]
 -B(OR C2で表される基としては、下記式(W-1)-(W-10)で表される基が例示される。
[0170]
[化41]


[0171]
 R Z1は、好ましくはアリール基又は1価の複素環基であり、より好ましくはアリール基であり、更に好ましくはフェニル基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
[0172]
 R Z1が有していてもよい置換基としては、好ましくは、フッ素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基又は置換アミノ基であり、より好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アリール基又は1価の複素環基であり、更に好ましくはアルキル基、シクロアルキル基又はアルコキシ基であり、特に好ましくはアルキル基又はシクロアルキル基であり、これらの基は更に置換基を有していてもよい。
[0173]
 置換基Z群から選ばれる基は、好ましくは、-B(OR C2で表される基であり、より好ましくは、式(W-7)で表される基である。
[0174]
 脱ハロゲン化剤による処理は、通常、溶媒中で行う。反応に用いる溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、グリセリン、2-メトキシエタノール、2-エトキシエタノール等のアルコール系溶媒;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、シクロペンチルメチルエーテル、ジグライム等のエーテル系溶媒;塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン系溶媒;アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル系溶媒;ヘキサン、デカリン、トルエン、キシレン、メシチレン等の炭化水素系溶媒;N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒;アセトン、ジメチルスルホキシド、水が挙げられる。溶媒は、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
[0175]
 溶媒の使用量は、通常、式(1)で表される燐光発光性化合物の合計100質量部に対して、10~100000質量部である。
[0176]
 脱ハロゲン化剤による処理において、反応時間は、通常、30分~150時間であり、反応温度は、通常、反応系に存在する溶媒の融点から沸点の間である。
[0177]
 脱ハロゲン化剤による処理において、反応を促進するために、パラジウム触媒及びニッケル触媒等の触媒を用いてもよい。パラジウム触媒としては、例えば、酢酸パラジウム、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)が挙げられる。ニッケル触媒としては、例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(0)、[1,3-ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン)ニッケル(II)ジクロリド、ビス(1,4-シクロオクタジエン)ニッケル(0)が挙げられる。触媒は、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
[0178]
 触媒の使用量は、式(1)で表される燐光発光性化合物のモル数の合計に対する遷移金属の量として、通常、0.00001~3モル当量である。
[0179]
 パラジウム触媒又はニッケル触媒は、トリフェニルホスフィン、トリ(o-トリル)ホスフィン、トリ(tert-ブチル)ホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン等のリン化合物と併用してもよい。リン化合物は、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
[0180]
 脱ハロゲン化剤による処理において、反応を促進するために、塩基及び相間移動触媒を用いてもよい。また、必要に応じて、触媒と塩基及び/又は相間移動触媒とを併用してもよい。
[0181]
 塩基及び相間移動触媒としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、フッ化カリウム、フッ化セシウム、リン酸三カリウム等の無機塩基;フッ化テトラブチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム等の有機塩基;塩化テトラブチルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウム等の相間移動触媒が挙げられる。塩基及び相間移動触媒は、それぞれ、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
[0182]
 塩基及び相間移動触媒の使用量は、それぞれ、式(1)で表される燐光発光性化合物の合計モル数に対して、通常0.001~100モル当量である。
[0183]
 脱ハロゲン化剤による処理において、反応を2回以上行う場合、それらは同一の条件で反応させてもよく、異なる条件で反応させてもよい。
[0184]
 C の低減方法としては、C をより低減できるため、脱ハロゲン化剤による処理を行うことが好ましく、精製及び脱ハロゲン化剤による処理の両方を行うことがより好ましく、昇華及び/又は再結晶、並びに、脱ハロゲン化剤による処理の両方を行うことが更に好ましく、再結晶、及び、脱ハロゲン化剤による処理の両方を行うことが特に好ましい。
[0185]
[ホスト材料]
 次に、本実施形態に係る組成物に配合されるホスト材料について説明する。
[0186]
 ホスト材料は、塩素原子を除く典型元素から構成される化合物である。
[0187]
 ホスト材料は、発光性、正孔注入性、正孔輸送性、電子注入性及び電子輸送性からなる群から選ばれる少なくとも1つの機能を有することが好ましく、正孔注入性、正孔輸送性、電子注入性及び電子輸送性からなる群から選ばれる少なくとも1つの機能を有することがより好ましい。
[0188]
 ホスト材料の有する最低励起三重項状態(T )は、本実施形態に係る発光素子の外部量子効率が優れるので、式(1)で表される燐光発光性化合物の有するT と同等のエネルギー準位、又は、より高いエネルギー準位であることが好ましい。
[0189]
 ホスト材料としては、水素原子、炭素原子、第13族元素、第14族元素(但し、炭素原子は除く)、第15族元素、第16族元素及びフッ素原子から選ばれる1種以上の原子から構成される化合物が挙げられ、好ましくは、水素原子と炭素原子とから構成される化合物、又は、水素原子と、炭素原子と、ホウ素原子、ケイ素原子、窒素原子、リン原子、酸素原子、硫黄原子、セレン原子及びフッ素原子から選ばれる1種以上の原子とから構成される化合物であり、より好ましくは、水素原子と炭素原子とから構成される化合物、又は、水素原子と、炭素原子と、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選ばれる1種以上の原子とから構成される化合物であり、更に好ましくは、水素原子と、炭素原子と、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選ばれる1種以上の原子とから構成される化合物であり、特に好ましくは、水素原子と、炭素原子と、窒素原子及び硫黄原子から選ばれる1種以上の原子とから構成される化合物であり、とりわけ好ましくは、水素原子と、炭素原子と、窒素原子と、硫黄原子とから構成される化合物である。
[0190]
 ホスト材料は、低分子化合物(以下、「低分子ホスト材料」ともいう。)と高分子化合物(以下、「高分子ホスト材料」ともいう。)とに分類され、好ましくは、低分子化合物である。
[0191]
[高分子ホスト材料]
 高分子ホスト材料としては、例えば、後述の正孔輸送材料である高分子化合物、後述の電子輸送材料である高分子化合物が挙げられる。
[0192]
[低分子ホスト材料]
 低分子ホスト材料としては、例えば、水素原子と炭素原子とから構成される芳香族炭化水素環を有する化合物、及び、典型元素から構成される複素環式化合物が挙げられ、典型元素から構成される複素環式化合物が好ましい。
[0193]
 低分子ホスト材料における複素環式化合物としては、好ましくは、水素原子と、炭素原子と、第13族元素、第14族元素、第15族元素、第16族元素及びフッ素原子から選ばれる1種以上の原子とから構成される複素環式化合物であり、より好ましくは、水素原子と、炭素原子と、ホウ素原子、ケイ素原子、窒素原子、リン原子、酸素原子、硫黄原子、セレン原子及びフッ素原子からなる群からなる群より選ばれる1種以上の原子とから構成される複素環式化合物であり、更に好ましくは、水素原子と、炭素原子と、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子からなる群からなる群より選ばれる1種以上の原子とから構成される複素環式化合物であり、特に好ましくは、水素原子と、炭素原子と、窒素原子及び硫黄原子からなる群からなる群より選ばれる1種以上の原子とから構成される複素環式化合物とから構成される複素環式化合物である。
[0194]
 低分子ホスト材料において、芳香族炭化水素環及び複素環が有していてもよい置換基としては、好ましくは、フッ素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アリール基、1価の複素環基又は置換アミノ基であり、より好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アリール基、1価の複素環基又は置換アミノ基であり、更に好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基又は置換アミノ基であり、特に好ましくは、アルキル基、アリール基又は1価の複素環基であり、とりわけ好ましくは、1価の複素環基であり、これらの基は更に置換基を有していてもよい。
[0195]
 低分子ホスト材料において、複素環式化合物は、置換基を有していてもよい芳香族複素環を有する低分子化合物(即ち、芳香族複素環式化合物)であることが好ましい。
[0196]
 低分子ホスト材料において、芳香族複素環を構成する原子の好ましい範囲は、前述の低分子ホスト材料における複素環を構成する原子の好ましい範囲と同じである。
[0197]
 低分子ホスト材料において、芳香族複素環が有していてもよい置換基の好ましい範囲は、前述の低分子ホスト材料における複素環が有していてもよい置換基の好ましい範囲と同じである。
[0198]
 低分子ホスト材料における芳香族炭化水素環としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フルオレン環、スピロビフルオレン環、フェナントレン環、ジヒドロフェナントレン環、ピレン環、クリセン環及びトリフェニレン環が挙げられ、好ましくは、ベンゼン環、ナフタレン環、フルオレン環、スピロビフルオレン環、フェナントレン環、ジヒドロフェナントレン環、クリセン環又はトリフェニレン環であり、より好ましくは、ベンゼン環、フルオレン環又はスピロビフルオレン環であり、更に好ましくはベンゼン環であり、これらの環は置換基を有していてもよい。
[0199]
 低分子ホスト材料における複素環としては、例えば、ピロール環、フラン環、チオフェン環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環、チアゾール環、オキサゾール環、ピリジン環、ジアザベンゼン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、キナゾリン環、キノキサリン環、フェナントロリン環、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環、ジベンゾシロール環、ジベンゾホスホール環、カルバゾール環、アザカルバゾール環、ジアザカルバゾール環、フェノキサジン環及びフェノチアジン環が挙げられ、好ましくは、ピリジン環、ジアザベンゼン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、キナゾリン環、キノキサリン環、フェナントロリン環、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環、カルバゾール環、アザカルバゾール環又はジアザカルバゾール環であり、より好ましくは、ピリジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、キナゾリン環、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環又はカルバゾール環であり、更に好ましくは、ピリジン環、ピリミジン環、トリアジン環、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環又はカルバゾール環であり、特に好ましくは、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環又はカルバゾール環であり、とりわけ好ましくは、ジベンゾチオフェン環又はカルバゾール環であり、これらの環は置換基を有していてもよい。
[0200]
[式(H-1)で表される化合物]
 低分子ホスト材料は、好ましくは、式(H-1)で表される化合物である。
[0201]
 Ar H1及びAr H2は、フェニル基、フルオレニル基、スピロビフルオレニル基、ピリジル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、チエニル基、ベンゾチエニル基、ジベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾフリル基、ジベンゾフリル基、ピロリル基、インドリル基、アザインドリル基、カルバゾリル基、アザカルバゾリル基、ジアザカルバゾリル基、フェノキサジニル基又はフェノチアジニル基であることが好ましく、フェニル基、スピロビフルオレニル基、ピリジル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、ジベンゾチエニル基、ジベンゾフリル基、カルバゾリル基又はアザカルバゾリル基であることがより好ましく、フェニル基、ピリジル基、カルバゾリル基又はアザカルバゾリル基であることが更に好ましく、上記式(TDA-1)又は(TDA-3)で表される基であることが特に好ましく、上記式(TDA-3)で表される基であることがとりわけ好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。
[0202]
 Ar H1及びAr H2が有していてもよい置換基としては、フッ素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基又は1価の複素環基が好ましく、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基又はシクロアルコキシ基がより好ましく、アルキル基又はシクロアルコキシ基が更に好ましく、これらの基は更に置換基を有していてもよい。
[0203]
 n H1は、好ましくは1である。n H2は、好ましくは0である。
[0204]
 n H3は、通常、0以上10以下の整数であり、好ましくは0以上5以下の整数であり、更に好ましくは1以上3以下の整数であり、特に好ましくは1である。
[0205]
 n H11は、好ましくは1以上5以下の整数であり、より好ましくは1以上3以下の整数であり、更に好ましくは1である。
[0206]
 R H11は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基であることが好ましく、水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基であることがより好ましく、水素原子又はアルキル基であることが更に好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。
[0207]
 L H1は、アリーレン基又は2価の複素環基であることが好ましい。
[0208]
 L H1は、式(A-1)~(A-3)、式(A-8)~(A-10)、式(AA-1)~(AA-6)、式(AA-10)~(AA-21)又は式(AA-24)~(AA-34)で表される基であることが好ましく、式(A-1)、式(A-2)、式(A-8)、式(A-9)、式(AA-1)~(AA-4)、式(AA-10)~(AA-15)又は式(AA-29)~(AA-34)で表される基であることがより好ましく、式(A-1)、式(A-2)、式(A-8)、式(A-9)、式(AA-2)、式(AA-4)、式(AA-10)~(AA-15)で表される基であることが更に好ましく、式(A-1)、式(A-2)、式(A-8)、式(AA-2)、式(AA-4)、式(AA-10)、式(AA-12)又は式(AA-14)で表される基であることが特に好ましく、式(A-1)、式(A-2)、式(AA-2)、式(AA-4)、式(AA-10)、式(AA-12)又は式(AA-14)で表される基であることがとりわけ好ましく、式(AA-10)、式(AA-12)又は式(AA-14)で表される基が殊更に好ましく、式(AA-14)で表される基が最も好ましい。
[0209]
 L H1が有していてもよい置換基としては、フッ素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基又は1価の複素環基が好ましく、アルキル基、アルコキシ基、アリール基又は1価の複素環基がより好ましく、アルキル基、アリール基又は1価の複素環基が更に好ましく、これらの基は更に置換基を有していてもよい。
[0210]
 L H21は、単結合又はアリーレン基であることが好ましく、単結合であることがより好ましく、このアリーレン基は置換基を有していてもよい。
[0211]
 L H21で表されるアリーレン基又は2価の複素環基の定義及び例は、L H1で表されるアリーレン基又は2価の複素環基の定義及び例と同様である。
[0212]
 R H21は、アリール基又は1価の複素環基であることが好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。
[0213]
 R H21で表されるアリール基及び1価の複素環基の定義及び例は、Ar H1及びAr H2で表されるアリール基及び1価の複素環基の定義及び例と同様である。
[0214]
 R H21が有していてもよい置換基の定義及び例は、Ar H1及びAr H2が有していてもよい置換基の定義及び例と同様である。
[0215]
 式(H-1)で表される化合物は、式(H-2)で表される化合物であることが好ましい。
[0216]
[化42]


[式中、Ar H1、Ar H2、n H3及びL H1は、前記と同じ意味を表す。]
[0217]
 低分子ホスト材料としては、下記式(H-101)~(H-118)で表される化合物が例示される。
[0218]
[化43]


[0219]
[化44]


[0220]
[化45]


[0221]
[化46]


[0222]
[低分子ホスト材料の入手方法]
 低分子ホスト材料は、Aldrich、Luminescence Technology Corp.等から入手可能である。
 また、上記以外の入手方法として、国際公開第2006/121811号、国際公開第2007/097153号、国際公開第2009/086028号、国際公開第2009/096202号、特開2009-46408号公報、特開2009-267255号公報等の文献に記載の公知の方法により製造することにより、入手可能である。
[0223]
[低分子ホスト材料に含まれる塩素原子の量(C )の低減方法]
 低分子ホスト材料に不純物として含まれる塩素原子の量の低減方法としては、例えば、精製、及び、脱ハロゲン化剤による処理から選ばれる少なくとも1種の方法が挙げられ、低分子ホスト材料に含まれる塩素原子の量をより低減できるため、精製が好ましく、昇華及び/又は再結晶がより好ましく、昇華が更に好ましい。
[0224]
 低分子ホスト材料に含まれる塩素原子の量の低減方法における精製及び脱ハロゲン化剤による処理の例、定義及び好ましい範囲は、前述のC の低減方法における精製及び脱ハロゲン化剤による処理の例、定義及び好ましい範囲と同じである。
[0225]
 低分子ホスト材料に含まれる塩素原子の量の低減方法における脱ハロゲン化剤による処理において、溶媒の使用量は、通常、低分子ホスト材料の合計100質量部に対して、10~100000質量部である。
[0226]
 低分子ホスト材料に含まれる塩素原子の量の低減方法における脱ハロゲン化剤による処理において、触媒の使用量は、低分子ホスト材料のモル数の合計に対する遷移金属の量に対して、通常、0.00001~3モル当量である。
[0227]
 低分子ホスト材料に含まれる塩素原子の量の低減方法における脱ハロゲン化剤による処理において、塩基及び相間移動触媒の使用量は、それぞれ、低分子ホスト材料の合計モル数に対して、通常0.001~100モル当量である。
[0228]
 ホスト材料に不純物として含まれる塩素原子の量(C )は、特に限定されないが、通常、ホスト材料の全量に対して、50質量ppm未満であり、本実施形態に係る発光素子の初期劣化が抑制されるので、好ましくは30質量ppm未満であり、より好ましくは9質量ppm以下であり、更に好ましくは5質量ppm以下であり、特に好ましくは1質量ppm以下であり、とりわけ好ましくは0質量ppmである。
[0229]
 C の具体的な算出方法は、前述のC の具体的な算出方法と同様にして求めることができる。
[0230]
 例えば、前述の実施例D1におけるC の具体的な算出方法と同様にして、実施例D1における、C は0質量ppmである。
[0231]
<組成物>
 本実施形態に係る組成物は、式(1)で表される燐光発光性化合物とホスト材料とが配合された組成物であり、燐光発光性化合物に不純物として含まれる塩素原子の量が、組成物に配合される固形分全量に対して、3.5質量ppm以下である。
[0232]
 本実施形態に係る組成物において、式(1)で表される燐光発光性化合物は、1種単独で配合されていても、2種以上配合されていてもよい。また、本実施形態に係る組成物において、ホスト材料は、1種単独で配合されていても、2種以上配合されていてもよい。
[0233]
 本実施形態に係る組成物は、燐光発光性化合物に不純物として含まれる塩素原子及びホスト材料に不純物として含まれる塩素原子の総量が、組成物に配合される固形分全量に対して、本実施形態に係る発光素子の初期劣化が抑制されるので、好ましくは3.5質量ppm以下であり、より好ましくは3.1質量ppm以下であり、更に好ましくは2.7質量ppm以下であり、特に好ましくは2.3質量ppm以下であり、とりわけ好ましくは1.8質量ppm以下であり、殊更に好ましくは1.2質量ppmであり、殊更により好ましくは0.8質量ppm以下であり、殊更に更に好ましくは0.3質量ppm以下であり、殊更に特に好ましくは0質量ppmである。
[0234]
 また、本実施形態に係る組成物は、燐光発光性化合物に不純物として含まれる塩素原子及びホスト材料に不純物として含まれる塩素原子の総量が、組成物に配合される固形分全量に対して、本実施形態に係る発光素子の発光効率が優れるので、好ましくは0.01質量ppm以上3.0質量ppm以下であり、より好ましくは0.02質量ppm以上2.7質量ppm以下であり、更に好ましくは0.05質量ppm以上2.5質量ppm以下であり、特に好ましくは0.1質量ppm以上2.3質量ppm以下であり、とりわけ好ましくは0.2質量ppm以上2.3質量ppm以下である。
[0235]
 また、本実施形態に係る組成物は、燐光発光性化合物に不純物として含まれる塩素原子及びホスト材料に不純物として含まれる塩素原子の総量が、組成物に配合される固形分全量に対して、本実施形態に係る発光素子の初期劣化が抑制され、且つ、本実施形態に係る発光素子の発光効率が優れるので、好ましくは0.01質量ppm以上2.3質量ppm以下であり、より好ましくは0.02質量ppm以上1.8質量ppm以下であり、更に好ましくは0.05質量ppm以上1.2質量ppm以下であり、特に好ましくは0.1質量ppm以上0.8質量ppm以下である。
[0236]
 例えば、本実施形態に係る組成物に配合される固形分が燐光発光性化合物及びホスト材料のみであるとき、燐光発光性化合物に不純物として含まれる塩素原子及びホスト材料に不純物として含まれる塩素原子の総量(質量ppm)は、式(1)で表される燐光発光性化合物とホスト材料との合計質量に対する、式(1)で表される燐光発光性化合物の質量の比をW 、式(1)で表される燐光発光性化合物とホスト材料との合計質量に対する、ホスト材料の合計質量の比をW としたとき、C +C で表される。
[0237]
 W は、通常、0.0001~0.90であり、本実施形態に係る発光素子の初期劣化がより抑制されるので、0.01~0.60であることが好ましく、0.10~0.40であることがより好ましい。
[0238]
 W の具体的な算出方法を後述の実施例D1及び実施例D2を用いて、説明する。
[0239]
 まず、実施例D1では、化合物HM-1(ホスト材料)と燐光発光性化合物MC3との質量比は、化合物HM-1:燐光発光性化合物MC3=75:25である。
[0240]
 よって、W は、仕込みの量から求めることができ、以下のとおり求められる。
 W =25/(75+25)=0.25
[0241]
 実施例D2では、化合物HM-1と燐光発光性化合物MC3と燐光発光性化合物MC2との質量比は、化合物HM-1:燐光発光性化合物MC3:燐光発光性化合物MC2=75:22.5:2.5である。
[0242]
 よって、W は、仕込みの量から求めることができ、以下のとおり求められる。
 W =(22.5+2.5)/(75+22.5+2.5)=0.25
[0243]
 同様にして、実施例D3における、W は、以下のとおり求められる。
 W =(12.5+12.5)/(75+12.5+12.5)=0.25
[0244]
 同様にして、実施例D4における、W は、以下のとおり求められる。
 W =25/(75+25)=0.25
[0245]
 同様にして、実施例D5における、W は、以下のとおり求められる。
 W =(12.5+12.5)/(75+12.5+12.5)=0.25
[0246]
 同様にして、比較例CD1における、W は、以下のとおり求められる。
 W =25/(75+25)=0.25
[0247]
 W は、通常、0.1~0.9999であり、本実施形態に係る発光素子の初期劣化がより抑制されるので、0.40~0.99であることが好ましく、0.60~0.90であることがより好ましい。
[0248]
 W の具体的な算出方法は、W の具体的な算出方法と同様にして求めることができる。
[0249]
 例えば、前述の実施例D1におけるW の具体的な算出方法と同様にして、実施例D1における、W は、以下のとおり求められる。
 W =75/(75+25)=0.75
[0250]
 上述のとおり、C 、C 、W 及びW を算出することにより、C +C を算出することができる。
[0251]
 例えば、実施例D1におけるC +C は、以下のとおり求められる。
 C +C =(0×0.25)+(0×0.75)=0質量ppm
[0252]
 実施例D2におけるC +C は、以下のとおり求められる。
 C +C =(0.9×0.25)+(0×0.75)=0.23質量ppm
[0253]
 実施例D3におけるC +C は、以下のとおり求められる。
 C +C =(4.5×0.25)+(0×0.75)=1.13質量ppm
[0254]
 実施例D4におけるC +C は、以下のとおり求められる。
 C +C =(9×0.25)+(0×0.75)=2.25質量ppm
[0255]
 実施例D5におけるC +C は、以下のとおり求められる。
 C +C =(12.5×0.25)+(0×0.75)=3.13質量ppm
[0256]
 比較例CD1におけるC +C は、以下のとおり求められる。
 C +C =(16×0.25)+(0×0.75)=4.00質量ppm
[0257]
 C +C は3.5質量ppm以下であり、本実施形態に係る発光素子の初期劣化が抑制されるので、好ましくは3.1質量ppm以下であり、より好ましくは2.7質量ppm以下であり、更に好ましくは2.3質量ppm以下であり、特に好ましくは1.8質量ppm以下であり、とりわけ好ましくは1.2質量ppmであり、殊更に好ましくは0.8質量ppm以下であり、殊更により好ましくは0.3質量ppm以下であり、最も好ましくは0質量ppmである。
[0258]
 また、C +C は、本実施形態に係る発光素子の発光効率が優れるので、好ましくは0.01質量ppm以上3.0質量ppm以下であり、より好ましくは0.02質量ppm以上2.7質量ppm以下であり、更に好ましくは0.05質量ppm以上2.5質量ppm以下であり、特に好ましくは0.1質量ppm以上2.3質量ppm以下であり、とりわけ好ましくは0.2質量ppm以上2.3質量ppm以下である。
[0259]
 また、C +C は、本実施形態に係る発光素子の初期劣化が抑制され、且つ、本実施形態に係る発光素子の発光効率が優れるので、好ましくは0.01質量ppm以上2.3質量ppm以下であり、より好ましくは0.02質量ppm以上1.8質量ppm以下であり、更に好ましくは0.05質量ppm以上1.2質量ppm以下であり、特に好ましくは0.1質量ppm以上0.8質量ppm以下である。
[0260]
 本実施形態に係る組成物は、更に、式(2’)を満たすことが好ましい。
 C ≦C ≦15質量ppm   (2’)
[式中、C 及びC は前記と同じ意味を表す。]
[0261]
 式(2’)は、好ましくは式(2’-1)であり、より好ましくは式(2’-2)であり、更に好ましくは式(2’-3)であり、特に好ましくは式(2’-4)であり、とりわけ好ましくは式(2’-5)である。
[0262]
 C ≦C ≦13質量ppm   (2’-1)
 C ≦C ≦9質量ppm    (2’-2)
 C ≦C ≦5質量ppm    (2’-3)
 C ≦C ≦1質量ppm    (2’-4)
 C =C =0質量ppm    (2’-5)
[式中、C 及びC は前記と同じ意味を表す。]
[0263]
 本実施形態に係る組成物における式(1)で表される燐光発光性化合物の配合量は、特に制限されないが、組成物に配合される固形分全量基準で、0.01~90質量%であってよく、1~60質量%であることが好ましく、10~40質量%であることがより好ましい。
[0264]
 本実施形態に係る組成物におけるホスト材料の配合量は、特に制限されないが、組成物に配合される固形分全量基準で、10~99.99質量%であってよく、40~99質量%であることが好ましく、60~90質量%であることがより好ましい。
[0265]
[その他の成分]
 本実施形態に係る組成物は、正孔輸送材料、正孔注入材料、電子輸送材料、電子注入材料、発光材料(式(1)で表される燐光発光性化合物及びホスト材料とは異なる。)、酸化防止剤及び溶媒からなる群から選ばれる少なくとも1種の材料をさらに含有していてもよい。但し、正孔輸送材料、正孔注入材料、電子輸送材料及び電子注入材料は、ホスト材料とは異なる。
[0266]
 本実施形態に係る組成物が、正孔輸送材料、正孔注入材料、電子輸送材料、電子注入材料、発光材料及び酸化防止剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の材料をさらに含有する場合、これらの材料に含まれる塩素原子の量を、前述の精製、及び、前述の脱ハロゲン化剤による処理から選ばれる少なくとも1種の方法により、低減しておくことが好ましい。
[0267]
[正孔輸送材料]
 正孔輸送材料は、低分子化合物と高分子化合物とに分類され、好ましくは高分子化合物である。正孔輸送材料は、架橋基を有していてもよい。
[0268]
 高分子化合物としては、例えば、ポリビニルカルバゾール及びその誘導体;側鎖又は主鎖に芳香族アミン構造を有するポリアリーレン及びその誘導体が挙げられる。高分子化合物は、電子受容性部位が結合された化合物でもよい。電子受容性部位としては、例えば、フラーレン、テトラフルオロテトラシアノキノジメタン、テトラシアノエチレン、トリニトロフルオレノン等が挙げられ、好ましくはフラーレンである。
[0269]
 本実施形態に係る組成物において、正孔輸送材料の配合量は、式(1)で表される燐光発光性化合物とホスト材料との合計を100質量部とした場合、通常、1~400質量部であり、好ましくは5~150質量部である。
[0270]
 正孔輸送材料は、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
[0271]
[電子輸送材料]
 電子輸送材料は、低分子化合物と高分子化合物とに分類される。電子輸送材料は、架橋基を有していてもよい。
[0272]
 低分子化合物としては、例えば、8-ヒドロキシキノリンを配位子とする金属錯体、オキサジアゾール、アントラキノジメタン、ベンゾキノン、ナフトキノン、アントラキノン、テトラシアノアントラキノジメタン、フルオレノン、ジフェニルジシアノエチレン及びジフェノキノン、並びに、これらの誘導体が挙げられる。
[0273]
 高分子化合物としては、例えば、ポリフェニレン、ポリフルオレン、及び、これらの誘導体が挙げられる。高分子化合物は、金属でドープされていてもよい。
[0274]
 本実施形態に係る組成物において、電子輸送材料の配合量は、式(1)で表される燐光発光性化合物とホスト材料との合計を100質量部とした場合、通常、1~400質量部であり、好ましくは5~150質量部である。
[0275]
 電子輸送材料は、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
[0276]
[正孔注入材料及び電子注入材料]
 正孔注入材料及び電子注入材料は、各々、低分子化合物と高分子化合物とに分類される。正孔注入材料及び電子注入材料は、架橋基を有していてもよい。
[0277]
 低分子化合物としては、例えば、銅フタロシアニン等の金属フタロシアニン;カーボン;モリブデン、タングステン等の金属酸化物;フッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化セシウム、フッ化カリウム等の金属フッ化物が挙げられる。
[0278]
 高分子化合物としては、例えば、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリフェニレンビニレン、ポリチエニレンビニレン、ポリキノリン及びポリキノキサリン、並びに、これらの誘導体;芳香族アミン構造を主鎖又は側鎖に含む重合体等の導電性高分子が挙げられる。
[0279]
 本実施形態に係る組成物において、正孔注入材料及び電子注入材料の配合量は、各々、式(1)で表される燐光発光性化合物とホスト材料との合計を100質量部とした場合、通常、1~400質量部であり、好ましくは5~150質量部である。
[0280]
 電子注入材料及び正孔注入材料は、各々、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
[0281]
[イオンドープ]
 正孔注入材料又は電子注入材料が導電性高分子を含む場合、導電性高分子の電気伝導度は、好ましくは、1×10 -5S/cm~1×10 S/cmである。導電性高分子の電気伝導度をかかる範囲とするために、導電性高分子に適量のイオンをドープすることができる。
[0282]
 ドープするイオンの種類は、正孔注入材料であればアニオン、電子注入材料であればカチオンである。アニオンとしては、例えば、ポリスチレンスルホン酸イオン、アルキルベンゼンスルホン酸イオン、樟脳スルホン酸イオンが挙げられる。カチオンとしては、例えば、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、テトラブチルアンモニウムイオンが挙げられる。
[0283]
 ドープするイオンは、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
[0284]
[発光材料]
 発光材料(式(1)で表される燐光発光性化合物及びホスト材料とは異なる。)は、低分子化合物と高分子化合物とに分類される。発光材料は、架橋基を有していてもよい。
[0285]
 低分子化合物としては、例えば、ナフタレン及びその誘導体、アントラセン及びその誘導体、並びに、ペリレン及びその誘導体が挙げられる。
[0286]
 高分子化合物としては、例えば、フェニレン基、ナフタレンジイル基、アントラセンジイル基、フルオレンジイル基、フェナントレンジイル基、ジヒドロフェナントレンジイル基、式(X)で表される基、カルバゾールジイル基、フェノキサジンジイル基、フェノチアジンジイル基、ピレンジイル基等を含む高分子化合物が挙げられる。
[0287]
 発光材料は、好ましくは、三重項発光錯体及び高分子化合物を含む。
[0288]
 三重項発光錯体としては、例えば、以下に示す金属錯体が挙げられる。
[0289]
[化47]


[0290]
[化48]


[0291]
[化49]


[0292]
 本実施形態に係る組成物において、発光材料の配合量は、式(1)で表される燐光発光性化合物とホスト材料との合計を100質量部とした場合、通常、0.1~400質量部であり、好ましくは1~150質量部である。
[0293]
 発光材料は、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
[0294]
[酸化防止剤]
 酸化防止剤は、式(1)で表される燐光発光性化合物及びホスト材料と同じ溶媒に可溶であり、発光及び電荷輸送を阻害しない化合物であればよく、例えば、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤が挙げられる。
[0295]
 本実施形態に係る組成物において、酸化防止剤の配合量は、式(1)で表される燐光発光性化合物とホスト材料との合計を100質量部とした場合、通常、0.001~10質量部である。
[0296]
 酸化防止剤は、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
[0297]
[インク]
 式(1)で表される燐光発光性化合物と、ホスト材料と、溶媒とを含有する組成物(以下、「インク」ともいう。)は、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェット印刷法、キャピラリ-コート法、ノズルコート法等の塗布法に好適に使用することができる。
[0298]
 インクの粘度は、塗布法の種類によって調整すればよいが、インクジェット印刷法等の溶液が吐出装置を経由する印刷法に適用する場合には、吐出時の目詰まり及び飛行曲がりが起こりづらいので、好ましくは25℃において1~20mPa・sである。
[0299]
 インクに含有される溶媒は、好ましくは、インク中の固形分を溶解又は均一に分散できる溶媒である。溶媒としては、例えば、1,2-ジクロロエタン、1,1,2-トリクロロエタン、クロロベンゼン、o-ジクロロベンゼン等の塩素系溶媒;THF、ジオキサン、アニソール、4-メチルアニソール等のエーテル系溶媒;トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、n-ヘキシルベンゼン、シクロヘキシルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、n-ペンタン、n-ヘキサン、n-へプタン、n-オクタン、n-ノナン、n-デカン、n-ドデカン、ビシクロヘキシル等の脂肪族炭化水素系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、アセトフェノン等のケトン系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテート、安息香酸メチル、酢酸フェニル等のエステル系溶媒;エチレングリコール、グリセリン、1,2-ヘキサンジオール等の多価アルコール系溶媒;イソプロピルアルコール、シクロヘキサノール等のアルコール系溶媒;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒;N-メチル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒が挙げられる。溶媒は、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
[0300]
 インクにおいて、溶媒の配合量は、式(1)で表される燐光発光性化合物とホスト材料との合計を100質量部とした場合、通常、1000~100000質量部であり、好ましくは2000~20000質量部である。
[0301]
<発光素子>
 本実施形態に係る発光素子は、本実施形態に係る組成物を含む有機層を備える発光素子又は本実施形態に係る燐光発光性化合物が配合された有機層を備えた発光素子である。
 本実施形態に係る発光素子の構成としては、例えば、陽極及び陰極からなる電極と、該電極間に設けられた本実施形態に係る組成物を含む有機層又は本実施形態に係る燐光発光性化合物が配合された有機層とを有していてもよい。
[0302]
[層構成]
 本実施形態に係る組成物を含む有機層及び本実施形態に係る燐光発光性化合物が配合された有機層は、通常、発光層、正孔輸送層、正孔注入層、電子輸送層及び電子注入層からなる群から選ばれる1種以上の層であり、発光層であることが好ましい。これらの層は、各々、発光材料、正孔輸送材料、正孔注入材料、電子輸送材料、電子注入材料を含有する。これらの層は、各々、発光材料、正孔輸送材料、正孔注入材料、電子輸送材料、電子注入材料を、上述した溶媒に溶解させることで調製したインクを用いて、上述した膜の作製と同じ方法を用いて形成することができる。
[0303]
 発光素子は、陽極と陰極の間に発光層を有する。本実施形態に係る発光素子は、正孔注入性及び正孔輸送性の観点からは、陽極と発光層との間に、正孔注入層及び正孔輸送層の少なくとも1層を有することが好ましく、電子注入性及び電子輸送性の観点からは、陰極と発光層の間に、電子注入層及び電子輸送層の少なくとも1層を有することが好ましい。
[0304]
 正孔輸送層、電子輸送層、発光層、正孔注入層及び電子注入層の材料としては、本実施形態に係る組成物及び本実施形態に係る燐光発光性化合物の他、各々、上述した正孔輸送材料、電子輸送材料、発光材料、正孔注入材料及び電子注入材料等が挙げられる。
[0305]
 本実施形態に係る発光素子が正孔輸送層を有する場合、正孔輸送層の形成に用いられる正孔輸送材料としては、下記式(X)で表される構成単位と、式(3)で表される構成単位及び式(4)で表される構成単位からなる群から選ばれる少なくとも1種の構成単位とを含む高分子化合物(以下、「正孔輸送層の高分子化合物」ともいう。)が好ましい。正孔輸送層の高分子化合物は、下記式(Y)で表される構成単位をさらに含んでいてもよい。
[0306]
[化50]


[式中、
 a X1及びa X2は、それぞれ独立に、0以上の整数を表す。
 Ar X1及びAr X3は、それぞれ独立に、アリーレン基又は2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
 Ar X2及びAr X4は、それぞれ独立に、アリーレン基、2価の複素環基、又は、少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。Ar X2及びAr X4が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
 R X1、R X2及びR X3は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
X2及びR X3が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
[0307]
 a X1は、本実施形態に係る発光素子の初期劣化がより抑制されるので、好ましくは2以下であり、より好ましくは1である。
[0308]
 a X2は、本実施形態に係る発光素子の初期劣化がより抑制されるので、好ましくは2以下であり、より好ましくは0である。
[0309]
 R X1、R X2及びR X3は、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基であり、より好ましくはアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
[0310]
 Ar X1及びAr X3で表されるアリーレン基は、より好ましくは式(A-1)又は式(A-9)で表される基であり、更に好ましくは式(A-1)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
[0311]
 Ar X1及びAr X3で表される2価の複素環基は、より好ましくは式(AA-1)、式(AA-2)又は式(AA-7)-(AA-26)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
[0312]
 Ar X1及びAr X3は、好ましくは置換基を有していてもよいアリーレン基である。
[0313]
 Ar X2及びAr X4で表されるアリーレン基としては、より好ましくは式(A-1)、式(A-6)、式(A-7)、式(A-9)-(A-11)又は式(A-19)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
[0314]
 Ar X2及びAr X4で表される2価の複素環基のより好ましい範囲は、Ar X1及びAr X3で表される2価の複素環基のより好ましい範囲と同じである。
[0315]
 Ar X2及びAr X4で表される少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基における、アリーレン基及び2価の複素環基のより好ましい範囲、更に好ましい範囲は、それぞれ、Ar X1及びAr X3で表されるアリーレン基及び2価の複素環基のより好ましい範囲、更に好ましい範囲と同様である。
[0316]
 Ar X2及びAr X4で表される少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基としては、式(Y)のAr Y1で表される少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基と同様のものが挙げられる。
[0317]
 Ar X2及びAr X4は、好ましくは置換基を有していてもよいアリーレン基である。
[0318]
 Ar X1~Ar X4及びR X1~R X3で表される基が有してもよい置換基としては、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基又はアリール基であり、これらの基は更に置換基を有していてもよい。
[0319]
 式(X)で表される構成単位は、好ましくは式(X-1)-(X-7)で表される構成単位であり、より好ましくは式(X-1)-(X-6)で表される構成単位であり、更に好ましくは式(X-3)-(X-6)で表される構成単位である。
[0320]
[化51]


[0321]
[化52]


[0322]
[化53]


[0323]
[化54]


[式中、R X4及びR X5は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、フッ素原子、1価の複素環基又はシアノ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するR X4は、同一でも異なっていてもよい。複数存在するR X5は、同一でも異なっていてもよく、隣接するR X5同士は互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子と共に環を形成していてもよい。]
[0324]
 式(X)で表される構成単位としては、例えば、式(X1-1)-(X1-11)で表される構成単位が挙げられ、好ましくは式(X1-3)-(X1-10)で表される構成単位である。
[0325]
[化55]


[0326]
[化56]


[0327]
[化57]


[0328]
[化58]


[0329]
[化59]


[0330]
 正孔輸送層の高分子化合物において、式(X)で表される構成単位は、1種のみ含まれていても、2種以上含まれていてもよい。
[0331]
 本実施形態に係る発光素子が正孔輸送層の高分子化合物を用いて得られる正孔輸送層を有する場合、該正孔輸送層は、正孔輸送層の高分子化合物をそのまま含有する層であってもよく、正孔輸送層の高分子化合物が分子内若しくは分子間、又は、分子内及び分子間で架橋されたもの(架橋体)を含有する層であってもよいが、正孔輸送層の高分子化合物の架橋体を含有する層であることが好ましい。正孔輸送層の高分子化合物の架橋体は、正孔輸送層の高分子化合物と、他の材料とが、分子間で架橋されたものであってもよい。
[0332]
 上記式(X)で表される構成単位は、正孔輸送層の高分子化合物の正孔輸送性が優れるので、正孔輸送層の高分子化合物に含まれる構成単位の合計量に対して、好ましくは1~99モル%であり、より好ましくは10~80モル%であり、更に好ましくは20~70モル%である。
[0333]
[化60]


[式中、
 nAは0~5の整数を表し、nは1~4の整数を表す。
 Ar は、芳香族炭化水素基又は複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
 L は、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、2価の複素環基、-NR’-で表される基、酸素原子又は硫黄原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。R’は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。L が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
 Xは、上記式(XL-1)~(XL-17)のいずれかで表される架橋基を表す。Xが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
[0334]
 nAは、本実施形態に係る発光素子の発光効率が優れるため、好ましくは0~3の整数であり、より好ましくは0~2の整数である。
[0335]
 nは、本実施形態に係る発光素子の発光効率が優れるので、好ましくは1又は2であり、より好ましくは2である。
[0336]
 Ar は、本実施形態に係る発光素子の発光効率が優れるので、好ましくは置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基である。
[0337]
 Ar で表される芳香族炭化水素基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常6~60であり、好ましくは6~30であり、より好ましくは6~18である。
 Ar で表される芳香族炭化水素基のn個の置換基を除いたアリーレン基部分としては、好ましくは、式(A-1)~式(A-20)で表される基であり、より好ましくは、式(A-1)、式(A-2)、式(A-6)~式(A-10)、式(A-19)又は式(A-20)で表される基であり、更に好ましくは、式(A-1)、式(A-2)、式(A-7)、式(A-9)又は式(A-19)で表される基である。
[0338]
 Ar で表される複素環基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常2~60であり、好ましくは3~30であり、より好ましくは4~18である。
 Ar で表される複素環基のn個の置換基を除いた2価の複素環基部分としては、好ましくは、式(AA-1)~(AA-34)で表される基である。
[0339]
 Ar で表される芳香族炭化水素基及び複素環基は置換基を有していてもよい。芳香族炭化水素基及び複素環基が有していてもよい置換基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、フッ素原子、1価の複素環基及びシアノ基が挙げられる。
[0340]
 L で表されるアルキレン基は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常1~20であり、好ましくは1~15であり、より好ましくは1~10である。L で表されるシクロアルキレン基は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3~20である。
 アルキレン基及びシクロアルキレン基は、置換基を有していてもよく、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、シクロヘキシレン基、オクチレン基が挙げられる。
[0341]
 L で表されるアルキレン基及びシクロアルキレン基は、置換基を有していてもよい。
アルキレン基及びシクロアルキレン基が有していてもよい置換基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、フッ素原子及びシアノ基が挙げられる。
[0342]
 L で表されるアリーレン基は、置換基を有していてもよい。アリーレン基としては、フェニレン基又はフルオレンジイル基が好ましく、m-フェニレン基、p-フェニレン基、フルオレン-2,7-ジイル基、フルオレン-9,9-ジイル基がより好ましい。アリーレン基が有してもよい置換基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、フッ素原子、シアノ基及び架橋基A群から選ばれる架橋基が挙げられる。
[0343]
 L で表される2価の複素環基としては、好ましくは式(AA-1)~(AA-34)で表される基である。
[0344]
 L は、正孔輸送層の高分子化合物の合成が容易になるため、好ましくは、アリーレン基又はアルキレン基であり、より好ましくは、フェニレン基、フルオレンジイル基又はアルキレン基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
[0345]
 Xで表される架橋基としては、正孔輸送層の高分子化合物の架橋性が優れるので、好ましくは、式(XL-1)、(XL-3)、(XL-7)~(XL-10)、(XL-16)又は(XL-17)で表される架橋基であり、より好ましくは、式(XL-1)、(XL-3)、(XL-9)、(XL-16)又は(XL-17)で表される架橋基であり、更に好ましくは、式(XL-1)、(XL-16)又は(XL-17)で表される架橋基であり、特に好ましくは、式(XL-1)又は(XL-17)で表される架橋基である。
[0346]
 式(3)で表される構成単位は、正孔輸送層の高分子化合物の架橋性が優れるので、正孔輸送層の高分子化合物に含まれる構成単位の合計量に対して、好ましくは1~90モル%であり、より好ましくは3~75モル%であり、更に好ましくは5~60モル%である。
[0347]
 式(3)で表される構成単位は、正孔輸送層の高分子化合物中に、1種のみ含まれていてもよく、2種以上含まれていてもよい。
[0348]
[化61]


[式中、
 mAは0~5の整数を表し、mは1~4の整数を表し、cは0又は1を表す。mAが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
 Ar は、芳香族炭化水素基、複素環基、又は、少なくとも1種の芳香族炭化水素環と少なくとも1種の複素環とが直接結合した基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
 Ar 及びAr は、それぞれ独立に、アリーレン基又は2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
 Ar 、Ar 及びAr はそれぞれ、当該基が結合している窒素原子に結合している当該基以外の基と、直接又は酸素原子若しくは硫黄原子を介して結合して、環を形成していてもよい。
 K は、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、2価の複素環基、-NR’’-で表される基、酸素原子又は硫黄原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。R’’は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。K が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
 X’は、上記式(XL-1)~(XL-17)のいずれかで表される架橋基、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。但し、少なくとも1つのX’は、上記式(XL-1)~(XL-17)のいずれかで表される架橋基である。]
[0349]
 mAは、本実施形態に係る発光素子の発光効率が優れるので、好ましくは0~2であり、より好ましくは0又は1であり、更に好ましくは0である。
[0350]
 mは、本実施形態に係る発光素子の発光効率が優れるので、好ましくは1又は2であり、より好ましくは2である。
[0351]
 cは、正孔輸送層の高分子化合物の合成が容易となり、かつ、本実施形態に係る発光素子の発光効率が優れるため、好ましくは0である。
[0352]
 Ar は、本実施形態に係る発光素子の発光効率が優れるので、好ましくは置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基である。
[0353]
 Ar で表される芳香族炭化水素基のm個の置換基を除いたアリーレン基部分の定義及び例は、前述の式(X)におけるAr X2で表されるアリーレン基の定義及び例と同じである。
[0354]
 Ar で表される複素環基のm個の置換基を除いた2価の複素環基部分の定義及び例は、前述の式(X)におけるAr X2で表される2価の複素環基部分の定義及び例と同じである。
[0355]
 Ar で表される少なくとも1種の芳香族炭化水素環と少なくとも1種の複素環が直接結合した基のm個の置換基を除いた2価の基の定義及び例は、前述の式(X)におけるAr X2で表される少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基の定義及び例と同じである。
[0356]
 Ar 及びAr は、本実施形態に係る発光素子の初期劣化が抑制されるので、好ましくは置換基を有していてもよいアリーレン基である。
[0357]
 Ar 及びAr で表されるアリーレン基の定義及び例は、前述の式(X)におけるAr X1及びAr X3で表されるアリーレン基の定義及び例と同じである。
[0358]
 Ar 及びAr で表される2価の複素環基の定義及び例は、前述の式(X)におけるAr X1及びAr X3で表される2価の複素環基の定義及び例と同じである。
[0359]
 Ar 、Ar 及びAr で表される基は置換基を有していてもよく、置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、フッ素原子、1価の複素環基及びシアノ基が挙げられる。
[0360]
 K で表されるアルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、2価の複素環基の定義及び例は、それぞれ、L で表されるアルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、2価の複素環基の定義及び例と同じである。
[0361]
 K は、正孔輸送層の高分子化合物の合成が容易になるため、好ましくは、フェニレン基又はアルキレン基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
[0362]
 X’で表される架橋基の定義及び例は、前述のXで表される架橋基の定義及び例と同じである。
[0363]
 式(4)で表される構成単位は、正孔輸送層の高分子化合物の架橋性が優れるので、正孔輸送層の高分子化合物に含まれる構成単位の合計量に対して、好ましくは1~90モル%であり、より好ましくは3~50モル%であり、更に好ましくは5~20モル%である。
[0364]
 式(4)で表される構成単位は、正孔輸送層の高分子化合物中に、1種のみ含まれていてもよく、2種以上含まれていてもよい。
[0365]
 式(3)で表される構成単位としては、例えば、式(3-1)~式(3-30)で表される構成単位が挙げられ、式(4)で表される構成単位としては、例えば、式(4-1)~式(4-9)で表される構成単位が挙げられる。これらの中でも、正孔輸送層の高分子化合物の架橋性が優れるため、好ましくは、式(3-1)~式(3-30)で表される構成単位であり、より好ましくは、式(3-1)~式(3-15)、式(3-19)、式(3-20)、式(3-23)、式(3-25)又は式(3-30)で表される構成単位であり、更に好ましくは、式(3-1)~式(3-13)又は式(3-30)で表される構成単位であり、特に好ましくは、式(3-1)~式(3-9)又は式(3-30)で表される構成単位である。
[0366]
[化62]


[0367]
[化63]


[0368]
[化64]


[0369]
[化65]


[式中、Ar Y1は、アリーレン基、2価の複素環基、又は、少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
[0370]
 Ar Y1で表されるアリーレン基は、より好ましくは、式(A-1)、式(A-2)、式(A-6)-(A-10)、式(A-19)又は式(A-20)で表される基であり、更に好ましくは、式(A-1)、式(A-2)、式(A-7)、式(A-9)又は式(A-19)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
[0371]
 Ar Y1で表される2価の複素環基は、より好ましくは、式(AA-1)-(AA-4)、式(AA-10)-(AA-15)、式(AA-18)-(AA-21)、式(AA-33)又は式(AA-34)で表される基であり、更に好ましくは、式(AA-4)、式(AA-10)、式(AA-12)、式(AA-14)又は式(AA-33)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
[0372]
 Ar Y1で表される少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基における、アリーレン基及び2価の複素環基のより好ましい範囲、更に好ましい範囲は、それぞれ、前述のAr Y1で表されるアリーレン基及び2価の複素環基のより好ましい範囲、更に好ましい範囲と同様である。
[0373]
 「少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基」としては、例えば、下記式で表される基が挙げられ、これらは置換基を有していてもよい。
[0374]
[化66]


[式中、R XXは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
[0375]
 R XXは、好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
[0376]
 Ar Y1で表される基が有してもよい置換基は、好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基であり、これらの基は更に置換基を有していてもよい。
[0377]
 式(Y)で表される構成単位としては、例えば、式(Y-1)-(Y-10)で表される構成単位が挙げられ、本実施形態に係る発光素子の初期劣化の観点からは、好ましくは式(Y-1)-(Y-3)で表される構成単位であり、正孔輸送性の観点からは、好ましくは式(Y-8)-(Y-10)で表される構成単位である。
[0378]
[化67]


[式中、R Y1は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するR Y1は、同一でも異なっていてもよく、隣接するR Y1同士は互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子と共に環を形成していてもよい。]
[0379]
 R Y1は、好ましくは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
[0380]
 式(Y-1)で表される構成単位は、好ましくは、式(Y-1’)で表される構成単位である。
[0381]
[化68]


[式中、R Y11は、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するR Y11は、同一でも異なっていてもよい。]
[0382]
 R Y11は、好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基であり、より好ましくは、アルキル基又はシクロアルキル基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
[0383]
[化69]


[式中、R Y1は前記と同じ意味を表す。X Y1は、-C(R Y2-、-C(R Y2)=C(R Y2)-又は-C(R Y2-C(R Y2-で表される基を表す。R Y2は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するR Y2は、同一でも異なっていてもよく、R Y2同士は互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子と共に環を形成していてもよい。]
[0384]
 R Y2は、好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基であり、より好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
[0385]
 X Y1において、-C(R Y2-で表される基中の2個のR Y2の組み合わせは、好ましくは両方がアルキル基若しくはシクロアルキル基、両方がアリール基、両方が1価の複素環基、又は、一方がアルキル基若しくはシクロアルキル基で他方がアリール基若しくは1価の複素環基であり、より好ましくは一方がアルキル基若しくはシクロアルキル基で他方がアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。2個存在するR Y2は互いに結合して、それぞれが結合する原子と共に環を形成していてもよく、R Y2が環を形成する場合、-C(R Y2-で表される基としては、好ましくは式(Y-A1)-(Y-A5)で表される基であり、より好ましくは式(Y-A4)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
[0386]
[化70]


[0387]
 X Y1において、-C(R Y2)=C(R Y2)-で表される基中の2個のR Y2の組み合わせは、好ましくは両方がアルキル基若しくはシクロアルキル基、又は、一方がアルキル基若しくはシクロアルキル基で他方がアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
[0388]
 X Y1において、-C(R Y2-C(R Y2-で表される基中の4個のR Y2は、好ましくは置換基を有していてもよいアルキル基又はシクロアルキル基である。複数あるR Y2は互いに結合して、それぞれが結合する原子と共に環を形成していてもよく、R Y2が環を形成する場合、-C(R Y2-C(R Y2-で表される基は、好ましくは式(Y-B1)-(Y-B5)で表される基であり、より好ましくは式(Y-B3)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
[0389]
[化71]


[式中、R Y2は前記と同じ意味を表す。]
[0390]
 式(Y-2)で表される構成単位は、式(Y-2’)で表される構成単位であることが好ましい。
[0391]
[化72]


[式中、R Y1及びX Y1は前記と同じ意味を表す。]
[0392]
[化73]


[式中、R Y1及びX Y1は前記と同じ意味を表す。]
[0393]
 式(Y-3)で表される構成単位は、式(Y-3’)で表される構成単位であることが好ましい。
[0394]
[化74]


[式中、R Y11及びX Y1は前記と同じ意味を表す。]
[0395]
[化75]


[0396]
[化76]


[式中、R Y1は前記と同じ意味を表す。R Y3は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
[0397]
 R Y3は、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基又は1価の複素環基であり、より好ましくはアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
[0398]
 式(Y-4)で表される構成単位は、式(Y-4’)で表される構成単位であることが好ましく、式(Y-6)で表される構成単位は、式(Y-6’)で表される構成単位であることが好ましい。
[0399]
[化77]


[式中、R Y1及びR Y3は前記と同じ意味を表す。]
[0400]
[化78]


[式中、R Y1は前記を同じ意味を表す。R Y4は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
[0401]
 R Y4は、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基又は1価の複素環基であり、より好ましくはアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
[0402]
 式(Y)で表される構成単位としては、例えば、式(Y-101)~式(Y-121)で表されるアリーレン基からなる構成単位、式(Y-201)~式(Y-206)で表される2価の複素環基からなる構成単位、式(Y-300)~式(Y-304)で表される少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基からなる構成単位が挙げられ、好ましくは、式(Y-101)~式(Y-121)で表されるアリーレン基からなる構成単位、式(Y-201)~式(Y-206)で表される2価の複素環基からなる構成単位、式(Y-301)~式(Y-304)で表される少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基からなる構成単位である。
[0403]
[化79]


[0404]
[化80]


[0405]
[化81]


[0406]
[化82]


[0407]
[化83]


[0408]
[化84]


[0409]
[化85]


[0410]
[化86]


[0411]
[化87]


[0412]
 式(Y)で表される構成単位であって、Ar Y1がアリーレン基である構成単位は、本実施形態に係る発光素子の初期劣化がより抑制されるので、正孔輸送層の高分子化合物に含まれる構成単位の合計量に対して、好ましくは0.5~90モル%であり、より好ましくは30~80モル%である。
[0413]
 式(Y)で表される構成単位であって、Ar Y1が2価の複素環基、又は、少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基である構成単位は、正孔輸送層の高分子化合物の正孔輸送性が優れるので、正孔輸送層の高分子化合物に含まれる構成単位の合計量に対して、好ましくは0.5~40モル%であり、より好ましくは3~30モル%である。
[0414]
 式(Y)で表される構成単位は、正孔輸送層の高分子化合物中に、1種のみ含まれていてもよく、2種以上含まれていてもよい。
[0415]
 本実施形態に係る発光素子が電子輸送層を有する場合、電子輸送層に含有される電子輸送材料としては、式(ET-1)で表される構成単位及び式(ET-2)で表される構成単位からなる群から選ばれる少なくとも1種の構成単位を含む高分子化合物(以下、「電子輸送層の高分子化合物」ともいう。)が好ましい。
[0416]
[化88]


[式中、
 nE1は、1以上の整数を表す。
 Ar E1は、芳香族炭化水素基又は複素環基を表し、これらの基はR E1以外の置換基を有していてもよい。
 R E1は、式(ES-1)で表される基を表す。R E1が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
[0417]
 -R E3-{(Q E1nE3-Y E1(M E1aE1(Z E1bE1mE1 (ES-1)
[式中、
 nE3は0以上の整数を表し、aE1は1以上の整数を表し、bE1は0以上の整数を表し、mE1は1以上の整数を表す。nE3、aE1及びbE1が複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。但し、R E3が単結合である場合、mE1は1である。また、aE1及びbE1は、式(ES-1)で表される基の電荷が0となるように選択される。
 R E3は、単結合、炭化水素基、複素環基又は-O-R E3’を表し(R E3’は、炭化水素基又は複素環基を表す。)、これらの基は置換基を有していてもよい。
 Q E1は、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、酸素原子又は硫黄原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。Q E1が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
 Y E1は、-CO 、-SO 、-SO 又は-PO 2-を表す。Y E1が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
 M E1は、アルカリ金属カチオン、アルカリ土類金属カチオン又はアンモニウムカチオンを表し、このアンモニウムカチオンは置換基を有していてもよい。M E1が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
 Z E1は、F 、OH 、B(R E4 、R E4SO 、R E4COO 、NO 、SO 2-、HSO 、PO 3-、HPO 2-、H PO 、BF 又はPF を表す。R E4は、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。Z E1が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
[0418]
 nE1は、通常1~4の整数であり、好ましくは1又は2である。
[0419]
 Ar E1で表される芳香族炭化水素基又は複素環基としては、1,4-フェニレン基、1,3-フェニレン基、1,2-フェニレン基、2,6-ナフタレンジイル基、1,4-ナフタレンジイル基、2,7-フルオレンジイル基、3,6-フルオレンジイル基、2,7-フェナントレンジイル基又は2,7-カルバゾールジイル基から、環を構成する原子に直接結合する水素原子nE1個を除いた基が好ましく、R E1以外の置換基を有していてもよい。
[0420]
 Ar E1が有していてもよいR E1以外の置換基としては、フッ素原子、シアノ基、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、置換アミノ基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、シクロアルキニル基、カルボキシル基及び式(ES-3)で表される基が挙げられる。
[0421]
 -O-(C n’2n’O) nx-C m’2m’+1 (ES-3)
[式中、n’、m’及びnxは、それぞれ独立に、1以上の整数を表す。]
[0422]
 nE3は、通常0~10の整数であり、好ましくは0~8の整数であり、より好ましくは0~2の整数である。
[0423]
 aE1は、通常1~10の整数であり、好ましくは1~5の整数であり、より好ましくは1又は2である。
[0424]
 bE1は、通常0~10の整数であり、好ましくは0~4の整数であり、より好ましくは0又は1である。
[0425]
 mE1は、通常1~5の整数であり、好ましくは1又は2であり、より好ましくは1である。
[0426]
 R E3が-O-R E3’の場合、式(ES-1)で表される基は、下記式で表される基である。
 -O-R E3’-{(Q E1nE3-Y E1(M E1aE1(Z E1bE1mE1
[0427]
 R E3としては、炭化水素基又は複素環基が好ましく、芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基がより好ましく、芳香族炭化水素基が更に好ましい。
[0428]
 R E3が有していてもよい置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基及び式(ES-3)で表される基が挙げられ、式(ES-3)で表される基が好ましい。
[0429]
 Q E1としては、アルキレン基、アリーレン基又は酸素原子が好ましく、アルキレン基又は酸素原子がより好ましい。
[0430]
 Y E1としては、-CO 、-SO 又はPO 2-が好ましく、-CO がより好ましい。
[0431]
 M E1で表されるアルカリ金属カチオンとしては、例えば、Li 、Na 、K 、Rb 、Cs が挙げられ、K 、Rb 又はCs が好ましく、Cs がより好ましい。
[0432]
 M E1で表されるアルカリ土類金属カチオンとしては、例えば、Be 2+、Mg 2+、Ca 2+、Sr 2+、Ba 2+が挙げられ、Mg 2+、Ca 2+、Sr 2+又はBa 2+が好ましく、Ba 2+がより好ましい。
[0433]
 M E1としては、アルカリ金属カチオン又はアルカリ土類金属カチオンが好ましく、アルカリ金属カチオンがより好ましい。
[0434]
 Z E1としては、F 、OH 、B(R E4 、R E4SO 、R E4COO 又はNO が好ましく、F 、OH 、R E4SO 又はR E4COO が好ましい。R E4としては、アルキル基が好ましい。
[0435]
 式(ES-1)で表される基としては、例えば、下記式で表される基が挙げられる。
[0436]
[化89]


[0437]
[化90]


[式中、M は、Li 、Na 、K 、Cs 又はN(CH を表す。M が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
[0438]
[化91]


[式中、
 nE2は、1以上の整数を表す。
 Ar E2は、芳香族炭化水素基又は複素環基を表し、これらの基はR E2以外の置換基を有していてもよい。
 R E2は、式(ES-2)で表される基を表す。R E2が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
[0439]
 -R E5-{(Q E2nE4-Y E2(M E2aE2(Z E2bE2mE2 (ES-2)
[式中、
 nE4は0以上の整数を表し、aE2は1以上の整数を表し、bE2は0以上の整数を表し、mE2は1以上の整数を表す。nE4、aE2及びbE2が複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。但し、R E5が単結合である場合、mE2は1である。また、aE2及びbE2は、式(ES-2)で表される基の電荷が0となるように選択される。
 R E5は、単結合、炭化水素基、複素環基又は-O-R E5’を表し(R E5’は、炭化水素基又は複素環基を表す。)、これらの基は置換基を有していてもよい。
 Q E2は、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、酸素原子又は硫黄原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。Q E2が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
 Y E2は、-C E6 、-N E6 、-P E6 、-S E6 又は-I E6 を表す。R E6は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するR E6は、同一でも異なっていてもよい。Y E2が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
 M E2は、F 、OH 、B(R E7 、R E7SO 、R E7COO 、BF 、又はSbF を表す。R E7は、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。M E2が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
 Z E2は、アルカリ金属カチオン又はアルカリ土類金属カチオンを表す。Z E2が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
[0440]
 nE2は、通常1~4の整数であり、好ましくは1又は2である。
[0441]
 Ar E2で表される芳香族炭化水素基又は複素環基としては、1,4-フェニレン基、1,3-フェニレン基、1,2-フェニレン基、2,6-ナフタレンジイル基、1,4-ナフタレンジイル基、2、7-フルオレンジイル基、3,6-フルオレンジイル基、2,7-フェナントレンジイル基又は2,7-カルバゾールジイル基から、環を構成する原子に直接結合する水素原子nE2個を除いた基が好ましく、R E2以外の置換基を有していてもよい。
[0442]
 Ar E2が有していてもよいR E2以外の置換基としては、Ar E1が有していてもよいR E1以外の置換基と同様である。
[0443]
 nE4は、通常0~10の整数であり、好ましくは0~8の整数であり、より好ましくは0~2の整数である。
[0444]
 aE2は、通常1~10の整数であり、好ましくは1~5の整数であり、より好ましくは1又は2である。
[0445]
 bE2は、通常0~10の整数であり、好ましくは0~4の整数であり、より好ましくは0又は1である。
[0446]
 mE2は、通常1~5の整数であり、好ましくは1又は2であり、より好ましくは1である。
[0447]
 R E5が-O-R E5’の場合、式(ES-2)で表される基は、下記式で表される基である。
 -O-R E5’-{(Q E1nE3-Y E1(M E1aE1(Z E1bE1mE1
[0448]
 R E5としては、炭化水素基又は複素環基が好ましく、芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基がより好ましく、芳香族炭化水素基が更に好ましい。
[0449]
 R E5が有していてもよい置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基及び式(ES-3)で表される基が挙げられ、式(ES-3)で表される基が好ましい。
[0450]
 Q E2としては、アルキレン基、アリーレン基又は酸素原子が好ましく、アルキレン基又は酸素原子がより好ましい。
[0451]
 Y E2としては、-C E6 、-N E6 、-P E6 又は-S E6 が好ましく、-N E6 がより好ましい。R E6としては、水素原子、アルキル基又はアリール基が好ましく、水素原子又はアルキル基がより好ましい。
[0452]
 M E2としては、F 、B(R E7 、R E7SO 、R E7COO 、BF 又はSbF 6-が好ましく、B(R E7 、R E7COO 又はSbF 6-がより好ましい。R E7としては、アルキル基が好ましい。
[0453]
 Z E2で表されるアルカリ金属カチオンとしては、例えば、Li 、Na 、K 、Rb 、Cs が挙げられ、Li 、Na 又はK が好ましい。
[0454]
 Z E2で表されるアルカリ土類金属カチオンとしては、例えば、Be 2+、Mg 2+、Ca 2+、Sr 2+、Ba 2+が挙げられ、Mg 2+又はCa 2+が好ましい。
[0455]
 Z E2としては、アルカリ金属カチオンが好ましい。
[0456]
 式(ES-2)で表される基としては、例えば、下記式で表される基が挙げられる。
[0457]
[化92]


[0458]
[化93]


[式中、X は、F 、B(C 、CH COO 又はCF SO を表す。X が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
[0459]
 式(ET-1)及び式(ET-2)で表される構成単位としては、例えば、下記式(ET-31)~式(ET-38)で表される構成単位が挙げられる。
[0460]
[化94]


[0461]
[化95]


[0462]
[化96]


[0463]
 電子輸送層の高分子化合物は、例えば、特開2009-239279号公報、特開2012-033845号公報、特開2012-216821号公報、特開2012-216822号公報、特開2012-216815号公報に記載の方法に従って合成することができる。
[0464]
 正孔輸送層の材料、電子輸送層の材料及び発光層の材料は、発光素子の作製において、各々、正孔輸送層、電子輸送層及び発光層に隣接する層の形成時に使用される溶媒に溶解する場合、該溶媒に該材料が溶解することを回避するために、該材料が架橋基を有することが好ましい。架橋基を有する材料を用いて各層を形成した後、該架橋基を架橋させることにより、該層を不溶化させることができる。
[0465]
 本実施形態に係る発光素子において、発光層、正孔輸送層、電子輸送層、正孔注入層、電子注入層等の各層の形成方法としては、低分子化合物を用いる場合、例えば、粉末からの真空蒸着法、溶液又は溶融状態からの成膜による方法が挙げられ、高分子化合物を用いる場合、例えば、溶液又は溶融状態からの成膜による方法が挙げられる。
[0466]
 積層する層の順番、数及び厚さは、外部量子効率及び輝度寿命を勘案して調整する。
[0467]
[基板/電極]
 発光素子における基板は、電極を形成することができ、かつ、有機層を形成する際に化学的に変化しない基板であればよく、例えば、ガラス、プラスチック、シリコン等の材料からなる基板である。不透明な基板の場合には、基板から最も遠くにある電極が透明又は半透明であることが好ましい。
[0468]
 陽極の材料としては、例えば、導電性の金属酸化物、半透明の金属が挙げられ、好ましくは、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ;インジウム・スズ・オキサイド(ITO)、インジウム・亜鉛・オキサイド等の導電性化合物;銀とパラジウムと銅との複合体(APC);NESA、金、白金、銀、銅である。
[0469]
 陰極の材料としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、アルミニウム、亜鉛、インジウム等の金属;それらのうち2種以上の合金;それらのうち1種以上と、銀、銅、マンガン、チタン、コバルト、ニッケル、タングステン、錫のうち1種以上との合金;並びに、グラファイト及びグラファイト層間化合物が挙げられる。合金としては、例えば、マグネシウム-銀合金、マグネシウム-インジウム合金、マグネシウム-アルミニウム合金、インジウム-銀合金、リチウム-アルミニウム合金、リチウム-マグネシウム合金、リチウム-インジウム合金、カルシウム-アルミニウム合金が挙げられる。
 陽極及び陰極は、各々、2層以上の積層構造としてもよい。
[0470]
[用途]
 発光素子を用いて面状の発光を得るためには、面状の陽極と陰極が重なり合うように配置すればよい。パターン状の発光を得るためには、面状の発光素子の表面にパターン状の窓を設けたマスクを設置する方法、非発光部にしたい層を極端に厚く形成し実質的に非発光とする方法、陽極若しくは陰極、又は、両方の電極をパターン状に形成する方法がある。これらのいずれかの方法でパターンを形成し、いくつかの電極を独立にON/OFFできるように配置することにより、数字、文字等を表示できるセグメントタイプの表示装置が得られる。ドットマトリックス表示装置とするためには、陽極と陰極を共にストライプ状に形成して直交するように配置すればよい。複数の種類の発光色の異なる高分子化合物を塗り分ける方法、カラーフィルター又は蛍光変換フィルターを用いる方法により、部分カラー表示、マルチカラー表示が可能となる。ドットマトリックス表示装置は、パッシブ駆動も可能であるし、TFT等と組み合わせてアクティブ駆動も可能である。これらの表示装置は、コンピュータ、テレビ、携帯端末等のディスプレイに用いることができる。面状の発光素子は、液晶表示装置のバックライト用の面状光源、又は、面状の照明用光源として好適に用いることができる。フレキシブルな基板を用いれば、曲面状の光源及び表示装置としても使用できる。
[0471]
 以上、本発明の好適な一実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されない。
[0472]
 例えば、本発明の一側面は、残留塩素濃度が15質量ppm以下の式(1)で表される燐光発光性化合物と、ホスト材料と、が配合された組成物に関するものであってよい。なお、燐光発光性化合物の残留塩素濃度は、式(1)で表される燐光発光性化合物に含まれる塩素原子の量(C )と同義である。
[0473]
 一実施形態において、燐光発光性化合物の残留塩素濃度をC (ppm)、組成物に配合される固形分全量に対する、前記燐光発光性化合物の配合量の比(質量比)をW としたとき、組成物は下記式(i)を満たすものであってよい。
 C ×W ≦3.5  (i)
[0474]
 また、一実施形態において、ホスト材料の残留塩素濃度をC (質量ppm)、組成物に配合される固形分全量に対する、ホスト材料の配合量の比(質量比)をW としたとき、組成物は下記式(ii)を満たすものであってよい。
 C ×W +C ×W ≦3.5  (ii)
[0475]
 また、本発明の一側面は、残留塩素濃度が15質量ppmを超える式(1)で表される燐光発光性化合物の粗精製物を準備する工程と、粗精製物から、残留塩素濃度が15質量ppm以下の燐光発光性化合物の精製物を得る工程と、精製物とホスト材料とを配合した組成物を得る工程と、を備える、組成物の精製方法に関するものであってよい。
実施例
[0476]
 以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[0477]
 実施例において、高分子化合物のポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)及びポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、移動相にテトラヒドロフランを用い、下記のサイズエクスクルージョンクロマトグラフィー(SEC)により求めた。なお、SECの測定条件は、次のとおりである。
[0478]
 測定する高分子化合物を約0.05質量%の濃度でテトラヒドロフランに溶解させ、SECに10μL注入した。移動相は、2.0mL/分の流量で流した。カラムとして、PLgel MIXED-B(ポリマーラボラトリーズ製)を用いた。検出器にはUV-VIS検出器(島津製作所製、商品名:SPD-10Avp)を用いた。
[0479]
 LC-MSは、下記の方法で測定した。
 測定試料を約2mg/mLの濃度になるようにクロロホルム又はテトラヒドロフランに溶解させ、LC-MS(Agilent製、商品名:1100LCMSD)に約1μL注入した。LC-MSの移動相には、アセトニトリル及びテトラヒドロフランの比率を変化させながら用い、0.2mL/分の流量で流した。カラムは、L-column 2 ODS(3μm)(化学物質評価研究機構製、内径:2.1mm、長さ:100mm、粒径3μm)を用いた。
[0480]
 TLC-MSは、下記の方法で測定した。
 測定試料をトルエン、テトラヒドロフラン又はクロロホルムのいずれかの溶媒に任意の濃度で溶解させ、DART用TLCプレート(テクノアプリケーションズ社製、商品名:YSK5-100)上に塗布し、TLC-MS(日本電子社製、商品名:JMS-T100TD(The AccuTOF TLC))を用いて測定した。測定時のヘリウムガス温度は、200~400℃の範囲で調節した。
[0481]
 NMRは、下記の方法で測定した。
 5~10mgの測定試料を約0.5mLの重クロロホルム(CDCl )、重テトラヒドロフラン、重ジメチルスルホキシド、重アセトン、重N,N-ジメチルホルムアミド、重トルエン、重メタノール、重エタノール、重2-プロパノール又は重塩化メチレンに溶解させ、NMR装置(Agilent製、商品名:INOVA300又はMERCURY 400VX)を用いて測定した。
[0482]
 化合物の純度の指標として、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)面積百分率の値を用いた。この値は、特に記載がない限り、HPLC(島津製作所製、商品名:LC-20A)でのUV=254nmにおける値とする。この際、測定する化合物は、0.01~0.2質量%の濃度になるようにテトラヒドロフラン又はクロロホルムに溶解させ、濃度に応じてHPLCに1~10μL注入した。HPLCの移動相には、アセトニトリル/テトラヒドロフランの比率を100/0~0/100(容積比)まで変化させながら用い、1.0mL/分の流量で流した。カラムは、Kaseisorb LC ODS 2000(東京化成工業製)又は同等の性能を有するODSカラムを用いた。検出器には、フォトダイオードアレイ検出器(島津製作所製、商品名:SPD-M20A)を用いた。
[0483]
 本実施例において、燐光発光性化合物の発光スペクトルの最大ピーク波長は、分光光度計(日本分光株式会社製、FP-6500)により室温にて測定した。燐光発光性化合物をキシレンに、約0.8×10 -4質量%の濃度で溶解させたキシレン溶液を試料として用いた。励起光としては、波長325nmのUV光を用いた。
[0484]
 燐光発光性化合物及びホスト材料に含まれる臭素原子の量及び塩素原子の量は、自動燃焼-イオンクロマトグラフ法により測定した。本測定では、燃焼分解を三菱化学アナリテック社製 自動試料燃焼装置 AQF-2100H型を用いて行い、その後のイオンクロマトグラフィをサーモフィッシャーサイエンティフィック社製 イオンクロマトグラフィーシステム ICS-2100を用いて行った。
[0485]
<合成例1> 化合物M1、化合物M2及び化合物M3の合成
 化合物M1は、国際公開第2015/145871号に記載の方法に従って合成した。
 化合物M2は、国際公開第2013/146806号に記載の方法に従って合成した。
 化合物M3は、国際公開第2005/049546号に記載の方法に従って合成した。
[0486]
[化97]


[0487]
<合成例2> 高分子化合物HTL-1の合成
(工程1)反応容器内を不活性ガス雰囲気とした後、化合物M1(0.923g)、化合物M2(0.0496g)、化合物M3(0.917g)、ジクロロビス(トリス-o-メトキシフェニルホスフィン)パラジウム(1.76mg)及びトルエン(34mL)を加え、105℃に加熱した。
(工程2)反応液に、20質量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(6.7mL)を滴下し、6時間還流させた。
(工程3)反応後、そこに、フェニルボロン酸(48.8mg)及びジクロロビス(トリス-o-メトキシフェニルホスフィン)パラジウム(0.88mg)を加え、14.5時間還流させた。
(工程4)その後、そこに、ジエチルジチアカルバミン酸ナトリウム水溶液を加え、80℃で2時間撹拌した。冷却後、得られた反応液を、水で2回、3質量%酢酸水溶液で2回、水で2回洗浄し、得られた溶液をメタノールに滴下したところ、沈澱が生じた。得られた沈殿物をトルエンに溶解させ、アルミナカラム、シリカゲルカラムの順番で通すことにより精製した。得られた溶液をメタノールに滴下し、撹拌した後、得られた沈殿物をろ取し、乾燥させることにより、高分子化合物HTL-1を1.23g得た。
[0488]
 高分子化合物HTL-1のポリスチレン換算の数平均分子量は2.3×10 であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量は1.2×10 であった。
[0489]
 高分子化合物HTL-1は、仕込み原料の量から求めた理論値では、化合物M1から誘導される構成単位と、化合物M2から誘導される構成単位と、化合物M3から誘導される構成単位とが、45:5:50のモル比で構成されてなる共重合体である。
[0490]
<合成例3> 化合物M4及び化合物M5の合成
 化合物M4は、特開2012-33845号公報に記載の方法に従って合成した。
 化合物M5は、特開2010-189630号公報に記載の方法に従って合成した。
[0491]
[化98]


[0492]
<合成例4> 高分子化合物ET1の合成
(工程1)反応容器内を不活性ガス雰囲気とした後、化合物M4(9.23g)、化合物M5(4.58g)、ジクロロビス(トリス-o-メトキシフェニルホスフィン)パラジウム(8.6mg)、メチルトリオクチルアンモニウムクロライド(シグマアルドリッチ社製、商品名Aliquat336(登録商標))(0.098g)及びトルエン(175mL)を加え、105℃に加熱した。
(工程2)その後、そこに、12質量%炭酸ナトリウム水溶液(40.3mL)を滴下し、29時間還流させた。
(工程3)その後、そこに、フェニルボロン酸(0.47g)及びジクロロビス(トリス-o-メトキシフェニルホスフィン)パラジウム(8.7mg)を加え、14時間還流させた。
(工程4)その後、そこに、ジエチルジチアカルバミン酸ナトリウム水溶液を加え、80℃で2時間撹拌した。得られた反応液を冷却後、メタノールに滴下したところ、沈澱が生じた。沈殿物をろ取し、メタノール、水で洗浄後、乾燥させることにより得た固体をクロロホルムに溶解させ、予めクロロホルムを通液したアルミナカラム及びシリカゲルカラムに順番に通すことにより精製した。得られた精製液をメタノールに滴下し、撹拌したところ、沈殿が生じた。沈殿物をろ取し、乾燥させることにより、高分子化合物ET1a(7.15g)を得た。高分子化合物ET1aのMnは3.2×10 、Mwは6.0×10 であった。
 高分子化合物ET1aは、仕込み原料の量から求めた理論値では、化合物M4から誘導される構成単位と、化合物M5から誘導される構成単位とが、50:50のモル比で構成されてなる共重合体である。
(工程5)反応容器内をアルゴンガス雰囲気下とした後、高分子化合物ET1a(3.1g)、テトラヒドロフラン(130mL)、メタノール(66mL)、水酸化セシウム一水和物(2.1g)及び水(12.5mL)を加え、60℃で3時間撹拌した。
(工程6)その後、そこに、メタノール(220mL)を加え、2時間撹拌した。得られた反応混合物を濃縮した後、イソプロピルアルコールに滴下し、撹拌したところ、沈殿が生じた。沈殿物をろ取し、乾燥させることにより、高分子化合物ET1(3.5g)を得た。高分子化合物ET1の H-NMR解析により、高分子化合物ET1中のエチルエステル部位のシグナルが消失し、反応が完結したことを確認した。
 高分子化合物ET1は、高分子化合物ET1aの仕込み原料の量から求めた理論値では、下記式で表される構成単位と、化合物M5から誘導される構成単位とが、50:50のモル比で構成されてなる共重合体である。
[0493]
[化99]


[0494]
 高分子化合物ET1の元素分析値は、C,54.1質量%;H,5.6質量%;N,<0.3質量%;Cs,22.7質量%(理論値:C,57.29質量%;H,5.70質量%;Cs,21.49質量%;O,15.52質量%)であった。
[0495]
<合成例5> 化合物HM-1の合成
[0496]
[化100]


[0497]
 反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、化合物HM-1a(324g)、化合物HM-1b(300g)、キシレン(12L)、酢酸パラジウム(II)(11.5g)、トリ-tert-ブチルホスホニウムテトラフルオロボラート(29.8g)及びナトリウム tert-ブトキシド(555g)を加え、加熱還流下で40時間撹拌した。その後、得られた反応液をシリカゲル及びセライトを敷いたろ過器でろ過し、更に、シリカゲル及びセライトを敷いたろ過器をトルエン(10L)で洗浄した。得られたろ液をイオン交換水(4L)で5回洗浄した後、得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過した。得られたろ液を減圧濃縮することにより、固体を得た。得られた固体をトルエンで再結晶した後、50℃で減圧乾燥させることにより、粗精製物HM-1(361g)を得た。なお、粗精製物HM-1のHPLC面積百分率値は99.5%以上であった。
[0498]
 得られた粗精製物HM-1(86g)を、5回昇華精製することにより、化合物HM-1(21g)を得た。なお、昇華精製の際は、真空度を5×10 -3Paとし、昇華温度を290℃とした。
[0499]
 化合物HM-1のHPLC面積百分率値は99.5%以上であった。また、化合物HM-1に含まれる塩素原子の量(C )は検出限界以下(0質量ppm)であった。また、化合物HM-1に含まれる臭素原子の量は検出限界以下(0質量ppm)であった。化合物HM-1をホスト材料として用いた。
[0500]
<比較例1及び実施例1> 燐光発光性化合物MC1及びMC2の合成
[0501]
[化101]


[0502]
 遮光した反応容器内をアルゴンガス雰囲気とした後、燐光発光性化合物MC1a(210g)、フェニルボロン酸(63.1g)、ジクロロビス(トリス-o-メトキシフェニルホスフィン)パラジウム(II)(0.69g)及びトルエン(2.1kg)を加え、70℃に加熱した。そこへ、20質量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(1.39kg)を加えた後、90℃で19時間撹拌した。その後、反応液を室温まで冷却した後、10質量%食塩水を加え、セライトを敷いたろ過器でろ過した。得られたろ液をトルエン及び10質量%食塩水で抽出し、有機層を得た。得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた後、アミノシリカゲルを敷いたろ過器でろ過した。得られたろ液を減圧濃縮することにより固体を得た。得られた固体をトルエン及びアセトニトリルの混合溶媒で再結晶した後、ろ過することにより、ろ液MC1’と残渣MC2’を得た。得られたろ液MC1’を減圧濃縮することにより、固体MC1’を得た。得られた固体MC1’を50℃で減圧乾燥させることにより、比較例1の燐光発光性化合物MC1(81.8g)を得た。また、得られた残渣MC2’を50℃で減圧乾燥させることにより、実施例1の燐光発光性化合物MC2(125g)を得た。
[0503]
 燐光発光性化合物MC1のHPLC面積百分率値は99.2%であった。燐光発光性化合物MC2のHPLC面積百分率値は99.5%以上であった。
[0504]
 燐光発光性化合物MC1に含まれる塩素原子の量(C )は16質量ppmであった。燐光発光性化合物MC2に含まれる塩素原子の量(C )は9質量ppmであった。
[0505]
 燐光発光性化合物MC1に含まれる臭素原子の量は2質量ppmであった。燐光発光性化合物MC2に含まれる臭素原子の量は検出限界以下(0質量ppm)であった。
[0506]
 燐光発光性化合物MC1及びMC2の発光スペクトルの最大ピーク波長は471nmであった。
[0507]
<実施例2> 燐光発光性化合物MC3の合成
[0508]
[化102]


[0509]
 燐光発光性化合物MC2の脱ハロゲン化を行った。具体的には、遮光した反応容器内をアルゴンガス雰囲気とした後、燐光発光性化合物MC2(40.0g)、フェニルボロン酸(3.67g)、(ジ-tert-ブチル(4-ジメチルアミノフェニル)ホスフィン)ジクロロパラジウム(II)(0.64g)及びトルエン(210mL)を加え、90℃に加熱した。そこへ、40質量%テトラブチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(97mL)を加えた後、90℃で120時間撹拌した。その後、反応液を室温まで冷却した後、水層を除去し有機層を得た。得られた有機層をイオン交換水(100mL)で2回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた後、ろ過し、トルエン(250mL)で残渣を洗浄した。得られたろ液を減圧濃縮することにより固体を得た。得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン及びジクロロメタンの混合溶媒)で精製した後、トルエン及びアセトニトリルの混合溶媒で再結晶した。得られた固体を50℃で減圧乾燥させることにより、燐光発光性化合物MC3(34.2g)を黄色固体として得た。
[0510]
 燐光発光性化合物MC3のHPLC面積百分率値は99.5%以上であった。また、燐光発光性化合物MC3に含まれる塩素原子の量(C )は検出限界以下(0質量ppm)であった。燐光発光性化合物MC3に含まれる臭素原子の量は検出限界以下(0質量ppm)であった。
[0511]
 燐光発光性化合物MC3の H-NMR及びLC-MSは下記のとおりであった。
  H-NMR(300MHz、CD Cl -d )δ(ppm)=7.83-7.85(m,6H),7.67-7.54(m,12H),7.52-7.43(m,3H),6.94(d,6H),6.80(d,3H),6.67(t,3H),6.52(t,3H),6.44-6.36(m,3H),2.94-2.74(m,3H),2.55-2.36(m,3H),1.35(d,9H),1.19-1.09(m,18H),1.06(d,9H).
 LC-MS(APCI,positive):m/z=1331.6[M+H]
[0512]
 燐光発光性化合物MC3の発光スペクトルの最大ピーク波長は471nmであった。
[0513]
<実施例D1> 発光素子D1の作製及び評価
(発光素子D1の作製)
(陽極及び正孔注入層の形成)
 ガラス基板にスパッタ法により45nmの厚みでITO膜を付けることにより陽極を形成した。該陽極上に、正孔注入材料であるND-3202(日産化学工業製)をスピンコート法により35nmの厚さで成膜した。大気雰囲気下において、ホットプレート上で50℃、3分間加熱し、更に230℃、15分間加熱することにより正孔注入層を形成した。
[0514]
(正孔輸送層の形成)
 キシレンに高分子化合物HTL-1を0.7質量%の濃度で溶解させた。得られたキシレン溶液を用いて、正孔注入層の上にスピンコート法により20nmの厚さで成膜し、窒素ガス雰囲気下において、ホットプレート上で180℃、60分間加熱させることにより正孔輸送層を形成した。
[0515]
(発光層の形成D1)
 トルエン(関東化学社製:電子工業用(ELグレード))に、化合物HM-1及び燐光発光性化合物MC3(化合物HM-1/燐光発光性化合物MC3=75質量%/25質量%)を2.0質量%の濃度で溶解させた。得られたトルエン溶液を用いて、正孔輸送層の上にスピンコート法により75nmの厚さで成膜し、窒素ガス雰囲気下において、130℃、10分間加熱させることにより発光層を形成した。
 なお、仕込みの量から求めた理論値では、C は0質量ppmであり、C は0質量ppmであり、W は0.25であり、W は0.75であり、C +C は0質量ppmである。
[0516]
(電子輸送層の形成)
 2,2,3,3,4,4,5,5-オクタフルオロ-1-ペンタノールに、高分子化合物ETL-1を0.25質量%の濃度で溶解させた。得られた2,2,3,3,4,4,5,5-オクタフルオロ-1-ペンタノール溶液を用いて、発光層の上にスピンコート法により10nmの厚さで成膜し、窒素ガス雰囲気下において、130℃、10分間加熱させることにより電子輸送層を形成した。
[0517]
(陰極の形成)
 電子輸送層を形成した基板を蒸着機内において、1.0×10 -4Pa以下にまで減圧した後、陰極として、電子輸送層の上にフッ化ナトリウムを約4nm、次いで、フッ化ナトリウム層の上にアルミニウムを約80nm蒸着した。蒸着後、ガラス基板を用いて封止することにより、発光素子D1を作製した。
[0518]
(発光素子の評価)
 発光素子D1に電圧を印加することによりEL発光が観測された。100cd/m における発光効率は4.98[lm/W]、CIE色度座標(x,y)は(0.19,0.42)であった。1000cd/m におけるCIE色度座標(x,y)は(0.20,0.44)であった。5000cd/m におけるCIE色度座標(x,y)は(0.19,0.42)であった。初期輝度が1000cd/m となるように電流値を設定後、定電流で駆動させ、輝度が初期輝度の95%となるまでの時間(以下、「LT95」ともいう。)を測定したところ、229時間であった。初期輝度が5000cd/m となるように電流値を設定後、定電流で駆動させ、輝度が初期輝度の50%となるまでの時間(以下、「LT50」ともいう。)を測定したところ、25.3時間であった。結果を表5に示す。
[0519]
<実施例D2> 発光素子D2の作製及び評価
(発光素子D2の作製)
 実施例D1における(発光層の形成D1)を、下記(発光層の形成D2)に変更した以外は、実施例D1と同様にして、発光素子D2を作製した。
[0520]
(発光層の形成D2)
 トルエン(関東化学社製:電子工業用(ELグレード))に、化合物HM-1、燐光発光性化合物MC3及び燐光発光性化合物MC2(化合物HM-1/燐光発光性化合物MC3/燐光発光性化合物MC2=75質量%/22.5質量%/2.5質量%)を2.0質量%の濃度で溶解させた。得られたトルエン溶液を用いて、正孔輸送層の上にスピンコート法により75nmの厚さで成膜し、窒素ガス雰囲気下において、130℃、10分間加熱させることにより発光層を形成した。
 なお、仕込みの量から求めた理論値では、C は0.90質量ppmであり、C は0質量ppmであり、W は0.25であり、W は0.75であり、C +C は0.23質量ppmである。
[0521]
(発光素子の評価)
 発光素子D2に電圧を印加することによりEL発光が観測された。100cd/m における発光効率は7.60[lm/W]、CIE色度座標(x,y)は(0.20,0.44)であった。1000cd/m におけるCIE色度座標(x,y)は(0.20,0.44)であった。5000cd/m におけるCIE色度座標(x,y)は(0.19,0.42)であった。初期輝度が1000cd/m となるように電流値を設定後、定電流で駆動させ、輝度が初期輝度の95%となるまでの時間を測定したところ、124時間であった。初期輝度が5000cd/m となるように電流値を設定後、定電流で駆動させ、輝度が初期輝度の50%となるまでの時間を測定したところ、24.5時間であった。結果を表5に示す。
[0522]
<実施例D3> 発光素子D3の作製及び評価
(発光素子D3の作製)
 実施例D1における(発光層の形成D1)を、下記(発光層の形成D3)に変更した以外は、実施例D1と同様にして、発光素子D3を作製した。
[0523]
(発光層の形成D3)
 トルエン(関東化学社製:電子工業用(ELグレード))に、化合物HM-1、燐光発光性化合物MC3及び燐光発光性化合物MC2(化合物HM-1/燐光発光性化合物MC3/燐光発光性化合物MC2=75質量%/12.5質量%/12.5質量%)を2.0質量%の濃度で溶解させた。得られたトルエン溶液を用いて、正孔輸送層の上にスピンコート法により75nmの厚さで成膜し、窒素ガス雰囲気下において、130℃、10分間加熱させることにより発光層を形成した。
 なお、仕込みの量から求めた理論値では、C は4.50質量ppmであり、C は0質量ppmであり、W は0.25であり、W は0.75であり、C +C は1.13質量ppmである。
[0524]
(発光素子の評価)
 発光素子D3に電圧を印加することによりEL発光が観測された。100cd/m における発光効率は8.07[lm/W]、CIE色度座標(x,y)は(0.19,0.43)であった。1000cd/m におけるCIE色度座標(x,y)は(0.19,0.43)であった。5000cd/m におけるCIE色度座標(x,y)は(0.19,0.42)であった。初期輝度が1000cd/m となるように電流値を設定後、定電流で駆動させ、輝度が初期輝度の95%となるまでの時間を測定したところ、41時間であった。初期輝度が5000cd/m となるように電流値を設定後、定電流で駆動させ、輝度が初期輝度の50%となるまでの時間を測定したところ、24.8時間であった。結果を表5に示す。
[0525]
<実施例D4> 発光素子D4の作製及び評価
(発光素子D4の作製)
 実施例D1における(発光層の形成D1)を、下記(発光層の形成D4)に変更した以外は、実施例D1と同様にして、発光素子D4を作製した。
[0526]
(発光層の形成D4)
 トルエン(関東化学社製:電子工業用(ELグレード))に、化合物HM-1及び燐光発光性化合物MC2(化合物HM-1/燐光発光性化合物MC2=75質量%/25質量%)を2.0質量%の濃度で溶解させた。得られたトルエン溶液を用いて、正孔輸送層の上にスピンコート法により75nmの厚さで成膜し、窒素ガス雰囲気下において、130℃、10分間加熱させることにより発光層を形成した。
 なお、仕込みの量から求めた理論値では、C は9.00質量ppmであり、C は0質量ppmであり、W は0.25であり、W は0.75であり、C +C は2.25質量ppmである。
[0527]
(発光素子の評価)
 発光素子D4に電圧を印加することによりEL発光が観測された。100cd/m における発光効率は8.48[lm/W]、CIE色度座標(x,y)は(0.20,0.44)であった。1000cd/m におけるCIE色度座標(x,y)は(0.20,0.44)であった。5000cd/m におけるCIE色度座標(x,y)は(0.19,0.41)であった。初期輝度が1000cd/m となるように電流値を設定後、定電流で駆動させ、輝度が初期輝度の95%となるまでの時間を測定したところ、18時間であった。初期輝度が5000cd/m となるように電流値を設定後、定電流で駆動させ、輝度が初期輝度の50%となるまでの時間を測定したところ、24.4時間であった。結果を表5に示す。
[0528]
<実施例D5> 発光素子D5の作製及び評価
(発光素子D5の作製)
 実施例D1における(発光層の形成D1)を、下記(発光層の形成D5)に変更した以外は、実施例D1と同様にして、発光素子D5を作製した。
[0529]
(発光層の形成D5)
 トルエン(関東化学社製:電子工業用(ELグレード))に、化合物HM-1、燐光発光性化合物MC2及び燐光発光性化合物MC1(化合物HM-1/燐光発光性化合物MC2/燐光発光性化合物MC1=75質量%/12.5質量%/12.5質量%)を2.0質量%の濃度で溶解させた。得られたトルエン溶液を用いて、正孔輸送層の上にスピンコート法により75nmの厚さで成膜し、窒素ガス雰囲気下において、130℃、10分間加熱させることにより発光層を形成した。
 なお、仕込みの量から求めた理論値では、C は12.5質量ppmであり、C は0質量ppmであり、W は0.25であり、W は0.75であり、C +C は3.13質量ppmである。
[0530]
(発光素子の評価)
 発光素子D5に電圧を印加することによりEL発光が観測された。100cd/m における発光効率は6.34[lm/W]、CIE色度座標(x,y)は(0.19,0.42)であった。1000cd/m におけるCIE色度座標(x,y)は(0.19,0.43)であった。5000cd/m におけるCIE色度座標(x,y)は(0.19,0.41)であった。初期輝度が1000cd/m となるように電流値を設定後、定電流で駆動させ、輝度が初期輝度の95%となるまでの時間を測定したところ、8.3時間であった。初期輝度が5000cd/m となるように電流値を設定後、定電流で駆動させ、輝度が初期輝度の50%となるまでの時間を測定したところ、24.0時間であった。結果を表5に示す。
[0531]
<比較例CD1> 発光素子CD1の作製及び評価
(発光素子CD1の作製)
 実施例D1における(発光層の形成D1)を、下記(発光層の形成CD1)に変更した以外は、実施例D1と同様にして、発光素子CD1を作製した。
[0532]
(発光層の形成CD1)
 トルエン(関東化学社製:電子工業用(ELグレード))に、化合物HM-1及び燐光発光性化合物MC1(化合物HM-1/燐光発光性化合物MC1=75質量%/25質量%)を2.0質量%の濃度で溶解させた。得られたトルエン溶液を用いて、正孔輸送層の上にスピンコート法により75nmの厚さで成膜し、窒素ガス雰囲気下において、130℃、10分間加熱させることにより発光層を形成した。
 なお、仕込みの量から求めた理論値では、C は16.0質量ppmであり、C は0質量ppmであり、W は0.25であり、W は0.75であり、C +C は4.00質量ppmである。
[0533]
(発光素子の評価)
 発光素子CD1に電圧を印加することによりEL発光が観測された。100cd/m における発光効率は6.33[lm/W]、CIE色度座標(x,y)は(0.19,0.41)であった。1000cd/m におけるCIE色度座標(x,y)は(0.20,0.43)であった。5000cd/m におけるCIE色度座標(x,y)は(0.19,0.41)であった。初期輝度が1000cd/m となるように電流値を設定後、定電流で駆動させ、輝度が初期輝度の95%となるまでの時間を測定したところ、5.3時間であった。初期輝度が5000cd/m となるように電流値を設定後、定電流で駆動させ、輝度が初期輝度の50%となるまでの時間を測定したところ、26.3時間であった。結果を表5に示す。
[0534]
[表5]


請求の範囲

[請求項1]
 式(1)で表される燐光発光性化合物とホスト材料とが配合された組成物であって、
 前記燐光発光性化合物に不純物として含まれる塩素原子の量が、前記組成物に配合される固形分全量に対して、3.5質量ppm以下である、組成物。
[化1]


[式中、
 M は、ロジウム原子、パラジウム原子、イリジウム原子又は白金原子を表す。
 n は1以上の整数を表し、n は0以上の整数を表し、n +n は2又は3である。M がロジウム原子又はイリジウム原子の場合、n +n は3であり、M がパラジウム原子又は白金原子の場合、n +n は2である。
 E 及びE は、それぞれ独立に、炭素原子又は窒素原子を表す。但し、E 及びE の少なくとも一方は炭素原子である。
 環R は、5員の芳香族複素環を表し、この環は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。環R が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
 環R は、芳香族炭化水素環又は芳香族複素環を表し、これらの環は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。環R が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
 環R が有していてもよい置換基と環R が有していてもよい置換基とは、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。
 A -G -A は、アニオン性の2座配位子を表す。A 及びA は、それぞれ独立に、炭素原子、酸素原子又は窒素原子を表し、これらの原子は環を構成する原子であってもよい。G は、単結合、又は、A 及びA とともに2座配位子を構成する原子団を表す。A -G -A が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
[請求項2]
 前記燐光発光性化合物に不純物として含まれる塩素原子及び前記ホスト材料に不純物として含まれる塩素原子の総量が、前記組成物に配合される固形分全量に対して、3.5質量ppm以下である、請求項1に記載の組成物。
[請求項3]
 前記塩素原子の総量が、前記組成物に配合される固形分全量に対して、0.8質量ppm以下である、請求項2に記載の組成物。
[請求項4]
 前記塩素原子の総量が、前記組成物に配合される固形分全量に対して、0.01質量ppm以上3.0質量ppm以下である、請求項2に記載の組成物。
[請求項5]
 前記塩素原子の総量が、前記組成物に配合される固形分全量に対して、0.1質量ppm以上0.8質量ppm以下である、請求項2~4のいずれか一項に記載の組成物。
[請求項6]
 前記燐光発光性化合物が、式(1-A)で表される化合物である、請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物。
[化2]


[式中、
 M 、n 、n 、E 及びA -G -A は、前記と同じ意味を表す。
 E 11A、E 12A、E 13A、E 21A、E 22A、E 23A及びE 24Aは、それぞれ独立に、窒素原子又は炭素原子を表す。E 11A、E 12A、E 13A、E 21A、E 22A、E 23A及びE 24Aが複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。E 11Aが窒素原子の場合、R 11Aは存在しても存在しなくてもよい。E 12Aが窒素原子の場合、R 12Aは存在しても存在しなくてもよい。E 13Aが窒素原子の場合、R 13Aは存在しても存在しなくてもよい。E 21Aが窒素原子の場合、R 21Aは存在しない。E 22Aが窒素原子の場合、R 22Aは存在しない。E 23Aが窒素原子の場合、R 23Aは存在しない。E 24Aが窒素原子の場合、R 24Aは存在しない。
 R 11A、R 12A、R 13A、R 21A、R 22A、R 23A及びR 24Aは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、置換アミノ基又はフッ素原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。R 11A、R 12A、R 13A、R 21A、R 22A、R 23A及びR 24Aが複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。R 11AとR 12A、R 12AとR 13A、R 11AとR 21A、R 21AとR 22A、R 22AとR 23A、及び、R 23AとR 24Aは、それぞれ結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。
 環R 1Aは、窒素原子、E 、E 11A、E 12A及びE 13Aで構成されるトリアゾール環又はジアゾール環を表す。
 環R 2Aは、2つの炭素原子、E 21A、E 22A、E 23A及びE 24Aで構成されるベンゼン環、ピリジン環又はピリミジン環を表す。]
[請求項7]
 前記燐光発光性化合物が、式(1-A1)で表される化合物、式(1-A2)で表される化合物、式(1-A3)で表される化合物又は式(1-A4)で表される化合物である、請求項6に記載の組成物。
[化3]


[式中、M 、n 、n 、R 11A、R 12A、R 13A、R 21A、R 22A、R 23A、R 24A及びA -G -A は、前記と同じ意味を表す。]
[請求項8]
 前記燐光発光性化合物が、式(1-A3)で表される化合物であり、
 前記R 11Aが、置換基を有していてもよいアリール基である、請求項7に記載の組成物。
[請求項9]
 前記ホスト材料が、式(H-1)で表される化合物である、請求項1~8のいずれか一項に記載の組成物。
[化4]


[式中、
 Ar H1及びAr H2は、それぞれ独立に、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
 n H1及びn H2は、それぞれ独立に、0又は1を表す。n H1が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。複数存在するn H2は、同一でも異なっていてもよい。
 n H3は、0以上の整数を表す。
 L H1は、アリーレン基、2価の複素環基、又は、-[C(R H11]n H11-で表される基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。L H1が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
 n H11は、1以上10以下の整数を表す。R H11は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するR H11は、同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環を形成していてもよい。
 L H2は、-N(-L H21-R H21)-で表される基を表す。L H2が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
 L H21は、単結合、アリーレン基又は2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。R H21は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
[請求項10]
 正孔輸送材料、正孔注入材料、電子輸送材料、電子注入材料、発光材料、酸化防止剤及び溶媒からなる群より選ばれる少なくとも1種の材料をさらに含有する、請求項1~8のいずれか一項に記載の組成物。
[請求項11]
 式(1)で表される燐光発光性化合物であって、
 不純物として含まれる塩素原子の量が、前記燐光発光性化合物の全量に対して、15質量ppm以下である、燐光発光性化合物。
[化5]


[式中、
 M は、ロジウム原子、パラジウム原子、イリジウム原子又は白金原子を表す。
 n は1以上の整数を表し、n は0以上の整数を表し、n +n は2又は3である。M がロジウム原子又はイリジウム原子の場合、n +n は3であり、M がパラジウム原子又は白金原子の場合、n +n は2である。
 E 及びE は、それぞれ独立に、炭素原子又は窒素原子を表す。但し、E 及びE の少なくとも一方は炭素原子である。
 環R は、5員の芳香族複素環を表し、この環は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。環R が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
 環R は、芳香族炭化水素環又は芳香族複素環を表し、これらの環は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。環R が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
 環R が有していてもよい置換基と環R が有していてもよい置換基とは、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。
 A -G -A は、アニオン性の2座配位子を表す。A 及びA は、それぞれ独立に、炭素原子、酸素原子又は窒素原子を表し、これらの原子は環を構成する原子であってもよい。G は、単結合、又は、A 及びA とともに2座配位子を構成する原子団を表す。A -G -A が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
[請求項12]
 前記式(1)で表される燐光発光性化合物が、式(1-A)で表される化合物である、請求項11に記載の燐光発光性化合物。
[化6]


[式中、
 M 、n 、n 、E 及びA -G -A は、前記と同じ意味を表す。
 E 11A、E 12A、E 13A、E 21A、E 22A、E 23A及びE 24Aは、それぞれ独立に、窒素原子又は炭素原子を表す。E 11A、E 12A、E 13A、E 21A、E 22A、E 23A及びE 24Aが複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。E 11Aが窒素原子の場合、R 11Aは存在しても存在しなくてもよい。E 12Aが窒素原子の場合、R 12Aは存在しても存在しなくてもよい。E 13Aが窒素原子の場合、R 13Aは存在しても存在しなくてもよい。E 21Aが窒素原子の場合、R 21Aは存在しない。E 22Aが窒素原子の場合、R 22Aは存在しない。E 23Aが窒素原子の場合、R 23Aは存在しない。E 24Aが窒素原子の場合、R 24Aは存在しない。
 R 11A、R 12A、R 13A、R 21A、R 22A、R 23A及びR 24Aは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、置換アミノ基又はフッ素原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。R 11A、R 12A、R 13A、R 21A、R 22A、R 23A及びR 24Aが複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。R 11AとR 12A、R 12AとR 13A、R 11AとR 21A、R 21AとR 22A、R 22AとR 23A、及び、R 23AとR 24Aは、それぞれ結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。
 環R 1Aは、窒素原子、E 、E 11A、E 12A及びE 13Aで構成されるトリアゾール環又はジアゾール環を表す。
 環R 2Aは、2つの炭素原子、E 21A、E 22A、E 23A及びE 24Aで構成されるベンゼン環、ピリジン環又はピリミジン環を表す。]
[請求項13]
 前記燐光発光性化合物が、式(1-A1)で表される化合物、式(1-A2)で表される化合物、式(1-A3)で表される化合物又は式(1-A4)で表される化合物である、請求項12に記載の燐光発光性化合物。
[化7]


[式中、M 、n 、n 、R 11A、R 12A、R 13A、R 21A、R 22A、R 23A、R 24A及びA -G -A は、前記と同じ意味を表す。]
[請求項14]
 前記燐光発光性化合物が、式(1-A3)で表される化合物であり、
 前記R 11Aが、置換基を有していてもよいアリール基である、請求項13に記載の燐光発光性化合物。
[請求項15]
 前記不純物として含まれる塩素原子の量が、0.9質量ppm以下である、請求項11~14のいずれか一項に記載の燐光発光性化合物。
[請求項16]
 前記不純物として含まれる塩素原子の量が、0.01質量ppm以上12質量ppm以下である、請求項11~14のいずれか一項に記載の燐光発光性化合物。
[請求項17]
 前記不純物として含まれる塩素原子の量が、0.1質量ppm以上0.9質量ppm以下である、請求項15又は16に記載の燐光発光性化合物。
[請求項18]
 請求項1~10のいずれか一項に記載の組成物を含む有機層を備える、発光素子。
[請求項19]
 請求項11~17のいずれか一項に記載の燐光発光性化合物が配合された有機層を備える、発光素子。