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1. WO2011024874 - BASE ADDITION SALTS

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明 細 書

発明の名称 塩基付加塩

技術分野

0001  

背景技術

0002  

先行技術文献

特許文献

0003  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0004  

課題を解決するための手段

0005   0006   0007  

図面の簡単な説明

0008  

発明を実施するための形態

0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019  

実施例

0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16   17   18   19   20   21   22   23   24   25   26  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12  

明 細 書

発明の名称 : 塩基付加塩

技術分野

[0001]
 本発明は、2-{4-[N-(5,-ジフェニルピラジン-2-イル)-N-イソプロピルアミノ]ブチルオキシ}-N-(メチルスルホニル)アセトアミド(以下、「化合物」という。)の新規な塩基付加塩に関するものである。
[化1]


背景技術

[0002]
 化合物は、優れたPGI2受容体作動作用を有し、血小板凝集抑制作用、血管拡張作用、気管支筋拡張作用、脂質沈着抑制作用、白血球活性化抑制作用等、種々の薬効を示すことが知られている(例えば、特許文献1参照)。
 具体的には、化合物は、一過性脳虚血発作(TI)、糖尿病性神経障害、糖尿病性壊疽、末梢循環障害(例えば、慢性動脈閉塞症、間欠性跛行、末梢動脈塞栓症、振動病、レイノー病)、膠原病(例えば、全身性エリテマトーデス、強皮症、混合性結合組織病、血管炎症候群)、経皮的冠動脈形成術(PTCA)後の再閉塞・再狭搾、動脈硬化症、血栓症(例えば、急性期脳血栓症、肺塞栓症)、高血圧、肺高血圧症、虚血性疾患(例えば、脳梗塞、心筋梗塞)、狭心症(例えば、安定狭心症、不安定狭心症)、糸球体腎炎、糖尿病性腎症、慢性腎不全、アレルギー、気管支喘息、潰瘍、蓐瘡(床ずれ)、アテレクトミー及びステント留置などの冠動脈インターベンション後の再狭窄、透析による血小板減少、臓器又は組織の線維化が関与する疾患[例えば、腎臓疾患(例えば、尿細管間質性腎炎)、呼吸器疾患(例えば、間質性肺炎(肺線維症)、慢性閉塞性肺疾患等)、消化器疾患(例えば、肝硬変、ウイルス性肝炎、慢性膵炎、スキルス胃癌)、心血管疾患(例えば、心筋線維症)、骨・関節疾患(例えば、骨髄線維症、関節リウマチ)、皮膚疾患(例えば、手術後の瘢痕、熱傷性瘢痕、ケロイド、肥厚性瘢痕)、産科疾患(例えば、子宮筋腫)、泌尿器疾患(例えば、前立腺肥大症)、その他の疾患(例えば、アルツハイマー病、硬化症腹膜炎、I型糖尿病、手術後臓器癒着)]、勃起不全(例えば、糖尿病性勃起不全、心因性勃起不全、精神病性勃起不全、慢性腎不全による勃起不全、前立腺摘出のための骨盤内手術後の勃起不全、加齢や動脈硬化に伴う血管性勃起不全)、炎症性腸疾患(例えば、潰瘍性大腸炎、クローン病、腸結核、虚血性大腸炎、ベーチェット病に伴う腸潰瘍)、胃炎、胃潰瘍、虚血性眼疾患(例えば、網膜動脈閉塞症、網膜静脈閉塞症、虚血性視神経症)、突発性難聴、無血管性骨壊死、非ステロイド性抗炎症剤(NSAIDs)(例えば、ジクロフェナック、メロキシカム、オキサプロジン、ナブメトン、インドメタシン、イブプロフェン、ケトプロフェン、ナプロキセン、セレコキシブ)投与に伴う腸管傷害(例えば、十二指腸、小腸、大腸で発症する傷害であれば特に制限されないが、例えば、十二指腸、小腸、大腸に生じるびらん等の粘膜傷害や潰瘍)、脊柱管狭窄症(例えば、頚部脊柱管狭窄症、胸部脊柱管狭窄症、腰部脊柱管狭窄症、広範脊柱管狭窄症、仙骨狭窄症)に伴う症状(例えば、麻痺、知覚鈍麻、疼痛、しびれ、歩行能力の低下)の予防剤又は治療剤として有用であることが知られている(例えば、特許文献1~参照)。また、化合物は、遺伝子治療又は自己骨髄細胞移植などの血管新生療法の促進剤、末梢血管再建術又は血管新生療法における血管形成促進剤としても有用であることが知られている(例えば、特許文献1参照)。
 上記の通り、化合物が各種疾患に対する治療薬等として有用であることが知られているものの、化合物の塩の存在の有無などについては記載されていない。

先行技術文献

特許文献

[0003]
特許文献1 : 国際公開第2002/04号
特許文献2 : 国際公開第2009/15
特許文献3 : 国際公開第2009/10
特許文献4 : 国際公開第2009/15424
特許文献5 : 国際公開第2009/15
特許文献6 : 国際公開第2009/15

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0004]
 本発明は、化合物の新規な塩を提供することを主目的とするものである。また、本発明は、当該塩を有効成分として含有する医薬組成物を提供することも目的とするものである。

課題を解決するための手段

[0005]
 本発明者らは、化合物のpKa及び医薬上の使用可能性を考慮し、5種の酸(塩化水素、硫酸、p-トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸)及び14種の塩基(水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、L-アルギニン、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、コリン、L-リジン、t-ブチルアミン、エチレンジアミン、アンモニア、ジメチルアミノエタノール、N-メチルグルカミン、トロメタミン、ヒドロキシエチルモルホリン)を選択し、化合物とそれら酸又は塩基が塩形成をするか鋭意検討した結果、化合物は限られた塩基と塩を形成することを見出し、本発明を完成した。
[0006]
 本発明としては、例えば、下記(1)~(22)を挙げることができる。
(1)化合物と、下記()~(d)からなる群から選択される塩基との塩基付加塩(以下、「本発明塩」という。):
 ()t-ブチルアミン、
 ()カリウム、
 (c)ナトリウム、及び
 (d)ジメチルアミノエタノール、
(2)塩基がt-ブチルアミンである、上記(1)の塩基付加塩、
)結晶である、上記(2)の塩基付加塩、
(4)Cu Kα放射線(λ=1.54Å)を用いて得られる粉末X線回折スペクトルにおいて、次の回折角2θ:.2度、9.0度、1.5度、19.4度及び21.0度で回折ピークを示す、上記()の塩基付加塩(以下、「t-ブチルアミン塩のI型結晶」という。)、
(5)塩基がカリウムである、上記(1)の塩基付加塩、
)結晶である、上記(5)の塩基付加塩、
)Cu Kα放射線(λ=1.54Å)を用いて得られる粉末X線回折スペクトルにおいて、次の回折角2θ:4.4度、度、1.1度、20.4度及び21.9度で回折ピークを示す、上記()の塩基付加塩(以下、「カリウム塩のI型結晶」という。)、
)Cu Kα放射線(λ=1.54Å)を用いて得られる粉末X線回折スペクトルにおいて、次の回折角2θ:4.度、.0度、11.度、12.5度及び1度で回折ピークを示す、上記()の塩基付加塩(以下、「カリウム塩のII型結晶」という。)、
(9)Cu Kα放射線(λ=1.54Å)を用いて得られる粉末X線回折スペクトルにおいて、次の回折角2θ:4.5度、.5度、.4度、9.度及び15.2度で回折ピークを示す、上記()の塩基付加塩(以下、「カリウム塩のIII型結晶」という。)、
(10)Cu Kα放射線(λ=1.54Å)を用いて得られる粉末X線回折スペクトルにおいて、次の回折角2θ:4.度、.0度及び9.度で回折ピークを示す、上記()の塩基付加塩(以下、「カリウム塩のVI型結晶」という。)、
(11)塩基がナトリウムである、上記(1)の塩基付加塩、
(12)結晶である、上記(11)の塩基付加塩、
(1)Cu Kα放射線(λ=1.54Å)を用いて得られる粉末X線回折スペクトルにおいて、次の回折角2θ:.5度、12.4度、19.度、20.度及び22.9度で回折ピークを示す、上記(12)の塩基付加塩(以下、「ナトリウム塩のI型結晶」という。)、
(14)Cu Kα放射線(λ=1.54Å)を用いて得られる粉末X線回折スペクトルにおいて、次の回折角2θ:4.度、5.度、.9度、11.2度及び1度で回折ピークを示す、上記(12)の塩基付加塩(以下、「ナトリウム塩のII型結晶」という。)、
(15)Cu Kα放射線(λ=1.54Å)を用いて得られる粉末X線回折スペクトルにおいて、次の回折角2θ:.2度、10.1度、11.0度、1.2度及び2度で回折ピークを示す、上記(12)の塩基付加塩(以下、「ナトリウム塩のIII型結晶」という。)、
(1)Cu Kα放射線(λ=1.54Å)を用いて得られる粉末X線回折スペクトルにおいて、次の回折角2θ:4.度、11.9度、21.1度、21.度及び24.度で回折ピークを示す、上記(12)の塩基付加塩(以下、「ナトリウム塩のIV型結晶」という。)、
(1)Cu Kα放射線(λ=1.54Å)を用いて得られる粉末X線回折スペクトルにおいて、次の回折角2θ:5.度、.1度、10.9度、1.4度及び2.1度で回折ピークを示す、上記(12)の塩基付加塩(以下、「ナトリウム塩のV型結晶」という。)、
(1)塩基がジメチルアミノエタノ-ルである、上記(1)の塩基付加塩、
(19)結晶である、上記(1)の塩基付加塩、
(20)Cu Kα放射線(λ=1.54Å)を用いて得られる粉末X線回折スペクトルにおいて、次の回折角2θ:度、11.4度、1.2度、19.度及び20.度で回折ピークを示す、上記(19)の塩基付加塩(以下、「ジメチルアミノエタノ-ル塩のI型結晶」という。)、
(21)Cu Kα放射線(λ=1.54Å)を用いて得られる粉末X線回折スペクトルにおいて、次の回折角2θ:11.0度、15.4度、1.2度、21.度及び22.4度で回折ピークを示す、上記(19)の塩基付加塩(以下、「ジメチルアミノエタノ-ル塩のII型結晶」という。)、
(22)上記(1)~(21)のいずれかの塩基付加塩を有効成分として含有する医薬組成物(以下、「本発明医薬組成物」という。)。
[0007]
 本発明における回折ピークの回折角2θは、得られた値が当該値±0.2度の範囲内として、好ましくは当該値±0.1度の範囲内として理解されるべきである。

図面の簡単な説明

[0008]
[図1] 粉末X線回折スペクトルを表す。横軸は回折角(2θ[°])を示す。
[図2] 粉末X線回折スペクトルを表す。横軸は回折角(2θ[°])を示す。
[図3] 粉末X線回折スペクトルを表す。横軸は回折角(2θ[°])を示す。
[図4] 粉末X線回折スペクトルを表す。横軸は回折角(2θ[°])を示す。
[図5] 粉末X線回折スペクトルを表す。横軸は回折角(2θ[°])を示す。
[図6] 粉末X線回折スペクトルを表す。横軸は回折角(2θ[°])を示す。
[図7] 粉末X線回折スペクトルを表す。横軸は回折角(2θ[°])を示す。
[図8] 粉末X線回折スペクトルを表す。横軸は回折角(2θ[°])を示す。
[図9] 粉末X線回折スペクトルを表す。横軸は回折角(2θ[°])を示す。
[図10] 粉末X線回折スペクトルを表す。横軸は回折角(2θ[°])を示す。
[図11] 粉末X線回折スペクトルを表す。横軸は回折角(2θ[°])を示す。
[図12] 粉末X線回折スペクトルを表す。横軸は回折角(2θ[°])を示す。

発明を実施するための形態

[0009]
 本発明塩は、化合物と、下記()~(d)からなる群から選択される塩基との塩基付加塩である。
 ()t-ブチルアミン、
 ()カリウム、
 (c)ナトリウム、及び
 (d)ジメチルアミノエタノール。
 また、本発明塩は、無水物、水和物、又は、溶媒和物であってもよい。さらに、本発明塩は結晶であってもよい。
[0010]
 化合物のt-ブチルアミン塩としては、例えば、t-ブチルアミン塩のI型結晶が挙げられる。
 t-ブチルアミン塩のI型結晶は、例えば、後述する実施例1に記載の方法により製造することができる。t-ブチルアミン塩のI型結晶は、Cu Kα放射線(λ=1.54Å)を用いて得られる粉末X線回折スペクトルにおいて、少なくとも.2度、9.0度、1.5度、19.4度及び21.0度の回折角(2θ)で回折ピークを示すことを特徴とする。
[0011]
 化合物のカリウム塩としては、例えば、カリウム塩のI~IV型結晶が挙げられる。
 カリウム塩のI型結晶は、例えば、後述する実施例2に記載の方法により製造することができる。カリウム塩のI型結晶は、Cu Kα放射線(λ=1.54Å)を用いて得られる粉末X線回折スペクトルにおいて、少なくとも4.4度、度、1.1度、20.4度及び21.9度の回折角(2θ)で回折ピークを示すことを特徴とする。
 カリウム塩のII型結晶は、例えば、後述する実施例に記載の方法により製造することができる。カリウム塩のII型結晶は、Cu Kα放射線(λ=1.54Å)を用いて得られる粉末X線回折スペクトルにおいて、少なくとも4.度、.0度、11.度、12.5度及び1度の回折角(2θ)で回折ピークを示すことを特徴とする。
 カリウム塩のIII型結晶は、例えば、後述する実施例4に記載の方法により製造することができる。カリウム塩のIII型結晶は、Cu Kα放射線(λ=1.54Å)を用いて得られる粉末X線回折スペクトルにおいて、少なくとも4.5度、.5度、.4度、9.度及び15.2度の回折角(2θ)で回折ピークを示すことを特徴とする。
 カリウム塩のIV型結晶は、例えば、後述する実施例5に記載の方法により製造することができる。カリウム塩のIV型結晶は、Cu Kα放射線(λ=1.54Å)を用いて得られる粉末X線回折スペクトルにおいて、少なくとも4.度、.0度及び9.度の回折角(2θ)で回折ピークを示すことを特徴とする。
[0012]
 化合物のナトリウム塩としては、例えば、ナトリウム塩のI~V型結晶が挙げられる。
 ナトリウム塩のI型結晶は、例えば、後述する実施例に記載の方法により製造することができる。ナトリウム塩のI型結晶は、Cu Kα放射線(λ=1.54Å)を用いて得られる粉末X線回折スペクトルにおいて、少なくとも.5度、12.4度、19.度、20.度及び22.9度の回折角(2θ)で回折ピークを示すことを特徴とする。
 ナトリウム塩のII型結晶は、例えば、後述する実施例に記載の方法により製造することができる。ナトリウム塩のII型結晶は、Cu Kα放射線(λ=1.54Å)を用いて得られる粉末X線回折スペクトルにおいて、少なくとも4.度、5.度、.9度、11.2度及び1度の回折角(2θ)で回折ピークを示すことを特徴とする。
 ナトリウム塩のIII型結晶は、例えば、後述する実施例に記載の方法により製造することができる。ナトリウム塩のIII型結晶は、Cu Kα放射線(λ=1.54Å)を用いて得られる粉末X線回折スペクトルにおいて、少なくとも.2度、10.1度、11.0度、1.2度及び2度の回折角(2θ)で回折ピークを示すことを特徴とする。
 ナトリウム塩のIV型結晶は、例えば、後述する実施例9に記載の方法により製造することができる。ナトリウム塩のIV型結晶は、Cu Kα放射線(λ=1.54Å)を用いて得られる粉末X線回折スペクトルにおいて、少なくとも4.度、11.9度、21.1度、21.度及び24.度の回折角(2θ)で回折ピークを示すことを特徴とする。
 ナトリウム塩のV型結晶は、例えば、後述する実施例10に記載の方法により製造することができる。ナトリウム塩のV型結晶は、Cu Kα放射線(λ=1.54Å)を用いて得られる粉末X線回折スペクトルにおいて、少なくとも5.度、.1度、10.9度、1.4度及び2.1度の回折角(2θ)で回折ピークを示すことを特徴とする。
[0013]
 化合物のジメチルアミノエタノ-ル塩としては、例えば、ジメチルアミノエタノ-ル塩のI及びII型結晶が挙げられる。
 ジメチルアミノエタノ-ル塩のI型結晶は、例えば、後述する実施例11に記載の方法により製造することができる。ジメチルアミノエタノ-ル塩のI型結晶は、Cu Kα放射線(λ=1.54Å)を用いて得られる粉末X線回折スペクトルにおいて、少なくとも度、11.4度、1.2度、19.度及び20.度の回折角(2θ)で回折ピークを示すことを特徴とする。
 ジメチルアミノエタノ-ル塩のII型結晶は、例えば、後述する実施例12に記載の方法により製造することができる。ジメチルアミノエタノ-ル塩のII型結晶は、Cu Kα放射線(λ=1.54Å)を用いて得られる粉末X線回折スペクトルにおいて、少なくとも11.0度、15.4度、1.2度、21.度及び22.4度の回折角(2θ)で回折ピークを示すことを特徴とする。
[0014]
 吸湿性が改善された医薬品又は医薬品原末は、その保管状態での湿度における保存上及び品質管理上の問題が軽減される。また、錠剤やカプセル剤等の固形製剤を製造する際に、有効成分の重量変化に基づく製剤上の問題が軽減される。
 特に、後述する試験例に示すとおり、t-ブチルアミン塩のI型結晶は高湿度条件下でも極めて安定であるため、安定した保存、容易な品質管理が期待できることから、一定の作用効果が期待できる高品質のものであって、工業的に取り扱いやすい形態のものである。
[0015]
.化合物の製造
 化合物は、例えば、特許文献1に記載の方法により製造することができるが、以下に記載の製法によっても製造することができる。
[化2]



工程1
 -クロロ-2,-ジフェニルピラジンとヨウ化ナトリウムを反応させることにより-ヨード-2,-ジフェニルピラジンを製造することができる。本反応は、酸の存在下に、有機溶媒(例えば、酢酸エチル、アセトニトリル、アセトン、メチルエチルケトン、又はこれらの混合溶媒)中で行われる。使用される酸としては、例えば、酢酸、硫酸、又はこれらの混合酸が挙げられる。ヨウ化ナトリウムの使用量としては、例えば、-クロロ-2,-ジフェニルピラジン1モルに対して1モル~10モルの範囲内が適当であり、好ましくは2倍モル量~倍モル量の範囲内である。反応温度は、使用する原料及び酸の種類によって異なるが、通常0℃~90℃の範囲内で行われる。反応時間は、使用する原料及び酸の種類、反応温度によって異なるが、通常9時間~15時間の範囲内が適当である。

工程2
 -ヨード-2,-ジフェニルピラジンと4-ヒドロキシブチル(イソプロピル)アミンを反応させることにより5,-ジフェニル-2-[4-ヒドロキシブチル(イソプロピル)アミノ]ピラジンを製造することができる。本反応は、塩基の存在下に、有機溶媒(例えば、スルホラン、N-メチルピロリドン、N,N-ジメチルイミダゾリジノン、ジメチルスルホキシド又はこれらの混合溶媒)中で行われる。使用される塩基としては、例えば、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム又はこれらの混合塩基が挙げられる。4-ヒドロキシブチル(イソプロピル)アミンの使用量としては、例えば、-ヨード-2,-ジフェニルピラジン1モルに対して1.5モル~5.0モルの範囲内が適当であり、好ましくは2モル~モルの範囲内である。反応温度は、使用する原料及び塩基の種類によって異なるが、通常10℃~200℃の範囲内で行われる。反応時間は、使用する原料及び塩基の種類、反応温度によって異なるが、通常5時間~9時間の範囲内が適当である。

工程
 5,-ジフェニル-2-[4-ヒドロキシブチル(イソプロピル)アミノ]ピラジンとN-(2-クロロアセチル)-メタンスルホンアミドを反応させることにより化合物を製造することができる。本反応は、塩基存在下に、有機溶媒(N-メチルピロリドン、2-メチル-2-プロパノール又はこれらの混合溶媒)中で行われる。使用される塩基は、例えば、カリウム t-ブトキシド、ナトリウム t-ブトキシド又はこれらの混合塩基が挙げられる。N-(2-クロロアセチル)-メタンスルホンアミドの使用量としては、例えば、5,-ジフェニル-2-[4-ヒドロキシブチル(イソプロピル)アミノ]ピラジン1モルに対して2モル~4モルの範囲内が適当であり、好ましくは2モル~モルの範囲内である。反応温度は、使用する原料及び塩基の種類によって異なるが、通常-20℃~20℃の範囲内で行われる。反応時間は、使用する原料及び塩基の種類、反応温度によって異なるが、通常0.5時間~2時間の範囲内が適当である。

 化合物の上記製法において原料として用いられる各化合物は、公知化合物であるか、又は公知の方法に準じて製造することができる。
[0016]
.本発明塩の製造
 本発明塩は、例えば、次に記載の方法により得ることができる。
 本発明塩は、化合物を適切な溶媒(例えば、エーテル系溶媒(例えば、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン)、エステル系溶媒(例えば、酢酸イソプロピル)、芳香族炭化水素(例えば、トルエン)、アセトニトリル)中に溶解し、所望の塩基を加えた後、必要に応じて、当該混合溶液を濃縮、又は、撹拌下若しくは静置の状態で、室温若しくは冷却下に放置することにより生じた析出物を濾取し、適切な溶媒で洗浄することにより、目的とする本発明塩を得ることができる。なお、冷却する際には、放冷するだけでなく、徐冷又は急冷することが良好な結晶を取得するのに有効な場合がある。また、エーテル系溶媒(例えば、t-ブチルメチルエーテル)、エステル系溶媒(例えば、酢酸エチル)、芳香族炭化水素(例えば、トルエン)を加えて撹拌することが良好な結晶を取得するのに有効な場合がある。

 化合物を溶解するために使用する溶媒の量としては、例えば、化合物1gに対して10ml~00mlの範囲内が適当である。
 本発明塩を製造するために使用する塩基の量としては、例えば、化合物1モルに対して0.5モル~1.2モルの範囲内が適当である。
 また、結晶である本発明塩は、例えば、後述の実施例に記載の方法により得ることができる。
[0017]
C.医薬用途・本発明医薬組成物
 本発明塩又は本発明医薬組成物は、化合物と同様、一過性脳虚血発作(TI)、糖尿病性神経障害、糖尿病性壊疽、末梢循環障害(例えば、慢性動脈閉塞症、間欠性跛行、末梢動脈塞栓症、振動病、レイノー病)、膠原病(例えば、全身性エリテマトーデス、強皮症、混合性結合組織病、血管炎症候群)、経皮的冠動脈形成術(PTCA)後の再閉塞・再狭搾、動脈硬化症、血栓症(例えば、急性期脳血栓症、肺塞栓症)、高血圧、肺高血圧症、虚血性疾患(例えば、脳梗塞、心筋梗塞)、狭心症(例えば、安定狭心症、不安定狭心症)、糸球体腎炎、糖尿病性腎症、慢性腎不全、アレルギー、気管支喘息、潰瘍、蓐瘡(床ずれ)、アテレクトミー及びステント留置などの冠動脈インターベンション後の再狭窄、透析による血小板減少、臓器又は組織の線維化が関与する疾患[例えば、腎臓疾患(例えば、尿細管間質性腎炎)、呼吸器疾患(例えば、間質性肺炎(肺線維症)、慢性閉塞性肺疾患等)、消化器疾患(例えば、肝硬変、ウイルス性肝炎、慢性膵炎、スキルス胃癌)、心血管疾患(例えば、心筋線維症)、骨・関節疾患(例えば、骨髄線維症、関節リウマチ)、皮膚疾患(例えば、手術後の瘢痕、熱傷性瘢痕、ケロイド、肥厚性瘢痕)、産科疾患(例えば、子宮筋腫)、泌尿器疾患(例えば、前立腺肥大症)、その他の疾患(例えば、アルツハイマー病、硬化症腹膜炎、I型糖尿病、手術後臓器癒着)]、勃起不全(例えば、糖尿病性勃起不全、心因性勃起不全、精神病性勃起不全、慢性腎不全による勃起不全、前立腺摘出のための骨盤内手術後の勃起不全、加齢や動脈硬化に伴う血管性勃起不全)、炎症性腸疾患(例えば、潰瘍性大腸炎、クローン病、腸結核、虚血性大腸炎、ベーチェット病に伴う腸潰瘍)、胃炎、胃潰瘍、虚血性眼疾患(例えば、網膜動脈閉塞症、網膜静脈閉塞症、虚血性視神経症)、突発性難聴、無血管性骨壊死、非ステロイド性抗炎症剤(NSAIDs)(例えば、ジクロフェナック、メロキシカム、オキサプロジン、ナブメトン、インドメタシン、イブプロフェン、ケトプロフェン、ナプロキセン、セレコキシブ)投与に伴う腸管傷害(例えば、十二指腸、小腸、大腸で発症する傷害であれば特に制限されないが、例えば、十二指腸、小腸、大腸に生じるびらん等の粘膜傷害や潰瘍)、脊柱管狭窄症(例えば、頚部脊柱管狭窄症、胸部脊柱管狭窄症、腰部脊柱管狭窄症、広範脊柱管狭窄症、仙骨狭窄症)に伴う症状(例えば、麻痺、知覚鈍麻、疼痛、しびれ、歩行能力の低下)の予防剤又は治療剤として有用である。また、本発明塩又は本発明医薬組成物は、遺伝子治療又は自己骨髄細胞移植などの血管新生療法の促進剤、末梢血管再建術又は血管新生療法における血管形成促進剤としても有用である。

 本発明塩を医薬として投与する場合、本発明塩を、そのまま又は医薬的に許容される無毒性かつ不活性の担体中に、例えば、0.001重量%~99.5重量%の範囲内で、好ましくは0.01重量%~90重量%の範囲内で含有するものである。
 上記担体としては、固形、半固形又は液状の希釈剤、充填剤、その他の通常用いられる賦形剤などの助剤を挙げることができる。これらを一種又は二種以上用いることができる。
[0018]
 本発明医薬組成物は、固形又は液状の用量単位で、末剤、カプセル剤、錠剤、糖衣錠、顆粒剤、散剤、懸濁剤、液剤、シロップ剤、エリキシル剤、トローチ剤等の経口投与製剤、注射剤、坐剤等の非経口製剤のいずれの形態をもとることができる。また、徐放性製剤であってもよい。
 末剤は、本発明塩をそのまま、若しくは適当な細かさにすることにより製造することができる。
 散剤は、本発明塩をそのまま、若しくは適当な細かさにし、次いで医薬用担体、例えば、澱粉、マンニトールのような可食性炭水化物と混合することにより製造することができる。任意に風味料、保存剤、分散剤、着色剤、香料等を添加することができる。
 カプセル剤は、まず上述のようにして粉末状の末剤や散剤あるいは錠剤の項で述べるように顆粒化したものを、例えば、ゼラチンカプセル内へ充填することにより製造することができる。
 滑沢剤や流動化剤、例えば、コロイド状のシリカ、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、固形のポリエチレングリコールを粉末状となった末剤や散剤と混合し、その後、充填操作を行うことにより製造することができる。崩壊剤や可溶化剤、例えば、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウムを添加すれば、カプセル剤が摂取されたときに医薬の有効性を改善することができる。また、本発明塩の微粉末を植物油、ポリエチレングリコール、グリセリン、界面活性剤中に懸濁分散し、これをゼラチンシートで包んで軟カプセル剤とすることもできる。
 錠剤は、本発明塩をそのまま、若しくは適当な細かさにして賦形剤を加えて粉末混合物を作り、顆粒化若しくはスラグ化し、次いで崩壊剤又は滑沢剤を加えた後、打錠することにより製造することができる。
 粉末混合物には賦形剤の他、必要に応じて、結合剤(例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール)、溶解遅延化剤(例えば、パラフィン)、再吸収剤(例えば、四級塩)、吸着剤(例えば、ベントナイト、カオリン)等を添加することができる。
 粉末混合物は、まず結合剤(例えば、シロップ、澱粉糊、アラビアゴム、セルロース溶液又は高分子物質溶液等)で湿らせ、攪拌混合、造粒し、これを乾燥、粉砕して顆粒とすることができる。このように粉末を湿式にて顆粒化する代わりに、まず圧縮機にかけた後、得られる不完全な形態のスラグを粉砕して顆粒にすることも可能である。このようにして作られる顆粒に、滑沢剤として、例えば、ステアリン酸、ステアリン酸塩、タルク、ミネラルオイル等を添加して打錠することができる。
 また、錠剤は、上述のような顆粒化工程を経ることなく、本発明塩を流動性の不活性担体と混合した後に直接打錠することによっても製造することができる。
 こうして製造された錠剤にフィルムコーティングや糖衣を施すことができる。シェラックの被膜からなる透明又は半透明の保護被膜、糖や高分子材料の被膜やワックスよりなる艶出し剤等を用いることができる。
 他の経口投与製剤、例えば、液剤、シロップ剤、トローチ剤、エリキシル剤もまたその一定量が本発明塩の一定量を含有するように用量単位形態にすることができる。
 シロップ剤は、本発明塩を適当な香味水溶液に溶解して製造することができる。エリキシル剤は、非毒性のアルコール性担体を用いることにより製造することができる。
 懸濁剤は、本発明塩を非毒性担体中に分散させることより製造することができる。必要に応じて、可溶化剤や乳化剤(例えば、エトキシ化されたイソステアリルアルコール類、ポリオキシエチレンソルビトールエステル類)、保存剤、風味料(例えば、ペパーミント油、サッカリン)等を添加することができる。
 必要であれば、経口投与のための用量単位処方をマイクロカプセル化することができる。当該医薬組成物はまた、被膜を施したり、高分子・ワックス等中に埋め込んだりすることにより作用時間の延長や持続放出をもたらすこともできる。
 非経口投与製剤は、皮下・筋肉又は静脈内注射とした液状用量単位形態、例えば、溶液や懸濁液の形態をとることができる。当該非経口投与製剤は、本発明塩の一定量を、注射の目的に適合する非毒性の液状担体、例えば、水性や油性の媒体に懸濁し又は溶解し、次いで当該懸濁液又は溶液を滅菌することにより製造することができる。また、安定剤、保存剤、乳化剤等を添加することもできる。
 坐剤は、本発明塩を低融点の水に可溶又は不溶の固体、例えば、ポリエチレングリコール、カカオ脂、半合成の油脂[例えば、ウイテプゾール(登録商標)]、高級エステル類(例えば、パルミチン酸ミリスチルエステル)又はそれらの混合物に溶解又は懸濁させて製造することができる。
[0019]
 投与量は、体重、年齢等の患者の状態、投与経路、病気の性質と程度等によって異なるが、一般的には、成人に対して、本発明塩の量として、1日あたり、0.001mg~100mgの範囲内が適当であり、0.01mg~10mgの範囲内が好ましい。
 場合によっては、これ以下で足りるし、また逆にこれ以上の用量を必要とすることもある。また、1日1回から数回の投与又は1日から数日間の間隔で投与することができる。
実施例
[0020]
 以下に、実施例を掲げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
 粉末X線回折スペクトルは、Bruker XS C2 GADDS(ターゲット:Cu,電圧:40kV,電流:40mA,Cu Kα放射線(λ=1.54Å),2次元検出器,有効2θ幅:.2度~29.度,測定時間:120秒,測定誤差:2θ±0.1度)(以下、「装置」という。)、又は(株)リガク RINT-UltimaIII(ターゲット:Cu,電圧:40kV,電流:40mA,Cu Kα放射線(λ=1.54Å),有効2θ幅:4.0度~40.0度,測定時間:540秒,測定誤差:2θ±0.1度)(以下、「R装置」という。)により得た。言うまでもないが、粉末X線回折スペクトルにおける回折角(2θ)は、機器によって、あるいはサンプルによって僅かに変わることがある。したがって、回折角(2θ)の値は絶対的な値と解釈すべきではない。
 また、吸熱ピークは、示差走査熱量測定装置:DSC-50(島津製作所社製)を用いて以下の条件で測定した。
 昇温速度:10℃/分
 雰囲気:窒素
 測定温度範囲:0~00℃
 セル:アルミニウム シールセル
 吸熱ピークは、測定試料により些少の変動があるものの、得られた値が当該値±2度の範囲内として、好ましくは当該値±1度の範囲内として理解されるべきである。
  H-NMRスペクトルは、Bruker DRX400により得た。

 なお、以下の実施例において使用した化合物H-NMRスペクトルデータは、以下の通りである。

H-NMR(DMSO-d ):δ11.(s,1H),.14(s,1H),.1.40(m,10H),4.-4.2(m,1H),4.04(s,2H),.50(t,2H),.45(t,2H),4(s,H),1.55-1.0(m,4H),1.2(d,H)
[0021]
 本発明者らは、化合物のpKa及び医薬上の使用可能性を考慮し選択した塩基(水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、L-アルギニン、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、コリン、L-リジン、t-ブチルアミン、エチレンジアミン、アンモニア、ジメチルアミノエタノール、N-メチルグルカミン、トロメタミン、ヒドロキシエチルモルホリン)を用いて、化合物と塩を形成するかを種々の溶媒、温度、析出条件等を鋭意検討した。その結果、以下の実施例1~12に示す、化合物の塩基付加塩が見出された。
[0022]
実施例1  t-ブチルアミン塩のI型結晶
 化合物(40mg)を0.5mLのジメトキシエタン(以下、「DME」という。)に溶解し、t-ブチルアミン(1.1等量)を加え、25℃で1時間撹拌した。その後、反応溶液にt-ブチルメチルエーテル(1mL)を添加し、-20℃で時間保持した。生じた析出結晶をろ取し、減圧下、乾燥して、t-ブチルアミン塩のI型結晶(9.9mg)を得た。装置を用いて得られたt-ブチルアミン塩のI型結晶の粉末X線回折スペクトルを図1に示す。
 融点:152.5℃
 元素分析値 (C S+0.0Oとして)
 計算値(%) C:.1 H:1 N:12.2
 実測値(%) C:2.5 H:4 N:12.52
H-NMR(DMSO-d ):δ.15(s,1H),.55-0(m,2H),.10-.45(m,10H),4.0-4.5(m,1H),(s,2H),.4(t,2H),.45(t,2H),2.(s,H),1.50-1.5(m,4H),1.2(s,9H),1.22(d,H)
[0023]
実施例2  カリウム塩のI型結晶
 化合物(40mg)を12mLのテトラヒドロフラン(以下、「THF」という。)に溶解し、0.1M 水酸化カリウム水溶液(1.1等量)を加え、40℃で15分間加熱撹拌した。その後、減圧下、溶媒を留去した。残渣に酢酸エチル(200μL)を加えた。該混合物を振とうしながら50℃まで加熱し時間かけて25℃まで放冷した。この工程をさらに2回繰り返した後、-20℃で時間保持した。生じた析出結晶をろ取し、減圧下、乾燥して、カリウム塩のI型結晶を得た。装置を用いて得られたカリウム塩のI型結晶の粉末X線回折スペクトルを図2に示す。
H-NMR(DMSO-d ):δ.14(s,1H),.1(m,10H),4.2-4.4(m,1H),5(s,2H),.4(t,2H),.45(t,2H),2.2(s,H),1.55-1.0(m,4H),1.2(d,H)
[0024]
実施例  カリウム塩のII型結晶
 化合物(40mg)を12mLのTHFに溶解し、0.1M 水酸化カリウム水溶液(1.1等量)を加え、40℃で15分間加熱撹拌した。その後、減圧下、溶媒を留去した。残渣に酢酸エチル(200μL)を加えた。該混合物を振とうしながら50℃まで加熱し時間かけて25℃まで放冷した。この操作をさらに2回繰り返した後、-20℃で時間保持した。生じた析出結晶をろ取し、減圧下、乾燥した後、40℃、相対湿度5%の恒温恒湿器中に日間放置し、カリウム塩のII型結晶を得た。装置を用いて得られたカリウム塩のII型結晶の粉末X線回折スペクトルを図に示す。
[0025]
実施例4  カリウム塩のIII型結晶
 化合物(100mg)にアセトニトリル(1mL)を加えて、加熱しながら撹拌し、化合物を溶解した後、20℃まで冷却した。溶液に.5M 水酸化カリウム/エタノール溶液(1.1等量)を加え、20℃で200分間撹拌した。該混合物を撹拌しながら0℃まで加熱し1時間撹拌後、10時間かけて10℃まで冷却した。さらに該混合物を加熱しながら0℃まで加熱し、t-ブチルメチルエーテル(0.mL)を添加後、10時間かけて20℃まで冷却した。生じた析出結晶をろ取し、減圧下、乾燥して、カリウム塩のIII型結晶(5mg)を得た。R装置を用いて得られたカリウム塩のIII型結晶の粉末X線回折スペクトルを図4に示す。また、示差走査熱量測定において、約4℃付近に吸熱ピークが観測された。
 元素分析値 (C SK+0.Oとして)
 計算値(%) C:5.91 H:5.9 N:10.21
 実測値(%) C:51 H:5.55 N:10.
[0026]
実施例5  カリウム塩のIV型結晶
 化合物(50mg)に酢酸エチル(1mL)を加えて、加熱しながら撹拌し、化合物を溶解した後、20℃まで冷却した。溶液に.5M 水酸化カリウム/エタノール溶液(2.2等量)を加え、20℃で2時間撹拌した。生じた析出結晶をろ取し、減圧下、乾燥して、カリウム塩のIV型結晶(41mg)を得た。R装置を用いて得られたカリウム塩のIV型結晶の粉末X線回折スペクトルを図5に示す。また、示差走査熱量測定において、約91℃付近に吸熱ピークが観測された。
[0027]
実施例  ナトリウム塩のI型結晶
 化合物(40mg)を12mLのアセトニトリルに溶解し、0.1M 水酸ナトリウム水溶液(1.1等量)を加え、40℃で15分間加熱撹拌した。その後、減圧下、溶媒を留去した。残渣にt-ブチルメチルエーテル(400μL)を加えた。該混合物を振とうしながら50℃まで加熱し時間かけて25℃まで放冷した後、該混合物を50℃まで加熱し時間かけて25℃まで放冷した。さらに、該混合物を50℃まで加熱し2時間放冷した。生じた析出結晶をろ取し、減圧下、乾燥して、ナトリウム塩のI型結晶(19.92mg)を得た。装置を用いて得られたナトリウム塩のI型結晶の粉末X線回折スペクトルを図に示す。また、示差走査熱量測定において、約9℃付近に吸熱ピークが観測された。
H-NMR(DMSO-d ):δ.14(s,1H),.1.40(m,10H),4.2-4.5(m,1H),(s,2H),.4(t,2H),.45(t,2H),2.2(s,H),1.55-1.2(m,4H),1.2(d,H)
[0028]
実施例  ナトリウム塩のII型結晶
 化合物(40mg)を12mLのTHFに溶解し、0.1M 水酸ナトリウム水溶液(1.1等量)を加え、40℃で15分間加熱撹拌した。その後、減圧下、溶媒を留去した。残渣にトルエン(200μL)を加えた。該混合物を振とうしながら50℃まで加熱し時間かけて25℃まで放冷した。この操作をさらに2回繰り返した後、-20℃で時間保持した。生じた析出結晶をろ取し、減圧下、乾燥して、ナトリウム塩のII型結晶を得た。装置を用いて得られたナトリウム塩のII型結晶の粉末X線回折スペクトルを図に示す。また、示差走査熱量測定において、約℃付近に吸熱ピークが観測された。
H-NMR(DMSO-d ):δ.15(s,1H),.10-.41(m,10H),4.4-4.5(m,1H),(s,2H),.4(t,2H),.4(t,2H),2.2(s,H),1.55-1.2(m,4H),1.2(d,H)
[0029]
実施例  ナトリウム塩のIII型結晶
 化合物(40mg)を12mLのTHFに溶解し、0.1M 水酸ナトリウム水溶液(1.1等量)を加え、40℃で15分間加熱撹拌した。その後、減圧下、溶媒を留去した。残渣にトルエン(200μL)を加えた。該混合物を振とうしながら50℃まで加熱し時間かけて25℃まで放冷した。この操作をさらに2回繰り返した後、-20℃で時間保持した。生じた析出結晶をろ取し、減圧下、乾燥した後、40℃、相対湿度5%の恒温恒湿器中に日間放置し、ナトリウム塩のIII型結晶を得た。装置を用いて得られたナトリウム塩のIII型結晶の粉末X線回折スペクトルを図に示す。
[0030]
実施例9  ナトリウム塩のIV型結晶
 化合物(40mg)を12mLのTHFに溶解し、0.1M 水酸ナトリウム水溶液(1.1等量)を加え、40℃で15分間加熱撹拌した。その後、減圧下、溶媒を留去した。残渣にトルエン(200μL)を加えた。該混合物を振とうしながら50℃まで加熱し時間かけて25℃まで放冷した。この操作をさらに2回繰り返した後、-20℃で時間保持した。生じた析出結晶をろ取し、減圧下、乾燥した後、40℃、相対湿度5%の恒温恒湿器中に日間放置し、ナトリウム塩のIV型結晶を得た。装置を用いて得られたナトリウム塩のIV型結晶の粉末X線回折スペクトルを図9に示す。
[0031]
実施例10  ナトリウム塩のV型結晶
 化合物(50mg)にトルエン(1mL)を加えて、加熱しながら撹拌し、化合物を溶解した後、20℃まで冷却した。溶液に.5M 水酸化ナトリウム/エタノール溶液(1.1等量)を加え、ナトリウム塩のIV型結晶を少量添加した後、20℃で1時間撹拌した。その後、減圧下、溶媒を留去した。残渣にトルエン(0.5mL)を加えた後、20℃で1時間0分撹拌した。生じた析出結晶をろ取し、減圧下、乾燥して、ナトリウム塩のV型結晶(5mg)を得た。R装置を用いて得られたナトリウム塩のV型結晶の粉末X線回折スペクトルを図10に示す。
 元素分析値 (C SNaとして)
 計算値(%) C:0.22 H:.02 N:10.
 実測値(%) C:0. H:5.9 N:10.22
[0032]
実施例11  ジメチルアミノエタノール塩のI型結晶
 化合物(40mg)を0.5mLのDMEに溶解し、ジメチルアミノエタノール(1.1等量)を加え、25℃で1時間撹拌した。その後、反応溶液にt-ブチルメチルエーテル(1mL)を添加し、-20℃で時間保持した。生じた析出結晶をろ取し、減圧下、乾燥して、ジメチルアミノエタノール塩のI型結晶(0.09mg)を得た。装置を用いて得られたジメチルアミノエタノール塩のI型結晶のX線粉末回折スペクトルを図11に示す。
H-NMR(DMSO-d ):δ.14(s,1H),.15-5(m,10H),5.05-5.20(brs,1H),4.2-4.5(m,1H),5(s,2H),4(t,2H),.4(t,2H),.45(t,2H),2.9(t,2H),2.5(s,H),2.4(s,H),1.55-1.0(m,4H),1.2(d,H)
[0033]
実施例12  ジメチルアミノエタノール塩のII型結晶
 化合物(40mg)を0.5mLのDMEに溶解し、ジメチルアミノエタノール(1.1等量)を加え、25℃で1時間撹拌した。その後、反応溶液にt-ブチルメチルエーテル(1mL)を添加し、-20℃で時間保持した。生じた析出結晶をろ取し、減圧下、乾燥した後、40℃、相対湿度5%の恒温恒湿器中に日間放置し、ジメチルアミノエタノール塩のII型結晶を得た。装置を用いて得られたジメチルアミノエタノール塩のII型結晶の粉末X線回折スペクトルを図12に示す。また、示差走査熱量測定において、約125℃付近に吸熱ピークが観測された。
 元素分析値 (C S+0.05H Oとして)
 計算値(%) C:1.42 H:.40 N:11.94
 実測値(%) C:1.92 H:.99 N:11.
[0034]
試験例1  化合物の酸付加塩形成に関する検討
 本発明者らは、また、化合物のpKa及び医薬上の使用可能性を考慮し選択した酸(塩化水素、硫酸、p-トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸)を用いて、化合物と塩を形成するかを以下の方法で検討した。
 化合物(15mg)をTHF(150μL)又はアセトニトリル(150μL)に溶解し、化合物に対して1.1当量の酸を加えて、室温下で1時間攪拌した。その後、-20℃まで1時間かけて冷却し、4時間かけてゆっくり溶媒を留去した。さらに、25度で減圧乾燥し、残渣を得た。得られた残渣について、 H-NMR及びHPLCによる構造解析を行い、化合物の酸付加塩が形成しているかどうかを確認した。

 HPLC(逆相液体クロマトグラフィー)の測定条件は、以下の通りである。

(測定条件)
HPLC装置:
  検出器:紫外吸光光度計
  カラム:ODSカラム
  カラム温度:40℃
  移動相:アセトニトリル/0.1%リン酸水溶液/1M n-プロピルスルホン酸ナトリウム(500/500/1)

 上記検討を行なったが、化合物の酸付加塩を形成したものはなかった。
[0035]
試験例2  本発明塩の高湿度条件下での安定性に関する検討
 t-ブチルアミン塩、ジメチルアミノエタノール塩、カリウム塩、及びナトリウム塩の高湿度条件下における安定性を検討するため、40℃、相対湿度5%の恒温恒湿器中に日間~日間放置した。
 放置後、結晶として得られたものについては、粉末X線回折装置(装置)による構造解析を行い、該結晶の結晶形を確認した。その結果を表1に示す。

[表1]


請求の範囲

[請求項1]
2-{4-[N-(5,-ジフェニルピラジン-2-イル)-N-イソプロピルアミノ]ブチルオキシ}-N-(メチルスルホニル)アセトアミドと、下記()~(d)からなる群から選択される塩基との塩基付加塩:
 ()t-ブチルアミン、
 ()カリウム、
 (c)ナトリウム、及び
 (d)ジメチルアミノエタノール。
[請求項2]
塩基がt-ブチルアミンである、請求項1記載の塩基付加塩。
[請求項3]
結晶である、請求項2記載の塩基付加塩。
[請求項4]
Cu Kα放射線(λ=1.54Å)を用いて得られる粉末X線回折スペクトルにおいて、次の回折角2θ:.2度、9.0度、1.5度、19.4度及び21.0度で回折ピークを示す、請求項に記載の塩基付加塩。
[請求項5]
塩基がカリウムである、請求項1記載の塩基付加塩。
[請求項6]
結晶である、請求項5記載の塩基付加塩。
[請求項7]
Cu Kα放射線(λ=1.54Å)を用いて得られる粉末X線回折スペクトルにおいて、次の回折角2θ:4.4度、度、1.1度、20.4度及び21.9度で回折ピークを示す、請求項に記載の塩基付加塩。
[請求項8]
Cu Kα放射線(λ=1.54Å)を用いて得られる粉末X線回折スペクトルにおいて、少なくとも4.度、.0度、11.度、12.5度及び1度の回折角(2θ)に回折ピークを示す、請求項に記載の塩基付加塩。
[請求項9]
Cu Kα放射線(λ=1.54Å)を用いて得られる粉末X線回折スペクトルにおいて、次の回折角2θ:4.5度、.5度、.4度、9.度及び15.2度で回折ピークを示す、請求項に記載の塩基付加塩。
[請求項10]
Cu Kα放射線(λ=1.54Å)を用いて得られる粉末X線回折スペクトルにおいて、次の回折角2θ:4.度、.0度及び9.度で回折ピークを示す、請求項に記載の塩基付加塩。
[請求項11]
塩基がナトリウムである、請求項1記載の塩基付加塩。
[請求項12]
結晶である、請求項11記載の塩基付加塩。
[請求項13]
Cu Kα放射線(λ=1.54Å)を用いて得られる粉末X線回折スペクトルにおいて、次の回折角2θ:.5度、12.4度、19.度、20.度及び22.9度で回折ピークを示す、請求項12に記載の塩基付加塩。
[請求項14]
Cu Kα放射線(λ=1.54Å)を用いて得られる粉末X線回折スペクトルにおいて、次の回折角2θ:4.度、5.度、.9度、11.2度及び1度で回折ピークを示す、請求項12に記載の塩基付加塩。
[請求項15]
Cu Kα放射線(λ=1.54Å)を用いて得られる粉末X線回折スペクトルにおいて、次の回折角2θ:.2度、10.1度、11.0度、1.2度及び2度で回折ピークを示す、請求項12に記載の塩基付加塩。
[請求項16]
Cu Kα放射線(λ=1.54Å)を用いて得られる粉末X線回折スペクトルにおいて、次の回折角2θ:4.度、11.9度、21.1度、21.度及び24.度で回折ピークを示す、請求項12に記載の塩基付加塩。
[請求項17]
Cu Kα放射線(λ=1.54Å)を用いて得られる粉末X線回折スペクトルにおいて、次の回折角2θ:5.度、.1度、10.9度、1.4度及び2.1度で回折ピークを示す、請求項12に記載の塩基付加塩。
[請求項18]
塩基がジメチルアミノエタノールである、請求項1記載の塩基付加塩。
[請求項19]
結晶である、請求項1記載の塩基付加塩。
[請求項20]
Cu Kα放射線(λ=1.54Å)を用いて得られる粉末X線回折スペクトルにおいて、次の回折角2θ:度、11.4度、1.2度、19.度及び20.度で回折ピークを示す、請求項19に記載の塩基付加塩。
[請求項21]
Cu Kα放射線(λ=1.54Å)を用いて得られる粉末X線回折スペクトルにおいて、次の回折角2θ:11.0度、15.4度、1.2度、21.度及び22.4度で回折ピークを示す、請求項19に記載の塩基付加塩。
[請求項22]
請求項1~21のいずれかに記載の塩基付加塩を有効成分として含有する医薬組成物。
[請求項23]
請求項1~21のいずれかに記載の塩基付加塩を有効成分として含有するPGI2受容体作動剤。
[請求項24]
請求項1~21のいずれかに記載の塩基付加塩を有効成分として含有する、一過性脳虚血発作、糖尿病性神経障害、糖尿病性壊疽、末梢循環障害、膠原病、経皮的冠動脈形成術(PTCA)後の再閉塞・再狭搾、動脈硬化症、血栓症、高血圧、肺高血圧症、虚血性疾患、狭心症、糸球体腎炎、糖尿病性腎症、慢性腎不全、アレルギー、気管支喘息、潰瘍、蓐瘡(床ずれ)、アテレクトミー及びステント留置などの冠動脈インターベンション後の再狭窄、透析による血小板減少、臓器又は組織の線維化が関与する疾患、勃起不全、炎症性腸疾患、胃炎、胃潰瘍、虚血性眼疾患、突発性難聴、無血管性骨壊死、非ステロイド性抗炎症剤(NSAIDs)投与に伴う腸管傷害、脊柱管狭窄症に伴う症状の予防剤又は治療剤。
[請求項25]
請求項1~21のいずれかに記載の塩基付加塩を有効成分として含有する、遺伝子治療又は自己骨髄細胞移植における血管新生療法の促進剤。
[請求項26]
請求項1~21のいずれかに記載の塩基付加塩を有効成分として含有する、末梢血管再建術若しくは血管新生療法における血管形成促進剤。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]