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1. WO2016148209 - RESIN ADDITIVE MASTER BATCH

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明 細 書

発明の名称 樹脂添加剤マスターバッチ

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004  

先行技術文献

特許文献

0005  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0006   0007   0008   0009   0010  

課題を解決するための手段

0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017  

発明の効果

0018  

発明を実施するための形態

0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081  

実施例

0082   0083   0084   0085  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6  

明 細 書

発明の名称 : 樹脂添加剤マスターバッチ

技術分野

[0001]
 本発明は、樹脂添加剤マスターバッチに関し、詳しくは、低融点の樹脂添加剤を高濃度配合した樹脂添加剤マスターバッチに関し、特には、保存安定性(ブロッキングの抑制)に優れる樹脂添加剤マスターバッチに関する。

背景技術

[0002]
 液状化合物や、高温環境又は圧力を加えることによって液状になりやすい低融点化合物は、固体のものに比べハンドリングに難があるため、取り扱い性を改善するための方法が種々検討されている。
[0003]
 例えば、ステアリル(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネートやビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート、2,2,6,6-テトラメチルピペリジノール類と脂肪酸とを反応させて得られるヒンダードアミン化合物は、優れた耐侯性を付与する樹脂添加剤であるが、その一方で、低分子量で液状になりやすく、液状品は粘着状で取り扱い性に支障があった。
[0004]
 低融点の樹脂添加剤の取り扱い性を改善する方法としては、例えば、特許文献1において、吸油量が150ml/100g以上の粉体状の無機物に樹脂添加剤を含浸させる方法が提案されている。また、特許文献2においては、樹脂添加剤を樹脂に配合してマスターバッチ化する方法が提案されている。さらに、特許文献3においては有機酸金属塩を、また特許文献4においては有機酸金属塩及びゲル化剤を樹脂添加剤と共に配合してマスターバッチ化することにより、マスターバッチのべたつきを防止し、ブロッキングを抑制することが示されている。

先行技術文献

特許文献

[0005]
特許文献1 : 国際公開WO2007/000876号
特許文献2 : 特開2003-41008号公報
特許文献3 : 特開2008-189822号公報
特許文献4 : 特開2011-246589号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0006]
 しかし、特許文献1に記載のように無機物に含浸させる方法は、無機物を撹拌しながら含浸させる際に、混合装置を摩耗させてしまう場合がある。また、合成樹脂に無機物を配合すると、成形品の透明性を低下させたり、成形品の重量が増加したりし、また繊維やフィルム用途において不良品が発生して安定生産を達成できない場合がある。
[0007]
 また、有機物に含浸させる方法として、塩化ビニル樹脂やエラストマー等に樹脂添加剤を含浸させる方法も考えられるが、この場合、マトリックスとなる樹脂との相溶性を考慮しなければならない問題がある。マトリックスとの相溶性が悪い有機物に含浸させた場合には、樹脂の透明性を損ねたり、物性を低下させたりする場合がある。
[0008]
 特許文献2において、マスターバッチ化により液状の添加剤を固体化させる方法が提案されているが、経時によりマスターバッチから液状の添加剤が滲み出して、マスターバッチがブロッキングするため、液状の添加剤の配合量を限定せざるを得ないという問題があった。
[0009]
 また、特許文献3において、有機酸金属塩を配合することにより、ソルビトール系化合物やタルクを配合した場合よりもブロッキングを改善する効果に優れることが示されており、特許文献4においても、有機酸金属塩及びゲル化剤を配合することによりブロッキングを抑制し得ることが示されているが、これらのマスターバッチは、温度変化が大きい環境下に置かれると、経時でブロッキングする問題があり、さらなる改善が求められていた。また、特許文献4のゲル化による方法は、ゲル化剤の耐熱性が不十分な場合、加工時にゲル化剤が分解してマスターバッチを着色させてしまうという問題があった。
[0010]
 そこで本発明の目的は、低融点の樹脂添加剤をマスターバッチ化した樹脂添加剤マスターバッチであって、温度変化が大きい環境下に置かれてもブロッキングを発生させない樹脂添加剤マスターバッチを提供することにある。

課題を解決するための手段

[0011]
 本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、有機酸金属塩及び脂肪酸金属塩を特定量配合することにより、上記課題を解決することを見いだし、本発明を完成するに至った。
[0012]
 すなわち、本発明の樹脂添加剤マスターバッチは、(A)ポリオレフィン樹脂100質量部に対し、(B)融点が100℃以下の樹脂添加剤60~150質量部、(C)有機酸金属塩0.01~3質量部、及び(D)脂肪酸金属塩0.1~5質量部を含有することを特徴とするものである。
[0013]
 本発明の樹脂添加剤マスターバッチは、上記(B)融点が100℃以下の樹脂添加剤が、ヒンダードアミン化合物、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤、紫外線吸収剤及び難燃剤からなる群から選択される1又は2以上の樹脂添加剤であることが好ましい。
[0014]
 上記(B)融点が100℃以下の樹脂添加剤は、特には下記一般式(1)で表されるヒンダードアミン化合物であることが好ましい。


(式中、R 1は、水素原子、ヒドロキシ基、分岐又は直鎖の炭素原子数1~30のアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルコキシ基、ヒドロキシアルコキシ基又はオキシラジカルを表し、R 2は炭素原子数1~30のアルキル基、炭素原子数2~30のアルケニル基又は下記一般式(2)で表される基を表す。)


(式中、R 3は、上記一般式(1)中のR 1と同じものを表す。)
[0015]
 本発明の樹脂添加剤マスターバッチは、上記一般式(1)で表されるヒンダードアミン化合物を配合する場合、(E)下記一般式(3)で表される光安定剤を配合するのが好ましい。


(式中、R 4及びR 5は、各々独立に水素原子、分岐又は直鎖の炭素原子数1~12のアルキル基又は炭素原子数7~30のアリールアルキル基を表し、R 6は炭素原子数8~30のアルキル基を表す。)
[0016]
 本発明の樹脂添加剤マスターバッチは、上記(C)有機酸金属塩が、下記一般式(4)で表される化合物であるものが好ましい。


(式中、R ~R 10は、各々独立して、水素原子又は分岐又は直鎖の炭素原子数1~8のアルキル基を表し、R 11は炭素原子数1~4のアルキリデン基を表し、Xはアルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、亜鉛原子又はアルミニウム原子を表し、Xがアルカリ金属原子の場合、nは1であって、且つ、mは0を表し、Xがアルカリ土類金属原子又は亜鉛原子の場合、nは2であって、且つ、mは0を表し、Xがアルミニウム原子の場合、nは1又は2であって、且つ、mは3-nを表す。)
[0017]
 本発明の樹脂添加剤マスターバッチは、上記(D)脂肪酸金属塩が、下記一般式(5)で表される化合物であるものが好ましい。


(式中、R 12は、ヒドロキシル基及びシクロアルキル基から選ばれる1種以上の置換基を有してもよい炭素原子数1~40の脂肪族基を表し、Mは、金属原子を表し、qは、1~4の整数であって、Mの金属原子の価数を表す。)

発明の効果

[0018]
 本発明によれば、低融点の樹脂添加剤を高濃度で含有しながら、温度変化が大きい環境下に置かれてもブロッキングの発生を抑制することができる樹脂添加剤マスターバッチを実現することが可能となる。

発明を実施するための形態

[0019]
 以下に、本発明の実施の形態について具体的に説明する。
(A)ポリオレフィン樹脂
 本発明に用いられる(A)ポリオレフィン樹脂としては、ポリオレフィンであれば特に制限されずに用いることが可能であり、ポリプロピレン、アイソタクチックポリプロピレン、シンジオタクチックポリプロピレン、ヘミアイソタクチックポリプロピレン、ステレオブロックポリプロピレン、シクロオレフィンポリマー、ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリブテン-1、ポリ-3-メチルブテン、ポリ-3-メチル-1-ペンテン、ポリ-4-メチル-1-ペンテン、エチレン-プロピレン共重合体等のα-オレフィンの単重合体又は共重合体等が挙げられる。特に好ましい(A)ポリオレフィン樹脂としては、ポリプロピレンが挙げられる。
[0020]
 上記(A)ポリオレフィン樹脂は、立体規則性、比重、重合触媒の種類、重合触媒の除去の有無や程度、結晶化の度合い、温度や圧力等の重合条件、結晶の種類、X線小角散乱で測定したラメラ晶のサイズ、結晶のアスペクト比、芳香族系又は脂肪族系溶媒への溶解度、溶液粘度、溶融粘度、平均分子量、分子量分布の程度、分子量分布におけるピークがいくつあるか、共重合体にあってはブロックであるかランダムであるか、各モノマーの配合比率等により本発明の効果の発現に差異が生じることはあるものの、如何なる樹脂を選択した場合においても本発明を適用可能である。
[0021]
 上記(A)ポリオレフィン樹脂は、自動車部品、自動車用内外装材等、耐衝撃性や成形品の収縮率を低減させることが必要な用途においては熱可塑性エラストマーとの混合物とすることが好ましい。また、最終製品に必要な機能を付与するために、過酸化物やエネルギー線照射によって架橋したり、マレイン酸等と共重合することができる。
[0022]
 上記熱可塑性エラストマーとは、高温で可塑化(流動化)してプラスチックのような加工が可能で、常温ではゴム弾性体(エラストマー)の性質を示す高分子材料を表す。熱可塑性エラストマーはハードセグメント(可塑性成分)及びソフトセグメント(弾性成分)からなり、単一ポリマー中にハードセグメントとソフトセグメントが化学結合して、ブロック共重合体を形成するブロックポリマー型と、ハードセグメントとソフトセグメントを物理的に混合して得られる、「海島分散」または「ポリマーアロイ」と呼ばれるブレンド型等の構造が挙げられる。
[0023]
 本発明において、上記ハードセグメントはポリオレフィン樹脂が好ましく、例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、分岐状低密度ポリエチレン、エチレン単独重合体、プロピレン単独重合体、あるいは、エチレンとα-オレフィンの共重合体が挙げられ、該α-オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘプテン、1-オクテン及び1-ブテン等の炭素原子数3~10のα-オレフィンが挙げられる。上記ポリオレフィン樹脂は、単一のポリオレフィン樹脂であってもよく、二種以上のポリオレフィン樹脂を組み合わせたものであってもよい。
[0024]
 上記ソフトセグメントは、エチレン及びα-オレフィンのエラストマーが好ましい。本発明の効果を損なわない範囲で、他のエラストマーを含んでもよい。他のエラストマーとしては、例えば、ポリブタジエン、水添ポリブタジエン、水添ポリイソプレン等のスチレン系エラストマー、塩化ビニル系エラストマー、ポリエーテル等のポリエステル系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ナイロン系エラストマー、天然ゴム等が挙げられる。
 本発明の樹脂添加剤マスターバッチにおいて上記熱可塑性エラストマーを配合する場合、その配合量は、上記ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、合計で50質量部以下とするのが好ましい。
[0025]
 また、本発明の樹脂添加剤マスターバッチは、上記(A)ポリオレフィン系樹脂以外に、他の樹脂を配合することができる。他の樹脂としては、例えば、炭化水素樹脂、炭化水素樹脂の水素化変性体(粘着付与剤)、ポリアセタール樹脂、脂肪族ポリケトン系樹脂(ケトン樹脂)、ポリスルホン(例えば、熱可塑性ポリスルホン、ポリ(エーテルスルホン)、ポリ(4,4’-ビスフェノールエーテルスルホン等)、ポリエーテルケトン、ポリ(エーテルエーテルケトン)、ポリエーテルイミド、ポリアリレート、熱可塑性ポリウレタン系樹脂(例えば、トリレンジイソシアネート等のジイソシアネート化合物と、グリコール及び/又はジアミンとの反応により得られる重合体、ポリテトラメチレングリコール等のセグメントを有していてもよいポリウレタンエラストマー等)、熱可塑性ポリイミド、ポリオキシベンジレン、エポキシ樹脂等を挙げることができる。
 上記他の樹脂を配合する場合、その配合量は、上記(A)ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、合計で50質量部以下とすることが好ましい。
[0026]
(B)融点が100℃以下の樹脂添加剤
 本発明における融点が100℃以下の樹脂添加剤としては、ヒンダードアミン化合物、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤などが挙げられる。
[0027]
 ここで、本発明における融点とは、メトラートレド社製融点測定器(型番MP-90)を用いて、昇温速度1℃/minの条件で測定したものを表す。ただし、重合物の場合、顕微鏡観察下で重合物を昇温速度1℃/minで加熱し、溶解した温度を融点とした。また、本発明において、「常温液体」とは融点が25℃以下の化合物を表す。
[0028]
 融点が100℃以下のヒンダードアミン化合物としては、例えば、
ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート(融点82-87℃)、
ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)セバケート(常温液体)、
メチル-1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジルセバケート(常温液体)、
ビス(1-オクチルオキシ-2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)セバケート(融点82-85℃)、
ビス(1-ウンデカノキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジル-4-イル)カーボネート(常温液体)、
メタクリル酸-1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル(常温液体)、
メタクリル酸-2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル(常温液体)、
ブタン-1,2,3,4-テトラカルボン酸テトラキス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)(融点>65℃)、
コハク酸ジメチル-1-(2-ヒドロキシエチル)-4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジン重縮合物(Mw=3100-4000,融点50-70℃)、
ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)セバケートとメチル-1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジルセバケートの混合物(BASF社製旧商品名Tinuvin765,常温液体)、
デカンニ酸ビス[2,2,6,6-テトラメチル-1-(オクチルオキシ)ピペリジン-4-イル](常温液体)、
BASF社製光安定剤商品名Tinuvin791(融点55℃)、
BASF社製光安定剤旧商品名Tinuvin783(融点55-140℃)、
株式会社ADEKA製商品名アデカスタブLA-62(常温液体)、
株式会社ADEKA製商品名アデカスタブLA-67(常温液体)、
株式会社ADEKA製商品名アデカスタブLA-68(融点70-80℃)、
株式会社ADEKA製商品名アデカスタブLA-63(融点80-90℃)、
クラリアント・ジャパン株式会社製商品名Sanduvor 3050(常温液体)、
クラリアント・ジャパン株式会社製商品名Sanduvor 3052(常温液体)、
クラリアント・ジャパン株式会社製商品名Sanduvor 3058(常温液体)
などが挙げられる。
[0029]
 本発明においては、下記一般式(1)で表されるヒンダードアミン化合物が好ましく用いられる。


(式中、R 1は水素原子、ヒドロキシ基、分岐又は直鎖の炭素原子数1~30のアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルコキシ基、ヒドロキシアルコキシ基又はオキシラジカルを表し、R 2は炭素原子数1~30のアルキル基、炭素原子数2~30のアルケニル基又は下記一般式(2)で表される基を表す。)


(式中、R 3は、上記一般式(1)中のR 1と同じものを表す。)
[0030]
 上記一般式(1)において、R 1及びR 2で表される炭素原子数1~30のアルキル基としては、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、sec-ペンチル、tert-ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、イソオクチル、2-エチルヘキシル、tert-オクチル、ノニル、イソノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル等を挙げることができる。R 1及びR 2は、同じものであってもよく、相違してもよい。
[0031]
 また、上記一般式(1)においてR 1で表される炭素原子数1~30のヒドロキシアルキル基としては、例えば、ヒドロキシエチル、2-ヒドロキシプロピル、3-ヒドロキシプロピル等、上記アルキル基のヒドロキシ基置換体を挙げることができる。
[0032]
 さらに、上記一般式(1)においてR 1で表される炭素原子数1~30のアルコキシ基としては、上記アルキル基に対応するメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、オクトキシ、2-エチルヘキシルオキシ、ウンデシルオキシ等を挙げることができる。
[0033]
 さらにまた、上記一般式(1)においてR 1で表される炭素原子数1~30のヒドロキシアルコキシ基としては、上記アルコキシ基と対応するヒドロキシエチルオキシ、2-ヒドロキシプロピルオキシ、3-ヒドロキシプロピルオキシ、4-ヒドロキシブチルオキシ、2-ヒドロキシ-2-メチルプロピルオキシ、6-ヒドロキシヘキシルオキシ等を挙げることができる。
[0034]
 さらにまた、上記一般式(1)においてR 2で表される炭素原子数2~30のアルケニル基としては、ビニル、プロペニル、ブテニル、ヘキセニル、オレイル等を挙げることができる。二重結合の位置は、α-位であっても、内部であっても、ω-位であってもよい。
[0035]
 本発明に用いられる一般式(1)で表されるヒンダードアミン化合物としては、より具体的には、下記の化合物No.1~No.9の化合物等を挙げることができる。但し、本発明は以下の化合物によって何ら制限を受けるものではない。尚、化合物No.7,No.8の混合アルキル基とは、上記一般式(1)中のR 1が炭素原子数15~17のアルキル基であるヒンダードアミン化合物の混合物を表し、化合物No.9の混合アルキル基とは、上記一般式(1)中のR 1が炭素原子数13~19のアルキル基であるヒンダードアミン化合物の混合物を表す。
[0036]


[0037]
 上記一般式(1)で表されるヒンダードアミン化合物の中では、R 1は、水素原子、メチル基又はアルコキシ基であるものが好ましく、R 2は、炭素原子数8~26のアルキル基の混合物である化合物が好ましい。
[0038]
 上記一般式(1)で表されるヒンダードアミン化合物の合成方法は、所定の炭素数を有する脂肪酸と2,2,6,6-テトラメチルピペリジノール骨格を有するアルコールとを反応させればよく、例えば、酸とアルコールの直接エステル化、酸ハロゲン化物とアルコールの反応、エステル交換反応等でエステル化が可能であり、精製方法としては、蒸留、再結晶、濾過材または吸着剤を用いる方法等を適宜使用できる。
[0039]
 本発明の樹脂添加剤マスターバッチにおいて、上記一般式(1)で表されるヒンダードアミン化合物及び下記一般式(3)で表される光安定剤であるベンゾエート化合物を混合して用いることが好ましい。


(式中、R 4及びR 5は、各々独立に水素原子、分岐又は直鎖の炭素原子数1~12のアルキル基又は炭素原子数7~30のアリールアルキル基を表し、R 6は炭素原子数8~30のアルキル基を表す。)
[0040]
 上記一般式(3)で表されるベンゾエート化合物において、R 6で表される炭素原子数8~30のアルキル基としては、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ベヘニル等が挙げられる。
[0041]
 R 4及びR 5で表される炭素原子数1~12のアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、tert-ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル等が挙げられ、炭素原子数7~30のアリールアルキル基としては、ベンジル、フェニルエチル、1-メチル-1-フェニルエチルなどが挙げられる。
[0042]
 一般式(3)で表されるベンゾエート化合物としては、具体的には、下記の化合物が挙げられる。ただし、本発明はこれらの化合物により何ら制限されるものではない。


[0043]
 本発明において、(B)融点が100℃以下の樹脂添加剤であるヒンダードアミン化合物と一般式(3)で表されるベンゾエート化合物の比率は、質量比で、1/4~4/1の範囲が好ましく、1/3~3/1の範囲内がより好ましい。
[0044]
 本発明において、融点100℃以下のフェノール系酸化防止剤としては、例えば、
2,6-ジ-tert-ブチル-p-クレゾール(融点69-73℃)、
2-メチル-4,6-ビス(オクチルチオメチル)フェノール(常温液体)、
2,4-ジメチル-6-(1-メチルペンタデシル)フェノール(常温液体)、
オクチル-3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-ヒドロ肉桂酸(常温液体)、
3,4-ジヒドロ-2,5,7,8-テトラメチル-2-(4,6,12-トリメチルトリデシル)-2H-1-ベンゾピラン6-オール(ビタミンE;常温油状)、
エチレンビス(オキシエチレン)ビス-(3-(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-m-トリル)―プロピオネート)(融点76-79℃)、
ステアリル(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート(融点50-55℃)等が挙げられる。
[0045]
 本発明においては、上記フェノール系酸化防止剤のうち、ステアリル(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネートを好ましく用いることができる。
[0046]
 上記融点100℃以下のリン系酸化防止剤としては、例えば、
ビス[2,4-ジ-tert-ブチル-6-メチルフェニル]エチルエステルホスファイト(融点89-92℃)、
テトラキス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)[1,1-ビフェニル]-4,4’-ジイルビスホスホナイト(融点75-95℃)、
3,9-ビス(オクタデシルオキシ)-2,4,8,10-テトラオキサ-3,9-ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン(軟化点50-62℃)、
4-ノニルフェニルホスファイト(常温液体)、
4,4’-イソプロピリデンジフェノールC12-15アルコールホスファイト(常温液体)、
2-エチルヘキシルジフェニルホスファイト(常温液体)、
ジフェニルイソデシルホスファイト(常温液体)、
トリイソデシルホスファイト(常温液体)、
トリイソドデシルホスファイト(常温液体)
等の化合物が挙げられる。
[0047]
 本発明においては、上記リン系酸化防止剤のうち、合成樹脂の安定化効果に優れているという観点から、トリイソデシルホスファイトおよびトリイソドデシルホスファイトを好ましく用いることができる。
[0048]
 上記融点100℃以下のチオエーテル系酸化防止剤としては、例えば、
4,6-ビス(オクチルチオメチル)-o-クレゾール(常温液体)、
ジドデシル-3,3’-チオジプロピオネート(融点39-41℃)、
ジオクタデシル-3,3’-チオジプロピオネート(融点64-67℃)、
2,6-ジ-tert-ブチル-4-(4,6-ビス(オクチルチオ)-1,3,5-トリアジン-2-イルアミノ)フェノール(融点91-96℃)、
6,6’-ジ-tert-ブチル-2,2’-p-クレゾール(融点81-86℃)、
チオジエチレンビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート](融点63-67℃)、
ビス[3-(ドデシルチオ)プロピオン酸]2,2-ビス[[3-(ドデシルチオ)-1-オキソプロピルオキシ]メチル]1,3-プロパンジイル(融点46-52℃)、
3,3’-チオジプロピオン酸ジトリデシル(常温液体)
等の化合物が挙げられる。
[0049]
 本発明においては、上記チオエーテル系酸化防止剤のうち、合成樹脂に対して優れた安定化効果を付与し得るとの観点から、ADEKA製商品名アデカスタブAO-23、アデカスタブAO-26等のチオジアルキルカルボン酸ジアルキルエステル化合物を好ましく用いることができる。
[0050]
 上記融点100℃以下の紫外線吸収剤としては、例えば、ポリエチレングリコールモノ-3-(3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-5-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)-1-オキソプロピルエーテル(常温液体)、
2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-6-ドデシル-4-メチルフェノール(常温液体)、
2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-(tert-ブチル)-6-(sec-ブチル)フェノール(融点81-84℃)、
2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4,6-ジ-tert-ペンチルフェノール(融点80-88℃)、
2-ヒドロキシ-4-(オクチルオキシ)ベンゾフェノン(融点47-49℃)、
BASF社旧商品名Tinuvin B75(常温液体)
等の化合物が挙げられる。
[0051]
 本発明においては、上記紫外線吸収剤のうち、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-(tert-ブチル)-6-(sec-ブチル)フェノール、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4,6-ジ-tert-ペンチルフェノール、2-ヒドロキシ-4-(オクチルオキシ)ベンゾフェノンを好ましく用いることができる。
[0052]
 上記融点100℃以下の難燃剤としては、例えば、
ビスフェノールA-ビス(ジフェニルホスフェート)(常温液体)、
株式会社ADEKA製商品名アデカスタブPFR(常温液体)
等が挙げられる。
[0053]
 本発明においては、上記難燃剤のうち、優れた難燃性を付与し得るとの観点から、芳香族ホスフェート型の化合物を好ましく用いることができる。
[0054]
 上記融点100℃以下の樹脂添加剤として上記に例示した以外の化合物としては、ベンザンアミン、N-フェニルと2,4,4-トリメチルペンテンの反応物(BASF社製旧商品名Irganox5057,常温液体)等が挙げられる。
[0055]
 本発明において上記(B)融点100℃以下の樹脂添加剤は、これらの単独またはこれらを含む混合物としての融点が100℃以下となる樹脂添加剤組成物であってもよく、脂肪族アルコールや脂肪酸を原料とする化合物においては、混合アルコールや混合脂肪酸から得られる混合エステル化合物(混基エステル化合物)を含む混合物であって、融点が100℃以下となるものであればよい。
[0056]
 本発明において上記(B)融点100℃以下の樹脂添加剤は、好ましくは融点が100℃以下であって、かつ、20℃以上である化合物であり、より好ましくは融点が100℃以下であって、かつ、25℃以上である化合物である。かかる化合物は、高濃度の樹脂添加剤マスターバッチの製造が容易になるという点から好ましいものである。
[0057]
 上記(B)融点100℃以下の樹脂添加剤は、(A)ポリオレフィン樹脂100質量部に対し、60~150質量部、好ましくは80~120質量部配合する。(B)の樹脂添加剤の配合量が60質量部未満であると、マスターバッチとしての添加量が多くなり、高濃度マスターバッチのメリットが小さくなる。一方、150質量部を超過した場合には、(B)の樹脂添加剤が滲出して、マスターバッチにブロッキングが生じたりして取り扱い性が悪化したりする場合がある。
[0058]
(C)有機酸金属塩
 本発明に用いられる(C)有機酸金属塩とは、安息香酸ナトリウム、4-tert-ブチル安息香酸アルミニウム塩、アジピン酸ナトリウム及び2-ナトリウムビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2,3-ジカルボキシレート等のカルボン酸金属塩、ソディウムビス(4-tert-ブチルフェニル)ホスフェート、ソディウム-2,2’-メチレンビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスフェート及びリチウム-2,2’-メチレンビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスフェート等のリン酸エステル金属塩、ジベンジリデンソルビトール、ビス(メチルベンジリデン)ソルビトール、ビス(3,4-ジメチルベンジリデン)ソルビトール、ビス(p-エチルベンジリデン)ソルビトール、及びビス(ジメチルベンジリデン)ソルビトール等の多価アルコール誘導体、N,N’,N”-トリス[2-メチルシクロヘキシル]-1,2,3-プロパントリカルボキサミド、N,N’,N”-トリシクロヘキシル-1,3,5-ベンゼントリカルボキミド、N,N’-ジシクロヘキシルナフタレンジカルボキサミド、1,3,5-トリ(ジメチルプロパンアミド)ベンゼン等のアミド化合物等を挙げることができる。
[0059]
 本発明においては、下記一般式(4)で表される有機リン酸エステル金属塩が好ましい。


(式中、R ~R 10は、各々独立して、水素原子又は分岐又は直鎖の炭素原子数1~8のアルキル基を表し、
11は炭素原子数1~4のアルキリデン基を表し、
Xはアルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、亜鉛原子又はアルミニウム原子を表し、
Xがアルカリ金属原子の場合、nは1であって、且つ、mは0を表し、
Xがアルカリ土類金属原子又は亜鉛原子の場合、nは2であって、且つ、mは0を表し、
Xがアルミニウム原子の場合、nは1又は2であって、且つ、mは3-nを表す。)
[0060]
 上記一般式(4)中のR ~R 10で表される、分岐又は直鎖の炭素原子数1~8のアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、イソブチル、アミル、tert-アミル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、イソオクチル、tert-オクチル、2-エチルヘキシル等を挙げることができるが、本発明においては、特に、tert-ブチル基であるものが好ましい。
[0061]
 上記一般式(4)中のR 11で表される炭素原子数1~4のアルキリデン基としては、例えば、メチリデン、エチリデン、プロピリデン、ブチリデン等を挙げることができる。
[0062]
 上記一般式(4)中のXで表されるアルカリ金属原子としては、リチウム、ナトリウム、カリウム等を挙げることができるが、特に、ナトリウム又はリチウムが好ましい。
[0063]
 上記一般式(4)中のXで表されるアルカリ土類金属原子としては、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ラジウムを挙げることができるが、特にカルシウム及びマグネシウムが好ましい。
[0064]
 上記一般式(4)で表される有機酸金属塩の具体的な構造としては、例えば、下記化合物N-1~N-6を挙げることができる。但し、本発明は以下の化合物により制限を受けるものではない。
[0065]


[0066]
 本発明の樹脂添加剤マスターバッチにおいて、(A)ポリオレフィン樹脂100質量部に対する(C)有機酸金属塩の配合量は、0.01~3質量部であり、好ましくは0.1~2質量部である。0.01質量部未満であると、(A)~(D)成分を押出機で溶融混練する際に、押出機から排出されるストランドが切れやすくなり、安定生産を達成できなくなる場合がある。また、3質量部を超過した場合にも、安定生産を達成できなくなる場合がある。
[0067]
(D)脂肪酸金属塩
 本発明の樹脂添加剤マスターバッチに用いられる(D)脂肪酸金属塩は、下記一般式(5)で表される化合物が挙げられる。
[0068]


(式中、R 12は、ヒドロキシル基及びシクロアルキル基から選ばれる1種以上の置換基を有してもよい炭素原子数1~40の脂肪族基を表し、
Mは、金属原子を表し、qは、1~4の整数であって、Mの金属原子の価数を表す。)
[0069]
 上記一般式(5)において、R 12で表される炭素原子数1~40の脂肪族基は、アルキル基、アルケニル基、2つ以上の不飽和結合が導入されたアルキル基等の炭化水素基が挙げられ、ヒドロキシル基、シクロアルキル基、又は分岐を有していてもよい。
 具体的には、酢酸、プロピオン酸、乳酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、2-エチルヘキサン酸、エナント酸、ペラルゴン酸、カプリル酸、ネオデシル酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ノナデシル酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸、トウハク酸、リンデル酸、ツズ酸、パルミトレイン酸、ミリストレイン酸、ペトロセリン酸、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、リノール酸、リノエライジン酸、γ-リノレン酸、リノレン酸、リシノール酸、ナフテン酸、アビエチン酸、ヒドロキシ酢酸、乳酸、β-ヒドロキシプロピオン酸、2-メチル-β-ヒドロキシプロピオン酸、α-ヒドロキシ酪酸、β-ヒドロキシ酪酸、γ-ヒドロキシ酪酸、モノメチロールプロピオン酸、ジメチロールプロピオン酸、12-ヒドロキシステアリン酸等を挙げることができる。これらの中でも、炭素原子数10~40、より好ましくは、12~22の脂肪酸であるものが、好ましく、特に、ミリスチン酸、ステアリン酸、12-ヒドロキシステアリン酸等が好ましい。
[0070]
 上記一般式(5)において、Mで表される金属原子とは、アルカリ金属、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、チタニウム、マンガン、鉄、亜鉛、珪素、ジルコニウム、イットリウム、バリウム又はハフニウム等を挙げることができる。これらの中で、特に、ナトリウム、リチウム、カリウム等のアルカリ金属が好ましく用いられる。
 本発明においては、性能と入手が比較的容易であることより、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ミリスチン酸リチウム、ベヘン酸マグネシウム、12-ヒドロキシステアリン酸リチウム等が、好ましい脂肪酸金属塩として挙げられ、より好ましくは、ステアリン酸亜鉛が挙げられる。
[0071]
 上記脂肪酸金属塩は、カルボン酸化合物と金属水酸化物を反応させた後、水洗、脱水、乾燥する合成方法(複分解法)、水を使わずに直接反応させる合成法(直接法)で製造することができる。
[0072]
 上記(D)脂肪酸金属塩の配合量は、(A)ポリオレフィン樹脂100質量部に対し、0.1~5質量部、好ましくは0.5~4質量部、より好ましくは0.5~3.5質量部である。
 脂肪酸金属塩の配合量が0.1質量部未満では、本発明の効果が得られなくなる場合がある。一方、5質量部を超える場合には、添加量効果が得られなくなるだけでなく、上記(A)~(D)成分を溶融混練して樹脂添加剤マスターバッチを製造する際に、押出機から排出されるストランドが切れやすくなり、安定生産が困難になる場合がある。
[0073]
 本発明の樹脂添加剤マスターバッチは、上記(A)~(D)成分以外に、本発明の効果を著しく損なわない範囲で、任意で公知の樹脂添加剤(例えば、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン化合物、難燃剤、難燃助剤、滑剤、充填材、金属石鹸、ハイドロタルサイト類、帯電防止剤、顔料、染料等)を含有させてもよい。また、公知の樹脂添加剤は、本発明の樹脂添加剤マスターバッチとは別に合成樹脂に配合してもよい。
[0074]
 上記(B)成分以外のフェノール系酸化防止剤としては、例えば、1,3,5-トリス[[3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシフェニル]メチル]-1,3,5-トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)トリオン、1,1,3-トリス(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-tert-ブチルフェニル)ブタン、4,4’-ブチリデンビス(6-tert-ブチル-m-クレゾール)、ペンタエリスリトールテトラキス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオナート]、3,9-ビス[1,1-ジメチル-2-[β-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5,5]-ウンデカン、1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3’,5’-ジ-tert-ブチル-4’-ヒドロキシベンジル)ベンゼンなどが挙げられる。
[0075]
 上記(B)成分以外のリン系酸化防止剤としては、例えば、3,9-ビス(2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノキシ)-2,4-8,10-テトラオキサ-3,9-ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、2,4,8,10-テトラキス(1,1-ジメチルエチル)-6-[(2-エチルヘキシル)オキシ]12H-ジベンゾ[d,g][1,3,2]ジオキサホスホシン、トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト等が挙げられる。
[0076]
 上記(B)成分以外の紫外線吸収剤としては、例えば、2-(2-ヒドロキシ-5-tert-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’-メチレンビス[6-(ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-tert-オクチルフェノール]、2-(2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(5-クロロ-2-ベンゾトリアゾリル)-6-tert-ブチル-p-クレゾール、2-(5-クロロ-2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-6-tert-ブチル-4-メチルフェノール等が挙げられる。
[0077]
 本発明の樹脂添加剤マスターバッチにおいて、上記(B)成分以外の公知の樹脂添加剤の配合量は、樹脂添加剤マスターバッチ中、好ましくは50質量%未満、より好ましくは30質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下である。
[0078]
 本発明の樹脂添加剤マスターバッチは、上記構成成分を均一に混合後、溶融混練することによって得られる。その方法は特に限定されないが、例えば、ヘンシェルミキサー、タンブラー等の混合機でドライブレンドし、押出機、バンバリーミキサー、ロール、ブラベンダープラストグラフ、ニーダー等を用いて、加工温度180℃~280℃にて混練することにより本発明の樹脂添加剤マスターバッチを製造することができる。これらの中でも、混合機としてはヘンシェルミキサーを、加工機としては押出機、特に二軸押出機を用いて製造することが好ましい。
[0079]
 本発明の樹脂添加剤マスターバッチを合成樹脂に配合して成形する場合、公知の成形方法を用いて成形することができる。例えば、合成樹脂が熱可塑性樹脂である場合は、射出成形法、押出成形法、ブロー成形法、真空成形法、インフレーション成形法、カレンダー成形法、スラッシュ成形法、ディップ成形法、発泡成形法等を用いて成形品を得ることができる。
 また、合成樹脂が、熱、光、放射線及びその他による硬化性樹脂である場合は、圧縮成形法、射出成形法、低圧成形法、積層成形法などを用いて成形品を得ることができる。
[0080]
 上記合成樹脂としては、例えば、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレン、ポリブテン-1、ポリ-3-メチルペンテン等のα-オレフィン重合体;エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-エチルアクリレート共重合体、エチレン-メチルアクリレート共重合体、エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-メタクリル酸共重合体、エチレン-ビニルアルコール共重合体、エチレン-プロピレン共重合体等のポリオレフィン及びこれらの共重合体;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、塩化ゴム、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル-エチレン共重合体、塩化ビニル-塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル-塩化ビニリデン-酢酸ビニル三元共重合体、塩化ビニル-アクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル-マレイン酸エステル共重合体、塩化ビニル-シクロヘキシルマレイミド共重合体等の含ハロゲン樹脂;石油樹脂;クマロン樹脂;ポリスチレン;ポリ酢酸ビニル;アクリル樹脂;スチレン及び/又はα-メチルスチレンと他の単量体(例えば、無水マレイン酸、フェニルマレイミド、メタクリル酸メチル、ブタジエン、アクリロニトリル等)との共重合体(例えば、AS樹脂、ABS樹脂、MBS樹脂、耐熱ABS樹脂等);ポリメチルメタクリレート、ポリビニルアルコール、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等の直鎖ポリエステル;ポリフェニレンオキサイド、ポリカプロラクタム、ポリヘキサメチレンアジパミド等のポリアミド;ポリカーボネート、ポリカーボネート/ABS樹脂、分岐ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリフェニレンサルファイド、ポリウレタン、トリアセチルセルロース、繊維系樹脂等の熱可塑性樹脂及びこれらのブレンド物;フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂を挙げることができる。更に、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、アクリロニトリル-ブタジエン共重合ゴム、スチレン-ブタジエン共重合ゴム等のエラストマーであってもよい。これらの合成樹脂は、単独で使用してもよく、或いは二種類以上混合して使用してもよい。
 本発明においては、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレン、ポリブテン-1、ポリ-3-メチルペンテン等のα-オレフィン重合体とエチレンもしくはプロピレンの共重合体等から選択されるポリオレフィン系樹脂が好ましい。
[0081]
 上記合成樹脂100質量部に対する本発明の樹脂添加剤マスターバッチの配合量は、上記(B)成分が0.01~10質量部となるように配合することが望ましい。0.01質量部未満の場合、(B)成分の添加効果が現れない場合があり、10質量部超の場合、添加量効果が得られなくなる場合があり、不経済である。
実施例
[0082]
 以下、本発明を実施例及び比較例により説明するが、本発明は、以下の実施例等により制限されるものではない。
 ホモポリプロピレン(MFR=8g/10min)、(B)融点が100℃以下の樹脂添加剤、(C)有機酸金属塩、(D)脂肪酸金属塩を下記の表1に記載の配合で混合し、二軸押出機(株式会社日本製鋼所製商品名TEX-30α)を用いて、溶融温度230℃、スクリュー速度150rpmの条件で溶融混練し、造粒して樹脂添加剤マスターバッチを製造した。
 得られた樹脂添加剤マスターバッチは、それぞれ直径3.5cmの円柱の容器に底面から高さ4cmになるまで入れ、試料の上部に厚み1mmの円盤を敷き、該円盤の上部に3kgの重りをのせ、60℃で2時間加熱して、-10℃で2時間冷却するサイクルで5回繰り返したあと、常温(25℃)で2時間静置し、樹脂添加剤マスターバッチがブロッキングしているかを確認した。ブロッキングしていた場合は、円柱状に形成している樹脂添加剤マスターバッチの上面から荷重を加えていき、円柱の形状が崩れたときの荷重を求めた。これらの結果について、下記表1にそれぞれ示す。
[0083]
[表1]


(1)Homo-PP:ホモポリプロピレン(MFR=8g/10min)
(2)LA-402:株式会社ADEKA製商品名LA-402(融点:33℃、2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジノール及び炭素原子数12-20の脂肪酸の反応生成物並びにヘキサデシル-3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンゾエートの混合物)
(3)NA-11:ADEKA製商品名アデカスタブNA-11(前記N-1の化合物)
(4)Zn-St:ステアリン酸亜鉛
(5)Talc:タルク(協和化学工業製商品名ミクロエース)
(6)SEBS:スチレン-ブタジエン-スチレンエラストマー(ポリスチレン含有量:33wt%,比重:0.91g/10cm 、水添率:100%)
(7)Na-Bz:安息香酸ナトリウム
(8)2112:株式会社ADEKA製商品名アデカスタブ2112(2,4-ジ-tert-ブチルトリフェニルホスファイト)
[0084]
 比較例1より、(D)脂肪酸金属塩を配合せずに樹脂添加剤マスターバッチを製造した場合、ブロッキングの改善効果は満足できるものではなかった。
 比較例2-5より、(D)有機酸金属塩を無機物やスチレン系エラストマーに置き換えて樹脂添加剤マスターバッチを製造した場合も、ブロッキングの改善効果は満足できるものではなかった。 
 比較例6、7より、(A)ポリオレフィン樹脂100質量部に対して、(C)有機酸金属塩を配合しなかった場合、又は、(C)有機酸金属塩を3質量部を超えて配合した場合、押出機による溶融混練後、排出されるストランドが切れやすくなり、安定生産を行うことができなかった。
 比較例8より、(A)ポリオレフィン樹脂100質量部に対し、(B)融点が100℃以下の樹脂添加剤を150質量部を超えて配合した場合、造粒できず試験片を作製できなかった。
 比較例9より、(A)ポリオレフィン樹脂100質量部に対し、(D)脂肪酸金属塩を5質量部を超えて配合した場合、造粒できず試験片を作製できなかった。
[0085]
 これに対し、実施例1~6より、本発明の樹脂添加剤マスターバッチは、いずれもブロッキングの改善効果が顕著であることが確認できた。

請求の範囲

[請求項1]
 (A)ポリオレフィン樹脂100質量部に対し、(B)融点が100℃以下の樹脂添加剤60~150質量部、(C)有機酸金属塩0.01~3質量部、及び(D)脂肪酸金属塩0.1~5質量部を含有することを特徴とする樹脂添加剤マスターバッチ。
[請求項2]
 上記(B)融点が100℃以下の樹脂添加剤が、ヒンダードアミン化合物、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤、紫外線吸収剤及び難燃剤から選択される1又は2以上の樹脂添加剤である請求項1記載の樹脂添加剤マスターバッチ。
[請求項3]
 上記(B)融点が100℃以下の樹脂添加剤が、下記一般式(1)で表されるヒンダードアミン化合物である請求項1記載の樹脂添加剤マスターバッチ。


(式中、R 1は、水素原子、ヒドロキシ基、分岐又は直鎖の炭素原子数1~30のアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルコキシ基、ヒドロキシアルコキシ基又はオキシラジカルを表し、R 2は炭素原子数1~30のアルキル基、炭素原子数2~30のアルケニル基又は下記一般式(2)で表される基を表す。)


(式中、R 3は、上記一般式(1)中のR 1と同じものを表す。)
[請求項4]
 さらに、(E)下記一般式(3)で表される光安定剤を含有する請求項3記載の樹脂添加剤マスターバッチ。


(式中、R 4及びR 5は、各々独立に水素原子、分岐又は直鎖の炭素原子数1~12のアルキル基又は炭素原子数7~30のアリールアルキル基を表し、R 6は炭素原子数8~30のアルキル基を表す。)
[請求項5]
 上記(C)有機酸金属塩が、下記一般式(4)で表される化合物である請求項1記載の樹脂添加剤マスターバッチ。


(式中、R ~R 10は、各々独立して、水素原子又は分岐又は直鎖の炭素原子数1~8のアルキル基を表し、
11は炭素原子数1~4のアルキリデン基を表し、
Xはアルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、亜鉛原子又はアルミニウム原子を表し、Xがアルカリ金属原子の場合、nは1であって、且つ、mは0を表し、
Xがアルカリ土類金属原子又は亜鉛原子の場合、nは2であって、且つ、mは0を表し、Xがアルミニウム原子の場合、nは1又は2であって、且つ、mは3-nを表す。)
[請求項6]
 上記(D)脂肪酸金属塩が、下記一般式(5)で表される化合物である請求項1記載の樹脂添加剤マスターバッチ。


(式中、R 12は、ヒドロキシル基及びシクロアルキル基から選ばれる1種以上の置換基を有してもよい炭素原子数1~40の脂肪族基を表し、
Mは、金属原子を表し、qは、1~4の整数であって、Mの金属原子の価数を表す。)