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1. (WO2017038780) AIR-CONDITIONING METHOD FOR AIRCRAFT AND AIR-CONDITIONING SYSTEM USED IN METHOD
Document

明 細 書

発明の名称 航空機用空気調和方法及び該方法に用いる空気調和システム

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005   0006   0007  

先行技術文献

特許文献

0008  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0009  

課題を解決するための手段

0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021  

発明の効果

0022   0023  

図面の簡単な説明

0024  

発明を実施するための形態

0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062  

符号の説明

0063  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9  

補正された請求の範囲(条約第19条)

1  *   2   3   4  *   5  *   6   7  *   8  *   9  *  

条約第19条(1)に基づく説明書

図面

1   2   3   4   5   6   7  

明 細 書

発明の名称 : 航空機用空気調和方法及び該方法に用いる空気調和システム

技術分野

[0001]
 本発明は、航空機用空気調和方法及びシステム、すなわち、航空機キャビン内の空気の状態(圧力、温度、湿度、換気量など)を希望する状態に調節するための方法及びシステムに関する。

背景技術

[0002]
 航空機では乗客コンパートメント(乗客キャビンとも呼ばれる。)を、規定に定められた空気量(一人当たり250リットル/分)を確保するように換気する必要がある。また、機外空間は駐機状態における地表(たとえば1気圧、地表気温)から飛行状態における成層圏下層(たとえば0.2気圧、-70℃)まで大きく変化するため、換気に際しては、圧力調節(飛行中は与圧)と温度調節を同時に行う必要がある。このため、換気用の新鮮な空気は、航空機外側から取り入れられ、空気調和システムによって適度な圧力及び温度に調節されて乗客コンパートメント(乗客キャビン)内に供給される。
[0003]
 このような航空機用空気調和システムとしては、特許文献1乃至7に開示されているようなシステムが知られている。
[0004]
 たとえば、特許文献1には、機内の冷房、暖房、換気を行うと同時に、与圧用空気を供給する航空機用空気調和装置において、エンジンのファンからの空気を取込み、電動コンプレッサーで圧縮し、または、エンジンのファンからの空気の圧力が十分高い場合は前記電動コンプレッサーを経由せずに直接、冷媒を用いたベーパサイクルシステムのエバポレータで前記空気を冷却した後、キャビンおよびコックピットに調和された空気を送り込むシステムが開示されている。そして、該システムでは、航空機が地上駐機中でエンジンを作動していない時には、外気を電動コンプレッサーで吸引し圧縮して、冷媒を用いたベーパサイクルシステムのエバポレータで圧縮された前記空気を冷却した後、乗客キャビンおよびコックピットに調和された空気を送り込むことができる。
[0005]
 また、特許文献2には、航空機乗客コンパートメント用の空調システムにして、少なくとも1つの外部空気入口を、コンパートメント内に開口することができる少なくとも1つの空気分配出口に接続する空気供給回路と、前記供給回路内に装着され、空気ストリームを供給回路内で圧縮するように構成された補助動力装置とを含む、空調システムであって、供給回路が、補助動力装置を空気分配出口に接続し、空気ストリームを加熱するための手段が中に装着された加熱第1ブランチと、補助動力装置を空気分配出口に接続する冷却第2ブランチと、空気ストリームを加熱第1ブランチと冷却第2ブランチの間で分配するように適合された切り替え手段とを含むことを特徴とする、システム、が開示されている。
[0006]
 これら従来の航空機用空気調和システムでは、航空機外部の空気(以下、「換気用新鮮空気」ともいう。)は、圧力及び温度が調節された後に混合器(ミキシングチャンバー)において乗客コンパートメント等のキャビン(機室)から再循環された空気(以下、「再循環用キャビン空気」ともいう。)と混合され、乗客コンパートメントに供給されることが多い(特許文献1及び2参照)。このとき、換気用新鮮空気と再循環用キャビン空気との混合割合は、一般的には、約半々であると言われている。
[0007]
 キャビン(機室)内の空気(以下、「キャビン空気」ともいう。)は、主として乗客や搭乗員、飲食物、不可避的に機内に侵入する昆虫や小動物などに起因する汚染物質を含むことになるため、キャビン空気を再循環する場合には、HEPAフィルターや吸着材フィルターなどを用いた空気フィルタープロセスによって、これら汚染物質を除去又は低減するのが一般的である。そして、“汚染物質が除去又は低減された再循環用キャビン空気”(以下、「浄化再循環用空気」ともいう。)は、換気用新鮮空気と混合されて、換気用空気としてキャビンに供給される(特許文献6参照)。その結果、航空機内での感染症感染のリスクは小さいと言われている。

先行技術文献

特許文献

[0008]
特許文献1 : 特開2001-10596号公報
特許文献2 : 特表2014-516858号公報
特許文献3 : 特表2008-534376号公報
特許文献4 : 特表2009-537779号公報
特許文献5 : 特開2006-131029号公報
特許文献6 : 特表2009-526690号公報
特許文献7 : 特開2000-103399号公報
特許文献8 : 特開平10-249128号公報
特許文献9 : 特開2014-89898号公報
特許文献10 : 特開2015-91582号公報
特許文献11 : 特開2006-237563号公報
特許文献12 : 特開2005-354067号公報
特許文献13 : 特開2009-4688号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0009]
 しかしながら、HEPAフィルターによってもウイルスそのものを完全に除去することはできず、SARS、麻疹等に関して機内感染の例も報告されている。そこで、本発明は、航空機内での感染症感染のリスクをより低減することが可能な、航空機用空気調和方法及び該方法に用いる空気調和システムを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0010]
 本発明は、従来の空気調和方法及びシステムにおいて、再循環されるキャビン空気を紫外線殺菌することにより、上記課題を解決するものである。
[0011]
 ところで、紫外線殺菌とは、200~350nmの波長を有する紫外線の殺菌効果を利用した殺菌方法であり、紫外線光源としては、253.7nmの波長の光(水銀の共鳴線)を放射する低圧水銀ランプ(所謂、殺菌ランプ)が一般的である(特許文献8参照)。近年は、紫外線発光ダイオード(以下、UV-LEDともいう。)を使用する例も提案されているが(特許文献9参照)、航空機用の空気調和システムに紫外線殺菌を取り入れた例は知られていない。
[0012]
 本発明の第1の態様に係る航空機用空気調和方法は、(A)(一)所定の圧力及び所定の温度を有する第一の新鮮空気を抽気すること、又は(二)所定の圧力及び/又は所定の温度を有しない第二の新鮮空気を抽気し、抽気した第二の新鮮空気の圧力及び温度を所定の圧力及び所定の温度に調節することにより、圧力及び温度が調節された換気用新鮮空気を得る、換気用新鮮空気調製工程;(B)キャビン内に存在する空気をキャビン外に排気する排気工程;(C)排気工程で排気された空気の一部を再循環用空気とし、フィルター及び/又は吸着材により該再循環用空気に含まれる汚染物質を除去又は低減して浄化再循環用空気を得る、浄化再循環用空気調製工程;(D)前記換気用新鮮空気と前記浄化再循環用空気を混合して換気用空気を得る、換気用空気調製工程;および(E)前記換気用空気調製工程で得られた換気用空気をキャビン内に供給する、換気用空気供給工程、を含んでなる航空機用空気調和方法において、(F)紫外線発光ダイオードから出射される紫外線を、前記換気用新鮮空気、前記再循環用空気、前記浄化再循環用空気およびキャビン内に供給される前の前記換気用空気よりなる群より選ばれる少なくとも1種に照射する紫外線照射工程を更に含んでなることを特徴とする。
[0013]
 上記本発明の航空機用空気調和方法においては、得ようとする付加的効果に応じて、次の形態を好ましく採用できる。
[0014]
 すなわち、紫外線照射を安定して行うためには、前記(A)換気用新鮮空気調製工程は、冷却タービン及び/又は冷却用熱交換器を用いて前記第二の新鮮空気の温度を調節する工程を含み、前記(F)紫外線照射工程において、(1)前記冷却用熱交換器で使用する冷却用流体、(2)前記冷却タービンを用いて冷却された空気又は(3)前記工程(A)で抽気した第一の新鮮空気、によって前記紫外線発光ダイオードの温度制御を行うことが好ましい。
[0015]
 感染症予防効果をより高めるためには、キャビンが複数のゾーンに分けられており、該複数のゾーンのそれぞれについて、“(B)排気工程、(F)前記紫外線を前記再循環用空気に照射する紫外線照射工程および(E)換気用空気供給工程”又は“(B)排気工程、(C)浄化再循環用空気調製工程、(F)前記紫外線を前記浄化再循環用空気に照射する紫外線照射工程および(E)換気用空気供給工程”を行うことが好ましい。
[0016]
 効率的な殺菌を行うためには、前記(F)紫外線照射工程を、キャビン内の気圧よりも高い気圧下で行うことが好ましい。
[0017]
 また、本発明の第2の態様に係る航空機用空気調和システムは、キャビン内に換気用空気を供給する換気用空気供給口と;キャビン内の空気を排出するキャビン空気排気口と;所定の圧力及び/又は所定の温度を有しない新鮮空気を抽気するための抽気口と;空気圧送手段及びフィルター装置を流路内に含み、前記キャビン空気排気口から排出された空気の一部を前記フィルター装置により浄化して浄化再循環用空気を得る再循環系流路と;コンプレッサー、冷却タービン及び冷却用熱交換器よりなる群より選ばれる少なくとも1種を有する空気調和装置を流路内に含み、前記抽気口から抽気された新鮮空気の圧力及び温度を調節して換気用新鮮空気を得る抽気調和系流路と;前記再循環系流路と接続する浄化再循環用空気導入口と、前記抽気調和系流路と接続する換気用新鮮空気導入口と、前記換気用空気供給口と接続する換気用空気排出口とを有し、その内部で前記浄化再循環用空気と前記換気用新鮮空気とを混合して換気用空気を得る混合容器と、を含んでなる航空機用空気調和システムにおいて、紫外線発光ダイオードを有する紫外線照射装置であって、前記紫外線発光ダイオードから出射される紫外線を、前記再循環系流路内を流通する空気に照射する紫外線照射装置をさらに含むことを特徴とする。
[0018]
 上記本発明の航空機用空気調和システムにおいては、得ようとする付加的効果に応じて、次の形態を好ましく採用できる。
[0019]
 すなわち、紫外線照射を安定して行うためには、航空機用空気調和システムは、前記紫外線発光ダイオードから発生する熱を放熱する放熱用ヒートシンク又は放熱器と、紫外線発光ダイオード冷却用流体流路と、を含む紫外線発光ダイオード冷却手段を有し、前記紫外線発光ダイオード冷却用流体流路は、前記冷却用熱交換器で使用される冷却用流体の流路又は前記抽気調和系流路と接続し、且つ、前記冷却用熱交換器で使用される冷却用流体の一部又は前記換気用新鮮空気の一部からなる紫外線発光ダイオード冷却用流体が流通し、前記紫外線発光ダイオード冷却手段は、前記紫外線発光ダイオード冷却用流体と、放熱用ヒートシンク又は放熱器とを、直接又は間接的に接触させることによって前記紫外線発光ダイオードの冷却を行うことが好ましい。
[0020]
 紫外線照射を効率的に行うためには、前記再循環系流路は、空気圧送手段としてのコンプレッサー、該コンプレッサーより下流側に配置される圧力調整流出弁またはタービン、及び、これらコンプレッサーと圧力調整流出弁またはタービンとの間に形成される加圧空間を有し、前記紫外線発光ダイオードから出射される紫外線が、前記加圧空間内を流通する空気に照射されることが好ましい。また、かかる形態の航空機用空気調和システムにおいて、メンテナンスを容易にする観点、および発光ダイオードの設置場所に対する制約を緩和する観点からは、前記紫外線照射装置が、紫外線発光ダイオードを有し前記加圧空間の外部に配置された光源と、前記加圧空間内に配置された紫外線出射用光学部材と、を有し、前記紫外線発光ダイオードから発せられた紫外線が前記紫外線出射用光学部材から出射されて前記加圧空間内を流通する空気に照射されることが、より好ましい。
[0021]
 本発明の第3の態様は、上記本発明の第2の態様に係る航空機用空気調和システムを有する航空機である。

発明の効果

[0022]
 本発明の航空機用空気調和方法及び航空機用空気調和システムは、換気用空気を紫外線殺菌しているので、航空機内での感染症感染のリスクをより低減することができる。さらに、紫外線殺菌に際しては、紫外線発光ダイオード(以下、「UV-LED」と略記することもある。)を用いているので、消費電力が少なく発電のための燃料消費量を少なくすることができ、しかも、水銀が不要になるという利点を有する。
[0023]
 また、上記の好適な態様を採用した場合には、それぞれ上記の付加的効果を得ることができる。

図面の簡単な説明

[0024]
[図1] 一の実施形態に係る航空機用空気調和システムを説明する概略図である。
[図2] 他の一の実施形態に係る航空機用空気調和システムを説明する概略図である。
[図3] 本発明の航空機用空気調和システムで使用できる殺菌チャンバー及び紫外線光源の一例を説明する模式図である。(A)紫外線殺菌チャンバー43aの平面図である。(B)(A)のX-X断面図である。
[図4] 図3における紫外線光源の構造を模式的に示す図である。(A)紫外線光源45aの平面図である。(B)(A)のX-X断面図である。
[図5] 本発明の航空機用空気調和システムで使用できる殺菌チャンバーの他の一例を説明する模式図である。(A)殺菌チャンバー43bの、配管80の長手方向に平行な断面を表した断面図である。(B)(A)のX-X断面図である。
[図6] 本発明の航空機用空気調和システムで使用できる殺菌チャンバー及び紫外線光源の他の一例を説明する模式図である。(A)殺菌チャンバー43cの平面図である。(B)(A)のX-X断面図である。
[図7] 本発明の航空機用空気調和システムで使用できる紫外線光源の他の一例を説明する模式図である。(A)紫外線光源100の平面図である。(B)(A)のA-A断面図である。(C)棒状モジュール光源110の縦断面図および横断面図である。

発明を実施するための形態

[0025]
 本発明の第1の態様に係る航空機用空気調和方法は、(A)(一)所定の圧力及び所定の温度を有する第一の新鮮空気を抽気すること、又は(二)所定の圧力及び/又は所定の温度を有しない第二の新鮮空気を抽気し、抽気した第二の新鮮空気の圧力及び温度を所定の圧力及び所定の温度に調節することにより、圧力及び温度が調節された換気用新鮮空気を得る換気用新鮮空気調製工程;(B)キャビン内に存在する空気をキャビン外に排気する排気工程;(C)排気工程で排気された空気の一部を再循環用空気とし、フィルター及び/又は吸着材により該再循環用空気に含まれる汚染物質を除去又は低減して浄化再循環用空気を得る浄化再循環用空気調製工程;(D)前記換気用新鮮空気と前記浄化再循環用空気を混合して換気用空気を得る換気用空気調製工程;および(E)前記換気用空気調製工程で得られた換気用空気をキャビン内に供給する換気用空気供給工程、を含んでなる航空機用空気調和方法において、(F)紫外線発光ダイオードから出射される紫外線を、前記換気用新鮮空気、前記再循環用空気、前記浄化再循環用空気およびキャビン内に供給される前の前記換気用空気よりなる群より選ばれる少なくとも1種に照射する紫外線照射工程、を更に含んでなることを特徴とする。
[0026]
 上記工程(A)、(B)、(C)、(D)および(E)を有する航空機用空気調和方法は、特許文献1乃至7に示されるように従来から知られており、本発明の方法においても、これらの工程については従来の方法と特に変わる点はない。
[0027]
 たとえば、抽気するとは航空機外の空気(すなわち、新鮮空気)を抽気口より航空機内に取り入れることを意味し、抽気方法としては、I.駐機中の航空機に、航空機用移動空調車やグランドクーラー等の地上空気源を利用した空調システムから取り入れる方法(特許文献4:特表2009-537779号公報参照。)と、II.飛行中又は駐機中において航空機のエンジンコンプレッサー、補助動力装置(APU:Auxiliary Power Unit)の圧縮機、又はエンジンファンなどにより航空機外の大気を取り入れる方法と、が知られている。上記I.の場合には、混合器において調製しようとする循環用空気の圧力および温度に応じて、圧力および温度を予め適切な値に調節された空気が地上空気源(例えば航空機用移動空調車やグランドクーラー等。)において調製され、該調製された空気が抽気されるのが一般的である。また、II.の場合、エンジンやAPUのコンプレッサー(又は圧縮機)から抽気を行う場合には、空気は高温高圧の状態で取り入れられ、エンジンファンなどから取り入れる場合には、電動コンプレッサーを用いて与圧に必要な圧力まで昇圧されるのが一般的である。
[0028]
 これらの点については本発明の方法における工程(A)においても同様であり、上記I.の場合において抽気される、所定の圧力および温度に調節された空気が、「第一の新鮮空気」に該当し、上記II.の場合において抽気される空気が「第二の新鮮空気」に該当する。そして、「第一の新鮮空気」は、そのまま「換気用新鮮空気」となり混合器に導入され、「第二の新鮮空気」は、圧力および温度を夫々所定の圧力および温度に調節することにより「換気用新鮮空気」とされて混合気に導入される。このとき、「換気用新鮮空気」は、通常、基本的には換気用空気の圧力と同等の圧力、すなわち必要に応じて与圧されるキャビン内の気圧と同等以上の(通常、同等かやや高い)圧力を有し、且つ換気用空気の温度より低い温度を有するように調節される。
[0029]
 「第二の新鮮空気」の圧力および温度の調節は、抽気調和系流路を通過する際に行われる。ここで抽気調和系流路とは、抽気口から混合器の換気用新鮮空気導入口まで至る流路であり、該流路内にはコンプレッサー、冷却タービン及び冷却用熱交換器よりなる群より選ばれる少なくとも1種を有する空気調和装置が含まれ、第二の新鮮空気はここで圧力及び温度が調節され、換気用新鮮空気となる。なお、「第一の新鮮空気」は、それ自体が換気用新鮮空気となるので、上記抽気調和系流路を経ることなく直接混合器に導入される。通常、「第一の新鮮空気」は駐機中に用いられ、「第二の新鮮空気」は移動中に用いられるので、両者が同時に使用されることなく、混合器に換気用新鮮空気を導入する際には、バルブ操作により混合器への換気用新鮮空気の導入ラインが駐機中と移動中とで切り替えられることになる。
[0030]
 「第二の新鮮空気」の圧力および温度の調節は、一般的には、熱交換器とタービン・コンプレッサーを用いたエア・サイクル・システム(ACS:Air Cycle System)を用いて行われる。該方法では、エンジンやAPUのコンプレッサー(又は圧縮機)より抽気口を経由して抽気された高温高圧の状態の空気からなる「第二の新鮮空気」は、必要に応じてプレッシャーレギュレーターで調圧され、プリクーラーで(たとえば200℃以下に)冷却された後に、ACSにより、所望の圧力および温度を有する冷気とされる。また、エンジンファンなどから低温低圧の空気からなる「第二の新鮮空気」を抽気した場合には、電動コンプレッサーを用いて加圧して高温の空気とした後にACS又はフロン等の冷媒の蒸発潜熱を使ったヒートポンプ機能を用いた冷却システム(ベーパサイクルシステム)により、所望の圧力および温度を有する冷気とされることもある(特許文献1、図1参照)。
[0031]
 ACSでは、エアサイクルマシン(ACM)と呼ばれる、コンプレッサーと冷却タービンが一体となって回転する構造を有する装置を用い、基本的には、次のようにして圧力および温度の調節が行われる。すなわち、抽気された第二の新鮮空気(通常、高温高圧の空気)は、ラムエアー(航空機の飛行中に機速から生じるラム圧力によって取り入れた低温の空気)を用いた熱交換器で冷却された後にエアサイクルマシンのコンプレッサーで断熱圧縮され、その後、上記ラムエアーを用いた熱交換器で再度冷却されてから冷却タービンにて断熱膨張され、適度な圧力と温度に調節される。このとき、冷却タービンでは空気の膨張エネルギーが軸動力として回収されて活用される。また、断熱膨張後の空気が必要以上に冷却されている場合には、該断熱膨張後の空気は、ACMのコンプレッサーに入る前に一部分岐されて取りだされた空気(第2の新鮮空気)と配管又は混合器において混合されることにより、或いは温度の高い空気との熱交換により暖められ、適度な温度に調節される。ACSを用いる方法としては、上記方法を基本としつつ、機体の規模や特性に応じ、更に水分の除去方法などについて改変・改良がなされている。また、上記したように、ACMを用いた冷却方法は、エンジンファンなどから取り入れ、電動コンプレッサーを用いて加圧した空気の冷却にも適用可能である。例えば、エンジンやAPUのコンプレッサーからの抽気とエンジンファンからの抽気とを併用するハイブリッド空調システムも知られている。
[0032]
 本発明の工程(A)では、このような、従来の航空機用空気調和方法で用いられているシステムを用いた方法が特に制限なく採用できる。本発明で好適に採用できる、調温調圧システムを例示すれば、2ホイール・ブーツストラップシステム(水分の除去法式の違いにより低圧除湿法式と高圧除湿方式とがあり、いずれであってもよい)、3ホイール・ブーツストラップシステム、4ホイール・ブーツストラップシステム、モーターアシステッド・エアサイクルマシン(MACM)を用いたハイブリッド空調システム、ノンブリードシステム(エンジンからの抽気の代わりに、エンジンから供給された電力を用いた電動機により機外からの空気を直圧縮する方式)を採用し、ベーパサイクルシステムを用いて冷却を行う先進空調システム、及びこれらを改変したシステムを挙げることができる。
[0033]
 次に、(D)換気用空気調製工程で得られた換気用空気のキャビン内への供給とその後の流れに基づいて、工程(B)~(E)について説明する。まず、工程(D)で調製された換気用空気は、通常、ライザーダクトを通って天井中央部に導かれた後にディストリビューションダクトを通って航空機の各ゾーンへ送られ、天井付近に設けられた換気用空気供給口からキャビン内に流れ込む〔(E)換気用空気供給工程〕。キャビン内に流れ込んだ換気用空気は、キャビン内を循環した後、各ゾーンの床(通常両側)に設けられた空気排気口を通ってキャビンから抜け出て〔(B)排気工程〕、床下のダクトに流入し、その一部は圧力調整弁によって機外に排出され、残部は再循環用空気として再循環される。そして、再循環された空気は、フィルター及び/又は吸着材層を通過することにより浄化される〔(C)浄化再循環用空気調製工程〕。
[0034]
 なお、キャビン(機室)とは、直接外気に接触しないように閉じられた操縦室(コックピット又はフライトデッキ)及び客室(客室キャビン又は客室コンパートメント)の総称であり、キャビン外とは、航空機内の空間であって、操縦室及び客室以外の空間、並びに航空機外の空間を意味する。したがって、客室の天井や床下の空間、或いはダクト内の空間はキャビン外ということになる。
[0035]
 前記した換気用空気の流れにおいて、新鮮空気を取り込むために工程(B)で排気された(汚染物質を含む)空気の一部は機外に排出される。この機外への排気は、たとえば特許文献5(特開2006-131029号公報)の図1や図3に記載の装置を用いて行うことができる。なお、キャビン内空気の機外への排気は、専用の排気口を用いて行ってもよい。
[0036]
 一方、再循環とは、再循環系流路を介してキャビン外に排気されたキャビン空気を再循環用空気(より詳しくは浄化再循環用空気)として再びキャビン内に戻すことを意味する。再循環系流路とは、前記空気排気口から混合器の浄化再循環用空気導入口に至るまでの流路を意味し、空気圧送手段及びフィルター装置を流路内に含み、前記キャビンの空気排気口から排出された空気の一部を前記フィルター装置によって浄化することにより、浄化再循環用空気を得る流路である。空気圧送手段としては、通常、ファン又はコンプレッサーが使用される。また、フィルター装置とは、各種フィルターによって汚染物質を除去又は低減する装置であり、フィルター類としては、埃や繊維を除去又は低減するためのプレフィルター、微粒子、細菌類等を除去又は低減するためのHEPAフィルター、臭気、VOC等を除去又は低減するための吸着フィルター、二酸化炭素を吸着するための固体-アミンフィルターなどが用いられる。再循環系流路には、特許文献6(特表2009-526690号公報)の図1に示されるように、ポリイミド系中空糸膜等を用いた窒素発生装置を経由することにより一部の窒素を流路外に排出して酸素濃度を高めるサブ循環流路が接続されて(分岐および合流して)いてもよい。再循環系流路には、特許文献7(特開2000-103399号公報)の図1に示されるように、ベーパサイクルシステムを用いた冷却手段が設けられていてもよい。
[0037]
 なお、本発明においては、紫外線照射を効率的に行うため、空気圧送手段としてコンプレッサーを用い、該コンプレッサーより下流側に圧力調整流出弁またはタービンを配置して加圧空間を形成することが好ましい。このとき、コンプレッサーより上流側にフィルター装置を配置することが好ましい。
[0038]
 前記工程(A)で得られた換気用新鮮空気および前記工程(C)で得られた浄化再循環用空気は、ダクト又は配管を通って、夫々混合器の換気用新鮮空気導入口及び浄化再循環用空気導入口から混合器内に導入、混合されて、キャビン内の圧力および温度を予め設定された範囲とすることができるように、圧力および温度が調節された換気用空気とされる〔工程(D)〕。このときの圧力および温度の制御は、たとえば特許文献7に示されるように、各種センサーで検出された温度、圧力、流量などの情報に基づき、温度制御弁、調圧弁、チェックバルブなどの各種制御バルブや電動コンプレッサーなどの各種機器を制御することにより行うことができる。
[0039]
 本発明の方法は、このような工程(A)~(E)を含む従来の航空機用空気調和方法において、工程(F)を更に含み、紫外線発光ダイオードを有する紫外線照射装置から出射される紫外線を、前記換気用新鮮空気、前記再循環用空気、前記浄化再循環用空気およびキャビン内に供給される前の前記換気用空気よりなる群より選ばれる少なくとも1種に照射する。
[0040]
 前記紫外線発光ダイオード(UV-LED)は、200nm以上350nm未満、特に200nm以上300nm未満の波長領域に主ピークを有する紫外線を発光する深紫外発光ダイオード(以下において「DUV-LED」ということがある。)であることが好ましい。このような波長の紫外線を照射することにより被照射体となる空気を殺菌することができる。たとえば波長254nmの紫外線を6.6mW秒/cm (=mJ/cm )照射すると、インフルエンザウイルスは99.9%不活性化されることが知られている。
[0041]
 紫外線照射装置は、UV-LEDを有する光源から出射した紫外線(UV)を直接被照射体(空気)に照射してもよく、また、光源に加えて導光部と出射部とを備え、UV-LEDを有する光源から出射した紫外線(UV)を導光部により伝送し、出射部から出射する光伝送システムを含んでもよい。光源としては、UV-LED又はUV-LEDパッケージを複数整列配置した光源を使用することが好ましい。そのような例としては、たとえば特許文献10(特開2015-91582号公報)の図6に記載されているような、金属製の放熱基板上に並べて配置されたUV-LED群と、該UV-LED群を覆う石英ガラスパッケージとを有し、該石英ガラスパッケージから紫外線が出射するモジュール光源や、特許文献9(特開2014-89898号公報)の図2及び3に記載されているような、円筒状若しくは多角柱状の基体と、複数のUV-LEDとを有し、該複数のUV-LEDは、各UV-LEDの光軸が前記基体の中心軸を通るように基体の側面に配置され、紫外線が前記中心軸に対して放射状に出射される棒状モジュール光源などを挙げることができる。特許文献9では、長楕円反射ミラーからなる出射側反射ミラーと、長楕円反射ミラーからなる集光側反射ミラーと、該出射側反射ミラーの集光軸の近傍に設けられた紫外線出射用開口部と、該開口部に配置されたコリメート光学系とを有する集光コリメート装置(「装置本体」)の、前記出射側反射ミラーの焦点軸上に、前記棒状モジュール光源が配置された紫外線照射装置も開示されており、該紫外線照射装置自体を光源として使用することもできる。
[0042]
 光源自体を紫外線照射装置とし、光源から出射した紫外線を被照射体(空気)に直接照射する場合には、特許文献10に開示されているようなモジュール光源の石英ガラスパッケージ(光照射用窓となる)が被照射体となる空気と接触するようにして空気を流通させつつ該空気に対して紫外線照射を行えばよい。また、光源と;光ファイバ用コリメータ、レンズ拡散板、拡散レンズ、導光板などから選ばれる1種以上の出射部と;光ファイバ、光導波路、導光板などから選ばれる1種以上の光伝送路からなり、光源から発せられた紫外線を出射部に導く導光部と、を有する光伝送システムを備えた紫外線照射装置を用いてもよい。このような光伝送システムを備えた紫外線照射装置としては、たとえば特許文献11(特開2006-237563号公報)に開示されているような、光透過層(導光部に相当する。)及び発光面(出射部に相当する。)を有する面発光デバイス(導光板)と光源とを備えた紫外線照射装置などを挙げることができる。導光板を用いる場合、光源は、通常導光板の端面に整列配置される。好ましくは、導光板の端面に配置する光源として、上記した特許文献9に開示される、集光コリメート装置と棒状モジュール光源とを備える紫外線照射装置を用いることにより、高い強度でUV照射を行うことができる。
[0043]
 紫外線照射は、空気が流通するダクトや配管の内部で行ってもよく、空気の流路に設けられた紫外線殺菌チャンバーの中で行ってもよい。紫外線照射が行われるダクト、配管、紫外線殺菌チャンバー等の内表面は、紫外線の反射により殺菌効率を高める観点から、紫外線に対する反射率が大きい材料で構成されていることが好ましい。そのような材料を例示すれば、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt等の白金族金属、Al、Ag、Ti、これらの金属の少なくも一種を含む合金、及び酸化マグネシウムを挙げることができる。これらのなかでも反射率が特に高いという理由から、Al、白金族金属又は白金族金属を含む合金、又は酸化マグネシウムを特に好ましく採用できる。なお、上記内表面をこれらの材料で構成する場合には、該材料の表面をさらに二酸化ケイ素やフッ素樹脂等の紫外線透過性の材料で被覆(コーティング)することが好ましい。
[0044]
 UV-LEDは、電源から供給される電力によって点灯(稼働)する。電源としてはリチウムイオン二次電池などの充放電が可能なバッテリー電源を使用することが好ましい。また、紫外線照射装置は、UV-LEDの順方向電流を制御するための、昇圧DC-DCコンバータ又はチャージポンプを用いた発光制御回路を有することが好ましい。
[0045]
 紫外線照射を行うに際しては、UV-LEDの温度上昇を抑え、出力の安定化や耐久性の向上を図るために、紫外線発光ダイオード冷却手段を用いてUV-LEDから発生する熱を放熱し、UV-LEDの作動温度が一定の範囲内となるように制御することが好ましい。上記紫外線発光ダイオード冷却手段としては、UV-LEDから発生する熱を放熱するための放熱用ヒートシンク又は放熱器と、紫外線発光ダイオード冷却用流体流路と、を含み、紫外線発光ダイオード冷却用流体と、放熱用ヒートシンク又は放熱器とを、直接又は間接的に接触させることによってUV-LEDの冷却を行う冷却装置が好適に採用できる。冷却効率の観点から、紫外線発光ダイオード冷却用流体としては、(1)上記冷却用熱交換器(例えばACSの冷却用熱交換器。)で使用する冷却用流体(具体的には、ラムエアーなど。)、(2)上記冷却タービンを用いて冷却された空気(具体的には、第二の新鮮空気から調製された換気用新鮮空気。)、又は(3)工程(A)で抽気した第一の新鮮空気を使用することが好ましい。更に、航空機が移動中(地上における移動中もしくは飛行中)には、上記(1)又は(2)を使用し、航空機が駐機中には(3)を使用することが好ましい。
[0046]
 これら(1)、(2)または(3)を紫外線発光ダイオード冷却用流体流路に流通させるために、該紫外線発光ダイオード冷却用流体流路は、前記冷却用熱交換器で使用される冷却用流体の流路、前記抽気調和系流路、又は第一の新鮮空気から調製された換気用新鮮空気を混合器に導く流路と接続される。より具体的には、紫外線発光ダイオード冷却用流体流路は、これらの流路から分岐された配管又はダクトを介してこれらの流路と接続しており、該配管又はダクトを通じて紫外線発光ダイオード冷却用流体流路に上記(1)、(2)又は(3)の一部が流れ込む。
[0047]
 放熱用ヒートシンク又は放熱器は、通常、UV-LEDを搭載した基板と一体化されており、UV-LEDで発生した熱は基板と放熱用ヒートシンク又は放熱器とを経由して紫外線発光ダイオード冷却用流体に放出される。ここで、センサーによりUV-LEDの温度を検知しながら、紫外線発光ダイオード冷却用流体の温度に応じて該冷却用流体の流量を調節することにより、UV-LEDの温度を一定に保つことができる。
[0048]
 放熱用ヒートシンク又は放熱器とUV-LED搭載基板とを一体化した光源の例としては、たとえば、上記した特許文献9(特開2014-89898号公報)に開示される棒状モジュール光源(冷却媒体用流路の内壁面に溝加工を施した場合の溝加工が放熱フィンに該当する。)や、特許文献10(特開2015-91582号公報)、特許文献12(特開2005-354067号公報)及び特許文献13(特開2009-4688号公報)などに記載されているような、複数のUV-LED(好ましくはDUV-LED)又は複数のパッケージ化されたUV-LED(好ましくはDUV-LED)を搭載した伝熱性基板と、放熱用フィンを有するヒートシンク、又は、ヒートパイプと一体化した放熱用フィンと、を接続した光源など、を挙げることができる。UV-LEDの冷却に際しては、これら放熱用フィンと紫外線発光ダイオード冷却用流体とを直接接触させてもよいし、間接的に接触させてもよい。放熱用フィンと紫外線発光ダイオード冷却用流体とを間接的に接触させる例としては、例えば、ベーパサイクルシステムの冷媒冷却手段として前記紫外線発光ダイオード冷却用流体を用い、ベーパサイクルシステムの冷媒と放熱用ヒートシンク又は放熱器とを接触させる形態を挙げることができる。
[0049]
 工程(F)において紫外線は、前記換気用新鮮空気、前記再循環用空気、前記浄化再循環用空気およびキャビン内に供給される前の前記換気用空気の何れに照射してもよいが、燃料消費削減効果および感染症予防の効果の高さの観点から、前記再循環用空気又は前記浄化再循環用空気に照射することが好ましい。なぜならば、第一の新鮮空気は抽気する前に機外において紫外線殺菌することが可能で、航空機の燃料消費削減の観点からは機外で殺菌することが好ましく、また、第二の新鮮空気は高温を経験しているため再度殺菌する必要性が少ないからである。
[0050]
 また、殺菌効率の観点から、紫外線照射は加圧空間で行うことが好ましい。空気は加圧することによってその体積を大幅に小さくすることができるので、加圧下で紫外線照射を行うことにより、大量の空気全体に短時間で十分な量の紫外線を効率的に照射することができるからである。なお、「加圧下」の具体的な圧力は、キャビン内の気圧よりの高い状態であれば特に限定されないが、加圧に要するエネルギー等を考慮すると、キャビン内圧力の1.2倍~5倍、特に1.5倍~3倍の圧力であることが好ましい。
[0051]
 前記再循環系流路に加圧空間を形成する形態としては、たとえば、再循環系流路が、該流路内に配設された、空気圧送手段としてのコンプレッサーと、該コンプレッサーより下流側に配設された圧力調整流出弁またはタービンと、を有する形態を挙げることができる。タービンを配した場合には、圧力が解放される際のエネルギーを回収し、UV-LEDを発光させるための発電などに利用することもできるので、タービンを用いることがより好ましい。
[0052]
 また、紫外線照射装置のメンテナンスを容易にし、装置の設置場所や殺菌箇所の選定の自由度を確保しやすくする観点からは、紫外線照射装置は、紫外線発光ダイオードを有し、加圧空間の外部に配置された光源と、前記加圧空間内に配置され、光源から発せられた紫外線が導かれる紫外線出射用光学部材と、を有し、前記紫外線発光ダイオードから発せられた紫外線を前記紫外線出射用光学部材から出射することにより、前記加圧空間内を流通する空気に紫外線を照射することが好ましい。紫外線出射用光学部材としては、上記光伝送システムにおける出射部、具体的には、光ファイバ用コリメータ、レンズ拡散板、拡散レンズ、導光板などが使用できる。
[0053]
 以下、図面を参照しつつ、本発明についてさらに説明するが、本発明は図面に記載の形態に限定されるものではない。なお、図では一部の符号を省略することがある。図1に示す本発明の航空機用空気調和システム10では、ゲートバルブ60、63の切り替えにより、第一の新鮮空気71又は第二の新鮮空気70が、各抽気口(図示せず)より機内に抽気される。第一の新鮮空気71を抽気した場合、抽気された第一の新鮮空気(換気用新鮮空気でもある)71は、そのまま混合器50に導かれる。第二の新鮮空気70を抽気した場合には、抽気された第二の新鮮空気70は、抽気調和系流路30を経ることによって換気用新鮮空気とされ、換気用新鮮空気導入口51から混合器50内に導かれる。抽気調和系流路30において、第二の新鮮空気70は、プレッシャーレギュレーター(図示せず)で調圧され、プリクーラー(図示せず)で冷却された後に、ラムエアー73を冷却用流体として用いる冷却用熱交換器31で冷却された後、コンプレッサー33で圧縮され、ラムエアー73を冷却用流体として用いる冷却用熱交換器32で再度冷却され、更に冷却タービン34で断熱膨張させられることにより、温度及び圧力が調節された換気用新鮮空気となる。抽気調和系流路30における上記冷却用熱交換器31での冷却以降の構成は、所謂ACSであり、リヒーター、コンデンサー、及び/又は水分離器(何れも図示せず)を含んでいてもよい。また、ACSに入る前の第二の新鮮空気70は分岐され、温度調節バルブ61によって、混合器内の空気を暖めるための温度調節用空気として、必要に応じて混合器50に供給される。また、冷却タービン34を通過することによって温度および圧力が調節された第二の新鮮空気(すなわち、換気用新鮮空気74)は、分岐され、紫外線発光ダイオード冷却用流体として使用される。紫外線光源45におけるUV-LED451の温度を制御するために、紫外線発光ダイオード冷却用流体として紫外線光源45に流入する換気用新鮮空気74の流量は、温度調節バルブ62によって制御される。
[0054]
 一方、キャビン内空気72は、送風手段である電動コンプレッサー42により、キャビン20の各ゾーン23に設けられたキャビン空気排気口22から排気され、再循環用空気として再循環系流路40を経て浄化再循環用空気導入口52より混合器50内に導入される。また、キャビン空気72の一部は、換気のため圧力制御バルブ24を経て機外に排出される。各ゾーン23から排気された再循環用空気は、再循環系流路40において集められ、電動コンプレッサー42の上流に設置されたフィルター装置41を通過することにより汚染物質が低減又は除去され、浄化再循環用空気となる。電動コンプレッサー42の下流側にはタービン44が設置され、電動コンプレッサー42とタービン44との間に加圧空間が形成されている。電動コンプレッサー42によって昇圧された浄化再循環用空気は、タービン44によって除圧され、混合器50に送られる。上記加圧空間内には、紫外線殺菌チャンバー43が設けられており、該チャンバー内において紫外線光源45から出射された紫外線が浄化再循環用空気に照射され、殺菌が行われる。
[0055]
 混合器50では、換気用新鮮空気、紫外線殺菌された浄化再循環用空気、および必要に応じてACSに入る前の第二新鮮空気が混合され、所定の温度および所定の圧力に調節された換気用空気が調製される。得られた換気用空気は換気用空気排出口53から排出され、ダクトを通じて分岐され、キャビン内の各ゾーン23に設けられた換気用空気供給口21からキャビン20内に供給される。
[0056]
 図2に示す発明の航空機用空気調和システム10’は、抽気調和系流路30における送風手段として電動コンプレッサー42とタービン44に代えてファン46を用い、キャビンのゾーンごとにフィルター装置41による浄化と紫外線殺菌を行うように、図1の航空機用空気調和システム10を改変した例である。航空機用空気調和システム10’は、キャビン20のゾーン23、23、…のそれぞれに対応して、フィルター装置41、41、…及び紫外線殺菌チャンバー43、43、…を有している。また、このシステム10’では、紫外線光源45のUV-LEDを冷却するための紫外線発光ダイオード冷却用流体として、冷却用熱交換器31および32の冷却用流体であるラムエアー73を使用している。紫外線発光ダイオード冷却用流体として紫外線光源45、45、…に流入するラムエアー73の流量は、紫外線光源45におけるUV-LED451の温度を制御するために、温度調節バルブ64によって制御される。
[0057]
 図3および図4に、本発明の航空機用空気調和システムで使用できる紫外線殺菌チャンバー43a及び紫外線光源45aの模式図を示す。これらは、加圧下および常圧下(大気圧下又は微負圧下)の何れでも使用可能である。図3及び図4において、導光板454がチャンバー43aの内部に配置され、UV-LED(好ましくはDUV-LED)451を有する紫外線光源45aがチャンバー43aの外部に配置されている。紫外線光源45aにおいては、必要に応じてパッケージ化されていてもよい複数のUV-LED(DUV-LED)451、451、…が、基板452上に1列に配列搭載されるとともに、紫外線透過性材料(例えばサファイアや石英等。)からなる蓋455で封止されている。基板452は放熱用フィン453を有するヒートシンクと一体化されている。放熱用フィン453は、紫外線発光ダイオード冷却用流体流路456内に露出しており、該流路456内を流通する紫外線発光ダイオード冷却用流体(図3では換気用新鮮空気74)に、UV-LED(DUV-LED)451で発生した熱を放熱する。紫外線光源45aの紫外線出射面は、導光板454の上流側端面454aに密着するように配置されている。導光板454の一方の主面(発光面)457には、光偏光素子457a、457a、…が設けられており、出射部として作用する。UV-LED(DUV-LED)451から出射された紫外線は上記端面454aから導光板454に入射し、導光板の光透過層(導光部458)を通って該発光面457から出射し、チャンバー43a内を流通する浄化再循環用空気75に照射される。
[0058]
 図5に、本発明の航空機用空気調和システムで使用できる他の紫外線殺菌チャンバー43bの模式図を示す。該紫外線殺菌チャンバー43bは金属製配管80をチャンバーとして利用したものであり、内部が加圧空間84となっている。金属製配管80の内部には紫外線出射部としての導光板454が配置されている。該導光板454は、その側面において、配管80に設けられた穴80aに固定された耐圧コネクタ83から配管内に延びた光ファイバと光学的に接続されている。耐圧コネクタ83から配管外に延びた光ファイバは、カップラー82において導光部の光ファイバ81の光出射ポートと光学的に接続されている。光ファイバ81は、もう一方の端部に存在する光入射ポート(図示せず)まで延びており、光源(図示せず)から出射された紫外線は該光入射ポートから取り入れられて光ファイバ81内を伝播し、光出射ポート及び耐圧コネクタ83を経由して導光板454から拡散光として出射される。導光板454から出射された紫外線が、紫外線反射性材料で構成される配管80の内壁面で反射を繰り返しながら進行し、配管80の内部を流通する浄化再循環用空気75に照射されることにより、殺菌が行われる。
[0059]
 図6に、本発明の航空機用空気調和システムで使用できる更に他の紫外線殺菌チャンバー43c及び紫外線光源45cの模式図を示した。該紫外線殺菌チャンバー43cは、横長(浄化再循環用空気の流れる方向を長手方向とする)平箱状のチャンバー内において紫外線光源45cから出射された紫外線を浄化再循環用空気75に直接照射する構造となっている。紫外線光源45cは、チャンバーの上面とほぼ同一形状を有する矩形の基板452と、基板452aの表面に縦横夫々複数列に配列搭載された、(必要に応じてパッケージ化されていてもよい)複数のUV-LED(DUV-LED)451と、紫外線透過性材料(例えばサファイアや石英等。)からなり、UV-LED451を封止する蓋455と、を有する。基板452は放熱用フィン453を有するヒートシンクと一体化されている。放熱用フィン453は、紫外線発光ダイオード冷却用流体流路456内に露出しており、該流路456内を流通する紫外線発光ダイオード冷却用流体(図3では、換気用新鮮空気74。)によって、UV-LED(DUV-LED)451で発生した熱を放熱する。なお、紫外線殺菌チャンバー43cは、チャンバー内に紫外線光源45cそのものが配置されるため、常圧で使用することが好ましい。
[0060]
 最後に、図7に、本発明の航空機用空気調和システムで使用できる更に他の紫外線光源45dの模式図を示した。該紫外線光源45dは、特許文献9(特開2014-89898号公報)に開示されている紫外線殺菌装置100と同じものである。該紫外線光源45d(紫外線殺菌装置100)は、内面が長楕円反射ミラーからなる出射側反射ミラー120となっている出射側筐体125と、内面が長楕円反射ミラーからなる集光側反射ミラー123となっていると共に紫外線出射用開口部130が形成されている集光側筐体126と、紫外線出射用開口部130に配置されたコリメート光学系140とからなる本体(集光コリメート装置)150と;円筒状基体111、及び、円筒状基体111の側面に配置された複数のDUV-LED112を有し、該複数のDUV-LED112は、紫外線が基体111の中心軸114に対して放射状に出射されるように、各DUV-LED112の光軸115が前記基体111の中心軸114を通るように配置されている、棒状の紫外線発光モジュール110と、を有する。そして、前記出射側反射ミラーの焦点軸121上に前記紫外線発光モジュール110が配置され、該出射側反射ミラーの集光軸122(集光側反射ミラーの焦点軸124でもある)の近傍に紫外線出射用開口部130が設けられている。
[0061]
 さらに、前記円筒状基体111の内部には冷却媒体用流路113が形成されている。また、DUV-LED112が搭載された円筒状基体111は、紫外線透過性材料(例えば石英等。)から形成されるカバー116で覆われている。該カバー116は封止剤やパッキン、o-リング等のシール部材117を用いて気密又は水密に円筒状基体に装着され、その内部には窒素などの不活性ガス、乾燥空気などのガスが封入されている。上記円筒状基体111は、紫外線発光素子112を固定・保持するための支持体として機能するほか、ヒートシンクとしての機能も有する。すなわち、基体111の内部の冷却媒体用流路113に冷却媒体118(例えば換気用新鮮空気74、ラムエアー73等。)を流通することにより、紫外線発光素子から発せられる熱を放熱して、熱による紫外線発光素子の温度上昇を防止できるので、素子を安定に作動させること、及び、素子寿命を長くすることが可能である。
[0062]
 上記紫外線光源45dは、出光方向に向けて配置されたDUV-LEDから出射される光だけでなく、出光方向以外の方向に向けて配置されたDUV-LEDから出射される光も合わせて集光するので、高強度化された紫外線を帯状の並進光として出射することが可能となっている。したがって、導光板と組み合わせて使用する光源として好ましい。

符号の説明

[0063]
10、10´・・・航空機用空気調和システム
20・・・キャビン
21・・・換気用空気供給口
22・・・キャビン空気排気口
23・・・ゾーン
24・・・圧力制御バルブ
30・・・抽気調和系流路
31、32・・・冷却用熱交換器
33・・・コンプレッサー
34・・・冷却タービン
40・・・再循環系流路
41・・・フィルター装置
42・・・電動コンプレッサー
43、43a、43b、43c・・・紫外線殺菌チャンバー
44・・・タービン
45、45a、45c、45d・・・紫外線光源
451・・・UV-LED(又はDUV-LED)
452・・・基板
453・・・放熱用フィン
454・・・導光板
455・・・紫外線透過性材料からなる蓋
456・・・紫外線発光ダイオード冷却用流体流路
457・・・出射部
458・・・導光部
46・・・ファン
50・・・混合器
51・・・換気用新鮮空気導入口
52・・・浄化再循環用空気導入口
53・・・換気用空気排出口
60・・・ゲートバルブ
61・・・温度調節バルブ
62・・・流量調節バルブ
63・・・ゲートバルブ
64・・・温度調節バルブ
70・・・第二の新鮮空気
71・・・第一の新鮮空気
72・・・キャビン内空気
73・・・ラムエアー
74・・・紫外線発光ダイオード冷却用流体
75・・・浄化再循環用空気
80・・・配管
81・・・光ファイバ
82・・・カップラー
83・・・耐圧コネクタ
84・・・加圧空間
100・・紫外線殺菌装置
110・・紫外線発光モジュール
111・・円筒状基体
112・・深紫外線発光素子(DUV-LED)
113・・冷却媒体用流路
114・・円筒状基体の中心軸
115・・深紫外線発光素子の光軸
116・・カバー
117・・シール部材
118・・冷却媒体
120・・長楕円反射ミラーからなる出射側反射ミラー
121・・出射側反射ミラーの焦点軸
122・・出射側反射ミラーの集光軸
123・・長楕円反射ミラーらなる集光側反射ミラー
124・・集光側反射ミラーの焦点軸
125・・出射側筐体
126・・集光側筐体
130・・紫外線出射用開口部
140・・コリメート光学系
150・・本体

請求の範囲

[請求項1]
 (A)所定の圧力及び所定の温度を有する第一の新鮮空気を抽気すること、又は、
 所定の圧力及び/又は所定の温度を有しない第二の新鮮空気を抽気し、抽気した第二の新鮮空気の圧力及び温度を所定の圧力及び所定の温度に調節することにより、
 圧力及び温度が調節された換気用新鮮空気を得る、換気用新鮮空気調製工程、
 (B)キャビン内に存在する空気をキャビン外に排気する排気工程、
 (C)前記排気工程で排気された空気の一部を再循環用空気とし、フィルター及び/又は吸着材により該再循環用空気に含まれる汚染物質を除去又は低減して浄化再循環用空気を得る、浄化再循環用空気調製工程、
 (D)前記換気用新鮮空気と前記浄化再循環用空気とを混合して換気用空気を得る、換気用空気調製工程、および
 (E)前記換気用空気調製工程で得られた換気用空気を前記キャビン内に供給する、換気用空気供給工程
を含んでなる航空機用空気調和方法において、
 (F)紫外線発光ダイオードから出射される紫外線を、前記換気用新鮮空気、前記再循環用空気、前記浄化再循環用空気、および前記キャビン内に供給される前の前記換気用空気よりなる群より選ばれる少なくとも1種に照射する、紫外線照射工程を更に含んでなる
ことを特徴とする航空機用空気調和方法。
[請求項2]
 前記(A)換気用新鮮空気調製工程は、冷却タービン及び/又は冷却用熱交換器を用いて前記第二の新鮮空気の温度を調節する工程を含み、
 前記(F)紫外線照射工程において、
(1)前記冷却用熱交換器で使用する冷却用流体、
(2)前記冷却タービンを用いて冷却された空気、又は
(3)前記工程(A)で抽気した第一の新鮮空気、
によって前記紫外線発光ダイオードの温度制御を行うことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
[請求項3]
 前記キャビンが複数のゾーンに分けられており、該複数のゾーンのそれぞれについて、
 (B)排気工程、(F)前記紫外線を前記再循環用空気に照射する紫外線照射工程および(E)換気用空気供給工程
又は
 (B)排気工程、(C)浄化再循環用空気調製工程、(F)前記紫外線を前記浄化再循環用空気に照射する紫外線照射工程および(E)換気用空気供給工程
を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
[請求項4]
 前記(F)紫外線照射工程を、キャビン内の気圧よりも高い気圧下で行うことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の方法。
[請求項5]
 キャビン内に換気用空気を供給する換気用空気供給口と、
 キャビン内の空気を排出するキャビン空気排気口と、
 所定の圧力及び/又は所定の温度を有しない新鮮空気を抽気するための抽気口と、
 空気圧送手段及びフィルター装置を流路内に含み、前記キャビン空気排気口から排出された空気の一部を前記フィルター装置により浄化して浄化再循環用空気を得る再循環系流路と、
 コンプレッサー、冷却タービン及び冷却用熱交換器よりなる群より選ばれる少なくとも1種を有する空気調和装置を流路内に含み、前記抽気口から抽気された新鮮空気の圧力及び温度を調節して換気用新鮮空気を得る抽気調和系流路と、
 前記再循環系流路と接続する浄化再循環用空気導入口と、前記抽気調和系流路と接続する換気用新鮮空気導入口と、前記換気用空気供給口と接続する換気用空気排出口とを有し、その内部で前記浄化再循環用空気と前記換気用新鮮空気とを混合して換気用空気を得る混合容器と、
を含んでなる航空機用空気調和システムにおいて、
 紫外線発光ダイオードを有する紫外線照射装置であって、前記紫外線発光ダイオードから出射される紫外線を、前記再循環系流路内を流通する空気に照射する紫外線照射装置を更に含むことを特徴とする航空機用空気調和システム。
[請求項6]
 前記紫外線発光ダイオードから発生する熱を放熱する放熱用ヒートシンク又は放熱器と、紫外線発光ダイオード冷却用流体流路と、を含む紫外線発光ダイオード冷却手段を有し、
 前記紫外線発光ダイオード冷却用流体流路は、前記冷却用熱交換器で使用される冷却用流体の流路又は前記抽気調和系流路と接続し、且つ、前記冷却用熱交換器で使用される冷却用流体の一部又は前記換気用新鮮空気の一部からなる紫外線発光ダイオード冷却用流体が流通し、
 前記紫外線発光ダイオード冷却手段は、前記紫外線発光ダイオード冷却用流体と、放熱用ヒートシンク又は放熱器とを、直接又は間接的に接触させることによって前記紫外線発光ダイオードの冷却を行うことを特徴とする、請求項5に記載の航空機用空気調和システム。
[請求項7]
 前記再循環系流路は、
前記空気圧送手段としてのコンプレッサー、
該コンプレッサーより下流側に配置される圧力調整流出弁またはタービン、及び、
前記コンプレッサーと前記圧力調整流出弁またはタービンとの間に形成される加圧空間
を有し、
 前記紫外線発光ダイオードから出射される紫外線を、前記加圧空間内を流通する空気に照射することを特徴とする、請求項5又は6に記載の航空機用空気調和システム。
[請求項8]
 前記紫外線照射装置が、
紫外線発光ダイオードを有し、前記加圧空間の外部に配置された光源と、
前記加圧空間内に配置された紫外線出射用光学部材と、
を有し、
 前記紫外線発光ダイオードから発せられた紫外線を前記紫外線出射用光学部材から出射することにより、前記加圧空間内を流通する空気に紫外線を照射することを特徴とする、請求項7に記載の航空機用空気調和システム。
[請求項9]
 請求項5乃至8の何れかに記載の航空機用空気調和システムを有する航空機。

補正された請求の範囲(条約第19条)
[ 2017年1月11日 ( 11.01.2017 )  国際事務局受理 ]

[1]
[補正後] (A)所定の圧力及び所定の温度を有する第一の新鮮空気を抽気すること、又は、
 所定の圧力及び/又は所定の温度を有しない第二の新鮮空気を抽気し、抽気した第二の新鮮空気の圧力及び温度を所定の圧力及び所定の温度に調節することにより、
 圧力及び温度が調節された換気用新鮮空気を得る、換気用新鮮空気調製工程、
 (B)キャビン内に存在する空気をキャビン外に排気する排気工程、
 (C)前記排気工程で排気された空気の一部を再循環用空気とし、フィルター及び/又は吸着材により該再循環用空気に含まれる汚染物質を除去又は低減して浄化再循環用空気を得る、浄化再循環用空気調製工程、
 (D)前記換気用新鮮空気と前記浄化再循環用空気とを混合して換気用空気を得る、換気用空気調製工程、および
 (E)前記換気用空気調製工程で得られた換気用空気を前記キャビン内に供給する、換気用空気供給工程
を含んでなる航空機用空気調和方法において、
 (F)紫外線発光ダイオードから出射される紫外線を、前記換気用新鮮空気、前記再循環用空気、前記浄化再循環用空気、および前記キャビン内に供給される前の前記換気用空気よりなる群より選ばれる少なくとも1種に照射する、紫外線照射工程を更に含んでなり、
 前記(F)紫外線照射工程を、キャビン内の気圧よりも高い気圧下で行うことを特徴とする航空機用空気調和方法。
[2]
 前記(A)換気用新鮮空気調製工程は、冷却タービン及び/又は冷却用熱交換器を用いて前記第二の新鮮空気の温度を調節する工程を含み、
 前記(F)紫外線照射工程において、
(1)前記冷却用熱交換器で使用する冷却用流体、
(2)前記冷却タービンを用いて冷却された空気、又は
(3)前記工程(A)で抽気した第一の新鮮空気、
によって前記紫外線発光ダイオードの温度制御を行うことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
[3]
 前記キャビンが複数のゾーンに分けられており、該複数のゾーンのそれぞれについて、
 (B)排気工程、(F)前記紫外線を前記再循環用空気に照射する紫外線照射工程および(E)換気用空気供給工程
又は
 (B)排気工程、(C)浄化再循環用空気調製工程、(F)前記紫外線を前記浄化再循環用空気に照射する紫外線照射工程および(E)換気用空気供給工程
を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
[4]
[削除]
[5]
[補正後] キャビン内に換気用空気を供給する換気用空気供給口と、
 キャビン内の空気を排出するキャビン空気排気口と、
 所定の圧力及び/又は所定の温度を有しない新鮮空気を抽気するための抽気口と、
 空気圧送手段及びフィルター装置を流路内に含み、前記キャビン空気排気口から排出された空気の一部を前記フィルター装置により浄化して浄化再循環用空気を得る再循環系流路と、
 コンプレッサー、冷却タービン及び冷却用熱交換器よりなる群より選ばれる少なくとも1種を有する空気調和装置を流路内に含み、前記抽気口から抽気された新鮮空気の圧力及び温度を調節して換気用新鮮空気を得る抽気調和系流路と、
 前記再循環系流路と接続する浄化再循環用空気導入口と、前記抽気調和系流路と接続する換気用新鮮空気導入口と、前記換気用空気供給口と接続する換気用空気排出口とを有し、その内部で前記浄化再循環用空気と前記換気用新鮮空気とを混合して換気用空気を得る混合容器と、
を含んでなる航空機用空気調和システムにおいて、
 紫外線発光ダイオードを有する紫外線照射装置であって、前記紫外線発光ダイオードから出射される紫外線を、前記再循環系流路内を流通する空気に照射する紫外線照射装置を更に含み、
 前記再循環系流路は、
前記空気圧送手段としてのコンプレッサー、
該コンプレッサーより下流側に配置される圧力調整流出弁またはタービン、及び、
前記コンプレッサーと前記圧力調整流出弁またはタービンとの間に形成される加圧空間
を有し、
 前記紫外線発光ダイオードから出射される紫外線を、前記加圧空間内を流通する空気に照射することを特徴とする航空機用空気調和システム。
[6]
 前記紫外線発光ダイオードから発生する熱を放熱する放熱用ヒートシンク又は放熱器と、紫外線発光ダイオード冷却用流体流路と、を含む紫外線発光ダイオード冷却手段を有し、
 前記紫外線発光ダイオード冷却用流体流路は、前記冷却用熱交換器で使用される冷却用流体の流路又は前記抽気調和系流路と接続し、且つ、前記冷却用熱交換器で使用される冷却用流体の一部又は前記換気用新鮮空気の一部からなる紫外線発光ダイオード冷却用流体が流通し、
 前記紫外線発光ダイオード冷却手段は、前記紫外線発光ダイオード冷却用流体と、放熱用ヒートシンク又は放熱器とを、直接又は間接的に接触させることによって前記紫外線発光ダイオードの冷却を行うことを特徴とする、請求項5に記載の航空機用空気調和システム。
[7]
[削除]
[8]
[補正後] 前記紫外線照射装置が、
紫外線発光ダイオードを有し、前記加圧空間の外部に配置された光源と、
前記加圧空間内に配置された紫外線出射用光学部材と、
を有し、
 前記紫外線発光ダイオードから発せられた紫外線を前記紫外線出射用光学部材から出射することにより、前記加圧空間内を流通する空気に紫外線を照射することを特徴とする、請求項5又は6に記載の航空機用空気調和システム。
[9]
[補正後] 請求項5、6、又は8に記載の航空機用空気調和システムを有する航空機。

条約第19条(1)に基づく説明書
<補正の概要>
(1)請求項1に、国際出願時の請求項4に記載の事項を組み入れる 補正を行った。当該補正は、国際出願時における請求項4に記載された事項を根拠とする。
(2)請求項4を 削除した。
(3)請求項5に、国際出願時の請求項7に記載の事項を組み入れる 補正を行った。当該補正は、国際出願時における請求項7に記載された事項を根拠とする。
(4)請求項7を 削除した。
(5)請求項8の引用先請求項を、「請求項5又は6」に 補正した。当該補正は、国際出願時における請求項7及び8に記載された事項を根拠とする。
(6)請求項9の引用先請求項を、「請求項5、6、又は8」に 補正した。当該補正は、国際出願時における請求項9に記載された事項を根拠とする。


図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]