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1. (WO2017098708) SURGICAL OPERATION SYSTEM
Document

明 細 書

発明の名称 外科手術システム

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

先行技術文献

特許文献

0004  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0005  

課題を解決するための手段

0006   0007   0008   0009  

発明の効果

0010  

図面の簡単な説明

0011  

発明を実施するための形態

0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117   0118   0119   0120   0121   0122   0123   0124   0125   0126   0127   0128   0129   0130   0131   0132   0133   0134   0135   0136   0137   0138   0139   0140   0141   0142   0143   0144  

符号の説明

0145  

請求の範囲

1   2   3   4  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16   17   18   19   20   21   22   23  

明 細 書

発明の名称 : 外科手術システム

技術分野

[0001]
 本発明は、マニピュレータを含む外科手術システムに関する。

背景技術

[0002]
 従来、ロボット支援外科手術や遠隔ロボット外科手術などの、マニピュレータを含む外科手術システムを利用する外科手術が知られている。このシステムは、鉗子やメスなどの手術器具や内視鏡カメラなどのインストゥルメントと、このインストゥルメントを先端部に装着したマニピュレータアームとを備え、術者は患者から離れた場所に設置された操作装置を用いてマニピュレータアーム及びインストゥルメントの動作を遠隔操作して、患者の手術部位に施術する。特許文献1には、この種の外科手術システムが開示されている。
[0003]
 特許文献1に示された外科手術システム(ロボット手術システム)は、プラットホームと、プラットホームに連結されたセットアップアームと、セットアップアームの遠位端部に連結されたマニピュレータベースと、マニピュレータベースに連結されたマニピュレータと、マニピュレータの遠位端部に取り付けられた手術器具とを備えている。プラットホームは、手術室の天井に設けられたプラットホームリンケージを介して、手術室の天井に上下昇降可能に吊設されている。

先行技術文献

特許文献

[0004]
特許文献1 : 特開2012-143589号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0005]
 上記特許文献1の外科手術システムでは、プラットホームはプラットホームリンケージを介して手術室の天井に吊設されていることから、プラットホームは上下昇降移動可能であるが、その水平な姿勢は維持される。

課題を解決するための手段

[0006]
 ところで、上記のような外科手術システムにおいて、例えば、腹腔鏡下手術が行われる場合には、一般に手術台上の患者は仰臥位であって、患者の腹部体表に留置された1又は複数のカテーテルスリーブを通じて、手術器具の遠位端部が患者の体内に挿入される。患部によっては、体側にカテーテルスリーブが設けられ、カテーテルスリーブの軸心方向に対し大きく傾けた姿勢で手術器具が患者の体内に挿入されることも想定される。このような場合に、システムが備える複数のマニピュレータアームを包括的に傾けるニーズがある。
[0007]
 そこで、本願の発明者らは以上の事情を鑑み、複数のマニピュレータアームを含む外科手術システムにおいて、複数のマニピュレータアームを包括的に傾ける技術を提供することをとした。
[0008]
 本発明の一態様に係る外科手術システムは、
プラットホームと、
前記プラットホームに連結された複数のマニピュレータアームと、
前記複数のマニピュレータアームの各々の先端部に装着されたインストゥルメントと、
前記プラットホームを水平姿勢から姿勢変化可能に支持するポジショナとを備えることを特徴としている。なお、上記インストゥルメントのうち少なくとも1つが内視鏡カメラアセンブリであってもよい。
[0009]
 上記外科手術システムでは、プラットホームを水平姿勢から姿勢変化させることによって、プラットホームに連結された複数のマニピュレータアームを包括的に傾けること、複数のマニピュレータアームの基準軸線(基端部の旋回軸線)の傾きを包括的に変化させることができる。

発明の効果

[0010]
 本発明によれば、複数のマニピュレータアームを含む外科手術システムにおいて、複数のマニピュレータアームを包括的に傾ける技術を提供することができる。

図面の簡単な説明

[0011]
[図1] 図1は、本発明の一実施形態に係る外科手術システムの全体的な構成を示す概略図である。
[図2] 図2は、ポジショナの全体的な構成を示す側面図である。
[図3] 図3は、ポジショナの制御系統の概略構成を示すブロック図である。
[図4] 図4は、揺動アームを垂直から傾けたポジショナの全体的な構成を示す側面図である。
[図5] 図5は、プラットホームを水平から傾けたポジショナの全体的な構成を示す側面図である。
[図6] 図6は、昇降軸に代えて柱状部材が設けられた場合の、ポジショナの全体的な構成を示す側面図である。
[図7] 図7は、患者側マニピュレータアームの全体的な構成を示す概略図である。
[図8] 図8は、アーム本体の制御系統の概略構成を示すブロック図である。
[図9] 図9は、アーム本体の駆動系統のレイアウトを示すアーム本体の部分断面図である。
[図10] 図10は、プラットホームと患者側マニピュレータアームとの連結構造を示す平面図である。
[図11] 図11は、図10におけるXI-XI矢視断面図である。
[図12] 図12は、プラットホームに取り付けた患者側マニピュレータアームを管理するための構成を示すブロック図である。
[図13] 図13は、サーボモータがプラットホームに設けられた場合の、プラットホームと患者側マニピュレータアームとの連結構造を示す平面図である。
[図14] 図14は、図1の外科手術システムのアーム本体の先端部及び並進アームの構成例を示す部分破断図である。
[図15] 図15は、並進アームの動作例を示す図である。
[図16] 図16は、揺動機構の構成例を示す図である。
[図17] 図17は、揺動機構の動作例を示す図である。
[図18] 図18は、並進アームの変形例1を示す図である。
[図19] 図19は、並進アームの変形例2を示す図である。
[図20] 図20は、揺動機構の変形例1を示す図である。
[図21] 図21は、揺動機構の変形例2を示す図である。
[図22] 図22は、揺動機構を備えるアームの変形例1を示す図である。
[図23] 図23は、揺動機構を備えるアームの変形例2を示す図である。

発明を実施するための形態

[0012]
 本発明の一態様に係る外科手術システムは、プラットホームと、前記プラットホームに連結された複数のマニピュレータアームと、前記複数のマニピュレータアームの各々の先端部に装着されたインストゥルメントと、前記プラットホームを水平姿勢から姿勢変化可能に支持するポジショナとを備えることを特徴としている。
[0013]
 上記外科手術システムにおいて、前記ポジショナは、手首部に前記プラットホームが連結された水平多関節形のマニピュレータアーム部を有していてよい。
[0014]
 また、上記外科手術システムにおいて、前記ポジショナは、手術室の床に設置されたベースと、前記マニピュレータアーム部の基端部と連結された柱部と、前記ベースに対し前記柱部の基端部を揺動可能に連結する揺動アームとを、更に有していてよい。
[0015]
 また、上記外科手術システムにおいて、前記ポジショナは、前記ベースに対し前記揺動アームの基端部を水平な回転軸回りに回動可能に連結する第1関節と、前記揺動アームの先端部に対し前記柱部の基端部を水平な回転軸回りに回動可能に連結する第2関節とを有し、前記第1関節と前記第2関節が連動することによって前記柱部の垂直な姿勢が維持されるように、前記第1関節及び前記第2関節の動作を制御する、ポジショナ制御装置を更に備えていてよい。
以下、図面を参照しながら、上記外科手術システムについて詳細に説明する。
[0016]
[外科手術システムの概要]
 図1は、本発明の一実施形態に係る外科手術システム100の全体的な構成を示す概略図である。図1に示すように、外科手術システム100は、ロボット支援手術やロボット遠隔手術などのように、医師などの術者Oが患者側システム1を用いて患者Pに内視鏡外科手術を施すシステムである。
[0017]
 外科手術システム100は、患者側システム1と、この患者側システム1を操る操作装置2とを備えている。操作装置2は患者側システム1から離れて配置され、患者側システム1は操作装置2によって遠隔操作される。術者Oは患者側システム1に行わせる動作を操作装置2に入力し、操作装置2はその動作指令を患者側システム1に送信する。そして、患者側システム1は、操作装置2から送信された動作指令を受け取り、この動作指令に基づいて患者側システム1が具備する内視鏡アセンブリ41やインストゥルメント42(外科用器具)などを動作させる。以下、外科手術システム100の各構成要素について詳細に説明する。
[0018]
[操作装置の構成例]
 操作装置2は、外科手術システム100と術者Oのインターフェースを構成し、患者側システム1を操作するための装置である。操作装置2は、手術室内において手術台111の傍らに又は手術台111から離れて、或いは、手術室外に設置されている。操作装置2は、術者Oが動作指令を入力するための操作用マニピュレータアーム51や操作ペダル52などの操作入力部50と、内視鏡アセンブリ41で撮影された画像を表示するモニタ53とを含む。術者Oは、モニタ53で患部を視認しながら、操作入力部50を操作して操作装置2に動作指令を入力する。操作装置2に入力された動作指令は、有線又は無線により患者側システム1の後述するコントローラ6に伝達される。
[0019]
[患者側システムの構成例]
 患者側システム1は、外科手術システム100と患者Pとのインターフェースを構成する。患者側システム1は、手術室内において患者Pが横たわる手術台111の傍らに配置されている。手術室内は滅菌された滅菌野である。
[0020]
 患者側システム1は、ポジショナ7と、ポジショナ7の先端部に取り付けられたプラットホーム5と、プラットホーム5に着脱可能に取り付けられた複数の患者側マニピュレータアーム(以下、単に「アーム3」という)と、複数のアーム3のうち1本のアーム3Aの先端部に取り付けられた内視鏡アセンブリ41と、複数のアーム3のうち余のアーム3Bの先端部に着脱可能に取り付けられたインストゥルメント42と、ポジショナ7及びプラットホーム5を滅菌野から遮蔽する滅菌ドレープ9と、患者側システム1の動作を司るコントローラ6とを備えている。以下、内視鏡アセンブリ41が取り付けられたアーム3を「カメラアーム3A」ということがあり、インストゥルメント42が取り付けられたアーム3を「インストゥルメントアーム3B」ということがある。本実施形態に係る患者側システム1は、1本のカメラアーム3Aと3本のインストゥルメントアーム3Bとの、併せて4本のアーム3を備えている。
[0021]
 上記の患者側システム1において、プラットホーム5は、複数のアーム3の拠点となる「ハブ」としての機能を有している。本実施形態では、ポジショナ7及びプラットホーム5によって、複数のアーム3を移動可能に支持するマニピュレータアーム支持体Sが構成されている。但し、マニピュレータアーム支持体Sは少なくともプラットホーム5を含んでいればよく、例えば、ポジショナ7に代えて直動レールや昇降装置、或いは、天井や壁に取り付けられたブラケットに支持されたプラットホーム5によってマニピュレータアーム支持体Sが構成されてもよい。
[0022]
 上記の患者側システム1では、ポジショナ7から内視鏡アセンブリ41又は各インストゥルメント42まで、要素が一連に繋がっている。この明細書では、上記一連の要素において、ポジショナ7(より詳細には、ポジショナ7の手術室の床との接触部)へ向かう側の端部を「基端部」といい、その反対側の端部を「先端部」ということとする。また、基端部を「近位端部」ということがあり、先端部を「遠位端部」ということがある。
[0023]
 インストゥルメント42は、その基端部に設けられた駆動ユニット45と、その先端部に設けられたエンドエフェクタ44(処置具)と、駆動ユニット45とエンドエフェクタ44の間を繋ぐ細長いシャフト43とで構成されている(いずれも、図7参照)。インストゥルメント42には基準方向Dが規定されており、駆動ユニット45、シャフト43、及びエンドエフェクタ44は基準方向Dと平行に並ぶ。インストゥルメント42のエンドエフェクタ44は、動作する関節を有する器具(例えば、鉗子、ハサミ、グラスパー、ニードルホルダ、マイクロジセクター、ステープルアプライヤー、タッカー、吸引洗浄ツール、スネアワイヤ、及び、クリップアプライヤーなど)や、関節を有しない器具(例えば、切断刃、焼灼プローブ、洗浄器、カテーテル、及び、吸引オリフィスなど)からなる群より選択される。
[0024]
 上記構成の患者側システム1では、操作装置2から動作指令を受けたコントローラ6が、先ず、プラットホーム5と手術台111又は患者Pとが所定の位置関係となるように、ポジショナ7を動作させてプラットホーム5の位置決めを行う。次に、コントローラ6が、患者Pの体表に留置されたスリーブ(カニューレスリーブ)110と内視鏡アセンブリ41及び各インストゥルメント42が所定の初期位置関係となるように、各アーム3を動作させて内視鏡アセンブリ41及び各インストゥルメント42の位置決めを行う。なお、ポジショナ7と各アーム3の上記の位置決め動作は同時に行われてもよい。そして、コントローラ6は、原則としてポジショナ7を静止させた状態で、操作装置2からの動作指令に応じて、各アーム3を動作させて内視鏡アセンブリ41及び各インストゥルメント42を適宜変位及び姿勢変化させつつ、各インストゥルメント42を動作させて施術する。
[0025]
[ポジショナの構成例]
 ここで、ポジショナ7の構成について詳細に説明する。図2は、ポジショナ7の全体的な構成を示す側面図である。
[0026]
 図2に示すように、ポジショナ7は、水平多関節形ロボットを基調としており、手術室の床に載置されたベース70と、昇降軸72と、ベース70と昇降軸72の基端部とを連結する揺動アーム71と、昇降軸72の先端部に連結された水平アーム73とを含む。水平アーム73の先端部には、プラットホーム5が連結されている。
[0027]
 ベース70は、例えば、ブレーキ付台車であって、所望の位置へ移動させて、そこで静止させることができる。このベース70に、揺動アーム71の基端部が回転関節J71を介して連結されている。この回転関節J71の動作により、揺動アーム71は、ベース70に規定された水平な回転軸(揺動軸)を中心として回動(揺動)する。また、揺動アーム71の先端部は、回転関節J72を介して昇降軸72の基端部と連結されている。この回転関節J72の動作により、揺動アーム71は、昇降軸72の基端部に規定された水平な回転軸を中心として回動(揺動)する。
[0028]
 昇降軸72は、垂直に延在し、垂直方向に伸縮可能である。本実施形態の昇降軸72は、筒部材72a、この筒部材72aに垂直方向へ進退可能に挿入された中空の軸部材72b、及び、筒部材72aと軸部材72bとを連結する並進関節J73を含む。この並進関節J73の動作により、軸部材72bは筒部材72aに対して垂直方向へ進退移動する。
[0029]
 水平アーム73は、水平に延びる第1リンク74及び第2リンク75と、第2リンク75の先端部に連結された手首リンク76とを含む。手首リンク76の先端部には、プラットホーム5が接続されている。
[0030]
 第1リンク74の基端部は、回転関節J74を介して昇降軸72の先端部と連結されている。第1リンク74と昇降軸72とは直角を成している。上記回転関節J74の動作により、第1リンク74は昇降軸72の先端部に規定された垂直な回転軸を中心として回動する。第1リンク74の先端部は、回転関節J75を介して第2リンク75の基端部と連結されている。この回転関節J75の動作により、第2リンク75は、第1リンク74の先端部に規定された垂直な回転軸を中心として回動する。
[0031]
 第2リンク75の先端部は、回転関節J76を介して手首リンク76の基端部と連結されている。この回転関節J76の動作により、手首リンク76は、第2リンク75の先端部に規定された水平な回転軸を中心として回動する。定常時の手首リンク76は垂直に延びており、この手首リンク76の先端部に接続されたプラットホーム5は水平な姿勢である。
[0032]
 ここで、ポジショナ7の制御系統の構成について説明する。図3は、ポジショナ7の制御系統の概略構成を示すブロック図である。図3に示すように、ポジショナ7は、各関節J71~J76に対応して、駆動用のサーボモータM71~M76、及び、サーボモータM71~M76の回転角を検出するエンコーダE71~E76を備えている。なお、この図では、関節J71~J76のうち、回転関節J71と回転関節J76との駆動系統が代表的に示され、余の関節J73~J75の駆動系統は省略されている。
[0033]
 コントローラ6は、ポジショナ7の動作を司るポジショナ制御部601を含む。ポジショナ制御部601にはサーボ制御部C71~C76が電気的に接続され、サーボ制御部C71~C76には図示されない増幅回路などを介してサーボモータM71~M76が電気的に接続されている。
[0034]
 上記構成において、操作装置2に入力された動作指令に基づいて、ポジショナ制御部601にプラットホーム5の位置姿勢指令が入力される。ポジショナ制御部601は、位置姿勢指令とエンコーダE71~E76で検出された回転角とに基づいて、位置指令値を生成して出力する。この位置指令値を取得したサーボ制御部C71~C76は、エンコーダE71~E76で検出された回転角及び位置指令値に基づいて駆動指令値(トルク指令値)を生成して出力する。この駆動指令値を取得した増幅回路は、駆動指令値に対応した駆動電流をサーボモータM71~M76へ供給する。このようにして、プラットホーム5が、位置姿勢指令と対応する位置及び姿勢に到達するように、各サーボモータM71~M76がサーボ制御される。
[0035]
 上記の通り、ポジショナ7は、プラットホーム5の位置姿勢指令に応じて態様を変化させることができる。ここで、図2に示すように、ポジショナ7の基本姿勢を、揺動アーム71及び昇降軸72が垂直に延在し、水平アーム73が水平に延在し、且つ、手首リンク76に接続されたプラットホーム5が水平な状態とする。
[0036]
 図4に示すように、上記基本姿勢から揺動アーム71を垂直から傾ける場合に、ポジショナ制御部601は、回転関節J71を動作させて揺動アーム71を垂直から傾けるとともに、回転関節J72を動作させて昇降軸72の垂直な姿勢を維持する。このようにして、揺動アーム71の垂直からの傾きにかかわらず、昇降軸72の垂直及び水平アーム73の水平が維持される。
[0037]
 上記のように揺動アーム71が垂直から傾くと、ポジショナ7は全体としてC字形状を呈する。これにより、ポジショナ7は、ベース70が手術台111の下方に位置し、昇降軸72が手術台111の側方に位置し、且つ、水平アーム73が手術台111の上方に位置する態様を取ることができる。このように、ベース70が手術台111の下方に収められることにより、手術中に手術台111の周囲で手術を補助する補助者の動線を確保することができる。
[0038]
 更に、図5に示すように、手首リンク76を垂直から傾けるように回転関節J76を駆動すると、プラットホーム5が水平から傾く。プラットホーム5が水平から傾くと、プラットホーム5に取り付けられたアーム3の基本軸線(旋回軸線)Lpが一斉に垂直から傾くこととなる。その結果、インストゥルメント42に規定された基準方向Dの角度範囲が拡張され、インストゥルメント42を垂直からより大きく傾けて患者Pへ挿入することが可能となる。このようにして、患者Pの臥位や手術位置に応じて、患者Pに対するインストゥルメント42の挿入方向を適切に調整することができる。
[0039]
 以上にポジショナ7の好適な実施形態を説明したが、上記のポジショナ7の構成は例えば以下のように変更することができる。
[0040]
 例えば、上記実施形態のポジショナ7において、昇降軸72は垂直方向に伸縮するが、図6に示すように、昇降軸72に代えて伸縮しない柱状部材72'を用いてもよい。この変形例では、並進関節J73は省略される。なお、上記実施形態のポジショナ7では、主に昇降軸72の伸縮によってプラットホーム5の高さ位置を調整するが、上記変形例では、主に揺動アーム71の垂直からの傾きによってプラットホーム5の高さ位置を調整する。
[0041]
[アームの構成例]
 ここで、アーム3の構成について詳細に説明する。図7では、患者側システム1が備える複数のアーム3のうちの1本の概略構成が示されている。図7に示すように、アーム3は、アーム本体30と、アーム本体30の先端部に連結された並進アーム35とを備え、基端部に対し先端部を3次元空間内で移動させることができるように構成されている。なお、本実施形態では、患者側システム1が具備する複数のアーム3はいずれも同様又は類似の構成を有するが、複数のアーム3のうち少なくとも1本が余と異なる構成を有してもよい。
[0042]
 アーム3がインストゥルメントアーム3Bの場合には、並進アーム35の先端にインストゥルメント42を保持するホルダ(器具保持部)36が設けられる。ホルダ36には、インストゥルメント42が着脱可能に保持されている。ホルダ36に保持されたインストゥルメント42のシャフト43は、基準方向Dと平行に延在する。
[0043]
 また、アーム3がカメラアーム3Aの場合には、上記インストゥルメントアーム3Bと同様に、並進アーム35の先端部にホルダ36が設けられ、このホルダ36に内視鏡アセンブリ41が着脱可能に保持される。ここで、カメラアーム3Aに設けるホルダ36は、インストゥルメントアーム3Bに設けるホルダ36から態様が異なっていてもよい。或いは、手術中に内視鏡アセンブリ41を交換することは稀であるので、カメラアーム3Aに内視鏡アセンブリ41が固定されていてもよい。
[0044]
 アーム3は、プラットホーム5に対し着脱自在(すなわち、取り付けたり取り外したりが容易)であって、洗浄処理及び滅菌処理のための耐水性、耐熱性、及び耐薬品性を備えている。アーム3の滅菌処理には様々な方法があるが、例えば、高圧蒸気滅菌法、EOG滅菌法、消毒薬による化学滅菌法などが選択的に用いられてよい。高圧蒸気滅菌法では、オートクレーブなどの高圧容器にアーム3を封入し、所定圧力の飽和水蒸気に所定時間(例えば、115℃で30分間、121℃で20分間、又は、126℃で15分間)晒す。EOG滅菌法では、容器にアーム3を封入し、この容器に450~1000mg/Lの酸化エチレンガスを流通させる。化学滅菌法では、例えば、グルタラールなどの消毒薬にアーム3を浸漬する。
[0045]
[アーム本体の構成例]
 アーム本体30は、プラットホーム5に着脱可能に取り付けられるベース80と、ベース80から先端部に向けて順次連結された第1リンク81~第6リンク86とを含む。より詳細には、ベース80の先端部に、捩り関節J31を介して第1リンク81の基端部が連結されている。第1リンク81の先端部に、捩り関節J32を介して第2リンク82の基端部が連結されている。第2リンク82の先端部に、曲げ関節J33を介して第3リンク83の基端部が連結されている。第3リンク83の先端部に、捩り関節J34を介して第4リンク84の基端部が連結されている。第4リンク84の先端部に、曲げ関節J35を介して第5リンク85の基端部が連結されている。第5リンク85の先端部に、捩り関節J36を介して第6リンク86の基端部が連結されている。第6リンク86の先端部に、並進アーム35の基端部が連結されている。
[0046]
 アーム本体30の外殻は、主にステンレスなどの耐熱性及び耐薬品性を有する部材で形成されている。また、リンク同士の連結部には、耐水性を備えるためのシール(図示せず)が設けられている。このシールは、高圧蒸気滅菌法に対応する耐熱性や、消毒薬に対する耐薬品性を備えている。なお、リンク同士の連結部において、連結される一方のリンクの端部の内側に他方のリンクの端部が挿入されており、これらのリンクの端部同士の間を埋めるようにシールが配置されることによって、シールが外観から隠蔽されている。これにより、シールとリンクとの間から水、薬液、蒸気の浸入が抑制されている。
[0047]
 ここで、図8及び図9を用いて、アーム本体30の駆動系統及び制御系統の構成について説明する。図8は、アーム本体30の制御系統の概略構成を示すブロック図であり、図9は、アーム本体30の駆動系統のレイアウトを示すアーム本体30の概略断面図である。
[0048]
 上記構成のアーム本体30には、各関節J31~J36に対応して、駆動用のサーボモータM31~M36、サーボモータM31~M36の回転角を検出するエンコーダE31~E36、及び、サーボモータM31~M36の出力を減速させてトルクを増大させる減速機R31~R36が設けられる。なお、図8では、関節J31~J36のうち、捩り関節J31と捩り関節J36との制御系統が代表的に示され、余の関節J33~J35の制御系統は省略されている。なお、エンコーダE31~E36は、サーボモータM31~M3の回転位置(回転角)を検出する回転位置検出手段の一例として設けられており、エンコーダE31~E36に代えてレゾルバなどの回転位置検出手段が用いられてもよい。また、アーム本体30の駆動系統の上記の各要素及びこれらのための配線並びに制御部は耐高温材料で構成されて、滅菌処理のための耐熱性が備えられている。
[0049]
 ベース80と第1リンク81とを連結する捩り関節J31において、第1リンク81の基端部にサーボモータM31が設けられ、ベース80の先端部に減速機R31が設けられる。本実施形態に係る減速機R31は、入力された動力の回転速度を減じるギア及びその出力を受ける出力ギアを含むユニットタイプのものである。サーボモータM31は、その出力軸が捩り関節J31の回転軸と平行となるように配置されている。エンコーダE31はサーボモータM31に付設されている。サーボモータM31の出力は、減速機R31に入力される。減速機R31の出力ギアは第1リンク81に固定されているので、減速機R31からの出力によって第1リンク81がベース80に対して回転する。
[0050]
 また、第1リンク81と第2リンク82とを連結する捩り関節J32において、第1リンク81の先端部にサーボモータM32が設けられ、第2リンク82の基端部に減速機R32が設けられている。サーボモータM32は、その出力軸が捩り関節J32の回転軸と平行となるように配置されている。エンコーダE32はサーボモータM32に付設されている。
[0051]
 また、第2リンク82と第3リンク83とを連結する曲げ関節J33において、第2リンク82の先端部に減速機R33が設けられ、第3リンク83の基端部にサーボモータM33が設けられている。サーボモータM33は、その出力軸が曲げ関節J33の回転軸と平行となるように配置されている。エンコーダE33はサーボモータM33に付設されている。
[0052]
 上記に倣って、余の関節J34~J36にもサーボモータM34~M36、エンコーダE34~E36、及び、減速機R34~R36が配置されている。
[0053]
 サーボモータM31~M36は、出力が小さく(例えば、80W程度)、軽量且つ小型のものが採用されている。また、減速機R31~R36は、軸心方向の寸法の小さい扁平な形状であって、高減速比(例えば、100以上)で高トルクを得られるものが採用されている。患者側システム1のアーム3には、一般的な産業用マニピュレータのような高速動作が求められないことから、出力の大きなサーボモータは必要とされない。そこで、比較的出力の小さいサーボモータM31~M36と比較的高減速比の減速機R31~R36とを組み合わせて用いることによって、必要なトルクを確保しつつアーム3の軽量化及び小型化を実現している。
[0054]
 加えて、一般的な産業用マニピュレータではサーボモータの出力は出力ギア、減速機、負荷の順に伝達されるところ、本実施形態に係るアーム3ではサーボモータの出力は減速機、出力ギア、負荷の順に伝達される。このように、出力ギアに対し入力側に減速機をレイアウトすることによっても、アーム3の軽量化及び小型化を実現している。
[0055]
 コントローラ6は、アーム本体30の動作を司るアーム本体制御部602を含む。アーム本体制御部602にはサーボ制御部C31~C36が電気的に接続され、サーボ制御部79には図示されない増幅回路などを介してサーボモータM31~M36が電気的に接続されている。
[0056]
 上記構成において、操作装置2に入力された動作指令に基づいて、アーム本体制御部602にアーム本体30の先端部の位置姿勢指令が入力される。アーム本体制御部602は、位置姿勢指令とエンコーダE31~E36で検出された回転角とに基づいて、位置指令値を生成して出力する。この位置指令値を取得したサーボ制御部C31~C36は、エンコーダE31~E36で検出された回転角及び位置指令値に基づいて駆動指令値(トルク指令値)を生成して出力する。この駆動指令値を取得した増幅回路は、駆動指令値に対応した駆動電流をサーボモータM31~M36へ供給する。このようにして、アーム本体30の先端部が、位置姿勢指令と対応する位置及び姿勢に到達するように、各サーボモータM31~M36がサーボ制御される。
[0057]
[アームとプラットホームとの連結構造]
 ここで、プラットホーム5とアーム3との連結構造について説明する。
[0058]
 アーム3のベース80は、プラットホーム5に対し着脱自在である。換言すれば、患者側システム1から、アーム3を丸ごと取り外したり、取り付けたりすることが容易である。本実施形態では、4本のアーム3がプラットホーム5に対し着脱可能であるが、患者側システム1が具備するアーム3のうち少なくとも1本がプラットホーム5に対し着脱可能であればよい。
[0059]
 患者側システム1から取り外されたアーム3は、洗浄処理及び滅菌処理が施されたのち、制限された回数内で再利用される。このようにして、アーム3を手術の度に滅菌された清浄なものに取り換えられる。したがって、アーム3は従来のように滅菌ドレープで覆われず、滅菌野に曝されてもよい。
[0060]
 図10は、プラットホーム5とアーム3との連結構造を示す平面図であり、図11は図10におけるXI-XI矢視断面図である。図10及び図11に示すように、アーム3のベース80の基端部は円筒形状を呈し、その周囲又は基端面に少なくとも1つのインターフェース部(以下、「I/F部801」と示すことがある)を有する。本実施形態に係るI/F部801は、ベース80の外周面に形成された突起であるが、I/F部801の態様はこれに限定されない。
[0061]
 I/F部801には、アーム3に識別情報などを付帯させるためのICタグ91が埋め込まれている。ICタグ91は、ICチップやアンテナを含み、ICチップはマイクロコンピュータやEEPROM、RAMなどを含む(いずれも図示略)。ICタグ91には、アーム3の個体識別情報、型番、使用回数などが記憶される。
[0062]
 また、I/F部801には、1以上のコネクタ92が設けられる。1以上のコネクタ92は、アーム3へ電気を供給する電線のコネクタ、アーム3と信号を送受信する通信配線のコネクタなどを含む。
[0063]
 一方、プラットホーム5には、ベース80のI/F部801が接続される取付ポート55が設けられる。本実施形態に係る取付ポート55(マニピュレータアーム取付部の一例)は、突起状のI/F部801が嵌合可能な凹部であるが、取付ポート55の態様はこれに限定されない。
[0064]
 本実施形態では、プラットホーム5に4本のアーム3が着脱可能に取り付けられるので、プラットホーム5には少なくとも4つの取付ポート55が設けられている。プラットホーム5は、平面視において四角形の隣接する2つの角を面取りしたような6角形を呈し、そのうち連続する3つの側面は同一の方向に向かう成分を有する。この3つの側面の各々に1つずつの取付ポート55が設けられている。また、プラットホーム5の下部が一部切り欠かれることによって側方を向いた壁59が形成されており、この壁59にも上記の上段の3つの取付ポート55と同様に、下段の3つの取付ポート55が設けられている。本実施形態では、下段の3つの取付ポート55のうちの1つが使用され、余の2つは空いている。このようにプラットホーム5に複数の取付ポート55が設けられており、手術ごとに使用する取付ポート55を選択することができる。
[0065]
 上記のようにアーム3のベース80に設けられたI/F部801と、プラットホーム5に設けられた取付ポート55とにより、アーム3とプラットホーム5とを連結するカップリング機構が構成されている。そして、プラットホーム5の取付ポート55にベース80のI/F部801が嵌め込まれることによって、プラットホーム5にベース80(即ち、アーム3)が取り付けられる。
[0066]
 プラットホーム5の取付ポート55には、I/F部801に設けられたコネクタ92と対応する位置にソケット56が設けられる。I/F部801と取付ポート55との連結に伴い、コネクタ92とソケット56とが自動的に接続される。ソケット56には、プラットホーム5及びポジショナ7を構成している中空状の要素(軸やリンクなど)の内部空間を通じて電線及び/又は通信配線が接続されている。なお、コネクタ92はアーム3の表面に露出しておりソケット56と接触可能であるが、コネクタ92がアーム3の表面近傍に埋め込まれて、電磁誘導などによってソケット56とコネクタ92とが非接触で電気的に接続される構成が採用されてもよい。また、I/F部801にソケット56が設けられ、取付ポート55にコネクタ92が設けられてもよい。
[0067]
 また、プラットホーム5には、アーム3に埋め込まれたICタグ91の情報の読み出しと書き込み(記憶)を行うリーダーライター93が設けられている。このリーダーライター93は、プラットホーム5の各取付ポート55に対応して設けられており、後述するコントローラ6へ、ICタグ91から読み出した情報を出力する。このリーダーライター93は、プラットホーム5に取り付けられた各アーム3のICタグ91を個別に読み取るものであってもよいし、プラットホーム5に取り付けられた全部のアーム3のICタグ91を一度に読み取るものであってもよい。
[0068]
 更に、プラットホーム5とベース80には、プラットホーム5からベース80が落脱しないように、プラットホーム5に取り付けられたアーム3の取付ロック(保持)及び取付ロック解除(保持解除)が可能な1組以上の取付ロック機構94が設けられている。なお、取付ロックとは、プラットホーム5の取付ポート55に取り付けられたアーム3のI/F部801を当該取付ポート55に固定することをいい、取付ロック解除とは、その固定を解除することをいう。
[0069]
 取付ロック機構94は、プラットホーム5の取付ポート55又はその近傍に設けられた支持体側係合部94aと、アーム3のI/F部801又はその近傍に設けられたアーム側係合部94bとの協働により構成されている。支持体側係合部94aとアーム側係合部94bとのうち、一方が他方と係合し、他方が一方に係合される。そして、取付ロック機構94において、支持体側係合部94aとアーム側係合部94bの係合によってI/F部801が取付ポート55に取り付けられた状態でロックされ、支持体側係合部94aとアーム側係合部94bの係合解除によってI/F部801が取付ポート55から離脱できるようにロックが解除される。
[0070]
 上記のような取付ロック機構94は、例えば、プラットホーム5とベース80の両者のうち一方に設けられた突起と他方に設けられた掛金付レバー、両者のうち一方に設けられた凹部と他方に設けられた係合爪、両者のうち一方に設けられた凹部と他方に設けられたボールプランジャ、からなる群より選択される。或いは、取付ロック機構94は、他の公知の取付ロック機構であってもよい。但し、取付ロック機構94は、ボルト・ナットなど取付ロック/取付ロック解除に工具を使用するものではなく、ワンタッチ操作で取付ロック/取付ロック解除できるものが望ましい。
[0071]
 図12は、プラットホーム5に取り付けたアーム3を管理するための構成を示すブロック図である。図12に示すように、コントローラ6は、プラットホーム5に取り付けたアーム3を管理するためのアーム管理部(管理装置)603を含む。アーム管理部603には、リーダーライター93が電気的に接続されている。
[0072]
 アーム管理部603は、プラットホーム5からアーム3への給電に基づいて、コネクタ92とソケット56とが接続されたことを検出する。プラットホーム5からアーム3への給電は、例えば、ソケット56までの電線又は通信配線に設けた電流検出センサ(検出センサ57)からの検出信号に基づいて検出することができる。コネクタ92とソケット56との接続は、即ち、取付ポート55にI/F部801が正常に取り付けられていることを意味する。つまり、プラットホーム5からアーム3への給電の有無に基づいて、取付ポート55に取り付けられたアーム3の有無を検出することができる。このようにして、アーム管理部603は、プラットホーム5が具備する各取付ポート55についてアーム3が取り付けられたことを検知することができる。
[0073]
 但し、取付ポート55に取り付けられたアーム3の有無を検出するために、接触式又は非接触式の物体検出センサ(図示せず)をプラットホーム5に設けてもよい。この場合、アーム管理部603は、この検出センサからの検出信号に基づいて取付ポート55にアーム3が取り付けられたことを検出する。
[0074]
 アーム管理部603は、取付ポート55にアーム3が取り付けられたことを検出すると、リーダーライター93に読み出し動作をさせ、リーダーライター93がICタグ91から読み取った情報に基づいて、プラットホーム5に接続されている各アーム3の、個体識別情報、型番情報(種類)、使用回数情報などを取得する。アーム管理部603は、取得した各情報を、そのアーム3が取り付けられたプラットホーム5上の取付位置情報(即ち、取付ポート55)に関連づけて一時的に記憶する。なお、複数の取付ポート55は各々識別されている。
[0075]
 また、操作装置2を介して、コントローラ6には予め手術情報が入力されて設定(記憶)されている。この手術情報には、手術で使用される複数のアーム3の組合せが含まれている。
[0076]
 アーム管理部603は、リーダーライター93から取得した情報に含まれる個体識別情報の組合せが、上記手術情報として設定されたものと対応しているか否かを判断する。アーム管理部603は、組合せが手術情報として設定されたものと対応していなければ、コントローラ6に接続された警告器605を通じて警告を出力する。なお、警告器605は、光、音、及び画像のうち1つ以上によって術者Oに対し警告するものである。このようにして、アーム管理部603は、適切なアーム3が取り付けられるように、プラットホーム5に取り付けられるアーム3を管理している。
[0077]
 上記手術情報には、手術で使用されるアーム3の個体識別情報と当該アーム3が取り付けられるべきプラットホーム5の取付位置(即ち、取付ポート55)との組合せに係る情報が含まれていてもよい。
[0078]
 この場合、アーム管理部603は、リーダーライター93から取得した情報に含まれる個体識別情報と、それに関連付けられて記憶されたプラットホーム5上の取付位置情報(即ち、取付ポート55)との組合せが、上記手術情報として設定されたものと対応しているか否かを判断する。アーム管理部603は、組合せが手術情報として設定されたものと対応していなければ、コントローラ6に接続された警告器605を通じて警告を出力する。このようにして、アーム管理部603は、アーム3がプラットホーム5上の適切な位置に取り付けられるように、且つ、各取付ポート55に適切なアーム3が取り付けられるように、プラットホーム5に取り付けられるアーム3を管理している。
[0079]
 また、手術情報には、手術で使用されるアーム3の型番情報と、そのアーム3が取り付けられるべきプラットホーム5上の取付位置(即ち、取付ポート55)との組合せに係る情報が含まれていてもよい。
[0080]
 この場合、アーム管理部603は、リーダーライター93から取得した情報に含まれる型番情報と、それに関連付けられた取付位置(取付ポート55)との組合せが、上記手術情報として設定されたものと対応しているか否かを判断し、組合せが手術情報として設定されたものと対応していなければ、コントローラ6に接続された警告器605を通じて警告を出力するように構成されていてよい。
[0081]
 なお、アーム3は型番により種類(カメラアーム3A、インストゥルメントアーム3B)や構造(リンクの長さ、自由度など)などが異なる。上記ではICタグ91に型番情報が記憶されているが、記憶装置604が個体識別情報に関連付けられて型番情報が記憶された型番記憶部を含み、アーム管理部603が個体識別情報に基づいて型番記憶部から対応する型番情報を読み出し、この型番情報が上記処理においてICタグ91から読み出した型番情報に代えて使用されてもよい。
[0082]
 コントローラ6の記憶装置604は、個体識別情報に関連付けられた使用制限回数が記憶された使用制限回数記憶部を含んでいる。アーム管理部603は、ICタグ91から取得した個体識別情報に基づいて、これに対応する使用制限回数を記憶装置604から読み出し、使用制限回数と取得した使用回数情報と比較する。アーム管理部603は、使用回数情報が使用制限回数を超えていれば、コントローラ6に接続された警告器605を通じて警告を出力する。このようにして、アーム管理部603は、アーム3がその使用制限回数を超えて使用されることのないようにアームの使用回数を管理する。なお、アーム3は消耗品であり、使用制限回数の使用を終えたアーム3は廃棄される。
[0083]
 また、アーム管理部603は、ICタグ91から取得した使用回数情報に1を加えた新たな使用回数情報をICタグ91に書き込むように、リーダーライター93を動作させる。この結果、アーム3のICタグ91は自身の使用回数に係る情報を保持する。よって、アーム3を、他の患者側システム1との間で共用することが可能である。
[0084]
 なお、上記では、アーム3の使用回数情報をアーム3自身が保持しているが、アーム3の使用回数情報が、コントローラ6の記憶装置604に記憶されていてもよい。この場合、リーダーライター93に代えて、読み出しの機能のみを有するリーダーが用いられてよい。そして、アーム管理部603は、リーダーがICタグ91から読み出した個体識別情報に基づいて記憶装置604から対応する使用回数情報を読み出して、上記の処理に利用してよい。
[0085]
 以上に、プラットホーム5とアーム3の連結構造の好適な実施形態を説明したが、上記のプラットホーム5とアーム3の連結構造は例えば以下のように変更することができる。
[0086]
 例えば、上記実施形態ではプラットホーム5には6つの取付ポート55が設けられ、これらの取付ポート55のうち4つにアーム3が連結されている。このように、複数の取付ポート55のうち空きの取付ポート55があってもよい。また、プラットホーム5には、5つ以上の取付ポート55が設けられ、手術の内容に対応した適切な位置の取付ポート55が選択的に使用されてもよい。
[0087]
 また、例えば、上記実施形態ではアーム3自身に情報を保有させるために、アーム3にICタグ91を設けている。但し、ICタグ91は、アーム3に設けられた情報保持手段の一例であって、ICタグ91に代えて又は加えて他の情報保持手段を用いてもよい。例えば、アーム3にバーコードを設け、プラットホーム5にバーコードリーダーを設けてもよい。また、例えば、アーム3に凹凸などの形状記号を設け、プラットホーム5に形状記号を読み取るリーダーを設けてもよい。
[0088]
 また、例えば、上記実施形態では、アーム3のベース80のI/F部801にコネクタ92が設けられ、プラットホーム5の取付ポート55にソケット56が設けられるが、コネクタ92及びソケット56が省かれてもよい。この場合、アーム3には、I/F部801以外の場所に電力供給のための電線及び/又は通信のための配線が接続される。
[0089]
 また、例えば、上記実施形態では、アーム3(特に、アーム本体30)の駆動系統は全て自身に搭載されているが、アーム本体30の駆動系統のうち一部がプラットホーム5に設けられてもよい。例えば、図13に示すように、ベース80と第1リンク81とを連結する捩り関節J31において、この捩り関節J31を駆動するサーボモータM31がプラットホーム5に設けられてもよい。
[0090]
 図13に示す例では、プラットホーム5にサーボモータM31が内装され、サーボモータM31の出力軸96の周囲には雌カプラ形状の取付ポート55が設けられている。一方、アーム3の第1リンク81の基端部に減速機R31の出力部が固定され、ベース80の基端部が取付ポート55と対応する雄カプラ形状のI/F部801とされ、このベース80内に減速機R31へ動力を入力する入力軸95が設けられている。入力軸95は、アーム3の動力系統へ動力を伝達する入力軸である。そして、サーボモータM31の出力軸96と、減速機R31への入力軸95との間には、オルダム継手などの軸継手97が設けられている。上記構成において、プラットホーム5の取付ポート55にアーム3のI/F部801が挿入されると、プラットホーム5とアーム3とが連結されるとともに、サーボモータM31の出力軸96と減速機R31への入力軸95とが動力伝達可能に連結される。
[0091]
[並進アームの構成例]
 図7に示すように、並進アーム35は、並進アーム35の先端部に取り付けられたホルダ36を基準方向Dに並進移動させることにより、ホルダ36に取り付けられたインストゥルメント42をシャフト43の延在方向に並進移動させる機構である。
[0092]
 図14は、アーム本体30の先端部及び並進アーム35の構成例を示す部分破断図である。図7及び図14に示すように、並進アーム35は、基端側リンク61と、先端側リンク62と、基端側リンク61と先端側リンク62を連結する第1連結軸63及び第2連結軸66と、連動機構64とを有する。また、並進アーム35の先端部、すなわち先端側リンク62の先端部には、回動軸68が設けられている。
[0093]
 図14に示すように、並進アーム35の駆動源は、アーム本体30の先端のリンクすなわち第6リンク86に設けられている。具体的には、第6リンク86の先端部に、第1並進アーム駆動軸37と、第2並進アーム駆動軸38と、第1並進アーム駆動軸37を回動させる並進アーム駆動部47と、第2並進アーム駆動軸38を回動させる並進アーム回転駆動部48とが設けられている。
[0094]
 第1並進アーム駆動軸37及び第2並進アーム駆動軸38は、基端部がアーム本体30の先端部に基準方向Dと直交する第1軸線L1周りに回動可能に取り付けられている。そして、第2並進アーム駆動軸38は、基端部がアーム本体30の内外環境を遮断するシールを備えるシールベアリング30bを介してアーム本体30に保持されている。そして、第2並進アーム駆動軸38は、中空の筒状に形成され、第1並進アーム駆動軸37は、第2並進アーム駆動軸38の内部に入れ子状に配置されている。したがって、第1並進アーム駆動軸37及び第2並進アーム駆動軸38は、同一の軸線周りに回動するように構成されている。本実施の形態において、第1軸線L1は、アーム本体30の旋回軸線Lp(図7参照)を中心とする円の接線方向に延在するように構成されている。すなわち、第1軸線L1は、図7において、奥行き方向に延在している。そして、第1並進アーム駆動軸37及び第2並進アーム駆動軸38は、アーム本体30の先端部から突出し、並進アーム35の基端側リンク61に連結されている。すなわち、アーム本体30及び並進アーム35は、第1並進アーム駆動軸37及び第2並進アーム駆動軸38を介して連結されている。第1並進アーム駆動軸37は、第2並進アーム駆動軸38との差動により並進アーム35を動作させる駆動軸であり、第2並進アーム駆動軸38は、第1並進アーム駆動軸37との差動により並進アーム35を第1軸線L1周りに回動させる駆動軸である。
[0095]
 そして、第1並進アーム駆動軸37及び第2並進アーム駆動軸38は、別個の駆動部によってそれぞれ独立して回動するように構成されている。すなわち、第1並進アーム駆動軸37は、並進アーム駆動部47の出力軸47aに連結され、並進アーム駆動部47の出力軸47aの回転により回転する。また、第2並進アーム駆動軸38は、並進アーム回転駆動部48の出力軸48aに連結され、並進アーム回転駆動部48の出力軸48aの回転により回転する。これらの駆動部は例えばサーボモータである。したがって、第1並進アーム駆動軸37及び第2並進アーム駆動軸38の第1軸線L1周りの角度位置を互いに独立して制御可能に構成されている。
[0096]
 基端側リンク61は、第1軸線L1周りに回動可能に基端部がアーム本体30の先端部30aに連なっている。なお、「連なる」とは、2つのものが直接接続されている場合のみならず、2つのものの間に他のものが介在し、間接的に接続されている場合も含む場合も意味するものとする。そして、基端側リンク61は、退避角度位置P1(図15参照)と、退避角度位置P1よりも基準方向Dにおいて第1軸線L1から離れる側に基端側リンク61の先端部が位置する進出角度位置P2(図15参照)とを含む範囲で回動するよう構成されている。基端側リンク61は、中空である。そして、基端側リンク61の基端部に第1並進アーム駆動軸37及び第2並進アーム駆動軸38の先端部が挿通され、外側に位置する第2並進アーム駆動軸38は、内外空間を遮断するシールを備えるシールベアリング61aを介して基端側リンク61に保持されている。そして、基端側リンク61に第1並進アーム駆動軸37の先端部が固定されている。したがって、並進アーム駆動部47の出力軸47aの回転により第1並進アーム駆動軸37が回転し、更に第1並進アーム駆動軸37の回転によって、基端側リンク61が第1軸線L1周りに回動するように構成されている。このように、基端側リンク61は、アーム本体30の先端部30aに取り付けられている。
[0097]
 先端側リンク62は、軸線L1と平行に延在する第2軸線L2周りに回動可能に基端部が基端側リンク61の先端部に連なっている。そして、先端側リンク62は、縮閉角度位置P3(図15参照)と、縮閉角度位置P3よりも基端側リンク61と成す角の角度が大きい拡開角度位置P4とを含む範囲で回動するよう構成されている。このように、基端側リンク61及び先端側リンク62は、L字状に屈折した姿勢をとるように構成されている。先端側リンク62は、中空である。第1連結軸63は、基端部が基端側リンク61の先端部に固定され、先端部が第2軸線L2周りに回動可能に先端側リンク62の基端部に取り付けられている。そして、第2連結軸66は、基端部が基端側リンク61の内外空間を遮断するシールを備えるシールベアリング61bを介して基端側リンク61に第2軸線L2周りに回動可能に取り付けられ、先端部が先端側リンク62の基端部に固定されている。そして、第2連結軸66は、中空の筒状に形成され、第1連結軸63は、第2連結軸66の内部に入れ子状に配置されている。したがって、第1連結軸63及び第2連結軸66は、同一の軸線周りに回動するように構成されている。そして、並進アーム35は、基端側リンク61の基端部と先端側リンク62の先端部とを結ぶ仮想の直線L(図15参照)が基準方向Dに向くように構成されている。このように、先端側リンク62の基端部は、基端側リンク61の先端部に取り付けられている。
[0098]
 回動軸68は、基端部が、第1軸線L1及び第2軸線L2と平行に延在する第3軸線L3周りに回動可能に先端側リンク62の先端部に取り付けられ、先端部がホルダ36に固定されている。回動軸68は、先端側リンク62の内外空間を遮断するシールを備えるシールベアリング62aを介して先端側リンク62の先端部に保持されている。本実施の形態において、並進アーム35は、アーム本体30の先端部30aから基準方向Dにおいてホルダ36に保持されたインストゥルメント42のシャフト43の基端部から先端部に向かう側に位置するように配設されている。回動軸68の軸線(第3軸線L3)と第1連結軸63及び第2連結軸66の軸線(第2軸線L2)との距離は、第1並進アーム駆動軸37及び第2並進アーム駆動軸38の軸線(第2軸線L2)と第1連結軸63及び第2連結軸66の軸線(第1軸線L1)との距離と同一に構成される。
[0099]
 連動機構64は、基端側リンク61の退避角度位置P1(図15参照)から進出角度位置P2(図15参照)に向かう回動動作に連動して先端側リンク62を縮閉角度位置P3(図15参照)から拡開角度位置P4(図15参照)に向かって回動させ、且つ基端側リンク61の進出角度位置P2(図15参照)から退避角度位置P1(図15参照)に向かう回動動作に連動して先端側リンク62を拡開角度位置P4(図15参照)から縮閉角度位置P3(図15参照)に向かって回動させる機構である。すなわち、先端側リンク62は、並進アーム駆動部47の駆動力が連動機構64によって伝達されることにより回動するよう構成されている。また、連動機構64は、先端側リンク62の先端部を基準方向Dに直進動作させるよう構成されている。以下に、連動機構64の一例としてタイミングベルトを用いた機構を例示する。
[0100]
 本実施の形態において、連動機構64は、2対のプーリ(第1プーリ65a・第2プーリ65b、第3プーリ65c・第4プーリ65d)と、各対のプーリに掛け渡された2本の環状のタイミングベルト(第1ベルト67a,第2ベルト67b)とを含む。
[0101]
 第1プーリ65aは、第2並進アーム駆動軸38の先端部に固定され、基端側リンク61の内部空間のうち基端側の部分に位置している。したがって、第1プーリ65aは、第1軸線L1周りに回動可能に構成されている。
[0102]
 第2プーリ65bは、第1プーリ65aと対をなし、第2連結軸66の基端部に固定され、基端側リンク61の内部空間のうち先端側の部分に位置している。したがって、第2プーリ65bは、第2軸線L2周りに回動可能に構成されている。そして、第1プーリ65a及び第2プーリ65bに、第1ベルト67aが架け渡されている。したがって、第2プーリ65bは、第1プーリ65aの周りを公転することによって回動(自転)するように構成されている。第1プーリ65aの直径と第2プーリ65bの直径との比率であるプーリ比は2:1である。
[0103]
 第3プーリ65cは、第1連結軸63の先端部に固定され、先端側リンク62の内部空間のうち基端側の部分に位置している。したがって、第3プーリ65cは、第2軸線L2周りに回動可能に構成されている。
[0104]
 第4プーリ65dは、第3プーリ65cと対をなし、回動軸68の基端部に固定され、先端側リンク62の内部空間のうち先端側の部分に位置している。したがって、第4プーリ65dは、第3軸線L3周りに回動可能に構成されている。そして、第3プーリ65c及び第4プーリ65dに、第2ベルト67bが架け渡されている。したがって、第4プーリ65dは、第3プーリ65cの周りを公転することによって回動(自転)するように構成されている。第3プーリ65cの直径と第4プーリ65dの直径との比率であるプーリ比は1:2である。並進アーム35の駆動は、操作装置2に入力された動作指令に基づき、コントローラ6が第1並進アーム駆動軸37及び第2並進アーム駆動軸38を制御することにより行われる。
[0105]
 図15は、並進アーム35の動作例を示す図である。
[0106]
 以下に、図15を参照しながら並進アーム35の動作例を説明する。
[0107]
 第1並進アーム駆動軸37を第2並進アーム駆動軸38に対して差動させ、第2並進アーム駆動軸38に対してR1方向にα度回転させると、基端側リンク61は、退避角度位置P1から進出角度位置P2に向かってα度回動する。これによって、第2プーリ65bは、第1軸線L1周りに公転する。そして、第1プーリ65a及び第2プーリ65bは、第1ベルト67aによって連結されているので、第2プーリ65bは、第1プーリ65aに対して基端側リンク61の回転方向と反対方向に自転し、第1プーリ65aと第2プーリ65bとの位相が変化する。そして、その角度変位は、そのプーリ比に基づき-2α度となる。そして、第2プーリ65bが回転すると、第2プーリ65bが固定されている第2連結軸66が回転し、第2連結軸66に固定されている先端側リンク62が縮閉角度位置P3から拡開角度位置P4に向かって-2α度回転する。これによって、先端側リンク62の先端部は、基端側リンク61の基端部と先端側リンク62の先端部とを結ぶ仮想の直線L上を移動する。そして、上述の通り、この仮想の直線は基準方向Dに向くように構成されているので、先端側リンク62の先端部は、基準方向Dにおいて、第1軸線L1から離れる側に移動する。また、上記プーリ比の構成から、先端側リンク62の先端部は、基準方向Dに直進動作する。これによって、スリーブ110に挿入したインストゥルメント42を円滑に基準方向Dに動かすことができる。
[0108]
 なお、第1並進アーム駆動軸37と第2並進アーム駆動軸38とを同期させて回動することによって、アーム本体30に対して並進アーム35全体を第1軸線L1周りに旋回させることができる。これによって、基準方向Dの向きを変更することができ、先端側リンク62の先端部が直進動作する方向を第1軸線L1周りに変更することができる。また、第2並進アーム駆動軸38及び並進アーム回転駆動部48を設けずに、第1プーリ65aをアーム本体30の先端部30aに固定し、アーム本体30の先端部を移動させることにより並進アーム35全体を第1軸線L1周りに旋回させてもよい。
[0109]
 そして、先端側リンク62の回転によって、第4プーリ65dは、第2軸線L2周りに公転する。第1連結軸63によって基端側リンク61の先端部に固定されている第3プーリ65cの角度位置は先端側リンク62の回動によって変化せず、更に第3プーリ65c及び第4プーリ65dは、第2ベルト67bによって連結されているので、第4プーリ65dは、第3プーリ65cに対して先端側リンク62の回転方向と反対方向に自転し、第3プーリ65cと第4プーリ65dとの位相が変化する。そして、その角度変位は、そのプーリ比に基づきα度となる。そして、第4プーリ65dが回転すると、第4プーリ65dに固定されている回動軸68が回転し、回動軸68に固定されているホルダ36が第3軸線L3周りにα度回転する。これによって、ホルダ36は、アーム本体30に対する姿勢を維持しながら、基準方向Dにおいて第1軸線L1から離れる側に移動する。
[0110]
 同様に、第1並進アーム駆動軸37を第2並進アーム駆動軸38に対して差動させ、R2(R1と反対方向)方向に回転させると、基端側リンク61が進出角度位置P2から退避角度位置P1に向かって回動し、先端側リンク62が拡開角度位置P4から縮閉角度位置P3に向かって回動する。これによって、ホルダ36は、アーム本体30に対する姿勢を維持しながら、基準方向Dにおいて、第1軸線L1に近づく側に移動する。
[0111]
 このように、並進アーム35は、基端側リンク61が退避角度位置P1に位置すると共に、先端側リンク62が縮閉角度位置P3に位置する折畳状態と、基端側リンク61が進出角度位置P2に位置すると共に、先端側リンク62が拡開角度位置P4に位置する伸長状態との間で遷移することによって、インストゥルメント42を基準方向Dに移動(進退動、往復動)させることができる。したがって、直動関節によってホルダ36を基準方向Dに移動させる構成と比較して、基準方向Dにおけるアーム3の寸法をコンパクトに構成することができる。
[0112]
 また、並進アーム35は、アーム本体30及びホルダ36と回動関節によって接続され、また、並進アーム35を構成するリンク、すなわち基端側リンク61及び先端側リンク62も回転関節によって接続されている。したがって、アームの内部空間の外部空間への露出部分を少なくすることができるので、アームの内部空間で発生した塵、雑菌等が外部空間へ飛散することを効果的に抑制することができる。また、上述の通り、回転関節にシールベアリングを用いることにより、アームの内部空間で発生した塵、雑菌等が外部空間へ飛散することを防止することができる。よって、手術室の汚染を効果的に防止することができる。
[0113]
 更に、連動機構64が基端側リンク61の回動動作に連動して先端側リンク62を回動させるように構成されているので、先端側リンク62のみを回動させる駆動部を省くことができ、並進アーム35の構成を簡素化することができる。
[0114]
 なお、連動機構64の一例としてタイミングベルトを用いた機構を例示したが、この機構に限定されるものではなく、これに代えて、例えば、ギアトレインを含む機構を用いてもよく、公知のリンク機構を用いてもよい。また、基端側リンク61及び先端側リンク62が別個に設けられた駆動部の駆動力によってそれぞれ回動するように構成されていてもよい。
[0115]
[並進アームの変形例1]
 図18は、並進アームの変形例1を示す図である。上記実施の形態において、並進アーム35は、アーム本体30の先端部30aから基準方向Dにおいてホルダ36に保持されたインストゥルメント42のシャフト43の基端部から先端部に向かう側に位置するように配設されているがこれに限られるものではない。これに代えて、並進アーム335は、並進アーム35は、アーム本体30の先端部30aから基準方向Dにおいてホルダ36に保持されたインストゥルメント42のシャフト43の先端部から基端部に向かう側に位置するように配設されていてもよい。
[0116]
[並進アームの変形例2]
 図19は、並進アームの変形例2を示す図である。上記実施の形態において、並進アーム35は、基端側リンク61の先端部に先端側リンク62の基端部が取り付けられている構成を例示したがこれに限られるものではない。これに代えて、以下の通り構成されていてもよい。
[0117]
 すなわち、並進アーム435は、基端側リンク61と先端側リンク62との間に第1中間リンク461及び第2中間リンク462を有する中間リンクユニット460が介在するように構成されている。また、並進アーム435は、基端側リンク61と第1中間リンク461を連結する第1連結軸463aと、第1中間リンク461と第2中間リンク462とを連結する第2連結軸463bと、第2中間リンク462と先端側リンク62を連結する第3連結軸463cとを有する。
[0118]
 そして、図示しない並進アーム435の連動機構は、基端側リンク61の退避角度位置P1から進出角度位置P2に向かう回動動作に連動して、基端側リンク61と第1中間リンク461とが成す関節の角度が大きくなるように第1中間リンク461を第1連結軸463aの軸線周りに回動させ、且つ第1中間リンク461と第2中間リンク462とが成す関節の角度が大きくなるように第2中間リンク462を第2連結軸463bの軸線周りに回動させ、且つ第2中間リンク462と先端側リンク62とが成す関節の角度が大きくなるように先端側リンク62を第3連結軸463cの軸線周りに回動させるように構成されている。
[0119]
 これによって、インストゥルメント42の移動距離を大きくすることができる。また、並進アーム35の幅寸法W、すなわち基準方向D及び第1軸線L1と直交する方向における並進アーム35の寸法を小さくすることができる。
[0120]
[揺動機構の構成例]
 図7に示すように、アーム3は、揺動機構46を備えている。揺動機構46は、アーム3とエンドエフェクタ44との間に介在し、基準方向Dを中心とする径方向にシャフト43の先端部、及びエンドエフェクタ44を揺動させる機構である。
[0121]
 揺動機構46は、例えばシャフト43の中間部に設けられている。すなわち、シャフト43は、基端側部材43aと、先端側部材43bとに分割されており、その間に揺動機構46が介在するように設けられている。以下に、揺動機構46の一例として回転2自由度を有する自在継手を用いた機構を例示する。
[0122]
 図16は、揺動機構46の構成例を示す図である。
[0123]
 揺動機構46は、第1部材46a、第2部材46b、及び第3部材46cを有する。第1部材46aは、基端側部材43aに固定されている。第2部材46bは、第1部材46aと基準方向Dと直交する第1方向D1に延在する第1回動軸46dによって連結され、第1回動軸46dの軸線周りに回動可能に第1部材46aに取り付けられている。第3部材46cは、第2部材46bと第1方向D1と直交する第2方向D2に延在する第2回動軸46eによって連結され、第2回動軸46eの軸線周りに回動可能に第2部材46bに取り付けられている。
[0124]
 図17は、揺動機構46の動作例を示す図である。
[0125]
 以下に、図17を参照しながら、揺動機構46の動作例を説明する。
[0126]
 インストゥルメント42のエンドエフェクタ44が患者Pの体表の切開部に留置したスリーブ110を介して患者Pの体内に導入され、図17において破線で示す初期状態においては、基準方向Dにスリーブ110が位置している。
[0127]
 次に、アーム3がホルダ36を基準方向Dと交差する方向に移動させると、シャフト43の先端側部材43bはスリーブ110を中心に揺動し、シャフト43の先端部及びエンドエフェクタ44は、ホルダ36の移動方向と反対方向に移動する。また、シャフト43の先端側部材43bが揺動すると、シャフト43が挿通されているスリーブ110は、先端側部材43bの延在方向に向くように先端側部材43bと共に揺動する。
[0128]
 このとき、基端側部材43aの軸線上からスリーブ110が外れると、シャフト43の先端側部材43bの延在方向とスリーブ110の挿通孔の向きが一致するようにシャフト43の先端側部材43bが基端側部材43aの軸線を中心とする径方向、すなわち基準方向Dを中心とする径方向に揺動する。これによって、患者Pの留置したスリーブ110がホルダ36の移動方向に牽引されることを防止することができ、患者Pの切開部に与えるダメージを緩和することができる。
[0129]
[揺動機構の変形例1]
 図20は、揺動機構の変形例1を示す図である。揺動機構は、ボール継手を用いた機構であってもよい。
[0130]
 すなわち、揺動機構246は、球面状の自由端を有し、シャフト43の先端側部材43bの基端部に取り付けられたボール部246aと、腕状に形成され、シャフト43の基端側部材43aの先端部に取り付けられたソケット246bとを有する。ソケット246bの内周面は略半球面を形成している。このソケット246bの内周面の形状は、ボール部246aの外周面の形状と略同一に形成されている。これにより、ボール部246aの外周面とソケット246bの内周面とが球面対偶を成し、シャフト43の基端側部材43aと先端側部材43bとが少なくとも回転2自由度をもって揺動可能に連結されている。
[0131]
[揺動機構の変形例2]
 図21は、揺動機構の変形例2を示す図である。揺動機構は、弾性を有する部材を用いた機構であってもよい。
[0132]
 すなわち、揺動機構346は、基端側部材43aと先端側部材43bとを接続する弾性部346aを有する。弾性部346aが弾性変形することにより、シャフト43の基端側部材43aと先端側部材43bとが少なくとも回転2自由度を持って揺動可能に連結されている。
[0133]
[揺動機構を備えるアームの変形例1]
 図22は、揺動機構を備えるアームの変形例を示す図である。上記実施の形態において、揺動機構46がシャフト43の中間部に設けられている構成例を例示したがこれに限られるものではない。これに代えて、揺動機構46は、並進アーム35の先端部とインストゥルメント42との間に介在するように設けられていてもよい。
[0134]
 すなわち、揺動機構46の第1部材46aが先端側リンク62の先端部に直接取り付けられ、第3部材46cがインストゥルメント42に直接取り付けられている。
[0135]
[揺動機構を備えるアームの変形例2]
 図23は、揺動機構を備えるアームの変形例を示す図である。上記実施の形態1において、揺動機構46は、並進アーム35を有するアーム3を備える外科手術システム100に適用したがこれに限られるものではない。これに代えて、揺動機構46は、直動関節235を有するアームに適用してもよい。
[0136]
[総括]
 以上に説明したように、本実施形態に係る外科手術システム100(特に、そのうち患者側システム1)は、プラットホーム5と、プラットホーム5に連結された複数のアーム3(マニピュレータアーム)と、複数のアーム3の各々の先端部に装着されたインストゥルメント42及び/又は内視鏡アセンブリ41と、プラットホーム5を水平姿勢から姿勢変化可能に支持するポジショナ7とを備えている。
[0137]
 上記外科手術システム100では、プラットホーム5を水平姿勢から姿勢変化させることによって、プラットホーム5に連結された複数のアーム3を包括的に傾けることができる。つまり、プラットホーム5に連結された複数のアーム3の旋回軸線Lp(基準軸線)を一斉に垂直に対し同じ角度だけ傾けることができる。これにより、各アーム3の先端部に装着されたインストゥルメント42又は内視鏡アセンブリ41の基準方向Dも一斉に同じ角度だけ変化させることができる。
[0138]
 また、本実施形態に係る外科手術システム100では、ポジショナ7が、手首リンク76(手首部)にプラットホーム5が連結された水平多関節型の水平アーム73(マニピュレータアーム部)を有している。
[0139]
 このように、プラットホーム5が水平アーム73の手首リンク76に連結されているので、水平アーム73の動作によってプラットホーム5の水平姿勢からの傾きを変化させることができる。
[0140]
 また、本実施形態に係る外科手術システム100では、ポジショナ7が、手術室の床に設置されたベース70と、水平アーム73の基端部と連結された柱部(例えば、昇降軸72又は柱状部材72')と、ベース70に対し柱部の基端部を揺動可能に連結する揺動アーム71とを、更に有している。
[0141]
 これにより、ポジショナ7の揺動アーム71の傾きを変化させることによって、ベース70に対するポジショナ7の柱部の基端部の水平方向の位置を変化させることができる。よって、ポジショナ7は、例えば、ベース70が手術台111の下方に配置され、柱部を手術台111の側方に配置された態様を取ることが可能となる。このようにして、手術中に手術台111の周囲で動作する補助者の動線を阻害しないように、ポジショナ7を変態させることができる。
[0142]
 また、本実施形態に係る外科手術システム100では、ポジショナ7が、ベース70に対し揺動アーム71の基端部を水平な回転軸回りに回動可能に連結する回転関節J71(第1関節)と、揺動アーム71の先端部に対し昇降軸72又は柱状部材72'の基端部を水平な回転軸回りに回動可能に連結する回転関節J72(第2関節)とを有する。更に、外科手術システム100は、回転関節J71と回転関節J72が連動することによって昇降軸72又は柱状部材72'の垂直な姿勢が維持されるように、回転関節J71及び回転関節J72の動作を制御する、ポジショナ制御部601(ポジショナ制御装置)を備えている。
[0143]
 このように、ポジショナ7の柱部の垂直な姿勢が維持されることにより、水平アーム73の水平姿勢が維持される。よって、ポジショナ7は、水平アーム73の手首リンク76(先端部)に連結されたプラットホーム5を安定的に支持することができる。
[0144]
 以上に本発明の好適な実施の形態(及び変形例)を説明した。上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更できる。

符号の説明

[0145]
100  :外科手術システム
1    :患者側システム
2    :操作装置
1    :患者側システム
2    :操作装置
3    :マニピュレータアーム(アーム)
3A   :カメラアーム
3B   :インストゥルメントアーム
5    :プラットホーム
6    :コントローラ
601  :ポジショナ制御部(ポジショナ制御装置)
7    :ポジショナ
30   :アーム本体
41   :内視鏡アセンブリ
42   :インストゥルメント
70   :ベース
71   :揺動アーム
72   :昇降軸(柱部の一例)
72' :柱状部材(柱部の一例)
73   :水平アーム(マニピュレータアーム部)
74   :第1リンク
75   :第2リンク
76   :手首リンク
J71~J76  :回転関節
O    :術者
P    :患者
S    :マニピュレータアーム支持体

請求の範囲

[請求項1]
 プラットホームと、
 前記プラットホームに連結された複数のマニピュレータアームと、
 前記複数のマニピュレータアームの各々の先端部に装着されたインストゥルメントと、
 前記プラットホームを水平姿勢から姿勢変化可能に支持するポジショナとを備える、
外科手術システム。
[請求項2]
 前記ポジショナは、手首部に前記プラットホームが連結された水平多関節形のマニピュレータアーム部を有する、
 請求項1に記載の外科手術システム。
[請求項3]
 前記ポジショナは、手術室の床に設置されたベースと、前記マニピュレータアーム部の基端部と連結された柱部と、前記ベースに対し前記柱部の基端部を揺動可能に連結する揺動アームとを、更に有する、
請求項2に記載の外科手術システム。
[請求項4]
 前記ポジショナは、前記ベースに対し前記揺動アームの基端部を水平な回転軸回りに回動可能に連結する第1関節と、前記揺動アームの先端部に対し前記柱部の基端部を水平な回転軸回りに回動可能に連結する第2関節とを有し、
 前記第1関節と前記第2関節が連動することによって前記柱部の垂直な姿勢が維持されるように、前記第1関節及び前記第2関節の動作を制御する、ポジショナ制御装置を更に備える、
請求項3に記載の外科手術システム。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]

[ 図 13]

[ 図 14]

[ 図 15]

[ 図 16]

[ 図 17]

[ 図 18]

[ 図 19]

[ 図 20]

[ 図 21]

[ 図 22]

[ 図 23]