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1. (WO2016175083) WIRE WINDING DEVICE
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明 細 書

発明の名称 線材巻き取り装置

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005   0006   0007   0008   0009   0010   0011   0012   0013  

先行技術文献

特許文献

0014  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0015  

課題を解決するための手段

0016   0017   0018   0019   0020   0021  

発明の効果

0022  

図面の簡単な説明

0023  

発明を実施するための形態

0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052  

産業上の利用可能性

0053  

符号の説明

0054  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6  

図面

1   2   3   4  

明 細 書

発明の名称 : 線材巻き取り装置

技術分野

[0001]
 本発明は、両端にフランジを有する円筒形のボビンに線材を巻き取る線材巻き取り装置に関する。

背景技術

[0002]
 従来から、両端にフランジを有する円筒形のボビンに線材を巻き取る線材巻き取り装置が使用されている。線材巻き取り装置では、線材を整列させて1層ずつ巻き取る。ある1層の巻き取りが完了したらその上にさらに次の層の線材を巻き取る。それを繰り返して、線材を多層に積層して巻き取る。
[0003]
 線材を巻き取る際、線材の巻き取り位置を正確に決めるため、線材をガイドプーリの溝に沿って走行させる。線材巻き取り装置においては、ボビンの回転軸が水平の場合が多い。そのため以後の記載は、ボビンの回転軸が水平であるとして行なう。ボビンの回転軸が垂直である場合は、「水平」を「垂直」と、また「左右」を「上下」と読み換える。ボビンの回転軸が水平の場合、線材を巻き取りながら、ボビンを左または右に連続的に移動させる。ボビンが左右に移動しないで、ガイドプーリと線材が左右に移動するタイプの線材巻き取り装置もある。ボビンが1回転したときのボビンの移動ピッチは、線材を重ならないよう巻き取るため、通常、線材の直径より大きくする。
[0004]
 例えば、ある1層を巻き取るときは、ボビンを右方向に移動させながら、右端のフランジから左端のフランジまで線材を巻き取る。この層の巻き取りが終わったらボビンの移動方向を左方向に反転させ、左端のフランジから右端のフランジまで次の層を巻き取る。線材は先に巻き取られた層の上に整列状態で積層される。さらにこの層の巻き取りが終わったらボビンの移動方向を再び右方向に反転させ、右端のフランジから左端のフランジまで線材を巻き取る。
[0005]
 ボビンまたは線材を往復移動させる装置を「トラバーサ」、ボビンまたは線材の往復移動距離を「トラバース幅」、ボビンまたは線材の移動方向を反転させることを「トラバーサの反転」という。
[0006]
 ボビンは通常プラスチックあるいは金属で作られている。ボビンは種類が多く、寸法が様々であるため、それぞれのボビンに合わせてトラバース幅を決定する必要がある。
[0007]
 トラバーサの反転位置を固定したまま、線材をボビンに巻き取ると、フランジ付近で巻き取り量が過剰になったり(「巻き太り」という)、逆に過少になったり(「巻き細り」という)することがある。巻き太りや巻き細りが生じると、線材の各層が平坦でなくなる。積層された線材の各層が平坦でないことを「線材の巻き状態が崩れている」という。
[0008]
 線材の巻き状態が崩れている場合、線材の巻き取り半径にばらつきが生じ、線材を正確に送り出すことができなくなる。このような場合、後工程で線材を使用する上で支障をきたすため、線材の巻き状態は各層が平坦であることが求められる。
[0009]
 従来は各層が平坦になるように線材を巻き取るため、作業者が目視で巻き状態を監視して適宜トラバーサの反転位置を修正したり、センサ等によりフランジ位置を検知してトラバーサの反転位置を修正したりすることが行なわれてきた。
[0010]
 特許文献1(特開平5-8934)では、光センサがフランジを検知したとき、トラバーサを反転させるようにしている。この技術によればフランジ位置のばらつきやボビンの取り付け誤差に影響されず、フランジ近くまで線材を巻き取ることができる。しかしフランジの検知からトラバーサ反転までのタイムラグが無視できず、そのタイムラグのばらつきによりフランジ付近では巻き取り半径が大きくなる(巻き太りする)おそれがある。また、巻き取り中に生じた巻き太りや巻き細りに対して修正が必要になる。
[0011]
 特許文献2(特開平7-33326)では、光センサが巻取りボビンのフランジを検知し、所定の時間後にトラバーサを反転させるように制御している。この技術によればボビン胴体部の長さに影響されず線材を巻き取ることができる。しかし、トラバーサの定速移動では、巻取り半径の変動により線材の巻取りピッチが一定で巻き取ることはできない。また、線材の巻取りピッチを一定にしようとすると、トラバーサの移動速度を線材の巻取り半径や送り速度により変更しなければならない。さらに、トラバーサの移動速度の変更と同時に、光センサが巻取りボビンのフランジを検知し、トラバーサの反転までの時間を計算しなければ線材を平坦に巻き取ることはできない。
[0012]
 特許文献3(特開平6-115810)では、ボビンの中央部の巻き取り外径とフランジ近くの巻き取り外径の差を求め、その差に応じてトラバーサの反転位置を修正する。この方法によれば、ボビン寸法やボビン外形に関係なくトラバーサの反転位置を決定することができる。
[0013]
 この方法では、トラバーサプーリの摩耗やボビンの回転速度の変動による影響が考慮されていない。固定砥粒方式のソーワイヤにおいては、トラバーサプーリの溝の摩耗の影響が大きく、トラバーサの反転位置の計算の精度を上げることが難しい。またセンサがフランジを検出したときの1箇所のみで巻き取り外径を計算しているため、そのほかの場所で巻き取り外径の異常があっても検出できない。

先行技術文献

特許文献

[0014]
特許文献1 : 特開平5-8934号公報
特許文献2 : 特開平7-33326号公報
特許文献3 : 特開平6-115810号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0015]
 本発明の目的は、使用するボビンの寸法に影響されることなく、さらに線材の送り速度の変化やボビンの回転速度の変化にも影響されることなく、自動的に各層が平坦に巻き取られる線材巻き取り装置を提供することである。

課題を解決するための手段

[0016]
 (1)本発明の線材巻き取り装置は、両端にフランジを有する円筒形のボビンに線材を巻き取る線材巻き取り装置である。本発明の線材巻き取り装置は次のものを備える。
・ボビンを回転させる回転手段
・線材のボビンへの進入位置またはボビンを、ボビンの回転軸に平行に移動させるトラバーサ
・線材の巻取り半径を測定する距離センサ
・距離センサにより測定された巻取り半径の値を記憶する記憶装置
・記憶装置に記憶された巻取り半径の値に基づいて、線材の進入位置またはボビンのトラバーサの反転位置を計算する制御手段
距離センサは、線材のボビンへの進入位置とフランジとの間の位置にある。
「線材のボビンへの進入位置」とは、線材がボビンに巻き取られる際に、線材がボビンあるいは既にボビンに巻かれている線材と接する位置である。
[0017]
 (2)本発明の線材巻き取り装置においては、フランジが線材の進入位置に近付くとき、フランジが線材の進入位置に到達するより前に、距離センサによりフランジが検知される。
[0018]
 (3)本発明の線材巻き取り装置においては、距離センサがフランジを検知した時点の巻き取り半径の値に基づいてトラバーサの反転位置を設定する。
[0019]
 (4)本発明の線材巻き取り装置においては、巻き取り順に記憶装置に記憶された3箇所以上の巻き取り半径に基づいてトラバーサの反転位置が設定される。
[0020]
 (5)本発明の線材巻き取り装置においては、ボビンあるいは線材のトラバーサの反転毎にトラバーサの反転位置を修正する。
[0021]
 (6)本発明の線材巻き取り装置において、線材は砥粒が表面に固着された線材である。

発明の効果

[0022]
 本発明によれば、使用するボビンの寸法が異なっていても自動的に線材の各層の巻き取り状態を平坦に保持することができる。また巻き取り中にガイドプーリの摩耗やボビンの回転速度の変化などにより線材の送り速度が変化しても、巻き取り半径の測定には影響しないため、巻き状態の崩れが生じない。

図面の簡単な説明

[0023]
[図1] 本発明の線材巻き取り装置の主要部構成図
[図2] 本発明の線材巻き取り装置におけるトラバース幅制御の説明図(巻き取りが平坦なとき)
[図3] 本発明の線材巻き取り装置におけるトラバース幅制御の説明図(巻き太りのとき)
[図4] 本発明の線材巻き取り装置におけるトラバース幅制御の説明図(巻き細りのとき)

発明を実施するための形態

[0024]
 本発明は、両端にフランジを有する円筒形のボビンに、線材を巻き取る線材巻き取り装置であり、特にトラバーサの反転位置の制御に特徴がある。線材として、金属線、ワイヤーロープ(金属撚り線)、電線、光ファイバー、金属パイプ、樹脂線、樹脂パイプ、糸、綱などが挙げられる。しかし線材がこれらに限定されることはない。
[0025]
 線材が、ワイヤーソーで使用される、表面に砥粒が固着された直径100μm程度のソーワイヤの場合、隣り合う線材の砥粒が引掛るため線材同士の滑りが無く、トラバーサの反転を精度良く実施しないと線材を平坦に巻き取ることができない。また、ソーワイヤは表面に砥粒が固着しており、ガイドプーリの摩耗が早く、ガイドプーリの溝形状の変動が大きい。そのためガイドプーリの回転数から線速や巻取り距離を求め、さらにそれを基に巻き取り半径を正確に計算することは困難である。本発明はソーワイヤのような巻き取りの難しい線材に特に適している。
[0026]
 図1に本発明の線材巻き取り装置の一例を示す。線材巻き取り装置10は、ボビン11をその回転軸13の周りに回転させる回転手段12と、ボビン11をその回転軸13と平行方向に移動させるトラバーサ14を備えている。ボビン11は線材巻き取り装置10に着脱自在に取り付けられる。ボビン11の寸法は、例えば、線材17の巻き取り部が直径100mm、フランジ21が直径150mm、巻き取り部の長さが200mmである。しかしボビン11の寸法がこれに限られるわけではない。なお図1の中の破線は信号線を示す。線材17は図示しない線材送り出し装置から張力一定で送り出される。
[0027]
 ボビン11の回転手段12としては、例えば、電動モータが挙げられる。ボビン11を回転させる電動モータには、回転角度を検出するエンコーダ24が付属していて、電動モータの回転速度が精密に制御できることが望ましい。
[0028]
 ボビン11のトラバーサ14としては、例えば、ボビン11と、ボビン11の回転手段12をボビン支持台30で支持し、ボビン支持台30をボビン11の回転軸13に平行に往復させる往復移動手段15が挙げられる。往復移動手段15は、ボビン11を回転自在に支持するボビン支持台30と、ボビン支持台30を支えるベース体31に固定されるパルスモータ16と、パルスモータ16に連結されるボールネジ25と、ボールネジ25に螺合しボビン支持台30に固定されるナット(不図示)と、を含んで構成される。パルスモータ16でボールネジ25を回転させてボビン支持台30を往復移動させることで、ボビン11が往復移動する。パルスモータ16の代わりにサーボモータを使用することもできる。パルスモータ16とボールネジ25の組み合わせの代わりに、リニアパルスモータあるいはリニアサーボモータを使用することもできる。しかしボビン11のトラバーサ14がこれらの往復移動手段に限られるわけではない。
[0029]
 線材17をボビン11に巻き取る際、線材17の進入位置を正確に設定するため、線材17はガイドプーリ18の溝に案内されて走行する。図1の線材巻き取り装置10ではボビン11が左右に平行移動するが、ボビン11の代わりにガイドプーリ18および線材17が左右に平行移動してもよい。
[0030]
 本発明の線材巻き取り装置10は距離センサ20を備えている。距離センサ20は、ボビン11のフランジ21の外周を基準(ゼロ点)として、ゼロ点から巻き取られた線材17の表面の層19までの距離lを測定する。本明細書での「巻き取り半径r」は、ボビン11のフランジ21の外周径Lから、巻き取られた線材17の表面の層19までの距離lを引いた値により求められる。
[0031]
 距離センサ20は、線材17を挟んで、左右に1個ずつあることが望ましい。図面に向かって左側の距離センサ20(L)は、左側のフランジ21が線材17の進入位置に近付いたときにトラバーサの反転の制御に用いられる。右側の距離センサ20(R)は、右側のフランジ21が線材17の進入位置に近付いたときにトラバーサの反転の制御に用いられる。線材17の進入位置と左側の距離センサ20(L)との距離LOを左側オフセット量、線材17の進入位置と右側の距離センサ20(R)との距離ROを右側オフセット量という。左側オフセット量および右側オフセット量は、トラバーサの移動速度や距離センサ20(R)、20(L)の反応速度などを考慮して、適切な値に設定される。距離センサ20(L)あるいは距離センサ20(R)がフランジ21を検知してから、トラバーサの反転を開始されるまでに、トラバーサの慣性があるため、ある程度の時間が必要である。そのため、左側オフセット量および右側オフセット量が小さ過ぎると、トラバーサの反転が間に合わないおそれがある。
[0032]
 距離センサ20は、線材17の巻き取り半径rをボビン11の回転軸13方向の複数の箇所で順次測定する。巻き取り半径rの測定間隔は自由に設定できるが、ボビン11の1回転ごと(ボビン11のトラバーサが1ピッチ進むごと)に巻き取り半径rを測定することが望ましい。
[0033]
 距離センサ20として、例えば、レーザ式変位センサあるいは超音波式近接センサが挙げられる。しかし距離センサ20がこれらに限られるわけではない。
[0034]
 距離センサ20は線材17の進入位置とフランジ21の間の位置に備えられることが望ましい。この理由は、フランジ21が線材17の進入位置に達する前に距離センサ20がフランジ21を検知することが、トラバーサの制御に望ましいためである。距離センサ20が測定した巻き取り半径rの値が、フランジ21の半径の値から所定の値を差し引いた閾値を超えたとき、距離センサ20がフランジ21を検知したと判定する。
[0035]
 距離センサ20は、例えばボビン11のトラバーサが1ピッチ進むごとに巻き取り半径rを測定しているため、巻き取り半径rの値が次々と得られる。巻き取り半径rの値は記憶装置22に記憶される。トラバーサの制御方法は、最低3箇所の巻き取り半径rの値があれば可能である。さらに、精度を高めるため、16箇所の巻き取り半径rの値を用いた例を説明する。例えば、巻き取り順に最新の16箇所の巻き取り半径rの値を記憶装置22に記憶させておく。距離センサ20がフランジ21を検知したとき、記憶されていた最新の巻き取り半径rの値(フランジ21に最も近い位置を除く15箇所の巻き取り半径r1~r15)を後述するトラバーサの制御に用いる。
[0036]
 また、フランジ21の検知については、フランジ21の半径より小さな所定の値を閾値とし、距離センサ20が測定した値がその閾値を超えた箇所をフランジ21と認識するようにする。
[0037]
 線材巻き取り装置10においては、記憶装置22に記憶された線材17の巻き取り半径の値r1~r15に基づいて、制御手段23によりトラバーサの反転位置を変更する。次に制御手段23から指示された反転位置でトラバーサを反転させる。
[0038]
 一例として、図2に示す、左側の距離センサ20(L)および右側の距離センサ20(R)を備えた線材巻き取り装置10のトラバーサの制御方法を説明する。図2ではボビン11は線材17を巻き取りながら右方向に移動している。図2でトラバーサの制御に用いられるのは左側の距離センサ20(L)である。右側の距離センサ20(R)は、ボビン11が右方向に移動しているときはトラバーサの制御に用いられない。しかしボビン11が左方向に移動しているときは、右側の距離センサ20(R)がトラバーサ制御に用いられる(後述の図3、図4も同様)。
[0039]
 図2はボビン11が右方向に移動してきて、左側の距離センサ20(L)が左側のフランジ21を検知した瞬間を示す。例えば、この瞬間に最も近い過去に距離センサ20(L)により測定され、記憶されている15箇所の巻き取り半径rの値(これを最新15箇所の巻き取り半径の値r1~r15とする)がトラバーサの制御に用いられる。
[0040]
 フランジ21を検知した際の巻き取り半径の値r0は、フランジ21の半径の値であり、巻き取り半径の値でないため除外する。フランジ21に近い側から、例えば、5箇所の巻き取り半径の値r1~r5の平均値を「フランジ側の巻き取り半径rの値の平均値」とする。また、フランジ21から遠い側にある、例えば、10箇所の巻き取り半径の値r6~r15の平均値を「中央側の巻き取り半径rの平均値」とする。
[0041]
 フランジ側の巻き取り半径の値r1~r5の平均値をaとし、中央側の巻き取り半径の値r6~r15の平均値をbとする。(a-b)の値が設定した巻き太りの閾値以上であれば、これは巻き太りであると判定し、トラバース幅を狭くする(トラバーサの反転位置をフランジ21から遠ざける)。(a-b)の値が設定した巻き太りの閾値と巻き細りの閾値の間であればトラバース幅を変更しない(トラバーサの反転位置を変えない)。また、(a-b)の値が設定した巻き細りの閾値以下であれば、これは巻き細りであると判定し、トラバース幅を広くする(トラバーサの反転位置をフランジ21へ近付ける)。
[0042]
 ボビン11が右方向に移動しているとき、トラバーサの反転の位置は、左側の距離センサ20(L)が左側のフランジ21を検知してから、ボビン11がさらに左側オフセット量LOだけ移動した位置に設定される。これは線材17の進入位置が左側のフランジ21に接する位置でトラバーサが反転することを意味する。ボビン11が左方向に移動しているとき、トラバーサの反転の位置は、右側の距離センサ20(R)が右側のフランジ21を検知してから、ボビン11がさらに右側オフセット量ROだけ移動した位置に設定される。これは線材17の進入位置が右側のフランジ21に接する位置でトラバーサが反転することを意味する。
[0043]
 図2では、フランジ21の近くで線材17の巻き状態が崩れておらず(巻き太りも巻き細りもない状態)、巻き取り半径rが一定であるから、(a-b)の値が設定した閾値の範囲内になる。そのためトラバーサの反転位置は変更されない。
[0044]
 図3では、左側のフランジ21の近くで線材17の巻き状態が崩れており、線材17の巻き取り半径rの値がフランジ21の近くで大きくなっている(巻き太りが発生している)。このような場合、フランジ21の近くの巻き太りの箇所に、さらに線材17を巻き取って積層すると、いつまでも巻き太りが解消しない。そこで巻き太りを解消する為に次のようにトラバーサを制御する。
[0045]
 図3は、ボビン11が右方向に移動してきて、左側の距離センサ20(L)が左側のフランジ21を検知した瞬間を示す。図2で説明したように、フランジ21に近い側にある、例えば、5箇所の巻き取り半径r1~r5の平均値(フランジ側の巻き取り半径r1~r5の平均値)をaとする。また、フランジ21から遠い側にある、例えば、10箇所の巻き取り半径r6~r15の平均値(中央側の巻き取り半径rの平均値)をbとする。
[0046]
 図3の場合、巻き取り半径rがフランジ21の近くで大きくなっている(巻き太りが発生している)ため、(a-b)の値が設定した閾値以上となる。そのためトラバース幅が狭くなるよう、トラバーサの反転位置が変更される。
[0047]
 巻き太りが発生しているときにトラバースを反転する位置Xは、経験に基づいて予め設定しておいてもよい。この場合、反転位置Xは固定となる。あるいは(a-b)の値によって反転位置Xを変化させてもよい。この場合、反転位置Xは可変となる。反転位置Xを可変にするとは、例えば、(a-b)の値が大きいときは、巻き太りの程度が大きいため、トラバース幅を狭くする程度を大きくする。逆に(a-b)の値が小さいときは、巻き太りの程度が小さいため、トラバース幅を狭くする程度を小さくする。線材17の巻き取り状態をより理想的に平坦に保つためには、反転位置Xを可変とする方が望ましい。
[0048]
 このようにトラバーサを制御することにより、左側のフランジ21の近くの線材17の巻き太りの状態を速やかに修正することができる。さらに、巻き取り状態の修正を速やか、かつ精度良くするため、ボビン11の1トラバースごとにトラバーサの反転位置Xが修正されることが望ましい。
[0049]
 図4では、左側のフランジ21の近くで線材17の巻き状態が崩れており、線材17の巻き取り半径rがフランジ21の近くで小さくなっている(巻き細りが発生している)。このような場合は巻き細りを解消する為に次のようにトラバーサを制御する。
[0050]
 図4の場合、巻き取り半径rがフランジ21の近くで小さくなっているため、(a-b)の値が設定した閾値以下となる。そのためトラバース幅が広くなるよう、トラバーサの反転位置が変更される。
[0051]
 巻き細りが発生しているときにトラバーサを反転させる位置は、経験に基づいて予め設定しておいてもよい。この場合、反転位置は固定となる。あるいは(a-b)の値によって反転位置を変化させてもよい。この場合、反転位置は可変となる。反転位置を可変にするとは、例えば、(a-b)の値が大きいときは、巻き細りの程度が大きいため、トラバース幅を広くする程度を大きくする。逆に(a-b)の値が小さいときは、巻き細りの程度が小さいため、トラバース幅を広くする程度を小さくする。線材17の巻き取り状態をより理想的に平坦にするには、反転位置を可変とする方が望ましい。
[0052]
 本発明の線材巻き取り装置では、上述のトラバーサの制御を行なうことにより、巻き状態の崩れのない平坦な巻き取りが自動的に実現される。

産業上の利用可能性

[0053]
 本発明の線材巻き取り装置は、あらゆる線材、例えば、金属線、ワイヤーロープ(金属撚り線)、電線、光ファイバー、金属パイプ、樹脂線、樹脂パイプ、糸、綱などの巻き取りに広く利用される。

符号の説明

[0054]
10  線材巻き取り装置
11  ボビン
12  ボビンの回転手段
13  ボビンの回転軸
14  トラバーサ
15  往復移動手段
16  パルスモータ
17  線材
18  ガイドプーリ
19  表面の層
20  距離センサ
21  フランジ
22  記憶装置
23  パルスモータの制御手段
24  エンコーダ
25  ボールネジ

請求の範囲

[請求項1]
 両端にフランジを有する円筒形のボビンに線材を巻き取る線材巻き取り装置であって、
 前記ボビンを回転させる回転手段と、
 前記線材の前記ボビンへの進入位置または前記ボビンを、前記ボビンの回転軸に平行に移動させるトラバーサと、
 前記線材の巻き取り半径を測定する距離センサと、
 前記距離センサにより測定された前記巻き取り半径の値を記憶する記憶装置と、
 前記記憶装置に記憶された前記巻き取り半径の値に基づいて、前記ボビンのトラバーサの反転位置を計算する制御手段を備え、
 前記距離センサは、前記線材の前記ボビンへの進入位置と、前記フランジとの間の位置にある線材巻き取り装置。
[請求項2]
 前記フランジが前記線材の進入位置に近付くとき、前記フランジが前記線材の進入位置に到達するより前に、前記距離センサにより前記フランジが検知される請求項1に記載の線材巻き取り装置。
[請求項3]
 前記距離センサが前記フランジを検知した時点の前記巻き取り半径の値に基づいて、前記トラバーサの反転位置が設定される請求項1または2に記載の線材巻き取り装置。
[請求項4]
 前記線材の巻き取り順に前記記憶装置に記憶された3箇所以上の前記巻き取り半径の値に基づいて、前記トラバーサの反転位置が設定される請求項1から3のいずれかに記載の線材巻き取り装置。
[請求項5]
 前記トラバーサの反転毎に、前記トラバーサの反転位置が修正される請求項1から4のいずれかに記載の線材巻き取り装置。
[請求項6]
 前記線材は砥粒が表面に固着された線材である請求項1から5のいずれかに記載の線材巻き取り装置。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]