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1. (WO2012172631) FERMENTED FOOD PASTE
Document

明 細 書

発明の名称 ペースト状発酵食品

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

先行技術文献

特許文献

0004  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0005  

課題を解決するための手段

0006   0007   0008  

発明の効果

0009   0010   0011  

図面の簡単な説明

0012  

発明を実施するための形態

0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029  

実施例

0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12  

図面

1  

明 細 書

発明の名称 : ペースト状発酵食品

技術分野

[0001]
 本発明は、果実酒の搾り滓や果実の搾汁滓を利用したペースト状発酵食品とその製造方法に関する。

背景技術

[0002]
 葡萄酒等の果実酒の搾り滓の利用方法として、搾り滓をそのまま1ヶ月程度アルコール発酵させて飼料とすること(特許文献1)、搾り滓を乾燥及び粉砕して食用粉末とすること(特許文献2)、搾り滓を圧搾して得た液体に糖分を加えて糖質非アルコール性発酵酵素を培養し、その培養液をパンの製造に使用すること(特許文献3)などがある。しかしながら、特許文献1の飼料は食品素材として利用できるものではなく、特許文献2の食用粉末は単なるぶどう果実の皮や種の再利用であって、果実酒の風味を備えておらず、特許文献3の培養液はパンの製造などの極めて限定的な用途でしか使用することができない。
[0003]
 これに対し、本発明者は、果実酒醸造後の搾り滓を粗く破砕した後に種子や茎を除去し、得られた破砕物をワイン酵母でアルコール発酵することにより、ワインの風味と色合いを備えたペースト状の食品を得ることを提案した(特許文献4)。

先行技術文献

特許文献

[0004]
特許文献1 : 特開2002-171916号公報
特許文献2 : 特開2002-360208号公報
特許文献3 : 特開2007-124966号公報
特許文献4 : 特開2009-165427号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0005]
 本発明は、果実酒等の搾汁滓から果実酒の風味と色合いを備えたペースト状発酵食品を得るにあたり、特許文献4に記載の方法よりも搾り滓の利用度合いをさらに高め、かつ栄養価的にも抗酸化物質などの機能性成分が多く含まれるようにし、さらに香味を向上させることを目的とする。

課題を解決するための手段

[0006]
 本発明者は、ブドウ酒の搾汁滓を種ごと特定の平均粒径以下になるまで微細に粉砕し、アルコール発酵させると、得られる発酵食品には搾汁滓をもたらしたブドウ酒には含まれていない種由来の機能性成分が含まれること、さらに、搾汁滓を種ごと粉砕しているにもかかわらず、種の渋みが殆ど感じられず、果実酒の風味と色合いを備え、適度にジャム様の具材感を有する斬新なペースト状発酵食品を得られること、また、柑橘系果実をはじめとする種々の果実の搾汁滓を同様の平均粒径に破砕し、アルコール発酵させた場合にも、果実酒の風味と色合いを備え、適度にジャム様の具材感を有する斬新なペースト状発酵食品を得られることを見出した。
[0007]
 即ち、本発明は、果実酒の搾汁滓又は果実の搾汁滓を、平均粒径0.5mm以下に破砕し、アルコール発酵させてなるペースト状発酵食品を提供する。
[0008]
 また、本発明は、上述のペースト状発酵食品の製造方法として、果実酒の搾汁滓又は果実の搾汁滓を、平均粒径0.5mm以下のペースト状破砕物とし、そのペース状破砕物をアルコール発酵させるペースト状発酵食品の製造方法を提供する。

発明の効果

[0009]
 本発明のペースト状発酵食品は、果実酒の搾汁液又は果汁の搾汁滓を原料とするので、果実酒や果汁の搾汁滓の廃棄率を極めて低減させることができ、また、極めて低コストで製造できる。
[0010]
 また、本発明のペースト状発酵食品は、果実酒の搾汁滓又は果実の搾汁滓を平均粒径0.5mm以下に破砕してアルコール発酵させることにより得られるので、果実酒が有する風味と色合いを備え、かつ適度なジャム様の具材感を有する斬新なペースト状食品となる。したがって、本発明の発酵食品は、果実酒の風味を付与するために種々の食品に添加されていた果実酒の代替品として、あるいはジャム、トッピング、フルーツソースなどの主材料として、その他種々の食品の副材料として、広範に使用することができる。
[0011]
 特に、搾汁滓として赤ワインの搾汁滓を使用し、その搾汁滓を種ごとペースト状に破砕し、アルコール発酵させた本発明のペースト状発酵食品は、種の破砕物を含有しているにもかかわらず、種特有の渋みが殆ど感じられない。また、このペースト状発酵食品は、搾汁滓をもたらした赤ワインには含まれない、種由来のプロアントシアニジン等の抗酸化物質を含有する。したがって、機能性食品としても有用となる。

図面の簡単な説明

[0012]
[図1] 図1は、本発明の実施例のペースト状発酵食品の製造方法の工程図である。

発明を実施するための形態

[0013]
 以下、図面を参照しつつ、本発明を詳細に説明する。
 図1は、赤ワインの搾汁滓を原料とする実施例のペースト状発酵食品の製造方法の工程図である。
 同図に示すように、本発明のペースト状発酵食品は、果実酒の搾汁滓又は果実の搾汁滓を原料とする。果実酒の搾汁滓としては、図1に示したように赤ワインの搾汁滓を好ましく使用することができ、この他、ブルーベリー酒、ユズ酒等の果実酒の製造過程で生じる搾汁滓も使用することができる。果実の搾汁滓としては、ブルーベリー、柑橘系果実(例えば、シークワーサー、スダチ、ユズ)、葡萄等の搾汁滓を使用することができる。
[0014]
 このような搾汁滓は、通常、梗、枝、茎、果皮、種等を含み、従来、種や茎などが取り除かれて使用されていた(特許文献4)。これに対し、本発明では、まず、目視により虫などの異物を選別除去する。また、搾汁滓が赤ワインや葡萄の搾汁滓である場合、当該搾汁滓の提供元となるワイナリー等が備える選別機の酒類によって、枝や梗などが大量に含まれるため、必要に応じて篩等を用いて枝や梗なども除去する。一方、果皮、茎などはそのまま搾汁滓に含有させる。
[0015]
 種は、当該搾汁滓の提供元となるワイナリーが備える選別機の酒類によっても、搾汁滓の元となる果実の種類によっても、搾汁滓中の含有量が大きく異なるので、破砕前に篩により種の含有量を所定量に調整する。この場合、種の含有量は、好ましくは1~10wt%、より好ましくは2~5wt%である。種の含有量をこの範囲とすることにより、種に含まれるポリフェノール等の有効成分を本発明のペースト状食品に含有させつつ、渋みが感じられず、果実酒の風味あるいは果実の風味も損なわれないようにすることができる。
[0016]
 搾汁滓が柑橘系果実の搾汁滓である場合、ペースト状発酵食品の香味の点から、種は除去することが好ましい。
[0017]
 異物を除去した後は、搾汁滓の変質や過発酵を防止するため、殺菌処理をすることが好ましい。殺菌処理としては、加水して沸騰させる煮沸殺菌でもよいが、最終製品の味や香りが薄くなることを防止する点から加熱蒸気を通す蒸気殺菌が好ましい。
[0018]
 殺菌処理の後、搾汁滓を細かく破砕してペースト状破砕物にする。この場合、破砕は、種を含む搾汁滓が微細化し、平均粒径が0.5mm以下となるまで、好ましくは、破砕物の平均粒径が0.1~0.3mmとなるように行う。これにより、搾汁滓の破砕物が種の破砕物を含んでいても、アルコール発酵の工程にかけるとアルコール発酵を均質に行うことが可能となり、種由来の渋みが殆ど感じられず、滑らかな食感と果実のジャム様の具材感を有するものとなる。また、平均粒径を0.1~0.3mmにした場合には、食感がより滑らかとなる。これに対し、平均粒子径が0.5mmを超えると、ざらついて食感が劣る。
 一方、破砕物の平均粒子径を0.1mmより細かくすることは不用である。破砕物の平均粒子径が小さすぎると果実のジャム様の具材感がなくなり、飲料のような食感となる。
 なお、本発明において、平均粒径はレーザ回折式粒度分布測定装置等により計測することができる。
[0019]
 このような破砕は、カッターミキサー、ミクロカッター等を使用して行うことができる。また、破砕に先立ち、破砕する搾汁滓を、予め、水分含量25~50wt%に調整することが好ましい。水分含量が、多すぎるとアルコール発酵後に得られる食品がペースト状とならず液状となり、少なすぎると十分に破砕することが困難となるので好ましくない。水分量の調整のため、果汁、果実酒などを添加してもよい。
[0020]
 破砕後は、本発明のペースト状発酵食品に、より滑らかな食感を付与するため、必要に応じて裏ごしを行う。この場合、篩いの目は0.1~0.5mmメッシュとすることが好ましく、0.1~0.3mmメッシュとすることがより好ましい。
[0021]
 こうして、平均粒径が好ましくは0.5mm以下、より好ましくは0.1~0.3mmに破砕された搾汁滓は、果実由来の天然ペクチンにより一般的なフルーツジャム程度の粘度を有するペースト状搾汁滓となる。
[0022]
 本発明において、アルコール発酵は、ペースト状搾汁滓をアルコール発酵させ、ペースト状搾汁滓に果実酒の香味を付与するために行う。
[0023]
 アルコール発酵を行うに際し、ペースト状破砕物に予め加糖しておくことが好ましい。これにより、アルコール発酵を十分に進行させることができる。
[0024]
 加糖は、白砂糖、果糖等を用いて行うことができる。
[0025]
 加える糖の量は、ペースト状発酵食品に付与するアルコール度数によって適宜定めることができ、概略、加糖後の糖濃度の半分が、アルコール発酵後のペースト状搾汁滓のアルコール度数となる。
[0026]
 アルコール発酵で使用する酵母は、天然酵母、培養酵母のいずれでもよく、搾汁滓に対応する果実酒の製造で使用される酵母と同様とすることができる。酵母の使用量は、当該酵母の発酵力に応じて適宜調整する。
[0027]
 アルコール発酵後のペースト状搾汁滓は、アルコール度数を1~15%、好ましくは3~10%とすることができ、果実酒の風味と色合いを有する。したがって、このペースト状物からなる本発明の発酵食品は、果実酒の風味を付与するために種々の食品において添加されていた果実酒の代替品として使用することができる。この場合、本発明のペースト状発酵食品は極めて低コストで製造できるため、果実酒の代替として本発明の発酵食品を使用することにより、従来果実酒の添加により製造されていた食品の製造コストも低下させることができる。
[0028]
 また、本発明の発酵食品は、果実酒の風味と色合いを備え、ペースト状であるため、種々の食品の副材料や調味料として広範に使用することができる。例えば、ジャム、トッピング、フルーツソースなどの主材料として使用でき、パンやパスタ等へ練り込む材料としても使用することができる。さらに発酵を進めたものは、酸味を有する個性的な香味となり、カレーや煮込料理等の調味料などとして使用することができる。
[0029]
 加えて、本発明の発酵食品において、種の破砕物を含有するペースト状破砕物を使用したものは、果実酒や果汁に含まれるポリフェノールを含有すると共に、種由来の抗酸化物質であって、果実酒や果汁には含まれていないプロアントシアニジン等を含有する。したがって、本発明の発酵食品は、機能性食品としても有用となる。
実施例
[0030]
 以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明する。
実施例1
 果実酒搾汁滓として、ベリーAから製造した葡萄酒の搾り滓20kg(水分85wt%、固形分15wt%)を用意した。この果実酒搾汁滓には、果皮、種、果肉等が含まれていた。種の含有量は2wt%に調整した。
[0031]
 この果実酒搾汁滓を、蒸気窯で30分間蒸気殺菌した後、破砕処理の為に葡萄果汁20%、ワイン5%を添加し、カッターミキサー(ホバート社)で10分間粉砕してペースト状にし、0.3mmメッシュの篩で裏ごしした。なお、この破砕処理により、当初粒径5mmであった種は、粒径0.2mm以下に細片化されていた。
[0032]
 裏ごし後のペースト状搾汁滓のアルコール度数は12%であったが、このアルコール度数が5%となるように加水し、砂糖を10wt%添加し、ワイン酵母を用いて次の条件でアルコール発酵させた。
 酵母の使用量:2g/ペースト状搾汁滓25kg
 温度: 20度 
 時間: 1週間  
[0033]
 発酵後のペースト状物に対して、酵素を失活させるため、脱酸素剤と共に密封し、90℃の釜で30分間加熱した。
[0034]
 こうして得られたペースト状発酵食品は、アルコール度数が5%、高粘度のジャム様で、滑らかな食感を有し、渋みが無く、赤ワインの香味に優れていた。
[0035]
 実施例2
 果実酒搾汁滓として、ブルーベリーから製造したブルーベリーワインの搾り滓1000g(水分20wt%、固形分80wt%)を用意し(種の含有量2wt%)、実施例1と同様にペースト状に破砕し、アルコール発酵させてペースト状発酵食品を得た。得られたペースト状発酵食品は、アルコール度数が5%、高粘度のジャム様で、滑らかな食感を有し、渋みが無く、ブルーベリーワインの香味に優れていた。
[0036]
 実施例3
 果実酒搾汁滓として、ユズから製造したユズワインの搾り滓1000g(水分50wt%、固形分50wt%)を用意し、実施例1と同様にペースト状に破砕し、アルコール発酵させてペースト状発酵食品を得た。得られたペースト状発酵食品は、アルコール度数が5%で高粘度のジャム様で、滑らかな食感を有し、渋みが無く、ユズワインの香味に優れていた。
[0037]
 実施例4
 シークワーサーの果汁の搾り滓1000g(水分50wt%、固形分50wt%)を用意し、実施例1と同様にペースト状に破砕し、アルコール発酵させてペースト状発酵食品を得た。得られたペースト状発酵食品は、高粘度のジャム様で、滑らかな食感を有し、渋みが無く、シークワーサーの香味に優れ、かつアルコール分により、これまでにない斬新な味を呈していた。
[0038]
 比較例1
 実施例1において、果実酒搾汁滓を蒸気殺菌する前に、5mmメッシュの篩いで種や茎類を除去した以外は、実施例1を繰り返し、ペースト状発酵食品を製造した。得られたペースト状発酵食品は、高粘度のジャム様であったが、ざらつきが感じられた。

請求の範囲

[請求項1]
 果実酒の搾汁滓又は果実の搾汁滓を、平均粒径0.5mm以下に破砕し、アルコール発酵させてなるペースト状発酵食品。
[請求項2]
 果実酒の搾汁滓が、赤ワインの搾汁滓である請求項1記載のペースト状発酵食品。
[請求項3]
 搾汁滓が種を含有する請求項2記載のペースト状発酵食品。
[請求項4]
 搾汁滓中の種の含有量が2~5wt%である請求項3記載のペースト状発酵食品。
[請求項5]
 果実の搾汁滓がブルーベリー、柑橘系果実又は葡萄の搾汁滓である請求項1記載のペースト状発酵食品。
[請求項6]
 アルコール発酵させる搾汁滓の破砕物の平均粒径が0.1~0.3mmである請求項1~5のいずれかに記載のペースト状発酵食品。
[請求項7]
 果実酒の搾汁滓又は果実の搾汁滓を平均粒径0.5mm以下のペースト状破砕物とし、そのペースト状破砕物をアルコール発酵させるペースト状発酵食品の製造方法。
[請求項8]
 果実酒の搾汁滓として、赤ワインの搾汁滓を使用する請求項7記載のペースト状発酵食品の製造方法。
[請求項9]
 種ごと搾汁滓を破砕する請求項8記載のペースト状発酵食品の製造方法。
[請求項10]
 搾汁滓中の種の含有量を2~5wt%とする請求項9記載のペースト状発酵食品の製造方法。
[請求項11]
 果実の搾汁滓として、ブルーベリー、柑橘系果実又は葡萄の搾汁滓を使用する請求項7記載のペースト状発酵食品の製造方法。
[請求項12]
 ペースト状搾汁滓を0.1~0.3mmメッシュの篩いで裏ごし後、アルコール発酵させる請求項7~11のずれかに記載のペースト状発酵食品の製造方法。

図面

[ 図 1]