Processing

Please wait...

Settings

Settings

Goto Application

1. WO2012066790 - SHIP FOR INSTALLING OFFSHORE WIND TURBINES, AND METHOD FOR INSTALLING OFFSHORE WIND TURBINES USING SAME

Document

明 細 書

発明の名称 洋上風車設置用船舶およびこれを用いた洋上風車設置方法

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005   0006   0007  

先行技術文献

特許文献

0008  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0009   0010   0011  

課題を解決するための手段

0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019  

発明の効果

0020  

図面の簡単な説明

0021  

発明を実施するための形態

0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035  

符号の説明

0036  

請求の範囲

1   2   3   4  

図面

1   2   3   4   5  

明 細 書

発明の名称 : 洋上風車設置用船舶およびこれを用いた洋上風車設置方法

技術分野

[0001]
 本発明は、洋上風車設置用船舶およびこれを用いた洋上風車設置方法に関するものである。

背景技術

[0002]
 現在、欧州では、洋上風車建設が盛んに行われており、今後益々その規模が拡大し、洋上における設置工事量が大幅に増大する傾向にある。さらに、風車の設置海域も岸からより遠く、大水深海域での風車設置が計画されており、使用される風車自体も大型化の傾向にある。
[0003]
 洋上風車の設置作業は、ジャッキアップ装置及びデッキクレーンを備えた自動昇降台船が用いられる。この自動昇降台船上に、分割または一部接合された風車翼、発電機・増速機を内包したナセル、タワーといった風車パーツや、洋上に風車を設置するために海底から築かれる基礎構造が積込まれる。そして、自動昇降台船を自航または曳航により風車設置海域まで運搬した後、ジャッキアップ装置のジャッキアップ脚を海底へ降ろして船体を海面上へ完全に持ち上げた状態で台船上のデッキクレーンを用いて風車の組立作業が行われる。
[0004]
 既存の大半の風車設置用台船では、風車2~3台分の風車パーツおよび基礎構造を一度に積載できるようになっている。風車パーツおよび基礎構造を集積港にて船積みした後、設置海域へ移動して積載した基数分の風車および基礎構造を設置した後、再び集積港へ戻り、風車の輸送・設置を繰り返している。
[0005]
 また、風車の設置海域に自動昇降台船を風車設置作業専用として常駐させ、一方で別の自動昇降台船をパーツ輸送用として用いる場合もある。すなわち、集積港から複数の風車パーツ、基礎構造をパーツ輸送用台船に積載し、常駐している風車設置作業専用台船の隣へ停船し、ジャッキアップした後、設置作業専用台船のデッキクレーンでパーツ輸送用台船上に積載された風車パーツおよび基礎構造を吊り上げ、そのまま設置作業を行う。
[0006]
 しかし、上記のような現状の工法では設置工事時間および台船用船コストの観点で洋上での設置工事に莫大なコストが必要となることが見込まれ、その削減、改善が大きな課題となっている。
 設置工事時間の問題は、風車の設置海域が岸から現状よりも更に遠くなることから集積港から設置海域までの回航時間が増大すること、設置海域の水深がこれまで以上に深まることで台船をジャッキアップ装置により昇降する時間が増大すること、また使用する風車の大型化により現状使用している機材で一度に輸送できる風車の台数が減ることにより時間的作業効率が下がることが挙げられる。
 台船用船コストの問題は、工事量の増大により作業台船需要が増大すること、使用する風車の大型化に伴い台船のサイズ、ジャッキアップ装置やデッキクレーンの容量が大きくなることで台船の船価が増大することが挙げられる。
[0007]
 一方、下記特許文献1には、風車の基礎を浮体とし、設置海域まで曳航し、浮体を海中に沈めて着座させることによって洋上風車を設置する方式が開示されている。このように、風車を組み立てた状態で設置海域まで運搬して設置するので、設置現場での組み立て作業が発生しないという利点がある。

先行技術文献

特許文献

[0008]
特許文献1 : 特開2005-69025号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0009]
 しかし、特許文献1では、風車を設置する際に、クレーン船によって風車を支持して姿勢を保ちながら浮体を海中に沈める必要があり、困難な作業が伴う。また、曳航船に加えてクレーン船をも手配する必要があるので、コストの低減を図ることが難しい。
[0010]
 また、組み立てられた風車を船舶で設置海域まで運搬し設置するいわゆる風車一体設置を行う際に、船体を固定するために上述のようなジャッキアップ船を用いた場合、ジャッキアップによる足場固定作業に時間がかかるという問題がある。さらに、ジャッキアップ作業限界波高を超えた場合には作業が中止されるので海象によるダウンタイムが問題となる。
[0011]
 本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、組み立てられた状態の風車を運搬して設置海域にて設置する場合に、短い作業時間で、しかも海象条件による大きな制約を伴わずに船体を定位置に維持することができる洋上風車設置用船舶およびこれを用いた洋上風車設置方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0012]
 上記課題を解決するために、本発明の洋上風車設置用船舶およびこれを用いた洋上風車設置方法は以下の手段を採用する。
 すなわち、本発明の第1の態様にかかる洋上風車設置用船舶は、タワー、ナセル及び風車翼が組み立てられた風車、及び/又は、下端が海底に固定されるとともに上端に風車が固定される基礎をデッキ上に搭載し、風車設置海域まで自航または曳航し、前記デッキ上に設けられたクレーンによって前記風車または前記基礎を吊り上げて洋上の目標設置位置に設置する洋上風車設置用船舶であって、小水線面積双胴船とされるとともに、アンカー、該アンカーを船底側と海底との間で移動可能とするウィンチ、及び該アンカーと船体との間に所定の張力を与える係留索を備えた緊張係留式プラットフォームとされたものである。
[0013]
 本発明の第1の態様にかかる洋上風車設置用船舶は、タワー、ナセル及び風車翼が組み立てられた風車、及び/又は、基礎をそのまま風車設置海域まで運搬し設置するいわゆる風車一体設置を行う。したがって、風車の設置海域における組み立て作業を省略することができる。
 また、デッキ上に設けたクレーンによって風車や基礎を吊り上げることとしたので、クレーンの他に大きな装備品を設ける必要がなくなる。これにより、広いデッキスペースを確保することができる。
 また、水線面積を最小限とした双胴船である小水線面積双胴船すなわちSWATH(Small Waterplane Area Twin Hull)船とされているので、波浪による船体の動揺を低減することができる。加えて、アンカー、ウィンチ及び係留索を備えた緊張係留式プラットフォーム(TLP;Tension Leg Platform)とされているので、さらに船体の動揺を低減することができる。このように、SWATHとTLPとの組み合わせにより船体の動揺を大幅に低減することができるので、ジャッキアップ船のようにジャッキアップによる足場固定作業を省略することができ、風車や基礎の設置作業時間を短縮できる。また、ジャッキアップを用いないので、ジャッキアップ作業限界波高よりも厳しい海象条件下でも設置作業が可能となり、海象によるダウンタイム削減が可能となる。
 なお、スラスタを用いたDPS(Dynamic
Positioning System)によって船体の位置および姿勢を更に安定化することとしても良い。
[0014]
 さらに、本発明の第1の態様にかかる洋上風車設置用船舶においては、前記アンカーは、バラスト水を出し入れ可能とされたタンクを備え、該タンク内に気体を供給する気体供給手段が設けられていることが好ましい。
[0015]
 アンカーは、バラスト水を出し入れ可能とされたタンクを備え、このタンク内に空気等の気体を供給する気体供給手段を設けることとした。これにより、アンカーの重量および浮力を調整することができる。アンカーの巻上の際には、タンク内のバラスト水を排出とともに気体をタンク内に供給することで、アンカーの重量を減じるとともに浮力を与える。これにより、アンカーを巻き上げるウィンチの負荷を減らすことができ、ウィンチの必要容量を小さくすることができるとともに、係留索の本数を減らすことができる。
[0016]
 また、本発明の第2の態様にかかる洋上風車設置方法は、タワー、ナセル及び風車翼が組み立てられた風車、及び/又は、下端が海底に固定されるとともに上端に風車が固定される基礎をデッキ上に搭載し、風車設置海域まで自航または曳航し、前記デッキ上に設けられたクレーンによって前記風車または前記基礎を吊り上げて洋上の目標設置位置に設置する洋上風車設置用船舶を用いた洋上風車設置方法であって、前記洋上風車設置用船舶は、小水線面積双胴船とされるとともに、アンカー、該アンカーを船底側と海底との間で移動可能とするウィンチ、及び該アンカーと船体との間に所定の張力を与える係留索を備えた緊張係留式プラットフォームとされていることを特徴とする。
[0017]
 本発明の第2の態様にかかる洋上風車設置方法は、タワー、ナセル及び風車翼が組み立てられた風車、及び/又は、基礎をそのまま風車設置海域まで運搬し設置するいわゆる風車一体設置を行う。したがって、風車の設置海域における組み立て作業を省略することができる。
 また、デッキ上に設けたクレーンによって風車や基礎を吊り上げることとしたので、クレーンの他に大きな装備品を設ける必要がなくなる。これにより、広いデッキスペースを確保することができる。
 また、水線面積を最小限とした双胴船である小水線面積双胴船すなわちSWATH(Small Waterplane Area Twin Hull)船とされているので、波浪による船体の動揺を低減することができる。加えて、アンカー、ウィンチ及び係留索を備えた緊張係留式プラットフォーム(TLP;Tension Leg Platform)とされているので、さらに船体の動揺を低減することができる。このように、SWATHとTLPとの組み合わせにより船体の動揺を大幅に低減することができるので、ジャッキアップ船のようにジャッキアップによる足場固定作業を省略することができ、風車や基礎の設置作業時間を短縮できる。また、ジャッキアップを用いないので、ジャッキアップ作業限界波高よりも厳しい海象条件下でも設置作業が可能となり、海象によるダウンタイム削減が可能となる。
 なお、スラスタを用いたDPS(Dynamic
Positioning System)によって船体の位置および姿勢を更に安定化することとしても良い。
[0018]
 さらに、本発明の第2の態様にかかる洋上風車設置方法では、前記アンカーは、バラスト水を出し入れ可能とされたタンクを備え、該タンク内に気体を供給する気体供給手段が設けられ、前記アンカーの巻上の際には、前記タンク内のバラスト水を排出とともに気体を該タンク内に供給することが好ましい。
[0019]
 アンカーは、バラスト水を出し入れ可能とされたタンクを備え、このタンク内に空気等の気体を供給する気体供給手段を設けることとした。これにより、アンカーの重量および浮力を調整することができる。そして、アンカーの巻上の際には、タンク内のバラスト水を排出とともに気体をタンク内に供給することで、アンカーの重量を減じるとともに浮力を与える。これにより、アンカーを巻き上げるウィンチの負荷を減らすことができ、ウィンチの必要容量を小さくすることができるとともに、係留索の本数を減らすことができる。

発明の効果

[0020]
 本発明の洋上風車設置用船舶によれば、タワー、ナセル及び風車翼が組み立てられた風車や基礎をそのまま風車設置海域まで運搬し設置するいわゆる風車一体設置を行うので、風車の設置海域における組み立て作業を省略することができる。
 また、デッキ上に設けたクレーンによって風車や基礎を吊り上げることとしたので、クレーンの他に大きな装備品を設ける必要がなくなる。これにより、広いデッキスペースを確保することができる。
 また、小水線面積双胴(SWATH)船と緊張係留式プラットフォーム(TLP)との組み合わせにより船体の動揺を大幅に低減することができるので、ジャッキアップ船のようにジャッキアップによる足場固定作業を省略することができ、風車や基礎の設置作業時間を短縮できる。また、ジャッキアップを用いないので、ジャッキアップ作業限界波高よりも厳しい海象条件下でも設置作業が可能となり、海象によるダウンタイム削減が可能となる。

図面の簡単な説明

[0021]
[図1] 本発明の第1実施形態にかかる洋上風車設置用船舶を示した斜視図である。
[図2] 本発明の第2実施形態にかかる洋上風車設置用船舶を示した斜視図である。
[図3] 図2の洋上風車設置用船舶を下方から見た斜視図である。
[図4] 本発明の第3実施形態にかかる洋上風車設置用船舶を示した横断面図である。
[図5] 図4に示したアンカーを船底側からみた底面図である。

発明を実施するための形態

[0022]
 以下に、本発明にかかる実施形態について、図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
 図1には、本実施形態にかかる洋上風車設置用船舶1(以下、単に「船舶1」という。)が示されている。この船舶1は、予め組み立てられた風車をそのまま風車設置海域まで運搬し設置するいわゆる風車一体設置を行うものである。すなわち、陸側にてタワー5、ナセル7及び風車翼9を予め組み立てておき、この風車3をそのまま船舶1に積み込む。そして、設置海域まで自航または曳航船によって曳航され、図1に示すように設置海域に予め設置されている基礎10上に風車を設置する。なお、船舶1は、基礎10を陸側にてそのまま積み込み、設置海域まで運搬して所定位置に基礎10を設置する際にも使用することができる。
[0023]
 船舶1のデッキ12上には、クレーン14が設けられている。クレーン14は、風車3をデッキ12上にて移送するとともに、基礎10上に風車を設置することができる。なお、クレーン14は、陸上の岸壁からデッキ12上に風車3を積み込むことができるようになっていてもよい。
 船体の一端側には、船橋16及び居住区18が設けられている。
[0024]
 船舶1は、水線面積を最小限とした双胴船である小水線面積双胴船すなわちSWATH(Small Waterplane Area Twin Hull)船とされている。具体的には、船体の下方には船体の長手方向に延在するロワーハル20が2つ並列に設けられている。各ロワーハル20は、略鉛直方向に立設したストラット22によって船体上部24に接続されている。ロワーハル20は所定の浮力を与えるだけの大きさで水中に位置し、ロワーハル20内に海水等のバラストの出し入れによって重心を下げ所定の復原力を与える。このバラストの調整によって、喫水は、おおよそストラット22の中間位置に保たれる。
[0025]
 船体の下方には、係留索26を介して船体に接続された複数(本実施形態では6つ)のアンカー28が設けられている。船体には、係留索26を巻き上げ又は巻き下げることによってアンカー28を昇降するためのウィンチ(図示せず)が設けられている。これら、係留索26、アンカー28及びウィンチによって緊張係留式プラットフォーム(TLP;Tension Leg Platform)が構成される。すなわち、係留索26に所定の張力を与えて船体を水中側に引き込むことで、船体の垂直方向の動揺を低減する。したがって、アンカー28の総重量は、風車の設置作業中に想定される波浪による浮力増加や、船体運動、風車設置直後の載貨重量減少などが生じた場合に、海底から浮き上がらないために十分な重量を有するように設定されている。
[0026]
 係留索26には、鋼製ワイヤーロープや合成繊維索が好適に用いられる。また、係留索26は、作業中に想定される波浪による浮力増加や、船体運動、風車設置直後の載貨重量減少、初期張力の全ての荷重による緊張荷重に十分耐えうる剛性を備えた仕様とされている。ここで、初期張力とは、アンカー28を海底に着座させる際、風車設置作業中に想定される波浪振幅による浮力変動分の荷重を意味する。
[0027]
 ロワーハル20の下面には、プロペラ推進装置である複数のスラスタ30が設けられている。風車3や基礎10の設置作業時には、これらスラスタ30を制御するDPS(Dynamic Positioning System)によって、船体の位置および姿勢を更に安定的に固定することができるようになっている。
[0028]
 上述の船舶1を用いた洋上風車の設置は以下のように行われる。
 風車3を陸上の岸壁にて、船積み用の台座上で予め組立てた後、台座ごと陸上クレーンまたは船舶1のクレーン14により船舶1のデッキ12上へ積載する。
 所定台数の風車3をデッキ12上に積載した後、風車設置海域まで船舶1を自航または曳航させて輸送する。風車設置海域に到達すると、予め設置されている基礎10の近傍で停船し、ウィンチを巻き下げてアンカー28を海底へ着座させる。アンカー28を着座させる際、風車設置作業中に想定される波浪振幅による浮力変動分の荷重を初期張力として係留索26に加わるようにウィンチで張力を調整する。
 また、波浪、潮流、風など定常荷重による船体の水平移動をDPSにより制御し、船体を定位置に保持する。
 そして、デッキ12上のクレーン14によって風車3を1台丸ごと吊り上げ、基礎10上へ据付ける。
 風車3を基礎10上に設置した後に、ウィンチを巻き上げてアンカー28を海底から引き上げ、次の設置場所へ移動する。デッキ12上に搭載してある台数分の風車3を設置し終えたら、基地港へ戻り再度風車を必要台数積込み、上述の作業を繰り返す。
[0029]
 本実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
 タワー、ナセル及び風車翼が組み立てられた風車、及び/又は、基礎をそのままデッキ12上に搭載して風車設置海域まで運搬し、デッキ12上に設置したクレーン14によって洋上に風車を設置するいわゆる風車一体設置を行うこととしたので、風車設置海域における組み立て作業を省略することができる。
 また、デッキ12上に設けたクレーン14によって風車3や基礎10を吊り上げることとしたので、クレーン14の他に大きな装備品を設ける必要がなくなる。これにより、広いデッキスペースを確保することができる。
 また小水線面積双胴(SWATH)船と緊張係留式プラットフォーム(TLP)との組み合わせにより船体の動揺を大幅に低減することができるので、ジャッキアップ船のようにジャッキアップによる足場固定作業を省略することができ、風車3や基礎10の設置作業時間を短縮できる。また、ジャッキアップを用いないので、ジャッキアップ作業限界波高よりも厳しい海象条件下でも設置作業が可能となり、海象によるダウンタイム削減が可能となる。
[0030]
[第2実施形態]
 次に、本発明の第2実施形態について、図2及び図3を用いて説明する。
 本実施形態は、予め組み立てられた風車をそのまま風車設置海域まで運搬し設置するいわゆる風車一体設置を行う点、小水線面積双胴(SWATH)船、緊張係留式プラットフォーム(TLP)及びDSPを用いて船体の動揺を低減する点については同様であり、TLPに用いるアンカーの形式が異なる。したがって、第1実施形態と同様の構成については同一符号を付してその説明を省略し、第1実施形態との相違点について説明する。
[0031]
 アンカー32は、アンカー本体34と、複数のタンク36とを備えている。
 アンカー本体34は、金属製とされており、例えば図示のように船体の長手方向に延在する直方体の箱形形状とされている。
 アンカー本体34の上面には、複数のタンク36がアンカー本体34の長手方向に沿って固定されている。タンク36は、球形とされており、内部に没水式ポンプ(図示せず)が設けられている。この没水式ポンプによって、タンク36内の海水が外部へと排出され、また、外部の海水を吸い込むようになっている。また、タンク36には、図示しないが、空気供給ホースが接続されており。この空気供給ホース(気体供給手段)によって、タンク36内に空気が供給される。
[0032]
 本実施形態のアンカー32は、以下のように用いられる。
 航行中は、図3に示したように、アンカー32は、船底近傍まで引き上げられた状態とされている。この際、タンク36内の海水は満水とされている。ただし、タンク36内に空気を供給して所定の浮力を得るようにしても良い。
 風車設置海域に到達し、風車設置作業を行う場合には、係留索26を繰り出してアンカー32を海底に着座させ、風車設置作業を行う。これは、第1実施形態と同様である。
 風車設置作業が終了すると、アンカー32を引き上げる作業を行う。先ず、没水式ポンプによってタンク36内の海水を外部へと排出するとともに、タンク36内の圧力が負圧とならないように空気供給ホースによってタンク36内に空気を供給する。これにより、アンカー32の重量を減じるとともに浮力を与え、アンカー32を巻き上げるウィンチの負荷を減らすことができる。このように、本実施形態によれば、アンカー32の重量が非常に大きい場合であっても、ウィンチの必要容量を小さくすることができるとともに、係留索26の本数を減らすことができる。
 特に、船舶1に搭載する風車の台数が多く、船舶1のサイズが大きいほど効果的である。
[0033]
[第3実施形態]
 次に、本発明の第3実施形態について、図4及び図5を用いて説明する。
 本実施形態は、第2実施形態に対してアンカーの形式が異なり、その他は同様である。したがって、同一の構成については同一符号を付しその説明を省略する。
 図4に示されているように、アンカー40は、箱形形状とされたアンカー本体42を備えている。アンカー本体42は、図5に示されているように、船舶1の長手方向に延在する直方体とされている。本実施形態のアンカー本体42は、第2実施形態に示したタンクの役割も果たす。
 アンカー本体42内には、没水式ポンプ44が配置されている。没水式ポンプ44には、船舶1側から給電ケーブル46が導かれている。給電ケーブル46は、船舶1側に設置した給電ケーブル用リール48から繰り出されるとともに、巻き上げられるようになっている。
 アンカー本体42の上端には、タンク昇降ケーブル50が接続されている。タンク昇降ケーブル50は、船舶1側に設置したタンク昇降ケーブル用リール52から繰り出されるとともに、巻き上げられるようになっている。
 アンカー本体42の上端の四隅には、それぞれ、係留索26が接続されている。係留索26は、船舶1側に設置した係留索用リール54から繰り出されるとともに、巻き上げられるようになっている。この係留索用リール54によって、係留索26に加わる張力が調整される。
 アンカー本体42の上端には、アンカー本体42内に空気を供給する空気供給ホース56が接続されている。空気供給ホース56は、船舶1側に設置した空気供給ホース用リール58から繰り出されるとともに、巻き上げられるようになっている。
 なお、アンカー本体42の内部には、図示していないが、所定量の固定バラストが収容されている。
[0034]
 本実施形態のアンカー40は、以下のように用いられる。
 風車設置作業を行う際に、係留索26を繰り出してアンカー40を海底に着座させ、風車設置作業を行う。これは、上記の各実施形態と同様である。
 風車設置作業が終了すると、アンカー40を引き上げる作業を行う。先ず、アンカー本体42内の没水式ポンプ44によってアンカー本体42内の海水を外部へと排出するとともに、アンカー本体42内の圧力が負圧とならないように空気供給ホース56によってアンカー本体42内に空気を供給する。これにより、アンカー40の重量を減じるとともに浮力を与え、アンカー40を巻き上げるウィンチの負荷を減らすことができる。このように、本実施形態によれば、アンカー40の重量が非常に大きい場合であっても、ウィンチの必要容量を小さくすることができるとともに、係留索26の本数を減らすことができる。
 特に、船舶1に搭載する風車の台数が多く、船舶1のサイズが大きいほど効果的である。
 また、第2実施形態にくらべて、タンク36(図2参照)を必要としない点で、構成要素が少なく簡便な構成とすることができる。
[0035]
 なお、本実施形態のタンク式のアンカー40は、上述した第1実施形態の船舶1のアンカーとして用いることもできる。

符号の説明

[0036]
  1 船舶(洋上風車設置用船舶)
  3 風車
  5 タワー
  7 ナセル
  9 風車翼
 10 基礎
 14 クレーン
 26 係留索
 28,32,40 アンカー

請求の範囲

[請求項1]
 タワー、ナセル及び風車翼が組み立てられた風車、及び/又は、下端が海底に固定されるとともに上端に風車が固定される基礎をデッキ上に搭載し、風車設置海域まで自航または曳航し、前記デッキ上に設けられたクレーンによって前記風車または前記基礎を吊り上げて洋上の目標設置位置に設置する洋上風車設置用船舶であって、
 小水線面積双胴船とされるとともに、
 アンカー、該アンカーを船底側と海底との間で移動可能とするウィンチ、及び該アンカーと船体との間に所定の張力を与える係留索を備えた緊張係留式プラットフォームとされている洋上風車設置用船舶。
[請求項2]
 前記アンカーは、バラスト水を出し入れ可能とされたタンクを備え、
 該タンク内に気体を供給する気体供給手段が設けられている請求項1に記載の洋上風車設置用船舶。
[請求項3]
 タワー、ナセル及び風車翼が組み立てられた風車、及び/又は、下端が海底に固定されるとともに上端に風車が固定される基礎をデッキ上に搭載し、風車設置海域まで自航または曳航し、前記デッキ上に設けられたクレーンによって前記風車または前記基礎を吊り上げて洋上の目標設置位置に設置する洋上風車設置用船舶を用いた洋上風車設置方法であって、
 前記洋上風車設置用船舶は、小水線面積双胴船とされるとともに、
 アンカー、該アンカーを船底側と海底との間で移動可能とするウィンチ、及び該アンカーと船体との間に所定の張力を与える係留索を備えた緊張係留式プラットフォームとされている洋上風車設置方法。
[請求項4]
 前記アンカーは、バラスト水を出し入れ可能とされたタンクを備え、
 該タンク内に気体を供給する気体供給手段が設けられ、
 前記アンカーの巻上の際には、前記タンク内のバラスト水を排出とともに気体を該タンク内に供給する請求項3に記載の洋上風車設置方法。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]