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明 細 書

発明の名称 ブレーキシステム

技術分野

0001  

背景技術

0002  

先行技術文献

特許文献

0003  

発明の概要

0004   0005   0006   0007   0008   0009  

図面の簡単な説明

0010  

発明を実施するための形態

0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117   0118   0119   0120   0121   0122   0123   0124   0125   0126   0127   0128   0129   0130   0131   0132   0133   0134   0135   0136   0137   0138   0139   0140   0141   0142   0143   0144  

符号の説明

0145  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9  

図面

1   2   3   4   5   6   7  

明 細 書

発明の名称 : ブレーキシステム

技術分野

[0001]
 本発明は、車両に制動力を付与するブレーキシステムに関する。

背景技術

[0002]
 自動車等の車両に搭載されるブレーキシステムとして、例えば、ブレーキペダルの操作に基づいて車輪とともに回転する回転部材(ディスク、ドラム)に摩擦部材(パッド、シュー)を当接させることにより制動力を付与するブレーキ機構と、車両の停車、駐車時等にパーキングスイッチ(駐車ブレーキスイッチ)の操作に基づいて電動モータを駆動(回転)することにより制動力を付与するパーキング機構とを備えたものが知られている(特許文献1)。

先行技術文献

特許文献

[0003]
特許文献1 : 特開2013-112167号公報

発明の概要

[0004]
 ところで、特許文献1による従来技術は、パーキングスイッチが故障すると、駐車ブレーキの保持(アプライ)が行えなくなる可能性があり、利便性に欠ける。
[0005]
 本発明の目的は、パーキングスイッチが故障しても、駐車ブレーキの保持を行うことができるブレーキシステムを提供することにある。
[0006]
 上述した課題を解決するため、本発明によるブレーキシステムは、車両の車輪とともに回転する回転部材に当接可能に配置される摩擦部材をブレーキペダルの操作に基づいて押圧部材で推進するブレーキ機構と、前記車輪を回転不能に保持または解除可能に電動モータにより操作されるパーキング機構と、該パーキング機構を保持または解除作動させるためのパーキングスイッチの操作に応じて前記電動モータを駆動する制御手段と、を有する。
[0007]
 そして、本発明によるブレーキシステムは、前記制御手段は、前記パーキングスイッチの異常を検出するパーキングスイッチ異常検出手段を備え、該パーキングスイッチ異常検出手段によって前記パーキングスイッチの異常が検出された場合において、前記車両の停車時に前記ブレーキペダルが所定時間踏まれている場合、または、前記車両の停車時に運転者の降車を推定する条件を検出した場合、前記電動モータを作動させ前記パーキング機構を保持作動させる構成としている。
[0008]
 また、本発明によるブレーキシステムは、前記制御手段は、前記パーキングスイッチの異常を検出するパーキングスイッチ異常検出手段を備え、該パーキングスイッチ異常検出手段によって前記パーキングスイッチの異常が検出された場合において、前記車両の駆動装置が走行可能な状態で、前記車両の停車時に運転者が走行を継続しないことを推定する条件を検出した場合、前記電動モータを作動させ前記パーキング機構を保持作動させる構成としている。
[0009]
 本発明のブレーキシステムによれば、パーキングスイッチが故障しても、駐車ブレーキの保持を行うことができ、車両の停車状態を維持することが可能となる。

図面の簡単な説明

[0010]
[図1] 第1の実施形態によるブレーキシステムが搭載された車両の概念図。
[図2] 図1中の駐車ブレーキ制御装置を示すブロック図。
[図3] 図1中の後輪側に設けられた電動駐車ブレーキ機能付のディスクブレーキを拡大して示す縦断面図。
[図4] 駐車ブレーキ制御装置による制御処理を示す流れ図。
[図5] 図4に続く流れ図。
[図6] 第2の実施形態による降車または非運転の判定処理を示す流れ図。
[図7] ドアの開閉と駐車ブレーキの保持との関係を示すタイムチャート。

発明を実施するための形態

[0011]
 以下、実施形態によるブレーキシステムについて、当該ブレーキシステムを4輪自動車に搭載した場合を例に挙げ、添付図面に従って説明する。なお、図4~図6に示す流れ図の各ステップは、それぞれ「S」という表記を用い、例えばステップ1を「S1」として示すものとする。
[0012]
 図1ないし図5は、第1の実施形態を示している。図1において、車両のボディを構成する車体1の下側(路面側)には、4個の車輪、例えば左,右の前輪2(FL,FR)と左,右の後輪3(RL、RR)とが設けられている。これらの各前輪2および各後輪3には、それぞれの車輪(各前輪2、各後輪3)とともに回転する回転部材(ディスク)としてのディスクロータ4が設けられている。各前輪2用のディスクロータ4は、液圧式のディスクブレーキ5により制動力が付与され、各後輪3用のディスクロータ4は、電動駐車ブレーキ機能付の液圧式のディスクブレーキ31により制動力が付与される。これにより、各車輪(各前輪2、各後輪3)のそれぞれに対して相互に独立して制動力が付与される。
[0013]
 車体1のフロントボード側には、ブレーキペダル6が設けられている。ブレーキペダル6は、車両のブレーキ操作時に運転者によって踏込み操作され、この操作に基づいて、常用ブレーキ(サービスブレーキ)としての制動力の付与および解除が行われる。ブレーキペダル6には、ブレーキランプスイッチ、ペダルスイッチ、ペダルストロークセンサ等のブレーキペダル操作検出センサ(ブレーキセンサ)6Aが設けられている。ブレーキペダル操作検出センサ6Aは、ブレーキペダル6の踏込み操作の有無、または、その操作量を検出し、その検出信号を液圧供給装置用コントローラ13に出力する。ブレーキペダル操作検出センサ6Aの検出信号は、例えば、車両データバス16、または、液圧供給装置用コントローラ13と駐車ブレーキ制御装置19とを接続する信号線(図示せず)を介して伝送される(駐車ブレーキ制御装置19に出力される)。
[0014]
 ブレーキペダル6の踏込み操作は、倍力装置7を介して、油圧源として機能するマスタシリンダ8に伝達される。倍力装置7は、ブレーキペダル6とマスタシリンダ8との間に設けられた負圧ブースタまたは電動ブースタとして構成され、ブレーキペダル6の踏込み操作時に踏力を増力してマスタシリンダ8に伝える。このとき、マスタシリンダ8は、マスタリザーバ9から供給されるブレーキ液により液圧を発生させる。マスタリザーバ9は、ブレーキ液が収容された作動液タンクにより構成されている。ブレーキペダル6により液圧を発生する機構は、上記の構成に限らず、ブレーキペダル6の操作に応じて液圧を発生する機構、例えばブレーキバイワイヤ方式の機構等であってもよい。
[0015]
 マスタシリンダ8内に発生した液圧は、例えば一対のシリンダ側液圧配管10A,10Bを介して、液圧供給装置11(以下、ESC11という)に送られる。ESC11は、マスタシリンダ8からの液圧をブレーキ側配管部12A,12B,12C,12Dを介して各ディスクブレーキ5,31に分配する。これにより、車輪(各前輪2、各後輪3)のそれぞれに対して相互に独立して制動力が付与される。
[0016]
 ESC11は、各ディスクブレーキ5,31とマスタシリンダ8との間に配置されている。ESC11は、ブレーキペダル6の操作量に従わない態様でも、各ディスクブレーキ5,31に液圧を供給すること、即ち、各ディスクブレーキ5,31の液圧を高めることができる。ESC11は、ESC11の作動を制御する液圧供給装置用コントローラ13(以下、コントロールユニット13という)を有している。コントロールユニット13は、ESC11の各制御弁(図示せず)を開,閉したり、液圧ポンプ用の電動モータ(図示せず)を回転,停止させたりする駆動制御を行うことにより、ブレーキ側配管部12A~12Dから各ディスクブレーキ5,31に供給されるブレーキ液圧を増圧、減圧または保持する制御を行う。これにより、種々のブレーキ制御、例えば、倍力制御、制動力分配制御、ブレーキアシスト制御、アンチロックブレーキ制御(ABS)、アンチスキッド制御、トラクション制御、車両安定化制御(横滑り防止を含む)、坂道発進補助制御等が実行される。
[0017]
 コントロールユニット13は、マイクロコンピュータを備えている。コントロールユニット13には、バッテリ14からの電力が電源ライン15を通じて給電される。また、コントロールユニット13は、図1に示すように、車両データバス16に接続されている。また、車両1には、この車両の駆動装置を駆動させたり、その他の機器の電源をオンオフする車両の起動スイッチとしてのイグニッションスイッチ50が設けられている。イグニッションスイッチ50のオン(通電)、オフ(非通電)の情報は、車両データバス16により伝送されるようになっている。以下の説明では、イグニッションスイッチ50をイグニッションと記載する。なお、上記したESC11の代わりに、公知のABSユニットを用いてもよい。さらには、ESC11を設けずに(即ち、省略し)、マスタシリンダ8とブレーキ側配管部12A~12Dとを直接的に接続する構成としてもよい。
[0018]
 車両データバス16は、車体1に搭載されたシリアル通信部としてのCAN(Controller Area Network)を構成しており、車両に搭載された多数の電子機器、コントロールユニット13および駐車ブレーキ制御装置19等との間で車両内での多重通信を行う。この場合、車両データバス16に送られる車両情報としては、例えば操舵角センサ、アクセルセンサ(アクセルペダル操作検出センサ)、スロットルセンサ、エンジン回転センサ、ブレーキセンサ(ブレーキペダル操作検出センサ6A)、イグニッションスイッチ50、車輪速センサ、車速センサ、傾斜センサ、Gセンサ(加速度センサ)、ステレオカメラ、ミリ波レーダ、シートベルトセンサ、トランスミッションセンサ(シフトセンサ)、ドアセンサ、ステアリングセンサ(ハンドルセンサ)、着座センサ、室内カメラ、圧力センサ17等からの検出信号による情報(車両情報)が挙げられる。
[0019]
 圧力センサ17は、ブレーキ側配管部12A,12B,12C,12Dにそれぞれ設けられており、それぞれの管路内圧力(即ち、液圧)、換言すれば、各管路内圧力に対応するキャリパ34(シリンダ部36)内の液圧(ホイールシリンダ液圧)を個別に検出する。なお、圧力センサ17は、1つまたは2つ設ける構成としてもよく、例えばマスタシリンダ8とESC11との間のシリンダ側液圧配管10A,10Bにのみ設ける(マスタシリンダ液圧を検出する)構成としてもよい。
[0020]
 車体1内には、運転席(図示せず)の近傍にパーキングスイッチ(駐車ブレーキスイッチ)18が設けられている。パーキングスイッチ18は運転者によって操作される。パーキングスイッチ18は、運転者からの駐車ブレーキの作動の要求(保持要求・解除要求)に対応する信号(作動要求信号)を、駐車ブレーキ制御装置19へ伝達する。即ち、パーキングスイッチ18は、電動アクチュエータ43の駆動(回転)に基づいてパーキング機構(回転直動変換機構40)を保持または解除させるための信号(保持要求信号、解除要求信号)を駐車ブレーキ制御装置19に出力する。
[0021]
 パーキングスイッチ18が制動側(駐車ブレーキON側)に操作されたとき、即ち、運転者からの保持要求(駆動要求)があったときは、駐車ブレーキ制御装置19を介して後輪3用のディスクブレーキ31に、電動アクチュエータ43を制動側に回転させるための電力が給電される。これにより、後輪3用のディスクブレーキ31は、駐車ブレーキとしての制動力が付与された状態、即ち、保持状態(アプライ状態)となる。
[0022]
 なお、本明細書では、駐車ブレーキをかける(アプライする)こと、即ち、駐車ブレーキとしての制動力を付与することを、「保持」という言葉を用いて説明する。これは、電動アクチュエータ43の駆動によりブレーキパッド33に所定の押圧力(推力)を付与し、そのときのピストン39およびブレーキパッド33の位置をパーキング機構(回転直動変換機構40)により保持することから、この言葉を用いるものである。
[0023]
 一方、パーキングスイッチ18が制動解除側(駐車ブレーキOFF側)に操作されたとき、即ち、運転者からの解除要求があったときは、駐車ブレーキ制御装置19を介してディスクブレーキ31に、電動アクチュエータ43を制動側とは逆方向に回転させる電力が給電される。これにより、後輪3用のディスクブレーキ31は、駐車ブレーキとしての制動力の付与が解除された状態、即ち、解除状態(リリース状態)となる。
[0024]
 駐車ブレーキは、例えば車両が停止したとき(例えば、走行中に減速に伴って4km/h未満の状態が所定時間継続したとき)、エンジンが停止(エンスト)したとき、シフトレバー(セレクトレバー、セレクトスイッチ)をP(パーキング)に操作したとき、ドアが開いたとき、シートベルトが解除されたとき等、駐車ブレーキ制御装置19での駐車ブレーキの保持判断ロジックによる自動的な保持要求(自動保持要求)に基づいて、自動的に制動力を付与(保持)する構成とすることができる。また、駐車ブレーキは、例えば車両が走行したとき(例えば、停車から増速に伴って5km/h以上の状態が所定時間継続したとき)、アクセルペダルが操作されたとき、クラッチペダルが操作されたとき、シフトレバーがP、N(ニュートラル)以外に操作されたとき等、駐車ブレーキ制御装置19での駐車ブレーキの解除判断ロジックによる自動的な解除要求(自動解除要求)に基づいて、自動的に制動力を解除する構成とすることができる。なお、パーキングスイッチ18が故障したときの駐車ブレーキ制御装置19による自動保持要求については、後で詳しく説明する。
[0025]
 駐車ブレーキ制御装置19は、左,右一対のディスクブレーキ31と共にブレーキシステム(電動ブレーキ装置)を構成する。図2に示すように、駐車ブレーキ制御装置19は、マイクロコンピュータ等によって構成される演算回路(CPU)20を有し、駐車ブレーキ制御装置19には、バッテリ14からの電力が電源ライン15を通じて給電される。
[0026]
 駐車ブレーキ制御装置19は、制御手段(コントローラ、コントロールユニット)を構成するものである。駐車ブレーキ制御装置19は、電動アクチュエータ43を制御し、車両の駐車、停車時(必要に応じて走行時)に制動力(駐車ブレーキ、補助ブレーキ)を発生させる。即ち、駐車ブレーキ制御装置19は、パーキングスイッチ18の操作、駐車ブレーキの保持・解除の判断ロジック等に応じて、電動アクチュエータ43を駆動することにより、ディスクブレーキ31を駐車ブレーキ(必要に応じて補助ブレーキ)として作動(保持・解除)させる。
[0027]
 ここで、駐車ブレーキ制御装置19は、車両の運転者がパーキングスイッチ18を操作したときに、該パーキングスイッチ18から出力される信号(ON,OFF信号)に基づいて、電動アクチュエータ43を駆動し、ディスクブレーキ31の保持(アプライ)または解除(リリース)を行う。また、駐車ブレーキ制御装置19は、パーキングスイッチ18からの信号の他、駐車ブレーキの保持・解除の判断ロジックに基づいて、電動アクチュエータ43を駆動し、ディスクブレーキ31の保持または解除を行う。
[0028]
 このように、駐車ブレーキ制御装置19は、パーキングスイッチ18の信号、駐車ブレーキの保持・解除の判断ロジックに基づく信号を含む「作動要求信号」、即ち、駐車ブレーキの作動(保持・解除)を要求する「作動要求信号」があったときに、その要求に応じたディスクブレーキ31の保持または解除を行うものである。このとき、ディスクブレーキ31では、電動アクチュエータ43の駆動に基づいて、パーキング機構(回転直動変換機構40)によるピストン39およびブレーキパッド33の保持または解除が行われる。従って、「作動要求信号」は、パーキング機構(回転直動変換機構40)によるピストン39およびブレーキパッド33の保持作動または解除作動させるための信号となるものである。
[0029]
 図1ないし図3に示すように、駐車ブレーキ制御装置19は、入力側がパーキングスイッチ18等に接続され、出力側はディスクブレーキ31の電動アクチュエータ43等に接続されている。より具体的には、図2に示すように、駐車ブレーキ制御装置19の演算回路(CPU)20には、記憶部(メモリ)21に加えて、パーキングスイッチ18、車両データバス16、電圧センサ部22、モータ駆動回路23、電流センサ部24等が接続されている。車両データバス16からは、駐車ブレーキの制御(作動)に必要な車両の各種状態量、即ち、各種車両情報を取得することができる。
[0030]
 なお、車両データバス16から取得する車両情報は、その情報を検出するセンサを駐車ブレーキ制御装置19(の演算回路20)に直接接続することにより取得する構成としてもよい。また、駐車ブレーキ制御装置19の演算回路20は、パーキングスイッチ18、および、車両データバス16に接続された他の制御装置(例えばコントロールユニット13)からの作動要求信号を受信するように構成することができる。
[0031]
 この場合は、例えば、前述の判断ロジックによる駐車ブレーキの保持・解除の判定を、駐車ブレーキ制御装置19に代えて、他の制御装置、例えばコントロールユニット13で行う構成とすることができる。即ち、コントロールユニット13に駐車ブレーキ制御装置19の制御内容を統合することが可能である。
[0032]
 駐車ブレーキ制御装置19は、例えばフラッシュメモリ、ROM、RAM、EEPROM等からなる記憶部(メモリ)21(図2参照)を備えている。記憶部21には、図4および図5に示す処理フローを実行するためのプログラム、即ち、パーキングスイッチ18が故障したときのディスクブレーキ31の保持(制動付与)の可否の判断を行うための処理プログラム、その判断に用いる閾値等が格納されている。さらに、記憶部21には、後述の「ブレーキ踏み用カウンタ」の値、「降車or非運転用カウンタ」の値が更新可能に記憶される。
[0033]
 なお、実施形態では、駐車ブレーキ制御装置19をESC11のコントロールユニット13と別体としたが、駐車ブレーキ制御装置19をコントロールユニット13と一体に構成してもよい。また、駐車ブレーキ制御装置19は、左,右で2つのディスクブレーキ31を制御するようにしているが、左,右のディスクブレーキ31毎に設けるようにしてもよく、この場合には、駐車ブレーキ制御装置19をディスクブレーキ31に一体的に設けることもできる。
[0034]
 図2に示すように、駐車ブレーキ制御装置19には、電源ライン15からの電圧を検出する電圧センサ部22、左,右の電動アクチュエータ43,43をそれぞれ駆動する左,右のモータ駆動回路23,23、左,右の電動アクチュエータ43,43のそれぞれのモータ電流を検出する左,右の電流センサ部24,24等が内蔵されている。これら電圧センサ部22、モータ駆動回路23、電流センサ部24は、それぞれ演算回路20に接続されている。
[0035]
 これにより、駐車ブレーキ制御装置19の演算回路20は、例えば、駐車ブレーキの保持(アプライ)や解除(リリース)を行うときに、電動アクチュエータ43のモータ電流値に基づいて、該電動アクチュエータ43の駆動を停止することができる。この場合、演算回路20は、駐車ブレーキの保持を行うときは、例えばモータ電流値が保持閾値(そのときに発生すべき推力に対応する電流値)に達したときに、回転直動変換機構40によるピストン39の状態が保持状態になったと判定し、電動アクチュエータ43の駆動を停止する。一方、駐車ブレーキの解除を行うときは、演算回路20は、例えば、モータ電流値が予め設定した解除閾値に達したときに、回転直動変換機構40によるピストン39の状態が解除状態になったと判定し、電動アクチュエータ43の駆動を停止する。
[0036]
 ここで、実施形態では、駐車ブレーキ制御装置19は、パーキングスイッチ18の異常(不調、故障)を検出するパーキングスイッチ異常検出手段(図4のS1)を備えている。このパーキングスイッチ異常検出手段は、例えば、パーキングスイッチ18の電圧値の変化からその異常を判定する。即ち、パーキングスイッチ18は、運転者により操作されると電圧が変化する。このため、駐車ブレーキ制御装置19は、予め定められた電圧値により操作状況(アプライ操作、リリース操作、操作なし)を判定する。駐車ブレーキ制御装置19は、パーキングスイッチ18の電圧値が定められた電圧値以外の電圧値になった場合、例えば、アプライ操作のときの電圧値とリリース操作のときの電圧値と操作なしのときの電圧値とのいずれの電圧値からも外れた(ずれた)場合に、パーキングスイッチ18の異常(不調、故障)と判定することができる。
[0037]
 駐車ブレーキ制御装置19は、パーキングスイッチ異常検出手段によってパーキングスイッチ18の異常が検出されたときは、車両の停車時に、ブレーキペダル6が所定時間踏まれている場合は、(イグニッションスイッチ50がオン、即ち、イグニッションオンであっても)電動アクチュエータ43を作動させ、駐車ブレーキを(自動的に)保持作動させる。この場合、車両の停車の検出は、車両の速度を検出する車速センサ、車輪の速度を検出する車輪速センサにより行うことができる。また、ブレーキペダル6の操作(踏込み)の検出は、ペダルスイッチ、ペダルストロークセンサ、ブレーキランプスイッチ等のブレーキペダル操作検出センサ(ブレーキセンサ)6Aやマスタシリンダ8の液圧を検出する液圧センサ、マスタシリンダ8のピストンの変位若しくは倍力装置7の内部部品の変位を検出する変位センサ等により行うことができる。
[0038]
 一方、所定時間、即ち、運転者が車両の停車を継続させる意思(推定条件)に対応するブレーキペダル6の踏み時間は、パーキングスイッチ18が故障したとき(異常と判定されたとき)に運転者が駐車ブレーキを保持(アプライ)させるための条件として設定されるものである。この場合、所定時間は、イグニッション(IGN)のオン(ON)のときとオフ(OFF)のときとでそれぞれ異なる値として設定することができる。具体的には、イグニッションオン(IGN_ON)のときの所定時間は、イグニッションオフ(IGN_OFF)のときの所定時間と比較して、長く設定することができる。
[0039]
 また、イグニッションオンのときは、車両の状態や運転者の操作状況に応じて所定時間の長さを可変にすることができる。例えば、イグニッションオンのときは、トランスミッションの位置に対応するシフトレバー(セレクトレバー、セレクトスイッチ)の位置が走行状態を選択しているときに、走行状態以外(非走行状態)を選択しているときと比較して、所定時間を長く設定することができる。具体的には、走行状態となるドライブ(D)、リバース(R)、ロー(L)、変速段(例えば1速ないし7速のいずれか)等を選択しているときの所定時間を、非走行状態となるパーキング(P)、ニュートラル(N)等を選択しているときの所定時間よりも長く設定することができる。このように、走行状態(D、R、L、1速ないし7速のいずれか等)を選択しているときの所定時間を長くすることにより、例えば渋滞走行のときに不必要に駐車ブレーキが保持作動されることを抑制することができる。
[0040]
 また、駐車ブレーキ制御装置19は、パーキングスイッチ異常検出手段によってパーキングスイッチ18の異常が検出されたときは、車両の停車時に運転者の降車を推定する条件を検出した場合に、(イグニッションオンであっても)電動アクチュエータ43を作動させ、駐車ブレーキを(自動的に)保持作動させる構成としている。この場合、運転者の降車を推定する条件(降車しようとしていること、および/または、降車したことを推定する条件)は、次のように設定することができる。
[0041]
 即ち、次の(1)~(6)の条件の少なくともいずれかを検出した場合に、運転者に降車の意思がある(運転者が降車する可能性が高い、運転者が降車しようとしている、運転者が降車した)と判定することができる。
(1)車両が停止した状態で、車両の少なくともいずれかのドア(例えば、運転席のドア)が開いたこと。
(2)車両が停止した状態で、運転者のシートベルトが外されたこと。
(3)車両が停止した状態で、トランスミッションの位置となるシフトレバー(セレクトレバー、セレクトスイッチ)の位置がパーキング(P)の位置に選択(操作)されたこと。
(4)車両が停止した状態で、運転者がステアリングホイール(ハンドル)から所定時間(例えば、1分程度の長時間)手を離したこと。
(5)車両が停止した状態で、運転者が運転席から離席したこと。
(6)車両が停止した状態で、運転者が降車する動きをしたこと、または、降車したこと。
[0042]
 この場合、上記(1)の検出は、ドアの開閉を検出するドアセンサ(図示せず)により行うことができる。上記(2)の検出は、シートベルトの着脱を検出するシートベルト着脱センサ(図示せず)により行うことができる。上記(3)の検出は、シフトレバーの操作位置(選択位置)を検出するシフトセンサ(図示せず)により行うことができる。上記(4)の検出は、ステアリングホイールを握っている(把持している)か否かを検出するステアリングセンサ(図示せず)により行うことができる。上記(5)の検出は、運転席の荷重を検出する着座センサ(図示せず)により行うことができる。上記(6)の検出は、運転者を映す室内カメラ(図示せず)により行うことができる。室内カメラは、例えば、上記(4)、(5)の検出も行うことができる。いずれにしても、上記(1)~(6)の条件の少なくともいずれかを検出すると、例えばイグニッションオンの状態でも、運転者に降車の意思ありと判定し、駐車ブレーキを(自動的に)保持作動させる。
[0043]
 なお、運転者の降車を推定する条件としては、(1)~(6)の各条件を組み合わせて運転者の降車を推定するようにしてもよい。また、イグニッションオフの状態で、車両の停車時に、ブレーキペダルの操作の検出か運転者の降車を推定の検出のいずれかが検出されたときに、駐車ブレーキを保持作動させるようにしてもよい。さらに、イグニッションオンの状態で、車両の停車時に、運転者の降車を推定の検出がなされたときに、駐車ブレーキを保持作動させるようにしてもよい。
[0044]
 また、駐車ブレーキ制御装置19は、パーキングスイッチ異常検出手段によってパーキングスイッチ18の異常が検出されたときは、車両の駆動装置が走行可能な状態で、車両の停車時に運転者が走行を継続しないことを推定する条件を検出した場合に、電動アクチュエータ43を作動させ、駐車ブレーキを(自動的に)保持作動させる構成とすることができる。
[0045]
 この場合、駆動装置が走行可能な状態とは、走行用のエンジンが搭載された車両であれば、例えばイグニッションオンの状態、即ち、走行用のエンジンが始動し回転軸(クランク軸)が回転している状態(少なくともアイドリング状態)をいう。走行用のエンジンと走行用の電動モータが搭載された(ハイブリッド式の)車両であれば、例えば走行可能モード(レディーモード、パワーオンモード)の状態、即ち、エンジンが始動し回転軸(クランク軸)が回転している状態と走行用の電動モータによる走行が可能な状態との少なくとも一方を満たす状態をいう。走行用電動モータのみが搭載された車両であれば、例えば走行可能モード(レディーモード、パワーオンモード)の状態、即ち、走行用電動モータによる走行が可能な状態(ないし蓄電装置による電装品、補機の駆動が可能な状態)、すなわち、車両の起動スイッチがオンの状態をいう。
[0046]
 いずれにしても、駆動装置が走行可能な状態で、車両の停車時に運転者が走行を継続しないことを推定する条件を検出した場合、例えば、ブレーキペダル6が所定時間踏まれた場合、上記(1)~(6)が検出された場合等に、運転者の非運転の意思ありと推定し、駐車ブレーキを保持作動させることができる。また、運転者を映す室内カメラにより運転者の視線が所定時間前方にないことが検出された場合、運転者の目が所定時間閉じていることが検出された場合等にも、運転者の非運転の意思ありと推定し、駐車ブレーキを保持作動させることができる。このような駐車ブレーキ制御装置19で行われる図4および図5の制御処理については、後で詳しく述べる。
[0047]
 なお、駐車ブレーキ制御装置19は、イグニッション(IGN)のオン/オフの情報、車輪速センサや車速センサによる車両の速度の情報、ブレーキペダル操作検出センサ6Aによるブレーキペダル6の操作(踏込み)の情報、シフトセンサ(セレクトセンサ、トランスミッションセンサ)によるトランスミッションの位置(シフトレバーの位置)の情報、ドアセンサによるドアの開閉の情報、シートベルトセンサによるシートベルトの着脱の情報、ステアリングセンサ(ハンドルセンサ)によるステアリングホイールの保持(把持)の情報、着座センサによる離着席の情報、室内カメラによる運転者の情報等の車両情報は、例えば、車両データバス16から取得することができる。
[0048]
 次に、左,右の後輪3,3側に設けられる電動駐車ブレーキ機能付のディスクブレーキ31,31の構成について、図3を参照しつつ説明する。なお、図3では、左,右の後輪3,3に対応してそれぞれ設けられた左,右のディスクブレーキ31,31のうちの一方のみを代表例として示している。
[0049]
 車両の左,右にそれぞれ設けられたそれぞれがブレーキ機構としての一対のディスクブレーキ31は、電動式の駐車ブレーキ機能が付設された液圧式のディスクブレーキとして構成されている。ディスクブレーキ31は、駐車ブレーキ制御装置19と共にブレーキシステム(電動ブレーキ装置)を構成する。ディスクブレーキ31は、車両の後輪3側の非回転部分に取付けられる取付部材32と、摩擦部材としてのインナ側,アウタ側のブレーキパッド33と、電動アクチュエータ43が設けられたキャリパ34とを含んで構成されている。
[0050]
 この場合、ディスクブレーキ31は、ブレーキパッド33をブレーキペダル6の操作に基づいてピストン39で推進することにより、ブレーキパッド33をディスクロータ4に押圧し、車輪(後輪3)に制動力を付与する。これに加えて、ディスクブレーキ31は、パーキングスイッチ18や前述の駐車ブレーキの保持の判断ロジックに基づく制動要求信号に応じて、電動アクチュエータ43により(回転直動変換機構40を介して)ピストン39を推進することにより、ブレーキパッド33をディスクロータ4に押圧し、車輪(後輪3)に駐車ブレーキとしての制動力を付与する。
[0051]
 取付部材32は、ディスクロータ4の外周を跨ぐようにディスクロータ4の軸方向(即ち、ディスク軸方向)に延びディスク周方向で互いに離間した一対の腕部(図示せず)と、該各腕部の基端側を一体的に連結するように設けられ、ディスクロータ4のインナ側となる位置で車両の非回転部分に固定される厚肉の支承部32Aと、ディスクロータ4のアウタ側となる位置で前記各腕部の先端側を互いに連結する補強ビーム32Bとを含んで構成されている。
[0052]
 インナ側,アウタ側のブレーキパッド33は、摩擦部材を構成するもので、ディスクロータ4の両面に当接可能に配置され、取付部材32の各腕部によりディスク軸方向に移動可能に支持されている。インナ側,アウタ側のブレーキパッド33は、キャリパ34(キャリパ本体35、ピストン39)によりディスクロータ4の両面側に押圧される。これにより、ブレーキパッド33は、車輪(後輪3)と共に回転するディスクロータ4を押圧することにより車両に制動力を与える。
[0053]
 取付部材32には、ディスクロータ4の外周側を跨ぐようにキャリパ34が配置されている。キャリパ34は、取付部材32の各腕部に対してディスクロータ4の軸方向に沿って移動可能に支持されたキャリパ本体35、このキャリパ本体35内に摺動可能に挿嵌して設けられたピストン39に加え、回転直動変換機構40、電動アクチュエータ43等を備えている。キャリパ34は、ブレーキペダル6の操作に基づいて発生する液圧によって作動するピストン39を用いてブレーキパッド33を推進する。
[0054]
 キャリパ本体35は、シリンダ部36とブリッジ部37と爪部38とを備えている。シリンダ部36は、軸線方向の一方側が隔壁部36Aによって閉塞され、ディスクロータ4に対向する他方側が開口された有底円筒状に形成されている。ブリッジ部37は、ディスクロータ4の外周側を跨ぐように該シリンダ部36からディスク軸方向に延びて形成されている。爪部38は、シリンダ部36と反対側においてブリッジ部37から径方向内側に向けて延びるように配置されている。
[0055]
 キャリパ本体35のシリンダ部36は、図1に示すブレーキ側配管部12Cまたは12Dを介してブレーキペダル6の踏込み操作等に伴う液圧が供給される。このシリンダ部36は、隔壁部36Aと一体形成されている。隔壁部36Aは、シリンダ部36と電動アクチュエータ43との間に位置している。隔壁部36Aは、軸線方向の貫通穴を有しており、隔壁部36Aの内周側には、電動アクチュエータ43の出力軸43Bが回転可能に挿入されている。キャリパ本体35のシリンダ部36内には、押圧部材(移動部材)としてのピストン39と、回転直動変換機構40とが設けられている。
[0056]
 なお、実施形態においては、回転直動変換機構40がピストン39内に収容されている。但し、回転直動変換機構40は、ピストン39を推進するように構成されていればよく、必ずしもピストン39内に収容されていなくてもよい。
[0057]
 ここで、ピストン39は、軸線方向の一方側が開口しており、インナ側のブレーキパッド33に対面する、軸線方向の他方側が蓋部39Aによって閉塞されている。ピストン39は、シリンダ36内に挿入されている。また、回転直動変換機構40はピストン39の内部に収容されており、ピストン39は、該回転直動変換機構40によりシリンダ部36の軸線方向に推進されるように構成されている。回転直動変換機構40は、車輪(後輪3)を回転不能に保持または解除可能に電動アクチュエータ43により操作されるパーキング機構を構成するものである。換言すれば、回転直動変換機構40は、電動アクチュエータ43の駆動(回転)に基づいて、ピストン39およびブレーキパッド33の位置の保持またはその解除を行う押圧部材保持機構を構成するものである。
[0058]
 具体的には、回転直動変換機構40は、シリンダ部36内への液圧付加によって生じる力とは異なる外力、即ち、電動アクチュエータ43により発生される力によってキャリパ34のピストン39を推進させると共に、推進されたピストン39およびブレーキパッド33を保持する。これにより、駐車ブレーキは保持状態(アプライ状態)となる。一方、回転直動変換機構40は、電動アクチュエータ43によりピストン39を推進方向とは逆方向に退避させ、駐車ブレーキを解除状態とする。そして、左,右の後輪3用に左,右のディスクブレーキ31がそれぞれ設けられるので、回転直動変換機構40および電動アクチュエータ43も、車両の左,右それぞれに設けられている。
[0059]
 回転直動変換機構40は、台形ねじ等の雄ねじが形成された棒状体を有するねじ部材41と、台形ねじによって形成される雌ねじ穴が内周側に形成された推進部材となる直動部材42とにより構成されている。即ち、直動部材42の内周側に螺合したねじ部材41は、電動アクチュエータ43による回転運動を直動部材42の直線運動に変換するねじ機構を構成している。この場合、直動部材42の雌ねじとねじ部材41の雄ねじとは、不可逆性の大きいねじ、実施形態においては、台形ねじを用いて形成することによりパーキング機構を構成している。
[0060]
 回転直動変換機構40は、電動アクチュエータ43に対する給電を停止した状態でも、直動部材42(即ち、ピストン39)を任意の位置で摩擦力(保持力)によって保持するようになっている。なお、回転直動変換機構40は、電動アクチュエータ43により推進された位置にピストン39を保持することができればよく、例えば、台形ねじ以外の不可逆性の大きい通常の三角断面のねじやウォームギヤとしてもよい。
[0061]
 直動部材42の内周側に螺合して設けられたねじ部材41には、軸線方向の一方側に大径の鍔部であるフランジ部41Aが設けられている。ねじ部材41の軸線方向の他方側は、ピストン39の蓋部39Aに向けて延びている。ねじ部材41は、フランジ部41Aにおいて電動アクチュエータ43の出力軸43Bに一体的に連結されている。また、直動部材42の外周側には、直動部材42をピストン39に対して回り止め(相対回転を規制)しつつ、直動部材42が軸線方向に相対移動することを許容する係合突部42Aが設けられている。
[0062]
 電動モータ(電動機構、駐車ブレーキ用アクチュエータ)としての電動アクチュエータ43は、ケーシング43A内に設けられている。このケーシング43Aは、キャリパ本体35のシリンダ部36に隔壁部36Aの外側位置で固定して設けられている。電動アクチュエータ43は、上述の作動要求信号(保持の作動要求信号、解除の作動要求信号)に応じてディスクブレーキ31を作動(保持・解除)させるもので、ステータ、ロータ等を内蔵するモータと、該モータのトルクを増大する減速機(いずれも図示せず)とを含んで構成されている。減速機は、増大後の回転トルクを出力する出力軸43Bを有している。出力軸43Bは、シリンダ部36の隔壁部36Aを軸線方向に貫通して延びており、ねじ部材41と一体に回転するように、シリンダ部36内においてねじ部材41のフランジ部41Aの端部に連結されている。
[0063]
 出力軸43Bとねじ部材41との連結手段は、例えば軸線方向には移動可能であるが回転方向には回り止めされるように構成することができる。この場合は、例えばスプライン嵌合や多角形柱による嵌合(非円形嵌合)等の公知の技術が用いられる。なお、減速機としては、例えば、遊星歯車減速機やウォーム歯車減速機等が用いられてもよい。また、ウォーム歯車減速機等、逆作動性のない(不可逆性の)公知の減速機を用いる場合は、回転直動変換機構40として、ボールねじやボールランプ機構等、可逆性のある公知の機構を用いることができる。この場合は、例えば、可逆性の回転直動変換機構と不可逆性の減速機とによりパーキング機構を構成することができる。
[0064]
 運転者が図1ないし図3に示すパーキングスイッチ18を操作したときには、駐車ブレーキ制御装置19を介して電動アクチュエータ43(のモータ)に給電され、電動アクチュエータ43の出力軸43Bが回転される。このため、回転直動変換機構40のねじ部材41は、一方向に出力軸43Bと一体に回転され、直動部材42を介してピストン39をディスクロータ4側に推進(駆動)する。これにより、ディスクブレーキ31は、ディスクロータ4をインナ側およびアウタ側のブレーキパッド33間で挟持し、電動式の駐車ブレーキとして制動力を付与した状態、即ち、保持状態(アプライ状態)となる。
[0065]
 一方、パーキングスイッチ18が制動解除側に操作されたときには、電動アクチュエータ43により回転直動変換機構40のねじ部材41が他方向(逆方向)に回転駆動される。これにより、直動部材42(および液圧付加がなければピストン39)は、ディスクロータ4から離れる方向に駆動され、ディスクブレーキ31は、駐車ブレーキとしての制動力の付与が解除された状態、即ち、解除状態(リリース状態)となる。
[0066]
 この場合、回転直動変換機構40では、ねじ部材41が直動部材42に対して相対回転されるとき、ピストン39内での直動部材42の回転が規制されているため、直動部材42は、ねじ部材41の回転角度に応じて軸線方向に相対移動する。これにより、回転直動変換機構40は、回転運動を直線運動に変換し、直動部材42によりピストン39が推進される。また、これと共に、回転直動変換機構40は、直動部材42を任意の位置でねじ部材41との摩擦力によって保持することにより、ピストン39およびブレーキパッド33を電動アクチュエータ43により推進された位置に保持する。
[0067]
 シリンダ部36の隔壁部36Aとねじ部材41のフランジ部41Aとの間には、スラスト軸受44が設けられている。このスラスト軸受44は、隔壁部36Aと共にねじ部材41からのスラスト荷重を受け、隔壁部36Aに対するねじ部材41の回転を円滑にする。また、シリンダ部36の隔壁部36Aには、電動アクチュエータ43の出力軸43Bとの間にシール部材45が設けられ、該シール部材45は、シリンダ部36内のブレーキ液が電動アクチュエータ43側に漏洩するのを阻止するように両者の間をシールしている。
[0068]
 また、シリンダ部36の開口端側には、該シリンダ部36とピストン39との間をシールする弾性シールとしてのピストンシール46と、シリンダ部36内への異物侵入を防ぐダストブーツ47とが設けられている。ダストブーツ47は、可撓性を有した蛇腹状のシール部材であり、シリンダ部36の開口端とピストン39の蓋部39A側の外周との間に取付けられている。
[0069]
 なお、前輪2用のディスクブレーキ5は、駐車ブレーキ機構を除いて、後輪3用のディスクブレーキ31とほぼ同様に構成されている。即ち、前輪2用のディスクブレーキ5は、後輪3用のディスクブレーキ31が備える、駐車ブレーキとして作動する回転直動変換機構40および電動アクチュエータ43等を備えていない。しかし、ディスクブレーキ5に代えて、前輪2用に電動駐車ブレーキ機能付のディスクブレーキ31を設けられてもよい。
[0070]
 なお、実施形態では、電動アクチュエータ43を有する液圧式のディスクブレーキ31を例に挙げて説明した。しかし、例えば、電動キャリパを有する電動式ディスクブレーキ、電動アクチュエータによりシューをドラムに押付けて制動力を付与する電動式ドラムブレーキ、電動ドラム式の駐車ブレーキを有するディスクブレーキ、電動アクチュエータでケーブルを引っ張ることにより駐車ブレーキを保持作動させる構成等、電動アクチューエータ(電動モータ)の駆動に基づいて摩擦部材(パッド、シュー)を回転部材(ディスクロータ、ドラム)に押圧(推進)し、その押圧力を保持させることができるパーキング機構が設けられたブレーキ機構であれば、その構成は、上述の実施形態の構成でなくともよい。
[0071]
 実施形態による4輪自動車のブレーキシステムは、上述の如き構成を有するもので、次に、その作動について説明する。
[0072]
 車両の運転者がブレーキペダル6を踏込み操作すると、その踏力が倍力装置7を介してマスタシリンダ8に伝達され、マスタシリンダ8によってブレーキ液圧が発生する。マスタシリンダ8内で発生した液圧は、シリンダ側液圧配管10A,10B、ESC11およびブレーキ側配管部12A,12B,12C,12Dを介して各ディスクブレーキ5,31に分配され、左,右の前輪2と左,右の後輪3とにそれぞれ制動力が付与される。
[0073]
 後輪3用のディスクブレーキ31について説明する。キャリパ34のシリンダ部36内にブレーキ側配管部12C,12Dを介して液圧が供給され、シリンダ部36内の液圧上昇に従ってピストン39がインナ側のブレーキパッド33に向けて摺動的に変位する。これにより、ピストン39は、インナ側のブレーキパッド33をディスクロータ4の一側面に対して押圧する。このときの反力によって、キャリパ34全体が取付部材32の前記各腕部に対してインナ側に摺動的に変位する。
[0074]
 この結果、キャリパ34のアウタ脚部(爪部38)は、アウタ側のブレーキパッド33をディスクロータ4に対して押圧するように動作し、ディスクロータ4は、一対のブレーキパッド33によって軸線方向の両側から挟持される。それによって、液圧に基づく制動力が発生される。一方、ブレーキ操作が解除されたときには、シリンダ部36内への液圧供給が停止されることにより、ピストン39がシリンダ部36内へと後退するように変位する。これによって、インナ側とアウタ側のブレーキパッド33がディスクロータ4からそれぞれ離間し、車両は非制動状態に戻される。
[0075]
 次に、車両の運転者がパーキングスイッチ18を制動側(オン)に操作したときには、駐車ブレーキ制御装置19からディスクブレーキ31の電動アクチュエータ43に給電が行われ、電動アクチュエータ43の出力軸43Bが回転駆動される。電動駐車ブレーキ機能付のディスクブレーキ31は、電動アクチュエータ43の回転運動を回転直動変換機構40のねじ部材41を介して直動部材42の直線運動に変換し、直動部材42を軸線方向に移動させてピストン39を推進する。これにより、一対のブレーキパッド33がディスクロータ4の両面に対して押圧される。
[0076]
 このとき、直動部材42は、ピストン39から伝達される押圧反力を垂直抗力とした、ねじ部材41との間に発生する摩擦力(保持力)により制動状態に保持され、後輪3用のディスクブレーキ31は、駐車ブレーキとして作動(アプライ)される。即ち、電動アクチュエータ43への給電を停止した後にも、直動部材42の雌ねじとねじ部材41の雄ねじとにより、直動部材42(ひいては、ピストン39)は制動位置に保持されることができる。
[0077]
 一方、運転者がパーキングスイッチ18を制動解除側(オフ)に操作したときには、駐車ブレーキ制御装置19から電動アクチュエータ43に対してモータが逆転するように給電され、電動アクチュエータ43の出力軸43Bは、駐車ブレーキの作動時(アプライ時)と逆方向に回転される。このとき、ねじ部材41と直動部材42とによる制動力の保持が解除され、回転直動変換機構40は、電動アクチュエータ43の逆回転の量に対応した移動量で直動部材42を戻り方向に、即ち、シリンダ部36内へと移動させ、駐車ブレーキ(ディスクブレーキ31)の制動力を解除する。
[0078]
 ところで、パーキングスイッチ18が故障したときに、駐車ブレーキの保持(アプライ)が行えなくなると、不便である。一方、パーキングスイッチ18が故障した場合に、イグニッションオフを条件に、駐車ブレーキの保持を自動的に行う構成とすることが考えられる。しかし、この場合は、運転者が他の乗員を残して車両から離れるときに、駐車ブレーキを保持するために、イグニッションオフをしなければならない。これにより、エアコン(車内空調装置)を運転することができなくなり、例えば酷暑や寒冷の中では乗員に過度の不快感を与えるおそれがある。
[0079]
 これに対し、実施形態では、駐車ブレーキ制御装置19は、パーキングスイッチ18の故障(異常)が検出されると、車両の停車時に運転者が走行を継続しないことを推定する条件を検出した場合に、駐車ブレーキの保持を行うべく電動アクチュエータ43を駆動する構成としている。
[0080]
 以下、駐車ブレーキ制御装置19の演算回路20で行われる制御処理(パーキングスイッチ18の異常時の駐車ブレーキの自動保持の処理)について、図4および図5を参照しつつ説明する。なお、図4および図5の処理は、駐車ブレーキ制御装置19に通電している間、所定の制御周期で、即ち、所定時間(例えば、10ms)毎に繰り返し実行される。
[0081]
 この場合、駐車ブレーキ制御装置19への通電は、例えば、運転者のパワースイッチ、キースイッチ等(イグニッションスイッチ50)の操作によるアクセサリオン(ACCモード)、イグニッションオン(レディーモード)、電源オン(オンモード)等のシステム起動(車両システムの起動、駐車ブレーキ制御装置19の起動)により開始される。
[0082]
 一方、駐車ブレーキ制御装置19への通電の終了(停止)は、運転者のパワースイッチ、キースイッチ等の操作によるイグニッションオフ(電源オフ、ロック)が行われた後、直ちに終了するのではなく、運転者の操作の後、ある程度の時間(所定時間:例えば5分程度)の経過後に終了する。この理由は、運転者のパワースイッチ、キースイッチ等の操作によるイグニッションオフ(電源オフ、ロック)の後にも、運転者の操作による駐車ブレーキの保持作動、および、図4および図5の処理による駐車ブレーキの自動的な保持作動を可能にするためである。
[0083]
 駐車ブレーキ制御装置19への通電により、図4の処理動作がスタートすると、演算回路20は、S1で、パーキングスイッチ18が故障しているか否か(異常があるか否か)を判定する。この判定は、例えば、パーキングスイッチ18の電圧値に基づいて行う。具体的には、例えば、パーキングスイッチ18の電圧値が、アプライ操作のときの電圧値とリリース操作のときの電圧値と操作なしのときの電圧値とのいずれの電圧値に対しても外れた(ずれた)場合に、パーキングスイッチ18の故障(異常)と判定することができる。
[0084]
 S1で、「YES」、即ち、パーキングスイッチ18が故障している(異常あり)と判定された場合は、S2に進む。S2では、車両が停車中であるか否かを判定する。この判定は、車両の速度(車速)に基づいて行うことができる。即ち、車速が、例えば、走行中に減速に伴って4km/h未満の状態が所定時間(例えば、30ms)継続した場合に車両が停止中と判定し、停車から増速に伴って5km/h以上の状態が所定時間(例えば、30ms)継続した場合に車両が走行中と判定することができる。車速は、例えば、車両データバス16から取得される車輪2,3の速度(車輪速)を用いることができる。また、車輪速以外にも、例えば、車両のトランスミッションの回転軸の回転速度から求められる車速等の他の車速に関する情報を用いてもよい。
[0085]
 S2で、「YES」、即ち、車両が停車中であると判定された場合は、S3に進む。S3では、運転者による発進操作があるか否かを判定する。この判定は、例えば、運転者がアクセルペダルを踏んだか否か、運転者がシフトレバー(セレクトレバー、セレクトスイッチ)を走行状態(D、R、L、1速ないし7速のいずれか等)に操作したか否か等により判定することができる。この場合、アクセルペダルの操作の情報、シフトレバーの操作位置(選択位置)の情報は、例えば車両データバス16から取得することができる。
[0086]
 S3で、「NO」、即ち、運転者による発進操作がないと判定された場合は、S4に進む。S4では、イグニッション(IGN)の切換わりがあるか否かを判定する。即ち、直前の制御周期のイグニッション(IGN)の状態と今回の制御周期のイグニッション(IGN)の状態が相違するか否か、具体的には、直前の制御周期がイグニッションオン(IGN_ON)で今回の制御周期がイグニッションオフ(IGN_OFF)であるか否か、または、直前の制御周期がイグニッションオフ(IGN_OFF)で今回の制御周期がイグニッションオン(IGN_ON)であるか否かを判定する。イグニッションのオン/オフの情報は、例えば車両データバス16から取得することができる。
[0087]
 S4で、「NO」、即ち、イグニッション(IGN)の切換わりがないと判定された場合は、S5,6を介することなく、S7に進む。一方、S4で、「YES」、即ち、イグニッション(IGN)の切換わりがあると判定された場合は、S5,6に進む。S5では、運転者の走行を継続しないことを推定する条件となる「ブレーキ踏み用カウンタ」を0にする(リセットする)。S6では、運転者の走行を継続しないことを推定する条件となる「降車or非運転用カウンタ」を0にする(リセットする)。
[0088]
 S4またはS6に続くS7では、ブレーキ踏み中(ブレーキペダル6の踏み込み中)であるか否かを判定する。この場合、ブレーキペダル6の操作は、ブレーキペダル操作検出センサ6Aから(車両データバス16を介して)取得することができる。
[0089]
 S7で、「YES」、即ち、ブレーキ踏み中であると判定された場合は、S8に進み、「ブレーキ踏み用カウンタ」の値に1を加える(カウントアップする)。一方、S7で、「NO」、即ち、ブレーキ踏み中でないと判定された場合は、S9に進み、「ブレーキ踏み用カウンタ」の値を0にする(リセットする)。
[0090]
 S8またはS9に続くS10では、運転者の降車または非運転を推定する条件が検出されたか否かを判定する。ここで、運転者の降車を推定する条件に対応する運転者の降車の意思(降車しようとしていること、および/または、降車したこと)は、例えば、車両の少なくともいずれかのドアが開いたこと、シートベルトが外されたこと、シフトレバーがパーキング(P)の位置に操作されたこと、ステアリングホイール(ハンドル)から手が所定時間離されたこと、運転者が離席したこと、運転者が降車する動きをしたこと、運転者が降車したこと等が検出された場合に、その意思ありと推定することができる。
[0091]
 また、運転者の非運転を推定する条件に対応する運転者の非運転の意思は、例えば、運転者の降車の意思と同様の状態が検出されたことにより、その意思ありと推定することができる。また、運転者を映す室内カメラにより運転者の視線が所定時間前方にないこと、運転者が所定時間目を閉じていること等が検出されたときに、運転者の非運転の意思ありと推定することができる。運転者の降車の意思、運転者の非運転の意思を推定するための情報(条件)は、例えば車両データバス16から取得することができる。
[0092]
 S10で、「YES」、即ち、運転者の降車または非運転を推定する条件が検出されたと判定された場合は、S11に進み、「降車or非運転用カウンタ」の値に1を加える(カウントアップする)。一方、S10で、「NO」、即ち、運転者の降車または非運転を推定する条件が検出されないと判定された場合は、S12に進み、「降車or非運転用カウンタ」の値を0にする(リセットする)。
[0093]
 一方、S1で、「NO」、即ち、パーキングスイッチ18が故障していない(異常なし)と判定された場合、S2で、「NO」、即ち、車両が停車中でない(走行中である)と判定された場合、および、S3で、「YES」、即ち、運転者による発進操作があると判定された場合は、いずれも、S13,14に進む。S13では、「ブレーキ踏み用カウンタ」の値を0にし(リセットし)、続くS14では、「降車or非運転用カウンタ」の値を0にする(リセットする)。
[0094]
 S11、S12またはS14に続くS15では、イグニッションオン(IGN_ON)であるか否かを判定する。イグニッションオン/オフの情報は、例えば車両データバス16から取得することができる。S15で、「YES」、即ち、イグニッションオンであると判定された場合は、S16に進み、「ブレーキ踏み用カウンタ」が「イグニッションオンのときのブレーキ踏み用カウンタ閾値」以上であるか否かを判定する。
[0095]
 ここで、「イグニッションオンのときのブレーキ踏み用カウンタ閾値」は、イグニッションオンのときに、ブレーキペダル6が踏まれてから駐車ブレーキの保持作動が自動的に開始されるまでの所定時間に対応するものである。「イグニッションオンのときのブレーキ踏み用カウンタ閾値」は、イグニッションオンの状態で、駐車ブレーキの保持が必要とされるとき(運転者や乗員が望むとき)に、駐車ブレーキの保持を行うことができるように、例えば、実験、計算、シミュレーション等により、好ましい値を予め設定しておく。
[0096]
 「イグニッションオンのときのブレーキ踏み用カウンタ閾値」は、後述のS18で用いる「イグニッションオフのときのブレーキ踏み用カウンタ閾値」よりも大きい値とすることができる。これにより、駐車ブレーキの保持作動が自動的に開始されるまでのブレーキペダル6の踏み時間となる所定時間を、イグニッションオンのときに、イグニッションオフのときと比較して長くすることができる。
[0097]
 また、「イグニッションオンのときのブレーキ踏み用カウンタ閾値」は、車両の状態や運転者の操作状況に応じて可変にすることができる。例えば、シフトレバーの選択位置が走行状態(D、R、L、1速ないし7速のいずれか等)のときの閾値を、シフトレバーの位置が非走行状態(P、N)のときの閾値と比較して、大きくすることができる。
[0098]
 S16で、「YES」、即ち、「ブレーキ踏み用カウンタ」が「イグニッションオンのときのブレーキ踏み用カウンタ閾値」以上であると判定された場合は、S20に進み、自動アプライ指令を出力する。即ち、駐車ブレーキ制御装置19の指令に基づいて、電動アクチュエータ43を制動側に回転させ、駐車ブレーキを保持作動させる。
[0099]
 一方、S16で、「NO」、即ち、「ブレーキ踏み用カウンタ」が「イグニッションオンのときのブレーキ踏み用カウンタ閾値」以上でないと判定された場合は、S17に進む。S17では、「降車or非運転用カウンタ」が「イグニッションオンのときの降車or非運転用カウンタ閾値」以上であるか否かを判定する。
[0100]
 ここで、「イグニッションオンのときの降車or非運転用カウンタ閾値」は、イグニッションオンのときに、運転者の降車または非運転を推定する条件が検出されてから駐車ブレーキの保持作動が自動的に開始されるまでの所定時間に対応するものである。「イグニッションオンのときの降車or非運転用カウンタ閾値」も、イグニッションオンの状態で、駐車ブレーキの保持が必要とされるとき(運転者や乗員が望むとき)に、駐車ブレーキの保持を行うことができるように、例えば、実験、計算、シミュレーション等により、好ましい値を予め設定しておく。
[0101]
 S17で、「YES」、即ち、「降車or非運転用カウンタ」が「イグニッションオンのときの降車or非運転用カウンタ閾値」以上であると判定された場合は、S20に進み、自動アプライ指令を出力する。即ち、駐車ブレーキ制御装置19の指令に基づいて、電動アクチュエータ43を制動側に回転させ、駐車ブレーキを保持作動させる。
[0102]
 一方、S17で、「NO」、即ち、「降車or非運転用カウンタ」が「イグニッションオンのときの降車or非運転用カウンタ閾値」以上でないと判定された場合は、S20を介することなくリターンに進み、スタートを介してS1以降の処理を繰り返す。
[0103]
 一方、S15で、「NO」、即ち、イグニッションオンでないと判定された場合は、S18に進み、「ブレーキ踏み用カウンタ」が「イグニッションオフのときのブレーキ踏み用カウンタ閾値」以上であるか否かを判定する。
[0104]
 ここで、「イグニッションオフのときのブレーキ踏み用カウンタ閾値」は、イグニッションオフのときに、ブレーキペダル6が踏まれてから駐車ブレーキの保持作動が自動的に開始されるまでの所定時間に対応するものである。「イグニッションオフのときのブレーキ踏み用カウンタ閾値」は、イグニッションオフの状態で、駐車ブレーキの保持が必要とされるとき(運転者や乗員が望むとき)に、駐車ブレーキの保持を行うことができるように、例えば、実験、計算、シミュレーション等により、好ましい値を予め設定しておく。
[0105]
 S18で、「YES」、即ち、「ブレーキ踏み用カウンタ」が「イグニッションオフのときのブレーキ踏み用カウンタ閾値」以上であると判定された場合は、S20に進み、自動アプライ指令を出力する。即ち、駐車ブレーキ制御装置19の指令に基づいて、電動アクチュエータ43を制動側に回転させ、駐車ブレーキを保持作動させる。
[0106]
 一方、S18で、「NO」、即ち、「ブレーキ踏み用カウンタ」が「イグニッションオフのときのブレーキ踏み用カウンタ閾値」以上でないと判定された場合は、S19に進む。S19では、「降車or非運転用カウンタ」が「イグニッションオフのときの降車or非運転用カウンタ閾値」以上であるか否かを判定する。
[0107]
 ここで、「イグニッションオフのときの降車or非運転用カウンタ閾値」は、イグニッションオフのときに、運転者の降車または非運転を推定する条件が検出されてから駐車ブレーキの保持作動が自動的に開始されるまでの所定時間に対応するものである。「イグニッションオフのときの降車or非運転用カウンタ閾値」も、イグニッションオフの状態で、駐車ブレーキの保持が必要とされるとき(運転者や乗員が望むとき)に、駐車ブレーキの保持を行うことができるように、例えば、実験、計算、シミュレーション等により、好ましい値を予め設定しておく。
[0108]
 S19で、「YES」、即ち、「降車or非運転用カウンタ」が「イグニッションオフのときの降車or非運転用カウンタ閾値」以上であると判定された場合は、S20に進み、自動アプライ指令を出力する。即ち、駐車ブレーキ制御装置19の指令に基づいて、電動アクチュエータ43を制動側に回転させ、駐車ブレーキを保持作動させる。
[0109]
 一方、S19で、「NO」、即ち、「降車or非運転用カウンタ」が「イグニッションオフのときの降車or非運転用カウンタ閾値」以上でないと判定された場合は、S20を介することなくリターンに進み、スタートを介してS1以降の処理を繰り返す。
[0110]
 実施形態では、パーキングスイッチ18が故障しても、駐車ブレーキの保持を行うことができ、車両の停車状態を維持することが可能となる。
[0111]
 即ち、実施形態では、パーキングスイッチ18が故障したとき(異常と判定されたとき)は、車両が停車した状態でブレーキペダル6が所定時間踏まれている場合、または、車両が停車した状態で運転者の降車ないし非運転を推定する条件を検出した場合に、電動アクチュエータ43を制動側に作動させて駐車ブレーキの保持を行うことができる。これにより、パーキングスイッチ18が故障しても、駐車ブレーキの保持を行うことができ、車両の停車状態を維持することが可能となる。
[0112]
 また、実施形態では、パーキングスイッチ18が故障したとき(異常と判定されたとき)は、駆動装置となるエンジンが走行可能な状態(イグニッションオンの状態)で、車両が停車しているときに、運転者が走行を継続しないことを推定する条件(ブレーキペダル6が所定時間踏まれたことや運転者の降車ないし非運転を推定する条件)を検出した場合に、電動アクチュエータ43を制動側に作動させて駐車ブレーキの保持を行うことができる。これにより、パーキングスイッチ18が故障しても、駆動装置が走行可能な状態(イグニッションオンの状態)で、駐車ブレーキの保持を行うことができる。この場合、例えば、車内空調装置(エアコン)を運転した状態で、車両の停車状態を維持することが可能となり、パーキングスイッチ18が故障しても、酷暑や寒冷の中で乗員に不快感を与えることを抑制することができる。
[0113]
 実施形態では、駐車ブレーキ制御装置19は、イグニッションのオンのときに、オフのときと比較して所定時間を長く設定する構成としている。これにより、イグニッションのオンのときに、駐車ブレーキの保持が不必要に行われることを抑制することができる。
[0114]
 実施形態では、駐車ブレーキ制御装置19は、イグニッションのオンのときに、トランスミッションの位置となるシフトレバーの選択位置が走行状態(D、R、L、1速ないし7速のいずれか等)のときに、走行状態以外(非走行状態:P、N)を選択しているときと比較して所定時間を長く設定する構成としている。これにより、短時間の停車と走行とが繰り返されるとき、例えば渋滞走行中に、駐車ブレーキの保持が不必要に行われることを抑制することができる。
[0115]
 実施形態では、運転者の降車を推定する条件は、車両の少なくともいずれかのドアが開いたこととしている。この場合は、車両が停止した状態で、車両の少なくともいずれかのドアが開いたときに、駐車ブレーキの保持を行うことができる。これにより、パーキングスイッチ18が故障したときにも、駐車ブレーキの保持が必要なとき(運転者や乗員が望むとき)に、駐車ブレーキの保持を行うことができる。
[0116]
 実施形態では、運転者の降車を推定する条件は、車両が停止した状態で運転者のシートベルトが外されたこととしている。この場合は、車両が停止した状態で、運転者のシートベルトが外されたときに、駐車ブレーキの保持を行うことができる。これにより、パーキングスイッチ18が故障したときにも、駐車ブレーキの保持が必要なとき(運転者や乗員が望むとき)に、駐車ブレーキの保持を行うことができる。
[0117]
 実施形態では、運転者の降車を推定する条件は、トランスミッションの位置となるシフトレバーの位置がパーキング位置(P)に選択されたこととしている。この場合は、車両が停止した状態で、トランスミッションがパーキング位置(P)に選択されたときに、駐車ブレーキの保持が行われる。これにより、パーキングスイッチ18が故障したときにも、駐車ブレーキの保持が必要なとき(運転者や乗員が望むとき)に、駐車ブレーキの保持を行うことができる。
[0118]
 なお、上述した実施形態では、図4のS1の処理が本発明の構成要件であるパーキングスイッチ異常検出手段の具体例を示している。
[0119]
 上述した実施形態では、S4の処理でイグニッション(IGN)の切換わりがある(YES)と判定されると、S5の処理で「ブレーキ踏み用カウンタ」を0にし(リセットし)、S6の処理で「降車or非運転用カウンタ」を0にする(リセットする)構成とした場合を例に挙げて説明した。しかし、これに限らず、例えば、S4,5,6の処理を省略し、S3で「NO」と判定された場合はS7に進む構成としてもよい。
[0120]
 上述した実施形態では、S15で「NO」、即ち、イグニッションオンでないと判定された場合は、S18またはS19で「ブレーキ踏み用カウンタ」または「降車or非運転用カウンタ」がその閾値以上である(YES)と判定されると、S20に進み、駐車ブレーキを保持作動させる構成とした場合を例に挙げて説明した。
[0121]
 即ち、実施形態では、イグニッションオンでないと判定された場合、「ブレーキ踏み用カウンタ」または「降車or非運転用カウンタ」がその閾値以上であることを条件に、駐車ブレーキを保持作動させる構成としている。しかし、これに限らず、例えば、S15で「NO」と判定されると、S18またはS19の処理を介することなくS20に進む構成としてもよい。即ち、イグニッションオンでないと判定されたとき、より具体的には、イグニッションオフやアクセサリ状態等、エンジン等の駆動装置を非駆動状態としたときに、駐車ブレーキを保持作動させる構成としてもよい。
[0122]
 次に、図6および図7は、第2の実施形態を示している。第2の実施形態の特徴は、車両のドアが開いた状態でパーキングスイッチの異常が検出されたときは、その開いた状態のドアが閉じて再び開いたときに運転者の降車を推定する構成としたことにある。なお、第2の実施形態では、第1の実施形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略する。
[0123]
 上述の第1の実施形態では、パーキングスイッチ異常検出手段によってパーキングスイッチ18の異常が検出された場合において、車両が停止した状態で車両のドア(例えば、運転席のドア)が開くと、イグニッションオンであっても(即ち、イグニッションオンであるか否かにかかわらず)、電動アクチュエータ43を作動させ、駐車ブレーキを(自動的に)保持作動させる。このため、例えば、車両のドアが開いた状態でパーキングスイッチ18の異常が検出されると、その異常が検出された時点で電動アクチュエータ43が作動し、駐車ブレーキが保持状態となる。この場合、例えば、イグニッションオンにしていた運転者にとっては、異常の検出により前触れなく駐車ブレーキが保持作動することになり、違和感を与えるおそれがある。
[0124]
 そこで、第2の実施形態の駐車ブレーキ制御装置19は、車両に設けられた複数のドアのうちの少なくともいずれかのドア(例えば、運転席のドア)が開いた状態で、パーキングスイッチ18の異常が検出されたときは、その開いた状態のドアが閉じて再び開いたことを条件に、電動アクチュエータ43を作動させ、駐車ブレーキを(自動的に)保持作動させる。ここで、この条件、即ち、「開いた状態のドアが閉じて再び開いたこと」は、イグニッションオンであるか否かにかかわらず、運転者の降車を推定する条件とすることができる。但し、上記条件は、イグニッションオンであるときの運転者の降車を推定する条件とすることがより好ましい。
[0125]
 このため、第2の実施形態では、イグニッションオンであり、車両のいずれかのドアが開いており、かつ、パーキングスイッチ18の異常が検出されたときは、その開いた状態のドアが閉じて再び開くと、電動アクチュエータ43を作動させ、駐車ブレーキを保持作動させる。一方、イグニッションオフのときは、パーキングスイッチ18の異常が検出されると、車両のいずれかのドアが開であることを条件に、電動アクチュエータ43を作動させ、駐車ブレーキを保持作動させる。
[0126]
 このような制御処理を行うために、第2の実施形態では、図4のS10の処理、即ち、運転者の降車または非運転を推定する条件が検出されたか否かの判定処理の一つとして、図6の処理を行う。即ち、図4のS8またはS9を介して図4のS10に進むことにより、図6の処理がスタートすると、図6のS21では、パーキングスイッチ18が故障しているか否か(異常があるか否か)を判定する。この判定は、図4のS1と同様の処理となる。図6のS21で、「NO」、即ち、パーキングスイッチ18が故障していないと判定されると、S22に進み、降車または非運転状態でないと判定し、処理を終了する。なお、この場合、例えば、運転者の降車または非運転を推定するための他の条件(前述した段落[0041]の(2)~(6)の条件)を検出する処理に進んでもよい。または、他の条件を検出する処理が行われている場合は、図6のリターンを介して、図4のS12に進んでもよい。
[0127]
 一方、図6のS21で、「YES」、即ち、パーキングスイッチ18が故障していると判定されると、S23に進む。S23では、今回の制御処理で車両のドア(例えば、運転席のドア)が開状態であるか否かを判定する。この判定は、例えば、ドアセンサによるドアの開閉の情報を車両データバス16から取得し、この取得した情報に基づいて行うことができる。S23で、「NO」、即ち、今回の制御処理で車両のドアが開状態でないと判定されると、S22に進む。一方、S23で、「YES」、即ち、今回の制御処理で車両のドアが開状態であると判定されると、S24に進む。
[0128]
 S24では、イグニッションオン(IGN_ON)であるか否かを判定する。この判定は、図5のS15と同様の処理となる。図6のS24で、「YES」、即ち、イグニッションオンであると判定された場合は、S25に進む。一方、S24で、「NO」、即ち、イグニッションオフであると判定された場合は、S25を介することなくS26に進む。S25では、前回の制御処理で車両のドアが閉状態であったか否かを判定する。この判定は、例えば前回の制御処理で記憶部21に記憶されたドアの開閉情報に基づいて判定することができる。
[0129]
 S25で、「NO」、即ち、前回の制御処理で車両のドアが閉状態でないと判定された場合は、S22に進む。一方、S25で、「YES」、即ち、前回の制御処理で車両のドアが閉状態であったと判定された場合は、S22に進み、降車または非運転状態と判定し、処理を終了する。この場合は、図6のリターンを介して、図4のS11に進む。
[0130]
 図7は、ドアの開閉と駐車ブレーキの保持との関係を示すタイムチャートである。この図7に示すように、イグニッションオンであり、かつ、ドアが開いているときに、図7の(a)の時点で、パーキングスイッチ18の異常が検出されても、S25により「NO」と判定される。これにより、(a)の時点では、駐車ブレーキが保持状態とはならない。一方、パーキングスイッチ18の異常が検出された後、図7の(b)の時点で、ドアが閉から開になると、図6のS25で「YES」と判定される。これにより、図7の(b)の時点で、駐車ブレーキの保持作動(Applying)が開始され、その後、駐車ブレーキが完全に保持状態となったロック状態(Lock)となる。
[0131]
 第2の実施形態は、上述の如き図6の処理により降車または非運転状態を判定するもので、その基本的作用については、第1の実施形態によるものと格別差異はない。
[0132]
 特に、第2の実施形態では、イグニッションオンであり、車両のいずれかのドア(例えば、運転席のドア)が開いており、かつ、パーキングスイッチ18の異常が検出されたときは、図6のS21~S25の処理により、その開いた状態のドアが閉じて再び開くと、降車または非運転状態と判定される。そして、この判定に基づいて、S20で、電動アクチュエータ43が作動し、駐車ブレーキを保持作動させることができる。これにより、イグニッションオンにしていた運転者に対して違和感を与えること、即ち、異常の検出により前触れなく駐車ブレーキが保持作動されることによる違和感を抑制できる。
[0133]
 一方、イグニッションオフであり、かつ、ドアが開いているときは、運転者に車両を発進させる意思がないと判定できる。この場合は、S23、S24と進み、S25を介することなく、S26に進む。このため、イグニッションオフのときは、ドアが開であれば、S26で降車または非運転状態と判定され、この判定に基づいて、S20で、電動アクチュエータ43が作動し、駐車ブレーキを保持作動させることができる。これにより、イグニッションオフのときは、ドアが開であることを条件に、迅速に駐車ブレーキを作動させることができる。
[0134]
 なお、上述した各実施形態では、左,右の後輪側ブレーキを電動駐車ブレーキ機能付のディスクブレーキ31とした場合を例に挙げて説明した。しかし、これに限らず、例えば、全ての車輪(4輪全て)のブレーキを電動駐車ブレーキ機能付のディスクブレーキにより構成してもよい。
[0135]
 上述した各実施形態では、電動駐車ブレーキ付の液圧式ディスクブレーキ31を例に挙げて説明した。しかし、これに限らず、例えば液圧の供給が不要な電動式ディスクブレーキにより構成してもよい。また、ディスクブレーキ式のブレーキ機構に限らず、例えば、ドラムブレーキ式のブレーキ機構として構成してもよいものである。さらに、例えば、ディスクブレーキにドラム式の電動駐車ブレーキを設けたドラムインディスクブレーキ、電動モータでケーブルを引っ張ることにより駐車ブレーキの保持を行う構成等、ブレーキシステムのパーキング機構およびブレーキ機構は、各種のものを採用することができる。
[0136]
 以上の実施形態によれば、パーキングスイッチが故障しても、駐車ブレーキの保持を行うことができ、車両の停車状態を維持することが可能となる。
[0137]
 即ち、実施形態によれば、パーキングスイッチが故障したとき(異常と判定されたとき)は、車両が停車した状態でブレーキペダルが所定時間踏まれている場合、または、車両が停車した状態で運転者の降車を推定する条件を検出した場合に、車両の起動スイッチがオフであるときは勿論、車両の起動スイッチがオンであっても、電動モータを作動させてパーキング機構による駐車ブレーキの保持を行うことができる。これにより、パーキングスイッチが故障しても、駐車ブレーキの保持を行うことができ、車両の停車状態を維持することが可能となる。
[0138]
 また、実施形態によれば、パーキングスイッチが故障したとき(異常と判定されたとき)は、車両の駆動装置が走行可能な状態で、車両が停車しているときに、運転者が走行を継続しないことを推定する条件を検出した場合に、電動モータを作動させてパーキング機構による駐車ブレーキの保持を行うことができる。これにより、パーキングスイッチが故障しても、駆動装置が走行可能な状態で、駐車ブレーキの保持を行うことができる。この場合、例えば、車内空調装置(エアコン)を運転した状態で、車両の停車状態を維持することが可能となるので、寒冷地や高温地で特に有効である。
[0139]
 実施形態によれば、制御手段は、イグニッションのオンのときに、オフのときと比較して所定時間を長く設定する構成としている。これにより、イグニッションのオンのときに、駐車ブレーキの保持が不必要に行われることを抑制することができる。
[0140]
 実施形態によれば、制御手段は、イグニッションのオンのときに、トランスミッションの位置が走行状態を選択しているときに、走行状態以外を選択しているときと比較して所定時間を長く設定する構成としている。これにより、短時間の停車と走行とが繰り返されるとき、例えば渋滞走行中に、駐車ブレーキの保持が不必要に行われることを抑制することができる。
[0141]
 実施形態によれば、運転者の降車を推定する条件は、車両に設けられた複数のドアのうちの少なくともいずれかのドアが開いたこととしている。この場合は、車両が停止した状態で、車両の少なくともいずれかのドアが開いたときに、駐車ブレーキの保持を行うことができる。これにより、パーキングスイッチが故障したときにも、駐車ブレーキの保持が必要なとき(運転者や乗員が望むとき)に、駐車ブレーキの保持を行うことができる。
[0142]
 実施形態によれば、車両に設けられた複数のドアのうちの少なくともいずれかのドアが開いた状態で、パーキングスイッチの異常が検出されたときは、運転者の降車を推定する条件は、開いた状態のドアが閉じて再び開いたこととしている。この場合、より好ましくは、車両の起動スイッチがオンであり、車両に設けられた複数のドアのうちの少なくともいずれかのドアが開いた状態で、かつ、パーキングスイッチの異常が検出されたときは、運転者の降車を推定する条件は、開いた状態のドアが閉じて再び開いたこととしている。これにより、ドアの開閉操作に基づいて運転者の降車の意思を確実に判定することができる。しかも、ドアが開いた状態で前触れなく駐車ブレーキが保持作動されることによる違和感を抑制することができる。
[0143]
 実施形態によれば、運転者の降車を推定する条件は、車両が停止した状態で運転者のシートベルトが外されたこととしている。この場合は、車両が停止した状態で、運転者のシートベルトが外されたときに、駐車ブレーキの保持を行うことができる。これにより、パーキングスイッチが故障したときにも、駐車ブレーキの保持が必要なとき(運転者や乗員が望むとき)に、駐車ブレーキの保持を行うことができる。
[0144]
 実施形態によれば、運転者の降車を推定する条件は、トランスミッションをパーキング位置に選択したこととしている。この場合は、車両が停止した状態で、トランスミッションがパーキング位置に選択されたときに、駐車ブレーキの保持が行われる。これにより、パーキングスイッチが故障したときにも、駐車ブレーキの保持が必要なとき(運転者や乗員が望むとき)に、駐車ブレーキの保持を行うことができる。

符号の説明

[0145]
 2 前輪(車輪)
 3 後輪(車輪)
 4 ディスクロータ(回転部材)
 6 ブレーキペダル
 18 パーキングスイッチ
 19 駐車ブレーキ制御装置(制御手段)
 31 ディスクブレーキ(ブレーキ機構)
 33 ブレーキパッド(摩擦部材)
 39 ピストン(押圧部材)
 40 回転直動変換機構(パーキング機構)
 43 電動アクチュエータ(電動モータ)

請求の範囲

[請求項1]
 車両の車輪とともに回転する回転部材に当接可能に配置される摩擦部材をブレーキペダルの操作に基づいて押圧部材で推進するブレーキ機構と、
 前記車輪を回転不能に保持または解除可能に電動モータにより操作されるパーキング機構と、
 該パーキング機構を保持または解除作動させるためのパーキングスイッチの操作に応じて前記電動モータを駆動する制御手段と、を有し、
 該制御手段は、
 前記パーキングスイッチの異常を検出するパーキングスイッチ異常検出手段を備え、
 該パーキングスイッチ異常検出手段によって前記パーキングスイッチの異常が検出された場合において、
 前記車両の停車時に前記ブレーキペダルが所定時間踏まれている場合、
 または、
 前記車両の停車時に運転者の降車を推定する条件を検出した場合、
 前記電動モータを作動させ前記パーキング機構を保持作動させることを特徴とするブレーキシステム。
[請求項2]
 前記制御手段は、
 前記車両の起動スイッチがオンであっても、前記電動モータを作動させ前記パーキング機構を保持作動させることを特徴とする請求項1に記載のブレーキシステム。
[請求項3]
 前記制御手段は、
 前記起動スイッチがオンのときに、オフのときと比較して前記所定時間を長く設定することを特徴とする請求項2に記載のブレーキシステム。
[請求項4]
 前記制御手段は、
 前記起動スイッチがオンのときに、トランスミッションの位置が走行状態を選択しているときに、走行状態以外を選択しているときと比較して前記所定時間を長く設定することを特徴とする請求項2または3に記載のブレーキシステム。
[請求項5]
 前記運転者の降車を推定する条件は、前記車両に設けられた複数のドアのうちの少なくともいずれかのドアが開いたことである請求項1ないし4のいずれかに記載のブレーキシステム。
[請求項6]
 前記車両に設けられた複数のドアのうちの少なくともいずれかのドアが開いた状態で、前記パーキングスイッチの異常が検出されたときは、前記運転者の降車を推定する条件は、開いた状態の前記ドアが閉じて再び開いたことである請求項1ないし4のいずれかに記載のブレーキシステム。
[請求項7]
 前記運転者の降車を推定する条件は、前記車両が停止した状態で前記運転者のシートベルトが外されたことである請求項1ないし6のいずれかに記載のブレーキシステム。
[請求項8]
 前記運転者の降車を推定する条件は、トランスミッションをパーキング位置に選択したことである請求項1ないし7のいずれかに記載のブレーキシステム。
[請求項9]
 車両の車輪とともに回転する回転部材に当接可能に配置される摩擦部材をブレーキペダルの操作に基づいて押圧部材で推進するブレーキ機構と、
 前記車輪を回転不能に保持または解除可能に電動モータにより操作されるパーキング機構と、
 該パーキング機構を保持または解除作動させるためのパーキングスイッチの操作に応じて前記電動モータを駆動する制御手段と、を有し、
 該制御手段は、
 前記パーキングスイッチの異常を検出するパーキングスイッチ異常検出手段を備え、
 該パーキングスイッチ異常検出手段によって前記パーキングスイッチの異常が検出された場合において、
 前記車両の駆動装置が走行可能な状態で、前記車両の停車時に運転者が走行を継続しないことを推定する条件を検出した場合、
 前記電動モータを作動させ前記パーキング機構を保持作動させることを特徴とするブレーキシステム。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]