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1. (WO2015137496) PROCESS FOR PRODUCING HETEROCYCLIC COMPOUND
Document

明 細 書

発明の名称 複素環化合物の製造法

技術分野

0001   0002   0003   0004   0005   0006   0007  

先行技術文献

特許文献

0008  

非特許文献

0009  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0010  

課題を解決するための手段

0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049  

発明の効果

0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117   0118   0119   0120   0121   0122   0123   0124   0125   0126   0127   0128   0129   0130   0131   0132   0133   0134   0135   0136   0137   0138   0139   0140   0141   0142   0143   0144   0145   0146   0147   0148   0149   0150   0151   0152   0153   0154   0155   0156   0157   0158   0159   0160   0161   0162   0163   0164   0165   0166   0167   0168   0169   0170   0171   0172   0173   0174   0175   0176   0177   0178   0179   0180   0181   0182   0183   0184   0185   0186   0187   0188   0189   0190   0191   0192   0193   0194   0195   0196   0197   0198   0199   0200   0201   0202   0203   0204   0205   0206   0207   0208   0209   0210   0211   0212   0213   0214   0215   0216   0217   0218   0219   0220   0221   0222   0223   0224   0225   0226   0227   0228   0229   0230   0231   0232   0233   0234  

実施例

0235   0236   0237   0238   0239   0240   0241   0242   0243   0244   0245   0246   0247   0248   0249   0250   0251   0252   0253   0254   0255   0256   0257   0258   0259   0260   0261   0262   0263   0264   0265   0266   0267   0268   0269   0270   0271   0272   0273   0274   0275   0276   0277   0278   0279   0280   0281   0282   0283   0284   0285   0286   0287   0288   0289   0290   0291   0292   0293   0294   0295   0296   0297   0298   0299   0300   0301   0302   0303   0304   0305   0306   0307   0308   0309   0310   0311   0312   0313   0314   0315   0316   0317   0318   0319   0320   0321   0322   0323   0324   0325   0326  

産業上の利用可能性

0327   0328  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11  

明 細 書

発明の名称 : 複素環化合物の製造法

技術分野

[0001]
 本発明は、ジペプチジルペプチダーゼ阻害剤として有用である光学活性な6-(3-アミノピペリジン-1-イル)-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロピリミジン誘導体の製造方法、およびそれに有用な各種中間体およびこれらの製造方法に関する。
[0002]
(発明の背景)
 光学活性な6-(3-アミノピペリジン-1-イル)-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロピリミジン誘導体は、ジペプチジルペプチダーゼ阻害剤および糖尿病の治療薬として有用であることが知られている。
[0003]
 特許文献1には、3-アミノピペリジンの光学活性体を、6-クロロ-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロピリミジン誘導体と反応させることにより、6-(3-アミノピペリジン-1-イル)-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロピリミジン誘導体を製造する方法が開示されている。
[0004]
 特許文献2には、3-アミノピペリジンのラセミ体を、無水フタル酸を用いてアシル化し、得られた3-フタルイミドピペリジンを、光学活性酒石酸を用いて光学分割し、それをキサンチン環とカップリングさせ、脱アシル化することにより、光学活性な8-(3-アミノピペリジン-1-イル)キサンチン誘導体を効率的に製造する方法が開示されている。
[0005]
 特許文献3には、ピペリジン-3-カルボキサミドのラセミ体を、光学活性乳酸を用いて光学分割する方法が開示されている。
[0006]
 特許文献4には、ピペリジン-3-カルボキサミドのラセミ体を、微生物由来の酵素により立体選択的に加水分解し、光学活性ピペリジン-3-カルボキサミドの誘導化を経て、混合物からニペコチン酸の光学活性体を分離除去することにより、ピペリジン-3-カルボキサミド誘導体の光学活性体を製造する方法が開示されている。
 また、当該文献にはピペリジン-3-カルボキサミド誘導体の光学活性体から、ホフマン転位を利用し、3-アミノピペリジンの光学活性体を製造する方法も開示されている。
[0007]
 非特許文献1には、ルテニウム錯体を用いたテトラヒドロピリジンカルボン酸エステル誘導体の不斉還元により、光学活性ニペコチン酸エステル誘導体を得る方法が開示されている。

先行技術文献

特許文献

[0008]
特許文献1 : WO2007/035629
特許文献2 : 特開2011-201908号公報
特許文献3 : WO2011/010579
特許文献4 : WO2008/102720

非特許文献

[0009]
非特許文献1 : Eur. J. Org. Chem. 2006, p.4343-4347.

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0010]
 本発明の目的は、比較的安価な原料を使用し、光学活性な6-(3-アミノピペリジン-1-イル)-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロピリミジン誘導体を効率的に製造する方法を提供することである。
 また、本発明の別の目的は、光学活性な6-(3-アミノピペリジン-1-イル)-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロピリミジン誘導体を製造するために有用な各種中間体およびこれらの製造方法を提供することである。

課題を解決するための手段

[0011]
 本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、1,4,5,6-テトラヒドロピリジン-3-カルボキサミドまたはその誘導体を、触媒存在下にて不斉還元することにより、光学活性なピペリジン-3-カルボキサミドまたはその誘導体を効率的に得ることができ、さらには、それを中間体として光学活性な6-(3-アミノピペリジン-1-イル)-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロピリミジン誘導体を効率的に製造することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
[0012]
 すなわち、本発明は以下の通りである。
[0013]
[1] 式:
[0014]
[化1]


[0015]
[式中、R は、水素原子、置換されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよい複素環基、または保護基を;R 、R およびR は、独立して、水素原子、または置換基を;R およびR は、独立して、水素原子、置換されていてもよい炭化水素基、または置換されていてもよい複素環基を示し;R およびR 、R およびR 、R およびR 、あるいはR およびR は一緒になって隣接する原子とともに5ないし8員環を形成してもよい。]
で表される化合物またはその塩を有機金属錯体の存在下で水素化反応に付すことを特徴とする、
 式:
[0016]
[化2]


[0017]
[式中、*が付された炭素原子は不斉炭素原子を示し;その他の記号は前記と同意義を示す。]
で表される化合物の光学活性体またはその塩の製造法。
[2] 有機金属錯体が遷移金属錯体である、上記[1]記載の製造法。
[3] 遷移金属錯体がルテニウム錯体である、上記[2]記載の製造法。
[4] ルテニウム錯体が、
式:
   [Ru(OCOR ]     (VIII)
[式中、R は、置換されていてもよいC 1-3アルキル基を;L はジホスフィン配位子を示す。]
で表される上記[3]記載の製造法。
[5] 水素化反応が、ハロゲン化アルカリ金属または
式:
[0018]
[化3]


[0019]
[式中、R 、R 、R およびR は、独立して、水素原子、または置換されていてもよい炭化水素基を;Xはハロゲン原子を示す。]で表される化合物
の存在下に行われる上記[1]記載の製造法。
[6] 式:
[0020]
[化4]


[0021]
[式中、Rは、置換されていてもよい炭化水素基を示す。]
で表される化合物。
[7] 式:
[0022]
[化5]


[0023]
[式中、Rは、置換されていてもよい炭化水素基を示し、*が付された炭素原子は不斉炭素原子を示す。]
で表される化合物の光学活性体。
[8] 式:
[0024]
[化6]


[0025]
[式中、R 2’、R 3’およびR 4’は、独立して、水素原子、置換されてもよい炭化水素基、または置換されてもよい複素環基を示し;R 2’およびR 3’あるいはR 3’およびR 4’は一緒になって隣接する原子とともに5ないし8員環を形成してもよく;*が付された炭素原子は不斉炭素原子を示す。]
で表される化合物の光学活性体またはその塩と、
 式:
[0026]
[化7]


[0027]
[式中、R およびR は、独立して、置換されていてもよい炭化水素基、水素原子、または置換されていてもよい複素環基を;L は、脱離基を示す。]
で表される化合物またはその塩とを反応させることを特徴とする、
 式:
[0028]
[化8]


[0029]
[式中の各記号は前記と同意義を示す。]
で表される化合物の光学活性体またはその塩の製造法。
[9] 式:
[0030]
[化9]


[0031]
[式中、R 2’、R 3’およびR 4’は、独立して、水素原子、置換されていてもよい炭化水素基、または置換されていてもよい複素環基を示し、R 2’およびR 3’、あるいはR 3’およびR 4’は一緒になって隣接する原子とともに5ないし8員環を形成してもよく;R およびR は、独立して、置換されていてもよい炭化水素基、水素原子、または置換されていてもよい複素環基を示し;*が付された炭素原子は不斉炭素原子を示す。]
で表される化合物の光学活性体またはその塩を転位反応に付することを特徴とする、
 式:
[0032]
[化10]


[0033]
[式中の各記号は前記と同意義を示す。]
で表される化合物の光学活性体またはその塩の製造法。
[10] (1)式:
[0034]
[化11]


[0035]
[式中の各記号は前記と同意義を示す。]
で表される化合物またはその塩を有機金属錯体の存在下で水素化反応に付すことにより、
 式:
[0036]
[化12]


[0037]
[式中の各記号は前記と同意義を示す。]
で表される化合物の光学活性体またはその塩を製造する工程;および
 (2)式:
[0038]
[化13]


[0039]
[式中の各記号は前記と同意義を示す。]
で表される化合物の光学活性体またはその塩と、式:
[0040]
[化14]


[0041]
[式中、各記号は前記と同意義を示す。]
で表される化合物またはその塩とを反応させることにより、
 式:
[0042]
[化15]


[0043]
[式中の各記号は前記と同意義を示す。]
で表される化合物の光学活性体またはその塩を製造する工程を含む、上記[9]記載の製造法。
[11] 式:
   [Ru(OCOR ’) ’]     (VIII’)
[式中、R ’は、トリフルオロメチル基を;L ’は、ジホスフィン配位子の光学活性体であり、
(1)式:
[0044]
[化16]


[0045]
または、
式:
[0046]
[化17]


[0047]
で表される化合物もしくはこれらの混合物からなる光学活性体、および
(2)式:
[0048]
[化18]


[0049]
[式中、*が付された結合は、不斉軸を示す。]
で表される化合物の光学活性体から選ばれる。]
で表されるルテニウム錯体。

発明の効果

[0050]
 本発明によれば、光学活性な6-(3-アミノピペリジン-1-イル)-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロピリミジン誘導体を効率的に、また高純度、更に高収率で製造することができる。
 該誘導体は、ジペプチジルペプチダーゼ阻害剤および糖尿病の治療薬として有用である。
 また、本発明によれば、光学活性な6-(3-アミノピペリジン-1-イル)-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロピリミジン誘導体を製造するために有用な各種中間体およびこれらの効率的な製造方法を提供することができる。
 さらに、本発明によれば、水素化反応に有用なルテニウム錯体を提供することができる。
[0051]
(発明の詳細な説明)
 以下に、本発明を詳細に説明する。
[0052]
 以下、本明細書中で用いられる各置換基の定義について詳述する。特記しない限り各置換基は以下の定義を有する。
 本明細書中、「ハロゲン原子」としては、例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
 本明細書中、「C 1-6アルキル基」としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、1-エチルプロピル、ヘキシル、イソヘキシル、1,1-ジメチルブチル、2,2-ジメチルブチル、3,3-ジメチルブチル、2-エチルブチルが挙げられる。
 本明細書中、「ハロゲン化されていてもよいC 1-6アルキル基」としては、例えば、1ないし7個、好ましくは1ないし5個のハロゲン原子を有していてもよいC 1-6アルキル基が挙げられる。具体例としては、メチル、クロロメチル、ジフルオロメチル、トリクロロメチル、トリフルオロメチル、エチル、2-ブロモエチル、2,2,2-トリフルオロエチル、テトラフルオロエチル、ペンタフルオロエチル、プロピル、2,2―ジフルオロプロピル、3,3,3-トリフルオロプロピル、イソプロピル、ブチル、4,4,4-トリフルオロブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、5,5,5-トリフルオロペンチル、ヘキシル、6,6,6-トリフルオロヘキシルが挙げられる。
 本明細書中、「C 2-6アルケニル基」としては、例えば、エテニル、1-プロペニル、2-プロペニル、2-メチル-1-プロペニル、1-ブテニル、2-ブテニル、3-ブテニル、3-メチル-2-ブテニル、1-ペンテニル、2-ペンテニル、3-ペンテニル、4-ペンテニル、4-メチル-3-ペンテニル、1-ヘキセニル、3-ヘキセニル、5-ヘキセニルが挙げられる。
 本明細書中、「C 2-6アルキニル基」としては、例えば、エチニル、1-プロピニル、2-プロピニル、1-ブチニル、2-ブチニル、3-ブチニル、1-ペンチニル、2-ペンチニル、3-ペンチニル、4-ペンチニル、1-ヘキシニル、2-ヘキシニル、3-ヘキシニル、4-ヘキシニル、5-ヘキシニル、4-メチル-2-ペンチニルが挙げられる。
 本明細書中、「C 3-10シクロアルキル基」としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、ビシクロ[3.2.1]オクチル、アダマンチルが挙げられる。
 本明細書中、「ハロゲン化されていてもよいC 3-10シクロアルキル基」としては、例えば、1ないし7個、好ましくは1ないし5個のハロゲン原子を有していてもよいC 3-10シクロアルキル基が挙げられる。具体例としては、シクロプロピル、2,2-ジフルオロシクロプロピル、2,3-ジフルオロシクロプロピル、シクロブチル、ジフルオロシクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルが挙げられる。
 本明細書中、「C 3-10シクロアルケニル基」としては、例えば、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、シクロオクテニルが挙げられる。
 本明細書中、「C 6-14アリール基」としては、例えば、フェニル、1-ナフチル、2-ナフチル、1-アントリル、2-アントリル、9-アントリルが挙げられる。
 本明細書中、「C 7-16アラルキル基」としては、例えば、ベンジル、フェネチル、ナフチルメチル、フェニルプロピルが挙げられる。
[0053]
 本明細書中、「C 1-6アルコキシ基」としては、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシが挙げられる。
 本明細書中、「ハロゲン化されていてもよいC 1-6アルコキシ基」としては、例えば、1ないし7個、好ましくは1ないし5個のハロゲン原子を有していてもよいC 1-6アルコキシ基が挙げられる。具体例としては、メトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、エトキシ、2,2,2-トリフルオロエトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、4,4,4-トリフルオロブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシが挙げられる。
 本明細書中、「C 3-10シクロアルキルオキシ基」としては、例えば、シクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ、シクロヘプチルオキシ、シクロオクチルオキシが挙げられる。
 本明細書中、「C 1-6アルキルチオ基」としては、例えば、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、sec-ブチルチオ、tert-ブチルチオ、ペンチルチオ、ヘキシルチオが挙げられる。
 本明細書中、「ハロゲン化されていてもよいC 1-6アルキルチオ基」としては、例えば、1ないし7個、好ましくは1ないし5個のハロゲン原子を有していてもよいC 1-6アルキルチオ基が挙げられる。具体例としては、メチルチオ、ジフルオロメチルチオ、トリフルオロメチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、4,4,4-トリフルオロブチルチオ、ペンチルチオ、ヘキシルチオが挙げられる。
 本明細書中、「C 1-6アルキル-カルボニル基」としては、例えば、アセチル、プロパノイル、ブタノイル、2-メチルプロパノイル、ペンタノイル、3-メチルブタノイル、2-メチルブタノイル、2,2-ジメチルプロパノイル、ヘキサノイル、ヘプタノイルが挙げられる。
 本明細書中、「ハロゲン化されていてもよいC 1-6アルキル-カルボニル基」としては、例えば、1ないし7個、好ましくは1ないし5個のハロゲン原子を有していてもよいC 1-6アルキル-カルボニル基が挙げられる。具体例としては、アセチル、クロロアセチル、トリフルオロアセチル、トリクロロアセチル、プロパノイル、ブタノイル、ペンタノイル、ヘキサノイルが挙げられる。
 本明細書中、「C 1-6アルコキシ-カルボニル基」としては、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、sec-ブトキシカルボニル、tert-ブトキシカルボニル、ペンチルオキシカルボニル、ヘキシルオキシカルボニルが挙げられる。
 本明細書中、「C 6-14アリール-カルボニル基」としては、例えば、ベンゾイル、1-ナフトイル、2-ナフトイルが挙げられる。
 本明細書中、「C 7-16アラルキル-カルボニル基」としては、例えば、フェニルアセチル、フェニルプロピオニルが挙げられる。
 本明細書中、「5ないし14員芳香族複素環カルボニル基」としては、例えば、ニコチノイル、イソニコチノイル、テノイル、フロイルが挙げられる。
 本明細書中、「3ないし14員非芳香族複素環カルボニル基」としては、例えば、モルホリニルカルボニル、ピペリジニルカルボニル、ピロリジニルカルボニルが挙げられる。
[0054]
 本明細書中、「モノ-またはジ-C 1-6アルキル-カルバモイル基」としては、例えば、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル、ジメチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、N-エチル-N-メチルカルバモイルが挙げられる。
 本明細書中、「モノ-またはジ-C 7-16アラルキル-カルバモイル基」としては、例えば、ベンジルカルバモイル、フェネチルカルバモイルが挙げられる。
 本明細書中、「C 1-6アルキルスルホニル基」としては、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、イソプロピルスルホニル、ブチルスルホニル、sec-ブチルスルホニル、tert-ブチルスルホニルが挙げられる。
 本明細書中、「ハロゲン化されていてもよいC 1-6アルキルスルホニル基」としては、例えば、1ないし7個、好ましくは1ないし5個のハロゲン原子を有していてもよいC 1-6アルキルスルホニル基が挙げられる。具体例としては、メチルスルホニル、ジフルオロメチルスルホニル、トリフルオロメチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、イソプロピルスルホニル、ブチルスルホニル、4,4,4-トリフルオロブチルスルホニル、ペンチルスルホニル、ヘキシルスルホニルが挙げられる。
 本明細書中、「C 6-14アリールスルホニル基」としては、例えば、フェニルスルホニル、1-ナフチルスルホニル、2-ナフチルスルホニルが挙げられる。
[0055]
 本明細書中、「置換基」としては、例えば、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよい複素環基、アシル基、置換されていてもよいアミノ基、置換されていてもよいカルバモイル基、置換されていてもよいチオカルバモイル基、置換されていてもよいスルファモイル基、置換されていてもよいヒドロキシ基、置換されていてもよいスルファニル(SH)基、置換されていてもよいシリル基が挙げられる。
 本明細書中、「炭化水素基」(「置換されていてもよい炭化水素基」における「炭化水素基」を含む)としては、例えば、C 1-6アルキル基、C 2-6アルケニル基、C 2-6アルキニル基、C 3-10シクロアルキル基、C 3-10シクロアルケニル基、C 6-14アリール基、C 7-16アラルキル基が挙げられる。
[0056]
 本明細書中、「置換されていてもよい炭化水素基」としては、例えば、下記の置換基群Aから選ばれる置換基を有していてもよい炭化水素基が挙げられる。
[置換基群A]
(1)ハロゲン原子、
(2)ニトロ基、
(3)シアノ基、
(4)オキソ基、
(5)ヒドロキシ基、
(6)ハロゲン化されていてもよいC 1-6アルコキシ基、
(7)C 6-14アリールオキシ基(例、フェノキシ、ナフトキシ)、
(8)C 7-16アラルキルオキシ基(例、ベンジルオキシ)、
(9)5ないし14員芳香族複素環オキシ基(例、ピリジルオキシ)、
(10)3ないし14員非芳香族複素環オキシ基(例、モルホリニルオキシ、ピペリジニルオキシ)、
(11)C 1-6アルキル-カルボニルオキシ基(例、アセトキシ、プロパノイルオキシ)、
(12)C 6-14アリール-カルボニルオキシ基(例、ベンゾイルオキシ、1-ナフトイルオキシ、2-ナフトイルオキシ)、
(13)C 1-6アルコキシ-カルボニルオキシ基(例、メトキシカルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシ、プロポキシカルボニルオキシ、ブトキシカルボニルオキシ)、
(14)モノ-またはジ-C 1-6アルキル-カルバモイルオキシ基(例、メチルカルバモイルオキシ、エチルカルバモイルオキシ、ジメチルカルバモイルオキシ、ジエチルカルバモイルオキシ)、
(15)C 6-14アリール-カルバモイルオキシ基(例、フェニルカルバモイルオキシ、ナフチルカルバモイルオキシ)、
(16)5ないし14員芳香族複素環カルボニルオキシ基(例、ニコチノイルオキシ)、
(17)3ないし14員非芳香族複素環カルボニルオキシ基(例、モルホリニルカルボニルオキシ、ピペリジニルカルボニルオキシ)、
(18)ハロゲン化されていてもよいC 1-6アルキルスルホニルオキシ基(例、メチルスルホニルオキシ、トリフルオロメチルスルホニルオキシ)、
(19)C 1-6アルキル基で置換されていてもよいC 6-14アリールスルホニルオキシ基(例、フェニルスルホニルオキシ、トルエンスルホニルオキシ)、
(20)ハロゲン化されていてもよいC 1-6アルキルチオ基、
(21)5ないし14員芳香族複素環基、
(22)3ないし14員非芳香族複素環基、
(23)ホルミル基、
(24)カルボキシ基、
(25)ハロゲン化されていてもよいC 1-6アルキル-カルボニル基、
(26)C 6-14アリール-カルボニル基、
(27)5ないし14員芳香族複素環カルボニル基、
(28)3ないし14員非芳香族複素環カルボニル基、
(29)C 1-6アルコキシ-カルボニル基、
(30)C 6-14アリールオキシ-カルボニル基(例、フェニルオキシカルボニル、1-ナフチルオキシカルボニル、2-ナフチルオキシカルボニル)、
(31)C 7-16アラルキルオキシ-カルボニル基(例、ベンジルオキシカルボニル、フェネチルオキシカルボニル)、
(32)カルバモイル基、
(33)チオカルバモイル基、
(34)モノ-またはジ-C 1-6アルキル-カルバモイル基、
(35)C 6-14アリール-カルバモイル基(例、フェニルカルバモイル)、
(36)5ないし14員芳香族複素環カルバモイル基(例、ピリジルカルバモイル、チエニルカルバモイル)、
(37)3ないし14員非芳香族複素環カルバモイル基(例、モルホリニルカルバモイル、ピペリジニルカルバモイル)、
(38)ハロゲン化されていてもよいC 1-6アルキルスルホニル基、
(39)C 6-14アリールスルホニル基、
(40)5ないし14員芳香族複素環スルホニル基(例、ピリジルスルホニル、チエニルスルホニル)、
(41)ハロゲン化されていてもよいC 1-6アルキルスルフィニル基、
(42)C 6-14アリールスルフィニル基(例、フェニルスルフィニル、1-ナフチルスルフィニル、2-ナフチルスルフィニル)、
(43)5ないし14員芳香族複素環スルフィニル基(例、ピリジルスルフィニル、チエニルスルフィニル)、
(44)アミノ基、
(45)モノ-またはジ-C 1-6アルキルアミノ基(例、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、ブチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジブチルアミノ、N-エチル-N-メチルアミノ)、
(46)モノ-またはジ-C 6-14アリールアミノ基(例、フェニルアミノ)、
(47)5ないし14員芳香族複素環アミノ基(例、ピリジルアミノ)、
(48)C 7-16アラルキルアミノ基(例、ベンジルアミノ)、
(49)ホルミルアミノ基、
(50)C 1-6アルキル-カルボニルアミノ基(例、アセチルアミノ、プロパノイルアミノ、ブタノイルアミノ)、
(51)(C 1-6アルキル)(C 1-6アルキル-カルボニル)アミノ基(例、N-アセチル-N-メチルアミノ)、
(52)C 6-14アリール-カルボニルアミノ基(例、フェニルカルボニルアミノ、ナフチルカルボニルアミノ)、
(53)C 1-6アルコキシ-カルボニルアミノ基(例、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、プロポキシカルボニルアミノ、ブトキシカルボニルアミノ、tert-ブトキシカルボニルアミノ)、
(54)C 7-16アラルキルオキシ-カルボニルアミノ基(例、ベンジルオキシカルボニルアミノ)、
(55)C 1-6アルキルスルホニルアミノ基(例、メチルスルホニルアミノ、エチルスルホニルアミノ)、
(56)C 1-6アルキル基で置換されていてもよいC 6-14アリールスルホニルアミノ基(例、フェニルスルホニルアミノ、トルエンスルホニルアミノ)、
(57)ハロゲン化されていてもよいC 1-6アルキル基、
(58)C 2-6アルケニル基、
(59)C 2-6アルキニル基、
(60)C 3-10シクロアルキル基、
(61)C 3-10シクロアルケニル基、及び
(62)C 6-14アリール基。
[0057]
 「置換されていてもよい炭化水素基」における上記置換基の数は、例えば、1ないし5個、好ましくは1ないし3個である。置換基数が2個以上の場合、各置換基は同一であっても異なっていてもよい。
 本明細書中、「複素環基」(「置換されていてもよい複素環基」における「複素環基」を含む)としては、例えば、環構成原子として炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1ないし4個のヘテロ原子をそれぞれ含有する、(i)芳香族複素環基、(ii)非芳香族複素環基および(iii)7ないし10員複素架橋環基が挙げられる。
[0058]
 本明細書中、「芳香族複素環基」(「5ないし14員芳香族複素環基」を含む)としては、例えば、環構成原子として炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1ないし4個のヘテロ原子を含有する5ないし14員(好ましくは5ないし10員)の芳香族複素環基が挙げられる。
 該「芳香族複素環基」の好適な例としては、チエニル、フリル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、1,2,4-オキサジアゾリル、1,3,4-オキサジアゾリル、1,2,4-チアジアゾリル、1,3,4-チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、トリアジニルなどの5ないし6員単環式芳香族複素環基;
ベンゾチオフェニル、ベンゾフラニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾトリアゾリル、イミダゾピリジニル、チエノピリジニル、フロピリジニル、ピロロピリジニル、ピラゾロピリジニル、オキサゾロピリジニル、チアゾロピリジニル、イミダゾピラジニル、イミダゾピリミジニル、チエノピリミジニル、フロピリミジニル、ピロロピリミジニル、ピラゾロピリミジニル、オキサゾロピリミジニル、チアゾロピリミジニル、ピラゾロトリアジニル、ナフト[2,3-b]チエニル、フェノキサチイニル、インドリル、イソインドリル、1H-インダゾリル、プリニル、イソキノリル、キノリル、フタラジニル、ナフチリジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、シンノリニル、カルバゾリル、β-カルボリニル、フェナントリジニル、アクリジニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニルなどの8ないし14員縮合多環式(好ましくは2または3環式)芳香族複素環基が挙げられる。
[0059]
 本明細書中、「非芳香族複素環基」(「3ないし14員非芳香族複素環基」を含む)としては、例えば、環構成原子として炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1ないし4個のヘテロ原子を含有する3ないし14員(好ましくは4ないし10員)の非芳香族複素環基が挙げられる。
 該「非芳香族複素環基」の好適な例としては、アジリジニル、オキシラニル、チイラニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、テトラヒドロチエニル、テトラヒドロフラニル、ピロリニル、ピロリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、オキサゾリニル、オキサゾリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、チアゾリニル、チアゾリジニル、テトラヒドロイソチアゾリル、テトラヒドロオキサゾリル、テトラヒドロイソオキサゾリル、ピペリジニル、ピペラジニル、テトラヒドロピリジニル、ジヒドロピリジニル、ジヒドロチオピラニル、テトラヒドロピリミジニル、テトラヒドロピリダジニル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、モルホリニル、チオモルホリニル、アゼパニル、ジアゼパニル、アゼピニル、オキセパニル、アゾカニル、ジアゾカニルなどの3ないし8員単環式非芳香族複素環基;
ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロベンゾイミダゾリル、ジヒドロベンゾオキサゾリル、ジヒドロベンゾチアゾリル、ジヒドロベンゾイソチアゾリル、ジヒドロナフト[2,3-b]チエニル、テトラヒドロイソキノリル、テトラヒドロキノリル、4H-キノリジニル、インドリニル、イソインドリニル、テトラヒドロチエノ[2,3-c]ピリジニル、テトラヒドロベンゾアゼピニル、テトラヒドロキノキサリニル、テトラヒドロフェナントリジニル、ヘキサヒドロフェノチアジニル、ヘキサヒドロフェノキサジニル、テトラヒドロフタラジニル、テトラヒドロナフチリジニル、テトラヒドロキナゾリニル、テトラヒドロシンノリニル、テトラヒドロカルバゾリル、テトラヒドロ-β-カルボリニル、テトラヒドロアクリジニル、テトラヒドロフェナジニル、テトラヒドロチオキサンテニル、オクタヒドロイソキノリルなどの9ないし14員縮合多環式(好ましくは2または3環式)非芳香族複素環基が挙げられる。
[0060]
 本明細書中、「7ないし10員複素架橋環基」の好適な例としては、キヌクリジニル、7-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタニルが挙げられる。
 本明細書中、「含窒素複素環基」としては、「複素環基」のうち、環構成原子として少なくとも1個以上の窒素原子を含有するものが挙げられる。
 本明細書中、「置換されていてもよい複素環基」としては、例えば、前記した置換基群Aから選ばれる置換基を有していてもよい複素環基が挙げられる。
 「置換されていてもよい複素環基」における置換基の数は、例えば、1ないし3個である。置換基数が2個以上の場合、各置換基は同一であっても異なっていてもよい。
[0061]
 本明細書中、「アシル基」としては、例えば、「ハロゲン原子、ハロゲン化されていてもよいC 1-6アルコキシ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基およびカルバモイル基から選ばれる1ないし3個の置換基をそれぞれ有していてもよい、C 1-6アルキル基、C 2-6アルケニル基、C 3-10シクロアルキル基、C 3-10シクロアルケニル基、C 6-14アリール基、C 7-16アラルキル基、5ないし14員芳香族複素環基および3ないし14員非芳香族複素環基から選ばれる1または2個の置換基」をそれぞれ有していてもよい、ホルミル基、カルボキシ基、カルバモイル基、チオカルバモイル基、スルフィノ基、スルホ基、スルファモイル基、ホスホノ基が挙げられる。
 また、「アシル基」としては、炭化水素-スルホニル基、複素環-スルホニル基、炭化水素-スルフィニル基、複素環-スルフィニル基も挙げられる。
 ここで、炭化水素-スルホニル基とは、炭化水素基が結合したスルホニル基を、複素環-スルホニル基とは、複素環基が結合したスルホニル基を、炭化水素-スルフィニル基とは、炭化水素基が結合したスルフィニル基を、複素環-スルフィニル基とは、複素環基が結合したスルフィニル基を、それぞれ意味する。
 「アシル基」の好適な例としては、ホルミル基、カルボキシ基、C 1-6アルキル-カルボニル基、C 2-6アルケニル-カルボニル基(例、クロトノイル)、C 3-10シクロアルキル-カルボニル基(例、シクロブタンカルボニル、シクロペンタンカルボニル、シクロヘキサンカルボニル、シクロヘプタンカルボニル)、C 3-10シクロアルケニル-カルボニル基(例、2-シクロヘキセンカルボニル)、C 6-14アリール-カルボニル基、C 7-16アラルキル-カルボニル基、5ないし14員芳香族複素環カルボニル基、3ないし14員非芳香族複素環カルボニル基、C 1-6アルコキシ-カルボニル基、C 6-14アリールオキシ-カルボニル基(例、フェニルオキシカルボニル、ナフチルオキシカルボニル)、C 7-16アラルキルオキシ-カルボニル基(例、ベンジルオキシカルボニル、フェネチルオキシカルボニル)、カルバモイル基、モノ-またはジ-C 1-6アルキル-カルバモイル基、モノ-またはジ-C 2-6アルケニル-カルバモイル基(例、ジアリルカルバモイル)、モノ-またはジ-C 3-10シクロアルキル-カルバモイル基(例、シクロプロピルカルバモイル)、モノ-またはジ-C 6-14アリール-カルバモイル基(例、フェニルカルバモイル)、モノ-またはジ-C 7-16アラルキル-カルバモイル基、5ないし14員芳香族複素環カルバモイル基(例、ピリジルカルバモイル)、チオカルバモイル基、モノ-またはジ-C 1-6アルキル-チオカルバモイル基(例、メチルチオカルバモイル、N-エチル-N-メチルチオカルバモイル)、モノ-またはジ-C 2-6アルケニル-チオカルバモイル基(例、ジアリルチオカルバモイル)、モノ-またはジ-C 3-10シクロアルキル-チオカルバモイル基(例、シクロプロピルチオカルバモイル、シクロヘキシルチオカルバモイル)、モノ-またはジ-C 6-14アリール-チオカルバモイル基(例、フェニルチオカルバモイル)、モノ-またはジ-C 7-16アラルキル-チオカルバモイル基(例、ベンジルチオカルバモイル、フェネチルチオカルバモイル)、5ないし14員芳香族複素環チオカルバモイル基(例、ピリジルチオカルバモイル)、スルフィノ基、C 1-6アルキルスルフィニル基(例、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル)、スルホ基、C 1-6アルキルスルホニル基、C 6-14アリールスルホニル基、ホスホノ基、モノ-またはジ-C 1-6アルキルホスホノ基(例、ジメチルホスホノ、ジエチルホスホノ、ジイソプロピルホスホノ、ジブチルホスホノ)が挙げられる。
[0062]
 本明細書中、「置換されていてもよいアミノ基」としては、例えば、置換基群Aから選ばれる1ないし3個の置換基をそれぞれ有していてもよい、C 1-6アルキル基、C 2-6アルケニル基、C 3-10シクロアルキル基、C 6-14アリール基、C 7-16アラルキル基、C 1-6アルキル-カルボニル基、C 6-14アリール-カルボニル基、C 7-16アラルキル-カルボニル基、5ないし14員芳香族複素環カルボニル基、3ないし14員非芳香族複素環カルボニル基、C 1-6アルコキシ-カルボニル基、5ないし14員芳香族複素環基、カルバモイル基、モノ-またはジ-C 1-6アルキル-カルバモイル基、モノ-またはジ-C 7-16アラルキル-カルバモイル基、C 1-6アルキルスルホニル基およびC 6-14アリールスルホニル基から選ばれる1または2個の置換基」を有していてもよいアミノ基が挙げられる。
 置換されていてもよいアミノ基の好適な例としては、アミノ基、モノ-またはジ-(ハロゲン化されていてもよいC 1-6アルキル)アミノ基(例、メチルアミノ、トリフルオロメチルアミノ、ジメチルアミノ、エチルアミノ、ジエチルアミノ、プロピルアミノ、ジブチルアミノ)、モノ-またはジ-C 2-6アルケニルアミノ基(例、ジアリルアミノ)、モノ-またはジ-C 3-10シクロアルキルアミノ基(例、シクロプロピルアミノ、シクロヘキシルアミノ)、モノ-またはジ-C 6-14アリールアミノ基(例、フェニルアミノ)、モノ-またはジ-C 7-16アラルキルアミノ基(例、ベンジルアミノ、ジベンジルアミノ)、モノ-またはジ-(ハロゲン化されていてもよいC 1-6アルキル)-カルボニルアミノ基(例、アセチルアミノ、プロピオニルアミノ)、モノ-またはジ-C 6-14アリール-カルボニルアミノ基(例、ベンゾイルアミノ)、モノ-またはジ-C 7-16アラルキル-カルボニルアミノ基(例、ベンジルカルボニルアミノ)、モノ-またはジ-5ないし14員芳香族複素環カルボニルアミノ基(例、ニコチノイルアミノ、イソニコチノイルアミノ)、モノ-またはジ-3ないし14員非芳香族複素環カルボニルアミノ基(例、ピペリジニルカルボニルアミノ)、モノ-またはジ-C 1-6アルコキシ-カルボニルアミノ基(例、tert-ブトキシカルボニルアミノ)、5ないし14員芳香族複素環アミノ基(例、ピリジルアミノ)、カルバモイルアミノ基、(モノ-またはジ-C 1-6アルキル-カルバモイル)アミノ基(例、メチルカルバモイルアミノ)、(モノ-またはジ-C 7-16アラルキル-カルバモイル)アミノ基(例、ベンジルカルバモイルアミノ)、C 1-6アルキルスルホニルアミノ基(例、メチルスルホニルアミノ、エチルスルホニルアミノ)、C 6-14アリールスルホニルアミノ基(例、フェニルスルホニルアミノ)、(C 1-6アルキル)(C 1-6アルキル-カルボニル)アミノ基(例、N-アセチル-N-メチルアミノ)、(C 1-6アルキル)(C 6-14アリール-カルボニル)アミノ基(例、N-ベンゾイル-N-メチルアミノ)が挙げられる。
[0063]
 本明細書中、「置換されていてもよいカルバモイル基」としては、例えば、「置換基群Aから選ばれる1ないし3個の置換基をそれぞれ有していてもよい、C 1-6アルキル基、C 2-6アルケニル基、C 3-10シクロアルキル基、C 6-14アリール基、C 7-16アラルキル基、C 1-6アルキル-カルボニル基、C 6-14アリール-カルボニル基、C 7-16アラルキル-カルボニル基、5ないし14員芳香族複素環カルボニル基、3ないし14員非芳香族複素環カルボニル基、C 1-6アルコキシ-カルボニル基、5ないし14員芳香族複素環基、カルバモイル基、モノ-またはジ-C 1-6アルキル-カルバモイル基およびモノ-またはジ-C 7-16アラルキル-カルバモイル基から選ばれる1または2個の置換基」を有していてもよいカルバモイル基が挙げられる。
 置換されていてもよいカルバモイル基の好適な例としては、カルバモイル基、モノ-またはジ-C 1-6アルキル-カルバモイル基、モノ-またはジ-C 2-6アルケニル-カルバモイル基(例、ジアリルカルバモイル)、モノ-またはジ-C 3-10シクロアルキル-カルバモイル基(例、シクロプロピルカルバモイル、シクロヘキシルカルバモイル)、モノ-またはジ-C 6-14アリール-カルバモイル基(例、フェニルカルバモイル)、モノ-またはジ-C 7-16アラルキル-カルバモイル基、モノ-またはジ-C 1-6アルキル-カルボニル-カルバモイル基(例、アセチルカルバモイル、プロピオニルカルバモイル)、モノ-またはジ-C 6-14アリール-カルボニル-カルバモイル基(例、ベンゾイルカルバモイル)、5ないし14員芳香族複素環カルバモイル基(例、ピリジルカルバモイル)が挙げられる。
[0064]
 本明細書中、「置換されていてもよいチオカルバモイル基」としては、例えば、「置換基群Aから選ばれる1ないし3個の置換基をそれぞれ有していてもよい、C 1-6アルキル基、C 2-6アルケニル基、C 3-10シクロアルキル基、C 6-14アリール基、C 7-16アラルキル基、C 1-6アルキル-カルボニル基、C 6-14アリール-カルボニル基、C 7-16アラルキル-カルボニル基、5ないし14員芳香族複素環カルボニル基、3ないし14員非芳香族複素環カルボニル基、C 1-6アルコキシ-カルボニル基、5ないし14員芳香族複素環基、カルバモイル基、モノ-またはジ-C 1-6アルキル-カルバモイル基およびモノ-またはジ-C 7-16アラルキル-カルバモイル基から選ばれる1または2個の置換基」を有していてもよいチオカルバモイル基が挙げられる。
 置換されていてもよいチオカルバモイル基の好適な例としては、チオカルバモイル基、モノ-またはジ-C 1-6アルキル-チオカルバモイル基(例、メチルチオカルバモイル、エチルチオカルバモイル、ジメチルチオカルバモイル、ジエチルチオカルバモイル、N-エチル-N-メチルチオカルバモイル)、モノ-またはジ-C 2-6アルケニル-チオカルバモイル基(例、ジアリルチオカルバモイル)、モノ-またはジ-C 3-10シクロアルキル-チオカルバモイル基(例、シクロプロピルチオカルバモイル、シクロヘキシルチオカルバモイル)、モノ-またはジ-C 6-14アリール-チオカルバモイル基(例、フェニルチオカルバモイル)、モノ-またはジ-C 7-16アラルキル-チオカルバモイル基(例、ベンジルチオカルバモイル、フェネチルチオカルバモイル)、モノ-またはジ-C 1-6アルキル-カルボニル-チオカルバモイル基(例、アセチルチオカルバモイル、プロピオニルチオカルバモイル)、モノ-またはジ-C 6-14アリール-カルボニル-チオカルバモイル基(例、ベンゾイルチオカルバモイル)、5ないし14員芳香族複素環チオカルバモイル基(例、ピリジルチオカルバモイル)が挙げられる。
[0065]
 本明細書中、「置換されていてもよいスルファモイル基」としては、例えば、「置換基群Aから選ばれる1ないし3個の置換基をそれぞれ有していてもよい、C 1-6アルキル基、C 2-6アルケニル基、C 3-10シクロアルキル基、C 6-14アリール基、C 7-16アラルキル基、C 1-6アルキル-カルボニル基、C 6-14アリール-カルボニル基、C 7-16アラルキル-カルボニル基、5ないし14員芳香族複素環カルボニル基、3ないし14員非芳香族複素環カルボニル基、C 1-6アルコキシ-カルボニル基、5ないし14員芳香族複素環基、カルバモイル基、モノ-またはジ-C 1-6アルキル-カルバモイル基およびモノ-またはジ-C 7-16アラルキル-カルバモイル基から選ばれる1または2個の置換基」を有していてもよいスルファモイル基が挙げられる。
 置換されていてもよいスルファモイル基の好適な例としては、スルファモイル基、モノ-またはジ-C 1-6アルキル-スルファモイル基(例、メチルスルファモイル、エチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、ジエチルスルファモイル、N-エチル-N-メチルスルファモイル)、モノ-またはジ-C 2-6アルケニル-スルファモイル基(例、ジアリルスルファモイル)、モノ-またはジ-C 3-10シクロアルキル-スルファモイル基(例、シクロプロピルスルファモイル、シクロヘキシルスルファモイル)、モノ-またはジ-C 6-14アリール-スルファモイル基(例、フェニルスルファモイル)、モノ-またはジ-C 7-16アラルキル-スルファモイル基(例、ベンジルスルファモイル、フェネチルスルファモイル)、モノ-またはジ-C 1-6アルキル-カルボニル-スルファモイル基(例、アセチルスルファモイル、プロピオニルスルファモイル)、モノ-またはジ-C 6-14アリール-カルボニル-スルファモイル基(例、ベンゾイルスルファモイル)、5ないし14員芳香族複素環スルファモイル基(例、ピリジルスルファモイル)が挙げられる。
[0066]
 本明細書中、「置換されていてもよいヒドロキシ基」としては、例えば、「置換基群Aから選ばれる1ないし3個の置換基をそれぞれ有していてもよい、C 1-6アルキル基、C 2-6アルケニル基、C 3-10シクロアルキル基、C 6-14アリール基、C 7-16アラルキル基、C 1-6アルキル-カルボニル基、C 6-14アリール-カルボニル基、C 7-16アラルキル-カルボニル基、5ないし14員芳香族複素環カルボニル基、3ないし14員非芳香族複素環カルボニル基、C 1-6アルコキシ-カルボニル基、5ないし14員芳香族複素環基、カルバモイル基、モノ-またはジ-C 1-6アルキル-カルバモイル基、モノ-またはジ-C 7-16アラルキル-カルバモイル基、C 1-6アルキルスルホニル基およびC 6-14アリールスルホニル基から選ばれる置換基」を有していてもよいヒドロキシ基が挙げられる。
 置換されていてもよいヒドロキシ基の好適な例としては、ヒドロキシ基、C 1-6アルコキシ基、C 2-6アルケニルオキシ基(例、アリルオキシ、2-ブテニルオキシ、2-ペンテニルオキシ、3-ヘキセニルオキシ)、C 3-10シクロアルキルオキシ基(例、シクロヘキシルオキシ)、C 6-14アリールオキシ基(例、フェノキシ、ナフチルオキシ)、C 7-16アラルキルオキシ基(例、ベンジルオキシ、フェネチルオキシ)、C 1-6アルキル-カルボニルオキシ基(例、アセチルオキシ、プロピオニルオキシ、ブチリルオキシ、イソブチリルオキシ、ピバロイルオキシ)、C 6-14アリール-カルボニルオキシ基(例、ベンゾイルオキシ)、C 7-16アラルキル-カルボニルオキシ基(例、ベンジルカルボニルオキシ)、5ないし14員芳香族複素環カルボニルオキシ基(例、ニコチノイルオキシ)、3ないし14員非芳香族複素環カルボニルオキシ基(例、ピペリジニルカルボニルオキシ)、C 1-6アルコキシ-カルボニルオキシ基(例、tert-ブトキシカルボニルオキシ)、5ないし14員芳香族複素環オキシ基(例、ピリジルオキシ)、カルバモイルオキシ基、C 1-6アルキル-カルバモイルオキシ基(例、メチルカルバモイルオキシ)、C 7-16アラルキル-カルバモイルオキシ基(例、ベンジルカルバモイルオキシ)、C 1-6アルキルスルホニルオキシ基(例、メチルスルホニルオキシ、エチルスルホニルオキシ)、C 6-14アリールスルホニルオキシ基(例、フェニルスルホニルオキシ)が挙げられる。
[0067]
 本明細書中、「置換されていてもよいスルファニル基」としては、例えば、「置換基群Aから選ばれる1ないし3個の置換基をそれぞれ有していてもよい、C 1-6アルキル基、C 2-6アルケニル基、C 3-10シクロアルキル基、C 6-14アリール基、C 7-16アラルキル基、C 1-6アルキル-カルボニル基、C 6-14アリール-カルボニル基および5ないし14員芳香族複素環基から選ばれる置換基」を有していてもよいスルファニル基、ハロゲン化されたスルファニル基が挙げられる。
 置換されていてもよいスルファニル基の好適な例としては、スルファニル(-SH)基、C 1-6アルキルチオ基、C 2-6アルケニルチオ基(例、アリルチオ、2-ブテニルチオ、2-ペンテニルチオ、3-ヘキセニルチオ)、C 3-10シクロアルキルチオ基(例、シクロヘキシルチオ)、C 6-14アリールチオ基(例、フェニルチオ、ナフチルチオ)、C 7-16アラルキルチオ基(例、ベンジルチオ、フェネチルチオ)、C 1-6アルキル-カルボニルチオ基(例、アセチルチオ、プロピオニルチオ、ブチリルチオ、イソブチリルチオ、ピバロイルチオ)、C 6-14アリール-カルボニルチオ基(例、ベンゾイルチオ)、5ないし14員芳香族複素環チオ基(例、ピリジルチオ)、ハロゲン化チオ基(例、ペンタフルオロチオ)が挙げられる。
[0068]
 本明細書中、「置換されていてもよいシリル基」としては、例えば、「置換基群Aから選ばれる1ないし3個の置換基をそれぞれ有していてもよい、C 1-6アルキル基、C 2-6アルケニル基、C 3-10シクロアルキル基、C 6-14アリール基およびC 7-16アラルキル基から選ばれる1ないし3個の置換基」を有していてもよいシリル基が挙げられる。
 置換されていてもよいシリル基の好適な例としては、トリ-C 1-6アルキルシリル基(例、トリメチルシリル、tert-ブチル(ジメチル)シリル)が挙げられる。
[0069]
 以下に、式(I)および(II)中の各記号の定義および化合物について詳述する。
[0070]
 R は、水素原子、置換されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよい複素環基、または保護基を示す。
[0071]
 R で表される「置換されていてもよい炭化水素基」における「炭化水素基」の好適なものとしては、C 1-6アルキル基、C 3-10シクロアルキル基、C 6-14アリール基、C 7-16アラルキル基等が挙げられる。
[0072]
 R で表される「置換されていてもよい複素環基」における「複素環基」の好適なものとしては、環構成原子として炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1ないし4個のヘテロ原子をそれぞれ含有する、(i)芳香族複素環基および(ii)非芳香族複素環基が挙げられる。
[0073]
 R で表される「保護基」は、公知のアミノ基の保護基を示し、好適なものとしては、ホルミル基、アセチル基、ベンゾイル基等のアミド型保護基;9-フルオレニルメトキシカルボニル基、tert-ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基等のカルバメート型保護基が挙げられる。これらの保護基については、Green et al., Protective Groups in Organic Synthesis, 3rd Edition, 1998, John Wiley & Sons, Inc. に記載されているアミノ基の保護基などを参照することができる。
[0074]
 R は、好ましくは水素原子である。
[0075]
 R 、R およびR は、独立して、水素原子、または置換基を示す。
[0076]
 R 、R またはR で表される「置換基」の好適なものとしては、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよい複素環基、アシル基、置換されていてもよいアミノ基、置換されていてもよいカルバモイル基、置換されていてもよいヒドロキシ基、置換されていてもよいシリル基等が挙げられ、中でも、置換されていてもよい炭化水素基、または置換されていてもよい複素環基がより好ましい。
[0077]
 R 、R およびR は、好ましくは、独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよい複素環基、アシル基、置換されていてもよいアミノ基、置換されていてもよいカルバモイル基、置換されていてもよいヒドロキシ基、または置換されていてもよいシリル基であり;より好ましくは、独立して、水素原子、置換されていてもよい炭化水素基、または置換されていてもよい複素環基であり;特に好ましくは水素原子である。
[0078]
 R およびR は、独立して、水素原子、置換されていてもよい炭化水素基、または置換されていてもよい複素環基を示す。
[0079]
 R またはR で表される「置換されていてもよい炭化水素基」における「炭化水素基」の好適なものとしては、C 1-6アルキル基、C 3-10シクロアルキル基、C 6-14アリール基、C 7-16アラルキル基等が挙げられる。
[0080]
 R またはR で表される「置換されていてもよい複素環基」における「複素環基」の好適なものとしては、環構成原子として炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1ないし4個のヘテロ原子をそれぞれ含有する、(i)芳香族複素環基および(ii)非芳香族複素環基が挙げられる。
[0081]
 R およびR は、好ましくは水素原子である。
[0082]
 また、R およびR 、R およびR 、R およびR 、あるいはR およびR は一緒になって隣接する原子とともに5ないし8員環を形成してもよい。
[0083]
 R およびR 、あるいはR およびR が形成する「5ないし8員環」の好適なものとしては、C 5-8シクロアルカン環、C 5-8シクロアルケン環、5ないし8員単環式非芳香族複素環等が挙げられる。
[0084]
 前記「5ないし8員環」として例示した「C 5-8シクロアルカン環」としては、例えば、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン等の環が挙げられる。
[0085]
 前記「5ないし8員環」として例示した「C 5-8シクロアルケン環」としては、例えば、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン等の環が挙げられる。
[0086]
 前記「5ないし8員環」として例示した「5ないし8員単環式非芳香族複素環」としては、環構成原子として炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれるヘテロ原子を含有する5ないし8員の単環式非芳香族複素環が挙げられ、具体的には、テトラヒドロチオフェン、テトラヒドロフラン、ピロリン、ピロリジン、イミダゾリン、イミダゾリジン、オキサゾリン、オキサゾリジン、ピラゾリン、ピラゾリジン、チアゾリン、チアゾリジン、イソオキサゾリン、イソチアゾリン、テトラヒドロイソチアゾール(イソチアゾリジン)、テトラヒドロイソオキサゾール(イソオキサゾリジン)、ピペリジン、ピペラジン、テトラヒドロピリジン、ジヒドロピリジン、ジヒドロチオピラン、テトラヒドロピリミジン、ジヒドロピリミジン、テトラヒドロピリダジン、ジヒドロピリダジン、ジヒドロピラン、テトラヒドロピラン、テトラヒドロチオピラン、モルホリン、チオモルホリン、アゼパン、ジアゼパン、アゼピン、オキセパン、アゾカン、ジアゾカン等の環が挙げられる。
[0087]
 R およびR 、あるいはR およびR が隣接する原子とともに形成する「5ないし8員環」として好適なものは、例えば、5ないし8員単環式含窒素非芳香族複素環等が挙げられる。
[0088]
 前記「5ないし8員環」として例示した「5ないし8員単環式含窒素非芳香族複素環」としては、環構成原子として炭素原子以外に少なくとも1個の窒素原子を含有し、さらに、硫黄原子および酸素原子から選ばれるヘテロ原子を含有していてもよい5ないし8員の単環式非芳香族複素環が挙げられ、具体的には、ピロリン、ピロリジン、イミダゾリン、イミダゾリジン、オキサゾリン、オキサゾリジン、ピラゾリン、ピラゾリジン、チアゾリン、チアゾリジン、イソオキサゾリン、イソチアゾリン、テトラヒドロイソチアゾール(イソチアゾリジン)、テトラヒドロイソオキサゾール(イソオキサゾリジン)、ピペリジン、ピペラジン、テトラヒドロピリジン、ジヒドロピリジン、テトラヒドロピリミジン、ジヒドロピリミジン、テトラヒドロピリダジン、ジヒドロピリダジン、モルホリン、チオモルホリン、アゼパン、ジアゼパン、アゾカン、ジアゾカン等の環が挙げられる。
[0089]
 好ましい実施態様では、
 式(I)で表される化合物が、式:
[0090]
[化19]


[0091]
[式中の各記号は前記と同意義を示す。]
で表される化合物であり;且つ
 式(II)で表される化合物が、式:
[0092]
[化20]


[0093]
[式中の各記号は前記と同意義を示す。]
で表される化合物である。
[0094]
 より好ましい実施態様では、
 式(I)で表される化合物が、式(I’)で表される化合物であり;且つ
 式(II)で表される化合物が、式(II’)で表される化合物である。
[0095]
 さらに好ましい実施態様では、
 式(I)で表される化合物が、1,4,5,6-テトラヒドロピリジン-3-カルボキサミドであり;且つ
 式(II)で表される化合物が、ピペリジン-3-カルボキサミドである。
[0096]
 式(I)および(II)で表される化合物は、塩であってもよい。
[0097]
 式(I)および(II)で表される化合物の塩としては、例えば、金属塩、アンモニウム塩、有機塩基との塩、無機酸との塩、有機酸との塩、塩基性又は酸性アミノ酸との塩などが挙げられる。
[0098]
 金属塩の好適な例としては、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩などのアルカリ土類金属塩;アルミニウム塩などが挙げられる。
[0099]
 有機塩基との塩の好適な例としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、2,6-ルチジン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N’-ジベンジルエチレンジアミンなどとの塩が挙げられる。
[0100]
 無機酸との塩の好適な例としては、フッ化水素酸、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、硫酸、亜硫酸、リン酸、亜リン酸、炭酸、重炭酸などとの塩が挙げられる。
[0101]
 有機酸との塩の好適な例としては、カルボン酸(即ち、1個以上のカルボキシ基を有する有機化合物;具体例としては、ギ酸、酢酸、安息香酸、トリフルオロ酢酸、フタル酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸など);スルホン酸(即ち、1個以上のスルホ基を有する有機化合物;具体例としては、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸など)との塩が挙げられる。
[0102]
 塩基性アミノ酸との塩の好適な例としては、アルギニン、リジン、オルニチンなどとの塩が挙げられ、酸性アミノ酸との塩の好適な例としては、アスパラギン酸、グルタミン酸などとの塩が挙げられる。
[0103]
 式(I)および(II)で表される化合物の塩は、好ましくは、有機酸との塩または無機酸との塩であり;より好ましくは、スルホン酸塩または硫酸との塩であり;さらに好ましくは、スルホン酸塩である。
[0104]
 スルホン酸塩とは、1個以上のスルホ基を有する有機化合物との塩を示し、好ましくは、
 式:
   R SO H     (VII)
[式中、R は、置換されていてもよい炭化水素基を示す。]
で表される化合物との塩である。
[0105]
 上記式(VII)中、R で表される「置換されていてもよい炭化水素基」における「炭化水素基」として好適なものは、C 1-6アルキル基、C 3-10シクロアルキル基、C 6-14アリール基、C 7-16アラルキル基等が挙げられ、中でもC 1-6アルキル基およびC 6-14アリール基が好ましく、C 6-14アリール基がより好ましい。
 上記式(VII)中、R は、好ましくは、置換されていてもよいC 6-14アリール基であり;より好ましくは、置換されていてもよいフェニル基であり;さらに好ましくは、C 1-6アルキル基で置換されていてもよいフェニル基であり;特に好ましくは、メチルで置換されていてもよいフェニル基である。
[0106]
 上記式(VII)で表される化合物は、具体的には、好ましくは、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸であり、より好ましくは、p-トルエンスルホン酸である。
[0107]
 式(I)で表される化合物またはその塩は、好ましくは、1,4,5,6-テトラヒドロピリジン-3-カルボキサミドのスルホン酸との塩である。また、式(II)で表される化合物の光学活性体またはその塩は、好ましくは、ピペリジン-3-カルボキサミドの光学活性体のスルホン酸との塩である。
[0108]
 式(I)で表される化合物またはその塩は、特に好ましくは、1,4,5,6-テトラヒドロピリジン-3-カルボキサミドパラトルエンスルホン酸塩である。また、式(II)で表される化合物の光学活性体またはその塩は、特に好ましくは、ピペリジン-3-カルボキサミドの光学活性体のパラトルエンスルホン酸塩である。
 式(I)および(II)で表される化合物は、それぞれ、溶媒和物(例、水和物、エタノール和物等)であっても、無溶媒和物(例、非水和物等)であってもよく、いずれも化合物(I)および(II)に包含される。
 同位元素等で標識された化合物も、式(I)および(II)で表される化合物に包含される。
  Hを H(D)に変換した重水素変換体も、式(I)および(II)で表される化合物に包含される。
[0109]
 以下に、式(I’)、式(II’)、式(III)、式(IV)、式(V)、式(XII)および式(XIII)中の各記号の定義および化合物について詳述する。
[0110]
 Rは、置換されていてもよい炭化水素基を示す。
[0111]
 Rで表される「置換されていてもよい炭化水素基」における「炭化水素基」として好適なものは、C 1-6アルキル基、C 3-10シクロアルキル基、C 6-14アリール基、C 7-16アラルキル基等が挙げられ、中でもC 1-6アルキル基およびC 6-14アリール基が好ましく、C 6-14アリール基がより好ましい。
[0112]
 Rは、好ましくは、置換されていてもよいC 6-14アリール基であり;より好ましくは、置換されていてもよいフェニル基であり;さらに好ましくは、C 1-6アルキル基で置換されていてもよいフェニル基である。
 Rは、特に好ましくは、メチルで置換されていてもよいフェニル基である。
[0113]
 式(XII)の好ましい実施態様では、式(XII)で表される化合物が、下記式:
[0114]
[化21]


[0115]
で表される化合物である。
 式(XIII)の好ましい実施態様では、式(XIII)で表される化合物が、下記式:
[0116]
[化22]


[0117]
で表される化合物である。
[0118]
 R 2’、R 3’およびR 4’は、独立して、水素原子、置換されていてもよい炭化水素基、または置換されていてもよい複素環基を示す。
[0119]
 R 2’、R 3’およびR 4’は、好ましくは水素原子である。
[0120]
 また、R 2’およびR 3’、あるいはR 3’およびR 4’は一緒になって隣接する原子とともに5ないし8員環を形成してもよい。
 R 2’およびR 3’、あるいはR 3’およびR 4’が形成する「5ないし8員環」の好適なものとしては、R およびR 、あるいはR およびR が形成する「5ないし8員環」の好適なものと同様のものが挙げられる。
[0121]
 R およびR は、独立して、置換されていてもよい炭化水素基、水素原子、または置換されていてもよい複素環基を示す。
[0122]
 R で表される「置換されていてもよい炭化水素基」における「炭化水素基」として好適なものは、C 6-14アリール基である。
[0123]
 R で表される「置換されていてもよい複素環基」における「複素環基」として好適なものは、環構成原子として炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1ないし4個のヘテロ原子を含有する芳香族複素環基である。
[0124]
 R で表される「置換されていてもよい炭化水素基」における「炭化水素基」および「置換されていてもよい複素環基」における「複素環基」は、それぞれ、置換可能な位置に1ないし5個(好ましくは1ないし3個)の置換基を有していてもよい。このような置換基としては、例えば、上記置換基群Aが挙げられる。該置換基は、ハロゲン原子が好ましく、フッ素原子がより好ましい。
[0125]
 R は、好ましくは、置換されていてもよいC 6-14アリール基であり;より好ましくは、置換されていてもよいフェニル基であり;さらに好ましくは、ハロゲン原子(例、フッ素原子)およびシアノ基から選ばれる1~3個の置換基で置換されていてもよいフェニル基である。
 R の好適な具体例としては、シアノ基で置換されたフェニル基、シアノ基およびフッ素原子で置換されたフェニル基が挙げられる。なかでも、シアノ基で置換されたフェニル基が好ましい。
[0126]
 R で表される「置換されていてもよい炭化水素基」における「炭化水素基」として好適なものは、C 1-6アルキル基が挙げられる。
 R は、好ましくは、水素原子またはC 1-6アルキル基であり;より好ましくは、C 1-6アルキル基であり;さらに好ましくは、メチル基である。
[0127]
 L は、脱離基を示す。
[0128]
 L で表される脱離基としては、例えば、ハロゲン原子;メタンスルホニルオキシ、エタンスルホニルオキシ、トリクロロメタンスルホニルオキシ、トリフルオロメタンスルホニルオキシなどのハロゲン化されていてもよいC 1-6アルキルスルホニルオキシ基;フェニルスルホニルオキシ、m-ニトロフェニルスルホニルオキシ、p-トルエンスルホニルオキシ、ナフチルスルホニルオキシなどの置換基を有していてもよいC 6-10アリールスルホニルオキシ基(例えば、C 1-6アルキル基、C 1-6アルコキシ基及びニトロ基から選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよいC 6-10アリールスルホニルオキシ基);トリクロロアセトキシ、トリフルオロアセトキシなどのアシルオキシ基などが挙げられる。
[0129]
 L で表される脱離基として好適なものは、ハロゲン原子であり、塩素原子が特に好ましい。
[0130]
 好ましい実施態様では、
 式(I’)で表される化合物が、1,4,5,6-テトラヒドロピリジン-3-カルボキサミドであり;
 式(II’)で表される化合物が、ピペリジン-3-カルボキサミドであり;
 式(IV)で表される化合物が、式:
[0131]
[化23]


[0132]
[式中の各記号は前記と同意義を示す。]
で表される化合物であり;
 式(V)で表される化合物が、式:
[0133]
[化24]


[0134]
[式中の各記号は前記と同意義を示す。]
で表される化合物である。
[0135]
 別の好ましい実施態様では、
 式(III)で表される化合物が、式:
[0136]
[化25]


[0137]
[式中、R Eは、水素原子、またはフッ素原子を;R およびL は前記と同意義を示す。]
で表される化合物であり;
 式(IV)で表される化合物が、式:
[0138]
[化26]


[0139]
[式中の各記号は前記と同意義を示す。]
で表される化合物であり;
 式(V)で表される化合物が、式:
[0140]
[化27]


[0141]
[式中の各記号は前記と同意義を示す。]
で表される化合物である。
[0142]
 より好ましい実施態様では、
 式(I’)で表される化合物が、1,4,5,6-テトラヒドロピリジン-3-カルボキサミドであり;
 式(II’)で表される化合物が、ピペリジン-3-カルボキサミドであり;
 式(III)で表される化合物が、式:
[0143]
[化28]


[0144]
[式中の各記号は前記と同意義を示す。]
で表される化合物であり;
 式(IV)で表される化合物が、式:
[0145]
[化29]


[0146]
[式中の各記号は前記と同意義を示す。]
で表される化合物であり;
 式(V)で表される化合物が、式:
[0147]
[化30]


[0148]
[式中の各記号は前記と同意義を示す。]
で表される化合物である。
 R Eは、特に好ましくは水素原子である。
[0149]
 式(I’)および(II’)で表される化合物は、塩であることが望ましい。
[0150]
 式(I’)および(II’)で表される化合物の塩としては、式(I)および(II)で表される化合物の塩と同様のものが挙げられ、該「塩」として好適なものは、式(I)および(II)で表される化合物の塩として好適なものと同様である。
[0151]
 式(I’)で表される化合物またはその塩は、好ましくは、1,4,5,6-テトラヒドロピリジン-3-カルボキサミドのスルホン酸との塩である。また、式(II’)で表される化合物の光学活性体またはその塩は、好ましくは、ピペリジン-3-カルボキサミドの光学活性体のスルホン酸との塩である。
[0152]
 式(I’)で表される化合物またはその塩は、特に好ましくは、1,4,5,6-テトラヒドロピリジン-3-カルボキサミドパラトルエンスルホン酸塩である。また、式(II’)で表される化合物の光学活性体またはその塩は、特に好ましくは、ピペリジン-3-カルボキサミドの光学活性体のパラトルエンスルホン酸塩である。
[0153]
 式(III)、(IV)および(V)で表される化合物の塩としては、式(I)および(II)で表される化合物の塩と同様のものが挙げられる。
 式(I’)、(II’)、(III)、(IV)および(V)で表される化合物は、それぞれ、溶媒和物(例、水和物、エタノール和物等)であっても、無溶媒和物(例、非水和物等)であってもよく、いずれも式(I’)、(II’)、(III)、(IV)および(V)で表される化合物に包含される。
 同位元素等で標識された化合物も、式(I’)、(II’)、(III)、(IV)および(V)で表される化合物に包含される。
  Hを H(D)に変換した重水素変換体も、式(I’)、(II’)、(III)、(IV)および(V)で表される化合物に包含される。
[0154]
 以下、ピペリジン-3-カルボキサミドもしくはその誘導体(式(II)で表される化合物)の光学活性体またはその塩の製造法(製造法(A))、並びにそれを用いた6-(3-アミノピペリジン-1-イル)-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロピリミジン誘導体(式(V)で表される化合物)の光学活性体またはその塩の製造法(製造法(B))について詳述する。
[0155]
[製造法(A)]
[0156]
 式(II)で表される化合物の光学活性体またはその塩は、下記の反応式に示す製造法(A)によって製造することができる。
[0157]
[化31]


[0158]
[式中の各記号は前記と同意義を示す。]
[0159]
 以下に製造法(A)に用いる試薬や条件について詳述する。
[0160]
 製造法(A)は、式(I)で表される化合物またはその塩を有機金属錯体の存在下で水素化反応に付すことにより、式(II)で表される化合物の光学活性体またはその塩を製造する方法である。
[0161]
 「有機金属錯体」としては、「遷移金属錯体(有機遷移金属錯体)」に加えて、ホウ素錯体、アルミニウム錯体、ガリウム錯体などの典型金属錯体が挙げられる。
[0162]
 「有機金属錯体」として好適なものは、「遷移金属錯体(有機遷移金属錯体)」である。
[0163]
 「遷移金属錯体」としては、「遷移金属」に「配位子」(好ましくは光学活性な「配位子」)を配位させた、不斉水素化反応の触媒能を有する化合物が挙げられる。光学活性な「配位子」としては、ホスフィン配位子、ジホスフィン配位子、アミン配位子、ジアミン配位子、ホスフィンアミン配位子等が挙げられる。「遷移金属」は、例えば、0~6価、好ましくは、0~4価であり、特に好ましくは、0~3価である。
[0164]
 「遷移金属錯体」として好ましくは、ロジウム錯体、ルテニウム錯体、イリジウム錯体、パラジウム錯体、ニッケル錯体、銅錯体、オスミウム錯体、白金錯体、鉄錯体、金錯体、銀錯体、亜鉛錯体、チタン錯体、コバルト錯体、ジルコニウム錯体、サマリウム錯体などであり;より好ましくは、ロジウム錯体、ルテニウム錯体、イリジウム錯体、パラジウム錯体、ニッケル錯体および銅錯体であり;さらに好ましくは、ロジウム錯体、ルテニウム錯体およびイリジウム錯体であり;特に好ましくはルテニウム錯体である。
[0165]
 「遷移金属錯体」のうち、ロジウム錯体、ルテニウム錯体、イリジウム錯体、パラジウム錯体、ニッケル錯体及び銅錯体の具体例を以下に示す(以下の遷移金属錯体の式中、Lはジホスフィン配位子、Arは置換基を有していてもよいベンゼン(置換基としてはC 1-6アルキル基が好ましい)、Cp はペンタメチルシクロペンタジエニル、Cpはシクロペンタジエニル、codは1,5-シクロオクタジエン、Tfはトリフルオロメタンスルホニル、nbdはノルボルナジエン、Phはフェニル、Acはアセチル、Etはエチル、dmfはN,N-ジメチルホルムアミド、2-methylallylはη -2-メチルアリル、enはエチレンジアミン、dpenは1,2-ジフェニルエチレンジアミン、daipenは1,1-ジ(4-アニシル)-2-イソプロピル-1,2-エチレンジアミン、nは1以上の整数を示す。1,2-ジフェニルエチレンジアミンおよび1,1-ジ(4-アニシル)-2-イソプロピル-1,2-エチレンジアミンは、(R)体、(S)体および(R)体と(S)体の混合物(両者の比率は限定しない)が含まれるが、光学活性体であるものが好ましい。)。
 ロジウム錯体:[RhCl(L)] 、[RhBr(L)] 、[RhI(L)] 、[RhCp (L)] 、[Rh(cod)(L)]OTf、[Rh(cod)(L)]BF 、[Rh(cod)(L)]ClO 、[Rh(cod)(L)]PF 、[Rh(cod)(L)]SbF 、[Rh(cod)(L)]BPh 、[Rh(cod)(L)]B{3,5-(CF 、[Rh(nbd)(L)]OTf、[Rh(nbd)(L)]BF 、[Rh(nbd)(L)]ClO 、[Rh(nbd)(L)]PF 、[Rh(nbd)(L)]SbF 、[Rh(nbd)(L)]BPh 、[Rh(nbd)(L)]B{3,5-(CF 、[Rh(L)(CH OH) ]OTf、[Rh(L)(CH OH) ]BF 、[Rh(L)(CH OH) ]ClO 、[Rh(L)(CH OH) ]PF 、[Rh(L)(CH OH) ]BPh
 ルテニウム錯体:[RuCl (L)] 、[RuBr (L)] 、[RuI (L)] 、[Ru(OAc) (L)]、[Ru(OCOCF (L)]、(NH Me )[{RuCl(L)} (μ-Cl) ]、(NH Et )[{RuCl(L)} (μ-Cl) ]、(NH Me )[{RuBr(L)} (μ-Br) ]、(NH Et )[{RuBr(L)} (μ-Br) ]、(NH Me )[{RuI(L)} (μ-I) ]、(NH Et )[{RuI(L)} (μ-I) ]、[Ru Cl (L) (NEt )]、[RuCl (L)(dmf) ]、[Ru(2-methylallyl) (L)]、[RuCl(Ar)(L)]Cl、[RuCl(Ar)(L)]Br、[RuCl(Ar)(L)]I、[RuCl(Ar)(L)]OTf、[RuCl(Ar)(L)]ClO 、[RuCl(Ar)(L)]PF 、[RuCl(Ar)(L)]BF 、[RuCl(Ar)(L)]BPh 、[RuBr(Ar)(L)]Cl、[RuBr(Ar)(L)]Br、[RuBr(Ar)(L)]I、[RuI(Ar)(L)]Cl、[RuI(Ar)(L)]Br、[RuI(Ar)(L)]I、[Ru(L)](OTf) 、[Ru(L)](BF 、[Ru(L)](ClO 、[Ru(L)](PF 、[Ru(L)](BPh 、[RuH(L) ]Cl、[RuH(L) ]OTf、[RuH(L) ]BF 、[RuH(L) ]ClO 、[RuH(L) ]PF 、[RuH(L) ]BPh 、[RuH(CH CN)(L)]Cl、[RuH(CH CN)(L)]OTf、[RuH(CH CN)(L)]BF 、[RuH(CH CN)(L)]ClO 、[RuH(CH CN)(L)]PF 、[RuH(CH CN)(L)]BPh 、[RuCl(L)]OTf、[RuCl(L)]BF 、[RuCl(L)]ClO 、[RuCl(L)]PF 、[RuCl(L)]BPh 、[RuBr(L)]OTf、[RuBr(L)]BF 、[RuBr(L)]ClO 、[RuBr(L)]PF 、[RuBr(L)]BPh 、[RuI(L)]OTf、[RuI(L)]BF 、[RuI(L)]ClO 、[RuI(L)]PF 、[RuI(L)]BPh 、[RuCl (L)(en)]、[RuCl (L)(dpen)]、[RuCl (L)(daipen)]、[RuH(η -BH )(L)(en)]、[RuH(η -BH )(L)(daipen)]、[RuH(η -BH )(L)(dpen)]
(前記の[RuCl (L)(en)]、[RuCl (L)(dpen)]および[RuCl (L)(daipen)]中のジアミン配位子であるen、dpenおよびdaipenに相当するジアミン配位子の例として、これらの他にも、1,2-シクロヘキサンジアミン、1,2-シクロヘプタンジアミン、2,3-ジメチルブタンジアミン、1-メチル-2,2-ジフェニル-1,2-エチレンジアミン、1-イソブチル-2,2-ジフェニル-1,2-エチレンジアミン、1-イソプロピル-2,2-ジフェニル-1,2-エチレンジアミン、1,1-ジ(4-アニシル)-2-メチル-1,2-エチレンジアミン、1,1-ジ(4-アニシル)-2-イソブチル-1,2-エチレンジアミン、1,1-ジ(4-アニシル)-2-ベンジル-1,2-エチレンジアミン、1-メチル-2,2-ジナフチル-1,2-エチレンジアミン、1-イソブチル-2,2-ジナフチル-1,2-エチレンジアミン、1-イソプロピル-2,2-ジナフチル-1,2-エチレンジアミン、プロパンジアミン、ブタンジアミン、フェニレンジアミンなどを用いることができる。);
 イリジウム錯体:[IrCl(L)] 、[IrBr(L)] 、[IrI(L)] 、[IrCp (L)] 、[Ir(cod)(L)]OTf、[Ir(cod)(L)]BF 、[Ir(cod)(L)]ClO 、[Ir(cod)(L)]PF 、[Ir(cod)(L)]SbF 、[Ir(cod)(L)]BPh 、[Ir(nbd)(L)]B{3,5-(CF 、[Ir(nbd)(L)]OTf、[Ir(nbd)(L)]BF 、[Ir(nbd)(L)]ClO 、[Ir(nbd)(L)]PF 、[Ir(nbd)(L)]SbF 、[Ir(nbd)(L)]BPh 、[Ir(nbd)(L)]B{3,5-(CF
 パラジウム錯体:[PdCl (L)]、[PdBr (L)]、[PdI (L)]、[Pd(π-allyl)(L)]Cl、[Pd(π-allyl)(L)]OTf、[Pd(π-allyl)(L)]BF 、[Pd(π-allyl)(L)]ClO 、[Pd(π-allyl)(L)]PF 、[Pd(π-allyl)(L)]BPh 、[Pd(L)](OTf) 、[Pd(L)](BF 、[Pd(L)](ClO 、[Pd(L)](PF 、[Pd(L)](BPh 、[Pd(L) ]、[Pd(L) ](OAc) 、[Pd(L)(H O) ](OTf) 、[Pd(L)(H O) ](BF 、[Pd(L)(H O) ](ClO 、Pd(L)(H O) ](PF 、[Pd(L)(H O) ](BPh 、[{Pd(L)} (μ-OH) ](OTf) 、[{Pd(L)} (μ-OH) ](BF 、[{Pd(L)} (μ-OH) ](ClO 、[{Pd(L)} (μ-OH) ](PF 、[{Pd(L)} (μ-OH) ](BPh
 ニッケル錯体:[NiCl (L)]、[NiBr (L)]、[NiI (L)]、[Ni(π-allyl)(L)]Cl、[Ni(cod)(L)]、[Ni(nbd)(L)];
 銅錯体:[CuCl(L)]、[CuBr(L)]、[CuI(L)]、[CuH(L)]、[Cu(η -BH )(L)]、[Cu(Cp)(L)]、[Cu(Cp )(L)]、[Cu(L)(CH CN) ]OTf、[Cu(L)(CH CN) ]BF 、[Cu(L)(CH CN) ]ClO 、[Cu(L)(CH CN) ]PF 、[Cu(L)(CH CN) ]BPh
[0166]
 上記Lで表されるジホスフィン配位子としては、例えば、2,2’-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1’-ビナフチル(以下、BINAPと略記することがある);
BINAPのナフチル環にC 1-6アルキル基やC 6-14アリール基等の置換基をもつBINAP誘導体、例えば、2,2’-ビス(ジフェニルホスフィノ)-6,6’-ジメチル-1,1’-ビナフチル;
BINAPのナフチル環が部分的に水素化されたBINAP誘導体、例えば、2,2’-ビス(ジフェニルホスフィノ)-5,6,7,8,5’,6’,7’,8’-オクタヒドロ-1,1’-ビナフチル(H8BINAP);
BINAPのリン原子上のベンゼン環にC 1-6アルキル基、ハロゲン原子、モノ又はジ-C 1-6アルキルアミノ基、C 1-6アルコキシ基、ピロリジニル基などの置換基を1ないし5個有するBINAP誘導体、例えば、2,2’-ビス[ビス(4-クロロフェニル)ホスフィノ)-1,1’-ビナフチル、2,2’-ビス(ジ-p-トリルホスフィノ)-1,1’-ビナフチル(tol-BINAP)、2,2’-ビス[ビス(3,5-ジメチルフェニル)ホスフィノ]-1,1’-ビナフチル(xyl-BINAP)、2,2’-ビス[ビス(3,5-ジエチルフェニル)ホスフィノ]-1,1’-ビナフチル、2,2’-ビス[ビス(3,5-ジイソプロピルフェニル)ホスフィノ]-1,1’-ビナフチル、2,2’-ビス[ビス(3,5-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスフィノ]-1,1’-ビナフチル、2,2’-ビス〔ビス(4-ジメチルアミノフェニル)ホスフィノ〕-1,1’-ビナフチル、2,2’-ビス〔ビス(4-ジメチルアミノ-3,5-ジメチルフェニル)ホスフィノ〕-1,1’-ビナフチル、2,2’-ビス〔ビス(4-ジメチルアミノ-3,5-ジエチルフェニル)ホスフィノ〕-1,1’-ビナフチル、2,2’-ビス〔ビス(4-ジメチルアミノ-3,5-ジイソプロピルフェニル)ホスフィノ〕-1,1’-ビナフチル、2,2’-ビス[ビス(4-ジエチルアミノフェニル)ホスフィノ]-1,1’-ビナフチル、2,2’-ビス[ビス[4-(ピロリジン-1-イル)フェニル]ホスフィノ]-1,1’-ビナフチル、2,2’-ビス(ジ-p-メトキシフェニルホスフィノ)-1,1’-ビナフチル、2,2’-ビス[ビス(3,5-ジメチル-4-メトキシフェニル)ホスフィノ]-1,1’-ビナフチル、2,2’-ビス[ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-メトキシフェニル)ホスフィノ]-1,1’-ビナフチル(DTBM-BINAP);
2,2’-ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)-6,6’-ジメチル-1,1’-ビフェニル(BICHEP),2,2’-ビス(ジフェニルホスフィノ)-6,6’-ジメトキシビフェニル(MeO-BIPHEP),2,3-ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン(CHIRAPHOS)、1-シクロヘキシル-1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン(CYCPHOS)、1,2-ビス[(2-メトキシフェニル)フェニルホスフィノ]エタン(DIPAMP)、1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン(PROPHOS)、2,4-ビス(ジフェニルホスフィノ)ペンタン(SKEWPHOS)、SKEWPHOSのリン原子上のベンゼン環にC 1-6アルキル基などの置換基を1ないし5個有するSKEWPHOS誘導体、1-[1’,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセニル]エチレンジアミン(BPPFA)、1-置換-3,4-ビス(ジフェニルホスフィノ)ピロリジン(DEGPHOS)、2,3-O-イソプロピリデン-2,3-ジヒドロキシ-1,4-ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン(DIOP)、置換-1,2-ビスホスホラノベンゼン(DuPHOS)、置換-1,2-ビスホスホラノエタン(BPE)、5,6-ビス(ジフェニルホスフィノ)-2-ノルボルネン(NORPHOS)、N,N’-ビス(ジフェニルホスフィノ)-N,N’-ビス(1-フェニルエチル)エチレンジアミン(PNNP)、2,2’-ジフェニルホスフィノ-1,1’-ビシクロペンチル(BICP)、4,12-ビス(ジフェニルホスフィノ)-[2,2]-パラシクロファン(PhanePHOS)、N-置換-N-ジフェニルホスフィノ-1-[2-(ジフェニルホスフィノ)フェロセニル]エチルアミン(BoPhoz)、1-[2-(2置換ホスフィノ)フェロセニル]エチル-2置換ホスフィン(Josiphos)、1-[2-(2’-2置換ホスフィノフェニル)フェロセニル]エチル-2置換ホスフィン(Walphos)、2,2’-ビス(α-N,N-ジメチルアミノフェニルメチル)-1,1’-ビス(2置換ホスフィノ)フェロセン(Mandyphos)、2置換ホスフィノ-2-[α-(N,N-ジメチルアミノ)-o-2置換ホスフィノフェニル-メチル]フェロセン(Taniaphos)、1,1-ビス(2置換-ホスホタノ)フェロセン(FerroTANE)、7,7’-ビス(ジフェニルホスフィノ)-3,3’,4,4’-テトラヒドロ-4,4’-ジメチル-8,8’-ビ(2H-1,4-ベンゾオキサジン)(Solphos)などが挙げられる。
[0167]
 上記Lで示されたジホスフィン配位子は光学活性体であることが好ましい。
 「遷移金属錯体」に用いる「配位子」として光学活性な配位子を使用する。
[0168]
 「遷移金属錯体」は、配位子及び遷移金属源となる他の錯体から、公知の手段(ロジウム錯体の製造;ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティー(J.Am.Chem.Soc.)、第94巻、6429頁、1972年、オーガニック・シンセシス(Org.Synth.)、第67巻、33頁、1989年:ルテニウム錯体の製造;ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(J.Org.Chem.)、第57巻、4053頁、1992年、テトラへドロン・アシンメトリー(Tetrahedron Asym.)、第2巻、43頁、1991年、ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(J.Org.Chem.)、第59巻、3064頁、1994年、アンゲバンテ・へミー・インターナショナル・エディション(Angew.Chem.Int.Ed.)、第37巻、1703頁、1998年:イリジウム錯体の製造;ジャーナル・オブ・オルガノメタリック・ケミストリー(J.Organomet.Chem.)、第428巻、213頁、1992年:パラジウム錯体の製造;オルガノメタリックス(Organometallics)、第12巻、4188頁、1993年、ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティー(J.Am.Chem.Soc.)、第121巻、5450頁、1999年:ニッケル錯体の製造;日本化学会編(丸善)「第5版実験化学講座」第21巻、有機遷移金属化合物、超分子錯体、293-294頁(2004年):銅錯体の製造;日本化学会編(丸善)「第5版実験化学講座」第21巻、有機遷移金属化合物、超分子錯体、357頁(2004年)、ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(J.Org.Chem.)、第63巻、6090頁、1998年)により製造した後、公知の手段(例、濃縮、溶媒抽出、分留、結晶化、再結晶、クロマトグラフィー)により単離または精製したものを用いることができる。
 Lで表される「ジホスフィン配位子」のうち、SKEWPHOSのリン原子上の1個のベンゼン環にC 1-6アルキル基などの置換基を1ないし5個有するSKEWPHOS誘導体は、特許文献WO2013/146987に記載する方法で合成することができる。
[0169]
 「遷移金属錯体」は、反応系に、「配位子」および遷移金属源となる他の錯体を添加することにより調製することもできる。「遷移金属錯体」は、それ自体を反応容器に加えてもよいが、前記「遷移金属」および「配位子」を容器に添加して調製してもよい。「遷移金属」および「配位子」を容器に添加して「遷移金属錯体」を調製する場合には、「「遷移金属錯体」を構成するのに必要な理論量に対して1~100倍のモル比の「配位子」を添加する。好ましくは1~5倍、さらに好ましくは1.01~2.02倍用いる。
 例えば、Lで表される「ジホスフィン配位子」のうち、SKEWPHOSのリン原子上の1個のベンゼン環にC 1-6アルキル基などの置換基を1ないし5個有するSKEWPHOS誘導体のロジウム錯体は、特許文献WO2013/146987に記載する方法で合成することができる。
[0170]
 さらに、「遷移金属錯体」は、「ルテニウム錯体」の中でも、[Ru(OAc) (L)]または[Ru(OCOCF (L)]で例示される、
 式:
    [Ru(OCOR ]     (VIII)
[式中、R は、置換されていてもよいC 1-3アルキル基を;L はジホスフィン配位子を示す。]
で表されるルテニウム錯体が好ましい。
 R で表される「置換されていてもよいC 1-3アルキル基」における「C 1-3アルキル基」として好適なものは、メチル、エチル、イソプロピルであり、特に好ましくは、メチルである。
 R で表される「置換されていてもよいC 1-3アルキル基」における「C 1-3アルキル基」は、それぞれ、置換可能な位置に1ないし5個(好ましくは1ないし3個)の置換基を有していてもよい。このような置換基としては、例えば、上記置換基群Aが挙げられる。該置換基は、ハロゲン原子が好ましく、フッ素原子がより好ましい。置換基が複数存在する場合、各置換基は、同一でも異なっていてもよい。
 R で表される「置換されていてもよいC 1-3アルキル基」は、好ましくは、メチルまたはトリフルオロメチルであリ、より好ましくはトリフルオロメチルである。
 L で表されるジホスフィン配位子としては、例えば、Lで例示したものと同様のものが挙げられ;中でも好ましくは、2,2’-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1’-ビナフチル(以下、BINAPと略記することがある);BINAPのナフチル環にC 1-6アルキル基やC 6-14アリール基等の置換基をもつBINAP誘導体、例えば、2,2’-ビス(ジフェニルホスフィノ)-6,6’-ジメチル-1,1’-ビナフチル;BINAPのナフチル環が部分的に水素化されたBINAP誘導体、例えば、2,2’-ビス(ジフェニルホスフィノ)-5,6,7,8,5’,6’,7’,8’-オクタヒドロ-1,1’-ビナフチル(H8BINAP);BINAPのリン原子上の1個のベンゼン環にC 1-6アルキル基などの置換基を1ないし5個有するBINAP誘導体、例えば、2,2’-ビス(ジ-p-トリルホスフィノ)-1,1’-ビナフチル(tol-BINAP)、2,2’-ビス[ビス(3,5-ジメチルフェニル)ホスフィノ]-1,1’-ビナフチル(xyl-BINAP)、2,2’-ビス[ビス(3,5-ジエチルフェニル)ホスフィノ]-1,1’-ビナフチル、2,2’-ビス[ビス(3,5-ジイソプロピルフェニル)ホスフィノ]-1,1’-ビナフチル、2,2’-ビス[ビス(3,5-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスフィノ]-1,1’-ビナフチル、2,2’-ビス〔ビス(4-ジメチルアミノフェニル)ホスフィノ〕-1,1’-ビナフチル、2,2’-ビス〔ビス(4-ジメチルアミノ-3,5-ジメチルフェニル)ホスフィノ〕-1,1’-ビナフチル、2,2’-ビス〔ビス(4-ジメチルアミノ-3,5-ジエチルフェニル)ホスフィノ〕-1,1’-ビナフチル、2,2’-ビス〔ビス(4-ジメチルアミノ-3,5-ジイソプロピルフェニル)ホスフィノ〕-1,1’-ビナフチル、2,2’-ビス[ビス(4-ジエチルアミノフェニル)ホスフィノ]-1,1’-ビナフチルおよび2,2’-ビス[ビス[4-(ピロリジン-1-イル)フェニル]ホスフィノ]-1,1’-ビナフチル、2,2’-ビス(ジ-p-メトキシフェニルホスフィノ)-1,1’-ビナフチル、2,2’-ビス[ビス(3,5-ジメチル-4-メトキシフェニル)ホスフィノ]-1,1’-ビナフチル、2,2’-ビス[ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-メトキシフェニル)ホスフィノ]-1,1’-ビナフチル(DTBM-BINAP)、4,12-ビス(ジフェニルホスフィノ)-[2,2]-パラシクロファン(PhanePHOS)、2,2’-ビス(α-N,N-ジメチルアミノフェニルメチル)-1,1’-ビス(2置換ホスフィノ)フェロセン(Mandyphos)であり;
より好ましくは、2,2’-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1’-ビナフチル、2,2’-ビス[ビス(4-クロロフェニル)ホスフィノ)-1,1’-ビナフチル、2,2’-ビス(α-N,N-ジメチルアミノフェニルメチル)-1,1’-ビス(2置換ホスフィノ)フェロセン(Mandyphos)であり;
さらに好ましくは、2,2’-ビス[ビス(4-クロロフェニル)ホスフィノ)-1,1’-ビナフチル、2,2’-ビス(α-N,N-ジメチルアミノフェニルメチル)-1,1’-ビス(2置換ホスフィノ)フェロセン(Mandyphos)である。
[0171]
 式(VIII)で表されるルテニウム錯体は、好ましくは、
 式:
    [Ru(OCOR ’) ’]     (VIII’)
[式中、R ’は、トリフルオロメチル基を;L ’は、ジホスフィン配位子の光学活性体であり、
(1)式:
[0172]
[化32]


[0173]
または、
式:
[0174]
[化33]


[0175]
で表される化合物もしくはこれらの混合物からなる光学活性体、および
(2)式:
[0176]
[化34]


[0177]
[式中、*が付された結合は、不斉軸を示す。]
で表される化合物の光学活性体から選ばれる。]
で表されるルテニウム錯体である。
なお、前記した混合物からなる光学活性体とは、L ’が式(IX- a)で表される化合物の光学活性体であるルテニウム錯体(VIII’)とL ’が式(IX-b)で表される化合物の光学活性体であるルテニウム錯体(VIII’)との混合物(但し、1モル:1モルの混合物は除く)をルテニウム錯体として用いる態様を意味する。
[0178]
 式(VIII)または(VIII’)で表されるルテニウム錯体は、例えば、特開昭62-265293およびテトラへドロン・レターズ(Tetrahedron Lettes)、39巻、4441頁、1998年などに記載されている方法を参照することにより合成することができる。
 これらルテニウム錯体は、製造法(A)などの各種水素化反応において、反応選択性の高い触媒として有用である。
 ルテニウム錯体の好適な具体例としては、以下の錯体が挙げられる。[Ru(OCOCF 3) 2{(S)-p-Cl-binap}]、[Ru(OCOCF 3) 2{(S)-(R)-mandyphos}]、[RuCl 2(S)-binap]、[Ru(OCOCF 3) 2{(S)-binap}]、[Ru(OCOCF 3) 2{(S)-phanephos}]。好ましくは、[Ru(OCOCF 3) 2{(S)-binap}]および[Ru(OCOCF 3) 2{(S)-(R)-mandyphos}]である。
[0179]
 「遷移金属錯体」の使用量は、反応容器、反応の形式などによっても異なるが、基質である式(I)で表される化合物またはその塩1モルに対して、例えば、約1.0~約0.00001モルである。
[0180]
 製造法(A)における「水素化反応」には、水素ガス、金属水素化物、イソプロパノール、ギ酸、ベンゾチアゾリン、ハンチュ(Hantzsch)エステルなどをヒドリド供与体として用いることができ、中でも、水素ガスを用いることが好ましい。
[0181]
 水素ガスを用いる場合は、バッチ式又は連続式のいずれの反応によっても実施することができる。また、該水素化を水素ガスの存在下で行う場合には、水素圧は、例えば、0.001~200気圧、好ましくは0.1~15気圧である。
[0182]
 製造法(A)における「水素化反応」には、必要に応じて、塩基、酸、塩などの添加剤を加えて実施してもよい。また、添加剤は2種以上を混合して用いても良い。添加剤は「水素化反応」を開始する前に反応容器に添加してもよいが、「水素化反応」の途中で添加してもよい。
[0183]
 製造法(A)における「水素化反応」に添加してもよい塩基としては、無機塩基または有機塩基を使用することができる。
 無機塩基としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化セシウムなどの水酸化アルカリ金属;リチウムメトキシド、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、リチウムエトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド、リチウムプロポキシド、ナトリウムプロポキシド、カリウムプロポキシド、リチウムイソプロポキシド、ナトリウムイソプロポキシド、カリウムイソプロポキシド、カリウムtert-ブトキシドなどの炭素数1ないし6のアルカリ金属アルコキシド;ナトリウムチオメトキシドなどの炭素数1ないし6のアルカリ金属チオアルコキシド;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等の炭酸塩;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の炭酸水素塩;酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等の酢酸塩;リン酸三カリウム、リン酸ナトリウム等のリン酸塩;リン酸一水素カリウム、リン酸一水素ナトリウム等のリン酸一水素塩が挙げられる。
[0184]
 有機塩基としては、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、N-メチルモルホリン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、ジエチルアミン、ジイソプロピルアミン、シクロヘキシルアミン、エチレンジアミン等の脂肪族アミン;ピリジン、ピコリン、N,N-ジメチルアニリン等の芳香族アミン類、およびアルギニン、リジン、オルニチン等の塩基性アミノ酸が挙げられる。
 塩基の使用量は、溶媒の種類、その他の反応条件により異なるが、通常、基質である式(I)で表される化合物またはその塩1モルに対して、約0.01モル以上であり、溶媒として用いることもできる。
[0185]
 製造法(A)における「水素化反応」に添加してもよい酸としては、例えば、鉱酸(具体的には、フッ化水素酸、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、硫酸、亜硫酸、リン酸、亜リン酸、炭酸、重炭酸など);カルボン酸(即ち、1個以上のカルボキシ基を有する化合物;具体的には、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、安息香酸、フタル酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸など);酸性アミノ酸(具体的には、アスパラギン酸、グルタミン酸など);スルホン酸(即ち、1個以上のスルホ基を有する化合物;具体的には、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸など)が挙げられ、必要に応じて2種以上を混合して用いても良い。製造法(A)における「水素化反応」に使用してもよい酸として好ましくは、スルホン酸および硫酸であり;より好ましくは、スルホン酸である。
 スルホン酸とは、1個以上のスルホ基を有する化合物を示し、中でも好ましくは、上記式(VII)で表されるスルホン酸であり;より好ましくは、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸であり;特に好ましくはp-トルエンスルホン酸である。
 酸の使用量は、溶媒の種類、その他の反応条件により異なるが、通常、基質である式(I)で表される化合物またはその塩1モルに対して、約0.01モル以上であり、溶媒として用いることもできる。好ましくは0.05~1.5モルである。
 製造法(A)における「水素化反応」に添加してもよい塩としては、上記の「無機塩基」で例示した塩に加え、例えば、「水素化反応」に用いることのできる上記の「酸」を酸成分とする塩が挙げられ、中でもハロゲン陰イオンを有する塩が好ましく、例えば、ハロゲン化アルカリ金属および
式:
[0186]
[化35]


[0187]
[式中、R 、R 、R 、R は、独立して、水素原子、または置換されていてもよい炭化水素基を;Xはハロゲン原子を示す。]
で表される化合物などが挙げられる。
[0188]
 R 、R 、R 、およびR で表される「置換されていてもよい炭化水素基」における「炭化水素基」として好適なものは、C 1-6アルキル基、C 3-10シクロアルキル基、C 6-14アリール基、C 7-16アラルキル基等が挙げられる。R 、R 、R 、およびR で表される「置換されていてもよい炭化水素基」における「炭化水素基」として特に好ましくは、n-ブチルである。
[0189]
 製造法(A)における「水素化反応」に添加してもよい「塩」として例示した「ハロゲン化アルカリ金属」とは、ハロゲン原子(例、塩素、臭素、ヨウ素)の陰イオンと、アルカリ金属(例、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム)の陽イオンからなる塩を示し、中でも好ましくは、臭化リチウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウムであり;より好ましくは、臭化リチウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウムであり;特に好ましくは、臭化カリウムである。「ハロゲン化アルカリ金属」は水和物であってもよい。
[0190]
 上記式(VI)で表される化合物として好適なものは、テトラブチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムヨージド、ノルマルブチルアンモニウムクロライドである。
[0191]
 該化合物(ハロゲン陰イオンを有する塩)の使用量は、溶媒の種類、その他の反応条件により異なるが、通常、有機金属錯体に対して、1~100当量であり、好ましくは2~20当量である。
[0192]
 製造法(A)における「水素化反応」に添加してもよい「塩」として好ましくは、ハロゲン化アルカリ金属であり;特に好ましくは、臭化カリウムである。
[0193]
 製造法(A)における「水素化反応」は、通常溶媒中で行われる。このような溶媒は、反応を阻害することなく、原料化合物、有機金属錯体及び添加物を可溶化するものであれば特に制限されないが、例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、tert-ブチルメチルエーテル、ジフェニルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、メチルテトラヒドロフラン、1,2-ジメトキシエタン、1,1-ジエトキシプロパン、1,1-ジメトキシメタン、2,2-ジメトキシプロパン、アニソールなどのエーテル類;メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、2-ブタノール、tert-ブタノール、3-メチル-1-ブタノール、2-メチル-1-プロパノール、1-ペンタノール、ベンジルアルコール、2-メトキシエタノール、2-エトキシエタノール、エチレングリコールなどのアルコール類;ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン、クロロベンゼンなどの芳香族炭化水素類;ヘキサン、ヘプタン、ペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、イソオクタン、石油エーテルなどの飽和炭化水素類;N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、ホルムアミド、ヘキサメチルホスホルアミド、N-メチルピロリドン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノンなどのアミド類;クロロホルム、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2-ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類;アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類;ジメチルスルホン、スルホランなどのスルホン類;アセトン、エチルメチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルブチルケトンなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸n-プロピル、酢酸n-ブチル、酢酸イソブチル、酢酸メチル、ギ酸エチルなどのエステル類;ニトロメタン;水などが用いられる。これらの溶媒は、適宜の割合で混合して用いてもよい。製造法(A)における「水素化反応」で使用する溶媒として好適なものは、アルコール類であり、メタノール、エタノール、イソプロパノールが好ましく、イソプロパノールが特に好ましい。
[0194]
 該溶媒の使用量は、基質である式(I)で表される化合物またはその塩の溶解度などにより適宜決定される。例えば、溶媒としてアルコール類(好ましくはイソプロパノール)を用いる場合、無溶媒に近い状態から、基質である式(I)で表される化合物またはその塩の100重量倍以上の溶媒中で反応を行うことができるが、通常基質である式(I)で表される化合物またはその塩に対して約2~約100重量倍の溶媒を用いることが好ましい。
[0195]
 製造法(A)の「水素化反応」において、反応温度は、通常-30~160℃、好ましくは0~120℃、より好ましくは10~80℃である。反応時間は、通常0.1~120時間、好ましくは1~72時間である。
[0196]
 「水素化反応」によって得られる式(II)で表される化合物の光学活性体またはその塩は、公知の手段(例、分別再結晶法、キラルカラム法、ジアステレオマー塩法)により、精製してもよい。光学純度の高い式(II)で表される化合物の光学活性体またはその塩を得るために、分別再結晶法またはジアステレオマー塩法で精製することが好ましく、式(II)で表される化合物の光学活性体またはその塩がピペリジン-3-カルボキサミドの光学活性体のパラトルエンスルホン酸塩の場合は、これをそのまま分別再結晶法で精製するのが特に好ましい。
[0197]
 式(I)で表される化合物については、例えばジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(J.Org.Chem.)、第31巻、2487頁、1966年およびジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(J.Org.Chem.)、第33巻、747頁、1968年に記載する方法で合成することができる。
[0198]
 製造法(A)は、さらに別の反応と組み合わせて、より複雑な化合物の光学活性体またはその塩の製造に用いることができる。
 以下に、製造法(A)を用いた式(V)で表される化合物の光学活性体またはその塩の製造法を説明する。
[0199]
[製造法(B)]
 式(V)で表される化合物の光学活性体またはその塩は、下記の反応式に示す製造法(B)によって製造することができる。
[0200]
[化36]


[0201]
[式中の各記号は前記と同意義を示す。]
[0202]
 以下に製造法(B)に用いる試薬や条件について工程ごとに詳述する。
[0203]
[工程B-1]
 工程B-1は、下記の反応式に示すように式(I’)で表される化合物またはその塩を不斉水素化反応に付することにより、式(II’)で表される化合物の光学活性体またはその塩を製造する工程である。
[0204]
[化37]


[0205]
[式中の各記号は前記と同意義を示す。]
[0206]
 工程B-1の不斉水素化反応は、式(I)で表される化合物の代わりに式(I’)で表される化合物を用いた点、それにより、生成物が式(II)で表される化合物の光学活性体から、式(II’)で表される化合物の光学活性体に変わった点以外は、製造法(A)と同様である。
[0207]
 式(I’)で表される化合物は、例えばジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(J.Org.Chem.)、第31巻、2487頁、1966年およびジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(J.Org.Chem.)、第33巻、747頁、1968年に記載する方法で合成することができる。
[0208]
[工程B-2]
 工程B-2は、下記の反応式に示すように工程B-1で得られた式(II’)で表される化合物の光学活性体またはその塩と式(III)で表される化合物またはその塩を縮合反応に付することにより、式(IV)で表される化合物の光学活性体またはその塩を製造する工程である。
[0209]
[化38]


[0210]
[式中の各記号は前記と同意義を示す。]
[0211]
 式(III)で表される化合物については、例えば国際公開WO2007-035629号パンフレットに記載する方法で合成することができる。
[0212]
 式(III)で表される化合物またはその塩の使用量は、溶媒の種類、その他の反応条件により異なるが、式(II’)で表される化合物の光学活性体またはその塩1モルに対して、通常、0.01~100モルであり、好ましくは、0.1~10モルであり、より好ましくは、0.9~1.1モルである。
[0213]
 工程B-2の反応は、通常、溶媒中で行われ、反応促進のため便宜の塩基を添加しても良い。該溶媒としては、反応を阻害することなく、原料化合物、有機金属錯体及び添加物を可溶化するものであれば特に制限されないが、例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、tert-ブチルメチルエーテル、ジフェニルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、メチルテトラヒドロフラン、1,2-ジメトキシエタン、1,1-ジエトキシプロパン、1,1-ジメトキシメタン、2,2-ジメトキシプロパン、アニソールなどのエーテル類;メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、2-ブタノール、tert-ブタノール、3-メチル-1-ブタノール、2-メチル-1-プロパノール、1-ペンタノール、ベンジルアルコール、2-メトキシエタノール、2-エトキシエタノール、エチレングリコールなどのアルコール類;ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン、クロロベンゼンなどの芳香族炭化水素類;ヘキサン、ヘプタン、ペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、イソオクタン、石油エーテルなどの飽和炭化水素類;N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、ホルムアミド、ヘキサメチルホスホルアミド、N-メチルピロリドン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノンなどのアミド類;クロロホルム、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2-ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類;アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類;ジメチルスルホン、スルホランなどのスルホン類;アセトン、エチルメチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルブチルケトンなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸n-プロピル、酢酸n-ブチル、酢酸イソブチル、酢酸メチル、ギ酸エチルなどのエステル類;ニトロメタン;水などが用いられる。これらの溶媒は、適宜の割合で混合して用いてもよい。工程B-2で用いる溶媒として好適なものは、アルコール類であり、イソプロパノールが特に好ましい。イソプロパノールを溶媒として用いる場合には、水との混合溶媒として用いるのが好ましく、体積比率でイソプロパノール:水=9:0.01~1:9の混合比が好ましい。
[0214]
 該溶媒の使用量は、式(II’)で表される化合物の光学活性体またはその塩の溶解度などにより適宜決定される。例えば、溶媒としてアルコール(好ましくはイソプロパノール)を用いる場合、無溶媒に近い状態から、基質である式(II’)で表される化合物の光学活性体またはその塩の100重量倍以上の溶媒中で反応を行うことができるが、通常基質である式(II’)で表される化合物の光学活性体またはその塩に対して約2~約100重量倍の溶媒を用いることが好ましい。
[0215]
 工程B-2で用いてもよい塩基としては、無機塩基または有機塩基が挙げられる。
 無機塩基としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化セシウムなどの水酸化アルカリ金属;リチウムメトキシド、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、リチウムエトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド、リチウムプロポキシド、ナトリウムプロポキシド、カリウムプロポキシド、リチウムイソプロポキシド、ナトリウムイソプロポキシド、カリウムイソプロポキシド、カリウムtert-ブトキシドなどの炭素数1ないし6のアルカリ金属アルコキシド;ナトリウムチオメトキシドなどの炭素数1ないし6のアルカリ金属チオアルコキシド;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等の炭酸塩;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の炭酸水素塩;酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等の酢酸塩;リン酸三カリウム、リン酸ナトリウム等のリン酸塩;リン酸一水素カリウム、リン酸一水素ナトリウム等のリン酸一水素塩が挙げられる。
[0216]
 有機塩基としては、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、N-メチルモルホリン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、ジエチルアミン、ジイソプロピルアミン、シクロヘキシルアミン、エチレンジアミン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン等の脂肪族アミン;ピリジン、ピコリン、N,N-ジメチルアニリン等の芳香族アミン類、およびアルギニン、リジン、オルニチン等の塩基性アミノ酸が挙げられる。
 工程B-2で用いてもよい塩基としては、炭酸カリウムが特に好ましい。
[0217]
 塩基の使用量は、溶媒の種類、その他の反応条件により異なるが、通常、式(II’)で表される化合物の光学活性体またはその塩1モルに対して、約0.01モル以上であり、溶媒として用いることもできる。塩基の使用量として好ましくは、式(II’)で表される化合物の光学活性体またはその塩1モルに対して0.5~10モルであり、より好ましくは1~5モルである。
[0218]
 反応温度は、通常-30℃~160℃、好ましくは0~120℃、より好ましくは30~90℃である。反応時間は、通常0.1~120時間、好ましくは1~72時間である。
[0219]
 工程B-2で得られる式(IV)で表される化合物の光学活性体またはその塩は、公知の手段(例、分別再結晶法、キラルカラム法、ジアステレオマー塩法)により、精製してもよい。
[0220]
[工程B-3]
 工程B-3は、下記の反応式に示すように化合物(IV)で表される化合物の光学活性体またはその塩を転位反応に付することにより、化合物(V)で表される化合物の光学活性体またはその塩を製造する工程である。
[0221]
[化39]


[0222]
[式中の各記号は前記と同意義を示す。]
[0223]
 工程B-3の転位反応は、好ましくは酸化剤を用いて行われる。該「酸化剤」としては、例えば、次亜塩素酸カリウム、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸tert-ブチル、次亜臭素酸カリウム、次亜臭素酸ナトリウム、次亜ヨウ素酸カリウム、次亜ヨウ素酸ナトリウムなどの次亜ハロゲン酸塩;四酢酸鉛;臭素、ヨウ素などのハロゲン;N-ブロモスクシンイミド、N-ヨードスクシンイミドなどのハロゲン化イミド反応剤;ヨードベンゼンジアセタート、[ビス(トリフルオロアセトキシ)ヨード]ベンゼン、ヨードトルエンジアセタート、[ビス(トリフルオロアセトキシ)ヨード]トルエンなどの超原子価ヨウ素反応剤などが用いられる。工程B-3の転位反応に用いる酸化剤として好適なものは、超原子価ヨウ素反応剤であり、より好ましくはヨードベンゼンジアセタートである。
 酸化剤の使用量は、溶媒の種類、その他の反応条件により異なるが、式(IV)で表される化合物の光学活性体またはその塩1モルに対して、通常、0.01~100モルであり、好ましくは、0.1~10モルであり、より好ましくは、0.9~2モルである。
[0224]
 工程B-3の転位反応には、塩基、酸、塩などの添加剤を加えて実施してもよい。添加剤は必要に応じて2種以上を混合して用いても良い。添加剤は転位反応を開始する前に反応容器に添加してもよいが、転位反応の途中で添加してもよい。
[0225]
 工程B-3の転位反応に添加してもよい塩基としては、無機塩基または有機塩基が挙げられる。
[0226]
 無機塩基としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化セシウムなどの水酸化アルカリ金属;リチウムメトキシド、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、リチウムエトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド、リチウムプロポキシド、ナトリウムプロポキシド、カリウムプロポキシド、リチウムイソプロポキシド、ナトリウムイソプロポキシド、カリウムイソプロポキシド、カリウムtert-ブトキシドなどの炭素数1ないし6のアルカリ金属アルコキシド;ナトリウムチオメトキシドなどの炭素数1ないし6のアルカリ金属チオアルコキシド;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等の炭酸塩;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の炭酸水素塩;酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等の酢酸塩;リン酸三カリウム、リン酸ナトリウム等のリン酸塩;リン酸一水素カリウム、リン酸一水素ナトリウム等のリン酸一水素塩が挙げられる。
[0227]
 有機塩基としては、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、N-メチルモルホリン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、ジエチルアミン、ジイソプロピルアミン、シクロヘキシルアミン、エチレンジアミン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン等の脂肪族アミン;ピリジン、ピコリン、N,N-ジメチルアニリン等の芳香族アミン類、およびアルギニン、リジン、オルニチン等の塩基性アミノ酸が挙げられる。
 塩基の使用量は、溶媒の種類、その他の反応条件により異なるが、通常、基質である式(IV)で表される化合物の光学活性体またはその塩1モルに対して、約0.001モル以上であり、好ましくは、0.001~10モルであり、より好ましくは0.01~2モルであり、溶媒として用いることもできる。
[0228]
 工程B-3の転位反応に添加してもよい酸としては、例えば、フッ化水素酸、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、硫酸、亜硫酸などの鉱酸;リン酸、亜リン酸、炭酸、重炭酸;ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フタル酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸などのカルボン酸;アスパラギン酸、グルタミン酸などの酸性アミノ酸;メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸などのスルホン酸が挙げられ、必要に応じて2種以上を混合して用いても良い。
 酸の使用量は、溶媒の種類、その他の反応条件により異なるが、式(IV)で表される化合物の光学活性体またはその塩1モルに対して、通常、0.001モル以上であり、好ましくは、0.001~10モルであり、より好ましくは0.01~2モルであり、溶媒として用いることもできる。
 工程B-3の転位反応に添加してもよい塩としては、上記の「無機塩基」で例示した塩の他に、例えば、本転位反応に用いることのできる上記の「酸」を酸成分とする塩が挙げられ、中でもハロゲン陰イオンを有する塩が好ましい。ハロゲン陰イオンを有する塩としては、例えば、上記で示したようなハロゲン化アルカリ金属、上記式(VI)で表されるアンモニウム塩などが挙げられる。
[0229]
 塩の使用量は、溶媒の種類、その他の反応条件により異なるが、通常、式(IV)で表される化合物の光学活性体またはその塩1モルに対して、約0.001モル以上であり、好ましくは、0.001~10モルであり、より好ましくは0.01~2モルであり、溶媒として用いることもできる。
[0230]
 工程B-3の転位反応に添加してもよい添加剤は、塩基であることが好ましく、中でもより好ましくは、水酸化ナトリウム、ピリジン、トリエチルアミン、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、塩化アンモニウムであり、特に好ましくは、ピリジンである。
[0231]
 工程B-3の反応は、通常、溶媒中で行われる。該溶媒としては、反応を阻害することなく、原料化合物、有機金属錯体及び添加物を可溶化するものであれば特に制限されないが、例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、tert-ブチルメチルエーテル、ジフェニルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、メチルテトラヒドロフラン、1,2-ジメトキシエタン、1,1-ジエトキシプロパン、1,1-ジメトキシメタン、2,2-ジメトキシプロパン、アニソールなどのエーテル類;メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、2-ブタノール、tert-ブタノール、3-メチル-1-ブタノール、2-メチル-1-プロパノール、1-ペンタノール、ベンジルアルコール、2-メトキシエタノール、2-エトキシエタノール、エチレングリコールなどのアルコール類;ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン、クロロベンゼンなどの芳香族炭化水素類;ヘキサン、ヘプタン、ペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、イソオクタン、石油エーテルなどの飽和炭化水素類;クロロホルム、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2-ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類;アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類;ジメチルスルホン、スルホランなどのスルホン類;アセトン、エチルメチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルブチルケトンなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸n-プロピル、酢酸n-ブチル、酢酸イソブチル、酢酸メチル、ギ酸エチルなどのエステル類;ニトロメタン;水などが用いられる。これらの溶媒は、適宜の割合で混合して用いてもよい。工程B-3で用いる溶媒として好適なものは、アルコール類およびニトリル類である。アルコール類のなかでは、エタノール、イソプロパノールが特に好ましい。エタノールまたはイソプロパノールを溶媒として用いる場合には、水との混合溶媒として用いるのが好ましく、体積比率でイソプロパノール:水=9:1~1:9の混合比が好ましい。ニトリル類のなかでは、アセトニトリルが特に好ましい。アセトニトリルを溶媒として用いる場合には、水との混合溶媒として用いるのが好ましく、体積比率でアセトニトリル:水=9:1~1:9の混合比が好ましい。
[0232]
 該溶媒の使用量は、式(IV)で表される化合物の光学活性体またはその塩の溶解度などにより適宜決定される。例えば、溶媒としてアルコール類(好ましくはエタノール、イソプロパノール)またはニトリル類(好ましくはアセトニトリル)を用いる場合、無溶媒に近い状態から、式(IV)で表される化合物の光学活性体またはその塩の100重量倍以上の溶媒中で反応を行うことができるが、通常基質である式(IV)で表される化合物の光学活性体またはその塩に対して約2~約100重量倍の溶媒を用いることが好ましい。
[0233]
 反応温度は、通常-30℃~160℃、好ましくは0~80℃、より好ましくは0~30℃である。反応時間は、通常0.1~120時間、好ましくは1~72時間である。
[0234]
 工程B-3で得られる式(V)で表される化合物の光学活性体またはその塩は、公知の手段(例、分別再結晶法、キラルカラム法、ジアステレオマー塩法)により、精製してもよい。

実施例

[0235]
 本発明は、更に以下の参考例及び実施例によって詳しく説明されるが、これらの例は単なる実施であって、本発明を限定するものではなく、また本発明の範囲を逸脱しない範囲で変化させてもよい。
[0236]
 以下の参考例、実施例中の「室温」は通常約10 ℃ないし約35 ℃を示す。化学収率は、単離収率(mol/mol%)または高速液体クロマトグラフィーで得られた収率である。光学活性体の光学純度(不斉収率)は、鏡像体過剰率(% e.e.)で評価した。該鏡像体過剰率は、次式により求めた。
 鏡像体過剰率(% e.e.)=100 X [(R)-(S)]/[(R)+(S)] または100 X [(S)-(R)]/[(R)+(S)](式中、(R)および(S)は各鏡像体の高速液体クロマトグラフィーにおける面積を示す。)
 また、クロマトグラフィーで用いられる溶媒は体積%を、その他は重量%を示す。
 プロトンNMRスペクトルで、OHやNHプロトンなどブロードで確認できないものについて
は、データに記載していない。
[0237]
 その他の本文中で用いられている略号は下記の意味を示す。
s : シングレット(singlet)
d : ダブレット(doublet)
t : トリプレット(triplet)
q : クァルテット(quartet)
m : マルチプレット(multiplet)
br : ブロード(broad)
J : カップリング定数(coupling constant)
Hz : ヘルツ(Hertz)
CDCl 3 : 重クロロホルム
DMSO-d 6: 重ジメチルスルホキシド
CD 3OD : 重メタノール
1H-NMR : プロトン核磁気共鳴
13C-NMR :  13C核磁気共鳴
19F-NMR :  19F核磁気共鳴
31P-NMR :   31P核磁気共鳴
RuCl 2{(S)-binap}: ジクロロ[(S)-(-)-2,2'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1'-ビナフチル]ルテニウム(II)
[0238]
 以下の参考例および実施例において、核磁気共鳴スペクトル(NMR)は以下の条件により測定した。
1H核磁気共鳴スペクトル( 1H-NMR):ブルカー社製BRUKER AVANCE 500(500MHz)、内部標準物質:テトラメチルシラン
13C核磁気共鳴スペクトル( 13C-NMR):ブルカー社製BRUKER AVANCE 500(125MHz)、内部標準物質:CDCl 3
19F核磁気共鳴スペクトル( 19F-NMR):ブルカー社製BRUKER AVANCE 500(202MHz)、外部標準物質:トリフルオロ酢酸
31P核磁気共鳴スペクトル( 31P-NMR):ブルカー社製BRUKER AVANCE 500(471MHz)、外部標準物質:85%-H 3PO 4水溶液
[0239]
参考例1
1,4,5,6-テトラヒドロピリジン-3-カルボキサミドの合成
[0240]
[化40]


[0241]
 1Lオートクレーブにニコチンアミド 50.00g [mw.122.12, 0.409mol]、5%Pd/C 5.00g及びメタノール500mLを加えた。水素ガスをパージ後、水素圧0.1MPaの一定圧で、45℃で14時間撹拌した。解圧後、熱時、メンブランフィルターにてPd/Cをろ去し、ろ液を減圧濃縮した。濃縮晶析物にメタノール100mLを加えて、室温下で1時間熟成後に減圧ろ過し、ろ取物をメタノール50mLで洗浄した。50℃で減圧乾燥して目的化合物を得た。白色の結晶性粉末、35.52g、収率68%。
1H-NMR (500MHz, CDCl 3, TMS) δ (ppm) 1.72-1.76 (m, 2H), 2.15 (t,J=6.31Hz, 2H), 3.05-3.15 (m, 2H), 7.38 (s, 1H).
(NH, OH, COOH由来のプロトンは未検出)
13C-NMR (125MHz, CDCl 3, CDCl 3) δ(ppm) 20.03, 39.75, 94.15, 143.62, 173.99.
Anal. Calcd for C 6H 10N 2O:C,57.12;H,7.99;N,22.21.Found:C,57.11;H,8.09;N,22.10.
ESI-MS:m/z 127.0873 [M+H] +.
IR(ATR, cm -1):3300 (νNH), 3201 (νNH), 3000-2800(νCH), 1622 (νC=O), 1506 (νC=C), 1423 (δCH), 1362 (δCH).
[0242]
実施例1
1,4,5,6-テトラヒドロピリジン-3-カルボキサミドパラトルエンスルホン酸塩0.85エタノール和物の合成
[0243]
[化41]


[0244]
 1Lオートクレーブにニコチンアミド 50.00g [mw.122.12, 0.409mol]、5% Pd/C 5.00gおよびメタノール500mLを加えて溶解した。系内を水素ガスでパージ後、水素圧0.10MPaに加圧した。40℃に昇温後、水素圧0.10MPaの一定圧で20時間、350rpmの回転数で撹拌した。水素ガスをリーク後、熱時、メンブランフィルター(0.5μm)を介して、Pd/Cをろ別した。ろ液を減圧濃縮後、濃縮乾固物(粉末)にメタノール100mLを加えて、1時間、氷浴で懸濁撹拌した。減圧ろ過にて結晶をろ取し、冷メタノール30mLで洗浄した。得られた湿結晶(38.44g)にエタノール308mLを加えてパラトルエンスルホン酸1水和物63.75g [mw,190.22, 0.335mol]を加えて溶解した。3.5時間室温で熟成し、減圧ろ過にて結晶をろ取し、エタノール100mLで洗浄した。50℃で真空乾燥後、目的化合物を得た。白色の結晶性粉末、84.09g、収率68%。
1H-NMR (500MHz, D 2O) δ(ppm) 1.72-1.76 (m, 2H), 2.15 (t,J=6.31Hz, 2H), 3.05-3.15 (m, 2H), 7.38 (s, 1H).
(NH, OH, COOH由来のプロトンは未検出)
13C-NMR (125MHz, D 2O) δ(ppm) 20.03, 39.75, 94.15, 143.62, 173.99.
Anal. Calcd for C 6H 10N 2O:C,57.12;H,7.99;N,22.21.Found:C,57.11;H,8.09;N,22.10.
ESI-MS:m/z 127.0873 [M+H] +.
IR(ATR, cm -1):3300 (νNH), 3201 (νNH), 3000-2800(νCH), 1622 (νC=O), 1506 (νC=C), 1423 (δCH), 1362 (δCH).
[0245]
参考例2
ジトリフルオロアセタト[(S)-(-)-2,2'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1'-ビナフチル]ルテニウム(II)錯体の合成
[0246]
[化42]


[0247]
 シュレンク管にビス(2-メチルアリル)(1,5-シクロオクタジエン)ルテニウム(II) 6.29g [mw.319.45, 19.69mmol]、(S)-2,2'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1'-ビナフチル12.51g [mw.622.69, 20.09mmol, 1.02eq.]を加えアルゴン置換を7回した。アセトン(有機合成用脱水)253gを加え20~30℃の範囲で、1時間撹拌した。20~30℃の範囲で、トリフルオロ酢酸3mL [d=1.535, mw.114.02, 40.4mmol]を加え30~35℃の範囲で、24時間撹拌した。反応液を40℃以下で留出液が認められなくなるまで減圧濃縮し、濃縮物にノルマルヘキサン(有機合成用脱水)250mLを加えた。35~45℃の範囲に加熱し、2時間撹拌した。固液分離後に湿体をノルマルヘキサン(有機合成用脱水)50mLで洗浄し、50℃で、減圧乾燥後、目的化合物を得た。薄い褐色の粉末、16.96g、収率91%。
1H-NMR (500MHz, CDCl 3, TMS) δ (ppm) 6.35-6.40 (m, 2H), 6.55 (br, 4H), 6.68 (br, 2H), 6.88 (br, 2H), 7.11 (br, 4H), 7.30 (br, 2H), 7.44 (br, 4H), 7.52 (br, 2H), 7.68 (br, 8H), 7.88 (br, 2H).
19F-NMR (471MHz, CDCl 3, TFA) δ (ppm) -76.88 (s).
31P-NMR (202MHz, CDCl 3, H 3PO 4) δ (ppm) 56.46 (s).
[0248]
実施例2
ジトリフルオロアセタト[(S)-(-)-2,2'-ビス(ビス(4-クロロフェニル)ホスフィノ)-1,1'-ビナフチル]ルテニウム(II)錯体の合成
[0249]
[化43]


[0250]
 シュレンク管にビス(2-メチルアリル)(1,5-シクロオクタジエン)ルテニウム(II) 0.112 g [mw.319.45, 0.350mmol]、(S)-2,2'-ビス(ビス(4-クロロフェニルホスフィノ)-1,1'-ビナフチル0.293g [mw.760.45, 0.385mmol]を加えアルゴン置換を7回した。脱気済みアセトン6mLを加え室温で15分間撹拌した。室温で、トリフルオロ酢酸0.053mL [d=1.535, mw.114.02, 0.718mmol]を加え室温で、22時間撹拌した。反応液を40℃以下で留出液が認められなくなるまで減圧濃縮し、濃縮物に脱気済みノルマルヘキサン10mLを加えた。40℃の範囲に加熱し、15分間撹拌した。固液分離後に湿体を脱気済みノルマルヘキサン10mLで洗浄し、50℃で、減圧乾燥後、目的化合物を得た。黄色の粉末。
1H-NMR (500MHz, CD 3OD, TMS) δ (ppm) 6.25-6.36 (m, 2H), 6.40-6.55 (m, 4H), 6.84-7.03 (m, 6H), 7.28-7.39 (m, 2H), 7.41-7.52 (m, 4H), 7.62-7.75 (m, 6H), 7.76-7.89 (m, 4H).
31P-NMR (202MHz, CD 3OD, H 3PO 4) δ (ppm) 55.42 (s).
[0251]
実施例3
ジトリフルオロアセタト[(R P,R' P)-1,1'-ビス[(S)-α-(ジメチルアミノ)ベンジル]-2,2'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ルテニウム(II)錯体の合成
[0252]
[化44]


[0253]
 シュレンク管にビス(2-メチルアリル)(1,5-シクロオクタジエン)ルテニウム(II) 0.112g [mw.319.45, 0.350mmol]、(R P,R' P)-1,1'-ビス[(S)-α-(ジメチルアミノ)ベンジル]-2,2'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン0.316g [mw.820.76, 0.385mmol]を加えアルゴン置換を5回した。脱気済みアセトン6mLを加え室温で15分間撹拌した。室温で、トリフルオロ酢酸0.053mL [d=1.535, mw.114.02, 0.718mmol]を加え室温で、22時間撹拌した。反応液を40℃以下で留出液が認められなくなるまで減圧濃縮し、濃縮物に脱気済みノルマルヘキサン10mLを加えた。40℃の範囲に加熱し、15分間撹拌した。固液分離後に湿体を脱気済みノルマルヘキサン10mLで洗浄し、50℃で、減圧乾燥後、目的化合物を得た。黄色の粉末。
31P-NMR (202MHz, CD 3OD, H 3PO 4) δ (ppm) 63.14 (s).
[0254]
実施例4
(R)-ピペリジン-3-カルボキサミドパラトルエンスルホン酸塩の合成
(工程1) 粗(R)-ピペリジン-3-カルボキサミドパラトルエンスルホン酸塩の合成
[0255]
[化45]


[0256]
 300mLオートクレーブにRuCl 2{(S)-binap}63.0mg [mw.794.67, 0.0793mmol]、1,4,5,6-テトラヒドロピリジン-3-カルボキサミド 5.00g [mw.126.16, 39.63mmol]及びパラトルエンスルホン酸1水和物8.29g [mw.190.20, 43.59mmol]を加えて、7回アルゴン置換を行った。アルゴン圧送にて有機合成用脱水メタノール100mLを加えた。水素ガスを10回パージ後、1.15MPaまで加圧し、内温65℃(外浴75℃)で18時間撹拌した。水素を解圧後、減圧濃縮し、濃縮物に酢酸エチル50mLを加えた。1時間、室温下で熟成後に減圧ろ過し、ろ取物を酢酸エチル適量で洗浄した。50℃で減圧乾燥して目的化合物を得た。微黄白色の結晶性粉末、10.86g、収率91%、光学純度75%ee.
1H-NMR (500MHz, D 2O) δ(ppm) 1.55-1.72 (m, 2H), 1.76-1.97 (m, 2H), 2.29 (s, 3H), 2.65-2.76 (m, 1H), 2.88-2.99 (m, 1H), 3.00-3.07 (m, 1H), 3.12-3.22 (m, 1H), 3.22-3.29 (m, 1H), 7.27 (d, J=7.88Hz, 2H), 7.62(d, J=7.88Hz, 2H). (NH, OH, COOH由来のプロトンは未検出)
13C-NMR (125MHz, D 2O) δ(ppm) 20.58, 25.57, 38.42, 43.93, 44.77, 125.45, 129.55, 139.74, 142.48, 177.26.
Anal. Calcd for C 13H 20N 2O 4S:C,51.98;H,6.71;N,9.33;S,10.68.Found:C,51.20;H,6.73;N,9.02;S,11.14.
ESI-MS:m/z 129.1033(C 6H 12N 2O) [M+H] +, m/z 171.0135(C 7H 8O 3S) [M-H] -.
IR(ATR, cm -1):3163 (νNH), 2900-2800(νCH), 1670 (νC=O), 1435 (δCH), 1170 (νS=O).
(高速液体クロマトグラフィー条件)
カラム:CD-Ph (資生堂株式会社製)
移動相:0.1mol/L-ヘキサフルオロリン酸カリウム水溶液/アセトニトリル(容積比:95/5)
流速:0.5mL/min
検出:UV200nm
温度:25℃
保持時間:(S)体15.2min、(R)体17.0min.
[0257]
(工程2) (R)-ピペリジン-3-カルボキサミドパラトルエンスルホン酸塩の精製
[0258]
[化46]


[0259]
 1L四つ口フラスコに工程1で得られた粗(R)-ピペリジン-3-カルボキサミドパラトルエンスルホン酸塩103.57g [mw.300.37, 0.3448mol]およびエタノール311mLを加えた。内温を65℃まで加熱し、完全に溶解させた。同温度で15分間撹拌後、空気中で冷却を開始した。内温が55℃の時点で目的化合物の種晶を接種した。ゆっくりと晶析が始まり、25℃で1時間熟成した。減圧ろ過にてろ別し、ろ取物をエタノール207mLで洗浄した。60℃で減圧乾燥後、目的化合物を得た。白色の結晶性粉末、50.27g、収率49%、光学純度 >99%ee.
1H-NMR (500MHz, D 2O) δ(ppm) 1.55-1.71 (m, 2H), 1.76-1.87 (m, 1H), 1.86-1.96 (m, 1H), 2.28 (s, 3H), 2.65-2.75 (m, 1H), 2.88-2.99 (m, 1H), 3.00-3.07 (m, 1H), 3.12-3.22 (m, 1H), 3.22-3.29 (m, 1H), 7.26 (d, J=8.20Hz, 2H), 7.60 (d, J=8.51Hz, 2H).
13C-NMR (125MHz, D 2O) δ(ppm) 20.55, 25.55, 38.39, 43.89, 44.72, 125.42, 129.51, 139.64, 142.47, 177.28.
Anal. Calcd for C 13H 20N 2O 4S:C,51.98;H,6.71;N,9.33;S,10.68.Found:C,51.90;H,6.79;N,9.24;S,10.65.
ESI-MS:m/z 129.1035(C 6H 12N 2O) [M+H] +, m/z 171.0134(C 7H 8O 3S) [M-H] -.
IR(ATR, cm -1):3159 (νNH), 2950-2800(νCH), 1670 (νC=O), 1435 (δCH), 1171 (νS=O).
[α] (c 0.98, MeOH, 25 oC)=-0.45 o.
(高速液体クロマトグラフィー条件)
カラム:CD-Ph (資生堂株式会社製)
移動相:0.1mol/L-ヘキサフルオロリン酸カリウム水溶液/アセトニトリル(容積比:95/5)
流速:0.5mL/min
検出:UV200nm
温度:25℃
保持時間:(S)体15.2min、(R)体17.0min.
[0260]
実施例5
(R)-ピペリジン-3-カルボキサミドパラトルエンスルホン酸塩の合成
[0261]
[化47]


[0262]
 1Lオートクレーブにジトリフルオロアセタト[(S)-(-)-2,2'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1'-ビナフチル]ルテニウム(II)錯体95.0mg [mw.949.77, 0.100mmol]、5-カルバモイル-1,2,3,4-テトラヒドロピリジン-1-イウム 4-メチルベンゼンスルホネート(1,4,5,6-テトラヒドロピリジン-3-カルボキサミドパラトルエンスルホン酸塩) 67.51g [mw.337.53(0.85エタノール和物), 0.200mol]及び臭化カリウム119.0mg [mw.119.00, 1.000mmol]を加えて、7回アルゴン置換を行った。アルゴン圧送にて有機合成用脱水2-プロパノール500mLを加えた。水素ガスを10回パージ後、0.80MPaまで加圧し、内温50℃に加熱した。到達後、水素圧を1.00MPaまで昇圧し、1.00MPaの一定圧で内温50℃にて48時間撹拌した。(撹拌速度800rpm)水素を解圧し、系内を窒素ガスパージ後、窒素ガスを0.15MPaまで加圧し、15分間、50℃で撹拌した(100%変換率、光学純度61%ee)。窒素ガスを解圧後、減圧濃縮して濃縮乾固物(粉末)にエタノール100mLを加え、減圧濃縮した。さらに、濃縮乾固物(粉末)にエタノール100mLを加え、減圧濃縮した。濃縮乾固物(粉末)にエタノール180mLを加えて、70℃で溶解し、同温度で10分間撹拌した。所要時間30分で25℃まで冷却した。途中、60℃の時点で、目的化合物の種晶を接種した。2時間熟成し、減圧ろ過した。ろ取物をエタノール100mLで洗浄した。60℃で減圧乾燥して目的化合物を得た。白色の結晶性粉末、38.95g、収率65%、光学純度>99%ee.
(高速液体クロマトグラフィー条件)
カラム:CD-Ph (資生堂株式会社製)
移動相:0.1mol/L-ヘキサフルオロリン酸カリウム水溶液/アセトニトリル(容積比:95/5)
流速:0.5mL/min
検出:UV200nm
温度:25℃
保持時間:(S)体15.2min、(R)体17.0min.
[0263]
実施例6
(R)-ピペリジン-3-カルボキサミドパラトルエンスルホン酸塩の合成
[0264]
[化48]


[0265]
 120mLオートクレーブにジトリフルオロアセタト[(S)-(+)-4,12-ビス(ジフェニルホスフィノ)-[2,2]-パラシクロファン]ルテニウム(II)錯体3.6mg [mw.949.77, 0.0379mmol]、5-カルバモイル-1,2,3,4-テトラヒドロピリジン-1-イウム 4-メチルベンゼンスルホネート (1,4,5,6-テトラヒドロピリジン-3-カルボキサミドパラトルエンスルホン酸塩)2.675g [mw.337.53(0.85エタノール和物), 7.926mmol]及び臭化カリウム4.7mg [mw.119.00, 0.0396mmol]を加えて、7回アルゴン置換を行った。アルゴン圧送にて有機合成用脱水2-プロパノール20mLを加えた。水素ガスを10回パージ後、水素圧を1.0MPaまで昇圧し、1.0MPaの一定圧で内温50℃にて62時間撹拌した(100%変換率、光学純度84%ee)。水素を解圧し、減圧濃縮して濃縮乾固物(粉末)にエタノール5mLを加え、減圧濃縮した。さらに、濃縮乾固物(粉末)にエタノール5mLを加え、減圧濃縮した。濃縮乾固物(粉末)にエタノール8mLを加えて、85℃で溶解し、25℃まで冷却した。2時間熟成し、減圧ろ過した。ろ取物をエタノール6mLで洗浄した。60℃で減圧乾燥して目的化合物を得た。白色の結晶性粉末、1.813g、収率76%、光学純度>99%ee.
(高速液体クロマトグラフィー条件)
カラム:CD-Ph (資生堂株式会社製)
移動相:0.1mol/L-ヘキサフルオロリン酸カリウム水溶液/アセトニトリル(容積比:95/5)
流速:0.5mL/min
検出:UV200nm
温度:25℃
保持時間:(S)体15.2min、(R)体17.0min.
[0266]
実施例7
(R)-ピペリジン-3-カルボキサミドパラトルエンスルホン酸塩の合成
[0267]
[化49]


[0268]
 120mLオートクレーブにジトリフルオロアセタト[(S)-(-)-2,2'-ビス(ビス(4-クロロフェニル)ホスフィノ)-1,1'-ビナフチル]ルテニウム(II)錯体8.6mg [mw.1087.55, 0.0079mmol]、5-カルバモイル-1,2,3,4-テトラヒドロピリジン-1-イウム 4-メチルベンゼンスルホネート (1,4,5,6-テトラヒドロピリジン-3-カルボキサミドパラトルエンスルホン酸塩)2.675g [mw.337.53(0.85エタノール和物), 7.926mmol]及び臭化カリウム9.4mg [mw.119.00, 0.0792mmol]を加えて、7回アルゴン置換を行った。アルゴン圧送にて有機合成用脱水メタノール20mLを加えた。水素ガスを10回パージ後、水素圧を1.0MPaまで昇圧し、1.0MPaの一定圧で内温50℃にて21時間撹拌した。反応液0.2mLをとり、トリエチルアミン、塩化ベンゾイルを加えてアミン部位をベンゾイル化したのち、光学純度を測定した(100%変換率、光学純度77%ee)。水素を解圧し、減圧濃縮して濃縮乾固物にエタノール7.2 mLを加えて、90℃で溶解し、25℃まで冷却した。2時間熟成し、減圧ろ過した。ろ取物をエタノール6mLで洗浄した。60℃で減圧乾燥して目的化合物を得た。白色の結晶性粉末、1.4441g、収率61%、光学純度>99%ee.
(高速液体クロマトグラフィー条件)
カラム:IC(ダイセル化学社製)
移動相:
0.020mol/L-リン酸水溶液/アセトニトリル(容積比:7/3)
流速:0.5mL/min
検出:UV200nm
温度:25℃
保持時間:(R)体12.6min、(S)体16.4min.
[0269]
実施例8
(R)-ピペリジン-3-カルボキサミドパラトルエンスルホン酸塩の合成
[0270]
[化50]


[0271]
 120mLオートクレーブにジトリフルオロアセタト[(R P,R' P)-1,1'-ビス[(S)-α-(ジメチルアミノ)ベンジル]-2,2'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ルテニウム(II)錯体9.1mg [mw.1147.86, 0.0079mmol]、5-カルバモイル-1,2,3,4-テトラヒドロピリジン-1-イウム 4-メチルベンゼンスルホネート (1,4,5,6-テトラヒドロピリジン-3-カルボキサミドパラトルエンスルホン酸塩)2.675g [mw.337.53(0.85エタノール和物), 7.926mmol]及び臭化カリウム9.4mg [mw.119.00, 0.0792mmol]を加えて、7回アルゴン置換を行った。アルゴン圧送にて有機合成用脱水2-プロパノール20mLを加えた。水素ガスを10回パージ後、水素圧を1.0MPaまで昇圧し、1.0MPaの一定圧で内温50℃にて14時間撹拌した(100%変換率、光学純度96%ee)。水素を解圧し、減圧濃縮して濃縮乾固物にエタノール4.8mLを加えて、90℃で溶解し、25℃まで冷却した。2時間熟成し、減圧ろ過した。ろ取物をエタノール6mLで洗浄した。60℃で減圧乾燥して目的化合物を得た。白色の結晶性粉末、2.001g、収率84%、光学純度>99%ee.
(高速液体クロマトグラフィー条件)
カラム:CD-Ph (資生堂株式会社製)
移動相:0.1mol/L-ヘキサフルオロリン酸カリウム水溶液/アセトニトリル(容積比:95/5)
流速:0.5mL/min
検出:UV200nm
温度:25℃
保持時間:(S)体15.2min、(R)体17.0min.
[0272]
実施例9
(R)-ピペリジン-3-カルボキサミドパラトルエンスルホン酸塩の合成
[0273]
[化51]


[0274]
 120mLオートクレーブにジトリフルオロアセタト[(R P,R' P)-1,1'-ビス[(S)-α-(ジメチルアミノ)ベンジル]-2,2'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ルテニウム(II)錯体5.5mg [mw.1147.86, 0.0048mmol]、5-カルバモイル-1,2,3,4-テトラヒドロピリジン-1-イウム 4-メチルベンゼンスルホネート (1,4,5,6-テトラヒドロピリジン-3-カルボキサミドパラトルエンスルホン酸塩)3.38g [mw.337.53(0.85エタノール和物), 10.01mmol]、臭化カリウム6.0mg [mw.119.00, 0.050mmol]及びパラトルエンスルホン酸1水和物0.19g [mw.190.22, 1.00mmol]を加えて、7回アルゴン置換を行った。アルゴン圧送にて脱気済み有機合成用脱水2-プロパノール25mLを加えた。2時間、室温付近の温度で撹拌した。水素ガスを10回パージ後、0.90MPaまで加圧し、内温50℃で、20時間撹拌した。5℃付近に冷却後、同温度で3時間撹拌した。水素を解圧し、結晶を減圧ろ過にてろ別し、ろ取物を2-プロパノール5mLで洗浄した。60℃で減圧乾燥して目的化合物を得た。白色の結晶性粉末、2.71g、収率90%、光学純度>99.9%ee.
(高速液体クロマトグラフィー条件)
カラム:CHIRALPAK AD-H (ダイセル化学社製)
移動相:n-ヘプタン/エタノール/メタノール/ジエチルアミン混液 (容積比: 800/150/50/1)
流速:0.8mL/min
検出:UV220nm
温度:40℃
保持時間:(S)体11.3min、(R)体12.2min.
[0275]
実施例10
粗(R)-ピペリジン-3-カルボキサミドパラトルエンスルホン酸塩の合成
[0276]
[化52]


[0277]
 120mLオートクレーブにジトリフルオロアセタト[(S)-(-)-2,2'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1'-ビナフチル]ルテニウム(II)錯体4.6mg [mw.949.77, 0.0048mmol]、5-カルバモイル-1,2,3,4-テトラヒドロピリジン-1-イウム 4-メチルベンゼンスルホネート (1,4,5,6-テトラヒドロピリジン-3-カルボキサミドp-トルエンスルホン酸塩)3.38g [mw.337.53(0.85エタノール和物), 10.01mmol]、臭化カリウム6.1mg [mw.119.00, 0.0513mmol]及びパラトルエンスルホン酸1水和物0.19g [mw.190.22, 1.00mmol]を加えて、7回アルゴン置換を行った。アルゴン圧送にて脱気済み有機合成用脱水エタノール25mLを加えた。2時間、室温付近の温度で撹拌した。水素ガスを10回パージ後、0.90MPaまで加圧し、0.90MPaの一定の水素圧、内温50℃で、20時間撹拌した。5℃付近に冷却後、同温度で39時間撹拌した。水素を解圧し、結晶を減圧ろ過にてろ別し、ろ取物をエタノール5mLで洗浄した。60℃で減圧乾燥して目的化合物を得た。白色の結晶性粉末、1.91g、収率64%、光学純度98.2%ee.
(高速液体クロマトグラフィー条件)
カラム:CHIRALPAK AD-H (ダイセル化学社製)
移動相:n-ヘプタン/エタノール/メタノール/ジエチルアミン混液 (容積比: 800/150/50/1)
流速:0.8mL/min
検出:UV220nm
温度:40℃
保持時間:(S)体11.3min、(R)体12.2min.
[0278]
実施例11
(R)-ピペリジン-3-カルボキサミドパラトルエンスルホン酸塩の合成
(工程1) 粗(R)-ピペリジン-3-カルボキサミドパラトルエンスルホン酸塩の合成
[0279]
[化53]


[0280]
 1Lオートクレーブにジトリフルオロアセタト[(S)-(-)-2,2'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1'-ビナフチル]ルテニウム(II)錯体95.1mg [mw.949.77, 0.100mmol]、5-カルバモイル-1,2,3,4-テトラヒドロピリジン-1-イウム 4-メチルベンゼンスルホネート (1,4,5,6-テトラヒドロピリジン-3-カルボキサミドパラトルエンスルホン酸塩)67.60g [mw.337.53(0.85エタノール和物), 200.3mmol]、臭化カリウム119.2mg [mw.119.00, 1.00mmol]及びパラトルエンスルホン酸1水和物3.80g [mw.190.22, 20.0mmol]を加えて、7回アルゴン置換を行った。アルゴン圧送にて脱気済み有機合成用脱水2-プロパノール500mLを加えた。2時間、室温付近の温度で撹拌した。水素ガスを10回パージ後、0.90MPaまで加圧し、0.90MPaの一定の水素圧、内温50℃で、20時間撹拌した。5℃付近に冷却後、同温度で3時間撹拌した。水素を解圧し、結晶を減圧ろ過にてろ別し、ろ取物を2-プロパノール100mLで洗浄した。60℃で減圧乾燥して目的化合物を得た。白色の結晶性粉末、56.00g、収率93%、光学純度70%ee.
(高速液体クロマトグラフィー条件)
カラム:CHIRALPAK AD-H (ダイセル化学社製)
移動相:n-ヘプタン/エタノール/メタノール/ジエチルアミン混液 (容積比: 800/150/50/1)
流速:0.8mL/min
検出:UV220nm
温度:40℃
保持時間:(S)体11.3min、(R)体12.2min.
[0281]
(工程2) (R)-ピペリジン-3-カルボキサミドパラトルエンスルホン酸塩の精製
[0282]
[化54]


[0283]
 1L四つ口フラスコに工程1で得られた粗(R)-ピペリジン-3-カルボキサミドパラトルエンスルホン酸塩55.00g [mw.300.37, 183.1mmol]およびエタノール440mLを加えた。内温を78℃まで加熱し、完全に溶解させた。同温度で30分間撹拌後、空気中で冷却を開始した。内温が60℃の時点で目的物化合物の種晶55mgを接種した。ゆっくりと晶析が始まり、25℃で11時間熟成した。減圧ろ過にてろ別し、ろ取物を2-プロパノール83mLで洗浄した。60℃で減圧乾燥後、目的化合物を得た。白色の結晶性粉末、38.60g、収率70%、光学純度99.7%ee.
(高速液体クロマトグラフィー条件)
カラム:CHIRALPAK AD-H (ダイセル化学社製)
移動相:n-ヘプタン/エタノール/メタノール/ジエチルアミン混液 (容積比: 800/150/50/1)
流速:0.8mL/min
検出:UV220nm
温度:40℃
保持時間:(S)体11.3min、(R)体12.2min.
[0284]
実施例12
(R)-1-(3-(2-シアノベンジル)-1-メチル-2,6-ジオキソ-1,2,3,6-テトラヒドロピリミジン-4-イル)ピペリジン-3-カルボキサミドの合成
[0285]
[化55]


[0286]
 1L四つ口フラスコに(R)-ピペリジン-3-カルボキサミドパラトルエンスルホン酸塩20.00g [mw.300.37, 66.58mmol]、2-((6-クロロ-3-メチル-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)メチル)ベンゾニトリル 18.20g [mw.275.69, 66.02mmol]および炭酸カリウム18.20g [mw.138.21,131.7mmol]を仕込み、イソプロパノール15mLおよび水40mLを加えた。内温65℃で23時間撹拌し、水120mLを加えた。0℃に冷却して2時間熟成後、減圧ろ過し、ろ取物を水50mLで洗浄した。60℃で減圧乾燥後に目的化合物を得た。白色の結晶性粉末、22.97g、収率95%。
1H-NMR (500MHz, CDCl 3, TMS) δ(ppm) 1.46 (qt, J=13.0, 3.5Hz, 1H), 1.70 (dt, J=13.5, 4.0Hz, 1H), 1.91 (dd, J=13.0,3.5Hz, 1H), 2.47 (tt, J=11.5, 3.5Hz, 1H), 2.55 (t, J=11.5Hz, 1H), 2.72 (t, J=11.5Hz, 1H), 2.88 (d, J=11.5Hz, 1H), 3.12-3.20 (dm, 1H), 3.25 (s, 3H), 5.13 (d, J=16.0Hz, 1H), 5.32 (d, J=16.0Hz, 1H), 5.34 (s, 1H), 5.67 (bs, 1H), 5.73 (bs, 1H), 7.11 (d, J=8.0Hz, 1H), 7.32 (t, J=7.5Hz,1H), 7.51 (td, J=8.0, 1.5Hz, 1H), 7.61 (dd, J=7.5, 1.5Hz, 1H).
13C-NMR (125MHz, CDCl 3, CDCl 3) δ(ppm) 24.28, 27.30, 28.20, 42.46, 46.43, 51.91, 54.01, 91.27, 110.74, 117.68, 127.18, 128.18, 133.28, 133.61, 141.01, 152.99, 159.80, 163.01, 174.80.
ESI-MS:m/z 368.1731[M+H] +, 390.1557[M+Na] +, 406.1262 [M+H] +.
IR(ATR, cm -1):3387, 3319, 3202 (νNH), 2941, 2853 (νCH), 2226 (νCN), 1690, 1676, 1628 (δCH).
[α] (c 0.98, MeOH, 25 oC)=-21.4 o.
[0287]
実施例13
(R)-2-((6-(3-アミノピペリジン-1-イル)-3-メチル-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)メチル)ベンゾニトリルの合成
[0288]
[化56]


[0289]
 2L四つ口フラスコに水とイソプロパノールの1/1(v/v)混合物1.5Lを加え、ピリジン550μL [d=0.98, mw.79.10, 6.9mmol]、(R)-1-(3-(2-シアノベンジル)-1-メチル-2,6-ジオキソ-1,2,3,6-テトラヒドロピリミジン-4-イル)ピペリジン-3-カルボキサミド50.0g [mw.367.40, 136mmol]の順に加えた。次いで、ヨードベンゼンジアセテート48.2g [mw.322.10, 150mmol]を加え、20℃で3時間撹拌した。エバポレーターで揮発成分を減圧留去した後、その水溶液を酢酸エチル500mLで2回洗浄した。0℃付近に冷却後、15℃以下で炭酸カリウム400gを段階的に加え、トルエン100mLおよびイソプロパノール150mLを加えて抽出した。分液後、有機層を飽和食塩水50mLで洗浄し、エバポレーターで減圧濃縮後にトルエン150mLを加えて、さらに減圧濃縮を行った。濃縮物にトルエン100mLを加えて懸濁し、ノルマルヘプタン150mLを加えて、室温で3時間熟成後、減圧ろ過し、トルエン/ノルマルヘプタン混液(2v/3v)50mLで洗浄した。50℃で減圧乾燥後に目的化合物を得た。微黄白色の結晶性粉末、40.3g、収率87%。
[0290]
参考例3
(R)-2-((6-(3-アミノピペリジン-1-イル)-3-メチル-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)メチル)ベンゾニトリル安息香酸塩の合成
[0291]
[化57]


[0292]
 300mLナス型フラスコに(R)-2-((6-(3-アミノピペリジン-1-イル)-3-メチル-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)メチル)ベンゾニトリル35.0g [mw.339.39, 103mmol]およびイソプロパノール140mLを加えた。60℃で加熱溶解後、同温度で安息香酸13.8g [mw.122.12, 113mmol]を酢酸エチル140mLで溶解した溶液を滴下した。室温で18時間熟成後、減圧ろ過しイソプロパノール/酢酸エチル混液(1v/1v)150mL、酢酸エチル50mLの順に洗浄した。50℃で減圧乾燥後に目的化合物を得た。微黄白色の結晶性粉末、43.9g、収率92%。
[0293]
実施例14
(R)-1-(3-(2-シアノ-5-フルオロベンジル)-1-メチル-2,6-ジオキソ-1,2,3,6-テトラヒドロピリミジン-4-イル)ピペリジン-3-カルボキサミドの合成
[0294]
[化58]


[0295]
 50mLナスフラスコに(R)-ピペリジン-3-カルボキサミドパラトルエンスルホン酸塩5.00g [mw.300.37, 16.65mmol]、2-((6-クロロ-3-メチル-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)メチル)-4-フルオロベンゾニトリル 4.90g [mw.293.68, 16.68mmol]および炭酸カリウム4.60g [mw.138.21,33.3mmol]を仕込み、イソプロパノール7.5mLおよび水20mLを加えた。内温65℃で24時間撹拌し、室温に冷却し、水30mLを加え、0℃で1時間撹拌した。析出物を減圧ろ過し、ろ取物を水10mLで洗浄した。45℃で減圧乾燥後に目的化合物を得た。白色の結晶性粉末、5.6g、収率87%。
1H-NMR (500MHz, CDCl 3) δ (ppm) 1.45-1.60 (m, 1H) 1.62-1.72 (m, 1H) 1.80 (m, 1H) 1.92-2.07 (m, 1H) 2.49-2.59 (m, 1H) 2.64 (t, J=10.88 Hz,1H) 2.82 (t, J=10.56 Hz, 1H) 2.94 (d, J=11.98 Hz, 1H) 3.14-3.28 (m, 1H) 3.34 (s, 3H) 5.17 (d, J=16.39 Hz,1H) 5.38 (d, 1H, J=16.08 Hz, 1H) 5.42 (s, 1H) 5.48 (brs, 1H) 5.66 (brs, 1H) 6.90 (dd, J=9.14 Hz, 2.52 Hz, 1H) 7.10 (td, J=8.04 Hz, 2.52 Hz, 1H) 7.70 (dd, J=8.67 Hz, 5.20 Hz, 1H).
[0296]
実施例15
(R)-2-((6-(3-アミノピペリジン-1-イル)-3-メチル-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)メチル)-4-フルオロベンゾニトリルの合成
[0297]
[化59]


[0298]
 100mL四つ口フラスコに水とイソプロパノールの1/1(v/v)混合物60mLを加え、ピリジン21.4μL [d=0.98, mw.79.10, 0.26mmol]、(R)-1-(3-(2-シアノ-5-フルオロベンジル)-1-メチル-2,6-ジオキソ-1,2,3,6-テトラヒドロピリミジン-4-イル)ピペリジン-3-カルボキサミド2.00g [mw.385.39, 5.19mmol]の順に加えた。次いで、ヨードベンゼンジアセテート1.84g [mw.322.10, 5.71mmol]を加え、20℃で3時間撹拌した。エバポレーターで揮発成分を減圧留去した後、その水溶液を酢酸エチル20mLで2回洗浄した。0℃付近に冷却後、15℃以下で炭酸カリウム16gを段階的に加え、トルエン6mLおよびイソプロパノール6mLを加えて抽出した。分液後、有機層を飽和食塩水10mLで洗浄し、エバポレーターで減圧濃縮後にトルエン6mLを加えて、さらに減圧濃縮を行った。濃縮物にトルエン6mLを加えて懸濁し、ノルマルヘプタン6mLを加えて、0℃で1時間熟成後、減圧ろ過し、50℃で減圧乾燥後に目的化合物を得た。白色の結晶性粉末、1.6g、収率86%。
1H-NMR (500MHz, CDCl 3) δ (ppm) 1.23 (d, J=11.03 Hz, 1H) 1.30 (brs, 2H) 1.56-1.67 (m, 1H) 1.72-1.83 (m, 1H) 1.95 (dd, J=12.77 Hz, 3.94 Hz, 1H) 2.41 (m,1H) 2.61 (m, 1H) 2.87-2.98 (m, 2H) 2.99-3.05 (m, 1H) 3.32 (s, 3H) 5.23-5.32 (m, 2H) 5.39 (s, 1H) 6.86 (dd, J=8.99 Hz, 2.36 Hz, 1H) 7.09 (td, J=8.04 Hz, 2.52 Hz, 1H) 7.69 (dd, J=8.51 Hz, 5.36 Hz, 1H).
13C NMR (126 MHz, CDCl 3) δppm 28.0, 33.4, 46.1, 51.9, 59.7, 90.8, 114.6,114.7, 115.6, 115.8, 116.4, 135.4, 135.5, 144.6, 152.7, 159.5, 162.9.
[0299]
参考例4
(R)-2-((6-(3-アミノピペリジン-1-イル)-3-メチル-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)メチル)-4-フルオロベンゾニトリルコハク酸塩の合成
[0300]
[化60]


[0301]
 50mLナス型フラスコに(R)-2-((6-(3-アミノピペリジン-1-イル)-3-メチル-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)メチル)-4-フルオロベンゾニトリル1.0g [mw.357.38, 2.8mmol]、テトラヒドロフラン4.5mLおよび水2滴を加えた。65℃で加熱溶解後、同温度でコハク酸0.331g [mw.118.09, 2.8mmol]をテトラヒドロフラン4mLおよびイソプロパノール2.5mLで溶解した溶液に滴下した。65℃で30分間撹拌後に室温で16時間熟成し、さらに0℃で2時間撹拌した。晶析物を減圧ろ過にてろ取した。45℃で減圧乾燥後に目的化合物を得た。白色の結晶性粉末、1.2g、収率93%。
1H-NMR (500MHz, DMSO) δ (ppm) 1.35 (d, J=8.83 Hz, 1H) 1.42-1.57 (m, 1H) 1.66-1.97 (m, 2H) 2.54-2.77 (m, 2H) 2.91 (d, J=11.35 Hz, 1H) 3.00-3.07 (m, 1H) 3.08 (m, 1H) 3.09 (s, 3H) 3.14 (m, 1H) 5.12 (d, J=16.08 Hz, 1H) 5.20 (d, J=16.39 Hz, 1H) 5.38 (s, 1H) 7.17 (dd, J=9.62 Hz, 2.36 Hz, 1H) 7.35 (td, J=8.51 Hz, 2.52 Hz, 1H) 7.95 (dd, J=8.67 Hz, 5.52 Hz, 1H).
13C NMR (126 MHz, DMSO) δ ppm 27.9, 31.6, 46.3, 47.0, 51.7, 55.8, 90.3, 106.9, 115.7, 117.1, 136.45, 136.53, 145.8, 152.3, 159.7, 162.7, 164.1, 166.1, 175.2.
[0302]
実施例16
(R)-2-((6-(3-アミノピペリジン-1-イル)-3-メチル-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)メチル)ベンゾニトリル安息香酸塩の合成
[0303]
[化61]


[0304]
 2L四つ口フラスコに水とイソプロパノールの1/1(v/v)混合物1250mLを加え、ピリジン495μL [d=0.98, mw.79.10, 6.2mmol]、(R)-1-(3-(2-シアノベンジル)-1-メチル-2,6-ジオキソ-1,2,3,6-テトラヒドロピリミジン-4-イル)ピペリジン-3-カルボキサミド45.0g [mw.367.40, 122mmol]の順に加えた。10℃に冷却した。次いで、ヨードベンゼンジアセテート43.50g [mw.322.10, 135mmol]を加え、10℃で5時間撹拌した。酢酸エチル450mLを加え、撹拌後に分液した水層に酢酸エチル450mLを加えて撹拌後に分液した。水層に活性炭4.5gを加え30分間撹拌した。活性炭を分離し、水45mLで洗いこんだ後、ろ液に酢酸エチル450mLを加え、10℃に冷却した。20℃以下で炭酸カリウム270gを加え、30分間撹拌し分液した。得られた有機層に塩化ナトリウム水溶液(塩化ナトリウム24gを水80mLで溶かしたもの)を加え、撹拌後に分液し有機層を約135mLまで減圧濃縮した。濃縮液にエタノール180mLを加えて、さらに約135mLまで減圧濃縮した。濃縮液をメンブランフィルター(0.2ミクロン)を用いて除塵ろ過を行い、エタノール32mLで洗いこんだ。ろ液を70℃に加熱し、70~73℃の範囲で安息香酸エタノール溶液(安息香酸14.90g[mw.122.21, 122mmol]をエタノール90mLに溶かしたもの)を30分間で滴下した。2時間を要して30℃に徐冷し、0℃に冷却した。0℃で2時間撹拌後に結晶をろ別した。湿結晶を冷却したエタノール90mLで洗浄後に60℃で減圧乾燥し目的化合物を得た。白色の結晶性粉末、46.79g、収率87%。
[0305]
実施例17
(R)-2-((6-(3-アミノピペリジン-1-イル)-3-メチル-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)メチル)ベンゾニトリル安息香酸塩の合成
[0306]
[化62]


[0307]
 500mL四つ口フラスコにエタノール150mLおよび水250mLを加え、ピリジン513μL [d=0.98, mw.79.10, 6.36mmol]、(R)-1-(3-(2-シアノベンジル)-1-メチル-2,6-ジオキソ-1,2,3,6-テトラヒドロピリミジン-4-イル)ピペリジン-3-カルボキサミド50.0g [mw.367.40, 136mmol]の順に加えた。次いで、ヨードベンゼンジアセテート48.23g [mw.322.10, 150mmol]を加え、20℃で2時間撹拌した。静置後、下層のヨードベンゼンを分取した。上層を約250mLまで減圧濃縮し濃縮液に酢酸エチル150mLを加え、撹拌後に分液した。下層に酢酸エチル150mLを加えて撹拌後に分液した。酢酸エチル150mLを加え、10℃に冷却した。20℃以下で炭酸カリウム107gを加え、30分間撹拌し分液した。有機層に塩化ナトリウム水溶液(塩化ナトリウム8gを水30mLで溶かしたもの)を加え、さらに塩化ナトリウム8gを加えて撹拌後に分液し有機層に活性炭5g、エタノール適量を加え30分間撹拌した。活性炭を分離し、ろ液を約150mLまで減圧濃縮した。濃縮液にエタノール150mLを加えて、約150mLまで減圧濃縮した。さらに濃縮液にエタノール150mLを加えて、約150mLまで減圧濃縮した。濃縮液をメンブランフィルター(0.2ミクロン)を用いて除塵ろ過を行い、エタノール40mLで洗いこんだ。ろ液を70℃に加熱し、70~73℃の範囲で安息香酸エタノール溶液(安息香酸16.62g[mw.122.21, 136mmol]をエタノール100mLに溶かしたもの)を30分間で滴下した。1.5時間70℃で撹拌後に2時間を要して30℃に徐冷し、0℃に冷却した。0℃で1時間撹拌後に結晶をろ別した。湿結晶を冷却したエタノール100mLで洗浄後に60℃で減圧乾燥し目的化合物を得た。微黄白色の結晶性粉末、44.03g、収率70%。
[0308]
実施例18
(R)-ピペリジン-3-カルボキサミドパラトルエンスルホン酸塩の合成
[0309]
[化63]


[0310]
 120mLオートクレーブにジトリフルオロアセタト[(S)-(+)-4,12-ビス(ジフェニルホスフィノ)-[2,2]-パラシクロファン]ルテニウム(II)錯体7.1mg [mw.903.72, 0.0079mmol]、5-カルバモイル-1,2,3,4-テトラヒドロピリジン1.00g [mw.126.16, 7.926mmol]、p-トルエンスルホン酸一水和物 1.508g [mw. 190.22,7.926 mmol] 及び臭化リチウム一水和物8.3mg [mw.104.86, 0.0792mmol]を加えて、7回アルゴン置換を行った。アルゴン圧送にて有機合成用脱水メタノール20mLを加えた。水素ガスを10回パージ後、水素圧を1.0MPaまで昇圧し、内温50℃にて15時間撹拌した。水素を解圧し、反応液0.2mLをとり、トリエチルアミン、塩化ベンゾイルを加えてアミン部位をベンゾイル化したのち、光学純度を測定した(100%変換率、光学純度87%ee)。減圧濃縮して濃縮乾固物(粉末)にエタノール5mLを加え、減圧濃縮した。さらに、濃縮乾固物(粉末)にエタノール5mLを加え、減圧濃縮した。濃縮乾固物(粉末)にエタノール7.4mLを加えて、80℃で溶解し、目的化合物の種晶を加えた後、25℃まで冷却した。1時間熟成し、減圧ろ過した。ろ取物をエタノール6mLで洗浄した。60℃で減圧乾燥して目的化合物を得た。白色の結晶性粉末、1.813g、収率79%、光学純度>99%ee.
(高速液体クロマトグラフィー条件)
カラム:IC(ダイセル化学社製)
移動相:
0.020mol/L-リン酸水溶液/アセトニトリル(容積比:7/3)
流速:0.5mL/min
検出:UV200nm
温度:25℃
保持時間:(R)体12.6min、(S)体16.4min.
[0311]
 上記の実施例に記載した反応条件において、臭化リチウム一水和物に代えて他の添加剤を加えて反応を行った際の結果を以下に示す(反応液を上記の実施例に記載の分析条件により分析し、減圧濃縮以後の処理は実施していない)。
[0312]
[表1]


[0313]
実施例26
(R)-ピペリジン-3-カルボキサミドパラトルエンスルホン酸塩の合成
[0314]
[化64]


[0315]
 120mLオートクレーブにジトリフルオロアセタト[(S)-(+)-4,12-ビス(ジフェニルホスフィノ)-[2,2]-パラシクロファン]ルテニウム(II)錯体7.1mg [mw.903.72, 0.0079mmol]、5-カルバモイル-1,2,3,4-テトラヒドロピリジン-1-イウム 4-メチルベンゼンスルホネート (1,4,5,6-テトラヒドロピリジン-3-カルボキサミドパラトルエンスルホン酸塩)2.675g [mw.337.53(0.85エタノール和物), 7.926mmol]、及び臭化カリウム9.4mg [mw.119.00, 0.0792mmol]を加えて、7回アルゴン置換を行った。アルゴン圧送にて有機合成用脱水メタノール20mLを加えた。水素ガスを10回パージ後、水素圧を1.0MPaまで昇圧し内温50℃にて17時間撹拌した。水素を解圧し、反応液0.2mLをとり、トリエチルアミン、塩化ベンゾイルを加えてアミン部位をベンゾイル化したのち、光学純度を測定した(100%変換率、光学純度88%ee)。減圧濃縮して濃縮乾固物(粉末)にエタノールを加え、減圧濃縮した。さらに、濃縮乾固物(粉末)にエタノールを加え、減圧濃縮した。濃縮乾固物(粉末)にエタノール7.4mLを加えて、80℃で完全に固体を溶解させた後、25℃まで冷却した。室温にて6時間熟成し、減圧ろ過した。ろ取物をエタノール6mLで洗浄した。60℃で減圧乾燥して目的化合物を得た。白色の結晶性粉末、1.74g、収率73%、光学純度>99%ee.
(高速液体クロマトグラフィー条件)
カラム:IC(ダイセル化学社製)
移動相:
0.020mol/L-リン酸水溶液/アセトニトリル(容積比:7/3)
流速:0.5mL/min
検出:UV200nm
温度:25℃
保持時間:(R)体12.6min、(S)体16.4min.
[0316]
 上記の実施例に記載した反応条件において、臭化カリウムに代えて他の添加剤を加えて反応を行った際の結果を以下に示す(反応液を上記の実施例に記載の分析条件により分析し、減圧濃縮以後の処理は実施していない)。
[0317]
[表2]


[0318]
実施例29
(R)-ピペリジン-3-カルボキサミドの合成
[0319]
[化65]


[0320]
 8連水素化装置(Endeavor(登録商標))用試験管に(2S,4S)-2,4-ビス[(ジ-4,4'-tert-ブチルフェニル)ホスフィノ]ペンタンロジウムトリフルオロメタンスルホン酸(I)錯体12.2mg [mw.1025.08, 0.0119mmol]及び5-カルバモイル-1,2,3,4-テトラヒドロピリジン0.0300g [mw.126.16, 0.238mmol]、を加えて、5回アルゴン置換を行ったのち、有機合成用脱水メタノール3.0mLをシリンジにて加えた。水素ガスを10回パージ後、水素圧を1.0MPaまで昇圧し、内温50℃にて20時間撹拌した。水素を解圧し、反応液2mLをとり、トリエチルアミン、クロロ蟻酸ベンジルを加えてアミン部位をベンジルオキシカルボニル化したのち、目的化合物を得た。
(高速液体クロマトグラフィー条件)
カラム:AD-RH(ダイセル化学社製)
移動相:
0.020mol/L-リン酸水溶液/アセトニトリル(容積比:7/3)
流速:0.5mL/min
検出:UV220nm
温度:25℃
保持時間: (S)体12.7min、(R)体14.2min.
[0321]
実施例30
(R)-ピペリジン-3-カルボキサミドの合成
[0322]
[化66]


[0323]
 8連水素化装置(Endeavor(登録商標))用試験管に塩化[(1,5-シクロオクタジエン)イリジウム(I)]ダイマー 4.0 mg[mw. 671.71, 0.0119 mmol (イリジウム換算)]、(2R,4R)-2,4-ビス[(ジフェニル)ホスフィノ]ペンタン6.3mg [mw.440.49, 0.0143mmol]及び5-カルバモイル-1,2,3,4-テトラヒドロピリジン0.0300g [mw.126.16, 0.238mmol]を加えて、5回アルゴン置換を行ったのち、有機合成用脱水メタノール3.0mLをシリンジにて加えた。水素ガスを10回パージ後、水素圧を1.0MPaまで昇圧し、内温50℃にて20時間撹拌した。水素を解圧し、反応液2mLをとり、トリエチルアミン、クロロ蟻酸ベンジルを加えてアミン部位をベンジルオキシカルボニル化したのち、目的化合物を得た。
(高速液体クロマトグラフィー条件)
カラム:AD-RH(ダイセル化学社製)
移動相:
0.020mol/L-リン酸水溶液/アセトニトリル(容積比:7/3)
流速:0.5mL/min
検出:UV220nm
温度:25℃
保持時間:(S)体12.7min、 (R)体14.2min.
[0324]
実施例31
(S)-ピペリジン-3-カルボキサミドの合成
[0325]
[化67]


[0326]
 8連水素化装置(Endeavor(登録商標))用試験管に酢酸パラジウム2.7 mg[mw. 224.51, 0.0119 mmol]、(S)-(-)-2,2'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1'-ビナフチル8.9mg [mw.622.69, 0.0143mmol]、5-カルバモイル-1,2,3,4-テトラヒドロピリジン0.0300g [mw.126.16, 0.238mmol]、及びベンゼンスルホン酸37.6mg[me. 158.18, 0.238 mmol]を加えて、5回アルゴン置換を行ったのち、有機合成用脱水ジクロロメタン3.0mLをシリンジにて加えた。水素ガスを10回パージ後、水素圧を1.0MPaまで昇圧し、内温50℃にて20時間撹拌した。水素を解圧し、反応液2mLをとり、トリエチルアミン、クロロ蟻酸ベンジルを加えてアミン部位をベンジルオキシカルボニル化したのち、目的化合物を得た。
(高速液体クロマトグラフィー条件)
カラム:AD-RH(ダイセル化学社製)
移動相:
0.020mol/L-リン酸水溶液/アセトニトリル(容積比:7/3)
流速:0.5mL/min
検出:UV220nm
温度:25℃
保持時間:(S)体12.7min、(R)体14.2min.

産業上の利用可能性

[0327]
 本発明によれば、光学活性な6-(3-アミノピペリジン-1-イル)-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロピリミジン誘導体を効率的に製造することができ、ジペプチジルペプチダーゼ阻害剤の商業生産に有用である。
[0328]
 本出願は、日本で2014年3月14日に出願された特願2014-052809号を基礎としており、その内容は本明細書にすべて包含される。

請求の範囲

[請求項1]
 式:
[化1]


[式中、R は、水素原子、置換されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよい複素環基、または保護基を;R 、R およびR は、独立して、水素原子、または置換基を;R およびR は、独立して、水素原子、置換されていてもよい炭化水素基、または置換されていてもよい複素環基を示し;R およびR 、R およびR 、R およびR 、あるいはR およびR は一緒になって隣接する原子とともに5ないし8員環を形成してもよい。]
で表される化合物またはその塩を有機金属錯体の存在下で水素化反応に付すことを特徴とする、
 式:
[化2]


[式中、*が付された炭素原子は不斉炭素原子を示し;その他の記号は前記と同意義を示す。]
で表される化合物の光学活性体またはその塩の製造法。
[請求項2]
 有機金属錯体が遷移金属錯体である、請求項1記載の製造法。
[請求項3]
 遷移金属錯体がルテニウム錯体である、請求項2記載の製造法。
[請求項4]
 ルテニウム錯体が、
式:
   [Ru(OCOR ]     (VIII)
[式中、R は、置換されていてもよいC 1-3アルキル基を;L はジホスフィン配位子を示す。]
で表される請求項3記載の製造法。
[請求項5]
 水素化反応が、ハロゲン化アルカリ金属または
式:
[化3]


[式中、R 、R 、R およびR は、独立して、水素原子、または置換されていてもよい炭化水素基を;Xはハロゲン原子を示す。]で表される化合物の存在下に行われる請求項1記載の製造法。
[請求項6]
 式:
[化4]


[式中、Rは、置換されていてもよい炭化水素基を示す。]
で表される化合物。
[請求項7]
 式:
[化5]


[式中、Rは、置換されていてもよい炭化水素基を示し、*が付された炭素原子は不斉炭素原子を示す。]
で表される化合物の光学活性体。
[請求項8]
 式:
[化6]


[式中、R 2’、R 3’およびR 4’は、独立して、水素原子、置換されてもよい炭化水素基、または置換されてもよい複素環基を示し;R 2’およびR 3’あるいはR 3’およびR 4’は一緒になって隣接する原子とともに5ないし8員環を形成してもよく;*が付された炭素原子は不斉炭素原子を示す。]
で表される化合物の光学活性体またはその塩と、
 式:
[化7]


[式中、R およびR は、独立して、置換されていてもよい炭化水素基、水素原子、または置換されていてもよい複素環基を;L は、脱離基を示す。]
で表される化合物またはその塩とを反応させることを特徴とする、
 式:
[化8]


[式中の各記号は前記と同意義を示す。]
で表される化合物の光学活性体またはその塩の製造法。
[請求項9]
 式:
[化9]


[式中、R 2’、R 3’およびR 4’は、独立して、水素原子、置換されていてもよい炭化水素基、または置換されていてもよい複素環基を示し、R 2’およびR 3’、あるいはR 3’およびR 4’は一緒になって隣接する原子とともに5ないし8員環を形成してもよく;R およびR は、独立して、置換されていてもよい炭化水素基、水素原子、または置換されていてもよい複素環基を示し;*が付された炭素原子は不斉炭素原子を示す。]
で表される化合物の光学活性体またはその塩を転位反応に付することを特徴とする、
 式:
[化10]


[式中の各記号は前記と同意義を示す。]
で表される化合物の光学活性体またはその塩の製造法。
[請求項10]
 (1)式:
[化11]


[式中の各記号は請求項9に記載と同意義を示す。]
で表される化合物またはその塩を有機金属錯体の存在下で水素化反応に付すことにより、
式:
[化12]


[式中の各記号は請求項9に記載と同意義を示す。]
で表される化合物の光学活性体またはその塩を製造する工程;および
 (2)式:
[化13]


[式中の各記号は前記と同意義を示す。]
で表される化合物の光学活性体またはその塩と、式:
[化14]


[式中、L は、脱離基を示し;その他の記号は請求項9に記載と同意義を示す。]
で表される化合物またはその塩とを反応させることにより、
 式:
[化15]


[式中の各記号は前記と同意義を示す。]
で表される化合物の光学活性体またはその塩を製造する工程を含む、請求項9記載の製造法。
[請求項11]
式:
   [Ru(OCOR ’) ’]     (VIII’)
[式中、R ’は、トリフルオロメチル基を;L ’は、ジホスフィン配位子の光学活性体であり、
(1)式:
[化16]


または、
式:
[化17]


で表される化合物もしくはこれらの混合物からなる光学活性体、および
(2)式:
[化18]


[式中、*が付された結合は、不斉軸を示す。]
で表される化合物の光学活性体から選ばれる。]
で表されるルテニウム錯体。