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1. WO2012056753 - LOW-SILVER-CONTENT SOLDER ALLOY AND SOLDER PASTE COMPOSITION

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明 細 書

発明の名称 低銀はんだ合金およびはんだペースト組成物

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005   0006   0007   0008   0009  

先行技術文献

特許文献

0010  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0011  

課題を解決するための手段

0012   0013  

発明の効果

0014  

発明を実施するための形態

0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044  

実施例

0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12  

明 細 書

発明の名称 : 低銀はんだ合金およびはんだペースト組成物

技術分野

[0001]
 本発明は、電子機器のプリント基板などの回路基板に回路部品などをはんだ接合する際に使用される低銀はんだ合金、特に、Sn(錫)-Ag(銀)-Cu(銅)系はんだ用合金およびはんだペースト組成物に関する。

背景技術

[0002]
 従来、電気・電子機器の金属接合に使用されるはんだ合金としては、一般的にPb(鉛)を含有するはんだ合金(例えば、Snを63質量%およびPbを37質量%含有するはんだ合金)が用いられている。しかし、鉛は環境への影響が懸念されている。
[0003]
 そこで、近年、鉛を含有しないSn-Cu系合金、Sn-Ag-Cu系合金(特許文献1~3)、Sn-Bi(ビスマス)系合金、Sn-Zn(亜鉛)(特許文献4)系合金など、種々の無鉛はんだ合金が検討されている。
[0004]
 特許文献1には、Sn-Ag-Cu系合金に、Ge、Ni、P、Mn、Au、Pd、Pt、S、Bi、Sb、Inの一種または二種以上を、所定の割合で含有させたはんだボールが開示されている。特許文献1のSn-Ag-Cu系合金には、Agが1.0~4.5質量%の割合で含まれている。
[0005]
 特許文献2には、Snに、Ag、Cu、Au、Ni、In、Bi、Ge、P、Al、Zn、Sb、Feのうちの少なくとも一種を、0.001~5.0%添加した電子部品用線状はんだが開示されている。
[0006]
 特許文献3には、AgおよびCuをそれぞれ0.1~5質量%、Sb、Bi、Cd、In、Ag、Au、Ni、Ti、Zr、Hfから選択される少なくとも1種を10質量%以下、Ge、Zn、P、K、Cr、Mn、Na、V、Si、Al、Li、Mg、Caから選択される少なくとも1種を10質量%以下の割合で含み、残部がSnであるPbフリーはんだ合金が開示されている。
[0007]
 特許文献4には、Zn、Mg、Snを必須成分とし、さらにAl、Cu、Ge、Ag、Bi、In、Sb、Ni、Pの一種以上を所定量含有する無鉛はんだ合金が開示されている。
[0008]
 これらの無鉛はんだ合金の中でも、Sn-Ag-Cu系合金は、はんだ濡れ性と強度とのバランスに優れるため、実用化が進められている。しかし、Sn-Ag-Cu系合金に含有されるAgは、高価でありコストが増加するため、Sn-Ag-Cu系合金(無鉛はんだ)の普及を妨げる要因となっている。
[0009]
 そこで、Agの含有量を少なくすること考えられるが、単にAgの含有量を少なくしただけでは、耐疲労性(特に、耐冷熱疲労性)が低くなり、接続不良などの問題を引き起こす。また、Sn-Ag-Cu系合金において、さらなる強度の向上を試みると、伸びが悪くなる、融点が上昇するなどの問題が生じる。

先行技術文献

特許文献

[0010]
特許文献1 : 特開2005-103645号公報
特許文献2 : 特開2006-255762号公報
特許文献3 : 特開2008-31550号公報
特許文献4 : 特開2006-255784号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0011]
 本発明は、Agの含有量を低減させてコストを抑えるとともに、優れた伸び、融点、強度などを有し、かつ高い耐疲労性(耐冷熱疲労性)を有する長期間信頼できる低銀はんだ合金およびこの低銀はんだ合金を用いたはんだペースト組成物を提供することを目的とするものである。

課題を解決するための手段

[0012]
 本発明者は、上記の課題を解決するべく鋭意検討を行った。その結果、錫を主成分とし、複数の特定の金属を特定の割合で含有することにより、Agの含有量を低減させてコストを抑えるとともに、優れた伸び、融点、強度などを有し、かつ高い耐疲労性(耐冷熱疲労性)を有する長期間信頼できるSn-Ag-Cu系の低銀はんだ合金が得られることを見出し、本発明を完成した。
[0013]
 すなわち、本発明は、以下の構成からなる。
 (1)銀が0.05~2.0質量%、銅が1.0質量%以下、アンチモンが3.0質量%以下、ビスマスが2.0質量%以下、インジウムが4.0質量%以下、ニッケルが0.2質量%以下、ゲルマニウムが0.1質量%以下、コバルトが0.5質量%以下(但し、前記銅、アンチモン、ビスマス、インジウム、ニッケル、ゲルマニウム、およびコバルトは、それぞれ0質量%ではない)、および残部が錫からなることを特徴とする、低銀はんだ合金。
 (2)上記銀の含有量が、0.05~1.0質量%であることを特徴とする、(1)に記載の低銀はんだ合金。
 (3)前記銅の含有量が、0.01~0.9質量%であることを特徴とする、(1)または(2)に記載の低銀はんだ合金。
 (4)前記アンチモンの含有量が、0.1~3.0質量%であることを特徴とする、(1)~(3)のいずれかの項に記載の低銀はんだ合金。
 (5)前記ビスマスの含有量が、0.1~2.0質量%であることを特徴とする、(1)~(4)のいずれかの項に記載の低銀はんだ合金。
 (6)前記インジウムの含有量が、0.1~3.0質量%であることを特徴とする、(1)~(5)のいずれかの項に記載の低銀はんだ合金。
 (7)前記ニッケルの含有量が、0.001~0.2質量%であることを特徴とする、(1)~(6)のいずれかの項に記載の低銀はんだ合金。
 (8)前記ゲルマニウムの含有量が、0.001~0.1質量%であることを特徴とする、(1)~(7)のいずれかの項に記載の低銀はんだ合金。
 (9)前記コバルトの含有量が、0.001~0.5質量%であることを特徴とする、(1)~(8)のいずれかの項に記載の低銀はんだ合金。
 (10)200~250℃の融点を有する、(1)~(9)のいずれかの項に記載の低銀はんだ合金。
 (11)(1)~(10)のいずれかの項に記載の低銀はんだ合金からなるはんだ粉末およびはんだ付け用フラックスを含有することを特徴とする、はんだペースト組成物。
 (12)前記低銀はんだ合金からなるはんだ粉末と前記はんだ付け用フラックスとを、70:30~90:10の重量比で含有する、(11)に記載のはんだペースト組成物。

発明の効果

[0014]
 本発明によれば、Agの含有量を低減させてコストを抑えるとともに、優れた伸び、融点、強度などを有し、かつ高い耐疲労性(耐冷熱疲労性)を有する長期間信頼できる低銀はんだ合金およびこの低銀はんだ合金を用いたはんだペースト組成物を提供することができる。

発明を実施するための形態

[0015]
 以下、本発明の低銀はんだ合金について説明する。
[0016]
 本発明の低銀はんだ合金は、銀が0.05質量%~2.0質量%、銅が1.0質量%以下、アンチモンが3.0質量%以下、ビスマスが2.0質量%以下、インジウムが4.0質量%以下、ニッケルが0.2質量%以下、ゲルマニウムが0.1質量%以下、コバルトが0.5質量%以下(但し、前記銅、アンチモン、ビスマス、インジウム、ニッケル、ゲルマニウム、およびコバルトは、いずれも0質量%ではない)、および残部が錫からなる。
[0017]
 本発明の低銀はんだ合金は、銀を0.05~2.0質量%の割合で含有する。銀を含有させることによって、本発明の低銀はんだ合金は、はんだ濡れ性が向上してはんだ付け不良の発生が抑制される。また、銀は耐疲労性にも寄与する。銀の含有量が0.05質量%未満の場合、銅による効果(耐侵食性)を妨げ、はんだ濡れ性も悪くなる。一方、銀の含有量が2.0質量%を超える場合、銀がコバルトおよびゲルマニウムによる効果(耐疲労性)を相殺するため、耐衝撃性や耐疲労性の向上を妨げる。さらに、銀が多く含有されるほど、コストの増加を招くことになる。
[0018]
 銀は、好ましくは0.05~1.0質量%、より好ましくは0.1~1.0質量%の割合で含有される。
[0019]
 本発明の低銀はんだ合金は、銅を1.0質量%以下(0質量%を除く)の割合で含有する。銅を含有させることによって、良好な耐侵食性を有する低銀はんだ合金が得られる。銅を用いない場合(すなわち、銅の含有量が0質量%の場合)、耐侵食性が悪くなる。一方、銅の含有量が1.0質量%を超える場合、耐侵食性は付与されるものの、熱疲労特性が悪くなる。
[0020]
 銅は、好ましくは0.01~0.9質量%、より好ましくは0.1~0.9質量%の割合で含有される。
[0021]
 本発明の低銀はんだ合金は、アンチモンを3.0質量%以下(0質量%を除く)の割合で含有する。アンチモンを含有させることによって、本発明の低銀はんだ合金は、合金の耐熱性および強度が向上する。さらに、アンチモンは、錫中に固溶して強度を高めるため、合金の熱疲労特性が向上する。アンチモンを用いない場合(すなわち、アンチモンの含有量が0質量%の場合)、強度および熱疲労特性の向上が見られない。一方、アンチモンの含有量が3.0質量%を超える場合、強度および熱疲労特性が悪くなり、さらに、後述するはんだペースト組成物として用いると、はんだ濡れ性および耐疲労性に問題が生じる場合がある。
[0022]
 アンチモンは、好ましくは0.1~3.0質量%、より好ましくは0.2~3.0質量%の割合で含有される。
[0023]
 本発明の低銀はんだ合金は、ビスマスを2.0質量%以下(0質量%を除く)の割合で含有する。ビスマスを含有させることによって、本発明の低銀はんだ合金は、強度が向上する。ビスマスを用いない場合(すなわち、ビスマスの含有量が0質量%の場合)、強度が向上せず、融点が低下しない。一方、ビスマスの含有量が2.0質量%を超える場合、ビスマス金属自体の金属特性から合金が固脆くなり、強度が劣化する。
[0024]
 ビスマスは、好ましくは0.1~2.0質量%、より好ましくは0.5~2.0質量%の割合で含有される。
[0025]
 本発明の低銀はんだ合金は、インジウムを4.0質量%以下(0質量%を除く)の割合で含有する。インジウムを含有させることによって、本発明の低銀はんだ合金は、組織が微細化することにより強度が向上する。インジウムを用いない場合(すなわち、インジウムの含有量が0質量%の場合)、強度の向上が見られない。一方、インジウムの含有量が4.0質量%を超える場合、強度が悪くなる。
[0026]
 インジウムは、好ましくは0.1~3.0質量%、より好ましくは0.2~3.0質量%の割合で含有される。
[0027]
 本発明の低銀はんだ合金は、ニッケルを0.2質量%以下(0質量%を除く)の割合で含有する。ニッケルを含有させることによって、本発明の低銀はんだ合金は、結晶組織が微細化し、強度や熱疲労特性が向上する。ニッケルを用いない場合(すなわち、ニッケルの含有量が0質量%の場合)、強度や熱疲労特性の向上が見られない。一方、ニッケルの含有量が0.2質量%を超える場合、強度や熱疲労特性が悪くなる。
[0028]
 ニッケルは、好ましくは0.001~0.2質量%、より好ましくは0.001~0.1質量%の割合で含有される。
[0029]
 本発明の低銀はんだ合金は、ゲルマニウムを0.1質量%以下(0質量%を除く)の割合で含有する。ゲルマニウムを含有させることによって、本発明の低銀はんだ合金は、はんだ表面に薄い酸化物が形成され、はんだ濡れ性および耐疲労性が向上する。ゲルマニウムを用いない場合(すなわち、ゲルマニウムの含有量が0質量%の場合)、はんだ濡れ性および耐疲労性が悪くなる。さらに、コバルトとの併用による伸びの相乗効果が得られなくなる。一方、ゲルマニウムの含有量が0.1質量%を超える場合、酸化物がより多く形成され(すなわち、はんだ表面が過剰に酸化され)、はんだ濡れ性に影響を与え、強いては接合強度が劣化する。
[0030]
 ゲルマニウムは、好ましくは0.001~0.1質量%、より好ましくは0.002~0.007質量%の割合で含有される。
[0031]
 本発明の低銀はんだ合金は、コバルトを0.5質量%以下(0質量%を除く)の割合で含有する。コバルトを含有させることによって、以下の(I)および(II)により、本発明の低銀はんだ合金は、耐疲労性が向上する。
 (I)はんだ付け界面に形成されるSn-Cu、Sn-Co、Sn-Cu-Coなどの金属間化合物層が、はんだ付け面に平行に比較的厚く形成されるため、この層は熱の負荷あるいは熱変化の負荷によっても成長しにくくなる。
 (II)コバルトがはんだ中に分散析出してはんだを強化する。
[0032]
 コバルトを用いない場合(すなわち、コバルトの含有量が0質量%の場合)、耐疲労性が悪くなる。さらに、ゲルマニウムとの併用による伸びの相乗効果が得られなくなる。一方、コバルトの含有量が0.5質量%を超える場合、上記の金属間化合物層が厚くなり、また、はんだの硬度が高くなって靭性が低下し、耐疲労性が向上しない。
[0033]
 コバルトは、好ましくは0.001~0.5質量%、より好ましくは0.001~0.05質量%の割合で含有される。
[0034]
 特に、本発明の低銀はんだ合金のように、はんだ合金中でコバルトおよびゲルマニウムが共存すると、伸びが著しく大きくなり、熱応力負荷による変形に耐えることができる。そのため、本発明の低銀はんだ合金は、優れた耐疲労性を有する。このような著しい伸びは、コバルトとゲルマニウムとの併用による相乗効果であり、コバルトまたはゲルマニウムを単独で用いた場合には生じず、他の金属の添加でも生じない。また、銀の含有量が多い系にコバルトおよびゲルマニウム添加した場合にも、このような著しい伸びは生じない。
[0035]
 本発明の低銀はんだ合金に含まれるこれらの金属は、高純度のものが好ましいが、本発明の効果を阻害しない範囲であれば、微量の不純物(不可避不純物)を含んでいてもよい。さらに、これらの金属は、均一に溶解させやすい観点から、粉末状で用いることが好ましい。粉末の平均粒径は、特に限定されないが、好ましくは5~100μm、より好ましくは15~50μmである。
[0036]
 本発明の低銀はんだ合金の融点は特に限定されないが、融点が高すぎる場合、金属接合を行う際に、はんだ合金を高温で溶解する必要がある。したがって、本発明の低銀はんだ合金の融点は、好ましくは200~250℃、より好ましくは220~240℃である。
[0037]
 本発明の低銀はんだ合金は、はんだペースト接合材(はんだペースト組成物)、やに入りはんだ接合材などとして用いられる。
[0038]
 はんだペースト組成物は、上記低銀はんだ合金でなるはんだ粉末およびはんだ付け用フラックス(以下、単に「フラックス」と記載する場合がある)を含有する。
[0039]
 はんだ粉末は、好ましくは5~100μm、より好ましくは15~50μmの平均粒径を有する。粒子の形状は、特に限定されず、実質的に完全な球状、扁平なブロック状、針状、不定形など任意の形状であり、チクソトロピー性、耐サギング性などが要求されるはんだペースト組成物の性能に応じて適宜選択される。
[0040]
 フラックスは、ベース樹脂(ロジン、アクリル樹脂など)、活性剤(エチルアミン、プロピルアミンなどアミンのハロゲン化水素酸塩;乳酸、クエン酸、安息香酸などの有機カルボン酸など)、チキソトロピー剤(硬化ひまし油、蜜ロウ、カルナバワックスなど)などを主成分とし、フラックスを液状にして使用する場合には、さらに有機溶剤を含有する。
[0041]
 フラックスとしては、特に限定されず、従来使用されている公知のフラックスが用いられる。
[0042]
 はんだペースト組成物は、上記低銀はんだ合金でなるはんだ粉末とフラックスとを、好ましくは70:30~90:10の質量比で含有する。
[0043]
 やに入りはんだ接合材は、公知の方法(例えば、押出成形など)により、上記のフラックスをコアとして、上記低銀はんだ合金を線状に成形して得られる。
[0044]
 本発明によれば、Agの含有量を低減させてコストを抑えるとともに、優れた伸び、融点、強度などを有し、かつ高い耐疲労性(耐冷熱疲労性)を有する長期間信頼できる低銀はんだ合金およびこの低銀はんだ合金を用いたはんだペースト組成物を提供することができる。したがって、本発明は、電気・電子機器などの回路基板のはんだ接続に有用である。
実施例
[0045]
 以下、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に何ら限定されない。
[0046]
 (実施例1~9)
 表1に記載の各金属の粉末を、表1に記載の割合で混合した。この金属混合物を、溶解炉で溶解し均一化させて低銀はんだ合金を調製した。
[0047]
 実施例1~9で得られた低銀はんだ合金を、それぞれ公知の方法で粉末化し(粉末の粒径25~38μm)、得られたはんだ粉末88質量%と公知のフラックス12質量%とを混合し、はんだペースト組成物を得た。
[0048]
 (比較例1~31)
 上記の錫、銀、銅、アンチモン、ビスマス、インジウム、コバルト、ニッケル、およびゲルマニウムの各粉末中から、所定の金属を表1に記載の割合で用いたこと以外は、それぞれ実施例1と同様にして低銀はんだ合金を調製した。
[0049]
 比較例1~31で得られた低銀はんだ合金を、それぞれ公知の方法で粉末化し(粉末の粒径25~38μm)、得られたはんだ粉末88質量%と公知のフラックス12質量%とを混合し、はんだペースト組成物を得た。
[0050]
 各実施例および比較例で得られたはんだペースト組成物を用いて冷熱サイクル試験を行い、接合強度、バルク強度およびバルク伸びの冷熱1000サイクル後の変化を調べた。結果を表2に示す。
[0051]
 <接合強度>
 チップ部品搭載用基板に上記はんだペースト組成物を印刷後、加熱溶融(リフロー)させることにより、はんだ付けを行った。得られた基板を試験基板として接合強度の測定を行った。接合強度は、強度測定器(DAGE社製:ボンドテスターSeries 4000)を用い、20回の測定結果から平均値を算出して求めた。
[0052]
 次いで、試験基板を冷熱サイクル試験(-40℃および125℃で、それぞれ30分間保持)に供し、500サイクルおよび1000サイクル後の接合強度を測定した。
[0053]
 <バルク強度およびバルク伸び>
 バルク強度およびバルク伸びを、JIS Z 3198-2に準拠して測定した。すなわち、規定された形状の試験片(評価間φ10.0mm)を作製し、10t万能引張試験機(株式会社島津製作所製:AUTOGRAPH AG-10TB)を用いて、測定温度21℃および引張速度25mm/分(歪速度50%/分)にて測定を行った。
[0054]
 次いで、試験片を冷熱サイクル試験(-40℃および125℃で、それぞれ30分間保持)に供し、500サイクルおよび1000サイクル後のバルク強度およびバルク伸びを測定した。
[0055]
[表1]


[0056]
[表2]


[0057]
 さらに、表2に示すように、実施例1~9の低銀はんだ合金は、優れた伸びおよび強度を有し、冷熱1000サイクル後においても、高い接合強度およびバルク強度を有し、バルク伸びも大きいので、高い耐疲労性(耐冷熱疲労性)を有することがわかる。一方、比較例1~31の低銀はんだ合金は、アンチモン、ビスマス、インジウム、コバルト、ニッケル、およびゲルマニウムのいずれかの金属を含まないため、伸びおよび強度に劣り、冷熱1000サイクルに接合強度およびバルク強度が大きく低下しており、耐疲労性(耐冷熱疲労性)に劣ることがわかる。

請求の範囲

[請求項1]
 銀が0.05~2.0質量%、銅が1.0質量%以下、アンチモンが3.0質量%以下、ビスマスが2.0質量%以下、インジウムが4.0質量%以下、ニッケルが0.2質量%以下、ゲルマニウムが0.1質量%以下、コバルトが0.5質量%以下(但し、前記銅、アンチモン、ビスマス、インジウム、ニッケル、ゲルマニウム、およびコバルトは、いずれも0質量%ではない)、および残部が錫からなることを特徴とする、低銀はんだ合金。
[請求項2]
 前記銀の含有量が、0.05~1.0質量%であることを特徴とする、請求項1に記載の低銀はんだ合金。
[請求項3]
 前記銅の含有量が、0.01~0.9質量%であることを特徴とする、請求項1または2に記載の低銀はんだ合金。
[請求項4]
 前記アンチモンの含有量が、0.1~3.0質量%であることを特徴とする、請求項1~3のいずれかの項に記載の低銀はんだ合金。
[請求項5]
 前記ビスマスの含有量が、0.1~2.0質量%であることを特徴とする、請求項1~4のいずれかの項に記載の低銀はんだ合金。
[請求項6]
 前記インジウムの含有量が、0.1~3.0質量%であることを特徴とする、請求項1~5のいずれかの項に記載の低銀はんだ合金。
[請求項7]
 前記ニッケルの含有量が、0.001~0.2質量%であることを特徴とする、請求項1~6のいずれかの項に記載の低銀はんだ合金。
[請求項8]
 前記ゲルマニウムの含有量が、0.001~0.1質量%であることを特徴とする、請求項1~7のいずれかの項に記載の低銀はんだ合金。
[請求項9]
 前記コバルトの含有量が、0.001~0.5質量%であることを特徴とする、請求項1~8のいずれかの項に記載の低銀はんだ合金。
[請求項10]
 200~250℃の融点を有する、請求項1~9のいずれかの項に記載の低銀はんだ合金。
[請求項11]
 請求項1~10のいずれかの項に記載の低銀はんだ合金からなるはんだ粉末およびはんだ付け用フラックスを含有することを特徴とする、はんだペースト組成物。
[請求項12]
 前記低銀はんだ合金からなるはんだ粉末と前記はんだ付け用フラックスとを、70:30~90:10の重量比で含有する、請求項11に記載のはんだペースト組成物。