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1. WO2017130336 - HAND DRYER

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明 細 書

発明の名称 手乾燥装置

技術分野

0001  

背景技術

0002  

先行技術文献

特許文献

0003  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0004   0005   0006  

課題を解決するための手段

0007  

図面の簡単な説明

0008  

発明を実施するための形態

0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049  

符号の説明

0050  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15  

明 細 書

発明の名称 : 手乾燥装置

技術分野

[0001]
 本発明は、手乾燥装置に係り、特にユーザの手を検知して作動する手乾燥装置に関する。

背景技術

[0002]
 従来、手乾燥装置すなわちハンドドライヤの一つに、特許文献1に記載されているように、凹状に形成された乾燥室と、乾燥室を形成するそれぞれの面から空気を噴射するノズル部と、乾燥室の入口付近に配置され乾燥室への手の出入りを検知する手検知部と、ノズル部から噴出する空気を送出するファンモータとを備えた技術が開示されている。この手乾燥装置では、手検知部が手の挿入を検知した場合にファンモータを動作させノズル部から空気を噴出させ、手検知部が手の抜き出しを検知した場合にファンモータの動作を止めるという制御がなされる。

先行技術文献

特許文献

[0003]
特許文献1 : 特開2010-279458号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0004]
 しかしながら、上記従来の技術によれば、手検知部が手を検知してから手が乾燥室に充分挿入される前にファンモータを動作させてノズル部から空気を噴出してしまうと、ノズル部より外側の手に付着した水が使用者の顔に向かって飛散してしまう。このため、通常は手検知部が手を検知してから、あらかじめ決められた遅延時間後にファンモータを動作させ、手首付近まで充分に乾燥室に挿入されてからノズル部から空気が噴出するようにしている。しかしながら、乾燥室への手の挿入速度は使用者によって差がある。このため、手の挿入速度が速い人は挿入が完了しても遅延時間が終了するまでノズル部から空気が噴出しないため使い勝手が悪く、また、手の挿入速度が遅い人は遅延時間が終了する前に手を充分挿入できていない場合もあり、挿入途中でノズル部から空気が噴出され顔などへ水滴が飛散してしまうという問題があった。
[0005]
 また、手を乾燥室から取り出す場合も、手検知部が手のないことを検知してからあらかじめ決められた遅延時間後にファンモータの動作を停止させて充分に手が乾燥室から抜かれた後でファンモータの動作を停止させている。この場合も、手を抜く時の速度が速い人では手が充分に抜き出されてもファンモータが停止するまでに遅延時間が未だ多く残っているため停止までに時間がかかる。また、乾燥が不十分で、再度手を挿入して乾燥させたい場合、あるいは使用中のユーザの後ろで使用終了を並んで待っていた別のユーザが手を入れようとしてもまだ動作しているので停止するまで待たなければならない。また、手を抜く時の速度が遅い人では、充分に手を抜き出す前に遅延時間が終了し、ファンモータが停止してしまうという問題もあった。
[0006]
 本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、運転立ち上り時間および停止遅延時間を自動的に調整可能な手乾燥装置を得ることを目的とする。

課題を解決するための手段

[0007]
 上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、外郭を形成する本体ケーシングに設けられた手挿入部と、手挿入部に設けられ空気流を噴出させるノズルと、手挿入部に挿入される手を連続的に検知する手検知部と、本体ケーシングに収納されノズルから空気流を噴出させる気流を発生させる送風部と、手検知部からの検知結果に応じて送風部の運転を制御する制御部と、を備える。制御部は、手検知部からの検出信号により、手挿入部に挿抜される手の速度を算出し、算出した速度に基づき、手挿入部への挿抜から、送風部を起動あるいは停止するまでの遅延時間を調整することを特徴とする。

図面の簡単な説明

[0008]
[図1] 実施の形態1に係る手乾燥装置の機能構成を示すブロック図
[図2] 手乾燥装置を示す斜視図
[図3] 実施の形態1の手乾燥装置に対して左右方向に平行に延びる鉛直断面から見た断面図
[図4] 実施の形態1の手乾燥装置に対して前後方向に平行に延びる鉛直断面から見た断面図
[図5] 実施の形態1で用いられる手検知センサの原理説明図
[図6] 実施の形態1で用いられる手検知センサの原理説明図
[図7] 実施の形態1で用いられる手検知センサの回路構成を示す図
[図8] 実施の形態1で用いられる手検知センサの出力について連続的に算出された移動平均値をプロットしたグラフ
[図9] 実施の形態2で用いられる手乾燥装置に対して左右方向に平行に延びる鉛直断面から見た断面図
[図10] 実施の形態2で用いられる手乾燥装置に対して前後方向に平行に延びる鉛直断面から見た断面図
[図11] 実施の形態2で用いられる手検知センサの出力をプロットしたグラフ
[図12] 実施の形態2で用いられる手検知センサにおける和信号差信号とをプロットしたグラフ
[図13] 実施の形態2で用いられる手検知センサにおける和信号差信号と到達時間との関係を示すグラフ
[図14] 実施の形態2で用いられる手検知センサにおける和信号差信号と到達時間との関係を示すグラフ
[図15] 実施の形態3の手乾燥装置に対して前後方向に平行に延びる鉛直断面から見た断面図

発明を実施するための形態

[0009]
 以下に、本発明の実施の形態にかかる手乾燥装置を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。また、以下に示す図面においては、理解の容易のため各層あるいは各部材の縮尺が現実と異なる場合があり、各図面間においても同様である。また、断面図であっても、図面を見易くするためにハッチングを付さない場合がある。
[0010]
実施の形態1.
 図1は、実施の形態1に係る手乾燥装置1であるハンドドライヤの機能構成を示すブロック図、図2は、手乾燥装置を示す斜視図、図3および図4は、手乾燥装置1に対して左右方向および前後方向に平行に延びる鉛直断面から見た断面図である。図3は、図4のA-A方向から見た図に相当する図であるが、手乾燥装置1の外郭を構成する筐体10は、ユーザに対して前後方向に配置された前方張出部である前方フランジ10FFおよび後方張出部である後方フランジ10RFを有し、その間に手挿入部11が形成されている。筐体10は直方体形状を呈する。以下の説明において、図2に示すX軸に沿った正の方向を前方、負の方向を後方とする前後方向で説明し、Y軸に沿った正の方向を右方、負の方向を左方とする左右方向で説明し、Z軸に沿った正の方向を下方、負の方向を上方とする上下方向で説明する。
[0011]
 手乾燥装置1は、図1に機能構成を示すように、手挿入部11内にユーザの手が挿入されたか否かを検知するための手検知部としての静電容量式の手検知センサ20と、手検知センサ20の出力に基づき、送風部40のオンオフを初めとする送風制御を行う制御部30と手挿入部11内に挿入されたユーザの濡れた手を乾燥させるための乾燥風を生成するための送風モータ41を含む送風部40とを有する。また手乾燥装置1は、さらに制御部30に制御されたヒータ50と、制御部30への操作信号を出力するための操作部60とを具備し、電源70に接続され、電源回路80を介して制御部30に供給される電力によって電源供給がなされる。図1中、10は手乾燥装置筐体を示している。手乾燥装置1は、手挿入部11内にユーザの手があることを手検知センサ20が検出した場合、制御部30からの制御信号に応じて、送風口12から風が噴射され、ユーザの手に付着している水分を吹き飛ばすように動作する。
[0012]
 電源回路80は、商用電源として入力される電源70から、回路を動作させるための制御電源を生成し、制御部30に出力する。なお、電源回路80に入力される電源は、交流電源ではなく直流電源であっても良い。例えば、電源回路80には、商用電源の代わりに、太陽光発電システムあるいは蓄電池から直流電源が入力されるようにしても良い。なお、電源回路80に直流電源を入力する場合には、電源回路80は、入力される直流電源を降圧又は昇圧して制御電源を生成するように回路を構成すれば良い。手検知センサ20は、手挿入部11に人の手が挿入された場合に検出信号を制御部30へ出力する。制御部30は、手検知センサ20から検出信号が入力された場合に手挿入部11にユーザの手が挿入されたと判定し、送風部40の送風モータ41を動作させて送風口12に風を送る。
[0013]
 操作部60に対する操作に応じて制御部30が手乾燥装置1の運転モードを変更する。操作部60は、図2の上部に設けられた本体表示部14Mに設けられる。また下部には、ドレン表示部14Dが設けられている。なお操作部60の設置位置は必ずしも本体表示部14Mに限定されるものではなく、他の場所に配置してもよい。ここで、運転モードとは、風量調整あるいはヒータ50のオンオフなどである。すなわち、制御部30は、記憶部31とCPUを備えた演算部32を備え、操作部60に対する操作に応じて、送風モータ41により駆動されるファンによって送風口12へ送られる風の風量を設定するとともにヒータ50のオンオフを設定する。ヒータ50を入に設定した場合には、送風モータ41により駆動されるファンによって送風部40から送風口12へ送られる空気をヒータ50で加熱し、温風として送風口12から吹き出させる。なお、記憶部31は手検知センサ20からの検出信号を記憶し、演算部32は手検知センサ20からの検出信号に基づき、送風部40の駆動およびヒータ50を制御するための演算あるいは指示信号の出力を行う。また、送風口12は、前面側と背面側とに送風口12a,12bとして配されている。13は手から吹き飛ばされた水分を収納するためのドレン容器、13Sはドレン容器内の水位を検出するための電極板である。
[0014]
 静電容量検出型近接センサすなわち静電容量式の手検知センサ20は、人体などによって起こる静電容量の変化を計測して物体すなわち被検出体の接近を検出する。静電容量検出式の手検知センサは大きく2種類の方式に大別できる。
[0015]
 第1の方式に基づく手検知センサ20の、動作原理図を図5および図6に示す。検出用電極である電極に、大地に対して+の電圧を加えたとすると、電極には+の電荷が生じ、電極と大地間に電界が生成される。この電界中に物体が存在すると静電誘導を受けて、電極に近い側に電極と異種の-の電荷が現れ、反対側には+の電荷が現れる、分極現象が生じる。物体が電極から遠く離れていれば電界は弱いので分極も小さいが、電極に接近するにしたがって電界は強くなり、分極も大きくなる。そして物体に生じた電界の誘導を受けて電極側の+電荷は増加する。従ってC=Q/Vより、電荷Qが増加することは、電極の静電容量Cが増加することになる。電極容量が最も大きく変化するものは図6に示すように接地された導体であるが、これは電極に引き寄せられる電荷とは反対の電荷が大地へ流れるために、検出用電極22と導体間の電界が強くなり検出用電極の電荷の増加がより大きくなるからである。開放空間に向けて設置された一つの検出用電極22が共通接地電位または共通基準電位に対して形成する静電容量すなわち、対地容量を適切な方法で検出および測定する。検出用電極22に被検出体200が接近すると、被検出体200の影響により静電容量が変動するため、この静電容量の変化を測定することで被検出体200の接近を検出する。
[0016]
 一方、第2の方式に基づく手検知センサは、2個の検出用の第1電極、第2電極間に形成される静電容量すなわち、電極間容量を測定する。この2個の第1電極、第2電極間に被検出体が存在すると、被検出体の影響により電極間容量が変動する。この変化を測定し、被検出体の接近を検出する。
[0017]
 手検知センサ20は、例えば図7に回路構成を示すように、高周波発振回路を構成するもので、被検出体200の接近による検出用電極22の容量変化に応じて発振する発振回路23と、発振状態を検出する発振状態検出回路24と、発振状態検出回路24の出力を電圧等のレベルにより出力する出力回路25とを具備しているものなどがある。被検出体200が検出用電極22に近付くほど検出用電極22の静電容量が大きくなり、発振回路23が高い周波数で発振する。発振状態検出回路24では一定時間ごとの発振回数をカウントし、出力回路25よりカウント数に応じた電圧を出力する。他にも固定容量のコンデンサとの比較を行う方式などがあるが、検出用電極22の静電容量が検出可能ならば、特にその手段は問わない。
[0018]
 手挿入部11は断面U字状をなしており、正面側の前方フランジ10FFと、背面側の後方フランジ10RFとが互いに対向している。前方フランジ10FFと後方フランジ10RFとは、その最下部において底面側の内壁によって繋がっている。このように、手挿入部11は、側面視において、上部が開口した有底の断面U字状をなしている。さらに、図2に示すように、手挿入部11の幅方向における両側面は、開放されている。10Sは側壁を示す。10Fは前面壁、10Rは背面壁を示す。
[0019]
 このように、手挿入部11の下部は、前方フランジ10FFと後方フランジ10RFと底壁とによって囲まれた空間である。また、手挿入部11の上部は、前方フランジ10FFと後方フランジ10RFとが対向し、両側面が開放された空間であり、筐体10の外部から手挿入部11の中にユーザの手を抜き差しすることが可能である。
[0020]
 手挿入部11において、前方フランジ10FFの上部の開口部の近傍には、空気を噴出するノズルが設けられ、後方フランジ10RFの上部の開口部の近傍には、空気を噴出するノズルが設けられている。ノズルについては、前方フランジ10FFと後方フランジ10RFに設けられたノズルが対向配置されている。
[0021]
 手検知センサ20は、制御部30から、図3および図4に示すように、送風口12の付近に筐体10の内壁に沿って手挿入部11まで延びる検出用電極22を有する。検出用電極22は、板金や基板上に形成された配線の他に、電線、アンテナ線等、絶縁被膜で被覆された導電線であってもよく、誘電体であるユーザの手が手挿入部11内に挿入されたことにより、筐体10を介して非接触式に静電容量が変化する導電体であれば任意の材料および構成を採用することができる。
[0022]
 図8は、ユーザの手が手挿入部11内に挿入されて、そのまま暫くの間維持された場合に検出された検出用電極22の静電容量C(t)つまり手検知センサ20の出力について連続的に算出された移動平均値A(t)をプロットしたグラフである。ここでは、その時点までの例えば50個の時点の検出値を加算して、サンプル数50で除したものをその点tでの移動平均値A(t)とし、順次最新の50個の時点の検出値を加算して、移動平均値A(t)を算出していく方法をとる。なお、図8では、ユーザの手が手挿入部11内に挿入されて、そのまま暫くの間維持されたところまでしかグラフ化していない。
[0023]
 静電容量C(t)および移動平均値A(t)は、図8に示すように時々刻々と変化するが、制御部30は、図示しないメモリを用いて経時的に変化する移動平均値A(t)を記憶する。そして制御部30は、ある時点より前の一定期間における第1の移動平均値A(t )と、その時点より後の一定時間における第2の移動平均値A(t )との差DA(t)を算出する。つまり差DA(t)=第2の移動平均値A(t )-第1の移動平均値A(t )である。ここである時点より前の一定期間とはたとえばサンプリング間隔τ=10msの50倍の時間である0.5秒間など、あらかじめ決められた時間とする。そして制御部30は、この差DA(t)があらかじめ決められた一定の平均差閾値DA thより大きく、かつ、正の値であるときつまり、移動平均値A(t)が増大したときにON判定し、負の値であるときつまり、移動平均値A(t)が減少したときにOFF判定する。
[0024]
 そして、第1の移動平均値A(t )から、第2の移動平均値A(t )となるまでの時間を測定し、それぞれに応じた遅延処理を行う。例えば基準速度を3個用意し、4つの領域に分割した。上端部から中央までの距離を所要時間で除した値を基準速度とし、それぞれ時間T11,T12,T13に相当する基準速度を設定した。つまりτ 11>T11である第1領域R11、T12<τ 11<T11である第2領域R12、T13<τ 11<T12である第3領域R13、τ 11<T13である第4領域R14に分割する。そして、第1領域R11に属する場合、つまり中央に手が到達するまでの時間が長い場合は、手の挿入速度がゆっくりであるため、立ち上がり時間を大きくする。一方、第4領域R14に属する場合、つまり中央に手が到達するまでの時間が短い場合は、手の挿入速度が速いことを意味し、立ち上がり時間を小さくする。
[0025]
 制御部30は、記憶部31にあらかじめ決定された基準挿入速度を記憶しており、手の挿入速度が前記基準速度より速いか否かの判断を行い、判断結果に応じて、立ち上がり時間を決定することができる。
[0026]
 一方停止までの停止遅延時間についても同様に4つの領域に分割し、それぞれに応じた遅延処理を行う。
[0027]
 制御部30は、記憶部31にあらかじめ決定された基準抜き出し速度を記憶しており、手の抜き出し速度が前記基準速度より速いか否かの判断を行い、判断結果に応じて、停止遅延時間を決定することができる。
[0028]
 以上のようにして、手検知センサ20により手を動かす速度が検出可能となり、手を動かす速度に応じて手乾燥装置1の送風モータ41が停止状態にあるときから動作するまでの立ち上り時間または動作状態にあるときから停止するまでの停止遅延時間を自動調整できる。手を挿入する速度が速い場合は立ち上がり時間を短く、手を挿入する挿入速度が遅い場合は立ち上がり時間を長くする。そして、手を抜く抜き出し速度が速い場合は停止遅延時間を短く、手を抜く抜き出し速度が遅い場合は停止遅延時間を長くすることができる。
[0029]
 上記構成によれば、ユーザの手を動かす速度に応じてファンモータの運転起動立ち上り時間および停止時間を自動的に調整でき、手の挿入速度が速い場合は立ち上がり時間を短くし、手の挿入速度が遅い場合は立ち上がり時間を長くすることで、手の挿入速度にかかわらず製品外部に水が飛散しにくくなり、また、手を抜く時の速度に応じて停止させることで、抜き出し後間もなく乾燥風が止むことで、次に使用するユーザが直ぐに使用でき、使い勝手が向上する。
[0030]
 なお、手挿入時の送風部駆動の立ち上がり時間および手抜き出し時の停止遅延時間などの遅延時間は、多段制御してもよく、また、連続的に変化させるアナログ制御であってもよい。
[0031]
 また、実施の形態1では静電容量式の手検知センサを構成したが、手の挿入速度、手を抜く時の抜き出し速度を検出できればよく、静電容量式に限定されるものではない。
[0032]
実施の形態2.
 次に、実施の形態2の手検出装置について説明する。実施の形態2の手検知センサ20は、制御部30から、図9および図10に示すように、送風口12の周囲を介して筐体10の内壁に沿って手挿入部11まで延びる一対の第1電極22aおよび第2電極22bを有する。手乾燥装置1の作動時、ユーザは、早期に乾燥させることを期待して、乾燥風が吹き出される送風口12付近に手を移動させる傾向があるので、ユーザの手をより検知し易くするために、第1電極22aおよび第2電極22bは、手挿入部11内において送風口12の周りを取り囲むように形成されていることが好ましい。第1電極22aおよび第2電極22bも実施の形態1と同様、筐体10を介して非接触式に静電容量が変化する導電体であれば任意の材料および構成を採用することができる。なお、図10において、第1電極22aおよび第2電極22bは重なっていて見えない部分があるため、横に破線で示している。図9は、図10のA-A方向から見た図に相当する図である。
[0033]
 次に図11および図12を参照しながら手検知センサ20の出力および出力処理について説明する。手乾燥装置1は、手検知センサ20の出力から、ユーザの両方の手が手挿入部11内に挿入されたことを制御部30により判断された場合に限り、送風モータ41の駆動を許可するものである。この手乾燥装置1は、ユーザに対して左右に配置された左側に位置する第1電極22aおよび右側に位置する第2電極22bを有する手検知センサ20を有する。第1電極22aおよび第2電極22bは、制御部30に接続され、送風口12の周囲から筐体10の内壁に沿って手挿入部11の底部まで延びている。図11は、図2においてユーザの片方の手を手挿入部11の左側端部E Lから右側端部E rに向かって徐々に位置をずらしたときのユーザの手の位置と、手検知センサ20が検出した第1電極22aの静電容量および第2電極22bの静電容量とをプロットしたものである。太実線C 1は、手検知センサ20が検出した第1電極22aの静電容量、細実線C は、手検知センサ20が検出した第2電極22bの静電容量である。静電容量の単位は手検知センサ20の出力を相対値で表したものであり、手の位置は、手挿入部11の左側端部E Lからの距離に相当する。図11および図12において、いずれも縦軸は静電容量であり、横軸は手の位置を示す。
[0034]
 ただし、図11のグラフを得るために用いた手乾燥装置1は、左側に位置する第1電極22aおよび右側に位置する第2電極22bの制御部30からの長さが異なり、第1電極22aおよび第2電極22bが検出する静電容量の感度にずれが生じる。このため、それぞれのピーク値が同等となるように、右側に位置する第2電極22bの静電容量C に対して設定可能な感度係数kを乗算したものをプロットしている。なお、制御部30をできるだけ中央に配置して、左側に位置する第1電極22aおよび右側に位置する第2電極22bの長さおよび径等の寸法、ならびに静電容量および抵抗値等の電気特性を同一のものに設計および作製して、感度係数kを1と同程度にするように構成することが望ましい。
[0035]
 図11から明らかなように、ユーザが手を手挿入部11の左側端部E Lから徐々に右方へ位置をずらすと、左側に位置する第1電極22aの静電容量C が増大してピークすなわち極大値に達し、これに遅れて右側に位置する第2電極22bの静電容量C が増大してピークすなわち極大値に達する。誘電体であるユーザの手の位置に応じて左側に位置する第1電極22aおよび右側に位置する第2電極22bの静電容量C ,C の出力値が異なる。すなわち、第1電極22aおよび第2電極22bの静電容量C ,C から、ユーザの手の位置を推定することができ、とりわけユーザの両方の手が手挿入部11の適正な位置例えば中央位置に挿入されたときは、左側に位置する第1電極22aおよび右側に位置する第2電極22bの静電容量C ,C が同時にピークに達する。すなわち、手検知センサ20は左側に位置する第1電極22aおよび右側に位置する第2電極22bの静電容量C ,C を連続的に検出し、制御部30は、左側に位置する第1電極22aの静電容量C に、あらかじめ決定された感度係数kを掛けた右側に位置する第2電極22bの静電容量C を加えたことにより得られる和信号CAを算出し、和信号CAが所定の基準値である和信号閾値CA thより大きいとき、ユーザの左手および右手の少なくともいずれか一方が左側に位置する第1電極22aまたは右側に位置する第2電極22bに接近したと検知するように構成されている。
[0036]
 さらに制御部30は、上記に加えて、左側に位置する第1電極22aの静電容量C から、あらかじめ決定された感度係数kを掛けた右側に位置する第2電極22bの静電容量C を引いたものの絶対値をとることにより得られる差信号CDを算出する。差信号CDが所定の基準値である差信号閾値CD thより小さいとき、ユーザの両方の手が左側に位置する第1電極22aおよび右側に位置する第2電極22bに接近したと検知して、送風モータ41を駆動するように制御する。
[0037]
 図12は、ユーザの片方の手を図2に示す手挿入部11の左側端部E Lから右側端部E rに向かって徐々に位置をずらしたときの和信号と差信号とをプロットしたものである。和信号を太実線CA、差信号を細実線CDで示す。図12から明らかなように、ユーザの両方の手が手挿入部11の適正な位置である中央位置に挿入されたときは、和信号CAは極大値を有し、かつ差信号CDは極小値を有する。
[0038]
 片方の手が検出された時点t 0から、両方の手が手挿入部11の適正な位置である中央位置に存在した状態、つまり図12に示すように、和信号CAは極大値を有し、かつ差信号CDは極小値を有する時点t 1までの時間τ 01=t 1-t 0を算出し、この時間τ 01の長さにより、4段階に分け、感度係数kを設定する。
[0039]
 仮に、図13に示すように、手検出センサ20の検出領域に手が入り、静電容量和CAがわずかに増大した時点t 0と、和信号CAは極大値を有し、かつ差信号CDは極小値を有する時点t 1までの時間τ 01をプロットし、両方の手が手挿入部11の中央位置にくるまでの時間τ 01の大きさに従って4つの領域に分割した。つまり両方の手が手挿入部11の中央位置にくるまでの時間τ 01が、τ 01>T1である第1領域R1、T2<τ 01<T1である第2領域R2、T3<τ 01<T2である第3領域R3、τ 01<T3である第4領域R4に分割する。そして、第1領域R1に属する場合、つまり中央に手が到達するまでの時間が長い場合は、手の挿入速度がゆっくりであるため、立ち上がり時間を大きくする。一方、第4領域R4に属する場合、つまり中央に手が到達するまでの時間が短い場合は、手の挿入速度が速いことを意味し、立ち上がり時間を小さくする。
[0040]
 一方、停止までの遅延時間についても同様に4つの領域に分割し、それぞれに応じた遅延時間を割り振り、当該遅延時間にもとづいて遅延処理を行う。
[0041]
 仮に、図14に示すように、両方の手が手挿入部11の中央位置にあるとき、和信号CA1は極大値を有する。また、手検出センサ20の検出領域の端部から手が抜かれたとき、和信号CA1はほぼ0となる。静電容量和CA1が極大値をとる時点t 1Rから、静電容量和CA1がほぼ0となる時点t 0Rまでの時間τ 11をプロットし、時間τ 11の大きさに従って4つの領域に分割した。つまり両方の手が手挿入部11の中央位置に到達してから手検知部が手の検知終了すなわち抜き出しまでの時間τ 11が、τ 11>T1Rである第1領域R1R、T2R<τ 11<T1Rである第2領域R2R、T3R<τ 11<T2Rである第3領域R3R、τ 11<T3Rである第4領域R4Rに分割する。そして、第1領域R1Rに属する場合、つまり中央に手が存在するときから端部に到達するまでの時間が長い場合は、手の抜き出し入速度がゆっくりであるため、停止遅延時間を大きくする。一方、第4領域R4Rに属する場合、つまり中央から手が存在するときから端部に到達するまでの時間が短い場合は、手の抜き出し速度が速いことを意味し、停止遅延時間を小さくする。
[0042]
 実施の形態2によっても実施の形態1と同様の処理が可能となり、運転立ち上り時間および停止遅延時間を自動的に調整可能な手乾燥装置を得ることができる。
[0043]
 実施の形態2では2本の検出用電極を1本の電極のように単位時間ごとの変動量を検出したが、2つの手検知センサで検出される静電容量のピークの時間差で手の移動速度を算出することもできる。
[0044]
実施の形態3.
 図15は、実施の形態3に係る手乾燥装置2に対して前後方向に平行に延びる鉛直断面から見た断面図である。図15は、実施の形態1の図4に相当する断面を示す図である。実施の形態3に係る手乾燥装置2は、図15に示すように、赤外線を発光する発光素子28a,28bと赤外線を検出する受光素子29a,29bとの一対で構成された手検知部である手検知センサ20を用いている。発光素子28a,28bと受光素子29a,29bは手挿入部11を挟むように対向して手挿入部11に正面側の壁と手挿入部11の背面側の壁に設けられ、手挿入部11に挿入された手によって発光素子28a,28bからの赤外線が遮断され受光素子29a,29bで受光できなくなることで手を検知する光学式の手検知センサ20を手挿入部11の開口側と手挿入部11の奥側との2列に設けて構成し、それぞれの手検知の時間ずれから手の速度を求めてもよい。つまり出力の時間差から手の挿入速度および抜き出し速度を求めることができる。
[0045]
 制御部30は発光素子28a,28bからの発光光量と、受光素子29a,29bの受光光量との比に基づき、手の移動速度を算出する演算部とを備え、演算部で算出された光量比に基づき、手の挿抜速度を算出して、立ち上がり時間と停止遅延時間とを決定する。演算処理については、実施の形態1,2と同様の処理を用いても良いし、他の処理を用いてもよい。
[0046]
 本実施の形態によれば、ユーザの手を動かす速度に応じて運転立ち上り時間あるいは停止遅延時間を自動的に調整でき、手の挿入速度が速い場合は立ち上がり時間を短く、手の挿入速度が遅い場合は立ち上がり時間を長く、手を抜く速度が速い場合は停止遅延時間を短く、手を抜く速度が遅い場合は停止遅延時間を長くすることで、手の挿入速度あるいは抜き出し速度にかかわらず製品外部に水が飛散しにくく、次に使用するユーザが直ぐに使用できるようになり、使い勝手が向上する。
[0047]
 なお、実施の形態では、手の乾燥処理を行う空間である乾燥処理空間として、手を挿入可能な凹状空間である手挿入部11が、筐体10の上部にあり、横方向から手を挿入するタイプの手乾燥装置について説明したが、本発明の手乾燥装置の構成はこれに限定されるものではない。たとえば、箱状の筐体の下面に筐体の外部空間に向かって下向きに空気を吹き出すノズルを配置し、筐体の下面の空間を乾燥処理空間とし、乾燥処理空間に配置された手にノズルからの空気流を当てて乾燥させる手乾燥装置を構成してもよい。
[0048]
 また、実施の形態では、手検知センサは連続して駆動されるが、間欠駆動でもよいし、別途人感センサを設けておき、人が近づいたときにのみ、連続駆動されるようにしてもよい。なお、本明細書では、運転立ち上り時間および停止遅延時間など、手ありなしの判定から実際に駆動または停止されるまでの時間を、遅延時間というものとする。
[0049]
 本発明のいくつかの実施の形態を説明したが、これらの実施の形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施の形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施の形態およびその変形は、発明の範囲に含まれるとともに、請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。

符号の説明

[0050]
 1,2 手乾燥装置、10 筐体、10F 前面壁、10R 背面壁、10FF 前方フランジ、10RF 後方フランジ、10S 側壁、11 手挿入部、12,12a,12b 送風口、12N ノズル、13 ドレン容器、13S 電極板、14M 本体表示部、14D ドレン表示部、15 ルームサーモ、17 吸気口、18 エアフィルタ、19 風路、20 手検知センサ、22 検出用電極、22a 第1電極、22b 第2電極、23 発振回路、24 発振状態検出回路、25 出力回路、30 制御部、31 記憶部、32 演算部、40 送風部、41 送風モータ、42 フレーム、43 入口、44 送出口、50 ヒータ、60 操作部、70 電源、80 電源回路、E L 左側端部、E r 右側端部。

請求の範囲

[請求項1]
 外郭を形成する筐体に設けられた手挿入部と、前記手挿入部に設けられ空気流を噴出させるノズルと、前記手挿入部に挿入される手を連続的に検知する手検知部と、前記筐体に収納され前記ノズルから空気流を噴出させる気流を発生させる送風部と、前記手検知部の検知結果に応じて前記送風部の運転を制御する制御部と、を備え、
 前記制御部は、前記手検知部からの検出信号により、前記手挿入部に挿抜される手の速度を算出し、算出した速度に基づき、前記手挿入部への挿抜から、前記送風部を起動あるいは停止するまでの遅延時間を調整することを特徴とする手乾燥装置。
[請求項2]
 前記制御部は、前記手検知部の検知結果により、前記手挿入部に挿入される手の挿入速度を算出し、算出した挿入速度に基づき、前記手検知部が手を検知してから前記送風部を起動するまでの立ち上がり時間を調整することを特徴とする請求項1に記載の手乾燥装置。
[請求項3]
 前記制御部は、あらかじめ決定された基準挿入速度を記憶しており、前記手の挿入速度が前記基準速度より速いか否かの判断を行い、前記判断結果に応じて、前記立ち上がり時間を決定することを特徴とする請求項2に記載の手乾燥装置。
[請求項4]
 前記制御部は前記手検知部の検知結果により手挿入部から抜かれる手の抜き出し速度を算出し、算出した抜き出し速度に基づき、前記手検知部が手の検知終了から前記送風部を停止するまでの停止遅延時間を調整することを特徴とする請求項1に記載の手乾燥装置。
[請求項5]
 前記制御部は、あらかじめ決定された基準抜き出し速度を記憶しており、前記手の抜き出し速度が前記基準速度より速いか否かの判断を行い、前記判断結果に応じて、停止遅延時間を段階的に決定することを特徴とする請求項4に記載の手乾燥装置。
[請求項6]
 前記手検知部は、前記手挿入部に配置された電極を備え、前記制御部は前記電極の静電容量を検出する容量検出部と、静電容量の変化から手の移動速度を算出する演算部とを備えていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の手乾燥装置。
[請求項7]
 前記手検知部は、前記手挿入部の入口側に配置された第1の手検知部と、前記第1の手検知部よりも手挿入部の奥側に配置された第2の手検知部とを備え、前記制御部は前記第1の手検知部および前記第2の手検知部の出力時間の差で手の移動速度を算出する演算部とを備えていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の手乾燥装置。
[請求項8]
 前記第1の手検知部および前記第2の手検知部は電極で構成され、前記制御部は前記第1の手検知部および前記第2の手検知部の前記電極の静電容量を検出する検出部と、前記第1の手検知部および前記第2の手検知部で検出される静電容量の時間差で手の移動速度を算出する演算部とを備えていることを特徴とする請求項7に記載の手乾燥装置。
[請求項9]
 前記手検知部は、前記手挿入部に配置された発光素子と、受光素子とを備え、前記制御部は前記発光素子からの発光光量と、前記受光素子の受光光量との比に基づき、手の移動速度を算出する演算部とを備えていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の手乾燥装置。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]

[ 図 13]

[ 図 14]

[ 図 15]