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1. WO2016143774 - ORGANIC SEMICONDUCTOR LIQUID COMPOSITION, ORGANIC SEMICONDUCTOR ELEMENT AND METHOD FOR PRODUCING SAME

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明 細 書

発明の名称 有機半導体液組成物、有機半導体素子及びその作製方法

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

先行技術文献

特許文献

0004  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0005  

課題を解決するための手段

0006   0007   0008   0009  

発明の効果

0010  

図面の簡単な説明

0011  

発明を実施するための形態

0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117   0118   0119   0120   0121   0122   0123   0124   0125   0126   0127   0128   0129   0130   0131   0132   0133   0134   0135   0136   0137   0138   0139   0140   0141   0142   0143   0144   0145   0146   0147   0148   0149   0150   0151   0152   0153   0154   0155   0156   0157   0158   0159   0160   0161   0162   0163   0164   0165   0166   0167   0168   0169   0170   0171   0172   0173   0174   0175   0176   0177   0178   0179   0180   0181   0182   0183   0184   0185   0186   0187   0188   0189   0190   0191   0192   0193   0194   0195   0196   0197  

実施例

0198   0199   0200   0201   0202   0203   0204   0205   0206   0207   0208   0209   0210   0211   0212   0213   0214   0215   0216   0217  

符号の説明

0218  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11  

図面

1   2   3   4  

明 細 書

発明の名称 : 有機半導体液組成物、有機半導体素子及びその作製方法

技術分野

[0001]
 本発明は、有機半導体液組成物、有機半導体素子及びその作製方法に関する。

背景技術

[0002]
 軽量化、低コスト化、柔軟化が可能であることから、液晶ディスプレイや有機エレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイに用いられるFET(電界効果トランジスタ)、RFID(Radio Frequency Identifier、RFタグ)等に、有機半導体膜(有機半導体層)を有する有機トランジスタが利用されている。
 有機半導体膜の作製方法としては、種々の方法が提案されている。
 例えば、有機半導体膜を形成する組成物としては、特許文献1及び2に記載された組成物が知られている。
 特許文献1には、低分子化合物と、キャリア輸送性を有する高分子化合物と、を含み、上記高分子化合物の溶解度パラメータと、上記低分子化合物の溶解度パラメータとが、0.6以上1.5以下異なっている、ことを特徴とする有機半導体液組成物が記載されている。
 特許文献2には、高分子化合物と低分子化合物とを含んでなる有機半導体材料であって、上記高分子化合物が、L個の6π電子系環、M個の8π電子系環、N個の10π電子系環、O個の12π電子系環、P個の14π電子系環、Q個の16π電子系環、R個の18π電子系環、S個の20π電子系環、T個の22π電子系環、U個の24π電子系環、および、V個の26π電子系環(ただしL、M、N、O、P、Q、R、S、T、U、Vはそれぞれ0~6の整数を表し、L+M+N+O+P+Q+R+S+T+U+V=1~6とする。)からなる群より選択されるπ電子環からなる骨格構造を側鎖の一部に有し、上記低分子化合物が、上記のπ電子環群から選択されるπ電子系環からなる骨格構造を有し、両末端の少なくとも一方に液晶性を発現するターミナルグループを有する、ことを特徴とする、有機半導体材料が記載されている。
[0003]
 また、有機半導体膜及びその作製方法としては、特許文献3に記載の膜や特許文献4に記載された方法が知られている。
 特許文献3には、少なくともカーボンナノチューブと液晶性有機半導体を含む有機半導体層と、該有機半導体層に接する配向層とを有する有機半導体積層膜が記載されている。
 特許文献4には、有機半導体材料を溶媒に溶解させた液状材料を基板に塗布する工程と、上記溶媒を除去する工程と、を含み、上記溶媒として液晶性材料を用いること、を特徴とする半導体装置の製造方法が記載されている。

先行技術文献

特許文献

[0004]
特許文献1 : 特開2009-267372号公報
特許文献2 : 特開2004-6754号公報
特許文献3 : 特開2009-289783号公報
特許文献4 : 特開2004-31458号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0005]
 本発明が解決しようとする課題は、高移動度の有機半導体膜を得ることができる有機半導体液組成物、上記有機半導体液組成物を用いて作製された有機半導体素子及びその作製方法を提供することである。

課題を解決するための手段

[0006]
 本発明の上記課題は、以下の<1>、<8>又は<10>に記載の手段により解決された。好ましい実施態様である<2>~<7>、<9>、<11>及び<12>と共に以下に記載する。
 <1>有機半導体と、液晶性化合物と、絶縁性有機高分子と、を含むことを特徴とする有機半導体液組成物、
 <2>上記絶縁性有機高分子が、下記式1aで表される構成単位及び/又は下記式1bで表される構成単位を有する樹脂を含む、<1>に記載の有機半導体液組成物、
[0007]
[化1]


[0008]
 式中、Rはそれぞれ独立に、炭素数1~20の直鎖又は分岐アルキル基を表す。
[0009]
 <3>上記絶縁性有機高分子が、ポリカルボン酸ビニル、又は、ポリビニルアセタールである、<1>又は<2>に記載の有機半導体液組成物、
 <4>上記絶縁性有機高分子が、ポリカルボン酸ビニル、又は、ポリビニルブチラールである、<3>に記載の有機半導体液組成物、
 <5>上記液晶性化合物が、重合性基を有する液晶性化合物を含む、<1>~<4>のいずれか1つに記載の有機半導体液組成物、
 <6>上記液晶性化合物が、エチレン性不飽和基を有する液晶性化合物を含む、<5>に記載の有機半導体液組成物、
 <7>重合開始剤を更に含む、<5>又は<6>に記載の有機半導体液組成物、
 <8><1>~<7>のいずれか1つに記載の有機半導体液組成物を塗布し膜を形成する膜形成工程、上記膜を加熱により融解させる融解工程、及び、融解した上記膜を冷却して相分離させ、絶縁性有機高分子層、有機半導体層、液晶性化合物層の順に積層構造を形成させる相分離工程、を含む有機半導体素子の作製方法、
 <9>上記液晶性化合物が、重合性基を有する液晶性化合物を含み、上記相分離工程の後に、上記重合性基を有する液晶性化合物を重合する重合工程を更に含む、<8>に記載の有機半導体素子の作製方法、
 <10><8>又は<9>に記載の方法で作製された有機半導体素子、
 <11>有機薄膜トランジスタである、<10>に記載の有機半導体素子、
 <12>ボトムコンタクト型有機薄膜トランジスタである、<11>に記載の有機半導体素子。

発明の効果

[0010]
 本発明によれば、高移動度の有機半導体膜を得ることができる有機半導体液組成物、上記有機半導体液組成物を用いて作製された有機半導体素子及びその作製方法を提供することができる。

図面の簡単な説明

[0011]
[図1] 本発明の有機半導体素子の一態様の断面模式図である。
[図2] 本発明の有機半導体素子の別の一態様の断面模式図である。
[図3] 従来の有機半導体液組成物を使用して形成したボトムコンタクト型有機薄膜トランジスタ形成時の断面模式図である。
[図4] 本発明の有機半導体液組成物を使用して形成したボトムコンタクト型有機薄膜トランジスタ形成時の断面模式図である。

発明を実施するための形態

[0012]
 以下において、本発明の内容について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。なお、本願明細書において「~」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
 本明細書における基(原子団)の表記において、置換及び無置換を記していない表記は、置換基を有さないものとともに置換基を有するものをも包含するものである。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
 また、本明細書における化学構造式は、水素原子を省略した簡略構造式で記載する場合もある。
 本発明において、「移動度」との記載は、キャリア移動度を意味し、電子移動度及びホール移動度のいずれか、又は、双方を意味する。
 また、本発明において、「質量%」と「重量%」とは同義であり、「質量部」と「重量部」とは同義である。
 また、本発明において、2以上の好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
[0013]
(有機半導体液組成物)
 本発明の有機半導体液組成物(以下、単に「組成物」ともいう。)は、有機半導体と、液晶性化合物と、絶縁性有機高分子と、を含むことを特徴とする。
 なお、本発明における絶縁性有機高分子とは、20℃における電気抵抗率が1×10 Ω・m以上である有機高分子とする。
[0014]
 本発明者は鋭意検討を重ねた結果、有機半導体と、液晶性化合物と、絶縁性有機高分子とを含有することにより、高移動度の有機半導体膜を得ることができることを見いだし、本発明を完成するに至ったものである。
 詳細な効果の発現機構については不明であるが、有機半導体、液晶性化合物及び絶縁性有機高分子の3成分が協奏的に作用し、また、絶縁性有機高分子層、有機半導体層、及び、液晶性化合物層の順に積層構造が形成されることも作用し、高移動度の有機半導体膜を得ることができるものと推定される。
[0015]
<有機半導体>
 本発明の有機半導体液組成物は、有機半導体を含む。
 有機半導体としては、低分子化合物であっても、ポリマーであってもよいが、低分子化合物であることが好ましい。
 有機半導体として用いられる低分子化合物は、分子量1,000未満の化合物であることが好ましい。
 また、有機半導体として用いられる低分子化合物は、縮合多環芳香族化合物であることが好ましい。縮合多環芳香族化合物は、キャリア移動度及び耐久性の向上効果が高く、更には優れた閾値電圧の低減効果をも示す。
[0016]
 縮合多環芳香族化合物としては、例えば、ナフタセン、ペンタセン(2,3,6,7-ジベンゾアントラセン)、ヘキサセン、ヘプタセン、ジベンゾペンタセン、テトラベンゾペンタセン等のアセン、アントラジチオフェン、ピレン、ベンゾピレン、ジベンゾピレン、クリセン、ペリレン、コロネン、テリレン、オバレン、クオテリレン、サーカムアントラセン、及び、これらの炭素原子の一部をN、S、O等の原子で置換した誘導体又は上記炭素原子に結合している少なくとも1つの水素原子をカルボニル基等の官能基で置換した誘導体(ペリキサンテノキサンテン及びその誘導体を含むジオキサアンタントレン系化合物、トリフェノジオキサジン、トリフェノジチアジン、ヘキサセン-6,15-キノン等)、並びに、上記水素原子を他の官能基で置換した誘導体を挙げることができる。
[0017]
 また、有機半導体としては、銅フタロシアニンで代表される金属フタロシアニン、テトラチアペンタレン及びその誘導体、ナフタレン-1,4,5,8-テトラカルボン酸ジイミド、N,N’-ビス(4-トリフルオロメチルベンジル)ナフタレン-1,4,5,8-テトラカルボン酸ジイミド、N,N’-ビス(1H,1H-ペルフルオロオクチル)、N,N’-ビス(1H,1H-ペルフルオロブチル)、N,N’-ジオクチルナフタレン-1,4,5,8-テトラカルボン酸ジイミド誘導体、ナフタレン-2,3,6,7-テトラカルボン酸ジイミド等のナフタレンテトラカルボン酸ジイミド、アントラセン-2,3,6,7-テトラカルボン酸ジイミド等のアントラセンテトラカルボン酸ジイミド等の縮合環テトラカルボン酸ジイミド、C60、C70、C76、C78、C84等のフラーレン及びこれらの誘導体、シングルウォールカーボンナノチューブ(SWNT)等のカーボンナノチューブ、メロシアニン色素及びヘミシアニン色素等の色素とこれらの誘導体等を挙げることもできる。
 更に、有機半導体としては、ポリアントラセン、トリフェニレン及びキナクリドンを挙げることができる。
[0018]
 また、有機半導体としては、例えば、4,4’-ビフェニルジチオール(BPDT)、4,4’-ジイソシアノビフェニル、4,4’-ジイソシアノ-p-テルフェニル、2,5-ビス(5’-チオアセチル-2’-チオフェニル)チオフェン、2,5-ビス(5’-チオアセトキシル-2’-チオフェニル)チオフェン、4,4’-ジイソシアノフェニル、ベンジジン(ビフェニル-4,4’-ジアミン)、TCNQ(テトラシアノキノジメタン)、テトラチアフルバレン(TTF)及びその誘導体、テトラチアフルバレン(TTF)-TCNQ錯体、ビスエチレンテトラチアフルバレン(BEDTTTF)-過塩素酸錯体、BEDTTTF-ヨウ素錯体、TCNQ-ヨウ素錯体に代表される電荷移動錯体、ビフェニル-4,4’-ジカルボン酸、1,4-ジ(4-チオフェニルアセチリニル)-2-エチルベンゼン、1,4-ジ(4-イソシアノフェニルアセチリニル)-2-エチルベンゼン、1,4-ジ(4-チオフェニルエチニル)-2-エチルベンゼン、2,2”-ジヒドロキシ-1,1’:4’,1”-テルフェニル、4,4’-ビフェニルジエタナール、4,4’-ビフェニルジオール、4,4’-ビフェニルジイソシアネート、1,4-ジアセチニルベンゼン、ジエチルビフェニル-4,4’-ジカルボキシレート、ベンゾ[1,2-c;3,4-c’;5,6-c”]トリス[1,2]ジチオール-1,4,7-トリチオン、α-セキシチオフェン、テトラチアテトラセン、テトラセレノテトラセン、テトラテルルテトラセン、ポリ(3-アルキルチオフェン)、ポリ(3-チオフェン-β-エタンスルホン酸)、ポリ(N-アルキルピロール)ポリ(3-アルキルピロール)、ポリ(3,4-ジアルキルピロール)、ポリ(2,2’-チエニルピロール)、ポリ(ジベンゾチオフェンスルフィド)を例示することができる。
[0019]
 縮合多環芳香族化合物は、後述する、式(1)で表される化合物、式(A1)~式(A4)のいずれかで表されるアセン、及び、下記式(C)~式(H)、式(J)~式(N)又は式(P)~式(T)のいずれかで表される化合物が好ましく、絶縁性高分子と偏在しやすい点で、下記式(C)~式(H)、式(J)~式(N)又は式(P)~式(T)のいずれかで表される化合物がより好ましい。
 また、縮合多環芳香族化合物は、式(1)で表される化合物が好ましい。
[0020]
[化2]


[0021]
 式(1)中、R 及びR はそれぞれ独立に、炭素数8~10であり、かつ炭素数が偶数の無置換の直鎖アルキル基、炭素数3~15であり、かつ炭素数が奇数の無置換の直鎖アルキル基、炭素数3~15の置換の直鎖アルキル基又は炭素数3~18の置換若しくは無置換の分岐アルキル基を表す。式(1)中の芳香族部分にハロゲン原子が置換してもよい。
[0022]
 まず、式(1)で表される化合物の構造の好ましい態様について説明する。
 R 及びR が表す炭素数8~10であり、かつ炭素数が偶数の無置換の直鎖アルキル基としては、炭素数8又は10の直鎖アルキル基であることが好ましく、炭素数10の直鎖アルキル基であることが特に好ましい。上記の範囲の長鎖アルキル基であること、特に長鎖の直鎖アルキル基であることが、分子の直線性が高まり、キャリア移動度を高めることができる観点から好ましい。
[0023]
 R 及びR が表す炭素数3~15であり、かつ炭素数が奇数の無置換の直鎖アルキル基は、炭素数5~15であり炭素数が奇数の無置換直鎖アルキル基であることが好ましく、炭素数7~13であり炭素数が奇数の無置換直鎖アルキル基であることがより好ましく、炭素数9又は11の無置換直鎖アルキル基であることが特に好ましい。
[0024]
 R 及びR は直鎖アルキル基であることが、分子の直線性が高まり、キャリア移動度を高めることができる観点から好ましい。一方、有機溶媒への溶解度を高める観点からはR 及びR が分枝アルキル基であってもよい。
[0025]
 R 及びR が炭素数3~15の置換の直鎖アルキル基又は炭素数3~18の置換の分岐アルキル基である場合の置換基としては、特に限定はないが、ハロゲン原子、アルケニル基(エテニル基、1-ペンテニル基、1-ヘプタニル基、シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基等を含む)、アルキニル基(1-ペンチニル基、トリメチルシリルエチニル基、トリエチルシリルエチニル基、トリ-i-プロピルシリルエチニル基、2-p-プロピルフェニルエチニル基等を含む)、アリール基(フェニル基、ナフチル基、p-ペンチルフェニル基、3,4-ジペンチルフェニル基、p-ヘプトキシフェニル基、3,4-ジヘプトキシフェニル基の炭素数6~20のアリール基等を含む)、複素環基(ヘテロ環基といってもよい。2-ヘキシルフラニル基等を含む)、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アシル基(ヘキサノイル基、ベンゾイル基等を含む)、アルコキシ基(ブトキシ基等を含む)、アリールオキシ基(フェノキシ基等を含む)、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アミノ基(アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基(ウレイド基を含む)、アルコキシ及びアリールオキシカルボニルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキル及びアリールチオ基(メチルチオ基、オクチルチオ基等を含む)、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキル及びアリールスルフィニル基、アルキル及びアリールスルホニル基、アルキル及びアリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アリール及びヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、ホスホノ基、シリル基(ジトリメチルシロキシメチルブトキシ基等)、ヒドラジノ基、ウレイド基、ボロン酸基(-B(OH) )、ホスファト基(-OPO(OH) )、スルファト基(-OSO H)、その他の公知の置換基が挙げられる。
 また、これら置換基は、更に上記置換基を有していてもよい。
 これらの中でも、とりうる置換基として、ハロゲン原子、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、複素環基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールオキシ基が好ましく、フッ素原子、炭素数6~20のアリール基、炭素数2~12のアルケニル基(1-アルケニル基であることが好ましい。)、炭素数2~12のアルキニル基、炭素数1~11のアルコキシ基、炭素数5~12の複素環基、炭素数1~12のアルキルチオ基がより好ましい。
 なお、R 及びR がフッ素原子で置換されたアルキル基である場合は、アルキル基の水素原子の一部がフッ素原子で置換されていても、全てがフッ素原子で置換されてパーフルオロアルキル基を形成してもよい。
 ただし、R 及びR はそれぞれ独立に、無置換の直鎖アルキル基又は分岐アルキル基であることが好ましい。
[0026]
 R 及びR が炭素数3~15の置換の直鎖アルキル基である場合、炭素数3~13の置換の直鎖アルキル基が好ましく、炭素数3~11の置換の直鎖アルキル基がより好ましく、炭素数5~11の置換の直鎖アルキル基が更に好ましく、炭素数7~11の置換の直鎖アルキル基が特に好ましい。
[0027]
 R 及びR が炭素数3~18の置換の分岐アルキル基である場合、炭素数3~15の置換の分岐アルキル基が好ましく、炭素数3~13の置換の分岐アルキル基がより好ましく、炭素数3~11の置換の分岐アルキル基が更に好ましく、炭素数7~11の置換の分岐アルキル基が特に好ましい。
[0028]
 また、R 及びR が置換基を有する直鎖アルキル基又は分岐アルキル基である場合、直鎖アルキル基中の隣り合わない-CH -基、あるいは、分岐アルキル基中の隣り合わない-CH -基、3価の第三級炭素原子連結基又は4価の第四級炭素原子連結基は、それぞれ独立に他の原子連結基に置換されていてもよい。この場合の他の原子連結基としては、-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-COS-、-SCO-、-NRCO-又は-CONR-(Rは水素原子又は炭素数1~6のアルキル基)などを挙げることができる。
 ただし、R 及びR は、直鎖アルキル基中の隣り合わない-CH -基、あるいは、分岐アルキル基中の隣り合わない-CH -基、3価の三級炭素原子連結基又は4価の四級炭素原子連結基が他の原子連結基に置換されていないことが好ましい。
[0029]
 R 及びR の総炭素数はそれぞれ独立に、置換基の炭素数も含め、3~30であることが好ましく、7~20であることがより好ましく、7~15であることが更に好ましく、7~11であることが特に好ましく、9~11であることが最も好ましい。R 及びR の総炭素数は、それぞれ独立に上記範囲の下限値以上であると、キャリア移動度が高くなる。R 及びR の総炭素数が上記範囲の上限値以下であると、有機溶媒に対する溶解性が高くなる。
[0030]
 式(1)中の芳香族部分にハロゲン原子が置換してもよい。ハロゲン原子としては、フッ素原子が好ましい。
 式(1)中の芳香族部分に置換するハロゲン原子の個数は、0~6個であることが好ましく、0~4個であることがより好ましく、0~2個であることが更に好ましく、0個であることが特に好ましい。
[0031]
 上記式(1)で表される化合物の具体例として、化合物(1)~(18)を以下に示すが、本発明で用いることができる式(1)で表される化合物は、これらの具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
[0032]
[化3]


[0033]
[化4]


[0034]
 また、上記縮合多環芳香族化合物としては、アセン化合物が好ましく挙げられる。
 アセン化合物としては、下記式(A1)又は式(A2)で表される化合物が好ましい。
[0035]
[化5]


[0036]
 式中、R A1~R A6、X A1及びX A2はそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を表し、Z A1及びZ A2はそれぞれ独立に、S、O、Se又はTeを表し、nA1及びnA2はそれぞれ独立に、0~3の整数を表し、ただし、nA1及びnA2が同時に0になることはない。
[0037]
 R A1~R A6、X A1及びX A2における上記置換基としては、特に限定されないが、アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、tert-ブチル、ペンチル、tert-ペンチル、ヘキシル、オクチル、tert-オクチル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル等)、シクロアルキル基(例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル等)、アルケニル基(例えば、ビニル、アリル、1-プロペニル、2-ブテニル、1,3-ブタジエニル、2-ペンテニル、イソプロペニル等)、アルキニル基(例えば、エチニル、プロパルギル等)、芳香族炭化水素基(芳香族炭素環基、アリール基等ともいい、例えば、フェニル、p-クロロフェニル、メシチル、トリル、キシリル、ナフチル、アントリル、アズレニル、アセナフテニル、フルオレニル、フェナントリル、インデニル、ピレニル、ビフェニリル等)、芳香族複素環基(ヘテロアリール基ともいい、例えば、ピリジル基、ピリミジニル基、フリル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、ピラゾリル基、ピラジニル基、トリアゾリル基(例えば、1,2,4-トリアゾール-1-イル基、1,2,3-トリアゾール-1-イル基等)、オキサゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、チアゾリル基、イソオキサゾリル基、イソチアゾリル基、フラザニル基、チエニル基、キノリル基、ベンゾフリル基、ジベンゾフリル基、ベンゾチエニル基、ジベンゾチエニル基、インドリル基、カルバゾリル基、カルボリニル基、ジアザカルバゾリル基(カルボリニル基のカルボリン環を構成する炭素原子の一つが窒素原子で置き換わったものを示す。)、キノキサリニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、キナゾリニル基、フタラジニル基等)、複素環基(ヘテロアリール環基等ともいい、例えば、ピロリジル基、イミダゾリジル基、モルホリル基、オキサゾリジル基等)、アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、オクチルオキシ、ドデシルオキシ等)、シクロアルコキシ基(例えば、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ等)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ、ナフチルオキシ等)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、ペンチルチオ、ヘキシルチオ、オクチルチオ、ドデシルチオ等)、シクロアルキルチオ基(例えば、シクロペンチルチオ、シクロヘキシルチオ等)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ、ナフチルチオ等)、
[0038]
アルコキシカルボニル基(例えば、メチルオキシカルボニル、エチルオキシカルボニル、ブチルオキシカルボニル、オクチルオキシカルボニル、ドデシルオキシカルボニル等)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェニルオキシカルボニル、ナフチルオキシカルボニル等)、スルファモイル基(例えば、アミノスルホニル、メチルアミノスルホニル、ジメチルアミノスルホニル、ブチルアミノスルホニル、ヘキシルアミノスルホニル、シクロヘキシルアミノスルホニル、オクチルアミノスルホニル、ドデシルアミノスルホニル、フェニルアミノスルホニル、ナフチルアミノスルホニル、2-ピリジルアミノスルホニル等)、アシル基(例えば、アセチル、エチルカルボニル、プロピルカルボニル、ペンチルカルボニル、シクロヘキシルカルボニル、オクチルカルボニル、2-エチルヘキシルカルボニル、ドデシルカルボニル、フェニルカルボニル、ナフチルカルボニル、ピリジルカルボニル等)、アシルオキシ基(例えば、アセチルオキシ、エチルカルボニルオキシ、ブチルカルボニルオキシ、オクチルカルボニルオキシ、ドデシルカルボニルオキシ、フェニルカルボニルオキシ等)、アミド基(例えば、メチルカルボニルアミノ、エチルカルボニルアミノ、ジメチルカルボニルアミノ、プロピルカルボニルアミノ、ペンチルカルボニルアミノ、シクロヘキシルカルボニルアミノ、2-エチルヘキシルカルボニルアミノ、オクチルカルボニルアミノ、ドデシルカルボニルアミノ、フェニルカルボニルアミノ、ナフチルカルボニルアミノ等)、カルバモイル基(例えば、アミノカルボニル、メチルアミノカルボニル、ジメチルアミノカルボニル、プロピルアミノカルボニル、ペンチルアミノカルボニル、シクロヘキシルアミノカルボニル、オクチルアミノカルボニル、2-エチルヘキシルアミノカルボニル、ドデシルアミノカルボニル、フェニルアミノカルボニル、ナフチルアミノカルボニル、2-ピリジルアミノカルボニル等)、
[0039]
ウレイド基(例えば、メチルウレイド、エチルウレイド、ペンチルウレイド、シクロヘキシルウレイド、オクチルウレイド、ドデシルウレイド、フェニルウレイド、ナフチルウレイド、2-ピリジルアミノウレイド等)、スルフィニル基(例えば、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、ブチルスルフィニル、シクロヘキシルスルフィニル、2-エチルヘキシルスルフィニル、ドデシルスルフィニル、フェニルスルフィニル、ナフチルスルフィニル、2-ピリジルスルフィニル等)、アルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、ブチルスルホニル、シクロヘキシルスルホニル、2-エチルヘキシルスルホニル、ドデシルスルホニル等)、アリールスルホニル基(フェニルスルホニル、ナフチルスルホニル、2-ピリジルスルホニル等)、アミノ基(例えば、アミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ブチルアミノ、シクロペンチルアミノ、2-エチルヘキシルアミノ、ドデシルアミノ、アニリノ、ナフチルアミノ、2-ピリジルアミノ等)、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、フッ化炭化水素基(例えば、フルオロメチル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、ペンタフルオロフェニル等)、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、シリル基(例えば、トリメチルシリル、トリイソプロピルシリル、トリフェニルシリル、フェニルジエチルシリル等)、下記式(SG1)で表される基(ただし、X はGe又はSn)等が挙げられる。
 これらの置換基は、更に置換基を複数有していてもよい。複数有していてもよい置換基としては、上記R A1~R A6、X A1及びX A2における置換基が挙げられる。
 また、X A1及びX A2はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基又はアルコキシ基であることが好ましい。
 Z A1及びZ A2は、Sであることが好ましい。
[0040]
 上記アセン化合物の中でも、下記式(A3)又は式(A4)で表される化合物がより好ましい。
[0041]
[化6]


[0042]
 式中、R A7、R A8、X A1及びX A2はそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を表し、Z A1及びZ A2はそれぞれ独立に、S、O、Se又はTeを表し、nA1及びnA2はそれぞれ独立に、0~3の整数を表し、ただし、nA1とnA2が同時に0になることはない。
 R A7及びR A8で表される置換基は、式(A1)及び式(A2)におけるR A1~R A6として採用しうる置換基として上記で列挙したものが好ましい。
 また、X A1及びX A2はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基又はアルコキシ基であることが好ましい。
 Z A1及びZ A2は、Sであることが好ましい。
[0043]
 式(A3)又は式(A4)において、R A7及びR A8は、下記式(SG1)で表されるものが好ましい。
[0044]
[化7]


[0045]
 式中、R A9~R A11はそれぞれ独立に、置換基を表し、X はSi、Ge又はSnを表す。
 R A9~R A11で表される置換基は、式(A1)及び式(A2)におけるR A1~R A6として採用しうる置換基として上記で列挙したものであることが好ましい。
 R A9~R A11はそれぞれ独立に、炭素数1~8のアルキル基であることが好ましく、炭素数2又は3のアルキル基であることがより好ましい。
 また、X は、Siであることが好ましい。
[0046]
 以下に、式(A1)~式(A4)で表される化合物の具体例を示すが、これらに限定されるものではない。
[0047]
[化8]


[0048]
[化9]


[0049]
[化10]


[0050]
[化11]


[0051]
 縮合多環芳香族化合物としては、更に、下記式(C)~式(H)、式(J)~式(N)又は式(P)~式(T)で表される化合物も好ましい。
[0052]
[化12]


[0053]
 式(C)中、A C1及びA C2はそれぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子又はセレン原子を表し、R C1~R C6はそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を表し、R C1~R C6のうち少なくとも1つが下記式(W)で表される置換基である。
 式(C)において、A C1及びA C2が共に酸素原子又は硫黄原子であることが好ましく、A C1及びA C2が共に硫黄原子であることがより好ましい。
 式(D)中、X D1及びX D2はそれぞれ独立に、NR D9、酸素原子又は硫黄原子を表し、A D1はCR D7又はN原子を表し、A D2はCR D8又はN原子を表し、R D9は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアシル基を表し、R D1~R D8はそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を表し、R D1~R D8のうち少なくとも1つが下記式(W)で表される置換基である。
 式(E)中、X E1及びX E2はそれぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子又はNR E7を表し、A E1及びA E2はそれぞれ独立に、CR E8又は窒素原子を表し、R E1~R E8はそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を表し、R E1~R E8のうち少なくとも1つが下記式(W)で表される置換基である。
[0054]
 式(F)中、X F1及びX F2はそれぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子又はセレン原子を表し、R F1~R F10、R Fa及びR Fbはそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を表し、R F1~R F10、R Fa及びR Fbのうち少なくとも1つは式(W)で表される置換基であり、p及びqはそれぞれ独立に、0~2の整数を表す。
 式(F)において、X F1及びX F2はそれぞれ独立に、酸素原子又は硫黄原子であることが好ましく、硫黄原子であることがより好ましい。
 式(G)中、X G1及びX G2はそれぞれ独立に、NR G9、酸素原子又は硫黄原子を表し、A G1はCR G7又はN原子を表し、A G2はCR G8又はN原子を表し、R G9は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基、アリール基又はヘテロアリール基を表し、R G1~R G8はそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を表し、R G1~R G8のうち少なくとも1つが下記式(W)で表される置換基である。
[0055]
 式(H)中、X H1~X H4はそれぞれ独立に、NR H7、酸素原子又は硫黄原子を表し、R H7は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基、アリール基又はヘテロアリール基を表し、R H1~R H6はそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を表し、R H1~R H6のうち少なくとも1つが下記式(W)で表される置換基である。
 式(H)において、X H1~X H4は、硫黄原子であることが好ましい。
[0056]
 式(J)中、X J1及びX J2はそれぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、セレン原子又はNR J9を表し、X J3及びX J4はそれぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子又はセレン原子を表し、R J1~R J9はそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を表し、R J1~R J9のうち少なくとも1つが下記式(W)で表される置換基である。
 式(J)において、X J1、X J2、X J3及びX J4は、硫黄原子であることが好ましい。
 式(K)中、X K1及びX K2はそれぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、セレン原子又はNR K9を表し、X K3及びX K4はそれぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子又はセレン原子を表し、R K1~R K9はそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を表し、R K1~R K9のうち少なくとも1つが下記式(W)で表される置換基である。
 式(K)において、X K1、X K2、X K3及びX K4は、硫黄原子であることが好ましい。
 式(L)中、X L1及びX L2はそれぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子又はNR L11を表し、R L1~R L11はそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を表し、R L1~R L11のうち少なくとも1つが下記式(W)で表される置換基である。
 式(L)において、X L1及びX L2はそれぞれ独立に、酸素原子又は硫黄原子であることが好ましい。
[0057]
 式(M)中、X M1及びX M2はそれぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、セレン原子又はNR M9を表し、R M1~R M9はそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を表し、R M1~R M9のうち少なくとも1つは下記式(W)で表される置換基である。
 式(M)において、X M1及びX M2は、硫黄原子であることが好ましい。
 式(N)中、X N1及びX N2はそれぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、セレン原子又はNR N13を表し、R N1~R N13はそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を表し、R N1~R N13のうち少なくとも1つは下記式(W)で表される置換基である。
 式(N)において、X N1及びX N2は、硫黄原子であることが好ましい。
 式(P)中、X P1及びX P2はそれぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、セレン原子又はNR P13を表し、R P1~R P13はそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を表し、R P1~R P13のうち少なくとも1つは下記式(W)で表される置換基である。
 式(P)において、X P1及びX P2は、硫黄原子であることが好ましい。
[0058]
 式(Q)中、X Q1及びX Q2はそれぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、セレン原子又はNR Q13を表し、R Q1~R Q13はそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を表し、R Q1~R Q13のうち少なくとも1つは下記式(W)で表される置換基である。
 式(Q)において、X Q1及びX Q2は、硫黄原子であることが好ましい。
 式(R)中、X R1、X R2及びX R3はそれぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、セレン原子又はNR R9を表し、R R1~R R9はそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を表し、R R1~R R9のうち少なくとも1つは下記式(W)で表される置換基である。
 式(R)において、X R1、X R2及びX R3は、硫黄原子であることが好ましい。
[0059]
 式(S)中、X S1、X S2、X S3及びX S4はそれぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、セレン原子又はNR S7を表し、R S1~R S7はそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を表し、R S1~R S7のうち少なくとも1つは下記式(W)で表される置換基である。
 式(S)において、X S1、X S2、X S3及びX S4は、硫黄原子であることが好ましい。
 式(T)中、X T1、X T2、X T3及びX T4はそれぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、セレン原子又はNR T7を表し、R T1~R T7はそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を表し、R T1~R T7のうち少なくとも1つは下記式(W)で表される置換基である。
 式(T)において、X T1、X T2、X T3及びX T4は、硫黄原子であることが好ましい。
[0060]
 以下に、上記式(C)~式(H)、式(J)~式(N)及び式(P)~式(T)において、水素原子又は置換基を表す、R C1~R C6、R D1~R D8、R E1~R E8、R F1~R F10、R Fa及びR Fb、R G1~R G8、R H1~R H6、R J1~R J9、R K1~R K9、R L1~R L11、R M1~R M9、R N1~R N13、R P1~R P13、R Q1~R Q13、R R1~R R9、R S1~R S7及びR T1~R T7(以下、置換基R ~R ともいう。)について、説明する。
[0061]
 置換基R ~R が、とりうる置換基として、ハロゲン原子、アルキル基(メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル等の炭素数1~40のアルキル基、ただし、2,6-ジメチルオクチル、2-デシルテトラデシル、2-ヘキシルドデシル、2-エチルオクチル、2-デシルテトラデシル、2-ブチルデシル、1-オクチルノニル、2-エチルオクチル、2-オクチルテトラデシル、2-エチルヘキシル、シクロアルキル、ビシクロアルキル、トリシクロアルキル等を含む。)、アルケニル基(1-ペンテニル、シクロアルケニル、ビシクロアルケニル等を含む。)、アルキニル基(1-ペンチニル、トリメチルシリルエチニル、トリエチルシリルエチニル、トリ-i-プロピルシリルエチニル、2-p-プロピルフェニルエチニル等を含む。)、アリール基(フェニル、ナフチル、p-ペンチルフェニル、3,4-ジペンチルフェニル、p-ヘプトキシフェニル、3,4-ジヘプトキシフェニルの炭素数6~20のアリール基等を含む。)、複素環基(ヘテロ環基といってもよい。2-ヘキシルフラニル等を含む。)、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、アシル基(ヘキサノイル、ベンゾイル等を含む。)、アルコキシ基(ブトキシ等を含む。)、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アミノ基(アニリノ基を含む。)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基(ウレイド基を含む。)、アルコキシ及びアリールオキシカルボニルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキル及びアリールチオ基(メチルチオ、オクチルチオ等を含む)、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキル及びアリールスルフィニル基、アルキル及びアリールスルホニル基、アルキル及びアリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アリール及びヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、ホスホノ基、シリル基(ジトリメチルシロキシメチルブトキシ基等)、ヒドラジノ基、ウレイド基、ボロン酸基(-B(OH) )、ホスファト基(-OPO(OH) )、スルファト基(-OSO H)、その他の公知の置換基が挙げられる。
 これら置換基は、更に上記置換基を有していてもよい。
[0062]
 これらの中でも、置換基R ~R がとりうる置換基として、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、複素環基、アルコキシ基、アルキルチオ基、又は、後述の式(W)で表される基が好ましく、炭素数1~12のアルキル基、炭素数6~20のアリール基、炭素数2~12のアルケニル基、炭素数2~12のアルキニル基、炭素数1~11のアルコキシ基、炭素数5~12の複素環基、炭素数1~12のアルキルチオ基、又は、後述の式(W)で表される基がより好ましく、後述の式(W)で表される基が特に好ましい。
[0063]
 上記R D9、R G9及びR H7の、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基及びアリール基はそれぞれ、置換基R ~R がとりうる置換基で説明した、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基及びアリール基と同義である。
 また、ヘテロアリール基は、R A1~R A6の置換基で説明したヘテロアリール基と同義である。
[0064]
 式(W):-L-R で表される基について説明する。
[0065]
 式(W)中、Lは下記式(L-1)~式(L-25)のいずれかで表される2価の連結基又は2以上の下記式(L-1)~式(L-25)のいずれかで表される2価の連結基が結合した2価の連結基を表す。R は置換又は無置換のアルキル基、シアノ基、ビニル基、エチニル基、オキシエチレン基、オキシエチレン単位の繰り返し数vが2以上のオリゴオキシエチレン基、シロキサン基、ケイ素原子数が2以上のオリゴシロキサン基、あるいは、置換又は無置換のトリアルキルシリル基を表す。
[0066]
[化13]


[0067]
 式(L-1)~式(L-25)中、波線部分は上記式(C)~式(H)、式(J)~式(N)又は式(P)~式(T)で表される各骨格を形成するいずれかの環との結合位置を表す。なお、本明細書中、Lが式(L-1)~式(L-25)のいずれかで表される2価の連結基が2つ以上結合した2価の連結基を表す場合、波線部分は上記式(C)~式(H)、式(J)~式(N)又は式(P)~式(T)で表される各骨格を形成するいずれかの環との結合位置及び式(L-1)~式(L-25)で表される2価の連結基のいずれかとの結合位置を表してもよい。
 *はRwとの結合位置を表す。
 式(L-13)におけるmは4を表し、式(L-14)及び式(L-15)におけるmは3を表し、式(L-16)~式(L-20)におけるmは2を表し、式(L-22)におけるmは6を表す。
 式(L-1)、式(L-2)、式(L-6)、式(L-13)~式(L-19)及び式(L-21)~式(L-24)におけるR’はそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を表し、式(L-1)及び式(L-2)中のR’はそれぞれLに隣接するR と結合して縮合環を形成してもよい。
 R は水素原子又は置換基を表し、R siはそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基又はアルキニル基を表す。
[0068]
 この中でも、式(L-17)~式(L-21)、式(L-23)及び式(L-24)で表される2価の連結基は、下記式(L-17A)~式(L-21A)、式(L-23A)及び式(L-24A)で表される2価の連結基であることがより好ましい。
[0069]
[化14]


[0070]
 ここで、置換又は無置換のアルキル基、オキシエチレン基、オキシエチレン単位の繰り返し数vが2以上のオリゴオキシエチレン基、シロキサン基、ケイ素原子数が2以上のオリゴシロキサン基、あるいは、置換又は無置換のトリアルキルシリル基が置換基の末端に存在する場合は、式(W)における-R 単独と解釈することもでき、式(W)における-L-R と解釈することもできる。
 本発明では、主鎖が炭素数N個の置換又は無置換のアルキル基が置換基の末端に存在する場合は、置換基の末端から可能な限りの連結基を含めた上で式(W)における-L-R と解釈することとし、式(W)における-R 単独とは解釈しない。具体的には「式(W)におけるLに相当する式(L-1)で表される連結基1個」と「式(W)におけるR に相当する主鎖が炭素数N-1個の置換又は無置換のアルキル基」とが結合した置換基として解釈する。例えば、炭素数8のアルキル基であるn-オクチル基が置換基の末端に存在する場合、2個のR’が水素原子である式(L-1)で表される連結基1個と、炭素数7のn-ヘプチル基とが結合した置換基として解釈する。また、式(W)で表される置換基が炭素数8のアルコキシ基である場合、-O-である式(L-4)で表される連結基1個と、2個のR’が水素原子である式(L-1)で表される連結基1個と、炭素数7のn-ヘプチル基とが結合した置換基として解釈する。
 一方、本発明では、オキシエチレン基、オキシエチレン単位の繰り返し数vが2以上のオリゴオキシエチレン基、シロキサン基、ケイ素原子数が2以上のオリゴシロキサン基、あるいは、置換又は無置換のトリアルキルシリル基が置換基の末端に存在する場合は、置換基の末端から可能な限りの連結基を含めた上で、式(W)におけるR 単独と解釈する。例えば、-(OCH CH )-(OCH CH )-(OCH CH )-OCH 基が置換基の末端に存在する場合、オキシエチレン単位の繰り返し数vが3のオリゴオキシエチレン基単独の置換基として解釈する。
[0071]
 Lが式(L-1)~式(L-25)のいずれかで表される2価の連結基が結合した連結基を形成する場合、式(L-1)~式(L-25)のいずれかで表される2価の連結基の結合数は2~4であることが好ましく、2又は3であることがより好ましい。
[0072]
 式(L-1)、式(L-2)、式(L-6)及び式(L-13)~式(L-24)中の置換基R’としては、式(C)~式(H)、式(J)~式(N)及び式(P)~式(T)の置換基R ~R が採りうる置換基として例示したものを挙げることができる。その中でも式(L-6)中の置換基R’はアルキル基であることが好ましく、式(L-6)中のR’がアルキル基である場合は、上記アルキル基の炭素数は1~9であることが好ましく、4~9であることが化学的安定性、キャリア輸送性の観点からより好ましく、5~9であることが更に好ましい。式(L-6)中のR’がアルキル基である場合は、上記アルキル基は直鎖アルキル基であることが、キャリア移動度を高めることができる観点から好ましい。
 R としては、置換基R ~R が採りうる置換基として例示したものを挙げることができる。その中でもR としては水素原子又はメチル基が好ましい。
 R siは、アルキル基であることが好ましい。R siがとりうるアルキル基としては特に制限はないが、R siがとりうるアルキル基の好ましい範囲はR がシリル基である場合に上記シリル基がとりうるアルキル基の好ましい範囲と同様である。R siがとりうるアルケニル基としては特に制限はないが、置換又は無置換のアルケニル基が好ましく、分枝アルケニル基であることがより好ましく、上記アルケニル基の炭素数は2~3であることが好ましい。R siがとりうるアルキニル基としては特に制限はないが、置換又は無置換のアルキニル基が好ましく、分枝アルキニル基であることがより好ましく、上記アルキニル基の炭素数は2~3であることが好ましい。
[0073]
 Lは、式(L-1)~式(L-5)、式(L-13)、式(L-17)若しくは式(L-18)のいずれかで表される2価の連結基、又は、式(L-1)~式(L-5)、式(L-13)、式(L-17)若しくは式(L-18)のいずれかで表される2価の連結基が2以上結合した2価の連結基であることが好ましく、式(L-1)、(L-3)、(L-13)若しくは(L-18)のいずれかで表される2価の連結基又は式(L-1)、式(L-3)、式(L-13)若しくは式(L-18)で表される2価の連結基が2以上結合した2価の連結基であることがより好ましく、式(L-1)、式(L-3)、式(L-13)若しくは式(L-18)で表される2価の連結基、あるいは式(L-3)、式(L-13)又は式(L-18)のいずれか1つで表される2価の連結基と式(L-1)で表される2価の連結基が結合した2価の連結基であることが特に好ましい。式(L-3)、式(L-13)又は式(L-18)のいずれか1つで表される2価の連結基と式(L-1)で表される2価の連結基が結合した2価の連結基は、式(L-1)で表される2価の連結基がR 側に結合することが好ましい。
 化学的安定性、キャリア輸送性の観点から式(L-1)で表される2価の連結基を含む2価の連結基であることが好ましく、式(L-1)で表される2価の連結基であることがより好ましく、Lが式(L-18)又は式(L-1)で表される2価の連結基であり、式(L-1)で表される2価の連結基を介してR と結合し、R が置換又は無置換のアルキル基であることが更に好ましく、Lが式(L-18A)又は式(L-1)で表される2価の連結基であり、式(L-1)で表される2価の連結基を介してR と結合し、R が置換又は無置換のアルキル基であることが特に好ましい。
[0074]
 式(W)において、R は、置換又は無置換のアルキル基であることが好ましい。
 式(W)において、R に隣接するLが式(L-1)で表される2価の連結基である場合は、R は置換又は無置換のアルキル基、オキシエチレン基、オキシエチレン単位の繰り返し数が2以上のオリゴオキシエチレン基、シロキサン基、ケイ素原子数が2以上のオリゴシロキサン基であることが好ましく、置換又は無置換のアルキル基であることがより好ましい。
 式(W)において、R に隣接するLが式(L-2)及び式(L-4)~式(L-25)で表される2価の連結基である場合は、R は置換又は無置換のアルキル基であることがより好ましい。
 式(W)において、R に隣接するLが式(L-3)で表される2価の連結基である場合は、R は置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のシリル基であることが好ましい。
[0075]
 R が置換又は無置換のアルキル基の場合、炭素数は4~17であることが好ましく、6~14であることが化学的安定性、キャリア輸送性の観点からより好ましく、6~12であることが更に好ましい。R が上記の範囲の長鎖アルキル基であること、特に長鎖の直鎖アルキル基であることが、分子の直線性が高まり、キャリア移動度を高めることができる観点から好ましい。
 R がアルキル基を表す場合、直鎖アルキル基でも、分枝アルキル基でも、環状アルキル基でもよいが、直鎖アルキル基であることが、分子の直線性が高まり、キャリア移動度を高めることができる観点から好ましい。
 これらの中でも、式(W)におけるR とLの組み合わせとしては、式(C)~式(H)、式(J)~式(N)及び式(P)~式(T)におけるLが式(L-1)で表される2価の連結基であり、かつ、R が直鎖の炭素数4~17のアルキル基であるか;あるいは、Lが式(L-3)、式(L-13)又は式(L-18)のいずれか1つで表される2価の連結基と式(L-1)で表される2価の連結基が結合した2価の連結基であり、かつ、R が直鎖のアルキル基であることが、キャリア移動度を高める観点から好ましい。
[0076]
 Lが式(L-1)で表される2価の連結基であり、かつ、R が直鎖の炭素数4~17のアルキル基である場合、R が直鎖の炭素数6~14のアルキル基であることがキャリア移動度を高める観点からより好ましく、直鎖の炭素数6~12のアルキル基であることが特に好ましい。
[0077]
 Lが式(L-3)、式(L-13)又は式(L-18)のいずれか1つで表される2価の連結基と式(L-1)で表される2価の連結基が結合した2価の連結基であり、かつ、R が直鎖のアルキル基である場合、R が直鎖の炭素数4~17のアルキル基であることがより好ましく、直鎖の炭素数6~14のアルキル基であることが化学的安定性、キャリア輸送性の観点から更に好ましく、直鎖の炭素数6~12のアルキル基であることがキャリア移動度を高める観点から特に好ましい。
 一方、有機溶媒への溶解度を高める観点からは、R が分枝アルキル基であることが好ましい。
[0078]
 R が置換基を有するアルキル基である場合の上記置換基としては、ハロゲン原子等を挙げることができ、フッ素原子が好ましい。なお、R がフッ素原子を有するアルキル基である場合は上記アルキル基の水素原子が全てフッ素原子で置換されてパーフルオロアルキル基を形成してもよい。ただし、R は無置換のアルキル基であることが好ましい。
[0079]
 R がエチレンオキシ基又はオリゴエチレンオキシ基の場合、R が表す「オリゴオキシエチレン基」とは本明細書中、-(OCH CH OYで表される基のことをいう(オキシエチレン単位の繰り返し数vは2以上の整数を表し、末端のYは水素原子又は置換基を表す。)。なお、オリゴオキシエチレン基の末端のYが水素原子である場合はヒドロキシ基となる。オキシエチレン単位の繰り返し数vは2~4であることが好ましく、2~3であることが更に好ましい。オリゴオキシエチレン基の末端のヒドロキシ基は封止されていること、すなわちYが置換基を表すことが好ましい。この場合、ヒドロキシ基は、炭素数が1~3のアルキル基で封止されること、すなわちYが炭素数1~3のアルキル基であることが好ましく、Yがメチル基やエチル基であることがより好ましく、メチル基であることが特に好ましい。
[0080]
 R が、シロキサン基又はオリゴシロキサン基の場合、シロキサン単位の繰り返し数は2~4であることが好ましく、2~3であることが更に好ましい。また、Si原子には、水素原子やアルキル基が結合することが好ましい。Si原子にアルキル基が結合する場合、アルキル基の炭素数は1~3であることが好ましく、例えば、メチル基やエチル基が結合することが好ましい。Si原子には、同一のアルキル基が結合してもよく、異なるアルキル基又は水素原子が結合してもよい。また、オリゴシロキサン基を構成するシロキサン単位はすべて同一であっても異なっていてもよいが、すべて同一であることが好ましい。
[0081]
 R に隣接するLが式(L-3)で表される2価の連結基である場合、R が置換又は無置換のシリル基であることも好ましい。R が置換又は無置換のシリル基である場合はその中でも、R が置換シリル基であることが好ましい。シリル基の置換基としては特に制限はないが、置換又は無置換のアルキル基が好ましく、分枝アルキル基であることがより好ましい。R がトリアルキルシリル基の場合、Si原子に結合するアルキル基の炭素数は1~3であることが好ましく、例えば、メチル基やエチル基やイソプロピル基が結合することが好ましい。Si原子には、同一のアルキル基が結合してもよく、異なるアルキル基が結合してもよい。R がアルキル基上に更に置換基を有するトリアルキルシリル基である場合の上記置換基としては、特に制限はない。
[0082]
 式(W)において、L及びR に含まれる炭素数の合計は5~18であることが好ましい。L及びR に含まれる炭素数の合計が上記範囲の下限値以上であると、キャリア移動度が高くなり、駆動電圧を低くなる。L及びR に含まれる炭素数の合計が上記範囲の上限値以下であると、有機溶媒に対する溶解性が高くなる。
 L及びR に含まれる炭素数の合計は5~14であることが好ましく、6~14であることがより好ましく、6~12であることがより好ましく、8~12であることが更に特に好ましい。
[0083]
 式(C)~式(H)、式(J)~式(N)又は式(P)~式(T)で表される各化合物において、置換基R ~R のうち、式(W)で表される基は1~4個であることが、キャリア移動度を高め、有機溶媒への溶解性を高める観点から好ましく、1又は2個であることがより好ましく、2個であることが特に好ましい。
[0084]
 置換基R ~R のうち、式(W)で表される基の位置に特に制限はない。
 式(C)で表される化合物においては、R C1、R C2、R C3、R C6のいずれかが式(W)で表される基であることが好ましく、R C1とR C2との両方又はR C3とR C6の両方が式(W)で表される基であることがより好ましい。
 式(D)で表される化合物においては、R D6が式(W)で表される基であることが好ましく、R D5とR D6との両方が式(W)で表される基であることがより好ましい。
 式(E)で表される化合物においては、R E6が式(W)で表される基であることが好ましく、R E5とR E6との両方が式(W)で表される基であることがより好ましい。また、R E5及びR E6が式(W)で表される基以外の置換基である場合、2つのR E7が式(W)で表される基であるのも好ましい。
[0085]
 式(F)で表される化合物においては、R F2、R F3、R F8及びR F9のうち少なくとも一つは式(W)で表される置換基であることが好ましい。
 式(G)で表される化合物においては、R G5又はR G6が式(W)で表される基であることが、キャリア移動度を高め、有機溶媒への溶解性を高める観点から好ましい。
 式(H)で表される化合物においては、R H4又はR H6が式(W)で表される基であることが好ましく、R H4又はR H6、及び、R H3又はR H5が式(W)で表される基であることがより好ましい。
[0086]
 式(J)で表される化合物においては、R J8が式(W)で表される基であることが好ましく、R J8とR J4との両方が式(W)で表される基であることがより好ましい。
 式(K)で表される化合物においては、R K7が式(W)で表される基であることが好ましく、R K7とR K3との両方が式(W)で表される基であることがより好ましい。
 式(L)で表される化合物においては、R L2、R L3、R L6及びR L7のうち少なくとも一つが式(W)で表される基であることがより好ましい。
[0087]
 式(M)で表される化合物においては、R M2が式(W)で表される基であることが好ましく、R M2とR M6との両方が式(W)で表される基であることがより好ましい。
 式(N)で表される化合物においては、R N3が式(W)で表される基であることが好ましく、R N3とR N9との両方が式(W)で表される基であることがより好ましい。
 式(P)で表される化合物においては、R P3が式(W)で表される基であることが好ましく、R P3とR P9との両方が式(W)で表される基であることがより好ましい。
[0088]
 式(Q)で表される化合物においては、R Q3が式(W)で表される基であることが好ましく、R Q3とR Q9との両方が式(W)で表される基であることがより好ましい。
 式(R)で表される化合物においては、R R2が式(W)で表される基であることが好ましく、R R2とR R7との両方が式(W)で表される基であることがより好ましい。
[0089]
 式(S)で表される化合物においては、R S2が式(W)で表される基であることが好ましく、R S2とR S5との両方が式(W)で表される基であることがより好ましい。
 式(T)で表される化合物においては、R T2が式(W)で表される基であることが好ましく、R T2とR T5との両方が式(W)で表される基であることがより好ましい。
[0090]
 置換基R ~R のうち、式(W)で表される基以外の置換基は、0~4個であることが好ましく、0~2個であることがより好ましい。
[0091]
 以下に、式(C)~式(H)、式(J)~式(N)又は式(P)~式(T)で表される各化合物の具体例を以下に示すが、本発明で用いることができる化合物は、これらの具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
 式(C)で表される化合物Cの具体例を示す。
[0092]
[化15]


[0093]
 式(C)で表される化合物は、分子量が3,000以下であることが好ましく、2,000以下であることがより好ましく、1,000以下であることが更に好ましく、850以下であることが特に好ましい。分子量が上記範囲内にあると、溶媒への溶解性を高めることができる。
 一方で、薄膜の膜質安定性の観点からは、分子量は300以上であることが好ましく、350以上であることがより好ましく、400以上であることが更に好ましい。
[0094]
 式(D)で表される化合物Dの具体例を示す。
[0095]
[化16]


[0096]
[化17]


[0097]
 式(D)で表される化合物の分子量は、上限が式(C)で表される化合物と同じであることが、溶媒への溶解性を高めることができ、好ましい。一方で、薄膜の膜質安定性の観点からは、分子量は400以上であることが好ましく、450以上であることがより好ましく、500以上であることが更に好ましい。
[0098]
 式(E)で表される化合物E、式(F)で表される化合物F、式(G)で表される化合物G及び式(H)で表される化合物Hそれぞれの具体例を、順に示す。
[0099]
[化18]


[0100]
[化19]


[0101]
[化20]


[0102]
[化21]


[0103]
[化22]


[0104]
[化23]


[0105]
 上記化合物E、化合物F、化合物G及び化合物Hの分子量は、それぞれ、上限が式(C)で表される化合物Cと同じであることが、溶媒への溶解性を高めることができ、好ましい。一方で、薄膜の膜質安定性の観点から、分子量の下限は式(D)で表される化合物と同じである。
[0106]
 式(J)及び式(K)で表される化合物J及び化合物Kの具体例を示す。
[0107]
[化24]


[0108]
[化25]


[0109]
 上記化合物J及び化合物Kの分子量はそれぞれ、上限が式(C)で表される化合物Cと同じであることが、溶媒への溶解性を高めることができ、好ましい。一方で、薄膜の膜質安定性の観点から、分子量の下限は式(D)で表される化合物と同じである。
[0110]
 式(L)で表される化合物L、式(M)で表される化合物M、式(N)で表される化合物N、式(P)で表される化合物P及び式(Q)で表される化合物Qそれぞれの具体例を、順に示す。
[0111]
[化26]


[0112]
[化27]


[0113]
[化28]


[0114]
[化29]


[0115]
[化30]


[0116]
 上記化合物L、化合物M、化合物N、化合物P及び化合物Qの分子量は、それぞれ、上限が式(C)で表される化合物Cと同じであることが、溶媒への溶解性を高めることができ、好ましい。一方で、薄膜の膜質安定性の観点から、分子量の下限は式(D)で表される化合物と同じである。
[0117]
 式(R)で表される化合物R、式(S)で表される化合物S及び式(T)で表される化合物Tそれぞれの具体例を、順に示す。
[0118]
[化31]


[0119]
[化32]


[0120]
[化33]


[0121]
 上記化合物R、化合物S及び化合物Tの分子量は、それぞれ、上限が式(C)で表される化合物Cと同じであることが、溶媒への溶解性を高めることができ、好ましい。一方で、薄膜の膜質安定性の観点から、分子量の下限は式(D)で表される化合物と同じである。
[0122]
 有機半導体として用いられる有機ポリマー及びその誘導体としては、例えば、ポリピロール及びその置換体、ポリジケトピロール及びその置換体、ポリチオフェン及びその誘導体、ポリイソチアナフテン等のイソチアナフテン、ポリチエニレンビニレン等のチエニレンビニレン、ポリ(p-フェニレンビニレン)等のポリ(p-フェニレンビニレン)、ポリアニリン及びその誘導体、ポリアセチレン、ポリジアセチレン、ポリアズレン、ポリピレン、ポリカルバゾール、ポリセレノフェン、ポリフラン、ポリ(p-フェニレン)、ポリインドール、ポリピリダジン、ポリテルロフェン、ポリナフタレン、ポリビニルカルバゾール、ポリフェニレンスルフィド、ポリビニレンスルフィド等のポリマー及び縮合多環芳香族化合物の重合体等を挙げることができる。
 ポリチオフェン及びその誘導体としては、特に限定されないが、例えば、ポリチオフェンにヘキシル基を導入したポリ-3-ヘキシルチオフェン(P3HT)、ポリエチレンジオキシチオフェン、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホン酸(PEDOT/PSS)等が挙げられる。
 また、これらのポリマーと同じ繰り返し単位を有するオリゴマー(例えば、オリゴチオフェン)を挙げることもできる。
[0123]
 また、有機ポリマーとして、下記式(C)~式(H)、式(J)~式(N)又は式(P)~式(T)で表される化合物が繰り返し構造を有する高分子化合物が挙げられる。
 このような高分子化合物としては、式(C)~式(H)、式(J)~式(N)又は式(P)~式(T)で表される化合物が少なくとも1つ以上のアリーレン基、ヘテロアリーレン基(チオフェン、ビチオフェン等)を介して繰り返し構造を示すπ共役ポリマーや、式(C)~式(H)、式(J)~式(N)又は式(P)~式(T)で表される化合物が高分子主鎖に側鎖を介して結合したペンダント型ポリマーが挙げられる。高分子主鎖としては、ポリアクリレート、ポリビニル、ポリシロキサン等が好ましく、側鎖としては、アルキレン基、ポリエチレンオキシド基等が好ましい。ペンダント型ポリマーの場合、高分子主鎖は置換基R ~R の少なくとも1つが重合性基由来の基を有し、これが重合してなるものであってもよい。
[0124]
 これらの有機ポリマーは、重量平均分子量が3万以上であることが好ましく、5万以上であることがより好ましく、10万以上であることが更に好ましい。重量平均分子量が上記下限値以上とすることにより、分子間相互作用を高めることができ、高い移動度が得られる。
 なお、有機ポリマーの重量平均分子量及び数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)法にて測定される。
[0125]
 有機半導体は、1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよいが、結晶性及び移動度の観点から、1種単独で使用することが好ましい。
 本発明の有機半導体液組成物における有機半導体の含有量は、特に制限はないが、有機半導体液組成物の全質量に対し、0.005~10質量%であることが好ましく、0.01~5質量%であることがより好ましく、0.05~3質量%であることが更に好ましい。
[0126]
<液晶性化合物>
 本発明の有機半導体液組成物は、液晶性化合物を含有する。
 液晶性化合物としては、液晶相を示す化合物であれば、特に制限はなく、公知の液晶性化合物を用いることができる。
 液晶性化合物は、低分子化合物であっても、ポリマーであってもよいが、低分子化合物であることが好ましく、分子量1,000未満の化合物であることがより好ましい。
 また、液晶性化合物は、重合性基を有することが好ましい。
 重合性基としては、例えば、エチレン性不飽和基(すなわち、臭素価やヨウ素価の測定で消費されるエチレン性不飽和結合(炭素-炭素二重結合)を有する基を意味する。ベンゼンのような芳香族性を示す不飽和基ではない。)、エポキシ基、オキセタン基等の環状エーテル基等を広く採用することができる。
 エチレン性不飽和基としては、アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリルアミド基、メタクリルアミド基、ビニル基、及び、スチリル基が好ましく挙げられる。
 中でも、重合性基としては、エチレン性不飽和基が好ましく、アクリロイル基及び/又はメタクリロイル基がより好ましく、アクリロイルオキシ基及び/又はメタクリロイルオキシ基が特に好ましい。
 液晶性化合物における1分子中の重合性基の数は、特に制限はないが、1~6であることが好ましく、1~5であることがより好ましく、1~3であることが更に好ましく、2が特に好ましい。
[0127]
 また、液晶性化合物としては、棒状液晶性化合物、及び、ディスコティック液晶性化合物が好ましく挙げられ、重合性基を有する棒状液晶性化合物、及び、重合性基を有するディスコティック液晶性化合物がより好ましく挙げられる。
 棒状液晶性化合物としては、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類およびアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が好ましく用いられる。
 ディスコティック液晶性化合物については、様々な文献(C.Destrade et al.,Mol.Crysr.Liq.Cryst.,vol.71,page111(1981);日本化学会編、季刊化学総説、No.22、液晶の化学、第5章、第10章第2節(1994);B.Kohne et al.,Angew.Chem.Soc.Chem.Comm.,page1794(1985);J.Zhang et al.,J.Am.Chem.Soc.,vol.116,page2655(1994))に記載されている。
[0128]
 重合性基を有する棒状液晶性化合物としては、下記式LCで表される化合物が好ましく挙げられる。
 Q -L -Cy -(CH=CH) nL-CO-NR 1L-Cy -L -Q :式LC
 式LC中、Q 及びQ はそれぞれ独立に、重合性基を表し、重合性基の重合反応は、付加重合(開環重合を含む。)又は縮合重合であることが好ましい。言い換えると、重合性基は、付加重合反応又は縮合重合反応が可能な官能基であることが好ましい。
 重合性基の例を以下に示す。
[0129]
[化34]


[0130]
 重合性基(Q 及びQ )は、不飽和重合性基(Q-1~Q-7)、エポキシ基(Q-8)又はアジリジニル基(Q-9)であることが好ましく、不飽和重合性基であることがより好ましく、エチレン性不飽和基(Q-1~Q-6)であることが更に好ましい。
[0131]
 式LC中、L 及びL はそれぞれ独立に、2価の連結基を表す。
 L 及びL はそれぞれ独立に、-O-、-S-、-CO-、-NR 2L-、二価の鎖状基、二価の環状基及びそれらの組み合わせよりなる群から選ばれた二価の連結基であることが好ましい。上記R 2Lは、炭素数1~7のアルキル基又は水素原子を表す。
 組み合わせからなる二価の連結基の例を以下に示す。左側がQ(Q 又はQ )に、右側がCy(Cy 又はCy )に結合する。
 L-1:-CO-O-二価の鎖状基-O-
 L-2:-CO-O-二価の鎖状基-O-二価の環状基-CO-O-
 L-3:-CO-O-二価の鎖状基-O-二価の環状基-O-CO-
 L-4:-CO-O-二価の鎖状基-O-二価の環状基-二価の鎖状基-
 L-5:-COO-二価の鎖状基-O-二価の環状基-
 L-6:-CO-O-二価の鎖状基-O-二価の環状基-二価の鎖状基-CO-O-
 L-7:-CO-O-二価の鎖状基-O-二価の環状基-O-CO-二価の鎖状基-
[0132]
 二価の鎖状基は、アルキレン基、置換アルキレン基、アルケニレン基、置換アルケニレン基、アルキニレン基又は置換アルキニレン基であり、アルキレン基、置換アルキレン基、アルケニレン基又は置換アルケニレン基が好ましく、アルキレン基又はアルケニレン基が更に好ましい。アルキレン基は、分岐を有していてもよい。アルキレン基の炭素数は、1~12であることが好ましく、2~10であることがより好ましく、3~8であることが特に好ましい。置換アルキレン基のアルキレン部分は、上記アルキレン基と同様である。置換アルキレン基の置換基の例には、ハロゲン原子が含まれる。アルケニレン基は、分岐を有していてもよい。アルケニレン基の炭素数は、2~12であることが好ましく、2~8であることがより好ましく、2~4であることが特に好ましい。置換アルケニレン基のアルケニレン部分は、上記アルケニレン基と同様である。置換アルケニレン基の置換基の例には、ハロゲン原子が含まれる。アルキニレン基は、分岐を有していてもよい。アルキニレン基の炭素数は、2~12であることが好ましく、2~8であることがより好ましく、2~4であることが特に好ましい。置換アルキニレン基のアルキニレン部分は、上記アルキニレン基と同様である。置換アルキニレン基の置換基の例には、ハロゲン原子が含まれる。
[0133]
 二価の環状基の定義及び例は、後述するCy 及びCy の定義並びに例と同様である。
 R 2Lは、炭素数が1~4のアルキル基又は水素原子であることが好ましく、エチル基、メチル基又は水素原子であることがより好ましく、水素原子であることが特に好ましい。
[0134]
 L は、-O-CO-(CH=CH) -Cy -L -又は-(CH=CH) -CO-O-Cy -L -であることが好ましい。上記mは、0又は1であり、Cy は、二価の環状基であり、L は、二価の連結基である。
 上記mは、0が好ましい。二価の環状基の定義及び例は、後述するCy 及びCy の定義並びに例と同様である。L は、-O-、-S-、-CO-、-NR 2L-、二価の鎖状基及びそれらの組み合わせよりなる群から選ばれた二価の連結基であることが好ましい。L は、-O-二価の鎖状基-O-CO-であることが特に好ましい。
 式LCで表される化合物は、合計3個の二価の環状基(Cy 、Cy 及びCy )を含むことが特に好ましい。
[0135]
 式LCにおいて、Cy 及びCy はそれぞれ独立に、二価の環状基を表す。
 環状基に含まれる環は、5員環、6員環又は7員環であることが好ましく、5員環又は6員環であることがより好ましく、6員環であることが特に好ましい。環状基に含まれる環は、縮合環であってもよい。ただし、縮合環よりも単環である方が好ましい。環状基に含まれる環は、芳香族環、脂肪族環及び複素環のいずれでもよい。芳香族環の例には、ベンゼン環及びナフタレン環が含まれる。脂肪族環の例には、シクロヘキサン環が含まれる。複素環の例には、ピリジン環及びピリミジン環が含まれる。
 ベンゼン環を有する環状基としては、1,4-フェニレン基が好ましい。ナフタレン環を有する環状基としては、ナフタレン-1,5-ジイル基又はナフタレン-2,6-ジイル基が好ましい。ピリジン環を有する環状基としては、ピリジン-2,5-ジイル基が好ましい。ピリミジン環を有する環状基としては、ピリミジン-2,5-ジイル基が好ましい。
 環状基は、1,4-フェニレン基又は1,4-シクロへキシレン基であることが特に好ましい。
 環状基は、置換基を有していてもよい。置換基の例には、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、炭素数が1~5のアルキル基、炭素数が1~5のハロゲン置換アルキル基、炭素数が1~5のアルコキシ基、炭素数が1~5のアルキルチオ基、炭素数が1~5のアシル基、炭素数が2~6のアシルオキシ基、炭素数が2~6のアルコキシカルボニル基、カルバモイル、炭素数が2~6のアルキル置換カルバモイル基及び炭素数が2~6のアミド基が含まれる。
[0136]
 式LCにおいて、R 1Lは、炭素数が1~7のアルキル基又は水素原子を表し、炭素数が1~4のアルキル基又は水素原子であることが好ましく、エチル基、メチル基又は水素原子であることがより好ましく、水素原子であることが特に好ましい。
 式LCにおいて、nは、0又は1を表し、0であることが好ましい。
[0137]
 また、重合性の棒状液晶性化合物としては、例えば、Makromol.Chem.,190巻、2255頁(1989年)、Advanced Materials 5巻、107頁(1993年)、米国特許第4683327号明細書、同5622648号明細書、同5770107号明細書、国際公開第95/22586号公報、同95/24455号公報、同97/00600号公報、同98/23580号公報、同98/52905号公報、特開平1-272551号公報、同6-16616号公報、同7-110469号公報、同11-80081号公報、及び特開2001-328973号公報に記載の化合物を用いることができる。
[0138]
 重合性基を有するディスコティック液晶性化合物としては、下記式(DI)で表される化合物が好ましい。
[0139]
[化35]


[0140]
 式(DI)中、Y 11、Y 12及びY 13はそれぞれ独立に、メチン基又は窒素原子を表す。
 Y 11、Y 12及びY 13がメチン基の場合、メチン基の水素原子は置換基で置き換わってもよい。メチン基が有していてもよい置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ハロゲン原子及びシアノ基を好ましい例として挙げることができる。これらの置換基の中では、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、ハロゲン原子及びシアノ基が好ましく、炭素数1~12のアルキル基、炭素数1~12のアルコキシ基、炭素数2~12アルコキシカルボニル基、炭素数2~12のアシルオキシ基、ハロゲン原子及びシアノ基がより好ましい。
 Y 11、Y 12及びY 13は、いずれもメチン基であることがより好ましく、メチン基は無置換であることが更に好ましい。
[0141]
 R 11、R 12及びR 13はそれぞれ独立に、下記式(DI-A)、式(DI-B)又は式(DI-C)で表される基を表す。波長分散性を小さくしようとする場合、式(DI-A)又は式(DI-C)で表される基が好ましく、式(DI-A)で表される基がより好ましい。R 11、R 12及びR 13は、R 11=R 12=R 13であることが好ましい。
[0142]
[化36]


[0143]
 式(DI-A)中、A 11、A 12、A 13、A 14、A 15及びA 16はそれぞれ独立に、メチン基又は窒素原子を表す。
 A 11及びA 12は、少なくとも一方が窒素原子であることが好ましく、両方が窒素原子であることがより好ましい。
 A 13、A 14、A 15及びA 16は、これらのうち、少なくとも3つがメチン基であることが好ましく、全てメチン基であることがより好ましい。更に、メチン基は無置換であることが好ましい。
 A 11、A 12、A 13、A 14、A 15又はA 16がメチン基の場合の置換基の例には、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、ニトロ基、炭素数1~16のアルキル基、炭素数2~16のアルケニル基、炭素数2~16のアルキニル基、炭素数1~16のハロゲンで置換されたアルキル基、炭素数1~16のアルコキシ基、炭素数2~16のアシル基、炭素数1~16のアルキルチオ基、炭素数2~16のアシルオキシ基、炭素数2~16のアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、炭素数2~16のアルキル置換カルバモイル基及び炭素数2~16のアシルアミノ基が含まれる。これらの中でも、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のハロゲンで置換されたアルキル基が好ましく、ハロゲン原子、炭素数1~4のアルキル基、炭素数1~4のハロゲンで置換されたアルキル基がより好ましく、ハロゲン原子、炭素数が1~3のアルキル基、トリフルオロメチル基が更に好ましい。
 X は、酸素原子、硫黄原子、メチレン基又はイミノ基を表し、酸素原子が好ましい。
[0144]
[化37]


[0145]
 式(DI-B)中、A 21、A 22、A 23、A 24、A 25及びA 26はそれぞれ独立に、メチン基又は窒素原子を表す。
 A 21及びA 22は、少なくとも一方が窒素原子であることが好ましく、両方が窒素原子であることがより好ましい。
 A 23、A 24、A 25及びA 26は、これらのうち、少なくとも3つがメチン基であることが好ましく、全てメチン基であることがより好ましい。
 A 21、A 22、A 23、A 24、A 25又はA 26がメチン基の場合の置換基の例は、A 11、A 12、A 13、A 14、A 15又はA 16がメチン基の場合の置換基の例と同様であり、好ましい態様も同様である。
 X は、酸素原子、硫黄原子、メチレン基又はイミノ基を表し、酸素原子が好ましい。
[0146]
[化38]


[0147]
 式(DI-C)中、A 31、A 32、A 33、A 34、A 35及びA 36はそれぞれ独立に、メチン基又は窒素原子を表す。
 A 31及びA 32は、少なくとも一方が窒素原子であることが好ましく、両方が窒素原子であることがより好ましい。
 A 33、A 34、A 35及びA 36は、これらのうち、少なくとも3つがメチン基であることが好ましく、全てメチン基であることがより好ましい。
 A 31、A 32、A 33、A 34、A 35又はA 36がメチン基の場合の置換基の例は、A 11、A 12、A 13、A 14、A 15又はA 16がメチン基の場合の置換基の例と同様であり、好ましい態様も同様である。
 X は、酸素原子、硫黄原子、メチレン基又はイミノ基を表し、酸素原子が好ましい。
[0148]
 式(DI-A)中のL 11、式(DI-B)中のL 21、式(DI-C)中のL 31はそれぞれ独立に、-O-、-O-CO-、-CO-O-、-O-CO-O-、-S-、-NH-、-SO -、-CH -、-CH=CH-又は-C≡C-を表し、-O-、-O-CO-、-CO-O-、-O-CO-O-、-CH -、-CH=CH-又は-C≡C-であることが好ましく、-O-、-O-CO-、-CO-O-、-O-CO-O-又は-CH -であることがより好ましい。上述の基が水素原子を含む基であるときは、上記水素原子は置換基で置き換わってもよい。このような置換基として、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のハロゲンで置換されたアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基、炭素数2~6のアシル基、炭素数1~6のアルキルチオ基、炭素数2~6のアシルオキシ基、炭素数2~6のアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、炭素数2~6のアルキルで置換されたカルバモイル基及び炭素数2~6のアシルアミノ基が好ましい例として挙げられ、ハロゲン原子、炭素数1~6のアルキル基がより好ましい。
[0149]
 式(DI-A)中のL 12、式(DI-B)中のL 22、式(DI-C)中のL 32はそれぞれ独立に、-O-、-S-、-C(=O)-、-SO -、-NH-、-CH -、-CH=CH-及び-C≡C-、並びに、これらの組み合わせよりなる群から選ばれた二価の連結基を表す。ここで、-NH-、-CH -、-CH=CH-の水素原子は、置換基で置換されていてもよい。このような置換基として、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のハロゲンで置換されたアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基、炭素数2~6のアシル基、炭素数1~6のアルキルチオ基、炭素数2~6のアシルオキシ基、炭素数2~6のアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、炭素数2~6のアルキルで置換されたカルバモイル基及び炭素数2~6のアシルアミノ基が好ましく挙げられ、ハロゲン原子及び炭素数1~6のアルキル基がより好ましく挙げられる。
[0150]
 L 12、L 22及びL 32はそれぞれ独立に、-O-、-C(=O)-、-CH -、-CH=CH-及び-C≡C-、並びに、これらの組み合わせよりなる群より選ばれた基であることが好ましい。
 L 12、L 22及びL 32の炭素数はそれぞれ独立に、1~20であることが好ましく、2~14であることがより好ましい。また、L 12、L 22及びL 32はそれぞれ独立に、-CH -を1~16個有する基であることが好ましく、-CH -を2~12個有する基であることがより好ましい。
[0151]
 式(DI-A)中のQ 11、式(DI-B)中のQ 21、式(DI-C)中のQ 31はそれぞれ独立に、重合性基又は水素原子を表す。
 Q 11、Q 21及びQ 31はそれぞれ独立に、重合性基であることが好ましい。重合反応は、付加重合(開環重合を含む)又は縮合重合であることが好ましい。すなわち、重合性基は、付加重合反応又は縮合重合反応が可能な官能基であることが好ましい。以下に重合性基の例を示す。
[0152]
[化39]


[0153]
 更に、重合性基は、付加重合反応が可能な官能基であることが好ましく、エチレン性不飽和基であることがより好ましく、下記式(M-1)~式(M-6)のいずれかで表される基であることが更に好ましい。
[0154]
[化40]


[0155]
 式(M-3)及び式(M-4)中、Rは水素原子又はアルキル基を表し、水素原子又はメチル基が好ましい。
 中でも、重合性基としては、式(M-1)又は式(M-2)で表される基が好ましく、式(M-1)で表される基がより好ましい。
[0156]
 また、重合性基を有するディスコティック液晶性化合物としては、特開2009-97002号公報の段落0038~0069記載の化合物(1,3,5置換ベンゼン型ディスコティック液晶化合物)のうち、Xが重合性基を有する基である形態が挙げられる。また、特開2007-108732号公報の段落0062~0067記載の化合物のうち、置換基として重合性基を有する形態のものも、重合性基を有するディスコティック液晶性化合物として本発明に好適に用いることができる。
[0157]
 液晶性化合物は、1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
 本発明の有機半導体液組成物における液晶性化合物の含有量は、特に制限はないが、有機半導体液組成物の全質量に対し、0.1~20質量%であることが好ましく、0.5~15質量%であることがより好ましく、1~10質量%であることが更に好ましい。上記範囲であると、移動度により優れる有機半導体膜を得ることができる。
 本発明の有機半導体液組成物における液晶性化合物の含有量は、有機半導体の含有量100質量部に対し、50~5,000質量部であることが好ましく、100~3,000質量部であることがより好ましく、200~2,500質量部であることが更に好ましく、500~2,000質量部であることが特に好ましい。上記範囲であると、移動度により優れる有機半導体膜を得ることができる。
[0158]
<絶縁性有機高分子>
 本発明の有機半導体液組成物は、絶縁性有機高分子を含有する。
 絶縁性有機高分子の種類は特に制限されず、公知の絶縁性有機高分子を用いることができる。
 なお、絶縁性有機高分子は、導電性高分子及び上記有機半導体でない、一般的な有機高分子である。
 絶縁性有機高分子としては、例えば、ポリカルボン酸ビニル、ポリビニルアセタール、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、ポリシロキサン、ポリスルフォン、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、セルロース、ポリエチレン、ポリプロピレン、及び、これらの共重合体、ゴム、並びに、熱可塑性エラストマーを挙げることができる。
 中でも、絶縁性有機高分子としては、ポリカルボン酸ビニル、又は、ポリビニルアセタールであることが好ましく、ポリカルボン酸ビニル、又は、ポリビニルブチラールであることがより好ましい。
[0159]
 また、絶縁性有機高分子としては、下記式1aで表される構成単位及び/又は下記式1bで表される構成単位を有する樹脂を含むことが好ましく、下記式1aで表される構成単位又は下記式1bで表される構成単位を有する樹脂を含むことがより好ましい。
[0160]
[化41]


[0161]
 式中、Rはそれぞれ独立に、炭素数1~20の直鎖又は分岐アルキル基を表す。
 式1aにおけるRは、炭素数1~17の直鎖又は分岐アルキル基であることが好ましく、炭素数1~17の直鎖アルキル基であることがより好ましく、炭素数5~17の直鎖アルキル基であることが更に好ましい。
 式1bにおけるRは、炭素数1~8の直鎖又は分岐アルキル基であることが好ましく、炭素数1~6の直鎖又は分岐アルキル基であることがより好ましく、炭素数2~4の直鎖又は分岐アルキル基であることが更に好ましく、プロピル基であることが特に好ましい。
[0162]
 式1aで表される構成単位を有する樹脂としては、ポリカルボン酸ビニルが挙げられる。
 ポリカルボン酸ビニルとしては、炭素数4~23のカルボン酸ビニルの単独重合体又共重合体であることが好ましく、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、吉草酸ビニル、カプロン酸ビニル、ヘプタン酸ビニル、オクタン酸ビニル、ノナン酸ビニル、デカン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ミスチリン酸ビニル、パルミチン酸ビニル、及び、ステアリン酸ビニルよりなる群から選ばれたカルボン酸ビニルの単独重合体又は共重合体であることがより好ましく、酢酸ビニル、オクタン酸ビニル、デカン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ミスチリン酸ビニル、パルミチン酸ビニル、及び、ステアリン酸ビニルよりなる群から選ばれたカルボン酸ビニルの単独重合体又は共重合体であることが更に好ましく、オクタン酸ビニル、デカン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ミスチリン酸ビニル、パルミチン酸ビニル、及び、ステアリン酸ビニルよりなる群から選ばれたカルボン酸ビニルの単独重合体又は共重合体であることが特に好ましい。
[0163]
 式1bで表される構成単位を有する樹脂としては、ポリビニルアセタールが挙げられる。
 ポリビニルアセタールは、式1bで表される構成単位の他に、下記式1cで表される構成単位を有しており、また、下記式1dで表される構成単位を有していてもよい。
[0164]
[化42]


[0165]
 ポリビニルアセタールとしては、ポリビニルブチラールが好ましい。
 また、ポリビニルブチラールとしては、ポリビニルブチラール全体に対する上記式1cで表される構成単位の含有量である水酸基含量が、20質量%以下のものであることが好ましく、18質量%以下のものであることがより好ましく、15質量%以下のものであることが更に好ましく、6~15質量%のものであることが特に好ましい。
[0166]
 絶縁性有機高分子の重量平均分子量は、特に制限されないが、1,000~200万が好ましく、3,000~100万がより好ましく、5,000~60万が更に好ましい。
 また、後述する溶媒を用いる場合、バインダーポリマーは、使用する溶媒への溶解度が、特定化合物よりも高いことが好ましい。上記態様であると、得られる有機半導体の移動度及び熱安定性により優れる。
[0167]
 絶縁性有機高分子は、1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
 本発明の有機半導体液組成物における絶縁性有機高分子の含有量は、有機半導体の含有量100質量部に対し、1~200質量部であることが好ましく、10~150質量部であることがより好ましく、20~120質量部であることが更に好ましい。上記範囲であると、得られる有機半導体層の移動度及び熱安定性により優れる。
[0168]
<溶媒>
 本発明の有機半導体液組成物は、塗布性及び層形成の観点から、溶媒を含むことが好ましい。
 溶媒としては、公知の溶媒を用いることができる。
 具体的には、例えば、ヘキサン、オクタン、デカン、トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、デカリン、1-メチルナフタレンなどの炭化水素系溶媒、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロトルエンなどのハロゲン化炭化水素系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミルなどのエステル系溶媒、メタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、エチレングリコールなどのアルコール系溶媒、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アニソールなどのエーテル系溶媒、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒、1-メチル-2-ピロリドン、1-メチル-2-イミダゾリジノン等のイミド系溶媒、ジメチルスルフォキサイドなどのスルホキシド系溶媒、アセトニトリルなどのニトリル系溶媒が挙げられる。
[0169]
 溶媒は、1種単独で用いてもよく、複数組み合わせて用いてもよい。
 これらの中でも、脂肪族炭化水素系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒、芳香族複素環系溶媒、ハロゲン化炭化水素系溶媒及び/又はエーテル系溶媒が好ましく、芳香族炭化水素系溶媒、ハロゲン化芳香族炭化水素系溶媒及び/又はエーテル系溶媒がより好ましく、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラリン、ジクロロベンゼン又はアニソールが更に好ましい。
[0170]
 溶媒の沸点が100℃以上であることが、製膜性の観点から好ましい。溶媒の沸点は、100℃~300℃であることがより好ましく、105℃~250℃であることが更に好ましく、110℃~225℃であることが特に好ましい。
 なお、最も含有量の多い溶媒の沸点が100℃以上であることが好ましく、全ての溶媒の沸点が100℃以上であることがより好ましい。
[0171]
 本発明の有機半導体液組成物中の溶媒の含有量は、組成物の全質量に対して、75~99.5質量%であることが好ましく、85~99質量%であることがより好ましく、90~99質量%であることが更に好ましい。
[0172]
<重合開始剤>
 本発明の有機半導体液組成物が重合性基を有する液晶性化合物を含有する場合、本発明の有機半導体液組成物は、重合開始剤を更に含有することが好ましい。
 重合開始剤としては、光重合開始剤が好ましく、有機半導体液組成物に含まれる液晶性化合物が有する重合性基がラジカル重合性基である場合、光ラジカル重合開始剤が好ましい。
 光ラジカル重合開始剤は、活性光線により、エチレン性不飽和基を有する化合物等の重合性化合物の重合を開始、促進可能な化合物である。
 「活性光線」とは、その照射により重合開始剤より開始種を発生させることができるエネルギーを付与することができる活性エネルギー線であれば、特に制限はなく、広くα線、γ線、X線、紫外線(UV)、可視光線、電子線などを包含するものである。これらの中でも、紫外線を少なくとも含む光が好ましい。
[0173]
 光重合開始剤としては、(a)芳香族ケトン類、(b)アシルホスフィン化合物、(c)芳香族オニウム塩化合物、(d)有機過酸化物、(e)チオ化合物、(f)ヘキサアリールビイミダゾール化合物、(g)ケトオキシムエステル化合物、(h)ボレート化合物、(i)アジニウム化合物、(j)メタロセン化合物、(k)活性エステル化合物、(l)炭素ハロゲン結合を有する化合物、及び(m)アルキルアミン化合物等が挙げられる。これらのラジカル重合開始剤は、上記(a)~(m)の化合物を単独若しくは組み合わせて使用してもよい。
 本発明に用いる重合開始剤としては、(a)芳香族ケトン類を含有することが好ましく、アルキルフェノン化合物を含有することがより好ましい。
 アルキルフェノン化合物としては、例えば、市販品として、IRGACURE184(BASFジャパン(株)製)、IRGACURE369(BASFジャパン(株)製)、IRGACURE379(BASFジャパン(株)製)、IRGACURE907(BASFジャパン(株)製)、IRGACURE2959(BASFジャパン(株)製)などが好適に挙げられる。
[0174]
 重合開始剤は、1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
 本発明の有機半導体液組成物における重合開始剤の含有量は、特に制限はないが、有機半導体液組成物の全質量に対し、0.001~5質量%であることが好ましく、0.005~1質量%であることがより好ましく、0.01~0.5質量%であることが更に好ましい。上記範囲であると、硬化性に優れ、また、移動度により優れる有機半導体膜を得ることができる。
 本発明の有機半導体液組成物における重合開始剤の含有量は、重合性基を有する液晶性化合物の含有量100質量部に対し、0.1~30質量部であることが好ましく、0.5~20質量部であることがより好ましく、1~10質量部であることが更に好ましい。上記範囲であると、硬化性に優れ、また、移動度により優れる有機半導体膜を得ることができる。
[0175]
<その他の成分>
 本発明の有機半導体液組成物には、上記の以外に他の成分が含まれていてもよい。
 その他の成分としては、公知の添加剤等を用いることができる。
 本発明の有機半導体液組成物における有機半導体、液晶性化合物、絶縁性有機高分子、重合開始剤及び溶媒以外の成分の含有量は、10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましく、1質量%以下であることが更に好ましく、0.1質量%以下であることが特に好ましい。上記範囲であると、膜形成性に優れ、得られる有機半導体の移動度及び熱安定性により優れる。
[0176]
 本発明の有機半導体液組成物の製造方法は、特に制限されず、公知の方法を採用できる。例えば、溶媒中に所定量の有機半導体、液晶性化合物及び絶縁性有機高分子を同時又は逐次に添加して、適宜撹拌処理を施すことにより、所望の組成物を得ることができる。
[0177]
 本発明の有機半導体液組成物の粘度は、特に制限されないが、塗布性がより優れる点で、25℃における粘度が1~100mPa・sであることが好ましく、2~50mPa・sであることがより好ましく、5~40mPa・sであることが更に好ましく、10~30mPa・sであることが特に好ましい。
 粘度の測定方法としては、JIS Z8803に準拠した測定方法であることが好ましい。
[0178]
(有機半導体膜及び有機半導体素子)
 本発明の有機半導体膜及び本発明の有機半導体素子は、本発明の有機半導体液組成物を用いて製造されたものである。
 また、本発明の有機半導体素子は、後述する本発明の有機半導体素子の作製方法により作製されたものであることが好ましい。
 また、本発明の有機半導体膜は、後述する本発明の有機半導体膜の作製方法により作製されたものであることが好ましい。
 有機半導体膜の膜厚は、特に制限されないが、得られる有機半導体の移動度及び膜均一性の観点から、10~500nmが好ましく、30~200nmがより好ましい。
 本発明の有機半導体液組成物より製造される有機半導体膜は、有機半導体素子に好適に使用することができ、有機トランジスタ(有機薄膜トランジスタ、有機TFT)に特に好適に使用することができる。
 有機半導体素子としては、特に制限はないが、複数端子の半導体素子であることが好ましく、2~5端子の有機半導体素子であることがより好ましく、2又は3端子の有機半導体素子であることが更に好ましい。
 また、有機半導体素子としては、光電機能を用いない素子であることが好ましい。なお、光電機能を積極的に使用する場合、有機物が光で劣化する可能性がある。
 2端子素子としては、整流用ダイオード、定電圧ダイオード、PINダイオード、ショットキーバリアダイオード、サージ保護用ダイオード、ダイアック、バリスタ、トンネルダイオード等が挙げられる。
 3端子素子としては、バイポーラトランジスタ、ダーリントントランジスタ、電界効果トランジスタ、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ、ユニジャンクショントランジスタ、静電誘導トランジスタ、ゲートターンサイリスタ、トライアック、静電誘導サイリスタ等が挙げられる。
 これらの中でも、整流用ダイオード、及び、トランジスタ類が好ましく挙げられ、電界効果トランジスタがより好ましく挙げられる。
 電界効果トランジスタとしては、有機薄膜トランジスタが好ましく挙げられる。
[0179]
 本発明の有機薄膜トランジスタの一態様について図面を参照して説明する。
 図1は、本発明の有機半導体素子(有機薄膜トランジスタ(TFT))の一態様の断面模式図である。
 図1において、有機薄膜トランジスタ100は、基板10と、基板10上に配置されたゲート電極20と、ゲート電極20を覆うゲート絶縁膜30と、ゲート絶縁膜30のゲート電極20側とは反対側の表面に接するソース電極40及びドレイン電極42と、ソース電極40とドレイン電極42との間のゲート絶縁膜30の表面を覆う有機半導体膜50と、各部材を覆う封止層60とを備える。有機薄膜トランジスタ100は、ボトムゲート-ボトムコンタクト型の有機薄膜トランジスタである。
 なお、図1においては、有機半導体膜50が、本発明の有機半導体液組成物より形成される膜に該当する。
 以下、基板、ゲート電極、ゲート絶縁膜、ソース電極、ドレイン電極、有機半導体膜及び封止層並びにそれぞれの形成方法について詳述する。
[0180]
<基板>
 基板は、後述するゲート電極、ソース電極、ドレイン電極などを支持する役割を果たす。
 基板の種類は特に制限されず、例えば、プラスチック基板、ガラス基板、セラミック基板などが挙げられる。中でも、各デバイスへの適用性及びコストの観点から、ガラス基板又はプラスチック基板であることが好ましい。
 プラスチック基板の材料としては、熱硬化性樹脂(例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)など)又は熱可塑性樹脂(例えば、フェノキシ樹脂、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリフェニレンスルフォンなど)が挙げられる。
 セラミック基板の材料としては、例えば、アルミナ、窒化アルミニウム、ジルコニア、シリコン、窒化シリコン、シリコンカーバイドなどが挙げられる。
 ガラス基板の材料としては、例えば、ソーダガラス、カリガラス、ホウケイ酸ガラス、石英ガラス、アルミケイ酸ガラス、鉛ガラスなどが挙げられる。
[0181]
<ゲート電極、ソース電極、ドレイン電極>
 ゲート電極、ソース電極、ドレイン電極の材料としては、例えば、金(Au)、銀、アルミニウム(Al)、銅、クロム、ニッケル、コバルト、チタン、白金、タンタル、マグネシウム、カルシウム、バリウム、ナトリウム等の金属;InO 、SnO 、酸化インジウムスズ(ITO)等の導電性の酸化物;ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリジアセチレン等の導電性高分子;シリコン、ゲルマニウム、ガリウム砒素等の半導体;フラーレン、カーボンナノチューブ、グラファイト等の炭素材料などが挙げられる。中でも、金属であることが好ましく、銀又はアルミニウムであることがより好ましい。
 ゲート電極、ソース電極、ドレイン電極の厚みは特に制限されないが、20~200nmであることが好ましい。
[0182]
 ゲート電極、ソース電極、ドレイン電極を形成する方法は特に制限されないが、例えば、基板上に、電極材料を真空蒸着又はスパッタする方法、電極形成用組成物を塗布又は印刷する方法などが挙げられる。また、電極をパターニングする場合、パターニングする方法としては、例えば、フォトリソグラフィー法;インクジェット印刷、スクリーン印刷、オフセット印刷、凸版印刷等の印刷法;マスク蒸着法などが挙げられる。
[0183]
<ゲート絶縁膜>
 ゲート絶縁膜の材料としては、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリビニルフェノール、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリスルフォン、ポリベンゾオキサゾール、ポリシルセスキオキサン、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等のポリマー;二酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化チタン等の酸化物;窒化珪素等の窒化物などが挙げられる。これらの材料のうち、有機半導体膜との相性から、ポリマーであることが好ましい。
 ゲート絶縁膜の材料としてポリマーを用いる場合、架橋剤(例えば、メラミン)を併用するのが好ましい。架橋剤を併用することで、ポリマーが架橋されて、形成されるゲート絶縁膜の耐久性が向上する。
 ゲート絶縁膜の膜厚は特に制限されないが、100~1,000nmであることが好ましい。
[0184]
 ゲート絶縁膜を形成する方法は特に制限されないが、例えば、ゲート電極が形成された基板上に、ゲート絶縁膜形成用組成物を塗布する方法、ゲート絶縁膜材料を蒸着又はスパッタする方法などが挙げられる。ゲート絶縁膜形成用組成物を塗布する方法は特に制限されず、公知の方法(バーコート法、スピンコート法、ナイフコート法、ドクターブレード法)を使用することができる。
 ゲート絶縁膜形成用組成物を塗布してゲート絶縁膜を形成する場合、溶媒除去、架橋などを目的として、塗布後に加熱(ベーク)してもよい。
[0185]
<有機半導体膜>
 本発明の有機半導体膜は、本発明の有機半導体液組成物より形成される膜である。
 有機半導体膜の形成方法は特に制限されず、上述した組成物を、ソース電極、ドレイン電極、及び、ゲート絶縁膜上に付与して、必要に応じて乾燥処理を施すことにより、所望の有機半導体膜を形成することができる。
[0186]
<封止層>
 本発明の有機薄膜トランジスタは、耐久性の観点から、最外層に封止層を備えるのが好ましい。封止層には公知の封止剤を用いることができる。
 封止層の厚みは特に制限されないが、0.2~10μmであることが好ましい。
[0187]
 封止層を形成する方法は特に制限されないが、例えば、ゲート電極とゲート絶縁膜とソース電極とドレイン電極と有機半導体膜とが形成された基板上に、封止層形成用組成物を塗布する方法などが挙げられる。封止層形成用組成物を塗布する方法の具体例は、ゲート絶縁膜形成用組成物を塗布する方法と同じである。封止層形成用組成物を塗布して有機半導体膜を形成する場合、溶媒除去、架橋などを目的として、塗布後に加熱(ベーク)してもよい。
[0188]
 また、図2は、本発明の有機半導体素子(有機薄膜トランジスタ)の別の一態様の断面模式図である。
 図2において、有機薄膜トランジスタ200は、基板10と、基板10上に配置されたゲート電極20と、ゲート電極20を覆うゲート絶縁膜30と、ゲート絶縁膜30上に配置された有機半導体膜50と、有機半導体膜50上に配置されたソース電極40及びドレイン電極42と、各部材を覆う封止層60とを備える。ここで、ソース電極40及びドレイン電極42、又は、有機半導体膜50は、上述した本発明の有機半導体液組成物を用いて形成することができる。有機薄膜トランジスタ200は、ボトムゲート-トップコンタクト型の有機薄膜トランジスタである。
 基板、ゲート電極、ゲート絶縁膜、ソース電極、ドレイン電極、有機半導体膜及び封止層については、上述のとおりである。
[0189]
 上記では図1及び図2において、ボトムゲート-ボトムコンタクト型の有機薄膜トランジスタ、及び、ボトムゲート-トップコンタクト型の有機薄膜トランジスタの態様について詳述したが、本発明の有機半導体液組成物は、トップゲート-ボトムコンタクト型の有機薄膜トランジスタ、及び、トップゲート-トップコンタクト型の有機薄膜トランジスタにも適用できる。
 中でも、本発明の有機半導体液組成物は、ボトムコンタクト型の有機薄膜トランジスタに好適に適用することができる。
 なお、上述した有機薄膜トランジスタは、電子ペーパー、ディスプレイデバイスなどに好適に使用できる。
[0190]
(有機半導体素子の作製方法)
 本発明の有機半導体素子の作製方法は、本発明の有機半導体液組成物を用いること以外は特に制限はないが、本発明の有機半導体液組成物を塗布し膜を形成する膜形成工程、上記膜を加熱により融解させる融解工程、及び、融解した上記膜を冷却して相分離させ、絶縁性有機高分子層、有機半導体層、液晶性化合物層の順に積層構造を形成させる相分離工程、を含むことが好ましい。
 図3は、従来の有機半導体液組成物を使用して形成したボトムコンタクト型有機薄膜トランジスタ形成時の断面模式図である。
 有機半導体及び液晶性化合物を含む従来の有機半導体液組成物を使用した場合、絶縁膜110に有機半導体液組成物を塗布し有機半導体膜を形成した場合、液晶層120が絶縁膜112に接する側、すなわち、下部に形成され、有機半導体層118が液晶層120の上部に形成される。特にボトムコンタクト型有機薄膜トランジスタを形成する場合、図3に示すように、有機半導体層118が、ソース電極又はドレイン電極を形成する電極114と接しない場合も多い。
 図4は、本発明の有機半導体液組成物を使用して形成したボトムコンタクト型有機薄膜トランジスタ形成時の断面模式図である。
 上記膜形成工程、融解工程及び相分離工程を含む本発明の有機半導体素子の作製方法により作製する場合、絶縁性有機高分子層116が絶縁膜112に接する側、すなわち、下部に形成され、有機半導体層118が絶縁性有機高分子層116の上部に形成され、更に、液晶層120が有機半導体層118の上部に形成される。特にボトムコンタクト型有機薄膜トランジスタを形成する場合、図4に示すように、有機半導体層118が、ソース電極又はドレイン電極を形成する電極114と接触しない場合が生じない。
 本発明の有機半導体液組成物から形成される積層構造が、重力方向下流側から絶縁性有機高分子層、有機半導体層、液晶層の順で形成される理由は、不明であり、従来の有機半導体液組成物とは、特に液晶層の位置が、有機半導体層の上下と大きく異なる。
[0191]
<膜形成工程>
 本発明の有機半導体素子の作製方法は、本発明の有機半導体液組成物を塗布し膜を形成する膜形成工程を含むことが好ましい。
 有機半導体液組成物を塗布し膜を形成する方法は、特に制限されず、公知の方法を採用できる。例えば、有機半導体液組成物を所定の基材上に塗布して、必要に応じて、溶媒を乾燥させる乾燥処理を施して、有機半導体膜を製造する方法が挙げられる。
 また、有機半導体液組成物が溶媒を含む場合、融解工程の際、完全に溶媒が除去されていてもよいし、一部の溶媒が膜に残留していてもよい。
 基材上に有機半導体液組成物を塗布する方法は特に制限されず、公知の方法を採用でき、例えば、インクジェット法、フレキソ印刷法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、バーコート法、スピンコート法、ナイフコート法、ドクターブレード法などが挙げられる。
 中でも、スピンコート法が好ましい。
 上記乾燥処理は、使用される各成分や溶媒の種類により適宜最適な条件が選択される。中でも、得られる有機半導体の移動度及び膜均一性により優れ、また、生産性に優れる点で、加熱温度としては30℃~100℃が好ましく、40℃~80℃がより好ましい。加熱時間としては1~300分が好ましく、30~180分がより好ましい。
[0192]
<融解工程>
 本発明の有機半導体素子の作製方法は、上記膜形成工程において形成された上記膜を加熱により融解させる融解工程を含むことが好ましい。
 融解工程を行うことにより、後述する相分離工程において相分離が十分進行し、各層が好適に形成され、得られる有機半導体層の移動度により優れる。
 融解工程における加熱温度は、使用される各成分の種類により適宜最適な条件が選択されるが、得られる有機半導体の移動度及び膜均一性により優れ、また、生産性に優れる点で、加熱温度としては100℃~200℃が好ましく、110℃~190℃がより好ましく、120℃~180℃が更に好ましい。
 加熱時間としては、0.1~5分が好ましく、0.5~2分がより好ましい。
[0193]
<相分離工程>
 本発明の有機半導体素子の作製方法は、融解した上記膜を冷却して相分離させ、上記絶縁性有機高分子層、上記有機半導体層、上記液晶性化合物層の順に積層構造を形成させる相分離工程を含むことが好ましい。
 相分離工程における温度(熟成温度)は、融解工程の加熱温度以下であればよいが、10℃~150℃であることが好ましく、80℃~120℃であることがより好ましく、85℃~115℃であることが更に好ましく、90℃~110℃であることが特に好ましく、90℃~105℃であることが最も好ましい。上記範囲であると、得られる有機半導体層の移動度により優れる。
 また、相分離工程における温度は、有機半導体の結晶が生じうる温度であることが好ましい。
 相分離工程における時間(熟成時間)としては、0.5~10分が好ましく、1~5分がより好ましい。
[0194]
<重合工程>
 上記液晶性化合物が、重合性基を有する液晶性化合物を含む場合、本発明の有機半導体素子の作製方法は、上記相分離工程の後、上記重合性基を有する液晶性化合物を重合する重合工程を更に含むことが好ましい。
 重合工程における温度(重合温度)は、相分離工程における温度よりも低い温度であることが好ましく、30℃~80℃であることが好ましく、40℃~70℃であることがより好ましい。
 また、重合工程における重合は、活性光線の照射による重合が好ましく、上記有機半導体液組成物は、光重合開始剤を含むことが好ましい。
 相分離工程における熟成後に、重合温度まで冷却し、活性光線の照射を行うことにより、液晶性化合物層を重合によって固定化することができる。
[0195]
 活性光線の照射に用いられる照射光源としては、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、LED光源、エキシマレーザー発生装置などを用いることができ、g線(436nm)、i線(365nm)、h線(405nm)などの波長300nm以上450nm以下の波長を有する活性光線が好ましく使用できる。また、必要に応じて長波長カットフィルター、短波長カットフィルター、バンドパスフィルターのような分光フィルターを通して照射光を調整することもできる。
 重合工程における活性光線としては、紫外線を少なくとも含む光が好ましい。
 照射装置としては、ミラープロジェクションアライナー、ステッパー、スキャナー、プロキシミティー、コンタクト、マイクロレンズアレイ、レーザー照射など各種方式の照射機を用いることができる。
 照射量としては、100~3,000mJ/cm 2が好ましく、100~1,000mJ/cm 2が特に好ましい。
[0196]
 本発明の有機半導体素子の作製方法は、上述した工程や乾燥処理以外のその他の工程を含んでいてもよい。
 その他の工程としては、有機半導体素子の作製において、公知の工程を含むことができる。
[0197]
(有機半導体膜の作製方法)
 本発明の有機半導体膜の作製方法は、本発明の有機半導体液組成物を用いること以外は特に制限はないが、本発明の有機半導体液組成物を塗布し膜を形成する膜形成工程、上記膜を加熱により融解させる融解工程、及び、融解した上記膜を冷却して相分離させ、上記絶縁性有機高分子層、上記有機半導体層、上記液晶性化合物層の順に積層構造を形成させる相分離工程、を含むことが好ましい。
 本発明の有機半導体膜の作製方法における膜形成工程、融解工程及び相分離工程における好ましい態様は、上記本発明の有機半導体膜の作製方法における膜形成工程、融解工程及び相分離工程における好ましい態様と同様である。
 また、本発明の有機半導体膜の作製方法は、述した工程以外に、乾燥処理を行ってもよいし、その他の工程を含んでいてもよい。
 その他の工程としては、有機半導体膜の作製において、公知の工程を含むことができる。
実施例
[0198]
 以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」、「%」は質量基準である。
[0199]
<ポリマーの数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)>
 ポリマーの数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)は、ポリマーをテトラヒドロフランに溶解し、東ソー(株)製8020GPCシステムで、TSK-GEL SuperH1000、SuperH2000、SuperH3000、SuperH4000を直列につなぎ、溶出液としてテトラヒドロフランを用い、紫外線検出器(波長254nm)で測定した。分子量の較正にはポリスチレンスタンダードを用いた。
[0200]
 各実施例及び比較例で使用した成分の詳細は以下の通りである。
<有機半導体化合物>
・OSC-1(下記構造の化合物)
・OSC-2(下記構造の化合物)
・OSC-3(下記構造の化合物)
[0201]
[化43]


[0202]
 OCS-1の化合物は、Tetrahedron,66(2010),8778~8784に記載の方法で合成することができる。
 OCS-2は、6,13-ビス(トリイソプロピルシリルエチニル)ペンタセン(東京化成工業(株)製)を用いた。
 OSC-3は、C8BTBT(日本化薬(株)製)を用いた。
[0203]
<液晶性化合物>
・LCC-A(下記構造の棒状液晶性化合物、特開2001-328973号公報に記載の方法で合成した。)
・LCC-B(下記構造のディスコティック液晶性化合物、特開2009-97002号公報に記載の方法で合成した。)
・LCC-C(下記構造の液晶性化合物、米国特許第4229315号公報に記載の方法で合成した。)
[0204]
[化44]


[0205]
[化45]


[0206]
<重合開始剤>
・IRGACURE 184(1-ヒドロキシーシクロヘキシルーフェニルーケトン、BASF社製、分子量204)
<有機溶媒>
・トルエン(和光純薬工業(株)製)
<絶縁性有機高分子>
・SP-1:ポリステアリン酸ビニル(アルドリッチ社製、重量平均分子量90,000)
・SP-2:ポリ酢酸ビニル(アルドリッチ社製、重量平均分子量100,000)
・SP-3:オクタン酸ビニルとステアリン酸ビニル(いずれも和光純薬工業(株)製)とを共重合して得られた共重合体。共重合比はオクタン酸ビニル部が45モル%、ステアリン酸ビニル部が55モル%、重量平均分子量は82,100であった。
・SP-4:ポリビニルブチラール((株)クラレ製モビタールB30HH、水酸基含量:11~15質量%)
[0207]
[化46]


[0208]
<有機半導体を含む塗布液の調製>
 下記表1に記載の各成分を、表1に記載の割合で混合することにより、有機半導体を含む塗布液T1~T36を調製した。
[0209]
[表1]


[0210]
<基板の作製>
 厚さ350nmの熱酸化シリコン皮膜されたシリコン基板(厚さ0.7mm)上に日産化学工業(株)製ポリイミド(SE-130)の2質量%溶液(N-メチルピロリドン)をスピンコート(2,000rpm/20sec.)し、110℃にて5分間前乾燥した後に、240℃60分の熱処理によりイミド化処理を行った。ポリイミド膜上に銀電極(厚さ100nm)をマスク蒸着してソース電極及びドレイン電極を配置した。
[0211]
<移動度評価用試料の作製>
 表1に記載の塗布液を基板にスピンコート(500rpm/2分間)して塗布膜を作製した。その後、表2に記載の加熱温度で1分間保持した後、熟成温度まで冷却して2分間の結晶熟成を行った。更に、紫外線(UV)照射温度まで冷却した後に、超高圧水銀ランプの365nm付近の波長の紫外線を540mJ/cm 照射することで重合固定化を行った。
[0212]
<移動度の測定>
 ボトムゲート-ボトムコンタクト型素子について、セミオートプローバー(ベクターセミコン(株)製、AX-2000)を接続した半導体パラメーターアナライザー(Agilent製、4156C)を用いて常圧かつ窒素雰囲気下で、キャリア移動度を評価した。
 各素子のソース電極-ドレイン電極間に-80Vの電圧を印加し、ゲート電圧を20V~-100Vの範囲で変化させ、ドレイン電流Idを表す下記式を用いてキャリア移動度μを算出した。
  Id=(w/2L)μCi(Vg-Vth)
 式中、Lはゲート長、Wはゲート幅、Ciは絶縁層の単位面積当たりの容量、Vgはゲート電圧、Vthは閾値電圧を表す。
 評価基準を以下に示す。評価が1~2であれば実用上問題はなく、1が好ましい。
  1:0.5cm /Vsを超える
  2:0.1cm /Vs~0.5cm /Vs
  3:0.1cm /Vs未満
[0213]
(実施例1)
 上記移動度評価用試料の作製に記載の方法に従い、塗布液T1を基板上にスピンコートし、加熱温度170℃、熟成温度100℃及びUV照射温度60℃にて試料S1を作製した。試料S1のボトムゲート-ボトムコンタクト型素子の移動度は0.80cm /Vsであった。
[0214]
(実施例2~29)
 塗布液T2~T29を使用して、加熱温度、熟成温度、UV照射温度を表2に記載のように変更した以外は、実施例1と同様に実施した。評価結果は表2に記載した。
[0215]
(比較例1)
 上記移動度評価用試料の作製に記載の方法に従い、塗布液T30を基板上にスピンコートし、加熱温度170℃、熟成温度100℃及びUV照射温度60℃にて試料S25を作製した。試料S30のボトムゲート-ボトムコンタクト型素子の移動度は観測されなかった。
[0216]
(比較例2~7)
 塗布液としてT31~T36を用い、加熱温度、熟成温度、UV照射温度を表2に記載のように変更した以外は、比較例1と同様に実施した。評価結果は表2に記載した。
[0217]
[表2]


符号の説明

[0218]
 10:基板、20:ゲート電極、30:ゲート絶縁膜、40:ソース電極、42:ドレイン電極、50:有機半導体膜、51:メタルマスク、52:マスク部、53,54:開口部、60:封止層、100、200:有機薄膜トランジスタ、112:絶縁層、114:電極(ソース電極又はドレイン電極)、116:絶縁性有機高分子層、118:有機半導体層、120:液晶化合物層

請求の範囲

[請求項1]
 有機半導体と、
 液晶性化合物と、
 絶縁性有機高分子と、を含むことを特徴とする
 有機半導体液組成物。
[請求項2]
 前記絶縁性有機高分子が、下記式1aで表される構成単位及び/又は下記式1bで表される構成単位を有する樹脂を含む、請求項1に記載の有機半導体液組成物。
[化1]


 式中、Rはそれぞれ独立に、炭素数1~20の直鎖又は分岐アルキル基を表す。
[請求項3]
 前記絶縁性有機高分子が、ポリカルボン酸ビニル、又は、ポリビニルアセタールである、請求項1又は2に記載の有機半導体液組成物。
[請求項4]
 前記絶縁性有機高分子が、ポリカルボン酸ビニル、又は、ポリビニルブチラールである、請求項3に記載の有機半導体液組成物。
[請求項5]
 前記液晶性化合物が、重合性基を有する液晶性化合物を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の有機半導体液組成物。
[請求項6]
 前記液晶性化合物が、エチレン性不飽和基を有する液晶性化合物を含む、請求項5に記載の有機半導体液組成物。
[請求項7]
 重合開始剤を更に含む、請求項5又は6に記載の有機半導体液組成物。
[請求項8]
 請求項1~7のいずれか1項に記載の有機半導体液組成物を塗布し膜を形成する膜形成工程、前記膜を加熱により融解させる融解工程、及び、融解した前記膜を冷却して相分離させ、絶縁性有機高分子層、有機半導体層、液晶性化合物層の順に積層構造を形成させる相分離工程、を含む有機半導体素子の作製方法。
[請求項9]
 前記液晶性化合物が、重合性基を有する液晶性化合物を含み、前記相分離工程の後に、前記重合性基を有する液晶性化合物を重合する重合工程を更に含む、請求項8に記載の有機半導体素子の作製方法。
[請求項10]
 得られる有機半導体素子が、有機薄膜トランジスタである、請求項8又は9に記載の有機半導体素子の作製方法。
[請求項11]
 得られる有機半導体素子が、ボトムコンタクト型有機薄膜トランジスタである、請求項8又は9に記載の有機半導体素子の作製方法。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]