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1. WO2016136759 - RELEASE AGENT COMPOSITION, RELEASE SHEET, SINGLE-FACED ADHESIVE SHEET, AND DOUBLE-FACED ADHESIVE SHEET

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明 細 書

発明の名称 剥離剤組成物、剥離シート、片面粘着シートおよび両面粘着シート

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005   0006   0007   0008   0009   0010   0011  

先行技術文献

特許文献

0012  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0013  

課題を解決するための手段

0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029  

発明の効果

0030   0031   0032   0033  

図面の簡単な説明

0034  

発明を実施するための形態

0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117   0118   0119   0120   0121   0122   0123   0124   0125   0126   0127   0128   0129   0130   0131   0132   0133   0134   0135   0136   0137   0138   0139   0140   0141   0142   0143   0144  

実施例

0145   0146   0147   0148   0149   0150   0151   0152   0153   0154   0155   0156   0157   0158   0159   0160   0161   0162   0163   0164   0165   0166   0167   0168   0169   0170   0171   0172  

産業上の利用可能性

0173  

符号の説明

0174  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16   17  

図面

1   2   3   4  

明 細 書

発明の名称 : 剥離剤組成物、剥離シート、片面粘着シートおよび両面粘着シート

技術分野

[0001]
 本発明は、剥離剤組成物、剥離シート、片面粘着シートおよび両面粘着シートに関する。

背景技術

[0002]
 リレー、各種スイッチ、コネクタ、モータ、ハードディスク等の電気部品は、様々な製品に広く用いられている。
[0003]
 このような電気部品には、組立時の仮止めや部品の内容表示等の目的で、粘着シートが貼着されている。
[0004]
 このような粘着シートは、通常、粘着シート基材と粘着剤層とで構成される粘着シート本体を備えており、電気部品に貼着される前は、基材と剥離剤層とで構成される剥離シートをさらに備えている。すなわち、粘着シートは、電気部品に貼着される前は、剥離シートの剥離剤層に粘着シート本体の粘着剤層が貼着されるように構成されている。
[0005]
 この剥離シートの表面(粘着剤層との接触面)には、剥離性の向上を目的として、剥離剤層が設けられている。従来、この剥離剤層の構成材料としては、シリコーン樹脂が用いられてきた(例えば、特許文献1参照)。
[0006]
 ところで、このような剥離シートを粘着シート本体に貼着すると、剥離シート中の低分子量のシリコーン樹脂、シロキサン、シリコーンオイルなどのシリコーン化合物が粘着シート本体の粘着剤層に移行することが知られている。
[0007]
 このような剥離シートに貼着されていた粘着シート本体を前記電気部品に貼着した場合、この粘着剤層や粘着シート本体の表面(粘着シート本体の粘着剤層とは反対側の面)に移行したシリコーン化合物が徐々に気化する。気化したシリコーン化合物は、例えば、電気部品の電気接点部付近で発生するアーク等により、電気接点部の表面等に堆積し、微小なシリコーン化合物層やシリコーン化合物に由来する酸化ケイ素系化合物層を形成することが知られている。このように、電気接点部の表面にシリコーン化合物やシリコーン化合物に由来する酸化ケイ素系化合物が堆積すると、導電不良を招来することがある。また、特に、ハードディスク装置に粘着シート本体を貼着した場合、この粘着剤層や粘着シート本体の表面に移行したシリコーン化合物が徐々に気化し、シリコーン化合物やシリコーン化合物に由来する酸化ケイ素系化合物が磁気ヘッドやディスク表面等に堆積する。その結果、この微小なシリコーン化合物や酸化ケイ素系化合物の堆積が、ハードディスクの読み込みや書き込みに悪影響を及ぼす可能性がある。
[0008]
 このような問題を解決すべく、シリコーン化合物を含まない非シリコーン系剥離剤の開発が試みられている(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、従来の非シリコーン系剥離剤を含む剥離剤層で構成された剥離シートは、重剥離化する傾向があった。
[0009]
 このような重剥離化を改善する目的で、長鎖アルキル系剥離剤を用いた剥離シートが開発されている(例えば、特許文献3参照)。
[0010]
 しかしながら、特許文献3に記載の剥離シートは、製造後にロール状に巻き取られた際に、剥離シートの裏面(剥離シートの基材の表面)と剥離剤層とが接触し、剥離剤層の剥離剤が剥離シートの基材の表面に移行する問題がある。この剥離シートの基材の表面に移行した剥離剤が、剥離シートの基材の表面と粘着シート本体の表面とが接触した際に、粘着シート本体の表面に移行するため、粘着シート本体の表面の印字性や印刷性が悪くなる。その結果、粘着シート本体を内容表示を目的として使用する場合に不具合が生じる。さらにロールトゥロールで粘着シートを製造する際に、剥離剤がガイドロールに移行・蓄積してしまい、粘着シートの搬送不良や他の製品への二次移行等の不具合が生じる恐れもある。
[0011]
 また、特許文献3に記載の剥離剤組成物では、十分な軽剥離化を実現することが困難であった。また、剥離性の向上を図るために、側鎖のアルキル基の炭素数を増加させた場合、側鎖のアルキル基が結晶化してしまい、かえって重剥離化を招く傾向があった。また、剥離剤組成物の有機溶媒への溶解性が低下することによって、剥離剤組成物(溶液)を基材に塗布した時に剥離剤組成物を含む塗膜の加工性が低下する問題が発生する場合があった。

先行技術文献

特許文献

[0012]
特許文献1 : 特開平6-336574号公報
特許文献2 : 特開2004-162048号公報
特許文献3 : 国際公開第2012/20673号

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0013]
 本発明の目的は、剥離剤組成物から形成される剥離シートをロール状に巻き取った際に、剥離シートの基材の表面に剥離剤組成物が移行するのを抑制するとともに、剥離シートに軽剥離性を付与することができる剥離剤組成物、剥離シート、片面粘着シートおよび両面粘着シートを提供することにある。

課題を解決するための手段

[0014]
 このような目的は、下記(1)~(17)の本発明により達成される。
 (1) ポリエステル樹脂(A)と、アクリルポリマー(B)と、を含み、
 前記アクリルポリマー(B)が、下記構造式(1)を構成単位として有しており、
 前記ポリエステル樹脂(A)の配合量と前記アクリルポリマー(B)の配合量の比率は、質量比で、(A):(B)=50:50~95:5の範囲であることを特徴とする剥離剤組成物。
[0015]
[化1]


(式中、R は、HまたはCH 、R は、分岐構造を有する炭素数10以上30以下のアルキル基である。)
[0016]
 (2) さらに架橋剤(C)を含む上記(1)に記載の剥離剤組成物。
 (3) 前記アクリルポリマー(B)が、前記構造式(1)を前記構成単位として、80質量%以上含む上記(1)または(2)に記載の剥離剤組成物。
[0017]
 (4) 前記アクリルポリマー(B)は、さらに、水酸基、アミノ基、および、カルボキシル基からなる群から選択される少なくとも1種の官能基を有する上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の剥離剤組成物。
[0018]
 (5) 前記ポリエステル樹脂(A)の数平均分子量は、500以上10000以下である上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の剥離剤組成物。
[0019]
 (6) 前記アクリルポリマー(B)の質量平均分子量は、50000以上500000以下である上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の剥離剤組成物。
[0020]
 (7) 前記剥離剤組成物のX線光電子分光法(XPS)により測定されるシリコーン化合物の量が0.5原子%以下である上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の剥離剤組成物。
[0021]
 (8) 基材と、該基材の少なくとも一方の面側に設けられ、上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の前記剥離剤組成物の硬化物で構成された剥離剤層と、を備えることを特徴とする剥離シート。
[0022]
 (9) 接触角法により測定される前記剥離剤層の表面自由エネルギーは、40mJ/m 以下である上記(8)に記載の剥離シート。
[0023]
 (10) XPSによる表面元素分析における前記剥離剤層の表面のC元素の比率は、85原子%以上である上記(8)または(9)に記載の剥離シート。
[0024]
 (11) XPSによる表面元素分析における前記剥離剤層の表面のSi元素の比率は、0.5原子%よりも小さい上記(8)ないし(10)のいずれかに記載の剥離シート。
[0025]
 (12) ポリエステルフィルムと、前記剥離シートの前記剥離剤層とを接触させ、常温、10kg/cm の圧力下で24時間静置した後の、ポリエステルフィルムの剥離剤層と接触している面を、XPSによる表面元素分析をして得られる前記ポリエステルフィルムにおける剥離剤成分含有比率は、40%以下である上記(8)ないし(11)のいずれかに記載の剥離シート。
[0026]
 (13) 前記剥離剤層の平均厚さは、0.01μm以上1.0μm以下である上記(8)ないし(12)のいずれかに記載の剥離シート。
[0027]
 (14) 粘着シート基材と、
 前記粘着シート基材の片面に積層された粘着剤層と、
 前記粘着剤層の粘着面に積層された2枚の剥離シートと、を有し、
 前記剥離シートが上記(8)ないし(13)のいずれかに記載の剥離シートであることを特徴とする片面粘着シート。
 (15) 前記粘着剤層が貼着される被着体の内容表示用に用いられる上記(14)に記載の片面粘着シート。
[0028]
 (16) 芯材と、
 前記芯材の両面に積層された2つの粘着剤層と、
 前記2つの粘着剤層の粘着面に積層された2枚の剥離シートと、を有し、
 前記2枚の剥離シートのうちの少なくとも一方が上記(8)ないし(13)のいずれかに記載の前記剥離シートであることを特徴とする両面粘着シート。
[0029]
 (17) 粘着剤層と、
 前記粘着剤層の両面に積層した2枚の剥離シートと、を有し、
 前記2枚の剥離シートのうちの少なくとも一方が上記(8)ないし(13)のいずれかに記載の前記剥離シートであることを特徴とする両面粘着シート。

発明の効果

[0030]
 本発明によれば、剥離剤組成物から形成される剥離シートをロール状に巻き取った際に、剥離シートの基材の表面に剥離剤組成物が移行するのを抑制することができる剥離剤組成物および剥離シートを提供することができる。
[0031]
 また、本発明によれば、アクリルポリマー(B)の側鎖の結晶化を抑制し、剥離シートに軽剥離性を付与することができる剥離剤組成物および剥離シートを提供することができる。
[0032]
 また、本発明によれば、表面の印字性や印刷性が良好な片面粘着シートを提供することができる。
[0033]
 また、本発明によれば、被着体(例えば、リレー、各種スイッチ、コネクタ、モータ、ハードディスク等の電気部品)に悪影響を与えるのを十分に抑制することができる剥離剤組成物、剥離シート、片面粘着シートおよび両面粘着シートを提供することができる。

図面の簡単な説明

[0034]
[図1] 図1は、本発明の剥離シートの好適な実施形態を示す縦断面図である。
[図2] 図2は、本発明の片面粘着シートの好適な実施形態を示す縦断面図である。
[図3] 図3は、本発明の両面粘着シートの第1実施形態を示す縦断面図である。
[図4] 図4は、本発明の両面粘着シートの第2実施形態を示す縦断面図である。

発明を実施するための形態

[0035]
 以下、本発明の剥離剤組成物、剥離シート、片面粘着シート、および両面粘着シートを好適実施形態に基づいて詳細に説明する。なお、片面粘着シートおよび両面粘着シートを単に「粘着シート」または「粘着体」ということもある。
 <剥離シート>
 図1は、本発明の剥離シートの好適な実施形態を示す縦断面図である。なお、以下の説明では、図中の上側を「上」または「上方」、下側を「下」または「下方」と言う。
 以下、剥離剤組成物および剥離シートについて詳細に説明する。
[0036]
 剥離シート1は、図1に示すように、基材12上に剥離剤層11が形成された構成となっている。
[0037]
 基材12は、剥離剤層11を支持する機能を有している。
 基材12は、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム等のポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルムやポリメチルペンテンフィルム等のポリオレフィンフィルム、ポリカーボネートフィルム等のプラスチックフィルム、アルミニウム、ステンレス等の金属箔、グラシン紙、上質紙、コート紙、含浸紙、合成紙等の紙、これら紙基材にポリエチレンなどの熱可塑性樹脂をラミネートした紙等で構成されている。
[0038]
 基材12の平均厚さは、特に限定されないが、5μm以上であるのが好ましく、10μm以上であるのがより好ましい。また、基材12の平均厚さは、特に限定されないが、300μm以下であるのが好ましく、200μm以下であるのがより好ましい。
[0039]
 基材12上に剥離剤層11を設けることにより、後述する粘着シートを作製した場合に、粘着シート本体を剥離シート1から剥離することが可能となる。
[0040]
 剥離剤層11は、本発明の剥離剤組成物を硬化させることにより形成されている。
 本発明の剥離剤組成物は、ポリエステル樹脂(A)と、アクリルポリマー(B)と、を含み、アクリルポリマー(B)が、下記構造式(1)を構成単位として有しており、ポリエステル樹脂(A)の配合量とアクリルポリマー(B)の配合量の比率は、質量比で、(A):(B)=50:50~95:5の範囲である点に特徴を有している。
[0041]
[化2]


(式中、R は、HまたはCH 、R は、分岐構造を有する炭素数10以上30以下のアルキル基である。)
[0042]
 剥離剤組成物がこのような特徴を有することにより、剥離剤組成物(剥離剤)が剥離シート1の基材12の表面(基材12の剥離剤層11とは反対側の面)へ移行することを抑制することができる。これにより、後述する片面粘着シートを巻き取った際、剥離シート1の基材12の表面を経由して後述する粘着シート本体の表面(粘着シート本体の粘着剤層とは反対側の面)に剥離剤組成物が移行するのを抑制することができる。その結果、粘着シート本体の表面の印字性・印刷性が良好となる。また、ロールトゥロールで粘着シートを製造する際に、剥離剤がガイドロールに移行・蓄積するのを抑制することができ、粘着シートの搬送不良や他の製品への二次移行等の不具合の発生を抑制することができる。
[0043]
 また、粘着シート本体を剥離シート1から剥がす際の剥離力を小さくすることができる。具体的に、剥離剤組成物がポリエステル樹脂(A)とアクリルポリマー(B)とを所定の割合で含有することにより、アクリルポリマー(B)を剥離剤層11の表面(剥離剤層11の基材12とは反対側の面)に適度に偏在させることができる。その結果、剥離剤層11の表面の炭素鎖密度が増加し、剥離シート1に軽剥離性を付与することができる。
[0044]
 また、本発明の剥離剤組成物は分岐構造を有するアルキル基を側鎖として有するアクリルポリマー(B)を含む。これにより、剥離性の向上を図るために側鎖のアルキル基の炭素数が増加した場合であっても、側鎖の結晶化を抑制することができる。その結果、側鎖の結晶化による剥離剤層11の表面の重剥離化を抑制することができる。
[0045]
 また、アクリルポリマー(B)が分岐構造を有する炭素数10以上30以下のアルキル基を側鎖として有することにより、そのようなアクリルポリマー(B)を含む剥離剤組成物が基材12や粘着剤層に移行するのを抑制することができる。
[0046]
 以下、剥離剤組成物の各成分について詳細に説明する。
 [ポリエステル樹脂(A)]
 ポリエステル樹脂(A)としては、特に限定されず、公知のポリエステル樹脂の中から適宜選択して用いることができる。具体的なポリエステル樹脂としては、多価アルコールと多塩基酸との縮合反応によって得られる樹脂が挙げられる。例えば、二塩基酸と二価アルコールとの縮合物若しくは不乾性油脂肪酸等で変性した不転化性ポリエステル樹脂、および二塩基酸と三価以上のアルコールとの縮合物である転化性ポリエステル樹脂等が挙げられ、本発明においては、これらのうちいずれも使用することができる。
[0047]
 ポリエステル樹脂の原料として用いられる多価アルコールとしては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ネオペンチルグリコールなどの二価アルコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパンなどの三価アルコール、ジグリセリン、トリグリセリン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、マンニトール、ソルビトール等の四価以上の多価アルコールが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
[0048]
 また、多塩基酸としては、例えば無水フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、無水トリメット酸等の芳香族多塩基酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸等の脂肪族飽和多塩基酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水シトラコン酸等の脂肪族不飽和多塩基酸、シクロペンタジエン-無水マレイン酸付加物、テルペン-無水マレイン酸付加物、ロジン-無水マレイン酸付加物等のディールズ・アルダー反応による多塩基酸等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
[0049]
 さらに、変性剤である不乾性油脂肪酸等としては、例えばオクチル酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸、エレオステアリン酸、リシノレイン酸、脱水リシノレイン酸、あるいはヤシ油、アマニ油、キリ油、ヒマシ油、脱水ヒマシ油、大豆油、サフラワー油、およびこれらの脂肪酸等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、ポリエステル樹脂としても、1種を単独で用いても良く、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
[0050]
 ポリエステル樹脂(A)は、架橋剤と反応するための反応性官能基を有することが好ましく、その反応性官能基は水酸基であることがより好ましい。そして、ポリエステル樹脂(A)の水酸基価は、5mgKOH/g以上であることが好ましく、10mgKOH/g以上であることがより好ましい。また、ポリエステル樹脂(A)の水酸基価は、500mgKOH/g以下であることが好ましく、300mgKOH/g以下であることがより好ましい。
[0051]
 また、ポリエステル樹脂(A)の数平均分子量は、500以上であるのが好ましく、1000以上であるのがより好ましい。また、ポリエステル樹脂(A)の数平均分子量は、10000以下であるのが好ましく、5000以下であるのがより好ましい。ポリエステル樹脂(A)の数平均分子量をこのように比較的低くすることにより、剥離剤組成物が架橋されたときの網目構造が密になりやすく、アクリルポリマー(B)を剥離剤層11の表面へ偏在させやすくなる。
[0052]
 剥離剤組成物中におけるポリエステル樹脂(A)の含有量は、20質量%以上であるのが好ましく、40質量%以上であるのがより好ましい。また、剥離剤組成物中におけるポリエステル樹脂(A)の含有量は、99質量%以下であるのが好ましく、95質量%以下であるのがより好ましい。
[0053]
 [アクリルポリマー(B)]
 アクリルポリマー(B)は、上記構造式(1)を構成単位として有している。このようなアクリルポリマー(B)を剥離剤組成物中に含むことにより、剥離剤組成物が剥離シート1の裏面(基材12の剥離剤層11とは反対側の面)へ移行することを抑制することができる。その結果、剥離シート1の裏面を経由して粘着シート本体の表面に剥離剤組成物が移行するのを抑制することができ、粘着シート本体の表面の印字性・印刷性が良好となる。また、剥離シート1に軽剥離性を付与することができる。
[0054]
 上記構造式(1)において、R は、分岐構造を有する炭素数10以上のアルキル基であるが、分岐構造を有する炭素数16以上のアルキル基であるのが好ましく、分岐構造を有する炭素数22以上のアルキル基であるのがより好ましい。これにより、剥離剤組成物が剥離シート1の基材12の表面や粘着剤層に移行するのをより抑制することができる。これに対して、上記構造式(1)において、R を構成するアルキル基の炭素数が前記下限値未満であると、アクリルポリマー(B)のガラス転移温度が著しく低下し、剥離剤層11の剥離性が低下する場合がある。
[0055]
 また、上記構造式(1)において、R は、分岐構造を有する炭素数30以下のアルキル基であるが、分岐構造を有する炭素数28以下のアルキル基であるのが好ましく、分岐構造を有する炭素数26以下のアルキル基であるのがより好ましい。これにより、アルキル基の結晶化をより効果的に防止することができる。これに対して、R を構成するアルキル基の炭素数が前記上限値を超えると、アクリルポリマー(B)の結晶性が高くなり、剥離シート1が重剥離化を引き起こす問題が発生する場合がある。また、剥離剤組成物の有機溶媒への溶解性が低下することによって、剥離剤組成物(溶液)を基材12に塗布した時に剥離剤組成物を含む塗膜の加工性が低下する問題が発生する場合がある。
[0056]
 なお、アクリルポリマー(B)に含まれる上記構造式(1)の各構成単位のR を構成するアルキル基の炭素数が互いに同じであるのが好ましい。
[0057]
 また、アクリルポリマー(B)に含まれる上記構造式(1)の各構成単位のR を構成するアルキル基の炭素数が異なる場合は、その炭素数の平均値が、上述した炭素数の範囲内に含まれていればよい。
[0058]
 また、アクリルポリマー(B)は、さらに、水酸基、アミノ基、および、カルボキシル基からなる群から選択される少なくとも1種の官能基を有することが好ましい。これにより、架橋剤と反応することができる。その結果、形成される剥離剤層11の耐久性をより向上させることができる。
[0059]
 アクリルポリマー(B)の質量平均分子量は、50000以上であるのが好ましく、70000以上であるのがより好ましい。また、アクリルポリマー(B)の質量平均分子量は、500000以下であるのが好ましく、200000以下であるのがより好ましい。これにより、アクリルポリマー(B)を剥離剤層11の表面へ偏在させやすくし、剥離剤層11の剥離性能をより良好にすることができる。
[0060]
 また、上記構造式(1)で示される構成単位は、アクリルポリマー(B)中に、80質量%以上含まれるのが好ましく、84質量%以上含まれるのがより好ましい。また、上記構造式(1)で示される構成単位は、アクリルポリマー(B)中に、99.9質量%以下含まれるのが好ましく、99.5質量%以下含まれるのがより好ましい。これにより、剥離シート1に軽剥離性を付与させるとともに、より容易に剥離シート1の剥離力を制御することができる。
[0061]
 本発明において、ポリエステル樹脂(A)の配合量とアクリルポリマー(B)の配合量の比率は、質量比で、(A):(B)=50:50~95:5の範囲であるが、60:40~90:10の範囲であるのがより好ましい。ポリエステル樹脂(A)の割合を多くし過ぎると、剥離剤層11の表面に偏在するアクリルポリマー(B)が少なくなり、剥離剤層11の剥離性能を十分に良好とすることができない場合がある。一方、アクリルポリマー(B)の割合を多くし過ぎると、ブロッキングが発生しやすくなる場合がある。
[0062]
 剥離剤組成物中におけるアクリルポリマー(B)の含有量は、3質量%以上であるのが好ましく、10質量%以上であるのがより好ましい。また、剥離剤組成物中におけるアクリルポリマー(B)の含有量は、70質量%以下であるのが好ましく、50質量%以下であるのがより好ましい。
[0063]
 [架橋剤]
 剥離剤組成物は、上記成分の他、架橋剤(C)を含んでいてもよい。
[0064]
 架橋剤(C)を含むことにより、上記ポリエステル樹脂(A)およびアクリルポリマー(B)を架橋(硬化)させることができ、耐久性に優れた剥離剤層11を形成することができる。
[0065]
 架橋剤(C)は、多官能アミノ化合物、多官能イソシアネート化合物、多官能エポキシ化合物、多官能金属化合物からなる群から選択される少なくとも1種であるのが好ましい。これにより、剥離剤組成物をより効果的に、かつ、極度な高温加熱を必要とせずに短時間で硬化させることができる。
[0066]
 多官能アミノ化合物としては、メチル化メラミン樹脂、ブチル化メラミン樹脂等のメラミン樹脂;メチル化尿素樹脂、ブチル化尿素樹脂等の尿素樹脂;メチル化ベンゾグアナミン樹脂、ブチル化ベンゾグアナミン樹脂等のベンゾグアナミン樹脂;エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、N,N’-ジフェニルエチレンジアミン、p-キシリレンジアミン等のジアミン類などが挙げられる。
[0067]
 また、多官能イソシアネート化合物としては、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)、キシレンジイソシアネート(XDI)、ナフタレンジイソシアネート(NDI)、トリメチロールプロパンアダクトTDI、トリメチロールプロパンアダクトHDI、トリメチロールプロパンアダクトIPDI、トリメチロールプロパンアダクトXDIなどが挙げられる。
[0068]
 また、多官能エポキシ化合物としては、例えば、N,N,N’,N’-テトラグリシジルメタキシレンジアミン、1,3-ビス(N,N-ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサンなどが挙げられる。
[0069]
 また、多官能金属化合物としては、例えば、アルミニウムトリスアセチルアセトナート、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレート等のアルミキレート化合物; チタンテトラアセチルアセトナート、チタンアセチルアセトナート、チタンオクチレングリコレート、テトライソプロポキシチタン、テトラメトキシチタン等のチタンキレート化合物;トリメトキシアルミニウムなどが挙げられる。
[0070]
 これらの中でも、特に硬化性の観点から、多官能アミノ化合物が好ましく、メラミン樹脂、特にアルキル基の炭素数が3以下のアルキル化メラミン樹脂がより好ましく、メチル化メラミン樹脂が特に好ましい。
[0071]
 架橋剤(C)の含有量は、ポリエステル樹脂(A)の含有量とアクリルポリマー(B)の含有量の合計を100質量部としたとき、1質量部以上30質量部以下であるのが好ましい。これにより、剥離剤組成物をより効率よく硬化させることができる。
[0072]
 なお、剥離剤組成物中には、所望により塩酸、p-トルエンスルホン酸などの公知の酸性触媒や、ジブチルスズラウリレートなどのスズ系触媒が加えられていてもよい。
[0073]
 また、剥離剤組成物のX線光電子分光法(XPS)により測定されるシリコーン化合物の量が0.5原子%以下であることが好ましい。これにより、剥離シート1から粘着剤層にシリコーン化合物が移行することがより確実に抑制される。その結果、粘着剤層を被着体に貼着した後、粘着剤層から被着体へシリコーン化合物等が移行することがより確実に抑制される。したがって、被着体がリレー等の電子機器等であっても、粘着剤層は、かかる被着体に悪影響を特に与えにくい。
[0074]
 剥離剤組成物のX線光電子分光法(XPS)により測定されるシリコーン化合物の量は0.1原子%以下であることがより好ましい。X線光電子分光法(XPS)の測定条件および測定値の算出は、下記の方法で行うことができる。
[0075]
 測定装置:アルバックファイ社製 Quantera SXM
 X線:AlKα(1486.6eV)
 取出し角度:45°
 測定元素:ケイ素(Si)、酸素(O)および炭素(C)
[0076]
 シリコーン化合物の量は、Si/(Si+C)の価に100を乗じて算出し、「原子%」で表示する。
[0077]
 剥離剤層11の平均厚さは、特に限定されないが、0.01μm以上であるのが好ましく、0.03μm以上であるのがより好ましく、0.05μm以上であるのがさらに好ましい。また、剥離剤層11の平均厚さは、1.0μm以下であるのが好ましく、0.8μm以下であるのがより好ましく、0.5μm以下であるのがさらに好ましい。剥離剤層11の平均厚さが前記下限値未満であると、剥離シート1から後述する粘着シート本体を剥がす際に、十分な剥離性能が得られない場合がある。一方、剥離剤層11の平均厚さが前記上限値を超えると、剥離シート1をロール状に巻き取ったとき、剥離剤層11が、剥離シート1の基材12の表面とブロッキングし易くなり、剥離剤層11の剥離性能がブロッキングにより、低下する場合がある。
[0078]
 なお、前述したような剥離剤組成物の硬化方法としては、特に限定されず、例えば、紫外線、電子線等の活性エネルギー線の照射、加熱等の方法を用いることができる。
[0079]
 また、剥離剤層11と基材12との密着性を向上させることを目的として、剥離剤層11と基材12の間にプライマー層を設けてもよい。
[0080]
 上述したような剥離剤組成物を硬化させることにより形成された剥離剤層11の、接触角法により測定される表面自由エネルギーは、40mJ/m 以下であるのが好ましく、37mJ/m 以下であるのがより好ましく、34mJ/m 以下であるのがさらに好ましい。これにより、剥離剤層11に貼着される後述する粘着剤層に含まれる粘着剤の濡れ性が抑制される。その結果、重剥離化を防止することができる。
[0081]
 なお、本明細書において、接触角法による接触角測定には接触角計(協和界面科学社製、DM-701)を用いた。そして、剥離シート1の剥離剤層11の表面の水、ジヨードメタンおよびジブロモナフタレンの3液に対する接触角を測定(23℃50%RH)し、北崎・畑法により表面自由エネルギーを算出した。
[0082]
 また、XPSによる表面元素分析における剥離剤層11の表面のC元素の比率は、85原子%以上であるのが好ましく、89原子%以上であるのがより好ましく、92原子%以上であるのがさらに好ましい。また、XPSによる表面元素分析における剥離剤層11の表面のC元素の比率は、99原子%以下であるのがより好ましく、98原子%以下であるのがさらに好ましい。これにより、剥離剤組成物が基材12へ移行するのをより効果的に抑制することができる。
[0083]
 また、XPSによる表面元素分析における剥離剤層11の表面のSi元素の比率は、0.5原子%よりも小さいのが好ましい。これにより、剥離剤組成物が基材12へ移行するのをより効果的に抑制することができる。
[0084]
 なお、本明細書中において、剥離剤層11の表面のXPSによる測定には、PHI Quantera SXM(アルバック・ファイ社製)を使用した。また、X線源として単色化されたAlKαを用い光電子取り出し角度45°にて測定を行い、剥離剤層11の表面に存在する炭素、酸素およびケイ素の元素比率を算出する。
[0085]
 また、ポリエステルフィルムと剥離剤層11とを接触させ、常温、10kg/cm の圧力下で24時間静置した。その後、ポリエステルフィルムから剥離剤層11を除去し、ポリエステルフィルムの剥離剤層11と接触させた面を、XPSによる表面元素分析した。これにより得られた元素比率を用いて算出したポリエステルフィルムの剥離剤層11と接触させた表面の剥離剤成分占有比率は、40%以下であるのが好ましく、30%以下であるのがより好ましい。剥離剤成分占有比率は剥離剤層の剥離剤がポリエステルフィルムに移行した量(剥離剤移行量)の目安となる。
[0086]
 なお、XPSによる表面元素分析で得られたポリエステルフィルムの剥離剤層11と接触させた面の炭素量をC total[原子%]、剥離剤層11と接触させる前のポリエステルフィルムの表面の炭素量をC [原子%]、剥離剤層11の表面の炭素量をC [原子%]とし、ポリエステルフィルムの剥離剤層11と接触させた面の剥離剤成分の比率(剥離剤成分占有比率)をA[%]としたとき、C total={A×C +(100-A)×C }/100の式が成立する。当該式により、剥離剤移行量の目安となる剥離剤成分占有比率Aを求めることができる。
[0087]
 <片面粘着シートの実施形態>
 以下、片面粘着シートの好適な実施形態について説明する。
 図2は、本発明の片面粘着シートの好適な実施形態を示す縦断面図である。
[0088]
 片面粘着シート100は、図2に示すように、粘着シート基材22と、粘着シート基材22の片面に積層された粘着剤層21とで構成された片面粘着シート本体2と、粘着剤層21の粘着面に積層された上記剥離シート1とで構成されている。
[0089]
 粘着シート基材22は、粘着剤層21を支持する機能を有しており、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリカーボネートフィルム等のプラスチックフィルム、アルミニウム、ステンレス等の金属箔、合成紙、無塵紙、上質紙、アート紙、コート紙、グラシン紙等の紙等の単体もしくは複合物で構成されている。
[0090]
 その中でも、特に、粘着シート基材22は、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム等のポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルム等のプラスチックフィルムまたは発塵の少ないいわゆる無塵紙(例えば特公平6-11959号)で構成されているのが好ましい。粘着シート基材22がプラスチックフィルムまたは無塵紙で構成されることにより、片面粘着シート100の加工時、使用時等において、塵などが発生しにくく、リレー等の電子機器等に悪影響を及ぼしにくい。また、粘着シート基材22がプラスチックフィルムまたは無塵紙で構成されると、加工時における裁断または打ち抜き等が容易となる。また、基材にプラスチックフィルムを用いる場合、かかるプラスチックフィルムは、ポリエチレンテレフタレートフィルムであるのがより好ましい。ポリエチレンテレフタレートフィルムは、塵の発生が少なく、また、加熱時のガスの発生が少ないという利点を有している。
[0091]
 また、粘着シート基材22は、表面に印字性・印刷性を有するのが好ましい。
[0092]
 また、印刷や印字の密着をよくする等の目的で、粘着シート基材22は、その表面に、表面処理が施されているのが好ましい。
[0093]
 粘着シート基材22の平均厚さは、特に限定されないが、5μm以上であるのが好ましく、10μm以上であるのがより好ましい。また、粘着シート基材22の平均厚さは、300μm以下であるのが好ましく、200μm以下であるのがより好ましい。
[0094]
 粘着剤層21は、粘着剤を主剤とした粘着剤組成物で構成されている。
 粘着剤としては、例えば、アクリル系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ウレタン系粘着剤が挙げられる。
[0095]
 例えば、粘着剤がアクリル系粘着剤である場合、粘着性を与える主モノマー成分、接着性や凝集力を与えるコモノマー成分、架橋点や接着性改良のための官能基含有モノマー成分で主に形成された重合体または共重合体からアクリル系粘着剤を構成することができる。
[0096]
 以下において、粘着剤がアクリル系粘着剤である場合を代表に説明するが、本発明はこれに限定されない。また、「(メタ)アクリル酸」とは、「アクリル酸」と「メタクリル酸」の双方を示し、他の類似用語も同様である。
[0097]
 主モノマー成分としては、例えば、エチル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、n-ヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル等が挙げられる。
[0098]
 コモノマー成分としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2-メトキシエチル(メタ)アクリレート、酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリル等が挙げられる。
[0099]
 官能基含有モノマー成分としては、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等のカルボキシル基含有モノマーや、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、N-メチロール(メタ)アクリルアミド等のヒドロキシル基含有モノマー、(メタ)アクリルアミド、グリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
[0100]
 アクリル系粘着剤を構成する重合体または共重合体がこれらの各成分を含むことにより、粘着剤組成物の粘着力、凝集力が向上する。また、このようなアクリル系粘着剤は、通常、分子中に不飽和結合を有しないため、光や酸素に対する安定性の向上を図ることができる。さらに、モノマーの種類や分子量を適宜選択することにより、用途に応じた品質、特性を備える粘着剤組成物を得ることができる。
[0101]
 このような粘着剤組成物としては、架橋処理を施す架橋型の粘着剤組成物および架橋処理を施さない非架橋型の粘着剤組成物のいずれを用いてもよいが、架橋型の粘着剤組成物を用いることがより好ましい。架橋型の粘着剤組成物を用いる場合、凝集力のより優れた粘着剤層21を形成することができる。
[0102]
 架橋型の粘着剤組成物に用いる架橋剤としては、エポキシ系化合物、イソシアナート化合物、金属キレート化合物、金属アルコキシド、金属塩、アミン化合物、ヒドラジン化合物、アルデヒド化合物等が挙げられる。
[0103]
 また、本発明に用いられる粘着剤組成物は、必要に応じて、可塑剤、粘着付与剤、安定剤等の各種添加剤を含んでいてもよい。
[0104]
 粘着剤層21の平均厚さは、特に限定されないが、5μm以上であるのが好ましく、10μm以上であるのがより好ましい。また、粘着剤層21の平均厚さは、200μm以下であるのが好ましく、100μm以下であるのがより好ましい。
[0105]
 <両面粘着シートの第1実施形態>
 次に、本発明の両面粘着シートの好適な実施形態について説明する。
[0106]
 図3は、本発明の両面粘着シートの第1実施形態を示す縦断面図である。以下の説明では、図中の上側を「上」または「上方」、下側を「下」または「下方」と言う。
[0107]
 本実施形態の両面粘着シート110は、図3に示すように、両面粘着シート本体2’と、剥離シート1と、剥離シート1’と、を有している。
[0108]
 両面粘着シート本体2’は、芯材22’と、芯材22’の両面に積層された粘着剤層21Aおよび粘着剤層21Bと、を有している。
[0109]
 芯材22’は、粘着剤層21Aおよび21Bを支持する機能を有しており、上述した粘着シート基材22の材料と同様の材料で構成することができる。
[0110]
 芯材22’の平均厚さは、特に限定されないが、2μm以上であるのが好ましく、10μm以上であるのがより好ましい。また、芯材22’の平均厚さは、300μm以下であるのが好ましく、200μm以下であるのがより好ましい。
[0111]
 粘着剤層21Aおよび21Bは、粘着剤を主剤とした粘着剤組成物で構成されている。
 粘着剤層21Aおよび21Bを構成する粘着剤組成物としては、片面粘着シート100の粘着剤層21を構成する上記粘着剤組成物を用いることができる。
[0112]
 粘着剤層21Aおよび21Bの平均厚さは、特に限定されないが、1μm以上であるのが好ましく、10μm以上であるのがより好ましい。また、粘着剤層21Aおよび21Bの平均厚さは、200μm以下であるのが好ましく、100μm以下であるのがより好ましい。
[0113]
 剥離シート1および剥離シート1’は、図3に示すように、それぞれ、粘着剤層21Aおよび粘着剤層21B上に積層されている。すなわち、両面粘着シート110は、2つの粘着剤層21Aおよび21Bの粘着面に積層された2枚の剥離シート1および1’を有している。
[0114]
 剥離シート1および1’は、それぞれ、剥離剤層11および11’と、基材12および12’と、を有している。
[0115]
 剥離剤層11は、前述したように、本発明の剥離剤組成物の硬化物で形成されている。一方、剥離シート1’の剥離剤層11’は、本発明の剥離剤組成物の硬化物で形成されてもよいし、本発明の剥離剤組成物とは異なる剥離剤組成物の硬化物で形成されてもよい。
[0116]
 剥離剤層11’が本発明の剥離剤組成物とは異なる剥離剤組成物の硬化物で形成される場合、剥離シート1の粘着剤層21Aからの剥離力は、剥離シート1’の粘着剤層21Bからの剥離力よりも大きいことが好ましい。これにより、剥離シート1’を剥離する際に、剥離シート1が不本意に粘着剤層21Aから剥がれるのを防止することができる。
[0117]
 また、剥離剤層11と剥離剤層11’とを構成する剥離剤組成物が同じ場合であっても異なる場合であっても、剥離シート1の粘着剤層21Aに対する剥離力と剥離シート1’の粘着剤層21Bに対する剥離力との差は、50mN/20mm以上であるのが好ましく、80mN/20mm以上であるのがより好ましく、100mN/20mm以上であるのがさらに好ましい。また、上記剥離力の差は、700mN/20mm以下であるのがより好ましく、450mN/20mm以下であるのが特に好ましい。これにより、剥離力が小さいほうの剥離シートを剥がす際に、他方の剥離シートが不本意に粘着剤層から剥がれるのをより効果的に防止することができる。
[0118]
 また、剥離シート1および剥離シート1’の各粘着剤層21Aおよび21Bに対する剥離力は、1000mN/20mm以下であるのが好ましく、800mN/20mm以下であるのがより好ましく、600mN/20mm以下であるのがさらに好ましい。また、上記剥離力は、10mN/20mm以上であるのがより好ましく、30mN/20mm以上であるのが特に好ましい。これにより、剥離シート1および1’をより容易に粘着シート本体2’から剥離することが可能となる。
[0119]
 なお、剥離力の測定は、引っ張り試験機を用いて行うことができる。具体的には、23℃50%RHの環境下において、両面粘着シート110を1週間シーズニングする。その後、両面粘着シート110を幅20mm、長さ200mmに裁断し試験片を得る。試験片の一方の面を両面テープ等で引っ張り試験機の試験台に固定し、両面テープで固定されていない側の剥離シート1または1’を0.3m/minの速度で180°方向に引っ張ることにより行うことができる。
[0120]
 <両面粘着シートの第2実施形態>
 次に、本発明の両面粘着シートの好適な実施形態について説明する。
[0121]
 図4は、本発明の両面粘着シートの第2実施形態を示す縦断面図である。以下の説明では、図中の上側を「上」または「上方」、下側を「下」または「下方」と言う。
[0122]
 なお、以下の第2実施形態の両面粘着シートに関する説明では、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。また、図4では、前述した第1実施形態と同様の構成について、同一符号が付されている。
[0123]
 本実施形態に係る両面粘着シート120では、両面粘着シート本体2”が一層の粘着剤層で構成されている点で、前述した実施形態と異なっている。
[0124]
 このような芯材を有していない両面粘着シート120であっても、重剥離化を抑制することができる。
[0125]
 <剥離シートおよび片面粘着シートの製造方法>
 次に、剥離シート1および片面粘着シート100の製造方法の一例について説明する。
[0126]
 基材12を用意し、この基材12上に上述した剥離剤組成物を塗工等し塗膜を得る。その後、塗膜を硬化させて剥離剤層11を形成することにより、剥離シート1を作製することができる。
[0127]
 剥離剤組成物の硬化方法は、特に限定されず、例えば、紫外線、電子線等の活性エネルギー線の照射、加熱等の方法を用いることができる。これにより、剥離剤層11をより容易に形成することができる。
[0128]
 剥離剤組成物を基材12上に塗工する方法としては、例えば、グラビアコート法、バーコート法、スプレーコート法、スピンコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ダイコート法等の既存の方法が使用できる。
[0129]
 次に、剥離シート1の剥離剤層11上に粘着剤組成物を塗工し塗膜を得る。その後、塗膜を加熱、乾燥させて粘着剤層21を形成する。
[0130]
 粘着剤組成物を剥離剤層11に塗工する方法としては、例えば、グラビアコート法、バーコート法、スプレーコート法、スピンコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ダイコート法等の既存の方法が使用できる。
[0131]
 塗工時の粘着剤組成物の形態としては、溶剤型、エマルション型、ホットメルト型等が挙げられる。
[0132]
 その後、形成した粘着剤層21に粘着シート基材22を貼合することにより、片面粘着シート100を得ることができる。
[0133]
 <両面粘着シート(第1実施形態)の製造方法>
 次に、第1実施形態に係る両面粘着シート110の製造方法の一例について説明する。
[0134]
 まず、片面粘着シート100を構成する上記剥離シート1の製造方法と同様にして、剥離シート1および剥離シート1’を作製する。
[0135]
 次に、剥離シート1の剥離剤層11に粘着剤組成物を塗工し塗膜を得る。その後、塗膜を加熱、乾燥させて粘着剤層21Aを形成する。
[0136]
 上記と同様にして、剥離シート1’の剥離剤層11’に粘着剤組成物を塗工して粘着剤層21Bを形成する。
[0137]
 次に、形成した粘着剤層21Aに芯材22’を貼合する。
 その後、芯材22’と、剥離シート1’上に形成した粘着剤層21Bとを貼合することにより、両面粘着シート110を得ることができる。
[0138]
 <両面粘着シート(第2実施形態)の製造方法>
 次に、第2実施形態に係る両面粘着シート120の製造方法の一例について説明する。
[0139]
 まず、片面粘着シート100を構成する上記剥離シート1の製造方法と同様にして、剥離シート1および剥離シート1’を作製する。
[0140]
 次に、剥離シート1の剥離剤層11上に粘着剤組成物を塗工して塗膜を得る。塗膜を加熱、乾燥させて一層の粘着剤層で構成される両面粘着シート本体2”を剥離剤層11上に形成する。
[0141]
 その後、剥離剤層11上に形成された両面粘着シート本体2”に剥離シート1’を貼合することにより、両面粘着シート120を得ることができる。
[0142]
 以上、本発明の剥離剤組成物、剥離シート、片面粘着シート(粘着体)、および両面粘着シート(粘着体)の好適な実施形態について説明したが、本発明は、これらに限定されない。
[0143]
 また、前述した実施形態では、剥離シートが、剥離剤層と基材とで構成されていたが、樹脂フィルムのように剥離剤層が基材としての機能を兼ね備えてもよい。すなわち、剥離シートが一層で構成されていてもよい。
[0144]
 また、本発明の剥離シート、片面粘着シートおよび両面粘着シートの製造方法は、前述した製造方法に限定されない。
 また、本発明の粘着体が貼着される被着体は、前述したようなリレー、各種スイッチ、コネクタ、モータ、ハードディスク等の電気部品に限定されない。例えば、被着体は、ディスプレイ等の工業製品や、窓ガラス、文房具等の家庭用品等であってもよい。
実施例
[0145]
 次に、本発明の具体的実施例について説明する。
 [1]剥離シートの作製
 (実施例1)
 まず、ポリエステル樹脂(東洋紡績社製、商品名「バイロン220」、数平均分子量(Mn):3000、水酸基価:50mgKOH/g、ガラス転移温度53℃)の35%トルエン溶液100質量部(固形分として35質量部)と、アクリルポリマー(質量比:DTDA/HEA=99/1)の30%トルエン溶液50質量部(固形分として15質量部)と、架橋剤としてのメラミン樹脂(寿化工社製、商品名「TF200」、固形分80質量%)5質量部(固形分として4質量部)と、混合溶媒(トルエン:メチルエチルケトン=70:30(質量比))と、を混合し攪拌して混合液を得た。
[0146]
 得られた混合液に、触媒としてp-トルエンスルホン酸のメタノール溶液(p-トルエンスルホン酸50質量%含有)を2.0質量部(固形分として1.0質量部)添加して攪拌し、固形分2.5質量%の剥離剤組成物(溶液)を得た。
[0147]
 得られた剥離剤組成物を、基材としてのポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱樹脂製、製品名「T-100」、厚み50μm)上に、マイヤーバーを用いて乾燥後の厚さが150nmとなるように塗布した。これにより塗膜を得た。
[0148]
 その後、塗膜を150℃で1分間乾燥させ硬化させることにより基材の上に剥離剤層を形成した。その後、23℃50%RHの環境下で1週間シーズニングして、基材および剥離剤層から成る剥離シートを得た。
[0149]
 なお、上記文中、DTDAは2-デシルテトラデカニルアクリレート、HEAは2-ヒドロキシエチルアクリレートを指す。
[0150]
 (実施例2)
 アクリルポリマー(質量比:DTDA/HEA=99/1)の代わりに、アクリルポリマー(質量比:DTDMA/HEA=99/1)を用いた以外は、上記実施例1と同様にして剥離シートを作製した。
[0151]
 なお、上記文中、DTDMAは2-デシルテトラデカニルメタクリレートを指す。
[0152]
 (実施例3)
 アクリルポリマー(質量比:DTDA/HEA=99/1)の代わりに、アクリルポリマー(質量比:2HDA/HEA=99/1)を用いた以外は、上記実施例1と同様にして剥離シートを作製した。
[0153]
 なお、上記文中、2HDAは2-ヘキシルデシルアクリレートを指す。
[0154]
 (実施例4)
 アクリルポリマー(質量比:DTDA/HEA=99/1)の代わりに、アクリルポリマー(質量比:DTDA/HEA=95/5)を用いた以外は、上記実施例1と同様にして剥離シートを作製した。
[0155]
 (比較例1)
 アクリルポリマー(質量比:DTDA/HEA=99/1)の代わりに、アクリルポリマー(質量比:BA/HEA=99/1)を用いた以外は、上記実施例1と同様にして剥離シートを作製した。
 なお、上記文中、BAはブチルアクリレートを指す。
[0156]
 (比較例2)
 アクリルポリマー(質量比:DTDA/HEA=99/1)の代わりに、アクリルポリマー(質量比:LA/HEA=99/1)を用いた以外は、上記実施例1と同様にして剥離シートを作製した。
 なお、上記文中、LAはラウリルアクリレートを指す。
[0157]
 (比較例3)
 アクリルポリマー(質量比:DTDA/HEA=99/1)の代わりに、アクリルポリマー(質量比:MyA/HEA=99/1)を用いた以外は、上記実施例1と同様にして剥離シートを作製した。
 なお、上記文中、MyAはミリスチルアクリレートを指す。
[0158]
 (比較例4)
 アクリルポリマー(質量比:DTDA/HEA=99/1)の代わりに、アクリルポリマー(質量比:StA/HEA=99/1)を用いた以外は、上記実施例1と同様にして剥離シートを作製した。
 なお、上記文中、StAはステアリルアクリレートを指す。
[0159]
 [2]粘着シートの作製
 各実施例および各比較例の剥離シート上に、粘着剤(トーヨーケム製、商品名「BPS-5127」)を乾燥後の膜厚が約25μmとなるようにアプリケーターを用いて塗布し塗膜を得た。得られた塗膜を100℃で2分間加熱して乾燥させ、粘着剤層を形成した。
[0160]
 形成した粘着剤層に厚さ50μmのPETフィルム(三菱化学製、商品名:PET50-T100)を貼り合わせて、粘着シート(片面粘着シート)を作製した。
[0161]
 [3]評価
 [剥離剤成分占有比率の測定]
 ポリエステルフィルム(三菱化学ポリエステルフィルム製、商品名:PET50-T100)と、各実施例および各比較例の剥離シートの剥離剤層とを接触させ、常温、10kg/cm の圧力下で24時間静置した。その後、ポリエステルフィルムから剥離剤層を除去し、ポリエステルフィルムの剥離剤層と接触させた面をXPSによる表面元素分析した。これにより得られた元素比率を用いて、ポリエステルフィルムの剥離剤層11と接触させた表面の剥離剤成分占有比率Aを算出した。
[0162]
 なお、XPSによる表面元素分析で得られたポリエステルフィルムの剥離剤層と接触している面の炭素量をC total[原子%]、元々のポリエステルフィルムの表面の炭素量をC [原子%]、剥離剤層の表面の炭素量をC [原子%]とし、ポリエステルフィルムの剥離剤層と接触している面の剥離剤成分の比率(剥離剤成分占有比率)をA[%]としたとき、C total={A×C +(100-A)×C }/100の式が成立する。当該式により、剥離剤移行量の目安となる剥離剤成分占有比率Aを求めた。
[0163]
 なお、比較例1の剥離シートでは、ポリエステルフィルムと剥離剤層がブロッキングしてしまい、剥離剤成分占有比率Aを測定することができなかった。
[0164]
 [XPSによる測定]
 各実施例および各比較例の剥離シートの剥離剤層の表面のXPSによる測定には、PHI Quantera SXM(アルバック・ファイ社製)を使用した。また、X線源として単色化されたAlKαを用いて、光電子取り出し角度45°にてXPSによる測定を行った。これにより、各剥離剤層の表面に存在する炭素、酸素およびケイ素の元素比率を算出した。
[0165]
 [表面自由エネルギー測定]
 各実施例および各比較例の剥離シートの剥離剤層の表面の、水、ジヨードメタンおよびジブロモナフタレンの3液に対する接触角を、接触角計(協和界面科学社製、DM-701)を用いて23℃50%RHの環境下で測定し、北崎・畑法により表面自由エネルギーを算出した。
[0166]
 [剥離力試験]
 各実施例および各比較例の剥離シートを備えた粘着シートを23℃50%RHの環境下において1週間シーズニングした。
[0167]
 その後、粘着シートを幅20mm、長さ200mmに裁断し試験片を得た。試験片を引っ張り試験機(オリエンテック社製:テンシロン)の試験台に両面テープで固定して、JIS-Z0237に準拠し、剥離角度180°、剥離速度0.3m/minにて、引っ張り試験機(オリエンテック社製:テンシロン)を用いて粘着剤層から剥離シートを剥離した際の剥離力を測定した。
[0168]
 これらの結果を、上記各実施例および各比較例の各剥離シートのアクリルポリマーの組成等とともに表1および表2に示した。
[0169]
[表1]


[0170]
[表2]


[0171]
 表1および表2から明らかなように、本発明の剥離剤組成物を用いた剥離シートでは、ポリエステルフィルム等の基材へ剥離剤組成物が移行するのが抑制されていた。また、本発明の剥離剤組成物を用いた剥離シートでは、粘着シートを容易に剥離することができた。これに対して、各比較例では、満足な結果が得られなかった。
[0172]
 また、本発明の剥離シートは、シリコーン化合物を含まないので、リレー等の電気部品へ悪影響を与えにくかった。

産業上の利用可能性

[0173]
 本発明によれば、リレー、各種スイッチ、コネクタ、モータ、ハードディスク等の電気部品に悪影響を与えるのを十分に抑制することができる剥離剤組成物、剥離シート、片面粘着シートおよび両面粘着シートを提供することができる。したがって、本発明は、産業上の利用可能性を有する。

符号の説明

[0174]
 100          片面粘着シート
 110、120      両面粘着シート
 1、1’         剥離シート
 11、11’       剥離剤層
 12、12’       基材
 2            片面粘着シート本体
 2’、2”        両面粘着シート本体
 21、21A、21B   粘着剤層
 22           粘着シート基材
 22’          芯材

請求の範囲

[請求項1]
 ポリエステル樹脂(A)と、アクリルポリマー(B)と、を含み、
 前記アクリルポリマー(B)が、下記構造式(1)を構成単位として有しており、
 前記ポリエステル樹脂(A)の配合量と前記アクリルポリマー(B)の配合量の比率は、質量比で、(A):(B)=50:50~95:5の範囲であることを特徴とする剥離剤組成物。
[化1]


(式中、R は、HまたはCH 、R は、分岐構造を有する炭素数10以上30以下のアルキル基である。)
[請求項2]
 さらに架橋剤(C)を含む請求項1に記載の剥離剤組成物。
[請求項3]
 前記アクリルポリマー(B)が、前記構造式(1)を前記構成単位として、80質量%以上含む請求項1または2に記載の剥離剤組成物。
[請求項4]
 前記アクリルポリマー(B)は、さらに、水酸基、アミノ基、および、カルボキシル基からなる群から選択される少なくとも1種の官能基を有する請求項1ないし3のいずれか1項に記載の剥離剤組成物。
[請求項5]
 前記ポリエステル樹脂(A)の数平均分子量は、500以上10000以下である請求項1ないし4のいずれか1項に記載の剥離剤組成物。
[請求項6]
 前記アクリルポリマー(B)の質量平均分子量は、50000以上500000以下である請求項1ないし5のいずれか1項に記載の剥離剤組成物。
[請求項7]
 前記剥離剤組成物のX線光電子分光法(XPS)により測定されるシリコーン化合物の量が0.5原子%以下である請求項1ないし6のいずれか1項に記載の剥離剤組成物。
[請求項8]
 基材と、該基材の少なくとも一方の面側に設けられ、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の前記剥離剤組成物の硬化物で構成された剥離剤層と、を備えることを特徴とする剥離シート。
[請求項9]
 接触角法により測定される前記剥離剤層の表面自由エネルギーは、40mJ/m 以下である請求項8に記載の剥離シート。
[請求項10]
 XPSによる表面元素分析における前記剥離剤層の表面のC元素の比率は、85原子%以上である請求項8または9に記載の剥離シート。
[請求項11]
 XPSによる表面元素分析における前記剥離剤層の表面のSi元素の比率は、0.5原子%よりも小さい請求項8ないし10のいずれか1項に記載の剥離シート。
[請求項12]
 ポリエステルフィルムと、前記剥離シートの前記剥離剤層とを接触させ、常温、10kg/cm の圧力下で24時間静置した後の、前記ポリエステルフィルムの前記剥離剤層と接触している面を、XPSによる表面元素分析をして得られる前記ポリエステルフィルムにおける剥離剤成分占有比率は、40%以下である請求項8ないし11のいずれか1項に記載の剥離シート。
[請求項13]
 前記剥離剤層の平均厚さは、0.01μm以上1.0μm以下である請求項8ないし12のいずれか1項に記載の剥離シート。
[請求項14]
 粘着シート基材と、
 前記粘着シート基材の片面に積層された粘着剤層と、
 前記粘着剤層の粘着面に積層された剥離シートと、を有し、
 前記剥離シートが請求項8ないし13のいずれか1項に記載の剥離シートであることを特徴とする片面粘着シート。
[請求項15]
 前記粘着剤層が貼着される被着体の内容表示用に用いられる請求項14に記載の片面粘着シート。
[請求項16]
 芯材と、
 前記芯材の両面に積層された2つの粘着剤層と、
 前記2つの粘着剤層の粘着面に積層された2枚の剥離シートと、を有し、
 前記2枚の剥離シートのうちの少なくとも一方が請求項8ないし13のいずれか1項に記載の前記剥離シートであることを特徴とする両面粘着シート。
[請求項17]
 粘着剤層と、
 前記粘着剤層の両面に積層した2枚の剥離シートと、を有し、
 前記2枚の剥離シートのうちの少なくとも一方が請求項8ないし13のいずれか1項に記載の前記剥離シートであることを特徴とする両面粘着シート。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]