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1. (WO2017090588) POLYISOCYANATE COMPOSITION FOR SOLVENT-FREE ADHESIVE, SOLVENT-FREE ADHESIVE, AND METHOD FOR PRODUCING LAYERED FILM USING SAME
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明 細 書

発明の名称 無溶剤接着剤用ポリイソシアネート組成物、無溶剤型接着剤及びそれを用いた積層フィルムの製造方法

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005   0006  

先行技術文献

特許文献

0007  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0008  

課題を解決するための手段

0009   0010   0011   0012   0013   0014  

発明の効果

0015  

発明を実施するための形態

0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066  

実施例

0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10  

明 細 書

発明の名称 : 無溶剤接着剤用ポリイソシアネート組成物、無溶剤型接着剤及びそれを用いた積層フィルムの製造方法

技術分野

[0001]
 本発明は無溶剤型接着剤、これに用いるポリイソシアネート組成物、及び該接着剤を用いて各種フィルムをラミネートしてなる積層フィルムに関する。更に詳しくは、各種プラスチックフィルム、金属蒸着フィルム、アルミニウム箔等をラミネートして、主として食品、医薬品、洗剤等の包装材料に使用する複合フィルムを製造する際に用いるラミネート用接着剤に関する。

背景技術

[0002]
 ポリウレタン樹脂は、基材との密着性や柔軟性に優れる点から軟包装材用ラミネート接着剤として広く使用されており、このウレタン樹脂系接着剤により貼合されたラミネートフィルムは、食品、医薬品、洗剤等の包装材料として用いられている。
[0003]
 従来、有機溶剤に溶解した接着剤をフィルムに塗工し、オーブンを通過する過程で有機溶剤を揮発させ、別のフィルムを貼り合わせるドライラミネーション方式が主流であったが、近年、環境負荷の低減および作業環境の改善の観点から、有機溶剤を含有しない2液タイプの無溶剤型ラミネート接着剤の需要が高まりつつある(下記特許文献1参照)。
[0004]
 斯かる無溶剤型ラミネート接着剤は、適切な塗工性を確保する点から樹脂成分は低分子量とならざるを得ず、その為、ラミネート物の接着強度、所謂、ラミネート強度が低く、高温でのレトルト処理に対する耐性や、高温環境下でアルミ基材或いはアルミ蒸着基剤への密着性が充分でない、といった問題が生じていた。他方、高分子量化させてラミネート接着強度を向上させた場合には、十分なポットライフが確保できない、という問題が生じていた。
[0005]
 そこで、この様な無溶剤型ラミネート接着剤における、ラミネート強度とポットライフとが両立しない、という技術的トレードオフを解消すべく、下記特許文献1には、ポリオール成分とポリイソシアネート成分とから構成される2液無溶剤型接着剤において、ポリオール成分中にスチレン-無水マレイン酸共重合体とプロピレンカーボネートとを配合したポリオールプレミックスを調整し、これをポリイソシアネート成分と組み合わせる技術が開示されている。
[0006]
 然しながら、斯かる技術は、ポリオール成分中にスチレン-無水マレイン酸共重合体とプロピレンカーボネートとを配合したポリオールプレミックスを長期保存した際に、スチレン-無水マレイン酸共重合体がポリオールと反応してしまい、酸無水物基の開環によってカルボキシル基の生成を招き、ポリイソシアネート成分と混合した際に著しい増粘を招いてしまうため、適正な可使時間(ポットライフ)を確保できないものであった。このような現象は高温保存時(例えば、60℃にて10日間程度)した際にはより顕著に表れるものであった。
 また、接着強度についても高温でのレトルト処理後の強度、アルミ基材に対する密着性などが充分でない他、接着剤長期保存後の使用で増粘してしまった場合には、もはや接着剤として機能しないものであった。加えて、配合成分であるプロピレンカーボネートは低分子量であるため食品用パウチへ適用した際に、内容物へ溶出することが懸念される問題もあった。

先行技術文献

特許文献

[0007]
特許文献1 : 特開2015-117328号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0008]
 従って、本発明が解決しようとする課題は、可使時間(ポットライフ)を確保しつつ優れたラミネート強度を発現し、特に接着剤およびその原料であるポリイソシアネートやポリオールを長期保存後においても可使時間(ポットライフ)とラミネート強度とを維持できる無溶剤型接着剤、これに用いるポリイソシアネート組成物、該接着剤を用いて基材フィルムをラミネートしてなる積層フィルムを提供することにある。

課題を解決するための手段

[0009]
 本発明者等は、前記課題を解決すべく鋭意研究した結果、ポリイソシアネート/ポリオール硬化型の無溶剤型接着剤において、該ポリイソシアネート成分として、ポリイソシアネート組成物(X)と芳香族ビニルと無水マレイン酸とのモル比[芳香族ビニル/無水マレイン酸]が1.5/1~5/1である芳香族ビニル・無水マレイン酸共重合体(B)との混合物を用いることにより、適度なポットライフを確保しつつラミネート強度が向上すること、更には長期保存後、特に高温条件下に保存した後に使用した場合であってもポットライフ性能と優れたラミネート強度とを兼備できることを見出し、本発明を完成するに至った。
[0010]
 即ち、本発明は、ポリイソシアネート(A)、及び芳香族ビニルと無水マレイン酸との共重合体であってその原料モノマーのモル比[芳香族ビニル/無水マレイン酸]が1.5/1~5/1である芳香族ビニル・無水マレイン酸共重合体(B)を必須成分とする無溶剤型接着剤用ポリイソシアネート組成物を提供する。
[0011]
 また本発明は、ポリイソシアネートとポリオール成分とを反応させる無溶剤型接着剤用ポリイソシアネート組成物の製造方法であって、前記反応を、芳香族ビニルと無水マレイン酸との共重合体であってその原料モノマーのモル比[芳香族ビニル/無水マレイン酸]が1.5/1~5/1である芳香族ビニル・無水マレイン酸共重合体(B)の存在下で行い、前記ポリイソシアネートと前記芳香族ビニル・無水マレイン酸共重合体(B)との質量比[ポリイソシアネート/芳香族ビニル・無水マレイン酸共重合体(B)]が100/0.1~100/6である無溶剤型接着剤用ポリイソシアネート組成物の製造方法を提供する。
[0012]
 また本発明は、前記記載の無溶剤型接着剤用ポリイソシアネート組成物と、ポリオール(Y)とを必須成分とする無溶剤型接着剤を提供する。
[0013]
 また本発明は、第一の基材フィルムと第二の基材フィルムの間に接着剤層を積層してなる積層フィルムであって、前記接着剤層が前記記載の無溶剤型接着剤である積層フィルムを提供する。
[0014]
 また本発明は、第一のプラスチックフィルムと第二のプラスチックフィルムの間に接着剤層を積層してなる積層フィルムを袋状に成形してなる包装体であって、前記接着剤層が前記記載の無溶剤型接着剤である包装体を提供する。

発明の効果

[0015]
 本発明によれば、可使時間(ポットライフ)を確保しつつ優れたラミネート強度を発現し、特に接着剤の長期保存後においても可使時間(ポットライフ)とラミネート強度とを維持できる無溶剤型接着剤、これに用いるポリイソシアネート組成物、該接着剤を用いて基材フィルムをラミネートしてなる積層フィルムを提供できる。

発明を実施するための形態

[0016]
(無溶剤型の定義)
 本発明にかかる接着剤は、イソシアネート基と水酸基との化学反応によって硬化する接着剤であり、無溶剤型の接着剤として使用することができる。なお本発明でいう無溶剤型の接着剤の「溶剤」とは、本発明で使用するポリイソシアネート(A)やポリオールを溶解することの可能な、溶解性の高い有機溶剤を指し、「無溶剤」とは、これらの溶解性の高い有機溶剤を含まないことを指す。溶解性の高い有機溶剤とは、具体的には、トルエン、キシレン、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n-ブチル、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、シクロヘキサノン、トルオール、キシロール、n-ヘキサン、シクロヘキサン等が挙げられる。中でもトルエン、キシレン、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、酢酸メチル、酢酸エチルは特に溶解性の高い有機溶剤として知られている。
[0017]
 本発明の無溶剤型接着剤用ポリイソシアネート組成物は、前記した通り、ポリイソシアネート/ポリオール硬化型の無溶剤型接着剤の主剤である、ポリイソシアネート成分を構成するものであり、ポリイソシアネート(A)、及び芳香族ビニルと無水マレイン酸との共重合体であって、その原料モノマーのモル比[芳香族ビニル/無水マレイン酸]が1.5/1~5/1である芳香族ビニル・無水マレイン酸共重合体(B)を含有することを特徴としている。(以下本発明の無溶剤型接着剤用ポリイソシアネート組成物を「ポリイソシアネート組成物(X)」と略記する場合がある。)
[0018]
 芳香族ビニル・無水マレイン酸共重合体(B)は、本来、ポリイソシアネート成分には溶解し難く、とりわけ分子構造内に芳香環を持つイソシアネート化合物への相溶化は難しいものであるが、本発明では、芳香族ビニル・無水マレイン酸共重合体(B)を構成するモノマー組成比をモル比[芳香族ビニル/無水マレイン酸]が1.5/1~5/1の範囲に調節することにより、良好に相溶化することができたものである。本発明ではこのようなモル比[芳香族ビニル/無水マレイン酸]が1.5/1~5/1のモノマー組成の共重合体をポリイソシアネート成分に加えて使用することにより、ラミネート強度を飛躍的に改善することができる。前記モル比[芳香族ビニル/無水マレイン酸]は中でも1.5/1~3/1であることが好ましく、1.5/1~2/1であることが、ラミネート強度にすぐれ特に好ましい。
 また、ポリイソシアネート(A)として、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)を反応性希釈剤として使用する場合には、環境負荷の高い芳香族アミン(PAA)を生成し易いが、芳香族ビニル・無水マレイン酸共重合体(B)は、このPAAの溶出を抑制できる、という効果をも奏する。
[0019]
 ここで用いるポリイソシアネート(A)は、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の分子構造内に芳香族構造を持つポリイソシアネート、これらのポリイソシアネートのNCO基の一部をカルボジイミドで変性した化合物;これらのポリイソシアネートに由来するアルファネート化合物;イソホロンジイソシアネート、4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,3-(イソシアナートメチル)シクロヘキサン等の分子構造内に脂環式構造を持つポリイソシアネート;1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の直鎖状脂肪族ポリイソシアネート、及びこのアルファネート化合物;これらのポリイソシアネートのイソシアヌレート体;これらのポリイソシアネートに由来するアロファネート体;これらのポリイソシアネートに由来するビゥレット体;トリメチロールプロパン変性したアダクト体;前記した各種のポリイソシアネートとポリオール成分との反応生成物であるポリイソシアネートなどが挙げられる。
[0020]
 これらのなかでも、分子構造内に脂環式構造又は芳香族構造を持つポリイソシアネートとポリオール成分との反応生成物であるポリイソシアネートや、芳香族構造を持つポリイソシアネートのカルボジイミド変性体とポリオール成分との反応生成物であるポリイソシアネートや、直鎖状脂肪族ポリイソシアネートのアルファネート化合物とポリオール成分との反応生成物であるポリイソシアネートや、脂環式構造、芳香族構造又はヌレート骨格を有するポリイソシアネートであることが、前記芳香族ビニル・無水マレイン酸共重合体(B)との相溶性に優れる点から好ましく、特に分子構造内に脂環式構造又は芳香族構造を持つポリイソシアネートとポリオール成分との反応生成物であるポリイソシアネートや脂環式構造、芳香族構造又はヌレート骨格を有するポリイソシアネートが好ましい。
[0021]
 また、ポリオール成分と反応させる各種のポリイソシアネートのなかでも、特に、分子構造内に脂環式構造又は芳香族構造を持つポリイソシアネートが、より芳香族ビニル・無水マレイン酸共重合体(B)との相溶性が良好なものとなる点から好しく、とりわけ、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)が優れた相溶性を保持しつつ、ラミネート強度、硬化性に優れた接着剤が得られる点から好ましい。
[0022]
 また、特に本発明では、分子構造内に芳香族構造を持つポリイソシアネートと共に、前記直鎖状脂肪族ポリイソシアネートをポリオール成分と反応させることにより、ラミネート物にフレキシブル性を付与しボイル耐性を高めることができる点から好ましい。この場合、直鎖状脂肪族ポリイソシアネートはポリオール成分中の水酸基と反応する際にウレタン結合又はアロファネート結合を形成しながらポリイソシアネート(A)中に導入することができる。前記芳香族構造を持つポリイソシアネートと前記直鎖状脂肪族ポリイソシアネートとを併用する場合、それらの使用割合は質量基準で[芳香族構造を持つポリイソシアネート/直鎖状脂肪族ポリイソシアネート]が70/30~30/70となる割合であることが低粘度化の点から好ましい。
[0023]
 ここで、前記したポリイソシアネートとポリオール成分との反応割合は、イソシアネート基とポリオール成分中の水酸基との当量比[イソシアネート基/水酸基]が1.5~5.0の範囲であることが、接着剤の粘度が適正範囲となって塗工性が良好となる点から好ましい。
[0024]
 また、前記分子構造内に脂環式構造又は芳香族構造を持つポリイソシアネートと反応させるポリオール成分としては、具体的には、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、メチルペンタンジオール、ジメチルブタンジオール、ブチルエチルプロパンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン等の鎖状脂肪族グリコール;1,4-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール等の脂環式グリコール;グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の3官能又は4官能の脂肪族アルコール;ビスフェノールA、ビスフェノールF、水素添加ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールF等のビスフェノール;ダイマージオール;前記グリコール等の重合開始剤の存在下にエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、エピクロルヒドリン、テトラヒドロフラン、シクロヘキシレン等のアルキレンオキシドを付加重合したポリエーテルポリオール;プロピオラクトン、ブチロラクトン、ε-カプロラクトン、σ-バレロラクトン、β-メチル-σ-バレロラクトン等の環状エステル化合物の開環重合反応によって得られるポリエステルと、前記グリコール又は3官能若しくは4官能の脂肪族アルコールとの反応物であるポリエステルポリオール(1);前記鎖状脂肪族グリコール、脂環式グリコール、ダイマージオール、又は前記ビスフェノール等の2官能型ポリオールと、多価カルボン酸とを反応させて得られるポリエステルポリオール(2):前記3官能又は4官能の脂肪族アルコールと、多価カルボン酸とを反応させて得られるポリエステルポリオール(3);2官能型ポリオールと、前記3官能又は4官能の脂肪族アルコールと、多価カルボン酸とを反応させて得られるポリエステルポリオール(4);ジメチロールプロピオン酸、ひまし油脂肪酸等のヒドロキシル酸の重合体である、ポリエステルポリオール(5);前記ポリエステルポリオール(1)、(2)、(3)、(4)、又は(5)とポリエーテルポリオールとの混合物等が挙げられる。
[0025]
 ここで、前記ポリエステルポリオール(2)、(3)又は(4)の製造に用いられる多価カルボン酸としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、無水マレイン酸、フマル酸等の非環状脂肪族ジカルボン酸;1,3-シクロペンタンジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸;テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4-ナフタレンジカルボン酸、2,5-ナフタレンジカルボン酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、ナフタル酸、ビフェニルジカルボン酸、1,2-ビス(フェノキシ)エタン-p,p’-ジカルボン酸等の芳香族系ジカルボン酸;これら脂肪族又は芳香族ジカルボン酸の無水物あるいはエステル形成性誘導体;p-ヒドロキシ安息香酸、p-(2-ヒドロキシエトキシ)安息香酸及びこれらのジヒドロキシカルボン酸のエステル形成性誘導体、ダイマー酸等の多塩基酸類が挙げられる。
[0026]
 これらのポリオール成分のなかでも、特に、前記ポリエーテルポリオール、前記ポリエステルポリオール(1)~(5)が接着剤にした際の耐レトルト性の点から好ましい。
[0027]
 このうちポリエーテルポリオールは、ラミネート物のフレキシブル性が良好となりボイル耐性を高めることができる点から好ましく、耐熱性に優れる点からポリプロビレングリコールであることが好ましい。
[0028]
 また、前記ポリエステルポリオール(1)~(5)のなかでも、低粘度化の観点からは、ポリエステルポリオール(2)のうち、鎖状脂肪族グリコールと非環状脂肪族ジカルボン酸との反応生成物である脂肪族ポリエステルポリオール、及び、ポリエステルポリオール(4)のうち、鎖状脂肪族グリコールと、3官能又は4官能の脂肪族アルコールと、非環状脂肪族ジカルボン酸との反応性生成物である、分岐構造を有する脂肪族ポリエステルポリオールが好ましい。
[0029]
 一方、前記ポリエステルポリオール(1)~(5)のうち、ラミネート強度の観点からは、前記ポリエステルポリオール(3)又は(4)の3官能又は4官能の脂肪族アルコールを原料アルコールとして用いたポリエステルポリオールが好ましい。
[0030]
 ここで、前記したポリエステルポリオール(1)~(5)をイソシアネート化する際、これらポリエステルポリオール(1)~(5)の一部をポリエーテルポリオールに置き換えることが、優れたラミネート強度を保持しつつ、無溶剤型接着剤用ポリイソシアネート組成物をより低粘度化することができ点から好ましい。この場合における、また、ポリエーテルポリオールの分子量は重量平均分子量(Mw)は400~2000の範囲であること、また、ポリエーテルポリオールとポリエステルポリオール(1)~(5)との配合割合は、質量比(ポリエステルポリオール成分[前記(1)~(5)]/ポリエーテルポリオール)が99/1~70/30の範囲であることがこの2種のポリイソシアネートの相溶性の点から好ましい。
[0031]
 ここで、本発明では前記した通り、分子構造中に芳香族構造を持つポリイソシアネートを出発原料とするポリエーテルポリウレタンポリイソシアネートやポリエスエルポリウレタンポリイソシアネートを用いた場合であっても、PAAやXDAといった芳香族含有アミンの溶出量を効果的に低減できるほか、芳香族ビニル・無水マレイン酸共重合体(B)との相溶性との相溶性が良好なものとなる点は特筆すべき点である。
[0032]
 上記したポリイソシアネート(A)は重量平均分子量(Mw)が3,000~10,000の範囲であることが、エージング時間を短くしつつ、適正なポットライフを確保できる点から好ましい。また、前記ポリエステルポリオール(1)~(5)をベースとするポリエステルポリウレタンポリイソシアネートは、滴定法(ジ-n-ブチルアミン使用)によるイソシアネート含有率が8~20質量%のものが、適正な樹脂粘度となって塗工性に優れる点から好ましい。
[0033]
 本発明のポリイソシアネート組成物(X)は、上記したポリイソシアネート(A)と芳香族ビニル・無水マレイン酸共重合体(B)とを必須成分とするものであり、ここで用いる前記芳香族ビニル・無水マレイン酸共重合体(B)は、芳香族ビニルと無水マレイン酸とをモル比[芳香族ビニル/無水マレイン酸]が1.5/1~5/1となる割合で反応させたものである。前記した通り、斯かる共重合体(B)を予めポリイソシアネート(A)に配合したポリイソシアネートプレミックスとすることにより、該ポリイソシアネート(A)との相溶性、とりわけ芳香族成分を持つポリイソシアネート(A)との相溶性が飛躍的に改善され、例えば毒性の高いプロピレンカーボネートを相溶化剤として使用する必要もなくなる。
[0034]
 斯かる芳香族ビニル・無水マレイン酸共重合体(B)を構成する芳香族ビニルとしては、具体的にはスチレン、α-メチルスチレン、ジビニルベンゼン等が挙げられるが、なかでもポリイソシアネート(A)との相溶性に優れる点からスチレンが好ましい。前記芳香族ビニルと無水マレイン酸とはラジカル重合により共重合させることができ、その重量平均分子量(Mw)が5,000~15,000の範囲にあるものが好ましい。
[0035]
 以上詳述した無溶剤型接着剤用ポリイソシアネート組成物(X)は、前記ポリイソシアネート(A)と芳香族ビニル・無水マレイン酸共重合体(B)とを混合することによって製造することができるが、芳香族ビニル・無水マレイン酸共重合体(B)の存在下に、ポリイソシアネート化合物とポリオール成分とを反応させる方法によって製造することが、得られるポリイソシアネート(A)と芳香族ビニル・無水マレイン酸共重合体(B)との相溶性が良好なものとなる点から好ましい。
[0036]
 ここで、前記ポリイソシアネート(A)と芳香族ビニル・無水マレイン酸共重合体(B)との混合比率としては、質量比[(A)/(B)]が100/0.1~100/6となる割合であることがレトルト処理後のアルミへの密着の点から好ましい。
[0037]
 芳香族ビニル・無水マレイン酸共重合体(B)の存在下に、ポリイソシアネート化合物とポリオール成分との反応を行う方法としては、具体的には、ポリイソシアネート化合物と、芳香族ビニル・無水マレイン酸共重合体(B)とを、質量比[(A)/(B)]が100/0.1~100/6となる割合で反応容器に仕込み、窒素ガス気流下で撹拌しながら40~100℃の温度条件下に反応させる方法が挙げられる。ここで、反応時間は系内のイソシアネート%が8.0~18.0質量%の範囲となるまでの時間とすることが好ましい。
[0038]
 次に、本発明で使用するポリオール(Y)は、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、メチルペンタンジオール、ジメチルブタンジオール、ブチルエチルプロパンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン、1,4-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、
トリエチレングリコール等のグリコール;グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の3官能又は4官能の脂肪族アルコール;ビスフェノールA、ビスフェノールF、水素添加ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールF等のビスフェノール;
ダイマージオール;前記グリコール等の重合開始剤の存在下にエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、エピクロルヒドリン、テトラヒドロフラン、シクロヘキシレン等のアルキレンオキシドを付加重合したポリエーテルポリオール;該ポリエーテルポリオールを更に前記芳香族又は脂肪族ポリイソシアネートで高分子量化したウレタン結合含有ポリエーテルポリオール;プロピオラクトン、ブチロラクトン、ε-カプロラクトン、σ-バレロラクトン、β-メチル-σ-バレロラクトン等の環状エステル化合物の開環重合反応によって得られるポリエステルと前記グリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の多価アルコールとの反応物であるポリエステルポリオール(1);
[0039]
前記グリコール、ダイマージオール、又は前記ビスフェノール等の2官能型ポリオールと、多価カルボン酸とを反応させて得られるポリエステルポリオール(2):
前記3官能又は4官能の脂肪族アルコールと、多価カルボン酸とを反応させて得られるポリエステルポリオール(3);2官能型ポリオールと、前記3官能又は4官能の脂肪族アルコールと、多価カルボン酸とを反応させて得られるポリエステルポリオール(4);ジメチロールプロピオン酸、ひまし油脂肪酸等のヒドロキシル酸の重合体である、ポリエステルポリオール(5);前記ポリエステルポリオール(1)~(5)と前記ポリエーテルポリオールと芳香族若しくは脂肪族ポリイソシアネートとを反応させて得られるウレタン結合含有ポリエステルポリエーテルポリオール;前記ポリエステルポリオール(1)~(5)を芳香族若しくは脂肪族ポリイソシアネートで高分子量化して得られるポリエステルポリウレタンポリオール;ポリエステルポリオール(1)~(5)とポリエーテルポリオールとの混合物等が挙げられる。
[0040]
 ここで、多価カルボン酸としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、無水マレイン酸、フマル酸、1,3-シクロペンタンジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸;テレフタル酸、イソフタル酸、1,4-ナフタレンジカルボン酸、2,5-ナフタレンジカルボン酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、ナフタル酸、ビフェニルジカルボン酸、1,2-ビス(フェノキシ)エタン-p,p’-ジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸;及びこれら脂肪族又はジカルボン酸の無水物あるいはエステル形成性誘導体;p-ヒドロキシ安息香酸、p-(2-ヒドロキシエトキシ)安息香酸及びこれらのジヒドロキシカルボン酸のエステル形成性誘導体、ダイマー酸等の多塩基酸類が挙げられる。
[0041]
 これらの中でも特に前記ポリエステルポリオール(3)、及び前記ポリエステルポリオール(4)がパウチ包装袋用途における、レトルト処理後のラミネート強度に優れる点から好ましく、特に、原料成分である多価カルボン酸として芳香族ジカルボン酸を用いたものが、このレトルト処理後のラミネート強度が一層良好なものとなる点から好ましい。
[0042]
 ここで、前記ポリエーテルポリオール、前記ウレタン結合含有ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール(1)~(5)、ウレタン結合含有ポリエステルポリエーテルポリオール、は、その水酸基価が50~300mgKOH/gの範囲であることが塗工時の濡れ性に優れる点から好ましい。
[0043]
 また、本発明の無溶剤型接着剤は、上記した無溶剤型接着剤用ポリイソシアネート組成物(X)と、ポリオール(Y)とを必須成分とするものである。前記ポリイソシアネート組成物と前記ポリオール(Y)との配合割合は、該ポリイソシアネート組成物(X)中のイソシアネート基とポリオール(Y)中の水酸基の当量比〔イソシアネート基/水酸基〕が1.0~5.0の範囲であることが、接着強度やヒートシール時の耐熱性に優れる点から好ましく、特に1.5~3.5の範囲であることがこれらの性能が顕著なものとなる点から好ましい。
[0044]
 本発明の無溶剤型接着剤は、ポリイソシアネート組成物(X)、及び前記ポリオール(Y)に加え、更に、肪族環状アミド化合物を、ポリイソシアネート組成物(X)又はポリオール組成物(Y)のどちらか一方の成分に混合させるか、或いは、第3成分として塗工時に配合することにより、ラミネート包装体において芳香族アミンに代表される有害な低分子化学物質の内容物への溶出が効果的に抑制できる。
[0045]
 ここで用いる脂肪族環状アミド化合物は、例えば、δ-バレロラクタム、ε-カプロラクタム、ω-エナントールラクタム、η-カプリルラクタム、β-プロピオラクタム等が挙げられる。これらの中でも低分子化学物質の溶出量低減の効果に優れる点からε-カプロラクタムが好ましい。また、その配合量は、ポリオール(Y)100質量部あたり、脂肪族環状アミド化合物を0.1~5質量部の範囲で混合させることが好ましい。
[0046]
 本発明の無溶剤型接着剤は、必要に応じて、顔料を併用してもよい。この場合使用可能な顔料としては、特に限定されるものではなく、例えば、塗料原料便覧1970年度版(日本塗料工業会編)に記載されている体質顔料、白顔料、黒顔料、灰色顔料、赤色顔料、茶色顔料、緑色顔料、青顔料、金属粉顔料、発光顔料、真珠色顔料等の有機顔料や無機顔料、さらにはプラスチック顔料などが挙げられる。これら着色剤の具体例としては種々のものが掲げられ、有機顔料としては、例えば、ベンチジンエロー、ハンザエロー、レーキッド4R等の、各種の不溶性アゾ顔料;レーキッドC、カーミン6B、ボルドー10等の溶性アゾ顔料;フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン等の各種(銅)フタロシアニン系顔料;ローダミンレーキ、メチルバイオレットレーキ等の各種の塩素性染め付けレーキ;キノリンレーキ、ファストスカイブルー等の各種の媒染染料系顔料;アンスラキノン系顔料、チオインジゴ系顔料、ペリノン系顔料等の各種の建染染料系顔料;シンカシアレッドB等の各種のキナクリドン系顔料;ヂオキサジンバイオレット等の各種のヂオキサジン系顔料;クロモフタール等の各種の縮合アゾ顔料;アニリンブラックなどが挙げられる。
[0047]
 無機顔料としては、例えば、黄鉛、ジンククロメート、モリブデートオレンジ等の如き、各種のクロム酸塩;紺青等の各種のフェロシアン化合物;酸化チタン、亜鉛華、マピコエロー、酸化鉄、ベンガラ、酸化クロームグリーン、酸化ジルコニウム等の各種の金属酸化物;カドミウムエロー、カドミウムレッド、硫化水銀等の各種の硫化物ないしはセレン化物;硫酸バリウム、硫酸鉛等の各種の硫酸塩;ケイ酸カルシウム、群青等の各種のケイ酸塩;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の各種の炭酸塩;コバルトバイオレット、マンガン紫等の各種の燐酸塩;アルミニウム粉、金粉、銀粉、銅粉、ブロンズ粉、真鍮粉等の各種の金属粉末顔料;これら金属のフレーク顔料、マイカ・フレーク顔料;金属酸化物を被覆した形のマイカ・フレーク顔料、雲母状酸化鉄顔料等のメタリック顔料やパール顔料;黒鉛、カーボンブラック等が挙げられる。
[0048]
 体質顔料としては、例えば、沈降性硫酸バリウム、ご粉、沈降炭酸カルシウム、重炭酸カルシウム、寒水石、アルミナ白、シリカ、含水微粉シリカ(ホワイトカーボン)、超微粉無水シリカ(アエロジル)、珪砂(シリカサンド)、タルク、沈降性炭酸マグネシウム、ベントナイト、クレー、カオリン、黄土などが挙げられる。
[0049]
 さらに、プラスチック顔料としては、例えば、DIC(株)製「グランドールPP-1000」、「PP-2000S」等が挙げられる。
[0050]
 本発明で用いる顔料としては、耐久性、耐侯性、意匠性に優れることから、白色顔料としての酸化チタン、亜鉛華等の無機酸化物、黒色顔料としてのカーボンブラックがより好ましい。
[0051]
 本発明で用いる顔料の質量割合は、ポリイソシアネート組成物(X)及びポリオール(Y)の合計100質量部に対して、1~400質量部、中でも10~300質量部とすることが、接着性、耐ブロッキング性などに優れることからより好ましい。
[0052]
 また本発明の無溶剤型接着剤には接着促進剤を用いることもできる。接着促進剤にはシランカップリング剤、チタネート系カップチング剤、アルミニウム系等のカップリング剤、エポキシ樹脂が挙げられる。
[0053]
 シランカップリング剤としては、例えば、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-β(アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-β(アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメチルジメトキシシラン、N-フェニル-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノシラン;β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン;ビニルトリス(β-メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のビニルシラン;ヘキサメチルジシラザン、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン等を挙げることが出来る。
[0054]
 チタネート系カップリング剤としては、例えば、テトライソプロポキシチタン、テトラ-n-ブトキシチタン、ブチルチタネートダイマー、テトラステアリルチタネート、チタンアセチルアセトネート、チタンラクテート、テトラオクチレングリコールチタネート、チタンラクテート、テトラステアロキシチタン等を挙げることが出来る。
[0055]
 また、アルミニウム系カップリング剤としては、例えば、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート等が挙げることが出来る。
[0056]
 エポキシ樹脂としては、一般的に市販されているエピービス型、ノボラック型、βーメチルエピクロ型、環状オキシラン型、グリシジルエーテル型、グリシジルエステル型、ポリグリコールエーテル型、グリコールエーテル型、エポキシ化脂肪酸エステル型、多価カルボン酸エステル型、アミノグリシジル型、レゾルシン型等の各種エポキシ樹脂が挙げられる。
[0057]
 本発明の無溶剤型接着剤には、必要であれば、前記以外のその他の添加剤を含有させてもよい。添加剤としては、例えば、レベリング剤;コロイド状シリカ、アルミナゾルなどの無機微粒子;ポリメチルメタクリレート系の有機微粒子;消泡剤;タレ性防止剤;湿潤分散剤;粘性調整剤;紫外線吸収剤;金属不活性化剤;過酸化物分解剤;難燃剤;補強剤;可塑剤;潤滑剤;防錆剤;蛍光性増白剤;無機系熱線吸収剤;防炎剤;帯電防止剤;脱水剤などが挙げられる。
[0058]
 これらの顔料、接着促進剤、添加剤は、ポリイソシアネート組成物(X)又はポリオール組成物(Y)のどちらか一方の成分に混合させるか、或いは、第3成分として塗工時に配合して使用することができる。
[0059]
 本発明の積層フィルムは、以上詳述した本発明の無溶剤型接着剤を第一のプラスチックフィルムに塗布、次いで塗布面に第二のプラスチックフィルムを積層し、該接着剤層を硬化させて得られるものである。
[0060]
 具体的には、本発明の無溶剤型接着剤を、例えば、ロールコーター塗工方式で第一のプラスチックフィルムに塗布し、次いで、乾燥工程を経ることなく、他の基材を貼り合わせる方法が挙げられる。塗工条件は、通常のロールコーターでは、25℃~120℃程度まで加熱した状態で、500~2500mPa・s程度が好ましい。また塗布量は、0.5~5g/m が好ましく、より好ましくは、1.5~4g/m 程度で使用するのがよい。
[0061]
 本発明の無溶剤型接着剤を用いた場合、ラミネートした後、常温または加温下で、6~168時間で接着剤が硬化し、実用物性を発現する。
通常接着剤硬化温度は、15~60度の範囲で行うことが一般的である。
[0062]
 ここで用いる、第一のプラスチックフィルムとしては、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム、ナイロンフィルム、OPP(2軸延伸ポリプロピレン)フィルム、シリカ蒸着PETやアルミナ蒸着PETのような各種蒸着フィルム等のベースフィルムやアルミ箔等が挙げられ、第二基材としては、CPP(無延伸ポリプロピレン)フィルム、LLDPE(直鎖低密度ポリエチレン)フィルム等のシーラントフィルムやそれらフィルムのアルミ蒸着フィルムが挙げられる。
[0063]
 通常、ラミネートフィルムは、場合によって、3種以上フィルムを張り合わせる。例えば、PET/アルミ/LLDPE、ナイロン/アルミ/LLDPE、PET/アルミ/CPP、ナイロン/アルミ/CPP、シリカ蒸着PET/ナイロン/LLDPE、アルミナ蒸着PET/ナイロン/CPP、PET/ナイロン/PET/ナイロン/アルミ/CPP等が挙げられる。この場合は、第一基材が、PETフィルム、ナイロンフィルム等のであるフィルムと、第二基材が、アルミ箔、アルミ蒸着PET、シリカ蒸着PETやアルミナ蒸着PETのような各種蒸着フィルムがあげられる。
[0064]
 この様にして得られる積層フィルムは、主に洗剤、薬剤を充填する包装材料として工業的に使用することができる。具体的な用途としては、洗剤、薬剤として、洗濯用液体洗剤、台所用液体洗剤、浴用液体洗剤、浴用液体石鹸、液体シャンプー、液体コンディショナー等が挙げられる。
[0065]
 本発明の無溶剤型接着剤を用いて製造された包装材料は、洗剤や薬剤などの内容物の充填時はもとより、充填後の時間経過後も、デラミネーション等のラミネート構成体の剥離を発生させず、優れた接着性、内容物耐性を有する。
[0066]
 通常、ラミネートフィルムを用いる軟包装材は包装材に製袋した後、食品を充填する。その際、内容物を加熱殺菌する工程は、常圧又は加圧条件下で70-135℃ので、スプレー処理、ボイル、レトルト処理する。本発明の無溶剤型接着剤を用いて製造された包装材料は、これら処理を実施しても、デラミネーション等のラミネート構成体の剥離を発生させず、優れた接着性、内容物耐性を有する。
実施例
[0067]
 以下に、本発明の内容および効果を実施例により更に詳細に説明する。また、各実施例及び比較例で原料として用いた原料ポリオールを以下に示す。
[0068]
 合成例1[ポリエステルポリオール樹脂Y1の合成]
 ジエチレングリコール560質量部を反応容器に仕込み、窒素ガス気流下で撹拌しながら80℃に加熱した。更に撹拌しながらアジピン酸600質量部を反応容器に仕込み150℃~240℃に加熱してエステル化反応を行った。酸価が5mgKOH/g以下になったところで反応容器を徐々に減圧し、1mmHg以下、200~240℃で1時間反応させ、酸価0.8mgKOH/g、分子量約840の両末端に水酸基を有するポリエステルポリオール樹脂(以下、これを「ポリエステルポリオール樹脂Y1」と略記する)を得た。
[0069]
 合成例2[ポリエステルポリオール樹脂Y2の合成]
 ジエチレングリコール 690質量部、トリメチロールプロパン8質量部を反応容器に仕込み、窒素ガス気流下で撹拌しながら80℃に加熱して溶解した。更に撹拌しながらアジピン酸810質量部を反応容器に仕込み150℃~240℃に加熱してエステル化反応を行った。酸価が5mgKOH/g以下になったところで反応容器を徐々に減圧し、1mmHg以下、200~220℃で1時間反応させ、酸価0.8mgKOH/g、分子量約1270の両末端に水酸基を有するポリエステルポリオール樹脂(以下、これを「ポリエステルポリオール樹脂Y2」と略記する)を得た。
[0070]
 合成例3[ポリエステルポリオール樹脂Y3の合成]
 2-メチル-プロパンジオール333質量部、エチレングリコール179質量部、トリメチロールプロパン39質量部、を反応容器に仕込み、窒素ガス気流下で撹拌しながら80℃に加熱して溶解した。更に撹拌しながらイソフタル酸106質量部、アジピン酸610質量部を反応容器に仕込み150℃~240℃に加熱してエステル化反応を行った。酸価が5mgKOH/g以下になったところで反応容器を徐々に減圧し、1mmHg以下、200~240℃で1時間反応させ、酸価0.5mgKOH/g、分子量約2100の両末端に水酸基を有するポリエステルポリオール樹脂(以下、これを「ポリエステルポリオール樹脂Y3」と略記する)を得た。
[0071]
 実施例1[ポリイソシアネート組成物X1の合成]
 合成例1で得られたポリエステルポリオール樹脂Y1の1100質量部に対して、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート250質量部、MDI混合物[BASF社製「ルプラネートMI」、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート/2,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(質量比)が1/1の混合物、NCO基含量33.3g/100g以上]1000質量部、スチレンと無水マレイン酸とを反応比率[スチレン/無水マレイン酸]が2/1で反応させて得られたスチレン・無水マレイン酸共重合体(クレイ・バレー社「SMA2000」、酸価355mgKOH/g、重量平均分子量(Mw)7500、以下これを「SMA-B1」と略記する。)47質量部を反応容器に仕込み、窒素ガス気流下で撹拌しながら85℃に加熱し約10時間反応させ、滴定法(ジ-n-ブチルアミン使用)によるイソシアネート%が13.0質量%の2官能ポリイソシアネートとSMA-B1との組成物を得た。
 このSMA-B1を2質量%含有するポリイソシアネート組成物を「ポリイソシアネート組成物X1」とする。
[0072]
 実施例2[ポリイソシアネート組成物X2の合成]
合成例2で得られたポリエステルポリオール樹脂Y2の1280質量部に対して、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート250質量部、MDI混合物[BASF社製「ルプラネートMI」、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート/2,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(質量比)が1/1の混合物、NCO基含量g/100g以上]1000質量部、SMA-B1 51質量部を反応容器に仕込み、窒素ガス気流下で撹拌しながら85℃に加熱し約10時間反応させ、滴定法(ジ-n-ブチルアミン使用)によるイソシアネート%が13.4質量%の2官能ポリイソシアネートとSMA-B1との組成物を得た。
 このSMA-B1を2質量%含有するポリイソシアネート組成物を「ポリイソシアネート組成物X2」とする。
[0073]
 実施例3[ポリイソシアネート組成物X3の合成]
 実施例1において、SMA-B1の使用量を2.35質量部とした他は、実施例1と同様にして、2官能ポリイソシアネートとSMA-B1との組成物を得た。
 このSMA-B1を0.1質量%含有するポリイソシアネート組成物を「ポリイソシアネート組成物X3」とする。
[0074]
 実施例4[ポリイソシアネート組成物X4の合成]
 実施例1において、SMA-B1の使用量を117.5質量部とした他は、実施例1と同様にして、2官能ポリイソシアネートとSMA-B1との組成物を得た。
 このSMA-B1を5質量%含有するポリイソシアネート組成物を「ポリイソシアネート組成物X4」とする。
[0075]
 実施例5[ポリイソシアネート組成物X5の合成]
 実施例1において、SMA-B1の47質量部を、スチレンと無水マレイン酸とを反応比率[スチレン/無水マレイン酸]が3/1で反応させて得られたスチレン・無水マレイン酸共重合体(クレイ・バレー社「SMA3000」、酸価285mgKOH/g、重量平均分子量(Mw)9500、以下これを「SMA-B2」と略記する。)の47質量部へ変更した他は、実施例1と同様にして、2官能ポリイソシアネートとSMA-B2との組成物を得た。
 このSMA-B2を2質量%含有するポリイソシアネート組成物を「ポリイソシアネート組成物X5」とする。
[0076]
 実施例6[ポリイソシアネート組成物X6の合成]
 実施例1において、SMA-B1の47質量部を、スチレンと無水マレイン酸とを反応比率[スチレン/無水マレイン酸]が4/1で反応させて得られたスチレン・無水マレイン酸共重合体(クレイ・バレー社「SMA EF-40」、酸価215mgKOH/g、重量平均分子量(Mw)10500、以下これを「SMA-B3」と略記する。)の47質量部へ変更した他は、実施例1と同様にして、2官能ポリイソシアネートとSMA-B3との組成物を得た。
 このSMA-B3を2質量%含有するポリイソシアネート組成物を「ポリイソシアネート組成物X6」とする。
[0077]
 実施例7[ポリイソシアネート組成物X7の合成]
 合成例1で得られたポリエステルポリオール樹脂Y1の1520質量部に対して、トルエンジイソシアネート1000質量部、SMA-B1の50質量部を反応容器に仕込み、窒素ガス気流下で撹拌しながら85℃に加熱し約8時間反応させ、イソシアネート%が13.6質量%末端トルエンジイソシアネートからなる2官能ポリイソシアネートを得た。このスチレン/無水マレイン酸=2/1樹脂を2%含有するポリイソシアネート組成物を「ポリイソシアネートX7」とする。
[0078]
 実施例8[ポリイソシアネート組成物X8の合成]
 合成例1で得られたポリエステルポリオール樹脂Y1の1370質量部に対して、m-キシレンジイソシアネートの1000質量部、SMA-B1の47質量部を反応容器に仕込み、窒素ガス気流下で撹拌しながら85℃に加熱し約10時間反応させ、イソシアネート%が13.5質量%末端の2官能ポリイソシアネートを得た。このSMA-B1を2質量%含有するポリイソシアネート組成物をポリイソシアネートX8とする。
[0079]
 実施例9[ポリイソシアネート組成物X9の合成]
 合成例1で得られたポリエステルポリオール樹脂Y1の1075質量部に対して、イソフォロンジイソシアネート1000質量部、SMA-B1の42質量部を反応容器に仕込み、窒素ガス気流下で撹拌しながら85℃に加熱し約12時間反応させ、イソシアネート%が12.9%末端の2官能ポリイソシアネートを得た。このSMA-B1を2質量%含有するポリイソシアネート組成物をポリイソシアネートX9とする。
[0080]
 実施例10[ポリイソシアネート組成物X10の合成]
 合成例1で得られたポリエステルポリオール樹脂Y1の820質量部に対して、ジシクロヘキシルメタン4,4’-ジイソシアネート(エボニック社製「Vestanat H12MDI」)1000質量部、SMA-B1の36質量部を反応容器に仕込み、窒素ガス気流下で撹拌しながら85℃に加熱し約10時間反応させ、イソシアネート%が12.8%末端の2官能ポリイソシアネートを得た。このSMA-B1を2質量%配合含有するポリイソシアネート組成物をポリイソシアネート組成物X10とする。
[0081]
 実施例11[ポリイソシアネート組成物X11の合成]
 合成例1で得られたポリエステルポリオール樹脂Y1の535質量部、及び重量平均分子量1000のポリプロピレングリコールの535質量部に対して、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート650質量部、カルボジイミド修飾4,4-メチレンビスフェニルジイソシアネート(BASF社製「ルプラネートMM-103」)650質量部、SMA-B1の47質量部を反応容器に仕込み、窒素ガス気流下で撹拌しながら85℃に加熱し約10時間反応させ、滴定法(ジ-n-ブチルアミン使用)によるイソシアネート%が13.3質量%の2官能ポリイソシアネートを得た。このSMA-B1を2質量%含有するポリイソシアネート組成物をポリイソシアネート組成物X11とする。
[0082]
 実施例12[ポリイソシアネート組成物X12の合成]
 合成例1で得られたポリエステルポリオール樹脂Y1の1800質量部に対して、m-キシレンジイソシアネート700質量部、ヘキサメチレンジイソシアネートアロファネート体(BASF社製「Basonat HA300」)1000質量部、SMA-B1の70質量部を反応容器に仕込み、窒素ガス気流下で撹拌しながら85℃に加熱し約10時間反応させ、滴定法(ジ-n-ブチルアミン使用)によるイソシアネート%が8.1%末端の2官能ポリイソシアネートを得た。このSMA-B1を2質量%配合含有するポリイソシアネート組成物をポリイソシアネート組成物X12とする。
[0083]
 実施例13[ポリイソシアネート組成物X13の合成]
 合成例1で得られたポリエステルポリオール樹脂Y1の1800質量部に対して、m-キシレンジイソシアネート700質量部、イソホロンジイソシアネート1000質量部、SMA-B1の70質量部を反応容器に仕込み、窒素ガス気流下で撹拌しながら85℃に加熱し約10時間反応させ、滴定法(ジ-n-ブチルアミン使用)によるイソシアネート%が9.0%末端の2官能ポリイソシアネートを得た。その後、イソホロンジイソシアネートのイソシアヌレート170部を100℃にて溶解した。このSMA-B1を2質量%配合含有するポリイソシアネート組成物をポリイソシアネート組成物X13とする。
[0084]
 実施例14[ポリイソシアネート組成物X14の合成]
 ヘキサンメチレンジイソシアヌレート(住友コベストロジャパン製 ディスモデュールN3300)の1190質量部に対して、イソフォロンジイソシアネートのイソシアヌレート790部、SMA-B1の20質量部を容器に仕込み、窒素ガス気流下で撹拌しながら85℃にて加熱溶解した。このSMA-B1を2質量%含有する3官能ポリイソシヌレート構成されるポリイソシアネート組成物をポリイソシアネート組成物X13とする。
[0085]
 比較例1[ポリエステルポリオール組成物Y’の調整]
 合成例3で得られたポリエステルポリオール樹脂Y3の1000質量部に対し、スチレンと無水マレイン酸とを反応比率[スチレン/無水マレイン酸]が1/1で反応させて得られたスチレン・無水マレイン酸共重合体(クレイ・バレー社「SMA 1000」、酸価480mgKOH/g、重量平均分子量(Mw)5500、以下これを「SMA-B4」と略記する。)を20質量部添加し、2時間攪拌してSMA-B4を溶解した。このSMA-B4を2質量%含有する樹脂をポリエステルポリオール組成物Y’とする。
[0086]
 比較例2[ポリイソシアネート樹脂Hx1の合成]
 合成例1で得られたポリエステルポリオール樹脂Y1の1100質量部に対して、4,4-メチレンビスジフェニルイソシアネート250質量部、MDI混合物[BASF社製「ルプラネートMI」、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート/2,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(質量比)が1/1の混合物、NCO基含量g/100g以上]1000質量部を反応容器に仕込み、窒素ガス気流下で撹拌しながら85℃に加熱し約10時間反応させ、滴定法(ジ-n-ブチルアミン使用)によるイソシアネート%が13.2質量%の2官能ポリイソシアネートを得た。このスチレン/無水マレイン酸樹脂を含まない樹脂をポリイソシアネート樹脂Hx1とする。
[0087]
 比較例3[ポリイソシアネート組成物Hx2の合成]
 実施例1において、SMA-B1の47質量部を、SMA-B4の47質量部へ変更した他は、実施例1と同様にして、2官能ポリイソシアネートとSMA-B4との組成物を得た。
 このSMA-B4を2質量%含有するポリイソシアネート組成物を「ポリイソシアネート組成物Hx2」とする。
[0088]
 比較例4[ポリイソシアネート組成物Hx3の合成]
 実施例1において、SMA-B1の47質量部を、スチレンと無水マレイン酸とを反応比率[スチレン/無水マレイン酸]が6/1となる割合で反応させて得られたスチレン・無水マレイン酸共重合体(クレイ・バレー社「SMA EF60」、酸価156mgKOH/g、重量平均分子量(Mw)11500、以下これを「SMA-B5」と略記する。)の47質量部へ変更した他は、実施例1と同様にして、2官能ポリイソシアネートとSMA-B3との組成物を得た。
 このSMA-B5を2質量%含有するポリイソシアネート組成物を「ポリイソシアネート組成物Hx3」とする。
[0089]
 比較例5[ポリイソシアネート組成物Hx4の合成]
 ヘキサンメチレンジイソシアヌレート(住友コベストロジャパン製 ディスモデュールN3300)の1190質量部に対して、イソフォロンジイソシアネートのイソシアヌレート790部を容器に仕込み、窒素ガス気流下で撹拌しながら85℃にて加熱溶解した。この3官能ポリイソシヌレートで構成されるポリイソシアネート組成物をポリイソシアネート組成物Hx4とする。
[0090]
 実施例15~31、及び比較例6~13
 表1-1、表1-2、又は表2の配合に従い接着剤を調整し、下記の各種評価を行った。結果を表1-1、表1-2、及び表2に示す。
[0091]
(ラミネート強度の評価方法)
 表1-1、表1-2、表1-3、又は表2の配合に従い、接着剤を配合した後、印刷インキユニビアNT(DIC製)で図柄をグラビア印刷したPETフィルム(15um)に、塗布量が固形分2.0g/m 程度となるように塗布し、ラミネーターでこのフィルムの塗布面とCPPフィルム(75um)と貼合し、ラミネートフィルムを作製した。このラミネートフィルムを40℃の恒温槽に3日間保存した。
ラミネートフィルムから15mm幅で切り取り、引張り試験機を使用して、T型剥離により剥離速度300mm/minで接着強度(N/15mm)を測定した。
ラミネート強度は高いほうが好ましく4N/15mm以上であればよいが、5N/15mm以上であるとなお好ましい。
[0092]
(経時保存後のラミネート強度の評価方法)
 前記合成例、実施例、比較例のポリイソシアネート組成物、ポリエステルポリオール組成物、ポリイソシアネート樹脂を製造した後、60℃にて10日間静置した。
静置後の組成物あるいは樹脂を使用し、表1又は表2の配合に従い接着剤を配合し、同様にしてラミネート強度を測定した。
[0093]
(レトルト後のラミネート強度及び外観の評価方法) 実施例15-28 比較例6-10
 接着剤を配合した後、印刷インキ(DIC(株)製「ユニビアNT」)で図柄をグラビア印刷したPETフィルムに、塗布量が固形分2.0g/m 程度となるように塗布し、ラミネーターでこのフィルムの塗布面とLLDPEフィルムと貼合し、ラミネートフィルムを作製した。このラミネートフィルムを40℃の恒温槽に3日間保存した。
このラミネートフィルムを150mm×300mmで切り取り、LLDPが内側になるように折り曲げ、1atm、180℃、1秒間でヒートシールしてパウチを作製した。内容物として1/1/1ソース(ミートソース : 植物油 : 食酢=1 : 1 : 1)を加えた。
 充填したパウチはスチーム殺菌処理を121℃-30分にて実施し、内容物を除去しヒートシール部のT型剥離による強度を測定した。
 また、取り出し後のそれぞれのパウチの外観を観察し、デラミの発生の有無により、以下の評価を行った。
[0094]
評価○:デラミなし
評価△:デラミ箇所が5点以下
評価×:デラミ箇所が6点以上
[0095]
[レトルト後のラミネート強度及び外観] アルミ構成
 接着剤を配合した後、印刷インキ(DIC(株)製「ユニビアNT」)で図柄をグラビア印刷したPETフィルムに、塗布量が固形分2.0g/m 程度となるように塗布し、ラミネーターでこのフィルムの塗布面とアルミ箔(15um)と貼合し、40℃の恒温槽に3日間保存した。その後、ラミネートフィルムのアルミ面にCPP(75um)と貼合し、ラミネートフィルムを作製した。このラミネートフィルムを40℃の恒温槽に3日間保存した。
 このラミネートフィルムを150mm×300mmで切り取り、CPPが内側になるように折り曲げ、1atm、180℃、1秒間でヒートシールしてパウチを作製した。内容物として1/1/1ソース(ミートソース : 植物油 : 食酢=1 : 1 : 1)を加えた。
充填したパウチはスチーム殺菌処理を121℃-30分にて実施し、内容物を除去しアルミ/CPP間の強度をT型剥離により測定した。
 また、取り出し後のそれぞれのパウチの外観を観察し、デラミの発生の有無により、以下の評価を行った。
[0096]
 [ボイル処理後のラミネート強度及び外観] 蒸着構成
 接着剤を配合した後、印刷インキ(DIC(株)製「ユニビアNT」)で図柄をグラビア印刷した蒸着PETフィルムの蒸着面に、塗布量が固形分2.0g/m 程度となるように塗布し、ラミネーターでこのフィルムの塗布面とLLDPEと貼合し、ラミネートフィルムを作製した。このラミネートフィルムを40℃の恒温槽に3日間保存した。
 このラミネートフィルムを150mm×300mmで切り取り、LLDPEが内側になるように折り曲げ、1atm、180℃、1秒間でヒートシールしてパウチを作製した。内容物として1/1/1ソース(ミートソース : 植物油 : 食酢=1 : 1 : 1)を加えた。
充填したパウチは煮沸処理を98℃-60分にて実施し、内容物を除去し、蒸着PET/LLDPE間のT型剥離による強度を測定した。
 また、取り出し後のそれぞれのパウチの外観を観察し、デラミの発生の有無により、以下の評価を行った。
 なお使用蒸着フィルムは、アルミ蒸着PETフィルム、シリカ蒸着PETフィルム、アルミナ蒸着PETフィルムである。
[0097]
(経時保存後のレトルト後のラミネート強度及び外観の評価方法)
 前記合成例、実施例、比較例のポリイソシアネート組成物、ポリエステルポリオール組成物、ポリイソシアネート樹脂を製造した後、60℃にて10日間静置した。静置後の組成物あるいは樹脂を使用し表1又は表2の配合に従い接着剤を配合し、同様にしてレトルト後のラミネート強度及び外観を評価した。
[0098]
[ポットライフの評価方法]
 表1-1、表1-2、又は表2の配合に従い、接着剤を配合した直後、レオメーターの測定部位に約0.8g程度乗せて、配合直後の粘度が1,000mPa・s程度となる温度で30分間測定した。スタート時と30分後の粘度値から、以下の評価を行った。
評価◎:30分後の粘度がスタート時の配合液の粘度が1以上2倍未満
評価○:30分後の粘度がスタート時の配合液の粘度が2以上3倍未満
評価△:30分後の粘度がスタート時の配合液の粘度が3以上4倍未満
評価×:30分後の粘度がスタート時の配合液の粘度が4倍以上
[0099]
(経時保存後のポットライフの評価方法)
 前記合成例、実施例、比較例のポリイソシアネート組成物、ポリエステルポリオール組成物、ポリイソシアネート樹脂を製造した後、60℃にて10日間静置した。静置後の組成物あるいは樹脂を使用し表1又は表2の配合に従い接着剤を配合し、スタート時と30分後の粘度値から、上記基準に従い評価した。
[0100]
[有害成分(PAA・XDA)溶出量の評価]
 接着剤を配合した後、PETフィルムに、塗布量が固形分2.0g/m 程度となるように塗布し、ラミネーターでこのフィルムの塗布面とCPPフィルムと貼合し、ラミネートフィルムを作製した。このラミネートフィルムを40℃の恒温槽に3日間保存した。
 保存後のラミネートフィルムを120mm×220mmで切り取り、CPPが内側になるように折り曲げ、3方方向を10mm幅で1atm、180℃、1秒間でヒートシールして、内容物が2dm 接触するパウチを作製した。内容物は3%酢酸酢溶液を加えた。充填したパウチを70℃-2時間保存しPAAをLC/MS/MSにて測定した。
[0101]
[表1]



[0102]
[表2]



[0103]
[表3]



[0104]
[表4]


[0105]
[表5]




[0106]
[表6]


[0107]
 表中、
PAAは芳香族アミンを表し、
XDAはキシレンジイソシアネートを表し
PET/LLDPEはポリエチレンテレフタレート/直鎖低密度ポリエチレンを表し
AL/CPPはアルミ/無延伸ポリプロピレンを表し
AL蒸着PET/LLDPEはアルミ蒸着ポリエチレンテレフタレート/(直鎖低密度ポリエチレンを表す。
[0108]
 この結果、実施例の接着剤は、原料であるポリイソシアネート組成物、ポリエステルポリオール組成物、ポリイソシアネート樹脂を経時保存前であっても後であっても、ラミネート強度、熱処理後のラミネート強度、外観に優れた。特にスチレン・無水マレイン酸共重合体として「SMA-B1」を使用した系は、熱処理後であってもそのラミネート強度が5N/15mm以上と高い値を示した。一方比較例の接着剤は、特に熱処理後のラミネート強度が低下してしまった。

請求の範囲

[請求項1]
ポリイソシアネート(A)、及び芳香族ビニルと無水マレイン酸との共重合体であってその原料モノマーのモル比[芳香族ビニル/無水マレイン酸]が1.5/1~5/1である芳香族ビニル・無水マレイン酸共重合体(B)を必須成分とすることを特徴とする無溶剤型接着剤用ポリイソシアネート組成物。
[請求項2]
前記ポリイソシアネート(A)と、芳香族ビニル・無水マレイン酸共重合体(B)との配合割合が、質量比[(A)/(B)]が100/0.1~100/6となる割合である請求項1に記載の無溶剤型接着剤用ポリイソシアネート組成物。
[請求項3]
前記ポリイソシアネート(A)が、分子構造内に脂環式構造又は芳香族構造を持つポリイソシアネートとポリオール成分との反応物か、または、脂環式構造、芳香族構造又はヌレート骨格を有するポリイソシアネートである請求項1または2に記載の無溶剤型接着剤用ポリイソシアネート組成物。
[請求項4]
前記ポリイソシアネート(A)が、滴定法(ジ-n-ブチルアミン使用)によるイソシアネート含有率が8~20質量%の範囲にある請求項1~3のいずれかに記載の無溶剤型接着剤用ポリイソシアネート組成物。
[請求項5]
ポリイソシアネートとポリオール成分とを反応させる無溶剤型接着剤用ポリイソシアネート組成物の製造方法であって、
前記反応を、芳香族ビニルと無水マレイン酸との共重合体であってその原料モノマーのモル比[芳香族ビニル/無水マレイン酸]が1.5/1~5/1である芳香族ビニル・無水マレイン酸共重合体(B)の存在下で行い、
前記ポリイソシアネートと前記芳香族ビニル・無水マレイン酸共重合体(B)との質量比[ポリイソシアネート/芳香族ビニル・無水マレイン酸共重合体(B)]が100/0.1~100/6であることを特徴とする無溶剤型接着剤用ポリイソシアネート組成物の製造方法。
[請求項6]
請求項1~4のいずれか一つに記載の無溶剤型接着剤用ポリイソシアネート組成物と、ポリオール(Y)とを必須成分とすることを特徴とする無溶剤型接着剤。
[請求項7]
第一の基材フィルムと第二の基材フィルムの間に接着剤層を積層してなる積層フィルムであって、前記接着剤層が、請求項6に記載の無溶剤型接着剤であることを特徴とする積層フィルム。
[請求項8]
前記基材フィルムが、アルミニウム、シリカ、またはアルミナ層を有する基材フィルムか、または金属フィルムである請求項7に記載の積層フィルム。
[請求項9]
第一のプラスチックフィルムと第二のプラスチックフィルムの間に接着剤層を積層してなる積層フィルムを袋状に成形してなる包装体であって、前記接着剤層が、請求項6に記載の無溶剤型接着剤であることを特徴とする包装体。
[請求項10]
前記基材フィルムが、アルミニウム、シリカ、またはアルミナ層を有する基材フィルムか、または金属フィルムである請求項9に記載の包装体。