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1. WO2016151694 - ELEVATOR SYSTEM

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明 細 書

発明の名称 エレベータシステム

技術分野

0001  

背景技術

0002  

先行技術文献

特許文献

0003  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0004   0005  

課題を解決するための手段

0006  

発明の効果

0007  

図面の簡単な説明

0008  

発明を実施するための形態

0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067  

産業上の利用可能性

0068  

符号の説明

0069  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10  

明 細 書

発明の名称 : エレベータシステム

技術分野

[0001]
 この発明は、エレベータシステムに関する。

背景技術

[0002]
 特許文献1に、エレベータシステムが記載されている。特許文献1に記載されたシステムは、かごにセンサを備える。かごは、主ロープによって昇降路に吊り下げられる。センサは、主ロープの振動を検出する。

先行技術文献

特許文献

[0003]
特許文献1 : 国際公開第2010/013597号

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0004]
 特許文献1に記載されたシステムでは、かごを吊り下げる主ロープの振動をそのかごに設けられたセンサによって検出する。センサは、計測距離が長くなるほど計測精度が低下する。このため、特許文献1に記載されたシステムでは、主ロープに発生した振動をかごに近い位置でしか精度良く検出することができない。
[0005]
 この発明は、上述のような課題を解決するためになされた。この発明の目的は、長尺物に発生している揺れを精度良く検出できるエレベータシステムを提供することである。

課題を解決するための手段

[0006]
 この発明に係るエレベータシステムは、上下に移動する第1かごと、第1かごの移動に伴って移動する長尺物と、上下に移動する第2かごと、第2かごに設けられ、長尺物の位置を検出する検出器と、検出器によって検出された位置に基づいて、管制運転を行う必要がある異常な揺れが長尺物に発生していることを検出する揺れ検出手段と、を備える。

発明の効果

[0007]
 この発明に係るエレベータシステムであれば、長尺物に発生している揺れを精度良く検出できる。

図面の簡単な説明

[0008]
[図1] この発明の実施の形態1におけるエレベータシステムの構成例を示す図である。
[図2] システム構成を示すブロック図である。
[図3] 検出器の位置検出機能を説明するための図である。
[図4] 長尺物に発生する揺れを説明するための図である。
[図5] 制御装置の振幅算出機能を説明するための図である。
[図6] この発明の実施の形態1におけるエレベータシステムの動作例を示すフローチャートである。
[図7] この発明の実施の形態1におけるエレベータシステムの動作例を示すフローチャートである。
[図8] 制御装置の揺れ判定機能を説明するための図である。
[図9] 制御装置の揺れ判定機能を説明するための図である。
[図10] 制御装置のハードウェア構成を示す図である。

発明を実施するための形態

[0009]
 添付の図面を参照し、本発明を説明する。重複する説明は、適宜簡略化或いは省略する。各図において、同一の符号は同一の部分又は相当する部分を示す。
[0010]
実施の形態1.
 図1は、この発明の実施の形態1におけるエレベータシステムの構成例を示す図である。図1は、2台のかごを備えるシステムを一例として示す。本システムは、3台以上のかごを備えても良い。
[0011]
 かご1は、昇降路2を上下に移動する。昇降路2は、例えば建物内に形成された上下に延びる空間である。つり合いおもり3は、かご1とは逆方向に昇降路2を上下に移動する。かご1及びつり合いおもり3は、主ロープ4によって昇降路2に吊り下げられる。かご1を吊り下げるためのローピングの方式は、図1に示す例に限定されない。
[0012]
 主ロープ4は、巻上機5の駆動綱車5aに巻き掛けられる。駆動綱車5aが回転すると、駆動綱車5aの回転に応じた方向に主ロープ4が移動する。主ロープ4が長手の方向に移動することにより、かご1は上昇或いは下降する。
[0013]
 かご6は、昇降路7を上下に移動する。昇降路7は、例えば建物内に形成された上下に延びる空間である。昇降路7は、昇降路2に隣接する。つり合いおもり8は、かご6とは逆方向に昇降路7を上下に移動する。かご6及びつり合いおもり8は、主ロープ9によって昇降路7に吊り下げられる。かご6を吊り下げるためのローピングの方式は、図1に示す例に限定されない。
[0014]
 主ロープ9は、巻上機10の駆動綱車10aに巻き掛けられる。駆動綱車10aが回転すると、駆動綱車10aの回転に応じた方向に主ロープ9が移動する。主ロープ9が長手の方向に移動することにより、かご6は上昇或いは下降する。
[0015]
 かご1に検出器11が設けられる。検出器11は、かご6の移動に伴って移動する長尺物の位置を検出する。本実施の形態に示す例では、検出器11は、主ロープ9の位置を検出する。検出器11はかご1に設けられているため、検出器11が配置される高さは、かご1が移動すると変化する。検出器11は、例えば、検出器11が配置されている高さにおける主ロープ9の位置を検出する。かご6には、主ロープ9の他にも制御ケーブル、補償ロープ及び調速ロープといった長尺物が接続される。検出器11が位置を検出する対象は、主ロープ9以外の長尺物でも良い。
[0016]
 かご6に検出器12が設けられる。検出器12は、かご1の移動に伴って移動する長尺物の位置を検出する。本実施の形態に示す例では、検出器12は、主ロープ4の位置を検出する。検出器12はかご6に設けられているため、検出器12が配置される高さは、かご6が移動すると変化する。検出器12は、例えば、検出器12が配置されている高さにおける主ロープ4の位置を検出する。かご1には、主ロープ4の他にも制御ケーブル、補償ロープ及び調速ロープといった長尺物が接続される。検出器12が位置を検出する対象は、主ロープ4以外の長尺物でも良い。
[0017]
 図2は、システム構成を示すブロック図である。検出器11及び12は、制御装置13に電気的に接続される。検出器11によって検出された位置の情報は、制御装置13に入力される。検出器12によって検出された位置の情報は、制御装置13に入力される。
[0018]
 検出器11が主ロープ9の位置を検出する方法は、如何なる方法であっても構わない。図3は、検出器11の位置検出機能を説明するための図である。図3は、検出器11を含む高さの平面図を示す。例えば、検出器11は、レーザ光を水平方向に向けて照射し、反射光を受信する。図3は、検出器11が一定の角度毎にレーザ光を照射する例を示す。検出器11は、超音波を照射しても良い。検出器11から照射したレーザ光の方向(角度)と検出器11からレーザ光を照射して反射光を受けるまでの時間とが分かれば、検出器11に対する主ロープ9の位置を検出できる。検出器11は、例えば、上記角度の情報と時間の情報とを主ロープ9の位置の情報として制御装置13に出力する。
[0019]
 検出器12は、検出器11が有する機能と同様の機能を有する。検出器12が有する機能に関しては詳細な説明を省略する。
[0020]
 巻上機5及び10は、制御装置13に電気的に接続される。巻上機5は、制御装置13によって制御される。即ち、かご1の移動は制御装置13によって制御される。巻上機10は、制御装置13によって制御される。即ち、かご6の移動は制御装置13によって制御される。図2は、各エレベータを制御する制御器の機能と複数の制御器を管理する群管理装置の機能とを制御装置13が備える例を示す。
[0021]
 制御装置13は、長尺物に異常な揺れが発生していることを検出する機能を有する。本実施の形態に示す例では、制御装置13は、検出器11によって検出された位置に基づいて、主ロープ9に異常な揺れが発生していることを検出する。制御装置13は、検出器12によって検出された位置に基づいて、主ロープ4に異常な揺れが発生していることを検出する。
[0022]
 制御装置13によって検出される異常な揺れとは、管制運転を行う必要がある揺れである。例えば、制御装置13は、主ロープ9に異常な揺れが発生していれば、かご6を備えるエレベータを管制運転に移行させる。制御装置13は、主ロープ4に異常な揺れが発生していれば、かご1を備えるエレベータを管制運転に移行させる。
[0023]
 図4は、長尺物に発生する揺れを説明するための図である。図4では、長尺物の一例として主ロープ4を示す。地震時或いは強風時に、建物が低次(例えば、1次)の固有振動数で長時間に渡ってゆっくりと揺れ続けることがある。このような揺れは、通常の地震感知器では感知されない。建物が揺れると、主ロープ4が揺れる。揺れが発生している時の主ロープ4の固有振動数が建物の固有振動数に一致すると、主ロープ4が共振する。主ロープ4の振幅が大きくなると、主ロープ4が機器に接触したり主ロープ4が機器に引っ掛かったりする不具合が発生する。管制運転は、このような不具合の発生を防止するために行われる。
[0024]
 例えば、主ロープ4に異常な揺れが発生した場合、かご1を備えるエレベータにおいて管制運転が開始される。管制運転では、例えば、かご1を非共振階に停止させる。非共振階は、かご1が停止していても長尺物が建物の揺れに共振する可能性が低い階である。非共振階は予め設定される。管制運転では、かご1の移動を繰り返し行い、長尺物に張力を掛け続けても良い。
[0025]
 これらの機能を実現するため、制御装置13は、例えば記憶部14、開始条件判定部15、振幅算出部16、揺れ検出部17、計測区間設定部18及び動作制御部19を備える。
[0026]
 記憶部14に、制御装置13が制御を行う上で必要な情報が記憶される。
[0027]
 開始条件判定部15は、開始条件が成立するか否かを判定する。開始条件は、長尺物に発生した異常な揺れを検出するための処理を開始する条件である。以下においては、この処理のことを「異常判定処理」という。
[0028]
 振幅算出部16は、長尺物に発生した揺れの振幅を算出する。例えば、振幅算出部16は、検出器11によって検出された位置に基づいて、主ロープ9の振幅を算出する。振幅算出部16は、検出器12によって検出された位置に基づいて、主ロープ4の振幅を算出する。
[0029]
 図5は、制御装置13の振幅算出機能を説明するための図である。図5は、検出器11を含む高さの平面図を示す。図5では、揺れが発生していない時の主ロープ9を破線で示す。また、図5では、揺れが発生した時の主ロープ9を実線で示す。
[0030]
 揺れが発生していない時の主ロープ9の位置Aは、記憶部14に予め記憶される。揺れが発生した時の主ロープ9の位置Bは、検出器11によって検出される。振幅算出部16は、位置A及び位置Bの距離Dを主ロープ9の振幅として算出する。主ロープ9が斜めに配置されている場合は、位置Aを決定するための複数の情報或いは計算式を記憶部14に記憶しておけば良い。位置Aを決定するために必要な高さの情報は、例えば、巻上機5に備えられたエンコーダの出力から求めることができる。また、主ロープ9の位置を事前に計測し、その計測結果を記憶部14に記憶しておいても良い。
[0031]
 揺れ検出部17は、長尺物に異常な揺れが発生していることを検出する。本実施の形態に示す例では、揺れ検出部17は、振幅算出部16によって算出された振幅に基づいて主ロープ4又は9に異常な揺れが発生していることを検出する。
[0032]
 計測区間設定部18は、検出器による位置検出(計測)を行う区間を設定する。
[0033]
 動作制御部19は、本システムに備えられた機器の動作を制御する。例えば、動作制御部19は、巻上機5の動作を制御する。動作制御部19は、巻上機10の動作を制御する。
[0034]
 次に、図6~図9も参照し、本システムの動作の一例について具体的に説明する。図6及び図7は、この発明の実施の形態1におけるエレベータシステムの動作例を示すフローチャートである。
[0035]
 開始条件判定部15は、開始条件が成立するか否かを判定する。例えば、開始条件判定部15は、現在の時刻が開始時刻であるか否かを判定する(S101)。開始時刻は予め設定される。S101では、前回の異常判定処理からの経過時間を判定しても良い。例えば、異常判定処理を1時間に1回行うと設定されている場合、開始条件判定部15は、S101において異常判定処理が前回行われてから1時間が経過しているか否かを判定する。
[0036]
 現在の時刻が開始時刻であれば、開始条件判定部15は、被計測かごがサービス中であるか否かを判定する(S102)。例えば、被計測かごに乗客が乗っている場合、被計測かごはサービス中であると判定される。被計測かごが呼びに応答している場合、被計測かごはサービス中であると判定される。
[0037]
 被計測かごがサービス中でなければ、被計測かごは非サービス状態に切り替えられる。被計測かごがサービス中であるとS102で一旦判定されても、その後に被計測かごがサービス中ではなくなると、被計測かごは非サービス状態に切り替えられる(S103)。被計測かごは、非サービス状態に切り替えられると、呼びが登録されてもその呼びに応答しない。
[0038]
 次に、開始条件判定部15は、計測かごがサービス中であるか否かを判定する(S104)。計測かごがサービス中でなければ、計測かごは非サービス状態に切り替えられる。計測かごがサービス中であるとS104で一旦判定されても、その後に計測かごがサービス中ではなくなると、計測かごは非サービス状態に切り替えられる(S105)。計測かごは、非サービス状態に切り替えられると、呼びが登録されてもその呼びに応答しない。被計測かご及び計測かごの双方が非サービス状態に切り替えられると、開始条件が成立する。
[0039]
 計測かごは、長尺物の位置検出を行う検出器が設けられたかごである。被計測かごは、位置検出が行われる長尺物を備えたエレベータのかごである。以下においては、一例として、かご1が計測かごである場合について説明する。かご6は被計測かごである。なお、かご1が被計測かごである場合は、かご6が計測かごである。
[0040]
 S105で開始条件が成立すると、動作制御部19は、かご1を最下階に移動させる(S106)。かご1が最下階に到着すると、動作制御部19は、かご1を最上階に移動させる(S107)。動作制御部19は、かご1が最下階を出発してから最上階に到着するまで、かご6を停止させておく。かご1が最下階から最上階に移動するまでの間に、検出器11によって主ロープ9の位置が検出される(S108)。検出器11による検出は、例えば、かご1を移動させながら行われる。検出器11は、複数の高さで主ロープ9の位置を検出する。
[0041]
 検出器11によって主ロープ9の位置が検出される度に、振幅算出部16は主ロープ9の振幅を算出する(S109)。動作制御部19は、かご1を最上階で停止させる(S110のYes)。揺れ検出部17は、かご1が最上階に到着すると、主ロープ9に異常な揺れが発生しているか否かを判定する。
[0042]
 図8及び図9は、制御装置13の揺れ判定機能を説明するための図である。例えば、揺れ検出部17は、振幅算出部16によって算出された主ロープ9の振幅が基準値R1を超えるか否かを判定する(S111)。基準値R1は、管制運転を行う必要があることを検出するために設定される。基準値R1は、記憶部14に予め記憶される。
[0043]
 揺れ検出部17は、振幅算出部16によって算出された振幅が基準値R1を超える場合に、主ロープ9に異常な揺れが発生していることを検出する。図8は、検出器11が高さH1~H4で主ロープ9の位置を検出する例を示す。かかる場合、振幅算出部16は、高さH1における振幅、高さH2における振幅、高さH3における振幅及び高さH4における振幅を算出する。振幅算出部16によって複数の振幅が算出された場合、揺れ検出部17は、算出された複数の振幅のうち1つでも基準値R1を超えると、主ロープ9に異常な揺れが発生していることを検出する(S111のYes)。
[0044]
 主ロープ9に異常な揺れが発生していることが揺れ検出部17によって検出されると、動作制御部19は、かご6を備えるエレベータにおいて管制運転を開始する(S112)。管制運転では、例えば、主ロープ9に長周期振動が発生したことを想定した動作が行われる。
[0045]
 振幅算出部16によって算出された全ての振幅が基準値R1を超えない場合、揺れ検出部17は、振幅算出部16によって算出された振幅が基準値R2を超えるか否かを判定する(S201)。基準値R2は、基準値R1より小さい値である。基準値R2は、高い精度の計測が必要であることを検出するために設定される。基準値R2は、記憶部14に予め記憶される。
[0046]
 振幅算出部16によって算出された全ての振幅が基準値R2を超えない場合、揺れ検出部17は、主ロープ9に異常な揺れは発生していないことを検出する。かかる場合、動作制御部19は、異常判定処理を終了する。動作制御部19は、かご1に対する割り当て禁止を解除する。これにより、かご1によるサービスが再開される。動作制御部19は、かご6に対する割り当て禁止を解除する。これにより、かご6によるサービスが再開される(S202)。
[0047]
 図8は、区間L1の振幅が基準値R1を超える例を示す。しかし、検出器11によって検出が行われる高さH1~H4では、各振幅は基準値R1を超えていない。この場合、揺れ検出部17は、算出された振幅が基準値R1を超えないことをS111で判定する。一方、高さH2における振幅及び高さH3における振幅は、基準値R2を超える。このため、揺れ検出部17は、振幅が基準値R2を超えることをS201で判定する。
[0048]
 振幅算出部16によって算出された振幅が基準値R1を超えず且つ基準値R2を超える場合、低速での異常判定処理が行われる。振幅算出部16によって複数の振幅が算出された場合、算出された複数の振幅のうち1つでも上記条件に該当すれば、低速での異常判定処理が開始される。
[0049]
 先ず、計測区間設定部18により、検出器11による位置検出を再度行う区間が算出される(S203)。以下においては、この区間のことを「低速計測区間」という。例えば、低速計測区間は、S107からS110でかご1が移動した区間より短い区間に設定される。また、低速計測区間は、基準値R2を超える振幅が算出された高さを含む区間に設定される。図8に示す例であれば、低速計測区間は、高さH2及び高さH3を含む区間に設定される。
[0050]
 計測区間設定部18は、主ロープ9の振幅が最大になっている箇所を予測し、その箇所の近傍を低速計測区間に設定しても良い。計測区間設定部18は、低速計測区間として複数の区間を設定しても良い。
[0051]
 S203で低速計測区間が設定されると、動作制御部19は、かご1を低速計測区間の開始位置に移動させる(S204)。かご1が低速計測区間の開始位置に到着すると、動作制御部19は、かご1を低速計測区間の終了位置に移動させる(S205)。この時、動作制御部19は、かご1を低速で移動させる。例えば、動作制御部19は、S107からS110でかご1を移動させた速度より遅い速度でかご1を移動させる。動作制御部19は、かご1が低速計測区間の開始位置を出発してから終了位置に到着するまで、かご6を停止させておく。かご1が低速計測区間を移動している間に、検出器11によって主ロープ9の位置が検出される(S206)。検出器11による検出は、例えば、かご1を低速で移動させながら行われる。検出器11は、複数の高さで主ロープ9の位置を検出する。
[0052]
 検出器11によって主ロープ9の位置が検出される度に、振幅算出部16は主ロープ9の振幅を算出する(S207)。動作制御部19は、かご1を低速計測区間の終了位置で停止させる(S208のYes)。低速計測区間として複数の区間が設定された場合は、設定された各区間についてS204からS208の処理が行われる(S209)。全ての低速計測区間についてS204からS208の処理が行われると、揺れ検出部17は、主ロープ9に異常な揺れが発生しているか否かを判定する。
[0053]
 揺れ検出部17は、振幅算出部16によって算出された主ロープ9の振幅が基準値R1を超えるか否かを判定する(S210)。揺れ検出部17は、振幅算出部16によって算出された振幅が基準値R1を超える場合に、主ロープ9に異常な揺れが発生していることを検出する。主ロープ9に異常な揺れが発生していることが揺れ検出部17によって検出されると、動作制御部19は、かご6を備えるエレベータにおいて管制運転を開始する(S112)
[0054]
 図9は、高さH5から高さH10の区間L2が低速計測区間として設定された例を示す。高さH2及び高さH3は、区間L2に含まれる。検出器11は、例えば高さH5~H10で主ロープ9の位置を検出する。振幅算出部16は、高さH5における振幅、高さH6における振幅、高さH7における振幅、高さH8における振幅、高さH9における振幅及び高さH10における振幅を算出する。振幅算出部16によって複数の振幅が算出された場合、揺れ検出部17は、算出された複数の振幅のうち1つでも基準値R1を超えると、主ロープ9に異常な揺れが発生していることを検出する(S210のYes)。
[0055]
 振幅算出部16によって算出された全ての振幅が基準値R1を超えない場合、揺れ検出部17は、主ロープ9に異常な揺れは発生していないことを検出する。かかる場合、動作制御部19は、異常判定処理を終了する。動作制御部19は、かご1に対する割り当て禁止を解除する。これにより、かご1によるサービスが再開される。動作制御部19は、かご6に対する割り当て禁止を解除する。これにより、かご6によるサービスが再開される(S202)。
[0056]
 上記構成を有するエレベータシステムであれば、長尺物に発生している揺れを精度良く検出できる。本実施の形態に示す例であれば、検出器11は、主ロープ9の位置を検出する。検出器11によって検出された位置に基づいて、主ロープ9に異常な揺れが発生していることを検出できる。また、検出器12は、主ロープ4の位置を検出する。検出器12によって検出された位置に基づいて、主ロープ4に異常な揺れが発生していることを検出できる。このため、検出器11及び12として計測距離が長いものを用いる必要はない。検出器は計測距離が長いほど高価になるため、システムを安価に構成できる。本発明は、高層ビルに備えられたシステムに特に有効である。
[0057]
 本実施の形態では、図6のS111においてNoの判定がなされると低速での異常判定処理を行う例について説明した。低速での異常判定処理を行わず、図6のS111においてNoの判定がなされた際にサービスを再開させても良い(S202)。但し、低速での異常判定処理を行うことにより、検出精度を向上させることができる。
[0058]
 本実施の形態では、被計測かご及び計測かごの双方が非サービス状態であることを開始条件の一つの要件とする例について説明した。被計測かご及び計測かごの双方がサービス中ではないことを開始条件の要件としても良い。被計測かご或いは計測かごに呼びが割り当てられた場合は、異常判定処理を中断すれば良い。
[0059]
 本実施の形態では、かご1を移動させながら検出器11による位置検出を行う例について説明した。検出器11による位置検出を行う際に、かご1を停止させても良い。但し、長周期振動が発生している場合は、かご1も揺れる。かご1を移動させることによって主ロープ4に一定の張力を作用させることができるため、かご1の振動を抑制できる。即ち、かご1を移動させながら検出器11による位置検出を行うことにより、検出精度を向上させることができる。
[0060]
 本実施の形態では、隣接するエレベータにおいて異常判定処理を行う例について説明した。システムが3台以上のエレベータを備える場合は、隣接していないエレベータにおいて異常判定処理を実施しても良い。
[0061]
 本発明は、所謂ワンシャフトマルチカーのエレベータシステムにも適用できる。このシステムは、複数のかごが上下に配置される。例えば、下かごの上方に上かごが配置される。下かご及び上かごは、同じ昇降路を上下に移動する。なお、最上階に下かごは停止しない。最下階に上かごは停止しない。下かごの移動に伴って移動する長尺物は、上かごの側方にも配置される。このため、上かごに設けられた検出器によってこの長尺物の位置を検出できる。同様に、上かごの移動に伴って移動する長尺物は、下かごの側方にも配置される。下かごに設けられた検出器によってこの長尺物の位置を検出できる。
[0062]
 以下に、制御装置13が備えることが可能な他の機能について説明する。
 制御装置13は、確率算出部20と条件設定部21とを備えても良い。確率算出部20は、長尺物に異常な揺れが発生する確率を算出する。本実施の形態に示す例であれば、確率算出部20は、主ロープ4又は9に異常な揺れが発生する確率を算出する。確率算出部20が確率を算出する方法は、如何なる方法であっても構わない。例えば、確率算出部20は、建物の外に設けられた風速計からの情報に基づいて確率を算出しても良い。確率算出部20は、外部から受信する地震速報等の情報に基づいて確率を算出しても良い。
[0063]
 条件設定部21は、例えば、確率算出部20によって算出された確率に基づいて開始条件を設定する。条件設定部21は、長尺物に長周期振動が起こり易い状況と判断される場合は、異常判定処理が頻繁に行われるようにする。例えば、条件設定部21は、確率算出部20によって算出された確率が高くなるほど異常判定処理が行われる頻度が高くなるように開始条件を設定する。
[0064]
 制御装置13は、損傷推定部22を備えても良い。損傷推定部22は、長尺物の異常な揺れによって発生する損傷を推定する。長尺物に異常な揺れが発生すると、長尺物自体が損傷する可能性がある。また、長尺物が機器に接触すれば、その機器が損傷する可能性がある。損傷推定部22は、例えば、長尺物の損傷又は長尺物が接触し得る機器の損傷を推定する。
[0065]
 損傷推定部22による損傷の推定は、例えば、振幅算出部16によって算出された振幅に基づいて行われる。振幅算出部16によって算出された振幅は、高さの情報に紐付けて記憶部14に記憶される。損傷推定部22は、記憶部14に蓄積された情報を利用して、長尺物がどのように振動していたのかを推定する。
[0066]
 このような機能を備えることにより、システムの保守作業を効率的に行うことができる。例えば、損傷推定部22の推定結果を利用し、長尺物の点検箇所及び機器の点検箇所を決めることができる。損傷推定部22の推定結果を利用し、重点的に点検を行う箇所を決定しても良い。また、損傷推定部22の推定結果を利用し、長尺物の交換時期及び機器の交換時期を決定しても良い。
[0067]
 符号14~22に示す各部は、制御装置13が有する機能を示す。図10は、制御装置13のハードウェア構成を示す図である。制御装置13は、ハードウェア資源として、例えば入出力インターフェース23とプロセッサ24とメモリ25とを含む回路を備える。制御装置13は、メモリ25に記憶されたプログラムをプロセッサ24によって実行することにより、各部14~22が有する各機能を実現する。制御装置13は、複数のプロセッサ24を備えても良い。制御装置13は、複数のメモリ25を備えても良い。即ち、複数のプロセッサ24と複数のメモリ25とが連携して各部14~22が有する各機能を実現しても良い。各部14~22が有する各機能の一部又は全部をハードウェアによって実現しても良い。

産業上の利用可能性

[0068]
 この発明に係るエレベータシステムは、複数のかごを備えるシステムに適用できる。

符号の説明

[0069]
 1、6 かご
 2、7 昇降路
 3、8 つり合いおもり
 4、9 主ロープ
 5、10 巻上機
 5a、10a 駆動綱車
 11、12 検出器
 13 制御装置
 14 記憶部
 15 開始条件判定部
 16 振幅算出部
 17 揺れ検出部
 18 計測区間設定部
 19 動作制御部
 20 確率算出部
 21 条件設定部
 22 損傷推定部
 23 入出力インターフェース
 24 プロセッサ
 25 メモリ

請求の範囲

[請求項1]
 上下に移動する第1かごと、
 前記第1かごの移動に伴って移動する長尺物と、
 上下に移動する第2かごと、
 前記第2かごに設けられ、前記長尺物の位置を検出する検出器と、
 前記検出器によって検出された位置に基づいて、管制運転を行う必要がある異常な揺れが前記長尺物に発生していることを検出する揺れ検出手段と、
を備えたエレベータシステム。
[請求項2]
 前記揺れ検出手段は、前記第1かごが停止し且つ前記第2かごが移動している時に前記検出器によって検出された位置に基づいて、前記長尺物に異常な揺れが発生していることを検出する請求項1に記載のエレベータシステム。
[請求項3]
 前記第1かごが停止し且つ前記第2かごが移動している時に前記検出器によって検出された位置に基づいて、前記長尺物の振幅を算出する振幅算出手段と、
を更に備え、
 前記揺れ検出手段は、
  前記振幅算出手段によって算出された振幅が第1基準値を超えると前記長尺物に異常な揺れが発生していることを検出し、
  前記第2かごが第1速度で移動した時に前記振幅算出手段によって算出された振幅が前記第1基準値を超えずに第2基準値を超えると、前記第2かごを第2速度で移動させて前記振幅算出手段に振幅を算出させ、
 前記第2基準値は、前記第1基準値より小さく、
 前記第2速度は、前記第1速度より遅い
請求項2に記載のエレベータシステム。
[請求項4]
 前記第2かごが前記第2速度で移動する区間は、前記第2基準値を超える振幅が算出された高さを含み、前記第2かごが前記第1速度で移動する区間より短い請求項3に記載のエレベータシステム。
[請求項5]
 前記検出器によって検出された位置に基づいて、前記長尺物の振幅を算出する振幅算出手段と、
 前記振幅算出手段によって算出された振幅に基づいて、前記長尺物の損傷又は前記長尺物が接触し得る機器の損傷を推定する損傷推定手段と、
を備えた請求項1に記載のエレベータシステム。
[請求項6]
 前記第2かごは、前記第1かごの上方又は下方に配置され、
 前記第1かご及び前記第2かごは、同じ昇降路を移動する
請求項1から請求項5の何れか一項に記載のエレベータシステム。
[請求項7]
 前記長尺物に異常な揺れが発生する確率を算出する確率算出手段と、
 前記揺れ検出手段による検出を行うための処理を開始させる開始条件を、前記確率算出手段によって算出された確率に基づいて設定する条件設定手段と、
を備えた請求項1から請求項6の何れか一項に記載のエレベータシステム。
[請求項8]
 前記条件設定手段は、前記確率算出手段によって算出された確率が高くなるほど前記処理が行われる頻度が高くなるように前記開始条件を設定する請求項7に記載のエレベータシステム。
[請求項9]
 前記第2かごの移動に伴って移動する第2長尺物と、
 前記第1かごに設けられ、前記第2長尺物の位置を検出する第2検出器と、
を備え、
 前記揺れ検出手段は、前記第2検出器によって検出された位置に基づいて、管制運転を行う必要がある異常な揺れが前記第2長尺物に発生していることを検出する請求項1から請求項8の何れか一項に記載のエレベータシステム。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]