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1. (WO2017110350) POLARIZING PLATE
Document

明 細 書

発明の名称 偏光板

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

先行技術文献

特許文献

0004  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0005   0006   0007  

課題を解決するための手段

0008  

発明の効果

0009  

図面の簡単な説明

0010  

発明を実施するための形態

0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087  

実施例

0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114  

産業上の利用可能性

0115  

符号の説明

0116  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7  

図面

1   2  

明 細 書

発明の名称 : 偏光板

技術分野

[0001]
 本発明は、様々な光学用途に使用できる偏光板に関する。

背景技術

[0002]
 偏光板への薄膜化要求に伴い、通常、偏光子の両面に貼合される透明樹脂からなる保護フィルムを、偏光子の片側のみに配置することが検討されている。
 例えば、特許文献1には、液晶セルの基板と、粘着剤層と偏光子が積層された液晶パネルが開示されている。
[0003]
 また、偏光板への薄膜化要求を満たすために、例えば、第一の感圧接着剤層、透明保護フィルム、偏光子、第二の感圧接着剤層、および透明なプラスチック基板がこの順に積層された偏光板が開発されている(特許文献2)。

先行技術文献

特許文献

[0004]
特許文献1 : 特開2006-292939号公報
特許文献2 : 特開2010-39458号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0005]
 上記構造を有する偏光板は、その構成上、正カール方向(端部が浮き上がる方向)へ変化しやすい。例えば、偏光板が高温条件下、特に高温と低温とを繰り返す条件下(以下、冷熱循環環境下ということがある。)に曝されると、偏光子および反射型偏光板に収縮が生じ得る。さらに、これらの収縮に起因して、保護フィルムに反りが生じ得る。その上、ガラスパネルに貼合された対パネル糊は、反射型偏光板に向かうように反る力と、粘着剤とガラスパネルの接着力が逆方向に作用する条件に付されるので、やがて、対パネル糊には凝集破壊が生じ得る。対パネル糊に凝集破壊が生じると、対パネル糊の一部は保護フィルムに残存し、残りはガラスパネルに残存することになり、外観に悪影響が及ぼされるだけでなく、液晶表示装置に組み込んだときに、液晶表示装置の端部に光漏れが生じ、表示の品質が低下する。
[0006]
 このため、偏光子および反射型偏光板の収縮に起因する、保護フィルム等の反りを抑制し、さらに対パネル糊の凝集破壊を抑制することが求められているが、従来の保護フィルムにセルロース樹脂フィルムを用いた構成では上記の問題が生じることがあり十分ではなかった。
[0007]
 そこで、本発明は、偏光子および反射型偏光板の収縮に起因する反りが抑制された偏光板を提供することを目的とする。さらに、本発明は、例えば、液晶セルのガラスパネルに貼合される粘着剤層の凝集破壊も抑制された偏光板を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0008]
 本発明は、以下を含む。
[1]反射型偏光板と、第1の粘着剤層と、偏光子と、保護フィルムと、第2の粘着剤層とがこの順で積層された偏光板であって、前記反射型偏光板における第1の粘着剤層側表面から、前記第2の粘着剤層における前記保護フィルムとは反対側の表面までの層間厚みが、60μm以下であり、前記保護フィルムの85℃における引張弾性率が、2500MPa以下である、偏光板。
[2]前記保護フィルムは、環状ポリオレフィン系樹脂フィルムである、[1]に記載の偏光板。
[3]前記保護フィルムは、アクリル系樹脂フィルムである、[1]に記載の偏光板。
[4]前記第1の粘着剤層の厚みは、20μm以下である、[1]~[3]のいずれか1に記載の偏光板。
[5]前記第2の粘着剤層は、80℃における貯蔵弾性率が0.025MPa以上であり、厚みが10~30μmである、[1]~[4]のいずれか1に記載の偏光板。
[6]前記偏光子は、厚みが10μm以下である、[1]~[5]のいずれか1に記載の偏光板。
[7]前記反射型偏光板は、少なくとも2層の薄膜を有し、前記少なくとも2層の薄膜は、屈折率異方性が異なる、[1]~[6]のいずれか1に記載の偏光板。

発明の効果

[0009]
 本発明によれば、薄型の偏光板を得ることができる。また、偏光板が高温条件下、特に冷熱循環環境下に曝された場合であっても、偏光板の反りが抑制され、さらに、第2の粘着剤層の凝集破壊を抑制できる。

図面の簡単な説明

[0010]
[図1] 図1は、本発明の偏光板における好ましい層構成の概略断面図を例示したものである。
[図2] 図2(A)は、偏光板において正カール方向に反りが生じた際の概略断面図である。図2(B)は、偏光板において正カール方向に反りが生じた際に、偏光板を反射型偏光板12側から観察した顕微鏡写真である。

発明を実施するための形態

[0011]
 以下、本発明に係る偏光板について適宜図を用いて説明するが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。
[0012]
 本発明の偏光板は、反射型偏光板と、第1の粘着剤層と、偏光子と、保護フィルムと、第2の粘着剤層とがこの順で積層された偏光板であって、
反射型偏光板における第1の粘着剤層側表面から、前記第2の粘着剤層における前記保護フィルムとは反対側の表面までの層間厚みが、60μm以下であり、
保護フィルムの85℃における引張弾性率が、2500MPa以下であることを特徴とする、偏光板である。
[0013]
 本発明の偏光板は、例えば、図1に示すように、反射型偏光板12と、第1の粘着剤層13と、偏光子11と、保護フィルム22と、第2の粘着剤層23とがこの順で積層された偏光板100である。
[0014]
 本発明における偏光板は、反射型偏光板における第1の粘着剤層側表面から、第2の粘着剤層における前記保護フィルムとは反対側の表面までの層間厚み(以下、単に「層間厚み」と記載する場合がある)が、60μm以下であり、好ましくは55μm以下であり、より好ましくは47μm以下である。反射型偏光板における第1の粘着剤層側表面から、第2の粘着剤層における前記保護フィルムとは反対側の表面までの層間厚みの下限値は、好ましくは20μm、より好ましくは30μm、特に好ましくは40μmである。
[0015]
 層間厚みは、好ましくは、20~60μm、さらに好ましくは20~55μm、より好ましくは20~47μmである。
[0016]
 ここで、層間厚みは、例えば、図1における層間厚み(D)に相当する。この場合において、層間厚み(D)は、第1の粘着剤層13と、偏光子11と、保護フィルム22と、第2の粘着剤層23との厚さの合計に相当する。
[0017]
 図1には示されていないが、例えば、図1に示される反射型偏光板12と第2の粘着剤層23との間には、上記層以外の層を設けてもよい。このような場合、新たに設けられた層の厚さも層間厚みに含まれる。また、偏光子11と保護フィルム22は、通常、接着剤層を介して、貼り合わされている。当該、接着剤層の厚さについても、層間厚みに含まれ得る。
[0018]
 本発明における偏光板の層間厚みの測定は、当該技術分野において公知の測定方法を用いて行える。
[0019]
 本発明の偏光板において、保護フィルムの85℃における引張弾性率は、2500MPa以下であり、好ましくは、引張弾性率は2200MPa以下であり、さらに好ましくは1800MPa以下である。
[0020]
 保護フィルムの85℃における引張弾性率は、通常600MPa以上であり、好ましくは1400MPa以上であり、より好ましくは1500MPa以上である。
[0021]
 また、好ましくは、保護フィルムの85℃における引張弾性率は、600~2500MPaであり、より好ましくは1400~2200MPaであり、さらに好ましくは1500~1800MPaである。
[0022]
 本発明の偏光板において、反射型偏光板における第1の粘着剤層側表面から、前記第2の粘着剤層における前記保護フィルムとは反対側の表面までの層間厚みが本願所定の範囲に含まれ、かつ、保護フィルムの85℃における引張弾性率が、本願所定の範囲に含まれることにより、例えば、偏光板が高温条件下、特に冷熱循環環境下に曝されたとしても、反射型偏光板、第1の粘着剤層、偏光子、保護フィルム、さらには第2の粘着剤層の反りを抑制できる。その結果、偏光板全体の反りを抑制できる。
 ここで、偏光板が高温条件下に曝されるとは、例えば、70℃~95℃の温度に、30~60分間、偏光板が曝されることを意味する。
[0023]
 また、偏光板が高温条件下に曝されると、反射型偏光板、第1の粘着剤層、偏光子、保護フィルム、および第2の粘着剤層の少なくとも1つは、正カール方向(端部が浮き上がる方向)に、より詳細には、それらの端部が反射型偏光板に向かうように、浮き上がり、反りを生じ得る。
[0024]
 なお、本発明における偏光板を高温条件下に曝し、偏光板に僅かな反りが生じ得る場合、反射型偏光板、第1の粘着剤層と、偏光子と、保護フィルムと、第2の粘着剤層は一体となって反り得る。したがって、本発明の偏光板は、通常、反射型偏光板、第1の粘着剤層、偏光子、保護フィルム、および第2の粘着剤層における少なくとも1つの層間で層間剥離は生じ得ない。
[0025]
 偏光板の反りに起因して、第2の粘着剤層においても反り(浮き上がり)が生じ、さらに第2の粘着剤層を構成する粘着剤に凝集破壊が生じ得る。このように、第2の粘着剤層に凝集破壊が生じると、第2の粘着剤の一部は保護フィルムに残存し、第2の粘着剤の残りは、第2の粘着剤と貼合させた基材、例えばガラスパネルに残存する。このような状態を、本明細書において、糊スジが生じた状態ともいう。また、本発明において糊スジは、例えば、ガラスパネル等に残存した、連続した筋状または放射状の、第2の粘着剤層を構成する粘着剤のスジを意味する。
[0026]
 このような反りについて、本発明においては、反り量等を測定することにより評価できる。例えば、この反り量は、偏光板の第2粘着層をガラスパネルに貼合せ、-40℃の環境下に30分間、次いで85℃の環境下に30分間を1サイクルとして、50時間静置した後における偏光板について、反射型偏光板の第1の粘着剤層とは反対側の面における面内中心部の水平面に対する、端部の盛り上がりの相対高さを測定したものである。
 図2(A)は、偏光板において正カール方向に反りが生じた際の概略断面図である。例えば、上記冷熱循環環境下に50時間静置した後における偏光板の反り量は、図示したように、偏光板全体100における、端部全体の盛り上がり高さと、偏光板100の、反射型偏光板12の第1の粘着剤層13とは反対側の面の面内中央部における、水平面の高さとの距離から算出できる。ただし、各層の変形態様は、一例であり、この形態に限定されない。図2(A)は、上記冷熱循環環境下に50時間静置した後において、偏光子の収縮量が反射型偏光板の収縮量よりも大きい場合における一例である。また、例えば、反射型偏光板の種類、厚さ等によっても、図2(A)とは異なる変形態様が生じ得る。
 好ましくは、本発明の偏光板の反り量は、0.1~10μm、より好ましくは0.1~8μmである。反り量が上記範囲を超えると、第2の粘着剤層に著しい凝集破壊が生じる。第2の粘着剤層の凝集破壊が著しいと、偏光板の外観に悪影響が及ぼされるだけでなく、液晶表示装置に組み込んだときに、液晶表示装置の端部に光漏れが生じ、表示の品質が低下する。例えば、長さ12~16cm、幅6~10cmの偏光板の場合、反り量は、0.1~10μmであり、より好ましくは0.1~8μmである。
[0027]
 一方、例えば、図2(A)に示されるように、ガラスパネルにおける第2粘着層側の表面から、浮き上がった偏光板端部、すなわち、保護フィルムに残存する第2粘着層のガラスパネル側の表面端部との距離(以下、「浮き上がり量」ともいう)を計測することも可能である。この場合、好ましい浮き上がり量は、0.1~10μm、より好ましくは0.1~8μmである。浮き上がり量が上記範囲を超えると、第2の粘着剤層に著しい凝集破壊が生じる。第2の粘着剤層の凝集破壊が著しいと、偏光板の外観に悪影響が及ぼされるだけでなく、液晶表示装置に組み込んだときに、液晶表示装置の端部に光漏れが生じ、表示の品質が低下する。
 また、長さ12~16cm、幅6~10cmの偏光板の場合、浮き上がり量は、好ましくは0.1~10μmであり、より好ましくは0.1~8μmである。
 なお、上記「反り量」の値と「浮き上がり量」の値との関係は、それぞれの値が上記範囲内である限り、特に制限されない。例えば、「反り量」の値が上記最大値である場合、「浮き上がり量」の値が上記最小値であってもよい。「反り量」の値と「浮き上がり量」の値が近似であってもよい。
[0028]
 本発明において、「糊スジ長さ」は、偏光板を反射型偏光板側から観察し、観察された糊スジの長さを測定することにより算出される。具体的には、観察された糊スジにおける凸部の両側下端を結んで形成される直線と、凸部の頂点との距離を測定し、この測定を複数回行い、得られた測定結果の最大値を「糊スジ長さ」とする。
 例えば、偏光板を反射型偏光板側から観察した場合、図2(B)に示されるように糊スジは観察され、糊スジにおける凸部の両側下端および凸部の頂点から糊スジ長さが算出される。
 糊スジ長さは、当該技術分野において公知の方法で測定できる。糊スジ長さは、好ましくは100μm未満であり、より好ましくは50μm未満である。糊スジ長さがこのような範囲に含まれることにより、偏光板の視認性に悪影響が生じ得ない。一方、糊スジ長さが100μm以上であると、偏光板の視認性に悪影響が生じる、また、偏光板の外観も悪くなる。
[0029]
 好ましい実施態様において、上記反り量が0.1~10μmのとき、糊スジ長さは5~90μmであり、より好ましくは、5.0~50μmである。
 別の好ましい実施態様において、上記浮き上がり量が5.0μmのとき、糊スジ長さは5~90μmであり、より好ましくは、5.0~50μmである。
[0030]
 本発明において、「糊ズレ距離」は、偏光板の収縮による偏光板端部の移動距離を示す。例えば、糊ズレ距離は、ガラスパネルなどの基材に貼合せた直後の偏光板端部から、85℃の環境下に240時間静置した後における偏光板端部までの、偏光板端部の移動距離であってもよい。図2(B)において示されるように、偏光板を上から観察した場合、糊ズレ距離は、ガラスパネルなどの基材に貼合せた直後の偏光板端部から収縮後における偏光板端部までの収縮距離を示し得る。なお、図2(B)において示される偏光板端部は、反射型偏光板12の端部を意味する。また、使用する第2の粘着剤、偏光子などの組合せにより、糊ズレ距離は変動し得る。
[0031]
[反射型偏光板]
 反射型偏光板は、輝度向上フィルムとも称され、光源(バックライト)からの出射光を透過偏光と反射偏光または散乱偏光に分離するような機能を有する偏光変換素子が用いられる。上述のように、反射型偏光板を偏光子の上方に配置することにより、反射偏光または散乱偏光である再帰光を利用して、偏光子から出射される直線偏光の出射効率を向上させることができる。反射型偏光板は、第1の粘着剤層に接して積層される。
[0032]
 反射型偏光板は、例えば、異方性反射偏光子であることができる。異方性反射偏光子の一例は、一方の振動方向の直線偏光を透過し、他方の振動方向の直線偏光を反射する異方性多重薄膜であり、その具体例は3M製のDBEFである(特開平4-268505号公報等)。このような反射型偏光板は、屈折率異方性が異なる少なくとも2層の薄膜で構成された多層積層体を延伸してなる反射型偏光板である。よって、このような反射型偏光板は、少なくとも2層の薄膜を有し、延伸された少なくとも2層の薄膜は、屈折率異方性が異なるものである。
[0033]
 異方性反射偏光子の他の一例は、コレステリック液晶層とλ/4板との複合体であり、その具体例は日東電工製のPCFである(特開平11-231130号公報等)。異方性反射偏光子のさらに他の一例は、反射グリッド偏光子であり、その具体例は、金属に微細加工を施して可視光領域でも反射偏光を出射するような金属格子反射偏光子(米国特許第6288840号明細書等)、金属微粒子を高分子マトリックス中に添加して延伸したフィルム(特開平8-184701号公報)である。
[0034]
 反射型偏光板における第1の粘着剤層とは反対側の面に、ハードコート層、防眩層、光拡散層、1/4波長の位相差値を持つ位相差層のような光学層を設けてもよい。光学層の形成により、バックライトテープとの密着性や表示画像の均一性を向上させ得る。反射型偏光板の厚みは、5~100μm程度であることができるが、偏光板の薄膜化の観点から、好ましくは10~40μm、より好ましくは10~30μmである。
[0035]
 本発明の偏光板において、反射型偏光板における第1の粘着剤層側の表面には表面活性化処理が施され得る。この表面活性化処理は、反射型偏光板と第1の粘着剤層との貼合に先立って行われる。これにより、湿熱環境下において第1の粘着剤層と反射型偏光板との間での剥がれが生じにくい、湿熱耐久性に優れた偏光板が得られる。
[0036]
 表面活性化処理は、表面の親水化処理であることができ、乾式処理でもよいし湿式処理でもよい。乾式処理としては、例えば、コロナ処理、プラズマ処理、グロー放電処理のような放電処理;火炎処理;オゾン処理;UVオゾン処理;紫外線処理、電子線処理のような電離活性線処理等が挙げられる。湿式処理としては、例えば、水やアセトンのような溶媒を用いた超音波処理、アルカリ処理、アンカーコート処理等を例示できる。これらの処理は、単独で行ってもよいし、2つ以上を組み合わせて行ってもよい。
[0037]
 中でも、湿熱環境下における反射型偏光板の剥がれ抑制効果および偏光板の生産性の観点から、表面活性化処理は、コロナ処理および/またはプラズマ処理であることが好ましい。これらの表面活性化処理によれば、反射型偏光板の厚みが薄く、例えば30μm以下の場合であっても、湿熱環境下における第1の粘着剤層と反射型偏光板との間での剥がれを効果的に抑制することができる。なお、第1の粘着剤層における輝度反射型偏光板側の表面にも表面活性化処理を併せて施してもよい。
[0038]
[第1の粘着剤層]
 第1の粘着剤層は、偏光子と反射型偏光板との間に介在する層である。第1の粘着剤層は、典型的には、偏光子と第1の粘着剤層とが接するように偏光子に直接積層される。
第1の粘着剤層は、アクリル系、ゴム系、ウレタン系、エステル系、シリコーン系、ポリビニルエーテル系のような樹脂を主成分とする粘着剤組成物で構成することができる。中でも、透明性、耐候性、耐熱性等に優れるアクリル系樹脂をベースポリマーとする粘着剤組成物が好適である。粘着剤組成物は、活性エネルギー線硬化型、熱硬化型であってもよい。
[0039]
 上記アクリル系ベースポリマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシルのような(メタ)アクリル酸エステル系ベースポリマーや、これらの(メタ)アクリル酸エステルを2種類以上用いた共重合系ベースポリマーが好適に用いられる。ベースポリマーには、極性モノマーを共重合させることが好ましい。極性モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレートのような、カルボキシル基、水酸基、アミド基、アミノ基、エポキシ基等を有するモノマーを挙げることができる。
[0040]
 粘着剤組成物は通常、架橋剤をさらに含有する。架橋剤としては、2価以上の金属イオンであって、カルボキシル基との間でカルボン酸金属塩を形成するもの;ポリアミン化合物であって、カルボキシル基との間でアミド結合を形成するもの;ポリエポキシ化合物やポリオールであって、カルボキシル基との間でエステル結合を形成するもの;ポリイソシアネート化合物であって、カルボキシル基との間でアミド結合を形成するものが例示される。中でも、ポリイソシアネート化合物が好ましい。
[0041]
 活性エネルギー線硬化型粘着剤組成物とは、紫外線や電子線のような活性エネルギー線の照射を受けて硬化する性質を有しており、活性エネルギー線照射前においても粘着性を有してフィルム等の被着体に密着させることができ、活性エネルギー線の照射によって硬化して密着力の調整ができる性質を有する粘着剤組成物である。活性エネルギー線硬化型粘着剤組成物は、紫外線硬化型であることが好ましい。活性エネルギー線硬化型粘着剤組成物は、ベースポリマー、架橋剤に加えて、活性エネルギー線重合性化合物をさらに含有する。さらに必要に応じて、光重合開始剤や光増感剤等を含有させることもある。
[0042]
 粘着剤組成物は、光散乱性を付与するための微粒子;ビーズ;ベースポリマー以外の樹脂;粘着性付与剤;充填剤;酸化防止剤;紫外線吸収剤;顔料;着色剤等の添加剤を含むことができる。
[0043]
 第1の粘着剤層は、上記粘着剤組成物の有機溶剤希釈液を基材上に塗布し、乾燥させることにより形成することができる。基材は、偏光子、反射型偏光板、セパレータ等であることができる。活性エネルギー線硬化型粘着剤組成物を用いた場合は、形成された粘着剤層に、活性エネルギー線を照射することにより所望の硬化物とすることができる。
[0044]
 第1の粘着剤層は、23~80℃の温度範囲において0.15~1.2MPaの貯蔵弾性率を示すものであることが好ましい。これにより、耐熱及び冷熱循環環境下において偏光子の収縮に伴って発生しやすい寸法変化を抑制して、偏光板の耐久性を高めることができる。また、偏光板を搭載した液晶表示装置(例えば中小型モバイル端末用の液晶表示装置)が耐熱及び冷熱循環環境下に置かれた場合にも、偏光板の動きが抑制されるので、液晶表示装置の信頼性を高めることができる。
[0045]
 「23~80℃の温度範囲において0.15~1.2MPaの貯蔵弾性率を示す」とは、この範囲のいずれの温度においても、貯蔵弾性率が上記範囲内の値であることを意味する。貯蔵弾性率は通常、温度上昇に伴って漸減するので、23℃および80℃における貯蔵弾性率がいずれも上記範囲に入っていれば、この範囲の温度において、上記範囲内の貯蔵弾性率を示すとみることができる。第1の粘着剤層の貯蔵弾性率は、市販の粘弾性測定装置、例えば、後掲の実施例に示すようなREOMETRIC社製の粘弾性測定装置「DYNAMIC ANALYZER RDA II」を用いて測定することができる。
[0046]
 貯蔵弾性率を上記範囲に調整するための方法としては、ベースポリマーおよび架橋剤を含む粘着剤組成物に、オリゴマー、具体的には、ウレタンアクリレート系のオリゴマーをさらに添加して活性エネルギー線硬化型粘着剤組成物(好ましくは紫外線硬化型粘着剤組成物)とすることが挙げられる。より好ましくは、活性エネルギー線を照射して粘着剤層を適度に硬化させる。
[0047]
 第1の粘着剤層の厚みは、30μm以下であり得る。好ましくは25μm以下、特に好ましくは20μm以下、とりわけ好ましくは15μm以下である。第1の粘着剤層の厚みがこのような範囲にあることにより、良好な加工性を保ちつつ、偏光板の寸法変化を抑制できる。なお、第1の粘着剤層の厚さは、上記層間厚みが所定の範囲となるように、適宜調整できる。
[0048]
[偏光子]
 偏光子は、その吸収軸に平行な振動面をもつ直線偏光を吸収し、吸収軸に直交する(透過軸と平行な)振動面をもつ直線偏光を透過する性質を有する吸収型の偏光子であり、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムに二色性色素を吸着配向させた偏光フィルムを好適に用いることができる。偏光子は、例えば、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを一軸延伸する工程;ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを二色性色素で染色することにより二色性色素を吸着させる工程;二色性色素が吸着されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムをホウ酸水溶液で処理する工程;および、ホウ酸水溶液による処理後に水洗する工程を含む方法によって製造できる。
[0049]
 ポリビニルアルコール系樹脂としては、ポリ酢酸ビニル系樹脂をケン化したものを用いることができる。ポリ酢酸ビニル系樹脂としては、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルの他、酢酸ビニルと共重合可能な他の単量体との共重合体等が挙げられる。酢酸ビニルに共重合可能な他の単量体の例は、不飽和カルボン酸類、オレフィン類、ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸類およびアンモニウム基を有するアクリルアミド類等を含む。
[0050]
 ポリビニルアルコール系樹脂のケン化度は通常、85~100mol%程度であり、98mol%以上が好ましい。ポリビニルアルコール系樹脂は変性されていてもよく、例えば、アルデヒド類で変性されたポリビニルホルマールまたはポリビニルアセタール等を用いることもできる。ポリビニルアルコール系樹脂の平均重合度は通常、1000~10000程度であり、1500~5000程度が好ましい。ポリビニルアルコール系樹脂の平均重合度は、JIS K 6726に準拠して求めることができる。
[0051]
 このようなポリビニルアルコール系樹脂を製膜したものが、偏光子(偏光フィルム)の原反フィルムとして用いられる。ポリビニルアルコール系樹脂を製膜する方法は、特に限定されるものではなく、公知の方法が採用される。ポリビニルアルコール系原反フィルムの厚みは特に制限されないが、偏光子の厚みを10μm以下とするためには、5~35μm程度のものを用いることが好ましい。より好ましくは、20μm以下である。
[0052]
 ポリビニルアルコール系樹脂フィルムの一軸延伸は、二色性色素の染色前、染色と同時、または染色の後に行うことができる。一軸延伸を染色の後で行う場合、この一軸延伸は、ホウ酸処理の前またはホウ酸処理中に行ってもよい。また、これらの複数の段階で一軸延伸を行ってもよい。
[0053]
 一軸延伸にあたっては、周速の異なるロール間で一軸に延伸してもよいし、熱ロールを用いて一軸に延伸してもよい。また一軸延伸は、大気中で延伸を行う乾式延伸であってもよいし、溶剤を用いてポリビニルアルコール系樹脂フィルムを膨潤させた状態で延伸を行う湿式延伸であってもよい。延伸倍率は通常、3~8倍程度である。
[0054]
 ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを二色性色素で染色する方法としては、例えば、該フィルムを二色性色素が含有された水溶液に浸漬する方法が採用される。二色性色素として、ヨウ素や二色性有機染料が用いられる。なお、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムは、染色処理の前に水への浸漬処理を施しておくことが好ましい。
[0055]
 ヨウ素による染色処理としては通常、ヨウ素およびヨウ化カリウムを含有する水溶液に、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを浸漬する方法が採用される。この水溶液におけるヨウ素の含有量は、水100重量部あたり0.01~1重量部程度であることができる。ヨウ化カリウムの含有量は、水100重量部あたり0.5~20重量部程度であることができる。また、この水溶液の温度は、20~40℃程度であることができる。一方、二色性有機染料による染色処理としては通常、二色性有機染料を含有する水溶液に、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを浸漬する方法が採用される。二色性有機染料を含有する水溶液は、硫酸ナトリウム等の無機塩を染色助剤として含有していてもよい。この水溶液における二色性有機染料の含有量は、水100重量部あたり1×10 -4~10重量部程度であることができる。この水溶液の温度は、20~80℃程度であることができる。
[0056]
 二色性色素による染色後のホウ酸処理としては通常、染色されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムをホウ酸含有水溶液に浸漬する方法が採用される。二色性色素としてヨウ素を用いる場合、このホウ酸含有水溶液は、ヨウ化カリウムを含有することが好ましい。
ホウ酸含有水溶液におけるホウ酸の量は、水100重量部あたり2~15重量部程度であることができる。この水溶液におけるヨウ化カリウムの量は、水100重量部あたり0.1~15重量部程度であることができる。この水溶液の温度は、50℃以上であることができ、例えば50~85℃である。
[0057]
 ホウ酸処理後のポリビニルアルコール系樹脂フィルムは通常、水洗処理される。水洗処理は、例えば、ホウ酸処理されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムを水に浸漬することにより行うことができる。水洗処理における水の温度は通常、5~40℃程度である。
[0058]
 水洗後に乾燥処理を施して、偏光子が得られる。乾燥処理は、熱風乾燥機や遠赤外線ヒーターを用いて行うことができる。偏光子の厚みは15μm以下であることが好ましく、10μm以下であることがより好ましい。偏光子の厚みを15μm以下とすることは、偏光板、ひいては液晶表示装置の薄膜化に有利である。偏光子の厚みは通常、4μm以上である。なお、偏光子の厚さは、上記層間厚みが所定の範囲となるように、適宜調整できる。
[0059]
[保護フィルム]
 保護フィルムは、偏光子における第1の粘着剤層とは反対側の面に積層されるフィルムである。保護フィルムは、透光性を有する(好ましくは光学的に透明な)熱可塑性樹脂、例えば、鎖状ポリオレフィン系樹脂(ポリプロピレン系樹脂等)、環状ポリオレフィン系樹脂(ノルボルネン系樹脂等)のようなポリオレフィン系樹脂;トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロースのようなセルロース系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートのようなポリエステル系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;(メタ)アクリル系樹脂のようなアクリル系樹脂;ポリスチレン系樹脂;ポリ塩化ビニル系樹脂;アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン系樹脂;アクリロニトリル・スチレン系樹脂;ポリ酢酸ビニル系樹脂;ポリ塩化ビニリデン系樹脂;ポリアミド系樹脂;ポリアセタール系樹脂;変性ポリフェニレンエーテル系樹脂;ポリスルホン系樹脂;ポリエーテルスルホン系樹脂;ポリアリレート系樹脂;ポリアミドイミド系樹脂;ポリイミド系樹脂等からなるフィルムであることができる。中でも、ポリオレフィン系樹脂またはアクリル系樹脂を用いることが好ましく、特に好ましくは環状ポリオレフィン系樹脂を用いる事が好ましい。
[0060]
 鎖状ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂のような鎖状オレフィンの単独重合体のほか、2種以上の鎖状オレフィンからなる共重合体を挙げることができる。
[0061]
 環状ポリオレフィン系樹脂は、環状オレフィンを重合単位として重合される樹脂の総称である。環状ポリオレフィン系樹脂の具体例を挙げれば、環状オレフィンの開環(共)重合体、環状オレフィンの付加重合体、環状オレフィンとエチレン、プロピレンのような鎖状オレフィンとの共重合体(代表的にはランダム共重合体)、およびこれらを不飽和カルボン酸やその誘導体で変性したグラフト重合体、並びにそれらの水素化物等である。中でも、環状オレフィンとしてノルボルネンや多環ノルボルネン系モノマー等のノルボルネン系モノマーを用いたノルボルネン系樹脂が好ましく用いられる。好ましい実施態様において、本発明に係る保護フィルムは、環状ポリオレフィン系樹脂を含む。
[0062]
 セルロース系樹脂とは、綿花リンタや木材パルプ(広葉樹パルプ、針葉樹パルプ)等の原料セルロースから得られるセルロースの水酸基における水素原子の一部または全部がアセチル基、プロピオニル基および/またはブチリル基で置換された、セルロース有機酸エステルまたはセルロース混合有機酸エステルをいう。例えば、セルロースの酢酸エステル、プロピオン酸エステル、酪酸エステル、およびそれらの混合エステル等からなるものが挙げられる。
[0063]
 アクリル系樹脂フィルムの好ましい具体例としては、メタクリル酸メチル系樹脂を含むフィルムを挙げることができる。メタクリル酸メチル系樹脂とは、メタクリル酸メチル単位を50重量%以上含む重合体である。メタクリル酸メチル単位の含有量は、好ましくは70重量%以上であり、100重量%であってもよい。メタクリル酸メチル単位が100重量%の重合体は、メタクリル酸メチルを単独で重合させて得られるメタクリル酸メチル単独重合体である。
[0064]
 このメタクリル酸メチル系樹脂は、通常、メタクリル酸メチルを主成分とする単官能単量体および必要に応じて使用される多官能単量体を、ラジカル重合開始剤および必要に応じて使用される連鎖移動剤の共存下に重合することにより得ることができる。
[0065]
 メタクリル酸メチルと共重合し得る単官能単量体としては、たとえば、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸2-エチルヘキシル、およびメタクリル酸2-ヒドロキシエチル等のメタクリル酸メチル以外のメタクリル酸エステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸2-エチルヘキシル、およびアクリル酸2-ヒドロキシエチル等のアクリル酸エステル類;2-(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチル、3-(ヒドロキシエチル)アクリル酸メチル、2-(ヒドロキシメチル)アクリル酸エチル、および2-(ヒドロキシメチル)アクリル酸ブチル等のヒドロキシアクリル酸エステル類;メタクリル酸およびアクリル酸等の不飽和酸類;クロロスチレンおよびブロモスチレン等のハロゲン化スチレン類;ビニルトルエンおよびα-メチルスチレン等の置換スチレン類;アクリロニトリルおよびメタクリロニトリル等の不飽和ニトリル類;無水マレイン酸および無水シトラコン酸等の不飽和酸無水物類;ならびにフェニルマレイミドおよびシクロヘキシルマレイミド等の不飽和イミド類等を挙げることができる。このような単量体は、それぞれ単独で用いられてもよいし、2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
[0066]
 メタクリル酸メチルと共重合し得る多官能単量体としては、たとえば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ノナエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、およびテトラデカエチレングリコール(メタ)アクリレート等のエチレングリコールまたはそのオリゴマーの両末端水酸基をアクリル酸またはメタクリル酸でエステル化したもの;プロピレングリコールまたはそのオリゴマーの両末端水酸基をアクリル酸またはメタクリル酸でエステル化したもの;ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、およびブタンジオールジ(メタ)アクリレート等の2価アルコールの水酸基をアクリル酸またはメタクリル酸でエステル化したもの;ビスフェノールA、ビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物、またはこれらのハロゲン置換体の両末端水酸基をアクリル酸またはメタクリル酸でエステル化したもの;トリメチロールプロパンおよびペンタエリスリトール等の多価アルコールをアクリル酸またはメタクリル酸でエステル化したもの、ならびにこれら末端水酸基にグリシジルアクリレートまたはグリシジルメタクリレートのエポキシ基を開環付加させたもの;コハク酸、アジピン酸、テレフタル酸、フタル酸、これらのハロゲン置換体等の二塩基酸、およびこれらのアルキレンオキシド付加物等にグリシジルアクリレートまたはグリシジルメタクリレートのエポキシ基を開環付加させたもの;アリール(メタ)アクリレート;およびジビニルベンゼン等のジアリール化合物等が挙げられる。中でも、エチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレートおよびネオペンチルグリコールジメタクリレートが好ましく用いられる。
[0067]
 メタクリル酸メチル系樹脂は、該樹脂が有する官能基間の反応を行なうことによって変性された変性メタクリル酸メチル系樹脂であってもよい。その反応としては、たとえば、アクリル酸メチルのメチルエステル基と2-(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチルの水酸基との高分子鎖内脱メタノール縮合反応、および、アクリル酸のカルボキシル基と2-(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチルの水酸基との高分子鎖内脱水縮合反応等が挙げられる。
[0068]
 保護フィルムの位相差値を、液晶表示装置に好適な値に制御することも有用である。例えば、インプレーンスイッチング(IPS)モードの液晶表示装置には、実質的に位相差値がゼロのフィルムを用いることが好ましい。実質的に位相差値がゼロとは、波長590nmにおける面内位相差値が10nm以下であり、波長590nmにおける厚み方向位相差値の絶対値が10nm以下であり、波長480~750nmにおける厚み方向位相差値の絶対値が15nm以下であることをいう。
[0069]
 液晶表示装置のモードによっては、保護フィルムに延伸および/または収縮加工を行い、好適な位相差値を付与してもよい。
[0070]
 保護フィルムの厚みは1~30μm程度であることができるが、強度や取扱性等の観点から5~25μmが好ましく、5~20μmがより好ましい。この範囲内の厚みであれば、偏光子を機械的に保護し、湿熱環境下に曝されても偏光子が収縮せず、安定した光学特性を保つことができる。なお、保護フィルムの厚さは、上記層間厚みが所定の範囲となるように、適宜調整できる。
[0071]
 保護フィルムは、接着剤層を介して偏光子に貼合することができる。接着剤層を形成する接着剤としては、水系接着剤または活性エネルギー線硬化性接着剤を用いることができる。
[0072]
 水系接着剤としては、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液からなる接着剤、水系二液型ウレタン系エマルジョン接着剤等が挙げられる。中でもポリビニルアルコール系樹脂水溶液からなる水系接着剤が好適に用いられる。ポリビニルアルコール系樹脂としては、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルをケン化処理して得られるビニルアルコールホモポリマーのほか、酢酸ビニルとこれに共重合可能な他の単量体との共重合体をケン化処理して得られるポリビニルアルコール系共重合体、またはそれらの水酸基を部分的に変性した変性ポリビニルアルコール系重合体等を用いることができる。水系接着剤は、アルデヒド化合物、エポキシ化合物、メラミン系化合物、メチロール化合物、イソシアネート化合物、アミン化合物、多価金属塩等の架橋剤を含むことができる。
[0073]
 水系接着剤を使用する場合は、偏光子と保護フィルムとを貼合した後、水系接着剤中に含まれる水を除去するために乾燥させる工程を実施することが好ましい。乾燥工程後、例えば20~45℃程度の温度で養生する養生工程を設けてもよい。
[0074]
 上記活性エネルギー線硬化性接着剤は、紫外線などの活性エネルギー線を照射することで硬化する接着剤をいい、例えば、重合性化合物および光重合開始剤を含むもの、光反応性樹脂を含むもの、バインダー樹脂および光反応性架橋剤を含むもの等を挙げることができる。重合性化合物としては、光硬化性エポキシ系モノマー、光硬化性アクリル系モノマー、光硬化性ウレタン系モノマーのような光重合性モノマーや、光重合性モノマーに由来するオリゴマーを挙げることができる。光重合開始剤としては、紫外線のような活性エネルギー線の照射により中性ラジカル、アニオンラジカル、カチオンラジカルのような活性種を発生する物質を含むものを挙げることができる。重合性化合物および光重合開始剤を含む活性エネルギー線硬化性接着剤として、光硬化性エポキシ系モノマーおよび光カチオン重合開始剤を含むものを好ましく用いることができる。
[0075]
 活性エネルギー線硬化性接着剤を用いる場合は、偏光子と保護フィルムとを貼合した後、必要に応じて乾燥工程を行い、次いで活性エネルギー線を照射することによって活性エネルギー線硬化性接着剤を硬化させる硬化工程を行う。活性エネルギー線の光源は特に限定されないが、波長400nm以下に発光分布を有する紫外線が好ましく、具体的には、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、マイクロウェーブ励起水銀灯、メタルハライドランプ等を用いることができる。
[0076]
 偏光子と保護フィルムとを貼合するにあたっては、これらの少なくともいずれか一方の貼合面にケン化処理、コロナ処理、プラズマ処理等を施すことができる。
[0077]
[第2の粘着剤層]
 第2の粘着剤層を形成する粘着剤としては、従来公知のものを適宜選択すればよく、偏光板がさらされる高温環境、湿熱環境または高温と低温が繰り返されるような環境下において、剥れなどが生じない程度の接着性を有するものであればよい。具体的には、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ゴム系粘着剤などを挙げることができ、透明性、耐候性、耐熱性、加工性の点で、アクリル系粘着剤が特に好ましい。
 また、第1の粘着剤層および第2の粘着剤層は同種の粘着剤を用いてもよく、異なる種類の粘着剤を用いてもよい。
 好ましい実施態様において、第2の粘着剤層はアクリル系粘着剤から形成される。
[0078]
 粘着剤には、必要に応じ、粘着付与剤、可塑剤、ガラス繊維、ガラスビーズ、金属粉、その他の無機粉末等からなる充填剤、顔料、着色剤、充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、シランカップリング剤など、各種の添加剤を適宜に配合してもよい。
[0079]
 粘着剤層は、通常、粘着剤の溶液を離型シート上に粘着剤を塗布し、乾燥することにより形成される。離型シート上への塗布は、例えば、リバースコーティング、グラビアコーティング等のロールコーティング法、スピンコーティング法、スクリーンコーティング法、ファウンテンコーティング法、ディッピング法、スプレー法などを採用できる。粘着剤層を設けた離型シートは、これを転写する方法等により利用される。粘着剤層の厚さは、通常3~30μm程度であり、好ましくは10~30μmであり、より好ましくは、10~25μmである。好ましい実施態様において、第2の粘着剤層がこのような厚みを有することにより、偏光板が破壊することを抑制でき、液晶表示装置に組み込んだときに、液晶表示装置の端部に光漏れが生じることを抑制できる。なお、第2の粘着剤層の厚さは、上記層間厚みが所定の範囲となるように、適宜調整できる。
[0080]
 第2の粘着剤層の80℃における貯蔵弾性率は、好ましくは0.025MPa以上であり、より好ましくは0.07MPa以上である。粘着剤層の貯蔵弾性率が0.025MPa未満であると、第2の粘着剤層の凝集破壊が生じ得、凝集破壊が著しいと、偏光板の外観に悪影響が及ぼされるだけでなく、液晶表示装置に組み込んだときに、液晶表示装置の端部に光漏れが生じ、表示に悪影響がある。好ましくは、第2の粘着剤層の80℃における貯蔵弾性率は、1.1MPa以下であり、好ましくは0.9MPa以下である。80℃における粘着剤層の貯蔵弾性率が1.1MPaを超えると、第2の粘着剤層とガラス或いはパネルとに対して耐熱耐久性が悪くなり、層間に気泡が発生し易くなる。
[0081]
 第2の粘着剤層を他の部材に貼合するまで、その表面を保護するためにセパレータを設けてもよい。例えば、ポリエチレンテレフタレートのような透明樹脂からなるフィルムに、シリコーン系等の離型剤による処理を施したものが用いられる。
[0082]
 [偏光板の製造方法]
 本発明の偏光板は、例えば、以下の工程、
反射型偏光板における第1の粘着剤層側の表面に、表面活性化処理を施す工程、および、 表面活性化処理を施した上記表面上に、第1の粘着剤層を積層する工程、
を経て作製される。
[0083]
 また、本発明の偏光板は、例えば、偏光子の片面に保護フィルムを、接着剤層を介して貼合すること、保護フィルムにおける偏光子とは反対側の面に、第2の粘着剤層を積層すること、偏光子における保護フィルムとは反対側の面に第1の粘着剤層を貼合すること、第1の粘着剤層における偏光子とは反対側の面に反射型偏光板を積層することを含む。これらの工程を経ることにより、本発明の偏光板が得られる。なお、第2の粘着剤層の外面にはセパレータを仮着してもよく、第1の粘着剤層における反射型偏光板との貼合面に、表面活性化処理を施してもよい。
[0084]
 第1の粘着剤層への反射型偏光板の貼合方法は、枚葉貼合法であってもよいし、特開2004-262071号公報に記載されるようなシート・ロール複合貼合法であってもよい。また、長尺で生産でき、かつ必要数量が大きい場合には、ロール・ツー・ロールによる貼合手法も有用である。
[0085]
 このように、本発明の偏光板の製造方法は、当該技術分野において公知の方法により作成できる。
[0086]
 [液晶表示装置]
 本発明に係る偏光板は、液晶表示装置に好ましく適用できる。液晶表示装置は、液晶セルと、その表面に貼合される本発明に係る偏光板とを含む。液晶セルへの偏光板の貼合は、第2の粘着剤層を介して行い得る。本発明に係る偏光板は通常、液晶セルのバックライト側に配置される偏光板として用いられる。液晶セルの駆動方式は、従来公知のいかなる方式であってもよいが、好ましくはIPSモードである。本発明に係る偏光板を用いた液晶表示装置は、湿熱耐久性に優れている。
[0087]
 本発明は、第2の粘着剤層を介して偏光板を有機エレクトロルミネッセンスディスプレイに貼合することにより、有機エレクトロルミネッセンス表示装置を得ることができる。
実施例
[0088]
 以下、実施例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。例中、含有量または使用量を表す%および部は、特記ない限り重量基準である。
[0089]
なお、フィルムの厚み、引張弾性率および粘着剤層の貯蔵弾性率は下記に従って測定した。
[0090]
 (1)厚み
 ニコン社製のデジタルマイクロメーター「MH-15M」を用いて測定した。
[0091]
 (2)引張弾性率
 フィルムから2.5cm幅×10cm長さの試験片を切り出した。次いで、引張試験機[株式会社島津製作所製 AUTOGRAPH AG-1S試験機]の上下つかみ具で、つかみ具の間隔が5cmとなるように、上記試験片の長辺方向両端を挟み、85℃の環境下で引張速度1mm/分で引張り、得られる応力-ひずみ曲線における初期の直線の傾きから、85℃における引張弾性率を算出した。この測定を、「フィルムの搬送方向(MD方向)に対して行い、算出値をフィルムの引張弾性率とした。
[0092]
 (3)貯蔵弾性率
 粘着剤層の貯蔵弾性率G’は、以下の(I)~(III)に従って測定した。
(I)粘着剤層から試料を25±1mgずつ2つ取り出し、それぞれ略玉状に成形する。
(II)得られる略玉状の試料をI型冶具の上下面に貼り付け、上下面ともL型冶具で挟み込む。測定試料の構成は、L型治具/粘着剤/I型治具/粘着剤/L型冶具となる。
(III)こうして作製された試料の貯蔵弾性率G’を、アイティー計測制御株式会社製の動的粘弾性測定装置「DVA-220」を用いて、温度80℃、周波数1Hz、初期歪み1Nの条件下で測定した。
[0093]
 [偏光子の作製]
 厚み20μmのポリビニルアルコールフィルム(平均重合度約2400、ケン化度99.9モル%以上)を、乾式延伸により約5倍に一軸延伸し、さらに緊張状態を保ったまま、60℃の純水に1分間浸漬した後、ヨウ素/ヨウ化カリウム/水の重量比が0.05/5/100の水溶液に28℃で60秒間浸漬した。その後、ヨウ化カリウム/ホウ酸/水の重量比が8.5/8.5/100の水溶液に72℃で300秒間浸漬した。引き続き26℃の純水で20秒間洗浄した後、65℃で乾燥して、ポリビニルアルコールフィルムにヨウ素が吸着配向している厚み7μmの偏光子-1を得た。
[0094]
 [第1の粘着剤層の調製例]
 表1に示す組成を含む有機溶剤溶液を、離型処理が施された厚み38μmのポリエチレンテレフタレートからなるセパレータの離型処理面に、ダイコーターにて乾燥後に所定の厚みとなるように塗工し、乾燥させて得たセパレータ付粘着剤層を得た。各実施例および比較例における第1の粘着剤層の厚さ、80℃における貯蔵弾性率を表1に示す。
[0095]
[表1]


[0096]
 [第2の粘着剤層の調製例]
 表2に示す組成を含む有機溶剤溶液を、離型処理が施された厚み38μmのポリエチレンテレフタレートからなるセパレータの離型処理面に、ダイコーターにて乾燥後に所定の厚みとなるように塗工し、乾燥させて得たセパレータ付粘着剤層を得た。各実施例および比較例における第1の粘着剤層の厚さ、80℃における貯蔵弾性率を表2に示す。
[0097]
[表2]


[0098]
 [反射型偏光板]
 反射型偏光板-1として、3M社製の「Advanced Polarized Film,Version 3」(厚さ26μm)を使用した。
[0099]
 [保護フィルム]
 以下の保護フィルムを使用した。
 COP-1:シクロオレフィン系保護フィルム(日本ゼオン株式会社製)、厚さ13μm、波長590nmでの面内位相差値=3.46nm、80℃における引張弾性率=1764MPa。
 COP-2:シクロオレフィン系保護フィルム(JSR株式会社製)、厚さ15μm、波長590nmでの面内位相差値=2.44nm、80℃における引張弾性率=1601MPa。
 Zero TAC:トリアセチルセルロース系保護フィルム(コニカミノルタ株式会社製)、厚さ20μm、波長590nmでの面内位相差値=(1.37)nm、80℃における引張弾性率=3956MPa。
 アクリル-1:(大倉工業株式会社製)耐熱アクリル保護フィルム、厚さ21μm、波長590nmでの面内位相差値=-1.6nm、80℃における引張弾性率=2025MPa。
 アクリル-2:(住友化学株式会社製)ゴム粒子添加汎用アクリル保護フィルム、厚さ21μm、波長590nmでの面内位相差値=-1.6nm、80℃における引張弾性率=820MPa。
[0100]
 「水系接着剤の調製」
 水100重量部に対し、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール〔株式会社クラレ製の「KL-318」〕を3重量部溶解して、ポリビニルアルコール水溶液を調製した。得られた水溶液に水溶性ポリアミドエポキシ樹脂〔田岡化学工業株式会社製の「スミレーズレジン650(30)」、固形分濃度30重量%〕を、水100重量部に対し、1.5重量部の割合で混合して、水系接着剤を得た。
[0101]
 ビス(3,4-エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート100部、水添ビスフェノールAのジグリシジルエーテル25部、および光カチオン重合開始剤として4,4'-ビス(ジフェニルスルホニオ)ジフェニルスルフィド ビス(ヘキサフルオロホスフェート)(50%プロピレンカーボネート溶液)2.2部(有効成分量)を混合した後、脱泡して、硬化性エポキシ樹脂組成物からなる活性エネルギー線硬化性接着剤を調製した。
[0102]
 [偏光板の作製例]
 水系接着剤を用いる場合。
 まず、偏光子11の片面に、上記水系接着剤(厚さ10~100nm)を用いて保護フィルム22を貼合した。貼合に先立ち、保護フィルムにおける偏光子との貼合面には、0.8kJ/m のコロナ処理を実施した。その後、80℃で5分間乾燥させ、40℃で72時間養生した。
[0103]
 活性エネルギー線硬化性接着剤を用いる場合。
 偏光子11の片面に、上記活性エネルギー線硬化性接着剤を用いて保護フィルム22を貼合した。貼合に先立ち、保護フィルムにおける偏光子との貼合面には、0.8kJ/m のコロナ処理を実施した。偏光子11と保護フィルム22とを貼合した後、紫外線照射装置(ランプ:Fusion Dランプ、積算光量:1000mJ/cm 2)にて紫外線の照射を行ない、室温で1時間放置した。
[0104]
 次いで、偏光子における保護フィルムが積層された面とは反対側の面に、第1の粘着剤層を貼合した。貼合に先立ち、偏光子の貼合面および第1の粘着剤層の貼合面の双方に10.8kJ/m 2のコロナ処理を実施した。
[0105]
 次に、保護フィルムの外面に第2の粘着剤層を貼合した。貼合に先立ち、保護フィルムの貼合面および第2の粘着剤層の貼合面の双方に0.8kJ/m のコロナ処理を実施した。
[0106]
 最後に、第1の粘着剤層のセパレータを剥離し、反射型偏光板の片面に0.8kJ/m のコロナ処理を実施した後、反射型偏光板をそのコロナ処理面側で、第1の粘着剤層の外面に貼合して、偏光板を得た。
[0107]
 このようにして得られた偏光板の構成を表3(実施例)および表4(比較例)に示す。
また、得られた各偏光板の物性評価を、以下の記載に従い行った。
[0108]
 [層間厚みの測定]
 反射型偏光板における第1の粘着剤層側表面から、第2の粘着剤層における前記保護フィルムとは反対側の表面までの層間厚みを算出した。実施例および比較例における層間厚みを、表3(実施例)および表4(比較例)に示す。なお、各種層の厚さの測定は、株式会社ニコン製のデジタルマイクロメーター「MH-15M」を用いて測定した。また、層間厚みは、各層の厚さを合計して算出した。
[0109]
 [反り量の測定]
 上記で作製した偏光板について、反り量を次の方法で測定した。まず、作製した偏光板において、第2の粘着剤層における保護フィルムとは反対側の面をガラス(コーニング社製、品番:EAGLE XG (登録商標))に貼合せ、冷熱サイクル(-40℃に30分間、次いで85℃に30分間で1サイクル)の環境下に、50時間静置した。反りが生じた偏光板について、端部の盛り上がり箇所の高さから偏光板面内の中央部の高さを引いた値を反り量として測定した。反り量の測定には、(SENSOFAR社製、品番:PLu neox 3D Optical Profiler)を用いて端部の反り高さを、3回測定した反り量の平均値を表3(実施例)および表4(比較例)に示す。
[0110]
 [糊スジ長さの測定]
 上記反り量の測定で用いた偏光板において、反りが生じると、第2の粘着剤層に凝集破壊が生じ得、保護フィルムにおける第2の粘着剤層側と、ガラスパネルにおける第2の粘着剤層側に、第2の粘着剤が分断され、保護フィルムとガラスパネルの各々に第2の粘着剤が残存することがあった。
 ここで、ガラスパネル面に残存した第2の粘着剤は、連続した筋状または放射状の形態で存在していた。このような、ガラスパネルに残存する第2の粘着剤のスジの長さ、すなわち、糊スジの長さを、(KEYENCE社製、品番:VHX-1000)を用いて、500xの倍率で、例えば、図2(A)および(B)のように示される糊スジの長さを測定した。3本の糊スジについてその長さを測定し、得られた最大値を、各実施例および比較例における糊スジ長さとした。結果を表3(実施例)および表4(比較例)に示す。
[0111]
 [外観評価]
 上記反り量の測定で用いた偏光板に関し、偏光板の外観を観察した。以下の基準に従い、評価を行った。ルーペで糊スジの視認性を確認して、その後もう一枚偏光板貼合したガラスとクロスニコルとなるように重ねた状態で、偏光板の光抜けを観察した。
◎:偏光板の視認性は極めて良好であり、偏光板の光抜けは観察されなかった。
○:偏光板の視認性は良好であり、偏光板の光抜けは観察されなかった。
△:偏光板の視認性が悪い、または偏光板の光抜けが観察された。
×:偏光板の視認性が悪く、その上、偏光板の光抜けが観察された。
[0112]
[表3]


[0113]
[表4]


[0114]
 このような結果より、本発明の偏光板は、薄型の偏光板を得ることができる。また、偏光板が高温条件下、特に冷熱循環環境下に曝された場合であっても、偏光板の反りが抑制され、さらに、第2の粘着剤層の凝集破壊を抑制できる。また、本発明の偏光板は、高温条件下、特に冷熱循環環境下に曝された場合であっても、偏光板の視認性は極めて良好であり、偏光板の光抜けも生じない。

産業上の利用可能性

[0115]
 本発明によれば、偏光子および反射型偏光板の収縮に起因する反りが抑制された偏光板が提供される。さらに、本発明によれば、液晶パネルのガラスパネルに貼合された粘着剤層の凝集破壊も抑制された偏光板が提供される。

符号の説明

[0116]
  11 偏光子
  12 反射型偏光板
  13 第1の粘着剤層
  22 保護フィルム
  23 第2の粘着剤層
  24 基材
  100 偏光板

請求の範囲

[請求項1]
 反射型偏光板と、第1の粘着剤層と、偏光子と、保護フィルムと、第2の粘着剤層とがこの順で積層された偏光板であって、前記反射型偏光板における第1の粘着剤層側表面から、前記第2の粘着剤層における前記保護フィルムとは反対側の表面までの層間厚みが、60μm以下であり、前記保護フィルムの85℃における引張弾性率が、2500MPa以下である、偏光板。
[請求項2]
 前記保護フィルムは、環状ポリオレフィン系樹脂フィルムである、請求項1に記載の偏光板。
[請求項3]
 前記保護フィルムは、アクリル系樹脂フィルムである、請求項1に記載の偏光板。
[請求項4]
 前記第1の粘着剤層の厚みは、20μm以下である、請求項1~3のいずれか1項に記載の偏光板。
[請求項5]
 前記第2の粘着剤層は、80℃における貯蔵弾性率が0.025MPa以上であり、厚みが10~30μmである、請求項1~4のいずれか1項に記載の偏光板。
[請求項6]
 前記偏光子は、厚みが10μm以下である、請求項1~5のいずれか1項に記載の偏光板。
[請求項7]
 前記反射型偏光板は、少なくとも2層の薄膜を有し、前記少なくとも2層の薄膜は、屈折率異方性が異なる、請求項1~6のいずれか1項に記載の偏光板。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]