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1. WO2011037043 - INTERNAL COMBUSTION ENGINE CONTROL DEVICE

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明 細 書

発明の名称 内燃機関の制御装置

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004  

先行技術文献

特許文献

0005  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0006   0007   0008  

課題を解決するための手段

0009   0010   0011   0012   0013  

発明の効果

0014   0015   0016   0017   0018  

図面の簡単な説明

0019  

発明を実施するための形態

0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058  

産業上の利用可能性

0059  

請求の範囲

1   2   3   4   5  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8  

明 細 書

発明の名称 : 内燃機関の制御装置

技術分野

[0001]
 本発明は、内燃機関の制御装置に関し、特に、吸気通路に配置されたスロットルバルブを迂回するバイパス通路にアイドル回転数制御バルブを備える内燃機関の制御装置に関する。

背景技術

[0002]
 近年、吸気通路に配置されたスロットルバルブの上流側と下流側とを連通するバイパス通路にアイドル回転数制御バルブを備える内燃機関が実用化されている。かかる内燃機関では、内燃機関の始動時やアイドル運転時等、スロットルバルブが全閉位置付近にあるときに、制御装置が、ステッピングモータを駆動することによってアイドル回転数制御バルブを開閉駆動することにより、内燃機関のアイドル回転数を調整する構成が提案されている。
[0003]
 このようにステッピングモータを利用してアイドル回転数制御バルブを駆動する構成においては、ステッピングモータの巻線がモータハウジングに接触して回路が途中でアースされるなどした場合には、駆動回路のスイッチング回路内に不要な大電流が流れてスイッチング回路の機能に影響を与える可能性も考えられる。
[0004]
 特許文献1は、ステッピングモータに流れる電流を監視し、電流値が所定の閾値以下になった場合に、ステッピングモータの駆動を停止するステッピングモータの駆動回路を開示する。

先行技術文献

特許文献

[0005]
特許文献1 : 特開昭62-123989号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0006]
 しかしながら、本発明者の検討によれば、特許文献1に開示される構成において、アイドル回転数制御バルブにおける機械的な位相と電気的な位相とを整合させるべく、例えば、アイドル回転数制御バルブを、それがストッパに突き当たる位置である最大駆動位置まで駆動した場合、アイドル回転数制御バルブがストッパで微少ではあるが跳ね返されて、ステッピングモータが逆方向に回転し、逆方向に誘導起電流が発生する場合が考えられる。
[0007]
 このような誘導起電流が生じると、見かけ上でステッピングモータを流れる電流が減少してしまうから、単に、ステッピングモータに流れる電流を監視して、電流値が所定の閾値以下になった場合に、ステッピングモータの駆動を停止する構成であると、ステッピングモータ自体には何等異常はないにも関わらず、不要にステッピングモータの駆動が停止されてしまうことになって、改良の余地があるものと考えられる。
[0008]
 本発明は、以上の検討を経てなされたものであり、ステッピングモータを流れる電流異常をより正確に検出可能であって、不要にステッピングモータの駆動が停止されてしまうことを防止し得る内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0009]
 以上の目的を達成すべく、本発明は、内燃機関の吸気通路に配置されたスロットルバルブと、前記吸気通路に連通されて前記スロットルバルブを迂回するバイパス通路と、前記バイパス通路を流れる空気流量を調整することにより前記内燃機関のアイドル回転数を制御するアイドル回転数制御バルブと、前記アイドル回転数制御バルブを駆動するステッピングモータと、前記内燃機関全体の動作を制御するマイクロコンピュータと、を備える内燃機関の制御装置であって、前記マイクロコンピュータから入力される制御信号に応じて前記ステッピングモータをステップ駆動する駆動部と、前記駆動部を介して前記ステッピングモータに流れる電流を検出する電流検出部と、前記電流検出部により検出された電流値と所定の閾値とを比較し、前記電流値が所定の閾値以下である場合に電流異常信号を出力する電流異常検出部と、前記電流異常検出部から前記電流異常信号が所定時間以上継続して出力されているか否かを判別し、前記電流異常信号が所定時間以上継続して出力されている場合には電流異常信号を出力すると共に、前記電流異常信号が所定時間未満継続して出力された場合には電流異常信号を出力しない出力電流異常信号保持部と、を更に備え、前記マイクロコンピュータは、前記電流異常信号保持部から前記電流異常信号が入力されるのに応じて、前記駆動部への制御信号の出力を停止することを第1の特徴とする。
[0010]
 また本発明は、かかる第1の特徴に加えて、前記所定時間は、前記マイクロコンピュータから前記駆動部に入力される前記制御信号がハイレベルである時間に相当することを第2の特徴とする。
[0011]
 また本発明は、かかる第1又は第2の特徴に加えて、前記所定時間の計時開始時点と、前記マイクロコンピュータから前記駆動部に入力される前記制御信号の入力時点と、が略同じ時点であることを第3の特徴とする。
[0012]
 また本発明は、かかる第1から第3のいずれかの特徴に加えて、更に、前記電流検出部と前記電流異常検出部との間に、前記電流検出部の出力信号に重畳されているノイズを除去するノイズ除去部を備えることを第4の特徴とする。
[0013]
 また本発明は、かかる第1から第4のいずれかの特徴に加えて、少なくとも前記電流検出部、前記電流異常検出部及び前記電流異常信号保持部は、同一の集積回路内に配置され、前記集積回路と前記マイクロコンピュータとが、同一のパッケージ内に配置されていることを第5の特徴とする。

発明の効果

[0014]
 本発明の第1の特徴によれば、電流検出部により検出された電流値と所定の閾値とを比較し、電流値が所定の閾値以下である場合に電流異常信号を出力する電流異常検出部から、電流異常信号が所定時間以上継続して出力されているか否かを判別し、電流異常信号が所定時間以上継続して出力されている場合には電流異常信号を出力すると共に、電流異常信号が所定時間未満継続して出力された場合には電流異常信号を出力しない出力電流異常信号保持部を備え、マイクロコンピュータが、電流異常信号保持部から電流異常信号が入力されるのに応じて、駆動部への制御信号の出力を停止することにより、ステッピングモータを流れる電流異常をより正確に検出可能であって、不要にステッピングモータの駆動が停止されてしまうことを防止し得る内燃機関の制御装置を提供することができる。
[0015]
 本発明の第2の特徴によれば、所定時間が、マイクロコンピュータから駆動部に入力される制御信号がハイレベルである時間に相当するものであるため、ステッピングモータが通電されて各励磁相で駆動される単位励磁時間以上にわたって、ステッピングモータを流れる電流が所定値以下となるような減少状態を示した場合に限り、その電流が異常であるとして、ステッピングモータの駆動を停止することができるものであり、ステッピングモータを流れる電流が異常であるという必要な場合にのみ、ステッピングモータの駆動を確実に停止することができる。
[0016]
 本発明の第3の特徴によれば、所定時間の計時開始時点と、マイクロコンピュータから駆動部に入力される制御信号の入力時点と、が、略同じ時点であるものとして設定されているため、ステッピングモータを流れる電流が所定値以下となるような減少状態を示す時間を正確に測定することができ、不要にステッピングモータの駆動が停止されてしまうことを防止することができる。
[0017]
 本発明の第4の特徴によれば、電流検出部と電流異常検出部との間に、電流検出部の出力信号に重畳されているノイズを除去するノイズ除去部を備えることにより、より正確にステッピングモータを流れる電流を検出することができ、不要にステッピングモータの駆動が停止されてしまうことを防止することができる。
[0018]
 本発明の第5の特徴によれば、いわゆるカスタムIC化するに好適な、少なくとも電流検出部、電流異常検出部及び電流異常信号保持部を、同一の集積回路内に配置してカスタムIC化する一方で、各車種等を通じて汎用化することが好ましいECU等のマイクロコンピュータを可能な限り汎用化して、これらを同一のパッケージ内に配置することにより、コンパクトな構成で、汎用性も確保しながら、必要な機能を盛り込んだ内燃機関の制御装置を提供することができる。

図面の簡単な説明

[0019]
[図1] 本発明の実施形態における内燃機関の全体構成を示す模式的断面図である。
[図2] 本実施形態におけるアイドル回転数制御バルブ及びステッピングモータの構成を示す部分断面図である。
[図3] 本実施形態におけるアイドル回転数制御バルブの駆動回路の構成を示す回路図である。
[図4] 図3に示すコンパレータの変形例を示す回路図である。
[図5] 本実施形態におけるマイクロコンピュータと集積回路とが、同一パッケージ内に配置されて積層された構成を示す断面図である。
[図6] 本実施形態における電流異常検出処理の流れを示すフローチャートである。
[図7] 本実施形態における電流異常検出処理のタイムチャートであって、正常時の処理を示す。
[図8] 本実施形態における電流異常検出処理のタイムチャートであって、異常時の処理をも示す。

発明を実施するための形態

[0020]
 以下、図面を参照して、本発明の実施形態となる内燃機関の構成について説明する。
〔全体構成〕
 まず、本実施形態における内燃機関の全体構成につき、図1を参照して、詳細に説明する。
[0021]
 図1は、本実施形態における内燃機関の全体構成を示す模式的断面図である。
[0022]
 図1に示すように、本実施形態の内燃機関1は、冷却水流路10aを有するシリンダブロック10を備え、冷却水流路10aには、その内部を流れる冷却水の温度を検出すクーラント温度センサCSが設けられる。シリンダブロック10の内方には、ピストン12が配置され、ピストン12は、シリンダブロック10の下部に組み付けられたクランクケース10bの内方に配置されたクランク軸14に接続されて、内燃機関1の始動時にイグニッションスイッチSW及び駆動回路DMを介して電源BATからの電力の供給を受けるスタータモータ16によって回転駆動される。クランク軸14には、タイミングロータ14aが設けられ、タイミングロータ14aの近傍には、クランク軸14の回転角を検出するクランク角センサ18が設けられている。
[0023]
 シリンダブロック10の上部には、シリンダヘッド20が組み付けられている。シリンダブロック10の内壁と、ピストン12の上面と、シリンダヘッド18の内壁とで、燃焼室10cが画成される。シリンダヘッド20には、燃焼室10cに各々連通した吸気通路20a及び排気通路20bが形成されて、吸気通路20aに連通した吸気通路22aを有する吸気管22及び排気通路20bに連通した排気通路24aを有する排気管24が各々組み付けられている。
[0024]
 シリンダブロック10には、燃焼室10c内の燃料混合気に点火する点火プラグ26、吸気通路20a及び22aを開閉自在な吸気バルブ28及び排気通路20b及び24aを開閉自在な排気バルブ30が、設けられている。
[0025]
 吸気管22には、吸気バルブ28の近傍で吸気通路20a及び22a内に駆動回路DIを介して燃料を噴射するインジェクタ32が設けられ、インジェクタ32の上流側には、スロットルバルブ34が設けられている。また、吸気管22には、スロットルバルブ34の上流側には、外気に連通したエアクリーナ36が設けられており、インジェクタ32とスロットルバルブ34との間に、吸気圧を検出する吸気圧センサPSが設けられ、スロットルバルブ34とエアクリーナ36との間に、吸気の温度を検出する吸気温センサTSが設けられる。
[0026]
 また、吸気管22には、スロットルバルブ34を迂回して、スロットルバルブ34の上流側と下流側とを連通するバイパス通路38が設けられ、更に、ステッピングモータ40で駆動されてバイパス通路38を開閉自在なアイドル回転数制御バルブ50が設けられる。
[0027]
 一方で、排気管24には、排気通路24a内に触媒コンバータCTが設けられる。
[0028]
 更に、内燃機関1は、更にECU(Electronic Control Unit)100を備え、ECU100は、電源BATからの電力の供給を受けて、クランク角センサ18、クーラント温度センサCS、吸気圧センサPS及び吸気温センサTS等の各種センサの検出出力値を用い、ステッピングモータ40、並びに駆動回路DI及びDM等を介して、内燃機関1全体の制御を実行する。
〔ステッピングモータ及びアイドル回転数制御バルブの構成〕
 次に、ステッピングモータ40及びアイドル回転数制御バルブ50の構成につき、更に図2をも参照して、詳細に説明する。
[0029]
 図2は、本実施形態におけるアイドル回転数制御バルブ及びステッピングモータの構成を示す部分断面図である。
[0030]
 図2に示すように、ステッピングモータ40は、ステータ40a及び40bと、ステータ40a及び40bへの通電に伴い回転駆動されるロータ42と、ロータ42の回転に応じてアイドル回転数制御バルブ50を移動させるロッド部材44と、を備える。
[0031]
 アイドル回転数制御バルブ50は、吸気管22のバイパス通路38を開閉自在な開閉部材52と、ステッピングモータ40のロッド部材44に固設された従動部材54と、開閉部材52と従動部材54とを弾性的に接続するバネ部材56と、を備える。
[0032]
 以上の構成において、ステッピングモータ40のロッド部材44が図中の下方に移動することに伴い、アイドル回転数制御バルブ50の開閉部材52が図中の下方に移動されて、その下面52aが、吸気管22のバイパス通路38の内面に設けられたストッパ面38aに当接して突き当てるまで、バイパス通路38を横切るように移動自在である。また、このように、アイドル回転数制御バルブ50の開閉部材52の下面52aが、吸気管22のバイパス通路38の内面に設けられたストッパ面38aに当接して突き当てられた状態で、アイドル回転数制御バルブ50の開閉部材52の位置、つまりステッピングモータ40のロッド部材44における機械的位置と、それに対応する電気信号と、の間の整合が図られるものである。
〔電流異常検出回路の構成〕
 次に、ステッピングモータ40を駆動するステッピングモータ駆動回路の構成につき、更に図3をも参照して、詳細に説明する。
[0033]
 図3は、本実施形態におけるアイドル回転数制御バルブの駆動回路の構成を示す回路図である。
[0034]
 図3に示すように、ステッピングモータ駆動回路102は、マイクロコンピュータであるECU100からの制御信号に応じてオン/オフ制御されるスイッチング素子群104及び106を備え、スイッチング素子群104は、ステッピングモータ40のステータ40aを2相励磁する一方で、スイッチング素子群106は、スイッチング素子群104の励磁に対して相を異ならせながらステッピングモータ40のステータ40bを2相励磁する。更に、ステッピングモータ駆動回路102は、スイッチング素子群104に接続される抵抗素子R1と、スイッチング素子群106に接続される抵抗素子R2と、スイッチング素子群104及び抵抗素子R1に接続されるコンパレータ108と、スイッチング素子群106及び抵抗素子R2に接続されるコンパレータ110と、スイッチング素子群104及び106並びにコンパレータ108及び110に接続されるデジタルフィルタ112と、を備える。
[0035]
 詳しくは、コンパレータ108において、非反転入力端子は抵抗素子R1の高電位側に接続され、反転入力端子は基準電圧源に接続されている。また、コンパレータ110の非反転入力端子は抵抗素子R2の高電位側に接続され、反転入力端子は基準電圧源に接続されている。かかるコンパレータ108及び110は、対応する抵抗素子R1及びR2に印加される電圧値が所定値以下である場合、すなわちステッピングモータ40のステータ40a及び40bの各励磁相において流れる電流値が所定値以下である場合に、デジタルフィルタ112に電流異常信号を出力する。
[0036]
 デジタルフィルタ112は、ECU100からステッピングモータ駆動回路102のスイッチング素子群104及び106にハイレベルの制御信号が入力されて、ステッピングモータ40への通電が開始される毎に、すなわちハイレベルの制御信号に応じてステッピングモータ40のステータ40a及び40bに通電がなされて、対応する励磁相で順次励磁が開始される毎に、計時動作を開始すると共に、コンパレータ108及び110からの電流異常信号が、ステッピングモータ40のステータ40a及び40bを対応する励磁相で順次励磁すべくステッピングモータ40に通電される単位時間よりも長い所定時間、すなわちECU100からステッピングモータ駆動回路102のスイッチング素子群104及び106に入力される制御信号が各励磁相に対応してハイレベルである時間(ステップ駆動時間)よりも長い所定時間以上にわたり継続して入力された場合に、ECU100に最終的な電流異常信号を出力するものである。
[0037]
 つまり、ステッピングモータ駆動回路102は、ステッピングモータ40をステップ駆動する駆動部として機能し、抵抗素子R1及びR2は、ステッピングモータ40を流れる電流を検出する電流検出部として機能し、コンパレータ108及び110は、ステッピングモータ40を流れる電流の異常を検出する電流異常検出部として機能し、デジタルフィルタ112は、コンパレータ108及び110からの電流異常信号がステッピングモータ40の各励磁時間であるステップ駆動時間よりも短い時間で流れた場合には最終的な電流異常信号を出力せずに留保し、コンパレータ108及び110からの電流異常信号がステッピングモータ40のステップ駆動時間より長い所定時間以上継続された場合に初めて最終的な電流異常信号を出力する電流異常信号保持部として機能する。
[0038]
 以上の構成において、ECU100は、デジタルフィルタ112から電流異常信号が入力されることに応じて、ステッピングモータ駆動回路102にステッピングモータ40への駆動を停止する制御信号を送出し、かかる制御信号が入力されたステッピングモータ駆動回路102は、ステッピングモータ40のステータ40a及び40bへの通電を停止して、ステッピングモータ40の駆動を停止する。
[0039]
 なお、コンパレータ108及び110に入力される電圧信号に重畳される可能性のあるノイズ信号を除去するために、図4に示す変形例のように、コンパレータ108及び110における反転入力端子と非反転入力端子との間に、ノイズ除去用のキャパシタ素子Cを介在させて接続してもよい。
[0040]
 また、ステッピングモータ駆動回路102は、図5に示すように、ECU100とは別体の集積回路として構成され、互いに積層等されながら、同一パッケージP内に収容されてもよい。特に、ステッピングモータ40をステップ駆動する駆動部として機能するステッピングモータ駆動回路102において、ステッピングモータ40を流れる電流を検出する電流検出部として機能する抵抗素子R1及びR2、ステッピングモータ40を流れる電流の異常を検出する電流異常検出部として機能するコンパレータ108及び110、及びかかる電流異常信号がステッピングモータ40の各励磁時間であるステップ駆動時間よりも短い時間で流れた場合には最終的な電流異常信号を出力せずに留保し、電流異常信号がステッピングモータ40のステップ駆動時間より長い所定時間以上継続された場合に初めて最終的な電流異常信号を出力する電流異常信号保持部として機能するデジタルフィルタ112は、車種や仕様に応じた特殊性が高いものであるから、カスタムIC化し、一方で、マイクロコンピュータであるECU100は、できるだけ構成を汎用化してコストメリットを出すことが好適である。よって、ステッピングモータ駆動回路102における少なくともかかる機能部をカスタムICとして構成し、汎用化したECU100と共に、適宜積層して同一パッケージP内に搭載すると、必要な機能を確保しながら、低コスト化が図られると共に、構成もコンパクト化される。
〔電流異常検出処理〕
 次に、ステッピングモータ駆動回路102を用いた電流異常検出処理の流れについて、更に図6及び図7をも参照して、詳細に説明する。なお、かかる電流異常検出処理は、ECU100とステッピングモータ駆動回路102とが、協働して実行する処理である。
[0041]
 図6は、本実施形態における電流異常検出処理の流れを示すフローチャートである。図7は、本実施形態における電流異常検出処理のタイムチャートであって、正常時の処理を示す。また、図8は、本実施形態における電流異常検出処理のタイムチャートであって、異常時の処理を示し、図7に対して、ステッピングモータ40のステータ40a及び40bを流れる電流、つまりステッピングモータ駆動回路102のスイッチング素子群104及び106を流れる電流を抵抗素子R1及びR2を介して検出した検出電流が、ステッピングモータ40の駆動の途中で0になることが相違している。なお、図7及び図8では、横軸は、時間tを示し、縦軸は、各信号に関しては電圧値、電流に関しては電流値、及びカウント値に関してはその値を、それぞれ対応して示す。
[0042]
 図6に示すように、本実施形態における電流異常検出処理は、イグニッションスイッチSWがオンされて内燃機関1が始動され、ステッピングモータ40における機械的な位相と電気的な位相とを整合させるタイミングに対応して開始されて、ステップS1の処理に進む。
[0043]
 ステップS1では、ECU100からステッピングモータ駆動回路102に対して、スイッチング素子群104及び106を所定のオン/オフ動作させる制御信号(図7のA及び図8のAに示す制御信号)が入力されることにより、ステッピングモータ40に対して通電がなされて、ステッピングモータ40のステータ40a及び40bが対応する励磁相で順次励磁され始める。よって、ステッピングモータ40はステップ駆動を開始されて、ステッピングモータ40のロッド部材44が移動を開始し、これに伴って、アイドル回転数制御バルブ50の開閉部材52がバイパス通路38を横切るように移動を開始する。そして、アイドル回転数制御バルブ50の開閉部材52は、その下面52aが、吸気管22のバイパス通路38の内面に設けられたストッパ面38aに当接するまで移動を継続していく。これにより、ステップS1の処理は完了し、電流異常検出処理は次のステップS2に進む。
[0044]
 ステップS2では、デジタルフィルタ112が、ステッピングモータ40への通電が開始される時刻、つまりECU100からステッピングモータ駆動回路102に対してステッピングモータ40への通電を開始するための制御信号がハイレベルに切り替わる時刻を起点として、その時点からの経過時間を計測するためのカウンタを始動させる。これにより、ステップS2の処理は完了し、電流異常検出処理は次のステップS3に進む。
[0045]
 ここで、より詳しくは、ステップS2では、図7のA及び図8のAに示すように、時刻T1及びT3で、ECU100からステッピングモータ駆動回路102への制御信号が、ハイレベルに切り替えられているから、デジタルフィルタ112のカウンタがカウントを開始し得る時刻は、時刻T1等であるが、図7のD及び図8のDにおいては、説明の便宜上、時刻T1からカウントを開始するものとしている。そして、この際、アイドル回転数制御バルブ50の開閉部材52は移動され続けているから、その下面52aが、吸気管22のバイパス通路38の内面に設けられたストッパ面38aに当接するようになり、ステッピングモータ40のステータ40a及び40bを流れる電流値が減少して、ステッピングモータ駆動回路102のコンパレータ108及び110からデジタルフィルタ112に電流異常信号が入力され得る位置に到達していく。
[0046]
 そして、実際に、アイドル回転数制御バルブ50の開閉部材52の下面52aが、吸気管22のバイパス通路38の内面に設けられたストッパ面38aに当接した場合には、図7のB及び図8のBにおいて矢印aで示すように、ステッピングモータ40のステータ40a及び40bを流れる電流値が所定の閾値以下に減少する。よって、図7のCにおける時刻t1及び時刻t2、並びに図8のCにおける時刻t1で示すように、ステッピングモータ駆動回路102のコンパレータ108及び110からデジタルフィルタ112にハイレベルの電流異常信号が入力されてくる。なお、図7のC及び図8のCにおけるコンパレータの電流異常信号は、ステッピングモータ40の駆動時におけるものを代表的に示す。
[0047]
 更に、図8のBに示す時刻t3において、ステッピングモータ駆動回路102のスイッチング素子群104及び106に動作不能状態等が発生した場合にも、ステッピングモータ40のステータ40a及び40bを流れる電流値が所定の閾値以下に減少するから、図8のCにおける時刻t1に加えて時刻t3示すように、ステッピングモータ駆動回路102のコンパレータ108及び110からデジタルフィルタ112にハイレベルの電流異常信号が入力されてくることになる。
[0048]
 ステップS3では、デジタルフィルタ112が、コンパレータ108及び110から入力される電流異常信号及びデジタルフィルタ112のカウンタのカウント値を参照して、電流異常信号が所定の閾値以下である状態が所定時間以上継続しているか否かを判別する。ここで、かかる所定時間とは、ステッピングモータ40を通電させるためにECU100から出力されステッピングモータ駆動回路102に入力される制御信号がハイレベルとなっている時間、つまり図7のAや図8のAに示す時刻T1から時刻T2までの時間や時刻T3から時刻T4までの時間よりも長い予め設定された時間であり、その経過時点を図8のDにおいて時刻t4で示す。例えば、かかる制御信号のハイレベルの時間を5msとすれば、所定時間は8msに設定することができる。判別の結果、コンパレータ108及び110からの電流異常信号の電流値が所定値以下である状態が所定時間以上継続していない場合には、電流異常検出処理はステップS4に進む。一方で、コンパレータ108及び110からの電流異常信号の電流値が所定値以下である状態が所定時間以上継続している場合には、電流異常検出処理はステップS5に進む。
[0049]
 ここで、より詳しくは、ステップS3では、電流異常信号が所定の閾値以下である状態が所定時間以上継続しているか否かを判別する際に、ECU100からステッピングモータ駆動回路102へ入力される制御信号がハイレベルからローレベルに切り替わる時刻T2において、図7のBに示すように、ステッピングモータ40のステータ40a及び40bを流れる検出電流値が所定の閾値を越えており、かつ、図7のCに示すように、コンパレータ108及び110から入力される電流異常信号がローレベルである場合には、電流異常信号が所定の閾値以下である状態が所定時間以上継続しないことが明らかであるので、電流異常信号が所定の閾値以下である状態が所定時間以上継続していない正常な状態であると判別する。一方で、かかる時刻T2において、図8のBに示すように、ステッピングモータ40のステータ40a及び40bを流れる電流値が所定の閾値未満であって、図8のCに示すように、コンパレータ108及び110から入力される電流異常信号がハイレベルになっている場合には、その状態が所定時間まで継続されるか判別し、継続される場合には、電流異常信号が所定の閾値以下の状態が所定時間以上継続した異常な状態であると判別する。なお、かかる場合で、所定時間まで継続されない場合には、電流異常検出処理はステップS4に進む。
[0050]
 電流異常信号の電流値が所定値以下の状態が所定時間以上継続していない場合におけるステップS4では、図7のDに示す時刻T2等で、デジタルフィルタ112が、そのカウンタのカウント値を0にリセットする。この際、図7のEに示すように、デジタルフィルタ112の電流異常信号は、ハイレベルに維持されたままでECU100に入力される。これにより、ステップS4の処理は完了し、電流異常検出処理は最初のステップS1に戻る。
[0051]
 一方で、電流異常信号の電流値が所定値以下の状態が所定時間以上継続している場合におけるステップS5では、図8のDに示す時刻t4で、デジタルフィルタ112が、そのカウンタのカウント値を0にリセットする。この際、図8のEに示すように、デジタルフィルタ112が、電力異常信号をローレベルに切り替えて、ECU100に出力する。これにより、ステップS5の処理は完了し、電流異常検出処理は次のステップS6に進む。
[0052]
 ステップS6では、ECU100が、図8に示す時刻t3等でステッピングモータ駆動回路102のスイッチング素子群104及び106に動作不能状態等が発生したと判断し、以降の処理におけるステッピングモータ駆動回路102への制御信号の入力を停止することによりステッピングモータ40への通電動作を禁止すると共に、図示を省略する警告ランプを点灯する等してステッピングモータ40の電流異常が発生した旨の警報を発する。これにより、ステップS6の処理は完了し、今回の一連の電流異常検出処理は終了する。
[0053]
 以上の構成によれば、電流検出部により検出された電流値と所定の閾値とを比較し、電流値が所定の閾値以下である場合に電流異常信号を出力する電流異常検出部から、電流異常信号が所定時間以上継続して出力されているか否かを判別し、電流異常信号が所定時間以上継続して出力されている場合には電流異常信号を出力すると共に、電流異常信号が所定時間未満継続して出力された場合には電流異常信号を出力しない出力電流異常信号保持部を備え、マイクロコンピュータが、電流異常信号保持部から電流異常信号が入力されるのに応じて、駆動部への制御信号の出力を停止することにより、ステッピングモータを流れる電流異常をより正確に検出可能であって、不要にステッピングモータの駆動が停止されてしまうことを防止し得る内燃機関の制御装置を提供することができる。
[0054]
 また、所定時間が、マイクロコンピュータから駆動部に入力される制御信号がハイレベルである時間に相当するものであるため、ステッピングモータが通電されて各励磁相で駆動される単位励磁時間以上にわたって、ステッピングモータを流れる電流が所定値以下となるような減少状態を示した場合に限り、その電流が異常であるとして、ステッピングモータの駆動を停止することができるものであり、ステッピングモータを流れる電流が異常であるという必要な場合にのみ、ステッピングモータの駆動を確実に停止することができる。
[0055]
 また、所定時間の計時開始時点と、マイクロコンピュータから駆動部に入力される制御信号の入力時点と、が、略同じ時点であるものとして設定されているため、ステッピングモータを流れる電流が所定値以下となるような減少状態を示す時間を正確に測定することができ、不要にステッピングモータの駆動が停止されてしまうことを防止することができる。
[0056]
 また、電流検出部と電流異常検出部との間に、電流検出部の出力信号に重畳されているノイズを除去するノイズ除去部を備えることにより、より正確にステッピングモータを流れる電流を検出することができ、不要にステッピングモータの駆動が停止されてしまうことを防止することができる。
[0057]
 また、いわゆるカスタムIC化するに好適な、少なくとも電流検出部、電流異常検出部及び電流異常信号保持部を、同一の集積回路内に配置してカスタムIC化する一方で、各車種等を通じて汎用化することが好ましいECU等のマイクロコンピュータを可能な限り汎用化して、これらを同一のパッケージ内に配置することにより、コンパクトな構成で、汎用性も確保しながら、必要な機能を盛り込んだ内燃機関の制御装置を提供することができる。
[0058]
 なお、本発明は、部材の種類、配置、個数等は前述の実施形態に限定されるものではなく、その構成要素を同等の作用効果を奏するものに適宜置換する等、発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能であることはもちろんである。

産業上の利用可能性

[0059]
 以上のように、本発明においては、ステッピングモータを流れる電流異常をより正確に検出可能であって、不要にステッピングモータの駆動が停止されてしまうことを防止し得る内燃機関の制御装置を提供することができるものであり、その汎用普遍的な性格から車両等の内燃機関に広範に適用され得るものと期待される。

請求の範囲

[請求項1]
 内燃機関の吸気通路に配置されたスロットルバルブと、前記吸気通路に連通されて前記スロットルバルブを迂回するバイパス通路と、前記バイパス通路を流れる空気流量を調整することにより前記内燃機関のアイドル回転数を制御するアイドル回転数制御バルブと、前記アイドル回転数制御バルブを駆動するステッピングモータと、前記内燃機関全体の動作を制御するマイクロコンピュータと、を備える内燃機関の制御装置であって、
 前記マイクロコンピュータから入力される制御信号に応じて前記ステッピングモータをステップ駆動する駆動部と、
 前記駆動部を介して前記ステッピングモータに流れる電流を検出する電流検出部と、
 前記電流検出部により検出された電流値と所定の閾値とを比較し、前記電流値が所定の閾値以下である場合に電流異常信号を出力する電流異常検出部と、
 前記電流異常検出部から前記電流異常信号が所定時間以上継続して出力されているか否かを判別し、前記電流異常信号が所定時間以上継続して出力されている場合には電流異常信号を出力すると共に、前記電流異常信号が所定時間未満継続して出力された場合には電流異常信号を出力しない出力電流異常信号保持部と、を更に備え、
 前記マイクロコンピュータは、前記電流異常信号保持部から前記電流異常信号が入力されるのに応じて、前記駆動部への制御信号の出力を停止することを特徴とする内燃機関の制御装置。
[請求項2]
 前記所定時間は、前記マイクロコンピュータから前記駆動部に入力される前記制御信号がハイレベルである時間に相当することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
[請求項3]
 前記所定時間の計時開始時点と、前記マイクロコンピュータから前記駆動部に入力される前記制御信号の入力時点と、が略同じ時点であることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
[請求項4]
 更に、前記電流検出部と前記電流異常検出部との間に、前記電流検出部の出力信号に重畳されているノイズを除去するノイズ除去部を備えることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
[請求項5]
 少なくとも前記電流検出部、前記電流異常検出部及び前記電流異常信号保持部は、同一の集積回路内に配置され、前記集積回路と前記マイクロコンピュータとが、同一のパッケージ内に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]