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1. (WO2017094912) FERRULE EQUIPPED WITH OPTICAL FIBER, AND METHOD FOR MANUFACTURING FERRULE EQUIPPED WITH OPTICAL FIBER
Document

明 細 書

発明の名称 光ファイバ付きフェルール、及び光ファイバ付きフェルールの製造方法

技術分野

0001  

背景技術

0002  

先行技術文献

特許文献

0003  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0004   0005  

課題を解決するための手段

0006   0007  

発明の効果

0008  

図面の簡単な説明

0009  

発明を実施するための形態

0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066  

符号の説明

0067  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10  

図面

1   2   3   4   5   6   7  

明 細 書

発明の名称 : 光ファイバ付きフェルール、及び光ファイバ付きフェルールの製造方法

技術分野

[0001]
 本発明は、光ファイバ付きフェルール、及び光ファイバ付きフェルールの製造方法に関する。

背景技術

[0002]
 光ファイバの端部を保持するフェルールとして、接着剤を充填するための開口が設けられた接着剤充填部を備え、接着剤充填部に接着剤を充填して光ファイバを固定させるようにしたものが知られている。特許文献1には、フェルールの接着剤充填部の内壁に光ファイバの端面を突き当てた状態で、接着剤充填部に接着剤を充填硬化させることが開示されている。

先行技術文献

特許文献

[0003]
特許文献1 : 特許第5564344号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0004]
 接着剤充填部に接着剤を充填して硬化させた後、高温・高湿などの環境変化によってフェルールが変形すると、ファイバの端面が接着剤充填部の内壁の突き当て面から剥離し、この結果、伝送損失の増加するおそれがある。
[0005]
 本発明は、伝送損失を抑制可能な光ファイバ付きフェルールを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0006]
 上記目的を達成するための主たる発明は、光ファイバを挿入させたファイバ穴と、液状屈折率整合剤を充填させた充填部であって、内部に前記ファイバ穴の開口面と、前記開口面と対向する対向面とを有する充填部と、を備え、前記ファイバ穴に挿入させた前記光ファイバの端面を前記対向面に突き当てた状態で、前記充填部に前記液状屈折率整合剤が充填されていることを特徴とする光ファイバ付きフェルールである。
[0007]
 本発明の他の特徴については、後述する明細書及び図面の記載により明らかにする。

発明の効果

[0008]
 本発明によれば、仮に環境変化によってフェルールが変形しても、伝送損失を抑制することができる。

図面の簡単な説明

[0009]
[図1] 図1A及び図1Bは、第1実施形態のフェルール1の全体斜視図である。
[図2] 図2は、第1実施形態のフェルール1の切断斜視図である。
[図3] 図3Aは、第1実施形態の光ファイバ付きフェルール1の断面図である。図3Bは、比較例の断面図である。
[図4] 図4は、ファイバ付きフェルール1の製造方法(組み立て手順)のフロー図である。
[図5] 図5Aは、第1実施形態の変形例のフェルール1の切断斜視図である。図5Bは、第1実施形態の変形例のフェルール1の全体斜視図である。
[図6] 図6は、第1実施形態のフェルール1を用いた光コネクタの概略断面図である。
[図7] 図7は、第2実施形態のフェルール1の概略断面図である。

発明を実施するための形態

[0010]
 後述する明細書及び図面の記載から、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
[0011]
 光ファイバを挿入させたファイバ穴と、液状屈折率整合剤を充填させた充填部であって、内部に前記ファイバ穴の開口面と、前記開口面と対向する対向面とを有する充填部と、を備え、前記ファイバ穴に挿入させた前記光ファイバの端面を前記対向面に突き当てた状態で、前記充填部に前記液状屈折率整合剤が充填されていることを特徴とする光ファイバ付きフェルールが明らかとなる。このような光ファイバ付きフェルールによれば、フェルールの変形を抑制できるため、また、仮にフェルールが変形しても光ファイバ端面と前記対向面との間に液状屈折率整合剤が入り込むため、伝送損失を抑制することができる。
[0012]
 前記液状屈折率整合剤は撥水性であることが望ましい。これにより、液状屈折率整合剤の劣化を抑制し、液状屈折率整合剤の物性を維持できる。
[0013]
 前記充填部の開口を下にしたときに、前記液状屈折率整合剤が前記充填部から溢れ出ないことが望ましい。これにより、充填部に液状屈折率整合剤を保持できる。
[0014]
 前記液状屈折率整合剤の粘度は、100~100000mPa・sの範囲内であることが望ましい。この範囲よりも粘度が低いと、結露した水分によって液状屈折率整合剤が希釈化して充填部から流出するおそれがある。また、この範囲よりも粘度が高いと、充填部に液状屈折率整合剤を充填しにくくなる。
[0015]
 前記光ファイバを挿通させたブーツと前記光ファイバとの間が固定されており、フェルールに設けられたブーツ穴と前記ブーツとの間が固定されていることが望ましい。これにより、光ファイバをフェルールに対して固定できる。
[0016]
 前記ファイバ穴と前記光ファイバとの間が固定されていることが望ましい。これにより、光ファイバをフェルールに対して固定できる。
[0017]
 フェルールの端面に対して凹んだ凹所と、前記凹所に形成され、前記光ファイバ穴に対応して配置されたレンズ部とを備えることが望ましい。これにより、光ファイバ端面同士の物理的な接触を無くし、耐久性を高めることができる。
[0018]
 前記充填部の底に通気口が形成されていることが望ましい。これにより、充填部の底に気泡が形成されにくくなるとともに、液状屈折率整合剤の充填作業が容易になる。
[0019]
 前記充填部の開口を塞ぐための蓋を有することが望ましい。これにより、液状屈折率整合剤を充填部に密閉できる。
[0020]
(1)光ファイバを挿入させるためのファイバ穴と、液状屈折率整合剤を充填させるための充填部であって、内部に前記ファイバ穴の開口面と、前記開口面と対向する対向面とを有する充填部と、を備えたフェルールを準備すること、(2)前記光ファイバを前記光ファイバ穴に挿入し、前記開口面から突出した前記光ファイバの端面を前記対向面に突き当てること、及び(3)前記光ファイバの端面を前記対向面に突き当てた状態で、前記充填部に前記液状屈折率整合剤を充填することを行う光ファイバ付きフェルールの製造方法が明らかとなる。これにより、伝送損失を抑制可能な光ファイバ付きフェルールを提供することができる。
[0021]
 ===第1実施形態===
 <構成>
 図1A及び図1Bは、第1実施形態のフェルール1の全体斜視図である。図2は、第1実施形態のフェルール1の切断斜視図である。
[0022]
 以下の説明では、図に示すように各方向を定義する。すなわち、光ファイバ穴12の方向を「前後方向」とし、フェルール1の接続端面10Aの側を「前」とし、逆側を「後」とする。また、フェルール1の厚み方向を「上下方向」とし、充填部14に屈折率整合剤を充填する開口の側を「上」とし、逆側を「下」とする。また、前後方向及び上下方向に垂直な方向を「左右方向」とする。なお、フェルール1の幅方向が「左右方向」となり、2つのガイドピン穴11の並ぶ方向が「左右方向」となる。また、複数の光ファイバ穴12の並び方向が「左右方向」となる。すなわち、フェルール1に取り付けられる光ファイバテープ(図6の符号4参照)を構成する複数の光ファイバ3の並び方向が「左右方向」となる。この左右方向において、後から前を見たときの右側を「右」とし、逆側を「左」とする。
[0023]
 まず、第1実施形態のフェルール1と、通常のMTフェルール(JIS C5981に規定された光コネクタ)との異なる点について説明する。
[0024]
 通常のMTフェルールでは、フェルール端面から光ファイバ端面が露出している。そして、フェルール端面同士を突き当てて、光ファイバ端面を物理的に接続することによって、光ファイバ同士を光接続することになる。
[0025]
 これに対し、第1実施形態のフェルール1では、光ファイバ端面はフェルール端面10Aから露出していない。第1実施形態のフェルール1では、フェルール端面10Aの凹所15にレンズ部16が配置されており、レンズ部16から光信号が入出力されることになる。つまり、本実施形態のフェルール1では、光ファイバ端面同士の物理的な接触がない。このため、着脱を繰り返しても劣化せず耐久性が高い。
[0026]
 フェルール1は、光信号を伝送する光ファイバ3(図3A参照)の端部を保持する部材である。フェルール1の本体部10の前側の端面10A(フェルール端面10A)は、相手方のフェルールと接続する接続端面となる。本体部10の後側には、本体部10の外周面から外側に突出した鍔部10Bが形成されている。フェルール端面10Aを含む本体部10及び鍔部10Bは、光信号を透過可能な樹脂(例えば透明樹脂)により一体成型されている。この本体部10の内部において、複数の光ファイバ3の端部が保持されることになる。なお、本実施形態のフェルール1の前後方向の寸法は、3.5mm~5.0mm程度であり、通常のMTフェルール(約8mm)よりも短い。
[0027]
 本体部10は、ガイドピン穴11、光ファイバ穴12、ブーツ穴13、充填部14、凹所15、レンズ部16及び光透過部18を有する。
[0028]
 ガイドピン穴11は、ガイドピン(図6の符号22参照)を挿入するための穴である。ガイドピン穴11にガイドピンを挿入することによって、フェルール1同士が位置合わせされることになる。ガイドピン穴11は、前後方向に本体部10を貫通しており、フェルール端面10Aには2つのガイドピン穴11が開口している。2つのガイドピン穴11は、複数の光ファイバ穴12を左右から挟むように、左右方向に間隔をあけて形成されている。2つのガイドピン穴11の間には、光ファイバ穴12の他に、ブーツ穴13、凹所15、レンズ部16及び光透過部18も配置されている。
[0029]
 光ファイバ穴12は、光ファイバ3を挿入するための穴である。また、光ファイバ穴12は、光ファイバ3を位置決めするための穴でもある。光ファイバ穴12は、ブーツ穴13と充填部14との間を貫通している。光ファイバ穴12には、光ファイバ心線から被覆を除去した裸ファイバが挿入されることになる。また、光ファイバ穴12は前後方向に平行であり、複数の光ファイバ穴12は左右方向に並んで配置されている。つまり、互いに平行な複数の光ファイバ穴12が左右方向に並んでいる。各光ファイバ穴12は、それぞれテーパ部12Aとファイバ固定部12Bとを有している。
[0030]
 テーパ部12Aは、光ファイバ穴12の後端部分に設けられており、後側ほど広がるようなテーパ形状となっている。このようなテーパ部12Aを設けることにより、光ファイバ3を光ファイバ穴12に挿入しやすくなる。
[0031]
 ファイバ固定部12Bは、テーパ部12Aよりも前側に設けられており、光ファイバ3の径とほぼ同じ大きさ(直径)になっている。これにより、光ファイバ穴12に挿入された光ファイバ3を位置決めすることができる。
[0032]
 ブーツ穴13は、フェルール1の後側の端面に設けられている。ブーツ穴13は、光ファイバ3に取り付けられたブーツ(図3Aの符号26参照)を収容及び固定するための穴である。
[0033]
 充填部14は、屈折率整合剤を充填するための空洞部である。充填部14は、左右方向に長い(複数の光ファイバ穴12及びレンズ部16が左右方向に並ぶ長さよりも長い)空洞となっている。充填部14は、フェルール1の本体部10の上面に開口している。充填部14の開口も、フェルール1の本体部10の上面において、左右方向に細長い(複数の光ファイバ穴12及びレンズ部16が左右方向に並ぶ長さよりも長い)開口となっている。なお、本実施形態では、充填部14には、硬化する接着剤ではなく、液状の屈折率整合剤が充填されることになる(後述)。
[0034]
 充填部14は、光ファイバ穴開口面14Aと、突き当て面14Bとを有する。
 光ファイバ穴開口面14Aは、充填部14の後側の内壁である。光ファイバ穴開口面14Aには、複数の光ファイバ穴12が左右方向に並んで開口している。
 突き当て面14Bは、充填部14の前側の内壁であり、光ファイバ穴開口面14Aと対向する対向面である。突き当て面14Bは、光ファイバ穴開口面14Aにおける光ファイバ穴12の開口と対向しており、光ファイバ3の端面を突き当てる面となる。
[0035]
 凹所15は、フェルール端面10Aに対して凹んだ部位である。凹所15は、フェルール端面10Aにおいて2つのガイドピン穴11の間に設けられている。凹所15は、複数の光ファイバ穴12に対応するように左右方向に細長い長方形状になっている。
[0036]
 レンズ部16は、凹所15の底面(後側の面)に設けられている。レンズ部16は、複数の光ファイバ3(言い換えると、複数の光ファイバ穴12)にそれぞれ対応して配置されており、レンズ部16を介して光信号が入出力されることになる。レンズ部16は、例えばコリメートレンズとして機能するように形成されている。レンズ部16によって径の拡大された光信号を入出力することによって、光路中のゴミなどの影響を軽減させることができ、光信号の伝送損失を抑制できる。
[0037]
 光透過部18は、フェルール端面10A(詳しくは、フェルール端面10Aの凹所15のレンズ部16)と充填部14の突き当て面14Bとの間で光信号を透過させる部位(光路が形成される部位)である。なお、本実施形態の本体部10は、光信号を透過させる樹脂によって一体成型されているが、少なくとも光路が形成される部位(光透過部18)が光信号を透過可能であればよく、これ以外の部位は別の材料(光信号を透過しない材料)で構成されていてもよい。
[0038]
 <充填部14に充填する充填剤について>
 図3Bは、比較例の断面図である。比較例では、充填部14が接着剤充填部(接着剤充填窓)であり、充填部14には硬化型の接着剤(例えば紫外線硬化型接着剤や熱硬化型接着剤など)が充填されている。充填部14がフェルール1の上面に開口している場合、硬化した接着剤が収縮すると、フェルール1の上側(充填部14の開口側)では光ファイバ開口面14Aと突き当て面14Bとが近接するようにフェルール1が変形するが、フェルール1の底壁があるためにフェルール1の下側ではフェルール1は変形せず、この結果、図中の点線に示すようにフェルール1が反るように変形してしまう。なお、接着剤の収縮が生じる原因として、例えば高温・高湿な環境や、接着剤の硬化などが挙げられる。
 更に、図3Bの点線に示すようにフェルール1が反るように変形すると、光ファイバ3の端面が突き当て面14Bから剥離し、この結果、光ファイバ3の端面と突き当て面14Bとの間に剥離層(空気層)が形成され、伝送損失が増加するおそれがある。なお、通常のMTフェルール(JIS C5981に規定された光コネクタ)では、光ファイバ端面はフェルール端面から露出しており、本実施形態のように光ファイバ端面が充填部14の内壁(突き当て面14B)に突き当てられていないため、仮に接着剤充填部(接着剤充填窓)の接着剤が収縮してフェルールが反るように変形しても、光ファイバ端面と突き当て面14Bとの剥離という問題は生じない。このため、光ファイバ端面の剥離という課題は、比較例や本実施形態のように光ファイバ端面を充填部14の内壁(突き当て面14B)に突き当てた構造に特有の課題となる。
[0039]
 図3Aは、第1実施形態の光ファイバ付きフェルール1の断面図である。
 本実施形態では、充填部14には液状屈折率整合剤5が充填される。充填部14に充填された液状屈折率整合剤5は、硬化することなく、液体として保持されている。本実施形態では、充填部14に充填される充填剤が液体であるため、比較例のような接着剤の収縮によるフェルール1の変形は生じないので、伝送損失の増加を抑制できる。また、仮にフェルール1が何らかの理由で変形し、光ファイバ3の端面が突き当て面14Bから離れたとしても、光ファイバ3と突き当て面14Bとの隙間に液状屈折率整合剤5が入り込むため、伝送損失の増加を抑制できる。このように、本実施形態では、伝送損失の抑制という効果を相乗的に得ることができる。
[0040]
 液状屈折率整合剤5は、充填部14に充填(注入)できる程度の物性(粘度など)であるとともに、仮にフェルール1を上下逆向きにしても充填部14から溢れ出ない程度の物性を備えている。具体的には、液状屈折率整合剤5の粘度は100~100000mPa・sであることが望ましく、10000~100000mPa・sの範囲内であることが更に望ましい。この理由は次に説明する通りである。
[0041]
 次表に示すTelcordia GR-1435-COREに準拠した試験において、データセンターのように温度湿度の管理された環境を想定した条件(Controlled Environment)では、液状屈折率整合剤5の適性粘度は100~100000mPa・sであった。また、通常環境を想定した条件(Uncontrolled Environment:Controlled Environmentよりも厳しい条件)では、液状屈折率整合剤5の適性粘度は10000mPa・s~100000mPa・sの範囲内であった。なお、通常環境を想定した条件(Uncontrolled Environment)では、液状屈折率整合剤5の粘度が10000mPa・s以下の場合、高い湿度において結露した水分が液状屈折率整合剤5と混ざり、希釈化された液状屈折率整合剤5が充填部14から流出する場合がある。これに対し、管理された環境を想定した条件(Controlled Environment)では結露が生じないため、液状屈折率整合剤5の粘度が10000mPa・s以下でもこのような問題が生じない。このような理由から、液状屈折率整合剤5の粘度は100~100000mPa・sであることが望ましく、10000~100000mPa・sの範囲内であることが更に望ましい。
[0042]
[表1]


[0043]
 液状屈折率整合剤5は、フレネル反射の抑制のため、光ファイバ3との屈折率差が小さくなるように調整されている。液状屈折率整合剤5と光ファイバ3との屈折率差は、0.1以内であることが望ましく、0.05以内であることが更に望ましい。
[0044]
 液状屈折率整合剤5として、ここでは撥水性シリコーンオイルが採用されている。液状屈折率整合剤5が親水性ではなく撥水性であることによって、仮に光ファイバ付きフェルールに水滴等が付着しても、充填部14に充填された液状屈折率整合剤5に水分が吸収されずに済むため、希釈などによって液状屈折率整合剤5が劣化せずに済み、液状屈折率整合剤5の物性を維持できる。なお、液状屈折率整合剤5は、シリコーン系に限られず、他の高分子系オイルでも良い。
[0045]
 ところで、本実施形態の液状屈折率整合剤5は接着剤ではないため、比較例のように充填部14において光ファイバ3の端部を直接固定することはできない。このため、本実施形態では、ブーツ26と光ファイバ3との間が接着剤で固定されており、ブーツ26とフェルール1(ブーツ穴13の内壁面)との間が接着剤で固定されており、これにより、光ファイバ3がフェルール1に対して固定されている。また、光ファイバ穴12と光ファイバ3との間が接着剤で固定されており、これにより、光ファイバ3がフェルール1に対して固定されても良い。
[0046]
 <ファイバ付きフェルール1の製造方法>
 図4は、ファイバ付きフェルール1の製造方法(組み立て手順)のフロー図である。 
 まず、作業者は、本実施形態のフェルール1を準備し(S101)、予めブーツ26を挿入させた光ファイバテープの各光ファイバ3をフェルール1の光ファイバ穴12にそれぞれ挿入するとともに、ブーツ26をフェルール1のブーツ穴13に挿入する(S102)。そして、光ファイバ端面を光ファイバ穴開口面14Aから突出させる。但し、この段階では、光ファイバ端面を充填部14の突き当て面14Bには突き当てない。これは、光ファイバ3を光ファイバ穴12に通したときに、光ファイバ端面にゴミ等が付着するおそれがあるためである。
[0047]
 次に、作業者は、充填部14の光ファイバ穴開口面14Aから突出した光ファイバ端面を洗浄する(S103)。例えば、作業者は、充填部14の開口からエアを吹き付けることによって、光ファイバ端面のゴミを吹き飛ばす。これにより、光ファイバ穴12に挿入したときに付着した光ファイバ端面のゴミを除去することができる。なお、このように光ファイバ端面のゴミを除去するために、充填部14への液状屈折率整合剤の充填は、光ファイバ3の挿入前に予め行うのではなく、光ファイバ3の挿入後に行っている。
[0048]
 作業者は、光ファイバ端面の洗浄後、ブーツ26に対して光ファイバ3(光ファイバテープ)を前側にスライドさせて、光ファイバ端面を充填部14の突き当て面14Bに突き当てる(S104)。この段階では、光ファイバ端面と突き当て面14Bとの間には空気層が存在する。
[0049]
 次に、作業者は、フェルール1の後部において光ファイバ3をフェルール1に対して固定する(S105)。具体的には、作業者は、ブーツ26に設けられた接着剤充填部26A(図3Aの点線参照)に熱硬化性の接着剤を充填し、ブーツ26のファイバ挿通穴まで接着剤を浸透させて、ブーツ26と光ファイバ3との間に接着剤を浸透させる。また、ブーツ26の接着剤充填部26A(図3Aの点線参照)に接着剤を充填し、ブーツ26とフェルール1(ブーツ穴13の内壁面)との間に接着剤を浸透させる。なお、ブーツ26の接着剤充填部26A(図3Aの点線参照)に接着剤を充填し、これにより、光ファイバ穴12と光ファイバ3との間にまで接着剤を浸透させても良い。熱硬化性の接着剤を各部に浸透させた後、作業者は、接着剤を加熱して硬化させ、これにより光ファイバ3をフェルール1に対して接着固定する。なお、接着剤の塗布方法は、接着剤充填部26Aを用いるものに限られるものではない。
[0050]
 次に、作業者は、充填部14に液状屈折率整合剤5を充填する(S106)。光ファイバ端面と突き当て面14Bとの間に液状屈折率整合剤5が充填されることによって、光信号の伝送損失が抑制されることになる。なお、液状屈折率整合剤5の毛管現象によって、光ファイバ端面と突き当て面14Bとの間に液状屈折率整合剤5が浸透することになるため、光ファイバ端面と突き当て面14Bとの間に気泡は残りにくい。
[0051]
 液状屈折率整合剤5の充填完了により、本実施形態のファイバ付きフェルール1が完成することになる。
 上記のファイバ付きフェルール1の製造方法によれば、フェルール1の変形を抑制できるため伝送損失を抑制できるとともに、仮にフェルール1が変形しても光ファイバ端面と突き当て面14Bとの間に液状屈折率整合剤5が入り込むため伝送損失を抑制できるので、伝送損失の抑制という効果を相乗的に得ることができる。
[0052]
 <変形例1>
 充填部14に液状屈折率整合剤5を充填するとき(S106)、複数の光ファイバ3の端面が突き当て面14Bに突き当てられた状態であるため、充填部14の内部で複数の光ファイバ3が障壁となり、複数の光ファイバ3の上部に液状屈折率整合剤5が溜まりやすくなる。この結果、複数の光ファイバ3の上部に溜まった液状屈折率整合剤5が充填部14を塞いでしまい、液状屈折率整合剤5が充填部14の下側まで届き難くなるとともに、充填部14の底に気泡が形成されるおそれがある。そこで、充填部14の底面からフェルール1の下面までの間に通気口を形成しても良い。
[0053]
 図5Aは、第1実施形態の変形例のフェルール1の切断斜視図である。図5Bは、第1実施形態の変形例のフェルール1の全体斜視図である。
[0054]
 この変形例のフェルール1では、充填部14の底に通気口14Cが形成されている。液状屈折率整合剤5は、通気口14Cから漏洩しない程度の物性を備える必要がある。但し、液状屈折率整合剤5は充填部14から漏洩しない程度の物性を備えているため、通気口14Cの開口を充填部14の上側の開口よりも小さくすれば良い。なお、充填部14の底面に通気口14Cを設けた場合には、充填部14の底に気泡が形成されにくくなるとともに、充填部14に液状屈折率整合剤を充填する作業時間を短縮化できるという効果も得られる。
[0055]
 なお、図5A及び図5Bに示す変形例では、複数の小さな通気口14Cが左右方向に並んで配置されているが、通気口14Cは1つでも良いし、左右方向に細長い開口にしても良い。
[0056]
 <変形例2>
 フェルール1が、充填部14の上側の開口を塞ぐための蓋を有していても良い。蓋によって充填部14を閉じることによって、液状屈折率整合剤5を充填部14に密閉することができる。なお、蓋が設けられた場合には、前述の結露による液状屈折率整合剤5の希釈化の問題が生じなくなるため、液状屈折率整合剤5の粘度の下限を設けずに済むという利点もある。この蓋は、フェルール1を構成する樹脂と同程度の線膨張係数を有する樹脂で構成するのが好ましい。例えば、蓋は、フェルール1と同じ樹脂で構成することができる。蓋は、例えば、充填部14の上側の開口と同じ形状の板状体である。この蓋は、その開口に嵌合され、フェルール1と同程度の線膨張係数の接着剤によってフェルール1に接着固定される。
[0057]
 <光コネクタ>
 図6は、第1実施形態のフェルール1を用いた光コネクタの概略断面図である。図に示すように、本実施形態のフェルール1は、光コネクタのハウジング20に収容して用いることができる。
 ハウジング20は、フェルール1を後退可能に収容する部材である。ハウジング20の内部空間には突出部20Aが形成されており、この突出部20Aとフェルール1の鍔部10Bとが係合した状態で、スプリング24の反発力によってフェルール1が前側に付勢されている。
 フェルール1の2つのガイドピン穴11にはガイドピン22が挿入されており、このガイドピン22により、相手側の光コネクタのフェルール1との位置決めが行われることになる。また、フェルール1のブーツ穴13には、ブーツ26が挿入されている。ブーツ26は、断面が略矩形の筒状の部材であり、光ファイバテープ4の複数の光ファイバ3がそれぞれ前後方向に貫通している。ブーツ26の左右方向及び上下方向の寸法は、ブーツ穴13の寸法とほぼ同じであり、ブーツ26はブーツ穴13に嵌合している。
[0058]
 <実施例>
 図4に示す手順に沿って、本実施形態の光ファイバ付きフェルール(図3A参照)と、比較例の光ファイバ付きフェルール(図3B参照)とを製造した。光ファイバ付きフェルールに対し、-40℃、25℃、75℃の順に温度を変化させる環境試験を行い、環境試験中の光ファイバの損失増加量を測定し、損失増加量に基づいて評価を行った。
[0059]
 8心光ファイバテープの8本の光ファイバの損失増加量のうちの最大損失増加量は、比較例では1.0dBであるのに対し、本実施形態では0.3dB以下であった。なお、比較例の8本の光ファイバのほとんどが、損失増加量が0.3dBを越えていた。つまり、損失増加量が0.3dB以上の光ファイバを「不良」と評価する場合、比較例ではほぼ全ての光ファイバが「不良」と評価されるのに対し、本実施形態では「不良」と評価される光ファイバが無かった。
[0060]
 ===第2実施形態===
 第2実施形態のフェルール1は反射部19を有していている。そして、反射部19を介して光信号の伝達を行なう。
[0061]
 図7は、第2実施形態のフェルール1の概略断面図である。なお、第1実施形態と同一構成の部分には同一符号を付し説明を省略する。
[0062]
 第2実施形態のフェルール1は、ホルダ(不図示)を介して光電変換モジュール30上に固定されている。例えばフェルール1の下面に位置決めピン(不図示)が形成されており、光電変換モジュール30の上面に接着固定されたホルダ(不図示)の位置決め穴(不図示)に位置決めピンを嵌合させることによって、フェルール1が光電変換モジュール30に対して位置決めされている。光電変換モジュール30の光素子32としては、半導体レーザ等の発光素子、あるいは、フォトダイオード等の受光素子が挙げられる。
[0063]
 第2実施形態のフェルール1の本体部10は、第1実施形態の本体部10と同様に、光信号を透過させる樹脂により一体成型されている。第2実施形態では、本体部10の下面がフェルール端面10Aとなっている。フェルール1は、左右方向(紙面に垂直方向)に並ぶ複数の光ファイバ穴12と、充填部14とを有している。充填部14には、光ファイバ穴開口面14Aと、光ファイバ穴12の開口と対向する突き当て面14B(光ファイバ穴開口面14Aと対向する対向面)が設けられている。また、本体部10において充填部14の突き当て面14Bよりも前側の部位が光透過部18となっており、光透過部18には、反射部19が設けられている。反射部19は、上側ほど後側に傾斜した傾斜面になっている。
[0064]
 反射部19は、光素子32が発光素子である場合には、フェルール端面10Aに入射する光を光ファイバ3の端面に向けて反射する(上下方向に平行な光を前後方向に平行な光に変換する)。光素子32が受光素子である場合には、反射部19は、光ファイバ3の端面から出射する光を、光素子32に向けて反射する(前後方向に平行な光を上下方向に平行な光に変換する)。このように、反射部19は、光路を変換するために光(光信号)を反射する。
[0065]
 第2実施形態においても、充填部14には液状屈折率整合剤5が充填される。充填部14に充填された液状屈折率整合剤5は、硬化することなく、液体として保持されている。第2実施形態においても、フェルール1の変形を抑制できるため伝送損失を抑制できるとともに、仮にフェルール1が変形しても光ファイバ端面と突き当て面14Bとの間に液状屈折率整合剤5が入り込むため伝送損失を抑制できるので、伝送損失の抑制という効果を相乗的に得ることができる。
[0066]
 ===その他===
 上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更・改良され得ると共に、本発明には、その等価物が含まれることは言うまでもない。

符号の説明

[0067]
1 フェルール、3 光ファイバ、4 光ファイバテープ、5 屈折率整合剤、
10 本体部、10A フェルール端面、10B 鍔部、
11 ガイドピン穴、12 光ファイバ穴、
12A テーパ部、12B ファイバ固定部、
13 ブーツ穴、14 充填部、
14A 光ファイバ開口面、14B 突き当て面、14C 通気口、
15 凹所、16レンズ部、
18 光透過部、19 反射部、
20 ハウジング、20A 突出部、
22 ガイドピン、
24 スプリング、26 ブーツ、
30 光電変換モジュール、32 光素子

請求の範囲

[請求項1]
 光ファイバを挿入させたファイバ穴と、
 液状屈折率整合剤を充填させた充填部であって、内部に前記ファイバ穴の開口面と、前記開口面と対向する対向面とを有する充填部と、
を備え、
 前記ファイバ穴に挿入させた前記光ファイバの端面を前記対向面に突き当てた状態で、前記充填部に前記液状屈折率整合剤が充填されている
ことを特徴とする光ファイバ付きフェルール。
[請求項2]
 請求項1に記載の光ファイバ付きフェルールであって、
 前記液状屈折率整合剤は撥水性であることを特徴とする光ファイバ付きフェルール。
[請求項3]
 請求項1又は2に記載の光ファイバ付きフェルールであって、
 前記充填部の開口を下にしたときに、前記液状屈折率整合剤が前記充填部から溢れ出ないことを特徴とする光ファイバ付きフェルール。
[請求項4]
 請求項1~3のいずれかに記載の光ファイバ付きフェルールであって、
 前記液状屈折率整合剤の粘度は、100~100000mPa・sの範囲内であることを特徴とする光ファイバ付きフェルール。
[請求項5]
 請求項1~4のいずれかに記載の光ファイバ付きフェルールであって、
 前記光ファイバを挿通させたブーツと前記光ファイバとの間が固定されており、
 フェルールに設けられたブーツ穴と前記ブーツとの間が固定されている
ことを特徴とする光ファイバ付きフェルール。
[請求項6]
 請求項1~5のいずれかに記載の光ファイバ付きフェルールであって、
 前記ファイバ穴と前記光ファイバとの間が固定されている
ことを特徴とする光ファイバ付きフェルール。
[請求項7]
 請求項1~6のいずれかに記載の光ファイバ付きフェルールであって、
 フェルールの端面に対して凹んだ凹所と、
 前記凹所に形成され、前記光ファイバ穴に対応して配置されたレンズ部と
を備えることを特徴とする光ファイバ付きフェルール。
[請求項8]
 請求項1~7のいずれかに記載の光ファイバ付きフェルールであって、
 前記充填部の底に通気口が形成されていることを特徴とする光ファイバ付きフェルール。
[請求項9]
 請求項1~8のいずれかに記載の光ファイバ付きフェルールであって、
 前記充填部の開口を塞ぐための蓋を有することを特徴とする光ファイバ付きフェルール。
[請求項10]
(1)光ファイバを挿入させるためのファイバ穴と、液状屈折率整合剤を充填させるための充填部であって、内部に前記ファイバ穴の開口面と、前記開口面と対向する対向面とを有する充填部と、を備えたフェルールを準備すること、
(2)前記光ファイバを前記光ファイバ穴に挿入し、前記開口面から突出した前記光ファイバの端面を前記対向面に突き当てること、及び
(3)前記光ファイバの端面を前記対向面に突き当てた状態で、前記充填部に前記液状屈折率整合剤を充填すること
を行う光ファイバ付きフェルールの製造方法。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]