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1. WO2012063879 - NICKEL ALLOY

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明 細 書

発明の名称 ニッケル合金

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005  

先行技術文献

特許文献

0006  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0007   0008  

課題を解決するための手段

0009   0010   0011   0012  

図面の簡単な説明

0013  

発明を実施するための形態

0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020  

実施例

0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048  

請求の範囲

1   2  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8  

明 細 書

発明の名称 : ニッケル合金

技術分野

[0001]
 本発明は、ニッケル合金に関する。

背景技術

[0002]
 従来、航空機用エンジン、発電用ガスタービン等の耐熱部材、特にタービンディスクには、ニッケル合金が用いられている。前記タービンディスク等の耐熱部材は、耐高温酸化性と共に、クリープ強度、疲労強度等の強度に優れていることが必要とされる。
[0003]
 そこで、クロムを添加することにより、耐高温酸化性を付与したニッケル合金が提案されている。前記ニッケル合金として、例えば、全量に対し、2~25質量%の範囲のCrと、19.5~55質量%の範囲のCoと、10質量%までの範囲のMoと、10質量%までの範囲のWと、3~15質量%の範囲のTiと、0.2~7質量%の範囲のAlと、0.05質量%までの範囲のCと、0.05質量%までの範囲のBと、0.5質量%までの範囲のZrと、10質量%までの範囲のTaと、2質量%までの範囲のHfと、5質量%までの範囲のNbとを含むものが知られている(特許文献1参照)。
[0004]
 また、前記ニッケル合金として、全量に対し、20~40質量%の範囲のCoと、10~15質量%の範囲のCrと、3~6質量%の範囲のMoと、0~5質量%の範囲のWと、3.4~5質量%の範囲のTiと、2.5~4質量%の範囲のAlと、0.01~0.05質量%の範囲のCと、0.01~0.05質量%の範囲のBと、0~0.1質量%の範囲のZrと、1.35~2.5質量%の範囲のTaと、0.5~1質量%の範囲のHfと、0~2質量%の範囲のNbとを含むものが知られている(特許文献2参照)。
[0005]
 さらに、前記ニッケル合金として、全量に対し、11~15質量%の範囲のCrと、14~23質量%の範囲のCoと、2.7~5質量%の範囲のMoと、0.5~3質量%の範囲のWと、3~6質量%の範囲のTiと、2~5質量%の範囲のAlと、0.015~0.1質量%の範囲のCと、0.015~0.045質量%の範囲のBと、0.015~0.15質量%の範囲のZrと、0.5~4質量%の範囲のTaと、0~2質量%の範囲のHfと、0.25~3質量%の範囲のNbとを含むものも知られている(特許文献3参照)。

先行技術文献

特許文献

[0006]
特許文献1 : 国際公開第2006/059805号
特許文献2 : 米国特許出願公開第2009/0087338号明細書
特許文献3 : 欧州特許出願公開第1195446号明細書

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0007]
 しかしながら、前記従来のニッケル合金には、Mo、Cr、WからなるTCP(Topologically close packed)相が形成され、十分なクリープ強度が得られなかったり、クリープ変形により該TCP相を基点として破壊が始まることがあるという不都合がある。
[0008]
 本発明は、かかる不都合を解消して、耐高温酸化性と共に、優れたクリープ強度を備えるニッケル合金を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0009]
 本発明者らは、従来のニッケル合金の組成について鋭意検討した結果、さらに限定された特定の組成とすることにより前記TCP相の形成を抑制することができ、耐高温酸化性と共に、優れたクリープ強度を備えるニッケル合金を得ることができることを見出した。
[0010]
 本発明のニッケル合金は、前記知見に基づいてなされたものであり、前記目的を達成するために、全量に対し、11.5~11.9質量%の範囲のCrと、25~29質量%の範囲のCoと、3.4~3.7質量%の範囲のMoと、1.9~2.1質量%の範囲のWと、3.9~4.4質量%の範囲のTiと、2.9~3.2質量%の範囲のAlと、0.02~0.03質量%の範囲のCと、0.01~0.03質量%の範囲のBと、0.04~0.06質量%の範囲のZrと、2.1~2.2質量%の範囲のTaと、0.3~0.4質量%の範囲のHfと、0.5~0.8質量%の範囲のNbと、残部Ni及び不可避的不純物とからなり、結晶粒内及び粒界に析出した炭化物及び硼化物を含むことを特徴とする。
[0011]
 本発明のニッケル合金は、前記組成を備えることにより、優れた耐高温酸化性を得ることができる。また、本発明のニッケル合金は、前記組成を備えると共に、結晶粒内及び粒界に、Mo、Cr、W、Hf、Zr、Taの炭化物及び、硼化物が析出する。本発明のニッケル合金によれば、前記炭化物及び前記硼化物が析出することにより、前記TCP相の形成を抑制して、優れたクリープ強度を得ることができる。
[0012]
 本発明のニッケル合金は、例えば、粉末冶金法により製造されるものを用いることができる。

図面の簡単な説明

[0013]
[図1] 本発明のニッケル合金のミクロ組織の一例を示す電子顕微鏡写真。
[図2] 本発明のニッケル合金の高温酸化性を示すグラフ。
[図3] 本発明のニッケル合金のクリープ強度を示すグラフ。
[図4] 本発明のニッケル合金のミクロ組織の他の例を示す電子顕微鏡写真。
[図5] 本発明のニッケル合金のミクロ組織のさらに他の例を示す電子顕微鏡写真。
[図6] 従来のニッケル合金のミクロ組織の一例を示す電子顕微鏡写真。
[図7] 従来のニッケル合金のミクロ組織の他の例を示す電子顕微鏡写真。
[図8] 従来のニッケル合金のミクロ組織のさらに他の例を示す電子顕微鏡写真。

発明を実施するための形態

[0014]
 次に、添付の図面を参照しながら本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。
[0015]
 本実施形態のニッケル合金は、粉末冶金法により製造されたものであり、全量に対し、11.5~11.9質量%の範囲のCrと、25~29質量%の範囲のCoと、3.4~3.7質量%の範囲のMoと、1.9~2.1質量%の範囲のWと、3.9~4.4質量%の範囲のTiと、2.9~3.2質量%の範囲のAlと、0.02~0.03質量%の範囲のCと、0.01~0.03質量%の範囲のBと、0.04~0.06質量%の範囲のZrと、2.1~2.2質量%の範囲のTaと、0.3~0.4質量%の範囲のHfと、0.5~0.8質量%の範囲のNbと、残部Ni及び不可避的不純物とからなる。また、本実施形態のニッケル合金は、結晶粒内及び粒界に、Mo、Cr、W、Hf、Zr、Taの炭化物及び、硼化物が析出している。
[0016]
 本実施形態のニッケル合金は、合金組成に前記範囲の量のCrと共にCoを添加することにより、優れた耐高温酸化性を得ることができる。また、本実施形態のニッケル合金は、合金組成に前記範囲の量のCoを添加することにより、Crの添加量を低減することができるので、TCP相の生成が抑えられ組織の安定性が向上する。
[0017]
 また、本実施形態のニッケル合金は、合金組成に前記範囲の量のCo及びTiを添加すると共に、前記範囲の量のMo、Wを添加することにより、前記炭化物が母相中に多量に析出する。このとき、前記炭化物は、微細化されて前記母相中に分散されるので、高温強度をさらに向上させることができる。
[0018]
 また、本実施形態のニッケル合金は、合金組成に前記範囲の量のCo及びTiを添加することにより、Mo、Wのγ’(ガンマプライム)相への固溶割合が増加する。この結果、本実施形態のニッケル合金によれば、高温強度をさらに向上させることができる。
[0019]
 本実施形態のニッケル合金は、前述のように粉末冶金法により製造されたものであるが、本発明のニッケル合金は、粉末冶金法により製造されたものに限定されることなく他の方法により製造されたものであってもよい。本発明のニッケル合金の他の製造方法として、例えば、鋳造、精錬加工法、鍛造等を挙げることができる。
[0020]
 次に、本発明の実施例及び比較例を示す。
実施例
[0021]
 〔実施例1〕
 本実施形態では、粉末冶金法により、全量に対し、11.7質量%のCrと、25.0質量%のCoと、3.4質量%のMoと、1.9質量%のWと、4.2質量%のTiと、3.2質量%のAlと、0.025質量%のCと、0.02質量%のBと、0.05質量%のZrと、2.2質量%のTaと、0.35質量%のHfと、0.8質量%のNbと、残部Ni及び不可避的不純物とからなるニッケル合金を製造した。本実施例で得られたニッケル合金の結晶構造の走査型電子顕微鏡写真(2000倍)を図1に示す。
[0022]
 図1に示すように、本実施例で得られたニッケル合金は、結晶粒内に白色の微細な炭化物及び硼化物が均一に分散して析出している。また、本実施例で得られたニッケル合金は、結晶粒界に白色の炭化物及び硼化物が析出している。しかし、本実施例で得られたニッケル合金では、TCP相は全く形成されていない。
[0023]
 次に、本実施例で得られたニッケル合金の耐高温酸化性を、850℃における等温酸化試験により測定した。結果を、時間の平方根に対する単位面積当たりの質量増(mg/cm )として図2に示す。尚、前記質量増は、850℃の温度下における酸化物の形成によるものであり、質量増が少ないほど耐高温酸化性に優れていることを示す。
[0024]
 次に、本実施例で得られたニッケル合金のクリープ強度を、ラーソン・ミラー・パラメータに対する応力負荷(MPa)の変化として測定した。結果を図3に示す。
[0025]
 ラーソン・ミラー・パラメータ(LMP)は、次式によって示される値である。
[0026]
   LMP=T(C+logt)/1000
 前記式中、Tは絶対温度(K)、tは時間(時間)、Cは金属により定まる定数である。本実施例では、C=20とした。
[0027]
 〔実施例2〕
 本実施例では、全量に対するCoの量を27.0質量%、Tiの量を4.4質量%、Nbの量を0.5質量%とした以外は、実施例1と全く同一にしてニッケル合金を製造した。本実施例で得られたニッケル合金のミクロ組織の走査型電子顕微鏡写真(2000倍)を図4に示す。
[0028]
 図4に示すように、本実施例で得られたニッケル合金は、結晶粒内に白色の微細な炭化物及び硼化物が均一に分散して析出している。また、本実施例で得られたニッケル合金は、結晶粒界に白色の炭化物及び硼化物が析出している。しかし、本実施例で得られたニッケル合金では、TCP相は全く形成されていない。
[0029]
 次に、実施例1と全く同一にして、本実施例で得られたニッケル合金の耐高温酸化性を測定した。結果を図2に示す。
[0030]
 次に、実施例1と全く同一にして、本実施例で得られたニッケル合金のクリープ強度を測定した。結果を図3に示す。
[0031]
 〔実施例3〕
 本実施例では、全量に対するCoの量を29.0質量%、Moの量を3.7質量%、Wの量を2.1質量%、Tiの量を3.9質量%、Alの量を2.9質量%、Taの量を2.1質量%、Nbの量を0.5質量%とした以外は、実施例1と全く同一にしてニッケル合金を製造した。本実施例で得られたニッケル合金のミクロ組織の走査型電子顕微鏡写真(2000倍)を図5に示す。
[0032]
 図5に示すように、本実施例で得られたニッケル合金は、結晶粒内に白色の微細な炭化物及び硼化物が均一に分散して析出している。また、本実施例で得られたニッケル合金は、結晶粒界に白色の炭化物及び硼化物が析出している。しかし、本実施例で得られたニッケル合金では、TCP相は全く形成されていない。
[0033]
 次に、実施例1と全く同一にして、本実施例で得られたニッケル合金の耐高温酸化性を測定した。結果を図2に示す。
[0034]
 次に、実施例1と全く同一にして、本実施例で得られたニッケル合金のクリープ強度を測定した。結果を図3に示す。
[0035]
 〔比較例1〕
 本比較例では、粉末冶金法により、全量に対し、16.0質量%のCrと、15.0質量%のCoと、3.0質量%のMoと、1.25質量%のWと、5.0質量%のTiと、2.5質量%のAlと、0.025質量%のCと、0.02質量%のBと、0.03質量%のZrと、残部Ni及び不可避的不純物とからなるニッケル合金を製造した。本比較例で得られたニッケル合金のミクロ組織の走査型電子顕微鏡写真(2000倍)を図6に示す。
[0036]
 図6に示すように、本比較例で得られたニッケル合金は、結晶粒内に白色の微細な炭化物及び硼化物が均一に分散して析出している。また、本比較例で得られたニッケル合金は、結晶粒界に白色の炭化物及び硼化物が析出している。さらにまた、本比較例で得られたニッケル合金では、結晶粒内に板状又は針状のTCP相が析出し、結晶粒界に灰色のTCP相が析出している。
[0037]
 次に、実施例1と全く同一にして、本比較例で得られたニッケル合金の耐高温酸化性を測定した。結果を図2に示す。
[0038]
 次に、実施例1と全く同一にして、本比較例で得られたニッケル合金のクリープ強度を測定した。結果を図3に示す。
[0039]
 〔比較例2〕
 本比較例では、粉末冶金法により、全量に対し、12.5質量%のCrと、27.0質量%のCoと、3.4質量%のMoと、1.9質量%のWと、4.4質量%のTiと、3.2質量%のAlと、0.025質量%のCと、0.02質量%のBと、0.05質量%のZrと、2.5質量%のTaと、0.35質量%のHfと、0.5質量%のNbと、残部Ni及び不可避的不純物とからなるニッケル合金を製造した。本比較例で得られたニッケル合金のミクロ組織の走査型電子顕微鏡写真(2000倍)を図7に示す。
[0040]
 図7に示すように、本比較例で得られたニッケル合金は、結晶粒内に白色の微細な炭化物及び硼化物が均一に分散して析出している。また、本比較例で得られたニッケル合金は、結晶粒界に白色の炭化物及び硼化物が析出している。さらにまた、本比較例で得られたニッケル合金では、結晶粒内に板状又は針状のTCP相が析出し、結晶粒界に灰色のTCP相が析出している。
[0041]
 次に、実施例1と全く同一にして、本比較例で得られたニッケル合金の耐高温酸化性を測定した。結果を図2に示す。
[0042]
 次に、実施例1と全く同一にして、本比較例で得られたニッケル合金のクリープ強度を測定した。結果を図3に示す。
[0043]
 〔比較例3〕
 本比較例では、全量に対するCoの量を25.0質量%、Moの量を4.5質量%、Wの量を2.1質量%とした以外は、比較例2と全く同一にしてニッケル合金を製造した。本比較例で得られたニッケル合金のミクロ組織の走査型電子顕微鏡写真(2000倍)を図8に示す。
[0044]
 図8に示すように、本比較例で得られたニッケル合金は、結晶粒内に白色の微細な炭化物及び硼化物が均一に分散して析出している。また、本比較例で得られたニッケル合金は、結晶粒界に白色の炭化物及び硼化物が析出している。さらにまた、本比較例で得られたニッケル合金では、結晶粒内に板状又は針状のTCP相が析出し、結晶粒界に灰色のTCP相が析出している。
[0045]
 次に、実施例1と全く同一にして、本比較例で得られたニッケル合金の耐高温酸化性を測定した。結果を図2に示す。
[0046]
 次に、実施例1と全く同一にして、本比較例で得られたニッケル合金のクリープ強度を測定した。結果を図3に示す。
[0047]
 実施例1~3で得られたニッケル合金は、図2に示すように、850℃の温度下、酸化物の形成による単位面積当たりの質量増が、長時間に亘って少なく、優れた耐高温酸化性を備えることが明らかである。また、実施例1~3で得られたニッケル合金は、図3に示すように、優れたクリープ強度を備えることが明らかである。
[0048]
 比較例1で得られたニッケル合金は、図2に示すように、前記単位面積当たりの質量増が大きく、実施例1~3で得られたニッケル合金に対し、耐高温酸化性に劣ることが明らかである。一方、比較例2,3で得られたニッケル合金は、図2に示すように、前記単位面積当たりの質量増は実施例1~3で得られたニッケル合金と同等であるが、図3に示すように、実施例1~3で得られたニッケル合金に対し、クリープ強度に劣ることが明らかである。

請求の範囲

[請求項1]
 全量に対し、11.5~11.9質量%の範囲のCrと、25~29質量%の範囲のCoと、3.4~3.7質量%の範囲のMoと、1.9~2.1質量%の範囲のWと、3.9~4.4質量%の範囲のTiと、2.9~3.2質量%の範囲のAlと、0.02~0.03質量%の範囲のCと、0.01~0.03質量%の範囲のBと、0.04~0.06質量%の範囲のZrと、2.1~2.2質量%の範囲のTaと、0.3~0.4質量%の範囲のHfと、0.5~0.8質量%の範囲のNbと、残部Ni及び不可避的不純物とからなり、結晶粒内及び粒界に析出した炭化物及び硼化物を含むことを特徴とするニッケル合金。
[請求項2]
 請求項1記載のニッケル合金において、粉末冶金法により製造されることを特徴とするニッケル合金。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]