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8. (WO2012102393) METHOD FOR PRODUCING DI(ARYLAMINO)ARYL COMPOUND, AND SYNTHETIC INTERMEDIATE THEREFOR
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明 細 書

発明の名称 ジ(アリールアミノ)アリール化合物の製造方法及びその合成中間体

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004  

先行技術文献

特許文献

0005  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0006  

課題を解決するための手段

0007   0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015  

発明の効果

0016  

図面の簡単な説明

0017  

発明を実施するための形態

0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083  

産業上の利用可能性

0084  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16  

図面

1   2  

明 細 書

発明の名称 : ジ(アリールアミノ)アリール化合物の製造方法及びその合成中間体

技術分野

[0001]
 本発明は、N-{2-メトキシ-4-[4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル]フェニル}-N'-[2-(プロパン-2-スルホニル)フェニル]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジアミン(以下、「式(1)の化合物」ということがある。)の製造方法及びその合成中間体に関する。

背景技術

[0002]
 式(1)の化合物が、優れたEML4-ALK融合タンパク及び変異EGFRタンパクのキナーゼの阻害活性を有し、癌治療用医薬組成物の有効成分として有用であることを我々は既に報告している(特許文献1)。また、式(1)の化合物にはA01~A05型として示される5種の結晶多形が存在すること、中でもA04型結晶は、最安定型結晶であることを知見し報告している(特許文献2)。
[化1]


 特許文献1に記載の式(1)の化合物(特許文献1の実施例23)の製造方法は、同文献に記載された製造例及び実施例を参照すると、反応式(I)に示される。つまり、2,4-ジクロロ-1,3,5-トリアジン(以下、「式(15)の化合物」ということがある。)と、2-(イソプロピルスルホニル)アニリン(以下、「式(8)の化合物」ということがある。)を用いて、同文献の製造例7に記載の方法に準じて反応させることで、式(14)の化合物(特許文献1の製造例22)を得て、次いで、得られた式(14)の化合物と、公知の方法(例えば、国際公開第2005/016894号パンフレットを参照)によって製造された2-メトキシ-4-[4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル]アニリン(以下、「式(13)の化合物」ということがある。)を用いて、同文献の実施例1に記載の方法に準じて反応させることで、目的とする式(1)の化合物を製造する方法である。
[0003]
[化2]


[0004]
 しかし、特許文献1に開示された式(1)の化合物の製造方法は、例えば、後述の表3に示すように、生成物の収率が低い工程、例えば、収率が約50%程度となる工程が含まれ、最終目的物である式(1)の化合物までの通算収率は、10%台にとどまっており、収率面及びコスト面で問題を有していることから、工業的生産上、到底満足し得る方法ではない。また、式(15)の化合物が、安定的な調達(入手可能なスケール、製造に必要な期間)やコスト(化合物価格)の面で問題を有し、工業的生産における原料としては不適当と言わざるを得ない点、さらに、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによる精製が必要となる工程(反応式(I)の第2工程、第4工程及び第5工程)や変異原性を示すメシル酸エステルが副生し得る工程(反応式(I)の第5工程)を含んでいる点からも、反応式(I)で表される製造方法は、医薬品としての工業的生産上、改良が望まれる方法であった。

先行技術文献

特許文献

[0005]
特許文献1 : 国際公開第2009/008371号パンフレット
特許文献2 : 国際公開第2011/145548号パンフレット

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0006]
 本発明は、高収率かつ低コストであり、医薬品としての工業的生産に好適である、式(1)の化合物の製造方法及びその製造方法において有用な合成中間体を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0007]
 本発明者らは、式(1)の化合物の工業的な製造方法について鋭意検討した結果、所定の原料及び合成中間体を用いることによって、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによる精製が必要な工程及び変異原性を示すメシル酸エステルが副生し得る工程を含まず、さらに、通算収率を大きく改善し高収率かつ低コストであり、医薬品としての工業的生産に好適な方法で、式(1)の化合物を製造することができることを知見して本発明を完成させた。即ち、本発明は以下の式(1)の化合物の製造方法及びその合成中間体に関する。
[0008]
[1]
式(3)
[化3]


の化合物に1-メチルピペラジン(後記反応式(II)の式(2)の化合物)を作用させて還元的アミノ化反応に付すことを特徴とする、式(1)
[化4]


の化合物の製造方法。
[2]
式(3)の化合物が、式(4)
[化5]


 (式中、R 1及びR 2は、それぞれ同一又は異なって、低級アルキルであるか、或いは、R 1及びR 2が一体となって、低級アルキレンを形成してもよい。)
の化合物を脱ケタール化反応に付すことを特徴とする製造方法により製造された式(3)の化合物である、[1]に記載の製造方法。
[3]
式(4)の化合物が、式(5)
[化6]


 (式中、R 1及びR 2は、それぞれ同一又は異なって、低級アルキルであるか、或いは、R 1及びR 2が一体となって、低級アルキレンを形成してもよく、Lvは、脱離基である。)
の化合物を水素添加反応に付すことを特徴とする製造方法により製造された式(4)の化合物である、[2]に記載の製造方法。
[4]
式(5)の化合物が、式(7)
[化7]


 (式中、Lvはそれぞれ同一又は互いに異なって、脱離基である。)
の化合物に、式(6)
[化8]


 (式中、R 1及びR 2は、それぞれ同一又は異なって、低級アルキルであるか、或いは、R 1及びR 2が一体となって、低級アルキレンを形成してもよい。)
の化合物を作用させて芳香族求核置換反応に付すことを特徴とする製造方法により製造された式(5)の化合物である、[3]に記載の製造方法。
[5]
式(7)の化合物が、式(9)
[化9]


 (式中、Lvはそれぞれ同一又は互いに異なって、脱離基である。)
の化合物に2-(イソプロピルスルホニル)アニリン(後記反応式(II)の式(8)の化合物)を作用させて芳香族求核置換反応に付すことを特徴とする製造方法により製造された式(7)の化合物である、[4]に記載の製造方法。
[6]
式(6)の化合物が、式(12)
[化10]


 (式中、Lgは、脱離基を示す。)
の化合物に式(11)
[化11]


 (式中、R 1及びR 2は、それぞれ同一又は異なって、低級アルキルであるか、或いは、R 1及びR 2が一体となって、低級アルキレンを形成してもよい。)
の化合物を作用させて芳香族求核置換反応に付した後、水素添加反応に付すことを特徴とする製造方法により製造された式(6)の化合物である、[4]又は[5]に記載の製造方法。
[7]
式(4’)で示される化合物又はその塩。
[化12]


 (式中、Ra 1及びRa 2は、それぞれ同一又は異なって、低級アルキルであるか、或いは、Ra 1及びRa 2が一体となって、低級アルキレンを形成してもよい。ただし、Ra 1及びRa 2が一体となって、ジメチレンを形成することはない。)
[8]
式(5)で示される化合物又はその塩。
[化13]


 (式中、R 1及びR 2は、それぞれ同一又は異なって、低級アルキルであるか、或いは、R 1及びR 2が一体となって、低級アルキレンを形成してもよく、Lvは、脱離基である。)
[9]
Lvがハロゲン、スルホニルオキシ基、低級アルキルスルファニル及び低級アルキルスルホニルからなる群より選択される脱離基である、[8]に記載の化合物又はその塩。
[10]
Lvがハロゲンである、[9]に記載の化合物。
[11]
LvがClであり、かつ、R 1及びR 2がいずれもメチル基である、[10]に記載の化合物。
[12]
Ra 1及びRa 2がいずれもメチル基である、[7]に記載の化合物又はその塩。
[13]
式(6’)で示される化合物又はその塩。
[化14]


 (式中、Rb 1及びRb 2は、それぞれ同一又は異なって、低級アルキルであるか、或いは、Rb 1及びRb 2が一体となって、低級アルキレンを形成してもよい。ただし、Rb 1及びRb 2が一体となって、ジメチレンを形成することはない。)
[14]
Rb 1及びRb 2がいずれもメチル基である、[13]に記載の化合物。
[15]
式(9)の化合物がシアヌル酸クロリドである、[5]記載の製造方法。
[16]
さらに式(1)の化合物の結晶化を含む精製工程を含むものである、[1]から[6]のいずれかに記載の式(1)の化合物の製造方法。
[0009]
 なお、本発明に開示される化合物はフリー体でも塩を形成していてもよく、かかる塩のある態様としては、具体的には、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸や、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、乳酸、リンゴ酸、マンデル酸、酒石酸、ジベンゾイル酒石酸、ジトルオイル酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸等の有機酸との酸付加塩、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム等の無機塩基、メチルアミン、エチルアミン、エタノールアミン、リシン、オルニチン等の有機塩基との塩、アセチルロイシン等の各種アミノ酸及びアミノ酸誘導体との塩やアンモニウム塩等が挙げられる。
[0010]
 また、本発明開示される化合物はフリー体やその塩の各種の水和物や溶媒和物、結晶多形の物質であってもよく、合成中間体においては、それらを用いた製造方法も包含する。さらに、本発明に開示される化合物は、種々の放射性又は非放射性同位体でラベルされた化合物であってもよく、合成中間体においては、それらを用いた製造方法も包含する。
[0011]
 前記の通り、式(1)の化合物はフリー体であっても塩を形成していてもよく、又は、これらの各種の水和物や溶媒和物であってもよく、さらにこれらの結晶あるいはアモルファスであってもよい。ある態様としては式(1)の化合物は結晶である。ある態様としては式(1)の化合物はフリー体の結晶であり、別の態様としては、式(1)の化合物のフリー体のA01型、A02型、A03型、A04型、A05型、A06型結晶である。さらに別の態様としては、式(1)の化合物のフリー体のA04型結晶である。またさらに別の態様としては、式(1)の化合物のフリー体のA06型結晶である。
[0012]
 ここにA06型結晶は本発明の実施例に記載の方法で得られる式(1)の化合物の新規な結晶であり、以下にその物理化学的性質を示す。
[1]DSC分析(昇温温度:30℃/min)で125℃付近に熱吸収ピークを有する。
[2]粉末X線回折で2θ(°)=6.7、9.0、9.8、13.0、13.7、14.3、15.2、15.6、16.3、17.1、18.1、18.4、19.3、19.8、20.1、20.4、20.9、22.3、23.0、23.7、24.7、25.6、26.1、27.1、28.2、29.3、29.8、30.5、32.3及び34.2付近にピークを有する。なお特徴的なピークとしては2θ(°)=6.7、9.0、9.8、13.7、16.3、19.3、 20.1及び20.9付近のピークが挙げられる。
[0013]
上記分析の測定条件は、以下のとおりである。
 DSC分析は、TA Instruments Q-2000を用い、測定温度範囲:室温~220℃、昇温速度:30℃/min、窒素流量:50 mL/min、アルミニウム製サンプルパンの条件で測定した。
 粉末X線回折の測定は、Miniflexを用い、管球:Cu、管電流:15 mA、管電圧:30 kV、サンプリング幅:0.010°、走査速度:2.0°/min、測定回折角範囲(2θ):3~35°の条件で測定した。
[0014]
 ただし、粉末X線回折はデータの性質上、結晶の同一性認定においては、結晶格子間隔や全体的なパターンが重要であり、相対強度は結晶成長の方向、粒子の大きさ、測定条件によって多少変わりうるものであるから、厳密に解されるべきではない。
 また、「付近」の記載は、測定時の種々の誤差を考慮し、DSC分析においては、ある態様としては±3℃、別の態様としては±2℃を意味し、粉末X線回折においては、ある態様としては±2°、別の態様としては±1°を意味する。
[0015]
 さらに、本発明に開示される化合物の中には、置換基の種類によって、互変異性体や幾何異性体が存在しうるものがある。本明細書中、異性体を有する化合物が異性体の一形態のみで記載されることがあるが、本発明には、それ以外の異性体も包含され、異性体の分離されたもの、或いはそれらの混合物も包含する。

発明の効果

[0016]
 本発明によって、高収率かつ低コストであり、医薬品としての工業的生産に好適である、式(1)の化合物の製造方法及びその製造方法において有用な合成中間体を提供できる。

図面の簡単な説明

[0017]
[図1] 図1は、A06型結晶のDSCチャートを示す。
[図2] 図2は、A06型結晶の粉末X線回折パターンを示す。

発明を実施するための形態

[0018]
 以下、本発明を詳細に説明する。
 本明細書中、「ハロゲン」とは、F、Cl、Br及びIである。別の態様としてはFであり、さらに別の態様としてはClである。
[0019]
 「低級アルキル」とは、直鎖又は分枝状の炭素数1乃至6のアルキルであり、例えばメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、n-ヘキシル等であり、別の態様としては直鎖又は分枝状の炭素数1乃至4のアルキルであり、さらに別の態様としてはメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピルであり、さらに別の態様としてはメチルである。
[0020]
 「低級アルキレン」とは、直鎖又は分枝状の炭素数1乃至6のアルキレンであり、例えばメチレン、エチレン(若しくは、ジメチレン)、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、プロピレン、メチルメチレン、エチルエチレン、1,2-ジメチルエチレン、1,1,2,2-テトラメチルエチレン等である。別の態様としては、直鎖又は分枝状の炭素数1乃至4のアルキレンであり、さらに別の態様としては、ジメチレン、トリメチレンであり、さらに別の態様としては、ジメチレンである。
[0021]
 本発明の式(1)の化合物の製造方法(第1工程~第7工程)を反応式(II)に示し、以下、各工程のある態様を、第1工程~第7工程の順に具体的に説明する。
[0022]
[化15]


 (反応式(II)において、Lg及びLvは、脱離基であり、R 1及びR 2は、それぞれ同一又は異なって、低級アルキル、或いは、R 1及びR 2が一体となって、低級アルキレンを形成してもよい。以下同様。)
[0023]
第1工程
 本工程は、脱離基Lgを有する式(12)の化合物に、ピペリジン誘導体である式(11)の化合物を作用させて芳香族求核置換反応に付し、式(10)の化合物を製造する工程である。ここで、脱離基Lgの例としては、ハロゲンや、メタンスルホニルオキシ、p-トルエンスルホニルオキシ、トリフルオロメタンスルホニルオキシ等のスルホニルオキシ基、或いは、メタンスルファニル、エタンスルファニル、n-プロパンスルファニル等の低級アルキルスルファニルや、メタンスルホニル、エタンスルホニル、n-プロパンスルホニル等の低級アルキルスルホニルが挙げられるが、ある態様としてはハロゲンであり、別の態様としてはF又はClであり、さらに別の態様としてはFである。
 本工程の反応は、式(12)の化合物と式(11)の化合物とを等量若しくは一方を過剰量、ある態様としては、式(12)の化合物に対して、およそ1等量、例えば0.95~1.20等量の式(11)の化合物を用い、これらの混合物を、反応に不活性な溶媒中又は無溶媒下、冷却下から加熱還流下、ある態様としては0℃~80℃、別の態様としては0℃~40℃において、通常0.1時間~5日間撹拌して行われる。ここで用いられる溶媒の例としては、特に限定はされないが、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン等のエーテル類、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、メタノール、エタノール、2-プロパノール等のアルコール類、アセトン、2-ブタノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸イソプルピル等のエステル類、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル及びこれらの混合物が挙げられ、ある態様としては、N,N-ジメチルホルムアミドが挙げられる。トリエチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、N-メチルモルホリン、リチウムジイソプロピルアミド、n-ブチルリチウム、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン若しくは1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ-5-エン等の有機塩基、又は炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム若しくは水素化ナトリウム等の無機塩基の存在下、ある態様としては、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エンの存在下で反応を行うのが、反応を円滑に進行させる上で有利な場合がある。
〔文献〕
S. R. Sandler及びW. Karo著、「Organic Functional Group Preparations」、第2版、第1巻、Academic Press Inc.、1991年
日本化学会編「実験化学講座(第5版)」14巻(2005年)(丸善)
[0024]
第2工程
 本工程は、ニトロ基を有する式(10)の化合物を水素添加反応に付し、還元して、アミノ基を有する式(6)の化合物を製造する工程である。
 本工程の反応は、常圧から50気圧の水素雰囲気下、反応に不活性な溶媒中、式(10)の化合物を金属触媒存在下で、通常1時間~5日間撹拌して行われる。この反応は、通常、冷却下から加熱下、ある態様としては0℃~40℃で行われる。ここで用いられる溶媒の例としては、特に限定されないが、メタノール、エタノール、2-プロパノール等のアルコール類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン等のエーテル類、水、酢酸エチル、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド及びこれらの混合物が挙げられ、ある態様としては、テトラヒドロフランが挙げられる。金属触媒としては、パラジウム炭素、パラジウム黒、水酸化パラジウム等のパラジウム触媒、白金板、酸化白金等の白金触媒、還元ニッケル、ラネーニッケル等のニッケル触媒、ラネーコバルト等のコバルト触媒、クロロトリストリフェニルホスフィンロジウム等のロジウム触媒、還元鉄等の鉄触媒等が好適に用いられるが、ある態様としては、パラジウム炭素や、白金板、酸化白金等の白金触媒、別の態様としては、パラジウム炭素を用いて行う。水素ガスの代わりに、式(10)の化合物に対して、等量若しくは過剰量のギ酸、ギ酸アンモニウム若しくはギ酸カリウム等を水素源として用いることもできる。
〔文献〕
M. Hudlicky著、「Reductions in Organic Chemistry, 2nd ed (ACS Monograph :188)」、ACS、1996年、日本化学会編「実験化学講座(第5版)」19巻(2005年)(丸善)
[0025]
第3工程
 本工程は、脱離基Lvを有する式(9)の化合物に、アニリン誘導体である式(8)の化合物を作用させて芳香族求核置換反応に付し、式(7)の化合物を製造する工程である。ここで、脱離基Lvの例としては、同一又は異なって、ハロゲンや、メタンスルホニルオキシ、p-トルエンスルホニルオキシ、トリフルオロメタンスルホニルオキシ等のスルホニルオキシ基、或いは、低級アルキルスルファニルや低級アルキルスルホニルが挙げられるが、ある態様としてはハロゲンであり、別の態様としてはF又はClであり、さらに別の態様としてはいずれもClである。
 本工程の反応は、式(9)の化合物と式(8)の化合物とを等量若しくは一方を過剰量、ある態様としては、式(9)の化合物に対して、およそ1等量、例えば0.95~1.2等量の式(8)の化合物を用い、これらの混合物を、反応に不活性な溶媒中又は無溶媒下、冷却下から加熱還流下、ある態様としては0℃~80℃、別の態様としては0℃~40℃において、通常0.1時間~5日間撹拌して行われる。ここで用いられる溶媒の例としては、特に限定はされないが、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン等のエーテル類、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、メタノール、エタノール、2-プロパノール等のアルコール類、アセトン、2-ブタノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸イソプルピル等のエステル類、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル及びこれらの混合物が挙げられ、ある態様としては、アセトンが挙げられる。トリエチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、N-メチルモルホリン、リチウムジイソプロピルアミド、n-ブチルリチウム、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン若しくは1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ-5-エン等の有機塩基、又は、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム若しくは水素化ナトリウム等の無機塩基の存在下、ある態様としては、炭酸水素ナトリウムの存在下で反応を行うのが、反応を円滑に進行させる上で有利な場合がある。
 また、上記のような塩基の存在下で反応を行なった場合、原料化合物の性質等によっては、例えば、原料化合物の分解、望む反応が進行しない、若しくは、進行しにくい、等の場合がある。その場合には、塩酸や臭化水素酸等の鉱酸、酢酸、プロピオン酸やトリフルオロ酢酸等の有機酸、メタンスルホン酸やp-トルエンスルホン酸等のスルホン酸類の存在下で反応を行なうのが、反応を円滑に進行させる上で有利な場合もある。
[0026]
第4工程
 本工程は、脱離基Lvを有する式(7)の化合物に、アニリン誘導体である式(6)の化合物を作用させて芳香族求核置換反応に付し、式(5)の化合物を製造する工程である。ここで、脱離基Lvの例としては、同一又は異なって、ハロゲンや、メタンスルホニルオキシ、p-トルエンスルホニルオキシ、トリフルオロメタンスルホニルオキシ等のスルホニルオキシ基、或いは、低級アルキルスルファニルや低級アルキルスルホニルが挙げられるが、ある態様としてはハロゲンであり、別の態様としてはF又はClであり、さらに別の態様としてはいずれもClである。
 本工程の反応は、式(7)の化合物と式(6)の化合物とを等量若しくは一方を過剰量、ある態様としては、式(7)の化合物に対して、およそ1等量、例えば0.95~1.20等量の式(6)の化合物を用い、これらの混合物を、反応に不活性な溶媒中又は無溶媒下、冷却下から加熱還流下、ある態様としては0℃~80℃、別の態様としては0℃~40℃において、通常0.1時間~5日間撹拌して行われる。ここで用いられる溶媒の例としては、特に限定はされないが、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン等のエーテル類、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、メタノール、エタノール、2-プロパノール等のアルコール類、アセトン、2-ブタノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸イソプルピル等のエステル類、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル及びこれらの混合物が挙げられ、ある態様としては、テトラヒドロフランが挙げられる。トリエチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、N-メチルモルホリン、リチウムジイソプロピルアミド、n-ブチルリチウム、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン若しくは1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ-5-エン等の有機塩基、又は、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム若しくは水素化ナトリウム等の無機塩基の存在下、ある態様としては、N,N-ジイソプロピルエチルアミンの存在下で反応を行うのが、反応を円滑に進行させる上で有利な場合がある。
 なお、本工程は、後述の第5工程及び第6工程と併せて、連続反応の工程とするのが、収率の面で有利な場合がある。
[0027]
第5工程
 本工程は、脱離基Lvを有する式(5)の化合物を水素添加反応に付し、還元して、脱離基Lvを除去し、式(4)の化合物を製造する工程である。ここで、脱離基Lvの例としては、ハロゲンや、メタンスルホニルオキシ、p-トルエンスルホニルオキシ、トリフルオロメタンスルホニルオキシ等のスルホニルオキシ基、或いは、低級アルキルスルファニルや低級アルキルスルホニルが挙げられるが、ある態様としてはハロゲンであり、別の態様としてはF又はClであり、さらに別の態様としてはClである。
 本工程の反応は、常圧から50気圧の水素雰囲気下、反応に不活性な溶媒中、式(5)の化合物を金属触媒存在下で、通常1時間~5日間撹拌して行われる。この反応は、通常、冷却下から加熱下、ある態様としては0℃~40℃で行われる。ここで用いられる溶媒の例としては、特に限定されないが、メタノール、エタノール、2-プロパノール等のアルコール類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン等のエーテル類、水、酢酸エチル、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド及びこれらの混合物が挙げられ、ある態様としては、テトラヒドロフランが挙げられる。金属触媒としては、パラジウム炭素、パラジウム黒、水酸化パラジウム等のパラジウム触媒、白金板、酸化白金等の白金触媒、還元ニッケル、ラネーニッケル等のニッケル触媒、ラネーコバルト等のコバルト触媒、クロロトリストリフェニルホスフィンロジウム等のロジウム触媒、還元鉄等の鉄触媒等が好適に用いられるが、ある態様としては、パラジウム炭素や、白金板、酸化白金等の白金触媒、別の態様としては、パラジウム炭素が用いられる。水素ガスの代わりに、式(5)の化合物に対して、等量若しくは過剰量のギ酸、ギ酸アンモニウム若しくはギ酸カリウム等を水素源として用いることもできる。
 また、トリエチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン若しくはN-メチルモルホリン等の有機塩基、又は、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム若しくは水酸化カリウム等の無機塩基の存在下で反応を行うのが、反応を円滑に進行させる上で有利な場合がある。
 なお、本工程は、続く第6工程と併せて、連続反応の工程とするのが、収率の面で有利な場合がある。
[0028]
第6工程
 本工程は、ケタール基を有する式(4)の化合物を脱ケタール化反応に付し、ケトン基を有する式(3)の化合物を製造する工程である。
 本工程の反応は、グリーン(Greene)及びウッツ(Wuts)著、「Protective Groupsin Organic Synthesis」、第3版、John Wiley & Sons Inc、1999年を参照して実施することができるが、例えば、含水溶媒中、室温から加熱還流下、式(4)の化合物を酸性条件下で加水分解反応に付して行われる。
 なお、反応式(II)におけるR 1及びR 2が、それぞれ同一又は異なって、低級アルキルである態様、例えば、いずれもメチルである態様が、本工程の反応を円滑に進行させる上で有利な場合がある。
[0029]
第7工程
 本工程は、式(3)の化合物に、ピラジン誘導体である式(2)の化合物(1-メチルピペラジン)を作用させて還元的アミノ化反応に付し、式(1)の化合物を製造する工程である。
 本工程の反応は、式(3)の化合物と式(2)の化合物とを等量若しくは一方を過剰量、ある態様としては、式(3)の化合物に対して、およそ2等量、例えば1.8~2.2等量の式(2)の化合物を用い、これらの混合物を、還元剤の存在下、ある態様としては、式(3)の化合物に対して、およそ2等量、例えば1.8~2.2等量の還元剤の存在下、反応に不活性な溶媒中、-45℃から加熱還流下、好ましくは0℃~室温において、通常0.1時間~5日間撹拌する。ここで用いられる溶媒の例としては、特に限定されないが、メタノール、エタノール等のアルコール類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン等のエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、及び、これらの混合物が挙げられ、ある態様としては、トルエンが挙げられる。還元剤としては、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素ナトリウム等が挙げられるが、ある態様としては、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムを用いて行う。モレキュラーシーブス等の脱水剤、又は、酢酸、塩酸、チタニウム(IV)イソプロポキシド錯体等の酸存在下、ある態様としては、酢酸存在下、別の態様としては、3.6~4.4等量の酢酸存在下で反応を行うことが好ましい場合がある。また、式(3)の化合物と式(2)の化合物との縮合により生成するイミンを単離してイミン中間体の還元反応により式(1)の化合物を得てもよい。
 また、前記還元剤での処理の代わりに、酢酸、塩酸等の酸の存在下又は非存在下で、還元触媒を用いて反応を行うこともできる。この場合、反応は、常圧から50気圧の水素雰囲気下で、冷却下から加熱下で行われ、還元触媒としては、第2工程や第5工程で挙げた金属触媒等が好適に用いられるが、ある態様としては、パラジウム炭素や、白金板、酸化白金等の白金触媒、別の態様としては、パラジウム炭素を用いて行われる。また、ここで用いられる溶媒の例としては、特に限定されないが、2-プロパノール等のアルコール類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン等のエーテル類、水、酢酸エチル、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド及びこれらの混合物が挙げられ、ある態様としては、テトラヒドロフランが挙げられる。水素ガスの代わりに、ギ酸、ギ酸アンモニウム若しくはギ酸カリウム等を水素源として用いることもできる。
 なお、本工程は、前記還元触媒を用いて反応を行うのが、副反応の抑制や収率の面で有利な場合がある。
〔文献〕
A. R. Katritzky 及び R. J. K. Taylor著、「Comprehensive Organic Functional Group Transformations II」、第2巻、Elsevier Pergamon、2005年
日本化学会編「実験化学講座(第5版)」14巻(2005年) (丸善)
[0030]
結晶化を含む精製工程
 本第7工程は、所望によりさらに式(1)の化合物の結晶化を含む精製工程を含んでもよい。本工程を含むことにより式(1)の化合物を所望の結晶として純度良く製造することができる。結晶化を含む精製工程としては、式(1)の化合物を溶解している溶媒から式(1)の化合物を結晶化により得る工程を意味する。ある態様としては、式(1)の化合物の種晶を用いて結晶化する工程である。別の態様としては、式(1)の化合物を溶解した溶媒を活性炭処理で処理した後結晶化する工程である。さらに別の態様としては、式(1)の化合物の最安定形の結晶であるA04型結晶を種晶を用いて結晶化する工程である。
 以下に式(1)の化合物をA04型結晶として入手する方法を説明する。なお所望の結晶に応じて条件は適宜変更しうる。
 (A法) 第7工程で製造される式(1)の化合物を本工程に付すことにより最安定形の結晶であるA04型結晶を純度良く製造できる。
 本工程は、式(1)の化合物を反応に不活性な溶媒中、加熱下、ある態様としては50℃から80℃、別の態様としては65℃において、通常0.5時間から24時間攪拌する。その後、溶媒を濃縮し、種晶を加え、加熱下、ある態様としては60℃から80℃、別の態様としては70℃において、通常0.5時間から24時間攪拌する。続いて、冷却し、さらに1時間から24時間攪拌し、生じた結晶をろ取する。ここで用いられる溶媒の例としては、特に限定されないが、アセトン、2-ブタノン等のケトン類が挙げられる。
 (B法) 式(1)の化合物と適量の活性炭、例えば重量比で1/50から1/2、ある態様としては、約1/10の量の活性炭、とを反応に不活性な溶媒中、加熱下、ある態様としては50℃から100℃、別の態様としては75℃において、通常1時間から24時間攪拌後活性炭のろ過を行う。同様の活性炭の処理を1から数回、ある態様としては、3回、繰り返した後、溶媒を濃縮し、種晶を加え、加熱下、ある態様としては、60℃から80℃、別の態様としては70℃において、通常1時間から24時間攪拌する。続いて、冷却し、さらに1時間から24時間攪拌し、生じた結晶をろ取する。ここで用いられる溶媒の例としては、特に限定されないが、A法で用いられる溶媒を挙げることができる。
[0031]
 反応式(II)における各化合物は、遊離化合物、その塩(例えば、その製薬学的に許容される塩)、水和物、溶媒和物、或いは結晶多形の物質として単離され、精製される。反応式(II)における各化合物の製薬学的に許容される塩は、常法の造塩反応に付すことにより製造することもできる。
 単離、精製は、抽出、分別結晶化、各種分画クロマトグラフィー等、通常の化学操作を適用して行なわれる。
[0032]
 なお、反応式(II)におけるR 1及びR 2のある態様としては、それぞれ同一又は異なって、低級アルキルであるか、或いは、R 1及びR 2が一体となって、低級アルキレンを形成してもよく(ただし、R 1及びR 2が一体となって、ジメチレンを形成することはない)、別の態様としては、それぞれ同一又は異なって、低級アルキルであり、さらに別の態様としては、いずれもメチルである。
[0033]
 式(4’)の化合物のある態様としては、(i)Ra 1及びRa 2が、それぞれ同一又は異なって、低級アルキルである化合物、別の態様としては、(ii)Ra 1及びRa 2が、いずれもメチルである化合物である。
[0034]
 式(5)の化合物のある態様としては、(i)R 1及びR 2が、それぞれ同一又は異なって、低級アルキルである化合物、別の態様としては、(ii)R 1及びR 2が、いずれもメチルである化合物、さらに別の態様としては、(iii)Lvが、ハロゲン、スルホニルオキシ基、低級アルキルスルファニル及び低級アルキルスルホニルからなる群より選択される脱離基である化合物、さらに別の態様としては、(iv)Lvが、ハロゲンである化合物、さらに別の態様としては、(v)Lvが、Clである化合物、さらに別の態様としては、(vi)上記(iii)、(iv)又は(v)であり、かつ、上記(1)又は(2)である化合物、またさらに別の態様としては、(vii)Lvが、Clであり、かつ、R 1及びR 2が、いずれもメチルである化合物である。
[0035]
 式(6’)の化合物のある態様としては、Rb 1及びRb 2が、それぞれ同一又は異なって、低級アルキルである化合物、別の態様としては、Rb 1及びRb 2が、いずれもメチルである化合物である。
[0036]
 反応式(I)で示された式(1)の化合物の公知の製造方法を参考例として、以下に具体的に示す。なお、本明細書中、Meとはメチル基を示し、D1とは重クロロホルム中の 1H-NMRにおけるピークのδ(ppm)を示し、D2とはジメチルスルホキシド-d 6中の 1H-NMRにおけるピークのδ(ppm)を示し、「EI」とはEI-MS[M] +を示し、「ESI+」とはESI-MS[M+H] +を示し、「ESI-」とはESI-MS[M-H] -を示す。なお、「343K」との記載がある場合は、343K(70℃)での測定結果であることを示す。
[0037]
(参考例)
第1工程 1-(3-メトキシ-4ニトロフェニル)ピペリジン-4-オン(式(17)の化合物)の合成
 4-フルオロ-2-メトキシ-1-ニトロベンゼン(4.00g)、炭酸カリウム(8.00g)及びN,N-ジメチルホルムアミド(40mL)の混合液に、4-ピペリドン一水和物塩酸塩(4.40g)を加え、70℃で一夜撹拌した。この反応混合物に水(150mL)を加え、酢酸エチル(80mL)で2回抽出した。抽出液を水及び飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をジエチルエーテルで洗浄して、1-(3-メトキシ-4ニトロフェニル)ピペリジン-4-オン(4.62g、収率78.9%)を黄土色固体として得た。
D1:2.58-2.70(4H,m),3.76-3.84(4H,m),3.98(3H,m),6.34(1H,d,J=2.5Hz),6.45(1H,dd,J=2.5,9.3Hz),8.04(1H,d,J=9.3Hz)
 なお、上記の機器データは、本工程と同様の反応によって得られた1-(3-メトキシ-4ニトロフェニル)ピペリジン-4-オンのデータを示した。
[0038]
第2工程 1-[1-(3-メトキシ-4-ニトロフェニル)ピペリジン-4イル]-4-メチルピペラジン(式(16)の化合物)の合成
 1-(3-メトキシ-4ニトロフェニル)ピペリジン-4-オン(4.62g)及び1,2-ジクロロエタン(60mL)の混合液に、N-メチルピペラジン(2.50mL)を加え30分間撹拌した後に、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(4.78g)を加え、室温で一夜撹拌した。この反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(150mL)を加えクロロホルム(50mL)で2回抽出し、抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;クロロホルム:メタノール:飽和アンモニア水=30:1:0.1-15:1:0.1)で精製後、ヘキサンで洗浄して1-[1-(3-メトキシ-4-ニトロフェニル)ピペリジン-4イル]-4-メチルピペラジン(4.52g、収率73.2%)を黄色固体として得た。
[0039]
D1:1.55-1.70(2H,m),1.87-2.04(2H,m),2.31(3H,s),2.38-2.77(9H,m),2.89-3.05(2H,m),3.83-4.06(5H,m),6.31(1H,d,J=2.6Hz),6.42(1H,dd,J=2.6,9.4Hz),7.99(1H,d,J=9.4Hz)
[0040]
第3工程 2-メトキシ-4-[4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル]アニリン(式(13)の化合物)の合成
 1-[1-(3-メトキシ-4-ニトロフェニル)ピペリジン-4イル]-4-メチルピペラジン(2.18g)及びエタノール(50mL)の混合液に5%パラジウム炭素(600mg)を加え、常圧、水素雰囲気下、室温で8時間撹拌した。セライトで濾過した後、溶媒を減圧留去して、2-メトキシ-4-[4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル]アニリン(1.96g、収率98.8%)を薄紫色固体として得た。
D1:1.64-1.80(2H,m),1.87-1.99(2H,m),2.26-2.80(11H,m),3.36-3.63(4H,m),3.83(3H,s),6.42(1H,dd,J=2.3,8.3Hz),6.52(1H,d,J=2.3Hz),6.64(1H,d,J=8.3Hz)
EI:304
[0041]
第4工程 4-クロロ-N-[2-(プロパン-2-スルホニル)フェニル]-1,3,5-トリアジン-2-アミン(式(14)の化合物)の合成
 2,4-ジクロロ-1,3,5-トリアジン(式(15)の化合物、56.7g)とテトラヒドロフラン(500mL)の混合液に、2-(プロパン-2-スルホニル)アニリン(式(8)の化合物、50g)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(44.0mL)及びテトラヒドロフラン(500mL)の混合液を滴下し、室温で14時間攪拌した。その後、式(15)の化合物(18.9g)とN,N-ジイソプロピルエチルアミン(22mL)を追加し、さらに室温で三日間攪拌した。この反応混合物に水(300mL)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(200mL)を加え、酢酸エチルで3回抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去し、得られた残渣に酢酸エチル及びジエチルエーテルを加え、析出した副生成物である固体をろ別した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;ヘキサン:酢酸エチル=1:0-1:1)での精製とジエチルエーテルでの洗浄を行い、4-クロロ-N-[2-(プロパン-2-スルホニル)フェニル]-1,3,5-トリアジン-2-アミン(43.1g、収率55.9%)を得た。
D2:1.14(6H,d,J=6.8Hz),3.45-3.57(1H,m),7.52-7.60(1H,m),7.80-7.87(1H,m),7.89-7.97(2H,m),8.64(1H,s),10.17(1H,s)
[0042]
第4工程(別法) 4-クロロ-N-[2-(プロパン-2-スルホニル)フェニル]-1,3,5-トリアジン-2-アミン(式(14)の化合物)の合成
 2,4-ジクロロ-1,3,5-トリアジン(式(15)の化合物、460mg)とテトラヒドロフラン(5mL)の混合液に、2-(プロパン-2-スルホニル)アニリン(式(8)の化合物、600mg)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.58mL)及びテトラヒドロフラン(10mL)の混合液を滴下し、室温で3日間攪拌した。この反応混合物に水(60mL)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(20mL)を加え、酢酸エチル(40mL)で2回抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;クロロホルム)で精製し、4-クロロ-N-[2-(プロパン-2-スルホニル)フェニル]-1,3,5-トリアジン-2-アミン(340mg、収率36.1%)を得た。
D1:1.32(6H,d,J=6.8Hz),3.16-3.28(1H,m),7.30-7.36(1H,m),7.68-7.55(1H,m),7.90-7.95(1H,m),8.50(1H,d,J=8.4Hz),8.61(1H,s),9.88(1H,br)
ESI+:313
[0043]
第5工程 N-{2-メトキシ-4-[4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル]フェニル}-N'-[2-(プロパン-2-スルホニル)フェニル]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジアミン(式(1)の化合物)の合成
 2-メトキシ-4-[4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル]アニリン((式(13)の化合物、29.2g)及びエタノール(450mL)の混合液に、メタンスルホン酸(19.0mL)を加え、室温で15分間撹拌した。続いて4-クロロ-N-[2-(プロパン-2-スルホニル)フェニル]-1,3,5-トリアジン-2-アミン((式(14)の化合物、30.0g)を加え、100℃で5時間撹拌した。この反応混合物を放冷後、ジエチルエーテル(900mL)を加え析出した固体を濾取した。得られた固体を水(300mL)に溶解し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えpH8とした後に、酢酸エチル(300mL)で3回抽出した。有機層を水及び飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;クロロホルム:メタノール:飽和アンモニア水=100:1:0-20:1:0.1)で精製後、エタノールで洗浄して、N-{2-メトキシ-4-[4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル]フェニル}-N'-[2-(プロパン-2-スルホニル)フェニル]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジアミン(27.9g、収率50.1%)を淡ベージュ色固体として得た。
D1:1.31(6H,d,J=6.8Hz),1.59-1.78(2H,m),1.90-2.01(2H,m),2.24-2.80(14H,m),3.19-3.32(1H,m),3.65-3.75(2H,m),3.88(3H,s),6.50-6.59(2H,m),7.18-7.30(1H,m),7.53-7.70(2H,m),7.88(1H,dd,J=1.4,8.0Hz),8.10(1H,br),8.37(1H,br),8.53(1H,br),9.29(1H,s)
[0044]
 次に、本発明の反応式(II)で示された式(1)の化合物の製造方法について、以下に実施例1及び2を挙げて具体的に説明する。なお、本発明がこれら実施例に限定されることはなく、また、当業者であれば、本発明の趣旨に反しない範囲内での、当業者に自明である方法によって、適宜、修飾及び変更が出来るものであり、当然のことながら、これらも本発明に含まれる。また、出発原料である各化合物は、当業者に自明である方法によって製造できる。なお、実施例2は実施例1と同様の方法によりkgスケールの大量合成を実施した例である。また、実施例中に記載する式(1)の化合物の純度は、HPLCのarea%で計算し、A04型結晶の比率は、DSC分析によって得られるA04型結晶の融解熱[J/g]をA04型結晶の融解熱[J/g]と混在している結晶の融解熱[J/g]の和で除して計算した。
(実施例)
[0045]
実施例1
第1工程 4,4-ジメトキシ-1-(3-メトキシ-4-ニトロフェニル)ピペリジン(R 1及びR 2がいずれもメチルである、式(10)の化合物)の合成
 4,4-ジメトキシピペリジン一塩酸塩(35.9g)とN,N-ジメチルホルムアミド(75mL)とを混合し、この混合溶液に1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(57.5mL)を加えた。ここに別途調製した5-フルオロ-2-ニトロアニソール(30.0g)とN,N-ジメチルホルムアミド(30mL)を室温で加えて5時間撹拌した。この反応混合物に室温で水(120mL)を加え、4時間半撹拌した後、析出した結晶を濾取した。得られた結晶をN,N-ジメチルホルムアミドと水の混合溶液(1:1)(60mL)、水(60mL)、さらに水(60mL)の順で洗浄した後、減圧下40℃で乾燥して、4,4-ジメトキシ-1-(3-メトキシ-4-ニトロフェニル)ピペリジン(49.9g、収率96.1%)を結晶として得た。
D2:1.72-1.80(4H,m),3.14(6H,s),3.44-3.50(4H,m),3.91(3H,m),6.52(1H,d,J=2.4Hz),6.60(1H,dd,J=2.4,9.2Hz),7.88(1H,d,J=9.2Hz)
ESI+:297
[0046]
第2工程 4-(4,4-ジメトキシピペリジン-1-イル)-2-メトキシアニリン(R 1及びR 2がいずれもメチルである、式(6)の化合物)の合成
 4,4-ジメトキシ-1-(3-メトキシ-4-ニトロフェニル)ピペリジン(45.0g)とテトラヒドロフラン(225mL)とを混合し、この混合溶液に5%パラジウム炭素(約50%wet品、4.5g)を室温で加え、水素雰囲気下(2.4821x10 5Pa)、室温で5時間半撹拌した。その後、パラジウム炭素を濾去し、テトラヒドロフラン(90mL)で洗浄した後、濾液を全量が約90mLになるまで減圧濃縮してスラリーを得た。このスラリーを40℃にて1時間撹拌した後,n-ヘプタン(135mL)を加え、40℃で1時間撹拌した後、0℃まで冷却し、n-ヘプタン(405mL)を加えて、析出した結晶を濾取した。得られた結晶をテトラヒドロフラン(9mL)とn-ヘプタン(54mL)の混合溶液で洗浄し、減圧下40℃で乾燥して、4-(4,4-ジメトキシピペリジン-1-イル)-2-メトキシアニリン(37.9g、収率93.7%)を結晶として得た。
D2:1.72-1.80(4H,m),2.90-2.97(4H,m),3.11(6H,s),3.73(3H,m),4.21(1H,br),6.30(1H,d,J=2.4,8.4Hz),6.46_6.56(2H,m)
ESI+:267
[0047]
第3工程 4,6-ジクロロ-N-[2-(プロパン-2-スルホニル)フェニル]-1,3,5-トリアジン-2-アミン(LvがいずれもClである、式(7)の化合物)の合成
 シアヌル酸クロリド(25.0g)、炭酸水素ナトリウム(13.7g)、2-(イソプロピルスルホニル)アニリン(29.7g)及びアセトン(200mL)を混合し、室温で25時間撹拌した。この反応混合物に水(200mL)を室温で加えた後、19時間撹拌して、析出した結晶を濾取した。得られた結晶をアセトンと水の混合溶液(1:1)(100mL)で洗浄後、減圧下40℃で乾燥して、4,6-ジクロロ-N-[2-(プロパン-2-スルホニル)フェニル]-1,3,5-トリアジン-2-アミン(45.1g、収率95.8%)を結晶として得た。
D1:1.32(6H,d,J=6.8Hz),3.22(1H,sept,J=6.8Hz),7.37(1H,m),7.74(1H,m),7.93(1H,m),8.44(1H,m),10.02(1H,br)
ESI-:345,347
[0048]
第4工程 6-クロロ-N-[4-(4,4-ジメトキシピペリジン-1-イル)-2-メトキシフェニル]-N'-[2-(プロパン-2-スルホニル)フェニル]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジアミン(LvがClであり、R 1及びR 2がいずれもメチルである、式(5)の化合物)の合成
 4,6-ジクロロ-N-[2-(プロパン-2-スルホニル)フェニル]-1,3,5-トリアジン-2-アミン(40.0g)とテトラヒドロフラン(400mL)とを混合し、この混合溶液に4-(4,4-ジメトキシピペリジン-1-イル)-2-メトキシアニリン(32.2g)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(16.38g)を室温で加えて4時間撹拌した。その後、酢酸イソプロピル(40mL)、次いで炭酸カリウム(2.0g)及び水(40mL)の混合溶液を加えて抽出した。得られた有機層を全量が約200mLになるまで減圧濃縮し、種晶として、6-クロロ-N-[4-(4,4-ジメトキシピペリジン-1-イル)-2-メトキシフェニル]-N'-[2-(プロパン-2-スルホニル)フェニル]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジアミンの結晶(4mg)を接種し、約15分間撹拌してスラリーを得た。このスラリーにn-ヘプタン(200mL)を加え、0℃まで冷却して18時間撹拌し析出した結晶を濾取した。得られた結晶をテトラヒドロフラン(40mL)とn-ヘプタン(40mL)の混合溶液で洗浄した後、減圧下40℃で乾燥して、6-クロロ-N-[4-(4,4-ジメトキシピペリジン-1-イル)-2-メトキシフェニル]-N'-[2-(プロパン-2-スルホニル)フェニル]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジアミン(61.4g、収率92.4%)を結晶として得た。
D1:1.30(6H,d,J=6.8Hz),1.88-1.92(4H,m),3.18-3.26(1H,m),3.23(3H,s),3.87(1H,br),6.53(2H,br),7.21-7.23(1H,m),7.62(1H,br),7.88(1H,d,J=7.9Hz),8.05(1H,br),8.48(1H,br),9.41(1H,br)
ESI-:575,577
[0049]
第4工程の別法(種晶を使用しない例) 6-クロロ-N-[4-(4,4-ジメトキシピペリジン-1-イル)-2-メトキシフェニル]-N'-[2-(プロパン-2-スルホニル)フェニル]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジアミン(LvがClであり、R 1及びR 2がいずれもメチルである、式(5)の化合物)の合成
 4,6-ジクロロ-N-[2-(プロパン-2-スルホニル)フェニル]-1,3,5-トリアジン-2-アミン(23.0g)とテトラヒドロフラン(230mL)を混合し、この混合溶液に4-(4,4-ジメトキシピペリジン-1-イル)-2-メトキシアニリン(18.5g)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(12.7mL)を室温で加えて2時間撹拌した。その後、酢酸イソプロピル(57.5mL)、次いで炭酸カリウム(5.75g)と水(115mL)の混合溶液を加えて抽出した。得られた有機層を減圧濃縮した。得られた残渣にテトラヒドロフラン(50mL)を加え撹拌してスラリーを得た。このスラリーにテトラヒドロフラン(75mL)及びn-ヘプタン(75mL)を加えて40℃で1時間撹拌した後、0℃まで冷却し、さらに18時間撹拌した。その後、n-ヘプタン(50mL)を加え、析出した結晶を濾取した。得られた結晶をテトラヒドロフランとn-ヘプタンの混合溶液(5:7)(24mL)で洗浄した後、減圧下40℃で乾燥して、6-クロロ-N-[4-(4,4-ジメトキシピペリジン-1-イル)-2-メトキシフェニル]-N'-[2-(プロパン-2-スルホニル)フェニル]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジアミン(30.6g、収率80.0%)を結晶として得た。
[0050]
D1:1.30(6H,d,J=6.8Hz),1.88-1.92(4H,m),3.18-3.26(1H,m),3.23(3H,s),3.87(1H,br),6.53(2H,br),7.21-7.23(1H,m),7.62(1H,br),7.88(1H,d,J=7.9Hz),8.05(1H,br),8.48(1H,br),9.41(1H,br)
ESI-:575,577
[0051]
第5工程及び第6工程(連続工程) 1-[3-メトキシ-4-({4-[2-(プロパン-2-スルホニル)アニリノ]-1,3,5-トリアジン-2-イル}アミノ)フェニル]ピペリジン-4-オン(式(3)の化合物)の合成
 6-クロロ-N-[4-(4,4-ジメトキシピペリジン-1-イル)-2-メトキシフェニル]-N'-[2-(プロパン-2-スルホニル)フェニル]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジアミン(60.0g)、テトラヒドロフラン(540mL)及び10%パラジウム炭素(約50%wet品、10.7g)を混合し、この混合物にN,N-ジイソプロピルエチルアミン(16.11g)及び2-プロパノール(60mL)を加えて、水素雰囲気下(2.4131x10 5Pa)、40℃で7時間撹拌した。パラジウム炭素を濾去し、テトラヒドロフラン(120mL)で洗浄して、得られた濾液に活性炭(12.0g)を加え、室温で一晩撹拌した。その後、活性炭を濾去し、テトラヒドロフラン(120mL)で洗浄して、N-[4-(4,4-ジメトキシピペリジン-1-イル)-2-メトキシフェニル]-N'-[2-(プロパン-2-スルホニル)フェニル]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジアミンを含む溶液を得た。この溶液に、35%塩酸(21.7g)と水(120mL)の混合溶液を加えて、室温で21時間半撹拌した。この反応混合物に、炭酸カリウム(35.9g)と水(120mL)の混合溶液を加えて、抽出した。得られた有機層に活性炭(12.0g)を加え、16時間撹拌した後、濾過して、活性炭をテトラヒドロフラン(120mL)で洗浄した。得られた濾液を全量が約120mLになるまで減圧濃縮した。得られた混合物にアセトン(180mL)を加えた後、種晶として、1-[3-メトキシ-4-({4-[2-(プロパン-2-スルホニル)アニリノ]-1,3,5-トリアジン-2-イル}アミノ)フェニル]ピペリジン-4-オンの結晶(60mg)を接種して1時間撹拌した後、水(480mL)を加えて20時間撹拌して、析出した結晶を濾取した。得られた結晶をアセトン(36mL)と水(96mL)の混合溶液で洗浄し、減圧下40℃で乾燥して、1-[3-メトキシ-4-({4-[2-(プロパン-2-スルホニル)アニリノ]-1,3,5-トリアジン-2-イル}アミノ)フェニル]ピペリジン-4-オン(45.8g、収率88.7%(連続2工程での収率))を結晶として得た。
D2,343K:1.17(6H,d,J=6.8Hz),2.46-2.50(4H,m),3.40(1H,sept,J=6.8Hz),3.61(4H,dd,J=6.1,6.2Hz),3.79(3H,s),6.57(1H,dd,J=2.6,8.7Hz),6.70(1H,d,J=2.6Hz),7.25-7.29(1H,m),7.38(1H,d,J=8.7Hz),7.61(1H,br),7.77-7.80(1H,m),8.28(1H,s),8.50(1H,br),8.66(1H,br),9.25(1H,br)
ESI+:497
[0052]
第5工程 N-[4-(4,4-ジメトキシピペリジン-1-イル)-2-メトキシフェニル]-N'-[2-(プロパン-2-スルホニル)フェニル]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジアミン(R 1及びR 2がいずれもメチルである、式(4)の化合物)の合成
 6-クロロ-N-[4-(4,4-ジメトキシピペリジン-1-イル)-2-メトキシフェニル]-N'-[2-(プロパン-2-スルホニル)フェニル]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジアミン(5.0g)、テトラヒドロフラン(45mL)、2-プロパノール(5mL),10%パラジウム炭素(約50%wet品、1.0g)を混合し、この混合溶液にN,N-ジイソプロピルエチルアミン(1.81mL)を加えて、水素雰囲気下(2.4821x10 5Pa)、40℃で5時間半撹拌した。パラジウム炭素を濾去し、テトラヒドロフラン(10mL)で洗浄し、10%食塩水(20mL)を加え抽出した。得られた有機層を減圧濃縮した。濃縮残渣にアセトン(10mL)、ジイソプロピルエーテル(40mL)を加え、30分間撹拌し析出した結晶を濾取した。得られた結晶をジイソプロピルエーテル(20mL)で洗浄し、減圧下40℃で乾燥して、N-[4-(4,4-ジメトキシピペリジン-1-イル)-2-メトキシフェニル]-N'-[2-(プロパン-2-スルホニル)フェニル]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジアミン(4.31g、収率91.6%)を結晶として得た。
D2,343K:1.17(6H,d,J=6.8Hz),1.80(4H,dd,J=5.5,5.7Hz),3.15(6H,s),3.21(4H,dd,J=5.5,5.7Hz),3.77(3H,s),6.50(1H,dd,J=2.5,8.7Hz),6.62(1H,d,J=2.5Hz),7.25-7.28(1H,m),7.34(1H,d,J=8.7Hz),7.58(1H,br),7.77-7.79(1H,m),8.28(1H,s),8.49(1H,br),8.63(1H,br),9.25(1H,br)
ESI+:543
[0053]
第6工程 1-[3-メトキシ-4-({4-[2-(プロパン-2-スルホニル)アニリノ]-1,3,5-トリアジン-2-イル}アミノ)フェニル]ピペリジン-4-オン(式(3)の化合物)の合成
 N-[4-(4,4-ジメトキシピペリジン-1-イル)-2-メトキシフェニル]-N'-[2-(プロパン-2-スルホニル)フェニル]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジアミン(4.0g)、テトラヒドロフラン(36mL)及び2-プロパノール(4mL)を含む溶液に35%塩酸(1.44g)と水(4mL)の混合溶液を加えて、室温で17時間半撹拌した。この反応混合物に、炭酸カリウム(2.4g)及び水(4mL)の混合溶液を加えて、抽出した。得られた有機層を減圧濃縮した。濃縮残渣にアセトン(12mL)及び水(4mL)を加えて30分間撹拌した後、水(28mL)を加えて1時間撹拌し、析出した結晶を濾取した。得られた結晶をアセトン(8mL)とテトラヒドロフラン(3mL)の混合溶液で洗浄し、減圧下40℃で乾燥して、1-[3-メトキシ-4-({4-[2-(プロパン-2-スルホニル)アニリノ]-1,3,5-トリアジン-2-イル}アミノ)フェニル]ピペリジン-4-オン(3.42g、収率99.2%)を結晶として得た。
D2,343K:1.17(6H,d,J=6.8Hz),2.46-2.50(4H,m),3.40(1H,sept,J=6.8Hz),3.61(4H,dd,J=6.1,6.2Hz),3.79(3H,s),6.57(1H,dd,J=2.6,8.7Hz),6.70(1H,d,J=2.6Hz),7.25-7.29(1H,m),7.38(1H,d,J=8.7Hz),7.61(1H,br),7.77-7.80(1H,m),8.28(1H,s),8.50(1H,br),8.66(1H,br),9.25(1H,br)
ESI+:497
[0054]
第7工程 N-{2-メトキシ-4-[4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル]フェニル}-N'-[2-(プロパン-2-スルホニル)フェニル]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジアミン(式(1)の化合物)の合成
 1-[3-メトキシ-4-({4-[2-(プロパン-2-スルホニル)アニリノ]-1,3,5-トリアジン-2-イル}アミノ)フェニル]ピペリジン-4-オン(20.0g)、メチルピペラジン(8.07g)、トルエン(200mL)及び酢酸(9.0mL)を混合し、室温で1時間撹拌した。この混合溶液に、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(17.06g)を加えて、室温で20時間撹拌した。この反応混合物に、水(60mL)及びメタノール(20mL)を加え、抽出して、有機層及び水層1を得た。この有機層に、水(20mL)を加え再抽出して、水層2を得た。水層1及び水層2を混合した後、酢酸イソプロピル(200mL)を加えて抽出した。得られた水層にメタノール(220mL)、水酸化ナトリウム(9.68g)及び水(48mL)の混合溶液を加え、種晶として、N-{2-メトキシ-4-[4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル]フェニル}-N'-[2-(プロパン-2-スルホニル)フェニル]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジアミンの結晶(2.0mg)を接種し、室温で1時間半撹拌した後、水(220mL)を加えて、さらに室温で2時間半撹拌して、析出した結晶を濾取した。得られた結晶をメタノール(40mL)と水(40mL)の混合溶液で洗浄した後、減圧下50℃で乾燥して、N-{2-メトキシ-4-[4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル]フェニル}-N'-[2-(プロパン-2-スルホニル)フェニル]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジアミン(20.15g、収率86.1%)をA06形結晶として得た。
D1:1.31(6H,d,J=6.8Hz),1.59-1.78(2H,m),1.90-2.01(2H,m),2.24-2.80(11H,m),2.30(3H,s),3.19-3.32(1H,m),3.65-3.75(2H,m),3.88(3H,s),6.50-6.59(2H,m),7.18-7.30(1H,m),7.53-7.70(2H,m),7.88(1H,dd,J=1.5,8.3Hz),8.10(1H,br),8.37(1H,br),8.53(1H,br),9.29(1H,s)
ESI+:581
[0055]
第7工程の別法1(種晶を使用しない例) N-{2-メトキシ-4-[4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル]フェニル}-N'-[2-(プロパン-2-スルホニル)フェニル]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジアミン(式(1)の化合物)の合成
 1-[3-メトキシ-4-({4-[2-(プロパン-2-スルホニル)アニリノ]-1,3,5-トリアジン-2-イル}アミノ)フェニル]ピペリジン-4-オン(5.0g)、メチルピペラジン(2.02g)、トルエン(50mL)及び酢酸(1.5mL)を混合し、室温で1時間撹拌した。この混合溶液に、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(4.72g)を加えて、室温で18時間撹拌した。この反応混合物に、水(15mL)及びメタノール(5mL)を加え、抽出して、有機層及び水層1を得た。この有機層に、水(5mL)を加え再抽出して、水層2を得た。水層1及び水層2を混合した後、酢酸イソプロピル(50mL)を加えて抽出した。得られた水層にメタノール(55mL)、水酸化ナトリウム(2.0g)及び水(10mL)の混合溶液を加え、室温で62時間撹拌した後、水(55mL)を加えて、さらに室温で2時間撹拌して、析出した結晶を濾取した。得られた結晶をメタノール(5mL)と水(5mL)の混合溶液で洗浄した後、減圧下40℃で乾燥して、N-{2-メトキシ-4-[4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル]フェニル}-N'-[2-(プロパン-2-スルホニル)フェニル]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジアミン(4.56g、収率78.0%)をA06形結晶として得た。
D1:1.31(6H,d,J=6.8Hz),1.59-1.78(2H,m),1.90-2.01(2H,m),2.24-2.80(11H,m),2.30(3H,s),3.19-3.32(1H,m),3.65-3.75(2H,m),3.88(3H,s),6.50-6.59(2H,m),7.18-7.30(1H,m),7.53-7.70(2H,m),7.88(1H,dd,J=1.5,8.3Hz),8.10(1H,br),8.37(1H,br),8.53(1H,br),9.29(1H,s)
ESI+:581
第7工程の別法2(還元触媒を使用した例) N-{2-メトキシ-4-[4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル]フェニル}-N'-[2-(プロパン-2-スルホニル)フェニル]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジアミン(式(1)の化合物)の合成
 1-[3-メトキシ-4-({4-[2-(プロパン-2-スルホニル)アニリノ]-1,3,5-トリアジン-2-イル}アミノ)フェニル]ピペリジン-4-オン(5.0g)、テトラヒドロフラン(30mL)、メチルピペラジン(1.81g)及び10%パラジウム炭素(約50%wet品、0.8g)を混合し、水素雰囲気下(2.4821x10 5Pa)、40℃で7時間撹拌した。パラジウム炭素を濾去し、テトラヒドロフラン(10mL)で洗浄して、得られた濾液を減圧濃縮した。濃縮残渣に2-ブタノン(9mL)を加え、60℃で30分間撹拌した後、徐冷し、30℃でn-ヘプタン(9mL)を加え、室温で19時間撹拌し、析出した結晶を濾取した。得られた結晶を2-ブタノン(1mL)とn-ヘプタン(1mL)の混液で洗浄した後、減圧下40℃で乾燥して、N-{2-メトキシ-4-[4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル]フェニル}-N'-[2-(プロパン-2-スルホニル)フェニル]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジアミン(3.09g、収率88.0%)を得た。
D1:1.31(6H,d,J=6.8Hz),1.59-1.78(2H,m),1.90-2.01(2H,m),2.24-2.80(11H,m),2.30(3H,s),3.19-3.32(1H,m),3.65-3.75(2H,m),3.88(3H,s),6.50-6.59(2H,m),7.18-7.30(1H,m),7.53-7.70(2H,m),7.88(1H,dd,J=1.5,8.3Hz),8.10(1H,br),8.37(1H,br),8.53(1H,br),9.29(1H,s)
ESI+:581
[0056]
 N-{2-メトキシ-4-[4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル]フェニル}-N'-[2-(プロパン-2-スルホニル)フェニル]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジアミン(式(1)の化合物)の再結晶による精製工程
(A法) N-{2-メトキシ-4-[4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル]フェニル}-N'-[2-(プロパン-2-スルホニル)フェニル]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジアミン(8.80g)、2-ブタノン(211mL)を混合し、65℃で30分間撹拌して溶解を確認した後、清澄濾過を行った。濾液を全量が約70mLになるまで常圧濃縮し、70℃まで冷却した後、種晶としてN-{2-メトキシ-4-[4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル]フェニル}-N'-[2-(プロパン-2-スルホニル)フェニル]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジアミンの結晶(0.9mg)を接種し、約10分間撹拌してスラリーを得た。70℃にて3時間撹拌した後、20℃/hの速度で5℃まで冷却して17時間撹拌し、析出した結晶を濾取した。得られた結晶を氷水で冷却した2-ブタノン(35.2mL)で洗浄した後、減圧下50℃で乾燥して、N-{2-メトキシ-4-[4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル]フェニル}-N'-[2-(プロパン-2-スルホニル)フェニル]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジアミン(7.88g、収率89.5%、純度99.4%)をA04型結晶(A04型比率98.9%)として得た。
[0057]
(B法): N-{2-メトキシ-4-[4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル]フェニル}-N'-[2-(プロパン-2-スルホニル)フェニル]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジアミン(8.80g)、活性炭(0.88g)及び2-ブタノン(211mL)を混合し、75℃で1時間撹拌した後、活性炭濾過を行った。濾液に活性炭(0.88g)を加え、75℃で1時間撹拌した後、活性炭濾過を行った。濾液に活性炭(0.88g)を加え、75℃で1時間撹拌した後、活性炭濾過を行った。濾液を全量が約70mLになるまで常圧濃縮し、70℃まで冷却した後、種晶としてN-{2-メトキシ-4-[4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル]フェニル}-N'-[2-(プロパン-2-スルホニル)フェニル]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジアミンの結晶(0.9mg)を接種し、約10分間撹拌してスラリーを得た。70℃にて3時間撹拌した後、20℃/hの速度で5℃まで冷却して16時間撹拌し、析出した結晶を濾取した。得られた結晶を氷水で冷却した2-ブタノン(35.2mL)で洗浄した後、減圧下50℃で乾燥して,N-{2-メトキシ-4-[4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル]フェニル}-N'-[2-(プロパン-2-スルホニル)フェニル]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジアミン(6.60g、収率75.0%、純度99.3%)をA04型結晶(A04型比率100%)として得た。
[0058]
実施例2
第1工程 4,4-ジメトキシ-1-(3-メトキシ-4-ニトロフェニル)ピペリジン(R 1及びR 2がいずれもメチルである、式(10)の化合物)の合成
 4,4-ジメトキシピペリジン一塩酸塩(69.9kg)とN,N-ジメチルホルムアミド(125.7kg)を混合し、この混合溶液に1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(117.3kg)とN,N-ジメチルホルムアミド(17.0kg)を加えた。ここに別途調製した5-フルオロ-2-ニトロアニソール(60.0kg)のN,N-ジメチルホルムアミド(57.0kg)溶液を室温で加え、N,N-ジメチルホルムアミド(29.0kg)溶液を加えて5時間撹拌した。この反応混合物に室温で種結晶として4,4-ジメトキシ-1-(3-メトキシ-4-ニトロフェニル)ピペリジン(約6g)を加え、室温で14時間撹拌した。この反応混合物に室温で水(240kg)を加え、22時間撹拌した後、析出した結晶を濾取した。得られた結晶をN,N-ジメチルホルムアミド(56.9kg)と水(60kg)の混合溶液で洗浄した後、水(120kg)で2回洗浄し、減圧下50℃で乾燥して、4,4-ジメトキシ-1-(3-メトキシ-4-ニトロフェニル)ピペリジン(99.7kg、収率96.0%)を結晶として得た。
[0059]
D2:1.72-1.80(4H,m),3.14(6H,s),3.44-3.50(4H,m),3.91(3H,m),6.52(1H,d,J=2.4Hz),6.60(1H,dd,J=2.4,9.2Hz),7.88(1H,d,J=9.2Hz)
ESI+:297
[0060]
第2工程 4-(4,4-ジメトキシピペリジン-1-イル)-2-メトキシアニリン(R 1及びR 2がいずれもメチルである、式(6)の化合物)の合成
 4,4-ジメトキシ-1-(3-メトキシ-4-ニトロフェニル)ピペリジン(99.0kg)、5%パラジウム炭素(約50%wet品、10.5kg)、テトラヒドロフラン(440kg)を室温で混合し、水素雰囲気下(200~300kPa)、室温で3時間撹拌した。その後、パラジウム炭素を濾去し、テトラヒドロフラン(180.5kg)で洗浄した後、濾液を全量が約220Lになるまで減圧濃縮し、種晶として4-(4,4-ジメトキシピペリジン-1-イル)-2-メトキシアニリンの結晶(約10g)を接種した。得られたスラリーにn-ヘプタン(205.4kg)を40℃にて加え、1時間撹拌した後、0℃まで冷却して16時間撹拌した。このスラリーにn-ヘプタン(613.5kg)を加えて、2時間撹拌した後,結晶を濾取した。得られた結晶をテトラヒドロフラン(17.8kg)とn-ヘプタン(81.5kg)の混合溶液で洗浄し、減圧下50℃で乾燥して、4-(4,4-ジメトキシピペリジン-1-イル)-2-メトキシアニリン(84.1kg、収率94.5%)を結晶として得た。
[0061]
D2:1.72-1.80(4H,m),2.90-2.97(4H,m),3.11(6H,s),3.73(3H,m),4.21(1H,br),6.30(1H,d,J=2.4,8.4Hz),6.46_6.56(2H,m)
ESI+:267
[0062]
第3工程 4,6-ジクロロ-N-[2-(プロパン-2-スルホニル)フェニル]-1,3,5-トリアジン-2-アミン(LvがいずれもClである、式(7)の化合物)の合成
 シアヌル酸クロリド(40.0kg)及びアセトン(249.2kg)を17℃にて混合した。この混合溶液に炭酸水素ナトリウム(21.9kg)、2-(イソプロピルスルホニル)アニリン(47.5kg)を加え、室温で23時間撹拌した。この反応混合物に水(320kg)を室温で加えた後、3時間半撹拌して、析出した結晶を濾取した。得られた結晶をアセトン(63.0kg)と水(80kg)の混合溶液で洗浄後、減圧下50℃で乾燥して、4,6-ジクロロ-N-[2-(プロパン-2-スルホニル)フェニル]-1,3,5-トリアジン-2-アミン(71.6kg、収率95.1%)を結晶として得た。
[0063]
D1:1.32(6H,d,J=6.8Hz),3.22(1H,sept,J=6.8Hz),7.37(1H,m),7.74(1H,m),7.93(1H,m),8.44(1H,m),10.02(1H,br)
ESI-:345,347
[0064]
第4工程 6-クロロ-N-[4-(4,4-ジメトキシピペリジン-1-イル)-2-メトキシフェニル]-N'-[2-(プロパン-2-スルホニル)フェニル]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジアミン(LvがClであり、R 1及びR 2がいずれもメチルである、式(5)の化合物)の合成
 4,6-ジクロロ-N-[2-(プロパン-2-スルホニル)フェニル]-1,3,5-トリアジン-2-アミン(70.9kg)とテトラヒドロフラン(611.1kg)を室温にて混合し、この混合溶液に4-(4,4-ジメトキシピペリジン-1-イル)-2-メトキシアニリン(57.1kg)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(29.1kg)を室温で加えて4時間撹拌した。その後、酢酸イソプロピル(61.0kg)、次いで炭酸カリウム(3.6kg)と水(71kg)の混合溶液を加えて抽出した。得られた有機層を全量が約360Lになるまで外温約40℃で減圧濃縮し、種晶として、6-クロロ-N-[4-(4,4-ジメトキシピペリジン-1-イル)-2-メトキシフェニル]-N'-[2-(プロパン-2-スルホニル)フェニル]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジアミンの結晶(約7g)を接種してスラリーを得た。このスラリーに2-プロパノール(111.0kg)、n-ヘプタン(243.1kg)を加え、室温にて2時間冷却した後、0℃まで冷却して18時間撹拌し析出した結晶を濾取した。得られた結晶をテトラヒドロフラン(74.9kg)、2-プロパノール(44.6kg)、n-ヘプタン(97.6kg)の混合溶液で洗浄した後、減圧下50℃で乾燥して、6-クロロ-N-[4-(4,4-ジメトキシピペリジン-1-イル)-2-メトキシフェニル]-N'-[2-(プロパン-2-スルホニル)フェニル]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジアミン(108.9kg、収率92.4%)を結晶として得た。
[0065]
D1:1.30(6H,d,J=6.8Hz),1.88-1.92(4H,m),3.18-3.26(1H,m),3.23(3H,s),3.87(1H,br),6.53(2H,br),7.21-7.23(1H,m),7.62(1H,br),7.88(1H,d,J=7.9Hz),8.05(1H,br),8.48(1H,br),9.41(1H,br)
ESI-:575,577
第5工程及び第6工程(連続工程) 1-[3-メトキシ-4-({4-[2-(プロパン-2-スルホニル)アニリノ]-1,3,5-トリアジン-2-イル}アミノ)フェニル]ピペリジン-4-オン(式(3)の化合物)の合成
 6-クロロ-N-[4-(4,4-ジメトキシピペリジン-1-イル)-2-メトキシフェニル]-N'-[2-(プロパン-2-スルホニル)フェニル]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジアミン(108.2kg)、テトラヒドロフラン(866.0kg)、10%パラジウム炭素(約50%wet品、23.3kg)を混合し、この混合溶液にN,N-ジイソプロピルエチルアミン(28.9kg)及び2-プロパノール(85.5kg)を加えて、水素雰囲気下(100~300kPa)、40℃で4時間撹拌した。パラジウム炭素を濾去し、テトラヒドロフラン(193.3kg)で洗浄し、N-[4-(4,4-ジメトキシピペリジン-1-イル)-2-メトキシフェニル]-N'-[2-(プロパン-2-スルホニル)フェニル]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジアミンを含む溶液を得た。この溶液に、35%塩酸(39.1kg)と水(217kg)の混合溶液を加えて、室温で15時間半撹拌した。この反応混合物に、炭酸カリウム(64.8kg)と水(217kg)の混合溶液を加えて、抽出した。得られた有機層に活性炭(10.8kg)を加え、室温にて17時間撹拌した後、濾過して、活性炭をテトラヒドロフラン(96.0kg)で洗浄した。得られた濾液を減圧下、40 ℃にて全量が約380Lになるまで濃縮した。得られた混合物にアセトン(257.1kg)を加えた後、種晶として、1-[3-メトキシ-4-({4-[2-(プロパン-2-スルホニル)アニリノ]-1,3,5-トリアジン-2-イル}アミノ)フェニル]ピペリジン-4-オンの結晶(約11g)を接種して1時間撹拌した後、水(865kg)を加えて15時間撹拌し、析出した結晶を濾取した。得られた結晶をアセトン(50.9kg)と常水(173kg)の混合溶液で洗浄し、減圧下50℃で乾燥して、1-[3-メトキシ-4-({4-[2-(プロパン-2-スルホニル)アニリノ]-1,3,5-トリアジン-2-イル}アミノ)フェニル]ピペリジン-4-オン(82.9kg、収率89.0%(連続2工程での収率))を結晶として得た。
[0066]
D2,343K:1.17(6H,d,J=6.8Hz),2.46-2.50(4H,m),3.40(1H,sept,J=6.8Hz),3.61(4H,dd,J=6.1,6.2Hz),3.79(3H,s),6.57(1H,dd,J=2.6,8.7Hz),6.70(1H,d,J=2.6Hz),7.25-7.29(1H,m),7.38(1H,d,J=8.7Hz),7.61(1H,br),7.77-7.80(1H,m),8.28(1H,s),8.50(1H,br),8.66(1H,br),9.25(1H,br)
ESI+:497
[0067]
第7工程 N-{2-メトキシ-4-[4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル]フェニル}-N'-[2-(プロパン-2-スルホニル)フェニル]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジアミン(式(1)の化合物)の合成
 1-[3-メトキシ-4-({4-[2-(プロパン-2-スルホニル)アニリノ]-1,3,5-トリアジン-2-イル}アミノ)フェニル]ピペリジン-4-オン(60.1kg)、メチルピペラジン(24.2kg)、トルエン(500kg)及び酢酸(28.4kg)を混合し、室温で1時間撹拌した。この混合溶液に、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(51.4kg)を加えて、室温で17時間撹拌した。この反応混合物に、メタノール(47.5kg)及び水(180.1kg)を加え、抽出して、有機層及び水層1を得た。この有機層に、水(60.0kg)を加え再抽出して、水層2を得た。水層1及び水層2を混合した後、酢酸イソプロピル(523.4kg)を加えて抽出した。得られた水層にメタノール(522.3kg)、48%水酸化ナトリウム(60.6kg)及び水(112.7kg)の混合溶液を加え、種晶としてN-{2-メトキシ-4-[4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル]フェニル}-N'-[2-(プロパン-2-スルホニル)フェニル]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジアミンの結晶(約6g)を接種し、室温で2時間撹拌した後、水(660.2kg)を加えて、さらに室温で3時間半撹拌して、析出した結晶を濾取した。得られた結晶をメタノール(104.4kg)と水(132.0kg)の混合溶液で洗浄した後、減圧下50℃で乾燥して、N-{2-メトキシ-4-[4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル]フェニル}-N'-[2-(プロパン-2-スルホニル)フェニル]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジアミン(54.2kg、収率77.1%)をA06形結晶として得た。
[0068]
D1:1.31(6H,d,J=6.8Hz),1.59-1.78(2H,m),1.90-2.01(2H,m),2.24-2.80(11H,m),2.30(3H,s),3.19-3.32(1H,m),3.65-3.75(2H,m),3.88(3H,s),6.50-6.59(2H,m),7.18-7.30(1H,m),7.53-7.70(2H,m),7.88(1H,dd,J=1.5,8.3Hz),8.10(1H,br),8.37(1H,br),8.53(1H,br),9.29(1H,s)
ESI+:581
[0069]
 N-{2-メトキシ-4-[4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル]フェニル}-N'-[2-(プロパン-2-スルホニル)フェニル]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジアミン(式(1)の化合物)の再結晶による精製工程
 N-{2-メトキシ-4-[4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル]フェニル}-N'-[2-(プロパン-2-スルホニル)フェニル]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジアミン(54.3kg)、活性炭(5.4kg)、2-ブタノン(1046.1kg)を混合し、75℃で1時間撹拌した後、活性炭濾過を行った。濾液に活性炭(5.4kg)を加え、75℃で1時間撹拌した後、活性炭濾過を行った。濾液に活性炭(5.4kg)を加え、75℃で1時間撹拌した後、活性炭濾過を行った。濾液を全量が約430Lになるまで常圧濃縮し、70℃まで冷却した後、種晶としてN-{2-メトキシ-4-[4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル]フェニル}-N'-[2-(プロパン-2-スルホニル)フェニル]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジアミンの結晶(約5g)を接種し、3時間撹拌した後、20℃/hの速度で5℃まで冷却し、析出した結晶を濾取した。得られた結晶を5℃に冷却した2-ブタノン(220L)で洗浄した後、減圧下50℃で乾燥して、N-{2-メトキシ-4-[4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル]フェニル}-N'-[2-(プロパン-2-スルホニル)フェニル]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジアミン(42.6kg、収率78.5%、純度99.5%)をA04形結晶(A04型比率100%)として得た。
[0070]
 以下に本発明の効果を示す。
 実施例1及び2における本発明の製造方法の収率を、それぞれ以下の表1及び表2に示す。なお、第4工程~第7工程については、複数の工程を記載しているため、表1及び表2では、これら複数の工程のうち、最初に記載されている工程での収率を採用して表記した。
[0071]
[表1]


[0072]
[表2]


[0073]
 一方、参考例における、式(1)の化合物の公知の製造方法の収率は、以下の表3に示すとおりである。
[0074]
[表3]


*1:参考例の第4工程では、式(15)の化合物を、式(8)の化合物に対して、約1.5等量使用して反応を行っているため、式(8)の化合物を基準に算出した。
*2:参考例の第4工程(別法)では、式(15)の化合物と式(8)の化合物を、ほぼ等量ずつ使用して反応を行っている。表1に示した実施例における本発明の製造方法の収率は、原料であるシアヌル酸クロリド(式(9)の化合物の1態様)を基準に算出しており、対応する原料を基準とした収率で比較するため、参考例の第4工程(別法)では、式(15)の化合物(2,4-ジクロロ-1,3,5-トリアジン)を基準に算出した。なお、特許文献1の製造例7(参考例の第4工程に対応する製法)では、2,4-ジクロロ-6-メトキシ-1,3,5-トリアジンと2-(プロパン-2-スルホニル)アニリンをほぼ等量ずつ使用して反応を行っている(収率:28.3%)。
*3:第4工程が別法である場合の合算収率又は通算収率。
[0075]
 上記表1から3より、本発明の製造方法(表1又は表2)が、公知の製造方法(表3)と比較して、良好な収率を有することが確認された。また収率60%以下の工程を含まず、全工程での通算収率を高く維持することができており、コスト面でも有利であった。またkgスケール(表2)でもgスケール(表1)の収率とほぼ同じであることから、工業的生産に好適である。さらに、本発明の製造方法は、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによる精製を全く必要せず、かつ、変異原性を示すメシルエステルの副生の懸念も無い。以上から式(1)の化合物の優れた、特に医薬品としての工業的生産に好適な、製造方法であることが確認された。
[0076]
 参考例の製造方法において、特に第4工程及び第5工程の収率が60%を切る低収率となっている。これに対して本発明の実施例における第3工程及び第4工程では、いずれも90%を超える高収率となっており、収率が大きく改善されている。この収率の改善は反応性の高い所定の原料及び合成中間体、特には、式(9)の化合物及び式(7)の化合物と、当該原料及び合成中間体との反応に好適な所定の合成中間体、特には、式(6)の化合物を用い、さらに反応条件、特には、塩基性度、反応温度、溶媒等について数多くの試行錯誤を繰り返した結果、遂に達成されたものである。
[0077]
 なお、反応式(II)の第4工程において、式(6)の化合物ではなく、反応式(I)に記載の式(13)の化合物とを式(7)の化合物と反応させることが容易に考えられる。しかしながら、式(9)の化合物としてシアヌル酸クロリドを使用した場合に、次工程である式(7)の化合物と式(13)の化合物との反応により合成された式(21)の化合物が極めて不安定な化合物であること、さらに、式(21)の化合物以外に、式(22)の化合物が多量に副生することが判明した。
[化16]


[0078]
 よって、高収率で式(1)の化合物を得るためには、本発明の製造方法として反応式(II)に記載するとおり、式(9)の化合物を原料として使用し、式(7)の化合物を得た後、式(13)の化合物ではなく、式(6)の化合物と反応させる工程を経由して、式(1)の化合物を製造することが好適である。
[0079]
 また、実施例における本発明の製造方法において式(9)の化合物の1態様として使用しているシアヌル酸クロリドは大規模なスケールで製造が可能であり、一般化成品としても量産されている。一方、式(15)の化合物は調達面において問題を有する。当該化合物の製造方法は、反応式(III)に示される方法(Synthesis,11,907,1981参照、収率69%)であるが、合成中間体のN-シアノクロロホルムアミジンは熱的に不安定であり、乾燥工程での分解や、分解による急激な発熱(消防法における危険物第5類(自己反応性物質)の危険判定線を僅かに下回る程度)が起こるため、大規模スケールにおいては、爆発等の危険性が懸念される化合物である。また、当該化合物の製造方法については、トリアジンのClの置換数を2つに制御する点で反応条件に制限があることもあり、反応式(III)に示される方法以外には当該化合物を効率的に得る方法は、これまで報告されていない。以上から、式(15)の化合物は、大量にかつ安定的な入手の点で、工業的生産における原料としては不適当と言わざる得ない化合物である。
[0080]
[化17]


[0081]
 上記より、式(15)の化合物に代えて、式(9)の化合物の一態様であるシアヌル酸クロリドを原料とする本発明の製造方法は安定的な原料調達やコスト面で優れた製造方法である。
[0082]
 また、4-(4,4-ジメトキシピペリジン-1-イル)-2-メトキシアニリン(式(6’)の化合物のRb 1及びRb 2がいずれもメチルである化合物)の製造収率(表1の第1~2工程合算)は、式(13)の化合物の製造収率(表3の第1~3工程合算)と比較して、非常に高く工業的生産に好適であり、コスト面でも優れた合成中間体である。
[0083]
 以上から、本発明方法が公知の方法に比較して、如何に工業的に優れているかは明らかである。特に、本発明製造方法により、高い通算収率を達成することが可能になり、これにより工業的に使用可能な製造方法が確立されたということができる。

産業上の利用可能性

[0084]
 本発明によって、高収率かつ低コストであり、医薬品としての工業的生産に好適な、式(1)の化合物の製造方法、及びその製造方法において有用な合成中間体が提供される。

請求の範囲

[請求項1]
式(3)
[化18]


の化合物に1-メチルピペラジンを作用させて還元的アミノ化反応に付すことを特徴とする、式(1)
[化19]


の化合物の製造方法。
[請求項2]
式(3)の化合物が、式(4)
[化20]


 (式中、R 1及びR 2は、それぞれ同一又は異なって、低級アルキルであるか、或いは、R 1及びR 2が一体となって、低級アルキレンを形成してもよい。)
の化合物を脱ケタール化反応に付すことを特徴とする製造方法により製造された式(3)の化合物である、請求項1に記載の製造方法。
[請求項3]
式(4)の化合物が、式(5)
[化21]


 (式中、R 1及びR 2は、それぞれ同一又は異なって、低級アルキルであるか、或いは、R 1及びR 2が一体となって、低級アルキレンを形成してもよく、Lvは、脱離基である。)
の化合物を水素添加反応に付すことを特徴とする製造方法により製造された式(4)の化合物である、請求項2に記載の製造方法。
[請求項4]
式(5)の化合物が、式(7)
[化22]


 (式中、Lvはそれぞれ同一又は互いに異なって、脱離基である。)
の化合物に式(6)
[化23]


 (式中、R 1及びR 2は、それぞれ同一又は異なって、低級アルキルであるか、或いは、R 1及びR 2が一体となって、低級アルキレンを形成してもよい。)
の化合物を作用させて芳香族求核置換反応に付すことを特徴とする製造方法により製造された式(5)の化合物である、請求項3に記載の製造方法。
[請求項5]
式(7)の化合物が、式(9)
[化24]


 (式中、Lvはそれぞれ同一又は互いに異なって、脱離基である。)
の化合物に2-(イソプロピルスルホニル)アニリンを作用させて芳香族求核置換反応に付すことを特徴とする製造方法により製造された式(7)の化合物である、請求項4に記載の製造方法。
[請求項6]
式(6)の化合物が、式(12)
[化25]


 (式中、Lgは、脱離基を示す。)
の化合物に式(11)
[化26]


 (式中、R 1及びR 2は、それぞれ同一又は異なって、低級アルキルであるか、或いは、R 1及びR 2が一体となって、低級アルキレンを形成してもよい。)
の化合物を作用させて芳香族求核置換反応に付した後、水素添加反応に付すことを特徴とする製造方法により製造された式(6)の化合物である、請求項4又は請求項5に記載の製造方法。
[請求項7]
式(4’)で示される化合物又はその塩。
[化27]


 (式中、Ra 1及びRa 2は、それぞれ同一又は異なって、低級アルキルであるか、或いは、Ra 1及びRa 2が一体となって、低級アルキレンを形成してもよい。ただし、Ra 1及びRa 2が一体となって、ジメチレンを形成することはない。)
[請求項8]
式(5)で示される化合物又はその塩。
[化28]


 (式中、R 1及びR 2は、それぞれ同一又は異なって、低級アルキルであるか、或いは、R 1及びR 2が一体となって、低級アルキレンを形成してもよく、Lvは、脱離基である。)
[請求項9]
Lvがハロゲン、スルホニルオキシ基、低級アルキルスルファニル及び低級アルキルスルホニルからなる群より選択される脱離基である、請求項8に記載の化合物又はその塩。
[請求項10]
Lvがハロゲンである、請求項9に記載の化合物。
[請求項11]
LvがClであり、かつ、R 1及びR 2がいずれもメチル基である、請求項10に記載の化合物。
[請求項12]
Ra 1及びRa 2がいずれもメチル基である、請求項7に記載の化合物又はその塩。
[請求項13]
式(6’)で示される化合物又はその塩。
[化29]


 (式中、Rb 1及びRb 2は、それぞれ同一又は異なって、低級アルキルであるか、或いは、Rb 1及びRb 2が一体となって、低級アルキレンを形成してもよい。ただし、Rb 1及びRb 2が一体となって、ジメチレンを形成することはない。)
[請求項14]
Rb 1及びRb 2がいずれもメチル基である、請求項13に記載の化合物。
[請求項15]
式(9)の化合物がシアヌル酸クロリドである請求項5記載の製造方法。
[請求項16]
さらに式(1)の化合物の結晶化を含む精製工程を含むものである請求項1から6のいずれか1項に記載の式(1)の化合物の製造方法。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]