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1. (WO2013146700) RESIN COMPOSITION, PREPREG AND LAMINATE
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明 細 書

発明の名称 樹脂組成物、プリプレグ及び積層板

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

先行技術文献

特許文献

0004  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0005   0006  

課題を解決するための手段

0007   0008   0009   0010   0011   0012  

発明の効果

0013  

発明を実施するための形態

0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059  

実施例

0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082  

産業上の利用可能性

0083  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16   17   18   19   20   21   22   23  

明 細 書

発明の名称 : 樹脂組成物、プリプレグ及び積層板

技術分野

[0001]
 本発明は、樹脂組成物、プリプレグ及び積層板等に関し、特に、放熱特性に優れるのみならず成形性やメカニカルドリル加工性が良好で外観にも優れるプリント配線板用の樹脂組成物等に関する。

背景技術

[0002]
 近年、電子機器や通信機、パーソナルコンピューター等に広く用いられている半導体の高集積化・高機能化・高密度実装化はますます加速しており、以前にもましてプリント配線板に対する特性への要求が高まっている。特に、半導体の発熱に対するプリント配線板の放熱技術が求められるようになっている。これは、半導体の高機能化に伴い、半導体から発生する熱量が大きくなっており、かつ高集積化・高密度実装化の影響により熱が内部に溜まりやすい構成になってきているためである。
[0003]
 一般に、プリント配線板の絶縁層に用いられるエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂自体は、熱伝導率が低い。そこで、プリント配線板の熱伝導率を向上させるため、所定の粒径分布を有する混合フィラー(無機充填材)を熱硬化性樹脂に80~95重量%配合することで硬化物の熱伝導率を3~10W/mKにする熱伝導性樹脂組成物が提案されている(特許文献1参照)。

先行技術文献

特許文献

[0004]
特許文献1 : 特開2001-348488号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0005]
 しかしながら、上記特許文献1のように熱硬化性樹脂組成物に無機充填材を高充填すると、熱伝導率を向上させることはできるものの、熱硬化性樹脂の体積比率が少なくなるため成形性が悪化し、樹脂と無機充填材の間にクラックやボイドが発生しやすくなる。また、無機充填材を高充填させたプリント配線板は加工性が悪いという欠点があり、特にメカニカルドリルでの孔加工の際には、ドリルビットの摩耗や折損が著しいという問題があった。
[0006]
 本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、放熱特性に優れるのみならず成形性やメカニカルドリル加工性が良好で、外観にも優れる積層板やプリント配線板等を簡易に且つ再現性よく実現可能な樹脂組成物を提供することにある。また、本発明の他の目的は、放熱特性、成形性、メカニカルドリル加工性及びガラス転移温度に優れるプリプレグ、積層板、金属箔張積層板及びプリント配線板等を提供することにある。

課題を解決するための手段

[0007]
 本発明者らは、かかる問題点の解決のため鋭意検討した結果、シアン酸エステル化合物(A)、エポキシ樹脂(B)、第一の無機充填材(C)、第二の無機充填材(D)及びモリブデン化合物(E)を含有し、第一の無機充填材(C)と第二の無機充填材(D)の平均粒子径の比が、1:0.02~1:0.2である樹脂組成物を用いることにより、上記の課題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。
[0008]
 すなわち、本発明は、以下<1>~<23>を提供する。
<1> シアン酸エステル化合物(A)、エポキシ樹脂(B)、第一の無機充填材(C)、第二の無機充填材(D)及びモリブデン化合物(E)を含有し、前記第一の無機充填材(C)と前記第二の無機充填材(D)の平均粒子径の比が、1:0.02~1:0.2である、樹脂組成物。
<2> 前記第一の無機充填材(C)と前記第二の無機充填材(D)の質量比が、1:0.03~1:0.5である、上記<1>に記載の樹脂組成物。
<3> 前記第一の無機充填材(C)及び前記第二の無機充填材(D)が、前記シアン酸エステル化合物(A)と前記エポキシ樹脂(B)の合計100質量部に対して、合計で200~800質量部含まれる、上記<1>又は<2>に記載の樹脂組成物。
<4> 前記モリブデン化合物(E)が、前記シアン酸エステル化合物(A)及び前記エポキシ樹脂(B)の合計100質量部に対して、0.1~20質量部含まれる、上記<1>~<3>のいずれか一項に記載の樹脂組成物
<5> 前記第一の無機充填材(C)が、酸化マグネシウム及び/又はベーマイトである、上記<1>~<4>のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
<6> 前記第一の無機充填材(C)が、0.5~10μmの平均粒子径を有する、上記<1>~<5>のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
<7> 前記第二の無機充填材(D)が、アルミナ、酸化マグネシウム、窒化ホウ素及び窒化アルミニウムよりなる群から選択される少なくとも1種である、上記<1>~<6>のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
<8> 前記第二の無機充填材(D)が球形である、上記<1>~<7>のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
<9> 前記第一の無機充填材(C)、前記第二の無機充填材(D)及び前記モリブデン化合物(E)が、樹脂組成物の全体積に対して、合計で40~70体積%含まれる、上記<1>~<8>のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
<10> 前記モリブデン化合物(E)が、モリブデン化合物からなるコア粒子と該コア粒子の表面の少なくとも一部に形成された無機酸化物とを有する、上記<1>~<9>のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
<11> 前記シアン酸エステル化合物(A)が、ナフトールアラルキル型シアン酸エステル化合物、ノボラック型シアン酸エステル化合物及びビフェニルアラルキル型シアン酸エステル化合物よりなる群から選択される少なくとも1種である、上記<1>~<10>のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
[0009]
<12> 前記ナフトールアラルキル型シアン酸エステル化合物が下記一般式(1)で表されるものであり、前記ノボラック型シアン酸エステル化合物が下記一般式(2)で表されるものであり、前記ビフェニルアラルキル型シアン酸エステル化合物が下記一般式(3)で表されるものである、上記<11>に記載の樹脂組成物。
[化1]


(式中、Rは、それぞれ独立して、水素原子又はメチル基を示し、nは、1~50の整数を示す。)
[化2]


(式中、Rは、それぞれ独立して、水素原子又はメチル基を示し、nは、1~50の整数を示す。)
[化3]


(式中、Rは、それぞれ独立して、水素原子又はメチル基を示し、R は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数2以下のアルキル基又はアリール基を示し、nは、1~50の整数を示す。)
[0010]
<13> 前記シアン酸エステル化合物(A)が、前記シアン酸エステル化合物(A)及び前記エポキシ樹脂(B)の合計100質量部に対して、10~90質量部含まれる、上記<1>~<12>のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
<14> 前記エポキシ樹脂(B)が、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ポリオキシナフチレン型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、臭素化フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂及びナフトールアラルキル型エポキシ樹脂よりなる群から選択される少なくとも1種である、上記<1>~<13>のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
<15> さらにシランカップリング剤(F)を含有する、上記<1>~<14>のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
<16> 前記シランカップリング剤(F)が、前記シアン酸エステル化合物(A)及び前記エポキシ樹脂(B)の合計100質量部に対し、3~30質量部含まれる、上記<15>に記載の樹脂組成物。
<17> さらにマレイミド化合物(G)を含有する、上記<1>~<16>のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
<18> 前記マレイミド化合物(G)が、前記シアン酸エステル化合物(A)、前記エポキシ樹脂(B)及び前記マレイミド化合物(G)の合計100質量部に対して、5~75質量部含まれる、上記<17>に記載の樹脂組成物。
<19> 前記マレイミド化合物(G)が、ビス(4-マレイミドフェニル)メタン、2,2-ビス(4-(4-マレイミドフェノキシ)-フェニル)プロパン及びビス(3-エチル-5-メチル-4-マレイミドフェニル)メタンよりなる群から選択される少なくとも1種である、上記<17>又は<18>に記載の樹脂組成物。
[0011]
<20> 上記<1>~<19>のいずれか一項に記載の樹脂組成物を、基材に含浸又は塗布してなる、プレプリグ。
<21> 上記<20>に記載のプリプレグを硬化して得られる、積層板。
<22> 上記<20>に記載のプリプレグと金属箔とを積層し硬化してなる、金属箔張り積層板。
[0012]
<23> 絶縁層と、前記絶縁層の表面に形成された導体層とを含むプリント配線板であって、前記絶縁層が、上記<1>~<19>のいずれか一項に記載の樹脂組成物を含む、プリント配線板。

発明の効果

[0013]
 本発明によれば、放熱特性に優れるのみならず、成形性やメカニカルドリル加工性が良好で、且つ、外観にも優れる積層板やプリント配線板等を簡易に且つ再現性よく実現可能な樹脂組成物が実現される。本発明の樹脂組成物を用いることで、放熱特性、成形性、メカニカルドリル加工性及びガラス転移温度に優れるプリント配線板や金属箔張り積層板等を実現することができる。また、本発明の好適態様によれば、上述した各種性能に加えて、さらに硬化性に優れる樹脂組成物を実現することができ、さらにまた、本発明の好適態様の樹脂組成物を用いることで、上述した各種性能に加えて、ピール強度、半田耐熱性、吸湿耐熱性又は吸水率等にも優れるプリント配線板や金属箔張り積層板等を実現することができる。

発明を実施するための形態

[0014]
 以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明はその実施の形態のみに限定されない。
[0015]
 本実施形態の樹脂組成物は、シアン酸エステル化合物(A)、エポキシ樹脂(B)、第一の無機充填材(C)、第二の無機充填材(D)及びモリブデン化合物(E)を含有し、第一の無機充填材(C)と第二の無機充填材(D)の平均粒子径の比が、1:0.02~1:0.2であることを特徴とするものである。
[0016]
 本実施形態の樹脂組成物において用いられるシアン酸エステル化合物(A)としては、一般に公知のものを適宜用いることができ、その種類は特に限定されない。その具体例としては、ナフトールアラルキル型シアン酸エステル化合物、ノボラック型シアン酸エステル、ビフェニルアラルキル型シアン酸エステル、1,3-ジシアナトベンゼン、1,4-ジシアナトベンゼン、1,3,5-トリシアナトベンゼン、ビス(3,5-ジメチル4-シアナトフェニル)メタン、1,3-ジシアナトナフタレン、1,4-ジシアナトナフタレン、1,6-ジシアナトナフタレン、1,8-ジシアナトナフタレン、2,6-ジシアナトナフタレン、2、7-ジシアナトナフタレン、1,3,6-トリシアナトナフタレン、4、4’-ジシアナトビフェニル、ビス(4-シアナトフェニル)メタン、ビス(4-シアナトフェニル)プロパン、ビス(4-シアナトフェニル)エーテル、ビス(4-シアナトフェニル)チオエーテル、ビス(4-シアナトフェニル)スルホン、2、2’-ビス(4-シアナトフェニル)プロパン、ビス(3、5-ジメチル、4-シアナトフェニル)メタン等が挙げられる。このなかでも、難燃性に優れ、硬化性が高く、かつ硬化物の熱膨張係数が低い等の観点から、ナフトールアラルキル型シアン酸エステル化合物、ノボラック型シアン酸エステル化合物、ビフェニルアラルキル型シアン酸エステル化合物が好ましい。とりわけ、下記一般式(1)で表されるナフトールアラルキル型シアン酸エステル化合物、下記一般式(2)で表されるノボラック型シアン酸エステル化合物、下記一般式(3)で表されるビフェニルアラルキル型シアン酸エステル化合物がより好ましい。
[0017]
[化4]


(式中、Rは、それぞれ独立して、水素原子又はメチル基を示し、nは、1~50の整数を示す。)
[0018]
[化5]


(式中、Rは、それぞれ独立して、水素原子又はメチル基を示し、nは、1~50の整数を示す。)
[0019]
[化6]


(式中、Rは、それぞれ独立して、水素原子又はメチル基を示し、R は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数2以下のアルキル基又はアリール基を示し、nは、1~50の整数を示す。)
[0020]
 上記一般式(1)~(3)のなかでも、置換基Rが水素であるα-ナフトールアラルキル型のシアン酸エステル化合物は、耐熱性に優れるのみならず、吸水性や吸湿耐熱性等の特性にも優れるので、好適に使用することができる。また、上記一般式(3)において、R の炭素数2以下のアルキル基としては、例えば、メチル基及びエチル基が挙げられ、R のアリール基としては、例えば、フェニル基及びナフチル基が挙げられる。なお、シアン酸エステル化合物は、1種を単独で又は2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。また、上記一般式(1)~(3)で表されるシアン酸エステル化合物として、各一般式(1)~(3)中のnが異なる2種以上のシアン酸エステル化合物(A)を適宜混合して使用することもできる。
[0021]
 本実施形態の樹脂組成物中のシアン酸エステル化合物(A)の含有量は、目的とする用途や性能に応じて適宜設定することができ、特に限定されない。樹脂組成物の溶剤溶解性及び硬化性、さらにはその樹脂組成物を用いて得られる積層板の耐熱性等の観点から、シアン酸エステル化合物(A)の含有量は、シアン酸エステル化合物(A)及びエポキシ樹脂(B)の合計100質量部に対して、10~90質量部であることが好ましく、より好ましくは30~70質量部、さらに好ましくは30~55質量部である。
[0022]
 本実施形態の樹脂組成物において用いられるエポキシ樹脂(B)は、1分子中に2個以上のエポキシ基を有する化合物であれば、公知のものを使用することができ、その種類は特に限定されない。例えば、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ポリオキシナフチレン型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールE型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、アラルキルノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、臭素化フェノールノボラック型エポキシ樹脂、3官能フェノール型エポキシ樹脂、4官能フェノール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、ポリオール型エポキシ樹脂、リン含有エポキシ樹脂、グリシジルアミン、グリシジルエステル、ブタジエンなどの2重結合をエポキシ化した化合物、水酸基含有シリコーン樹脂類とエピクロルヒドリンとの反応により得られる化合物等が挙げられる。これらのなかでも、耐熱性に優れ、吸水性や吸湿耐熱性等の特性に優れるとの観点から、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ポリオキシナフチレン型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、臭素化フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂が好ましい。なお、これらのエポキシ樹脂は、1種を単独で又は2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。
[0023]
 本実施形態の樹脂組成物中のエポキシ樹脂(B)の含有量は、目的とする用途や性能に応じて適宜設定することができ、特に限定されない。樹脂組成物及びその硬化物の耐熱性、熱伝導性及び吸水性の観点から、エポキシ樹脂(B)の含有量は、シアン酸エステル化合物(A)及びエポキシ樹脂(B)の合計100質量部に対して、10~90質量部であることが好ましく、より好ましくは30~80質量部、さらに好ましくは55~75質量部である。
[0024]
 本実施形態の樹脂組成物は、平均粒子径(D50)が異なる少なくとも二種類の無機充填材、すなわち平均粒子径が大きい第一の無機充填材(C)と、これに対して平均粒子径が小さい第二の無機充填材(D)とを含有する。
[0025]
 ここで、本実施形態の樹脂組成物においては、熱伝導率を高め、無機充填材の充填率を向上させるとともに樹脂組成物の成形性を高める観点から、第一の無機充填材(C)と第二の無機充填材(D)の平均粒子径(D50)の比が1:0.02~1:0.2であることが必要とされる。その理由は、平均粒子径が小さい方の無機充填材が大きい無機充填材の粒子の隙間に入り込むことにより、樹脂組成物中の無機充填材の体積含有率(以下、単に「充填率」ともいう。)を高めることができて熱伝導率を向上させることができ、また、小さい粒子のコロ効果によって、メカニカルドリルによる孔加工時に、ドリルビットの折損を防ぐことができるためである。ここで、第一の無機充填材(C)と第二の無機充填材(D)の平均粒子径の比は、充填率をより向上させる観点から、1:0.025~1:0.18が好ましく、1:0.05~1:0.16が好ましい。
[0026]
 なお、本明細書において、平均粒子径(D50)とは、メジアン径を意味し、測定した粉体の粒度分布を2つに分けたときの大きい側と小さい側が等量となる径である。より具体的には、本明細書中における平均粒子径(D50)は、レーザ回折散乱式の粒度分布測定装置により、後述する実施例の条件下でメチルエチルケトン中に分散させた粉体の粒度分布を測定したときの、小さい粒子から体積積算して全体積の50%に達したときの値を意味する。
[0027]
 本実施形態の樹脂組成物において使用される第一の無機充填材(C)は、第二の無機充填材(D)よりも平均粒子径が大きいものであり、硬化物の熱伝導性を高めるものである。その具体例としては、酸化マグネシウム、ベーマイト、水酸化マグネシウム等の金属水和物、錫酸亜鉛、クレー、カオリン、タルク、焼成クレー、焼成カオリン、焼成タルク、天然マイカ、合成マイカ、E-ガラス、A-ガラス、NE-ガラス、C-ガラス、L-ガラス、D-ガラス、S-ガラス、M-ガラスG20、ガラス短繊維(Eガラス、Tガラス、Dガラス、Sガラス、Qガラス等のガラス微粉末類を含む。)、中空ガラス、球状ガラス等が挙げられる。これらのなかでも、硬化物の熱伝導率及び硬度の観点から、第一の無機充填材(C)は、酸化マグネシウムとベーマイトが好ましい。なお、これらは、第二の無機充填材(D)との平均粒子径の比が1:0.02~1:0.2であることを満たす限り、1種を単独で或いは2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。
[0028]
 第一の無機充填材(C)の平均粒子径(D50)は、特に限定されないが、分散性及び充填率の観点から、0.5~10μmであることが好ましく、より好ましくは1.5~7μmであり、さらに好ましくは2~5μmである。なお、第一の無機充填材(C)の形状は、特に限定されないが、比表面積を小さくする観点から、球状であることが好ましい。
[0029]
 本実施形態の樹脂組成物において使用される第二の無機充填材(D)は、第一の無機充填材(C)よりも平均粒子径が小さいものである。その具体例としては、一般にプリント配線板や積層板用の絶縁性樹脂に用いられるものであれば特に限定されないが、例えば、天然シリカ、溶融シリカ、合成シリカ、アモルファスシリカ、中空シリカ等のシリカ類、アルミナ、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、水酸化アルミニウム、ベーマイト、窒化ホウ素、凝集窒化ホウ素、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、酸化モリブデン、モリブデン酸亜鉛等のモリブデン化合物、ホウ酸亜鉛、窒化アルミニウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム加熱処理品(水酸化アルミニウムを加熱処理し、結晶水の一部を減じたもの)、水酸化マグネシウム等の金属水和物、錫酸亜鉛、クレー、カオリン、タルク、焼成クレー、焼成カオリン、焼成タルク、天然マイカ、合成マイカ、E-ガラス、A-ガラス、NE-ガラス、C-ガラス、L-ガラス、D-ガラス、S-ガラス、M-ガラスG20、ガラス短繊維(Eガラス、Tガラス、Dガラス、Sガラス、Qガラス等のガラス微粉末類を含む。)、中空ガラス、球状ガラス等が挙げられる。これらの中でも、熱伝導率及び充填率の観点から、アルミナ、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、窒化ホウ素、凝集窒化ホウ素、窒化ケイ素、モリブデン化合物、ホウ酸亜鉛、窒化アルミニウムが好ましく、より好ましくは、アルミナ、酸化マグネシウム、窒化ホウ素、窒化アルミニウムである。なお、これらは、第一の無機充填材(C)との平均粒子径の比が1:0.02~1:0.2であることを満たす限り、1種を単独で或いは2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。
[0030]
 第二の無機充填材(D)の平均粒子径(D50)は、特に限定されないが、分散性及び充填率の観点から、0.01~2μmであることが好ましく、より好ましくは0.1~1.0μmである。なお、第二の無機充填材(D)の形状は、特に限定されないが、充填率を高める観点から、球状であることが好ましい。
[0031]
 本実施形態の樹脂組成物においては、第一の無機充填材(C)と第二の無機充填材(D)の含有量は、適宜設定することができ、特に限定されないが、熱伝導率および成形性のバランスの観点から、シアン酸エステル化合物(A)とエポキシ樹脂(B)の合計100質量部に対して、合計で200~800質量部であることが好ましく、より好ましくは250~750質量部であり、さらに好ましくは300~700質量部である。
[0032]
 また、熱伝導率の観点から、本実施形態の樹脂組成物中、第一の無機充填材(C)及び第二の無機充填材(D)の合計の体積割合が、樹脂組成物の全体積に対して、40体積%以上70体積%以下であることが好ましい。
[0033]
 一方、本実施形態の樹脂組成物において第一の無機充填材(C)と第二の無機充填材(D)の質量比は、適宜設定することができ、特に限定されないが、充填率を高める観点から、1:0.03~1:0.5であることが好ましく、より好ましくは1:0.2~1:0.45である。このような含有割合にすることで、大きい粒子間を小さい粒子が十分に埋められるため、大小の粒子が相互に密に充填される傾向にある。また、このような質量比にすることで、樹脂組成物の流動性が向上し、プレス成形時のボイド等の成形不良を低減する傾向にあり、さらにメカニカルドリルによる孔加工性が向上される傾向にある。
[0034]
 本実施形態の樹脂組成物は、さらにモリブデン化合物(E)を含む。モリブデン化合物(E)を配合することにより、本実施形態の樹脂組成物を用いて得られるプリプレグや積層板等の難燃性が高められ、さらにドリル加工性が向上される傾向にある。モリブデン化合物(E)としては、モリブデンを分子内に含むものであれば特に限定されず、例えば、モリブデン酸亜鉛(例えば、ZnMoO 、Zn Mo 等)、モリブデン酸アンモニウム、モリブデン酸ナトリウム、モリブデン酸カルシウム、モリブデン酸カリウム、三酸化モリブデン、二硫化モリブデン等のモリブデン化合物が挙げられる。なお、これらは、1種を単独で又は2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。有機金属触媒として働かないという点から、並びに、上述したドリル加工性及び耐熱性の両立の観点から、モリブデン酸亜鉛、モリブデン酸アンモニウム、三酸化モリブデンが好ましい。
[0035]
 なお、上述したモリブデン化合物(E)は、モリブデン化合物からなるコア粒子の表面の少なくとも一部に無機酸化物が形成された表面処理モリブデン粒子であってもよい。具体的には、商業的に入手可能なモリブデン化合物の粒子を、シランカップリング剤を用いた表面処理して得られるもの、又は、ゾルゲル法或いは液相析出法等の手法でその表面を無機酸化物で処理して得られるものが挙げられる。表面が無機酸化物で処理された表面処理モリブデン粒子は、熱に対しては無機酸化物が、ドリル加工に対してはモリブデン化合物が有効に作用し、ドリル加工性と耐熱性という二つの相反する特性を高度に両立させることが可能となるため、特に好ましい。
[0036]
 ここで、モリブデン化合物の表面に形成される無機酸化物としては、特に限定されないが、例えば、シリカ、チタニア、アルミナ、シルコキサイド等が挙げられる。耐熱性、絶縁特性、コスト等の観点から、シリカが好ましい。
[0037]
 また、モリブデン化合物の表面に形成される無機酸化物の厚さは、特に限定されないが、耐熱性の観点、及びモリブデン化合物の粒子の表面に無機酸化物を付与する際に発生するクラックを少なくできる観点から、15~50nmであることが好ましい。
[0038]
 なお、表面処理モリブデン粒子の作製方法としては、以下の方法が簡便である。まず、ケイ素アルコキシドやアルミニウムアルコキシドなどの金属アルコキシドを溶解したアルコール溶液に、モリブデン化合物の粒子を分散し、撹拌させながら水とアルコール及び触媒を含有する混合溶液を滴下し、アルコキシドを加水分解することにより、粒子表面に酸化ケイ素あるいは酸化アルミニウム等の被膜を形成する。その後、粒子を固液分離し、真空乾燥後、熱処理を施す。これらの操作により、モリブデン化合物の粒子の表面に無機酸化物の被膜を有する表面処理モリブデン粒子が簡便に得られる。
[0039]
 モリブデン化合物(E)の平均粒子径(D50)は、特に限定されないが、分散性及び充填率の観点から、0.1~10μmであることが好ましく、より好ましくは0.3~7μmであり、さらに好ましくは0.5~5μmである。なお、モリブデン化合物(E)の形状は、特に限定されないが、比表面積を小さくする観点から、球状であることが好ましい。
[0040]
 本実施形態の樹脂組成物において、モリブデン化合物(E)の含有量は、適宜設定することができ、特に限定されないが、シアン酸エステル化合物(A)とエポキシ樹脂(B)の合計100質量部に対して、0.1~20質量部であることが好ましく、より好ましくは1~10質量部であり、さらに好ましくは1~5質量部である。
[0041]
 また、熱伝導率の観点から、本実施形態の樹脂組成物中、第一の無機充填材(C)、第二の無機充填材(D)及び前記モリブデン化合物(E)の合計の体積割合が、樹脂組成物の全体積に対して、合計で40体積%以上70体積%以下であることが好ましい。
[0042]
 本実施形態の樹脂組成物は、必要に応じて、さらにシランカップリング剤(F)を含有していてもよい。シランカップリング剤が有するシラノール基は、表面に水酸基を持つ素材と、特に親和性及び反応性に優れるため、有機物-無機物の結合に効果があり、無機充填材の粒子表面がシランカップリング剤と反応する場合には、熱硬化性樹脂と無機充填材の密着性が高められる。そのため、シランカップリング剤(F)を併用することにより、得られる金属箔貼り積層板やプリント配線板等のピール強度、弾性率、吸湿耐熱性、及び硬化物の外観が向上される傾向にある。ここで使用されるシランカップリング剤(F)としては、一般に無機物の表面処理に使用されているものを好適に用いることができ、その種類は特に限定されない。その具体例としては、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-β-(アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノシラン系、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシランなどのエポキシシラン系、γ-メタアクリロキシプロピルトリメトキシシランなどのビニルシラン系、N-β-(N-ビニルベンジルアミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩などのカチオニックシラン系、フェニルシラン系などが挙げられる。これらは、1種を単独で又は2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。
[0043]
 本実施形態の樹脂組成物中のシランカップリング剤(F)の含有量は、適宜設定することができ、特に限定されないが、樹脂と無機充填材との密着性及びガラス転移温度の観点から、シアン酸エステル化合物(A)とエポキシ樹脂(B)の合計100質量部に対して、3~30質量部であることが好ましい。
[0044]
 また、本実施形態の樹脂組成物は、必要に応じて、さらに湿潤分散剤を含有していてもよい。湿潤分散剤を含有することによって、無機充填材の分散性が高められる傾向にある。湿潤分散剤としては、一般に塗料用に使用されているものを好適に用いることができ、その種類は特に限定されない。好ましくは、共重合体ベースの湿潤分散剤が使用される。その具体例としては、ビッグケミー・ジャパン(株)製の高分子湿潤分散剤、例えば、BYK-W903、BYK-W940、BYK-W996、BYK-W9010、Disper-BYK110、Disper-BYK111、Disper-BYK-110,111,161,180等が挙げられるが、これらに特に限定されない。なお、湿潤分散剤は、1種を単独で又は2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。
[0045]
 本実施形態の樹脂組成物中の湿潤分散剤の含有量は、適宜設定することができ、特に限定されないが、分散性を高める観点から、前記シアン酸エステル化合物(A)と前記エポキシ樹脂(B)の合計100質量部に対して、1~10質量部であることが好ましく、より好ましくは5~9質量部である。
[0046]
 またさらに、本実施形態の樹脂組成物は、必要に応じて、さらにマレイミド化合物(G)を含有していてもよい。マレイミド化合物(G)を含有することで、シアン酸エステル化合物(A)とマレイミド基とが反応し、架橋密度が高められて、得られる金属箔貼り積層板やプリント配線板等の耐熱性や弾性率が高められる傾向にある。マレイミド化合物(G)としては、1分子中に1個以上のマレイミド基を有する化合物であれば、公知のものを適宜用いることができ、その種類は特に限定されない。その具体例としては、ビス(4-マレイミドフェニル)メタン、2,2-ビス(4-(4-マレイミドフェノキシ)-フェニル)プロパン、ビス(3,5-ジメチル-4-マレイミドフェニル)メタン、ビス(3-エチル-5-メチル-4-マレイミドフェニル)メタン、ビス(3,5-ジエチル-4-マレイミドフェニル)メタン、トリス(4-マレイミドフェニル)メタンなどが挙げられる。なお、これらのマレイミド化合物は、1種を単独で又は2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。また、マレイミド化合物(F)は、モノマーの形態のものに限られず、プレポリマーの形態であってもよく、或いは、ビスマレイミド化合物とアミン化合物等とのプレポリマーの形態であってもよい。これらのなかでも、耐熱性の観点から、ビス(4-マレイミドフェニル)メタン、2,2-ビス(4-(4-マレイミドフェノキシ)-フェニル)プロパン、ビス(3-エチル-5-メチル-4-マレイミドフェニル)メタンが好ましい。
[0047]
 本実施形態の樹脂組成物中のマレイミド化合物(G)の含有量は、適宜設定することができ、特に限定されないが、耐熱性及び弾性率の観点から、シアン酸エステル化合物(A)、エポキシ樹脂(B)及びマレイミド化合物(G)の合計100質量部に対して、5~75質量部であることが好ましく、より好ましくは10~70質量部であり、さらに好ましくは12~40質量部である。
[0048]
 さらに、本実施形態の樹脂組成物は、必要に応じて、硬化速度を適宜調節するための硬化促進剤を含有していてもよい。硬化促進剤としては、シアン酸エステル化合物(A)やエポキシ樹脂(B)の硬化促進剤として一般に使用されているものを好適に用いることができ、その種類は特に限定されない。例えば、銅、亜鉛、コバルト、ニッケル、マンガン等の有機金属塩類、イミダゾール類及びその誘導体、第3級アミン等が挙げられる。硬化促進剤は、1種を単独で又は2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。なお、硬化促進剤の含有量は、樹脂の硬化度や樹脂組成物の粘度等の観点から適宜調整でき、特に限定されないが、通常は、上述した(A),(B)及び(F)成分の合計100質量部に対して、0.01~15質量部程度であり、好ましくは0.02~3質量部程度である。
[0049]
 なお、本実施形態の樹脂組成物は、所期の特性が損なわれない範囲において、必要に応じて上述した成分以外の成分を含んでいてもよい。このような任意の配合物としては、例えば、上記以外の熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂及びこれらのオリゴマーやエラストマー類などの種々の高分子化合物、難燃性化合物、各種添加剤等が挙げられる。これらは、一般に使用されているものであれば、特に制限なく使用することができる。例えば、難燃性化合物としては、4,4’-ジブロモビフェニル等の臭素化合物、リン酸エステル、リン酸メラミン、リン含有エポキシ樹脂などのリン化合物、メラミンやベンゾグアナミンなどの窒素含有化合物、オキサジン環含有化合物、シリコーン系化合物などが挙げられる。難燃性化合物は、1種を単独で又は2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。各種添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光重合開始剤、蛍光増白剤、光増感剤、染料、顔料、増粘剤、滑剤、消泡剤、分散剤、レベリング剤、光沢剤、重合禁止剤等が挙げられる。これら任意の添加物は、1種を単独で又は2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。
[0050]
 本実施形態の樹脂組成物は、必要に応じて、有機溶剤を含んでいてもよい。すなわち、本実施形態の樹脂組成物は、上述したシアン酸エステル化合物(A)及びエポキシ樹脂(B)、さらに必要に応じて含まれるマレイミド化合物(G)の少なくとも一部、好ましくは全部が有機溶剤に溶解或いは相溶した態様(樹脂ワニス)として用いることができる。有機溶剤を含有することにより、樹脂組成物の粘度が下げられるので、ハンドリング性が向上されるとともにガラスクロスへの含浸性が高められる傾向にある。有機溶剤の種類は、シアン酸エステル化合物(A)及びエポキシ樹脂(B)、さらに必要に応じて含まれるマレイミド化合物(G)の混合物を溶解或いは相溶可能なものであれば、特に限定されない。例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、ジメチルホルムアミドやジメチルアセトアミドなどのアミド類等が挙げられる。なお、これらの有機溶剤は、1種を単独で又は2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。
[0051]
 本実施形態の樹脂組成物は、常法にしたがって上述したシアン酸エステル化合物(A)、エポキシ樹脂(B)、第一の無機充填材(C)、第二の無機充填材(D)及びモリブデン化合物(E)を攪拌・混合することで調製することができ、その調製方法は、特に限定されない。例えば、エポキシ樹脂(B)に第一の無機充填材(C)、第二の無機充填材(D)及びモリブデン化合物(E)を配合し、ホモミキサー等で分散させ、そこへシアン酸エステル化合物(A)を配合する方法などが挙げられる。樹脂組成物の調製時には、粘度を下げ、ハンドリング性を向上させると共にガラスクロスへの含浸性を高めるために、有機溶媒を添加することが望ましい。
[0052]
 一方、本実施形態のプリプレグは、上記の本実施形態の樹脂組成物を基材に含浸または塗布させたものである。本実施形態のプリプレグにおいて使用される基材は、特に限定されるものではなく、例えば各種プリント配線板材料に用いられている公知のものの中から、目的とする用途や性能により適宜選択して使用することができる。その具体例としては、Eガラス、Tガラス、Lガラス、Dガラス、Sガラス、NEガラス、Qガラス、UNガラス、球状ガラス等のガラス繊維、クォーツ等のガラス以外の無機繊維、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステルなどの有機繊維、液晶ポリエステル等の織布等が挙げられる。これらは、1種を単独で又は2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。
[0053]
 基材の形状としては、織布、不織布、ロービング、チョップドストランドマット、サーフェシングマット等が知られており、また、織布の織り方としては、平織り、ななこ織り、綾織り等が知られているが、いずれであっても構わない。また、基材の厚みは、特に限定されないが、通常は0.01~0.3mm程度である。例えば積層板用途であれば0.01~0.2mmの範囲が好適である。これらの基材のなかでも、積層板用途においては面方向の膨張率と加工性とのバランスから、特にEガラスのガラス繊維を使用することが好ましい。
[0054]
 上記した基材は、樹脂との密着性や吸湿耐熱性の観点から、表面処理が施されていてもよい。例えば、基材の表面をシランカップリング剤などで表面処理することができる。また、基材として織布を用いる場合、樹脂との密着性の観点から、物理的に開繊されたものが好ましい。さらに、基材としてフィルムを使用する場合、樹脂との密着性の観点から、プラズマ処理などで表面処理されたものが好ましい。
[0055]
 本実施形態のプリプレグは、常法にしたがって作製することができ、その作製方法は、特に限定されない。プリプレグの作製方法としては、上記の樹脂組成物を基材に含浸させる又は塗布する方法が一般的に知られている。より具体的には、例えば、上記の樹脂組成物に有機溶剤を加えた樹脂ワニスを基材に含浸させ又は塗布した後、100~200℃の乾燥機中で、1~60分加熱させる等して半硬化させ(Bステージ化)させることで、本実施形態のプリプレグを作製することができる。このとき、基材に対する樹脂組成物の付着量、すなわち半硬化後のプリプレグの総量に対する樹脂組成物量(第一の無機充填材(C)、第二の無機充填材(D)及びモリブデン化合物(E)を含む。)は、40~95質量%の範囲が好ましい。
[0056]
 他方、本実施形態の積層板は、上述のプリプレグを用いて積層成形したものである。また、本実施形態の金属箔張り積層板は、上述のプリプレグと金属箔とを積層成形したものである。具体的には、本実施形態の金属箔張り積層板は、前述のプリプレグを1枚あるいは複数枚以上を重ね、所望によりその片面もしくは両面に、銅やアルミニウムなどの金属箔を配置して、積層成形することにより作製することができる。ここで使用する金属箔は、プリント配線板材料に用いられるものであれば、特に限定されない。一般的には、圧延銅箔や電解銅箔等の銅箔が好ましく、高周波領域における導体損失を考慮すると、マット面の粗さが小さい電解銅箔がより好ましい。また、金属箔の厚みは、特に限定されないが、2~70μmが好ましく、より好ましくは2~35μmである。成形条件としては、通常のプリント配線板用積層板及び多層板の手法が適用できる。例えば、多段プレス機、多段真空プレス機、連続成形機、オートクレーブ成形機などを使用し、温度は100~300℃、圧力は面圧2~100kgf/cm 、加熱時間は0.05~5時間の範囲が一般的である。また、上記のプリプレグと、別途作製した内層用の配線板を組み合わせて積層成形することにより、多層板とすることも可能である。
[0057]
 上記の本実施形態の金属箔張り積層板は、所定の配線パターンを形成することにより、プリント配線板として好適に用いることができる。本実施形態の金属箔張り積層板は、成形性やメカニカルドリル加工性が良好で、且つ、外観にも優れ、その上さらに、ピール強度、半田耐熱性、吸湿耐熱性又は吸水率等においても高い性能を有し得るので、そのような性能が要求される高集積・高密度化対応のプリント配線板材料として、殊に有効に用いることができる。
[0058]
 そして、本実施形態の金属箔張り積層板は、プリント配線板として好適に使用することができる。プリント配線板は、常法にしたがって製造することができ、その製造方法は特に限定されない。以下、プリント配線板の製造方法の一例を示す。まず、上述した銅張積層板等の金属箔張り積層板を用意する。次に、金属箔張り積層板の表面にエッチング処理を施して内層回路の形成を行い、内層基板を作製する。この内層基板の内層回路表面に、必要に応じて接着強度を高めるための表面処理を行い、次いでその内層回路表面に上述したプリプレグを所要枚数重ね、さらにその外側に外層回路用の金属箔を積層し、加熱加圧して一体成形する。このようにして、内層回路と外層回路用の金属箔との間に、基材及び熱硬化性樹脂組成物の硬化物からなる絶縁層が形成された多層の積層板が製造される。次いで、この多層の積層板にスルーホールやバイアホール用の穴あけ加工を施した後、この穴の壁面に内層回路と外層回路用の金属箔とを導通させるめっき金属皮膜を形成し、さらに外層回路用の金属箔にエッチング処理を施して外層回路を形成することで、プリント配線板が製造される。
[0059]
 上記の製造例で得られるプリント配線板は、絶縁層と、この絶縁層の表面に形成された導体層とを有し、絶縁層が上述した本実施形態の樹脂組成物を含む構成となる。すなわち、上述した本実施形態のプリプレグ(基材及びこれに含浸又は塗布された本実施形態の樹脂組成物)、上述した本実施形態の金属箔張り積層板の樹脂組成物の層(本実施形態の樹脂組成物からなる層)が、本実施形態の樹脂組成物を含む絶縁層から構成されることになる。
実施例
[0060]
 以下に、実施例及び比較例を示し、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下において特に断りのない限り、「部」は「質量部」を表す。
[0061]
(合成例1)
 反応器内で、α-ナフトールアラルキル樹脂(SN495V、OH基当量:236g/eq.、新日鐵化学(株)製:ナフトールアラルキルの繰り返し単位数nは1~5のものが含まれる。)0.47モル(OH基換算)を、クロロホルム500mlに溶解させ、この溶液にトリエチルアミン0.7モルを添加した。温度を-10℃に保ちながら反応器内に0.93モルの塩化シアンのクロロホルム溶液300gを1.5時間かけて滴下し、滴下終了後、30分撹拌した。その後さらに、0.1モルのトリエチルアミンとクロロホルム30gの混合溶液を反応器内に滴下し、30分撹拌して反応を完結させた。副生したトリエチルアミンの塩酸塩を反応液から濾別した後、得られた濾液を0.1N塩酸500mlで洗浄した後、水500mlでの洗浄を4回繰り返した。これを硫酸ナトリウムにより乾燥した後、75℃でエバポレートし、さらに90℃で減圧脱気することにより、褐色固形の上記一般式(1)で表されるα-ナフトールアラルキル型シアン酸エステル化合物(式中のRはすべて水素原子である。)を得た。得られたα-ナフトールアラルキル型シアン酸エステル化合物を赤外吸収スペクトルにより分析したところ、2264cm -1付近にシアン酸エステル基の吸収が確認された。
[0062]
(実施例1)
 合成例1で得たα-ナフトールアラルキル型シアン酸エステル化合物40質量部と、ビス(3-エチル-5-メチル-4-マレイミドフェニル)メタン(BMI-70、ケイ・アイ化成(株)製)20質量部と、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(NC-3000-FH,日本化薬(株)製)40質量部と、シランカップリング剤(Z6040、東レダウコーニング(株)製)5質量部と、酸基を含む湿潤分散剤(BYK-W903、ビッグケミー・ジャパン(株)製)5質量部とをメチルエチルケトンで溶解混合し、これに、平均粒子径3μmのベーマイト(BMT33W、河合石灰(株)製)240質量部と、平均粒子径0.3μmの球状アルミナ(ASFP-20、電気化学工業(株)製)60質量部と、モリブデン酸亜鉛(日本無機化学工業(株)製)3質量部と、ニッカオクチックスマンガン(Mn8%)(日本合成化学工業(株)製)0.01質量部、2,4,5-トリフェニルイミダゾール(東京化成工業(株)製)0.5質量部とを混合して、樹脂ワニスを得た。なお、平均粒子径(D50)は、各々の無機充填材をメチルエチルケトンで分散させ、その後超音波ホモジナイザーにて3分間分散処置を行なった後、レーザ回折散乱式の粒度分布測定装置((株)島津製作所製)を用いて測定した値である。得られた樹脂ワニスをさらにメチルエチルケトンで希釈し、これを質量47.2g/m のEガラスクロス(旭化成イーマテリアルズ(株)製)に含浸塗工し、160℃で3分間加熱乾燥することにより、0.1mmmtで樹脂含有量84質量%のプリプレグを得た。次に、得られたプリプレグを2枚重ね合わせ、得られた積層体の上下面に12μm厚の電解銅箔(3EC-III、三井金属鉱業(株)製)を配置し、圧力30kgf/cm 及び温度220℃で120分間の真空プレスを行い積層成形することで、厚さ0.2mmの金属箔張り積層板(両面銅張積層板)を作製した。また、得られたプリプレグを8枚重ね合わせること以外は同様に行い、厚さ0.8mmの金属箔張り積層板(両面銅張積層板)を作製した。
[0063]
 得られた金属箔張り積層板を用いて、外観評価、熱伝導率及びガラス転移温の測定、並びに、ドリルビットライフ及び孔位置精度の評価、を行った。
[0064]
(測定方法及び評価方法)
1)外観評価:厚さ0.2mmの金属箔張り積層板を330mm×330mmのサイズに切断後、両面の銅箔をすべてエッチング除去して、表面の銅箔がすべて除去されたサンプル(積層板)を得た。この積層板を目視で観察し、ボイドが発生していないものを「○」、ボイドが発生したものを「×」と評価した。
2)熱伝導率:厚さ0.8mmの金属箔張り積層板の密度を測定し、また、比熱をDSC(TA Instrumen Q100型)により測定し、さらに、キセノンフラッシュアナライザ(Bruker:LFA447 Nanoflash)により熱拡散率を測定した。そして、熱伝導率を以下の式から算出した。
 熱伝導率(W/m・K)=密度(kg/m )×比熱(kJ/kg・K)×熱拡散率(m /S)×1000
[0065]
3)ガラス転移温度(Tg):厚さ0.8mmの金属箔張り積層板をダイシングソーで40mm×20mmのサイズに切断して得たサンプルを用い、JIS C6481に準拠して、動的粘弾性分析装置(TAインスツルメント製)を用いて測定した。
4)ドリルビットライフ(ドリルビット折損孔数):下記のドリル孔加工条件にて5000hit加工後、3セット重ね合わせた金属箔張り積層板の最下板の裏面を、ホールアナライザ(日立ビアメカニクス製)にて測定し、統計孔数をカウントした(表1に示す数値は、加工2回(n=2)の平均値である。)。
 加工機;日立ビアメカニクス(株)ND-1 V212
 対象サンプル;厚さ0.2mmの金属箔張り積層板を3セット重ねたもの
 エントリーシート;三菱ガス化学(株)製 LE900
 バックアップボード;日本デコラックス(株)製 SPB-W
 ドリルビット;ユニオンツール(株)製、KMC L518A 0.105×1.8
[0066]
5)孔位置精度:上記4)と同じドリル孔加工条件にて5000hit加工後、厚さ0.2mmの金属箔張り積層板を3セット重ね合わせた積層体の最下板の裏面における孔位置と指定座標との位置ズレ量を、ホールアナライザ(日立ビアメカニクス製)にて測定した。ここでは、ドリル1本分当たりの加工孔に対して位置ズレ量を全数測定し、その平均値と標準偏差(σ)を計算し、位置ズレ量の平均値+3σを算出した(表1に示す数値は、加工2回(n=2)の平均値である。)。
[0067]
(実施例2)
 α-ナフトールアラルキル型シアン酸エステル化合物の配合量を30質量部に変更し、ビス(3-エチル-5-メチル-4-マレイミドフェニル)メタンに代えてマレイミド化合物(BMI-2300、大和化成工業(株)製)30質量部を、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂に代えてポリオキシナフチレン型エポキシ樹脂(HP6000,DIC(株)製)40質量部をそれぞれ用いること以外は、実施例1と同様に行った。得られた金属箔張り積層板の各種物性値を、表1に示す。
[0068]
(実施例3)
 平均粒子径3μmのベーマイト(BMT33W、河合石灰(株)製)に代えて平均粒子径3μmのベーマイト(BM5009、(株)アドマテックス製)280質量部を用いるとともに、平均粒子径0.3μmの球状アルミナの配合量を70質量部に、シランカップリング剤の配合量を10質量にそれぞれ変更すること以外は、実施例2と同様に行った。得られた金属箔張り積層板の各種物性値を、表1に示す。
[0069]
(実施例4)
 ポリオキシナフチレン型エポキシ樹脂に代えて実施例1で用いたビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂40質量部を用いること以外は、実施例3と同様に行った。得られた金属箔張り積層板の各種物性値を、表1に示す。
[0070]
(実施例5)
 マレイミド化合物(BMI-2300)の配合量を15質量部に、ポリオキシナフチレン型エポキシ樹脂の配合量を20質量部に、モリブデン酸亜鉛の配合量を1質量部に、シランカップリング剤の配合量を15質量部にそれぞれ変更するとともに、実施例1で用いたビス(3-エチル-5-メチル-4-マレイミドフェニル)メタン15質量部と、実施例1で用いたビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂20質量部とを配合すること以外は、実施例3と同様に行った。得られた金属箔張り積層板の各種物性値を、表1に示す。
[0071]
(実施例6)
 α-ナフトールアラルキル型シアン酸エステル化合物の配合量を25質量部に、マレイミド化合物(BMI-2300)の配合量を25質量部に、モリブデン酸亜鉛の配合量を2質量部にそれぞれ変更するとともに、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂(EPPN-501H, 日本化薬(株)製)10質量部を配合すること以外は、実施例4と同様に行った。得られた金属箔張り積層板の各種物性値を、表1に示す。
[0072]
(実施例7)
 平均粒子径3μmのベーマイト(BM5009、(株)アドマテックス製)に代えて平均粒子径2.1μmのベーマイト(MM010、(株)河合石灰製)320質量部を用いるとともに、平均粒子径0.3μmの球状アルミナの配合量を80質量部に、シランカップリング剤の配合量を20質量部に、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂の配合量を15質量部にそれぞれ変更し、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂(EPPN-501H, 日本化薬(株)製)5質量部を配合すること以外は、実施例5と同様に行った。得られた金属箔張り積層板の各種物性値を、表2に示す。
[0073]
(実施例8)
 平均粒子径2.1μmのベーマイト(MM010、(株)河合石灰製)に代えて平均粒子径2.8μmのベーマイト(MM011、(株)河合石灰製)を用いること以外は、実施例7と同様に行った。得られた金属箔張り積層板の各種物性値を、表2に示す。
[0074]
(実施例9)
 平均粒子径2.1μmのベーマイト(MM010、(株)河合石灰製)に代えて平均粒子径2.8μmのベーマイト(MM011、(株)河合石灰製)280質量部を用いるとともに、平均粒子径0.3μmの球状アルミナの配合量を120質量部にすること以外は、実施例7と同様に行った。得られた金属箔張り積層板の各種物性値を、表2に示す。
[0075]
(実施例10)
 平均粒子径2.1μmのベーマイト(MM010、(株)河合石灰製)に代えて平均粒子径3.4μmのベーマイト(MM012、(株)河合石灰製)を用い、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂(EPPN-501H, 日本化薬(株)製)の代わりにナフタレン型エポキシ樹脂(EXA4700、(株)DIC製)を用い、マレイミド化合物(BMI-2300、大和化成工業(株)製)の配合量を20質量部に、ビス(3-エチル-5-メチル-4-マレイミドフェニル)メタン(BMI-70、ケイ・アイ化成(株)製)の配合量を10質量部にそれぞれ変更すること以外は、実施例7と同様に行った。得られた金属箔張り積層板の各種物性値を、表2に示す。
[0076]
(比較例1)
 平均粒子径0.3μmの球状アルミナの配合を省略し、平均粒子径3μmのベーマイト(BMT33W、河合石灰(株)製)の配合量を300質量部に変更すること以外は、実施例1と同様に行った。しかしながら、ボイドが発生し、板外観が悪かったため、特性評価には至らなかった。
[0077]
(比較例2)
 平均粒子径0.3μmの球状アルミナの配合を省略し、平均粒子径3μmのベーマイト(BMT33W、河合石灰(株)製)に代えて平均粒子径3μmのベーマイト(BM5009、(株)アドマテックス製)300質量部を用いること以外は、実施例1と同様に行った。得られた金属箔張り積層板の各種物性値を、表3に示す。
[0078]
(比較例3)
 平均粒子径0.3μmのアルミナに代えて真球状3μmアルミナ(AX3-15、新日鉄マテリアルズ(株)マイクロン社製)490質量部を用い、ニッカオクチックスマンガン(Mn8%)の配合量を0.05質量部に、2,4,5-トリフェニルイミダゾールの配合量を1質量部にそれぞれ変更し、モリブデン酸亜鉛の配合を省略すること以外は、実施例1と同様に行った。得られた金属箔張り積層板の各種物性値を、表3に示す。
[0079]
[表1]


[0080]
[表2]


[0081]
[表3]


[0082]
 なお、本出願は、2012年3月30日に日本国特許庁に出願された日本特許出願(特願2012-080722号)に基づく優先権を主張しており、その内容はここに参照として取り込まれる。

産業上の利用可能性

[0083]
 以上説明した通り、本発明の樹脂組成物は、電気・電子材料、工作機械材料、航空材料等の各種用途において、例えば、電気絶縁材料、半導体プラスチックパッケージ、封止材料、接着剤、積層材料、レジスト、ビルドアップ積層板材料等として、広く且つ有効に利用可能であり、とりわけ、近年の情報端末機器や通信機器などの高集積・高密度化対応のプリント配線板材料として殊に有効に利用可能である。また、本発明の積層板及び金属箔張り積層板等は、放熱特性に優れるのみならず、成形性やメカニカルドリル加工性が良好で、且つ、外観にも優れるので、その工業的な実用性は極めて高いものとなる。

請求の範囲

[請求項1]
 シアン酸エステル化合物(A)、エポキシ樹脂(B)、第一の無機充填材(C)、第二の無機充填材(D)及びモリブデン化合物(E)を含有し、前記第一の無機充填材(C)と前記第二の無機充填材(D)の平均粒子径の比が、1:0.02~1:0.2である、
樹脂組成物。
[請求項2]
 前記第一の無機充填材(C)と前記第二の無機充填材(D)の質量比が、1:0.03~1:0.5である、
請求項1に記載の樹脂組成物。
[請求項3]
 前記第一の無機充填材(C)及び前記第二の無機充填材(D)が、前記シアン酸エステル化合物(A)と前記エポキシ樹脂(B)の合計100質量部に対して、合計で200~800質量部含まれる、
請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
[請求項4]
 前記モリブデン化合物(E)が、前記シアン酸エステル化合物(A)及び前記エポキシ樹脂(B)の合計100質量部に対して、0.1~20質量部含まれる、
請求項1~3のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
[請求項5]
 前記第一の無機充填材(C)が、酸化マグネシウム及び/又はベーマイトである、
請求項1~4のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
[請求項6]
 前記第一の無機充填材(C)が、0.5~10μmの平均粒子径を有する、
請求項1~5のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
[請求項7]
 前記第二の無機充填材(D)が、アルミナ、酸化マグネシウム、窒化ホウ素及び窒化アルミニウムよりなる群から選択される少なくとも1種である、
請求項1~6のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
[請求項8]
 前記第二の無機充填材(D)が球形である、
請求項1~7のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
[請求項9]
 前記第一の無機充填材(C)、前記第二の無機充填材(D)及び前記モリブデン化合物(E)が、樹脂組成物の全体積に対して、合計で40~70体積%含まれる、
請求項1~8のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
[請求項10]
 前記モリブデン化合物(E)が、モリブデン化合物からなるコア粒子と該コア粒子の表面の少なくとも一部に形成された無機酸化物とを有する、
請求項1~9のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
[請求項11]
 前記シアン酸エステル化合物(A)が、ナフトールアラルキル型シアン酸エステル化合物、ノボラック型シアン酸エステル化合物及びビフェニルアラルキル型シアン酸エステル化合物よりなる群から選択される少なくとも1種である、
請求項1~10のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
[請求項12]
 前記ナフトールアラルキル型シアン酸エステル化合物が下記一般式(1)で表されるものであり、前記ノボラック型シアン酸エステル化合物が下記一般式(2)で表されるものであり、前記ビフェニルアラルキル型シアン酸エステル化合物が下記一般式(3)で表されるものである、
[化1]


(式中、Rは、それぞれ独立して、水素原子又はメチル基を示し、nは、1~50の整数を示す。)
[化2]


(式中、Rは、それぞれ独立して、水素原子又はメチル基を示し、nは、1~50の整数を示す。)
[化3]


(式中、Rは、それぞれ独立して、水素原子又はメチル基を示し、R は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数2以下のアルキル基又はアリール基を示し、nは、1~50の整数を示す。)
請求項11に記載の樹脂組成物。
[請求項13]
 前記シアン酸エステル化合物(A)が、前記シアン酸エステル化合物(A)及び前記エポキシ樹脂(B)の合計100質量部に対して、10~90質量部含まれる、
請求項1~12のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
[請求項14]
 前記エポキシ樹脂(B)が、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ポリオキシナフチレン型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、臭素化フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂及びナフトールアラルキル型エポキシ樹脂よりなる群から選択される少なくとも1種である、
請求項1~13のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
[請求項15]
 さらにシランカップリング剤(F)を含有する、
請求項1~14のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
[請求項16]
 前記シランカップリング剤(F)が、前記シアン酸エステル化合物(A)及び前記エポキシ樹脂(B)の合計100質量部に対し、3~30質量部含まれる、
請求項15に記載の樹脂組成物。
[請求項17]
 さらにマレイミド化合物(G)を含有する、
請求項1~16のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
[請求項18]
 前記マレイミド化合物(G)が、前記シアン酸エステル化合物(A)、前記エポキシ樹脂(B)及び前記マレイミド化合物(G)の合計100質量部に対して、5~75質量部含まれる、
請求項17に記載の樹脂組成物。
[請求項19]
 前記マレイミド化合物(G)が、ビス(4-マレイミドフェニル)メタン、2,2-ビス(4-(4-マレイミドフェノキシ)-フェニル)プロパン及びビス(3-エチル-5-メチル-4-マレイミドフェニル)メタンよりなる群から選択される少なくとも1種である、
請求項17又は18に記載の樹脂組成物。
[請求項20]
 請求項1~19のいずれか一項に記載の樹脂組成物を、基材に含浸又は塗布してなる、
プレプリグ。
[請求項21]
 請求項20に記載のプリプレグを硬化して得られる、
積層板。
[請求項22]
 請求項20に記載のプリプレグと金属箔とを積層し硬化してなる、
金属箔張り積層板。
[請求項23]
 絶縁層と、前記絶縁層の表面に形成された導体層とを含むプリント配線板であって、
 前記絶縁層が、請求項1~19のいずれか一項に記載の樹脂組成物を含む、
プリント配線板。