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1. (WO2017090392) METHOD FOR MANUFACTURING BONDED STRUCTURE AND BONDED STRUCTURE
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明 細 書

発明の名称 接合構造体の製造方法および接合構造体

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

先行技術文献

特許文献

0004  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0005   0006  

課題を解決するための手段

0007   0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021  

発明の効果

0022  

図面の簡単な説明

0023  

発明を実施するための形態

0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117   0118   0119   0120   0121   0122   0123   0124   0125   0126   0127   0128   0129   0130   0131   0132   0133   0134   0135   0136   0137   0138   0139   0140   0141  

産業上の利用可能性

0142  

符号の説明

0143  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16   17   18   19   20   21   22   23   24  

明 細 書

発明の名称 : 接合構造体の製造方法および接合構造体

技術分野

[0001]
 本発明は、接合構造体の製造方法および接合構造体に関する。

背景技術

[0002]
 従来、樹脂材料からなる第1部材と金属材料からなる第2部材とを接合する接合方法が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
[0003]
 特許文献1の接合方法では、第2部材の表面に凹凸面を形成し、その凹凸面に第1部材を接触させた状態で、第1部材側から凹凸面に向けてレーザ光を照射する。これにより、第1部材および第2部材の境界面付近で第1部材が溶融され、その溶融された第1部材が凹凸面に食い込むので、アンカー効果により第1部材および第2部材が接合される。

先行技術文献

特許文献

[0004]
特許文献1 : 特開2006-15405号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0005]
 ここで、上記した接合方法のように、アンカー効果により第1部材および第2部材を接合する場合には、一般的に、第1部材および第2部材の境界面(接合面)を密着させるために外部から力が加えられる。そして、外部から加わる力を大きくすると、溶融した第1部材が凹凸面に入り込みやすくなるが、樹脂材料からなる第1部材に熱変形ひずみが生じストレスクラックが誘発されるおそれがある。
[0006]
 本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、樹脂部材に熱変形ひずみが生じるのを抑制しながら、樹脂部材の穿孔部への充填率の向上を図ることが可能な接合構造体の製造方法および接合構造体を提供することである。

課題を解決するための手段

[0007]
 本発明による接合構造体の製造方法は、金属部材および樹脂部材が接合された接合構造体の製造方法であり、金属部材の表面に突部が設けられており、突部の接合領域に開口を有する穿孔部を形成する工程と、金属部材の表面に対して樹脂部材を離間させた状態で、金属部材の突部の接合領域に樹脂部材を加圧接触させる工程と、金属部材の接合領域に接触する樹脂部材を溶融させ、その溶融された樹脂部材を穿孔部に充填した後に固化させる工程とを備える。
[0008]
 このように構成することによって、金属部材および樹脂部材が平坦でありそれらが全面的に接触する場合に比べて、樹脂部材に加わる力が分散されるのを抑制することができる。すなわち、樹脂部材に加わる力を、接合領域を含む金属部材および樹脂部材の接触面に集中させることができる。これにより、外部から樹脂部材に加わる力が大きくなるのを抑制しながら、接合領域を含む接触面に効率的に加圧力を作用させることができる。したがって、樹脂部材に熱変形ひずみが生じるのを抑制しながら、樹脂部材の穿孔部への充填率の向上を図ることができる。
[0009]
 上記接合構造体の製造方法において、樹脂部材の表面に突部が設けられており、樹脂部材の突部が金属部材の突部の接合領域に加圧接触されるようにしてもよい。
[0010]
 上記接合構造体の製造方法において、樹脂部材の表面に凹部が設けられており、樹脂部材の凹部が金属部材の突部の接合領域に加圧接触されるようにしてもよい。
[0011]
 上記接合構造体の製造方法において、金属部材の突部は、平面的に見て環状に形成されていてもよい。
[0012]
 上記接合構造体の製造方法において、金属部材の突部は複数設けられ、各突部が分離されていてもよい。
[0013]
 本発明による接合構造体の製造方法は、金属部材および樹脂部材が接合された接合構造体の製造方法であり、金属部材の接合領域に開口を有する穿孔部を形成する工程と、樹脂部材の表面に突部が設けられており、金属部材の表面に対して樹脂部材の突部以外の部分を離間させた状態で、金属部材の接合領域に樹脂部材の突部を加圧接触させる工程と、金属部材の接合領域に接触する樹脂部材を溶融させ、その溶融された樹脂部材を穿孔部に充填した後に固化させる工程とを備える。
[0014]
 上記樹脂部材に突部が設けられた接合構造体の製造方法において、金属部材の表面に凹部が設けられており、その凹部に接合領域が設けられていてもよい。
[0015]
 上記樹脂部材に突部が設けられた接合構造体の製造方法において、樹脂部材の突部は、平面的に見て環状に形成されていてもよい。
[0016]
 上記樹脂部材に突部が設けられた接合構造体の製造方法において、樹脂部材の突部は複数設けられ、各突部が分離されていてもよい。
[0017]
 上記接合構造体の製造方法において、金属部材に第1レーザ光を照射することにより、樹脂部材を溶融させるようにしてもよい。
[0018]
 この場合において、第1レーザ光を複数回走査するようにしてもよい。
[0019]
 上記接合構造体の製造方法において、金属部材の接合領域に第2レーザ光を照射することにより、穿孔部を形成してもよい。
[0020]
 この場合において、第2レーザ光は、1パルスが複数のサブパルスで構成されていてもよい。
[0021]
 本発明による接合構造体は、金属部材および樹脂部材が接合された接合構造体である。金属部材および樹脂部材の少なくとも一方の表面に突部が設けられており、金属部材に突部が設けられている場合にはその突部に接合領域が設けられ、樹脂部材に突部が設けられている場合にはその突部と対向する位置の金属部材に接合領域が設けられている。金属部材の接合領域には、開口を有する穿孔部が形成され、金属部材の穿孔部には、樹脂部材が充填されている。金属部材に対して樹脂部材の一部が離間されるとともに、金属部材の接合領域に樹脂部材が接触されている。

発明の効果

[0022]
 本発明の接合構造体の製造方法および接合構造体によれば、樹脂部材に熱変形ひずみが生じるのを抑制しながら、樹脂部材の穿孔部への充填率の向上を図ることができる。

図面の簡単な説明

[0023]
[図1] 本発明の第1実施形態による接合構造体の接合部を拡大して示した模式的な断面図である。
[図2] 図1の接合構造体の金属部材を示した斜視図である。
[図3] 図1の接合構造体の樹脂部材を示した斜視図である。
[図4] 第1実施形態の接合構造体の製造方法において、金属部材に穿孔部を形成する工程を説明するための図である。
[図5] 第1実施形態の接合構造体の製造方法において、金属部材と樹脂部材とを接合する工程を説明するための図である。
[図6] 本発明の第2実施形態による接合構造体の接合部を拡大して示した模式的な断面図である。
[図7] 図6の接合構造体の樹脂部材を示した斜視図である。
[図8] 本発明の第3実施形態による接合構造体の接合部を拡大して示した模式的な断面図である。
[図9] 図8の接合構造体の樹脂部材を示した斜視図である。
[図10] 本発明の第4実施形態による接合構造体の接合部を拡大して示した模式的な断面図である。
[図11] 図10の接合構造体の金属部材を示した斜視図である。
[図12] 本発明の第5実施形態による接合構造体の接合部を拡大して示した模式的な断面図である。
[図13] 図12の接合構造体の金属部材を示した斜視図である。
[図14] 本発明の第6実施形態による接合構造体の接合部を拡大して示した模式的な断面図である。
[図15] 第6実施形態の接合構造体の製造方法において、金属部材と樹脂部材とを接合する工程を説明するための図である。
[図16] 本発明の第7実施形態による接合構造体の接合部を拡大して示した模式的な断面図である。
[図17] 図16の接合構造体の金属部材を示した斜視図である。
[図18] 実施例1の接合構造体の金属部材を示した斜視図である。
[図19] 実施例1の接合構造体の樹脂部材を示した斜視図である。
[図20] 実施例3の接合構造体の樹脂部材を示した斜視図である。
[図21] 実施例7の接合構造体の金属部材を示した斜視図である。
[図22] 第1実施形態の第1変形例による金属部材を示した模式的な断面図である。
[図23] 第1実施形態の第2変形例による金属部材を示した模式的な断面図である。
[図24] 第1実施形態の第3変形例による金属部材を示した模式的な断面図である。

発明を実施するための形態

[0024]
 以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
[0025]
 (第1実施形態)
 まず、図1~図3を参照して、本発明の第1実施形態による接合構造体100について説明する。
[0026]
 接合構造体100は、図1に示すように、金属部材1および樹脂部材2を備え、金属部材1および樹脂部材2が接合されている。
[0027]
 金属部材1は、図2に示すように、平坦な表面11を有するとともに、その表面11から突出する突部12を有する。突部12は、断面が矩形状であり、その端面(上端面)13に樹脂部材2が接合される接合領域Rが設けられている。この突部12は、平面的に見て矩形の環状に形成されており、その内部空間Sを取り囲むように設けられている。すなわち、金属部材1では、接合領域Rが平面的に見て矩形の環状に設けられている。なお、接合領域Rは、たとえば端面13の全域に設けられている。
[0028]
 なお、突部12の幅は、好ましくは0.1~4.0mmである。突部12の幅が0.1mmを下回ると、接合面積が不足して接合強度を得られないおそれがあり、突部12の幅が4mmを上回ると、接合用のレーザ光L2(図5参照)の照射径を超えるため端面13に未接合部位が発生しやすいためである。また、突部12の高さは、好ましくは0.05mm以上である。突部12の高さが0.05mmを下回ると、面精度のばらつきに埋もれるおそれがある。
[0029]
 図1に示すように、金属部材1の接合領域Rには複数の穿孔部14が形成され、その穿孔部14には樹脂部材2が充填されて固化されている。これにより、金属部材1と樹脂部材2とがアンカー効果によって機械的に接合されている。
[0030]
 穿孔部14は、平面的に見てほぼ円形の非貫通孔であり、内周面に内側に突出する突出部141が形成されている。突出部141は、周方向における全長にわたって形成されており、環状に形成されている。
[0031]
 具体的には、穿孔部14は、深さ方向において端面13側から底部に向けて開口径が小さくなる第1縮径部と、深さ方向において端面13側から底部に向けて開口径が大きくなる拡径部と、深さ方向において端面13側から底部に向けて開口径が小さくなる第2縮径部とが連なるように形成されている。第1縮径部は、端面13側に配置され、直線状に縮径するように形成されている。拡径部は、第1縮径部および第2縮径部の間に配置され、曲線状に拡径するように形成されている。第2縮径部は、底部側に配置され、曲線状に縮径するように形成されている。すなわち、第1縮径部および拡径部により突出部141が構成されている。
[0032]
 穿孔部14の開放端の開口径は、30μm以上、100μm以下が好ましい。これは、開口径が30μmを下回ると、樹脂部材2の充填性が悪化してアンカー効果が低下する場合があるためである。一方、開口径が100μmを上回ると、単位面積あたりの穿孔部14の数が減少してアンカー効果が低下する場合があるためである。
[0033]
 また、穿孔部14の間隔(所定の穿孔部14の中心と、所定の穿孔部14と隣接する穿孔部14の中心との距離)は、200μm以下であることが好ましい。これは、穿孔部14の間隔が200μmを上回ると、単位面積あたりの穿孔部14の数が減少してアンカー効果が低下する場合があるためである。
[0034]
 この穿孔部14は、たとえば加工用のレーザ光L1(図4参照)によって形成されている。なお、レーザ光L1を出射するレーザ装置としては、パルス発振が可能なものが好ましく、ファイバレーザ、YAGレーザ、YVO レーザ、半導体レーザ、炭酸ガスレーザ、エキシマレーザが選択でき、波長を考慮すると、ファイバレーザ、YAGレーザ、YAGレーザの第2高調波、YVO レーザ、半導体レーザが好ましい。
[0035]
 このような穿孔部14は、1パルスが複数のサブパルスで構成されるレーザ光L1によって形成される。このレーザ光L1では、エネルギを深さ方向に集中させやすいので、穿孔部14を形成するのに好適である。このようなレーザ光L1を照射可能なレーザ装置の一例としては、オムロン製のファイバレーザマーカMX-Z2000またはMX-Z2050を挙げることができる。
[0036]
 上記ファイバレーザマーカによる加工条件としては、サブパルスの1周期が15ns以下であることが好ましい。これは、サブパルスの1周期が15nsを超えると、熱伝導によりエネルギが拡散しやすくなり、穿孔部14を形成しにくくなるためである。なお、サブパルスの1周期は、サブパルスの1回分の照射時間と、そのサブパルスの照射が終了されてから次回のサブパルスの照射が開始されるまでの間隔との合計時間である。
[0037]
 また、1パルスのサブパルス数は、2以上50以下であることが好ましい。これは、サブパルス数が50を超えると、サブパルスの単位あたりの出力が小さくなり、穿孔部14を形成しにくくなるためである。
[0038]
 金属部材1の材料の一例としては、鉄系金属、ステンレス系金属、銅系金属、アルミ系金属、マグネシウム系金属、および、それらの合金が挙げられる。また、金属成型体であってもよく、亜鉛ダイカスト、アルミダイカスト、粉末冶金などであってもよい。
[0039]
 樹脂部材2は、図3に示すように、平坦な表面21を有する。この樹脂部材2は、たとえば、接合用のレーザ光L2(図5参照)に対して透過性を有する材料により形成されている。なお、レーザ光L2を出射するレーザ装置としては、ファイバレーザ、YAGレーザ、YVO レーザ、半導体レーザ、炭酸ガスレーザ、エキシマレーザを挙げることができる。
[0040]
 樹脂部材2の材料の一例としては、PMMA(ポリメタクリル酸メチル)、PC(ポリカーボネート)、PS(ポリスチレン)、PAR(ポリアリレート)、PES(ポリエーテルサルホン)、PEI(ポリエーテルイミド)、COC(シクロオレフィンコポリマー)、COP(シクロオレフィンポリマー)、フルオレン誘導体、EFEP(エチレン四フッ化エチレン系共重合体)、PSU(ポリスルホン)、PPSU(ポリフェニルスルホン)、AS(アクリロニトリル・スチレン)、LDPE(低密度ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PA(ポリアミド)、PA6(ポリアミド6)、PA66(ポリアミド66)、POM(ポリアセタール)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、PVC(ポリ塩化ビニル)、PVDC(ポリ塩化ビニリデン)、および、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)が挙げられる。また、樹脂部材2はTPE(熱可塑性エラストマ)であってもよく、TPEの一例としては、TPO(オレフィン系)、TPS(スチレン系)、TPEE(エステル系)、TPU(ウレタン系)、TPA(ナイロン系)、および、TPVC(塩化ビニル系)が挙げられる。
[0041]
 なお、樹脂部材2には、充填剤が添加されていてもよい。充填剤の一例としては、無機系充填剤(ガラス繊維、無機塩類など)、金属系充填剤、有機系充填剤、および、炭素繊維などが挙げられる。
[0042]
 そして、接合構造体100では、図1に示すように、金属部材1の突部12の端面13に樹脂部材2が突き合わされており、その端面13の接合領域Rで金属部材1および樹脂部材2が接合されている。このため、接合構造体100では、金属部材1の表面11と樹脂部材2の表面21とが離間されている。すなわち、金属部材1における突部12が形成されていない部分が樹脂部材2と離間している。つまり、接合領域Rが設けられた突部12の端面13のみが樹脂部材2に接触している。
[0043]
 -接合構造体の製造方法-
 次に、図1~図5を参照して、第1実施形態による接合構造体100の製造方法について説明する。
[0044]
 まず、平坦な表面11に突部12を有する金属部材1(図2参照)を形成するとともに、平坦な表面21を有する樹脂部材2(図3参照)を形成する。そして、図4に示すように、金属部材1の突部12の接合領域Rに加工用のレーザ光L1を照射することにより、内周面に突出部141を有する穿孔部14を形成する。なお、このレーザ光L1は、1パルスが複数のサブパルスで構成されている。また、レーザ光L1は、本発明の「第2レーザ光」の一例である。
[0045]
 そして、図5に示すように、金属部材1と樹脂部材2とが積層される。このとき、金属部材1の突部12の端面13が樹脂部材2に接触されるとともに、金属部材1の表面11に対して樹脂部材2が離間されている。すなわち、金属部材1の接合領域Rが樹脂部材2に接触され、金属部材1のその他の部分が樹脂部材2と接触していない。
[0046]
 また、金属部材1との間で樹脂部材2を挟み込むように加圧部材5が配置される。この加圧部材5は、樹脂部材2の全面にわたって配置されており、接合用のレーザ光L2に対して高い透過性を有する材料(具体的には、透過率が90%以上のガラスや樹脂など)からなる。そして、加圧部材5により、樹脂部材2が金属部材1側に加圧される。なお、このときの加圧力は、樹脂部材2に熱変形ひずみが生じるのを抑制するために、たとえば数MPa以下である。
[0047]
 このように、金属部材1の接合領域Rに樹脂部材2を加圧接触させた状態で、樹脂部材2側(加圧部材5側)から接合領域Rに向けて接合用のレーザ光L2が照射される。なお、レーザ光L2は、環状の突部12に沿って照射され、その照射径がたとえば突部12の幅と同じに設定される。また、レーザ光L2を複数回(たとえば、3回)走査する。このため、金属部材1および樹脂部材2の接触面付近の金属部材1が高温になり、接触面付近の樹脂部材2が溶融される。そして、その溶融された樹脂部材2が穿孔部14に充填され、その後、溶融された樹脂部材2が固化される。これにより、金属部材1と樹脂部材2とがアンカー効果によって機械的に接合される。なお、レーザ光L2は、本発明の「第1レーザ光」の一例である。
[0048]
 このようにして、図1に示すような接合構造体100が製造される。
[0049]
 -効果-
 第1実施形態では、上記のように、金属部材1の突部12を接合領域Rとしてその接合領域Rに穿孔部14を形成し、金属部材1の表面11から樹脂部材2を離間させた状態で接合領域Rに樹脂部材2を加圧接触させ、樹脂部材2を溶融させて穿孔部14に充填して固化させる。このように構成することによって、金属部材および樹脂部材が平坦でありそれらが全面的に接触する場合に比べて、加圧部材5から樹脂部材2に加わる力が接触面において分散されるのを抑制することができる。すなわち、加圧部材5から樹脂部材2に加わる力を、接合領域R(金属部材1および樹脂部材2の接触面)に集中させることができる。これにより、加圧部材5から樹脂部材2に加わる力が大きくなるのを抑制しながら、接合領域R(接触面)に効率的に加圧力を作用させることができる。したがって、樹脂部材2に熱変形ひずみが生じるのを抑制しながら、樹脂部材2の穿孔部14への充填率の向上を図ることができる。その結果、接合構造体100の接合強度の向上を図るとともに、熱サイクル環境下における耐久性の向上を図ることができる。
[0050]
 また、第1実施形態では、突部12を平面的に見て環状に形成することによって、内部空間S(図2参照)を封止することができる。
[0051]
 また、第1実施形態では、穿孔部14の内周面に突出部141を形成することによって、アンカー効果をより向上させることができる。
[0052]
 また、第1実施形態では、レーザ光L2を複数回走査することによって、穿孔部14に対する樹脂部材2の充填率をより向上させることができる。
[0053]
 また、第1実施形態では、突部12に接合領域Rを設けることによって、接合用のレーザ照射時に熱拡散するのを抑制することができる。したがって、レーザエネルギを効率よく接合に用いるとともに、熱拡散による接合のばらつきを抑制することができる。
[0054]
 (第2実施形態)
 次に、図6および図7を参照して、本発明の第2実施形態による接合構造体100aについて説明する。
[0055]
 接合構造体100aは、図6に示すように、金属部材1および樹脂部材2aを備え、金属部材1および樹脂部材2aが接合されている。
[0056]
 樹脂部材2aは、図7に示すように、平坦な表面21aを有するとともに、その表面21aから突出する突部22aを有する。突部22aは、断面が矩形状であり、金属部材1の突部12と対応するように平面的に見て環状に形成されている。
[0057]
 なお、樹脂部材2aのその他の構成は、上記した樹脂部材2と同様である。
[0058]
 そして、接合構造体100aでは、図6に示すように、金属部材1の突部12と樹脂部材2aの突部22aとが突き合わされており、その突き合わされた接合領域Rで金属部材1および樹脂部材2aが接合されている。このため、接合構造体100aでは、金属部材1の表面11と樹脂部材2aの表面21aとが離間されている。
[0059]
 なお、接合構造体100aの製造方法は、樹脂部材2aの突部22aが金属部材1の突部12の接合領域Rに加圧接触されること以外は、第1実施形態と同様である。
[0060]
 第2実施形態では、上記のように、樹脂部材2aに突部22aを設けることによって、樹脂部材2aの厚みが小さいことにより、樹脂部材2aが接合時に熱変形しやすい場合であっても、突部22aにより厚みを確保して熱変形を抑制することができる。つまり、第2実施形態では、樹脂部材2aの厚みが小さい場合(たとえば、厚みが1.0mmを下回る場合)であっても、接合構造体100aを得ることができる。
[0061]
 なお、第2実施形態のその他の効果は、第1実施形態と同様である。
[0062]
 (第3実施形態)
 次に、図8および図9を参照して、本発明の第3実施形態による接合構造体100bについて説明する。
[0063]
 接合構造体100bは、図8に示すように、金属部材1および樹脂部材2bを備え、金属部材1および樹脂部材2bが接合されている。
[0064]
 樹脂部材2bは、図9に示すように、平坦な表面21bを有するとともに、その表面21bから窪んだ溝部22bを有する。なお、溝部22bは、本発明の「凹部」の一例である。溝部22bは、断面が矩形状であり、金属部材1の突部12と対応するように平面的に見て環状に形成されている。この溝部22bは、金属部材1の突部12が嵌め合わされるようになっている。具体的には、図8に示すように、溝部22bの深さは突部12の高さよりも小さく、溝部22bの幅は突部12の幅よりも大きい。
[0065]
 なお、樹脂部材2bのその他の構成は、上記した樹脂部材2と同様である。
[0066]
 そして、接合構造体100bでは、金属部材1の突部12と樹脂部材2bの溝部22bとが嵌め合わされており、その嵌め合わされた接合領域Rで金属部材1および樹脂部材2bが接合されている。このため、接合構造体100bでは、金属部材1の表面11と樹脂部材2bの表面21bとが離間されている。
[0067]
 なお、接合構造体100bの製造方法は、樹脂部材2bの溝部22bが金属部材1の突部12の接合領域Rに加圧接触されること以外は、第1実施形態と同様である。
[0068]
 第3実施形態では、上記のように、樹脂部材2bに溝部22bを設けることによって、接合領域Rと対応する部分の樹脂部材2bの厚みを小さくすることができるので、樹脂部材2bの厚みが大きく、接合用のレーザ光L2の透過率が低い場合であっても、レーザ光L2を透過しやすくすることができる。つまり、第3実施形態では、樹脂部材2bの厚みが大きく、レーザ光L2の透過率が低い場合(たとえば、厚みが1.0mmを上回り、透過率が30%を下回る場合)であっても、接合構造体100bを得ることができる。
[0069]
 また、第3実施形態では、金属部材1の突部12と樹脂部材2bの溝部22bとを嵌合させることによって、接合時の位置決めを容易に行うことができる。
[0070]
 なお、第3実施形態のその他の効果は、第1実施形態と同様である。
[0071]
 (第4実施形態)
 次に、図10および図11を参照して、本発明の第4実施形態による接合構造体100cについて説明する。
[0072]
 接合構造体100cは、図10に示すように、金属部材1cおよび樹脂部材2aを備え、金属部材1cおよび樹脂部材2aが接合されている。
[0073]
 金属部材1cは、図11に示すように、平坦な表面11cを有しており、その表面11cに接合領域Rが設けられている。この接合領域Rは、樹脂部材2aの突部22aと対応する位置に配置され、平面的に見て環状に設けられている。接合領域Rには、突出部141を有する穿孔部14(図10参照)が複数形成されている。つまり、金属部材1cには、第1実施形態と異なり、突部12(図2参照)が設けられていない。
[0074]
 なお、金属部材1cのその他の構成は、上記した金属部材1と同様である。
[0075]
 そして、接合構造体100cでは、図10に示すように、金属部材1cの接合領域Rに樹脂部材2aの突部22aが突き合わされており、その突き合わされた接合領域Rで金属部材1cおよび樹脂部材2aが接合されている。このため、接合構造体100cでは、金属部材1cの表面11cと樹脂部材2aの表面21aとが離間されている。
[0076]
 なお、接合構造体100cの製造方法は、金属部材1cの表面11cに対して樹脂部材2aの突部22a以外の部分を離間させた状態で、金属部材1cの接合領域Rに樹脂部材2aの突部22aを加圧接触させること以外は、第1実施形態と同様である。
[0077]
 また、第4実施形態の効果は、第1実施形態と同様である。
[0078]
 (第5実施形態)
 次に、図12および図13を参照して、本発明の第5実施形態による接合構造体100dについて説明する。
[0079]
 接合構造体100dは、図12に示すように、金属部材1dおよび樹脂部材2aを備え、金属部材1dおよび樹脂部材2aが接合されている。
[0080]
 金属部材1dは、図13に示すように、平坦な表面11dを有するとともに、その表面11dから窪んだ溝部12dを有する。なお、溝部12dは、本発明の「凹部」の一例である。溝部12dは、断面が矩形状であり、樹脂部材2aの突部22aと対応するように平面的に見て環状に形成されている。この溝部12dは、樹脂部材2aの突部22aが嵌め合わされるようになっている。具体的には、図12に示すように、溝部12dの深さは突部22aの高さよりも小さく、溝部12dの幅は突部22aの幅よりも大きい。また、溝部12dの底面には、接合領域Rが設けられており、その接合領域Rは平面的に見て環状である。接合領域Rには、突出部141を有する穿孔部14が複数形成されている。
[0081]
 なお、金属部材1dのその他の構成は、上記した金属部材1と同様である。
[0082]
 そして、接合構造体100dでは、金属部材1dの溝部12dと樹脂部材2aの突部22aが嵌め合わされており、その嵌め合わされた接合領域Rで金属部材1dおよび樹脂部材2aが接合されている。このため、接合構造体100dでは、金属部材1dの表面11dと樹脂部材2aの表面21aとが離間されている。
[0083]
 接合構造体100dの製造方法は、金属部材1dの溝部12dの接合領域Rに樹脂部材2aの突部22aが加圧接触されること以外は、第4実施形態と同様である。
[0084]
 第5実施形態では、上記のように、金属部材1dの溝部12dと樹脂部材2aの突部22aとを嵌合させることによって、接合時の位置決めを容易に行うことができる。
[0085]
 なお、第5実施形態のその他の効果は、第1実施形態と同様である。
[0086]
 (第6実施形態)
 次に、図14および図15を参照して、本発明の第6実施形態による接合構造体100eについて説明する。
[0087]
 接合構造体100eは、図14に示すように、金属部材1および樹脂部材2eを備え、金属部材1および樹脂部材2eが接合されている。
[0088]
 樹脂部材2eは、接合用のレーザ光L2(図15参照)に対して透過性が低い材料により形成されていてもよい。このため、樹脂部材2eの材料としては、第1実施形態で挙げたものの他に、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)、m-PPE(変性ポリフェニレンエーテル)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、PAI(ポリアミドイミド)、LCP(液晶ポリマー)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、および、PCTFE(ポリクロロトリフルオロエチレン)を挙げることができる。
[0089]
 なお、樹脂部材2eのその他の構成は、上記した樹脂部材2と同様である。
[0090]
 接合構造体100eでは、金属部材1の突部12の端面13に樹脂部材2eが突き合わされており、その端面13の接合領域Rで金属部材1および樹脂部材2eが接合されている。このため、接合構造体100eでは、金属部材1の表面11と樹脂部材2eの表面21eとが離間されている。
[0091]
 接合構造体100eの製造方法は、図15に示すように、樹脂部材2eとの間で金属部材1を挟み込みように加圧部材5を配置し、樹脂部材2eとは反対側から金属部材1にレーザ光L2を照射して金属部材1を加熱すること以外は、第1実施形態と同様である。
[0092]
 第6実施形態では、上記したように、樹脂部材2eとは反対側からレーザ光L2を照射することによって、樹脂部材2eがレーザ光L2に対して透過性を有しない場合や、樹脂部材2e側からレーザ光L2を照射しにくい場合であっても、接合構造体100eを得ることができる。
[0093]
 なお、第6実施形態のその他の効果は、第1実施形態と同様である。
[0094]
 (第7実施形態)
 次に、図16および図17を参照して、本発明の第7実施形態による接合構造体100fについて説明する。
[0095]
 接合構造体100fは、図16に示すように、金属部材1fおよび樹脂部材2を備え、金属部材1fおよび樹脂部材2が接合されている。
[0096]
 金属部材1fは、図17に示すように、平坦な表面11fを有するとともに、その表面11fから突出する複数の突部12fを有する。各突部12fは、断面が矩形状であり、その端面(上端面)13fに樹脂部材2が接合される接合領域Rが設けられている。この突部12fは、第1実施形態と異なり、平面的に見て環状に形成されていない。すなわち、各突部12fが分離(独立)されている。接合領域Rには、突出部141を有する穿孔部14が複数形成されている。
[0097]
 なお、金属部材1fのその他の構成は、上記した金属部材1と同様である。
[0098]
 接合構造体100fでは、図16に示すように、金属部材1fの突部12fの端面13fに樹脂部材2が突き合わされており、その端面13fの接合領域Rで金属部材1fおよび樹脂部材2が接合されている。このため、接合構造体100fでは、金属部材1fの表面11fと樹脂部材2の表面21とが離間されている。
[0099]
 接合構造体100fの製造方法は、第1実施形態と同様である。
[0100]
 第7実施形態では、上記のように、複数の突部12fが分離されていることによって、金属部材1fと樹脂部材2との接触面をより小さくすることができるので、加圧力をより効率的に接合領域Rに作用させることができる。
[0101]
 なお、第7実施形態のその他の効果は、第1実施形態と同様である。
[0102]
 (実験例1)
 次に、図18~図21を参照して、上記した各実施形態の効果を確認するために行った実験例1について説明する。
[0103]
 この実験例1では、第1~第7実施形態に対応する実施例1~7による接合構造体と、比較例による接合構造体とを作製し、それらについての接合評価を行った。なお、接合評価としては、熱衝撃試験を行っていないものについて接合強度を測定するとともに、熱衝撃試験後のものについて接合強度を測定し、その測定結果に基づいて合否判定を行った。
[0104]
 -各接合構造体の作製方法-
 まず、実施例1による接合構造体の作製方法について説明する。
[0105]
 実施例1の接合構造体では、金属部材510の材料としてSUS304を用いた。この金属部材510は、図18に示すように、板状に形成されており、長さが40mmであり、幅が20mmであり、厚みが1mmである。この金属部材510の表面511には突部512が形成されている。突部512は、平面的に見て矩形環状に形成されており、幅が0.8mmであり、高さが0.5mmである。一方、樹脂部材520の材料としてPMMAを用いた。この樹脂部材520は、図19に示すように、板状に形成されており、長さが40mmであり、幅が20mmであり、厚みが1mmである。
[0106]
 そして、金属部材510の突部512の接合領域に加工用のレーザ光を照射して穿孔部を形成した。このレーザ光の照射は、オムロン製のファイバレーザマーカMX-Z2000を用いて行った。レーザ光の照射条件は、以下のとおりである。
[0107]
 <加工用のレーザ照射条件>
 レーザ:ファイバレーザ(波長1062nm)
 周波数:10kHz
 走査速度:650mm/sec
 走査回数:20回
 照射間隔:65μm
 サブパルス数:20
 なお、周波数は、複数(この例では20)のサブパルスによって構成されるパルスの周波数である。つまり、この照射条件では、1秒間に650mm移動しながら65μmの間隔で1万回レーザ光(パルス)を照射し、そのパルスが20のサブパルスによって構成されている。なお、走査回数は、レーザ光が同じ箇所に繰り返し照射される回数である。
[0108]
 このように、1パルスが複数のサブパルスで構成されるレーザ光を照射することにより、金属部材510の接合領域には穿孔部が形成されるとともに、その穿孔部の内周面に突出部が形成される。
[0109]
 その後、金属部材510の表面511と樹脂部材520の表面521とが離間するとともに、金属部材510の突部512に設けられた接合領域に樹脂部材520を加圧接触させた状態で、樹脂部材520側から接合領域に接合用のレーザ光を照射することにより、金属部材510と樹脂部材520とを接合した。具体的には、レーザ光の照射により金属部材510が加熱され、その熱により樹脂部材520が溶融される。このため、その溶融された樹脂部材520が穿孔部に充填され、その後樹脂部材520が固化される。また、接合用のレーザ光の照射条件は、以下のとおりである。なお、焦点径は、接合領域を包含するように突部の幅よりも大きくした。
[0110]
 <接合用のレーザ照射条件>
 レーザ:半導体レーザ(波長808nm)
 発振モード:連続発振
 出力:18W
 焦点径:1mm
 走査速度:3mm/sec
 加圧力:0.3MPa
 走査回数:3回
 このようにして、実施例1の接合構造体を作製した。
[0111]
 次に、実施例2~7および比較例の接合構造体の作製方法について説明する。
[0112]
 実施例2の接合構造体では、樹脂部材の形状を上記した金属部材510と同様にした。すなわち、樹脂部材の表面に突部を設けるとともに、その突部を金属部材の突部に突き合わせて接合した。なお、実施例2のその他の点については実施例1と同様である。
[0113]
 実施例3の接合構造体では、樹脂部材530が、図20に示すように、板状に形成されており、長さが40mmであり、幅が20mmであり、厚みが1mmである。この樹脂部材530の表面531には溝部(凹部)532が形成されている。溝部532は、平面的に見て矩形環状に形成されており、幅が1.0mmであり、深さが0.3mmである。すなわち、溝部532の幅は、突部512の幅よりも大きく、溝部532の深さは、突部512の高さよりも小さい。そして、実施例3の接合構造体では、金属部材510の突部512と樹脂部材530の溝部532とを嵌合させて接合した。なお、実施例3のその他の点については実施例1と同様である。
[0114]
 実施例4の接合構造体では、樹脂部材の形状を上記した金属部材510と同様にするとともに、金属部材の形状を上記した樹脂部材520と同様にした。すなわち、実施例4では、実施例1の場合と形状を逆にし、金属部材の平坦な表面に矩形環状の接合領域を設けた。なお、実施例4のその他の点については実施例1と同様である。
[0115]
 実施例5の接合構造体では、樹脂部材の形状を上記した金属部材510と同様にするとともに、金属部材の形状を上記した樹脂部材530と同様にした。すなわち、実施例5では、実施例3の場合と形状を逆にし、金属部材の溝部に矩形環状の接合領域を設けた。なお、実施例5のその他の点については実施例1と同様である。
[0116]
 実施例6の接合構造体では、接合用のレーザ光を金属部材側から照射した。なお、実施例6のその他の点については実施例1と同様である。
[0117]
 実施例7の接合構造体では、図21に示すように、金属部材540の表面541に複数の突部542を設けた。この突部542は、長さが2mmであり、幅が0.8mmであり、高さが0.5mmである。すなわち、突部542が平面的に見て環状に形成されていない。なお、実施例7のその他の点については実施例1と同様である。
[0118]
 比較例の接合構造体では、金属部材の形状を上記した樹脂部材520と同様にし、金属部材の平坦な表面に接合領域を設けた。すなわち、比較例では、金属部材および樹脂部材の両方が平坦であり、突部および溝部が設けられていない。なお、比較例のその他の点については実施例1と同様である。
[0119]
 -接合評価-
 そして、実施例1~7の接合構造体および比較例の接合構造体についての接合評価を行い、その結果を表1に示した。
[0120]
[表1]


[0121]
 なお、樹脂充填率は、穿孔部の断面を観察し、穿孔部の断面の面積を計測するとともに、その穿孔部に充填されている樹脂部材の断面の面積を計測し、穿孔部の面積に対する樹脂部材が占める割合を計算した。
[0122]
 また、接合強度は、インストロン製の電気機械式万能試験機5900を用いて測定した。具体的には、せん断方向および剥離方向(垂直方向)について引張速度5mm/minで試験を行い、樹脂部材の破断または接合界面の破断で試験を終了した。そして、その試験での最大強度を接合強度として採用した。なお、せん断方向とは、接合界面に沿ってずれる方向である。
[0123]
 また、熱衝撃試験では、-40℃で30分間の低温さらしと、70℃で30分間の高温さらしとを500回繰り返し行った。
[0124]
 そして、熱サイクル環境下での信頼性を判断するために、以下の基準で合否判定を行った。
[0125]
 合格(○):「熱衝撃試験後の接合強度」/「熱衝撃試験前の接合強度」≧90%
 不合格(×):「熱衝撃試験後の接合強度」/「熱衝撃試験前の接合強度」<90%
 上記した表1に示すように、実施例1~7の接合構造体では、樹脂充填率が90%を上回っていたのに対し、比較例の接合構造体では、樹脂充填率が80%を下回っていた。これは、実施例1~7の接合構造体では、金属部材および樹脂部材の少なくとも一方に突部を設けることにより、レーザ接合時の加圧力を接合領域を含む接触面に集中させることができたためであると考えられる。
[0126]
 そして、実施例1~7の接合構造体では、熱衝撃試験前の接合強度を熱衝撃試験後においても90%以上維持できたのに対し、比較例の接合構造体では、接合強度維持率が70%を下回っていた。したがって、実施例1~7の接合構造体では、樹脂充填率の向上を図ることにより、アンカー効果が低下しにくいので、熱サイクル環境下における耐久性の向上を図ることができた。
[0127]
 (実験例2)
 次に、接合用のレーザ光の走査回数と樹脂充填率との関係を確認するために行った実験例2について説明する。
[0128]
 この実験例2では、実施例8および9による接合構造体を作製した。実施例8では、接合用のレーザ光の走査回数を1回にし、実施例9では、接合用のレーザ光の走査回数を2回にした。なお、実施例8および9のその他の点については実施例1と同様である。また、上記したように実施例1の走査回数は3回である。そして、それらについての接合評価を行い、その結果を表2に示した。
[0129]
[表2]


[0130]
 上記した表1および表2に示すように、実施例1、8および9では、接合用のレーザ光の走査回数を増やすと、樹脂充填率が向上するとともに、接合強度維持率を向上させることができた。なお、走査回数が1回であっても、樹脂充填率が90%を上回るとともに、接合強度維持率が90%を上回っていた。
[0131]
 (他の実施形態)
 なお、今回開示した実施形態は、すべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本発明の技術的範囲は、上記した実施形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、本発明の技術的範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
[0132]
 たとえば、第1実施形態では、穿孔部14に突出部141が形成される例を示したが、これに限らず、穿孔部が円筒状またはすり鉢状に形成されていてもよい。また、レーザ光L1によって穿孔部14を形成する例を示したが、これに限らず、ブラスト処理、サンドペーパ処理、陽極酸化処理、放電加工処理、エッチング処理またはプレス加工処理などにより穿孔部を形成するようにしてもよい。
[0133]
 また、第1実施形態では、接合用のレーザ光L2により金属部材1と樹脂部材2とを接合する例を示したが、これに限らず、熱プレス接合または超音波接合により金属部材および樹脂部材が接合されていてもよい。この場合には、樹脂部材の材料として第1実施形態で挙げたものに加えて第6実施形態で挙げたものを用いることができる。
[0134]
 また、第1実施形態では、接合用のレーザ光L2を複数回走査する例を示したが、これに限らず、接合用のレーザ光の走査回数が1回であってもよい。
[0135]
 また、第1実施形態では、金属部材1の表面11に突部12が設けられる例を示したが、これに限らず、図22に示す第1変形例による金属部材1gのように、平坦な表面11gに突部12gを設けるとともに、その突部12gの側方に表面11gから窪んだ凹部15gが設けられていてもよい。このように構成すれば、接合用のレーザ照射時に、凹部15gによって熱拡散をより抑制することができる。
[0136]
 また、第1実施形態では、金属部材1の表面11に断面が矩形状の突部12が設けられる例を示したが、これに限らず、図23に示す第2変形例による金属部材1hのように、表面11hに断面が円弧状の突部12hが設けられていてもよい。また、図24に示す第3変形例による金属部材1iのように、表面11iに断面が台形状の突部12iが設けられていてもよい。
[0137]
 また、第1実施形態では、金属部材1の表面11および樹脂部材2の表面21が平坦である例を示したが、これに限らず、金属部材の表面および樹脂部材の表面が湾曲していてもよい。
[0138]
 また、第1実施形態では、加圧部材5が樹脂部材2の全面にわたって配置される例を示したが、これに限らず、接合用のレーザ光が通過しない領域のみに加圧部材が配置されていてもよい。この場合には、加圧部材が接合用のレーザ光に対して透過性を有していなくてもよい。
[0139]
 また、第1実施形態では、端面13の全域に接合領域Rが設けられる例を示したが、これに限らず、端面の一部の領域に接合領域が設けられていてもよい。
[0140]
 また、第1実施形態では、突部12が平面的に見て矩形環状に形成される例を示したが、これに限らず、突部が平面的に見て円環状に形成されていてもよい。
[0141]
 なお、上記した各実施形態を適宜組み合わせてもよい。たとえば、第4実施形態と第7実施形態とを組み合わせて、樹脂部材の突部が複数設けられ、各突部が分離されていてもよい。

産業上の利用可能性

[0142]
 本発明は、金属部材および樹脂部材が接合された接合構造体の製造方法および接合構造体に利用可能である。

符号の説明

[0143]
 1、1c、1d、1f、1g、1h、1i 金属部材
 2、2a、2b、2e 樹脂部材
 11、11c、11d、11f、11g、11h、11i 表面
 12、12f、12g、12h、12i 突部
 12d 溝部(凹部)
 14  穿孔部
 21、21a、21b、21e 表面
 22a 突部
 22b 溝部(凹部)
 100、100a、100b、100c、100d、100e、100f 接合構造体

請求の範囲

[請求項1]
 金属部材および樹脂部材が接合された接合構造体の製造方法であって、
 前記金属部材の表面に突部が設けられており、前記突部の接合領域に開口を有する穿孔部を形成する工程と、
 前記金属部材の表面に対して前記樹脂部材を離間させた状態で、前記金属部材の突部の接合領域に前記樹脂部材を加圧接触させる工程と、
 前記金属部材の接合領域に接触する前記樹脂部材を溶融させ、その溶融された前記樹脂部材を前記穿孔部に充填した後に固化させる工程とを備えることを特徴とする接合構造体の製造方法。
[請求項2]
 請求項1に記載の接合構造体の製造方法において、
 前記樹脂部材の表面に突部が設けられており、前記樹脂部材の突部が前記金属部材の突部の接合領域に加圧接触されることを特徴とする接合構造体の製造方法。
[請求項3]
 請求項1に記載の接合構造体の製造方法において、
 前記樹脂部材の表面に凹部が設けられており、前記樹脂部材の凹部が前記金属部材の突部の接合領域に加圧接触されることを特徴とする接合構造体の製造方法。
[請求項4]
 請求項1~3のいずれか1つに記載の接合構造体の製造方法において、
 前記金属部材の突部は、平面的に見て環状に形成されていることを特徴とする接合構造体の製造方法。
[請求項5]
 請求項1~3のいずれか1つに記載の接合構造体の製造方法において、
 前記金属部材の突部は複数設けられ、各突部が分離されていることを特徴とする接合構造体の製造方法。
[請求項6]
 金属部材および樹脂部材が接合された接合構造体の製造方法であって、
 前記金属部材の接合領域に開口を有する穿孔部を形成する工程と、
 前記樹脂部材の表面に突部が設けられており、前記金属部材の表面に対して前記樹脂部材の突部以外の部分を離間させた状態で、前記金属部材の接合領域に前記樹脂部材の突部を加圧接触させる工程と、
 前記金属部材の接合領域に接触する前記樹脂部材を溶融させ、その溶融された前記樹脂部材を前記穿孔部に充填した後に固化させる工程とを備えることを特徴とする接合構造体の製造方法。
[請求項7]
 請求項6に記載の接合構造体の製造方法において、
 前記金属部材の表面に凹部が設けられており、その凹部に接合領域が設けられることを特徴とする接合構造体の製造方法。
[請求項8]
 請求項6または7に記載の接合構造体の製造方法において、
 前記樹脂部材の突部は、平面的に見て環状に形成されていることを特徴とする接合構造体の製造方法。
[請求項9]
 請求項6または7に記載の接合構造体の製造方法において、
 前記樹脂部材の突部は複数設けられ、各突部が分離されていることを特徴とする接合構造体の製造方法。
[請求項10]
 請求項1~9のいずれか1つに記載の接合構造体の製造方法において、
 前記金属部材に第1レーザ光を照射することにより、前記樹脂部材を溶融させることを特徴とする接合構造体の製造方法。
[請求項11]
 請求項10に記載の接合構造体の製造方法において、
 前記第1レーザ光を複数回走査することを特徴とする接合構造体の製造方法。
[請求項12]
 請求項1~11のいずれか1つに記載の接合構造体の製造方法において、
 前記金属部材の接合領域に第2レーザ光を照射することにより、前記穿孔部を形成することを特徴とする接合構造体の製造方法。
[請求項13]
 請求項12に記載の接合構造体の製造方法において、
 前記第2レーザ光は、1パルスが複数のサブパルスで構成されることを特徴とする接合構造体の製造方法。
[請求項14]
 金属部材および樹脂部材が接合された接合構造体であって、
 前記金属部材および前記樹脂部材の少なくとも一方の表面に突部が設けられており、前記金属部材に突部が設けられている場合にはその突部に接合領域が設けられ、前記樹脂部材に突部が設けられている場合にはその突部と対向する位置の前記金属部材に接合領域が設けられ、
 前記金属部材の接合領域には、開口を有する穿孔部が形成され、
 前記金属部材の穿孔部には、前記樹脂部材が充填され、
 前記金属部材に対して前記樹脂部材の一部が離間されるとともに、前記金属部材の接合領域に前記樹脂部材が接触されていることを特徴とする接合構造体。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]

[ 図 13]

[ 図 14]

[ 図 15]

[ 図 16]

[ 図 17]

[ 図 18]

[ 図 19]

[ 図 20]

[ 図 21]

[ 図 22]

[ 図 23]

[ 図 24]