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1. (WO2015012205) MEDICINE FOR PREVENTING OR TREATING HYPERTENSION
Document

明 細 書

発明の名称 高血圧症の予防又は治療のための医薬

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005   0006   0007   0008   0009   0010   0011  

先行技術文献

特許文献

0012  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0013  

課題を解決するための手段

0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021  

発明の効果

0022  

発明を実施するための形態

0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059  

実施例

0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076  

産業上の利用可能性

0077  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10  

明 細 書

発明の名称 : 高血圧症の予防又は治療のための医薬

技術分野

[0001]
 本発明は、高血圧症、心臓疾患[狭心症、心筋梗塞、不整脈(突然死を含む)、心不全若しくは心肥大]、腎臓疾患(糖尿病性腎症、糸球体腎炎若しくは腎硬化症)、脳血管性疾患(脳梗塞若しくは脳出血)又は血管障害(動脈硬化症、PTCA後再狭窄、末梢性循環障害)の予防又は治療のための医薬に関するものである。

背景技術

[0002]
 現在、アンジオテンシンII受容体拮抗剤及びカルシウム拮抗剤は、高血圧症または心疾患等の治療もしくは予防のための医薬として広く用いられている。
[0003]
 ミネラルコルチコイド受容体(MR)(アルドステロン受容体)は、体内の電解質バランスや血圧の制御において重要な役割を果たしていることが知られており、ステロイド構造を有するスピロノラクトン、エプレレノン等のMR拮抗剤は、高血圧・心不全の治療に有用であることが知られている。
[0004]
 レニン-アンジオテンシン系の抑制薬であるアンジオテンシンII受容体拮抗剤は、レニン依存性の高血圧症に特に有効であり、心血管や腎臓の障害に対して保護作用を示す。また、カルシウム拮抗剤は、カルシウムチャネルの機能を拮抗(阻害)することで、血管拡張作用に加えナトリウム利尿作用を有することから、体液貯留性(レニン非依存性)の高血圧症にも有効である。
[0005]
 したがって、MR拮抗剤と、アンジオテンシンII受容体拮抗剤又はカルシウム拮抗剤を併用すれば、複数の高血圧の成因を同時に抑えることが可能となり、病因によらず安定かつ十分な高血圧症の治療もしくは予防効果を示すことが期待される。
[0006]
 また、利尿剤も、高血圧症または心疾患等の治療もしくは予防のための医薬として広く用いられている。利尿剤は、その利尿効果から高血圧症の治療に有効である。したがって、MR拮抗剤及び利尿剤を併用すれば、利尿剤の利尿作用により,複数の高血圧の成因を同時に抑えることが可能となり、病因によらず安定かつ十分な高血圧症の治療もしくは予防効果を示すことが期待される。
[0007]
 1-(2-ヒドロキシエチル)-4-メチル-N-[4-(メチルスルホニル)フェニル]-5-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]-1H-ピロール-3-カルボキサミド(以下、化合物(I))は、特許文献1及び特許文献2に開示されており、高血圧症、糖尿病性腎症等の治療に有用であることが知られている。
[0008]
 (5-メチル-2-オキソ-1,3-ジオキソレン-4-イル)メチル 4-(1-ヒドロキシ-1-メチルエチル)-2-プロピル-1-[2’-(1H-テトラゾール-5-イル)ビフェニル-4-イルメチル]イミダゾール-5-カルボキシレート(以下、オルメサルタンメドキソミルという)は、アンジオテンシンII受容体拮抗剤であり、高血圧症および心疾患等の治療もしくは予防のための医薬として有用であることが知られている(特許文献3)。
[0009]
 オルメサルタンメドキソミルは、オルメテック(登録商標)錠又はBenicar(R)として販売されており、これらは有効成分としてオルメサルタンメドキソミル5mg、10mg、20mg又は40mgを含有し、添加物として低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース、乳糖、ステアリン酸マグネシウムを含有する。
[0010]
 また、3-エチル-5-メチル-(±)-2-[(2-アミノエトキシ)メチル]-4-(2-クロロフェニル)-1,4-ジヒドロ-6-メチルピリジン-3,5-ジカルボキシレート(以下、アムロジピンという)は、優れたカルシウム拮抗剤として、高血圧症および心疾患等の治療もしくは予防のための医薬として有用な公知化合物である(特許文献4)。
[0011]
 アムロジピンは、ノルバスク(登録商標)錠として販売されており、これは有効成分としてアムロジピンベシレート3.47mg又は6.93mg(アムロジピンとして2.5mg又は5mg)を含有し、添加物として結晶セルロース、無水リン酸水素カルシウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酸化チタン、タルク、カルナウバロウを含有する。さらに、6-クロロ-3,4-ジヒドロ-2H-1,2,4-ベンゾチアジアジン-7-スルホンアミド 1,1-ジオキシド(以下、ヒドロクロロチアジドという)は、優れたチアジド系利尿剤として公知の化合物であり、例えば、特許文献5等に記載されている。

先行技術文献

特許文献

[0012]
特許文献1 : 国際公開公報WO2006/012642(米国公開公報US2008-0234270)
特許文献2 : 国際公開公報WO2008/056907(米国公開公報US2010-0093826)
特許文献3 : 特許第2082519号公報(米国特許第5,616,599号公報)
特許文献4 : 特許第1401088号公報(米国特許第4,572,909号公報)
特許文献5 : 米国特許第3,025,292号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0013]
 本発明の課題は、高血圧症又は高血圧症に由来する疾患の予防又は治療の為の医薬を提供することにある。より具体的には、高血圧症、心臓疾患[狭心症、心筋梗塞、不整脈(突然死を含む)、心不全若しくは心肥大]、腎臓疾患(糖尿病性腎症、糸球体腎炎若しくは腎硬化症)、脳血管性疾患(脳梗塞若しくは脳出血)又は血管障害(動脈硬化症、PTCA後再狭窄、末梢性循環障害)の予防及び/又は治療のための医薬(特に、高血圧症の予防又は治療のための医薬)を提供することにある。

課題を解決するための手段

[0014]
 本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、特定のMR拮抗剤と、アンジオテンシンII受容体拮抗剤、カルシウム拮抗剤又は利尿剤を組み合わせることにより、優れた血圧降下作用を有すことを見出した。更に、本発明者らは、斯かる医薬が、高血圧症、心臓疾患[狭心症、心筋梗塞、不整脈(突然死を含む)、心不全若しくは心肥大]、腎臓疾患(糖尿病性腎症、糸球体腎炎若しくは腎硬化症)、脳血管性疾患(脳梗塞若しくは脳出血)又は血管障害(動脈硬化症、PTCA後再狭窄、末梢性循環障害)の予防及び/又は治療に、極めて有効であることを見出した。本発明は、上記の知見を基にして完成されたものである。
[0015]
 すなわち、本発明は、
(1) 高血圧症又は高血圧症に由来する疾患の予防又は治療の為の医薬であって、
 (i)下記式(I)
[0016]
[化1]


[0017]
及びそのアトロプ異性体、並びに薬理学的に許容されるそれらの塩からなる群から選ばれる物質を含むミネラルコルチコイド受容体拮抗剤と
 (ii)下記の成分(A)乃至(C)から選択される一つ若しくは二つ以上の成分を、同時に又は時間を置いて別々に投与することを特徴とする医薬、
  (A)1種又は2種以上のアンジオテンシンII受容体拮抗剤
  (B)1,4-ジヒドロピリジン系化合物及び薬理学的に許容されるその塩からなる群より選ばれる物質を含む1種又は2種以上のカルシウム拮抗剤
  (C)1種又は2種以上の利尿剤
(2) 高血圧症、心臓疾患、狭心症、心筋梗塞、不整脈、突然死、心不全、心肥大、腎臓疾患、糖尿病性腎症、糸球体腎炎、腎硬化症、脳血管性疾患、脳梗塞、脳出血および血管障害(動脈硬化症、PTCA後再狭窄、末梢性循環障害)からなる群より選ばれる疾患の予防又は治療の為の医薬であって、成分(A)、成分(B)及び成分(C)から選択される一つ又は二つ以上の成分と、上記(1)に記載のミネラルコルチコイド受容体拮抗薬を有効成分として含む医薬、
(2-1) 高血圧症及び/又は糖尿病性腎症の予防若しくは治療の為の医薬であって、成分(A)、成分(B)及び成分(C)から選択される一つ又は二つ以上の成分と、上記(1)に記載のミネラルコルチコイド受容体拮抗薬を有効成分として含む医薬、
(2-2) 高血圧症の治療の為の医薬であって、成分(A)、成分(B)及び成分(C)から選択される一つ又は二つ以上の成分と、上記(1)に記載のミネラルコルチコイド受容体拮抗薬を有効成分として含む医薬、
(2-3) 糖尿病性腎症の治療の為の医薬であって、成分(A)、成分(B)及び成分(C)から選択される一つ又は二つ以上の成分と、上記(1)に記載のミネラルコルチコイド受容体拮抗薬を有効成分として含む医薬、
(3) 医薬組成物の形態の上記(1)又は(2)に記載の医薬、
(4) アンジオテンシンII受容体拮抗剤が、(5-メチル-2-オキソ-1,3-ジオキソレン-4-イル)メチル 4-(1-ヒドロキシ-1-メチルエチル)-2-プロピル-1-[2’-(1H-テトラゾール-5-イル)ビフェニル-4-イルメチル]イミダゾール-5-カルボキシレートである、上記(1)乃至3のいずれか1項に記載の医薬、
(5) カルシウム拮抗剤が、アゼルニジピン、アムロジピン、ベニジピン、ニトレンジピン、マニジピン、ニカルジピン、ニフェジピン、ニソルジピン、シルニジピン、レルカニジピン、ニグルジピン、ニモジピン、アラニジピン、エホニジピン、バルニジピン、フェロジピン、クレビジピン、ラシジピン及びニルバジピンからなる群より選択されるカルシウム拮抗剤である、上記(1)乃至(4)のいずれか1つに記載の医薬、
(6) カルシウム拮抗剤がアムロジピンである、上記(1)乃至(4)のいずれか1つに記載の医薬、
(7) 利尿剤が、ヒドロクロロチアジド、メチクロチアジド、ベンジルヒドロクロロチアジド、トリクロルメチアジド、シクロペンチアジド、ポリチアジド、エチアジド、シクロチアジド、ベンドロフルメチアジド及びヒドロフルメチアジドからなる群より選択される利尿剤である、上記(1)乃至(6)のいずれか1つに記載の医薬、
(8) 利尿剤が、ヒドロクロロチアジドである、上記(1)乃至(6)のいずれか1つに記載の医薬、
(9) ミネラルコルチコイド受容体拮抗剤が、下記式(Ia)で表される
[0018]
[化2]


[0019]
(S)-1-(2-ヒドロキシエチル)-4-メチル-N-[4-(メチルスルホニル)フェニル]-5-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]-1H-ピロール-3-カルボキサミドであり、カルシウム拮抗剤がアムロジピンである上記(1)に記載の医薬、
(10) 医薬組成物を単一製剤に配合した上記(1)乃至(9)のいずれか1つに記載の医薬組成物、
(11) 以下の成分(A)乃至(C)
  (A)1種又は2種以上のアンジオテンシンII受容体拮抗剤
  (B)1,4-ジヒドロピリジン系化合物及び薬理学的に許容されるその塩からなる群より選ばれる物質を含む1種又は2種以上のカルシウム拮抗剤
  (C)1種又は2種以上の利尿剤
から選択される一つ若しくは二つ以上の成分と併用するための、化合物(I)及びそのアトロプ異性体、並びに薬理学的に許容されるそれらの塩からなる群から選ばれる物質を含む医薬、
(12) 化合物(I)及びそのアトロプ異性体、並びに薬理学的に許容されるそれらの塩からなる群から選ばれる物質を含み、以下の成分(A)乃至(C)
  (A)1種又は2種以上のアンジオテンシンII受容体拮抗剤
  (B)1,4-ジヒドロピリジン系化合物及び薬理学的に許容されるその塩からなる群より選ばれる物質を含む1種又は2種以上のカルシウム拮抗剤
  (C)1種又は2種以上の利尿剤
から選択される一つ若しくは二つ以上の成分と併用することにより、成分(A)乃至(C)の作用を増強する医薬、
(13)化合物(I)が(S)-1-(2-ヒドロキシエチル)-4-メチル-N-[4-(メチルスルホニル)フェニル]-5-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]-1H-ピロール-3-カルボキサミドである上記(11)又は(12)に記載の医薬である。
[0020]
 更に、本発明により、上記医薬を製造するための、上記式(I)で表される化合物及びそのアトロプ異性体、並びに薬理学的に許容されるそれらの塩からなる群から選ばれる物質を含むミネラルコルチコイド受容体拮抗剤と、成分(A)、成分(B)又は成分(C)の使用;上記式(I)で表される化合物及びそのアトロプ異性体、並びに薬理学的に許容されるそれらの塩からなる群から選ばれる物質を含むミネラルコルチコイド受容体拮抗剤と、成分(A)、成分(B)又は成分(C)の有効量を温血動物(特に、ヒト)に投与する疾病の予防又は治療方法(特に、治療方法)が提供される。
[0021]
 上記の各発明の好ましい態様によれば、上記医薬は、上記式(I)で表される化合物及びそのアトロプ異性体、並びに薬理学的に許容されるそれらの塩からなる群から選ばれる物質を含むミネラルコルチコイド受容体拮抗剤と、成分(A)、成分(B)又は成分(C)のそれぞれ有効成分として含有する医薬組成物として提供され、この医薬組成物は、1種又は2種以上の製剤用添加物を含んでいてもよい。

発明の効果

[0022]
 本発明のアンジオテンシンII受容体拮抗剤、カルシウム拮抗剤又は利尿剤と、MR拮抗剤とを有効成分として含有する医薬は、優れた血圧降下作用を有し、毒性も弱いため、医薬[好適には、高血圧症、心臓疾患(狭心症、心筋梗塞、不整脈〈突然死を含む〉、心不全若しくは心肥大)、腎臓疾患(糖尿病性腎症、糸球体腎炎、腎硬化症)、脳血管性疾患(脳梗塞若しくは脳出血)又は血管障害(動脈硬化症、PTCA後再狭窄、末梢性循環障害)の予防剤又は治療剤(特に、治療剤)、更に好適には、高血圧症又は心臓疾患の予防剤又は治療剤(特に、治療剤)であり、特に好適には、高血圧症の予防剤又は治療剤(特に、治療剤)]として有用である。また、上記医薬は、好適には、温血動物用であり、更に好適には、ヒト用である。

発明を実施するための形態

[0023]
 本発明の医薬は、上記式(I)で表される化合物及びそのアトロプ異性体、並びに薬理学的に許容されるそれらの塩からなる群から選ばれる物質を含むミネラルコルチコイド受容体拮抗剤と、
(A)1種又は2種以上のアンジオテンシンII受容体拮抗剤;
(B)1,4-ジヒドロピリジン系化合物及び薬理学的に許容されるその塩からなる群から選択される物質を含む1種又は2種以上のカルシウム拮抗剤;又は
(C)1種又は2種以上の利尿剤
を有効成分として含むことを特徴としている。
[0024]
 本発明の有効成分である上記式(I)で表される化合物及びそのアトロプ異性体、並びに薬理学的に許容されるそれらの塩は公知であり、例えば、国際公開公報WO2006/012642(米国公開公報US2008-0234270)、国際公開公報WO2008/056907(米国公開公報US2010-0093826)等に記載の方法に従い、製造することができる。化合物(I)及びそのアトロプ異性体は、好適には、以下のアトロプ異性体化合物(Ia)である。
[0025]
[化3]


[0026]
 上記式(I)で表される化合物及びそのアトロプ異性体から選択される物質としては、水和物又は溶媒和物を用いることもできる。上記式(I)で表される化合物は純粋な形態のアトロプ異性体又はアトロプ異性体の任意の混合物を用いることもできる。
[0027]
 成分(A)として用いられるアンジオテンシンII受容体桔抗剤は、オルメサルタンメドキソミル、オルメサルタンシレキセチル、ロサルタン、カンデサルタン シレキセチル、バルサルタン、イルベサルタン等のビフェニルテトラゾール化合物、テルミサルタン等のビフェニルカルボン酸化合物、エプロサルタン、アジルサルタン等が挙げられ、好適には、ビフェニルテトラゾール化合物であり、更に好適には、オルメサルタンメドキソミル、ロサルタン、カンデサルタン シレキセチル、バルサルタン又はイルベサルタンであり、特に好適には、オルメサルタンメドキソミル、ロサルタン又はカンデサルタン シレキセチルであり、最も好適には、オルメサルタンメドキソミルである。
[0028]
 オルメサルタンメドキソミルは、特開平5-78328号公報、米国特許第5,616,599号
公報等に記載され、その化学名は、(5-メチル-2-オキソ-1,3-ジオキソレン-4-イル)メチル4-(1-ヒドロキシ-1-メチルエチル)-2-プロピル-1-[2'-(1H-テトラゾール-5-イル)ビフェニル-4-イルメチル]イミダゾール-5-カルボキシレートで、あり、本願のオルメサルタンメドキソミルは、その薬理上許容される塩を包含する。
[0029]
 ロサルタン(DUP-753)は、特開昭63-23868号公報、米国特許第5,138,069号公報等に記載され、その化学名は、2-ブチル-4-クロロ-1-[2'-(1H-テトラゾール-5-イル)ビフェニル-4-イルメチル]-1H-イミダゾール-5-メタノールであり、本願のロサルタンは、その薬理上許容される塩(ロサルタン・カリウム塩等)を包含する。
[0030]
 カンデサルタン シレキセチルは、特開平4-364171号公報、EP-459136号公報、米国特許第5,354,766号公報等に記載され、その化学名は、1-(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル-2-エトキシ-1-[2'一(1H-テトラゾール-5-イル)ビフェェニル-4-イルメチル]-1H-ベンズイミダゾール-7-カルボキシレートで、あり、本願のカンデサルタン シレキセチルは、その薬理上許容される塩を包含する。
[0031]
 バルサルタン(CGP-48933)は、特開平4-159718号公報、EP-433983号公報等に記載され、その化学名は、(S)-N-バレリル-N-[2'-(1H-テトラゾール-5-イル)ビフェニル-4-イルメチル)バリンであり、本願のバルサルタンは、その薬理上許容されるエステル又はその薬理上許容される塩を包含する。
[0032]
 イルベサルタン(SR-47436)は、特表平4-506222号公報、WO91-14679号公報等に記載され、その化学名は、2-N-ブチル-4-スピロシクロペンタン-1-[2'-(テトラゾール-5-イル)ビフェニル-4-イルメチル]-2-イミダゾリン-5-オンであり、本願のイルベサルタンは、その薬理上許容される塩を包含する。
[0033]
 エプロサルタン(SKB-108566)は、米国特許第5,185,351号公報等に記載され、その化学名は、3-[1-(4-カルボキシフェニルメチル)-2-n-ブチル-イミダゾール-5-イル]-2-チエニル-メチル-2-プロペン酸であり、本願のエプロサルタンは、そのカルボン酸誘導体、カルボン酸誘導体の薬理上許容されるエステル又はその薬理上許容される塩(エプロサルタン・メシル酸塩等)を包含する。
[0034]
 テルミサルタン(BIBR-277)は、米国特許第5,591,762号公報等に記載され、その化学名は、4'-[[4ーメチル-6-(1-メチル-2-ベンズイミダゾリル)-2-プロピル-1-ベンズイミダゾリル]メチル]-2-ビフェニルカルボン酸であり、本願のテルミサルタンは、そのカルボン酸誘導体、カルボン酸誘導体の薬理上許容されるエステル又はその薬理上許容される塩を包含する。
[0035]
 アジルサルタンは、特許公開第平05-271228号公報、米国特許第5,243,054号公報等に記載され、その化学名は、2-エトキシ-1{[2'-(5-オキソ-4,5-ジヒドロ-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ビフェニル-4-イル]メチル}-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-7-カルボン酸(2-Ethoxy-1{[2’-(5-oxo-4,5-dihydro-1,2,4-oxadiazol-3-yl)biphenyl-4-yl]methyl}-1H-benzo[d]imidazole-7-carboxylic acid)である。
[0036]
 又、上記化合物が不斉炭素を有する場合には、本発明のアンジオテンシンII受容体桔抗剤は、光学異性体及びそれらの異性体の混合物をも包含する。さらに、上記化合物の水和物も包含する。
[0037]
 成分(B)として用いられる1,4-ジヒドロピリジン系化合物を含むカルシウム拮抗剤は、分子内に1,4-ジヒドロピリジン部分構造又はそれと化学的に等価な部分構造を有することを特徴とするカルシウム拮抗剤である。1,4-ジヒドロピリジン系化合物を含むカルシウム拮抗剤として種々の薬剤が提案されており、実際に臨床で使用されているので、当業者は本発明の効果を奏する適宜の薬剤を選択することが可能である。1,4-ジヒドロピリジン系化合物を含むカルシウム拮抗剤として、例えば、アゼルニジピン、アムロジピン、ベニジピン、ニトレンジピン、マニジピン、ニカルジピン、ニフェジピン、ニソルジピン、シルニジピン、レルカニジピン、ニグルジピン、ニモジピン、アラニジピン、エホニジピン、バルニジピン、フェロジピン、クレビジピン、ラシジピン又はニルバジピンなどを用いることができるが、これらに限定されることはない。
[0038]
 1,4-ジヒドロピリジン系化合物の薬理学的に許容される塩の種類は特に限定されず、当業者が適宜選択可能である。薬理学的に許容される塩は、酸付加塩又は塩基付加塩のいずれであってもよい。例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩のようなアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩のようなアルカリ土類金属塩、アルミニウム塩、鉄塩、亜鉛塩、銅塩、ニッケル塩、コバルト塩等の金属塩;アンモニウム塩のような無機塩、t-オクチルアミン塩、ジベンジルアミン塩、モルホリン塩、グルコサミン塩、フェニルグリシンアルキルエステル塩、エチレンジアミン塩、N-メチルグルカミン塩、グアニジン塩、ジエチルアミン塩、トリエチルアミン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、N,N’-ジベンジルエチレンジアミン塩、クロロプロカイン塩、プロカイン塩、ジエタノールアミン塩、N-ベンジルフェネチルアミン塩、ピペラジン塩、テトラメチルアンモニウム塩、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩のような有機塩等のアミン塩などの塩基付加塩;或いは、弗化水素酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、沃化水素酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩、硫酸塩又は燐酸塩等の鉱酸塩;メタンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩又はp-トルエンスルホン酸塩のようなスルホン酸塩;ベシル酸塩、フマ-ル酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、蓚酸塩又はマレイン酸塩等カルボン酸塩;又はグルタミン酸塩若しくはアスパラギン酸塩のようなアミノ酸塩などを挙げることができるが、これらに限定されることはない。
[0039]
 1,4-ジヒドロピリジン系化合物を含むカルシウム拮抗剤としては、上記の化合物又は薬理学的に許容されるその塩の水和物又は溶媒和物を用いてもよい。また、1,4-ジヒドロピリジン系化合物を含むカルシウム拮抗剤は、分子内に1又は2個以上の不斉炭素を有する場合があるが、該不斉炭素に基づく純粋な形態の光学異性体又はジアステレオ異性体などの立体異性体、或いは立体異性体の任意の混合物又はラセミ体などを成分(B)として用いることもできる。成分(B)としては、(±)-2-アミノ-1,4-ジヒドロ-6-メチル-4-(3-ニトロフェニル)-3,5-ピリジンジカルボン酸 3-(1-ジフェニルメチルアゼチジン-3-イル)エステル 5-イソプロピルエステルが好ましい。
[0040]
 1,4-ジヒドロピリジン系化合物を含むカルシウム拮抗剤として、より好ましくは、アムロジピンであり、特許第1401088号公報(米国特許第4,572,909号公報)等に記載の方法に従い、容易に製造することができる。アムロジピンは、薬理学的に許容される塩を形成することができ、これらの塩も本発明に包含される。薬理学的に許容される塩は、酸付加塩又は塩基付加塩のいずれであってもよい。例えば、ベシル酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、フマ-ル酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、マレイン酸塩、カンシル酸塩、乳酸塩、メシル酸塩、ニコチン酸塩、グルコン酸塩などを挙げることができ、これらに限定されることはないが、好適には、ベシル酸塩である。
[0041]
 成分(C)として用いられる利尿剤は、公知化合物であり、例えば、米国特許2,554,816号、米国特許2,980,679号、米国特許2,783,241号、英国特許795,174号、米国特許2,835,702号、英国特許851,287号、米国特許3,356,692号、米国特許3,055,904号、米国特許2,976,289号、米国特許3,058,882号、応用薬理,21(巻),607(1982) 、米国特許3,183,243号、米国特許3,360,518号、米国特許3,567,777号、米国特許3,634,583号、米国特許3,025,292号、米国特許3,108,097号、米国特許3,009,911号、米国特許3,265,573号、米国特許3,254,076号、米国特許3,255,241号、米国特許3,758,506号、米国特許3,163,645号等に記載され、アセタゾラミド(Acetazolamide)、メタゾラミド(Methazolamide)、エトクスゾラミド(Ethoxzolamide)、クロフェナミド(Clofenamide)、ジクロルフェナミド(Dichlorphenamide)、ジスルファミド(Disuflamide)、メフルシド(Mefruside)、クロルタリドン(Chlorthalidone)、キネタゾン(Quinethazone)、フロセミド(Furosemide)、クロパミド(Clopamide)、トリパミド(Tripamide)、インダパミド(Indapamide)、クロレキソロン(Clorexolone)、メトラゾン(Metolazone)、キシパミド(Xipamide)、ブメタニド(Bumetanide)、ピレタニド(Piretanide)、X-54のようなスルホンアミド系化合物;ヒドロクロロチアジド(Hydrochlorothiazide)、メチクロチアジド(Methylclothiazide)、ベンジルヒドロクロロチアジド(Benzylhydrochlorothiazide)、トリクロルメチアジド(Trichloromethiazide)、シクロペンチアジド(Cyclopenthiazide)、ポリチアジド(Polythiazide)、エチアジド(Ethiazide)、シクロチアジド(Cyclothiazide)、ベンドロフルメチアジド(Bendroflumethiazide)、ヒドロフルメチアジド(Hydroflumethiazide)のようなチアジド系化合物;エタクリン酸(Ethacrynic acid)、チエニル酸(Tienilic acid)、インダクリノン(Indacrinone)、キンカルバート(Quincarbate)のようなフェノキシ酢酸系化合物;トリアムテレン(Triamterene);アミロライド(Amiloride);スピロノラクトン(Spironolactone);カンレノ酸カリウム(Potassium canrenoate);トラセミド(Torasemide);MK-447;又はトラキサノクスナトリウム(Traxanox sodium)であり得、好適には、チアジド系化合物であり、更に好適には、ヒドロクロロチアジドである。
[0042]
 ヒドロクロロチアジドの化学名は、6-クロロ-3,4-ジヒドロ-2H-1,2,4-ベンゾチアジアジン-7-スルホンアミド 1,1-ジオキシドであり、本願のヒドロクロロチアジドは、その薬理上許容される塩を包含し、その塩は、例えば、弗化水素酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、沃化水素酸塩のようなハロゲン化水素酸塩;硝酸塩;過塩素酸塩;硫酸塩;燐酸塩;メタンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩のようなハロゲンで置換されてもよいC1-C4アルカンスルホン酸塩;ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩のようなC1-C4アルキルで置換されてもよいC6-C10アリ-ルスルホン酸塩;、酢酸、りんご酸、フマ-ル酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、蓚酸塩、マレイン酸塩のようなC1-C6脂肪酸塩;又はグリシン塩、リジン塩、アルギニン塩、オルニチン塩、グルタミン酸塩、アスパラギン酸塩のようなアミノ酸塩であり得、好適には、塩酸塩、硝酸塩、硫酸塩又は燐酸塩であり、特に好適には、塩酸塩である。
[0043]
 又、上記化合物が不斉炭素を有する場合には、本発明の利尿剤は、光学異性体及びそれらの異性体の混合物をも包含する。さらに、上記化合物の水和物も包含する。
[0044]
 本発明に於いて、「同時に」投与する、とは、ほぼ同じ時間に投与できる投与形態であれば特に限定はないが、単一の組成物として投与するのが好ましい。
[0045]
 本発明に於いて、「時間を置いて別々に」投与する、とは、異なった時間に別々に投与できる投与形態であれば特に限定はないが、例えば、最初に、MR拮抗剤を投与し、次いで、決められた時間後に、カルシウム拮抗剤を同時に投与(または、決められた時間後に順次投与)したり、或いは、最初にカルシウム拮抗剤又は利尿剤を投与し、次いで、決められた時間後に、MR拮抗剤を前記と同様に投与したりすることをいう。
[0046]
 本発明のMR拮抗剤と、アンジオテンシンII受容体拮抗剤、カルシウム拮抗剤又は利尿剤を、同時に若しくは時間を置いて別々に投与する為の医薬組成物は、本明細書の実施例に具体的に示すように、MR拮抗剤と、成分(A)、成分(B)又は成分(C)が作用することにより、より血圧を降下させることができる。上記の作用に基づいて、本発明の医薬は、高血圧症、心臓疾患[狭心症、心筋梗塞、不整脈(突然死を含む)、心不全、心肥大]、腎臓疾患(糖尿病性腎症、糸球体腎炎、腎硬化症)、脳血管性疾患(脳梗塞若しくは脳出血)又は血管障害(動脈硬化症、PTCA後再狭窄、末梢性循環障害)の予防又は治療(特に、治療)に用いることができる。尚、本発明のMR拮抗剤と、アンジオテンシンII受容体拮抗剤、カルシウム拮抗剤又は利尿剤は、それらが組み合わせられ使用されることより、各々単剤で投与された場合に比べ、優れた効果を示す。
[0047]
 本発明の医薬組成物の有効成分であるMR拮抗剤と、アンジオテンシンII受容体拮抗剤、カルシウム拮抗剤又は利尿剤は、各々単独で別々の単位投与形態に、又は混合して物理的に1個の単位投与形態に調製することができる。
[0048]
 本発明の医薬組成物を、上記疾患の予防薬又は治療薬として使用する場合には、本発明の医薬組成物の有効成分であるMR拮抗剤と、アンジオテンシンII受容体拮抗剤、カルシウム拮抗剤又は利尿剤を、各々それ自体或いは適宜の薬理学的に許容される、賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤、乳化剤、安定剤、矯味矯臭剤、希釈剤等の添加剤を用いて周知の方法に従い製造される、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤若しくはシロップ剤等による経口的又は注射剤若しくは坐剤等による非経口的に投与することができる。尚、本発明の医薬に含まれるMR拮抗剤、成分(A)、(B)及び(C)は、一般的には経口的に投与される薬剤であることから、本発明の医薬は、経口的に投与することが望ましい。
[0049]
 使用される「賦形剤」としては、例えば、乳糖、白糖、葡萄糖、マンニトール若しくはソルビトールのような糖誘導体;トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、α-澱粉若しくはデキストリンのような澱粉誘導体;結晶セルロースのようなセルロース誘導体;アラビアゴム;デキストラン;又はプルランのような有機系賦形剤;或いは、軽質無水珪酸、合成珪酸アルミニウム、珪酸カルシウム若しくはメタ珪酸アルミン酸マグネシウムのような珪酸塩誘導体;燐酸水素カルシウムのような燐酸塩;炭酸カルシウムのような炭酸塩;又は、硫酸カルシウムのような硫酸塩等の無機系賦形剤を挙げることができる。
[0050]
 使用される「滑沢剤」としては、例えば、ステアリン酸;ステアリン酸カルシウム若しくはステアリン酸マグネシウムのようなステアリン酸金属塩;タルク;コロイドシリカ;ビーズワックス若しくはゲイ蝋のようなワックス類;硼酸;アジピン酸;硫酸ナトリウムのような硫酸塩;グリコール;フマル酸;フマル酸ステアリルナトリウム:安息香酸ナトリウム;D,L-ロイシン;ラウリル硫酸ナトリウム若しくはラウリル硫酸マグネシウムのようなラウリル硫酸塩;無水珪酸若しくは珪酸水和物のような珪酸類;又は、上記澱粉誘導体を挙げることができる。
[0051]
 使用される「結合剤」としては、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、マクロゴール又は前記賦形剤と同様の化合物を挙げることができる。
[0052]
 使用される「崩壊剤」としては、例えば、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム若しくは内部架橋カルボキシメチルセルロースナトリウムのようなセルロース誘導体;架橋ポリビニルピロリドン;又は、カルボキシメチルスターチ若しくはカルボキシメチルスターチナトリウムのような化学修飾されたデンプン・セルロース類を挙げることができる。
[0053]
 使用される「乳化剤」としては、例えば、ベントナイト若しくはビーガムのようなコロイド性粘土;水酸化マグネシウム若しくは水酸化アルミニウムのような金属水酸化物;ラウリル硫酸ナトリウム若しくはステアリン酸カルシウムのような陰イオン界面活性剤;塩化ベンザルコニウムのような陽イオン界面活性剤;又は、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル若しくはショ糖脂肪酸エステルのような非イオン界面活性剤を挙げることができる。
[0054]
 使用される「安定剤」としては、例えば、メチルパラベン若しくはプロピルパラベンのようなパラヒドロキシ安息香酸エステル類;クロロブタノール、ベンジルアルコール若しくはフェニルエチルアルコールのようなアルコール類;塩化ベンザルコニウム;フェノール若しくはクレゾールのようなフェノール類;チメロサール;デヒドロ酢酸;又は、ソルビン酸を挙げることができる。
[0055]
 使用される「矯味矯臭剤」としては、例えば、サッカリンナトリウム若しくはアスパルテームのような甘味料;クエン酸、リンゴ酸若しくは酒石酸のような酸味料;又は、メントール、レモン若しくはオレンジのような香料を挙げることができる。
[0056]
 使用される「希釈剤」としては、例えば、ラクトース、マンニトール、グルコース、スクロース、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、ヒドロキシプロピルセルロース、微結晶性セルロース、水、エタノール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール、デンプン、ポリビニルピロリドン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム又はこれらの混合物のような、通常、希釈剤として用いられるものを挙げることができる。
[0057]
 本発明の医薬組成物の有効成分であるミネラルコルチコイド受容体拮抗剤、アンジオテンシンII受容体拮抗剤、カルシウム拮抗剤及び利尿剤の投与量は、個々の薬剤の活性、患者の症状、年齢、体重等の種々の条件により変化し得る。その投与量は症状、年齢等により異なるが、経口投与の場合には、各々、1回当たり下限0.1mg(好適には 0.5mg)、上限1000mg(好適には 500mg)を、非経口的投与の場合には、1回当たり下限 0.01mg(好適には 0.05mg)、上限 100mg(好適には 50mg)を、成人に対して1日当たり1乃至6回、症状に応じて、同時に又は時間を置いて別々に投与することができる。
[0058]
 また、本発明の医薬組成物の有効成分であるMR拮抗剤と、アンジオテンシンII受容体拮抗剤、カルシウム拮抗剤又は利尿剤の投与量の比率も、また、大幅に変わりうるが、重量比で、1: 1~10000乃至10000: 1~10000 の範囲内であり得、好適には、1: 1~1000乃至1000: 1~1000 であり、更に好適には、1:1~100乃至100:1~100である。さらに、本発明の医薬組成物の有効成分であるミネラルコルチコイド受容体拮抗剤が(S)-1-(2-ヒドロキシエチル)-4-メチル-N-[4-(メチルスルホニル)フェニル]-5-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]-1H-ピロール-3-カルボキサミド、アンジオテンシンII受容体拮抗剤がオルメサルタンメドキソミル、カルシウム拮抗剤がアムロジピン、利尿剤がヒドロクロロチアジドの場合の投与量は、個々の薬剤の活性、患者の症状、年齢、体重等の種々の条件により変化し得るため、症状、年齢等により異なるが、経口投与の場合の投与量は、成人一日あたり(S)-1-(2-ヒドロキシエチル)-4-メチル-N-[4-(メチルスルホニル)フェニル]-5-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]-1H-ピロール-3-カルボキサミド1.0mg-10mg(好適には2.5mg-5mg)、オルメサルタンメドキソミル5mg-80mg(好適には10mg-40mg)、アムロジピン(フリー体ベースで)2.5mg-20mg(好適には5mg-10mg)、ヒドロクロロチアジド投与量(フリー体ベースで)5mg-50mg(好適には12.5mg-25mg)を一日1乃至6回(好適には一日1回)症状に応じて投与することができる。
[0059]
 尚、MR拮抗剤は、本来的な用途である降圧剤としての用量よりも、本発明に於ける高血圧症の予防又は治療の用途の場合、それらの用量は低めになり得、また、アンジオテンシンII受容体拮抗剤、カルシウム拮抗剤又は利尿剤との併用による優れた効果により、投与量を更に下げることができる。
実施例
[0060]
 以下に、実施例等をあげて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
<実施例1> MR拮抗剤とアンジオテンシンII受容体拮抗剤との併用による昇圧抑制作用試験
 7週齢雄性Dahlラット (DIS/Eis [Dahl-Iwai S]、SPFグレード、生産元:日本エスエルシー株式会社:食塩感受性高血圧ラット) を7群 (6匹/群) に分けた。
[0061]
 正常群及び対照群には0.5%メチルセルロース水溶液、その他の群には被験物質を、6週間経口投与した。被験物質は0.5%メチルセルロース水溶液に懸濁し、2 mL/kgとなるよう投与した。さらに、正常群以外の群について、被験物質投与開始時から8%食塩食(8%NaCl含有FR-2、株式会社フナバシファーム製)を自由摂食で与えた。群の構成及び投与された被験物質[カッコ内]は、以下の通り。
[0062]
 群1 正常群
 群2 対照群
 群3 化合物(Ia)投与群[化合物(Ia) 1.0 mg/kg]
 群4 オルメサルタンメドキソミル投与群 [オルメサルタンメドキソミル 10 mg/kg]
 群5 併用群 [化合物(Ia) 1.0 mg/kg + オルメサルタンメドキソミル 10 mg/kg]
 被験物質投与6週目(被検物質投与開始から42日目)のトラフ時に、ラット・マウス用非観血血圧測定装置 (BP-98A、株式会社ソフトロン) を用いて収縮期血圧を測定した結果を表1に示す (表中の数値は平均値±標準誤差を示す)。
[0063]
[表1]


[0064]
 MR拮抗剤とアンジオテンシンII受容体拮抗剤との併用投与で、優れた降圧(昇圧抑制)作用が確認された。
[0065]
<実施例2> MR拮抗剤とカルシウム拮抗剤との併用による昇圧抑制作用試験
 7週齢雄性Dahlラット (DIS/Eis [Dahl-Iwai S]、SPFグレード、生産元:日本エスエルシー株式会社:食塩感受性高血圧ラット) を7群(6匹又は9匹/群)に分けた。
[0066]
 正常群及び対照群には0.5%メチルセルロース水溶液を、その他の群には被験物質を、6週間経口投与した。被験物質は0.5%メチルセルロース水溶液に懸濁し、2 mL/kgとなるよう投与した。さらに、正常群以外の群について、被験物質投与開始時から8%食塩食(8%NaCl含有FR-2、株式会社フナバシファーム製)を自由摂食で与えた。群の構成、投与された被験物質[カッコ内]及びn数/群は、以下の通り。
[0067]
 群1 正常群、n=6匹
 群2 対照群、n=9匹
 群3 化合物(Ia)投与群 [化合物(Ia) 0.1 mg/kg]、n=6匹
 群4 アムロジピン投与群 [アムロジピン 1 mg/kg]、n=6匹
 群5 併用群 [化合物(Ia) 0.1 mg/kg + アムロジピン 1 mg/kg]、n=6匹
 被験物質投与6週目(被検物質投与開始から41日目)のトラフ時に、ラット・マウス用非観血血圧測定装置 (BP-98A、株式会社ソフトロン) を用いて収縮期血圧を測定した結果を表2に示す (表中の数値は平均値±標準誤差を示す)。
[0068]
[表2]


[0069]
 MR拮抗剤とカルシウム拮抗剤との併用投与で、優れた降圧(昇圧抑制)作用が確認された。
[0070]
<実施例3> MR拮抗剤と利尿剤との併用による昇圧抑制作用試験及び蛋白尿抑制作用試験
 7週齢雄性Dahlラット (DIS/Eis [Dahl-Iwai S]、SPFグレード、生産元:日本エスエルシー株式会社:食塩感受性高血圧ラット) を7群(6匹又は9匹/群)に群わけした。
[0071]
 正常群及び対照群には0.5%メチルセルロース水溶液、その他の群には被験物質を、6週間経口投与した。被験物質は0.5%メチルセルロース水溶液に懸濁し、2 mL/kgとなるよう投与した。さらに、正常群以外の群について、被験物質投与開始時から8%食塩食(8%NaCl含有FR-2、株式会社フナバシファーム製)を自由摂食で与えた。群の構成、投与された被験物質[カッコ内]及びn数/群は、以下の通り。
[0072]
 群1 正常群、n=6匹
 群2 対照群、n=9匹
 群3 化合物(Ia)投与群 [化合物(Ia) 0.3 mg/kg]、n=6匹
 群4 ヒドロクロロチアジド投与群 [ヒドロクロロチアジド 1 mg/kg]、n=6匹
 群5 併用群 [化合物(Ia) 0.3 mg/kg + ヒドロクロロチアジド 1 mg/kg]、n=6匹
 被験物質投与6週目(被検物質投与開始から40日目)のトラフ時に、ラット・マウス用非観血血圧測定装置 (BP-98A、株式会社ソフトロン) を用いて収縮期血圧を測定した。また、被験物質投与開始から41日目に、代謝ケージ (2100-R、渡辺アイ・エス株式会社) を用いて24時間蓄尿を実施し、体重あたりの1日尿蛋白排泄量を算出した。
[0073]
 結果を表3に示す (表中の数値は平均値±標準誤差を示す)。
[0074]
[表3]


[0075]
 MR拮抗剤と利尿剤との併用投与で、優れた降圧(昇圧抑制)作用及び蛋白尿抑制作用が確認された。
[0076]
<製剤例1>
 錠剤(合剤)
─────────────────────────────────
化合物(Ia) 5.00 mg
ベシル酸アムロジピン 13.89 mg
α-澱粉 105.00 mg
結晶セルロース 147.41 mg
カルメロースナトリウム 15.00 mg
ステアリン酸マグネシウム 1.20 mg
─────────────────────────────────
上記処方の粉末を混合し、打錠機により打錠して、1錠300 mgの錠剤とする。この錠剤は必要に応じて、糖衣を施すことができる。

産業上の利用可能性

[0077]
 本発明によれば、高血圧症又は高血圧症に由来する疾患の予防又は治療の為の医薬が得られる。より具体的には、高血圧症、心臓疾患[狭心症、心筋梗塞、不整脈(突然死を含む)、心不全若しくは心肥大]、腎臓疾患(糖尿病性腎症、糸球体腎炎若しくは腎硬化症)、脳血管性疾患(脳梗塞若しくは脳出血)又は血管障害(動脈硬化症、PTCA後再狭窄、末梢性循環障害)の予防及び/又は治療のための医薬が得られる。

請求の範囲

[請求項1]
 高血圧症又は高血圧症に由来する疾患の予防又は治療の為の医薬であって、
(i)下記式(I)
[化1]



及びそのアトロプ異性体、並びに薬理学的に許容されるそれらの塩からなる群から選ばれる物質を含むミネラルコルチコイド受容体拮抗剤と
(ii)下記の成分(A)乃至(C)から選択される一つ若しくは二つ以上の成分を、同時に又は時間を置いて別々に投与することを特徴とする医薬。
(A)1種又は2種以上のアンジオテンシンII受容体拮抗剤
(B)1,4-ジヒドロピリジン系化合物及び薬理学的に許容されるその塩からなる群より選ばれる物質を含む1種又は2種以上のカルシウム拮抗剤
(C)1種又は2種以上の利尿剤
[請求項2]
 高血圧症、心臓疾患、狭心症、心筋梗塞、不整脈、突然死、心不全、心肥大、腎臓疾患、糖尿病性腎症、糸球体腎炎、腎硬化症、脳血管性疾患、脳梗塞、脳出血および血管障害(動脈硬化症、PTCA後再狭窄、末梢性循環障害)からなる群より選ばれる疾患の予防又は治療の為の医薬であって、成分(A)、成分(B)及び成分(C)から選択される一つ又は二つ以上の成分と、請求項1に記載のミネラルコルチコイド受容体拮抗薬を有効成分として含む医薬。
[請求項3]
 医薬組成物の形態の請求項1または2に記載の医薬。
[請求項4]
 アンジオテンシンII受容体拮抗剤が、(5-メチル-2-オキソ-1,3-ジオキソレン-4-イル)メチル 4-(1-ヒドロキシ-1-メチルエチル)-2-プロピル-1-[2’-(1H-テトラゾール-5-イル)ビフェニル-4-イルメチル]イミダゾール-5-カルボキシレートである、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の医薬。
[請求項5]
 カルシウム拮抗剤が、アゼルニジピン、アムロジピン、ベニジピン、ニトレンジピン、マニジピン、ニカルジピン、ニフェジピン、ニソルジピン、シルニジピン、レルカニジピン、ニグルジピン、ニモジピン、アラニジピン、エホニジピン、バルニジピン、フェロジピン、クレビジピン、ラシジピン及びニルバジピンからなる群より選択されるカルシウム拮抗剤である、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の医薬。
[請求項6]
 カルシウム拮抗剤がアムロジピンである、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の医薬。
[請求項7]
 利尿剤が、ヒドロクロロチアジド、メチクロチアジド、ベンジルヒドロクロロチアジド、トリクロルメチアジド、シクロペンチアジド、ポリチアジド、エチアジド、シクロチアジド、ベンドロフルメチアジド及びヒドロフルメチアジドからなる群より選択される利尿剤である、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の医薬。
[請求項8]
 利尿剤が、ヒドロクロロチアジドである、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の医薬。
[請求項9]
 ミネラルコルチコイド受容体拮抗剤が、下記式(Ia)で表される
[化2]



(S)-1-(2-ヒドロキシエチル)-4-メチル-N-[4-(メチルスルホニル)フェニル]-5-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]-1H-ピロール-3-カルボキサミドであり、カルシウム拮抗剤がアムロジピンである請求項1に記載の医薬。
[請求項10]
 医薬組成物を単一製剤に配合した請求項1乃至9のいずれか1項に記載の医薬組成物。