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1. WO2017130409 - METHOD FOR IDENTIFYING TYPE OF OIL ADHERED TO PAPER

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明 細 書

発明の名称 紙に付着したオイルの種類を特定する方法

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

先行技術文献

特許文献

0004  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0005   0006   0007  

課題を解決するための手段

0008  

発明の効果

0009  

発明を実施するための形態

0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066  

実施例

0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087  

産業上の利用可能性

0088  

請求の範囲

1   2   3   4   5  

明 細 書

発明の名称 : 紙に付着したオイルの種類を特定する方法

技術分野

[0001]
 本発明は、紙に付着したオイルの種類を特定する方法に関する。

背景技術

[0002]
 従来、シガレットの巻紙に付着したオイルシミにおけるオイルの種類の特定は、ガスクロマトグラフを用いた分析法によって実施されている。また、シガレットの製造現場においては、一次スクリーニング方法としての蛍光顕微鏡を用いた観察によって、巻紙に付着した機械オイルと天然オイルとの判別が行われている。
[0003]
 油種識別方法としては、例えば、特許文献1において、識別対象の油であるサンプルに近赤外光を照射し、近赤外光の特定波長の吸光度を測定し、これにより得られたスペクトルを用いて3つの識別ステップを経ることによって、サンプルの油種をレギュラーガソリン、ハイオクタンガソリン、軽油および灯油の何れであるかを識別する方法が開示されている。

先行技術文献

特許文献

[0004]
特許文献1 : 日本国公開特許公報「特開2008-032694号公報(2008年2月14日公開)」

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0005]
 ガスクロマトグラフを用いて、紙に付着したオイルの種類を特定する場合、正確な特定が可能ではあるが、実施のために特別な設備および熟練技術を必要とする問題点があり、また、特定するまでに時間がかかるという問題点もある。そして、巻紙に付着したオイルを蛍光顕微鏡によって判別する方法においては、機械オイルの製造技術の向上により、機械オイルと天然オイルとの判別は困難となってきている。
[0006]
 また、特許文献1に記載の方法は、ガソリン類の種別を識別するための方法であり、また、油そのものに近赤外光を照射する方法であるため、シガレットの巻紙に付着したオイルを機械オイルおよび天然オイルの何れであるかを判別することはできない。
[0007]
 そこで、本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、経済的かつ効率的な手段によって、紙に付着したオイルの種類を平易に特定する方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

[0008]
 上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る特定方法は、紙に付着したオイルの種類を特定する方法であって、対象の紙に付着した特定対象のオイルに近赤外線を照射することによって、当該特定対象のオイルの近赤外スペクトルデータを取得する対象データ取得工程と、参照用スペクトルデータである、複数種のサンプルオイルの近赤外スペクトルデータを含むライブラリーを準備するライブラリー準備工程と、上記特定対象のオイルの近赤外スペクトルデータを、上記ライブラリー中の複数の上記参照用スペクトルデータと照合することによって、上記特定対象のオイルの種類を特定するオイル特定工程と、を含むことを特徴とする。

発明の効果

[0009]
 本発明に係る紙に付着したオイルの種類を特定する方法によれば、専用施設および熟練技術を必要とせず、短時間で平易に、オイルの種類を特定することができる。

発明を実施するための形態

[0010]
 本発明に係る特定方法の実施形態について説明すれば以下の通りである。
[0011]
 (概要)
 本発明に係る特定方法の一形態は、紙に付着したオイルの種類を特定する方法であって、対象の紙に付着した特定対象のオイルに近赤外線を照射することによって、当該特定対象のオイルの近赤外スペクトルデータを取得する対象データ取得工程と、参照用スペクトルデータである、複数種のサンプルオイルの近赤外スペクトルデータを含むライブラリーを準備するライブラリー準備工程と、特定対象のオイルの近赤外スペクトルデータを、ライブラリー中の複数の参照用スペクトルデータと照合することによって、特定対象のオイルの種類を特定するオイル特定工程と、を含む。
[0012]
 本発明に係る特定方法の一形態は、対象の紙に接触した可能性のある各サンプルオイルについての参照用スペクトルデータを、ライブラリーから選択するデータ選択工程をさらに含み、オイル特定工程では、サンプルオイルについては、データ選択工程で選択された参照用スペクトルデータと照合してもよい。
[0013]
 本発明に係る特定方法の一形態は、ライブラリー準備工程に先立って、紙に付着したサンプルオイルに近赤外線を照射することによって、参照用スペクトルデータを取得する参照用データ取得工程をさらに含んでもよい。
[0014]
 本発明に係る特定方法の一形態において、ライブラリーは、オリーブオイルの近赤外スペクトルデータ、および少なくとも1種類のオリーブオイル以外のオイルの近赤外スペクトルデータを含んでもよい。
[0015]
 本発明に係る特定方法の一形態において、上記ライブラリー準備工程は、上記複数種のサンプルオイルが付着した異なる種類の紙毎に、上記近赤外スペクトルデータを含むライブラリーを準備することを含み、上記オイル特定工程では、上記特定対象のオイルの近赤外スペクトルデータを、上記ライブラリー中の、上記対象の紙と同一種類の紙についての複数の上記参照用スペクトルデータと照合してもよい。
[0016]
 (対象データ取得工程)
 本発明の特定方法では、対象データ取得工程において、特定する対象である、紙に付着したオイルに近赤外線を照射して、当該オイルの近赤外スペクトルデータを取得する。特定対象のオイルとしては、工業的に用いられるオイル、および研究用に用いられるオイル等が挙げられる。特定対象のオイルの具体的な一例としては、オリーブオイル等の植物オイル、ならびに、合成炭化水素油、無機系オイル、エステルオイル、パラフィン、脂環式炭化水素油および植物油系オイル等のミネラルオイルが挙げられる。当該オイルが付着した紙(対象の紙)は、工業的に用いられる紙、研究用に用いられる紙等の種類の紙であり得る。対象の紙の具体的な一例としては、シガレットの巻紙、シガレットのチップペーパー、およびシガレットのパッケージ用紙等が挙げられる。
[0017]
 近赤外線スペクトルデータを取得するための手段としては分光測定機器等の近赤外線スペクトル測定機器が挙げられ、例えば、当該技術分野において一般的に用いられる分光測定機器を使用することができる。近赤外線スペクトルデータを取得する利用する際には、例えば、400nm~2500nmの範囲の任意の波長領域を照射することができ、一例において、近赤外線スペクトルデータに利用する近赤外線の波長領域は、1000nm~2500nmの波長であることが好ましく、1000nm~2450nmの波長であることがより好ましい。
[0018]
 取得した近赤外スペクトルデータは、例えば、近赤外線スペクトル測定機器またはこれに接続されたコンピュータに保存されてもよい。
[0019]
 (ライブラリー準備工程)
 本発明の特定方法では、ライブラリー準備工程において、参照用スペクトルデータである、複数種のサンプルオイルの近赤外スペクトルデータを含むライブラリーを準備する。ライブラリー準備工程は、オイル特定工程よりも前に行われるが、対象データ取得工程よりも前に行ってもよいし、対象データ取得工程よりも後に行ってもよい。
[0020]
 ライブラリー準備工程において、近赤外スペクトルデータは、既に測定されたスペクトルデータである。ライブラリー準備工程は、例えば、コンピュータ上で行うことができる。ライブラリー準備工程では、例えば、参照用スペクトルデータを近赤外線スペクトル測定機器からコンピュータへ取り込ませること、コンピュータまたは当該コンピュータに接続された機器に保存されている参照用スペクトルデータを所定のフォルダに収めること、インターネット回線等を介して参照用スペクトルデータを取得すること、参照用スペクトルデータを解析プログラム等に取り込み可能な状態とすること、参照用スペクトルデータを解析プログラム等に取り込ませること、参照用スペクトルデータを参照用スペクトルデータとして解析プログラム等に認識させること、および/または任意の参照用スペクトルデータを選択できる状態にすること等が行われ得る。
[0021]
 サンプルオイルとしては、工業的に用いられるオイル、および研究用に用いられるオイル等が挙げられる。特定対象のオイルの具体的な一例としては、オリーブオイル等の植物オイル、ならびに、合成炭化水素油、無機系オイル、エステルオイル、パラフィン、脂環式炭化水素油および植物油系オイル等のミネラルオイルが挙げられる。サンプルオイルの近赤外スペクトルデータは、紙に付着した状態で取得されたサンプルオイルの近赤外スペクトルデータであることが好ましい。当該紙は、工業的に用いられる紙、研究用に用いられる紙等の種類の紙であり得る。対象の紙の具体的な一例としては、シガレットの巻紙、シガレットのチップペーパー、およびシガレットのパッケージ用紙等が挙げられる。当該紙は、対象の紙と同じ種類の紙であることが好ましい。紙の種類が同じである場合には、紙に由来するスペクトルへの影響を抑えることができるため、より確実に特定対象のオイルの種類を特定することができる。なお、「紙の種類」とは、紙の使用目的の同異(例えば、シガレットの巻紙とシガレットのチップペーパー)だけでなく、素材や仕様の同異(例えば、亜麻製のシガレットの巻紙と木材製のシガレットの巻紙)等も包含し得る。
[0022]
 複数種のサンプルオイルの近赤外スペクトルデータは、それぞれ、後述する参照用データ取得工程において取得されたものであってもよいし、それ以外の手段により前もって取得されたものであってもよい。なお、本明細書において、ライブラリー準備工程における「複数種のサンプルオイルの近赤外スペクトルデータ」は、オイル特定工程において特定対象のオイルの近赤外スペクトルデータと照合され得るため、「参照用スペクトルデータ」ともいう。
[0023]
 ライブラリーは、参照用スペクトルデータを含んでいる。ライブラリーは、参照用スペクトルデータのみからなってもよいし、参照用スペクトルデータとそれ以外のデータとからなってもよい。それ以外のデータとしては、例えば、オイル以外の物質(例えば、水、香料、メンソール等)の近赤外スペクトルデータ、および何も付着していない紙の近赤外スペクトルデータ等が挙げられる。一例において、ライブラリーは、オリーブオイルの近赤外スペクトルデータ、およびオリーブオイル以外のオイルの近赤外スペクトルデータを含む。当該オリーブオイル以外のオイルとしては、工業的に用いられるオイル、研究用に用いられるオイル等の、オリーブ以外のオイルが挙げられる。当該オリーブ以外のオイルは、合成炭化水素油、無機系オイル、エステルオイル、パラフィン、脂環式炭化水素油および植物油系オイル等のミネラルオイルであり得る。
[0024]
 また、参照用スペクトルデータである近赤外スペクトルデータは、複数種のサンプルオイルについてのデータである。1種類のサンプルオイルについてのスペクトルデータは1つであってもよいし、複数であってもよい。1種類のサンプルオイルについて、複数(例えば200程度)のサンプルを取得して参照用スペクトルデータとした場合、判別時の判別率が向上する。また、ある1種類のサンプルオイルについて、1種類の紙に付着させて取得されたスペクトルデータのみが参照用スペクトルデータとして含まれていてもよいし、複数種の紙に付着させて取得された各スペクトルデータが参照用スペクトルデータとして含まれていてもよい。ある1種類のサンプルオイルについて複数種の紙に付着させて取得された各スペクトルデータが参照用スペクトルデータとして含まれている場合、各スペクトルデータは、サンプルオイルの種類とのみ関連付けられていてもよいし、サンプルオイルの種類および紙の種類の両方に関連付けられていてもよい。オイルの種類とのみ関連付けられている場合には、複数種の各紙におけるスペクトルデータは、1つの、当該オイルについてのスペクトルデータ群として含まれ得る。この場合、後述するオイル特定工程において、各スペクトルデータは一群のものとして照合され得る。
[0025]
 このように、複数種の各紙におけるスペクトルデータを、当該オイルについての1つのスペクトルデータ群である参照用スペクトルデータとしてライブラリーを作成すると、判別時に測定する紙の種類の影響を受けにくく、汎用性の高いライブラリーを作成することができる。
[0026]
 また、参照用スペクトルデータを紙の種類ごとに一群のものとして用意して、ライブラリーを作成してもよい。この場合、オイル特定工程において、特定対象の紙と同一種類の紙についての参照用スペクトルデータと照合することができるため、より迅速かつ精度よく特定対象のオイルの種類を特定し得る。
[0027]
 また、ある1種類のサンプルオイルとある1種類の紙との組み合わせについて、1つのスペクトルデータが参照用スペクトルデータとして含まれていてもよいし、複数のスペクトルデータが参照用スペクトルデータとして含まれていてもよい。複数のスペクトルデータが参照用スペクトルデータとして含まれている場合、各スペクトルデータは、1つの、当該オイルと当該紙との組み合わせについてのスペクトルデータ群として含まれ得る。この場合、後述するオイル特定工程において、各スペクトルデータは一群のものとして照合され得る。複数のスペクトルデータが参照用スペクトルデータとして含まれている場合、測定誤差を抑えることができるため、オイル特定工程における特定の精度を高めることができる。
[0028]
 また、参照用スペクトルデータは、測定の生データであってもよいし、任意の処理がなされたデータであってもよい。そのような処理としては、例えば、一次微分、二次微分、三次微分、四次微分、ベースライン補正、標準正規変量(Standard Normal Variate)処理等が挙げられ、参照用スペクトルデータは、このような処理がなされた後のスペクトルデータであり得る。このような処理によって、照合における計算処理が簡単になり、より迅速に特定対象のオイルの種類を特定し得る。あるいは、サンプルオイル以外の物質による影響等の低減された参照用スペクトルデータを取得することができ、より高い精度で特定対象のオイルの種類を特定し得る。
[0029]
 (オイル特定工程)
 本発明の特定方法では、オイル特定工程において、対象データ取得工程で取得した特定対象のオイルの近赤外スペクトルデータを、ライブラリー準備工程で準備したライブラリー中の複数の参照用スペクトルデータと照合することによって、特定対象のオイルの種類を特定する。
[0030]
 オイル特定工程において照合される参照用スペクトルデータは、ライブラリー中の全ての参照用スペクトルデータであってもよいし、一部の参照用スペクトルデータであってもよい。
[0031]
 照合する方法としては、例えば、スペクトルどうしを比較する際に従来用いられている方法が挙げられる。照合は、例えば、コンピュータ上で、スペクトル照合用のソフトウエア(解析プログラム)を用いて行うことができる。照合する方法の例としては、波長による相関法、波長による最大距離法、主成分空間におけるマハラノビス距離、または成分空間における残差分散等、を用いて照合する方法がある。
[0032]
 また、照合する際に、スペクトルデータに対し任意の処理を行ってもよい。そのような処理としては、例えば、一次微分、二次微分、三次微分、四次微分、ベースライン補正、標準正規変量(Standard Normal Variate)処理等が挙げられる。
[0033]
 また、照合した結果として、特定対象のオイルのスペクトルデータと参照用スペクトルデータとの類似の度合を、照合率(類似度)として数値化してもよい。そして、この照合率を、特定対象のオイルの種類を特定する際の基準として用いてもよい。すなわち、照合率が最も高い参照用スペクトルデータのサンプルオイルの種類を、特定対象のオイルの種類と同じであるとみなし、特定対象のオイルの種類を特定する。
[0034]
 また、照合率にしきい値を設けてもよい。例えば、特定対象のオイルのスペクトルデータと、それぞれのオイルの種類ごとの参照用スペクトルデータとを照合し、これの結果の各々の照合率のうちで、特定対象のオイルと最も類似していると判断された照合率を評価する場合、予めしきい値を設けておき、当該照合率が当該しきい値よりも低い場合は、本発明の方法による特定結果を、信頼性が低いものとして判断し、従来の他の特定方法を用いて、再度、特定対象のオイルの種類を特定する作業を行ってもよい。つまり、紙に付着した未判明のオイルが発生した場合に、本発明の特定方法を、最初の段階における特定方法として好適に用いることができる。
[0035]
 1種類のサンプルオイルについて複数のスペクトルデータが上述のように1つのスペクトルデータ群として含まれている場合、各スペクトルデータは一群のものとして照合されてもよい。この場合、当該複数のスペクトルデータに対する照合結果は1つとなる。例えば、複数のスペクトルデータのそれぞれの照合率の平均をスペクトルデータ群の照合率として算出する、あるいは、当該複数のスペクトルデータを平均化した後にスペクトルデータと特定対象のオイルのスペクトルデータとを比較する等により行い得る。
[0036]
 また、複数種のサンプルオイルのスペクトルデータを一群のものとして照合してもよい。例えば、オリーブオイルとそれ以外のオイルとの判別することが好ましい場合において、オリーブオイルのスペクトルデータ、およびオリーブオイル以外の複数種のサンプルオイルのスペクトルデータ群と照合し、特定対象のオイルの種類の特定結果として、オリーブオイルであるか、またはオリーブオイル以外のオイルであるとの特定がなされてもよい。
[0037]
 また、照合する際に、特定対象のオイルのスペクトルと全てのサンプルオイルのスペクトルとで差異のない波長領域については、照合の対象から外してもよい。これにより、オイルに由来すると考えられる波長のみを比較することができるため、特定の精度を高めることができる。
[0038]
 また、何も付着していない紙の近赤外スペクトルデータ、および/または、オイル以外の物質(例えば、水、香料、メンソール等)の近赤外スペクトルデータとも照合してもよい。これらの照合率がサンプルオイルよりも高い場合には、特定対象のオイルは、オイルではなく、オイル以外の物質であると特定され得る。
[0039]
 上述の各々の工程を経る本発明の特定方法は、近赤外線分光法を用いているため、紙に付着したオイルの種類を、短時間で平易に特定することができるという効果を有する。また、当該方法は、既存の近赤外線スペクトル測定機器を用い得るため、専用施設および熟練技術を必要としないという利点を有する。
[0040]
 (データ選択工程)
 一実施形態において、本発明に係る特定方法は、対象の紙に接触した可能性のある各サンプルオイルについての参照用スペクトルデータを、ライブラリーから選択するデータ選択工程をさらに含み、オイル特定工程では、サンプルオイルについては、データ選択工程で選択された参照用スペクトルデータと照合する。データ選択工程は、ライブラリー準備工程よりも後に行われる。
[0041]
 ここで、本実施形態における「対象の紙に接触した可能性のある各サンプルオイル」とは、例えば、対象の紙およびサンプルオイルと同種のオイルが、同一の特定の工場または研究所等の施設における、同一の特定の製造ラインまたは設備等で用いられており、対象の紙に接触した可能性が、他のサンプルオイルよりも高いと想定される複数種のサンプルオイルを意味する。なお、ここにおける特定の製造ラインの例としては、巻上機および包装機等が挙げられる。しかし、本発明において、「対象の紙に接触した可能性のあるサンプルオイル」は、これらの例に限定されるものではなく、上記可能性の判断は、いかなる条件において行ってもよいし、何を想定して行ってもよい。
[0042]
 データ選択工程では、対象の紙と同一の種類の紙に付着した状態で取得されたサンプルオイルの近赤外スペクトルデータをライブラリーから選択することが好ましい。紙の種類が同じである場合には、紙に由来するスペクトルへの影響を抑えることができるため、より確実に特定対象のオイルの種類を特定することができる。
[0043]
 一例において、銘柄、巻上機および包装機で利用され得るオイルの参照用スペクトルデータを、それぞれ、銘柄、巻上機および包装機ごとに所定のフォルダに予め準備し、ライブラリーこれらのフォルダをとしてもよい。
[0044]
 データ選択工程は、例えば、コンピュータ上で行うことができる。データ選択工程では、例えば、対象の紙に接触した可能性のある各サンプルオイルについての参照用スペクトルデータのみを、所定のフォルダに収めること、解析プログラム等に取り込み可能な状態とすること、解析プログラム等に取り込ませること、および/または照合すべき参照用スペクトルデータとして解析プログラム等に認識させること等が行われ得る。
[0045]
 本実施形態において、サンプルオイルについては、データ選択工程でライブラリーから選択した、対象の紙に接触した可能性のある各サンプルオイルについての参照用スペクトルデータと、特定対象のオイルの近赤外スペクトルデータとを、上述のオイル特定工程において照合する。
[0046]
 本実施形態における特定方法では、可能性のあるオイルの種類を限定することができるため、特定対象のオイルをより正確に特定する可能性が高くなる。また、オイル特定工程において照合するスペクトルデータの数が少なくなるため、より迅速に特定することができる。
[0047]
 (参照用データ取得工程)
 一実施形態において、本発明に係る特定方法は、ライブラリー準備工程に先立って、紙に付着したサンプルオイルに近赤外線を照射することによって、参照用スペクトルデータを取得する参照用データ取得工程をさらに含む。
[0048]
 参照用データ取得工程の具体的な例として、まず、複数種のサンプルオイルを、各々、複数の紙に付着させ、試料を作成する。サンプルオイルを紙に付着させる方法としては、紙における必要な部分に、必要なサンプルオイルの量を付着し得る方法であることが好ましい。具体的には、絵筆を用いてサンプルオイルを紙に付着させる方法、および、スポイトでサンプルオイルを吸入し、紙に垂らす方法等がある。当該紙およびサンプルオイルについては、ライブラリー準備工程で述べたとおりである。
[0049]
 近赤外線スペクトルデータの取得は、例えば、上述の対象データ取得工程と同様の方法を用いることができる。測定条件は同じにすることが好ましい。
[0050]
 本実施形態において、近赤外線が照射される紙は、1種類のオイルに対して、1種類の紙でもよく、複数種類の紙であってもよい。1種類のオイルに対して、1種類の紙を用いる場合、付着させるそれぞれのサンプルオイルとの組み合わせが少ないため、より多くの試料からスペクトルデータを得ることができ、より照合に適した参照用スペクトルデータを取得することができる。また、複数種類の紙を用いる場合は、各々の紙の種類ごとに分類された参照用スペクトルデータを作成することができ、対象の紙と同一種類の紙に付着したサンプルオイルの近赤外スペクトルデータを用いて照合することによって、特定対象のオイルの種類の特定の精度を高めることができる。
[0051]
 また、本実施形態において、何も付着していない紙、および/または、オイル以外の物質に近赤外線を照射することによって、参照用スペクトルデータを取得してもよい。オイル以外の物質は紙に付着させることが好ましい。これにより得られた参照用スペクトルデータを用い、紙によるスペクトルへの影響を把握することによって、一部の波長領域を、照合対象の波長領域から除外することもできる。または、当該参照用スペクトルデータを用いることによって、オイル以外の物質を特定することもできる。
[0052]
 なお、より照合に適した参照用スペクトルデータを得るために、参照用スペクトルデータを構成するスペクトルデータは、種々の条件において得られたデータであることが好ましい。例えば、同一の紙であって、かつ同一のオイルを用いた場合であっても、紙の模様、紙に付着したオイルまたは物質の形または向き等により、それぞれのスペクトル間で差異が生じ得るため、紙の向きを変える手段等により、種々の方向から近赤外線を紙に照射して、種々の条件のスペクトルデータを取得することが好ましい。
[0053]
 また、当該参照用スペクトルデータを構成するために必要なスペクトルの選別は、特定対象のオイルのスペクトルの特徴に従って、適宜、実施されてもよい。例えば、特定対象のオイルのスペクトルとサンプルオイルのスペクトルとで差異のない波長領域を削除すること等を実施し得る。また、特定のサンプルオイルの複数のスペクトルの間でばらつきが大きい場合、異常値(アウトライア)のしきい値を狭く設定することにより、照合に適当ではないスペクトルを除外してもよい。
[0054]
 参照用データ取得工程において取得した近赤外スペクトルデータは、例えば、近赤外線スペクトル測定機器またはこれに接続されたコンピュータに保存されてもよい。
[0055]
 本実施形態において、ライブラリー準備工程に先立って、参照用データ取得工程を経ることにより、特定対象のオイルの近赤外スペクトルデータと照合するための、より多くの参照用スペクトルデータを取得できるため、特定対象のオイルと同一のオイルの参照用スペクトルデータを含んでいる可能性の高いライブラリーを作成でき、特定対象のオイルを正しく特定できる可能性がより高まる。
[0056]
 (本発明の使用例)
 本発明の使用例としては、シガレットの巻紙に付着した未判明のオイルの特定が挙げられる。本使用例において、対象の紙はシガレットの巻紙であり、対象の紙に付着した特定対象のオイルは、シガレットの製造時において巻紙に付着したオイルである。
[0057]
 シガレットの製造過程においては、シガレットを切断するときに使用される切断器具にオリーブオイルが塗布されている。巻紙に付着したオイルが、当該オリーブオイルであれば製品品質には影響は小さいが、製品品質に少なからず影響を与える可能性のある他の種類のオイル(例えば、機械オイル)が付着している可能性もある。そのため、オリーブオイルと、それ以外の種類のオイルとを判別する必要性がある。
[0058]
 以下に本発明の使用例として、あるシガレット製造工場においてシガレットの巻紙に付着したオイルを特定する方法を詳細に説明する。
[0059]
 このシガレット製造工場では、以下のように、複数の製造ライン1~4において、互いに異なる銘柄のシガレットを製造している。製造ライン1~4では、1種類のオリーブオイルと3種類の機械オイル(ミネラルオイル)をそれぞれ使用しているが、オリーブオイルの種類および機械オイルの種類の組み合わせが異なっている。
[0060]
  製造ライン1:A銘柄、オリーブオイルO1、機械オイルM1、M2、M3、巻紙a
  製造ライン2:B銘柄、オリーブオイルO2、機械オイルM1、M2、M7、巻紙b
  製造ライン3:C銘柄、オリーブオイルO2、機械オイルM2、M5、M6、巻紙c
  製造ライン4:D銘柄、オリーブオイルO3、機械オイルM4、M5、M7、巻紙d
 まず、事前に、製造ライン1~4で使用されている全てのオイルについての近赤外スペクトルデータを取得し(参照用データ取得工程)、これらの近赤外スペクトルデータを含むライブラリーを準備する(ライブラリー準備工程)。すなわち、サンプルオイルとしてオリーブオイルO1~O4および機械オイルM1~M7をそれぞれ任意のシガレットに付着させ、巻紙をシガレットから剥がし、紙に付着したそれぞれのサンプルオイルに近赤外線を照射することによって、近赤外スペクトルデータ(参照用スペクトルデータ)を取得する。また、別途、巻紙に何も付着していないシガレット(ブランク)、巻紙に水を付着させたシガレット、および巻紙にメンソールを付着させたシガレットを用意し、同様に近赤外スペクトルデータを取得してもよい。これらの近赤外スペクトルデータ(参照用スペクトルデータ、ブランク、水、およびメンソール)を、コンピュータ上に保存しておく。下記で説明するが、参照用データ取得工程を前もって実施することにより、未判明のオイルが付着した巻紙のシガレットが生じた場合、当該オイルの種類と同一である可能性が高いオイルの参照用スペクトルデータを迅速に用意することができる。
[0061]
 ここで、製造ライン2において、巻紙にオイルのような物質が付着しているシガレットが発見されたとする。この場合、当該物質を特定対象のオイルとして、これに近赤外線を照射し、近赤外スペクトルデータを取得する(対象データ取得工程)。
[0062]
 また、コンピュータ上に保存してある上記近赤外スペクトルデータから、任意の参照用スペクトルデータを選択できる状態にする(ライブラリー準備工程)。ここで、製造ライン2では、オリーブオイルO2および機械オイルM1、M2、M7以外のオイルは使用していないため、シガレットの巻紙に付着しているオイルは、オリーブオイルO2および機械オイルM1、M2、M7の何れかである可能性が高い。そのため、オリーブオイルO2および機械オイルM1、M2、M7を、対象の紙に接触した可能性のあるオイルとして、上記ライブラリーから当該サンプルオイルの参照用スペクトルデータを選択する(データ選択工程)。対象データ取得工程とライブラリー準備工程およびデータ選択工程とは、どちらを先に行ってもよい。
[0063]
 次に、特定対象のオイルの近赤外スペクトルデータを、上記のように選択された各々のサンプルオイルの参照用スペクトルデータと照合することによって、特定対象のオイルの種類を特定する(オイル特定工程)。このとき、ブランク、水、およびメンソールについての近赤外スペクトルデータとも照合してもよい。具体的には、各々の照合率を求める。例えば、当該照合率のうちで機械オイルM7の近赤外スペクトルデータが最も高かった場合には、特定対象のオイルの種類は機械オイルM7であると特定される。
[0064]
 もし、当該照合率が、上記で説明したしきい値よりも低い場合には、次の工程として、従来技術の特定方法を用いることもできる。
[0065]
 なお、本発明の特定方法は、本使用例に限定されるものではない。
[0066]
 本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
実施例
[0067]
 以下、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[0068]
 〔実施例1〕
 実施例1においては、オイルの種類を特定する実験を説明する。
[0069]
 実施例1では、1種類のオリーブオイルおよび7種類のミネラルオイルの合計8種類のオイルを用いた。これらのオイルを、それぞれ、オイル1種類当たり220本の同一種類のシガレットに塗布し、塗布後にシガレットから巻紙を採取した。これらの巻紙を、オイルシミが中心にくるように1辺2cm程度の正方形に切り取って、分析用の試料とした。また、ブランクとして、オイルを塗布していない巻紙の試料も、同様に、220個準備した。表1は、これらの試料の一覧表である。O2のオイルはオリーブオイルであり、M2~M8のオイルはミネラルオイルである。
[0070]
[表1]


[0071]
 これら試料の近赤外線スペクトルを、NIR分析装置(Foss NIRECO XDS Rapid Content Analyzer XM-1100 Series(株式会社ニレコ販売))を用いて測定した。
[0072]
 それぞれの試料によって得られた各々220個のスペクトルのうち、ランダムな200個のスペクトルを、ライブラリーを作成するためのデータとして用いて、上記のNIR分析装置に内蔵されたオペレーションソフトウエア(VISION Version 3.5.0.0 Service Pack 6(株式会社ニレコ販売))上で、それぞれの試料の種類ごとに、下記のようにサンプル選択を行った。メソッドとして、主成分分析空間におけるマハラノビス距離、数式として、標準正規変量(Standard Normal Variate)処理、二次微分のセグメントを30nm、ギャップを0nm、波長領域を1000~2450nmに設定してサンプル選択をし、また、同時にこれらのデータのアウトライア(しきい値0.02(Much value))を検出した。そして、選択されたサンプルは、ライブラリーに保存した。上記の設定に関して、波長領域については、400nm~1000nmの領域の波長は、試料の種類に依存せず一定波長であったため、巻紙によるものと判断して削除した。二次微分のセグメントに関しては、O2オイルのスペクトルが、M2オイルのスペクトルと類似性が高かったため、セグメントを粗く設定することで判別しやすくした。また、O2オイル、M6オイルおよびM7オイルのスペクトルにおいて、サンプル間のばらつきが大きかったため、アウトライアのしきい値を狭く設定することで各サンプルの主成分空間を細かくし、他空間とのかぶりを極小化させた。主成分空間は、累積で99%までとった。
[0073]
 そして、上記と同じオペレーションソフトウエア上で、メソッドとして、波長による最大距離法、数式として、標準正規変量(Standard Normal Variate)処理、二次微分のセグメントを30nm、ギャップを0nm、波長領域を1000~2450nm、判別しきい値3.3、スペクトル安定化定数0.3に設定し、上記のライブラリーを用いて、試料の種類ごとに、同定確認方法を作成した。
[0074]
 上述のスペクトルの残りの20個の試料を特定対象の試料とし、上記の同定確認方法を用いて、試料の種類ごとに同定確認を行った。表2は、試料の種類ごとの同定確認の結果、および試料の種類の特定結果である。
[0075]
[表2]


[0076]


[0077]


[0078]
 Sample IDは、試料の巻紙の種類(例えば、P2)、試料のオイルの種類(例えば、M2)、試料別の番号を示している。ID asは、自動判別による特定結果を示す。自動判別の欄にあるID resultは、特定対象の試料とライブラリーの各試料との類似性を計算した際の、得られた計算値が最も低いライブラリーの試料における当該計算値を示している。なお、当該計算値が低いほど、類似性が高いことを意味し、この最も低い値が下記で説明するしきい値よりも低い場合、この最も低い値を示した計算値の試料の種類が、ID asにおいて結果として示されている。自動判別の欄にあるP/Fは、設定したしきい値(3.3)に対しての合否判定であり、ID resultに示された値が当該しきい値よりも低く、かつ、上述の計算値のうちでID resultに示された値のみが当該しきい値よりも低い場合において、合格と示した。また、ID resultに示された値が、当該しきい値以上である場合は不合格と示し、上述の計算値のうちの2つ以上の計算値が、当該しきい値未満である場合は、識別不能と示した。これらのID resultおよびP/Fは、上述のソフトウエア上で機械的に導出したものである(自動確認)。手動確認の欄にある、それぞれの試料の種類に対応する値は、それぞれの同定確認方法によって得られた計算値を示す。上述のID resultおよびP/Fで特定対象の試料の種類を特定できなかった場合は、これらの値を比較して最も低い値を示した計算値を選択し、特定対象の試料の種類を特定した(手動確認)。最終判定は、これらの結果を示し、自動確認または手動確認によって種類を正しく特定できた場合は合格と示し、自動確認および手動確認によって種類を正しく特定できなかった場合は不合格と示した。特定対象の試料は、試料の種類ごとに20個あり、このうちで試料の種類を正しく特定でき、合格とした割合を判別率とした。
[0079]
 表2に示されるように、M5オイル以外の種類の試料の判別率は、95%以上であった。なお、M5オイルの判定ミスのすべては、M3オイルと判定したことによるものであった。また、オリーブオイルとその他のオイルとの判別に関しては、確実に行うことができた。
[0080]
 〔実施例2〕
 実施例2においては、オリーブオイルとそれ以外のオイルとを判別する実験を説明する。
[0081]
 複数種の巻紙、ならびに当該巻紙に塗布するオイルとして1種類のオリーブオイルおよび1種類のミネラルオイルを用いた試料を、ライブラリー作成用の試料および特定対象の試料として使用して、実施例1と同様の設定条件のもとで同様の実験を行った。表3は、使用した巻紙および使用したオイルの一覧表である。表4は、試料の種類ごとの同定確認の結果、および試料の種類の特定結果を示す。Sample IDの各々の項目は、試料の巻紙の種類(例えば、P7)、試料のオイルの種類(例えば、オリーブオイル:記号O1)を意味し、これらの後にある数値は、同じ種類の巻紙と同じ種類のオイルの試料とを用いた3回の測定を意味する。他の項目に関しては、表2と同様である。
[0082]
 また、同様に香料を用いた試料を作製し、当該香料のスペクトルデータを、上記オリーブオイル、上記ミネラルオイルのスペクトルデータ、およびブランクのスペクトルデータと照合した。また、何も付着していない巻紙(ブランク)についても、スペクトルデータを、上記オリーブオイル、上記ミネラルオイルのスペクトルデータ、およびブランクのスペクトルデータと照合した。結果は表4に示されている。
[0083]
[表3]


[0084]
 表3に示されるように、P1~P4の巻紙の素材は、亜麻であり、それぞれメーカーおよびスペックが異なるものである。P5~P7の巻紙の素材は、木材パルプであり、メーカーは同じであるが、スペックが異なるものである。P8の巻紙の素材は、木材9割、亜麻1割のパルプ紙であり、表面に香料が塗布されている(付香)。P9の巻紙の素材は、亜麻パルプであり、表面に香料が塗布されている。また、O1のオイルの種類は、オリーブオイルであり、M1のオイルの種類は、鉱物油(ミネラルオイル)である。
[0085]
[表4]


[0086]


[0087]
 表4に示されるとおり、オリーブオイルとミネラルオイルとの判別を確実に行うことができた。また、香料およびブランクが特定対象の試料である場合であっても、高い割合で、オリーブオイルおよびミネラルオイルではないと判定することができた。

産業上の利用可能性

[0088]
 本発明は、紙に付着したオイルの種類を特定する必要のある分野において好適に用いることができる。

請求の範囲

[請求項1]
 紙に付着したオイルの種類を特定する方法であって、
 対象の紙に付着した特定対象のオイルに近赤外線を照射することによって、当該特定対象のオイルの近赤外スペクトルデータを取得する対象データ取得工程と、
 参照用スペクトルデータである、複数種のサンプルオイルの近赤外スペクトルデータを含むライブラリーを準備するライブラリー準備工程と、
 上記特定対象のオイルの近赤外スペクトルデータを、上記ライブラリー中の複数の上記参照用スペクトルデータと照合することによって、上記特定対象のオイルの種類を特定するオイル特定工程と、を含むことを特徴とする特定方法。
[請求項2]
 上記対象の紙に接触した可能性のある各サンプルオイルについての上記参照用スペクトルデータを、上記ライブラリーから選択するデータ選択工程をさらに含み、
 上記オイル特定工程では、サンプルオイルについては、上記データ選択工程で選択された上記参照用スペクトルデータと照合することを特徴とする請求項1に記載の特定方法。
[請求項3]
 上記ライブラリー準備工程に先立って、紙に付着した上記サンプルオイルに近赤外線を照射することによって、上記参照用スペクトルデータを取得する参照用データ取得工程をさらに含むことを特徴とする請求項1または2に記載の特定方法。
[請求項4]
 上記ライブラリーは、オリーブオイルの近赤外スペクトルデータ、および少なくとも1種類のオリーブオイル以外のオイルの近赤外スペクトルデータを含むことを特徴とする請求項1~3の何れか一項に記載の特定方法。
[請求項5]
 上記ライブラリー準備工程では、参照用スペクトルデータを紙の種類ごとに一群のものとして用意し、上記オイル特定工程では、上記特定対象のオイルの近赤外スペクトルデータを、上記ライブラリー中の、上記対象の紙と同一種類の紙についての複数の上記参照用スペクトルデータと照合することを特徴とする請求項1~4の何れか一項に記載の特定方法。