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1. (WO2017110597) VEHICULAR WIRING SYSTEM
Document

明 細 書

発明の名称 車両用ワイヤリングシステム

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004  

先行技術文献

特許文献

0005  

発明の概要

0006   0007   0008  

図面の簡単な説明

0009  

発明を実施するための形態

0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053  

請求の範囲

1   2   3   4   5  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10  

明 細 書

発明の名称 : 車両用ワイヤリングシステム

技術分野

[0001]
 本発明は、自動車等の車両に設けられるワイヤリングシステムであって複数のコネクタを備えるものに関する。

背景技術

[0002]
 従来、車両の各所にて電気接続を行うための手段として、互いに対をなして嵌合可能な一対のコネクタハウジングを含むコネクタが、広く用いられている。このようなコネクタでは、前記コネクタハウジング同士の嵌合が完全に行われているか否かを確実に検知することが、高い接続信頼性を確保する上で重要となる。
[0003]
 そのような嵌合検知機能を備えたコネクタとして、特許文献1に記載されるものが知られている。このコネクタは、互いに嵌合可能な一対のコネクタハウジングと、当該一対のコネクタハウジングのうちの一方のコネクタハウジングに着脱可能に係止される検知スペーサと、を備える。当該一方のコネクタハウジングは、他方のコネクタハウジングと正常に嵌合した状態でのみ前記検知スペーサが引き抜き可能となるように前記係止を解除する。従って、当該検知スペーサの存在、不存在の視覚的な確認によって、前記コネクタハウジング同士が正常な嵌合が行われているか否かの確認が可能である。
[0004]
 車両のワイヤリングシステムでは、多数にわたるコネクタが互いに離れた場所に散在しているため、たとえ各コネクタに前記のような嵌合検知機能を備えたものが用いられても、システム全体での各コネクタの嵌合状態を一括して管理することが難しいという課題がある。具体的に、各所に散在する全てのコネクタの嵌合が終了してからそれぞれの嵌合状態を視認で点検する作業は容易でなく、見落としや、逆に重複した確認が行われる可能性を否定できない。また、当該作業を複数の作業者によって分担して行った場合、それぞれの情報の整理がさらに難しくなる。

先行技術文献

特許文献

[0005]
特許文献1 : 特開平3-297078号公報

発明の概要

[0006]
 本発明は、複数のコネクタを含む車両用ワイヤリングシステムであって、各コネクタでの嵌合状態を一括して容易に管理することが可能なもの、及び、その管理のための方法を提供することを目的とする。
[0007]
 提供されるのは、車両に設けられるワイヤリングシステムであって、複数のコネクタを備える。各コネクタは、第1コネクタハウジングと、当該第1コネクタハウジングと嵌合することにより電気接続状態を形成する第2コネクタハウジングと、前記第1コネクタハウジングに保持されるコネクタ識別部材と、を含む。前記第1コネクタハウジングは、前記コネクタ識別部材を保持する識別部材保持部を有し、当該識別部材保持部は、前記第1コネクタハウジングからの前記コネクタ識別部材の離脱を阻止するように当該コネクタ識別部材を拘束する拘束部を有する。前記第2コネクタハウジングは、前記第1コネクタハウジングと前記第2コネクタハウジングとが正常に嵌合した場合にのみ前記コネクタ識別部材の離脱を許容するように前記拘束部による前記コネクタ識別部材の拘束を解除し、前記第1コネクタハウジングと前記第2コネクタハウジングとが正常に嵌合していない場合には当該拘束の解除を行わない拘束解除部を有する。前記コネクタ識別部材は、前記複数のコネクタにおいて当該コネクタ識別部材が属するコネクタを他のコネクタから識別するための識別情報を保持する識別情報保持部を有する。
[0008]
 また、提供される管理方法は、前記の車両用ワイヤリングシステムを用意することと、当該車両用ワイヤリングシステムに含まれる前記複数のコネクタのそれぞれにおいて前記第1コネクタハウジングの識別部材保持部の拘束部に前記コネクタ識別部材を拘束させることと、前記各コネクタにおいて前記第1コネクタハウジングと前記第2コネクタハウジングとの嵌合により前記拘束部による拘束が解除されて前記第1コネクタハウジングの識別部材保持部から解放されたコネクタ識別部材を回収することと、回収されたコネクタ識別部材のそれぞれの前記識別情報保持部に保持されている識別情報に基づき、前記複数のコネクタのうち前記第1コネクタハウジングと前記第2コネクタハウジングとが正常に嵌合されていないコネクタを特定することと、を含む。

図面の簡単な説明

[0009]
[図1] 本発明の実施の形態に係る車両用ワイヤリングシステムを構成するワイヤハーネス及びこれに設けられる複数のコネクタを示す図である。
[図2] 前記複数のコネクタのそれぞれを示す分解斜視図である。
[図3] 前記コネクタの第1コネクタハウジングと第2コネクタハウジングとが嵌合する前の状態を示す断面図である。
[図4] 前記第1コネクタハウジングと前記第2コネクタハウジングとが嵌合する途中の状態を示す断面図である。
[図5] 前記第1コネクタハウジングと前記第2コネクタハウジングとが正常に嵌合した状態を示す断面である。
[図6] 前記第2コネクタハウジングと正常に嵌合した前記第1コネクタハウジングからコネクタ識別部材が離脱する状態を示す断面図である。
[図7] 前記コネクタに含まれるコネクタ識別部材の第1の例であって識別情報保持部としてICチップを含むものを示す斜視図である。
[図8] 前記コネクタに含まれるコネクタ識別部材の第2の例であって識別情報保持部が複数の透孔を有しかつ全ての透孔が塞がれていない状態のものを示す斜視図である。
[図9] 図8に示されるコネクタ識別部材の複数の透孔のうちの特定の透孔に識別情報の付与のための孔埋め材が充填されたものを示す斜視図である。
[図10] 前記コネクタに含まれるコネクタ識別部材の第3の例であって識別番号保持部として識別番号が印刷された部位を含むものを示す斜視図である。

発明を実施するための形態

[0010]
 本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
[0011]
 図1は、前記実施の形態に係る車両用ワイヤリングシステムを示す。このワイヤリングシステムは、ワイヤハーネスWHと、複数のコネクタ(この実施の形態では9個のコネクタC1,C2,C3,C4,C5,C6,C7,C8及びC9)と、を備える。前記ワイヤハーネスWHは、互いに束ねられる複数本の電線により構成され、幹線2と、当該幹線2から分岐する複数の支線4,5,6,7と、を有する。前記複数のコネクタC1~C9は前記幹線2及び前記支線4~7のそれぞれの端末に設けられる。すなわち、当該複数のコネクタC1~C9は前記ワイヤハーネスWHにおいて互いに異なる箇所に分散配置される。
[0012]
 この実施の形態に係る各コネクタC1~C9は、互いに同等の構造を有する。図2~図6は、そのうちのコネクタC1の構造を代表的に示す。当該コネクタC1は、第1コネクタハウジング10と、当該第1コネクタハウジング10に嵌合可能な第2コネクタハウジング20と、コネクタ識別部材30と、を有する。
[0013]
 前記第1コネクタハウジング10は、前記ワイヤハーネスWHに接続される。具体的に、当該第1コネクタハウジング10は、前記ワイヤハーネスWHに含まれる複数の電線の端末にそれぞれ装着されたコネクタ端子を一括して保持する。前記第1コネクタハウジング10は、より詳しくは、複数の端子収容室12が形成された略直方体状のハウジング本体11を有し、それぞれの端子収容室12に前記複数の第1コネクタ端子を収容し、保持する。
[0014]
 前記第2コネクタハウジング20は、前記ワイヤハーネスWHに接続されるべき接続対象物に設けられる。当該接続対象物は、例えば、前記ワイヤハーネスWH以外の他のワイヤハーネスまたは電線類、あるいは車載用電子機器である。第2コネクタハウジング20は、前記第1コネクタ端子に対応する配列で複数の第2コネクタ端子を保持する。具体的に、当該第2コネクタハウジング20は、複数の端子収容室22が形成された略直方体状のハウジング本体21を有し、各端子収容室22に前記第2コネクタ端子を収容しかつ保持する。
[0015]
 この実施の形態に係る第2コネクタハウジング20は、フード24を有する。フード24は、前記ハウジング本体21から特定方向(図3~図6では右方向)に延びる角筒状をなす。フード24は、前記特定方向に開口し、当該フード24の内側への前記第1コネクタハウジング10の嵌入を受け入れる形状を有する。図5及び図6に示されるように前記フード24内に前記第1コネクタハウジング10が完全に嵌入された状態で、前記第1コネクタハウジング10に保持される前記複数の第1コネクタ端子と前記第2コネクタハウジング20に保持される前記複数の第2コネクタ端子とが互いに嵌合して電気接続を形成する。
[0016]
 前記第1及び第2コネクタハウジング10,20には、嵌合ロック部が設けられている。当該嵌合ロック部は、第1及び第2コネクタハウジング10,20が正常に嵌合した状態で互いに係合することにより当該嵌合をロックする。具体的に、この実施の形態では、前記フード24の天壁の端部に下向きの係止突起26が形成される一方、前記第1コネクタハウジング10のハウジング本体11の上方に嵌合ロック片14が形成され、当該嵌合ロック片14の上面に上向きの被係止突起16が形成されている。前記嵌合ロック片14は、前記第1及び第2コネクタハウジング10,20の嵌合の進行とともに前記係止突起26と接触し、かつ、当該係止突起26が前記被係止突起16を乗り越えることを許容すべく図4に示すように下向きに弾性的に変位することが可能である。さらに、当該嵌合ロック片14は、図5及び図6に示されるように第1及び第2コネクタハウジング10,20の嵌合が正常に完了した状態で弾性復帰し、当該嵌合ロック片14の被係止突起16が前記係止突起26に係止される状態、つまり第1及び第2コネクタハウジング10,20同士の嵌合がロックされる状態、を形成する。
[0017]
 前記第1コネクタハウジング10は、前記コネクタ識別部材30を保持する識別部材保持部18を有する。識別部材保持部18は、前記ハウジング本体11の上面と前記嵌合ロック片14との間に形成され、当該コネクタ識別部材30をスライド可能に保持する。
[0018]
 前記コネクタ識別部材30は、当該コネクタ識別部材30が属するコネクタ(図2~図6ではコネクタC1)を他のコネクタから識別するための識別情報を保持しながら、前記第1コネクタハウジング10に対して離脱方向(この実施の形態では前記嵌合方向と平行な方向)に離脱可能となるように保持される。具体的に、この実施の形態に係るコネクタ識別部材30は、本体部32と、被係止片34と、ロック片カバー部36と、識別情報保持部と、を有する。
[0019]
 前記本体部32は、前記第1コネクタハウジング10に保持されることが可能な形状、具体的には、前記識別部材保持部18にスライド可能に差し込まれることが可能な平板状をなす。
[0020]
 前記被係止片34は前記第1コネクタハウジング10に係止される部位であり、前記本体部32から前方向すなわち前記離脱方向と平行な方向であって前記第2コネクタハウジング20に向かう方向、に延び、かつ、上向きに撓み変位が可能な前端部を有する。当該前端部には、被拘束部である被係止部35が形成されている。被係止部35は、下向きに突出する突起により構成される。
[0021]
 これに対し、前記第1コネクタハウジング10の識別部材保持部18は、係止部15を含む。係止部15は、前記被係止部35を係止すなわち拘束する拘束部である。この実施の形態に係る係止部15は、前記識別部材保持部18の前端部すなわち前記第2コネクタハウジング20に近い側の端部であって前記コネクタ識別部材30の挿入方向の奥側の端部に形成された突起により構成され、前記ハウジング本体11の上面から上向きに突出する。当該係止部15は、前記被係止部35と係合することにより、前記のように嵌合途中で下向きに撓み変位する嵌合ロック片14と協働して、前記コネクタ識別部材30が前記識別部材保持部18から離脱方向(図6に矢印で示されるようにコネクタ識別部材30が前記第2コネクタハウジング20から離れる方向)に離脱するのを阻止する。
[0022]
 一方、前記第2コネクタハウジング20は、拘束解除部である係止解除部25を有する。係止解除部25は、前記第1及び第2コネクタハウジング10,20が正常に嵌合した場合にのみ前記係止部35による前記被係止部15の係止すなわち拘束を解除する。具体的に、当該係止解除部25は、前記ハウジング本体21から前記フード24内に突出する突起により構成され、前記第1コネクタハウジング10が前記フード24の奥まで嵌入された場合に前記コネクタ識別部材30の被係止部35と接触してこれを強制的に上向きに撓み変位させることにより、前記係止部15による前記被係止部35の係止を解除する。
[0023]
 前記ロック片カバー部36は、前記コネクタ識別部材30が前記第1コネクタハウジング10の識別部材保持部18に保持された状態で前記嵌合ロック片14を覆う形状を有する。このように、当該ロック片カバー部36は、前記コネクタ識別部材30が前記第1コネクタハウジング10に保持された状態のまま当該第1コネクタハウジング10の嵌合ロック片14が操作されて嵌合ロックが解除されることを防ぐ。
[0024]
 以上説明した構造は、下記の識別情報保持部とともに、コネクタC1~C9の全てに対して付与される。
[0025]
 識別情報保持部は、前記の識別情報、すなわち、前記コネクタ識別部材30が属するコネクタ(図2~図6ではコネクタC1)を他のコネクタ(コネクタC2~C9)から識別するための情報、を保持する。この実施の形態に係る識別情報保持部は、前記本体部32から前記被係止片34と反対の側つまり前記離脱方向の前側に延びる被操作片38を含む。当該被操作片38は、第1コネクタハウジング10からコネクタ識別部材30を離脱方向に引き抜くために把持される部位として機能するとともに、前記識別情報保持部の構成要素として機能する。
[0026]
 図7は、第1の例に係る識別情報保持部40Aを示す。この識別情報保持部40Aは、前記被操作片38の表面に設けられたICチップ42をさらに含む。当該ICチップ42は、前記識別情報を電子情報として記憶する。この識別情報は、例えば各コネクタC1~C9に付与された識別番号である。
[0027]
 図8は、第2の例に係る識別情報保持部40Bを示す。この識別情報保持部40Bは、前記被操作片38に形成された複数(図8に示す例では6個)の透孔39と、当該複数の透孔39のうちの任意の透孔を塞ぐように当該透孔に詰められることが可能な孔埋め材44と、を含む。この例に係る識別情報保持部40Bでは、前記透孔39のうちの前記孔埋め材44が詰められる透孔の組み合わせによって、コネクタC1~C9同士を識別するための識別情報が特定される。
[0028]
 図9は、第3の例に係る識別情報保持部40Cを示す。この識別情報保持部40Cは、前記被操作片38の表面上に施された識別表示46を含む。この識別表示46は、例えば、前記被操作片38上への識別番号の印刷によって形成される。
[0029]
 以上説明した車両用ワイヤリングシステムによれば、次の要領で各コネクタC1~C9の嵌合状態の管理が一括して容易にかつ確実に行われる。
[0030]
 1)第1コネクタハウジングへのコネクタ識別部材の装着
 各コネクタC1~C9での第1及び第2コネクタハウジング10,20同士の嵌合を行う前に、当該第1コネクタハウジング10に予めコネクタ識別部材30が装着される。具体的には、当該第1コネクタハウジング10の識別部材保持部18に前記コネクタ識別部材30の本体部32が離脱方向と逆の向きに挿入される。この挿入は、コネクタ識別部材30の被係止部35が識別部材保持部18の係止部15を乗り越える位置まで、つまり当該被係止部35が当該係止部15に係止される位置まで、行われる。
[0031]
 2)コネクタハウジング同士の嵌合及びコネクタ識別部材の回収
 各第1コネクタハウジング10に対して対応する第2コネクタハウジング20の嵌合が行われる。当該嵌合により、図1に示されるワイヤハーネスWHとその周辺の回路との電気接続が達成される。
[0032]
 前記嵌合は、この実施の形態では、図3~図6に示すように、前記第2コネクタハウジング20のフード24内に前記第1コネクタハウジング10が嵌入されることにより行われる。この嵌入の途中では、図4に示すように、第1コネクタハウジング10の嵌合ロック片14の被係止突起16が第2コネクタハウジング20の係止突起26と接触することにより当該嵌合ロック片14が下向きに撓み変位する。従って、この段階では、前記コネクタ識別部材30の被係止部35が前記係止部15に係止されることにより当該コネクタ識別部材30が識別部材保持部18から離脱することを阻止する。従って、第1及び第2コネクタハウジング10,20の嵌合が不十分な段階で当該第1コネクタハウジング10から前記コネクタ識別部材30が離脱することが防がれる。
[0033]
 一方、前記嵌入が完了すると、図5に示すように嵌合ロック片14が弾性復帰してその被係止突起16が第2コネクタハウジング20の係止突起26に係止されることにより第1及び第2コネクタハウジング10,20同士の嵌合状態がロックされるとともに、第2コネクタハウジング20の係止解除部25がコネクタ識別部材30の被係止部35を強制的に上向きに撓み変位させて係止部15による被係止部35の係止を解除する。従って、この状態で、作業者は例えば被操作片38を把持してコネクタ識別部材30を第1コネクタハウジング10から図6の矢印に示される離脱方向に離脱させ、回収することが可能である。
[0034]
 3)嵌合状態の判定
 前記のようにして各コネクタから回収されたコネクタ識別部材30が保持する識別情報に基づき、実際の各コネクタC1~C9の配設箇所を点検しなくても、コネクタハウジング同士の嵌合が不十分なコネクタを特定することが可能である。
[0035]
 例えば、回収されたコネクタ識別部材30の個数が、当該コネクタ識別部材30を含むコネクタの総数(この実施の形態では9個)に合致する場合には、コネクタC1~C9の全てにおいて第1及び第2コネクタハウジング10,20同士の嵌合が完全に行われていると判定することができる。逆に、コネクタ識別部材30の個数が前記コネクタ総数に満たない場合には、第1及び第2コネクタハウジング10,20同士が嵌合されていないか、あるいは当該嵌合が不十分であるコネクタが存在していることになる。
[0036]
 さらに、この車両用ワイヤリングシステムでは、前記各コネクタ識別部材30の識別情報保持部が保持する識別情報によって、その回収されたコネクタ識別部材30が属するコネクタを特定することができる。従って、逆にコネクタ識別部材30が回収されていないコネクタ、つまり第1及び第2コネクタハウジング10,20同士の完全な嵌合が行われていないコネクタ、を直ちに特定することができる。
[0037]
 例えば、図7に示される前記第1の例に係る識別情報保持部40Aによれば、前記ICチップ42に記憶されている電子情報である識別情報を例えばICチップリーダによって読み取ることが可能であり、これにより、当該識別情報保持部40Aを含むコネクタ識別部材30が属するコネクタを特定することができる。さらに、その読み取った電子情報をそのままコンピュータに入力して集中管理することも可能である。従って、コネクタの総数が多数に亘る場合にも十分な対応が可能である。また、前記ICチップ42に記憶されている電子情報を使用後に消去することによってコネクタ識別部材30の再利用も可能である。
[0038]
 図8及び図9に示される第2の例に係る識別情報保持部40Bでは、前記複数の透孔39のうち孔埋め材44によって塞がれていない透孔の個数及び位置を光センサ等によって読み取ることにより、当該個数及び位置に対応づけられた識別情報を読み取ることが可能である。この第2の例でも、前記孔埋め材44の除去によってコネクタ識別部材30の再利用が可能である。
[0039]
 一方、図9に示される第3の例に係る識別情報保持部40Cによれば、被操作片38に付された識別表示46の視認あるいは専用のリーダによる読み取りによって、識別情報の取得が可能である。
[0040]
 本発明は、以上説明した実施の形態に限定されない。本発明は、例えば次のような態様を含む。
[0041]
 1)複数のコネクタの設置場所について
 本発明は、複数のワイヤハーネスを含んでいて各ワイヤハーネスに複数のコネクタが分散配置されたワイヤリングシステムも含む。この場合も、各ワイヤハーネスに設けられているコネクタの全てを前記と同じ要領で一括管理することが可能である。
[0042]
 2)コネクタハウジングについて
 各コネクタに含まれる第1及び第2コネクタハウジングは、互いに嵌合可能なものであればよく、その具体的な構造は問わない。また本発明は、単一の第1コネクタハウジングに複数の第2コネクタハウジングが嵌合される場合や複数の第1コネクタハウジングが単一の第2コネクタハウジングに嵌合される場合も含む。これらの場合、各嵌合のそれぞれについてコネクタ識別部材が与えられることが好ましい。例えば、第1コネクタハウジングが複数の識別部材保持部を含んでいてもよい。
[0043]
 3)管理対象について
 コネクタ識別部材は、車両に含まれる全てのコネクタに付与される必要はない。当該コネクタ識別部材は、コネクタハウジング同士の嵌合の一括管理が要求されるコネクタについて付与されれば足りる。換言すれば、本発明に係る車両用ワイヤリングシステムは、1台の車両に搭載される全てのコネクタのうちの一部のコネクタのみを含むものであってもよい。
[0044]
 4)コネクタ識別部材及びその保持について
 本発明に係るコネクタ識別部材の形状及び構造は自由に設定されることが可能である。当該コネクタ識別部材は、例えば球状のものや柱状のものであってもよい。識別部材保持部がコネクタ識別部材を拘束する態様及び拘束解除部が拘束を解除する態様も図2~図6に示されるものに限定されない。例えば、前記識別部材保持部が前記コネクタ識別部材を閉じ込める拘束室を形成するものであって、前記拘束解除部が前記拘束室を開放する窓を含むものであってもよい。
[0045]
 5)識別情報保持部について
 識別情報保持部は、図7~図10に示される例に限定されない。例えば、図8及び図9に示される第2の例は、被操作片38において実際に開通している透孔39の個数及び位置によって、つまり被操作片38の形状によって、識別情報を提供するものであるが、当該識別情報を提供するための形状は、前記透孔を含むものに限られない。例えば前記被操作片38の全体形状や当該被操作片38の縁に設けられる凹凸の数、ピッチ等によって識別情報が提供されてもよい。また、前記透孔は、前記孔埋め材によって事後的に塞がれるものでなくてもよい。例えば、識別情報の形成のために予め定められた箇所にのみ透孔が設けられてもよい。
[0046]
 さらに、コネクタ識別部材が識別情報保持部を構成する部位も、限定されない。例えば、図7~図10に示されるコネクタ識別部材30の被操作片38が省略されてその他の部位、例えば本体部32やロック片カバー部36、に識別情報保持部が設けられてもよい。
[0047]
 以上のように、複数のコネクタを含む車両用ワイヤリングシステムであって、各コネクタでの嵌合状態を一括して容易に管理することが可能なもの、及び、その管理のための方法が、提供される。
[0048]
 提供されるのは、車両に設けられるワイヤリングシステムであって、複数のコネクタを備える。各コネクタは、第1コネクタハウジングと、当該第1コネクタハウジングと嵌合することにより電気接続状態を形成する第2コネクタハウジングと、前記第1コネクタハウジングに保持されるコネクタ識別部材と、を含む。前記第1コネクタハウジングは、前記コネクタ識別部材を保持する識別部材保持部を有し、当該識別部材保持部は、前記第1コネクタハウジングからの前記コネクタ識別部材の離脱を阻止するように当該コネクタ識別部材を拘束する拘束部を有する。前記第2コネクタハウジングは、前記第1コネクタハウジングと前記第2コネクタハウジングとが正常に嵌合した場合にのみ前記コネクタ識別部材の離脱を許容するように前記拘束部による前記コネクタ識別部材の拘束を解除し、前記第1コネクタハウジングと前記第2コネクタハウジングとが正常に嵌合していない場合には当該拘束の解除を行わない拘束解除部を有する。前記コネクタ識別部材は、前記複数のコネクタにおいて当該コネクタ識別部材が属するコネクタを他のコネクタから識別するための識別情報を保持する識別情報保持部を有する。
[0049]
 また、提供される管理方法は、前記の車両用ワイヤリングシステムを用意することと、当該車両用ワイヤリングシステムに含まれる前記複数のコネクタのそれぞれにおいて前記第1コネクタハウジングの識別部材保持部の拘束部に前記コネクタ識別部材を拘束させることと、前記各コネクタにおいて前記第1コネクタハウジングと前記第2コネクタハウジングとの嵌合により前記拘束部による拘束が解除されて前記第1コネクタハウジングの識別部材保持部から解放されたコネクタ識別部材を回収することと、回収されたコネクタ識別部材のそれぞれの前記識別情報保持部に保持されている識別情報に基づき、前記複数のコネクタのうち前記第1コネクタハウジングと前記第2コネクタハウジングとが正常に嵌合されていないコネクタを特定すること、とを含む。
[0050]
 前記車両用ワイヤリングシステム及びその嵌合管理方法によれば、各コネクタにおけるコネクタ識別部材の存在の有無によって当該コネクタでのコネクタハウジング同士の嵌合状態の確認ができるだけでなく、正常な嵌合が行われたコネクタから回収されたコネクタ識別部材の識別情報保持部に保持されている識別情報に基づき、当該コネクタ識別部材が回収されていないコネクタつまり正常なコネクタハウジング同士の嵌合が行われていないコネクタの存在の有無、及び、当該コネクタが存在する場合のそのコネクタの特定、を容易に行うことができる。従って、前記車両用ワイヤリングシステムに含まれるコネクタのうち前記コネクタ識別部材を含むコネクタの全てについて、それぞれの嵌合状態を一括して管理することができる。
[0051]
 前記車両用ワイヤリングシステムは、車両内に配索されるワイヤハーネスを含み、前記複数のコネクタが前記ワイヤハーネスにおいて互いに異なる箇所に設けられるものであることが、好ましい。この車両用ワイヤリングシステムでは、前記ワイヤハーネスにおける前記複数のコネクタの配設箇所が特定されるので、各コネクタから回収されたコネクタ識別部材が保持する識別情報に基いて各コネクタの場所を容易に特定することが可能である。
[0052]
 前記各コネクタ識別部材の識別情報保持部は、例えば、当該識別情報を電子情報として記憶するICチップを含むものが好ましい。当該ICチップが記憶する識別情報(電子情報)は、例えば、ICチップリーダによって容易に読み取られることが可能である。また、読み取られた識別情報はコンピュータによって管理されることが容易である。
[0053]
 前記各コネクタ識別部材の識別情報保持部は、あるいは、保持すべき識別情報に対応して与えられた形状であって他のコネクタ識別部材の識別情報保持部の形状と異なる形状を有するものであってもよい。つまり、前記識別情報は前記識別情報保持部がもつ形状に変換されたものでもよい。

請求の範囲

[請求項1]
 車両に設けられるワイヤリングシステムであって、
 複数のコネクタを備え、
 前記コネクタのそれぞれは、第1コネクタハウジングと、当該第1コネクタハウジングと嵌合することにより電気接続状態を形成する第2コネクタハウジングと、前記第1コネクタハウジングに保持されるコネクタ識別部材と、を含み、
 前記第1コネクタハウジングは、前記コネクタ識別部材を保持する識別部材保持部を有し、当該識別部材保持部は、前記第1コネクタハウジングからの前記コネクタ識別部材の離脱を阻止するように当該コネクタ識別部材を拘束する拘束部を有し、
 前記第2コネクタハウジングは、前記第1コネクタハウジングと前記第2コネクタハウジングとが正常に嵌合した場合にのみ前記コネクタ識別部材の離脱を許容するように前記拘束部による前記コネクタ識別部材の拘束を解除し、前記第1コネクタハウジングと前記第2コネクタハウジングとが正常に嵌合していない場合には当該拘束の解除を行わない拘束解除部を有し、
 前記コネクタ識別部材は、前記複数のコネクタにおいて当該コネクタ識別部材が属するコネクタを他のコネクタから識別するための識別情報を保持する識別情報保持部を有する、車両用ワイヤリングシステム。
[請求項2]
 請求項1記載の車両用ワイヤリングシステムであって、車両内に配索されるワイヤハーネスをさらに含み、前記複数のコネクタが前記ワイヤハーネスにおいて互いに異なる箇所に設けられる、車両用ワイヤリングシステム。
[請求項3]
 請求項1または2記載の車両用ワイヤリングシステムであって、前記識別情報保持部は、前記識別情報を電子情報として記憶するICチップを含む、車両用ワイヤリングシステム。
[請求項4]
 請求項1または2記載の車両用ワイヤリングシステムであって、前記識別情報保持部は、保持すべき識別情報に対応して与えられた形状であって他のコネクタ識別部材の識別情報保持部の形状と異なる形状を有する、車両用ワイヤリングシステム。
[請求項5]
 請求項1~4のいずれかに記載の車両用ワイヤリングシステムを用意することと、
 前記車両用ワイヤリングシステムに含まれる前記複数のコネクタのそれぞれにおいて前記第1コネクタハウジングの識別部材保持部の拘束部に前記コネクタ識別部材を拘束させることと、
 前記各コネクタにおいて前記第1コネクタハウジングと前記第2コネクタハウジングとの嵌合により前記拘束部による拘束が解除されて前記第1コネクタハウジングの識別部材保持部から解放されたコネクタ識別部材を回収することと、
 回収されたコネクタ識別部材のそれぞれの前記識別情報保持部に保持されている識別情報に基づき、前記複数のコネクタのうち前記第1コネクタハウジングと前記第2コネクタハウジングとが正常に嵌合されていないコネクタを特定することと、を含む、車両用ワイヤリングシステムにおけるコネクタ嵌合状態の管理方法。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]