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1. WO2012056589 - PURIFICATION AGENT FOR DRINKING WATER AND USE METHOD THEREOF

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注: テキスト化された文書

明 細 書

発明の名称 飲用水用浄水剤及びその使用方法

技術分野

0001  

背景技術

0002  

発明の開示

発明が解決しようとする課題

0003  

課題を解決するための手段

0004  

発明を実施するための最良の形態

0005  

実施例

0006  

請求の範囲

1   2   3  

明 細 書

発明の名称 : 飲用水用浄水剤及びその使用方法

技術分野

[0001]
 本発明は、原水に作用して、より飲用に適した水に改質するための浄水剤及びその使用方法に関するものである。

背景技術

[0002]
 飲用に供する水には様々な種類があるが、ヒトの飲用する水道水は井戸水、河川水等を主水源とし、法律の保護の下に衛生上安全な水として供給されている。しかも、法律は、水質保持のために、蛇口から流出する水道水には一定値以上の塩素を含む、というようなことも規定する。そのため、水質の問題は解決されても、味や臭気の問題が付きまとっており、また、塩素殺菌によって、環境汚染物質のトリハロメタンが形成されるという問題もあり、これは煮沸で改善されず除去が困難である。一方、家畜が飲用する水の場合は、都市部近郊における舎飼いの場合には上水道を利用できるとしても、放牧地の場合には水源を立地条件に求めることもあって、一般的にはヒトの飲用水ほどには管理されていないのが通常である。
 ところで、ウシやブタ、ヒツジ等の家畜、ニワトリ、カモ、キジ等の家禽の品質が健康に左右されることはヒトと変わらず、家畜、家禽類の健康が餌や飲用水等にも大きく影響されるであろうことも想像に難くない。家畜、家禽類の飲用水についても、健康管理の必要上から、ウイルスやバクテリア等に対する殺菌処理が行われるが、塩素系殺菌剤はその有害性から敢えて添加しないことがある。そのために雑菌が増え、水質が良好に保たれなくなると、多くの場合、例えば、軟便傾向となり、乳牛の場合には、乳量の減少等の影響があらわれる。O157による食中毒事件は、トリハロメタンによるリスクを恐れて次亜塩素酸ナトリウムによる殺菌をやめたことが原因とされるが、一つの警鐘といえる。
 家畜、家禽類に用いる飲用水の水質改善に関する技術も提案されており、例えば、特開2008−99号は豚、牛、鶏、馬等といった家畜の腸内の大腸菌や家畜体内の脂肪を減少させ健康を改善する家畜用飲用水を提供する目的で残留塩素濃度として50~200ppmの次亜塩素酸含有水を開示する。また、特開2005−304486号は家禽類の排泄物中の環境汚染物質を削減するために、弱アルカリ性の電解生成アルカリ性水を採用する発明を開示している。しかしながら、前者の場合は残留塩素が問題となり、後者については、殺菌能力がないため別に対策を講じる必要がある。

発明の開示

発明が解決しようとする課題

[0003]
 本発明は前記の点に着目してなされたもので、その課題は、ヒトないしは家畜、家禽類用の飲用水について、飲用時における残留塩素等の有害物質の問題をなくし、一般細菌に対して抗菌性を発揮するとともに、ミネラル成分を補充することである。また、本発明の他の課題は、貯留水に藻やカビが発生するのを防止することができる飲用水用浄水剤及びその使用方法を提供することである。また、本発明の他の課題は、井戸水や河川水、雨水等を安全な飲用水として利用可能とすることができる飲用水用浄水剤及びその使用方法を提供することである。

課題を解決するための手段

[0004]
 前記の課題を解決するため、本発明は、原水に作用して、より飲用に適した水に改質するための浄水剤として、質量%で、活性炭35~45%、ゼオライト30~40%、焼成コーラルサンド20~30%の各成分を混合して成り、上記各成分の混合物は粉粒の形態を取り、その粒径よりも小さいメッシュを有する通水可能な資材を用いて形成されている入れ物に充てんして構成するという手段を講じたものである。
 本発明の飲用水用浄水剤及びその使用方法は、家畜、家禽類に用いることができるものであるが、ヒトの飲用を目的とする飲用水用浄水剤としても十分有効な能力を発揮するものである。原水は水道水のほか、井戸水或いはそれに近い水質を期待することができる、河川水、雨水等が対象として好ましいものである。
 本発明の浄水剤は、質量%で、活性炭35~45%、ゼオライト30~40%、焼成コーラルサンド20~30%の各成分を混合して成る有効成分を有する。活性炭は、カルキ即ち次亜塩素酸カルシウム或いはトリハロメタンを吸着して除去するために必要であり、ゼオライトは一般細菌に対する抗菌性のために必要であり、焼成コーラルサンドは抗菌性の付与とミネラル成分を補充するために必要である。
 本発明は、飲用水の浄化に長年関与して来た発明者が、その経験に基づいて到達したものであり、上記の成分とその比率も自身の経験から知得した知識の一つであり、これらの成分比率においてのみ、以下に説明する作用並びに効果を期待することができる。本発明はこのような認識のもとに成立しており、上記活性炭、ゼオライト、焼成コーラルサンドの3成分は、手軽に得られる井戸水、河川水、雨水等をそのまま飲用可能にするために必要不可欠な要素である。
 上記活性炭には、様々な活性炭を使用することができるが、好ましくは高級活性炭、例えばヤシガラ活性炭を原材料とする活性炭が最も適している。活性炭は、上記したカルキのほかにも、原水に含まれている粒状の有機物を吸着して水質を浄化するものであるが、脱臭、毒物に対する吸着効果も、本発明において有効に利用される。
 上記ゼオライトとしては、基材に銀を担持させたいわゆる銀ゼオライトと、基材に銅を担持させたいわゆる銅ゼオライトを設定することができる。銀ゼオライトは、一般細菌、O−157を含む大腸菌、サルモネラ菌に対して抗菌効果を発揮することが確かめられている。銅ゼオライトは、本発明者の実験において、給水器に藻やカビが付着するのを抑制する効果を認めている。銀及び銅を担持させる基材としては、活性炭を利用できる。
 上記焼成コーラルサンドは石灰化したサンゴを素材とし、これを粉砕し、かつ、焼成したものである。コーラルサンドは水中のアンモニア性窒素の除去並びにPH調整(酸性水の中性化、或いはアルカリ水の中性化)を可能にするという特徴を有しており、本発明の浄水剤にミネラル成分を補充するために不可欠であるとともに、抗菌性も付与し得る、と考えられている。
 上記各成分の混合物は粉粒の形態を取り、その粒径よりも小さいメッシュを有する通水可能な入れ物に充てんして、本発明の飲用水用浄水剤が構成されている。粉粒を充填する入れ物は、浄化対象の原水が内部を通過するメッシュを有する構造を備える必要があり、例えば、袋状のものが最適である。本発明の浄水剤は粉粒の形態を取るので、これを例えば、10グラム、100グラム、500グラム等々、一定量を不織布から成る入れ物に充填して取り扱うことになる。よって、そのまま原水中に投じることもできれば、また、入れ物から浄水剤成分のみを取り出して原水に投入することもできる。
 本発明の飲用水用浄水剤を使用する際の望ましい一つの方法は、水1リットル当たり4~10グラムの割合で、原水中に投入して原水に作用させる使用方法である(以下、この使用方法を「投与法」というものとする)。この使用方法は、例えば、家畜用給水器に導入した水の改質のために適しているといえる。しかし、災害等の非常事態において、衛生状態の確認されていない井戸の水や雨水を一時的に使用する状況、探検時のキャンプにおいて河川水を使用する状況下では勿論のこと、ヒトが日常的に使用する用途にも適している。
 また、本発明の飲用水用浄水剤は、原水1リットル当たり3~7分の速度で透過する密度で、濾過することによって原水に作用させる、という使用方法を取ることも可能である(以下、この使用方法を「濾過法」というものとする)。この使用方法は、本発明の浄水剤を透過する速度をコントロールすることで、より精密に原水を濾過する構成を取るものであり、かつ、抗菌性を発揮し、ミネラル成分を補充することができるので、ヒト用飲用水の日常的な用途にも適している。
 本発明は以上のように構成されかつ作用するものであるから、ヒト用及び家畜、家禽類用の飲用水として、残留塩素等の有害物質を除去し、一般細菌に対して抗菌性を発揮するとともに、ミネラル成分を補充し、より飲用に適した水に改質することができるという効果を奏する。また、本発明によれば、貯留水に藻やカビが発生するのを防止することができる飲用水用浄水剤を提供することである。また、本発明に係る浄水剤は投与法又は濾過法によって、井戸水や河川水、雨水等を安全な飲用水として利用可能とすることができるので、非常事態の下で、或いは、僻すうの地において、飲用水を提供するときに顕著な効果を奏することができる。

発明を実施するための最良の形態

[0005]
 以下、実施例を参照して本発明をより詳細に説明する。

実施例

[0006]
 実施例1
質量%で、椰子殻を素材とする活性炭37%、銀ゼオライト18%、銅ゼオライト6%、Mgゼオライト11%、焼成コーラルサンド28%を混合し、各成分の混合物から成る全量で300グラムの飲用水用浄水剤を得て、これを不織布より成る入れ物に充填した。これを本発明の飲用水用浄水剤Iとする。
 実施例2
質量%で、椰子殻を素材とする活性炭43%、銀ゼオライト22%、銅ゼオライト4%、Mgゼオライト9%、焼成コーラルサンド22%を混合し、各成分の混合物から成る全量で300グラムの飲用水用浄水剤を得て、これを不織布より成る入れ物に充填した。これを本発明の飲用水用浄水剤IIとする。
 実施例3の1
家畜用給水器に、50リットルの井戸水を満たし、その中に、実施例1に係る飲用水用浄水剤Iを330グラム投入し飲用水Aを得た。使用した飲用水用浄水剤Iの量は6.6g/Lである。
 実施例3の2
家畜用給水器に、50リットルの井戸水を満たし、その中に、実施例2に係る飲用水用浄水剤IIを330グラム投入し飲用水A′を得た。使用した飲用水用浄水剤IIの量は6.6g/Lである。
 実施例4の1
家畜用給水器に、500リットルの河川水を満たし、その中に、実施例1に係る飲用水用浄水剤Iを2500グラム投入し飲用水Bを得た。この場合、使用した飲用水用浄水剤Iの量は5.0g/Lである。
 実施例4の2
家畜用給水器に、500リットルの河川水を満たし、その中に、実施例2に係る飲用水用浄水剤IIを2500グラム投入し飲用水B′を得た。この場合、使用した飲用水用浄水剤IIの量は5.0g/Lである。
 実施例5の1
容積330cm の濾過槽に実施例1に係る飲用水用浄水剤I300グラムを装填し、濾過速度0.15L/minを保って、原水9リットルを濾過し飲用水Cを得た。濾過に要した時間は約60分であった。
 実施例5の2
容積330cm の濾過槽に実施例1に係る飲用水用浄水剤I320グラムを装填し、濾過速度0.30L/minを保って、原水18リットルを濾過し飲用水C′を得た。濾過に要した時間は同じく約60分であった。
 実施例6の1
容積330cm の濾過槽に実施例2に係る飲用水用浄水剤II300グラムを装填し、濾過速度0.15L/minを保って、原水9リットルを濾過し飲用水Dを得た。濾過時間は同じく約60分であった。
 実施例6の2
容積330cm の濾過槽に実施例2に係る飲用水用浄水剤II320グラムを装填し、濾過速度0.30L/minを保って、原水18リットルを濾過し飲用水D′を得た。濾過時間は同じく約60分であった。
 塩素濃度識別試験等
 投与法における上限側の数値を示す実施例3の1ないし、濾過法における上限側の数値を示す実施例6の2で得た、8種の飲用水A、A′、B、B′、C、C′、D、D′について、o−トリジン塩酸塩溶液を用いて塩素濃度を識別したところ、全てが白色またはほぼ白色であり、残留塩素濃度は0~0.1ppmの範囲という結果を得た。また、pH測定液を用いて酸、アルカリ度を試験したところ、全てがほぼ中性を示した。
 O157に対する抗菌試験
O157:H7(Escherichia coli ATCC 35150)を試験菌として、滅菌蒸留水に懸濁し(約10 CFU/ml濃度)、これを1リットル当たり3~7分の速度で下限側に近い実施例1の飲用水用浄水剤にて濾過し、濾過前、濾過後における試験菌数の経時変化を測定し、次表の結果を得た。
[表1]




表1によれば、本発明の飲用水用浄水剤はO157に対して、極めて有効な抗菌効果を奏することが分かる。
 大腸菌に対する抗菌試験
 大腸菌(Escherichia coli NBRC 3972)を試験菌とし、普通寒天培地に移植して培養後、1コロニーをブイヨン培地に接種し、培養した菌液を1/500培地を用いて1ml当たりの菌数が10 になるように希釈調整して試験菌液を調製し、121℃で15分間滅菌した試験品に上記試験菌液500mlを加え、35℃にて静置培養し、設定時間ごとに、ねじロビン中の試験菌液の生菌数を、SCDLP寒天培地を用いて測定し、次表の結果を得た。なお、初発菌数(試験開始の際の菌数)は320,000である。
[表2]


表2によれば、本発明の飲用水用浄水剤は大腸菌に対しても、極めて有効な抗菌効果を奏することが分かる。
 サルモネラ菌に対する抗菌試験
サルモネラ(Salmonella enteritidis NBRC 3313)を試験菌とし、普通寒天培地に移植して培養後、1コロニーをブイヨン培地に接種し、培養した菌液を1/500培地を用いて1ml当たりの菌数が10 になるように希釈調整し、121℃で15分間滅菌した試験品に上記試験菌液500mlを加え、35℃にて静置培養し、設定時間ごとに、試験菌液の生菌数を、SCDLP寒天培地を用いて測定し、次表の結果を得た。なお、初発菌数は420,000である。
[表3]


表3によれは、本発明の飲用水用浄水剤はサルモネラ菌に対しても、極めて有効な抗菌効果を奏することが分かる。
 トリハロメタンの吸着試験
公的研究機関*において、同所保管のタンク水1リットルをガラス瓶に取り、これに試験品12グラムを入れ、上記ガラス瓶を密栓し、良く振り混ぜ、室温にて1時間放置後、採取した水を調製水とし、トリハロメタン量を測定したところ、次表の結果を得た(*社団法人東京食品技術研究所)。
[表4]


表4によれば、本発明を使用して調製した水のトリハロメタン量は、0.001未満とされているが、これは測定限界の意味であり実質的にはゼロであるといって良い。
 上記の試験は、本発明の範囲の全てを網羅するものではない。しかしながら、実施例1或いは実施例4の1は本発明の成分比率の下限側であり、これらを試験品としていることから、成分比率の上限側についても同様であり、より高い有効性を得られるであろうことは容易に推測される。なお、試験結果を入手できなかったため掲載してはいないが、本発明に係る浄水剤は、一般細菌に対しても相当有効な抗菌効果を奏するであろうことは、上記の抗菌試験結果からみて容易に推測できることである。
 本発明によれば、水道水をいわゆるおいしい水に改質することができ、かつまた、井戸水や河川水、雨水等を安全な飲用水として利用可能に改質することができる。このため、本発明の浄水剤を使用して浄化した水はお茶やコーヒーの味と香りをより引き立て、調理品についても同様の効果が得られる。他方、これを畜産用として用いたときは、飲み水量の増加ないし搾乳量の増加が得られ、飲水器に付着する藻類が減少し、また、家畜の軟便傾向が減少する。
 また、経済的にも優れており、ヒト用の一般的使用形態、例えば1日当たり20リットルの使用では、0.8~1.6円/リットル程度の費用を計上すれば良い(但し、価格は飲用水用浄水剤のみである。)。畜産用もほぼ同様で、50リットル容器に330グラムの飲用水用浄水剤を投入した飲用水を10頭の牛が消費する使用形態では、0.8~1.6円/頭・日であるから、これまで沢の水を引いただけの場合に比較しても、本発明を適用するために必要な新規投資額は過大ではなく僅かであり、その効果を考慮すれば有益性が非常に高い。

請求の範囲

[請求項1]
原水に作用して、より飲用に適した水に改質するための浄水剤であって、
質量%で、活性炭35~45%、ゼオライト30~40%、焼成コーラルサンド20~30%の各成分を混合して成り、上記各成分の混合物は粉粒の形態を取り、その粒径よりも小さいメッシュを有する通水可能な資材を用いて形成されている入れ物に充てんして構成された飲用水用浄水剤。
[請求項2]
請求項1記載の飲用水用浄水剤は、水1リットル当たり4~10グラムの割合で、原水中に投入して原水に作用する飲用水用浄水剤の使用方法。
[請求項3]
請求項1記載の飲用水用浄水剤は、原水が1リットル当たり3~7分の速度で透過する密度で、濾過することによって原水に作用させる飲用水用浄水剤の使用方法。